WO2022080047A1 - フェイスシールド - Google Patents

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学 八箇
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真一 稲毛
富士雄 赤木
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Abstract

装着者の頭部に装着されるフェイスシールドであって、前記装着者の顔面の少なくとも一部に対向して配置されるシールド本体と、前記シールド本体を前記頭部の定位置に保持するシールド支持部と、前記シールド本体の上部に設けられると共に、前記シールド本体の面外方向に突出している上部巻き込み規制部と、前記シールド本体の前記上部とは反対側である下部に設けられると共に、前記シールド本体の面外方向に突出している下部巻き込み規制部と、を備えているフェイスシールド。

Description

フェイスシールド
 本開示は、有害なウイルス、塵埃等を含む気流から人体、特に顔面を保護する目的で使用されるフェイスシールドに関する。
 有害なウイルス、塵埃等を含む気流から人体、特に顔面を保護する目的で使用される感染防止装置が知られている(特許文献1~7参照)。この種の感染防止装置において、特に、フェイスシールドは、装着も簡単で、機能性に優れ、様々な場面で便利に使用することができる。フェイスシールドは、顔面の少なくとも一部を正面から覆うシールド本体を備えており、シールド本体を頭部の定位置に保持する支持部を備えている。フェイスシールドで顔面を覆うことで、例えば、患者が会話やくしゃみ等によってウイルスを含む飛沫物を飛翔させた場合に、それら飛沫をフェイスシールドで防ぐ事ができる。その結果、有害なウイルスがフェイスシールドの装着者の人体に及ぼす影響を抑制できる。また、この種のフェイスシールドにおいて、簡易な構造を実現しつつ、装着者の呼吸を楽にするために、シールド本体の上部と下部とが開放された形態が使用されることがある。
特開2011-087690号公報 特開2011-041686号公報 特開2002-017879号公報 特表2010-500127号公報 特表2002-509198号公報 特表2001-514948号公報 特表平07-509635号公報
 上部と下部とが開放されたフェイスシールドにおいて、有害なウイルスを含んだ飛沫や塵埃等を含む気流の進入を、より効果的に防止するためには、更なる工夫や改良が必要であった。
 本開示は、有害なウイルスを含んだ飛沫や塵埃等を含む気流の進入を効果的に防止できるフェイスシールドを提供することを目的とする。
 発明者らは、従来のフェイスシールドでは、外部からの気流の一部が内側に進入してくる可能性があるとの知見を得た。具体的には、従来のフェイスシールドを用いて、流れの数値シミュレーションを行ったところ、外部からの気流が、フェイスシールドの上端縁及び下端縁から巻き込まれるようにして、内側に進入してしまうことを確認した。そこで、発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討を進め、本開示に想到した。
 本開示は、装着者の頭部に装着されるフェイスシールドである。フェイスシールドは、装着者の顔面の少なくとも一部に対向して配置されるシールド本体と、シールド本体を頭部の定位置に保持するシールド支持部と、シールド本体の上部に設けられると共に、シールド本体の面外方向に突出している上部巻き込み規制部と、シールド本体の上部とは反対側である下部に設けられると共に、シールド本体の面外方向に突出している下部巻き込み規制部と、を備えている。
 本開示によれば、シールド本体の上部の外縁で巻き込まれる可能性のある気流の流れは上部巻き込み規制部の干渉を受け、内側に進入し難くなる。また、シールド本体の下部の外縁で巻き込まれる可能性のある気流の流れは下部巻き込み規制部の干渉を受け、内側に進入し難くなる。その結果、有害なウイルスを含んだ飛沫や塵埃等を含む気流の進入を効果的に防止することができる。
 このフェイスシールドにおいて、シールド本体の上部は、上方の外縁である上端縁を備え、下部は、下方の外縁である下端縁を備えていてもよい。上部巻き込み規制部は上端縁に沿うように設けられており、下部巻き込み規制部は下端縁に沿うように設けられていてもよい。上部巻き込み規制部により、上端縁で発生する可能性のある気流の巻き込みを効果的に防止することができる。また、下部巻き込み規制部により、下端縁で発生する可能性のある気流の巻き込みを効果的に防止することができる。
 このフェイスシールドにおいて、シールド本体は、顔面に対面する側のシールド内面と、シールド内面に対して反対側のシールド外面、とを備えていてもよい。上部巻き込み規制部は、シールド外面から突出するように設けられており、下部巻き込み規制部は、シールド内面から突出するように設けられていてもよい。上部巻き込み規制部をシールド外面に設けることで、気流が上端縁に到達する前に流れを遮ることができる。また、下部巻き込み規制部をシールド内面に設けることで、装着者の作業時の視界に入り難くなるため、作業性の向上に有利になる。
 このフェイスシールドにおいて、シールド本体は可撓性を有し、上部巻き込み規制部は、シールド外面が凸曲面となるような湾曲状態でシールド本体を保持していてもよい。シールド本体の湾曲を維持するために要する他の構造物の簡略化、あるいは省略が可能になる。
 このフェイスシールドにおいて、上部巻き込み規制部は、シールド外面から突出すると共に、シールド本体の上端縁から離間しており、シールド本体は、上部巻き込み規制部から上端縁に至る上部延長部を備えていてもよい。上部巻き込み規制部を乗り越える気流の流れが存在しても、上部延長部によって遮ることができ、内側への進入を、より効果的に防止できる。
 このフェイスシールドにおいて、下部巻き込み規制部は、下端縁に沿ってシールド内面から突出した内方突出部と、内方突出部から屈曲し、内方突出部を基準にして主シールド部とは反対側に突出した屈曲部とを備えていてもよい。上部延長部の上下方向の幅をL1、上部巻き込み規制部の突出方向の幅をL2とした場合に、上部延長部の幅に対する上部巻き込み規制部の幅の比であるL2/L1は0.5以上であるようにしてもよい。内方突出部の突出方向の幅をL3、屈曲部の突出方向の幅をL4とした場合に、内方突出部の幅に対する屈曲部の幅の比であるL4/L3は0.5以上であるようにしてもよい。これらの条件を満たす上部延長部及び屈曲部により、気流の内側への進入を、より効果的に防止できる。
 このフェイスシールドにおいて、上部延長部は、主シールド部の延長面に対して傾斜しており、上部延長部の傾斜角度は、20度以下であるようにしてもよい。フェイスシールドを頭部に装着した場合に、例えば、頭部の湾曲に沿うように上部延長部を傾斜させると、フェイスシールドを装着した際のフィット感が向上する。一方で、傾斜角度が大きくなれば気流が乗り越え易くなるところ、傾斜角度が20度以下であれば、気流の乗り越えを効果的に防止できる。
 このフェイスシールドにおいて、下部巻き込み規制部は、下端縁に沿ってシールド内面から突出した内方突出部と、内方突出部から屈曲し、内方突出部を基準にして主シールド部とは反対側に突出した屈曲部とを備えていてもよい。屈曲部は、主シールド部に平行な仮想の基準面に対して傾斜しており、屈曲部の傾斜角度は、20度以下であるようにしてもよい。屈曲部の傾斜角度を20度以下にすることで、例えば、フェイスシールドを頭部に装着した場合のフィット感の向上と、屈曲部に対する気流の乗り越えの防止とを両立できる。
 このフェイスシールドにおいて、シールド本体は、上部巻き込み規制部と下部巻き込み規制部との間の主シールド部を備え、顔面に対面する側のシールド内面において、主シールド部側の内方及びその内方とは反対側の外方の少なくとも一方に向けて空気を吹き出す調和空気噴射部を更に備えていてもよい。
 このフェイスシールドにおいて、調和空気噴射部から吹き出される空気の吹き出し速度は、10cm/sec以上であってもよい。
 本開示によれば、有害なウイルスを含んだ飛沫や塵埃等を含む気流の進入を効果的に防止できる。
図1は、実施形態に係るフェイスシールドを示し、装着者に装着された状態を示す側面図である。 図2は、実施形態に係るフェイスシールドを正面側から見た斜視図である。 図3は、実施形態に係るフェイスシールドを背面側から見た斜視図である。 図4は、実施形態に係るフェイスシールドの上面図である。 図5は、図4のV-V線に沿った断面図である。 図6は、くしゃみに起因して生じる気流の流れを示し、実施形態に係るフェイスシールド近傍の流れの数値シミュレーション結果を示す図である。 図7は、比較形態に係るフェイスシールドにおける気流の巻き込み量と、実施形態に係る気流の巻き込み量とを比較して示すグラフである。 図8は、比較形態に係るフェイスシールドにおける気流の巻き込み量と、変形例に係る気流の巻き込み量とを比較して示すグラフである。 図9は、第2の実施形態に係るフェイスシールドを背面側から見た斜視図である。 図10は、第3の実施形態に係るフェイスシールドを背面側から見た斜視図である。 図11は、第4の実施形態に係るフェイスシールドの側面図である。 図12は、第5の実施形態に係るフェイスシールドを背面側から見た斜視図である。 図13は、比較形態に係るフェイスシールドの斜視図である。 図14は、比較形態に係るフェイスシールドに対し、くしゃみに起因して生じる気流の流れを示す数値シミュレーションの結果を示す図である。 図15は、くしゃみに起因して生じる気流の流れを示し、比較形態に係るフェイスシールド近傍の流れの数値シミュレーション結果を示す図である。
 本開示の実施形態に係るフェイスシールドについて説明する。フェイスシールドは、有害なウイルス、塵埃等を含む気流から人体、特に顔面を保護する目的で使用される。フェイスシールドは、様々な処置を施したり、作業を行ったりする人物(以下、「装着者」と称する)の頭部に装着される。なお、以下の説明では、フェイスシールドを頭部に装着した状態を基準にし、顔面の額側を「上」として説明し、下顎先側を「下」として説明し、「上」から「下」、あるいは「下」から「上」に向く方向を「上下方向」として説明する。また、上下方向に対して直交する方向を基準にした交差方向は、横方向として説明する。
 図1に示されるように、第1の実施形態に係るフェイスシールド1Aは、装着者Pの顔面Fに対向して配置されるシールド本体2と、シールド本体2を頭部Heの定位置に保持するシールド支持部3と、を備えている。シールド支持部3は、シールド本体2が顔面Fに対向する定位置に安定して保持される形態であれば、様々な形態を採用することができる。例えば、シールド支持部3は、頭部Heに巻かれるように装着されるベルト状の部材や、頭部Heの側面を挟み付けるように装着されるメガネのフレーム状の部材などを任意に採用できる。本実施形態では、一例としてベルト状のシールド支持部3を説明している。
 シールド本体2は、少なくとも顔面Fの一部、特に、口や鼻孔を覆うことができる形状やサイズであればよく、様々な形態を採用できる。本実施形態では、顔面Fの全体を覆うことができるサイズのシールド本体2を例示して説明する。シールド本体2は、装着者Pの視界を確保するために無色透明なプレート状を基本とし、使用態様によっては様々な色付きの透明、あるいは半透明であってもよい。
 図2、図3、図4、及び図5に示されるように、シールド本体2は、上下方向で縦長の略矩形であり、顔面Fに対面する側のシールド内面2aと、シールド内面2aとは反対側となるシールド外面2bとを備えている。シールド本体2は、顔面Fの横方向に沿った形状に倣うように湾曲している。具体的には、シールド内面2aが凹曲面、シールド外面2bが凸曲面となるように湾曲している。つまり、シールド本体2を平面視した(上方から見た)場合に(図4参照)、曲率中心がシールド外面2b側ではなく、シールド内面2a側に規定されるように湾曲している。
 本実施形態に係るシールド本体2は可撓性を有しており、シールド本体2の湾曲は、シールド本体2の上部20aに設けられた湾曲形成部4によって形成されている。湾曲形成部4は、所定の湾曲形状を形成するための円弧部を備えている。シールド本体2は円弧部に一体化し、その結果、シールド本体2には、円弧部に倣うような所定の湾曲が形成されている。
 シールド本体2の外縁は、上方の上端縁2x、下方の下端縁2y、及び左右の側端縁2zによって形成されている。本実施形態に係る上端縁2xは横方向に延在し、正面から見て直線状を呈する。上端縁2xは、例えば、正面から見て屈曲形状、湾曲形状、波状、または鋸刃状等であっても良い。また、本実施形態に係る下端縁2yは横方向に延在し、中央部分が正面から見て直線状を呈し、両端が湾曲した形状である。下端縁2yは、直線状、屈曲形状、波状、または鋸刃状等であっても良い。
 フェイスシールド1Aは、シールド本体2の上部20aに配置された庇部5Aと、上部20aとは反対側である下部20bに配置された折り返し部6Aと、を備えている。シールド本体2の上部20aとは、シールド本体2を上下方向の長さが均等になるように二分割したと仮定した場合の上側の部分であり、下部20bとは下側の部分を意図する。上部20aは上端縁2xを含んでおり、下部20bは下端縁2yを含んでいる。換言すると、シールド本体2において下端縁2yよりも上端縁2xの方が近くなる領域は上部20aであり、上端縁2xよりも下端縁2yの方が近くなる領域は下部20bである。
 庇部5Aは、上端縁2xに沿うように設けられており、折り返し部6Aは、下端縁2yに沿うように設けられている。ここで、上端縁2xに沿うという意味は、上端縁2xに並んで設けられていることを意味しており、上端縁2xから離間することなく一致している形態、及び上端縁2xから離間した状態で延在している形態の両方を含む。また、下端縁2yに沿うという意味は、下端縁2yに並んで設けられていることを意味しており、下端縁2yから離間することなく一致している形態、及び下端縁2yから離間した状態で延在している形態の両方を含む。本実施形態に係る庇部5Aは、上端縁2xから離間して延在している上部巻き込み規制部の一例であり、折り返し部6Aは、下端縁2yに一致している下部巻き込み規制部の一例である。
 シールド本体2は、庇部5Aと折り返し部6Aとの間に主シールド部21を備えている。また、シールド本体2は、上端縁2xと庇部5Aとの間の領域であり、庇部5Aから上端縁2xに至る上部延長部22を備えている。
 庇部5Aは、シールド本体2の面外方向に突出するように設けられている。シールド本体2の面外方向に突出するとは、シールド外面2bの法線方向に向けて突出している形態、及びシールド内面2aの法線方向に向けて突出している形態の両方を意図している。さらに、突出方向は、シールド外面2bに直交する方向のみならず、シールド内面2aに直交する方向に対して傾斜する方向も含まれる。本実施形態に係る庇部5Aは、シールド外面2bから突出するように設けられている。
 折り返し部6Aは、シールド本体2の面外方向に突出するように設けられている。シールド本体2の面外方向に突出するとは、シールド内面2aの法線方向に向けて突出している形態、及びシールド外面2bの法線方向に向けて突出している形態の両方を意図している。さらに、突出方向は、シールド外面2bに直交する方向のみならず、シールド内面2aに直交する方向に対して傾斜する方向も含まれる。本実施形態に係る折り返し部6Aは、シールド内面2aから突出するように設けられている。
 折り返し部6Aは、シールド本体2の下端縁2yで折り返されるように設けられ、シールド内面2aから突出した内方突出部61と、内方突出部61の先端側で再度、折り返されるように屈曲している屈曲部62とを備えている。屈曲部62は、内方突出部61から下方に向けて突出している。つまり、屈曲部62は、内方突出部61を基準にして主シールド部21とは反対側に突出するように設けられている。
 なお、本実施形態では、折り返し部6Aが下部巻き込み規制部として機能しており、下端縁2yと折り返し部6Aとの間にシールド本体2の延長部は存在しない。しかしながら、折り返し部6Aの代わりに、下端部から離間した状態で、下端部に沿うように延在する張り出し部(下部巻き込み規制部の一例)を設け、張り出し部から下端部に至る下部延長部を設けるようにしてもよい。この場合、張り出し部は、シールド内面2aから面外方向に突出するように設けてもよいし、シールド外面2bから面外方向に突出するように設けてもよい。
 フェイスシールド1Aにおいて、特にシールド本体2の材料として、透明ABS樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂(ポリカ)、SBC樹脂(スチレンーブタジエン系熱可塑性エラストマー)、ポリプロピレン樹脂(PP)、及びポリエチレン樹脂(PE)を適宜に利用することができる。
 また、フェイスシールド1Aは、射出成型、プレス成型、真空圧空成型、TOM成型等によって製造することができ、また、シールド本体2とシールド支持部3とは一体成形であっても、別部品として製造した後に接着して一体にしてもよい。
 次に、本実施形態に係るフェイスシールド1Aの作用、効果について、比較形態と比較しながら説明する。図13は、比較形態に係るフェイスシールド100を示す斜視図である。比較形態に係るフェイスシールド100は、庇部5Aなどの上部巻き込み規制部や、折り返し部6Aなどの下部巻き込み規制部は設けられていない。
 図14は、比較形態に係るフェイスシールド100に対し、くしゃみに起因して生じる気流の流れを示す数値シミュレーションの結果を示し、気流の等速度分布図である。また、図15は、くしゃみに起因して生じる気流の流れを示し、比較形態に係るフェイスシールド100近傍の流れの数値シミュレーション結果を示す図である。
 この数値シミュレーションでは、フェイスシールド100を装着している装着者Pの正面から1m離れた位置でくしゃみが発生したと仮定している。図14では、くしゃみから0.1秒後(図14の(a)図)、および0.26秒後(図14の(b)図)に、それぞれくしゃみによるジェット状の気流がどのように進むかを示している。くしゃみから0.1秒後、くしゃみによって生じたジェット状の気流の前方周囲では渦輪が生成されている。また、くしゃみから0.26秒後、気流の流れおよび渦輪はシールド本体2に高速で衝突している。渦輪は周囲に浮遊する微小な粒子を自身の中に取り込んで搬送する能力を有する。つまり、渦輪の搬送能力により、ウイルスを含んだ飛沫物および塵埃等は、シールド本体2まで搬送されている可能性が高いと考える。
 次に、図15の(a)図は、くしゃみから0.25秒後のシールド本体102近傍の気流の流れの様子を示す図である。図15の(a)図に示されるように、くしゃみから0.25秒後には、シールド本体102の上端部で気流の巻き込みが発生し、気流は、シールド本体102の内側であるシールド本体2と顔面Fとの間の領域に進入している。また、図15の(b)図は、くしゃみから0.33秒後のシールド本体102近傍の気流の流れの様子を示す図である。図15の(b)図に示されるように、くしゃみから0.33秒後には、シールド本体102の下端部で気流の巻き込みが発生し、気流は、シールド本体102の内側に進入している。
 シールド本体2の上端部での巻き込み及び下端部での巻き込みの中には、前述の渦輪により搬送された有害なウイルス、および塵埃等が含まれている可能性がある。その結果として、比較形態に係るフェイスシールド100を装着した装着者Pに対しては、十分な防護を実現できない可能性があった。
 これに対し、本実施形態に係るフェイスシールド1Aによれば、庇部5A及び折り返し部6Aを設けることにより、前述の渦輪などを含む気流の流れが内側に進入しようとするのを効果的に防止できる。以下、具体的に説明する。
 図6は、くしゃみに起因して生じる気流の流れを示し、実施形態に係るフェイスシールド1A近傍の流れの数値シミュレーション結果を示す図である。そして、図6の(a)図は、くしゃみから0.25秒後のシールド本体2近傍の気流の流れの様子を示す図である。図6の(b)図は、くしゃみから0.33秒後のシールド本体2近傍の気流の流れの様子を示す図である。
 図6の(a)図に示されるように、渦輪などを含む気流の流れは、庇部5Aによって誘起される流れによって上端縁2xを乗り越える前に抑制され、内側への進入が防止される。また、図6の(b)図に示されるように、渦輪などを含む気流の流れは、下端縁2yを乗り越えるものの、折り返し部6Aによって誘起される流れによって内側に進入する前に抑制され、気流が内側に進入するのを防止される。その結果、上記の比較形態に係るフェイスシールド100に比べて、例えば、最大巻き込み量を1/10以下にまで低減できる。
 また、本実施形態に係るフェイスシールド1Aは、上方に上部延長部22を備えており、また、下方の折り返し部6Aには内方突出部61と屈曲部62とが設けられている。上記の作用効果に関連し、上部延長部22の上下方向の幅と庇部5Aの突出方向の幅との関係、及び内方突出部61の突出方向の幅と屈曲部62の突出方向の幅との関係について説明する。ここで、図7の(a)図に示されるように、上部延長部22の上下方向の幅をL1、庇部5Aの突出方向の幅をL2とする。また、図7の(b)図に示されるように、下方の折り返し部6Aにおいて、内方突出部61の突出方向の幅をL3、屈曲部62の突出方向の幅をL4とする。
 図7の(c)図は、上部延長部22の幅L1、及び庇部5Aの幅L2において、L1、L2の数値を変えてシミュレーションし、取得した巻き込み量と比較形態に係るフェイスシールドの巻き込み量との関係(巻き込み程度)を示している。特に、図7の(c)図は、上部延長部22の幅に対する庇部5Aの幅の比(L2/L1)と、巻き込み程度との相関関係を示している。さらに、図7の(c)図は、内方突出部61の幅L3、及び屈曲部62の幅L4において、L3、L4の数値を変えてシミュレーションし、取得した巻き込み量と比較形態に係るフェイスシールドの巻き込み量との関係(巻き込み程度)を示している。特に、図7の(c)図は、内方突出部61の幅に対する屈曲部62の幅の比(L4/L3)と、巻き込み程度との相関関係を示している。なお、上記の巻き込み量は、計算結果の流速をベースにして、くしゃみに900個程度の質量0の粒子を乗せて、その軌跡を追うことで取得している。つまり、900個のうち、何個の粒子がシールド本体2、102の内側に進入するかを計測することで、巻き込み量を取得している。そして、比較形態に係るフェイスシールド100の巻き込み量と実施形態に係るフェイスシールド1Aの巻き込み量とを比較することで、上述の巻き込み程度を導出している。
 図7の(c)図において、巻き込み程度(縦軸)が「1」の場合は、比較形態に係るフェイスシールド100と同程度の巻き込み量が発生していることを意味する。そして、巻き込み程度が「1」よりも小さくなればなるほど、巻き込み量が小さくなっていることを意味している。本実施形態に係るフェイスシールド1Aにおいて、L2/L1が0.5以上であれば、上側巻き込み量(巻き込み程度)は比較形態に係るフェイスシールド100の半分以下となる。L2/L1が1以上であれば、上側巻き込み量(巻き込み程度)は比較形態に係るフェイスシールド100の1/3以下となる。また、本実施形態に係るフェイスシールド1Aにおいて、L4/L3が0.5以上であれば、下側巻き込み量(巻き込み程度)は比較形態に係るフェイスシールド100の半分以下となる。L4/L3が1以上であれば、下側巻き込み量(巻き込み程度)は比較形態に係るフェイスシールド100の1/3以下となる。
 なお、上記のシミュレーションによれば、少なくとも、上部延長部22の幅L1、庇部5Aの幅L2、内方突出部61の幅L3、及び屈曲部62の幅L4は、それぞれ10mm以上が望ましく、また、15mm以上であれば更に望ましい。
 次に、図8を参照し、フェイスシールド1Aの変形例について説明する。変形例に係るフェイスシールド1Aの上部延長部22は、主シールド部21の延長面Faに対して傾斜角度θ1で傾斜している(図8の(a)図参照)。また、屈曲部62は、主シールド部21に平行な仮想の基準面Fbに対して傾斜角度θ2で傾斜している(図8の(b)図参照)。上部延長部22の傾斜、及び屈曲部62の傾斜は、フェイスシールド1Aを頭部Heに装着した場合のフィット感を向上させるため、内方、つまり、顔面F側に向けて傾いている。
 ここで図8の(c)図は、傾斜角度θ1、θ2において、θ1、θ2の数値を変えてシミュレーションし、取得した巻き込み量と比較形態に係るフェイスガードの巻き込み量との関係(巻き込み程度)を示している。特に、図8の(c)図は、傾斜角度θ1、θ2と、巻き込み程度との相関関係を示している。
 図8の(c)図において、巻き込み程度(縦軸)が「1」の場合は、比較形態に係るフェイスシールド100と同程度の巻き込み量が発生していることを意味する。また、図8の(c)図に示されるように、傾斜角度θ1、θ2が増加すると、シールド本体2の内側に進入する巻き込む量が増える傾向を示している。しかしながら、傾斜角度θ1、θ2が50度以下であれば、巻き込み量は、比較形態に係るフェイスシールド100の半分以下となり、傾斜角度θ1、θ2が20度以下であれば、2/5以下に低減できることを示している。
 以上の通り、フェイスシールド1Aによれば、シールド本体2の上端縁2xから巻き込まれる可能性のある流れは庇部5A(上部巻き込み規制部)によって遮られ、内側に進入し難くなる。また、シールド本体2の下端縁2yから巻き込まれる可能性のある流れは折り返し部6A(下部巻き込み規制部)によって遮られ、内側に進入し難くなる。その結果、有害なウイルスを含んだ飛沫や塵埃等を含む気流の進入を効果的に防止することができる。
 また、フェイスシールド1Aにおいて、庇部5A(上部巻き込み規制部)は、シールド外面2bから突出するように設けられている。折り返し部6A(下部巻き込み規制部)は、シールド内面2aから突出するように設けられている。庇部5Aをシールド外面2bに設けることで、気流が上端縁2xに到達する前に流れを遮ることができる。また、折り返し部6Aをシールド内面2aに設けることで、装着者Pの作業時の視界に入り難くなるため、作業性の向上に有利になる。
 また、本実施形態に係るシールド本体2は上部延長部22を備えている。その結果、上方に向けて庇部5Aを乗り越える気流の流れが存在しても、上部延長部22によって遮ることができ、内側への進入を、より効果的に防止できる。
 また、フェイスシールド1Aにおいて、上部延長部22の幅L1に対する庇部5Aの幅の比であるL2/L1は0.5以上にすることも可能である。また、内方突出部61の幅L3に対する屈曲部62の幅L4の比であるL4/L3は0.5以上にすることも可能である。これらの条件を満たす上部延長部22及び屈曲部62により、気流の内側への進入を、より効果的に防止できる。
 また、上述の変形例に係るフェイスシールド1Aにおいて、上部延長部22は、主シールド部21の延長面Faに対して傾斜している。上部延長部22の傾斜角度θ1は、例えば、20度以下にすることができる。フェイスシールド1Aを頭部Heに装着した場合に、例えば、頭部Heの湾曲に沿うように上部延長部22を傾斜させるとフェイスシールド1Aを装着した際のフィット感が向上する。一方で、傾斜角度θ1が大きくなれば気流が乗り越え易くなるところ、傾斜角度θ1が20度以下であれば、気流の乗り越えを効果的に防止できる。
 また、上述の変形例に係るフェイスシールド1Aにおいて、折り返し部6Aの屈曲部62は、主シールド部21に平行な仮想の基準面Fbに対して傾斜している。屈曲部62の傾斜角度θ2は、例えば、20度以下にすることができる。屈曲部62の傾斜角度θ2を20度以下にすることで、例えば、フェイスシールド1Aを頭部Heに装着した場合のフィット感の向上と、屈曲部62に対する気流の乗り越えの防止とを両立できる。
 次に、図9を参照して第2の実施形態に係るフェイスシールド1Bについて説明する。フェイスシールド1Bは、第1の実施形態に係るフェイスシールド1Aと共通の構造や要素を備え、その共通の構造や要素によって奏される作用、効果も共通する。したがって、以下の説明では、フェイスシールド1Aと共通の構造や要素については同一の符号を付して詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 フェイスシールド1Bは、第1の実施形態に係るフェイスシールド1Aに設けられた湾曲形成部4を備えていない。フェイスシールド1Bは、可撓性を有するシールド本体2が湾曲し、湾曲した状態のシールド本体2が庇部5Aに固定されることで、所定の湾曲形状が保持されている。例えば、庇部5Aは、シールド外面2bが凸曲面となるような湾曲状態でシールド本体2を保持している。フェイスシールド1Bによれば、シールド本体2の湾曲を維持するための他の構造物(湾曲形成部4等)の簡略化、あるいは省略が可能になり、コンパクト化に有利になる。
 次に、図10を参照して第3の実施形態に係るフェイスシールド1Cについて説明する。フェイスシールド1Cは、第1の実施形態に係るフェイスシールド1Aと共通の構造や要素を備え、その共通の構造や要素によって奏される作用、効果も共通する。したがって、以下の説明では、フェイスシールド1Aと共通の構造や要素については同一の符号を付して詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 フェイスシールド1Cは、庇部5Aの代わりに上部張り出し部5C(上部巻き込み規制部)を設けている。上部張り出し部5Cはシールド内面2aから面外方向に突出するように設けられており、また、上端縁2xから離間しつつ、上端縁2xに沿うように延在している。
 フェイスシールド1Cにおいて、シールド本体2の上端縁2xから巻き込まれる可能性のある流れ、つまり、上端縁2xを乗り越えた一部の流れは、上部張り出し部5Cによって遮られる。その結果、その流れは、上部張り出し部5Cの下方である内側に進入し難くなる。また、上部張り出し部5Cは顔面F側に向けて突出しているので、顔面Fと上部張り出し部5Cとの間に隙間は小さくなり、気流が内側に進入し難くなる環境を形成できる。
 また、フェイスシールド1Cは、折り返し部6Aの代わりに下部張り出し部6C(下部巻き込み規制部)を設けている。下部張り出し部6Cはシールド外面2bから面外方向に突出するように設けられており、また、下端縁2yに沿うように延在している。下部張り出し部6Cをシールド外面2bに設けることで、気流が下端縁2yを乗り越える前に流れを遮ることができる。下部張り出し部6Cは、下端縁2yに接した状態で延在していても、下端縁2yから離間した状態で延在していてもよい。
 次に、図11を参照して第4の実施形態に係るフェイスシールド1Dについて説明する。フェイスシールド1Dは、第1の実施形態に係るフェイスシールド1Aと共通の構造や要素を備え、その共通の構造や要素によって奏される作用、効果も共通する。したがって、以下の説明では、フェイスシールド1Aと共通の構造や要素については同一の符号を付して詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 フェイスシールド1Dは、シールド本体2に設置された上部調和空気噴出部7及び下部調和空気噴出部8を備えている。上部調和空気噴出部7は、主シールド部21の上部に配置されており、シールド内面2aの所定位置に固定されている。下部調和空気噴出部8は、主シールド部21の下部に配置されており、シールド内面2aの所定位置に固定されている。
 上部調和空気噴出部7は、シールド内面2aの湾曲形状に倣うように湾曲した空気供給管71と、空気供給管に設けられた複数の噴射口72とを備えている。下部調和空気噴出部8は、シールド内面2aの湾曲形状に倣うように湾曲した空気供給管81と、空気供給管81に設けられた複数の噴射口82とを備えている。上部調和空気噴出部7の空気供給管71、及び下部調和空気噴出部8の空気供給管81は、空気導入チューブなどの導入ライン91を介して空気供給装置9に接続されている。
 空気供給装置9は、空気を送るために回転するファン92、電源機器、及びフィルター機器等を備えている。電源機器はファン92を駆動するための機器である。電源機器は、リチウムイオンバッテリーや各種電池、コンセント電源などを使用することができる。フィルター機器は、空気からウイルスや細菌、埃等を除去する目的で使用される機器である。フィルター機器は、例えば、HEPAフィルターを使用することができる。
 本実施形態に係る上部調和空気噴出部7の噴射口72は、シールド内面2aにおいて主シールド部21の中心側(内方)とは反対側である外方に向けて空気Arを吹き出すように設けられている。つまり、噴射口72は、上方に向けて空気Arを吹き出すように設けられている。また、下部調和空気噴出部8の噴射口82は、シールド内面2aにおいて主シールド部21の中心側(内方)とは反対側である外方に向けて空気Arを吹き出すように設けられている。つまり、噴射口82は、下方に向けて空気Arを吹き出すように設けられている。上部調和空気噴出部7の噴射口72から吹き出される空気Arの吹き出し速度は、例えば、10cm/sec以上である。また、下部調和空気噴出部8の噴射口82から吹き出される空気Arの吹き出し速度は、例えば、10cm/sec以上である。
 本実施形態によれば、シールド本体2の上端縁2xを乗り越えて内側に進入してくる流れがあったとしても、その流れは、上部調和空気噴出部7から吹き出される空気Ar(気流)の干渉を受け、あるいは押し戻される。その結果、巻き込み流の発生が防止される。また、シールド本体2の下部の折り返し部6Aを乗り越えて内側に進入してくる流れがあったとしても、その流れは、下部調和空気噴出部8から吹き出される空気Ar(気流)の干渉を受け、あるいは押し戻される。その結果、巻き込み流の発生が防止される。
 なお、上部調和空気噴出部7の噴射口72は、シールド内面2aにおいて主シールド部21の中心側(内方)、つまり、下方に向けて空気Arを吹き出すように設けてもよい。また、下部調和空気噴出部8の噴射口82は、シールド内面2aにおいて主シールド部21の内方、つまり、上方に向けて空気Arを吹き出すように設けてもよい。この場合、主シールド部21に向けて空気Arが吹き出されることになるので、主シールド部21の曇り止め効果を期待できる。また、上部調和空気噴出部7及び下部調和空気噴出部8のいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
 次に、図12を参照して第5の実施形態に係るフェイスシールド1Eについて説明する。フェイスシールド1Eは、第4の実施形態に係るフェイスシールド1Dと共通の構造や要素を備え、その共通の構造や要素によって奏される作用、効果も共通する。したがって、以下の説明では、フェイスシールド1Dと共通の構造や要素については、同一の符号を付して詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 フェイスシールド1Eは、庇部5Aを省略すると共に、上部巻き込み規制部として機能する上部調和空気噴出部7Eを備えている。また、第5の実施形態に係るフェイスシールド1Eは、折り返し部6Aを省略すると共に、下部巻き込み規制部として機能する下部調和空気噴出部8Eを備えている。
 例えば、上部調和空気噴出部7Eは、シールド内面2aから面外方向に突出するように設けられている。また、上部調和空気噴出部7Eは、シールド本体2の上端縁2xから離間しつつ、上端縁2xに沿うように延在している。また、下部調和空気噴出部8Eは、シールド内面2aから面外方向に突出するように設けられている。また、下部調和空気噴出部8Eは、シールド本体2の下端縁2yに沿うように延在している。下部調和空気噴出部8Eは、下端縁2yに接した状態で延在していても、下端縁2yから離間した状態で延在していてもよい。
 上部調和空気噴出部7Eの噴射口72は、シールド内面2aにおいて主シールド部21の内方(下方)及び外方(上方)の両方に向けて空気Arを吹き出すように設けられている。また、下部調和空気噴出部8Eの噴射口82は、シールド内面2aにおいて主シールド部21の内方(上方)及び外方(下方)の両方に向けて空気Arを吹き出すように設けられている。なお、上部調和空気噴出部7Eの噴射口72は、シールド内面2aにおいて主シールド部21の内方のみ、あるいは外方のみに空気Arを吹き出すように設けられていてもよい。また、下部調和空気噴出部8Eの噴射口82は、シールド内面2aにおいて主シールド部21の内方のみ、あるいは外方のみに空気Arを吹き出すように設けられていてもよい。
 本実施形態によれば、巻き込み流の内側への進入防止と、シールド内面2aにおける曇り止めの防止とを両立できる。
 以上、実施形態及び変形例に基づいて本開示を具体的に説明したが、本開示は、これらの実施形態や変形例のみに限定されるものではない。例えば、上部巻き込み規制部は、シールド本体の上端縁に沿って連続的に設けられている形態に限定されず、シールド本体の上部に設けられることで、気流が内側に進入するのを少しでも防止することができる形態であればよい。つまり、上部巻き込み規制部は、上端縁に並ぶことなく傾斜や湾曲等する形態や途中に隙間を有する不連続な形態であっても良い。また、下部巻き込み規制部は、シールド本体の下端縁に沿って連続的に設けられている形態に限定されず、シールド本体の下部に設けられることで、気流が内側に進入するのを少しでも防止することができる形態であればよい。つまり、下部巻き込み規制部は、下端縁に並ぶことなく傾斜や湾曲等する形態や、また、途中に隙間を有する不連続な形態であっても良い。
 また、各実施形態や変形形態で説明した構造や要素の一部を省略することができる。例えば、第1、2の実施形態において、庇部及び折り返し部の一方を省略したり、第3の実施形態において、上部張り出し部及び下部張り出し部の一方を省略したりすることができる。また、各実施形態や変形形態で説明した構造や要素を他の実施形態に適用することも可能である。例えば、第1、第2の実施形態に係る庇部や折り返し部を、第3の実施形態に係る上部張り出し部や下部張り出し部に変更することは可能である。また、庇部と上部張り出し部との両方を備えた形態にすることも可能であり、折り返し部と下部張り出し部との両方を備えた形態にすることも可能である。また、第4、第5の実施形態に係る上部調和空気噴出部や下部調和空気噴出部を第1~第3の実施形態に適用したり、第1の実施形態に対する変形形態を第2~第5の実施形態に適用したりすることも可能である。
 1A~1E…フェイスシールド、2…シールド本体、20a…上部、20b…下部、2a…シールド内面、2b…シールド外面、2x…上端縁、2y…下端縁、3…シールド支持部、5A…庇部(上部巻き込み規制部)、5C…上部張り出し部(上部巻き込み規制部)、6A…折り返し部(下部巻き込み規制部)、6C…下部張り出し部(下部巻き込み規制部)、7,7E…上部調和空気噴出部(調和空気噴射部)、8,8E…下部調和空気噴出部(調和空気噴射部)、21…主シールド部、22…上部延長部、61…内方突出部、62…屈曲部、Ar…空気、P…装着者、F…顔面、He…頭部、Fa…延長面、θ1,θ2…傾斜角度、Fb…基準面。

Claims (10)

  1.  装着者の頭部に装着されるフェイスシールドであって、
     前記装着者の顔面の少なくとも一部に対向して配置されるシールド本体と、
     前記シールド本体を前記頭部の定位置に保持するシールド支持部と、
     前記シールド本体の上部に設けられると共に、前記シールド本体の面外方向に突出している上部巻き込み規制部と、
     前記シールド本体の前記上部とは反対側である下部に設けられると共に、前記シールド本体の面外方向に突出している下部巻き込み規制部と、を備えているフェイスシールド。
  2.  前記上部は、上方の外縁である上端縁を備え、
     前記下部は、下方の外縁である下端縁を備え、
     前記上部巻き込み規制部は前記上端縁に沿うように設けられており、
     前記下部巻き込み規制部は前記下端縁に沿うように設けられている、請求項1記載のフェイスシールド。
  3.  前記シールド本体は、前記顔面に対面する側のシールド内面と、前記シールド内面に対して反対側のシールド外面、とを備えており、
     前記上部巻き込み規制部は、前記シールド外面から突出するように設けられており、
     前記下部巻き込み規制部は、前記シールド内面から突出するように設けられている、請求項1または2記載のフェイスシールド。
  4.  前記シールド本体は可撓性を有し、
     前記上部巻き込み規制部は、前記シールド外面が凸曲面となるような湾曲状態で前記シールド本体を保持している、請求項3記載のフェイスシールド。
  5.  前記上部は、上方の外縁である上端縁を備え、
     前記上部巻き込み規制部は、前記シールド外面から突出すると共に、前記シールド本体の前記上端縁から離間しており、
     前記シールド本体は、前記上部巻き込み規制部と前記下部巻き込み規制部との間の主シールド部と、前記上部巻き込み規制部から前記上端縁に至る上部延長部を備えている、請求項3または4記載のフェイスシールド。
  6.  前記下部は、下方の外縁である下端縁を備え、
     前記下部巻き込み規制部は、前記下端縁に沿って前記シールド内面から突出した内方突出部と、前記内方突出部から屈曲し、前記内方突出部を基準にして前記主シールド部とは反対側に突出した屈曲部とを備えており、
     前記上部延長部の上下方向の幅をL1、前記上部巻き込み規制部の突出方向の幅をL2とした場合に、前記上部延長部の幅に対する前記上部巻き込み規制部の幅の比であるL2/L1は0.5以上であり、
     前記内方突出部の突出方向の幅をL3、前記屈曲部の突出方向の幅をL4とした場合に、前記内方突出部の幅に対する前記屈曲部の幅の比であるL4/L3は0.5以上である、請求項5記載のフェイスシールド。
  7.  前記上部延長部は、前記主シールド部の延長面に対して傾斜しており、
     前記上部延長部の傾斜角度は、20度以下である、請求項5または6記載のフェイスシールド。
  8.  前記下部巻き込み規制部は、前記シールド内面から突出した内方突出部と、前記内方突出部から屈曲し、前記内方突出部を基準にして前記主シールド部とは反対側に突出した屈曲部とを備えており、
     前記屈曲部は、前記主シールド部に平行な仮想の基準面に対して傾斜しており、
     前記屈曲部の傾斜角度は、20度以下である、請求項7記載のフェイスシールド。
  9.  前記シールド本体は、前記上部巻き込み規制部と前記下部巻き込み規制部との間の主シールド部を備え、
     前記顔面に対面する側のシールド内面において、前記主シールド部側の内方及び前記内方とは反対側の外方の少なくとも一方に向けて空気を吹き出す調和空気噴射部を更に備えている、請求項1~8のいずれか一項記載のフェイスシールド。
  10.  前記調和空気噴射部から吹き出される空気の吹き出し速度は、10cm/sec以上である、請求項9記載のフェイスシールド。
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