WO2022009565A1 - ファンケース、モータユニット及び移動体 - Google Patents

Abstract

ファンケース（１）は、第１部材（２）及び第２部材（３）を備える。第１部材は、第１本体部（２１）と、１以上のフック（２３）とを有する。１以上のフックは、第１方向からの平面視において第１本体部の外周の１箇所以上に配置されている。第２部材は、第２本体部（３１）と、１以上の爪（３３）とを有する。１以上の爪は、１以上のフックが引っ掛けられるよう、１以上のフックと対応する位置に、第１方向からの平面視において第２本体部の外周に配置されている。１以上のフックの少なくとも１つは、第１本体部が有する第１開口の端部から第１方向に沿って第２部材側に向けて延出されている。

Description

ファンケース、モータユニット及び移動体

　本開示は、ファンケース、モータユニット及び移動体に関する。本開示は、より詳細には、第１部材及び第２部材を備えるファンケース、ファンケースを備えるモータユニット、及び、モータユニットを備える移動体に関する。

　特許文献１には、空調ユニット間の結合構造について記載されている。特許文献１に記載された結合構造には、一方の空調ユニットの嵌合部の上方に、一方の空調ユニットから他方の空調ユニット側に突出させて形成した係止穴部と、他方の空調ユニットから係止穴部に挿入して係止するように突出させた係止突部とが設けられている。係止突部が係止穴部に挿入されながら嵌合部同士を嵌合させることで、２つの空調ユニットを結合する。

　しかしながら、特許文献１に記載された従来の結合構造では、２つの空調ユニットが結合する方向と直交する方向において係止穴部及び係止突部が外側に位置するため（突出しているため）、結合構造により結合された空調ユニットが大型になるという問題がある。

特開２００６－３１５５８３号公報

　本開示は上記の点に鑑みてなされた発明である。本開示の目的は、小型化を図ることができるファンケース、モータユニット及び移動体を提供することにある。

　本開示の一態様に係るファンケースは、モータを収容する。前記モータでは、第１方向に延伸する回転軸を含むロータが前記回転軸の軸心を回転中心として回転する。前記ファンケースは、第１部材及び第２部材を備える。前記第１部材及び前記第２部材は、前記第１方向に沿って互いに結合される。前記第１部材は、第１本体部と、１以上のフックとを有する。前記第１本体部は、前記第２部材に向かって開口する第１開口を有する。前記１以上のフックは、前記第１方向からの平面視において前記第１本体部の外周に配置されている。前記第２部材は、第２本体部と、１以上の爪とを有する。前記第２本体部は、前記第１部材に向かって開口する第２開口を有する。前記１以上の爪は、前記１以上のフックが引っ掛けられるよう、前記１以上のフックと対応する位置に、前記第１方向からの平面視において前記第２本体部の外周に配置されている。前記１以上のフックの少なくとも１つは、前記第１本体部が有する前記第１開口の端部から前記第１方向に沿って前記第２部材側に向けて延出されている。

　また、前記１以上のフックは複数のフックであり、前記１以上の爪は複数の爪であり、前記第１部材及び前記第２部材は、前記複数のフックの各々が前記複数の爪のうち対応する爪に引っ掛けられることによって、互いに結合されてもよい。

　また、前記１以上のフックの各々におけるフックの外面及び内面の少なくとも一方は、前記第１方向からの平面視において、前記第１本体部の外周面に沿っていることが好ましい。

　また、前記フックの前記外面は、前記第１方向からの平面視において、前記第１本体部の前記外周面に沿って湾曲していることが好ましい。

　また、前記フックの外面は平坦であることが好ましい。

　また、前記第１部材は前記第１本体部が有する前記第１開口の前記端部に設けられているフランジを有し、前記フランジは、前記第１本体部の周方向において前記フランジと前記フックとの間に隙間が生じるように、前記第１開口の前記端部に設けられていてもよい。

　また、前記第１部材は、前記第１本体部のうち前記第１方向における前記フックの延長線上に設けられている突出部を有してもよい。

　また、前記第１方向において、前記フランジと前記フックのうち前記爪が引っ掛かる第１引っ掛かり部との間の第１距離は、前記第２本体部が有する前記第２開口と前記爪のうち前記フックが引っ掛かる第２引っ掛かり部との間の第２距離よりも短くてもよい。

　また、前記第１部材又は前記第２部材は、排気口の外周フランジを有してもよい。

　また、前記爪の先端は、前記第１方向からの平面視において、前記第１本体部の外周面に沿っていることが好ましい。

　また、前記１以上のフックは、複数のフックであり、前記第１本体部は、互いに曲率の異なる複数の領域を含む外周面を有し、前記複数のフックは、前記外周面に沿っていることが好ましい。

　また、前記１以上のフック及び前記１以上の爪は、前記第１方向からの平面視において、前記第１本体部の最外部よりも内側に位置することが好ましい。

　本開示の一態様に係るモータユニットは、前記ファンケースと、前記モータとを備える。

　本開示の一態様に係る移動体は、前記モータユニットと、移動体本体とを備える。前記移動体本体には、前記モータユニットが搭載されている。

　本開示の上記態様に係るファンケース、モータユニット及び移動体によれば、ファンケース、モータユニット及び移動体の小型化を図ることができる。

図１は、実施形態１に係るファンケースの斜視図である。 図２は、同上のファンケースの側面図である。 図３は、同上のファンケースの上面図である。 図４は、同上のファンケースの分解斜視図である。 図５は、同上のファンケースの第１部材の斜視図である。 図６は、実施形態１に係るモータユニットの要部の分解斜視図である。 図７Ａは、同上のファンケースの第１部材のフックの斜視図である。 図７Ｂは、同上のファンケースの第２部材の爪の斜視図である。 図８Ａは、同上のファンケースにおいて第１部材と第２部材とが嵌め合わされたときのフック及び爪の斜視図である。 図８Ｂは、同上のファンケースにおいて第１部材と第２部材とが嵌め合わされたときのフック及び爪の正面図である。 図８Ｃは、同上のファンケースにおいて第１部材と第２部材とが嵌め合わされたときのフック及び爪の側面図である。 図９は、実施形態１に係るモータユニットの外観図である。 図１０は、実施形態２に係るファンケースの斜視図である。 図１１は、同上のファンケースの上面図である。 図１２は、同上のファンケースの分解斜視図である。 図１３Ａは、同上のファンケースの第１部材のフックの斜視図である。 図１３Ｂは、同上のファンケースの第２部材の爪の斜視図である。 図１４Ａは、同上のファンケースにおいて第１部材と第２部材とが嵌め合わされたときのフック及び爪の斜視図である。 図１４Ｂは、同上のファンケースにおいて第１部材と第２部材とが嵌め合わされたときのフック及び爪の正面図である。 図１４Ｃは、同上のファンケースにおいて第１部材と第２部材とが嵌め合わされたときのフック及び爪の側面図である。 図１５は、実施形態３に係るファンケースの斜視図である。 図１６は、同上のファンケースの上面図である。 図１７は、同上のファンケースの分解斜視図である。 図１８は、同上のファンケースの第１部材の斜視図である。 図１９Ａは、同上のファンケースの第１部材のフックの斜視図である。 図１９Ｂは、同上のファンケースの第２部材の爪の斜視図である。 図２０Ａは、同上のファンケースにおいて第１部材と第２部材とが嵌め合わされたときのフック及び爪の斜視図である。 図２０Ｂは、同上のファンケースにおいて第１部材と第２部材とが嵌め合わされたときのフック及び爪の正面図である。 図２０Ｃは、同上のファンケースにおいて第１部材と第２部材とが嵌め合わされたときのフック及び爪の側面図である。 図２１は、実施形態４に係る車両の概略図である。

　以下、実施形態１，２に係るファンケース及びモータユニット並びに実施形態４に係る車両（移動体）について、図面を参照して説明する。下記の実施形態等において参照する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さ並びにそれぞれの比は、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。

　（実施形態１）
　（１）ファンケース
　実施形態１に係るファンケース１の構成について、図面を参照して説明する。

　図１は、実施形態１に係るファンケース１の斜視図である。実施形態１に係るファンケース１は、図１に示すように、第１部材２と、第２部材３とを備える。ファンケース１は、第１方向Ｄ１に沿って、第１部材２及び第２部材３が互いに結合される構造を有する。

　ファンケース１は、例えば図６に示すようなモータ４１を備える図９に示すようなモータユニット４に用いられる。図９は、実施形態１に係るモータユニットの外観図である。図６は、実施形態１に係るモータユニットの要部の分解斜視図である。ファンケース１は、モータ４１を収容する。

　（２）モータユニット
　モータユニット４の構成について、図面を参照して説明する。

　実施形態１に係るモータユニット４は、図９に示すように、ファンケース１を備える。さらに、モータユニット４は、図６に示すように、モータ４１と、基板４２と、基板ガイド４３と、モータケース４４と、ボトムプレート４５と、コネクタ４６と、羽根４７（図２１を参照）とを備える。図２１は、実施形態４に係る車両の概略図である。

　モータユニット４は、ケーブル５３（図２１を参照）を介して制御装置５２（図を２１参照）と電気的に接続されている。モータユニット４は、ケーブル５３を介して制御装置５２から電力を供給される。さらに制御装置５２からの制御信号に基づいてモータ４１が回転駆動する。

　モータユニット４は、例えば、移動体に用いられる。モータユニット４が用いられる移動体の例としては、例えば四輪自動車、二輪自動車、三輪自動車のような車両が挙げられる。

　（３）ファンケースの各構成要素
　以下、実施形態１に係るファンケース１の各構成要素について、図面を参照して説明する。上述したように、ファンケース１は、第１部材２と、第２部材３とを備える（図１を参照）。

　図１に示すファンケース１は、羽根４７（図２１を参照）を収容する。ファンケース１は、図６に示すモータケース４４とボトムプレート４５とコネクタ４６とを更に収容する。ファンケース１は、樹脂等で形成されている。

　（３．１）第１部材
　図２は、実施形態１に係るファンケース１の側面図である。図３は、同上のファンケース１の上面図である。図４は、同上のファンケース１の分解斜視図である。図５は、同上のファンケース１の第１部材２の斜視図である。第１部材２は、図１～図５に示すように、第１本体部２１と、突出部２２と、複数（図示例では５つ）のフック２３と、複数（図示例では３つ）のフランジ２４（図５を参照）と、複数の突出部２５１～２５５とを有する。

　（３．１．１）第１本体部
　第１本体部２１は、図１～図５に示すように、筒状であり、側面部２１１と、円環部２１２とを有する。第１本体部２１は、第１開口２１３（図５を図参照）を有する。側面部２１１は、筒状である。円環部２１２は、側面部２１１の一端（図４では上端）から内側に突出している。より詳細には、円環部２１２は、側面部２１１と突出部２２とを繋ぐように、側面部２１１の一端から内側に突出している。側面部２１１と円環部２１２とは、一体に形成されている。

　（３．１．２）突出部
　突出部２２は、図１～図５に示すように、筒状であり、第１本体部２１の端部から第１方向Ｄ１に沿って突出している。より詳細には、突出部２２は、第１本体部２１の円環部２１２の内周端から第１方向Ｄ１に沿って突出している。突出部２２は、後述の開口１１の周囲に位置している。

　（３．１．３）フック
　複数のフック２３は、図１～図５に示すように、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周の複数の箇所に配置されている。より詳細には、複数のフック２３は、第１本体部２１の側面部２１１の端部側（図４では下端側）の周囲において、第１本体部２１の側面部２１１の周方向に沿って、互いに離隔して設けられている。すなわち、複数のフック２３は、側面部２１１の周方向において、一定以上の距離をあけて設けられている。

　複数のフック２３の各々は、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３側に向けて延出されている。図４の例では、複数のフック２３の全てが第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３側に向けて延出されている。各フック２３は、第１本体部２１の側面部２１１の他端（図４では下端）に設けられている。そして、各フック２３は、第１本体部２１の側面部２１１の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３側に向かって延びている。

　図７Ａは、実施形態１に係るファンケースの第１部材２のフック２３の斜視図である。各フック２３は、図７Ａに示すように、フック２３の正面から見たときにＵ字状であり、２つの第１片２３１と、第２片２３２とを有する。２つの第１片２３１の各々は、第１方向Ｄ１を長手方向とする長方形の板状であり、第１本体部２１の側面部２１１の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って延びている。第２片２３２は、第１方向Ｄ１と直交する方向を長手方向とする長方形の板状であり、２つの第１片２３１の先端（図７Ａの下端）同士を繋いでいる。２つの第１片２３１と第２片２３２とは、一体に形成されている。各フック２３は、２つの第１片２３１と第２片２３２とで囲まれた引っ掛け孔２３３を有する。

　複数のフック２３の各々は、板状であり、フック２３の厚さ方向において互いに対向する外面２３４及び内面２３５を有する。各フック２３の外面２３４及び内面２３５は、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周面２１５に沿って湾曲している。より詳細には、フック２３の外面２３４及び内面２３５は、第１本体部２１の外周面２１５のうちフック２３が設けられている部分の曲率に近づくような形状に形成されている。上記より、ファンケース１をより小型にすることができると共に、ファンケース１の外観の見栄えを良くすることができる。

　上述したように、各フック２３がＵ字状であるので、第１部材２を成形する際に、金型のスライド機構が不要となり、第１部材２を製造しやすくなる。

　（３．１．４）フランジ
　複数のフランジ２４は、図４に示すように、第１本体部２１の第１開口２１３（図５を参照）の端部２１４に設けられている。複数のフランジ２４は、第１本体部２１の側面部２１１の端部２１４において、側面部２１１の周方向に沿って、互いに離隔して設けられている。すなわち、複数のフランジ２４は、側面部２１１の周方向において、一定以上の距離をあけて設けられている。

　各フランジ２４は、側面部２１１の周方向において、フック２３が設けられていない部分に設けられている。フランジ２４は、例えば、隣接する２つのフック２３の間に設けられている。

　各フランジ２４は、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３側に向けて延出されている。図４の例では、複数のフランジ２４の全てが第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３側に向けて延出されている。

　各フランジ２４は、側面部２１１の端部２１４から離れるにつれて、側面部２１１の周方向における幅が狭くなるような形状を有する。第１方向Ｄ１における各フランジ２４の長さは、第１方向Ｄ１におけるフック２３の長さよりも短い。

　各フランジ２４は、第１部材２と第２部材３とが結合されると、第２部材３の溝３５に入り込む。より詳細には、第１部材２と第２部材３とが結合される前に、各フランジ２４は溝３５に入り込む。これにより、第１部材２と第２部材３との位置合わせを容易に行うことができる。よって、第１部材２と第２部材３とを容易に結合させることができる。つまり、各フランジ２４は、ガイドとして機能する。

　（３．１．５）突出部
　複数の突出部２５１は、図４及び図７Ａに示すように、第１本体部２１においてフック２３の延長線上に設けられている。より詳細には、各突出部２５１は、第１本体部２１のうち第１方向Ｄ１におけるフック２３の延長線上に設けられている。各突出部２５１は、第１本体部２１においてフック２３の第１片２３１の長手方向に沿って延びている。突出部２５１が設けられている部分の厚さは、第１本体部２１の厚さと突出部２５１の厚さとの総和であるため、第１本体部２１における周方向の両端の厚さ（第１本体部２１のみの厚さ）よりも厚い。

　複数の突出部２５２は、図４に示すように、第１本体部２１において第１方向Ｄ１に沿って設けられている。より詳細には、各突出部２５２は、突出部２５１とは異なる位置に、突出部２５１と平行になるように設けられている。複数の突出部２５３は、図４に示すように、第１本体部２１の円環部２１２に設けられている。より詳細には、各突出部２５３は、第１本体部２１の円環部２１２において、第１部材２と第２部材３とが結合された際に排気口１３の近くとなる部分に設けられている。複数の突出部２５４は、図４に示すように、第１本体部２１の円環部２１２に設けられている。より詳細には、各突出部２５４は、円環部２１２の周方向に沿って設けられている。複数の突出部２５５は、図４に示すように、第１本体部２１の円環部２１２に設けられている。より詳細には、各突出部２５５は、円環部２１２において、突出部２５４を繋ぐように設けられている。

　（３．２）第２部材
　第２部材３は、図４及び図９に示すように、第２本体部３１と、突出部３２と、複数（例えば５つ）の爪３３とを有する。

　（３．２．１）第２本体部
　第２本体部３１は、図４及び図９に示すように、筒状であり、側面部３１１と、円環部３１２とを有する。第２本体部３１は、第２開口３１３（図４を参照）を有する。側面部３１１は、筒状である。円環部３１２は、側面部３１１の一端（図４の下端、図９の上端）から内側に突出している。より詳細には、円環部３１２は、側面部３１１と突出部３２とを繋ぐように、側面部３１１の一端から内側に突出している。側面部３１１と円環部３１２とは、一体に形成されている。

　（３．２．２）突出部
　突出部３２は、図９に示すように、筒状であり、第２本体部３１の端部から第１方向Ｄ１に沿って突出している。より詳細には、突出部３２は、第２本体部３１の円環部３１２の内周端から第１方向Ｄ１に沿って突出している。突出部３２は、後述の開口１２の周囲に位置している。

　（３．２．３）爪
　複数の爪３３は、図４に示すように、複数のフック２３と一対一に対応している。複数の爪３３は、第１方向Ｄ１からの平面視において、第２部材３の外周の複数の箇所に配置されている。複数の爪３３は、第２本体部３１の側面部３１１の端部（図４の上端）に設けられている。より詳細には、各爪３３は、第１方向Ｄ１及び側面部３１１の周方向の両方と直交する方向に沿って側面部３１１から突出している。

　複数の爪３３は、第２本体部３１の側面部３１１の端部側の周囲において、互いに離隔して設けられている。すなわち、複数の爪３３は、側面部３１１の周方向において、一定の距離をあけて設けられている。

　各爪３３は、図７Ｂに示すように、２つの第１片３３１と、第２片３３２とを有する。図７Ｂは、実施形態１に係るファンケース１の第２部材３の爪３３の斜視図である。２つの第１片３３１の各々は、第１方向Ｄ１を長手方向とする板状であり、第２本体部３１の側面部３１１から外部に向かって突出している。第２片３３２は、第２本体部３１の側面部３１１の周方向を長手方向とする板状であり、側面部３１１から外部に向かって突出している。２つの第１片３３１と第２片３３２とは、一体に形成されている。各第１片３３１は、第１方向Ｄ１において、第２開口３１３から離れるにつれて、高さが高くなるような形状である。言い換えると、各第１片３３１は、第１方向Ｄ１において、第２開口３１３から離れるにつれて、突出量が多くなる。第２片３３２は、２つの第１片３３１における第１方向Ｄ１の端部（図７Ｂの下端）同士を繋いでいる。各爪３３は、２つの第１片３３１と第２片３３２とで囲まれた凹所３３３を有する。

　（３．２．４）突出部
　複数の突出部３４は、図４に示すように、第２本体部３１から突出して設けられている。より詳細には、複数の突出部３４は、第２本体部３１の側面部３１１から外部に向かって突出して設けられている。各突出部３４は、側面部３１１の周方向を長手方向とする形状であり、第２開口３１３の近くに設けられている。

　各突出部３４は、側面部３１１の周方向から見たときの断面がＬ字状であり、各突出部３４と側面部３１１とで、溝３５が形成されている。

　第１部材２が第２部材３に結合される際に、溝３５には、第１部材２のフランジ２４が挿入される。第１部材２のフック２３が第２部材３の爪３３に引っ掛けられる前に、溝３５にフランジ２４が挿入される。

　（３．２．５）突出部
　複数の突出部３６１は、図４及び図９に示すように、第２本体部３１において第１方向Ｄ１に沿って設けられている。複数の突出部３６２は、図９に示すように、突出部３２に設けられている。複数の突出部３６３は、図９に示すように、第２本体部３１の円環部３１２に設けられている。より詳細には、各突出部３６３は、第２本体部３１の円環部３１２において、第１部材２と第２部材３とが結合された際に排気口１３の近くとなる部分に設けられている。

　（３．３）第１部材と第２部材との結合
　第１部材２及び第２部材３は、図１、図８Ａ～図８Ｃに示すように、複数のフック２３が複数の爪３３のうち対応する爪３３に引っ掛けられることによって、互いに結合される。図８Ａは、実施形態１に係るファンケース１において第１部材２と第２部材３とが嵌め合わされたときのフック２３及び爪３３の斜視図である。図８Ｂは、同上のファンケース１において第１部材２と第２部材３とが嵌め合わされたときのフック２３及び爪３３の正面図である。図８Ｃは、同上のファンケース１において第１部材２と第２部材３とが嵌め合わされたときのフック２３及び爪３３の側面図である。

　第１部材２と第２部材３とは、結合前では、互いに離れている状態である（図４に示す状態）。上記状態から第１部材２を第２部材３に近づけていくと、第１部材２のフック２３が第２部材３の爪３３に接触する。具体的には、フック２３の第２片２３２が爪３３の第１片３３１に接触する。引き続き、第１部材２を第２部材３に近づけていくと、爪３３によってフック２３が外側に撓んでいく。第２開口３１３から離れるにつれて爪３３の第１片３３１の突出量が多くなるから、フック２３の第１片２３１の撓みが大きくなる。さらに、第１部材２を第２部材３に近づけていくと、フック２３の第２片２３２が爪３３を乗り越える。このとき、爪３３がフック２３の引っ掛け孔２３３に位置する。フック２３は、外側に撓んでいる状態から元の状態に戻る。上記のような工程により、第１部材２と第２部材３とが結合される。

　上述したように、各フック２３は、図８Ｃに示すように、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３側に向けて延出されている。言い換えると、各フック２３は、第１本体部２１の外側（第１方向Ｄ１と直交する外向き）への膨らみを低減させている。具体的には、各フック２３では、根元側（第１本体部２１側）の部分にて第１本体部２１から外側に突出して下側へ向かうように曲がっている部分が存在しない。各フック２３の第１片２３１は、第１本体部２１の外側（図８Ｃの左側）へ突出するのではなく、下側へ向かって延びている。

　上記より、図８Ｃに示すように、フック２３及び爪３３の突出量（図８Ｃの左右方向の突出量）を小さくすることができる。これにより、図２に示すように、第１方向Ｄ１からの平面視において、ファンケース１の外径Ｌ１１を短くことができる。すなわち、ファンケース１を小型にすることができる。

　また、複数のフック２３の全てと複数の爪３３の全てとが結合されるから、ファンケース１の小型化を図りつつ、第１部材２と第２部材３とをより強固に結合させることができる。

　ところで、図１、図２、図７Ａ、図７Ｂに示すように、実施形態１に係るファンケース１では、複数のフック２３におけるフック２３の外面２３４及び内面２３５は、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周面２１５に沿っている。これにより、ファンケース１の小型化を図るとともに、ファンケース１の外観の見栄えをよくすることができる。また、フック２３の厚さを比較的均一にしやすくなる。具体的には、フック２３の厚さを２ｍｍ程度で一定にすることができる。これにより、フック２３を有する第１部材２を製造しやすい。なお、ファンケース１において、フック２３の厚さを一定にすることは必須ではない。

　また、図４に示すように、第１方向Ｄ１において、フランジ２４の先端とフック２３の第１引っ掛かり部２３６との間の第１距離Ｌ２１は、第２本体部３１の第２開口３１３と爪３３の第２引っ掛かり部３３４との間の第２距離Ｌ３１よりも短い。第１引っ掛かり部２３６は、爪３３が引っ掛かる部分である。第２引っ掛かり部３３４は、フック２３が引っ掛かる部分である。これにより、第１部材２と第２部材３とが結合される際にガイドとしての機能を高めることができるので、第１部材２と第２部材３とを容易に結合させることができる。

　ところで、第１部材２と第２部材３とが結合されている状態では、第２部材３の爪３３の先端は、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周面２１５に沿っている。つまり、爪３３のうち最も突出している部分が外周面２１５に沿っている。より詳細には、爪３３の第２片３３２は、第１本体部２１の外周面２１５のうち対応するフック２３が設けられている部分の曲率に近づくような形状に形成されている。これにより、ファンケース１の小型化を図ると共に、ファンケース１の外観の見栄えを良くすることができる。

　さらに、第１本体部２１は、互いに曲率の異なる複数の領域を含む外周面２１５を有する。複数のフック２３の外面２３４は、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周面２１５に沿って湾曲している。つまり、複数のフック２３は、第１本体部２１における設置場所の形状ごとに形状が異なっている。これにより、ファンケース１の小型化を図ると共に、ファンケース１の外観の見栄えを良くすることができる。

　また、各フック２３は、フランジ２４と離隔して設けられている。これにより、フック２３が撓むことによってフック２３に応力が加わったとしても、フック２３の応力がフランジ２４に影響を及ぼさないようにすることができる。

　（３．４）開口
　ファンケース１は、図１及び図９に示すように、２つの開口１１，１２を有する。より詳細には、第１部材２が開口１１を有し、第２部材３が開口１２を有する。開口１１は、第１部材２における第１方向Ｄ１の一端（図１の上端）に形成されており、第１方向Ｄ１を法線とする開口面を有する。開口１２は、第２部材３における第１方向Ｄ１の一端（図９の上端）に形成されており、第１方向Ｄ１を法線とする開口面を有する。ファンケース１がボトムプレート４５を収容する際に、開口１２には、ボトムプレート４５の一部が嵌まる。

　（３．５）排気口の外周フランジ
　ファンケース１は、図１及び図４に示すように、排気のための排気口１３の外周フランジ１４を有する。より詳細には、実施形態１に係るファンケース１では、第２部材３が外周フランジ１４を有する。排気口１３は、第１方向Ｄ１と直交する方向を法線とする開口面を有する。

　外周フランジ１４は、枠状であり、２つの第１片１４１と、第２片１４２と、第３片１４３とを有する。実施形態１では、２つの第１片１４１と第２片１４２と第３片１４３とは、一体に形成されている。２つの第１片１４１は、第１方向Ｄ１と排気口１３の開口面の法線方向との両方に直交する方向において、互いに対向している。各第１片１４１は、第１方向Ｄ１を長手方向とする長方形の板状である。第２片１４２は、第１方向Ｄ１と排気口１３の開口面の法線方向との両方に直交する方向を長手方向とする長方形の板状である。第３片１４３は、第２片１４２よりも下方に位置し、第１方向Ｄ１と排気口１３の開口面の法線方向との両方に直交する方向を長手方向とする長方形の板状である。

　第１部材２と第２部材３とが結合される際に、第１部材２の端部２７が外周フランジ１４の第２片１４２と第１片１４１の上部とに沿うように、第１部材２を第２部材３に近づけることができる。これにより、第１部材２と第２部材３とが結合される際にガイドとしての機能を高めることができるので、第１部材２と第２部材３とを容易に結合させることができる。第１部材２のフック２３が第２部材３の爪３３に乗り上げる前に、外周フランジ１４によって、第１部材２と第２部材３との位置合わせを行うことができる。

　なお、第１部材２が外周フランジを有してもよい。この場合であっても、第１部材２と第２部材３とが結合される際に、第２部材の端部が外周フランジに沿うように、第１部材２を第２部材３に近づけることができる。これにより、第１部材２と第２部材３とが結合される際にガイドとしての機能を高めることができる。

　（３．６）規制部
　図９に示す規制部３７は、コネクタ４６に接触することにより、基板４２（図６を参照）に対するコネクタ４６の移動を規制する。

　規制部３７は、図９に示すように、突出部３７１を含む。突出部３７１は、樹脂等で形成されている。突出部３７１は、第２本体部３１の一部から突出し、コネクタ４６と対向する。より詳細には、突出部３７１は、第２本体部３１の円環部３１２の一部から第１方向Ｄ１に沿って突出し、第１方向Ｄ１において、隙間を介してコネクタ４６と対向する。突出部３７１は、例えば樹脂により、第２本体部３１と一体に形成されている。第１方向Ｄ１において突出部３７１に近づく向き（図９の下向き）の力がコネクタ４６に加わると、コネクタ４６が突出部３７１に接触する。コネクタ４６は、突出部３７１に接触すると、それ以上下側に移動できなくなる。これにより、コネクタ４６の下向きへの移動を規制することができる。

　（４）モータユニットの各構成要素
　以下、実施形態１に係るモータユニット４の各構成要素について、図面を参照して説明する。

　（４．１）モータ
　モータ４１は、図６に示すように、モータケース４４に収容されている。モータ４１では、軸心方向（第１方向Ｄ１）に延伸する回転軸４１３を含むロータ４１１が回転軸４１３の軸心を回転中心として回転する。つまり、モータ４１は、第１方向Ｄ１を軸心方向として回転する。モータ４１は、例えば、図６に示すようなインナーロータ型のモータである。モータ４１は、羽根４７（図２１を参照）と直接的又は間接的に連結されており、モータ４１の回転に連動して、羽根４７が回転する。なお、モータ４１は、インナーロータ型のモータであることに限定されず、アウターロータ型のモータであってもよい。

　（４．２）基板
　図６に示す基板４２は、例えばプリント基板である。基板４２は、基板４２の厚さ方向からの平面視が実質的に円形に形成されており、中央部に回転軸４１３が通される貫通孔４２１を有する。さらに、基板４２は、複数（図示例では３つ）の取付孔４２２を有する。基板４２は、基板ガイド４３に保持された状態で、モータケース４４に収容される。

　基板４２には、モータ４１を駆動するための複数の回路素子が設けられている。基板４２に設けられている複数の回路素子は、モータ４１を駆動する駆動回路４８（図２１を参照）を構成する。駆動回路４８は、リード線などの電気的経路を介してモータ４１と電気的に接続されている。駆動回路４８は、コネクタ４６及びケーブル５３（図２１を参照）を介して制御装置５２（図２１を参照）から供給される電力から、モータ４１を駆動する駆動電力を生成する。駆動回路４８は、生成した駆動電力をモータ４１に供給する。モータ４１は、駆動回路４８から駆動電力が供給されることによって駆動されて回転する。

　（４．３）基板ガイド
　基板ガイド４３は、図６に示すように、中央部に開口４３１を有する円環状に形成されており、第１方向Ｄ１の一方側の面に基板４２が配置されている。基板ガイド４３は、第１方向Ｄ１において、ボトムプレート４５と基板ガイド４３との間において、基板４２を保持する。基板ガイド４３における基板４２側の面の外周部には、複数（図示例では３つ）の突出部４３２が形成されている。各突出部４３２は、円柱状に形成されており、第１方向Ｄ１に沿って突出している。各突出部４３２は、基板４２に形成された円形の取付孔４２２を貫通し、熱かしめされる。これにより、基板４２は、基板ガイド４３に固定される。また、基板ガイド４３は、開口４３１の外周部に複数（図示例では３つ）の挿通孔４３３が形成されている。各挿通孔４３３には、モータ４１と基板４２とを接続するリード線が通される。

　（４．４）モータケース
　モータケース４４は、図６に示すように、第１方向Ｄ１の一方（図６の上方）が開口した有底円筒状に形成されている金属部材である。モータケース４４は、内部にモータ４１を収容する。モータケース４４は、基板４２を保持する。モータケース４４は、基板ガイド４３を介して基板４２を保持する。

　モータケース４４は、底面部４４１と、筒部４４２と、円環部４４３と、筒部４４４と、先端部４４５とを有する。底面部４４１と筒部４４２と円環部４４３と筒部４４４と先端部４４５は、一体に形成されている。底面部４４１は、例えば円板状である。筒部４４２は、底面部４４１の外周縁から突出して設けられている。円環部４４３は、筒部４４２の先端に設けられている。筒部４４４は、円環部４４３の外周縁から突出して設けられている。先端部４４５は、筒部４４４の先端に設けられている。先端部４４５は、複数（図示例では２つ）の貫通孔４４６と、複数（図示例では３つ）の貫通孔４４７とを有する。

　（４．５）ボトムプレート
　ボトムプレート４５は、図６に示すように、第１方向Ｄ１の一方（図６の下方）が開口した有底円筒状に形成されている金属部材である。

　ボトムプレート４５は、底面部４５１と、筒部４５２と、先端部４５３とを有する。底面部４５１と筒部４５２と先端部４５３は、一体に形成されている。底面部４５１は、例えば円板状である。筒部４５２は、底面部４５１の外周縁から突出して設けられている。先端部４５３は、筒部４５２の先端に設けられている。先端部４５３は、複数（図６では１つのみを図示）の貫通孔４５４と、複数（図示例では３つ）の貫通孔４５５とを有する。

　ボトムプレート４５は、モータケース４４の開口を覆うようにモータケース４４に取り付けられている。より詳細には、モータケース４４の複数の貫通孔４４６とボトムプレート４５の複数の貫通孔４５４とにねじが挿入されて、モータケース４４とボトムプレート４５とがねじ固定される。

　モータケース４４とボトムプレート４５とが固定された状態で、モータケース４４の複数の貫通孔４４７とボトムプレート４５の複数の貫通孔４５５とファンケース１の複数の貫通孔とにねじ４９（図９を参照）が挿入されることにより、モータケース４４及びボトムプレート４５がファンケース１に取り付けられる。

　（４．６）コネクタ
　図６に示すコネクタ４６は、基板４２とケーブル５３（図２１を参照）とを電気的に接続するための接続部材である。コネクタ４６は、挿入実装型のコネクタであり、コネクタ４６の挿抜方向は、第１方向Ｄ１と直交する方向に沿っている。

　コネクタ４６は、図６に示すように、収容部４６１と、収容部４６１の内部に複数の接続端子（図示せず）と、を備える。複数の接続端子は、基板４２及びケーブル５３と電気的に接続されている。複数の接続端子は、例えば真鍮等の金属で構成されている。

　収容部４６１は、例えば、Ｐｏｌｙｂｕｔｙｌｅｎｅｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ（ＰＢＴ）等を材料とする樹脂成形品である。収容部４６１は、基板ガイド４３と一体に形成されている。収容部４６１は、収容孔４６２を有する角筒状に形成されている。収容孔４６２は、開口面が矩形状に形成されている。収容孔４６２には、ケーブル５３のコネクタが挿入される。これにより、複数の接続端子とケーブル５３とが電気的に接続される。

　（４．７）羽根
　羽根４７（図２１を参照）は、図６に示すモータ４１により回転する。より詳細には、羽根４７は、モータ４１に直接又は間接的に接続されている状態で、ファンケース１（図９を参照）に収容されている。例えば、羽根４７は、回転軸４１３のうち、モータケース４４から突出した部分に取り付けられる。ファンケース１内において、羽根４７は、モータ４１の回転に連動して回転する。これにより、冷却効果を高めることができる。

　（５）効果
　実施形態１に係るファンケース１では、第１部材２において、１以上のフック２３の少なくとも１つが第１本体部２１の第１開口２１３の端部から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３側に向けて延出されている。これにより、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１方向Ｄ１と直交する方向でのフック２３及び爪３３の突出量を小さくすることができるので、ファンケース１を小型にすることができる。

　実施形態１に係るファンケース１では、複数のフック２３が複数の爪３３のうち対応する爪３３に引っ掛けられることによって、第１部材２及び第２部材３が互いに結合される。これにより、ファンケース１の小型化を図りつつ、複数個所でのフック２３と爪３３との引っ掛けによって第１部材２と第２部材３とをより強固に結合させることができる。

　実施形態１に係るファンケース１では、１以上のフック２３の各々におけるフック２３の外面２３４及び内面２３５の少なくとも一方が第１方向Ｄ１からの平面視において第１本体部２１の外周面２１５に沿っている。これにより、ファンケース１の小型化を図るとともに、フック２３の厚さを比較的均一にしやすい。また、外面２３４が第１本体部２１の外周面２１５に沿っていることによって、ファンケース１の外観の見栄えをよくすることができる。

　実施形態１に係るファンケース１では、第１方向Ｄ１からの平面視において、フック２３の外面２３４が第１本体部２１の外周面２１５に沿って湾曲している。これにより、ファンケース１をより小型にすると共に、ファンケース１の外観の見栄えをよくすることができる。

　実施形態１に係るファンケース１では、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４におけるフック２３の延長線上に突出部２５１が設けられている。これにより、フック２３の延長線上の部分を第１本体部２１の周方向の両端よりも厚くすることができるので、フック２３が撓んだときに第１本体部２１に及ぶ力に対して耐性を向上することができる。

　実施形態１に係るファンケース１では、第１方向Ｄ１において、フランジ２４とフック２３の第１引っ掛かり部２３６との間の第１距離Ｌ２１が第２本体部３１の第２開口３１３と爪３３の第２引っ掛かり部３３４との間の第２距離Ｌ３１よりも短い。これにより、第１部材２と第２部材３とが結合される際にガイドとしての機能を高めることができるので、第１部材２と第２部材３とを容易に結合させることができる。

　実施形態１に係るファンケース１では、第１部材２又は第２部材３が排気口１３の外周フランジ１４を有する。これにより、第１部材２と第２部材３とが結合される際にガイドとしての機能を高めることができる。したがって、第１部材２と第２部材３とを容易に結合させることができる。

　実施形態１に係るファンケース１では、第１方向Ｄ１からの平面視において、爪３３の先端が第１本体部２１の外周面２１５に沿っている。これにより、ファンケース１の小型化を図ると共に、ファンケース１の外観の見栄えを良くすることができる。

　実施形態１に係るファンケース１では、第１本体部２１が互いに曲率の異なる複数の領域を含む外周面２１５を有し、複数のフック２３が第１本体部２１の外周面２１５に沿っている。これにより、ファンケース１の小型化を図ると共に、ファンケース１の外観の見栄えを良くすることができる。

　（６）変形例
　以下、実施形態１の変形例について説明する。

　実施形態１の変形例として、複数のフック２３について、フック２３の外面２３４は平坦であってもよい。

　実施形態１の変形例として、複数のフック２３の全てが第１方向Ｄ１に沿って延出されていることに限定されず、複数のフック２３の一部のフックのみが第１方向Ｄ１に沿って延出されていてもよい。要するに、複数のフック２３の少なくとも１つが、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３側に向けて延出されていればよい。

　実施形態１の変形例として、複数のフック２３において、フック２３の外面２３４又は内面２３５のいずれか一方のみが、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周面２１５に沿っていてもよい。具体的には、各フック２３において、外面２３４が外周面２１５に沿っていて、内面２３５が平面であってもよいし、外面２３４が平面であって、内面２３５が外周面２１５に沿っていてもよい。本変形例においても、ファンケース１のより小型化を図るとともに、ファンケース１の外観の見栄えをよくすることができる。

　実施形態１では、モータケース４４は金属製であるが、モータケース４４の全てが金属部であることに限定されない。実施形態１の変形例として、モータケース４４の一部のみが金属部であってもよい。要するに、モータケース４４は、金属部を含むことが好ましい。

　例えば、モータケース４４は、樹脂部材と、金属部材とを含む。モータケース４４は、上記樹脂部材にて、基板４２を保持する。上記樹脂部材は、直接又は基板ガイド４３を介して基板４２を保持する。上記金属部材は、上記樹脂部材の周囲に設けられている。これにより、モータケース４４において、上記樹脂部材にて基板４２を保持しつつ、上記金属部材によりシールド効果を高めることができる。

　上記の変形例に係るファンケース１及びモータユニット４においても、実施形態１に係るファンケース１及びモータユニット４と同様の効果を奏する。

　（実施形態２）
　図１０は、実施形態２に係るファンケース１ａの斜視図である。実施形態２に係るファンケース１ａは、図１０に示すような複数（図１０では１つのみを図示）のフック２３ａ及び複数の爪３３ａを有する点で、実施形態１に係るファンケース１（図１を参照）と相違する。

　（１）構成
　実施形態２に係るファンケース１ａは、図１０に示すように、第１部材２ａと、第２部材３ａとを備える。なお、実施形態２に係るファンケース１ａに関し、実施形態１に係るファンケース１と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。

　実施形態２に係るモータユニット４は、実施形態１に係るモータユニット４と同様、ファンケース１ａを備え、車両等の移動体に用いられる。

　（２）ファンケースの各構成要素
　（２．１）第１部材
　第１部材２ａは、実施形態１の第１部材２（図１～図５を参照）と同様、図１０～図１２に示すように、第１本体部２１と、突出部２２と、複数（図１０では１つのみを図示）のフック２３ａと、複数のフランジ２４ａと、複数の突出部２５２，２５３とを有する。図１１は、実施形態２に係るファンケース１ａ１ａの上面図である。図１２は、同上のファンケースの分解斜視図である。

　（２．１．１）フック
　図１０及び図１２に示す複数のフック２３ａは、実施形態１の複数のフック２３（図１を参照）と同様、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周の複数の箇所に配置されている。より詳細には、複数のフック２３ａは、第１本体部２１の側面部２１１の他端側（図１２の下端側）の周囲において、第１本体部２１の側面部２１１の周方向に沿って、互いに離隔して設けられている。すなわち、複数のフック２３ａは、側面部２１１の周方向において、一定以上の距離をあけて設けられている。

　複数のフック２３ａは、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ａ側に向けて延出されている。図１０～図１２の例では、複数のフック２３ａの全てが第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ａ側に向けて延出されている。各フック２３ａは、第１本体部２１の側面部２１１の他端（図１２の下端）に設けられている。そして、各フック２３ａは、第１本体部２１の側面部２１１の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ａ側に向かって延びている。

　図１３Ａは、実施形態２に係るファンケース１ａの第１部材２ａのフック２３ａの斜視図である。各フック２３ａは、図１３Ａに示すように、引っ掛け孔２３７を有する。引っ掛け孔２３７は、フック２３ａの下方に形成されている。また、各フック２３ａは、板状であり、フック２３ａの厚さ方向において互いに対向する外面２３４及び内面２３５を有する。各フック２３ａの外面２３４及び内面２３５は平坦である。すなわち、各フック２３ａの外面２３４及び内面２３５には、大きな突起等は形成されていない。

　（２．１．２）フランジ
　複数のフランジ２４ａは、図１２に示すように、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４に設けられている。複数のフランジ２４ａは、第１本体部２１の側面部２１１の端部２１４において、側面部２１１の周方向に沿って、互いに離隔して設けられている。すなわち、複数のフランジ２４ａは、側面部２１１の周方向において、一定以上の距離をあけて設けられている。

　各フランジ２４ａは、側面部２１１の周方向において、フック２３ａが設けられていない部分に設けられている。フランジ２４ａは、例えば、隣接する２つのフック２３ａの間に設けられている。この際に、フランジ２４ａは、第１本体部２１の周方向においてフランジ２４ａとフック２３ａとの間に隙間２４１が生じるように、第１開口２１３の端部２１４に設けられている。

　各フランジ２４ａは、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ａ側に向けて延出されている。図１２の例では、複数のフランジ２４ａの全てが第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ａ側に向けて延出されている。

　各フランジ２４ａは、第２本体部３１の側面部３１１の周方向において、第１方向Ｄ１の長さが実質的に同じである。また、第１方向Ｄ１における各フランジ２４ａの長さは、第１方向Ｄ１におけるフック２３ａの長さよりも短い。

　各フランジ２４ａは、実施形態１のフランジ２４（図４を参照）と同様、第１部材２ａと第２部材３ａとが結合されると、第２部材３ａの溝３５に入り込む。より詳細には、第１部材２ａと第２部材３ａとが結合される前に、各フランジ２４ａは溝３５に入り込む。これにより、第１部材２ａと第２部材３ａとの位置合わせを容易に行うことができるので、第１部材２ａと第２部材３ａとを容易に結合させることができる。つまり、各フランジ２４ａは、ガイドとして機能する。

　（２．２）第２部材
　第２部材３ａは、実施形態１の第２部材３（図４及び図９を参照）と同様、図１０及び図１２に示すように、第２本体部３１と、突出部３２と、複数（図１０では１つのみを図示）の爪３３ａとを備える。

　（２．２．１）爪
　複数の爪３３ａは、図１２に示すように、複数のフック２３ａと一対一に対応している。複数の爪３３ａは、第１方向Ｄ１からの平面視において、第２部材３ａの外周の複数の箇所に配置されている。複数の爪３３ａは、第２本体部３１の側面部３１１の端部（図１２の上端）に設けられている。より詳細には、各爪３３ａは、第１方向Ｄ１及び側面部３１１の周方向の両方と直交する方向に沿って側面部３１１から突出している。

　複数の爪３３ａは、第２本体部３１の側面部３１１の端部側の周囲において、互いに離隔して設けられている。すなわち、複数の爪３３ａは、側面部３１１の周方向において、一定の距離をあけて設けられている。

　図１３Ｂは、実施形態２に係るファンケース１ａの第２部材３ａの爪３３ａの斜視図である。各爪３３ａは、図１３Ｂに示すように、第１方向Ｄ１において、第２開口３１３から離れるにつれて、高さが高くなるような形状である。つまり、第２本体部３１の側面部３１１の周方向から見たとき、各爪３３ａは、三角形状である。

　（２．３）第１部材と第２部材との結合
　図１４Ａは、実施形態２に係るファンケース１ａにおいて第１部材２ａと第２部材３ａとが嵌め合わされたときのフック２３ａ及び爪３３ａの斜視図である。図１４Ｂは、同上のファンケース１ａにおいて第１部材２ａと第２部材３ａとが嵌め合わされたときのフック２３ａ及び爪３３ａの正面図である。図１４Ｃは、同上のファンケース１ａにおいて第１部材２ａと第２部材３ａとが嵌め合わされたときのフック２３ａ及び爪３３ａの側面図である。第１部材２ａ及び第２部材３ａは、図１０、図１４Ａ～図１４Ｃに示すように、複数のフック２３ａが複数の爪３３ａのうち対応する爪３３ａに引っ掛けられることによって、互いに結合される。

　第１部材２ａと第２部材３ａとは、結合前では、互いに離れている状態である（図１２に示す状態）。上記状態から第１部材２ａを第２部材３ａに近づけていくと、第１部材２ａのフック２３ａが第２部材３ａの爪３３ａに接触する。具体的には、フック２３ａの先端が爪３３ａに接触する。引き続き、第１部材２ａを第２部材３ａに近づけていくと、爪３３ａによってフック２３ａが外側に撓んでいく。第２開口３１３から離れるにつれて爪３３ａの突出量が多くなることから、フック２３ａの撓みが大きくなる。さらに、第１部材２ａを第２部材３ａに近づけていくと、フック２３ａの先端が爪３３ａを乗り越える。このとき、爪３３ａがフック２３ａの引っ掛け孔２３７に位置する。フック２３ａは、外側に撓んでいる状態から元の状態に戻る。上記のような工程により、第１部材２ａと第２部材３ａとが結合される。

　上述したように、各フック２３ａは、図１４Ｃに示すように、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ａ側に向けて延出されている。言い換えると、各フック２３ａは、第１本体部２１の外側（第１方向Ｄ１と直交する外向き）への膨らみを低減させている。各フック２３ａは、第１本体部２１の外側（図１４Ｃの左側）へ突出するのではなく、下側へ向かって延びている。

　上記より、図１４Ｃに示すように、フック２３ａ及び爪３３ａの突出量（図１４Ｃの左右方向への突出量）を小さくすることができる。これにより、図１１に示すように、第１方向Ｄ１からの平面視において、ファンケース１ａの外径Ｌ１２を短くすることができる。すなわち、ファンケース１ａを小型にすることができる。

　実施形態１と同様、複数のフック２３ａの全てと複数の爪３３ａの全てとが結合されるから、ファンケース１ａの小型化を図りつつ、第１部材２ａと第２部材３ａとをより強固に結合させることができる。

　ところで、フック２３ａ及び爪３３ａは、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の最外部よりも内側に位置する。第１本体部２１では、フック２３ａが設けられている部分は、フック２３ａが設けられている部分以外の部分の最外部よりも内側に位置する。これにより、ファンケース１ａをより小型にすることができる。

　（２．４）排気口の外周フランジ
　ファンケース１ａは、図１０及び図１２に示すように、排気のための排気口１３の外周フランジ１４ａを有する。より詳細には、実施形態２に係るファンケース１ａでは、第１部材２ａが外周フランジ１４ａの一部を有する。第２部材３ａが外周フランジ１４ａの残りを有する。排気口１３は、第１方向Ｄ１と直交する方向を法線とする開口面を有する。

　外周フランジ１４ａは、枠状である。外周フランジ１４ａは、２つの第１片１４４と、２つの第２片１４５と、第３片１４６と、第４片１４７とを有する。実施形態２では、２つの第１片１４４と第３片１４６とは、一体に形成されている。２つの第２片１４５と第４片１４７とは、一体に形成されている。

　２つの第１片１４４は、第１方向Ｄ１と排気口１３の開口面の法線方向との両方に直交する方向において、互いに対向している。各第１片１４４は、第１方向Ｄ１を長手方向とする長方形の板状である。第３片１４６は、第１方向Ｄ１と排気口１３の開口面の法線方向との両方に直交する方向を長手方向とする長方形の板状である。第３片１４６は、２つの第１片１４４を繋いでいる。

　２つの第２片１４５は、第１方向Ｄ１と排気口１３の開口面の法線方向との両方に直交する方向において、互いに対向している。各第２片１４５は、第１方向Ｄ１を長手方向とする長方形の板状である。第４片１４７は、第３片１４６よりも下方に位置し、第１方向Ｄ１と排気口１３の開口面の法線方向との両方に直交する方向を長手方向とする長方形の板状である。第４片１４７は、２つの第２片１４５を繋いでいる。

　第１部材２ａと第２部材３ａとが結合される際に、第１部材２ａの２つの第１片１４４及び第３片１４６と第２部材３ａの２つの第２片１４５及び第４片１４７とが１つになって外周フランジ１４ａが形成される。

　（３）効果
　実施形態２に係るファンケース１ａでは、フック２３ａの外面２３４が平坦である。これにより、フック２３ａを容易に形成することができる。

　実施形態２に係るファンケース１ａでは、第１本体部２１の周方向においてフランジ２４ａとフック２３ａとの間に隙間２４１が生じるように、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４にフランジ２４ａが設けられている。これにより、第１部材２ａと第２部材３ａとの結合を容易に行うことができる。さらに、フランジ２４ａがフック２３ａと離隔して設けられているので、フック２３ａの撓みによる応力がフランジ２４ａに伝わりにくくすることができる。

　実施形態２に係るファンケース１ａでは、第１方向Ｄ１からの平面視において、フック２３ａ及び爪３３ａが第１本体部２１の最外部よりも内側に位置する。これにより、ファンケース１ａをより小型にすることができる。

　（４）変形例
　実施形態２の変形例として、複数のフック２３ａの全てが第１方向Ｄ１に沿って延びていることに限定されず、複数のフック２３ａの一部のフック２３ａが第１方向Ｄ１に沿って延びていればよい。要するに、複数のフック２３ａの少なくとも１つが、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ａ側に向けて延出されていればよい。

　実施形態２の変形例として、複数のフック２３ａにおけるフック２３ａの外面２３４が、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周面２１５に沿っていてもよい。これにより、より小型化を図るとともに、見栄えをよくすることができる。

　実施形態１の変形例を実施形態２に係るファンケース１ａに適用してもよい。

　上記の変形例に係るファンケース１ａにおいても、実施形態２に係るファンケース１ａと同様の効果を奏する。

　（実施形態３）
　図１５は、実施形態３に係るファンケースの斜視図である。図１５に示すように、ファンケース１ｂは、複数のフック２３ｂ及び複数の爪３３ｂを有する点で、実施形態１に係るファンケース１（図１を参照）と相違する。

　（１）ファンケース
　ファンケース１ｂは、図１５に示すように、第１部材２ｂと、第２部材３ｂとを備える。ファンケース１ｂに関し、実施形態１に係るファンケース１と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。

　ファンケース１ｂを備えるモータユニット４は、実施形態１に係るモータユニット４と同様、車両等の移動体に用いられる。

　（２）ファンケースの各構成要素
　（２．１）第１部材
　図１６は、実施形態３に係るファンケース１ｂの上面図である。図１７は、同上のファンケース１ｂの分解斜視図である。図１８は、同上のファンケース１ｂの第１部材２ｂの斜視図である。第１部材２ｂは、図１５～図１８に示すように、第１本体部２１と、突出部２２と、複数（図１５では３つのみを図示）のフック２３ｂと、複数のフランジ２４ｂと、複数の突出部２５１～２５５とを有する。

　（２．１．１）フック
　図１５～図１８に示す複数のフック２３ｂは、実施形態１の複数のフック２３（図１を参照）と同様、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周の複数の箇所に配置されている。より詳細には、複数のフック２３ｂは、第１本体部２１の側面部２１１の他端側（図１７の下端側）の周囲において、第１本体部２１の側面部２１１の周方向に沿って、互いに離隔して設けられている。すなわち、複数のフック２３ｂは、側面部２１１の周方向において、一定以上の距離をあけて設けられている。

　複数のフック２３ｂは、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ｂ側に向けて延出されている。図１５～図１８の例では、複数のフック２３ｂの全てが第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ｂ側に向けて延出されている。各フック２３ｂは、第１本体部２１の側面部２１１の他端（図１７の下端）に設けられている。各フック２３ｂは、第１本体部２１の側面部２１１の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ｂ側に向かって延びている。

　図１９Ａは、実施形態３に係るファンケース１ｂの第１部材２ｂのフック２３ｂの斜視図である。各フック２３ｂは、実施形態１のフック２３（図７Ａ）と同様、図１９Ａに示すように、フック２３ｂの正面から見たときにＵ字状であり、２つの第１片２３１と、第２片２３２とを有する。２つの第１片２３１の各々は、第１方向Ｄ１を長手方向とする長方形の板状であり、第１本体部２１の側面部２１１の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って延びている。第２片２３２は、第１方向Ｄ１と直交する方向を長手方向とする長方形の板状であり、２つの第１片２３１の先端（図１９Ａの下端）同士を繋いでいる。各フック２３ｂは、２つの第１片２３１と第２片２３２とで囲まれた引っ掛け孔２３３を有する。

　さらに、各フック２３ｂは、２つの突出部２３８を有する。突出部２３８は、第１片２３１上に設けられており、第１方向Ｄ１に沿って延びている。各突出部２３８の一部（上端部）は、第１片２３１よりも上方に位置し、第１本体部２１の側面部２１１に繋がっている。これにより、フック２３ｂが撓むことで応力が発生した場合であっても、突出部２３８が設けられていることによって、フック２３ｂを補強することができる。

　また、複数のフック２３ｂは、板状であり、フック２３ｂの厚さ方向において互いに対向する外面２３４及び内面２３５を有する。

　（２．２）第２部材
　第２部材３ｂは、図１５及び図１７に示すように、第２本体部３１と、突出部３２と、複数（図１５の例では２つのみ図示）の爪３３ｂとを備える。

　（２．２．１）爪
　複数の爪３３ｂは、図１７に示すように、複数のフック２３ｂと一対一に対応している。複数の爪３３ｂは、第１方向Ｄ１からの平面視において、第２部材３ｂの外周の複数の箇所に配置されている。複数の爪３３ｂは、第２本体部３１の側面部３１１の端部（図１７の上端）に設けられている。より詳細には、各爪３３ｂは、第１方向Ｄ１及び側面部３１１の周方向の両方と直交する方向に沿って側面部３１１から突出している。

　複数の爪３３ｂは、第２本体部３１の側面部３１１の他端側の周囲において、互いに離隔して設けられている。すなわち、複数の爪３３ｂは、側面部３１１の周方向において、一定の距離をあけて設けられている。

　図１９Ｂは、実施形態３に係るファンケース１ｂの第２部材３ｂの爪３３ｂの斜視図である。各爪３３ｂは、図１９Ｂに示すように、２つの第１片３３５と、第２片３３６と、第３片３３７とを有する。２つの第１片３３５の各々は、第１方向Ｄ１を長手方向とする板状であり、第２本体部３１の側面部３１１から突出している。第２片３３６は、第２本体部３１の側面部３１１の周方向を長手方向とする板状であり、側面部３１１から突出している。第３片３３７は、側面部３１１の周方向を長手方向とする板状であり、第２本体部３１の側面部３１１から突出している。第３片３３７の突出量は、第２片３３６の突出量よりも少ない。２つの第１片３３５と第２片３３６と第３片３３７とは、一体に形成されている。各爪３３ｂは、２つの第１片３３５と第２片３３６と第３片３３７とで囲まれた凹所３３８を有する。

　（２．３）第１部材と第２部材との結合
　図２０Ａは、実施形態３に係るファンケース１ｂにおいて第１部材２ｂと第２部材３ｂとが嵌め合わされたときのフック２３ｂ及び爪３３ｂの斜視図である。図２０Ｂは、同上のファンケース１ｂにおいて第１部材２ｂと第２部材３ｂとが嵌め合わされたときのフック２３ｂ及び爪３３ｂの正面図である。図２０Ｃは、同上のファンケース１ｂにおいて第１部材２ｂと第２部材３ｂとが嵌め合わされたときのフック２３ｂ及び爪３３ｂの側面図である。第１部材２ｂ及び第２部材３ｂは、図１５、図２０Ａ～図２０Ｃに示すように、複数のフック２３ｂの各々が複数の爪３３ｂのうち対応する爪３３ｂに引っ掛けられることによって、互いに結合される。

　第１部材２ｂと第２部材３ｂとは、結合前では、互いに離れている状態である（図１７に示す状態）。上記状態から第１部材２ｂを第２部材３ｂに近づけていくと、第１部材２ｂのフック２３ｂが第２部材３ｂの爪３３ｂに接触する。具体的には、フック２３ｂの第２片２３２が爪３３ｂに接触する。引き続き、第１部材２ｂを第２部材３ｂに近づけていくと、爪３３ｂによってフック２３ｂが外側に撓んでいく。第２開口３１３から離れるにつれて爪３３ｂの突出量が多くなることから、フック２３ｂの第１片２３１の撓みが大きくなる。第１部材２ｂを第２部材３ｂに近づけていくと、フック２３ｂの第２片２３２が爪３３ｂを乗り越える。このとき、爪３３ｂがフック２３ｂの引っ掛け孔２３３に位置する。フック２３ｂは、外側に撓んでいる状態から元の状態に戻る。上記のような工程により、第１部材２ｂと第２部材３ｂとが結合される。

　（３）変形例
　実施形態３の変形例として、複数のフック２３ｂの全てが第１方向Ｄ１に沿って延びていることに限定されず、複数のフック２３ｂの一部のフック２３ｂが第１方向Ｄ１に沿って延びていればよい。要するに、複数のフック２３ｂの少なくとも１つが、第１本体部２１の第１開口２１３の端部２１４から第１方向Ｄ１に沿って第２部材３ｂ側に向けて延出されていればよい。

　実施形態３の変形例として、複数のフック２３ｂにおけるフック２３ｂの外面２３４が、第１方向Ｄ１からの平面視において、第１本体部２１の外周面２１５に沿っていてもよい。これにより、より小型化を図るとともに、見栄えをよくすることができる。

　実施形態１の変形例を実施形態３に係るファンケース１ｂに適用してもよい。

　上記の変形例に係るファンケース１ｂにおいても、実施形態３に係るファンケース１ｂと同様の効果を奏する。

　なお、上述したフック２３、２３ａ、２３ｂの形状は、台形や半円形であってもよい。具体的に、フック２３、２３ａ、２３ｂは、第２部材３，３ａ，３ｂ側よりも第１部材２，２ａ，２ｂ側の幅が広い形状であってもよい。

　（実施形態４）
　実施形態４では、実施形態１に係るモータユニット４を備える車両５（移動体）について、図面を参照して説明する。

　（１）構成
　図２１は、実施形態４に係る車両５の概略図である。車両５は、図２１に示すように、モータユニット４と、バッテリ５１と、制御装置５２と、ケーブル５３と、車体５４（移動体本体）とを備える。なお、実施形態４に係るモータユニット４に関し、実施形態１に係るモータユニット４（図１を参照）と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。

　図２１に示す例では、車両５は、エンジンと駆動用のバッテリ５１とが車体５４に搭載された四輪のハイブリッド自動車である。なお、車両５は、ハイブリッド自動車に限らず、電気自動車であってもよい。

　バッテリ５１は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池等で構成されている。バッテリ５１は、モータ４１、車両５を走行させるための駆動モータ等に電力を供給する。

　制御装置５２は、ケーブル５３によって、モータユニット４に電気的に接続されており、モータユニット４を制御する。より詳細には、制御装置５２は、ケーブル５３によって、コネクタ４６（図６を参照）を介して、駆動回路４８に電気的に接続されている。制御装置５２は、バッテリ５１を制御する。より詳細には、制御装置５２は、バッテリ５１からモータ４１及び駆動モータ等への電力供給を制御する。

　車体５４には、モータユニット４とバッテリ５１と制御装置５２とケーブル５３とが搭載されている。

　車両５に用いられるモータユニット４は、バッテリ５１の温度上昇を抑制するために、冷却用のファンシステムとして機能する。モータユニット４において、モータ４１が回転駆動することにより、羽根４７が回転し、バッテリ５１に対して風が送り込まれる。これにより、バッテリ５１が空冷され、バッテリ５１の温度上昇が抑制される。

　（２）変形例
　実施形態４の変形例として、車両５は、実施形態１に係るモータユニット４に代えて、実施形態２に係るモータユニット４又は実施形態３のモータユニット４を備えてもよい。

　実施形態の他の変形例として、モータユニット４を備える移動体は、車両５に限定されず、車両５以外であってもよい。実施形態２に係るモータユニット４又は実施形態３に係るモータユニット４の場合も、実施形態１に係るモータユニット４の場合と同様、移動体は、車両５に限定されず、車両５以外であってもよい。

　上記の各変形例に係る車両５及び移動体においても、実施形態４に係る車両５と同様の効果を奏する。

　以上説明した実施形態及び変形例は、本開示の様々な実施形態及び変形例の一部に過ぎない。実施形態及び変形例は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。

　（態様）
　本明細書には、以下の態様が開示されている。

　第１の態様に係るファンケース（１；１ａ）は、モータ（４１）を収容する。モータ（４１）では、第１方向（Ｄ１）に延伸する回転軸（４１３）を含むロータ（４１１）が回転軸（４１３）の軸心を回転中心として回転する。ファンケース（１；１ａ）は、第１部材（２；２ａ）及び第２部材（３；３ａ）を備える。第１部材（２；２ａ）及び第２部材（３；３ａ）は、第１方向（Ｄ１）に沿って互いに結合される。第１部材（２；２ａ）は、第１本体部（２１）と、１以上のフック（２３；２３ａ）とを有する。第１本体部（２１）は、第２部材（３；３ａ）に向かって開口する第１開口（２１３）を有する。１以上のフック（２３；２３ａ）は、第１方向（Ｄ１）からの平面視において第１本体部（２１）の外周に配置されている。第２部材（３；３ａ）は、第２本体部（３１）と、１以上の爪（３３；３３ａ）とを有する。第２本体部（３１）は、第１部材（２；２ａ）に向かって開口する第２開口（３１３）を有する。１以上の爪（３３；３３ａ）は、１以上のフック（２３；２３ａ）が引っ掛けられるよう、１以上のフック（２３；２３ａ）と対応する位置に、第１方向（Ｄ１）からの平面視において第２本体部（３１）の外周に配置されている。１以上のフック（２３；２３ａ）の少なくとも１つは、第１本体部（２１）が有する第１開口（２１３）の端部（２１４）から第１方向（Ｄ１）に沿って第２部材（３；３ａ）側に向けて延出されている。

　第１の態様に係るファンケース（１；１ａ）によれば、第１方向（Ｄ１）からの平面視において、第１方向（Ｄ１）と直交する方向でのフック（２３；２３ａ）及び爪（３３；３３ａ）の突出量を小さくすることができる。よって、ファンケース（１；１ａ）を小型にすることができる。

　第２の態様に係るファンケース（１；１ａ）では、第１の態様において、１以上のフックは、複数のフック（２３；２３ａ）であり、１以上の爪は複数の爪（３３；３３ａ）である。第１部材（２；２ａ）及び第２部材（３；３ａ）は、複数のフック（２３；２３ａ）がそれぞれ複数の爪（３３；３３ａ）に引っ掛けられることによって、互いに結合される。

　第２の態様に係るファンケース（１；１ａ）によれば、ファンケース（１；１ａ）の小型化を図りつつ、複数個所でのフック（２３；２３ａ）と爪（３３；３３ａ）との引っ掛けによって第１部材（２；２ａ）と第２部材（３；３ａ）とをより強固に結合させることができる。

　第３の態様に係るファンケース（１；１ａ）では、第１又は第２の態様において、１以上のフック（２３；２３ａ）の各々におけるフック（２３；２３ａ）の外面（２３４）及び内面（２３５）の少なくとも一方は、第１方向（Ｄ１）からの平面視において、第１本体部（２１）の外周面（２１５）に沿っている。

　第３の態様に係るファンケース（１；１ａ）によれば、ファンケース（１）の小型化を図るとともに、フック（２３）の厚さを比較的均一にしやすい。

　第４の態様に係るファンケース（１）では、第３の態様において、フック（２３）の外面（２３４）は、第１方向（Ｄ１）からの平面視において、第１本体部（２１）の外周面（２１５）に沿って湾曲している。

　第４の態様に係るファンケース（１；１ａ）によれば、ファンケース（１）をより小型にするとともに、ファンケース（１）の外観の見栄えを良くすることができる。

　第５の態様に係るファンケース（１ａ）では、第１～３の態様のいずれか１つにおいて、フック（２３ａ）の外面は平坦である。

　第５の態様に係るファンケース（１ａ）によれば、フック（２３ａ）を容易に形成することができる。

　第６の態様に係るファンケース（１；１ａ）では、第１～５の態様のいずれか１つにおいて、第１部材（２；２ａ）は、フランジ（２４；２４ａ）を有する。フランジ（２４；２４ａ）は、第１本体部（２１）が有する第１開口（２１３）の端部（２１４）に設けられている。フランジ（２４；２４ａ）は、第１本体部（２１）の周方向においてフランジ（２４；２４ａ）とフック（２３；２３ａ）との間に隙間（２４１）が生じるように、第１開口（２１３）の端部（２１４）に設けられている。

　第６の態様に係るファンケース（１；１ａ）によれば、第１部材（２；２ａ）と第２部材（３；３ａ）との結合を容易に行うことができる。フランジ（２４；２４ａ）がフック（２３；２３ａ）と離隔して設けられているので、フック（２３；２３ａ）の撓みによる応力がフランジ（２４；２４ａ）に伝わりにくくすることができる。

　第７の態様に係るファンケース（１）では、第１～６の態様のいずれか１つにおいて、第１部材（２）は、突出部（２５１）を有する。突出部（２５１）は、第１本体部（２１）のうち第１方向（Ｄ１）におけるフック（２３）の延長線上に設けられている。

　第７の態様に係るファンケース（１）によれば、フック（２３）の延長線上の部分を第１本体部（２１）の周方向の両端よりも厚くすることができるので、フック（２３）が撓んだときに第１本体部（２１）に及ぶ力に対して強化することができる。

　第８の態様に係るファンケース（１；１ａ）では、第６の態様において、第１方向（Ｄ１）において、フランジ（２４；２４ａ）とフック（２３；２３ａ）のうち爪（３３；３３ａ）が引っ掛かる第１引っ掛かり部（２３６）との間の第１距離（Ｌ２１）は、第２本体部（３１）が有する第２開口（３１３）と爪（３３；３３ａ）のうちフック（２３；２３ａ）が引っ掛かる第２引っ掛かり部（３３４）との間の第２距離（Ｌ３１）よりも短い。

　第８の態様に係るファンケース（１；１ａ）によれば、第１部材（２；２ａ）と第２部材（３；３ａ）とが結合される際にガイドとしての機能を高めることができるので、第１部材（２；２ａ）と第２部材（３；３ａ）とを容易に結合させることができる。

　第９の態様に係るファンケース（１）では、第１～８の態様のいずれか１つにおいて、第１部材（２）又は第２部材（３）は、排気口（１３）の外周フランジ（１４）を有する。

　第９の態様に係るファンケース（１）によれば、第１部材（２）と第２部材（３）とが結合される際にガイドとしての機能を高めることができる。したがって、第１部材（２）と第２部材（３）とを容易に結合させることができる。

　第１０の態様に係るファンケース（１；１ａ）では、第１～８の態様のいずれか１つにおいて、爪（３３；３３ａ）の先端は、第１方向（Ｄ１）からの平面視において、第１本体部（２１）の外周面（２１５）に沿っている。

　第１０の態様に係るファンケース（１；１ａ）によれば、ファンケース（１；；１ａ）の小型化を図ると共に、ファンケース（１；１ａ）の外観の見栄えを良くすることができる。

　第１１の態様に係るファンケース（１；１ａ）では、第１～１０の態様のいずれか１つにおいて、第１本体部（２１）は、互いに曲率の異なる複数の領域を含む外周面（２１５）を有する。複数のフック（２３；２３ａ）は、外周面（２１５）に沿っている。

　第１１の態様に係るファンケース（１；１ａ）によれば、ファンケース（１；１ａ）の小型化を図ると共に、ファンケース（１；１ａ）の外観の見栄えを良くすることができる。

　第１２の態様に係るファンケース（１ａ）では、第１～１１の態様のいずれか１つにおいて、１以上のフック（２３ａ）及び１以上の爪（３３ａ）は、第１方向（Ｄ１）からの平面視において、第１本体部（２１）の最外部よりも内側に位置する。

　第１２の態様に係るファンケース（１ａ）によれば、ファンケース（１；１ａ）をより小型にすることができる。

　第１３の態様に係るモータユニット（４）は、第１～１２の態様のいずれか１つのファンケース（１；１ａ）と、モータ（４１）とを備える。

　第１３の態様に係るモータユニット（４）によれば、ファンケース（１；１ａ）において、第１方向（Ｄ１）からの平面視において、第１方向（Ｄ１）と直交する方向でのフック（２３；２３ａ）及び爪（３３；３３ａ）の突出量を小さくすることができるので、ファンケース（１；１ａ）を小型にすることができる。

　第１４の態様に係る移動体（車両５）は、第１３の態様のモータユニット（４）と、移動体本体（車体５４）とを備える。移動体本体には、モータユニット（４）が搭載されている。

　第１４の態様に係る移動体（車両５）によれば、ファンケース（１；１ａ）において、第１方向（Ｄ１）からの平面視において、第１方向（Ｄ１）と直交する方向でのフック（２３；２３ａ）及び爪（３３；３３ａ）の突出量を小さくすることができるので、ファンケース（１；１ａ）を小型にすることができる。

　１，１ａ，１ｂ　ファンケース
　１１，１２，４３１　開口
　１３　排気口
　１４，１４ａ　外周フランジ
　１４１，１４４，２３１，３３１，３３５　第１片
　１４２，１４５，２３２，３３２，３３６　第２片
　１４３，１４６，３３７　第３片
　１４７　第４片
　２，２ａ，２ｂ　第１部材
　２１　第１本体部
　２１１　側面部
　２１２，３１２，４４３　円環部
　２１３　第１開口
　２１４　端部
　２１５　外周面
　２２　突出部
　２３，２３ａ，２３ｂ　フック
　２３３，２３７　引っ掛け孔
　２３４　外面
　２３５　内面
　２３６　第１引っ掛かり部
　２３８　突出部
　２４，２４ａ　フランジ
　２４１　隙間
　２５１，２５２，２５３，２５４，２５５，３６１，３６２，３６３，３７１，４３２　突出部
　２７　端部
　３，３ａ，３ｂ　第２部材
　３１　第２本体部
　３１１　側面部
　３１３　第２開口
　３２，３４　突出部
　３３，３３ａ，３３ｂ　爪
　３５　溝
　３７　規制部
　３３３，３３８　凹所
　３３４　第２引っ掛かり部
　４　モータユニット
　４１　モータ
　４１１　ロータ
　４１３　回転軸
　５　車両（移動体）
　５４　車体（移動体本体）
　Ｌ１１，Ｌ１２　長さ
　Ｌ２１　第１距離
　Ｌ３１　第２距離
　Ｄ１　第１方向

Claims (14)

1. 第１方向に延伸する回転軸を含むロータが前記回転軸の軸心を回転中心として回転するモータを収容するファンケースであって、
   前記第１方向に沿って互いに結合される第１部材及び第２部材を備え、
   前記第１部材は、
   　　前記第２部材に向かって開口する第１開口を有する第１本体部と、
   　　前記第１方向からの平面視において前記第１本体部の外周に配置されている１以上のフックと、を有し、
   前記第２部材は、
   　　前記第１部材に向かって開口する第２開口を有する第２本体部と、
   　　前記１以上のフックが引っ掛けられるよう、前記１以上のフックと対応する位置に、前記第１方向からの平面視において前記第２本体部の外周に配置されている１以上の爪と、を有し、前記１以上のフックの少なくとも１つは、前記第１本体部が有する前記第１開口の端部から前記第１方向に沿って前記第２部材側に向けて延出されている、ファンケース。
2. 前記１以上のフックは複数のフックであり、前記１以上の爪は複数の爪であり、前記第１部材及び前記第２部材は、前記複数のフックがそれぞれ前記複数の爪に引っ掛けられることによって、互いに結合される、請求項１に記載のファンケース。
3. 前記１以上のフックの各々におけるフックの外面及び内面の少なくとも一方は、前記第１方向からの平面視において、前記第１本体部の外周面に沿っている、請求項１又は２に記載のファンケース。
4. 前記フックの前記外面は、前記第１方向からの平面視において、前記第１本体部の前記外周面に沿って湾曲している、請求項３に記載のファンケース。
5. 前記フックの外面は平坦である、請求項１～３のいずれか１項に記載のファンケース。
6. 前記第１部材は、
   　　前記第１本体部が有する前記第１開口の前記端部に設けられているフランジを有し、前記フランジは、前記第１本体部の周方向において前記フランジと前記フックとの間に隙間が生じるように、前記第１開口の前記端部に設けられている、請求項１～５のいずれか１項に記載のファンケース。
7. 前記第１部材は、
   　　前記第１本体部のうち前記第１方向における前記フックの延長線上に設けられている突出部を有する、請求項１～６のいずれか１項に記載のファンケース。
8. 前記第１方向において、前記フランジと前記フックのうち前記爪が引っ掛かる第１引っ掛かり部との間の第１距離は、前記第２本体部が有する前記第２開口と前記爪のうち前記フックが引っ掛かる第２引っ掛かり部との間の第２距離よりも短い、請求項６に記載のファンケース。
9. 前記第１部材又は前記第２部材は、排気口の外周フランジを有する、請求項１～８のいずれか１項に記載のファンケース。
10. 前記爪の先端は、前記第１方向からの平面視において、前記第１本体部の外周面に沿っている、請求項１～８のいずれか１項に記載のファンケース。
11. 前記第１本体部は、前記複数のフックであり、前記第１本体部は、互いに曲率の異なる複数の領域を含む外周面を有し、前記複数のフックは、前記外周面に沿っている、請求項１～１０のいずれか１項に記載のファンケース。
12. 前記１以上のフック及び前記１以上の爪は、前記第１方向からの平面視において、前記第１本体部の最外部よりも内側に位置する、請求項１～１１のいずれか１項に記載のファンケース。
13. 請求項１～１２のいずれか１項に記載のファンケースと、前記モータと、を備える、モータユニット。
14. 請求項１３に記載のモータユニットと、前記モータユニットが搭載されている移動体本体と、を備える、移動体。

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