WO2022014057A1 - 通信方法および医療システム - Google Patents

Abstract

確認信号送信部１２は、現在時刻を示す時刻情報を含む確認信号を中継装置３０を経由してサーバ装置６０に送信する。確認信号中継部３２は、確認信号を医療機器１０から受信して、サーバ装置６０に送信する。確認信号受信部６２は、確認信号を受信し、オフセット判定部６４は、確認信号に含まれる時刻情報と、サーバ装置６０における現在時刻とをＵＴＣ時刻で比較して、医療機器１０がＵＴＣオフセットを時刻情報に含めたか否かを判定する。判定結果送信部６６は、ＵＴＣオフセットに関する判定結果を中継装置３０または医療機器１０に送信する。判定結果受信部３４は、判定結果を受信する。登録部３６は、判定結果に関する情報を、医療機器１０を識別する機器識別情報に関連付けて機器情報記録部４４に登録する。

Description

通信方法および医療システム

　本開示は、医療システムにおける施設間の通信技術に関する。

　従来、タイムゾーンの異なる医療施設の間でデータを送受信する場合、一方のタイムゾーンのローカル時刻情報は、時差を加減して他方のタイムゾーンのローカル時刻情報に変換される必要がある。たとえば１つの医療グループ内でＡ施設とＢ施設の間に時差があり、Ａ施設が、Ｂ施設における検査スケジュールを管理するデータベースを保有している環境では、Ｂ施設はＡ施設にスケジュール取得要求を送信して、Ａ施設からＢ施設における検査スケジュールを取り寄せる。このときＡ施設は、Ｂ施設から送信されるスケジュール取得要求に含まれるローカル時刻情報をＡ施設のローカル時刻情報に変換し、変換したローカル時刻情報を用いてデータベースを検索する。

　特許文献１は、依頼用端末及び受付用端末がそれぞれ属するタイムゾーンを識別するタイムゾーン識別手段と、受付用端末が設置されている医療検査施設の検査結果報告の納期に関する時間情報を求めて、その時間情報を依頼用端末の属するタイムゾーンを基準とする時間に変換した変換時間情報を求める納期算出手段と、を備えた医用ネットワークシステムを開示する。

特開２００９－７５７３６号公報

　世界時刻基準として、協定世界時（ＵＴＣ：Universal Time Coordinated）が使用されている。タイムゾーンの異なる医療施設間で通信する場合、互いにＵＴＣ時刻情報を用いることができれば、ローカル時刻間の時差を考慮しなくて済む。そこでＵＴＣ時刻情報を用いた通信を効率的に実現するための仕組みの構築が望まれている。

　本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、ＵＴＣ時刻情報を用いた通信を実現するための技術を提供することにある。

　上記課題を解決するために、本発明のある態様は、第１施設に設けられる医療機器および中継装置と、第２施設に設けられるサーバ装置とを備えた医療システムにおいて通信する方法であって、医療機器は、現在時刻を示す時刻情報を含む確認信号をサーバ装置に送信し、中継装置は、確認信号を医療機器から受信して、サーバ装置に送信し、サーバ装置は、確認信号を受信し、確認信号に含まれる時刻情報と、サーバ装置における現在時刻とをＵＴＣ時刻で比較し、比較結果にもとづいて医療機器がＵＴＣオフセットを時刻情報に含めたか否かを判定し、ＵＴＣオフセットに関する判定結果を中継装置または医療機器に送信し、中継装置は、判定結果を受信し、判定結果に関する情報を、医療機器を識別する機器識別情報に関連付けて機器情報記録部に登録する。

　本発明のさらに別の態様は、第１施設に設けられる医療機器および中継装置と、第２施設に設けられるサーバ装置とを備えた医療システムであって、医療機器は、現在時刻を示す時刻情報を含む確認信号をサーバ装置に送信する確認信号送信部を有する。中継装置は、確認信号を医療機器から受信して、サーバ装置に送信する確認信号中継部を有する。サーバ装置は、確認信号を受信する確認信号受信部と、確認信号に含まれる時刻情報と、サーバ装置における現在時刻とをＵＴＣ時刻で比較して、医療機器がＵＴＣオフセットを時刻情報に含めたか否かを判定するオフセット判定部と、ＵＴＣオフセットに関する判定結果を中継装置または医療機器に送信する判定結果送信部と、を有する。中継装置は、判定結果を受信する判定結果受信部と、判定結果に関する情報を、医療機器を識別する機器識別情報に関連付けて機器情報記録部に登録する登録部と、を備える。

　なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。

実施形態にかかる医療システムの構成を示す図である。 医療機器、中継装置およびサーバ装置の機能ブロックを示す図である。 ＵＴＣ時刻を扱う機能を有するか否かを検証する処理を示すシーケンス図である。 機器情報記録部の記録状態の例を示す図である。 医療機器が医療データを送信する処理を示すシーケンス図である。 情報システムが医療データを送信する処理を示すシーケンス図である。

　図１は、本開示の実施形態にかかる医療システム１の構成を示す。実施形態の医療システム１は、複数の施設をネットワーク４で接続することにより構成され、この例では１つの親施設３と、複数の子施設２とが、インターネットなどのネットワーク４によって通信可能に接続されている。

　親施設３は、サーバ装置６０および情報システム８０を備えて、複数の子施設２における医療データを管理する。サーバ装置６０および情報システム８０は、同じタイムゾーンに配置される。情報システム８０は、画像保存通信システム（Picture Archiving and Communication Systems）、放射線科情報システム（Radiology Information Systems）、病院情報システム（Hospital Information Systems）などを備え、各子施設２における医療業務の管理機能を備えてよい。サーバ装置６０は、子施設２における医療機器１０と、情報システム８０との間のデータ送受信を管理する。

　子施設２は病院などの医療機関であり、複数の医療機器１０および中継装置３０を備える。複数の医療機器１０および中継装置３０は、施設内ＬＡＮ（ローカルエリアネットワーク）によって接続されている。医療機器１０は、子施設２内の各科に設けられる内視鏡検査装置、放射線治療装置などの検査装置や治療装置であり、１つの子施設２内における医療機器１０および中継装置３０は、同じタイムゾーンに配置される。そのため子施設２内におけるデータ処理は、子施設２のローカル時刻情報を用いて実施される。

　医療システム１において子施設２と親施設３は、異なるタイムゾーンに設けられており、子施設２のローカル時刻と親施設３のローカル時刻との間には時差が存在する。医療システム１では、データ処理における施設間の時差の影響を無くすことを目的として、子施設２と親施設３との間のデータ処理をＵＴＣ時刻にもとづいて実施する。

　ここでＵＴＣ時刻は、ローカル時刻（当該タイムゾーンにおける時刻）と、ＵＴＣオフセット（当該タイムゾーンとＵＴＣ（経度ゼロ度の時刻）の間の時間差）から導出される。ＵＴＣ－８は、協定世界時から８時間遅れている標準時（ＵＴＣオフセットは、－８時間）であり、アメリカ合衆国の太平洋標準時として採用されている。たとえば（T10:00-8:00）は、ローカル時刻が１０時、ＵＴＣ時刻が１８時を表現する。またＵＴＣ－５は、協定世界時から５時間遅れている標準時（ＵＴＣオフセットは、－５時間）であり、アメリカ合衆国の東部標準時として採用されている。たとえば（T13:00-5:00）は、ローカル時刻が１３時、ＵＴＣ時刻が１８時を表現する。つまりＵＴＣ－８における（T10:00-8:00）と、ＵＴＣ－５における（T13:00-5:00）は、ともに同じＵＴＣ時刻（１８時）を示す。医療システム１では、ＵＴＣ時刻を利用して施設間でのデータ処理を実施する。

　医療システム１における施設間のデータ処理とは、実際には、子施設２における医療機器１０と、親施設３における情報システム８０との間のデータ処理を意味する。親施設３におけるサーバ装置６０および情報システム８０は、ＵＴＣ時刻を扱う機能を有することが前提であるが、子施設２における医療機器１０には様々な種類が存在し、機種によってはローカル時刻しか扱えないものが存在する。ＵＴＣ時刻を扱う機能を有しない医療機器１０は、送信データに含める時刻情報に、ＵＴＣオフセットを付加することができない。そこで実施例では、ゲートウェイ機能を有する中継装置３０が、ＵＴＣ時刻を扱う機能を有しない医療機器１０から送信されるデータの時刻情報に、ＵＴＣオフセットを付加する機能を有する。

　図２は、医療機器１０、中継装置３０およびサーバ装置６０の機能ブロックを示す。医療機器１０、中継装置３０およびサーバ装置６０は、それぞれハードウエアを含むプロセッサを備える。実施例で子施設２はＵＴＣ－８を標準時とし、親施設３はＵＴＣ－５を標準時とする。

　医療機器１０は、確認信号送信部１２、データ処理部１４、データ送信部１６およびデータ受信部１８を備える。中継装置３０は、確認信号中継部３２、判定結果受信部３４、登録部３６、データ中継部３８および機器情報記録部４４を備え、データ中継部３８は、オフセット付加部４０およびローカル時刻変換部４２を有する。サーバ装置６０は、確認信号受信部６２、オフセット判定部６４、判定結果送信部６６、データ送信部６８およびデータ受信部７０を備える。

　図２に示す構成はハードウエア的には、任意のプロセッサ、メモリ、補助記憶装置、その他のＬＳＩで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。

　子施設２において、新しい医療機器１０が施設内ＬＡＮに接続されると、当該医療機器１０がＵＴＣ時刻を扱う機能を有するか検証する処理が実行される。上記したように、子施設２はＵＴＣ－８を標準時とし、親施設３はＵＴＣ－５を標準時とする。

　図３は、医療機器１０がＵＴＣ時刻を扱う機能を有するか否かを検証する処理を示すシーケンス図である。新しい医療機器１０が施設内ＬＡＮに接続されると（Ｓ１０）、確認信号送信部１２は、ＵＴＣ時刻取り扱い機能を有するか確認するための信号であって、現在時刻を示す時刻情報を含む確認信号を生成して（Ｓ１２）、確認信号をサーバ装置６０に送信する（Ｓ１４）。医療機器１０が接続されたのは、子施設２におけるローカル時刻で正午（12:00）であるとする。中継装置３０は、ゲートウェイ機能を有しており、確認信号中継部３２が、確認信号を受信する（Ｓ１６）。

　確認信号中継部３２は、確認信号に含まれる時刻情報の現在時刻と、中継装置３０における現在時刻とを、ローカル時刻で比較する（Ｓ１８）。なお中継装置３０は、ＮＴＰサーバに接続して、正確な時刻情報を提供されている。ローカル時刻において、確認信号に含まれる現在時刻と、中継装置３０における現在時刻とが一致しない場合（Ｓ１８のＮ）、確認信号中継部３２は、医療機器１０に対して時刻の補正要求を送信する（Ｓ２０）。医療機器１０は、補正要求を受信すると、現在時刻を補正し（Ｓ２２）、再度、現在時刻を示す時刻情報を含む確認信号を生成して（Ｓ１２）、確認信号をサーバ装置６０に送信する（Ｓ１４）。確認信号中継部３２は、確認信号を受信し（Ｓ１６）、ローカル時刻において確認信号に含まれる現在時刻と、中継装置３０における現在時刻とが一致していることを判定すると（Ｓ１８のＹ）、確認信号をサーバ装置６０に送信する（Ｓ２４）。

　医療機器１０がＵＴＣ時刻を扱う機能を有する場合、Ｓ１２において確認信号送信部１２は、現在時刻を示す時刻情報を（T12:00-8:00）として、確認信号に含める。ここで12:00はローカル時刻を、-8:00はＵＴＣオフセットを表現する。一方、医療機器１０がＵＴＣ時刻を扱う機能を有しない場合、Ｓ１２において確認信号送信部１２は、現在時刻を示す時刻情報を（T12:00）として、確認信号に含める。つまり医療機器１０がＵＴＣ時刻を扱う機能を有しなければ、現在時刻を示す時刻情報にはローカル時刻が含まれるが、ＵＴＣオフセットは含まれない。

　サーバ装置６０において、確認信号受信部６２は、確認信号を医療機器１０から受信する（Ｓ２６）。親施設３におけるサーバ装置６０および情報システム８０は、ＮＴＰサーバに接続して、正確な時刻情報を提供されており、サーバ装置６０におけるオフセット判定部６４は、確認信号に含まれる時刻情報と、サーバ装置６０における現在時刻とをＵＴＣ時刻で比較し、比較結果にもとづいて、医療機器１０がＵＴＣオフセットを時刻情報に含めたか否かを判定する（Ｓ２８）。このときサーバ装置６０における現在時刻の時刻情報は（T15:00-5:00）であり、ＵＴＣ時刻は20:00である。

　確認信号に含まれる時刻情報が（T12:00-8:00）であって、ＵＴＣオフセットが含まれていれば、オフセット判定部６４は、確認信号に含まれる現在時刻のＵＴＣ時刻を20:00と算出する。この場合、両者のＵＴＣ時刻は一致するため、オフセット判定部６４は、医療機器１０がＵＴＣオフセットを時刻情報に含めたことを判定する。なおオフセット判定部６４は、医療機器１０からサーバ装置６０までの間の通信遅延を加味して、所定時間（たとえば１５分）以内の時間ずれがあっても、両者のＵＴＣ時刻の一致を判定してよい。ここで１５分は、世界における標準時の最小時差である。

　一方、確認信号に含まれる時刻情報が（T12:00）であって、ＵＴＣオフセットが含まれていなければ、オフセット判定部６４は、確認信号に含まれる時刻情報からＵＴＣ時刻を算出できず、確認信号に含まれる時刻情報は、サーバ装置６０におけるＵＴＣ時刻に一致しない。そのためオフセット判定部６４は、医療機器１０がＵＴＣオフセットを時刻情報に含めていないことを判定する。

　判定結果送信部６６は、ＵＴＣオフセットに関する判定結果を中継装置３０または医療機器１０に送信する（Ｓ３０）。なお子施設２において、医療機器１０宛てに送信した判定結果は、医療機器１０に到着する前に、中継装置３０により受信される。そのため判定結果送信部６６が宛先を中継装置３０および医療機器１０のいずれにした場合であっても、判定結果は必ず中継装置３０により受信される。

　中継装置３０において、判定結果受信部３４が、ＵＴＣオフセットに関する判定結果を受信する（Ｓ３２）。登録部３６は、判定結果に関する情報を、医療機器１０を識別する機器識別情報（機器ＩＤ）に関連付けて機器情報記録部４４に登録する（Ｓ３４）。

　図４は、機器情報記録部４４の記録状態の例を示す。機器情報記録部４４は、医療機器１０の機器ＩＤに関連付けて、ＵＴＣオフセットの判定結果に関する情報を記録する。ここで判定結果に関する情報は、医療機器１０がＵＴＣオフセットを時刻情報に付加する機能を有するか否かを示す情報であるが、別の情報、たとえばＵＴＣ時刻を扱えるか否かを示す情報であってもよい。図４に示す例では、機器ＩＤ“0004”、“0100”の医療機器１０に、ＵＴＣオフセットを時刻情報に付加する機能を有しないことが記録されている。

　なお図３に示すシーケンス図では、サーバ装置６０から送信された判定結果が医療機器１０に転送されていないが、医療機器１０に転送されてもよい。医療機器１０は、判定結果を受信することで、サーバ装置６０との間で通信できたことを確認できる。

　図３に示す処理は、新しい医療機器１０が施設内ＬＡＮに接続されたときに１回実施されて、ＵＴＣオフセットの付加機能を有するか否かを示す情報が機器情報記録部４４に登録されればよい。なお最初に施設内ＬＡＮに接続したとき、医療機器１０はＵＴＣを扱う機能を有していなかったが、その後のソフトウェアアップデートによってＵＴＣを扱う機能を獲得している場合もある。そのため図３に示す処理は、医療機器１０の電源投入時に自動的に実施されてもよい。ＵＴＣオフセットの付加機能を有するか否かを示す情報が機器情報記録部４４に登録された後、医療機器１０は、情報システム８０との間で医療データを送受信する。

　図５は、医療機器１０が医療データを送信する処理を示すシーケンス図である。医療機器１０において、情報システム８０に送信するべき医療データが生じると、データ処理部１４は、時刻情報を含む医療データを生成し（Ｓ４０）、データ送信部１６が、医療データをサーバ装置６０を経由して情報システム８０に送信する（Ｓ４２）。送信された医療データは、中継装置３０において一旦、データ中継部３８により受信される（Ｓ４４）。

　データ中継部３８は、医療機器１０から送信された医療データを受信すると、機器情報記録部４４において当該医療機器１０の機器ＩＤに関連付けられた情報にもとづいて、医療データの時刻情報にＵＴＣオフセットを付加するか否かを決定する（Ｓ４６）。機器情報記録部４４において、機器ＩＤに関連付けられた情報が、当該医療機器１０がＵＴＣオフセットの付加機能を有しないことを示す場合に（Ｓ４６のＮ）、オフセット付加部４０は、医療データの時刻情報にＵＴＣオフセットを付加する（Ｓ４８）。

　医療機器１０がＵＴＣオフセットの付加機能を有しない場合、医療データの時刻情報には、ローカル時刻が含まれるが、ＵＴＣオフセットは含まれない。そこでオフセット付加部４０が医療データの時刻情報にＵＴＣオフセットを付加することで、医療機器１０から送信される医療データが、情報システム８０において協定世界時であるＵＴＣ時刻で取り扱われるようになる。

　一方、機器情報記録部４４において、機器ＩＤに関連付けられた情報が、当該医療機器１０がＵＴＣオフセットの付加機能を有することを示す場合（Ｓ４６のＹ）、医療データの時刻情報にはＵＴＣオフセットが付加されているため、オフセット付加部４０は、医療データの時刻情報にＵＴＣオフセットを付加しない。

　データ中継部３８は、ＵＴＣオフセットを付加された時刻情報を含む医療データを、サーバ装置６０に送信する（Ｓ５０）。サーバ装置６０において、データ受信部７０が、医療機器１０から送信された医療データを受信し、データ送信部６８が、医療データを情報システム８０に転送する（Ｓ５２）。情報システム８０は、医療データの時刻情報からＵＴＣ時刻を導出し、ＵＴＣ時刻を用いた処理を実行する。

　たとえば医療機器１０が、子施設２におけるローカル時刻で午前１０時から開始する検査リストを、情報システム８０に要求する場合について説明する。このとき検査の開始時刻１０時は、時刻情報（T10:00-8:00）で表現され、データ中継部３８からサーバ装置６０を経由して情報システム８０に送信される医療データ（検査リスト要求）には、時刻情報（T10:00-8:00）が含まれる。

　情報システム８０は、各子施設２における検査スケジュールのデータベースを有しており、検査の開始時刻をＵＴＣ時刻で管理している。情報システム８０は、子施設２から、時刻情報（T10:00-8:00）を検査開始時刻として含む検査リスト要求を取得すると、検査開始のＵＴＣ時刻を１８時とする検査をデータベース内で探索する。具体的に情報システム８０は、（T13:00-5:00）の開始時刻を設定された検査のデータ（検査データ）をデータベースから探索して、医療機器１０に送信する。

　図６は、情報システム８０が医療データを送信する処理を示すシーケンス図である。情報システム８０において、医療機器１０に送信するべき医療データが生じると、情報システム８０は、ＵＴＣオフセットを含む時刻情報を含む医療データを生成し（Ｓ６０）、サーバ装置６０を経由して医療機器１０に向けて送信する（Ｓ６２）。ここで医療データは、（T13:00-5:00）の開始時刻を設定された検査データであるとする。サーバ装置６０において、データ受信部７０が、ＵＴＣオフセットを含む時刻情報を含む医療データを一旦受信し、データ送信部６８が、医療データを医療機器１０に送信する（Ｓ６４）。送信された医療データは、中継装置３０において一旦、データ中継部３８により受信される（Ｓ６６）。

　データ中継部３８は、医療機器１０宛ての医療データを受信すると、機器情報記録部４４において当該医療機器１０の機器ＩＤに関連付けられた情報にもとづいて、医療データの時刻情報を子施設２のローカル時刻に変換するか否かを決定する（Ｓ６８）。機器情報記録部４４において、機器ＩＤに関連付けられた情報が、当該医療機器１０がＵＴＣオフセットの付加機能を有しないことを示す場合に（Ｓ６８のＮ）、ローカル時刻変換部４２は、医療データの時刻情報をローカル時刻に変換し（Ｓ７０）、医療機器１０に送信する（Ｓ７２）。

　医療機器１０がＵＴＣオフセットの付加機能を有しない場合、医療データの時刻情報に含まれるＵＴＣオフセットを、医療機器１０は処理できない。つまり医療機器１０は、医療データの時刻情報を、子施設２におけるローカル時刻に変換できない。そこでローカル時刻変換部４２が時刻情報を子施設２のローカル時刻に変換することで、情報システム８０から送信される医療データが、医療機器１０において子施設２の標準時であるローカル時刻で取り扱われるようになる。

　一方、機器情報記録部４４において、機器ＩＤに関連付けられた情報が、当該医療機器１０がＵＴＣオフセットの付加機能を有することを示す場合（Ｓ６８のＹ）、医療機器１０は、時刻情報をローカル時刻に変換できるため、ローカル時刻変換部４２は、時刻情報をローカル時刻に変換しなくてよい。

　以上、本開示を実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。たとえば図３に示すＳ２８において、オフセット判定部６４が、確認信号に含まれる時刻情報と、サーバ装置６０における現在時刻とをＵＴＣ時刻で比較したが、比較判定は、中継装置３０で実施してもよい。このときサーバ装置６０は、確認信号を受信すると、確認信号に親施設３における現在時刻を示すＵＴＣ時刻情報を付加して、中継装置３０に返信する。中継装置３０は、オフセット判定部６４の判定機能を実施して、医療機器１０がＵＴＣオフセットを時刻情報に含めたか否かを判定してよい。

　本開示は、医療システムにおいて施設間で通信する技術分野に利用できる。

１・・・医療システム、２・・・子施設、３・・・親施設、４・・・ネットワーク、１０・・・医療機器、１２・・・確認信号送信部、１４・・・データ処理部、１６・・・データ送信部、１８・・・データ受信部、３０・・・中継装置、３２・・・確認信号中継部、３４・・・判定結果受信部、３６・・・登録部、３８・・・データ中継部、４０・・・オフセット付加部、４２・・・ローカル時刻変換部、４４・・・機器情報記録部、６０・・・サーバ装置、６２・・・確認信号受信部、６４・・・オフセット判定部、６６・・・判定結果送信部、６８・・・データ送信部、７０・・・データ受信部、８０・・・情報システム。

Claims (10)

1. 　第１施設に設けられる医療機器および中継装置と、第２施設に設けられるサーバ装置とを備えた医療システムにおいて通信する方法であって、
   　前記医療機器は、
   　現在時刻を示す時刻情報を含む確認信号を前記サーバ装置に送信し、
   　前記中継装置は、
   　前記確認信号を前記医療機器から受信して、前記サーバ装置に送信し、
   　前記サーバ装置は、
   　前記確認信号を受信し、
   　前記確認信号に含まれる時刻情報と、前記サーバ装置における現在時刻とをＵＴＣ時刻で比較し、
   　比較結果にもとづいて、前記医療機器がＵＴＣオフセットを時刻情報に含めたか否かを判定し、
   　ＵＴＣオフセットに関する判定結果を前記中継装置または前記医療機器に送信し、
   　前記中継装置は、
   　前記判定結果を受信し、
   　前記判定結果に関する情報を、前記医療機器を識別する機器識別情報に関連付けて機器情報記録部に登録する、
   　ことを特徴とする通信方法。
2. 　前記医療機器は、
   　時刻情報を含む第１データを前記サーバ装置に送信し、
   　前記中継装置は、
   　前記第１データを前記医療機器から受信し、
   　前記機器情報記録部において前記医療機器の機器識別情報に関連付けられた情報にもとづいて、前記第１データの時刻情報にＵＴＣオフセットを付加するか否かを決定する、
   　ことを特徴とする請求項１に記載の通信方法。
3. 　前記中継装置は、前記関連付けられた情報が、前記医療機器がＵＴＣオフセットの付加機能を有しないことを示す場合に、前記第１データの時刻情報にＵＴＣオフセットを付加する、
   　ことを特徴とする請求項２に記載の通信方法。
4. 　前記サーバ装置は、
   　ＵＴＣオフセットを含む時刻情報を含む第２データを前記医療機器に送信し、
   　前記中継装置は、
   　前記第２データを前記サーバ装置から受信し、
   　前記機器情報記録部において前記医療機器の機器識別情報に関連付けられた情報にもとづいて、前記第２データの時刻情報を第１施設のローカル時刻に変換するか否かを決定する、
   　ことを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の通信方法。
5. 　前記中継装置は、前記関連付けられた情報が、前記医療機器がＵＴＣオフセットの付加機能を有しないことを示す場合に、前記第２データの時刻情報を第１施設のローカル時刻に変換する、
   　ことを特徴とする請求項４に記載の通信方法。
6. 　第１施設に設けられる医療機器および中継装置と、第２施設に設けられるサーバ装置とを備えた医療システムであって、
   　前記医療機器は、
   　現在時刻を示す時刻情報を含む確認信号を前記サーバ装置に送信する確認信号送信部を有し、
   　前記中継装置は、
   　前記確認信号を前記医療機器から受信して、前記サーバ装置に送信する確認信号中継部を有し、
   　前記サーバ装置は、
   　前記確認信号を受信する確認信号受信部と、
   　前記確認信号に含まれる時刻情報と、前記サーバ装置における現在時刻とをＵＴＣ時刻で比較して、前記医療機器がＵＴＣオフセットを時刻情報に含めたか否かを判定するオフセット判定部と、
   　ＵＴＣオフセットに関する判定結果を前記中継装置または前記医療機器に送信する判定結果送信部と、を有し、
   　前記中継装置は、
   　前記判定結果を受信する判定結果受信部と、
   　前記判定結果に関する情報を、前記医療機器を識別する機器識別情報に関連付けて機器情報記録部に登録する登録部と、
   　を備える医療システム。
7. 　前記医療機器は、
   　時刻情報を含む第１データを前記サーバ装置に送信するデータ送信部を有し、
   　前記中継装置は、
   　前記第１データを前記医療機器から受信して、前記サーバ装置に送信するデータ中継部を有し、
   　前記データ中継部は、前記機器情報記録部において前記医療機器の機器識別情報に関連付けられた情報にもとづいて、前記第１データの時刻情報にＵＴＣオフセットを付加するか否かを決定する、
   　ことを特徴とする請求項６に記載の医療システム。
8. 　前記関連付けられた情報が、前記医療機器がＵＴＣオフセットの付加機能を有しないことを示す場合に、前記データ中継部は、前記第１データの時刻情報にＵＴＣオフセットを付加する、
   　ことを特徴とする請求項７に記載の医療システム。
9. 　前記サーバ装置は、
   　ＵＴＣオフセットを含む時刻情報を含む第２データを前記医療機器に送信するデータ送信部を有し、
   　前記データ中継部は、前記第２データを前記サーバ装置から受信して、前記機器情報記録部において前記医療機器の機器識別情報に関連付けられた情報にもとづいて、前記第２データの時刻情報を第１施設のローカル時刻に変換するか否かを決定する、
   　ことを特徴とする請求項７または８に記載の医療システム。
10. 　前記関連付けられた情報が、前記医療機器がＵＴＣオフセットの付加機能を有しないことを示す場合に、前記データ中継部は、前記第２データの時刻情報を第１施設のローカル時刻に変換する、
    　ことを特徴とする請求項９に記載の医療システム。

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