WO2021220916A1 - 分布巻のコイル構造を有する固定子及びこれを備える三相交流電動機 - Google Patents

分布巻のコイル構造を有する固定子及びこれを備える三相交流電動機 Download PDF

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Abstract

スロット数を極数で除算した値が既約分数となる三相交流電動機において、自動巻線可能な分布巻の重ね巻コイル構造を有する固定子を実現する。周方向の配置されたスロット2のスロット数が極数の1.5より大きく、スロット数を極数で除算した値が既約分数になる分数スロット型の三相交流電動機の固定子1は、同一のコイルピッチを有する2個または3個のコイル4の各々が、1スロットピッチずつずれてスロット2内に配置されたコイルの組を、複数備え、複数組のコイルの組の各々は、周方向に互いに60度ずれた位置に配置される。

Description

分布巻のコイル構造を有する固定子及びこれを備える三相交流電動機
 本発明は、分布巻のコイル構造を有する固定子及びこれを備える三相交流電動機に関する。
 従来、三相交流電動機のコギングトルク及びトルクリップルを低減させることができる極とスロットの組み合わせとして、スロット数を極数で除算して得られた値が既約分数となる分数スロットを有する三相交流電動機が知られている。このような三相交流電動機は、「分数スロット三相交流電動機」とも称される。
 分数スロットを有する三相交流電動機では、極数とスロット数の最小公倍数を大きくするように、極数とスロット数を選定でき、また、高次の分布巻係数の値を小さくできることから、トルクリップルを減少させることができる。
 また、スロット数が、極数の1.5倍より大きい分数スロットを有する三相交流電動機においては、トルクリップルが小さくなる傾向があるものの、スロットに挿入する巻線のコイルピッチが1スロット(隣接するスロット間の距離)より大きくなるので、分布巻のコイル構造が必要となる。
 分布巻の巻線方法には大きく分けて、重ね巻、同心巻、及び波巻の3種類がある。このうち、重ね巻は、同一ピッチのコイルを重ねる巻き方である。重ね巻は、コイル間の干渉が少ないためコイルエンド(固定子に収納されないコイル端部)が小さい。また、重ね巻は、ほとんどの極数及びスロット数の三相交流電動機において、制約なく巻線配置できる利点がある。
 また、分数スロットを有する三相交流電動機では、偶数から規定される極数、3の倍数から規定されるスロット数を任意の値から選択することが可能である。したがって、選択した極数に対し、比較的小さい値のスロット数を選択することも可能である。電動機のコイルのコイルピッチは、大凡スロット数を極数で除算した値になるため、コイルピッチが小さくなる(例えば、コイルピッチ=2あるいは3)ように極数とスロット数を選択することで、電動機の全長を短縮したり、コイルの銅損を減少させたりすることが可能である。
 一方で、分数スロットを有する三相交流電動機では、特定のスロットで1つのスロットにつき、2相の巻線が混在する2層巻構造の重ね巻となることが一般的である。特定のスロットが2層巻構造となるため、コイル数が増え分布巻の巻線構造が複雑化する。
 また、分数スロットを有する三相交流電動機の重ね巻では、特定のスロットで2相が混在する2層以上の構造となるため、そのスロット内では、2つの相の相間を電気的に絶縁する絶縁部品が必要となる。そのため電動機の分布巻の巻線構造をより複雑化し、かつ、電動機の部品点数が多くなる原因となる。
 さらに、分数スロットを有する三相交流電動機の重ね巻では、コイルのコイルエンドにおいて、任意の隣接する2つのコイルエンドが平行に並ぶ。そのため、固定子中心から固定子の外周に向かう任意の径方向で2つ以上のコイルが重なり合い、全周巻きとなる。したがって、コイルを固定子に挿入する際、一部のコイルで入れ替え作業が必要となる。すなわち、電動機の製造時に、インサータ方式の自動巻線機などを用いて、コイルを固定子へ自動挿入することが困難となる。
 例えば、誘導電動機の一時巻線の一相当たりのコイル数を1/2×極数となしたことを特徴とする電動機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
 例えば、一極一相当りのスロット数qがq=A+B/C(但しA≧1の整数,Bは正の整数,C=4,5,7,8とし、B/Cは既約分数とする)で表わされる二層重ね巻の分数スロット巻三相電機子巻線において、全相帯を連続する相帯数がC個ずつとなる巻線群に分け、各々の巻線群に属するコイルのうちの1個のコイルを導体数が他のコイルの約1/2となる2個のコイルに分割し、隣接する両相帯に分配し、この分割コイルを並列回路に分配したことを特徴とする三相電機子巻線が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
 例えば、分割型の固定子を有し、この固定子の分割部をまたがらないようにして単層重ね巻きの三相交流電機子コイルを固定子鉄心に装着し、隣接する上記電機子コイルの端部曲り方向を逆にして極間接続線で接続して成る電動機の電機子巻線において、所定相の上記電機子コイル間の接続部に、所定の電圧ベクトルとなるように接続順序を代える変更用接続線を設けたことを特徴とする電動機の電機子巻線が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
 例えば、環状をなし、内周に沿って内周に開口するスロットが複数配列されるステータコアと、前記ステータコアにおける前記複数のスロットのうちの対をなす奇数ピッチの2つのスロットに挿入される分布巻きコイルと、を備えた回転電機のステータにおいて、前記ステータコアは、前記スロットの底部の位置で周方向に分割され、かつ、分割された各ステータコア構成部分は2つのティースを有し、前記ステータコアの分割位置におけるスロットを区画する対向面のうちの少なくとも一方の面には、コイルの内周側端部の位置よりもステータコアの中心側の位置に突部が形成され、前記突部が形成された部位におけるスロットの周方向の幅がコイルの幅よりも狭められていることを特徴とする回転電機のステータが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
 例えば、電動機の回転子の極対数をP、固定子の巻線を挿入するスロット数をNとする時、N/(6P)が、分母の値が4以上の既約分数となり、かつ、N>3Pの関係を持つ3相交流電動機において、巻線を挿入する各スロットには、3相およびその逆位相の合計6相帯の何れかの巻線を、1スロットにつき2層に分けて配置し、各スロットに配置する2層の巻線のうち、片方の層の巻線配置について、U相、V相及びW相の3相の巻線が、互いに機械角で±120度の回転対称性を持つように配置し、他方の層の巻線配置については、前記回転対称性を有する1層目の巻線の各々の相を電気角で180度の位相反転し、かつ1層目の巻線とはMスロット分だけずらして配置し、前記極対数Pとスロット数N及びスロットずらし数Mが、Tを任意の奇数として、以下の関係式、4/35≦|T-2PM/N|≦8/35を満たすようにしたことを特徴とする3相交流電動機が知られている(例えば、特許文献5参照。)。
 例えば、複数対の磁極を有する回転子と、前記回転子の回転軸方向に形成され、周方向に配列された複数のスロットを有し、前記回転子と径方向に対向配置された固定子と、前記スロットに挿入されて前記固定子に巻装された複数の巻線と、を備え、前記回転子の極数を2P、前記固定子の巻線を挿入するスロット数を6Nとし、スロット数6Nを極対数Pで除した値が既約分数となり、かつ、2N>Pの関係を持つ3相交流電動機の固定子において、スロット数6Nを極数2Pで除した商をXとするとき、前記固定子には、所定の巻数で巻回されたコイルが1相あたり2N個スロット内に配置され、各1つのコイルは直列接続している別の1つのコイルと、電流の向きを合わせて1辺を共有して1つの中央スロットに重ねて配置され、前記の2つのコイルのスロットを共有していない各々の反対側の1辺は、各々スロットが前記中央スロットからXだけ離れている別のスロットに配置されて、前記2つのコイルは3つのスロットに渡って8の字状に連結して配置され、前記の8の字状の連結コイルの組が、前記固定子のスロットに1相あたりN組各々完全には重ならない位置に配置され、各々直列接続されている、ことを特徴とする3相交流電動機が知られている(例えば、特許文献6参照。)。
特開昭49-114713号公報 特開昭59-222066号公報 特開昭63-31439号公報 特開2011-199967号公報 特開2016-5409号公報 特開2017-11959公報
 スロット数を極数で除算した値が既約分数となる三相交流電動機においては、分布巻による巻線の配置が複雑になること、及び、分布巻の重ね巻は固定子へのコイル挿入時にコイルの入れ替え作業が必要であることから、製造における巻線工程の自動化には不向きである。したがって、スロット数を極数で除算した値が既約分数となる三相交流電動機において、自動巻線可能な分布巻の重ね巻コイル構造の実現が望まれている。
 本開示の一態様によれば、周方向の配置されたスロットのスロット数が極数の1.5倍より大きく、スロット数を極数で除算した値が既約分数になる分数スロット型の三相交流電動機の固定子は、同一のコイルピッチを有する2個または3個のコイルの各々が、1スロットピッチずつずれてスロット内に配置されたコイルの組を、複数備え、複数組のコイルの組の各々は、周方向に互いに60度ずれた位置に配置される。
 また、本開示の一態様によれば、三相交流電動機は、上記固定子と、固定子に対して径方向に対向配置された回転子とを備える。
 本開示の一態様によれば、スロット数を極数で除算した値が既約分数となる三相交流電動機において、自動巻線可能な分布巻の重ね巻コイル構造を有する固定子を実現することができる。
本開示の実施形態による10極36スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。 図1に示した固定子の展開断面図である。 図2に示した固定子における各コイル配置を説明する展開断面図である。 図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その1)である。 図4に示した固定子のU相巻線の対称性を説明する断面図である。 図4に示した固定子のV相巻線の対称性を説明する断面図である。 図4に示した固定子のW相巻線の対称性を説明する断面図である。 図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、-U相帯の巻線配置を示す。 図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、+V相帯の巻線配置を示す。 図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、-W相帯の巻線配置を示す。 図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、+U相帯の巻線配置を示す。 図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、-V相帯の巻線配置を示す。 図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、+W相帯の巻線配置を示す。 図8Aに示した-U相帯の巻線配置を示す断面図である。 本開示の実施形態による10極24スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。 図10に示した固定子の展開断面図である。 図11に示した固定子における各コイル配置を説明する展開断面図である。 本開示の実施形態による14極24スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。 図13に示した固定子の展開断面図である。 図13に示した固定子における各コイル配置を説明する展開断面図である。 本開示の実施形態による22極48スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。 図16に示した固定子の展開断面図である。 本開示の実施形態による22極72スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。 図18に示した固定子の展開断面図である。 本開示の実施形態による34極108スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。 図20に示した固定子のスロット識別番号1~54までの展開断面図である。 図20に示した固定子のスロット識別番号55~108までの展開断面図である。 本開示の実施形態による固定子を備える三相交流電動機の外観を例示する図である。 コイル及びこれを備える三相交流電動機を例示する図であって、図3、図12、図15、図17、図19、図21、図22及び図25に示された固定子におけるコイルを例示する。 コイル及びこれを備える三相交流電動機を例示する図であって、三相交流電動機の固定子及び回転子の位置関係を例示する。 本開示の実施形態による固定子におけるコイル群の定義を説明する展開断面図である。
 以下図面を参照して、分布巻の重ね巻コイル構造を有する固定子及びこれを備える三相交流電動機について説明する。各図面において、同様の部材には同様の参照符号が付けられている。また、理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。また、図面に示される形態は実施するための一つの例であり、図示された形態に限定されるものではない。
 以下の説明では、電流が流れる銅線などの線材または線材の束のことを「巻線」と称する。また、線材を使用して、閉じた輪の形状をつくり、同一形状で連結して束で重なっているものを「コイル」と称する。コイルは固定子のスロットに収容されている部分と、収容されていない部分とに分けられるが、各々を明確に分ける際は、前者を「巻線」、後者を「コイルエンド」と称する。また、固定子のスロットに収納されたコイルが跨ぐスロットの数を「コイルピッチ」と称する。
 図24Aは、コイル及びこれを備える三相交流電動機を例示する図であって、図3、図12、図15、図17、図19、図21、図22及び図25に示された固定子におけるコイルを例示する。図24Bは、コイル及びこれを備える三相交流電動機を例示する図であって、三相交流電動機の固定子及び回転子の位置関係を例示する。図24Aに示すように、コイル4は、スロットに収容されるプラス巻線(+巻線)41P及びマイナス巻線(-巻線)41Nと、スロットに収容されないコイルエンド42からなる。また、図24Bに示すように、スロット2にコイル(巻線)4が収容される固定子1に対して、径方向に対向して回転子10が設けられる。回転子10には磁石の磁極21が設けられる。
 スロットに収納されるコイルの巻線(プラス巻線及びマイナス巻線)の2つには、それぞれ位相が180度異なる電流が流れるため、コイルピッチは1極あたり電気角で180度程度、機械角換算で「180度÷極数」程度のコイルピッチが必要である。本開示の実施形態では、コイルピッチは、「スロット数÷極数により得られる値のうちの商である10進法表記上の整数部分」、または「スロット数÷極数により得られる値のうちの商である10進法表記上の整数部分+1」のいずれかで規定している。
 図1は、本開示の実施形態による10極36スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。また、図2は、図1に示した固定子の展開断面図である。また、図3は、図2に示した固定子における各コイル配置を説明する展開断面図である。なお、図1~図3において、回転子の磁極については図示を省略している。また、図1~図3及びこれ以降に示す各図において、U、V、Wは三相交流の各相を表し、各々電気角で±120度の位相差を有している。また、「+」と「-」は電流の向きを示しており、その位相差は電気角で180度である。固定子1のコア3に設けられる各スロット2には、+U、-U、+V、-V、+W、-W相の合計6相帯のいずれかが2つずつ配置される。各配置には、銅線などの電流が流れる線材が、同じ数だけ挿入されている。固定子1は本来は円筒状であるが、ここでは説明を分かり易くするために、円筒状である固定子1を直線的に展開した展開断面図も用いて説明する。
 本開示の実施形態による三相交流電動機は、周方向の配置されたスロット2のスロット数が極数の1.5倍より大きく、スロット数を極数で除算して得られる値が既約分数になる分数スロット型の三相交流電動機であって、固定子1と固定子1に対して径方向に対向配置された回転子とを備える。三相交流電動機の回転子の極対数をPとしたとき、極数は2Pとなる。固定子1の巻線が挿入されるスロット数を6Nとしたとき、スロット数6Nを極数2Pで除算した値は、コイル4のスロットピッチを表す。スロット数6Nを極数2Pで除算した値が1.5より大きい三相交流電動機は、コイルのスロットピッチが2以上となり、分布巻(重ね巻)のコイル構造が必要となる。図1では重ね巻によって同一のコイルピッチ形状を有する複数個のコイルの各々が、1スロットずつずれて、3つのコイルが重ね巻されてスロットに配置されている。このように1スロットずつずれて重ね巻されているコイルを以下「連続コイル数」と称する。図1では全ての重ね巻の組で連続コイル数は3である。
 本開示の実施形態による固定子1は、同一のコイルピッチを有する2個または3個のコイル4の各々が、1スロットピッチずつずれてスロット内に配置されたコイルの組を、複数組備える。さらに複数組のコイルは、全スロットに対し、6つのコイル群に分けられて配置され、より詳しくは、各々のコイル群は60度ずれた位置に配置される。図25は、本開示の実施形態による固定子におけるコイル群の定義を説明する展開断面図である。本明細書では、「(コイルの)組」とは、重ね巻によって同一のコイルピッチ形状を有する複数個(図25に示す例では3個)のコイルからなるグループを意味する。また、「コイル群」は、各々が複数組のコイルからなるグループであって、60度ずつずれた位置にそれぞれ配置されるグループを意味する。
 以下、6つのコイル群の各々を、第1のコイル群、第2のコイル群、第3のコイル群、第4のコイル群、第5のコイル群、及び第6のコイル群と称する。第1~第6のコイル群の各々において、各コイルは、同一のコイルピッチに成形され、1スロットピッチずつずれてスロット内に重ね巻にて配置される。
 10極36スロットの三相交流電動機の場合、図2に示すように、スロット数36を極数10で除算して得られた値の10進法表記上の整数部分である商3が、固定子のコイルピッチとなる。また、固定子1のスロット数が36であるので、U相、V相、及びW相の各コイルが、36スロット全体にわたって均等に6つのコイル群に分割配置され、各々の群で重ね巻が可能となる。図2で示すように10極36スロットの重ね巻の連続コイル数は3である。よって、各々の組において3個のコイルがコイルピッチを3として、6スロットで1組の重ね巻を成し、各組が離れて配置される。これら3個のコイルの各々は、第1相巻線であるU相巻線、第2相巻線であるV相巻線、及び第3相巻線であるW相巻線として構成される。具体的には次の通りである。
 第1のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU1、W1、V1の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。より詳しくは、コイルU1は、スロット識別番号1のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号4のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号1及び4のスロットに配置される。コイルW1は、コイルV1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW1は、スロット識別番号2のスロットに配置される巻線とスロット識別番号5のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号2及び5のスロットに配置される。コイルV1は、コイルW1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV1は、スロット識別番号3のスロットに配置される巻線とスロット識別番号6のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号3及び6のスロットに配置される。
 第2のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV2、U2、W2の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第2のコイル群は、第1のコイル群から周方向(図1に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV2は、スロット識別番号7のスロットに配置される巻線とスロット識別番号10のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号7及び10のスロットに配置される。コイルU2は、コイルV2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU2は、スロット識別番号8のスロットに配置される巻線とスロット識別番号11のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号8及び11のスロットに配置される。コイルW2は、コイルU2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW2は、スロット識別番号9のスロットに配置される巻線とスロット識別番号12のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号9及び12のスロットに配置される。
 第3のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW3、V3、U3の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第3のコイル群は、第2のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW3は、スロット識別番号13のスロットに配置される巻線とスロット識別番号16のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号13及び16のスロットに配置される。コイルV3は、コイルW3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV3は、スロット識別番号14のスロットに配置される巻線とスロット識別番号17のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号14及び17のスロットに配置される。コイルU3は、コイルV3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU3は、スロット識別番号15のスロットに配置される巻線とスロット識別番号18のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号15及び18のスロットに配置される。
 第4のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU4、W4、V4の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第4のコイル群は、第3のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルU4は、スロット識別番号19のスロットに配置される巻線とスロット識別番号22のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号19及び22のスロットに配置される。コイルW4は、コイルU4から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW4は、スロット識別番号20のスロットに配置される巻線とスロット識別番号23のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号20及び23のスロットに配置される。コイルV4は、コイルW4から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV4は、スロット識別番号21のスロットに配置される巻線とスロット識別番号24のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号21及び24のスロットに配置される。
 第5のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV5、U5、W5の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第5のコイル群は、第4のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV5は、スロット識別番号25のスロットに配置される巻線とスロット識別番号28のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号25及び28のスロットに配置される。コイルU5は、コイルV5から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU5は、スロット識別番号26のスロットに配置される巻線とスロット識別番号29のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号26及び29のスロットに配置される。コイルW5は、コイルU5から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW5は、スロット識別番号27のスロットに配置される巻線とスロット識別番号30のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号27及び30のスロットに配置される。
 第6のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW6、V6、U6の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第6のコイル群は、第5のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW6は、スロット識別番号31のスロットに配置される巻線とスロット識別番号34のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号31及び34のスロットに配置される。コイルV6は、コイルW6から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV6は、スロット識別番号32のスロットに配置される巻線とスロット識別番号35のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号32及び35のスロットに配置される。コイルU6は、コイルV6から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU6は、スロット識別番号33のスロットに配置される巻線とスロット識別番号36のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号33及び36のスロットに配置される。
 上述したコイルU1、U2、U3、U4、U5、及びU6は、渡り線によって連結され、固定子1におけるU相巻線として構成される。また、上述したコイルV1、V2、V3、V4、V5、及びV6は、渡り線によって連結され、固定子1におけるV相巻線として構成される。また、上述したコイルW1、W2、W3、W4、W5、及びW6は、渡り線によって連結され、固定子1におけるW相巻線として構成される。10極36スロットの三相交流電動機は、上述の固定子1と固定子1に対して径方向に対向配置された回転子とを備える。
 このように、10極36スロットの三相交流電動機の場合、1スロット1コイルの1層巻で巻ける巻線配置が必ず存在する。そのため、固定子構成に必要なコイル数が減る。また、第1のコイル群から、第6のコイル群に分けてコイルを配置することで、全周巻きとはならず、固定子の周方向にて、60度毎にコイルエンドが重ならない部分ができ、固定子にコイルを挿入するときに、従来の重ね巻のようなコイルの入れ替え作業が不要である。つまり、巻線作業の自動化が容易となる。また、コイルピッチ(=スロット数÷極数により得られる値の10進法表記上の整数部分である商)は3である。すなわち、分布巻のコイルピッチとしては比較的小さな値となり、コイルエンドを短くすることが可能である。
 また、1スロット1コイルの1層巻で巻いた重ね巻では、スロット内で3相交流のうち1種類の相の巻線しか存在しないため、スロット内で相間を絶縁する絶縁紙が不要である。
 さらに、1スロット1コイルの1層巻で巻いた重ね巻のコイルエンドでは、隣接する2つ以上のコイルエンドが平行に配置されるため、各々のコイルエンドで相間絶縁紙を挿入することが容易である。
 なお、第1のコイル群から第6のコイル群を固定子のスロットに、60度毎に配置するため、本発明の対象の固定子のスロット数は6の倍数に限定される。
 本開示の実施形態を実現するためのコイルピッチ及び連続コイル数の規定について、極数2Pとスロット数6Nとの組み合わせからなる三相交流電動機についての実験から、次の3種類の形態(I)~(III)が存在することがわかっている。これら形態(I)~(III)は、本開示の実施形態を適用するためのスロット数と極数の必要条件に相当する。
 形態(I) 0.5<N/P<1(あるいは、1.5<スロット数÷極数<3)の場合は、コイルピッチ=2、連続コイル数=2、連続する重ね巻の占有スロット数=4である。
 形態(II) 1<N/P<2(あるいは、3<スロット数÷極数<4)の場合は、コイルピッチ=3、連続コイル数=3、連続する重ね巻の占有スロット数=6である。
 形態(III) N/P>2(あるいは、スロット数÷極数>4)の場合は、1スロットにつき、1層巻で巻ける重ね巻の方法は存在しない。つまり、本開示の実施形態の適用外である。
 ただし、上述の形態(I)~(III)において、Nはスロット数6Nを6で除した値であり、整数である。また、Pは5以上の奇数である。
 10極36スロットの三相交流電動機の場合、スロット数36を極数10で除算した値は3.6となり、上述の形態(II)の場合に該当する。実際のところ、図1~図3に示した10極36スロットの三相交流電動機では、コイルピッチは3、連続コイル数は3、連続する重ね巻占有スロットは6である。
 続いて、本開示の実施形態による固定子における巻線配置の対称性を説明する。
 図4は、図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図である。図5は、図4に示した固定子のU相巻線の対称性を説明する断面図である。図6は、図4に示した固定子のV相巻線の対称性を説明する断面図である。図7は、図4に示した固定子のW相巻線の対称性を説明する断面図である。なお、図5~図7においては、回転子10の磁極21についても図示している。
 図1に示した10極36スロットの三相交流電動機の固定子において、図4及び図5に示すように、第1のコイル群U1、第2のコイル群U2及び第3のコイル群U3における第1相巻線(U相巻線)と、第6のコイル群U6、第5のコイル群U5及び第4のコイル群U4における第1相巻線(U相巻線)とは、固定子1の周平面上における第1の対称軸100Uに対して線対称に配置される。また、図4及び図6に示すように、第2のコイル群V2、第3のコイル群V3及び第4のコイル群V4における第2相巻線(V相巻線)と、第1のコイル群V1、第6のコイル群V6及び第5のコイル群V5における第2相巻線(V相巻線)とは、固定子1の周平面上における第2の対称軸100Vに対して線対称に配置される。また、図4及び図7に示すように、第3のコイル群W3、第4のコイル群W4及び第5のコイル群W5における第3相巻線(W相巻線)と、第2のコイル群W2、第1のコイル群W1及び第6のコイル群W6における第3相巻線(W相巻線)とは、固定子1の周平面上における第3の対称軸100Wに対して線対称に配置される。第1の対称軸100Uと、第2の対称軸100Vと、第3の対称軸100Wとは、互いに60度ずれて配置される。
 スロット数が極数の1.5倍より大きく、スロット数を極数で割った値が既約分数である分数スロット型の三相交流電動機において、回転子の極対数(=極数÷2)が5以上の奇数である場合、上述したような巻線配置の対称性が存在する。
 図8Aは、図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、-U相帯の巻線配置を示す。図8Bは、図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、+V相帯の巻線配置を示す。図8Cは、図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、-W相帯の巻線配置を示す。図8Dは、図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、+U相帯の巻線配置を示す。図8Eは、図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、-V相帯の巻線配置を示す。 図8Fは、図1に示した10極36スロットの三相交流電動機における固定子の巻線配置の対称性を説明する断面図(その2)であって、+W相帯の巻線配置を示す。図8Aにおいて、参照符号61は-U相帯の線対称軸であって、配置方向を示すベクトルを示す。図8Bにおいて、参照符号62は、+V相帯の線対称軸であって、配置方向を示すベクトルを示す。図8Cにおいて、参照符号63は、-W相帯の線対称軸であって、配置方向を示すベクトルを示す。図8Dにおいて、参照符号64は、+U相帯の線対称軸であって、配置方向を示すベクトルを示す。図8Eにおいて、参照符号65は、-V相帯の線対称軸であって、配置方向を示すベクトルを示す。図8Fにおいて、参照符号66は、+W相帯の線対称軸であって、配置方向を示すベクトルを示す。
 また、図9は、図8Aに示した-U相帯の巻線配置を示す断面図である。10極36スロットの三相交流電動機の固定子1において、同一相帯(図9に示す例では-U相帯)の巻線について、隣の巻線までのスロットピッチが70度である場合が5か所存在し、10度である場合が1か所存在する。つまり、スロット数を極数で割った値が既約分数である分数スロット型の三相交流電動機の固定子においては、巻線配置は均等な角度では分布せず、すなわち回転対称性はない。一方で極対数が5以上の奇数の場合には、線対称軸が必ず存在する。これは次の理由に基づく。
 ±U、±V、±Wの6相帯の各々について、固定子のコイルに発生する誘起電圧の波形が正弦波に近づくように巻線の配置を最適化すると、各々の相帯の巻線は、等分布になるように、かつ、360÷極対数Pの値に近いスロットピッチで配置されるため、巻線は正P角形(ただし、Pは極対数)に近づくように配置される。
 一般的に極対数Pが奇数の場合、正P角形はP回の回転対称性を有するほか、各頂点、及びその頂点の対辺の中心を垂直に通る線を軸にした線対称性も有する。
 ±U、±V、±Wの6相帯のうち、1相分の巻線を分数スロット型固定子のスロットに配置すると、奇数P個の頂点を持つ正P角形に近づくように巻線は配置される。巻線の配置は回転対称性を持つことはできないが、「P-1」は必ず偶数となるため、P個ある頂点のうち、ある1つの頂点を除き、連続する(P-1)/2個の頂点と、その隣に続く(P-1)/2個の頂点は、線対称となるように配置される。また、その線対称線は残りの1つの頂点を通る。
 例えば、図9を用いて図2の巻線配置を持つ10極36スロットの三相交流電動機を例にとり説明する。図9では±U、±V、±Wの6相帯のうち、-U相の巻線の配置を提示している。-Uの巻線は、-U1、-U2、-U3、-U4、-U5、及び-U6の合計6個であり、隣接する-U1と-U6を一塊と考えると6個の-U相の巻線配置は正5角形に近い形を成している。
 -U相の巻線回転子の極対数が5であるため、電気角360度となる1極対の周期は機械角で換算すると360÷5=72度となる。一方で、スロット数は36スロットなので、1つのスロットピッチは360÷36=10度である。ある-U相の巻線から隣の-Uの巻線までのスロットピッチは、電気角1周期分の機械角72度が望ましい。しかしながら、-U6と-U1のスロットピッチとでは1スロット分の10度、-U1と-U2、-U2と-U3、-U3と-U4、-U4と-U5、及び、-U5と-U6の各々のスロットピッチでは72度に近い7スロット分の70度しか取れない。したがって、-Uの巻線配置には回転対称性はない。また、巻線の等分布性から、6個の-U相の巻線のうち、2個の巻線(-U2、-U3)と続く2個の巻線(-U4、-U5)は100Uを線対称軸として、線対称に配置される。さらに線対称軸100Uは-U1と-U6との線対称軸でもあるため、結果として、100Uは6個の-U相の巻線を2分する線対称軸であるといえる。同様の理由で、残りの各5相帯の巻線配置も、回転対称性を持たないが、線対称軸を有する。また、10極36スロットの三相交流電動機の場合、-U相と+U相とについての線対称軸100U、-V相と+V相とについての線対称軸100V、-W相と+W相とについての線対称軸100Wは、コイル群を分割する線と一致する。
 以上、巻線の線対称性についてまとめると、U相巻線は線対称となる軸を1つ有するように配置され、V相巻線は線対称となる軸を1つ有するように配置され、W相巻線は線対称となる軸を1つ有するように配置される。すなわち、U相巻線は線対称軸100Uに対して線対称に配置され、V相巻線は線対称軸100Vに対して線対称に配置され、W相巻線は線対称軸100Wに対して線対称に配置される。これは、極対数Pが奇数で、なおかつスロット数を極数で除算した値が規約分数となる三相交流電動機の特徴である。
 なお、コイルのコイルエンドは、巻線の+の相と、その近くの-の相とを繋いでいるだけなので、巻線の線対称軸が6つのコイル群の分割線と一致するかどうかは、極数とスロット数との組み合わせ次第で決まる。形態(I)が成り立つとき、各相の線対称軸は各コイル群の分割線と一致しない。一方で、形態(II)が成り立つとき、各相の線対称軸は各コイル群の分割線と一致することがわかっている。これは、形態(I)の場合、重ね巻の連続コイル数が2であり、1組の重ね巻のコイル2個に3相のうち2相が割り当てられるため、1組の重ね巻で3相が不均等になる。そのため、ある1相の線対称軸は残り2相の重ね巻の組を真ん中から分断するように位置し、それら残り2相のコイルのコイルエンドと交差する。これに対し、形態(II)の場合、重ね巻の連続コイル数が3であり、各組の重ね巻で3相のうち3相全てが均等に割り当てられるため、スロットを均等に分割するコイル群の分割線は、必ず各相の線対称軸と一致する。
 実際のところ、10極36スロットの三相交流電動機の場合、各相の巻線の線対称軸100U、100V、及び100Wは、第1から第6のコイル群を分割する線と一致している。
 続いて、10極24スロットの三相交流電動機における固定子について説明する。
 図10は、本開示の実施形態による10極24スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。また、図11は、図10に示した固定子の展開断面図である。また、図12は、図11に示した固定子における各コイル配置を説明する展開断面図である。なお、図10~図12において、回転子の磁極については図示を省略している。
 10極24スロットの三相交流電動機は、スロット数24を極数10で除算した値が2.4であるので、「スロット数が極数の1.5倍より大きい」の要件を満たす。また、スロット数24を極数10で除算した値である12/5は既約分数であるので、分数スロット型であるといえる。
 10極24スロットの三相交流電動機は、形態(I)の場合に該当し、コイルピッチは2、連続コイル数は2となる。よって、コイルピッチを2とするコイルが2個、スロットピッチが1ずつずれて4スロットにわたって1組配置される。したがって、固定子1のスロット数が24であるので、U相、V相、及びW相の各コイルが、24スロット全体にわたって均等に6つのコイル群に分割配置され、各々の群で重ね巻が可能となる。これら重ね巻の各組2個のコイルの各々が、第1相巻線であるU相巻線、第2相巻線であるV相巻線、及び第3相巻線であるW相巻線のうちのいずれか2つとして構成される。
 第1のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルW1、V1の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。より詳しくは、コイルW1は、スロット識別番号1のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号3のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号1及び3のスロットに配置される。コイルV1は、コイルW1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV1は、スロット識別番号2のスロットに配置される巻線とスロット識別番号4のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号2及び4のスロットに配置される。
 第2のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルU2、W2の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第2のコイル群は、第1のコイル群から周方向(図10に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルU2は、スロット識別番号5のスロットに配置される巻線とスロット識別番号7のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号5及び7のスロットに配置される。コイルW2は、コイルU2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW2は、スロット識別番号6のスロットに配置される巻線とスロット識別番号8のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号6及び8のスロットに配置される。
 第3のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルV3、U3の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第3のコイル群は、第2のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV3は、スロット識別番号9のスロットに配置される巻線とスロット識別番号11のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号9及び11のスロットに配置される。コイルU3は、コイルV3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU3は、スロット識別番号10のスロットに配置される巻線とスロット識別番号12のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号10及び12のスロットに配置される。
 第4のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルW4、V4の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第4のコイル群は、第3のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW4は、スロット識別番号13のスロットに配置される巻線とスロット識別番号15のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号13及び15のスロットに配置される。コイルV4は、コイルW4から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV4は、スロット識別番号14のスロットに配置される巻線とスロット識別番号16のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号14及び16のスロットに配置される。
 第5のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルU5、W5の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第5のコイル群は、第4のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルU5は、スロット識別番号17のスロットに配置される巻線とスロット識別番号19のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号17及び19のスロットに配置される。コイルW5は、コイルU5から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW5は、スロット識別番号18のスロットに配置される巻線とスロット識別番号20のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号18及び20のスロットに配置される。
 第6のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルV6、U6の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第6のコイル群は、第5のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV6は、スロット識別番号21のスロットに配置される巻線とスロット識別番号23のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号21及び23のスロットに配置される。コイルU6は、コイルV6から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU6は、スロット識別番号22のスロットに配置される巻線とスロット識別番号24のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号22及び24のスロットに配置される。
 上述したコイルU2、U3、U5、及びU6は、渡り線によって連結され、固定子1におけるU相巻線として構成される。また、上述したコイルV1、V3、V4、及びV6は、渡り線によって連結され、固定子1におけるV相巻線として構成される。また、上述したコイルW1、W2、W4、及びW5は、渡り線によって連結され、固定子1におけるW相巻線として構成される。10極24スロットの三相交流電動機は、上述の固定子1と固定子1に対して径方向に対向配置された回転子とを備える。
 また、各相の巻線の線対称軸100U、100V、及び100Wはいずれも、第1から第6のコイル群を分割する線100とは一致しない。
 続いて、14極24スロットの三相交流電動機における固定子について説明する。
 図13は、本開示の実施形態による14極24スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。また、図14は、図13に示した固定子の展開断面図である。また、図15は、図13に示した固定子における各コイル配置を説明する展開断面図である。なお、図13~図15において、回転子の磁極については図示を省略している。
 14極24スロットの三相交流電動機は、スロット数24を極数14で除算した値が約1.7であるので、「スロット数が極数の1.5倍より大きい」の要件を満たす。また、スロット数24を極数14で除算した値である12/7は既約分数であるので、分数スロット型であるといえる。
 14極24スロットの三相交流電動機の場合、図14に示すように、スロット数24を極数14で除算して得られた値が約1.7となるため形態(I)の場合に該当し、コイルピッチは2、連続コイル数は2となる。よって、コイルピッチを2とするコイルが2個、スロットピッチが1つずつずれて、4スロットにわたって1組配置される。したがって、U相、V相、及びW相の各コイルが、24スロット全体にわたって均等に6つのコイル群に分割配置され、各々のコイル群で離れた重ね巻が可能となる。これら重ね巻の各組2個のコイルの各々が、第1相巻線であるU相巻線、第2相巻線であるV相巻線、及び第3相巻線であるW相巻線のうちのいずれか2つとして構成される。
 第1のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルW1、U1の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。より詳しくは、コイルW1は、スロット識別番号1のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号3のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号1及び3のスロットに配置される。コイルU1は、コイルW1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU1は、スロット識別番号2のスロットに配置される巻線とスロット識別番号4のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号2及び4のスロットに配置される。
 第2のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルV2、W2の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第2のコイル群は、第1のコイル群から周方向(図13に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV2は、スロット識別番号5のスロットに配置される巻線とスロット識別番号7のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号5及び7のスロットに配置される。コイルW2は、コイルU2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW2は、スロット識別番号6のスロットに配置される巻線とスロット識別番号8のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号6及び8のスロットに配置される。
 第3のコイル群では、同一のコイルを有する2個のコイルU3、V3の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第3のコイル群は、第2のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルU3は、スロット識別番号9のスロットに配置される巻線とスロット識別番号11のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号9及び11のスロットに配置される。コイルV3は、コイルU3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV3は、スロット識別番号10のスロットに配置される巻線とスロット識別番号12のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号10及び12のスロットに配置される。
 第4のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルW4、U4の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第4のコイル群は、第3のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW4は、スロット識別番号13のスロットに配置される巻線とスロット識別番号15のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号13及び15のスロットに配置される。コイルU4は、コイルW4から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU4は、スロット識別番号14のスロットに配置される巻線とスロット識別番号16のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号14及び16のスロットに配置される。
 第5のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルV5、U5の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第5のコイル群は、第4のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV5は、スロット識別番号17のスロットに配置される巻線とスロット識別番号19のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号17及び19のスロットに配置される。コイルU5は、コイルV5から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU5は、スロット識別番号18のスロットに配置される巻線とスロット識別番号20のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号18及び20のスロットに配置される。
 第6のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルU6、V6の各々が、1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される。また、第6のコイル群は、第5のコイル群から上記周方向と同一の方向(すなわち時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルU6は、スロット識別番号21のスロットに配置される巻線とスロット識別番号23のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号21及び23のスロットに配置される。コイルV6は、コイルU6から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV6は、スロット識別番号22のスロットに配置される巻線とスロット識別番号24のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号22及び24のスロットに配置される。
 上述したコイルU1、U3、U5、及びU6は、渡り線によって連結され、固定子1におけるU相巻線として構成される。また、上述したコイルV2、V3、V5、及びV6は、渡り線によって連結され、固定子1におけるV相巻線として構成される。また、上述したコイルW1、W2、W4、及びW6は、渡り線によって連結され、固定子1におけるW相巻線として構成される。14極24スロットの三相交流電動機は、上述の固定子1と固定子1に対して径方向に対向配置された回転子とを備える。
 また、各相の巻線の線対称軸100U、100V、及び100Wはいずれも、第1から第6のコイル群を分割する線100とは一致しない。
 続いて、22極48スロットの三相交流電動機における固定子について説明する。
 図16は、本開示の実施形態による22極48スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。また、図17は、図16に示した固定子の展開断面図である。
 22極48スロットの三相交流電動機は、スロット数48を極数22で除算した値が約2.2であるので、「スロット数が極数の1.5倍より大きい」の要件を満たす。また、スロット数48を極数22で除算した値である24/11は既約分数であるので、分数スロット型であるといえる。
 22極48スロットの三相交流電動機は形態(I)の場合に該当し、コイルピッチは2、連続コイル数は2となる。よって、コイルピッチを2とするコイルが2個、スロットピッチが1つずつずれて、4スロットにわたって重ね巻が1組配置される。そしてこの1組の重ね巻からさらに周方向に4スロットずれて、コイルピッチが2、連続コイル2となるように4スロットにわたった重ね巻がもう1組配置され、合計2組の重ね巻が8スロットにわたって配置される。これら2組の重ね巻を1つのコイル群とすると、そのコイル群は48スロット全体にわたって均等に6つのコイル群に分割配置され、各々のコイル群で離れた重ね巻が可能となる。また、各重ね巻の組の2個のコイルの各々が、第1相巻線であるU相巻線、第2相巻線であるV相巻線、及び第3相巻線であるW相巻線のいずれか2相として構成される。
 第1のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルU1-1及びW1-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に4スロットずれて、同一のコイルピッチを有する2個のコイルU1-2及びV1-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。より詳しくは、コイルU1-1は、スロット識別番号1のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号3のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号1及び3のスロットに配置される。コイルW1-1は、コイルU1-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW1-1は、スロット識別番号2のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号4のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号2及び4のスロットに配置される。コイルU1-2は、コイルU1-1から4スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU1-2は、スロット識別番号5のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号7のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号5及び7のスロットに配置される。コイルV1-2は、コイルU1-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV1-2は、スロット識別番号6のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号8のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号6及び8のスロットに配置される。
 第2のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルW2-1及びV2-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に4スロットずれて、同一のコイルピッチを有する2個のコイルW2-2及びU2-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第2のコイル群は、第1のコイル群から周方向(図16に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW2-1は、スロット識別番号9のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号11のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号9及び11のスロットに配置される。コイルV2-1は、コイルW2-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV2-1は、スロット識別番号10のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号12のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号10及び12のスロットに配置される。コイルW2-2は、コイルW2-1から4スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW2-2は、スロット識別番号13のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号15のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号13及び15のスロットに配置される。コイルU2-2は、コイルW2-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU2-2は、スロット識別番号14のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号16のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号14及び16のスロットに配置される。
 第3のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルV3-1及びU3-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に4スロットずれて、同一のコイルピッチを有する2個のコイルV3-2及びW3-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第3のコイル群は、第2のコイル群から周方向(図16に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV3-1は、スロット識別番号17のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号19のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号17及び19のスロットに配置される。コイルU3-1は、コイルV3-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU3-1は、スロット識別番号18のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号20のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号18及び20のスロットに配置される。コイルV3-2は、コイルV3-1から4スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV3-2は、スロット識別番号21のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号23のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号21及び23のスロットに配置される。コイルW3-2は、コイルV3-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW3-2は、スロット識別番号22のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号24のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号22及び24のスロットに配置される。
 第4のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルU4-1及びW4-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に4スロットずれて、同一のコイルピッチを有する2個のコイルU4-2及びV4-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第4のコイル群は、第3のコイル群から周方向(図16に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルU4-1は、スロット識別番号25のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号27のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号25及び27のスロットに配置される。コイルW4-1は、コイルU4-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW4-1は、スロット識別番号26のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号28のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号26及び28のスロットに配置される。コイルU4-2は、コイルU4-1から4スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU4-2は、スロット識別番号29のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号31のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号29及び31のスロットに配置される。コイルV4-2は、コイルU4-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV4-2は、スロット識別番号30のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号32のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号30及び32のスロットに配置される。
 第5のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルW5-1及びV5-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に4スロットずれて、同一のコイルピッチを有する2個のコイルW5-2及びU5-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第5のコイル群は、第4のコイル群から周方向(図16に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW5-1は、スロット識別番号33のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号35のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号33及び35のスロットに配置される。コイルV5-1は、コイルW5-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV5-1は、スロット識別番号34のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号36のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号34及び36のスロットに配置される。コイルW5-2は、コイルS5-1から4スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW5-2は、スロット識別番号37のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号39のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号37及び39のスロットに配置される。コイルU5-2は、コイルW5-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU5-2は、スロット識別番号38のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号40のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号38及び40のスロットに配置される。
 第6のコイル群では、同一のコイルピッチを有する2個のコイルV6-1及びU6-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に4スロットずれて、同一のコイルピッチを有する2個のコイルV6-2及びW6-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第6のコイル群は、第5のコイル群から周方向(図16に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV6-1は、スロット識別番号41のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号43のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号41及び43のスロットに配置される。コイルU6-1は、コイルV6-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU6-1は、スロット識別番号42のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号44のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号42及び44のスロットに配置される。コイルV6-2は、コイルV6-1から4スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV6-2は、スロット識別番号45のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号47のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号45及び47のスロットに配置される。コイルW6-2は、コイルV6-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW6-2は、スロット識別番号46のスロットに配置される巻線と2コイルピッチずれたスロット識別番号48のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号46及び48のスロットに配置される。
 上述したコイルU1-1、U1-2、U2-2、U3-1、U4-1、U4-2、U5-2、及びU6-1は、渡り線によって連結され、固定子1におけるU相巻線として構成される。また、上述したコイルV1-2、V2-1、V2-2、V3-2、V4-2、V5-1、V5-2及びV6-2は、渡り線によって連結され、固定子1におけるV相巻線として構成される。また、上述したコイルW1-1、W2-1、W2-2、W3-2、W4-1、W5-1、W5-2、及びW6-2は、渡り線によって連結され、固定子1におけるW相巻線として構成される。22極48スロットの三相交流電動機は、上述の固定子1と固定子1に対して径方向に対向配置された回転子とを備える。
 また、22極48スロットの三相交流電動機においては、各相の線対称軸100U、100V、及び100Wはいずれも、第1から第6のコイル群を分割する線(100)と一致しない。
 続いて、22極72スロットの三相交流電動機における固定子について説明する。
 図18は、本開示の実施形態による22極72スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。また、図19は、図18に示した固定子の展開断面図である。
 例えば22極72スロットの三相交流電動機は、スロット数72を極数22で除算した値が約3.3であるので、「スロット数が極数の1.5倍より大きい」の要件を満たす。また、スロット数72を極数22で除算した値である36/11は既約分数であるので、分数スロット型であるといえる。
 22極72スロットの三相交流電動機は形態(II)の場合に該当し、コイルピッチは3、連続コイル数は3となる。よって、コイルピッチを3とするコイルが3個、スロットピッチが1つずつずれて、6スロットにわたって配置される。またさらに、第1から第6のコイル群は各々、12(=72÷6)スロットが割り当てられるため、1つのコイル群につき、6スロット占有する重ね巻のコイルの組を2組配置することができる。したがって、コイルピッチが3、連続コイル3となるように6スロットにわたった重ね巻の組が2組配置され、合計12スロットにわたり2組の重ね巻が配置される。これら2組の重ね巻を1つのコイル群とすると、そのコイル群は72スロット全体にわたって均等に6つのコイル群に分割配置され、各々のコイル群で2組の離れた重ね巻が配置される。また、各組3個のコイルの各々が、第1相巻線であるU相巻線、第2相巻線であるV相巻線、及び第3相巻線であるW相巻線として構成される。
 第1のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU1-1、W1-1及びV1-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU1-2、W1-2及びV1-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。より詳しくは、コイルU1-1は、スロット識別番号1のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号4のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号1及び4のスロットに配置される。コイルW1-1は、コイルU1-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW1-1は、スロット識別番号2のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号5のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号2及び5のスロットに配置される。コイルV1-1は、コイルW1-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV1-1は、スロット識別番号3のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号6のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号3及び6のスロットに配置される。コイルU1-2は、コイルU1-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU1-2は、スロット識別番号7のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号10のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号7及び10のスロットに配置される。コイルW1-2は、コイルU1-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW1-2は、スロット識別番号8のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号11のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号8及び11のスロットに配置される。コイルV1-2は、コイルW1-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV1-2は、スロット識別番号9のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号12のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号9及び12のスロットに配置される。
 第2のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV2-1、U2-1及びW2-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV2-2、U2-2及びW2-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第2のコイル群は、第1のコイル群から周方向(図18に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV2-1は、スロット識別番号13のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号16のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号13及び16のスロットに配置される。コイルU2-1は、コイルV2-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU2-1は、スロット識別番号14のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号17のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号14及び17のスロットに配置される。コイルW2-1は、コイルU2-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW2-1は、スロット識別番号15のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号18のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号15及び18のスロットに配置される。コイルV2-2は、コイルV2-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV2-2は、スロット識別番号19のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号22のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号19及び22のスロットに配置される。コイルU2-2は、コイルV2-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU2-2は、スロット識別番号20のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号23のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号20及び23のスロットに配置される。コイルW2-2は、コイルU2-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW2-2は、スロット識別番号21のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号24のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号21及び24のスロットに配置される。
 第3のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW3-1、V3-1及びU3-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW3-2、V3-2及びU3-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第3のコイル群は、第2のコイル群から周方向(図18に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW3-1は、スロット識別番号25のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号28のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号25及び28のスロットに配置される。コイルV3-1は、コイルW3-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV3-1は、スロット識別番号26のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号29のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号26及び29のスロットに配置される。コイルU3-1は、コイルV3-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU3-1は、スロット識別番号27のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号30のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号27及び30のスロットに配置される。コイルW3-2は、コイルW3-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW3-2は、スロット識別番号31のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号34のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号31及び34のスロットに配置される。コイルV3-2は、コイルW3-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV3-2は、スロット識別番号32のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号35のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号32及び35のスロットに配置される。コイルU3-2は、コイルV3-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU3-2は、スロット識別番号33のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号36のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号33及び36のスロットに配置される。
 第4のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU4-1、W4-1及びV4-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU4-2、W4-2及びV4-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第4のコイル群は、第3のコイル群から周方向(図18に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルU4-1は、スロット識別番号37のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号40のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号37及び40のスロットに配置される。コイルW4-1は、コイルU4-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW4-1は、スロット識別番号38のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号41のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号38及び41のスロットに配置される。コイルV4-1は、コイルW4-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV4-1は、スロット識別番号39のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号42のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号39及び42のスロットに配置される。コイルU4-2は、コイルU4-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU4-2は、スロット識別番号43のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号46のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号43及び46のスロットに配置される。コイルW4-2は、コイルU4-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW4-2は、スロット識別番号44のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号47のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号44及び47のスロットに配置される。コイルV4-2は、コイルW4-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV4-2は、スロット識別番号45のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号48のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号45及び48のスロットに配置される。
 第5のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV5-1、U5-1及びW5-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV5-2、U5-2及びW5-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第5のコイル群は、第4のコイル群から周方向(図18に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV5-1は、スロット識別番号49のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号52のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号49及び52のスロットに配置される。コイルU5-1は、コイルV5-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU5-1は、スロット識別番号50のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号53のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号50及び53のスロットに配置される。コイルW5-1は、コイルU5-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW5-1は、スロット識別番号51のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号54のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号51及び54のスロットに配置される。コイルV5-2は、コイルV5-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV5-2は、スロット識別番号55のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号58のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号55及び58のスロットに配置される。コイルU5-2は、コイルV5-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU5-2は、スロット識別番号56のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号59のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号56及び59のスロットに配置される。コイルW5-2は、コイルU5-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW5-2は、スロット識別番号57のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号60のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号57及び60のスロットに配置される。
 第6のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW6-1、V6-1及びU6-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW6-2、V6-2及びU6-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第6のコイル群は、第5のコイル群から周方向(図18に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW6-1は、スロット識別番号61のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号64のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号61及び64のスロットに配置される。コイルV6-1は、コイルW6-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV6-1は、スロット識別番号62のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号65のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号62及び65のスロットに配置される。コイルU6-1は、コイルV6-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU6-1は、スロット識別番号63のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号66のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号63及び66のスロットに配置される。コイルW6-2は、コイルW6-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW6-2は、スロット識別番号67のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号70のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号67及び70のスロットに配置される。コイルV6-2は、コイルW6-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV6-2は、スロット識別番号68のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号71のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号68及び71のスロットに配置される。コイルU6-2は、コイルV6-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU6-2は、スロット識別番号69のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号72のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号69及び72のスロットに配置される。
 上述したコイルU1-1、U1-2、U2-1、U2-2、U3-1、U3-2、U4-1、U4-2、U5-1、U5-2、U6-1及びU6-2は、渡り線によって連結され、固定子1におけるU相巻線として構成される。また、上述したコイルV1-1、V1-2、V2-1、V2-2、V3-1、V3-2、V4-1、V4-2、V5-1、V5-2、V6-1及びV6-2は、渡り線によって連結され、固定子1におけるV相巻線として構成される。また、上述したコイルW1-1、W1-2、W2-1、W2-2、W3-1、W3-2、W4-1、W4-2、W5-1、W5-2、W6-1及びW6-2は、渡り線によって連結され、固定子1におけるW相巻線として構成される。22極72スロットの三相交流電動機は、上述の固定子1と固定子1に対して径方向に対向配置された回転子とを備える。
 また、22極72スロットの三相交流電動機においては、各相の線対称軸100U、100V、及び100Wは、第1から第6のコイル群を分割する線と一致する。
 続いて、34極108スロットの三相交流電動機における固定子について説明する。
 図20は、本開示の実施形態による34極108スロットの三相交流電動機における固定子の断面図である。また、図21は、図20に示した固定子のスロット識別番号1~54までの展開断面図である。また、図22は、図20に示した固定子のスロット識別番号55~108までの展開断面図である。
 例えば34極108スロットの三相交流電動機は、スロット数108を極数34で除算した値が約3.2であるので、「スロット数が極数の1.5倍より大きい」の要件を満たす。また、スロット数108を極数34で除算した値である54/17は既約分数であるので、分数スロット型であるといえる。
 34極108スロットの三相交流電動機は形態(II)の場合に該当し、コイルピッチは3、連続コイル数は3となる。よって、コイルピッチを3とするコイルが3個、スロットピッチが1つずつずれて、6スロットにわたって重ね巻が1組配置される。またさらに、第1から第6のコイル群は各々、18(=108÷6)スロットが割り当てられるため、1つのコイル群につき、6スロット占有する重ね巻のコイルの組を3組、配置することができる。従って、コイルピッチが3、連続コイル3となるように6スロットにわたった重ね巻のコイルの組が3組配置され、合計18スロットにわたり3組の重ね巻が配置される。これら3組の重ね巻を1つのコイル群とすると、そのコイル群は108スロット全体にわたって均等に6つのコイル群に分割配置され、各々のコイル群で離れた重ね巻が可能となる。また、各重ね巻の組の3個のコイルの各々が、第1相巻線であるU相巻線、第2相巻線であるV相巻線、及び第3相巻線であるW相巻線として構成される。
 第1のコイル群は、スロット識別番号1~18のスロットに配置される。第2のコイル群は、第1のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置であるスロット識別番号19~36のスロットに配置される。第3のコイル群は、第2のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置であるスロット識別番号37~54のスロットに配置される。第4のコイル群は、第3のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置であるスロット識別番号55~72のスロットに配置される。第5のコイル群は、第4のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置であるスロット識別番号73~90のスロットに配置される。第6のコイル群は、第5のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置であるスロット識別番号91~108のスロットに配置される。
 第1のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU1-1、W1-1及びV1-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU1-2、W1-2及びV1-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU1-3、W1-3及びV1-3の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。より詳しくは、コイルU1-1は、スロット識別番号1のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号4のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号1及び4のスロットに配置される。コイルW1-1は、コイルU1-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW1-1は、スロット識別番号2のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号5のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号2及び5のスロットに配置される。コイルV1-1は、コイルW1-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV1-1は、スロット識別番号3のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号6のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号3及び6のスロットに配置される。コイルU1-2は、コイルU1-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU1-2は、スロット識別番号7のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号10のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号7及び10のスロットに配置される。コイルW1-2は、コイルU1-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW1-2は、スロット識別番号8のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号11のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号8及び11のスロットに配置される。コイルV1-2は、コイルW1-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV1-2は、スロット識別番号9のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号12のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号9及び12のスロットに配置される。コイルU1-3は、コイルU1-2から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU1-3は、スロット識別番号13のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号16のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号13及び16のスロットに配置される。コイルW1-3は、コイルU1-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW1-2は、スロット識別番号14のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号17のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号14及び17のスロットに配置される。コイルV1-3は、コイルW1-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV1-3は、スロット識別番号15のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号18のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号15及び18のスロットに配置される。
 第2のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV2-1、U2-1及びW2-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV2-2、U2-2及びW2-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV2-3、U2-3及びW2-3の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第3のコイル群は、第2のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV2-1は、スロット識別番号19のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号22のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号19及び22のスロットに配置される。コイルU2-1は、コイルV2-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU2-1は、スロット識別番号20のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号23のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号20及び23のスロットに配置される。コイルW2-1は、コイルU2-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW2-1は、スロット識別番号21のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号24のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号21及び24のスロットに配置される。コイルV2-2は、コイルV2-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV2-2は、スロット識別番号25のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号28のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号25及び28のスロットに配置される。コイルU2-2は、コイルV2-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU2-2は、スロット識別番号26のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号29のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号26及び29のスロットに配置される。コイルW2-2は、コイルU2-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW2-2は、スロット識別番号27のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号30のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号21及び24のスロットに配置される。コイルV2-3は、コイルV2-2から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV2-3は、スロット識別番号31のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号34のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号31及び34のスロットに配置される。コイルU2-3は、コイルV2-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU2-3は、スロット識別番号32のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号35のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号32及び35のスロットに配置される。コイルW2-3は、コイルU2-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW2-3は、スロット識別番号33のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号36のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号33及び36のスロットに配置される。
 第3のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW3-1、V3-1及びU3-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW3-2、V3-2及びU3-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW3-3、V3-3及びU3-3の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第3のコイル群は、第2のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW3-1は、スロット識別番号37のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号40のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号37及び40のスロットに配置される。コイルV3-1は、コイルW3-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV3-1は、スロット識別番号38のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号41のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号38及び41のスロットに配置される。コイルU3-1は、コイルV3-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU3-1は、スロット識別番号39のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号42のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号39及び42のスロットに配置される。コイルW3-2は、コイルW3-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW3-2は、スロット識別番号43のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号46のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号43及び46のスロットに配置される。コイルV3-2は、コイルW3-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV3-2は、スロット識別番号44のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号47のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号44及び47のスロットに配置される。コイルU3-2は、コイルV3-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU3-2は、スロット識別番号45のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号48のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号45及び48のスロットに配置される。コイルW3-3は、コイルW3-2から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW3-3は、スロット識別番号49のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号52のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号49及び52のスロットに配置される。コイルV3-3は、コイルW3-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV3-3は、スロット識別番号50のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号53のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号50及び53のスロットに配置される。コイルU3-3は、コイルV3-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU3-3は、スロット識別番号51のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号54のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号51及び54のスロットに配置される。
 第4のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU4-1、W4-1及びV4-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU4-2、W4-2及びV4-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルU4-3、W4-3及びV4-3の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第4のコイル群は、第3のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルU4-1は、スロット識別番号55のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号58のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号55及び58のスロットに配置される。コイルW4-1は、コイルU4-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW4-1は、スロット識別番号56のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号59のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号56及び59のスロットに配置される。コイルV4-1は、コイルW4-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV4-1は、スロット識別番号57のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号60のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号57及び60のスロットに配置される。コイルU4-2は、コイルU4-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU4-2は、スロット識別番号61のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号64のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号61及び64のスロットに配置される。コイルW4-2は、コイルU4-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW4-2は、スロット識別番号62のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号65のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号62及び65のスロットに配置される。コイルV4-2は、コイルW4-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV4-2は、スロット識別番号63のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号66のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号63及び66のスロットに配置される。コイルU4-3は、コイルU4-2から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU4-3は、スロット識別番号67のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号70のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号67及び70のスロットに配置される。コイルW4-3は、コイルU4-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW4-3は、スロット識別番号68のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号71のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号68及び71のスロットに配置される。コイルV4-3は、コイルW4-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV4-3は、スロット識別番号69のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号72のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号69及び72のスロットに配置される。
 第5のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV5-1、U5-1及びW5-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV5-2、U5-2及びW5-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルV5-3、U5-3及びW5-3の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第5のコイル群は、第4のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルV5-1は、スロット識別番号73のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号76のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号73及び76のスロットに配置される。コイルU5-1は、コイルV5-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU5-1は、スロット識別番号74のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号77のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号74及び77のスロットに配置される。コイルW5-1は、コイルU5-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW5-1は、スロット識別番号75のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号78のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号75及び78のスロットに配置される。コイルV5-2は、コイルV5-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV5-2は、スロット識別番号79のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号82のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号79及び82のスロットに配置される。コイルU5-2は、コイルV5-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU5-2は、スロット識別番号80のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号83のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号80及び83のスロットに配置される。コイルW5-2は、コイルU5-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW5-2は、スロット識別番号81のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号84のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号81及び84のスロットに配置される。コイルV5-3は、コイルV5-2から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV5-3は、スロット識別番号85のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号88のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号85及び88のスロットに配置される。コイルU5-3は、コイルV5-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU5-3は、スロット識別番号86のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号89のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号86及び89のスロットに配置される。コイルW5-3は、コイルU5-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW5-3は、スロット識別番号87のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号90のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号87及び90のスロットに配置される。
 第6のコイル群では、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW6-1、V6-1及びU6-1の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW6-2、V6-2及びU6-2の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、この1組の重ね巻から周方向に6スロットずれて、同一のコイルピッチを有する3個のコイルW6-3、V6-3及びU6-3の各々が1スロットピッチずつずれたスロット内に配置される1組の重ね巻と、が形成される。また、第6のコイル群は、第5のコイル群から周方向(図20に示す例では時計回り)に60度ずれた位置に配置される。より詳しくは、コイルW6-1は、スロット識別番号91のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号94のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号91及び94のスロットに配置される。コイルV6-1は、コイルW6-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV6-1は、スロット識別番号92のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号95のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号92及び95のスロットに配置される。コイルU6-1は、コイルV6-1から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU6-1は、スロット識別番号93のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号96のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号93及び96のスロットに配置される。コイルW6-2は、コイルW6-1から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW6-2は、スロット識別番号97のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号100のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号97及び100のスロットに配置される。コイルV6-2は、コイルW6-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV6-2は、スロット識別番号98のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号101のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号98及び101のスロットに配置される。コイルU6-2は、コイルV6-2から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU6-2は、スロット識別番号99のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号102のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号99及び102のスロットに配置される。コイルW6-3は、コイルW6-2から6スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルW6-3は、スロット識別番号103のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号106のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号103及び106のスロットに配置される。コイルV6-3は、コイルW6-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルV6-3は、スロット識別番号104のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号107のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号104及び107のスロットに配置される。コイルU6-3は、コイルV6-3から1スロットビッチずれたスロット内に配置される。すなわち、コイルU6-3は、スロット識別番号105のスロットに配置される巻線と3コイルピッチずれたスロット識別番号108のスロットに配置される巻線とで流れる電流の向きが互いに逆向きとなるように成形されて、スロット識別番号105及び108のスロットに配置される。
 上述したコイルU1-1、U1-2、U1-3、U2-1、U2-2、U2-3、U3-1、U3-2、U3-3、U4-1、U4-2、U4-3、U5-1、U5-2、U5-3、U6-1、U6-2及びU6-3は、渡り線によって連結され、固定子1におけるU相巻線として構成される。また、上述したコイルV1-1、V1-2、V1-3、V2-1、V2-2、V2-3、V3-1、V3-2、V3-3、V4-1、V4-2、V4-3、V5-1、V5-2、V5-3、V6-1、V6-2及びV6-3は、渡り線によって連結され、固定子1におけるV相巻線として構成される。また、上述したコイルW1-1、W1-2、W1-3、W2-1、W2-2、W2-3、W3-1、W3-2、W3-3、W4-1、W4-2、W4-3、W5-1、W5-2、W5-3、W6-1、W6-2及びW6-3は、渡り線によって連結され、固定子1におけるW相巻線として構成される。34極108スロットの三相交流電動機は、上述の固定子1と固定子1に対して径方向に対向配置された回転子とを備える。
 また、34極108スロットの三相交流電動機においては、各相の線対称軸100U、100V、及び100Wは、第1から第6のコイル群を分割する線と一致する。
 以上、10極36スロット、10極24スロット、14極24スロット、22極48スロット、22極72スロット、及び34極108スロットの三相交流電動機を例にとって説明したが、これに限られず、スロット数を6N、極数を2Pとしたときのスロット数6Nを極数2Pで除した値が整数ではない他の極数、及びスロット数の三相交流電動機に対しても本発明を適用可能である。また、各図においてスロット識別番号の付与順はあくまでも一例である。
 このように、本開示の実施形態による三相交流電動機の固定子によれば、全周巻きとはならず、とびとびの重ね巻になるので、固定子構成に必要なコイル数が減る。また、スロット数を極数で割った値が既約分数である分数スロット三相交流電動機となるので、コイルピッチ(=スロット数÷極数の10進法表記上の整数部分である商またはスロット数÷極数の10進法表記上の整数部分である商+1)が小さくなり、コイルエンドが短くなる。また、コイルエンドが重ならない部分が存在することから、従来のようなコイルの入れ替え作業が不要であるので、巻線作業の自動化が容易となる。
 本開示の実施形態による三相交流電動機の固定子は、インサータ方式による自動巻線機を用いた巻回が可能である。インサータ方式は、以下の手順で行われる。まず、ノズルで同心のいくつかの巻枠に同時に巻付けコイル(多重コイル)を作製し、インサータにコイルを挿入する。次に、インサータを固定子内に挿入し、コイルを固定子内に押し込む。また、実際にはインサータ内側にコイルを押し込むガイドの冶具が配置されてもよい。
 図23は、本開示の実施形態による固定子を備える三相交流電動機の外観を例示する図である。
 本開示の実施形態による三相交流電動機1000は、上述した固定子1と、固定子1に対して径方向に対向配置された回転子10とを備える。図23において、参照符号3は固定子のコアを示し、参照符号4はコイルを示す。コイル4は、スロットに収容されるプラス巻線(+巻線)41P及びマイナス巻線(-巻線)41Nと、スロットに収容されないコイルエンド42からなる。参照符号5は、回転子10に設けられる磁石を示し、参照符号6は回転子10の回転軸を示す。
 1  固定子
 2  スロット
 3  固定子のコア
 4  コイル(巻線)
 5  磁石
 6  回転軸
 10  回転子
 21  磁極
 41P +(プラス)巻線
 41N -(マイナス)巻線
 42  コイルエンド
 61 -U相帯の線対称軸であり、配置方向を示すベクトル
 62 +V相帯の線対称軸であり、配置方向を示すベクトル
 63 -W相帯の線対称軸であり、配置方向を示すベクトル
 64 +U相帯の線対称軸であり、配置方向を示すベクトル
 65 -V相帯の線対称軸であり、配置方向を示すベクトル
 66 +W相帯の線対称軸であり、配置方向を示すベクトル
 100 固定子の全スロットに配置される重ね巻の組を周方向に60度毎に分割する線
 100U 固定子の全スロットを2つに分割する線であり、U相巻線の線対称軸
 100V 固定子の全スロットを2つに分割する線であり、V相巻線の線対称軸
 100W 固定子の全スロットを2つに分割する線であり、W相巻線の線対称軸
 1000  三相交流電動機

Claims (9)

  1.  周方向の配置されたスロットのスロット数が極数の1.5倍より大きく、前記スロット数を前記極数で除算した値が既約分数になる分数スロット型の三相交流電動機の固定子であって、
     同一のコイルピッチを有する2個または3個のコイルの各々が、1スロットピッチずつずれて前記スロット内に配置されたコイルの組を、複数備え、
     複数組の前記コイルの組の各々は、周方向に互いに60度ずれた位置に配置される、固定子。
  2.  前記複数組のコイルの組は、第1から第6のコイル群からなり、
     前記第1のコイル群から周方向に60度ずれた位置に前記第2のコイル群が配置され、
     前記第2のコイル群から前記周方向と同一の方向に60度ずれた位置に前記第3のコイル群が配置され、
     前記第3のコイル群から前記周方向と同一の方向に60度ずれた位置に前記第4のコイル群が配置され、
     前記第4のコイル群から前記周方向と同一の方向に60度ずれた位置に前記第5のコイル群が配置され、
     前記第5のコイル群から前記周方向と同一の方向に60度ずれた位置に前記第6のコイル群が配置される、請求項1に記載の固定子。
  3.  前記複数組のコイルの組の各々は、3個の前記コイルを有し、
     前記3個のコイルの各々が、三相交流巻線のうちの第1相巻線、第2相巻線及び第3相巻線として構成される、請求項2に記載の固定子。
  4.  前記複数組のコイルの組の各々は、2個の前記コイルを有し、
     前記2個のコイルの各々が、三相交流巻線のうちの第1相巻線、第2相巻線及び第3相巻線のうち、いずれか2相として構成される、請求項2に記載の固定子。
  5.  前記第1から第6のコイル群における各前記第1相巻線は第1の線対称軸に対して線対称に配置され、前記第1から第6のコイル群における各前記第2相巻線は第2の線対称軸に対して線対称に配置され、前記第1から第6のコイル群における各前記第3相巻線は第3の線対称軸に対して線対称に配置される、請求項3または4に記載の固定子。
  6.  前記三相交流電動機の極対数は、5以上の奇数である、請求項1~5のいずれか一項に記載の固定子。
  7.  前記三相交流電動機の前記スロット数を前記極数で除算した値が、3より大きく4より小さい、請求項3に記載の固定子。
  8.  前記三相交流電動機の前記スロット数を前記極数で除算した値が、1.5より大きく3より小さい、請求項4に記載の固定子。
  9.  請求項1~8のいずれか一項に記載の固定子と、
     前記固定子に対して径方向に対向配置された回転子と、
    を備える三相交流電動機。
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