WO2021230305A1

WO2021230305A1 - Ｃｐａｐ装置

Info

Publication number: WO2021230305A1
Application number: PCT/JP2021/018132
Authority: WO
Inventors: 祐三東山; 修内藤
Original assignee: 株式会社村田製作所
Priority date: 2020-05-13
Filing date: 2021-05-13
Publication date: 2021-11-18

Abstract

本開示の解決しようとする課題は、モータの出力軸の軸線方向の位置ずれを抑制するＣＰＡＰ装置を提供することである。本開示の一態様に従うＣＰＡＰ装置におけるブロアは、モータ（８０）と、送風ファン（５０）と、送風ファン（５０）を覆うファンケース（６１）とを備えている。モータ（８０）のベース（８２）には、全体として円環状のステータアッシー（８５）が固定されている。ステータアッシー（８５）の径方向内側には、ロータアッシー（８８）が配置されている。ロータヨーク（８９）の径方向内側には、棒状の出力軸（８１）が圧入されている。出力軸（８１）は、高さ方向（Ｔｄ）に延びており、ベース（８２）の挿入穴（８４Ａ）に挿入されている。出力軸（８１）の外周面と挿入穴（８４Ａ）の内周面との間にはすべり軸受（９１）が介在されている。永久磁石（９０）の高さ方向（Ｔｄ）における中央（Ｃ１）の位置は、ステータアッシー（８５）の高さ方向（Ｔｄ）の中央（Ｃ２）の位置に対して、高さ方向（Ｔｄ）の上側にずれている。

Description

ＣＰＡＰ装置

　本開示は、装置内に吸入した空気を使用者の気道に送り込むＣＰＡＰ（Continuous Positive Airway Pressure）装置に関する。

　特許文献１に記載のモータは、モータハウジングの内部にステータアッシーが取り付けられている。ステータアッシーは、周方向に並べられた複数のコイルを備えている。ステータアッシーの径方向内側には、ロータアッシーが配置されている。ロータアッシーは、ステータアッシーのコイルと向かい合うように配置された永久磁石を備えている。ロータアッシーには、出力軸が固定されている。出力軸の一端側は、モータハウジングの挿入穴に支持されている。また、出力軸の他端側は、モータハウジングの外部まで延びている。出力軸のうちモータハウジングの外部の部分には、送風用のファンが固定されている。

特開２００９－１４２０２７号公報

　特許文献１に記載のようなモータにおいて、出力軸は、挿入穴の内部で、回転可能に支持されている。とはいえ、出力軸は、当該出力軸の軸線方向に強固に支持されているわけではないため、軸線方向には位置ずれし得る状態となっている。仮に、出力軸が軸線方向に位置ずれした場合、回転シャフトやファンが、モータハウジング等と干渉する虞がある。

　上記課題を解決するため、本開示の一態様は、ハウジングと、前記ハウジング内に収容されたモータと、前記モータによって回転される送風ファンとを備え、前記モータは、周方向に並べられている複数のコイルを含むステータアッシーと、前記周方向に並べられている複数の永久磁石を含むロータアッシーと、前記ロータアッシーに固定され、前記ロータアッシーと共に回転する出力軸と、前記出力軸の一部が挿入される挿入穴を有し、前記出力軸を支持するベースと、を有しており、前記出力軸の軸線方向に直交する径方向において、前記永久磁石は、少なくとも部分的に前記コイルと対向しており、前記軸線方向において、前記複数の永久磁石のうち、少なくともいずれかの前記永久磁石の中央の位置は、前記ステータアッシーにおける前記コイルの中央の位置とずれているＣＰＡＰ装置である。

　上記構成によれば、コイルに電流が流されると、ロータアッシーの永久磁石とステータアッシーのコイルとを引き合わせようとする力が発生する。この場合、永久磁石は、ステータアッシーに対して径方向のみならず、出力軸の軸線方向において、永久磁石の中央の位置とステータアッシーのコイルの中央の位置とが一致するように力が働く。そのため、ロータアッシーは、ステータアッシーに対して、出力軸の軸線方向において永久磁石がずれているのとは反対方向の力が作用する。その結果、ロータアッシーや送風ファンが、出力軸の軸線方向において永久磁石がずれている側に位置ずれすることを抑制できる。

　ロータアッシーとステータアッシーとが、出力軸の軸線方向において一方側に位置ずれすることを抑制できる。

ＣＰＡＰ装置を示す斜視図。ＣＰＡＰ装置の分解斜視図。ＣＰＡＰ装置における送風ファンの分解斜視図。ＣＰＡＰ装置におけるモータの分解図。ＣＰＡＰ装置におけるブロアの端面図。ＣＰＡＰ装置の使用状態を説明する説明図。変更例のＣＰＡＰ装置におけるモータの端面図。

　以下、装置内に導入した空気を使用者の気道に送り込むＣＰＡＰ装置の実施形態について、図面を参照して説明する。

　図１に示すように、ＣＰＡＰ装置１０は、扁平な直方体状のハウジング２０を備えている。なお、以下の説明では、ハウジング２０の厚み方向を高さ方向Ｔｄとする。また、高さ方向Ｔｄから視た場合に、ハウジング２０の長手方向を長手方向Ｌｄとし、ハウジング２０の短手方向を幅方向Ｗｄとする。

　ハウジング２０の高さ方向Ｔｄの上側の面である上側面２０Ｕには、ＣＰＡＰ装置１０を操作するための操作部２１が設けられている。この実施形態では、操作部２１は、円形状のスイッチ２１Ａと、円環状のスイッチ２１Ｂと、で構成されている。スイッチ２１Ｂは、スイッチ２１Ａを取り囲むように配置されている。スイッチ２１Ａ及びスイッチ２１Ｂは、いずれも押しボタンスイッチであり、これらを操作することで、ＣＰＡＰ装置１０の電源のオンオフ、設定の変更等が可能になっている。

　ハウジング２０における長手方向Ｌｄの第１端側の端面である第１端面２０Ａにおいては、ハウジング２０の外部から内部に空気を導入するための吸入口２２が開口している。吸入口２２には、ハウジング２０内へと導入される空気に含まれる塵等をろ過するフィルタ２３が取り付けられている。

　図２に示すように、ハウジング２０の内部には、ブロア４０が収容されている。ブロア４０は、ハウジング２０において長手方向Ｌｄの第１端側に寄せて配置されている。図３に示すように、ブロア４０は、モータ８０と、送風ファン５０と、送風ファン５０を覆うファンケース６１とを備えている。

　図３に示すように、ファンケース６１は、上側ファンケース６２と下側ファンケース６３とを備えている。上側ファンケース６２の下側に、下側ファンケース６３が向かい合うように嵌め合わされている。また、図２に示すようにファンケース６１は、略円環状のファン部６０と、ファン部６０から突出している導出管７０とに大別される。

　図３に示すように、上側ファンケース６２におけるファン部６０は、略円形の椀形状になっている。上側ファンケース６２におけるファン部６０の中央には、ファンケース６１内部に空気を吸入するための導入口６４が開口している。導入口６４は、平面視で円形状になっている。上側ファンケース６２の上側の外面からは、板状の突出壁６５が、上側に向かって突出している。突出壁６５は、複数個設けられており、本実施形態では、１０個の突出壁６５が設けられている。突出壁６５は、上側ファンケース６２の径方向に延びている。また、各突出壁６５は、導入口６４の径方向外側を周方向に等間隔毎に配置されている。

　下側ファンケース６３におけるファン部６０は、高さ方向Ｔｄから視た場合に、略円環状となっている。下側ファンケース６３のファン部６０の外径は、上側ファンケース６２のファン部６０の下縁の外径と同じになっている。下側ファンケース６３のファン部６０の中央の穴には、モータ８０が嵌め込まれている。なお、モータ８０の詳細については後述する。

　図３に示すように、ファン部６０には、略円管状の導出管７０が接続されている。導出管７０は、上側管部７１と、下側管部７２と、で構成されている。

　上側管部７１は、上側ファンケース６２のファン部６０から、長手方向Ｌｄの第１端側に向かって延びている。上側管部７１は、上側管部７１の延び方向から視た場合に、上側に凸の円弧状となっている。すなわち、上側管部７１は、略円管状である導出管７０の上側半分を構成している。なお、本実施形態においては、上側管部７１は、上側ファンケース６２との一体成形物である。

　下側管部７２は、下側ファンケース６３のファン部６０から、上側管部７１と同方向に延びている。下側管部７２の延設長さは、上側管部７１と同じになっている。下側管部７２は、延び方向から視た場合に、下側に凸の円弧状となっている。すなわち、下側管部７２は、略円管状である導出管７０の下側半分を構成している。なお、本実施形態においては、下側管部７２は、下側ファンケース６３との一体成形物である。

　図２に示すように、導出管７０には、ハウジング２０の内部から外部へと空気を排出するための排出管１００が接続されている。排出管１００は、円管状となっている。排出管１００は、導出管７０の空気流れ方向下流の端と連続して繋がっている。

　排出管１００は、ハウジング２０の第１端面２０Ａを貫通して、長手方向Ｌｄに延びている。そのため、排出管１００の長手方向Ｌｄにおける第１端側の端は、ハウジング２０の外側に位置している。排出管１００の長手方向Ｌｄにおける第１端側の開口は、ハウジング２０の外部から内部へと空気を排出するための排出口１０１となっている。

　図６に示すように、ＣＰＡＰ装置１０を使用する際には、ハウジング２０の外部に延びている排出管１００の先端部に、ホース１３０を介してマスク１４０が接続される。マスク１４０は、例えば、使用者１５０の鼻又は口を覆うように装着される。

　図４に示すようにモータ８０は、当該モータ８０の構成部品を収容及び支持するためのベース８２を備えている。ベース８２の本体部８３は、全体として有底の円筒状になっている。すなわち、本体部８３は、円形の底部８３Ａの縁から円筒状の側部８３Ｂが高さ方向Ｔｄの上側へ突出した形状になっている。底部８３Ａの中央からは、高さ方向Ｔｄの上側に向って軸支部８４が突出している。軸支部８４は、中央に挿入穴８４Ａが貫通した筒状になっている。また、挿入穴８４Ａは、本体部８３の底部８３Ａを貫通している。なお、本実施形態において、本体部８３は、軸支部８４との一体成形物である。

　ベース８２において、軸支部８４と側部８３Ｂとの間の空間には、全体として円環状のステータアッシー８５が配置されている。ステータアッシー８５におけるステータヨーク８６Ａは、円環状になっている。ステータヨーク８６Ａの径方向外側の面は、側部８３Ｂの径方向内側の面に固定されている。

　図５に示すように、ステータヨーク８６Ａの径方向内側の面からは、ティース８６Ｂが径方向内側に向けて突出している。ティース８６Ｂは６つ備えられている。６つのティース８６Ｂは、ステータヨーク８６Ａの周方向に等間隔に並んでいる。各ティース８６Ｂには、コイル８７が取り付けられている。コイル８７は、ティース８６Ｂに巻回された巻き線８７Ａによって構成されている。ステータヨーク８６Ａ及びティース８６Ｂは、例えば、ケイ素鋼板等の電磁鋼板からなる。そして、コイル８７の高さ方向Ｔｄにおける中央Ｃ２の位置は、コイル８７の巻き中心の位置と一致しており、さらにステータアッシー８５の高さ方向Ｔｄにおける中央の位置と一致している。

　図４に示すように、ステータアッシー８５の径方向内側には、ロータアッシー８８が配置されている。ロータアッシー８８は、全体として円筒状のロータヨーク８９と永久磁石９０とを備えている。ロータヨーク８９は、高さ方向Ｔｄの下側の大径部８９Ａと、高さ方向Ｔｄの上側の小径部８９Ｂとで構成されている。小径部８９Ｂの外径及び内径は、大径部８９Ａの外径及び内径よりも小さくなっている。図５に示すように、小径部８９Ｂの内径は、軸支部８４の外径よりも小さくなっている。また、大径部８９Ａの内径は、軸支部８４の外径よりも大きくなっている。大径部８９Ａの高さ方向Ｔｄ長さは軸支部８４の突出長よりも長くなっている。大径部８９Ａの内部には、軸支部８４が収容されている。また、ロータアッシー８８における大径部８９Ａの内周面と軸支部８４の外周面とは、間に他の部材を介すことなく向かい合っている。

　図４及び図５に示すように、ロータヨーク８９の大径部８９Ａの径方向外側の面には、永久磁石９０が固定されている。永久磁石９０は４つ設けられている。４つの永久磁石９０は、ロータヨーク８９の周方向に等間隔に並んでいる。また、永久磁石９０は、隣り合う他の永久磁石９０とは、径方向外側の極が異なるように配置されている。永久磁石９０は、径方向においてコイル８７と対向している。高さ方向Ｔｄにおいて、各永久磁石９０の下面の位置は、大径部８９Ａの下端の位置と同じ位置となっている。

　図５に示すように、永久磁石９０の高さ方向Ｔｄの寸法は、ティース８６Ｂの高さ方向Ｔｄの寸法とほぼ同じ寸法となっている。そして、永久磁石９０の高さ方向Ｔｄにおける中央Ｃ１の位置は、コイル８７の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ２の位置に対して、高さ方向Ｔｄの上側にずれている。

　より詳細には、永久磁石９０の高さ方向Ｔｄにおける中央Ｃ１の位置は、コイル８７の高さ方向Ｔｄの上側の端よりも下側に位置している。永久磁石９０の高さ方向Ｔｄにおける上側の端は、コイル８７の高さ方向Ｔｄにおける上側の端よりも、下側に位置している。そのため、高さ方向Ｔｄにおいて、永久磁石９０の全部が、コイル８７の範囲と重複している。さらに、高さ方向Ｔｄにおいて、永久磁石９０の中央Ｃ１とコイル８７の中央Ｃ２とのずれている距離Ｄは、コイル８７の高さ方向Ｔｄの寸法、すなわちコイル８７の外径寸法の半分未満となっている。

　ロータヨーク８９の小径部８９Ｂの径方向内側には、棒状の出力軸８１が圧入されている。出力軸８１の高さ方向Ｔｄの下側の一部は、大径部８９Ａの内部にまで至っている。そして、出力軸８１の高さ方向Ｔｄの下側の一部は、大径部８９Ａの径方向内側において、軸支部８４の挿入穴８４Ａに挿入されている。また、出力軸８１の外周面と挿入穴８４Ａの内周面との間にはすべり軸受９１が介在されている。

　すべり軸受９１は円筒状である。当該すべり軸受９１の外径は、挿入穴８４Ａの径と略同じになっている。また、すべり軸受９１の内径は、出力軸８１の外径よりも数マイクロ～数十マイクロほど大きくなっている。すべり軸受９１の内面と出力軸８１とのわずかな隙間には、潤滑油が充填されている。

　すべり軸受９１の軸線方向の寸法は、出力軸８１の全体の長さの半分程度になっている。この実施形態では、出力軸８１のうちロータヨーク８９の大径部８９Ａに収容されている箇所は、すべり軸受９１で覆われている。すべり軸受９１よりも高さ方向Ｔｄの下側には、ナット９２が配置されている。ナット９２は軸支部８４の挿入穴８４Ａを下側から蓋をしている。すなわち、この実施形態では、ナット９２が挿入穴８４Ａの底を構成している。そして、出力軸８１の下端は、ナット９２の支持部９２Ａによって下側より支持されている。支持部９２Ａの材質は、耐熱性の樹脂となっている。また、ナット９２は、出力軸８１とすべり軸受９１との間に充填された潤滑油が、すべり軸受９１の高さ方向Ｔｄの下側へと漏れることを抑制している。

　ベース８２の高さ方向Ｔｄの上側の開口縁には、円環状のフランジ９３が被せられている。フランジ９３の内径は、ロータヨーク８９における大径部８９Ａの外径よりもやや大きくなっている。なお、フランジ９３の中央の孔を挿通して、出力軸８１が小径部８９Ｂに覆われた状態でフランジ９３よりも上側にまで突出している。

　図５に示すように、出力軸８１の高さ方向Ｔｄ上側の先端部には、ロータヨーク８９の小径部８９Ｂ及び筒体９４を介して、送風ファン５０が取り付けられている。筒体９４は円筒状の金属部材であり、ロータヨーク８９の小径部８９Ｂの外周面に取り付けられている。図３及び図５に示すように、送風ファン５０は、保持盤５１と、複数の羽根５２と、で構成されている。保持盤５１は、略円盤状になっている。この実施形態では、保持盤５１は、中央ほど上側に盛り上がるような形状になっている。保持盤５１の中央においては、円形の貫通孔５３が開口している。当該貫通孔５３には、上記の筒体９４及び小径部８９Ｂを介して出力軸８１が固定されている。

　保持盤５１の上側の面には、複数の羽根５２が上側に向かって突出している。羽根５２は、板状となっている。羽根５２は、保持盤５１の径方向内側から外側に向かって延びている。なお、この実施形態では、延設長さの異なる羽根５２が設けられている。また、羽根５２は、保持盤５１の周方向に等間隔毎に配置されている。したがって、複数の羽根５２は、高さ方向Ｔｄから視た場合に、放射状に配置されている。

　図３及び図５に示すように、ファンケース６１のファン部６０内部には、送風ファン５０が収容される収容空間Ｓ１と、送風ファン５０から送風される空気が流通する流通路Ｓ２が区画されている。収容空間Ｓ１は、ファン部６０の内部空間のうちの径方向中央部分で構成されている。具体的には、収容空間Ｓ１は、フランジ９３の上面と、上側ファンケース６２の内面とで上下方向に挟まれた空間である。したがって、収容空間Ｓ１は、導入口６４を介してファンケース６１の外部に直接連通している。流通路Ｓ２は、ファン部６０の内部空間のうちの径方向外側部分で構成されている。具体的には、流通路Ｓ２は、下側ファンケース６３の内面と上側ファンケース６２の内面とで上下方向に挟まれた空間である。したがって、流通路Ｓ２は、収容空間Ｓ１の径方向外側で円環状に延びている。また、流通路Ｓ２は、収容空間Ｓ１に対して径方向に連通している。この実施形態では、流通路Ｓ２は、当該流通路Ｓ２の延設方向に直交する断面視で概ね円形状になっている。

　図５に示すように、ファンケース６１にモータ８０を組み付けた場合、流通路Ｓ２は、出力軸８１の軸線方向においてステータアッシー８５と重複する位置且つ、ステータアッシー８５の径方向外側に配置されている。この実施形態では、流通路Ｓ２における高さ方向Ｔｄの概ね下側半分が、ステータアッシー８５と重複する位置に配置されている。

　次に、上記実施形態の作用について説明する。

　モータ８０に電力が供給されると、コイル８７と永久磁石９０との間で発生する電磁力により、ロータアッシー８８が回転する。ロータアッシー８８の回転に伴って、出力軸８１及び送風ファン５０が回転する。送風ファン５０が回転すると、ブロア４０の外部の空気が、導入口６４を通ってファンケース６１内部に吸引される。空気は、送風ファン５０の遠心力により、ファンケース６１の流通路Ｓ２に導かれる。空気は、送風ファン５０の回転に合わせて流通路Ｓ２を周方向に流通する。なお、流通路Ｓ２において、送風ファン５０の回転によって空気の流速や圧力が増加する。流通路Ｓ２を通過した空気は、導出管７０及び排出管１００を通過してブロア４０の外部に放出される。

　また、送風ファン５０が回転することにより、ファンケース６１内部には、導入口６４から空気が導入される。ファンケース６１内部に空気が導入されると、ファンケース６１内部のうち、収容空間Ｓ１及び流通路Ｓ２では、送風される空気が相応に速く流れる。一方で、送風ファン５０とモータ８０との間の空間は、収容空間Ｓ１及び流通路Ｓ２と比べて、空気の流れは遅い。そのため、空気の流速の差によって、送風ファン５０とモータ８０との間の空間においては、送風ファン５０の上側の部分である収容空間Ｓ１と比べて圧力が大きくなる。そのため、送風ファン５０には、送風ファン５０の上側の部分と下側の部分との圧力差により、高さ方向Ｔｄの上側に押されるように力が加わる。

　次に、上記実施形態の効果について説明する。

　（１）上記実施形態によれば、永久磁石９０の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ１の位置は、コイル８７の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ２の位置と、高さ方向Ｔｄの上側にずれている。そのため、モータ８０に電力が供給されて、コイル８７と永久磁石９０との間で電磁力が発生すると、永久磁石９０とステータアッシー８５とを引き合わせようとする力が発生する。上述のとおり、高さ方向Ｔｄにおいて永久磁石９０の中央Ｃ１とコイル８７の中央Ｃ２との位置がずれていることから、永久磁石９０とステータアッシー８５とを引き合わせようとする力は、ステータアッシー８５の径方向だけでなく、高さ方向Ｔｄの成分を含む力となる。具体的には、このような引き合う力は、永久磁石９０の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ１の位置とコイル８７の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ２の位置とを通る直線が延びる方向に働く。そのため、永久磁石９０は、径方向のみならず、高さ方向Ｔｄにも引っ張られることで、永久磁石９０を含むロータアッシー８８全体が高さ方向Ｔｄの下側にも引っ張られる。その結果、ロータアッシー８８に固定されている送風ファン５０も高さ方向Ｔｄの下側に引っ張られる。したがって、ロータアッシー８８や送風ファン５０が高さ方向の上側に位置ずれすることを抑制できる。

　（２）上記実施形態によれば、ロータアッシー８８は、ステータアッシー８５よりも径方向内側に配置されている。そのため、ロータアッシー８８がステータアッシー８５よりも径方向外側に配置されている場合と比べて、ロータアッシー８８の径方向の寸法を小さくできる。よって、ロータアッシー８８が高さ方向Ｔｄに引っ張られるような力を受けても、出力軸８１が高さ方向Ｔｄに対してぶれるなどの問題は生じにくい。

　（３）上記実施形態によれば、挿入穴８４Ａの内周面と出力軸８１の外周面との間にはすべり軸受９１が介在されている。すべり軸受９１は、比較的に出力軸８１の軸線方向において長い範囲で出力軸８１を支持する。したがって、ロータアッシー８８が高さ方向Ｔｄに引っ張られるような力を受けても、出力軸８１が高さ方向Ｔｄに対してぶれるなどの問題は生じにくい。

　（４）上記実施形態によれば、高さ方向Ｔｄにおいて、永久磁石９０の全部が、コイル８７の範囲と重複している。そのため、永久磁石９０の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ１の位置とコイル８７の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ２の位置とがずれていても、それに伴う効率の低下は抑えられる。

　（５）上記実施形態によれば、高さ方向Ｔｄにおいて、永久磁石９０の中央Ｃ１とコイル８７の中央Ｃ２とのずれている距離Ｄは、コイル８７の高さ方向Ｔｄの寸法、すなわちコイル８７の外径の半分未満である。そのため、コイル８７と永久磁石９０との間で発生する電磁力が過度に小さくなることを抑制できる。

　（６）上述したとおり、ファンケース６１の内部において流通路Ｓ２や送風ファン５０の上側の空間においては空気が相応の速度で流通するのに対して、送風ファン５０とモータ８０との間の空間は空気が流通しにくい。そのため、送風ファン５０が、出力軸８１やロータアッシー８８と共に、高さ方向Ｔｄの上側へ向けて浮き上がるように位置ずれするおそれがある。

　この点、上記実施形態では、永久磁石９０の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ１の位置が、コイル８７の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ２の位置に対して上側にずれているので、高さ方向Ｔｄの上側へ向けて浮き上がろうとする力を、コイル８７の電磁力で相殺できる。したがって、出力軸８１やロータアッシー８８が高さ方向Ｔｄの上側に移動しようとすることを抑制できる。

　上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。

　・上記実施形態において、ＣＰＡＰ装置１０は、ブロア４０とは別の装置を備えていてもよい。例えば、ＣＰＡＰ装置１０は、加湿器を備えていてもよい。加湿器を設ける場合には、例えば、ハウジング２０の排出管１００に加湿器を取り付け、加湿器の排出側にホース１３０を取り付けるのが好適である。

　・上記実施形態において、ブロア４０の形状は、上記実施形態の例に限られない。例えば、ファン部６０のうち、ファンケース６１は、送風ファン５０を収容する収容空間が、高さ方向Ｔｄから視た場合に、円形状であれば、ファンケース６１の外形は直方体状であってもよいし、多角形状であってもよい。また例えば、導出管７０は、内径が広がるように延びていてもよいし、湾曲していてもよい。

　・上記実施形態において、ファンケース６１の形状は上記実施形態に限定されない。ファンケース６１内部に区画された流通路Ｓ２が、出力軸８１の軸線方向においてステータアッシー８５と重複しない位置に配置されるようなファンケース６１の形状でもよい。

　・ファンケース６１を省略することもできる。この場合、例えば、ハウジング２０がファンケース６１の流通路Ｓ２に相当する空間を区画するような形状になっていればよい。

　・モータ８０の構成は、上記実施形態に限定されない。モータ８０は、出力軸８１、ロータアッシー８８、ステータアッシー８５及びベース８２を備えていれば、その他の部材は含まれていなくてもよいし、上記実施形態以外の構成が含まれていてもよい。また、モータ８０の構成は、いわゆるアウタロータ型であってもよい。すなわち、ロータアッシー８８が、ステータアッシー８５の径方向外側に配置されていてもよい。さらに例えば、すべり軸受９１に代えて、転がり軸受としてもよい。

　・上記実施形態において、ベース８２は、出力軸８１を支持できる形状であればどのような形状でもよい。例えば、ベース８２は、軸支部８４のみを有しており、本体部８３を備えていなくてもよい。

　・上記実施形態において、高さ方向Ｔｄにおいて、永久磁石９０の全部が、コイル８７の範囲と重複していなくてもよい。すなわち、径方向において、永久磁石９０が、部分的にコイル８７と対向していれば、部分的に対向していなくてもよい。この場合、永久磁石９０とコイル８７との間に発生する電磁力によって、ロータアッシー８８が回転できるのであればよい。

　・上記実施形態において、高さ方向Ｔｄにおいて、永久磁石９０の寸法は、ステータアッシー８５の寸法以上となっていてもよい。この場合であっても、永久磁石９０の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ１の位置が、コイル８７の高さ方向Ｔｄの中央Ｃ２の位置とずれていればよい。

　・上記実施形態において、高さ方向Ｔｄにおいて、永久磁石９０の中央Ｃ１の位置とコイル８７の中央Ｃ２の位置とのずれている距離Ｄは、ステータアッシー８５の寸法の半分以上であってもよい。位置ずれの距離Ｄは、出力軸８１を位置ずれさせようとする力の大きさや、モータ８０に求められるトルクの大きさ等に応じて適宜決定すればよい。

　・上記実施形態において、高さ方向Ｔｄにおいて、複数の永久磁石９０の中央Ｃ１の位置は、異なっていてもよい。この場合、複数の永久磁石９０のうち、少なくともいずれかの永久磁石９０の中央Ｃ１の位置が、コイル８７の中央Ｃ２の位置とずれていればよい。

　・上記実施形態において、ナット９２を省略してもよい。この場合、ベース８２の底部８３Ａが、挿入穴８４Ａの底を構成してもよい。

　・上記実施形態において、高さ方向Ｔｄにおいて、永久磁石９０の中央Ｃ１の位置は、コイル８７の中央Ｃ２の位置と、高さ方向Ｔｄの下側にずれていてもよい。図７に示す例では、永久磁石９０の中央Ｃ１の位置は、コイル８７の中央Ｃ２の位置と、高さ方向Ｔｄの下側にずれている。すなわち、高さ方向Ｔｄにおいて、永久磁石９０の中央Ｃ１の位置は、コイル８７の中央Ｃ２の位置よりも、挿入穴８４Ａの底側に位置している。そのため、永久磁石９０とステータアッシー８５とが引き合う力により、永久磁石９０は、高さ方向Ｔｄの上側にも引っ張られることで、永久磁石９０を含むロータアッシー８８全体が高さ方向Ｔｄの上側に引っ張られる。その結果、ロータアッシー８８に固定されている送風ファン５０も高さ方向Ｔｄの上側に引っ張られる。したがって、送風ファン５０や出力軸８１が高さ方向Ｔｄの下側に位置ずれすることを抑制できる。特に、この変更例の場合は、出力軸８１とナット９２の支持部９２Ａが強く干渉することを防げるので、支持部９２Ａの摩耗を抑制できる。

　１０…ＣＰＡＰ装置
　２０…ハウジング
　５０…送風ファン
　８０…モータ
　８１…出力軸
　８２…ベース
　８４Ａ…挿入穴
　８５…ステータアッシー
　８７…コイル
　８８…ロータアッシー
　９０…永久磁石
　９１…すべり軸受

Claims

　ハウジングと、前記ハウジング内に収容されたモータと、前記モータによって回転される送風ファンとを備え、
　前記モータは、
　周方向に並べられている複数のコイルを含むステータアッシーと、
　前記周方向に並べられている複数の永久磁石を含むロータアッシーと、
　前記ロータアッシーに固定され、前記ロータアッシーと共に回転する出力軸と、
　前記出力軸の一部が挿入される挿入穴を有し、前記出力軸を支持するベースと、
　を有しており、
　前記出力軸の軸線方向に直交する径方向において、前記永久磁石は、少なくとも部分的に前記コイルと対向しており、
　前記軸線方向において、前記複数の永久磁石のうち少なくともいずれかの前記永久磁石の中央の位置は、前記ステータアッシーにおける前記コイルの中央の位置とずれている
　ＣＰＡＰ装置。
　前記ロータアッシーは、前記ステータアッシーよりも径方向内側に配置されている
　請求項１に記載のＣＰＡＰ装置。
　前記挿入穴の内周面と前記出力軸の外周面との間にはすべり軸受が介在されている
　請求項１又は請求項２に記載のＣＰＡＰ装置。
　前記軸線方向において、
　前記永久磁石の寸法は、前記ステータアッシーの寸法よりも小さく、
　前記永久磁石の中央と前記コイルの中央とのずれている距離は、前記出力軸の軸線方向において前記コイルの外径の半分未満である
　請求項１～請求項３のいずれか１項に記載のＣＰＡＰ装置。
　前記出力軸の前記挿入穴に挿入されている側とは反対側の端部には、前記送風ファンが固定されており、
　前記軸線方向において、前記永久磁石の中央の位置は、前記コイルの中央の位置よりも、前記送風ファン側に位置している
　請求項１～請求項４のいずれか１項に記載のＣＰＡＰ装置。
　前記出力軸の前記挿入穴に挿入されている側の端は、前記挿入穴の底で支持されており、
　前記軸線方向において、前記永久磁石の中央の位置は、前記コイルの中央の位置よりも、前記挿入穴の底側に位置している
　請求項１～請求項４のいずれか１項に記載のＣＰＡＰ装置。