WO2021255503A1

WO2021255503A1 - 吊戸ユニット

Info

Publication number: WO2021255503A1
Application number: PCT/IB2020/055771
Authority: WO
Inventors: シィハーパンヤーダナイ; ジャンパノーイワッティー; プロムコーモンコン
Original assignee: トステムタイカンパニーリミテッド
Priority date: 2020-06-19
Filing date: 2020-06-19
Publication date: 2021-12-23

Abstract

本吊戸ユニットは、建物の開口の上部に取り付けられ、レールが形成された上枠と、前記上枠の前記レール内に移動可能に設けられた支持ローラと、前記支持ローラに連結され、前記支持ローラを介して前記レールに沿って移動可能に前記上枠に支持された吊引戸と、前記吊引戸の下端部に着脱可能に取り付けられ、前記吊引戸の移動を案内するガイド部材と、前記建物の開口の下部に位置し、前記レールと平行に設けられ、前記ガイド部材が前記レールと平行に移動可能に係止されるガイド受け部材と、を備える。

Description

吊戸ユニット

　本発明は、吊戸ユニットに関する。

　例えば、特許文献１の吊戸のように、従来、引戸が上枠で支持された吊戸が知られている。吊戸は、上枠にレールが設けられ、障子の上部にローラが取り付けられ、上枠のレール内をローラが移動することにより障子が上枠に対して移動可能に支持される。あるいは、上枠にローラが取り付けられ、障子の上部にレールが設けられ、障子のレール内をローラが移動することにより障子が上枠に対して移動可能に支持される。床にレールが設けられて支持される引戸は、床にレールの凹凸が生じるのに対し、吊戸は、床を凹凸なく連続して設けることができる。

日本国特開２０１４−２０６０３７号公報

　特許文献１に開示のように、吊戸の場合、障子の下部が床に支持されない為、開閉移動時時に、障子の下部が見込み方向にずれて開閉時の動作が安定しない場合がある。この他、障子が開状態、あるいは閉状態の場合に、風や外力により引戸の下部が見込み方向に微動する場合がある。
　上記事情を踏まえ、本開示は、吊戸を安定支持可能な吊戸ユニットを提供することを目的とする。

　本開示に係る吊戸ユニットは、建物の開口の上部に取り付けられ、レールが形成された上枠と、前記上枠の前記レール内に移動可能に設けられた支持ローラと、前記支持ローラに連結され、前記支持ローラを介して前記レールに沿って移動可能に前記上枠に支持された吊引戸と、前記吊引戸の下端部に着脱可能に取り付けられ、前記吊引戸の移動を案内するガイド部材と、前記建物の開口の下部に位置し、前記レールと平行に設けられ、前記ガイド部材が前記レールと平行に移動可能に係止されるガイド受け部材と、を備える。

第一実施形態に係る吊戸ユニットの縦断面図。第一実施形態に係る吊戸ユニットの下部の縦断面図。第一実施形態に係る吊戸ユニットの水平断面図。第一実施形態に係る吊戸ユニットの一部の水平断面図。第一実施形態のガイド部材の斜視図。第一実施形態に係る吊戸ユニットの一部の部分斜視図。第一実施形態のガイド部材の着脱方法を示す模式図。第一実施形態のガイド部材の着脱方法を示す模式図。第一実施形態の縦枠を示す水平断面図。第一実施形態の縦枠および上枠を示す正面図。第一実施形態の上枠の着脱方法を示す模式図。第二実施形態に係る吊戸ユニットの縦断面図。第二実施形態に係る吊戸ユニットの下部の縦断面図。第二実施形態に係る吊戸ユニットの水平断面図。第二実施形態に係る吊戸ユニットの一部の水平断面図。第三実施形態に係る吊戸ユニットの下部の縦断面図。

（第一実施形態）
　第一実施形態に係る吊戸ユニット１について説明する。本実施形態に係る吊戸ユニット１は、建物の開口１１０に吊引戸３およびＦＩＸ障子４が設けられている。吊引戸３は、開口１１０の天面１０１に設けられている上枠２に支持ローラ２６により支持された吊戸である。吊引戸３は開口１１０を開閉可能に構成されている。以下の説明において、建物の上下方向を縦方向Ｈと称する。縦方向Ｈに直交し、開口１１０に沿う方向を幅方向Ｗと称する。縦方向Ｈ及び幅方向Ｗに直交する方向を見込み方向Ｄと称する。

　図１および図３に示すように、開口１１０の側壁１０３，１０４には、それぞれ縦枠５が固定されている。開口１１０の天面１０１には上枠２が取り付けられている。上枠２および縦枠５は、例えば、アルミ合金等の金属材料からなる型材である。開口１１０の床面１０２には、下枠４１が取り付けられている。上枠２、一対の縦枠５、および下枠４１で囲まれた空間に、吊引戸３およびＦＩＸ障子４が設けられている。吊引戸３は、上枠２に吊るされて支持されている。吊引戸３は、ＦＩＸ障子４に対して幅方向Ｗに沿って移動可能に設けられている。

　縦枠５は、水平断面形状が略Ｕ字型の型材からなる長尺部材である。縦枠５は、開口１１０の幅方向Ｗ中央へ向かって開口する凹部５４を有する。凹部５４の底部５０の見込み方向Ｄの両端部から開口１１０の幅方向Ｗ中央側に向かって幅方向Ｗに側板部５１が延びている。凹部５４の底部５０は、側壁１０３，１０４に対する枠固定部５０である。各側板部５１の外面には第一連結片５１１または第二連結片５１２が形成されている。各側板部５１の開口端部には第三連結片５１３が形成されている。

　縦枠５は、凹部５４内にねじ９４が挿入されて、枠固定部５０がねじ９４により側壁１０３，１０４に固定される。縦枠５は、吊引戸３およびＦＩＸ障子４の数に応じて、見込み方向Ｄに複数の縦枠５が連結されて設けられている。見込み方向Ｄに隣接する縦枠５同士は、第一連結片５１１と第二連結片５１２とが係止され、ねじ９５が見込み方向Ｄにねじ込まれて固定されている。凹部５４は、縦カバー５３により覆われている。縦カバー５３は、裏面に第四係止片５３１を有する。

　図３に示すように、ＦＩＸ障子４の幅方向Ｗの一端部は、縦カバー５３の外面に当接している。吊引戸３が配置される縦枠５の縦カバー５３には、引戸受け材５６が設けられている。引戸受け材５６は、縦カバー５３から幅方向Ｗに向かって延びるテーパ面５６１を有する。テーパ面５６１は、引戸受け材５６内に吊引戸３が進入する際に、レール２７内の支持ローラ２６の走行線上に吊引戸３が位置するように案内する。

　上枠２は、長尺部材である。図９は、上枠２の見込み方向Ｄ、すなわち、長手方向に直交する方向における縦断面図である。上枠２は、図９に示すように、略矩形であり、下方に開口する溝形状のレール２７が形成されている。レール２７の下端開口部は、レール２７の見込み方向Ｄの寸法よりも小さいスリット２７１が形成されている。スリット２７１は、幅方向Ｗに沿って形成されている。

　上枠２は、見込み方向Ｄの第一面２３１および第二面２３２に、係合部２５，２６が形成されている。第一面２３１の第一係合部２５は、上方に向かって立ち上がるＬ字形状を有する。第一係合部２５は上下に二ヶ所形成されている。第二面２３２の第二係合部２４は、下降するＬ字形状を有する。第二係合部２４は、第一係合部２５に対応する高さ位置に上下に二ヶ所形成されている。第一係合部２５と第二係合部２４とは、互いに係止可能に構成されている。第一面２３１および第二面２３２は、見付け面に対応する。

　見込み方向Ｄに２本の上枠２が平行に並べられ、第一係合部２５と第二係合部２４とが係止された状態で、２本の上枠２は連結される。上枠２を３本以上連結する場合も、同様に第一係合部２５と第二係合部２４とが係止される。

　上枠２には、外装部材２１が着脱可能に取り付けられている。外装部材２１は、連結された複数の上枠２のうち、見込み方向Ｄの最も外側の第一面２３１および第二面２３２に取り付けられている。外装部材２１は、上枠２の第一係合部２５または第二係合部２４を覆う。外装部材２１は、平板状のカバー本体２１１と、当接部２１２と、ねじ固定部２１３と、を有する。当接部２１２は、上枠２の第一係合部２５または第二係合部２４に当接され、外装部材２１の見込み方向Ｄの位置決め部として機能する。ねじ固定部２１３は、当接部２１２よりもカバー本体２１１からの突出量が大きい。ねじ固定部２１３は、上枠２の下端面に当接下状態でねじ９１により上枠２に固定される。カバー本体２１１は、上枠２の下端よりも下方に下垂している。カバー本体２１１は、上枠２および吊引戸３の上端を覆う。外装部材２１により、吊引戸３の上端との隙間が外方から視認不能となるように覆われ、意匠性を高める効果を奏する。

　縦枠５の上部の内側には、戸当たり５５が設けられている。戸当たり５５は、吊引戸３が開いた時に、吊引戸３の縦枠５への接触を防ぐ機能、あるいは、吊引戸３の縦枠５への接触時の衝撃を抑える機能を備える。戸当たり５５は、縦カバー５３の上端の上方に設けられている。図１０に示すように、戸当たり５５は、吊引戸３との接触部５５１と、ダンパー５５２とを含んで構成されている。接触部５５１は、縦カバー５３よりも開口１１０の中央側に突出している。吊引戸３が縦枠５に接触する際、戸当たり５５の接触部５５１に吊引戸３が接触し、接触部５５１は側壁１０４側に移動する。接触部５５１はダンパー５５２により吊引戸３が接触部５５１を押す力が緩和される。戸当たり５５により、吊引戸３が縦枠５に接触する際の移動速度を低減させ、かつ、吊引戸３の縦枠５への接触音を低く抑えることができる。戸当たり５５は、例えば、ストッパ機能、ソフトクローズ機能、吊引戸３を全開位置で安定保持するキャッチ機能を備えてもよい。例えば、吊引戸３が縦枠５に接触することを防ぐためのストッパを戸当たりに設けてもよい。キャッチ機能は、例えば、戸当たりと吊引戸３との接触部にそれぞれ磁石を設け、吊引戸３が戸当たりに近接配置されると、磁力により吊引戸３が戸当たりに接触した状態が保持される。この結果、吊引戸３の全開状態が保持可能であり、かつ、吊引戸３が見込み方向Ｄに揺れることを防ぎながら保持可能である。

　上枠２は、一対の縦枠５間に配置されている。上枠２の幅方向Ｗの両端部は、縦枠５に僅かに挿入されている。図１０に示すように、上枠２は、支持部材２９に支持されている。支持部材２９は、ねじ９３により縦枠５に取り付けられている。支持部材２９は、Ｌ字形状を有する。支持部材２９は、固定部２９１と上枠支持部２９２とが略直交して構成されている。支持部材２９の固定部２９１が縦枠５へねじ９３で固定され、上枠支持部２９２が固定部２９１から開口の幅方向Ｗの内側に向かって略水平に突出している。幅方向Ｗにおける上枠２の長さＬ２は、一対の縦枠５間の距離Ｌ１より短い。上枠２の長さＬ２は、一対の支持部材２９の上枠支持部２９２間の距離より長い。図９および図１０に示すように、上枠２は、上枠支持部２９２上に載せられ、ねじ９３により固定されている。

　図１および図３に示すように、床面１０２に下枠４１が固定されている。下枠４１は、ＦＩＸ障子４の下方に配置されている。下枠４１は、ＦＩＸ障子４の幅方向Ｗの長さと略等しい長さを有する。下枠４１の上端部に、ＦＩＸ障子４の下桟４２との係合部４１１が形成されている。

　ＦＩＸ障子４は、開口１１０の幅方向Ｗの一部を塞ぐ位置に設けられている。ＦＩＸ障子４は、開放不能に構成されている。ＦＩＸ障子４は、上枠２および下枠４１に固定されている。ＦＩＸ障子４の幅方向Ｗの一方の端部は、開口１１０の側壁１０３に取り付けられた縦枠５に固定されている。

　図１に示すように、ＦＩＸ障子４の上桟４４は、固定部材４９を介して上枠支持部２９２に固定されている。ＦＩＸ障子４の下桟４２が、下枠４１に係止されている。

　図１および図２に示すように、ＦＩＸ障子４の下桟４２は、下桟本体４２１と、ガイド受け部４３とを有する。本実施形態では、下桟４２にガイド受け部４３が一体に形成され、ガイド受け部材として機能する。下桟本体４２１は、下方に開口する略Ｕ字形状を有する。下桟本体４２１の下端部は、下枠４１の係合部１１に係合している。ガイド受け部４３は、下桟本体４２１の吊引戸３側の上端部から見込み方向Ｄに突出した後下方に延びて形成されている。ガイド受け部４３は、下方に開口するガイド溝４３１が形成されている。ガイド溝４３１は、下桟４２の全長にわたって形成されている。ガイド受け部４３の下端４３２は、下桟本体４２１の下端よりも上方に位置する。

　図１及び図３に示すように、吊引戸３は、吊引戸本体３０、上桟３１、下桟３２および竪桟３３を含んで構成されている。吊引戸本体３０は、例えば、板材やガラス等のパネルにより構成されている。上桟３１に、ローラ固定部３６１が設けられている。ローラ固定部３６１を介して、吊引戸３と支持ローラ２６とが連結されている。

　支持ローラ２６は、吊戸用の公知のローラである。支持ローラ２６は、上枠２のレール２７内に挿入されている。支持ローラ２６は、上枠２のスリット２７１よりも寸法が大きい。支持ローラ２６は、スリット２７１に接触している。支持ローラ２６は、レール２７内において幅方向Ｗに移動可能に上枠２に支持されている。

　吊引戸３の下部には、ガイド部材８が着脱可能に取り付けられている。ガイド部材８は、吊引戸３の移動を案内する部材である。

　図５に示すように、ガイド部材８は、固定部８１と、ガイド片８２とを含んで構成されている。ガイド部材８は、さらに、底部８３を有する。ガイド部材８は、一体成型部品である。ガイド部材８は、水平面である底部８３から固定部８１およびガイド片８２が鉛直上方に立設されている。固定部８１は、見込み方向Ｄに沿う平板形状を有する。固定部８１には、ねじ孔８４が幅方向Ｗに貫通して形成されている。ねじ孔８４は、縦方向Ｈに長い長孔である。ねじ孔８４は、縦方向に２箇所形成されている。ガイド片８２は、幅方向Ｗに沿う矩形状を有する。ガイド片８２は、底部８３の見込み方向Ｄの一端部から鉛直上方に延びて形成されている。固定部８１とガイド片８２とは、見込み方向Ｄに離間し、直交する向きに形成されている。

　図４および図６に示すように、ガイド部材８は、固定部８１が吊引戸３の竪桟３３にねじ９０で固定されている。具体的には、幅方向Ｗに延びる竪桟３３の第二外面３３２に見込み方向Ｄに沿って突出するガイド取付壁３９が形成されている。固定部８１はガイド取付壁３９に取り付けられている。ガイド部材８が吊引戸３に固定されているとき、底部８３は竪桟３３の下端に当接している。ガイド部材８が吊引戸３に固定されているとき、ねじ９０はねじ孔８４の縦方向Ｈの中間部に位置し、ねじ９０とねじ孔８４の上端との間は離れている。底部８３は竪桟３３の下端に当接している。ガイド片８２は、ＦＩＸ障子４のガイド溝４３１内に挿入されている。図４に示すように、ガイド部材８の底部８３により、固定部８１とガイド片８２との見込み方向Ｄの離間距離が保たれる。この構成により、見込み方向ＤにおけるＦＩＸ障子４に対する吊引戸３の距離が保持される。

　下桟３２は、中空部３２１が形成され、下方に開口する下開口３２２が形成されている。

　ガイド突部６は、開口１１０の床面１０２における吊引戸３の移動範囲の少なくとも一部に設けられている。吊引戸３は、開状態時、床面１０２に凹凸がない平坦面であることが利点の一つである。そのため、ガイド突部６は、ＦＩＸ障子４と幅方向Ｗに重なる位置に設けられている。図３に示すように、ガイド突部６は、例えば、ＦＩＸ障子４が固定されている縦枠５の近傍に設けられている。ガイド突部６を図３に示す位置に設けると、開状態のときに下桟３２の下開口３２２内にガイド突部６が進入し、吊引戸３の見込み方向Ｄの移動が規制される。

　吊戸ユニット１の施工方法について説明する。開口１１０の側壁１０３、１０４に縦枠５を取り付ける。縦枠５は、凹部５４内にねじ９４が挿入されて、枠固定部５０がねじ９４により側壁１０３，１０４に固定される。縦枠５は、吊引戸３およびＦＩＸ障子４の数に応じて、見込み方向Ｄに複数の縦枠５が連結されて設けられている。見込み方向Ｄに隣接する縦枠５同士は、第一連結片５１１と第二連結片５１２とが係止され、ねじ９５が見込み方向Ｄにねじ込まれて固定されている。

　凹部５４を縦カバー５３により覆う。縦カバー５３の第四連結片５３１を凹部５４内に挿入し、第三連結片５１３と第四連結片５３１とを係合させることにより、縦カバー５３を縦枠５に対して取り付ける。縦カバー５３により、ねじ９４、９５が外部から視認不能となる。

　上枠２および支持部材２９は、縦枠５に着脱可能に取り付けられる。縦枠５に支持部材２９の固定部２９１をねじ９３で固定する。次に、上枠２を上枠支持部２９２と縦枠５と天面１０１との間に配置する。上枠２を上枠支持部２９２にねじ８３で固定する。

　開口１１０の床面１０２に下枠４１を固定する。下枠４１は、ＦＩＸ障子４が設けられる位置に取り付ける。その後、ＦＩＸ障子４を上枠２に取り付ける。固定部材４９の下面にＦＩＸ障子４の上桟３１を当接させてねじ９６で固定しておく。固定部材４９の縦壁４９１を支持部材２９から下方に延びる下垂壁２９３に近接配置する。この状態で、下枠４１の係合部４１１にＦＩＸ障子４の下桟４２を係止させる。その後、固定部材４９を下垂壁２９３にねじ止めし、ＦＩＸ障子４を固定する。

　次に、吊引戸３を取り付ける。支持ローラ２６は、上枠２が縦枠５に取り付けられる前に上枠２の幅方向Ｗの端部の開口から挿入されている。吊引戸３を上枠２に取り付ける際、外装部材２１は取り付けられておらず、支持ローラ２６の下部の固定ボルト２６２が露出している。吊引戸３のローラ固定部３６１を固定ボルト２６２に近付けて、ナット２６３を固定ボルト２６２に螺合させると、吊引戸３が支持ローラ２６に連結される。吊引戸３が支持ローラ２６に連結された後、外装部材２１を上枠２に取り付ける。

　次に、吊引戸３の竪桟３３にガイド部材８を取り付ける。ガイド片８２をＦＩＸ障子４のガイド溝４３１内に挿入する。その後、図７に示すように、ガイド部材８を竪桟３３に近付け、固定部８１を竪桟３３のガイド取付壁３９に接触させ、ねじ９をねじ込む。ガイド取付壁３９に対して固定部８１が移動可能な程度にねじ９０がねじ込まれた状態で、図８および図６に示すように、ガイド部材８を持ち上げて、底部８３を竪桟３３の下端部に接触させる。その後、ねじ９０をねじ込み、ガイド部材８を竪桟３３に固定する。この結果、図２に示すように、ガイド片８２がガイド溝４３１に挿入された状態で、ガイド部材８が吊引戸３に固定される。ガイド部材８は、施工前に予め竪桟３３に仮固定しておいてもよい。この場合、吊引戸３を支持ローラ２６に連結した後、ねじ９０を緩め、ガイド部材８を下降させた後ガイド溝４３１内にガイド片８２を挿入し、上記と同様にガイド部材８を持ち上げて底部８３を竪桟３３の下端部に接触させ、ねじ９０を締めてもよい。

　メンテナンス作業時等、上枠２を取り外すときは、上枠２からねじ９３を取り外し、各縦枠５からそれぞれねじ９３を取り外し、支持部材２９を縦枠５から取り外す。その後、上枠２を開口１１０の側壁１０４側に幅方向Ｗに少し移動させると、縦枠５に挿入されている上枠２の端部が縦枠５から露出する。上枠２は、縦枠５に取り付けられている戸当たり５５から離間する位置まで移動させることができる。この結果、上枠２は、戸当たり５５と干渉することなく、取り外すことができる。上枠２は、縦枠５を取り外すことなく、開口から取り外すことができる。

　メンテナンス作業時等、吊引戸３を取り外すときは、ガイド片８２とガイド溝４３１との係止状態を解除する。ねじ９０を取り外した後、図７に示すように、ガイド部材８を幅方向Ｗに沿って移動させる。次に、図８に示すように、ガイド部材８を竪桟３３に対して下降させて、ガイド片８２とガイド溝４３１との係止状態を解除する。

　次に、吊戸ユニット１の動作について説明する。吊引戸３は、上枠２に吊るされて支持され、かつ、ガイド部材８がＦＩＸ障子４のガイド受け部４３に係止されている。この構成により、見込み方向Ｄにおける吊引戸３の下端部のＦＩＸ障子４に対する位置が規制される。吊引戸３の開閉移動時、ガイド片８２はガイド溝４３１内を移動する。この結果、吊引戸３の下端部が見込み方向Ｄに揺れる動作が規制される。

　吊引戸３がガイド突部６に接触する位置まで移動すると、下桟３２の開口内にガイド突部６が進入する。この結果、吊引戸３の下端部が見込み方向Ｄに揺れる動作が規制される。

　上記実施形態に係る吊戸ユニット１によれば、ＦＩＸ障子４の下端部に設けられたガイド受け部４３のガイド溝４３１内に、吊引戸３のガイド部材８のガイド片８２が挿入されている。この構成により、吊引戸３の移動時および静止時に、吊引戸３の下端部が見込み方向Ｄに揺れる動作が規制される。この結果、吊引戸３が上枠２に安定支持される。

　上記実施形態に係る吊戸ユニット１によれば、上枠２の幅方向Ｗの長さＬ１が一対の縦枠５間の距離Ｌ１より短く、上枠支持部材２９２により上枠２が着脱可能に取り付けられている。この結果、メンテナンス作業時等、縦枠５を取り外すことなく上枠２を着脱できる。例えば、縦枠５の上部に戸当たり５５が取り付けられている場合、戸当たり５５に干渉せずに上枠２を着脱可能である。この結果、メンテナンス作業が容易となり、作業負担が軽減される。

　本実施形態では、ＦＩＸ障子４の上枠２を吊引戸３の上枠２と同じ部品で構成する例を示した。このように、ＦＩＸ障子４の上枠２を、吊引戸３の上枠２と同じ部品で構成すると部品を共用化できる。なお、吊引戸３を安定支持するという目的においては、ＦＩＸ障子４の上枠２を、吊引戸３の上枠２と同じ部品で構成する態様は必須ではなく、ＦＩＸ障子４の上枠２の部品は別の部品で構成してもよい。

（第二実施形態）
　次に、第二実施形態について、図１３から図１５を参照して説明する。第二実施形態は、開口１１０に吊引戸３を複数備える例である。以下の説明において既に説明したものと共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。

　複数の吊引戸３は、引き違い式に配置されている。本実施形態では、第一実施形態のＦＩＸ障子４を備えず、２枚の吊引戸３が引き違い式に設けられている。各吊引戸３の上枠２への支持構造は第一実施形態と同様である。吊引戸３の下桟３２は、第一実施形態のＦＩＸ障子４の下桟３２と同様の構成を有する。図１２の右側の吊引戸３を第一吊引戸１３と称し、左側の吊引戸３を第二吊引戸２３と称する。

　図１４に示すように、第一吊引戸１３と第二吊引戸２３とは、閉状態時、開口１１０の幅方向Ｗ中央部に位置する竪桟３３同士が幅方向Ｗに重なる。幅方向Ｗに重なる竪桟３３同士の間に第一ガイド部材１８および第二ガイド部材２８が配置されている。

　第一吊引戸１３の見込み方向Ｄの第一端部１３１に第一ガイド部材１８が設けられている。第二吊引戸２３の見込み方向Ｄの第二端部２３４に第二ガイド部材２８が設けられている。第二端部２３４は、第一吊引戸１３の第一端部１３１に対向する。第一吊引戸１３の見込み方向Ｄの第一端部１３１および第二吊引戸２３の見込み方向Ｄの第二端部２３４にガイド受け部３４が設けられている。

　第一ガイド部材１８のガイド片８２が、第二吊引戸２３のガイド溝４３１内に挿入される。第二ガイド部材２８のガイド片８２が、第一吊引戸１３のガイド溝４３１内に挿入される。この結果、第一吊引戸１３と第二吊引戸２３とは、第一ガイド部材１８および第二ガイド部材２８により見込み方向Ｄの相対位置が保持される。各ガイド溝４３１は、吊引戸１３、２３の幅方向Ｗに沿って全長にわたって形成されているため、吊引戸１３、２３との移動時に、第一吊引戸１３の下端部と第二吊引戸２３の下端部との見込み方向Ｄにおける離間距離が保持可能である。

　幅方向Ｗに重なる竪桟３３同士の間に第一ガイド部材１８および第二ガイド部材２８が配置されているため、吊戸ユニット１Ａを見込み方向Ｄから見たときに、第一ガイド部材１８および第二ガイド部材２８が隠れる。したがって、吊戸ユニット１Ａの外観意匠性に優れる。

　開口１１０の床面１０２には、各吊引戸３の下方に一対のガイド突部６が平行に並んで設けられている。

　本実施形態では、２枚のスライド式の吊引戸３を備える吊戸ユニット１Ａの例を示したが、スライド式の吊引戸３の数は限定されず、３枚以上の吊引戸３を備える構成であってもよい。この他、複数のスライド式の吊引戸３に加えて、第一実施形態のＦＩＸ障子４を更に備える構成であってもよい。

（第三実施形態）
　次に、第三実施形態に係る吊戸ユニット１Ｂについて図１６を参照して説明する。以下の説明において既に説明したものと共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。ガイド受け部材は、第一実施形態のようにＦＩＸ障子４に設ける例、第二実施形態のように吊引戸３に設ける例に限定されない。例えば、図１６に示すように、戸袋１０５が設けられている場合に、戸袋１０５の内部の床面１０２上にガイド受け部材４３を設けてもよい。

　本実施形態では、開口に設けられた吊引戸３は、開状態では戸袋１０５内に収納される。吊引戸３の構成は第一実施形態と同様である。図１６に示すように、戸袋１０５の内部の床面１０２上に下枠４１がねじで固定されている。ガイド受け部材４３は、取付部材４２Ｂに一体に形成されている。取付部材４２Ｂは、下枠４１の上部に係合可能な型材である。下桟４２Ｂを下枠４１の上部に係合させる。ガイド受け部材４３は、第一実施形態および第二実施形態と同様に、床面１０２から上方に離間した位置で、ガイド溝が下方に開口している。

　下枠４１、取付部材４２Ｂ、およびガイド受け部材４３は、戸袋１０５の少なくとも一部に設けられていればよい。例えば、下枠４１、取付部材４２Ｂ、およびガイド受け部材４３は、幅方向Ｗにおける戸袋１０５の全域に設けられていてもよい。例えば、戸袋１０５の開口、すなわち、吊引戸３を閉状態から開状態に移動する際、吊引戸３が進入する開口端を含む幅方向Ｗの一部に設けられていてもよい。例えば、下枠４１、取付部材４２Ｂ、およびガイド受け部材４３が戸袋１０５の幅方向において複数個所に離間配置される構成であってもよい。

　各実施形態に係る吊戸ユニット１，１Ａ，１Ｂによれば、ガイド突部６を備えるため、ガイド突部６により、開状態の吊引戸３の見込み方向Ｄの移動が規制される。ガイド突部６は床面１０２に固定されているため、例えば、第二実施形態のように、複数の吊引戸３のみが開口に設けられる場合に、ガイド突部６に吊引戸３が係止されると見込み方向Ｄの位置がより安定する。

　以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。上述の各実施形態及び各変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。

　上記各態様に係る吊戸ユニットによれば、吊引戸が全開位置に配置されているとき、吊引戸の幅方向の第一端部がガイド部材を介してガイド受け部材に係止され、吊引戸の幅方向の第二端部がガイド突部により係止される。この結果、吊引戸の下端部が幅方向の２箇所で係止されるため、外力による吊引戸の下端部の揺れを防いで、吊引戸を安定支持できる。例えば、吊引戸の幅方向の寸法が長い場合に、吊引戸の下端部におけるねじれ方向の揺れを防ぐ効果が得られる。

　上記各態様に係る吊戸ユニットによれば、上枠に支持された吊引戸の下端部がガイド部材とガイド受け部材との係止によりガイドされる。吊引戸の移動時に、吊引戸の下端部が見込み方向に揺れることがなく、吊引戸を円滑に移動させることができる。例えば、吊引戸が移動していない時に、風や外力により吊引戸の下部が見込み方向に揺れ難く、吊引戸が安定支持される。ガイド部材は、吊引戸の下部に着脱可能に取り付けられているため、ガイド部材を吊引戸から容易に取り外せる。この結果、例えば、上枠のレール内に設けられた支持ローラのメンテナンス作業時、吊引戸の下端部の係止を容易に解除可能となり、吊引戸を上枠から円滑に取り外すことができる。

　上記各態様に係る吊戸ユニットによれば、ガイド部材の係止片をガイド受け部材のガイド溝に下方から挿入されることにより、吊引戸の下端部が案内される。この結果、吊引戸の移動時における下端部の見込み方向の揺れが規制され、吊引戸が安定支持できる。ガイド部材の係止片がガイド受け部材のガイド溝に下方から挿入されるため、ガイド部材を下方に下げることにより、ガイド片のガイド溝への係止を解除できる。この結果、吊引戸が上枠に支持された状態で、ガイド部材を吊引戸から容易に取り外すことができる。

　上記各態様に係る吊戸ユニットによれば、吊引戸の下端面に下方に開口する下開口部が形成され、建物の開口の下端面から上方に突出して設けられたガイド突部が、吊引戸の下開口部内に進入可能に構成されている。この結果、例えば、吊引戸が全開状態の時に、下開口部内にガイド突部が配置されるよう位置に、ガイド突部を設けると、吊引戸が全開状態のときに、吊引戸の下端部が、見込み方向に揺れることを防ぎ、より安定的に吊引戸を静止状態に保持可能となる。

　上記第一実施形態に係る吊戸ユニット１によれば、ガイド受け部材が固定障子の下端部に設けられ、吊引戸は、ガイド部材を介して固定障子に係止される。この結果、吊引戸の下端部が、固定障子に係止されるため、外力による吊引戸の下端部の揺れを防いで、吊引戸を安定支持できる。

　上記第二実施形態に係る吊戸ユニット１Ｂによれば、複数の吊引戸が引き違い式に配置されている場合に、見込み方向に隣接配置される第一吊引戸及び第二吊引戸にそれぞれガイド部材およびガイド受け部材が設けられている。第一吊引戸と第二吊引戸とは、一方の吊引戸に設けられたガイド部材が他方の吊引戸に設けられたガイド受け部材に係止される構成となる。この構成により、第一吊引戸および第二吊引戸の下端部の見込み方向への揺れを規制し、各吊引戸を安定して幅方向に移動させることができる。この結果、上枠のレールに沿って相対移動可能な第一吊引戸の下端部と第二吊引戸の下端部とが見込み方向に接触することを防ぐことができる。したがって、各吊引戸を円滑に移動させることができる。

　上記各態様では、上枠の短手方向の両側面に、見込み方向に別の上枠を連結可能な連結部を有し、連結部を介して短手方向に複数の上枠を連結可能に構成されている。したがって、例えば、複数の吊引戸を引き違い式に設ける場合に、吊引戸の数に応じて、複数の上枠を連結して上枠を形成できる。この結果、上枠の部品を共通化できる。

　上記各態様では、外装部材の係合部を上枠の短手方向の側面の連結部に係合することにより、外装部材で上枠の短手方向の側面を覆うことができる。したがって、上枠の短手方向の側面の露出部を覆う外装部材を容易に取り付けることができる。

　上記各態様に係る吊戸ユニットによれば、幅方向における上枠の長さが、一対の縦枠間の距離より短く、一対の支持部材間の距離より長いため、一対の支持部材を各縦枠から取り外すと、上枠を容易に取り外すことができる。つまり、縦枠を外すことなく上枠を取り外すことができる。この結果、支持ローラのメンテナンス時の作業負担が軽減される。

　上記各態様に係る吊戸ユニットによれば、一対の縦枠の一方または両方の上部に戸当たりが取り付けられているため、戸当たりにより、吊引戸を閉じる時の衝撃を抑え、吊引戸が縦枠に接触する際の音を抑えることができる。上述の通り、戸当たりが設けられている上枠は簡便な操作で着脱可能であるため、戸当たりのメンテナンス時の作業負担が軽減される。

　上記各態様に係る吊戸ユニットによれば、一対の縦枠は、建物の開口の幅方向中央へ向かって開口する凹部の底部に形成された固定部を、縦カバーにより着脱可能に覆うことができる。したがって、縦枠の凹部にねじ等、開口への固定部材が露出せず、外観意匠性を高めることができる。

　上記施形態では、ガイド突部６を備える例を示したが、ガイド突部６は必須の構成ではない。吊戸ユニットは、ガイド部材およびガイド受け部材を備える構成により、吊引戸３が安定支持される構成である。そのため、ガイド突部６を設けなくても、吊引戸３は安定支持できる。ガイド突部６を設けない場合、部品数を減らすことができ、かつ、外観意匠性に優れる。例えば、開口１１０に複数のスライド式の吊引戸３のみが設けられる場合、吊引戸３をどの位置で開放しても、床面１０２上にガイド突部６が露出することがない。

　本吊戸ユニットによれば、戸を安定支持可能な吊戸ユニットを提供できる。

１、１Ａ、１Ｂ…吊戸ユニット、２…上枠、３…吊引戸、５…縦枠、６…ガイド突部、８…ガイド部材、１３…第一吊引戸、１８…第一ガイド部材、２１…外装部材、２３…第二吊引戸、２３…吊引戸、２６…支持ローラ、２７…レール、２８…第二ガイド部材、２９…支持部材、３４、４３…ガイド受け部、５３…縦カバー、５４…凹部、５５…戸当たり、５６…引戸受け材、８２…ガイド片、１３１…第一端部、２１３…固定部、２３４…第二端部、４３１…ガイド溝

Claims

　建物の開口の上部に取り付けられ、レールが形成された上枠と、
　前記上枠の前記レール内に移動可能に設けられた支持ローラと、
　前記支持ローラに連結され、前記支持ローラを介して前記レールに沿って移動可能に前記上枠に支持された吊引戸と、
　前記吊引戸の下端部に着脱可能に取り付けられ、前記吊引戸の移動を案内するガイド部材と、
　前記建物の開口の下部に位置し、前記レールと平行に設けられ、前記ガイド部材が前記レールと平行に移動可能に係止されるガイド受け部材と、
　を備える吊戸ユニット。
　前記ガイド部材は、前記吊引戸への固定部と、前記固定部から前記吊引戸の見込み方向に離れた位置で前記ガイド部材の下端から上方に延びるガイド片と、を備え、
　前記ガイド受け部材に下方に開口するガイド溝が形成されており、
　前記ガイド片が前記ガイド溝に下方から挿入されることにより、前記吊引戸の移動時に前記吊引戸の下端部が案内される
　請求項１に記載に記載の吊戸ユニット。
　前記吊引戸の下端面に下方に開口する下開口部が形成され、
　前記建物の開口の下端面から上方に突出して設けられ、前記吊引戸の前記下開口部内に進入可能に構成されたガイド突部を備える
　請求項１または請求項２に記載の吊戸ユニット。
　前記建物の開口に固定され、前記建物の開口の一部を覆う固定障子を備え、
　前記ガイド受け部材は、前記固定障子の下端部に設けられる
　請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の吊戸ユニット。
　前記建物の開口の上部に、前記吊引戸が複数設けられ、
　複数の前記吊引戸が引き違い式に配置され、
　複数の前記吊引戸にそれぞれ前記ガイド部材が設けられている
　請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の吊戸ユニット。
　複数の前記吊引戸は、見込み方向に隣接配置される第一吊引戸と第二吊引戸とを含み、
　前記第一吊引戸の見込み方向の第一端部に第一ガイド受け部材が設けられ、
　前記第一吊引戸の第一端部に対向する前記第二吊引戸の見込み方向の第二端部に第二ガイド受け部材が設けられ、
　前記第一吊引戸に取り付けられる第一ガイド部材の第一ガイド片が前記第二吊引戸に向かって突出するように設けられ、
　前記第二吊引戸に取り付けられる第二ガイド部材の第二ガイド片が前記第一吊引戸に向かって突出するように設けられ、
　前記第一吊引戸に取り付けられた前記第一ガイド片が前記第二吊引戸の前記第二ガイド受け部材に係止され、
　前記第二吊引戸に取り付けられた前記第二ガイド片が前記第一吊引戸の前記第一ガイド受け部材に係止され、
　前記第一吊引戸と前記第二吊引戸とは、前記第一ガイド部材、前記第二ガイド部材、前記第一ガイド受け部材、および前記第二ガイド受け部材により互いの見込み方向の移動が規制される
　請求項５に記載の吊戸ユニット。
　前記上枠は短手方向の両見付け面に、見込み方向に別の前記上枠を連結可能な連結部を有し、
　前記連結部を介して見込み方向に複数の前記上枠を連結可能に構成されている
　請求項１から請求項６のいずれか一項に記載の吊戸ユニット。
　前記連結部に係合可能な係合部を有し、前記上枠の前記見付け面を覆う外装部材を備える
　請求項７に記載の吊戸ユニット。
　前記上枠の幅方向の左右端部に取り付けられた一対の縦枠と、
　前記一対の縦枠の上部に前記上枠の幅方向中央部に向かって突出して配置され、前記縦枠に対して着脱可能に取り付けられ、前記上枠の左右端部を下方から支持する一対の支持部材と、を備え、
　幅方向における前記上枠の長さは、前記一対の縦枠間の距離より短く、前記一対の支持部材間の距離より長い
　請求項１から請求項８のいずれか一項に記載の吊戸ユニット。
　前記一対の縦枠の少なくともいずれか一方の上部に戸当たりが取り付けられている
　請求項９に記載の吊戸ユニット。
　前記縦枠は、前記建物の開口の幅方向中央へ向かって開口する凹部と、前記凹部の底部に形成され、前記建物の開口へ固定される枠固定部と、を有し、
　前記縦枠に着脱可能に設けられ前記凹部を覆う縦カバーを備える
　請求項９または請求項１０に記載の吊戸ユニット。