WO2022024473A1 - 加工システムおよび加工方法 - Google Patents

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    • B23K26/36Removing material
    • B23K26/361Removing material for deburring or mechanical trimming

Abstract

複数層からなる複合部材に対する加工に際し、加工条件を最適化し、加工精度を向上させる。複数層からなる加工対象物の加工を行う加工システムにおいて、レーザ加工部と、加工方法設定部と、を有し、レーザ加工部は、レーザ照射部と、遮蔽板21とを有し、加工方法設定部は、遮蔽板21の挿入要否と加工条件とを決定する。また、加工方法設定部は、バリ43と、バリ43の下層であるB部材51Bと、遮蔽板21とのレーザ波長に対する最小加工エネルギから、(a1)遮蔽板を用いない加工が可能、(a2)遮蔽板を用いる加工が可能、(a3)加工不可のいずれかの判断を行う。また、加工方法設定部は、バリ43と、B部材51Bと、遮蔽板21とのレーザ波長に対する加工品質評価値、およびバリ43と、B部材51Bと、遮蔽板21の加工品質評価値の下限から、上記(a1)、(a2)、(a3)のいずれかの判断を行う。

Description

加工システムおよび加工方法
 本発明は、加工システムおよび加工方法に関する。
 生産の効率化や部材の高機能化に伴い、加工システムにより、複数の材料で構成される複合部材が製造されるようになっている。複合部材を製造する際、バリ等の不具合が発生することがある。バリが残された複合部材をそのまま正常品として出荷することはできないため、複合部材に対してバリを除去する工程が行われる。
 複合部材は、特性の異なる複数種類の材料が積層された構成となっているため、特定層の一部を除去する加工を行う際、別の材料で構成される特定層以外の層を傷つけてしまうというリスクがあった。これまでは、熟練者によって、特定層以外の層を傷つけないようにバリ等を除去する加工が施されてきたが、近年の労働人口の減少に伴い、熟練者に頼らない加工方法が要求されている。
 例えば、特許文献1には、異種材料からなる複数層(例えば3層)構造の積層体を、最上層の表面にレーザ光を照射して直線状に切断等するレーザ除去加工方法が開示されている。具体的には、第1層と第3層の切断を受け持つ各分岐レーザ光の波長を、第2高調波、第3高調波に変換しておき、1回の送りで、材料に応じたレーザ波長による切断を行う技術が開示されている。
 また、特許文献2には、感光性導電フィルムを用いて2層積層する構成において、これらの間に近赤外遮蔽材を含有する感光性導電フィルムを配置することで、上層側の感光性導電フィルムをレーザ光でパターン形成する際、下層側の感光性導電フィルムにダメージを与えることなく上層側の感光性導電フィルムを選択的にパターン形成する技術が開示されている。
特開2017-69243号公報 特開2019-54125号公報
 本発明者は、複数層からなる複合部材に対し、バリなどの特定層の一部を除去する加工技術について検討している。このような加工に際しては、種々の加工条件が存在するが、その条件は例えば前述した熟練者の試行錯誤によって見出されており、このような熟練者に頼らない加工システムや加工方法が求められている。
 そこで、本発明は、複数層からなる複合部材に対する加工に際し、加工条件を最適化し、加工精度や加工効率を向上できる加工システムおよび加工方法を提供することを目的とする。
 本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
 本発明の代表的な実施の形態による加工システムは、複数層からなる加工対象物の加工を行う加工システムであって、第1加工機構部と、加工方法設定部と、を有し、前記第1加工機構部は、レーザ照射部と、遮蔽板とを有し、前記加工方法設定部は、前記遮蔽板の挿入要否と加工条件とを決定する。
 本発明の代表的な実施の形態による加工方法は、レーザ照射部と、遮蔽板とを有する第1加工機構部と、加工方法設定部と、を有する加工システムを用いた複数層からなる加工対象物の加工を行う加工方法であって、(a)加工対象層と、前記加工対象層の下層である下地層と、前記遮蔽板の部材情報取得工程と、(b)前記加工方法設定部において加工可否判断を行う工程と、を有し、前記(b)工程は、(b1)前記遮蔽板を用いない加工が可能、(b2)前記遮蔽板を用いる加工が可能、(b3)加工不可のいずれかの判断を行う工程である。
 本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
 すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、複数層からなる複合部材に対する加工に際し、加工条件を最適化し、加工精度を向上させることが可能となる。
加工対象となる複合部材およびその加工の様子を示す図である。 レーザ加工部(レーザ加工機構部、レーザ加工装置)の構成を示す図である。 ナイフ加工部(ナイフ加工機構部、ナイフ加工装置)の構成を示す図である。 実施の形態1の加工システムの一例を示す概略構成図である。 加工条件設定・加工可否判定に対応するグラフである。 加工エネルギを示す式である。 加工エネルギ比を示す式である。 加工条件設定・加工可否判定に対応するグラフである。 実施の形態1の加工システムを用いた加工ステップのアルゴリズムフローを示す図である。 実施の形態1の加工条件設定・加工可否判定のアルゴリズムフローを示す図である。 加工判定マトリクスを示す図(表)である。 レーザの平均エネルギを示す図(式)である。 入力情報例を示す図(表)である。 表示部に表示される表示内容の一例を示す図である。 表示部に表示される表示内容の他の例を示す図である。
 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する各実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明の技術範囲を限定するものではない。なお、以下の実施の形態において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は、特に必要な場合を除き省略する。
 (実施の形態1)
 本実施の形態においては、複数層からなる複合部材に対する加工について説明する。図1は、加工対象となる複合部材およびその加工の様子を示す図である。図1(A)に示す複合部材は、材料BからなるB部材51Bと、B部材51Bの外周に設けられた材料AからなるA部材51Aと、A部材51Aの端部に設けられたバリ43とを有する。例えば、A部材51Aは、B部材51Bの端部に組み込まれた金型に溶融樹脂を流し込むことにより形成される。例えば、このような製法によれば、A部材51Aの端部に沿ってバリ43が生じ得る。
 このバリ43を除去する方法として、例えば、レーザ加工やナイフ加工がある。このような加工手段を用いて、例えば、図1(B)に示すように、Y方向に延在するA部材51Aの端部に沿って、バリ43に切れ目(切断線)を入れた後、バリ43を剥がすことにより、バリ43を除去することができる。このように、レーザ加工やナイフ加工などの加工において、バリ43に切れ目(切断線)を入れる際、バリ43の下層のB部材51Bを傷つけてしまわないように加工に工夫が必要である。
 <<レーザ加工部>>
 図2は、レーザ加工部(レーザ加工機構部、レーザ加工装置)の構成を示す図である。(A)は斜視図、(B)は上面図である。
 レーザ加工部(レーザ照射部)は、レーザ発振器1から発せられたレーザ光3を、ミラーやレンズ等の光学機器を含むレーザ光路変更器2と、偏光状態を変える偏光器(図示せず)とを介して加工部(ここでは、バリ43)へレーザ光3を照射し、切断線4を形成することで、加工部(ここでは、バリ43)を除去する加工を行う。
 レーザ光路変更器2は、レーザ光の照射位置を微調整するだけでなく、レーザ光を照射する角度の調整や、レーザ光を走査させる速度を調整することが可能である。
 偏光器は、レーザ光の偏光状態を変える機器である。偏光器は、例えば、レーザ光の偏光状態を円偏光にすることで(図2(B)参照)、走査方向によって加工条件が変化することを防止することが可能である。また、偏光器は、ガラスなどの透明体にレーザ光を照射する際、偏光状態をS偏光にしたレーザ光を斜め方向から照射することで、レーザ光を透過させずに透明体のダメージを低減させることが可能である。このときのレーザ照射角度は、60~80度であることが望ましい。
 ここで、本実施の形態においては、レーザ加工の際に遮蔽板21を用いることができる。この遮蔽板21は遮蔽板駆動機構(図示せず)により駆動される。遮蔽板駆動機構は、加工部(ここでは、バリ43)とB部材51Bとの間に遮蔽板21を挿入するための機構である。遮蔽板21は、照射するレーザ光でB部材51Bが加工されてしまう等、B部材51Bにレーザ光3を照射できない場合に使用される。遮蔽板21は、例えば、金属材料よりなり、先端に刃を有する。
 なお、レーザ加工部においては、レーザ発振器1を移動させる機構としてもよく、また、レーザ発振器1が複数台搭載されてもよい。後者の場合、複数台のレーザ発振器を搭載することにより、複数個所を同時に加工でき、加工時間を短縮することができる。また複合部材が、加工部(ここでは、バリ43)やB部材51Bの他、さらに複数の材料で構成されている場合にも、それぞれの加工に最適な波長のレーザ光を照射するレーザ発振器1に切り換えて加工することが可能である。
 加工部の形状や加工位置を特定するために、撮影器(図示せず)を設けてもよい。撮影器(図示せず)は、加工部の画像を撮影する。また、加工部の3次元形状情報を得るため3次元形状測定器(図示せず)を設けてもよい。撮影器で撮影された加工部の画像を用いて加工位置を特定することにより、照射したい位置にのみ、レーザ光を照射することができる。例えば、櫛歯状のバリ43を除去する場合等、高い加工位置精度が要求される場合であっても、高速にレーザ光をON/OFFすることで、加工部に過不足なくレーザ光を照射することができる。また、加工後に撮影した画像から加工の成否を判定し、加工が未完となっている部分に、レーザ光を再度照射することで、加工の成功率を向上させることができる。
 加工部材の透過率を測定するため透過率測定用光源および透過率測定用ディテクタを設けてもよい。また、加工部材の反射率を測定するため反射率測定用光源、反射率測定用ディテクタ、およびハーフミラーを設けてもよい。これらのセンサ測定値により、複合部材を構成する材料が特定される。
 複合部材を構成する材料は、あらかじめ入力情報として与えることも可能であるが、加工対象物が複数種類あるような場合には、透過率や反射率を測定することによって、加工条件の設定ミスを防ぐことが可能となる。また、材料がレーザ光照射経路の途中で変わる場合においても、透過率や反射率の変化によって、レーザ発振器1を切り換える位置(すなわち、レーザ光の波長を切り換える位置)を特定することができる。また、透過率や反射率の変化によって、加工部の端部(バリ43とA部材51Aとの境界)を検出することができ、加工部以外の領域へのレーザ光の照射を防止することができる。
 <<ナイフ加工部>>
 図3は、ナイフ加工部(ナイフ加工機構部、ナイフ加工装置)の構成を示す図である。
 ナイフ加工部は、ナイフ801、ナイフ駆動機構802を備えている。ナイフ801は、加工部状態に応じて、角度を変更することができるように構成されていてもよい。
 ナイフ駆動機構802は、切断経路に沿ってナイフ801を移動させる機構である。ナイフ駆動機構802は、例えば、高さ測定機構で測定したB部材51Bとの距離に基づいてナイフ801の高さを調整する。高さ測定機構には、例えば、接触式、レーザ式、超音波式等の一般的な距離測定センサが用いられる。
 また、ナイフ801に掛かる力を力覚センサで測定し、ナイフ801をB部材51Bへ押し付ける力が一定となるよう制御することもできる。
 前述した3次元形状測定器や撮影器で取得した加工部の形状に基づき、加工部の端部(バリ43とA部材51Aとの境界)における切断経路が生成される。
 なお、3次元形状測定器や撮影器は、レーザ加工部やナイフ加工部の一部と見なしてもよく、また、レーザ加工部やナイフ加工部とは別の機器と見なしてもよい。
 <<加工システム>>
 図4は、実施の形態1の加工システムの一例を示す概略構成図である。図4に示すように、加工システム(制御ユニット)10は、加工対象物である複合部材の情報を取得する部材情報取得部110と、加工条件を設定し、加工可否を判定する加工条件設定・加工可否判定部(加工方法設定部)120と、加工可否の判定結果に基づき加工条件を算出するレーザ加工条件算出部130とを有する。
 また、加工システムの記憶部140には、最小加工エネルギ記憶領域141、加工品質評価値記憶領域142、判定条件記憶領域143、レーザ加工条件記憶領域144、および繰り返し数記憶領域145等が設定(格納)されている。
 また、加工システムには、入力部200、表示部300および通信部400が設けられている。
 加工システム10は、加工部(レーザ加工部、ナイフ加工部など)に接続され、加工システムにおいて生成された加工指示情報に基づき、加工対象物に対する加工を行う。
 加工システム10は、コンピュータおよび記憶装置を備えている。コンピュータは、例えばCPU等のプロセッサ、RAM、ROMを備えている。コンピュータは、ROM等に格納されたプログラムをRAMに展開し、RAMから読み出したプログラムをプロセッサで実行することにより、図4に示す各機能ブロックを実現する。なお、各機能ブロックの一部機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、あるいは制御基板等のハードウェアで構成されてもよい。
 なお、加工システムのハードウェア構成は、専用装置である必要はなく、パーソナルコンピュータ等の一般的なコンピュータシステムを利用することができる。
 また、上記においては、コンピュータおよび記憶装置の部分を加工システムと見なしているが、コンピュータおよび記憶装置の部分(例えば、制御部と呼ぶ)と、上記加工部(レーザ加工部、ナイフ加工部など)などの周辺機器を含めた一連の装置を加工システムと見なしてもよい。
 《設定方法1》
 図5は、加工条件設定・加工可否判定に対応するグラフである。縦軸は、加工エネルギ(μJ)を示し、横軸は、レーザ波長(nm)を示す。なお、以下の説明においては、加工対象となる部材(加工対象層)は、上層のA部材である。
 実線(グラフa1)は、A部材の最小加工エネルギを示すグラフであり、一点鎖線(グラフb1)は、B部材の最小加工エネルギを示すグラフであり、破線(グラフc1)は、遮蔽板の最小加工エネルギを示すグラフである。
 <ケース1>例えば、グラフa1より上であり、グラフb1より下の領域(白丸のポイント部)においては、B部材に影響を与えることなく、A部材の切断(除去)を行うことができる。
 <ケース2>例えば、グラフb1より上であり、グラフc1より下の領域(黒丸のポイント部)においては、遮蔽板をA部材とB部材の間に配置することによって、遮蔽版およびB部材に影響を与えることなく、A部材の切断(除去)を行うことができる。
 <ケース3>例えば、グラフc1より上の領域(三角印のポイント部)においては、遮蔽板をA部材とB部材の間に配置しても、遮蔽板が損傷しB部材に傷などの影響を与え得るため、A部材の切断(除去)として用いることのできない加工条件となる。
 <ケース4>例えば、グラフa1より下の領域(×印のポイント部)においては、どのレーザ波長を選択しても加工エネルギが小さすぎるため、A部材の切断(除去)を行うことができない。
 このようなグラフ(領域)を、例えば、予め加工性を試験しておいた白丸、黒丸、三角印、および×印のポイントの位置から設定することができる。
 そして、ケース1、ケース2において、A部材の切断(除去)を行うことが可能な領域において、以下に示す基準に適合するか否かで加工可否を判定し、加工条件を設定(選択)することができる。
 <基準1>遮蔽板がなくても加工エネルギ比が2倍以上のときには、遮蔽板なしでの加工条件を設定する。
 <基準2>遮蔽板を入れなければ加工エネルギ比が2倍以上にならないときには、遮蔽板ありでの加工条件を設定する。
 <基準3>装備されているレーザ波長の中から、最も加工エネルギ比が高い波長を選択し、加工条件を設定する。
 <基準4>加工部の厚さに応じて、加工の繰り返し数を決定し、加工条件を設定する。
 以上の基準を適用すると、図5において、例えば、レーザ波長が200nm~300nmおよび550nm~900nmにおいては、遮蔽板ありの加工、レーザ波長が300nm~550nmにおいては、遮蔽板なしの加工、レーザ波長が900nm以上は加工不可と判定することができる。
 ここで、加工エネルギは、図6に示すように定義することができる。図6は、加工エネルギを示す式である。図5に示した加工条件設定・加工可否判定に対応するグラフを実験等により作成するとき、加工時のレーザ加工条件から加工エネルギを算出することができる。加工条件設定・加工可否判定に対応するグラフ(図5)の縦軸を加工エネルギとすることで、加工対象によって変更するパルス周波数や走査速度に依存しないグラフを作成することができる。
 パルスレーザを用いる場合、加工エネルギは(式1)で示される通り、平均パルスエネルギ(μJ)と、レーザのスポット径(mm)と、パルス周波数(Hz)と、走査速度(mm/s)との積で示される。なお、レーザのスポット間隔は、(式2)で示される。
 連続発振レーザを用いる場合、加工エネルギは(式3)で示される通り、平均レーザエネルギ(μJ/s)と、レーザのスポット径(mm)と、走査速度(mm/s)との積で示される。
 また、加工エネルギ比は、図7に示すように定義することができる。図7は、加工エネルギ比を示す式である。
 遮蔽板なしの場合、加工エネルギは(式4)で示される通り、B部材の最小加工エネルギ/A部材の最小加工エネルギとなる。
 遮蔽板ありの場合、加工エネルギは(式5)で示される通り、遮蔽板の最小加工エネルギ/A部材の最小加工エネルギとなる。
 このように、本設定方法によれば、遮蔽板の挿入要否と加工条件を容易かつ客観的に設定・選択することができ、加工条件を最適化し、加工精度や加工効率を向上することができる。特に、遮蔽板の有無により、レーザ加工条件が複雑化(例えば、パルスレーザの場合、レーザ波長、平均パルスエネルギ、パルス周波数、走査速度などの最適値が変化)する中において、加工条件を容易かつ客観的に設定・選択することができる。
 《設定方法2》
 図8は、加工条件設定・加工可否判定に対応するグラフである。縦軸は、加工品質評価値を示し、横軸は、レーザ波長(nm)を示す。
 実線(グラフa2)は、A部材の加工品質評価値を示すグラフであり、一点鎖線(グラフb2)は、B部材の加工品質評価値を示すグラフであり、破線(グラフc2)は、遮蔽板の加工品質評価値を示すグラフである。また、ラインLaは、A部材の加工品質下限を示し、ラインLbは、B部材の加工品質下限を示し、ラインLc、遮蔽板の加工品質下限を示す。
 ここで、加工品質とは、加工除去するバリ43を含むA部材に対しては、加工形状、加工断面の変色や溶けの様子を言い、加工しないB部材に対しては、レーザ光が当たる面のキズや変色などの損傷の程度が小さい様子を言い、遮蔽板に対しては、遮蔽性能を維持する程度をあらわしている。
 一般的に、レーザ波長が大きい場合には、熱的加工になり熱の影響を受け易くなり、レーザ波長が小さい場合には、化学的加工になり熱の影響を受け難くなる。例えば、樹脂材料の加工においては、一般的に、レーザ波長が1000nm前後のものを用い熱的加工を行うことで、加工効率を向上させることができる。また、レーザ波長が300nm前後のもの(例えば、UVレーザ)を用い化学的加工を行うことで、加工断面の溶けなどを防止しつつ加工を行うことができる。
 <領域1>グラフa2とラインLaから、グラフa2がラインLa以上の領域(例えば、レーザ波長200nm~500nmおよびレーザ波長900nm~1000nmの領域)においては、A部材の加工を行うことができる。
 <領域2>グラフb2とラインLbから、グラフb2がラインLb以上の領域(例えば、レーザ波長300nm~700nmの領域)においては、B部材にキズや変色を与えない加工を行うことができる。
 <領域3>グラフc2とラインLcから、グラフc2がラインLc以上の領域(例えば、レーザ波長200nm~800nmの領域)においては、遮蔽板の損傷が少ない加工を行うことができる。
 よって、上記領域1と領域2の重なり領域(例えば、レーザ波長300nm~500nm)において、遮蔽板なしでA部材の切断(除去)を行うことができる。
 また、上記領域1において、B部材の加工品質が低く(領域2以外)かつ遮蔽板の損傷が少ない(領域3)加工ができる領域(例えば、200nm~300nmの領域)においては、遮蔽板ありでA部材の切断(除去)を行うことができる。
 このようなグラフおよびラインを、例えば、予め加工品質を判断した試験に基づき設定することができる。
 そして、以下に示す基準に適合するか否かで加工可否を判定し、加工条件を設定(選択)することができる。
 <基準1>A部材、B部材とも加工品質が下限値以上の場合には、遮蔽板なしでの加工条件を設定する。
 <基準2>A部材は加工品質下限値以上、B部材は遮蔽板を入れれば加工品質下限値以上となる場合は、遮蔽板ありでの加工条件を設定する。
 <基準3>A部材の加工品質が下限値以下の場合は、レーザ加工を用いず、ナイフ加工を行う。
 このように、本設定方法によれば、遮蔽板の挿入要否と加工条件を容易かつ客観的に設定・選択することができ、加工条件を最適化し、加工精度や加工効率を向上することができる。特に、遮蔽板の有無により、レーザ加工条件が複雑化(例えば、パルスレーザの場合、レーザ波長、平均パルスエネルギ、パルス周波数、走査速度などの最適値が変化)する中において、加工条件を容易かつ客観的に設定・選択することができる。
 <<アルゴリズムフロー>>
 次いで、本実施の形態の加工システムを用いた加工ステップをアルゴリズムフローに基づいて説明する。
 図9は、本実施の形態の加工システムを用いた加工ステップのアルゴリズムフローを示す図である。図9に示すように、加工を開始し(Start)、部材情報の取得を行う(St1、ステップ1)。この部材情報取得に際しては、例えば、各部材の反射率、透過率の測定結果からA部材、B部材、遮蔽板の材料を特定する。あるいは、A部材、B部材、遮蔽板の材料を入力情報に基づき取得してもよい。
 次いで、加工条件設定・加工可否判定を行い(St2)、この加工可否判定結果(St3)に基づき、“加工可”と判定された場合には、レーザ加工条件算出を行い(St4)、算出された加工条件に基づきレーザ加工を行い(St5)、終了する(End)。
 また、加工可否判定結果(St3)に基づき、“加工不可”と判定された場合には、ナイフ加工を行い(St6)、終了する(End)。
 図10は、本実施の形態の加工条件設定・加工可否判定のアルゴリズムフローを示す図である。図9の(St2)で示した加工条件設定・加工可否判定は、例えば、以下のフローにより行われる。
 加工条件設定・加工可否判定を開始(Start)し、A部材、B部材、および遮蔽板の最小加工エネルギデータの取得を行う(St11)。この遮蔽板の最小加工エネルギデータは、例えば、後述する図13(入力情報例)の(a)に示す最小加工エネルギ情報と対応し、また、前述した図5の各グラフ(a1、b1、c1)と対応している。
 次いで、A部材、B部材、および遮蔽板の加工品質評価データの取得を行う(St12)。この遮蔽板の加工品質評価データは、例えば、後述する図13(入力情報例)の(b)に示す加工品質評価値情報と対応し、また、前述した図8のグラフa2、b2、c2およびラインLa、Lb、Lcと対応している。
 次いで、加工システムに搭載しているレーザ波長の1つを選択する(St13)。A部材とB部材の加工エネルギ比算出・保存を行い(St14)、A部材とB部材の加工品質評価値抽出・保存を行う(St15)。次いで、搭載しているすべてのレーザ波長を選択したか否かを判断し(St16)、搭載しているすべてのレーザ波長を選択していない場合(noの場合)には、(St13)に戻り、(St13)~(St15)を繰り返す。搭載しているすべてのレーザ波長について、A部材とB部材の加工エネルギ比算出・保存(St14)と、A部材とB部材の加工品質評価値抽出・保存(St15)とが行われた後は、(St16)の判断がyesとなり、(St17)に進む。(St17)では、遮蔽板なしの加工判定を加工判定マトリクスに基づき行い、“加工可”と判定された場合には、ステータスを“加工可”とし、加工条件を保存し(St18)、終了(End)する。なお、(St18)で保存する加工条件には、遮蔽板の有無の他、レーザ波長と加工エネルギなどが含まれる。
 (St17)において、遮蔽板なしの加工判定を加工判定マトリクスに基づき行い、“加工不可”と判定された場合には、加工システムに搭載しているレーザ波長の1つを選択する(St19)。A部材と遮蔽板の加工エネルギ比算出・保存を行い(St20)、A部材と遮蔽板の加工品質評価値抽出・保存を行う(St21)。次いで、搭載しているすべてのレーザ波長を選択したか否かを判断し(St22)、搭載しているすべてのレーザ波長を選択していない場合(noの場合)には、(St19)に戻り、(St19)~(St21)を繰り返す。搭載しているすべてのレーザ波長について、A部材と遮蔽板の加工エネルギ比算出・保存(St20)と、A部材と遮蔽板の加工品質評価値抽出・保存(St21)とが行われた後は、(St22)の判断がyesとなり、(St23)に進む。(St23)では、遮蔽板ありの加工判定を加工判定マトリクスに基づき行い、“加工可”と判定された場合には、ステータスを“加工可”とし、加工条件を保存し(St18)、終了(End)する。
 また、(St23)で、遮蔽板ありの加工判定を加工判定マトリクスに基づき行い、“加工不可”と判定された場合には、ステータスを“加工不可”とし(St24)、終了(End)する。図11は、加工判定マトリクスを示す図(表)である。図11(a)は、遮蔽板なしの場合の加工判定マトリクスを示し、図11(b)は、遮蔽板ありの場合の加工判定マトリクスを示す。
 図11(a)の加工判定マトリクスにおいては、加工エネルギ比において、判定しきい値以上(例えば、2以上)のレーザ波長がある場合と、判定しきい値以上のレーザ波長がない場合との項目に分けられ、加工品質評価値において、A部材、B部材ともに下限値以上である場合と、A部材またはB部材が下限値未満である場合との項目に分けられる。
 判定しきい値以上のレーザ波長がある場合であって、A部材、B部材ともに下限値以上である場合においては、“加工可”と判定され、加工エネルギ比が最も大きいレーザ波長を選択し、さらに、A部材、B部材の最小加工エネルギの和の1/2を加工エネルギとして設定する。
 他の組み合わせ、即ち、(1)判定しきい値以上のレーザ波長がない場合であって、A部材、B部材ともに下限値以上である場合、(2)判定しきい値以上のレーザ波長がある場合であって、A部材またはB部材が下限値未満である場合、(3)判定しきい値以上のレーザ波長がない場合であって、A部材またはB部材が下限値未満である場合は、“加工不可”と判定する。
 図11(b)の加工判定マトリクスにおいては、加工エネルギ比において、判定しきい値以上のレーザ波長がある場合と、判定しきい値以上のレーザ波長がない場合との項目に分けられ、加工品質評価値において、A部材、遮蔽板ともに下限値以上である場合と、A部材または遮蔽板が下限値未満である場合との項目に分けられる。
 判定しきい値以上のレーザ波長がある場合であって、A部材、遮蔽板ともに下限値以上である場合においては、“加工可”と判定され、加工エネルギ比が最も大きいレーザ波長を選択し、さらに、A部材、遮蔽板の最小加工エネルギの和の1/2を加工エネルギとして設定する。
 他の組み合わせ、即ち、(1)判定しきい値以上のレーザ波長がない場合であって、A部材、遮蔽板ともに下限値以上である場合、(2)判定しきい値以上のレーザ波長がある場合であって、A部材または遮蔽板が下限値未満である場合、(3)判定しきい値以上のレーザ波長がない場合であって、A部材または遮蔽板が下限値未満である場合は、“加工不可”と判定する。
 図12は、レーザ加工条件算出(St4)で使用する計算式である。図12(a)に示すように、パルスレーザの場合の平均パルスエネルギ(μJ)は、加工条件設定・加工可否判定(St2)で得られた加工エネルギと、レーザ加工条件記憶領域144に格納されているパルス周波数、走査速度、スポット径から算出される。
 平均パルスエネルギ(μJ)は、加工エネルギ(μJ)をオーバーラップ率で除したものとなる(式6)。ここで、オーバーラップ率とは、パルスレーザのスポット径(直径)とスポット間隔から(式7)に基づいて求められる。スポット間隔は、走査速度(mm/s)とパルス周波数(Hz)から(式8)に基づいて求められる。
 繰り返し数は、バリ厚さ(mm)を1走査当たりの加工深さ(mm/走査)で除し、安全率との積を算出したものである(式9)。1走査当たりの加工深さは、あらかじめ実験などにより導出されるものであり、加工エネルギとレーザ波長に関連づけて繰り返し数記憶領域145に格納されている(図4参照)。安全率は、バリの厚さばらつきなどを考慮し、1~1.3程度とすることが望ましい。また、バリ厚さのばらつきの範囲があらかじめわかっている場合は、繰り返し数は(式9)によらず、加工エネルギとレーザ波長に関連づけて格納されている値を用いてもよい。算出した繰り返し数は、レーザ加工条件記憶領域144に格納される。
 図12(b)に示すように、連続発振レーザの場合の平均レーザエネルギ(μJ)は、加工条件設定・加工可否判定(St2)で得られた加工エネルギ(μJ/s)と走査速度(mm/s)との積をスポット径(mm)で除したものとなる(式10)。算出された平均パルスエネルギ(パルスレーザの場合)、または、平均レーザエネルギ(連続発振レーザの場合)は、レーザ加工条件記憶領域144に格納される(図4参照)。
 図13は、入力情報例を示す図(表)である。(a)は、最小加工エネルギ記憶領域141に格納されている最小加工エネルギ情報であり、図5の各グラフ(a1、b1、c1)と対応している。(b)は、加工品質評価値記憶領域142に格納されている加工品質評価値情報であり、図8の各グラフ(a2、b2、c2)と対応している。(c)は、判定条件記憶領域143に格納されている判定条件情報であり、前述した加工エネルギ比(2倍)と、図8の各ライン(La、Lb、Lc)と対応している。(d)は、レーザ加工条件記憶領域144に格納されているレーザ条件情報であり、レーザスポット径、パルス周波数、繰り返し数の数値と対応している。(e)は、繰り返し数記憶領域145に格納されている繰り返し数情報(mm/走査)であり、1走査当たり加工される深さを加工エネルギとレーザ波長に関連づけて格納されている。(f)は、繰り返し数記憶領域145に格納されている繰り返し数情報(回)であり、加工エネルギとレーザ波長に関連づけて格納されている。
 図14は、表示部に表示される表示内容の一例を示す図である。図14に示すように、判定マップ表示の項目において加工エネルギを選択し、例えば、マップ編集において、レーザ波長、加工エネルギおよび加工判定の入力部に、予め加工性を試験しておいた条件(レーザ波長、加工エネルギ)および結果(白丸、黒丸、三角印、および×印)を入力し(読み込み)、登録することにより、画面に、前述したグラフ(a1、b1、c1)を表示させることができる。画面には、上記入力部の他、加工条件編集において、加工速度、スポット径、パルス周波数などの入力部を設けてもよい。
 図15は、表示部に表示される表示内容の他の例を示す図である。加工前画像表示部951には、加工前の加工部の画像(加工前画像)が表示される。加工前3次元形状表示部953には、例えば、加工前における3次元形状測定器で測定した加工部の断面形状が表示される。この断面形状は、断面位置962と対応し、断面位置962は、ボタン961で上下に移動させることができる。加工計画表示部952には、加工計画後の加工部の画像(加工計画後画像)が表示される。ここで、955は切断線であり、956はレーザ走査可能領域である。修正ボタン993を押下することで、切断線955を編集できる状態となり、マウス等で操作することにより、切断線位置を変更することができる。また、レーザ走査可能領域もマウス等で位置を変更することができる。加工条件表示部971には、領域毎の加工条件が表示される。編集ボタン992を押下することで、編集可能となり、表中の数値等を変更することができる。実行ボタン991を押下すると、加工が実行される。
 (実施の形態2)
 本実施の形態においては、実施の形態1の応用例について説明する。
 (応用例1)
 実施の形態1(図1等)においては、B部材51B上のバリ43の除去を例に説明したが、加工対象はこれに限定されるものではなく、積層体において、特定の層の一部を除去する加工を行うことで、複合部材に所定の形状や機能が付与する処理に実施の形態1の加工システムを適用することができる。
 (応用例2)
 実施の形態1においては、遮蔽板21をB部材51Bに対するレーザによるダメージを防止する部材として利用しているが、加工部(ここでは、バリ43)がB部材51Bに張り付いている場合に、B部材51Bから加工部(ここでは、バリ43)をはがすためのはがし動作に遮蔽板21を使用してもよい。
 (応用例3)
 実施の形態1においては、遮蔽板21をB部材51Bがナイフ801で傷つくことを防止する部材として利用しているが、加工部(ここでは、バリ43)がB部材51Bに張り付いている場合に、B部材51Bから加工部(ここでは、バリ43)をはがすためのはがし動作に遮蔽板21を使用してもよい。
 (応用例4)
 実施の形態1(図2)においては、B部材51Bとその上のバリ43との間に遮蔽板21を挿入しレーザ加工を行ったが、あらかじめB部材51Bとバリ43との間に遮蔽層を設けておきB部材51Bに対するレーザによるダメージを防止してもよい。
 (応用例5)
 実施の形態1においては、レーザ加工が不可の場合の加工手段としてナイフ加工を例示したが、B部材51B上のバリ43のような特定の層の一部を除去することが可能な加工手段であれば他の加工手段を用いてもよい。
 なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。なお、図面に記載した各部材や相対的なサイズは、本発明を分かりやすく説明するため簡素化・理想化しており、実装上はより複雑な形状となる場合がある。
 1…レーザ発振器、2…レーザ光路変更器、3…レーザ光、4…切断線、21…遮蔽板、43…バリ、51A…A部材、51B…B部材、110…部材情報取得部、120…加工条件設定・加工可否判定部、130…レーザ加工条件算出部、140…記憶部、200…入力部、300…表示部、400…通信部、801…ナイフ、802…ナイフ駆動機構、951…加工前画像表示部、952…加工計画表示部、961…ボタン、962…断面位置

Claims (17)

  1.  複数層からなる加工対象物の加工を行う加工システムであって、
     第1加工機構部と、
     加工方法設定部と、を有し、
     前記第1加工機構部は、レーザ照射部と、遮蔽板とを有し、
     前記加工方法設定部は、前記遮蔽板の挿入要否と加工条件とを決定する、加工システム。
  2.  請求項1に記載の加工システムにおいて、
     前記加工方法設定部は、加工対象層と、前記加工対象層の下層である下地層と、前記遮蔽板とのレーザ波長に対する最小加工エネルギから、
     (a1)前記遮蔽板を用いない加工が可能、
     (a2)前記遮蔽板を用いる加工が可能、
     (a3)加工不可、
    のいずれかの判断を行う、加工システム。
  3.  請求項2に記載の加工システムにおいて、
     第2加工機構部を有し、
     前記(a3)の場合に、前記加工方法設定部は、前記第2加工機構部による加工対象物の加工を選択する、加工システム。
  4.  請求項3に記載の加工システムにおいて、
     前記第2加工機構部は、ナイフ加工部である、加工システム。
  5.  請求項2に記載の加工システムにおいて、
     前記レーザ照射部は、レーザ光の波長を切り換え可能であり、
     前記(a1)の場合に、前記加工方法設定部は、前記加工対象層と前記下地層のレーザ波長に対する最小加工エネルギの比である加工エネルギ比が最も大きいレーザ波長を選択する、加工システム。
  6.  請求項5に記載の加工システムにおいて、
     前記(a1)の場合に、前記加工方法設定部は、前記加工対象層の最小加工エネルギと、前記下地層の最小加工エネルギとの和の1/2を加工エネルギとして選択する、加工システム。
  7.  請求項2に記載の加工システムにおいて、
     前記レーザ照射部は、レーザ光の波長を切り換え可能であり、
     前記(a2)の場合に、前記加工方法設定部は、前記加工対象層と前記遮蔽板のレーザ波長に対する最小加工エネルギの比である加工エネルギ比が最も大きいレーザ波長を選択する、加工システム。
  8.  請求項7に記載の加工システムにおいて、
     前記(a2)の場合に、前記加工方法設定部は、前記加工対象層の最小加工エネルギと、前記遮蔽板の最小加工エネルギとの和の1/2を加工エネルギとして選択する、加工システム。
  9.  請求項1に記載の加工システムにおいて、
     前記加工方法設定部は、加工対象層と、前記加工対象層の下層である下地層と、前記遮蔽板とのレーザ波長に対する加工品質評価値、および前記加工対象層と、前記下地層と、前記遮蔽板の加工品質評価値の下限から、
     (a1)前記遮蔽板を用いない加工が可能、
     (a2)前記遮蔽板を用いる加工が可能、
     (a3)加工不可、
    のいずれかの判断を行う、加工システム。
  10.  請求項9に記載の加工システムにおいて、
     第2加工機構部を有し、
     前記(a3)場合に、前記加工方法設定部は、前記第2加工機構部による加工対象物の加工を選択する、加工システム。
  11.  請求項10に記載の加工システムにおいて、
     前記第2加工機構部は、ナイフ加工部である、加工システム。
  12.  レーザ照射部と、遮蔽板とを有する第1加工機構部と、加工方法設定部と、を有する加工システムを用いた複数層からなる加工対象物の加工を行う加工方法であって、
     (a)加工対象層と、前記加工対象層の下層である下地層と、前記遮蔽板の部材情報取得工程と、
     (b)前記加工方法設定部において加工可否判断を行う工程と、
    を有し、
     前記(b)工程は、
     (b1)前記遮蔽板を用いない加工が可能、
     (b2)前記遮蔽板を用いる加工が可能、
     (b3)加工不可、
    のいずれかの判断を行う工程である、加工方法。
  13.  複数層からなる加工対象物の加工を行う加工方法であって、
     (a)加工対象層と、前記加工対象層の下層である下地層とを有する前記加工対象物を準備する工程と、
     (b)加工可否判断を行う工程と、
     (c)前記加工対象層を加工する工程と、
    を有し、
     前記(b)工程において、
     (b1)遮蔽板を用いない加工が可能、
     (b2)前記遮蔽板を用いる加工が可能、
     (b3)加工不可、
    のいずれかの判断を行い、
     前記(b1)工程の場合に、
     (c1)前記加工対象層にレーザ照射部からレーザを照射することにより、前記加工対象層を加工し、
     前記(b2)工程の場合に、
     (c2)前記加工対象層と、前記下地層との間に前記遮蔽板を挿入した状態で前記加工対象層に前記レーザ照射部からレーザを照射することにより、前記加工対象層を加工する、加工方法。
  14.  請求項13に記載の加工方法において、
     前記(b3)工程の場合に、
     (c3)前記加工対象層にナイフ加工を施すことにより、前記加工対象層を加工する、加工方法。
  15.  請求項13に記載の加工方法において、
     前記レーザ照射部は、レーザ光の波長を切り換え可能であり、
     前記(c1)工程において、前記加工対象層と前記下地層のレーザ波長に対する最小加工エネルギの比である加工エネルギ比が最も大きいレーザ波長を選択し、
     前記(c2)工程において、前記加工対象層と前記遮蔽板のレーザ波長に対する最小加工エネルギの比である加工エネルギ比が最も大きいレーザ波長を選択する、加工方法。
  16.  請求項13に記載の加工方法において、
     前記(c1)工程において、前記加工対象層の最小加工エネルギと、前記下地層の最小加工エネルギとの和の1/2を加工エネルギとして選択し、
     前記(c2)工程において、前記加工対象層の最小加工エネルギと、前記遮蔽板の最小加工エネルギとの和の1/2を加工エネルギとして選択する、加工方法。
  17.  請求項13に記載の加工方法において、
     前記(b)工程は、前記加工対象層と、前記下地層と、前記遮蔽板とのレーザ波長に対する加工品質評価値、および前記加工対象層と、前記下地層と、前記遮蔽板の加工品質評価値の下限から、
     前記(b1)、前記(b2)または前記(b3)のいずれかの判断を行う、加工方法。
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