JPH1043880A - レーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工方法

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JPH1043880A
JPH1043880A JP8204836A JP20483696A JPH1043880A JP H1043880 A JPH1043880 A JP H1043880A JP 8204836 A JP8204836 A JP 8204836A JP 20483696 A JP20483696 A JP 20483696A JP H1043880 A JPH1043880 A JP H1043880A
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JP
Japan
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laser
laser beam
wall
fluororesin
processing method
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JP8204836A
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English (en)
Inventor
Keisuke Makino
圭祐 牧野
Kenichi Mizuno
賢一 水野
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザを用いて、セラミックス等の難加工品
に対して、好適に穿孔等の加工を行なうことができるレ
ーザ加工方法を提供すること。 【解決手段】 本実施例は、レーザによってセラミック
スに穿孔加工を施すものである。図1に示すように、厚
さ2mmのサイアロンからなる穿孔加工板1と同じく厚
さ2mmのサイアロンからなる隣接壁板3との間隙を2
mmとし、その間隙に厚さ1mmの遮蔽物5を挿入する
とともに、穿孔加工板1と遮蔽物5との間を1mmとし
て、穿孔加工板1に対してYAG型レーザによる穴開け
加工を行った。穴開けは、レーザをφ1mmの円周を3
周させて行った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばガスタービ
ン、自動車部品等の構造部材、ICパッケージ等の電子
部品、センサーなどの機能材料等に用いられるあらゆる
セラミックス、耐火物及び硝子に対する、穿孔、穴開け
及び切断等に適用されるレーザ加工方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミックスの特性が向上するに
つれて利用分野が拡がり、従来にはなかった複雑な形状
であることを求められるようになっている。ところが、
セラミックスは、その特性から加工が困難であり、加工
においてはダイヤモンドによる研削加工を行うか、焼結
前に加工が行われている。また、複雑形状の加工には非
常に時間がかかること、歩留まりも低いことからコスト
高となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、セラ
ミックスの加工においては、ダイヤモンドによる研削加
工を行うか、焼結前に加工が行われているが、特に穿孔
加工は、焼結後にはダイヤモンド工具によっても加工が
困難であることから、焼結前に加工しておく方法が主流
である。しかし、焼結前に加工する場合には、カケ、ワ
レ等が生じやすく、1つの製品に多数の穿孔加工を行う
場合には、歩留まりが極端に低くなってしまうという問
題があった。
【0004】この問題を解決する方法として、レーザに
よるセラミックスの穿孔加工を採用した場合にも、穿孔
加工を行おうとする壁と他の壁が隣接している複雑形状
では、穿孔した後のレーザビームが該隣接壁を損傷して
しまうという問題がある。この問題に対して、レーザビ
ームの出力及び照射時間を調節して穿孔後の照射を防ぐ
ことが考えられるが、確実に穿孔してかつ穿孔後の照射
を防ぐことは非常に困難である。また、加工を行おうと
する壁の厚みにばらつきがあれば、確実に穿孔を行うた
めには穿孔後余剰の照射のあることは避けきれない。
【0005】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、レーザを用いて、セラミックス等の難
加工品に対して、好適に穿孔等の加工を行なうことがで
きる加工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の請求項1の発明は、加工の対象がセラミックス、耐火
物又は硝子(特に着色硝子)であり、加工する壁に隣接
する壁が加工後のレーザビームによる損傷を受けないよ
う、シート状のフッ素樹脂を両壁の間に配してレーザビ
ームを遮断することを特徴とするレーザ加工方法を要旨
とする。
【0007】請求項2の発明は、前記セラミックスが、
焼結体、仮焼体又は圧粉体であることを特徴とする前記
請求項1記載のレーザ加工方法を要旨とする。請求項3
の発明は、前記加工が、穿孔加工又は切断加工であるこ
とを特徴とする前記請求項1又は2に記載のレーザ加工
方法を要旨とする。
【0008】請求項4の発明は、前記フッ素樹脂が、四
フッ化エチレン樹脂又は三フッ化一塩化エチレン樹脂で
あることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記
載のレーザ加工方法を要旨とする。
【0009】請求項5の発明は、前記シート状のフッ素
樹脂の厚さが、0.1〜50mmであることを特徴とす
る前記請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ加工方法
を要旨とする。請求項6の発明は、前記加工する壁とフ
ッ素樹脂との間隔が、0.1〜50mmであることを特
徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ加
工方法を要旨とする。
【0010】請求項7の発明は、前記シート状のフッ素
樹脂を組み合わせて構造物を形成し、該構造物によって
レーザビームを遮断することを特徴とする前記請求項1
〜6のいずれかに記載のレーザ加工方法を要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、レーザビームを用いた
穿孔加工等で、加工する壁を穿孔した後のレーザビーム
が隣接壁を損傷してしまう問題に対して、加工する壁と
隣接した他の壁の間にシート状のフッ素樹脂を配するこ
とで、セラミックスなどを加工しうる高エネルギーのレ
ーザビームを遮断し、隣接壁の損傷を防ぐことができる
ことを見いだして完成したものである。
【0012】例えばセラミックスに対するレーザ加工と
は、レーザビームをセラミックスが吸収、気化すること
によって穿孔等を行なうものであるが、本発明で使用す
るフッ素樹脂は、レーザビームを乱反射するので吸収し
にくく、よって穿孔等ができないので、隣接する壁を損
傷することがない。
【0013】以下、具体的に説明する。 (1)本発明のレーザ加工方法においては、相対密度が1
00%に達していない緻密化途中の焼結体はもちろん、
最も加工の難しい相対密度が100%に達し緻密化した
焼結体への穿孔加工等が行える。また焼結前のセラミッ
クスにおいても、相対密度が50%以上の圧粉体ではダ
イヤモンド工具による研削加工が難しく、カケ、ワレ等
が生じやすいが、この圧粉体についてもレーザを用いて
穿孔加工等が行える。当然相対密度が50%以上の圧粉
体の穿孔加工等は可能である。
【0014】(2)更に、セラミックスだけでなく、他の
耐火物及び着色硝子についても穿孔加工等が可能で、耐
火物をいったん固化した後に穿孔加工等を施す要求のあ
った場合や、割れやすい着色硝子に穿孔加工等を施すこ
とも可能である。 (3)また、穿孔加工を孔が連続するようにすれば、切断
または穴開け加工とすることができる。更に、ワークま
たはレーザのいずれかまたは両方を移動しながら穿孔加
工すれば、孔が連続し切断または穴開け加工となる。ま
た、同じ部分を何回かにわけてレーザ照射をし、例えば
穴開けならば何周か照射して加工しても良い。尚、実際
にはレーザビームはスポットを絞って照射するので、例
えばφ1mmの穿孔でもレーザビームを円周に照射して
行うことができる。
【0015】(4)フッ素樹脂としては、実際に、四フッ
化エチレン樹脂と三フッ化一塩化エチレン樹脂に、上記
のレーザビームによる壁の損傷を防止する効果があっ
た。 (5)フッ素樹脂は、0.1〜5mm厚さのシート状であ
れば、容易に加工したり曲げたりでき、複雑形状の間隙
に挿入できるので好適である。即ち、加工するセラミッ
クス形状に応じて切断等して最適な形状とすることがで
き、また該シートが弾性体であるために自在に該間隙に
挿入することができる。
【0016】つまり、シート厚みが0.1mm以下で
は、レーザビームをある程度遮蔽できるが、その遮断効
果が必ずしも十分ではなく、一方、通常の工作物におい
ては、シート厚みが5mmを超えると間隙への挿入がし
にくくなる。尚、50mm以上のシートはこれを挿入で
きる50mm以上の間隙があるならば後記するようにこ
れを必要としない。また、シートを厚くしたい場合は、
0.1〜5mmのシートを必要に応じて重ねて使用する
ことが望ましい。
【0017】(6)加工するセラミックス等の壁とフッ素
樹脂との間隔がなく、密着している場合にはレーザ加工
によって生じるガスの発生により該フッ素樹脂が吹き飛
ばされる可能性があるので、その間隔は0.1mm以上
確保することが望ましい。また、加工するセラミックス
等の壁とフッ素樹脂との間隔が50mm以上の場合に
は、通常の強さのレーザビームは散乱するので、特にフ
ッ素樹脂を用いてレーザビームを遮断する必要がない。
つまり、レーザビームの強さによっても異なるが、加工
する壁とフッ素樹脂との間隔は、加工後にレーザビーム
が散乱するので、できる限り遠いことが遮蔽をしやすく
するので望ましい。
【0018】(7)フッ素樹脂も長時間または高出力によ
る過剰のレーザビーム照射によれば、照射面が黒色化し
てレーザビームを吸収するようになる。このことから、
通常穿孔等を行うセラミックスが吸収、気化する出力の
レーザを、フッ素樹脂は充分乱反射するが、レーザビー
ム照射は穿孔後になるべく過剰に照射されないようする
べきではある。これにはレーザビームの照射時間を調節
して穿孔後の照射を短くすれば良い。このことは作業時
間、使用するエネルギーの低減にもつながるという利点
がある。
【0019】
【実施例】以下に、本発明のレーザ加工方法の実施例に
ついて説明する。 (実施例1)本実施例は、レーザによってセラミックス
に穿孔加工を施すものである。
【0020】図1に示すように、厚さ2mmのサイアロ
ンからなる穿孔加工板1と同じく厚さ2mmのサイアロ
ンからなる隣接壁板3との間隙を2mmとし、その間隙
に厚さ1mmの遮蔽物5を挿入するとともに、穿孔加工
板1と遮蔽物5との間を1mmとして、穿孔加工板1に
対してYAG型レーザによる穴開け加工を行った。
【0021】穴開けは、レーザをφ1mmの円周を3周
させて行い、隣接壁板3の損傷を調べた。その結果を下
記表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】この表1から明かなように、本実施例の四
フッ化エチレン樹脂または三フッ化一塩化エチレン樹脂
を遮蔽物5として用いた場合には、隣接壁板3の損傷を
防ぐことができた。それに対して、比較例の試料No.3
〜6、即ち、遮蔽物5として前記フッ素樹脂以外の他の
樹脂を用いた場合には、隣接壁板3の損傷を防ぐことは
できなかった。尚、表1には記載してないが、フッ素樹
脂を他の樹脂またはゴムに混ぜて使用した場合にも遮蔽
効果がなかった。これはフッ素樹脂以外の樹脂の焼失に
よってフッ素樹脂も焼失したためである。 (実施例2)前記実施例1と同様な方法にて、遮蔽材
(四フッ化エチレン樹脂)5の厚さ及び穿孔加工壁1と
遮蔽物5との間隔を違えて、同様なレーザによる穿孔加
工を行った。その結果を下記表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】この表2から明かなように、遮蔽物5の厚
さが0.1〜50mmで、穿孔加工板1と遮蔽物5との
間隔が0.1〜50mmの場合、隣接壁板3に損傷を与
えることなく、穿孔加工板1に穿孔加工を施すことがで
きた。 (実施例3)次に、前記実施例1と同様な方法にて、下
記表3に示すように、穿孔加工を所望する各種の材料に
対して、レーザにより穿孔加工を行った。尚、ここで
は、遮蔽物5を四フッ化エチレン樹脂(厚さ1mm)と
して、穿孔加工板1と隣接壁板3とを同じ種類のセラミ
ックスとした。
【0026】
【表3】
【0027】この表3から明かなように、各種セラミッ
クス、耐火物、着色硝子の穿孔加工板1に穴開け可能
で、しかも、それぞれの隣接壁板3に損傷はなかった。 (実施例4)本実施例では、図2に示すように、ガスタ
ービン用の燃焼部品に対して穿孔加工を施した。尚、こ
の燃焼部品に関しては、加工壁11には空気噴出孔とし
てφ1mmの孔13を200個穿孔する必要がある。ま
た、この燃焼部品は、筒状であり、図2では一方の側の
切断端面のみを示してある。
【0028】図2に示すように、レーザビームの照射に
より穿孔加工すべき加工壁11に孔13が形成される
が、加工壁11をレーザビームが貫通した瞬間からレー
ザビームは隣接加工壁15側にも照射される。この加工
壁11の孔13を通ってきたレーザビームを透過レーザ
ビームと呼ぶ。
【0029】この透過レーザビームは、隣接加工壁15
の手前に配された遮蔽物17によって乱反射され、隣接
加工壁15を損傷することがない。尚、レーザ加工機及
び手順は特に問わず、穿孔は一般に行われているように
NC制御で連続して行っても良いし、すべてを穿孔する
前に遮蔽物17を配し直したりしても良い。但しレーザ
照射の条件はできる限り孔13が貫通した後の照射をな
くし、透過レーザビームの照射を少なくした方が良い。
【0030】また、遮蔽物17は、四フッ化エチレン樹
脂または三フッ化一塩化エチレン樹脂からなる。この遮
蔽物17は1枚でなくとも2枚以上を重ねて用いても良
く、この場合には四フッ化エチレン樹脂または三フッ化
一塩化エチレン樹脂がそれぞれ用いられていても良い。 (実施例5)本実施例では、狭い開口部しか持たない形
状の被加工物に対して、遮蔽物を配する方法を示してい
る。尚、この被加工部品は、筒状であり、図3では一方
の側の切断端面のみを示してある。
【0031】図3に示すように、狭い開口部21しか持
たない形状のセラミックスの被加工物23に対しては、
弾性体の遮蔽物25を使用する。この遮蔽物25を支持
する方法は特に限定しないが、市販接着剤等を使用した
場合、直接該接着剤にレーザビームが照射されなくても
セラミックス及び遮蔽物25にレーザビームが照射され
た熱により該接着剤が発火し、その火炎により遮蔽物2
5が損傷して、隣接加工壁27が損傷する場合がある。
【0032】従って、図3に例示するように、遮蔽物2
5の材質である四フッ化エチレン樹脂または三フッ化一
塩化エチレン樹脂からなる支持用遮蔽物29を用いて弾
性的に支持することが望ましい。尚、本発明は前記実施
例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸
脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはい
うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明では、セラミ
ックス等の被加工物に対して穿孔加工などのレーザ加工
を行う場合に、加工する壁と隣接する壁との間にシート
状のフッ素樹脂を配置するので、加工する壁と他の壁が
隣接している複雑形状の被加工物の場合でも、穿孔した
後のレーザビームが該隣接壁を損傷することなく、所望
のレーザ加工のみを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のレーザ加工方法を示す説明図であ
る。
【図2】 実施例4のレーザ加工方法を示す説明図であ
る。
【図3】 実施例5のレーザ加工方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…穿孔加工板 3…隣接壁板 5,17,25…遮蔽物 11…加工壁 13…孔 15,27…隣接加
工壁 21…開口部 23…被加工物 29…支持用遮蔽物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工の対象がセラミックス、耐火物又は
    硝子であり、加工する壁に隣接する壁が加工後のレーザ
    ビームによる損傷を受けないよう、シート状のフッ素樹
    脂を両壁の間に配してレーザビームを遮断することを特
    徴とするレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記セラミックスが、焼結体、仮焼体又
    は圧粉体であることを特徴とする前記請求項1記載のレ
    ーザ加工方法。
  3. 【請求項3】 前記加工が、穿孔加工又は切断加工であ
    ることを特徴とする前記請求項1又は2に記載のレーザ
    加工方法。
  4. 【請求項4】 前記フッ素樹脂が、四フッ化エチレン樹
    脂又は三フッ化一塩化エチレン樹脂であることを特徴と
    する前記請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ加工方
    法。
  5. 【請求項5】 前記シート状のフッ素樹脂の厚さが、
    0.1〜50mmであることを特徴とする前記請求項1
    〜4のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  6. 【請求項6】 前記加工する壁とフッ素樹脂との間隔
    が、0.1〜50mmであることを特徴とする前記請求
    項1〜5のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  7. 【請求項7】 前記シート状のフッ素樹脂を組み合わせ
    て構造物を形成し、該構造物によってレーザビームを遮
    断することを特徴とする前記請求項1〜6のいずれかに
    記載のレーザ加工方法。
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