WO2022054831A1 - 表示装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

光の混合や混色を抑制でき且つ光の取り出し効率に優れた表示装置及び電子機器を提供する。 表示装置が、有機層を有する複数の発光素子と、それぞれの発光素子に対応した位置に配置された複数のカラーフィルタと、複数のカラーフィルタの側面部を被覆する保護層と、を備えており、保護層には、隣り合うカラーフィルタ間の位置に空隙部が形成されている。

Description

表示装置及び電子機器
 本開示は、表示装置及び電子機器に関する。本開示は、特に、有機層を有する発光素子とカラーフィルタとを備えた表示装置、及びその表示装置を備えた電子機器に関する。
 有機層を有する発光素子とカラーフィルタとを備えた表示装置では、所定の画素に対応した発光素子から生じた光が、その画素に隣接した画素に対応するカラーフィルタに入り込むことで、光の混合や混色を生じてしまうことを抑制することが重要となる。
 例えば、特許文献1においては、隣接するカラーフィルタの側面部を重ね合わせる技術が開示されている。また、特許文献2においては、隣接するカラーフィルタの間にブラックマトリクスを配置することが行われている。
特開2012-38677号公報 特開2006-73219号公報
 所定の画素に対応する発光素子から生じた光のうち隣接する画素に対応するカラーフィルタに向かった光は、特許文献1に示される技術では隣り合うカラーフィルタの界面で、特許文献2に示される技術ではブラックマトリクスで、それぞれ吸収されるようになる。そこで、特許文献1、2の技術では、光の取り出し効率を向上させる点で改善の余地がある。
 本開示は、上述した点に鑑みてなされたものであり、光の混合や混色を抑制でき且つ光の取り出し効率に優れた表示装置及び電子機器の提供を目的の一つとする。
 本開示は、例えば、(1)有機層を有する複数の発光素子と、
 それぞれの発光素子に対応した位置に配置された複数のカラーフィルタと、
 複数のカラーフィルタの側面部を被覆する保護層と
を備え、
 保護層には、隣り合うカラーフィルタ間の位置に空隙部が形成されている
 表示装置である。
 また、本開示は、例えば、上記(1)記載の表示装置を備えた電子機器であってもよい。
図1は、第1の実施形態にかかる表示装置を説明するための断面図である。 図2A、図2Bは、第1の実施形態にかかる表示装置の製造方法を説明するための断面図である。 図3A、図3B、図3Cは、第1の実施形態の変形例にかかる表示装置を説明するための断面図である。 図4A、図4B、図4Cは、第1の実施形態の変形例にかかる表示装置の製造方法を説明するための断面図である。 図5A、図5B、図5Cは、第1の実施形態の変形例にかかる表示装置の製造方法を説明するための断面図である。 図6A、図6Bは、第1の実施形態の変形例にかかる表示装置を説明するための断面図である。 図7A、図7Bは、第1の実施形態の変形例にかかる表示装置を説明するための断面図である。 図8A、図8B、図8Cは、カラーフィルタのレイアウトの一実施例を示す図である。 図9A、図9B、図9Cは、カラーフィルタのレイアウトの一実施例を示す図である。 図10は、第1の実施形態の変形例にかかる表示装置を説明するための断面図である。 図11A、図11Bは、第2の実施形態の変形例にかかる表示装置の製造方法を説明するための断面図である。図11Cは、第2の実施形態の変形例にかかる表示装置を説明するための断面図である。 図12は、第3の実施形態の変形例にかかる表示装置を説明するための断面図である。 図13は、シミュレーション例を説明するための断面図である。 図14は、図13の破線で囲まれた領域Sの部分の部分拡大図である。 図15A、図15Bは、シミュレーション結果を説明するための図である。 図16A、図16Bは、表示装置を用いた電子機器の一実施例を説明するための図である。 図17は、表示装置を用いた電子機器の一実施例を説明するための図である。 図18は、表示装置を用いた電子機器の一実施例を説明するための図である。
 以下、本開示にかかる一実施例等について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行う。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
 なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
2.第2の実施形態
3.第3の実施形態
4.シミュレーション(simulation)例
5.応用例
 以下の説明は本開示の好適な具体例であり、本開示の内容は、これらの実施形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して前後、左右、上下等の方向を示すが、本開示の内容はこれらの方向に限定されるものではない。図1、図8の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)、X軸方向を前後方向(前側が+X方向、後ろ側が-X方向)、Y軸方向を左右方向(右側が+Y方向、左側が-Y方向)であるものとし、これに基づき説明を行う。これは、図2から図7、図9から図14についても同様である。図1等の各図に示す各層の大きさや厚みの相対的な大小比率は便宜上の記載であり、実際の大小比率を限定するものではない。これらの方向に関する定めや大小比率については、図2から図14までの各図についても同様である。
[1 第1の実施形態]
[1-1 表示装置の構成]
 図1は、本開示の一実施形態に係る有機EL(Electroluminescence)表示装置10(以下、単に「表示装置10」という。)の一構成例を示す断面図である。表示装置10は、基板11と、複数の発光素子13と、絶縁層14と、素子保護層15と、複数のカラーフィルタ17と、フィルタ保護層18とを備える。
 表示装置10は、トップエミッション方式の表示装置である。基板11が表示装置10の裏面側に位置し、基板11からフィルタ保護層18に向かう方向(+Z方向)が表示装置10の表面側方向となっている。フィルタ保護層18側がトップ側となり、基板11側がボトム側となる。以下の説明において、表示装置10を構成する各層において、表示装置10の表示面側(+Z方向側)となる面を第1の面(上面)といい、表示装置10の裏面側(‐Z方向側)となる面を第2の面(下面)という。
 表示装置10は、マイクロディスプレイであってもよい。表示装置10は、各種の電子機器に用いられてもよい。表示装置10が用いられる電子機器としては、例えば、VR(Virtual Reality)用、MR(Mixed Reality)用もしくはAR(Augmented Reality)用の表示装置、電子ビューファインダ(Electronic View Finder:EVF)または小型プロジェクタ等が挙げられる。
(基板11)
 基板11は、複数の発光素子13を駆動する各種回路を設けている。すなわち、基板11の第1の面上には、複数の発光素子13の駆動を制御するサンプリング用トランジスタと駆動用トランジスタを含む駆動回路および複数の発光素子13に電力を供給する電源回路(いずれも図示せず)が設けられている。
 基板11は、例えば、水分および酸素の透過性が低いガラスまたは樹脂で構成されていてもよく、トランジスタ等の形成が容易な半導体で形成されてもよい。具体的には、基板11は、ガラス基板、半導体基板または樹脂基板等であってもよい。ガラス基板は、例えば、高歪点ガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、フォルステライト、鉛ガラスまたは石英ガラス等を含む。半導体基板は、例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコンまたは単結晶シリコン等を含む。樹脂基板は、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラートおよびポリエチレンナフタレート等からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
 基板11の第1の面上には、一般に、上記した駆動回路および電源回路等を覆う図示しない絶縁膜が形成されており、絶縁膜には、発光素子13を構成する第1の電極13Aと駆動回路とを接続するための図示しない複数のコンタクトプラグが設けられる。
(発光素子13)
 複数の発光素子13は、基板11の第1の面側に設けられている。複数の発光素子13は、例えば、マトリクス状等の規定の配置パターンで2次元配置(XY平面方向に配置)されている。発光素子13は、白色光を発光可能に構成されている。発光素子13は、例えば、白色OLEDまたは白色Micro-OLED(MOLED)である。本実施形態では、表示装置10におけるカラー化の方式としては、発光素子13とカラーフィルタ17とを用いる方式が用いられる。但し、カラー化の方式はこれに限定されるものではなく、RGBの塗り分け方式等を用いてもよい。また、カラーフィルタ17に代えて、単色のフィルタを用いるようにしてよい。
 発光素子13は、第1の電極13Aと、有機層13Bと、第2の電極13Cとを備える。第1の電極13A、有機層13Bおよび第2の電極13Cは、基板11側からカラーフィルタ17に向かう方向(+Z方向)に、この順序で積層されている。
(第1の電極13A)
 第1の電極13Aは、基板11の第1の面側の絶縁膜上に設けられる。第1の電極13Aは、後述する絶縁層14でサブ画素毎に電気的に分離されている。第1の電極13Aは、アノードである。第1の電極13Aは、反射層としての機能も兼ねており、できるだけ反射率が高く、かつ仕事関数が大きい材料によって構成されることが、発光効率を高める上で好ましい。サブ画素は、画面を構成する区画単位となる画素をさらに分割した1種の色で構成される最小の表示区画単位を示すものとする。例えば、隣接する赤色の副画素と緑色の副画素と青色の副画素の組み合わせにより、一つの画素(ピクセル)が構成される。
 第1の電極13Aは、金属層および金属酸化物層のうちの少なくとも一層により構成されている。より具体的には、第2の電極13Cは、金属層もしくは金属酸化物層の単層膜、または金属層と金属酸化物層の積層膜により構成されている。第1の電極13Aが積層膜により構成されている場合、金属酸化物層が有機層13B側に設けられていてもよいし、金属層が有機層13B側に設けられていてもよいが、高い仕事関数を有する層を有機層13Bに隣接させる観点からすると、金属酸化物層が有機層13B側に設けられていることが好ましい。
 金属層は、例えば、クロム(Cr)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、タングステン(W)および銀(Ag)からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む。金属層は、上記少なくとも1種の金属元素を合金の構成元素として含んでいてもよい。合金の具体例としては、アルミニウム合金または銀合金が挙げられる。アルミニウム合金の具体例としては、例えば、AlNdまたはAlCuが挙げられる。
 金属酸化物層は、例えば、インジウム酸化物と錫酸化物の混合体(ITO)、インジウム酸化物と亜鉛酸化物の混合体(IZO)および酸化チタン(TiO)のうちの少なくとも1種を含む。
(第2の電極13C)
 第2の電極13Cは、第1の電極13Aと対向して設けられている。第2の電極13Cは、すべてのサブ画素に共通の電極として設けられている。第2の電極13Cは、カソードである。第2の電極13Cは、有機層13Bで発生した光に対して透過性を有する透明電極である。ここで、透明電極には、半透過性反射層も含まれるものとする。第2の電極13Cは、できるだけ透過性が高く、かつ仕事関数が小さい材料によって構成されることが、発光効率を高める上で好ましい。
 第2の電極13Cは、金属層および金属酸化物層のうちの少なくとも一層により構成されている。より具体的には、第2の電極13Cは、金属層もしくは金属酸化物層の単層膜、または金属層と金属酸化物層の積層膜により構成されている。第2の電極13Cが積層膜により構成されている場合、金属層が有機層13B側に設けられてもよいし、金属酸化物層が有機層13B側に設けられてもよいが、低い仕事関数を有する層を有機層13Bに隣接させる観点からすると、金属層が有機層13B側に設けられていることが好ましい。
 金属層は、例えば、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、カルシウム(Ca)およびナトリウム(Na)からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む。金属層は、上記少なくとも1種の金属元素を合金の構成元素として含んでいてもよい。合金の具体例としては、MgAg合金、MgAl合金またはAlLi合金等が挙げられる。金属酸化物は、例えば、インジウム酸化物と錫酸化物の混合体(ITO)、インジウム酸化物と亜鉛酸化物の混合体(IZO)および酸化亜鉛(ZnO)のうちの少なくとも1種を含む。
(有機層13B)
 有機層13Bは、第1の電極13Aと第2の電極13Cの間に設けられている。有機層13Bは、すべてのサブ画素に共通の有機層として設けられている。有機層13Bは、白色光を発光可能に構成されている。ただし、このことは、有機層13Bの発光色が白色以外であることを禁止するものではなく、赤色、青色、緑色などの色が採用されてもよい。すなわち、有機層13Bの発光色は、例えば白色、赤色、青色及び緑色のいずれか1種類であってよい。
 有機層13Bは、第1の電極13Aから第2の電極13Cに向かって正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層がこの順序で積層された構成を有する。なお、有機層13Bの構成はこれに限定されるものではなく、発光層以外の層は必要に応じて設けられるものである。
 正孔注入層は、発光層への正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを抑制するためのバッファ層である。正孔輸送層は、発光層への正孔輸送効率を高めるためのものである。発光層は、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生するものである。発光層は、有機発光材料を含む有機発光層である。電子輸送層は、発光層への電子輸送効率を高めるためのものである。電子輸送層と第2の電極13Cとの間には、電子注入層を設けてもよい。この電子注入層は、電子注入効率を高めるためのものである。
(絶縁層14)
 絶縁層14は、基板11の第1の面側に形成された絶縁膜上に設けられている。絶縁層14は、各第1の電極13Aを発光素子13毎(すなわちサブ画素毎)に電気的に分離する。絶縁層14は、複数の開口14Aを有し、分離された第1の電極13Aの第1の面(第2の電極13Cとの対向面)が開口14Aから露出している。絶縁層14が、分離された第1の電極13Aの第1の面の周縁部から側面(端面)にかけて覆っていてもよい。本明細書において、第1の面の周縁部とは、第1の面の周縁から内側に向かって、所定の幅を有する領域をいう。
 絶縁層14は、例えば有機材料または無機材料により構成される。有機材料は、例えば、ポリイミドおよびアクリル樹脂のうちの少なくとも1種を含む。無機材料は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンおよび酸化アルミニウムのうちの少なくとも1種を含む。なお、第1の電極13Aと有機層13Bと第2の電極13Cの加工処理によって発光素子13毎の分離がなされる場合には、絶縁層14を省略してもよい。
(素子保護層)
 素子保護層15は、第2の電極13Cの第1の面上に設けられ、発光素子13を覆う。素子保護層15は、発光素子13を外気と遮断し、外部環境から発光素子13への水分や酸素の浸入を抑制する。また、第2の電極13Cが金属層により構成されている場合には、素子保護層15は、この金属層の酸化を抑制する機能を有していてもよい。
 素子保護層15は、例えば、無機材料により構成されている。素子保護層15を構成する無機材料としては、吸湿性が低いものが好ましい。具体的には、素子保護層15を構成する無機材料は、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化窒化シリコン(SiNO)、酸化チタン(TiO)および酸化アルミニウム(Al)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。素子保護層15は、単層構造であってもよいが、厚さを大きくする場合には多層構造としてもよい。素子保護層15における内部応力を緩和するためである。
(カラーフィルタ)
 カラーフィルタ17は、素子保護層15上に設けられている。カラーフィルタ17は、例えば、オンチップカラーフィルタ(On Chip Color Filter:OCCF)である。カラーフィルタ17は、例えば、図1の例に示すように、赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bを挙げることができる。赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17G、青色フィルタ17Bはそれぞれ、赤色サブ画素用の発光素子13、緑色サブ画素用の発光素子13、青色サブ画素用の発光素子13に対向して設けられている。これにより、赤色サブ画素、緑色サブ画素、青色サブ画素内の各発光素子13から発せられた白色光がそれぞれ、上記の赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bを透過することによって、赤色光、緑色光、青色光がそれぞれ表示面から出射される。なお、図1の例は、1例であり、カラーフィルタの種類を、赤、緑、青の3種の組合せに限定しようとするものではない。例えば、カラーフィルタの種類は、赤、緑、青、白の4種の組合せとされてもよい。
 カラーフィルタ17(図1の例では、赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17B)は、互いに離間した状態で配置されている。
 隣り合うカラーフィルタ17の間隔(図1において、符号Wcにて示す)に対するカラーフィルタ17の高さ(図1において、符号Hcにて示す)の比率(Hc/Wc)(本明細書においては、比率(Hc/Wc)をアスペクト比と呼ぶ。)が1以上であることが好ましい。アスペクト比が1以上であることで、隣り合うカラーフィルタ17間のフィルタ保護層18内に空隙部12を形成することが容易となる。
(カラーフィルタの配列)
 カラーフィルタ17の配列は、図1の例では、赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bがこの順に繰り返し並べられた配列となっている。また、この例では、それぞれのカラーフィルタ17(赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17B)は、図8Cに示すように、XY平面上に、ストライプ状に形成される。なお、図8Cは、カラーフィルタのレイアウトの例を説明する図である。XY平面は、図1等に示すZ軸方向を法線とする平面である。このことは、図8A、図8B、図9A、図9B、図9Cについて同じである。
(フィルタ保護層)
 フィルタ保護層18は、カラーフィルタ17の側面部28を被覆するように配置される。フィルタ保護層18は、それぞれのカラーフィルタ17(赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17G、青色フィルタ17B)の側面部28が外部に露出して劣化することを規制する機能を有している。フィルタ保護層18は、素子保護層15と同様の材料で構成されることが好適である。すなわち、フィルタ保護層18は、素子保護層15と同様に、例えば、無機材料により構成されている。無機材料としては、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、および酸化アルミニウム(Al)などを例示することができる。酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)としては、プラズマ気相成長によって形成されたもの(それぞれP-SiO、P-SiN)が好適である。
 フィルタ保護層18は、図1に示すように、さらにカラーフィルタ17の第1の面をなす部分(上面部27)を被覆することが好ましい。図1の表示装置10の例では、フィルタ保護層18はカラーフィルタ17の上面部27と側面部28の両方を被覆しており、カラーフィルタ17の上面部27を被覆するフィルタ保護層18の部分と、カラーフィルタ17の側面部28を被覆するフィルタ保護層18の部分が同じ材料で一体的に形成されている。ただし、このことは、カラーフィルタ17の上面部27を被覆するフィルタ保護層18と、カラーフィルタ17の側面部28を被覆するフィルタ保護層18が異なる材料で形成されることを禁止するものではない。
 また、図1の表示装置10の例では、フィルタ保護層18の第1の面に凹凸が形成されており、断面台形状の凸部18Aが互いに連なるように形成されており、隣り合う凸部の互いに繋がり合う部分が凹部となっている。凸部18Aは、それぞれのカラーフィルタ17の上面部27の上方側に形成され、個々の凸部18Aは、サブ画素のレイアウトに応じた形状・大きさに形成されている。カラーフィルタ17の上面部27の上方側に凸部18Aが形成されている場合に、その凸部18Aの形状を調整することで、フィルタ保護層18にレンズ機能を持たせることができるようになる。なお、このことは、フィルタ保護層18の第1の面(表面)が平坦面であることを禁止するものではない。フィルタ保護層18の第1の面は、平坦面であってもよい。例えば、後述する第3の実施形態の例(図12)に示すようにレンズ20を別途設けるような場合には、フィルタ保護層18が平坦面であることで、平坦化層19を省略することができる。
 フィルタ保護層18の屈折率は、カラーフィルタ17の屈折率以下であることが好ましい。フィルタ保護層18とカラーフィルタ17の屈折率がこのような大小関係になっていることで、フィルタ保護層18と空隙部12との接触界面で反射してカラーフィルタ17に向かった光が、フィルタ保護層18とカラーフィルタ17との界面に到達した場合に、フィルタ保護層18とカラーフィルタ17との界面で光反射を起こしにくくなる。このため、フィルタ保護層18内で光反射のくりかえしが生じにくくなり、カラーフィルタ17の外側周囲で輝度が過剰に大きくなること抑制することができる。 
 フィルタ保護層18の屈折率は、素子保護層15の屈折率以下であることが好ましい。フィルタ保護層18と素子保護層15の屈折率がこのような大小関係になっていることで、発光素子13で生じた光が、フィルタ保護層18と素子保護層15との界面に到達した場合に、フィルタ保護層18と素子保護層15との界面で反射を起こしにくくなる。特に、後述する変形例5で述べるように、素子保護層15に段差部21が形成され、段差部21の段差面(側面部21B)とフィルタ保護層18との間で接触界面が形成されている場合には、フィルタ保護層18と素子保護層15との接触界面が、カラーフィルタ17の下方に形成されることがある。このような場合にフィルタ保護層18の屈折率が素子保護層15の屈折率以下であることで、フィルタ保護層18と素子保護層15との接触界面での光反射が抑制され、接触界面よりも上側のカラーフィルタ17へと光が進行しやすくなる。
 また、フィルタ保護層18を形成する材料としては、素子保護層15等を形成する材料よりもステップカバレッジの値が低いものが好ましい。このような材料でフィルタ保護層18が形成されることで、より効率的に空隙部12を形成できるようになる。
(空隙部)
 図1の表示装置10には、隣り合うカラーフィルタ17間のフィルタ保護層18内に空隙部12が形成されている。
 空隙部12の断面形状は、図1の例では、順テーパ状に形成されている。順テーパ状とは、空隙部12とフィルタ保護層18との界面(図14中では、空隙部12の側壁面12A)と水平面(図14中では、水平面E)とのなすテーパ角(図14中では、テーパ角β)が90°未満となる場合を示す。光の全反射を生じやすくして隣接するサブ画素への光漏れを抑制し、光の取り出し効率を高める観点からは、空隙部12はテーパ角βが70°以下の順テーパ状に形成されていることがより好ましい。
 空隙部12は、上下方向の位置について、図1の例ではその下端がカラーフィルタ17の下端よりも上側、その上端がカラーフィルタ17の上面部よりも下側となっている。空隙部12については、その空隙部12の少なくとも一部が隣り合うカラーフィルタの間に形成されていればよく、空隙部12の下端部(-Z方向側の端部)ができるだけ下側に位置していることが好ましい。空隙部12の下端部がより下側に位置していることで、サブ画素の微細化度を向上させても隣接するサブ画素側のカラーフィルタ17への光の漏れ出しを抑制することができる。空隙部12の上端部は、特に限定されず、カラーフィルタ17の上面部27よりも上側(+Z方向側)に位置してもよい。
[1-2 第1の実施形態にかかる表示装置の製造方法]
 以下、本開示の一実施形態に係る表示装置10の製造方法の一例について説明する。
 まず、例えば薄膜形成技術、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、基板11の第1の面上に駆動回路および電源回路等を形成する。次に、例えばCVD法により、駆動回路および電源回路を覆うように絶縁膜を基板11の第1の面上に形成したのち、絶縁膜に複数のコンタクトプラグを形成する。
 次に、例えばスパッタリング法により、金属層と金属酸化物層の積層膜を基板11の第1の面上に形成したのち、例えばフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて積層膜をパターニングすることにより、発光素子13毎(すなわちサブ画素毎)に分離された第1の電極13Aを形成する。
 次に、例えばCVD法により、複数の第1の電極13Aを覆うように絶縁層14を基板11の絶縁膜の形成面側(第1の面側)に形成したのち、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、絶縁層14をパターニングする。これにより、複数の開口14Aが絶縁層14に形成される。
 次に、例えば蒸着法により、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を第1の電極13Aの第1の面の第1の面上にこの順序で積層することにより、有機層13Bを形成する。次に、例えば蒸着法またはスパッタリング法により、第2の電極13Cを有機層13Bの第1の面上に形成する。これにより、基板11の第1の面側に複数の発光素子13が形成される。
 次に、例えばCVD法または蒸着法により、素子保護層15を第2の電極13Cの第1の面上に形成する。これにより、基板11の第1の面側に発光素子13と素子保護層15を形成した素子積層体30を得る(図2A)。
 素子積層体30に対して、素子保護層15の第1の面上にカラーフィルタ17を形成する。カラーフィルタ17は、サブ画素及び画素のレイアウトに応じて定められた形状に、互いに間隔をあけて形成される(図2B)。カラーフィルタ17は、例えばフォトリソグラフィ法を適用することにより形成することができる。図2Bの例では、赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bが、互いに離間した状態でストライプ状に形成される。
 次に、フィルタ保護層18がカラーフィルタ17の第1の面上に形成される。フィルタ保護層18は、素子保護層15と同様に、例えばCVD法または蒸着法により形成することができる。このとき、隣り合うカラーフィルタ17の離間距離とカラーフィルタ17の高さとその比率(アスペクト比)、フィルタ保護層18の厚み、フィルタ保護層18を形成する材料のステップカバレッジなどの、各種の保護層形成条件が定められる。これにより隣り合うカラーフィルタ17間のフィルタ保護層18内に、その保護層形成条件に応じた空隙部12が形成される。空隙部12のテーパ角β、下端位置等についても、これらの保護層形成条件で制御される。
 なお、フィルタ保護層18の形成は、カラーフィルタ17や発光素子13の劣化を抑制する観点から低温条件下で実施されることが好ましい。フィルタ保護層18の形成は、具体的には例えば、100℃以下の温度条件下で実施されることが、カラーフィルタ17や発光素子13の性能を維持しつつ空隙部12を形成することができる観点からは好ましい。
 以上により、図1に示す表示装置10が得られる。
[1-3 作用効果]
 表示装置10によれば、隣り合うカラーフィルタ17の間のフィルタ保護層18内に空隙部12が形成されている。このため、カラーフィルタ17を斜め方向に伝搬した光が隣接するサブ画素側に漏れ出にくくなり、光の混合や混色を抑制することができる。また、隣接するサブ画素側に進む光は、フィルタ保護層18と空隙部12との接触界面で反射して第1の面側から外部に取り出せるようになることから、光の取り出し効率を向上させることができる。
 図1の表示装置10のように、カラーフィルタ17の上面部27及び側面部28がフィルタ保護層18で被覆されていることで、カラーフィルタ17の膨潤抑制性及び脱ガス抑制性を向上させることができる。また、フィルタ保護層18がカラーフィルタ17を覆うように形成され且つ素子保護層15に対して隣り合うカラーフィルタ17の間で接触していることで、カラーフィルタ17と素子保護層15の剥離を抑制することができ、カラーフィルタ17と素子保護層15との密着性を向上させることができるようになる。
 また、図1の表示装置10のように、フィルタ保護層18の第1の面の形状を調整して凹凸面を形成することでフィルタ保護層18にレンズの機能を持たせた場合には、表示装置の製造時にフィルタ保護層18上にレンズを別途設ける工程を省略することができ、表示装置の製造工程数の削減を実現することができる。
[1-4 変形例]
(変形例1)
 図1の表示装置10の例では、素子保護層15の上面(第1の面)が、平坦面であったが、これに限定されず、図3Aに示すように、素子保護層15の第1の面に段差部21が形成されてもよい。素子保護層15に段差部21が形成されている場合に、段差部21の上段面21Aにカラーフィルタ17が配置されていることで、フィルタ保護層18の下端をカラーフィルタ17よりも下方の位置(-Z方向側の位置)とすることができる。このため、フィルタ保護層18内に形成される空隙部12についても、空隙部12の下端をカラーフィルタ17よりも下方に位置させることが可能となる。段差部21の上段面21Aにカラーフィルタ17が配置される場合、図3Aに示すように段差部21の側面部21Bとカラーフィルタ17の側面部28とが面一となるようにカラーフィルタ17が配置されていてもよいし、後述するように、段差部21の側面部21Bとカラーフィルタ17の側面部28とが互いにずれた位置となるようにカラーフィルタ17が配置されてもよい。
 図3Aに示す表示装置10の例では、カラーフィルタ17の厚み方向(Z軸方向)に沿ってカラーフィルタ17から発光素子に向かう方向(-Z方向)を下方向とする場合に、空隙部12の下端が、カラーフィルタ17よりも下方に位置し且つ発光素子13よりも上方に位置している。変形例1の表示装置10によれば、空隙部12の下端がより下方に位置するようになるため(図13における空隙部12の高さhが低くなるため)、後述のシミュレーション例で説明するように光の取り出し効率を向上させることができる。
(変形例1にかかる表示装置の製造方法)
 このような表示装置10は、例えば図4A、図4Bに示すようにして製造することができる。図4A、図4Bは、変形例1にかかる表示装置10の製造工程を説明するための断面図である。上記した第1の実施形態にかかる表示装置10の製造方法と同様の工程が実施されて、図2Aに示すような素子積層体30を形成する。素子積層体30に対して、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術により所定の位置に溝部31が形成されることで、段差部21が形成される(図4A)。
 図4Bに示すように、素子保護層15の段差部21の上段面21A上に、カラーフィルタ17を形成する。カラーフィルタ17は、サブ画素及び画素のレイアウトに応じて定められた形状に、互いに間隔をあけて形成される。カラーフィルタ17は、例えばフォトリソグラフィ法を適用することにより形成することができる。図4Bの例では、赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bが、互いに離間した状態でストライプ状に形成される。
 次に、フィルタ保護層18が、カラーフィルタ17の第1の面上、隣り合うカラーフィルタ間、及び隣り合う段差部21間に一体的に形成される。フィルタ保護層18は、上記した第1の実施形態にかかる表示装置10の製造方法と同様に形成することができる。このとき隣り合うカラーフィルタ17間のフィルタ保護層18内及び隣り合う段差部21間のフィルタ保護層18内に、空隙部12が形成される。すなわち、空隙部12は、その下端が隣り合う段差部21間に位置するように、隣り合うカラーフィルタ17間の下側に形成される。こうして図3Aに示すような表示装置10を形成することができる。
(変形例2)
 図3Aに示すような上記変形例1にかかる表示装置10では、空隙部12の下端が、発光素子13よりも上方に位置しているが、空隙部12の下端は、これに限定されない。図 3Bに示すように、カラーフィルタ17の厚み方向に沿ってカラーフィルタ17から発光素子13に向かう方向を下方向とする場合に、空隙部12の下端が、隣り合う発光素子13の間に位置していてもよい(変形例2)。このとき、上下方向の位置(Z軸方向の位置)について、空隙部12の下端の位置が、第2の電極13Cや有機層13Bの位置にあってもよいし第1の電極13Aの位置にあってもよい。変形例2の表示装置10によれば、空隙部12の下端がより下方に位置するようになり、後述のシミュレーション例で説明するように光の取り出し効率を向上させることができる。
(変形例3)
 空隙部12の下端については、変形例1、2に限定されず、図3Cに示すように、カラーフィルタ17の厚み方向に沿ってカラーフィルタ17から発光素子13に向かう方向を下方向とする場合に、空隙部12の下端が、隣り合う発光素子13の間よりも下方に位置していてもよい(変形例3)。変形例3にかかる表示装置10によれば、空隙部12の下端がより下方に位置するようになり、変形例2と同様に、後述のシミュレーション例で説明するように光の取り出し効率を向上させることができる。また、変形例3にかかる表示装置10によれば、隣り合う発光素子13をフィルタ保護層18と空隙部12で区分することができる。
(変形例4)
 上記変形例1から3では、段差部21の側面部21Bとカラーフィルタ17の側面部28とが面一となるようにカラーフィルタ17が配置されていていたが、表示装置10においては、段差部21の側面部21Bとカラーフィルタ17の側面部28とが互いにずれた位置となるようにカラーフィルタ17が配置されてもよい。例えば、表示装置10においては、図6Aに示すように、段差部21の上段面21A内にカラーフィルタ17が配置されていてもよい(変形例4)。
(変形例4にかかる表示装置の製造方法)
 このような表示装置10は、例えば図4Cに示すように、段差部21の上段面21A内にカラーフィルタ17を配置することの他は、変形例1にかかる表示装置と同様の工程を実施することで製造することができる。
(変形例5)
 上記変形例4では、段差部21の側面部21Bとカラーフィルタ17の側面部28とが互いにずれた位置となるようなカラーフィルタ17の配置として、段差部21の上段面21A内にカラーフィルタ17が配置されていた。カラーフィルタ17の配置は、これに限定されない。
 表示装置10においては、図6Bに示すように、素子保護層15のうち段差部21の上段面21Aと側面部21Bを覆うようにカラーフィルタ17が配置されてもよい(変形例5)。この場合、段差部21の上段面21Aと側面部21Bがカラーフィルタ17の内側に入り込むようにカラーフィルタ17が配置された状態となり、段差部21の側面部21Bとカラーフィルタ17の側面部28とが互いにずれた位置となっている。
 変形例5にかかる表示装置10によれば、カラーフィルタ17と素子保護層15との接触面積が増加し、カラーフィルタ17と素子保護層15との密着性をより向上させることができるようになる。また、変形例5の表示装置10によれば、変形例1の表示装置と同様に、光の取り出し効率を向上させることができる。
(変形例5にかかる表示装置の製造方法)
 変形例5にかかる表示装置10は、例えば図5A、図5B、図5Cに示すようにして製造することができる。図5A、図5B、図5Cは、変形例5にかかる表示装置10の製造工程を説明するための図である。変形例1にかかる表示装置の製造方法と同様の工程で、素子積層体30が形成される(図5A)。さらに、変形例1にかかる表示装置の製造方法と同様の工程で、段差部21が形成される(図5B)。次に、図5Cに示すように、段差部21をカラーフィルタ17で覆うようにカラーフィルタ17が形成される。
 そして、フィルタ保護層18が、カラーフィルタ17の第1の面上、隣り合うカラーフィルタ17間に一体的に形成される。フィルタ保護層18は、上記した第1の実施形態にかかる表示装置10の製造方法と同様に形成することができる。このとき隣り合うカラーフィルタ17間のフィルタ保護層18内に、空隙部12が形成される。こうして図6Bに示すような表示装置10を形成することができる。
(変形例6)
 空隙部12の断面形状は、図1の例に示すようなテーパ状である場合に限定されない。空隙部12の断面形状は、図7Aに示すような、非テーパ状であってもよい。非テーパ状の形状としては、図7Aに示すような矩形状など四角形以上の多角形や、曲面部を有する形状などを例示することができる。また、空隙部12の断面形状は、図7Bに示すような逆テーパ状であってもよい。この場合でも、空隙部12を設けない場合に比べて光の利用効率を向上させることが可能となる。なお、図7A、図7Bは、変形例1について、空隙部12の断面形状が非テーパ状である場合と、空隙部12の断面形状が逆テーパ状である場合についてそれぞれ例示している。
(変形例7)
 空隙部12には、通常、内部に空気が充満しているが、空隙部12の内部には、空気以外の所定の気体が充満していてもよい。気体としては、窒素、二酸化炭素、希ガス等を例示することができる。空隙部12に空気が充満している場合、空隙部12の屈折率は、おおよそ1である。
(変形例8)
 フィルタ保護層18の第1の面が凹凸面となっている場合において、フィルタ保護層18の凸部18Aは、図1等に示すような断面台形状に限定されない。フィルタ保護層18の凸部18Aは、図10に示すように、半球状に形成されていてもよい。図10は、変形例1について、フィルタ保護層18の第1の面に凸部18Aが半球状に形成されている場合を例示している。また、図10の例では、凸部18Aが互いに連なるように形成されており、隣り合う凸部18Aの互いに繋がり合う部分が凹部となっている。凸部18Aは、それぞれのカラーフィルタ17の上側に形成され、個々の凸部18Aは、サブ画素のレイアウトに応じた形状・大きさに定められる。カラーフィルタ17の上側に凸部18Aが形成されている場合に、その凸部18Aの形状が半球状に調整されていることで、フィルタ保護層18にレンズ機能を持たせることができる。
(変形例9)
 図1の表示措置においては、カラーフィルタ17の配列は、図8Cに示すようなストライプ状配列であったが、本形態の表示装置10はこれに限定されない。カラーフィルタ17の配列は、図8Aに示すように正方配列であってもよいし、図8Bに示すようなデルタ状の配列であってもよい。また、カラーフィルタ17は、図8Cでは、赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17G、青色フィルタ17Bの3種類のストライプ状配列であったが、図9Cに示すように、4種類の色種のストライプ状配列でもよい。図9Cでは、白色フィルタ17W、赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17G、青色フィルタ17Bの組合せがストライプ状に配置されている。このことは、図8A、図8B、図9A、図9Bに例示するように、カラーフィルタ17の配列が、正方配列である場合、デルタ状の配列である場合についても同様である。
 すなわち図8Aに示す例では、1つの赤色フィルタ17R、2つの青色フィルタ17B、1つの緑色フィルタの組合せで1画素分の正方配列が構成されている。図9Aに示す例では、1つの白色フィルタ17W、1つの赤色フィルタ17R、1つの緑色フィルタ17G、1つの青色フィルタ17Bの組合せで1画素分の正方配列が構成されている。また、図8Bに示す例では、赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17G、青色フィルタ17Bがデルタ状に配置されている。図9Bに示す例では、白色フィルタ17W、赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17G、青色フィルタ17Bの組合せがデルタ状に配置されている。
[2 第2の実施形態]
 第1の実施形態にかかる表示装置10において、図11Cに示すように、カラーフィルタ17の上面部27とフィルタ保護層18との間にフィルタ上面保護膜29が形成されていてもよい(第2の実施形態)。なお、図11Cは、第1の実施形態の変形例1においてフィルタ上面保護膜29が形成されている場合についての例示している。
(フィルタ上面保護膜)
 フィルタ上面保護膜29は、カラーフィルタ17の上面部27の露出を規制する膜である。フィルタ上面保護膜29により、フィルタ保護層18形成時におけるカラーフィルタ17の表面劣化をより確実に抑制することができる。フィルタ上面保護膜29の材料としては、素子保護層15及びフィルタ保護層18と同様、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、および酸化アルミニウム(Al)等を例示することができる。
 第2の実施形態にかかる表示装置10は、例えば図11A、図11Bに示すようにして製造することができる。図11A、図11Bは、第2の実施形態にかかる表示装置の製造工程を説明するための図である。素子積層体30を形成する工程までは、上記した第1の実施形態にかかる表示装置の製造方法と同様の工程が実施される。
 素子積層体30に対して、素子保護層15の第1の面上にカラーフィルタ17を形成する。赤色フィルタ17R、緑色フィルタ17Gおよび青色フィルタ17Bが、互いに状態でストライプ状に形成される。このとき、これらのカラーフィルタ17は、互いに間隔をあけずに形成される。次に、フィルタ上面保護膜29が、カラーフィルタ17の第1の面上に形成される(図11A)。
 さらに、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術により、サブ画素及び画素のレイアウトに応じて所定の位置に溝部32が形成され、隣り合うカラーフィルタ17を互いに離間させた状態が形成される。次いで、フィルタ保護層18がフィルタ上面保護膜29の第1の面上に形成される。このとき、フィルタ保護層18は、隣り合うカラーフィルタ17間にも形成され、カラーフィルタ17の側面部28を覆う。フィルタ保護層18は、素子保護層15と同様に、例えばCVD法または蒸着法により形成することができる。また、フィルタ保護層18の形成時に、隣り合うカラーフィルタ17間のフィルタ保護層18内に空隙部12が形成される。こうして表示装置10が得られる。
[3.第3の実施形態]
 第1の実施形態又は第2の実施形態にかかる表示装置において、図12に示すように、フィルタ保護層18の第1の面(上面)上に、平坦化層19とレンズ20が積層されていてもよい。
(平坦化層)
 平坦化層19は、フィルタ保護層18とレンズ20の間に設けられている。平坦化層19は、フィルタ保護層18の第1の面側の表面を平坦面化し、フィルタ保護層18とレンズ20とを接着する接着層としての機能を有している。平坦化層19は、例えば、熱硬化型樹脂および紫外線硬化型樹脂のうちの少なくとも1種を含む。
(レンズ)
 レンズ20は、平坦化層19の表面上に設けられている。表示装置においては、カラーフィルタ17を通過した光がさらにレンズ20を通過することで、光の進行方向が整えられる。
 第3の実施形態にかかる表示装置は、次のように製造することができる。まず、第1の実施形態又は第2の実施形態にかかる表示装置の製造方法で説明した方法で、フィルタ保護層18の形成まで実施する。次いで、フィルタ保護層18の第1の面上に、平坦化層19を形成する。例えばODF(One Drop Fill)方式を用いて、フィルタ保護層18の第1の面全面を覆うように平坦化層19を形成することができる。
 平坦化層19の第1の面側にレンズ20が形成される。レンズ20は、溶融法やエッチバック法等を用いたオンチップマイクロレンズ(OCL)形成方法を適用することで形成することができる。これにより、表示装置10が得られる。
[4 シミュレーション例]
 表示装置10におけるフィルタ保護層18と空隙部12との接触界面での光の全反射位置のシミュレーション例について、図13、図14、図15A、図15Bを用いて説明する。図13、図14は、第2の実施形態にかかる表示装置における接触界面での全反射位置を定めるためのシミュレーションの条件を説明するための図である。また、図15A、図15Bは、シミュレーションの結果を示す図である。
 図13、図14に示す表示装置10を想定した場合、発光素子13の有機層13Bの発光位置V1からの光(図13、図14において、フィルタ保護層18から空隙部12に向かう光U1)がフィルタ保護層18と空隙部12との接触界面で全反射するための条件は、式1に示すように定められる。図13、図14中、符号V2は、界面反射位置を示す。界面反射位置V2とは、光U1がフィルタ保護層18と空隙部12との接触界面で界面反射を生じうる位置を示しており、フィルタ保護層18と空隙部12との接触界面と、光U1の進行方向に沿った線との交差する位置として特定される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 ただし、式1において、hは、発光素子13の発光位置V1の高さ(Z軸方向の位置)を基準としてフィルタ保護層18と空隙部12との接触界面での界面反射位置V2までの高さ(全反射を生じる最小の高さ)である(図13中、高さh)。すなわち、図13において、hは、発光位置V1を含む水平面(図13において、符号E1を付した一点鎖線で示す。)から界面反射位置V2までのZ軸方向に沿った距離(発光位置からの高さ)である。なお、高さhを特定するための高さ方向(+Z方向)は、水平面E1と直交している。Lは、発光素子13の開口14Aの開口端から発光位置V1までの距離である(図13中、距離L)。βは、界面反射位置V2を含む水平面(図14において、符号Eを付した一点鎖線で示す。)に対するフィルタ保護層18と空隙部12との接触界面(図13、図14中、空隙部12の側壁面12A)の傾斜度(空隙部12のテーパ角)(図14中、テーパ角β)である。また、テーパ角βは、図13に示すように、水平面E1に対する接触界面の延長面(図13において、符号Eを付した一点鎖線で示す。)の傾斜度ともなっている。
 また、θmaxは臨界角である。臨界角θmaxは、接触界面に対する光U1の入射角をθとし、屈折角をθとした場合に、屈折角θが90°となるような入射角θの値である。なお、図14に示すように、入射角θは、接触界面の法線mと光U1のなす角度であり、接触界面の法線mと反射光U2とのなす角度に等しい。また、光U3は、屈折光である。接触界面で光U1の全反射は、入射角θ1が臨界角θmax以上である場合に生じる。臨界角θmaxは、フィルタ保護層18の屈折率と空隙部12の屈折率に基づき算出することができる。
 上記式1において等号が成立する際の距離Lと高さhの関係について、次に示す条件下でシミュレーションを行った。シミュレーションは、Lの値を変動させた場合におけるhの値を定めることで実施された。また、シミュレーションは、βの値を60°から110°の範囲とし、2°間隔でテーパ角βを変更する条件で実施された。シミュレーションの結果は、Lを横軸、hを縦軸としたグラフにして、図15Aに示す。図15A中、テーパ角βが60°の場合をβ(60)、テーパ角βが60°の場合をβ(110)と表示する。また、テーパ角βが60°から110°の範囲から選ばれたF1[°]である場合をβ(F1)、テーパ角βが60°から110°の範囲から選ばれたF2[°]である場合をβ(F2)とする。なお、F2の値は、F1の値よりも大きいものとする。図15A中、上記式1において等号が成立する条件下で、所定のテーパ角β且つ所定の距離Lの場合における高さhの値は、白抜きの丸印で示す。これは後述する空隙部非形成の例についてのシミュレーション結果を示す図15Bについても同様である。
(シミュレーションの条件)
(条件1)
 画素ピッチが3.6μm(図13中、長さN)、
 発光素子の第1の電極の寸法が1.0μm(図13中、長さA1)、
 隣り合う第1の電極間距離が0.2μm(図13中、長さA2)、
 第1の電極の厚みが0.075μm(図13中、長さB1)、
 有機層の厚みが0.22μm(図13中、長さB2)、
 第2の電極の厚みが0.06μm(図13中、長さB3)、
 素子保護層の厚みが0.5μm(図13中、長さC)、及び、
 カラーフィルタの厚みが1.1μm(図13中、長さD)である。
(条件2)
 画素ピッチを4.2μmとし、隣り合う第1の電極間距離を0.4μmとした他は、条件1と同じである。
(条件3)
 画素ピッチを5.1μmとし、隣り合う第1の電極間距離を0.7μmとした他は、条件1と同じである。
 図15Aに示すシミュレーション結果から、所定の距離Lについて、テーパ角βの値がβ(F2)である場合よりもテーパ角βの値が(F1)である場合のほうが、高さhの値が小さい。すなわち、フィルタ保護層18の空隙部12のテーパ角βが小さいほど全反射を生じる最小の高さの値hを小さくすることができることが確認された。したがって、フィルタ保護層18の空隙部12のテーパ角βが小さいほど、接触界面で全反射させることができる範囲が広がり、光の取り出し効率を向上させることができることが確認された。
 また、条件1においては、発光位置V1は開口端を基準として0μmの位置から0.9μmの位置までの範囲(図15A中、範囲Re1)で全反射させることができるように空隙部12を形成できることが好ましい。図15Aのシミュレーション結果によれば、範囲Re1では、全反射条件を満たす距離Lと高さhの組み合わせとなる領域(図15A中、ハッチングを付して示す領域Ar1)が存在する。したがって、条件1については、全反射条件を満たすように空隙部12の設計をすることが可能となる。条件2においては、発光位置V1は開口端を基準として0μmの位置から1.1μmの位置までの範囲(図15A中、範囲Re2)で全反射させることができるように空隙部12を形成できることが好ましい。図15Aのシミュレーション結果によれば、範囲Re2では、全反射条件を満たす距離Lと高さhの組み合わせとなる領域(図15A中、ハッチングを付して示す領域Ar1及び領域Ar2を合わせた領域)が存在する。したがって、条件2については、全反射条件を満たすように空隙部12の設計をすることが可能となる。条件3においては、発光位置V1は開口端を基準として0μmの位置から1.4μmの位置までの範囲(図15A中、範囲Re3)で全反射させることができるように空隙部12を形成できることが好ましい。図15Aのシミュレーション結果によれば、範囲Re3では、全反射条件を満たす距離Lと高さhの組み合わせとなる領域(図15A中、ハッチングを付して示す領域Ar1、領域Ar2及び領域Ar3を合わせた領域)が存在する。したがって、条件3についても、全反射条件を満たすように空隙部12の設計をすることが可能となる。
 さらに、図15Aに示すシミュレーション結果から、画素ピッチが縮小しても、空隙部12の高さを小さくすればより多くの光を全反射させることができ、光の取り出し効率を向上させることができることが確認された。
 また、上記の結果と比較するために、図13、図14に示す表示装置10において空隙部12の部分を固体層に置換した場合が想定された(空隙部非形成の例)。固体層としては、SiOの層が想定された。この場合について、上記の条件1から条件3に基づき、シミュレーションを行った。シミュレーション結果を図15Bに示す。
 図15Bの結果から、空隙部非形成の例では、条件2や条件3のように条件1に比べてLが大きい値になりうる場合(範囲Re2、範囲Re3の場合)(画素ピッチが大きい場合)に、カラーフィルタ17の第1の面よりも下方側の位置で全反射条件を満たすように、高さhを定めることができない場合が生じてくる。すなわち、範囲Re2、範囲Re3の場合には、全反射条件を満たす距離Lと高さhの組み合わせとなる領域(図15B中、領域Ar4)から外れる部分が生じる。それに対して、図15Aの結果から、空隙部12が形成されている場合には、条件2や条件3においてLが大きい値でも、カラーフィルタの第1の面よりも下方側の位置で全反射条件を満たす高さhを定めることができる。
 このように図15Aのシミュレーション結果と図15Bのシミュレーション結果の比較から、フィルタ保護層18内には空隙部12が形成されていることで、固体層が形成されている場合よりも、接触界面における全反射の実現がより容易となっていることが確認された。
[5 応用例]
(電子機器)
 上述の一実施形態および変形例に係る表示装置10は、種々の電子機器に備えられてもよい。特にビデオカメラや一眼レフカメラの電子ビューファインダまたはヘッドマウント型ディスプレイ等の高解像度が要求され、目の近くで拡大して使用されるものに備えられることが好ましい。
(具体例1)
 図16Aは、デジタルスチルカメラ310の外観の一例を示す正面図である。図16Bは、デジタルスチルカメラ310の外観の一例を示す背面図である。このデジタルスチルカメラ310は、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのものであり、カメラ本体部(カメラボディ)311の正面略中央に交換式の撮影レンズユニット(交換レンズ)312を有し、正面左側に撮影者が把持するためのグリップ部313を有している。
 カメラ本体部311の背面中央から左側にずれた位置には、モニタ314が設けられている。モニタ314の上部には、電子ビューファインダ(接眼窓)315が設けられている。撮影者は、電子ビューファインダ315を覗くことによって、撮影レンズユニット312から導かれた被写体の光像を視認して構図決定を行うことが可能である。電子ビューファインダ315としては、上述の一実施形態および変形例に係る表示装置10のいずれかを用いることができる。
(具体例2)
 図17は、ヘッドマウントディスプレイ320の外観の一例を示す斜視図である。ヘッドマウントディスプレイ320は、例えば、眼鏡形の表示部321の両側に、使用者の頭部に装着するための耳掛け部322を有している。表示部321としては、上述の一実施形態および変形例に係る表示装置10のいずれかを用いることができる。
(具体例3)
 図18は、テレビジョン装置330の外観の一例を示す斜視図である。このテレビジョン装置330は、例えば、フロントパネル332およびフィルターガラス333を含む映像表示画面部331を有しており、この映像表示画面部331は、上述の一実施形態および変形例に係る表示装置10のいずれかにより構成される。
 以上、本開示の第1の実施形態から第3の実施形態およびそれらの変形例について具体的に説明したが、本開示は、上述の第1の実施形態から第3の実施形態およびそれらの変形例に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
 例えば、上述の第1の実施形態から第3の実施形態およびそれらの変形例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値等を用いてもよい。
 上述の第1の実施形態から第3の実施形態およびそれらの変形例の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
 上述の第1の実施形態から第3の実施形態およびそれらの変形例に例示した材料は、特に断らない限り、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
 また、本開示は以下の構成を採用することもできる。
(1)有機層を有する複数の発光素子と、
 それぞれの前記発光素子に対応する位置に配置された複数のカラーフィルタと、
 複数の前記カラーフィルタの側面部を被覆するフィルタ保護層と
を備え、
 隣り合う前記カラーフィルタ間の位置には、前記フィルタ保護層内に空隙部が形成されている、
 表示装置。
(2)前記カラーフィルタの厚み方向に沿って前記カラーフィルタから前記発光素子に向かう方向を下方向とする場合に、前記空隙部の下端が、前記カラーフィルタよりも下方に位置し且つ前記発光素子よりも上方に位置している、
上記(1)に記載の表示装置。
(3)前記カラーフィルタの厚み方向に沿って前記カラーフィルタから前記発光素子に向かう方向を下方向とする場合に、前記空隙部の下端が、隣り合う前記発光素子の間に位置している、
上記(1)に記載の表示装置。
(4)前記カラーフィルタの厚み方向に沿って前記カラーフィルタから前記発光素子に向かう方向を下方向とする場合に、前記空隙部の下端が、隣り合う前記発光素子の間よりも下方に位置している、
上記(1)に記載の表示装置。
(5)前記空隙部の断面形状が順テーパ状、非テーパ状、及び逆テーパ状のいずれかである、
上記(1)から(4)のいずれかに記載の表示装置。
(6)前記フィルタ保護層の屈折率は、前記カラーフィルタの屈折率以下である、
上記(1)から(5)のいずれかに記載の表示装置。
(7)前記発光素子を覆う素子保護層を、
備え、
 前記素子保護層は、該素子保護層の上面に段差部を形成しており、
 前記段差部の側面部と前記カラーフィルタの側面部とが互いにずれた位置に配置されている、
上記(1)から(6)のいずれかに記載の表示装置。
(8)前記発光素子を覆う素子保護層を、
備え、
 前記フィルタ保護層の屈折率は、前記素子保護層の屈折率以下である、
上記(1)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
(9)隣り合う前記カラーフィルタの間隔に対する前記カラーフィルタの高さの比率が1以上である、
上記(1)から(8)のいずれかに記載の表示装置。
(10)前記フィルタ保護層は、さらに前記カラーフィルタの上面部側を被覆しており、
 前記フィルタ保護層の表面形状が、平坦面又は、台形状もしくは半球状のいずれかの凸部を有する凹凸面である、
上記(1)から(9)のいずれかに記載の表示装置。
(11)前記フィルタ保護層の上面に、さらに平坦化膜とレンズがこの順に形成されている、
上記(1)から(9)からに記載の表示装置。
(12)前記カラーフィルタの上面部と前記フィルタ保護層との間に、フィルタ上面保護膜が形成されている、
上記(1)から(11)のいずれかに記載の表示装置。
(13)複数の前記カラーフィルタは、正方配列、デルタ状配列、及びストライプ状配列のいずれかの配列で配置されている、
上記(1)から(12)のいずれかに記載の表示装置。
(14)前記有機層の発光色は、白色、赤色、青色及び緑色のいずれか1種類である、
上記(1)から(13)のいずれかに記載の表示装置。
(15)上記(1)から(14)のいずれかに記載の表示装置を備えた、電子機器。
 10 表示装置
 11  基板
 12  空隙部
 13A  第1の電極
 13B  有機層
 13C  第2の電極
 14  絶縁層
 15  素子保護層
 17  カラーフィルタ
 18  フィルタ保護層
 19  平坦化層
 20  レンズ
 21  段差部
 21A 上段面
 21B 側面部
 27  上面部
 28  側面部
 31、32 溝部
 310  デジタルスチルカメラ
 320  ヘッドマウントディスプレイ
 330  テレビジョン装置

Claims (15)

  1.  有機層を有する複数の発光素子と、
     それぞれの前記発光素子に対応する位置に配置された複数のカラーフィルタと、
     複数の前記カラーフィルタの側面部を被覆するフィルタ保護層と
    を備え、
     隣り合う前記カラーフィルタ間の位置には、前記フィルタ保護層内に空隙部が形成されている、
     表示装置。
  2.  前記カラーフィルタの厚み方向に沿って前記カラーフィルタから前記発光素子に向かう方向を下方向とする場合に、前記空隙部の下端が、前記カラーフィルタよりも下方に位置し且つ前記発光素子よりも上方に位置している、
    請求項1に記載の表示装置。
  3.  前記カラーフィルタの厚み方向に沿って前記カラーフィルタから前記発光素子に向かう方向を下方向とする場合に、前記空隙部の下端が、隣り合う前記発光素子の間に位置している、
     請求項1に記載の表示装置。
  4.  前記カラーフィルタの厚み方向に沿って前記カラーフィルタから前記発光素子に向かう方向を下方向とする場合に、前記空隙部の下端が、隣り合う前記発光素子の間よりも下方に位置している、
     請求項1に記載の表示装置。
  5.  前記空隙部の断面形状が順テーパ状、非テーパ状、及び逆テーパ状のいずれかである、
     請求項1に記載の表示装置。
  6.  前記フィルタ保護層の屈折率は、前記カラーフィルタの屈折率以下である、
     請求項1に記載の表示装置。
  7.  前記発光素子を覆う素子保護層を、
    備え、
     前記素子保護層は、該素子保護層の上面に段差部を形成しており、
     前記段差部の側面部と前記カラーフィルタの側面部とが互いにずれた位置に配置されている、
     請求項1に記載の表示装置。
  8.  前記発光素子を覆う素子保護層を、
    備え、
     前記フィルタ保護層の屈折率は、前記素子保護層の屈折率以下である、
     請求項1に記載の表示装置。
  9.  隣り合う前記カラーフィルタの間隔に対する前記カラーフィルタの高さの比率が1以上である、
     請求項1に記載の表示装置。
  10.  前記フィルタ保護層は、さらに前記カラーフィルタの上面部側を被覆しており、
     前記フィルタ保護層の表面が、平坦面又は、台形状もしくは半球状のいずれかの凸部を有する凹凸面である、
     請求項1に記載の表示装置。
  11.  前記フィルタ保護層の上面に、さらに平坦化膜とレンズがこの順に形成されている、
     請求項1に記載の表示装置。
  12.  前記カラーフィルタの上面部と前記フィルタ保護層との間に、フィルタ上面保護膜が形成されている、
     請求項1に記載の表示装置。
  13.  複数の前記カラーフィルタは、正方配列、デルタ状配列、及びストライプ状配列のいずれかの配列で配置されている、
     請求項1に記載の表示装置。
  14.  前記有機層の発光色は、白色、赤色、青色及び緑色のいずれか1種類である、
     請求項1に記載の表示装置。
  15.  請求項1記載の表示装置を備えた、
     電子機器。
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