WO2022039219A1 - 患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法 - Google Patents
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- a technique for producing a three-dimensional cell tissue which comprises a step of collecting cells to form a cell aggregate on a substrate and a step of culturing the cells to obtain a three-dimensional cell tissue (for example, Patent Document). See 1).
- Cell aggregates can also be formed by placing the mixture obtained by the above steps in a suitable container and allowing it to stand, or by placing the mixture obtained by the above steps in a suitable container, for example.
- Cells may be aggregated to form a cell aggregate by centrifugation, magnetic separation, filtration, or the like. When cells are collected by centrifugation, magnetic separation, filtration, etc., the liquid portion may or may not be removed.
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Abstract
線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
Description
本発明は、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウム及び患者由来癌細胞の培養方法に関する。
本願は、2020年8月21日に日本に出願された特願2020-140076号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2020年8月21日に日本に出願された特願2020-140076号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
生体から採取した細胞を培養することは、困難な場合がある。特殊な培地を用いて培養することにより、生体から採取した細胞を培養できる場合もあるが、このような培地は高コストであり、使いにくい場合がある。このため、生体から採取した細胞をより低コストで簡便に培養する技術が求められている。
ところで、本願発明者らは、以前に、細胞が、カチオン性緩衝液、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を少なくとも含む溶液に懸濁されている混合物を得る工程と、得られた前記混合物から前記細胞を集め、基材上に細胞集合体を形成する工程と、前記細胞を培養し、立体的細胞組織を得る工程と、を含む、立体的細胞組織の製造技術を開発した(例えば、特許文献1を参照)。
本発明は、生体から採取した細胞を培養する技術を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
[2]前記立体的細胞組織の厚さが5μm以上である、[1]に記載の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
[3]前記細胞集団が血管内皮細胞を更に含む、[1]又は[2]に記載の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
[4]前記第1の培地がDMEM培地である、[1]~[3]のいずれかに記載の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の製造方法により製造された、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウム。
[6]患者由来癌細胞の培養方法であって、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムを含む第2の培地中で、患者由来癌細胞を培養する工程を含み、前記患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムは、線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法により製造されたものである、患者由来癌細胞の培養方法。
[7]前記立体的細胞組織の厚さが5μm以上である、[6]に記載の患者由来癌細胞の培養方法。
[8]前記細胞集団が血管内皮細胞を更に含む、[6]又は[7]に記載の患者由来癌細胞の培養方法。
[9]前記第1の培地がDMEM培地である、[6]~[8]のいずれかに記載の患者由来癌細胞の培養方法。
[10]前記第2の培地中の前記患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの割合が20体積%以上である、[6]~[9]のいずれかに記載の患者由来癌細胞の培養方法。
[11]前記第2の培地がDMEM培地を含む、[6]~[10]のいずれかに記載の患者由来癌細胞の培養方法。
[1]線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
[2]前記立体的細胞組織の厚さが5μm以上である、[1]に記載の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
[3]前記細胞集団が血管内皮細胞を更に含む、[1]又は[2]に記載の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
[4]前記第1の培地がDMEM培地である、[1]~[3]のいずれかに記載の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の製造方法により製造された、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウム。
[6]患者由来癌細胞の培養方法であって、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムを含む第2の培地中で、患者由来癌細胞を培養する工程を含み、前記患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムは、線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法により製造されたものである、患者由来癌細胞の培養方法。
[7]前記立体的細胞組織の厚さが5μm以上である、[6]に記載の患者由来癌細胞の培養方法。
[8]前記細胞集団が血管内皮細胞を更に含む、[6]又は[7]に記載の患者由来癌細胞の培養方法。
[9]前記第1の培地がDMEM培地である、[6]~[8]のいずれかに記載の患者由来癌細胞の培養方法。
[10]前記第2の培地中の前記患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの割合が20体積%以上である、[6]~[9]のいずれかに記載の患者由来癌細胞の培養方法。
[11]前記第2の培地がDMEM培地を含む、[6]~[10]のいずれかに記載の患者由来癌細胞の培養方法。
本発明によれば、生体から採取した細胞を培養する技術を提供することができる。
[患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法]
一実施形態において、本発明は、線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法を提供する。
一実施形態において、本発明は、線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法を提供する。
コンディションドメディウムとは、馴化培養液、条件培養液、調整培養液又は熟成培養液等とも呼ばれるものであり、細胞を培養後に培養物から回収した培地である。コンディションドメディウムには、細胞が分泌した様々な因子が含まれている。
患者由来癌細胞とは、生体から採取した初代細胞であるか、初代細胞に近い細胞である。初代細胞に近い細胞とは、樹立されておらず、寿命が有限の細胞を意味する。初代細胞に近い細胞は、生体から採取した後、継代数が少なく、分裂した回数が概ね80回以下である細胞であってよい。患者由来癌細胞は、単一の種類の細胞であってもよく、複数の種類の細胞が混在していてもよい。
実施例において後述するように、本実施形態のコンディションドメディウムは、患者由来癌細胞培養の用途に適している。本実施形態のコンディションドメディウムを使用することにより、特殊培地を使用しなくても、患者由来癌細胞を培養することができる。ここで、本明細書において特殊培地とは、ES細胞培養用培地(例えば、ES細胞培養用培地、Gibco社)、StemPro hESC SFM - Human Embryonic Stem Cell Culture Medium(Thermo Fisher社)等を意味する。
本明細書において、「立体的細胞組織」とは、立体的な細胞の集合体を意味する。立体的細胞組織の形態に特に制限は無く、例えば、セルカルチャーインサートの内部で細胞を培養して形成した立体的細胞組織であってもよいし、コラーゲン等の天然生体高分子や合成高分子によって構成されたスキャフォールド内で細胞を培養して形成した立体的細胞組織であってもよいし、細胞凝集体(スフェロイド)であってもよいし、シート状の細胞構造体であってもよい。
立体的細胞組織は、例えば、線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む混合物を得る工程(A)と、前記混合物から細胞集合体を得る工程(B)と、前記細胞集合体を培養して立体的細胞組織を得る工程(C)とを含む方法により得ることができる。以下、各工程について説明する。
まず、工程(A)において、線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む混合物を得る。細胞が線維芽細胞であるか否かは、顕微鏡で観察した細胞の形態によって判断することもできるし、細胞からのマーカー分子の発現により判断することもできる。線維芽細胞のマーカーとしては、Fibroblast growth factor receptor(FGFR)1、FGFR2、FGFR3、CD90及びビメンチン等が挙げられる。
線維芽細胞は、1種を単独で用いてもよいし2種以上を混合して用いてもよい。線維芽細胞の由来は特に限定されず、例えば、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウシ及びラット等が挙げられる。なかでも、ヒト由来の線維芽細胞であることが好ましい。
細胞集団は、線維芽細胞に加えて血管内皮細胞を更に含んでいてもよい。血管内皮細胞の由来は特に限定されず、例えば、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウシ、マウス、ラット等が挙げられる。なかでも、ヒト由来の血管内皮細胞であることが好ましい。
細胞が血管内皮細胞であるか否かは、顕微鏡で観察した細胞の形態によって判断することもできるし、細胞からのマーカー分子の発現により判断することもできる。血管内皮細胞のマーカーとしては、CD31、VEGFR-2及びTie-2/Tek等が挙げられる。
細胞集団は、線維芽細胞及び血管内皮細胞以外の細胞を含んでいてもよい。このような細胞としては、例えば、骨、筋肉、内臓、神経、脳、骨、皮膚及び血液等に由来する体細胞、生殖細胞、誘導多能性幹細胞細胞(iPS細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)、組織幹細胞及び癌細胞等が挙げられる。癌細胞としては、大腸癌、肺癌、胃癌、食道癌、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、腎細胞癌及び肝癌等に由来する癌細胞が挙げられる。
細胞集団を構成する細胞は、初代細胞であってもよいし、継代培養細胞及び細胞株細胞等の培養細胞であってもよい。
工程(A)線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質に、カチオン性物質を更に混合してもよい。カチオン性物質としては、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、任意の正電荷を有する物質を用いることができる。カチオン性物質には、トリス-塩酸、トリス-マレイン酸、ビス-トリス及びHEPES等のカチオン性緩衝剤、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリリシン、ポリヒスチジン及びポリアルギニン等が挙げられるが、これらに限定されない。なかでもカチオン性緩衝剤が好ましく、トリス-塩酸がより好ましい。
カチオン性物質の濃度は、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。本実施形態で用いられるカチオン性物質の濃度は10~100mMであることが好ましく、例えば20~90mMであってもよく、例えば30~80mMであってもよく、例えば40~70mMであってもよく、例えば45~60mMであってもよい。
カチオン性物質としてカチオン性緩衝剤を用いる場合、カチオン性緩衝液のpHは、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。本実施形態で用いられるカチオン性緩衝液のpHは6.0~8.0であることが好ましい。例えば、本実施形態で用いられるカチオン性緩衝液のpHは、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8.0であってよい。本実施形態で用いられるカチオン性緩衝液のpHは7.2~7.6であることがより好ましく、7.4であることが更に好ましい。
細胞外マトリックス成分としては、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、細胞外マトリックス(ECM)を構成する任意の成分を用いることができる。細胞外マトリックス成分としては、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、エラスチン、テネイシン、エンタクチン、フィブリリン、プロテオグリカン及びこれらの改変体又はバリアント等が挙げられるが、これらに限定されない。細胞外マトリックス成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プロテオグリカンとしては、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、ケラタン硫酸プロテオグリカン及びデルマタン硫酸プロテオグリカンが挙げられる。細胞外マトリックス成分としては、なかでも、コラーゲン、ラミニン及びフィブロネクチンが好ましく、コラーゲンが特に好ましい。
細胞外マトリックス成分の濃度は、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されず、0mg/mL超1.0mg/mL未満であることが好ましい。細胞外マトリックス成分の濃度は、0.005mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.01mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.025mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.025mg/mL以上0.1mg/mL以下であってもよい。細胞外マトリックス成分は、適切な溶媒に溶解して用いることができる。溶媒としては、水、緩衝液、酢酸水溶液等が挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、緩衝液又は酢酸水溶液が好ましい。
本明細書において、高分子電解質とは、高分子鎖中に解離可能な官能基を有する高分子を意味する。本実施形態で用いられる高分子電解質としては、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、任意の高分子電解質を用いることができる。高分子電解質としては、ヘパリン、コンドロイチン硫酸(例えば、コンドロイチン4-硫酸及びコンドロイチン6-硫酸)、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸及びヒアルロン酸等のグリコサミノグリカン;デキストラン硫酸、ラムナン硫酸、フコイダン、カラギナン、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ポリアクリル酸及びこれらの誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの高分子電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態で用いられる高分子電解質は、グリコサミノグリカンであることが好ましい。なかでも、ヘパリン、コンドロイチン硫酸及びデルマタン硫酸が好ましく、ヘパリンが特に好ましい。
本実施形態の製造方法における高分子電解質の濃度は、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。高分子電解質の濃度は0mg/mL超1.0mg/mL未満であることが好ましく、0.005mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.01mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.025mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.025mg/mL以上0.1mg/mL以下であってもよい。
高分子電解質は、適切な溶媒に溶解して用いることができる。溶媒の例としては、水及び緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない。上述のカチオン性物質としてカチオン性緩衝液が用いられる場合、高分子電解質をカチオン性緩衝液に溶解して用いてもよい。
高分子電解質と細胞外マトリックス成分との配合比(重量比)は、1:2~2:1であることが好ましく、1:1.5~1.5:1であってもよく、1:1であってもよい。
工程(A)における、線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質の混合は、ディッシュ、チューブ、フラスコ、ボトル又はプレート等の適当な容器中で行うことができる。これらの混合は、以下の工程(B)で使用する容器中で行ってもよい。
続いて、工程(B)において、工程(A)で得られた混合物から細胞集合体を得る。本明細書において、「細胞集合体」とは、細胞が集合して一体となった構造体を意味する。細胞集合体には、遠心分離又はろ過等によって得られる細胞の沈殿体も含まれる。ある実施形態では、細胞集合体は、スラリー状の粘稠体である。「スラリー状の粘稠体」とは、Akihiro Nishiguchi et al., Cell-cell crosslinking by bio-molecular recognition of heparin-based layer-by-layer nanofilms, Macromol Biosci., 15 (3), 312-317, 2015. に記載されるようなゲル様の細胞集合体を指す。
細胞集合体は、上述した工程により得られた混合物を適切な容器に入れて静置することによって形成することもできるし、上述した工程により得られた混合物を適切な容器に入れて、例えば、遠心分離、磁性分離又はろ過等によって、細胞を集めて細胞集合体を形成してもよい。遠心分離、磁性分離又はろ過等によって細胞を集めた場合、液体部分は除去してもよいし、除去しなくてもよい。
工程(B)で用いられる容器としては、細胞の培養に用いるための培養容器が挙げられる。培養容器は、細胞及び微生物の培養に通常用いられている素材及び形状を有する容器であってよい。培養容器の素材としては、ガラス、ステンレス及びプラスチック等が挙げられるが、これらに限定されない。培養容器としては、ディッシュ、チューブ、フラスコ、ボトル及びプレート等が挙げられるが、これらに限定されない。容器は、少なくともその一部が、液体中の細胞を通過させず、液体を通すことが可能な材料で形成されていることが好ましい。このような容器としては、Transwell(登録商標)インサート、Netwell(登録商標)インサート、Falcon(登録商標)セルカルチャーインサート及びMillicell(登録商標)セルカルチャーインサート等のセルカルチャーインサートが挙げられるが、これらに限定されない。
遠心分離の条件は、細胞の生育に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。例えば、混合物をセルカルチャーインサートに播種し、10℃、400×gで1分間の遠心分離に供することで、細胞を集めることができる。
続いて、工程(C)において、細胞集合体を培養して立体的細胞組織を得る。細胞集合体を培養すると、細胞集合体の細胞同士の接着が促進されて立体的細胞組織として安定的なものになる。細胞集合体を5分~72時間培養すると立体的細胞組織が得られると考えられる。
細胞集合体の培養は、培養される細胞に適した培養条件下で行うことができる。当業者は、細胞の種類や所望の機能に応じて適切な培地を選択することができる。培地としては特に限定されないが、例えば、D-MEM、E-MEM、MEMα、RPMI-1640、McCoy’s 5A、Ham’s F-12等、及びこれらに血清を1~20容量%程度になるように添加した培地が挙げられる。血清としては、ウシ血清(CS)、ウシ胎児血清(FBS)及びウマ胎児血清(HBS)等が挙げられる。培養環境の温度や大気組成等の諸条件も培養される細胞に適した条件に調整すればよい。
細胞集合体を培養する前に溶液に懸濁してもよい。溶液は、細胞の生育及び立体的細胞組織の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。例えば、細胞集合体を構成する細胞に適した培地、又は緩衝液等を用いることができる。細胞集合体の懸濁は、ディッシュ、チューブ、フラスコ、ボトル及びプレート等の適当な容器中で行うことができる。
細胞集合体を溶液に懸濁した場合、培養の前に細胞を沈殿させて細胞の沈殿体を形成してもよい。細胞の沈殿は、例えば、遠心分離により行うことができる。遠心分離の条件は、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。例えば、細胞集合体の懸濁液を、室温、400~1,000×gで1分間の遠心分離に供して沈殿させてもよい。あるいは、自然沈降によって細胞を沈殿させてもよい。
工程(C)で用いる容器としては、工程(B)で用いる容器と同様のものが挙げられる。工程(C)において、工程(B)で用いた容器をそのまま用いてもよいし、別の容器に移し替えてもよい。
細胞の培養時に、構築された立体的細胞組織の変形(例えば、組織の収縮、組織末端の剥離等)を抑制するための物質を培地に添加してもよい。このような物質としては、Rho-associated coiled-coil forming kinase/Rho結合キナーゼ(ROCK)阻害剤であるY-27632等が挙げられるが、これに限定されない。
工程(A)及び工程(B)を2回以上行った後に工程(C)を行ってもよい。工程(A)及び工程(B)を繰り返すことにより、細胞集合体又は細胞の沈殿体を積層し、複数の層を有する立体的細胞組織を製造することができる。すなわち、厚さの大きい立体的細胞組織を製造することができる。
また、工程(A)及び工程(B)を繰り返して、細胞集合体又は細胞の沈殿体を積層する場合、繰り返すたびに異なる細胞集団を使用して、異なる種類の細胞によって構成される立体的細胞組織を積層してもよい。例えば、1回目の工程(A)と工程(B)を行った後に、1回目の工程(A)とは異なる細胞集団を用いて2回目の工程(A)を行う。その後、2回目の工程(B)を行うことで、1回目の工程(A)で用いた細胞集団を含む層の上に、2回目の工程(A)で用いた細胞集団を含む層を形成することができる。このように工程(A)及び工程(B)を複数回繰り返すことで、複数種の細胞集団によって構成される立体的細胞組織を積層することができる。
本実施形態のコンディションドメディウムの製造方法において、立体的細胞組織の厚さは5μm以上であることが好ましい。本明細書において、立体的細胞組織の厚さとは、立体的細胞組織の上面から見たときの重心を通る線に沿って取得した切片の厚さの最大値をいう。ここで、立体的細胞組織の上面から見たときの重心を通る線に沿って取得した切片の厚さとは、立体的細胞組織のほぼ中央部における切片の厚さである。切片の厚さとは、立体的細胞組織を上面から見たときの重心を通る線に沿って、立体的細胞組織を切断して得られる切片において測定される立体的細胞組織の厚さの最大値ともいうことができる。立体的細胞組織の形状は、立体的細胞組織の製造に使用した容器によって異なるが、例えば、円柱形状のセルカルチャーインサートを用いて立体的細胞組織を製造した場合には、円柱形状となる。この場合、立体的細胞組織を上面から見たときの形状は円であり、上面から見たときの重心は、円の中心となる。立体的細胞組織の形状は、円柱形状に限定されず、目的に応じて任意の形状であることができる。具体的には、例えば、三角柱形状及び四角柱形状等の多角柱形状等が例示できる。
立体的細胞組織の厚さが5μm以上であることにより、線維芽細胞を含む細胞集団の細胞数が十分に確保され、患者由来癌細胞培養の用途に適したコンディションドメディウムを得やすくなる傾向がある。立体的細胞組織の厚さの上限は特に限定されないが、300μm以下が現実的である。
本実施形態のコンディションドメディウムの製造方法では、上述した立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する。前記第1の培地は特に限定されないが、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)培地に加え、Ham's F-10 Nutrient Mixture、Ham's F-12 Nutrient Mixture、及びRPMI 1640 Mediaなど他の細胞培養培地であってもよい。代表的なDMEM培地の組成を下記表1に示す。
第1の培地中での立体的細胞組織の培養時間は、立体的細胞組織から、有効成分が十分な量分泌されるのに適した時間である。第1の培地中での立体的細胞組織の培養時間の上限は特に限定されないが、24~96時間程度が現実的である。12時間以下の培養では、有効成分が十分な量分泌されにくい。120時間以上培養すると、立体的細胞組織に含まれる細胞の生存率が下がりやすくなり、第1の培地中に含まれる有効成分の量が増加しにくくなると考えられる。つまり、第1の培地中での立体的細胞組織の培養時間は、12時間以上120時間以下であってよく、24時間以上96時間以下であってよく、24時間以上48時間以下であってよい。
[コンディションドメディウム]
一実施形態において、本発明は、上述した製造方法により製造された、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムを提供する。実施例において後述するように、本実施形態のコンディションドメディウムを使用することにより、特殊培地を使用しなくても、患者由来癌細胞を培養することができる。なお、本実施形態のコンディションドメディウムに含まれる、患者由来癌細胞の培養を可能にする因子は特定されていない。
一実施形態において、本発明は、上述した製造方法により製造された、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムを提供する。実施例において後述するように、本実施形態のコンディションドメディウムを使用することにより、特殊培地を使用しなくても、患者由来癌細胞を培養することができる。なお、本実施形態のコンディションドメディウムに含まれる、患者由来癌細胞の培養を可能にする因子は特定されていない。
[患者由来癌細胞の培養方法]
一実施形態において、本発明は、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムを含む第2の培地中で、患者由来癌細胞を培養する工程を含み、前記患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムは、線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法により製造されたものである、患者由来癌細胞の培養方法を提供する。
一実施形態において、本発明は、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムを含む第2の培地中で、患者由来癌細胞を培養する工程を含み、前記患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムは、線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法により製造されたものである、患者由来癌細胞の培養方法を提供する。
本実施形態の方法において、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムについは上述したものと同様である。実施例において後述するように、本実施形態の方法により、特殊培地を使用しなくても、患者由来癌細胞を培養することができる。
本実施形態の方法において、第2の培地は、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムのみから構成された培地であってもよいし、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムを他の培地で希釈した培地であってもよい。ここで、他の培地としては、前記第1の培地として用いたものと同じ培地でよく、例えばDMEM培地、Ham's F-10 Nutrient Mixture、Ham's F-12 Nutrient Mixture、及びRPMI 1640 Mediaが挙げられる。他の培地は、血清及び抗生物質等の添加剤を含んでいてもよい。
第2の培地中の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの割合は、第2の培地の総体積に対し20体積%以上であることが好ましい。第2の培地中の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの割合は、第2の培地の総体積に対し40体積%以上であってもよい。実施例において後述するように、第2の培地中の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの割合が上記の範囲であると、DMEM培地等の通常の培地を使用した場合と比較して、患者由来癌細胞を良好に培養することができる。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
(製造例1のコンディションドメディウムの調製)
ヒト新生児由来皮膚線維芽細胞であるNHDF(型番「CC-2509」、ロンザ社)2×107個を、0.05mg/mLヘパリン及び0.05mg/mLコラーゲンを含有する50mMトリス-塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁した。コラーゲンとしては、コラーゲンIを用いた。
(製造例1のコンディションドメディウムの調製)
ヒト新生児由来皮膚線維芽細胞であるNHDF(型番「CC-2509」、ロンザ社)2×107個を、0.05mg/mLヘパリン及び0.05mg/mLコラーゲンを含有する50mMトリス-塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁した。コラーゲンとしては、コラーゲンIを用いた。
続いて、細胞懸濁液を、室温、1000×gで1分間遠心し、上清を取り除いた後、10%ウシ胎児血清(FBS)を含む適量のDMEM培地で再懸濁した。続いて、細胞懸濁液を、100mmトランズウェルカルチャーインサート(型番「3419」、コーニング社)に播種し、立体的細胞組織を得た。立体的細胞組織の厚さは約100μmであった。
続いて、適量の10%FBS-DMEMを追加し、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)中で96時間以上培養した。続いて、100mmトランズウェルカルチャーインサートから培養上清を回収し、製造例1のコンディションドメディウムを得た。
[製造例2]
(製造例2のコンディションドメディウムの調製)
ヒト新生児由来皮膚線維芽細胞であるNHDF(型番「CC-2509」、ロンザ社)2×107個、及び、ヒト臍帯静脈内皮細胞であるHUVEC(型番「CC-2517A」、ロンザ社)3×105個を、0.05mg/mLヘパリン及び0.05mg/mLコラーゲンを含有する50mMトリス-塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁した。コラーゲンとしては、コラーゲンIを用いた。
(製造例2のコンディションドメディウムの調製)
ヒト新生児由来皮膚線維芽細胞であるNHDF(型番「CC-2509」、ロンザ社)2×107個、及び、ヒト臍帯静脈内皮細胞であるHUVEC(型番「CC-2517A」、ロンザ社)3×105個を、0.05mg/mLヘパリン及び0.05mg/mLコラーゲンを含有する50mMトリス-塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁した。コラーゲンとしては、コラーゲンIを用いた。
続いて、細胞懸濁液を、室温、1000×gで1分間遠心し、上清を取り除いた後、10%ウシ胎児血清(FBS)を含む適量のDMEM培地で再懸濁した。続いて、細胞懸濁液を、100mmトランズウェルカルチャーインサート(型番「3419」、コーニング社)に播種し、立体的細胞組織を得た。立体的細胞組織の厚さは約100μmであった。
続いて、適量の10%FBS-DMEMを追加し、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)中で96時間以上培養した。続いて、100mmトランズウェルカルチャーインサートから培養上清を回収し、製造例2のコンディションドメディウムを得た。
[製造例3]
(製造例3のコンディションドメディウムの調製)
ヒト新生児由来皮膚線維芽細胞であるNHDF(型番「CC-2509」、ロンザ社)2×107個、及び、ヒト臍帯静脈内皮細胞であるHUVEC(型番「CC-2517A」、ロンザ社)3×105個を、0.05mg/mLヘパリン及び0.05mg/mLコラーゲンを含有する50mMトリス-塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁した。コラーゲンとしては、コラーゲンIを用いた。
(製造例3のコンディションドメディウムの調製)
ヒト新生児由来皮膚線維芽細胞であるNHDF(型番「CC-2509」、ロンザ社)2×107個、及び、ヒト臍帯静脈内皮細胞であるHUVEC(型番「CC-2517A」、ロンザ社)3×105個を、0.05mg/mLヘパリン及び0.05mg/mLコラーゲンを含有する50mMトリス-塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁した。コラーゲンとしては、コラーゲンIを用いた。
続いて、細胞懸濁液を、室温、1000×gで1分間遠心し、上清を取り除いた後、10%ウシ胎児血清(FBS)を含む適量のDMEM培地で再懸濁した。続いて、細胞懸濁液を、100mmトランズウェルカルチャーインサート(型番「3419」、コーニング社)に播種し、立体的細胞組織を得た。立体的細胞組織の厚さは約100μmであった。
続いて、適量の10%FBS-DMEMを追加し、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)中で24時間培養した。続いて、上清を除去し、患者由来癌細胞であるPDC-Colon(大腸由来、型番「CE-HC-105」、オーラスバイオサイエンス社)1.5×106個を播種した。培地には10%FBS-DMEMを使用した。続いて、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)中で96時間以上培養した。続いて、100mmトランズウェルカルチャーインサートから培養上清を回収し、製造例3のコンディションドメディウムを得た。
[実験例1]
(患者由来癌細胞の培養1)
製造例1~3のコンディションドメディウムを用いて患者由来癌細胞を培養した。患者由来癌細胞として、PDC-Colon(大腸由来、型番「CE-HC-105」、オーラスバイオサイエンス社)を使用した。
(患者由来癌細胞の培養1)
製造例1~3のコンディションドメディウムを用いて患者由来癌細胞を培養した。患者由来癌細胞として、PDC-Colon(大腸由来、型番「CE-HC-105」、オーラスバイオサイエンス社)を使用した。
培地としては、製造例1~3のコンディションドメディウム、及び、これらのコンディションドメディウムと10%FBS-DMEMを混合した培地を使用した。コンディションドメディウムと10%FBS-DMEMの混合割合は、体積比で75:25(培地中のコンディションドメディウムの割合75%)、又は、50:50(培地中のコンディションドメディウムの割合50%)であった。また、比較のために、培地として、10%FBS-DMEMを使用した群、及び、特殊培地(ES細胞培養用培地、Gibco社)を使用した群も用意した。
具体的には、まず、PDC-Colonを各培地に懸濁し、4×103個/ウェルとなるように96ウェルプレートのウェルに播種した。続いて、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)中で7日間培養した。
続いて、トリプシン処理を行って細胞を回収し、トリパンブルーで染色した後、細胞計測装置(製品名「Countess II FL」、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて生細胞数を計測した。いずれの群についても、生存率は90%以上であった。
下記表2に、各群の患者由来癌細胞について、1ウェルあたりの生細胞数の計測結果を示す。表2中、「製造例1」は製造例1のコンディションドメディウムを意味し、「製造例2」は製造例2のコンディションドメディウムを意味し、「製造例3」は製造例3のコンディションドメディウムを意味する。
その結果、製造例1~3のコンディションドメディウムを用いた場合、培地中のコンディションドメディウムの割合にかかわらず、10%FBS-DMEM中で培養した場合と比較して、患者由来癌細胞の細胞数が多いことが明らかとなった。
また、製造例1~3のコンディションドメディウムを用いた場合、培地中のコンディションドメディウムの割合にかかわらず、患者由来癌細胞の細胞数は、特殊培地中で培養した場合と比較して同等以上であることが明らかとなった。
この結果は、製造例1~3のコンディションドメディウムを使用することにより、生体から採取した細胞を培養可能であることを示す。
[実験例2]
(患者由来癌細胞の培養2)
製造例1のコンディションドメディウムを用いて患者由来癌細胞を培養した。患者由来癌細胞として、PDC-Colon(大腸由来、型番「CE-HC-105」、オーラスバイオサイエンス社)を使用した。
(患者由来癌細胞の培養2)
製造例1のコンディションドメディウムを用いて患者由来癌細胞を培養した。患者由来癌細胞として、PDC-Colon(大腸由来、型番「CE-HC-105」、オーラスバイオサイエンス社)を使用した。
培地としては、製造例1のコンディションドメディウム、及び、製造例1のコンディションドメディウムと10%FBS-DMEMを混合した培地を使用した。コンディションドメディウムと10%FBS-DMEMの混合割合は、体積比で75:25(培地中のコンディションドメディウムの割合75%)、50:50(培地中のコンディションドメディウムの割合50%)、40:60(培地中のコンディションドメディウムの割合40%)、30:70(培地中のコンディションドメディウムの割合30%)、20:80(培地中のコンディションドメディウムの割合20%)、10:90(培地中のコンディションドメディウムの割合10%)であった。また、比較のために、培地として、10%FBS-DMEMを使用した群、及び、特殊培地(ES細胞培養用培地、Gibco社)を使用した群も用意した。
具体的には、まず、PDC-Colonを各培地に懸濁し、4×103個/ウェルとなるように96ウェルプレートのウェルに播種した。続いて、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)中で7日間培養した。
続いて、トリプシン処理を行って細胞を回収し、トリパンブルーで染色した後、細胞計測装置(製品名「Countess II FL」、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて生細胞数を計測した。いずれの群についても、生存率は90%以上であった。
下記表3に、各群の患者由来癌細胞について、1ウェルあたりの生細胞数の計測結果を示す。表3中、「製造例1」は製造例1のコンディションドメディウムを意味する。その結果、製造例1のコンディションドメディウムを20体積%以上含有する培地中で培養した場合、10%FBS-DMEM中で培養した場合と比較して、患者由来癌細胞の細胞数が多いことが明らかとなった。
また、製造例1のコンディションドメディウムを50体積%以上含有する培地中で培養した場合、特殊培地中で培養した場合と比較して、患者由来癌細胞の細胞数が多いことが明らかとなった。
[実験例3]
(患者由来癌細胞の培養3)
製造例2のコンディションドメディウムを用いて患者由来癌細胞を培養した。患者由来癌細胞として、PDC-Lung(肺由来、型番「LF-HC-088」、オーラスバイオサイエンス社)を使用した。
(患者由来癌細胞の培養3)
製造例2のコンディションドメディウムを用いて患者由来癌細胞を培養した。患者由来癌細胞として、PDC-Lung(肺由来、型番「LF-HC-088」、オーラスバイオサイエンス社)を使用した。
培地としては、製造例2のコンディションドメディウム、及び、製造例2のコンディションドメディウムと10%FBS-DMEMを混合した培地を使用した。コンディションドメディウムと10%FBS-DMEMの混合割合は、体積比で75:25(培地中のコンディションドメディウムの割合75%)、50:50(培地中のコンディションドメディウムの割合50%)、40:60(培地中のコンディションドメディウムの割合40%)、30:70(培地中のコンディションドメディウムの割合30%)、20:80(培地中のコンディションドメディウムの割合20%)、10:90(培地中のコンディションドメディウムの割合10%)であった。また、比較のために、培地として、10%FBS-DMEMを使用した群、及び、特殊培地(ES細胞培養用培地、Gibco社)を使用した群も用意した。
具体的には、まず、PDC-Lungを各培地に懸濁し、4×103個/ウェルとなるように96ウェルプレートのウェルに播種した。続いて、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)中で7日間培養した。
続いて、トリプシン処理を行って細胞を回収し、トリパンブルーで染色した後、細胞計測装置(製品名「Countess II FL」、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて生細胞数を計測した。いずれの群についても、生存率は90%以上であった。
下記表4に、各群の患者由来癌細胞について、1ウェルあたりの生細胞数の計測結果を示す。表4中、「製造例2」は製造例2のコンディションドメディウムを意味する。その結果、製造例2のコンディションドメディウムを10体積%以上含有する培地中で培養した場合、10%FBS-DMEM中で培養した場合と比較して、患者由来癌細胞の細胞数が多いことが明らかとなった。
また、製造例1のコンディションドメディウムを40体積%以上含有する培地中で培養した場合、特殊培地中で培養した場合と比較して、患者由来癌細胞の細胞数が多いことが明らかとなった。
本発明によれば、生体から採取した細胞を培養する技術を提供することができる。
Claims (11)
- 線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、
培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、
培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。 - 前記立体的細胞組織の厚さが5μm以上である、請求項1に記載の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
- 前記細胞集団が血管内皮細胞を更に含む、請求項1又は2に記載の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
- 前記第1の培地がDMEM培地である、請求項1~3のいずれか一項に記載の患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法により製造された、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウム。
- 患者由来癌細胞の培養方法であって、
患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムを含む第2の培地中で、患者由来癌細胞を培養する工程を含み、
前記患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムは、
線維芽細胞を含む細胞集団、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を含む立体的細胞組織を、第1の培地中で24時間以上培養する工程と、
培養後の前記第1の培地を回収する工程と、を含み、
培養後の前記第1の培地が患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムである、患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの製造方法により製造されたものである、患者由来癌細胞の培養方法。 - 前記立体的細胞組織の厚さが5μm以上である、請求項6に記載の患者由来癌細胞の培養方法。
- 前記細胞集団が血管内皮細胞を更に含む、請求項6又は7に記載の患者由来癌細胞の培養方法。
- 前記第1の培地がDMEM培地である、請求項6~8のいずれか一項に記載の患者由来癌細胞の培養方法。
- 前記第2の培地中の前記患者由来癌細胞培養用コンディションドメディウムの割合が20体積%以上である、請求項6~9のいずれか一項に記載の患者由来癌細胞の培養方法。
- 前記第2の培地がDMEM培地を含む、請求項6~10のいずれか一項に記載の患者由来癌細胞の培養方法。
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