WO2021220643A1 - 香料保持部材および香り提供装置 - Google Patents

Abstract

嵌合部および開口部等の隙間からの香料漏れを防止すること。　香料保持部材１０１は、香料を保持する香料保持体２０８と、香料保持体が配置される保持空間２０９と、保持空間を外部に開放する第１開口部２０２および第２開口部２１１と、第１開口部および第２開口部を開閉可能に可動する可動部２０４、２１０と、可動部の第１開口部の第１開閉位置と可動部の第２開口部の第２開閉位置との間の公差を吸収する公差吸収部２０７と、を備え、保持空間は、第１開口部および第２開口部により構成される通風流路を有し、可動部は、定常時に第１開口部および第２開口部を密閉し、保持空間の開放時に第１開口部および第２開口部を開口する。

Description

香料保持部材および香り提供装置

　本技術は、香料保持部材および香り提供装置に関し、より詳細には、空気供給路および香り放出路を開閉して香りを提供する香料保持部材および香り提供装置に関する。

　従来から、香料を保持する香料保持部材が格納された格納装置に空気を供給し、気化した香料の空気の流れによって放出させることにより、利用者に香りを提供する技術が提案されている。

　例えば、特許文献１には、円筒状で、内部の空洞が香料輸送気道となり、側面の一部に開口部を備える遮蔽筒と、内部に香料が収納され、該遮蔽筒の外面に設けられ、遮蔽筒側の側面に開口部を備える香料容器と、前記香料輸送気道の一端に送風可能な送風手段を備え、前記遮蔽筒と前記香料容器が密着しながらの相対的な回転動作によって前記遮蔽筒の開口部と前記香料容器の開口部を重ねることにより、前記香料容器内部と前記香料輸送気道を貫通状態とすることが可能であり、前記遮蔽筒と前記香料容器が密着しながらの相対的な回転動作によって前記遮蔽筒と前記香料容器の一方の開口部と一方の開口部以外の部分を重ねることにより、前記香料容器内部と前記香料輸送気道を非貫通状態とすることが可能であることを特徴とする香り提供装置が提案されている。

　特許文献１に記載の香り提供装置によれば、意図しない香料の放出を抑えることができるとともに、適切なタイミングで香りを提供することができるとされている。

特開２０１３－０９４４３６号公報

　しかしながら、特許文献１の香り提供装置では、香料を保持する容器とケースとの嵌合部や、外部と連通する香りの出入り口等の開口部から、香料が漏ることが考えられる。これにより、香料が劣化（揮発による弱化と酸化による変質）したり、混ざったり、ケース等に貼り付けたラベルを溶かしたりするなどの問題が生じるおそれがある。

　そこで、本技術では、嵌合部および開口部等の隙間からの香料漏れを防止することができる香料保持部材および香り提供装置を提供することを主目的とする。

　本技術では、香料を保持する香料保持体と、香料保持体が配置される保持空間と、保持空間を外部に開放する第１開口部および第２開口部と、第１開口部および第２開口部を開閉可能に可動する可動部と、可動部の第１開口部の第１開閉位置と可動部の第２開口部の第２開閉位置との間の公差を吸収する公差吸収部と、を備え、保持空間は、第１開口部および第２開口部により構成される通風流路を有し、可動部は、定常時に第１開口部および第２開口部を密閉し、保持空間の開放時に第１開口部および第２開口部を開口する、香料保持部材を提供する。
　前記可動部は、駆動源および／または磁気手段により着脱可能な着脱部を有してよい。
　前記可動部は、前記第１開口部および前記第２開口部の密閉方向に付勢された弾性体を有してよい。
　前記公差吸収部は、前記公差を吸収する弾性体を有してよい。
　前記可動部は、前記第１開口部を密閉する第１隆起部および前記第２開口部を密閉する第２隆起部を有してよい。
　前記可動部は、前記第１開口部および前記第２開口部の開閉方向に直動する直動機構であってよい。
　定常時に前記保持空間を密閉し、外部装置へ装着時に前記保持空間を開放するロック機構をさらに備えてもよい。
　前記保持空間および前記第１開口部を有する第１ケースと、前記第１ケースに取り付けられ、前記第２開口部を有する第２ケースと、を備え、
　前記第１ケースと前記第２ケースとの嵌合部に、密閉構造が形成されていてよい。
　前記密閉構造は、Oリングであってよい。
　前記第１ケースと前記第２ケースとの嵌合部に、オイルシール材および／または弾性素材を有してもよい。
　表面が、ガス低透過性の樹脂、有機高分子、有機低分子、有機金属、金属、金属膜のいずれか一つ、または、これらの複数の組合せから選択された材料で形成されていてよい。
　内壁面が金属で形成されていてもよい。
　前記香料保持部材は、香り提供装置に装着される香料カートリッジであってよい。

　また、本技術では、香料を保持する香料保持体と、香料保持体が配置される保持空間と、　保持空間を外部に開放する第１開口部および第２開口部と、第１開口部および第２開口部を開閉可能に可動する可動部と、可動部の第１開口部の第１開閉位置と可動部の第２開口部の第２開閉位置との間の公差を吸収する公差吸収部と、を有する香料保持部材と、可動部に連結し、可動部を駆動する駆動機構部と、を備え、保持空間は、第１開口部および第２開口部により構成される通風流路を有し、可動部は、定常時に第１開口部および第２開口部を密閉し、保持空間の開放時に第１開口部および第２開口部を開口する、香り提供装置を提供する。

　本技術によれば、嵌合部および開口部等の隙間からの香料漏れを防止することができる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果又は本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。

本技術の第１実施形態に係る香り提供装置の構成例を示す斜視図である。 本技術の第１実施形態に係る香り提供装置の構成例を示す側面図である。 本技術の第１実施形態に係る香り提供装置の構成例を示す側面断面図である。 本技術の第１実施形態に係る香料保持部材の構成例を示す側面断面図である。 本技術の第１実施形態に係る香り提供装置の動作例を示す側面断面図である。 本技術の第１実施形態に係る香料保持部材の変形例を示す側面断面図である。 本技術の第１実施形態に係る香料保持部材と開閉機構部との連結部の変形例を示す側面透視図である。 本技術の第２実施形態に係る香料保持部材の構成例を示す斜視図である。 本技術の第２実施形態に係る香料保持部材の構成例を示す分解斜視図である。 本技術の第２実施形態に係る香料保持部材の構成例を示す側面断面図である。

　以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、いずれの実施形態も組み合わせることが可能である。また、これらにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、説明は以下の順序で行う。
１．第１実施形態
（１）香り提供装置の構成例
（１－１）全体構成
（１－２）香料カートリッジ（香料保持部材）
（１－３）開閉機構部
（２）香り提供装置の動作例
（３）香料カートリッジの変形例
（４）連結部の変形例
２．第２実施形態
（１）香料カートリッジの構成例
（２）香料カートリッジの動作例

１．第１実施形態
（１）香り提供装置の構成例
（１－１）全体構成
　図１から図４を参照して、本技術の第１実施形態に係る香り提供装置１００の構成例について説明する。図１は、本実施形態に係る香り提供装置１００の構成例を示す斜視図である。図２は、香り提供装置１００の構成例を示す側面図である。図３は、香り提供装置１００の構成例を示す側面断面図である。図４は、香り提供装置１００が備える香料カートリッジ（香料保持部材）１０１の構成例を示す側面断面図である。

　図１および図２に示すように、本実施形態に係る香り提供装置１００は、香料保持部材である円筒形状の香料カートリッジ１０１と、円筒形状の開閉機構部１０２と、略直方体の本体部１０３と、を備える。香料カートリッジ１０１は、第１ケース１１１と、第１ケース１１１の後方側に取り付けられた第２ケース１１２と、を備えている。開閉機構部１０２は、スリーブケース１１３と、スリーブケース１１３の後方側に取り付けられた開閉機構底部１１４と、を備えている。本体部１０３は、開閉機構部１０２を固定する開閉機構固定部１１５と、開閉機構部１０２の後方側への移動を制限するスタンド１１６と、を備えている。

　香り提供装置１００は、本体部１０３の上面の長手方向一端側（前方側）に開閉機構部１０２を複数配列し、各開閉機構部１０２を開閉機構固定部１１５によって固定している。本体部１０３の上面の長手方向他端（後方側）には、スタンド１１６が備えられている。開閉機構部１０２のスリーブケース１１３には、前方側に香料カートリッジ１０１の第２ケース１１２の後端が着脱可能に接続されている。香り提供装置１００は、スタンド１１６を底部にして香料カートリッジ１０１を上方に向けることで、香りを上方に放出するように立てて使用することもできる。

　図３に示すように、香り提供装置１００は、各香料カートリッジ１０１内に設けられた香料保持空間２０９のうちから選択される所望の香料保持空間２０９に空気を流し、香料保持空間２０９に配置された香料保持体２０８に保持された香料を気化させて放出する装置である。例えば、香り提供装置１００では、香料カートリッジ１０１の香料保持空間２０９に、図示しないエアポンプから供給される空気を流すことにより、液体香料または湿潤状態の香料（以下、液体香料という。）を気化させて空気とともに香料保持空間２０９から香りを放出させる。

　香り提供装置１００は、例えば、限られた範囲の空間に香りを放出する装置として用いられる。例えば、ユーザが、自らの顔の近くで１回あるいは複数回香り提供装置１００から香りを放出させ、気分をリラックスさせる。この場合、香り提供装置１００は、高い直進性で香りを放出し、香りを広範囲に拡散させにくくなっているため、周囲の人に香りを感知させにくくすることができる。香り提供装置１００は、ユーザによる持ち運びが可能な携帯型であってもよく、据え置き型であってもよい。

（１－２）香料カートリッジ
　次に、本実施形態に係る香り提供装置１００が備える香料保持部材としての香料カートリッジ１０１の構成例について説明する。

　上述の通り、香料カートリッジ１０１は、第１ケース１１１と、第１ケース１１１の後方側に取り付けられた第２ケース１１２と、を備えている。香料カートリッジ１０１は、円筒形状であるが、本技術に係る香料保持部材の外形は円筒形状に限られず、例えば、円柱、直方体、立方体、その他の適宜の形状とすることができる。

　図３および図４に示すように、第１ケース１１１は、香料を含む香り入り空気を外部へ放出する吐出孔２０１と、香料と空気とが混合した香り入り空気を吐出孔２０１へ放出する第１開口部２０２と、第２ケース１１２との嵌合部に配置された第１Oリング２０３と、を備えている。第１開口部２０２は、前方側が先細りになった傾斜面に形成されている。

　香料カートリッジ１０１は、第１Oリング２０３により、第１ケース１１１と第２ケース１１２との嵌合部を密閉し、この嵌合部からの香料漏れを防ぐことができる。なお、第１Oリング２０３は、これに限らず、第１ケース１１１と第２ケース１１２との嵌合部を密閉できる気密性の高い密閉構造であればよく、突起のはめ込み構造またはねじ切り構造等であってもよい。

　第２ケース１１２には、液体香料を保持し、第１開口部２０２および第２開口部２１１により構成される通風流路を有する香料保持空間２０９が形成されている。第１開口部および第２開口部により、香料保持空間２０９を外部に開放することができる。香料保持空間２０９には、軸上部２０４と、弾性体である第１ばね２０５および第２ばね２０６と、公差吸収部２０７と、液体香料を保持する含浸材等の香料保持体２０８と、軸下部２１０と、が備えられている。

　また、第２ケース１１２は、外部から送られてくる空気を香料保持空間２０９へ流し込む第２開口部２１１と、開閉機構部１０２との嵌合部に配置された第２Oリング２１２と、を備えている。第２開口部２１１は、前方側が先細りになった傾斜面に形成されている。軸下部２１０の開閉機構部１０２との着脱部には、駆動源および／または磁気手段により着脱可能な金属製のねじ２１３が備えられている。なお、ねじ２１３は、金属製に限らず、磁気力によって引き付けられる部材であればよい。

　軸上部２０４は、香料保持空間２０９を延在方向に可動可能であり、第１ばね２０５によって前方側の第１開口部２０２を密閉する方向に向かって付勢されている。軸上部２０４は、第１開口部２０２を開閉可能に可動する可動部である。

　公差吸収部２０７は、軸上部２０４の前方に第２ばね２０６を介して接続されている。公差吸収部２０７の前方部は、前方側が先細りのテーパ形状に形成され、軸上部２０４からの弾性力により、定常時に公差吸収部２０７の前方部の面が第１開口部２０２の面に押し付けられて、第１開口部２０２を密閉している。これにより、香料カートリッジ１０１は、第１開口部２０２および吐出孔２０１からの香料漏れを防ぐことができる。

　このように、公差吸収部２０７は、密閉を構成する部分の公差を吸収し、第１開口部２０２を密閉するキャップの役割を有する構造になっている。ここで、公差とは、第１開口部２０２の第１開閉位置と第２開口部２１１の第２開閉位置との間の距離、開口の幅、部品の平行度および長さなど、密閉に関わる寸法の製造誤差やばらつきをいう。例えば、公差吸収部２０７は、密閉面の平行度が取れていなくても、軸上部２０４または軸下部２１０の倒れ度合いを第２ばね２０６によって吸収することで密閉状態を保つことができる。

　なお、第１ばね２０５は、一例としてコイルばねを用いているが、これに限らず、軸上部２０４を第１開口部２０２の密閉方向に向かって付勢できる弾性体等であればよい。また、第２ばね２０６も、一例としてコイルばねを用いているが、これに限らず、公差吸収部２０７により第１開口部２０２の第１開閉位置と第２開口部２１１の第２開閉位置との間の公差を吸収可能な弾性体等であればよい。

　軸下部２１０は、軸上部２０４の後方に連結され、軸上部２０４とともに香料保持空間２０９を延在方向に可動可能である。軸下部２１０は、第２開口部２１１を開閉可能に可動する可動部であり、定常時に第２開口部２１１に接触している。軸上部２０４および軸下部２１０は、第１開口部２０２および第２開口部２１１の開閉方向に直動する直動機構とすることができる。軸下部２１０の第２開口部２１１との接触部は、前方側が先細りのテーパ形状に形成され、第１ばね２０５の弾性力により、第２開口部２１１に押し付けられて、定常時に第２開口部２１１を密閉している。これにより、香料カートリッジ１０１は、第２開口部２１１からの香料漏れを防ぐことができる。

　さらに、香料カートリッジ１０１は、第２Oリング２１２により、第２ケース１１２と開閉機構部１０２との嵌合部を密閉し、この嵌合部からの香料漏れを防ぐことができる。なお、第１Oリング２０３は、これに限らず、第２ケース１１２と開閉機構部１０２との嵌合部を密閉できる気密性の高い密閉構造であればよく、ねじ切り構造等であってもよい。

　香料保持体２０８は、液体香料を保持する。香料保持体２０８は、板状の形状であるが、軸上部２０４の側面を覆い囲むような円筒形状であってもよい。液体香料は、例えば、精油、または、エタノールで希釈された精油等であってもよい。香料保持空間２０９は、送風源の一例であるエアポンプ（図示せず）から供給される空気を通過させる役割を有する。第２ケース１１２内の香料保持空間２０９は、一つであってもよく、複数であってもよい。

　香料保持空間２０９の内面の少なくとも一部には、液体香料が湿潤状態で付着して保持される。例えば、液体香料が香料保持空間２０９内に充填された後、空気等の高圧のガスを香料保持空間２０９内に所定時間供給することで、余剰の液体香料が噴き出されて香料保持空間２０９の内表面に湿潤状態で香料を付着させることができる。

　香り提供装置１００は、本体部１０３に、複数の香料カートリッジ１０１を連結して配列させることで、複数の香料を吐出制御することができる。この場合、各香料カートリッジ１０１のそれぞれに接続された開閉機構部１０２のいずれかを稼働することにより、空気を流す香料カートリッジ１０１の切り替えが可能になっている。なお、各香料カートリッジ１０１内の香料保持空間２０９に保持される液体香料は、すべて同一であってもよいし、一部あるいは全部が異なってもよい。各香料保持空間２０９に異なる液体香料が保持される場合には、空気を供給可能な香料カートリッジ１０１を切り替えることによって、放出させる香りを切り替えることができる。

　香料カートリッジ１０１の第１ケース１１１および第２ケース１１２は、液体香料が浸潤しやすいように、有機高分子材料により構成され得る。かかる有機高分子材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フェノール樹脂、オレフィン樹脂、ナイロン、ポリエステル、合成ゴム、シリコン樹脂、天然ゴム、タンパク質、核酸、脂質、多糖類のうちのいずれか１つ、あるいは、混合物が用いられ得る。ただし、第１ケース１１１および第２ケース１１２は、これらの例に限られない。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ＡＢＳ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）樹脂、ポリアセタール（ＰＯＭ）樹脂、フッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、ポリイミド樹脂等の高分子樹脂や、ステンレス、アルミニウム等の金属、石英等の無機結晶、又はガラスのうちの１種又は２種以上の材料が用いられてもよい。

　なお、図示していないが、第２ケース１１２には、香料カートリッジ１０１の中身を読み取ることができる読み取り部が備えられていてもよい。例えば、第２ケース１１２の表面に、ラベルやバーコード等が備えられていてもよい。

　また、香料カートリッジ１０１は、例えば、３Ｄプリンタを用いて製造することができる。この場合、香料カートリッジ１０１の構成材料として、３Ｄプリンタに適した材料が選択されてもよい。

（１－３）開閉機構部
　次に、本実施形態に係る香り提供装置１００が備える開閉機構部１０２の構成例について説明する。

　上述の通り、開閉機構部１０２は、スリーブケース１１３と、スリーブケース１１３の後方側に取り付けられた開閉機構底部１１４と、を備えている。開閉機構部１０２は、可動部である軸上部２０４および軸下部２１０に連結し、これらを駆動する駆動機構部の役割を有している。なお、開閉機構部１０２は、円筒形状であるが、本技術に係る開閉機構部の外形は円筒形状に限られず、香料保持部材に適合させて、例えば、円柱、直方体、立方体、その他の適宜の形状とすることができる。

　図３に示すように、スリーブケース１１３には、稼働スリーブ２２１が稼働可能な稼働空間２２５が形成されている。稼働空間２２５には、稼働スリーブ２２１と、磁石固定部２２２と、バイアスばね２２３と、磁石２２４と、が備えられている。また、スリーブケース１１３の前方側下部には、外部からの空気等を取り込むエア取込口２２６が形成されている。

　稼働スリーブ２２１は、バイアスばね２２３によって稼働空間２２５を延在方向に稼働可能となっている。稼働スリーブ２２１の前方側には、磁石固定部２２２が連結され、磁石固定部２２２によって磁石２２４が固定されている。磁石２２４は、スリーブケース１１３の前方側と香料カートリッジ１０１の第２ケース１１２の後方側が連結した際に、ねじ２１３を磁力で引き付けてねじ２１３と接触する。このように、香料カートリッジ１０１は、開閉機構部１０２との着脱部をマグネットチャッキングすることにより、開閉機構部１０２に容易に着脱することができる。なお、着脱部は、バルブ連結であってもよい。さらに、開閉機構部１０２からの直動の動力を香料カートリッジ１０１に伝達することもできる。したがって、香料カートリッジ１０１には、駆動源を備える必要がなくなる。

　バイアスばね２２３は、一端が稼働スリーブ２２１の後方に接続され、他端がスリーブケース１１３の後方側に取り付けられた開閉機構底部１１４に接続されている。開閉機構部１０２は、図示していない駆動源であるアクチュエータにより稼働スリーブ２２１を後方に稼働させ、その際に縮まったバイアスばね２２３の復元力によって稼働スリーブ２２１を前方の元の位置に戻すことができる。なお、バイアスばね２２３は、一例としてコイルばねを用いているが、これに限らず、稼働スリーブ２２１を前後方向に稼働させることができる弾性体等であればよい。

　アクチュエータは、例えば、形状記憶合金、モータ、ソレノイド、リニアスライド式、または、小型電磁石、等の稼働スリーブ２２１を直動させる直動機構であればよい。ここで、直動機構には、一つの部材が直線方向に移動する場合だけでなく、複数の部材が連結したものうちの一部の部材が直線方向に移動する場合も含まれる。

（２）香り提供装置の動作例
　次に、図５を参照して、香り提供装置１００から香り入り空気を放出する動作の例について説明する。図５は、香り提供装置１００の動作例を示す側面断面図である。

　まず、スリーブケース１１３のエア取込口２２６に連結された空気を供給するエアポンプ（図示せず）をＯＮにして、エアポンプから導入される空気をエア取込口２２６に送り込む。このエアポンプは、送風源の一態様であり、一次電池または二次電池のバッテリから供給される電力によって駆動され、通風流路に空気を導入する。エアポンプは、例えば、圧電素子に対して交流電流を供給することによりダイヤフラムを変形させて、空気の吸引及び圧送を行う、ダイヤフラム式のポンプであってもよい。

　次に、稼働スリーブ２２１に連結されたアクチュエータを稼働させて、稼働スリーブ２２１を香り提供装置１００の後方側に直動させる。このとき、バイアスばね２２３は、稼働スリーブ２２１から後方側に押し付けられて縮められている。

　すると、稼働スリーブ２２１の前方に取り付けられた磁石２２４により、ねじ２１３が後方側に引き付けられ、ねじ２１３と連結された軸下部２１０および軸上部２０４が同時に後方に可動する。このとき、第１ばね２０５は、軸上部２０４から後方側に押し付けられて縮められている。

　軸上部２０４および軸下部２１０が後方側に可動すると、軸上部２０４および軸下部２１０で密閉されていた第１開口部２０２および第２開口部２１１が同時に開口し、香料保持空間２０９を外部に開放する。第２開口部２１１が開口すると、エア取込口２２６に送り込まれた空気が第２開口部２１１から香料保持空間２０９に流入する。

　そして、香料保持空間２０９に流入した空気と香料保持空間２０９内の香料保持体２０８に含まれている香料と空気が混ざった香り入り空気が、第１開口部２０２を通って吐出孔２０１より外部のユーザへ放出される。

　香り入り空気を放出後に、アクチュエータの動力を切ると、稼働スリーブ２２１はバイアスばね２２３の復元力により定常時の元の位置に戻る。また、軸上部２０４および軸下部２１０は、第１ばね２０５の復元力により、それぞれ第１開口部２０２および第２開口部２１１と接触して密閉するまで前方にスライドする。このような軸上部２０４および軸下部２１０によるスライディングキャッピング機構により、定常時に第１開口部２０２および第２開口部２１１を密閉する。このとき、公差吸収部２０７により、公差が生じていた場合でも第１開口部２０２および第２開口部２１１を同時に密閉することができる。

　なお、香り提供装置１００は、第１ばね２０５、第２ばね２０６、バイアスばね２２３およびアクチュエータの力量と変位量を調整することによって、公差吸収部２０７による公差吸収量を調整することができる。

　また、香り提供装置１００は、応答性を高めるために第１開口部２０２および第２開口部２１１を同時に開閉しているが、吐出孔２０１からの吐出力を高めるため、第２開口部２１１を開けてから第１開口部２０２を開ける等の時間差で開閉する機構であってもよい。

　ここで、従来は、第１ケース１１１と第２ケース１１２との嵌合部、第２ケース１１２と開閉機構部１０２との嵌合部、第１開口部２０２、および、第２開口部２１１等からの定常的な香料漏れが生じていた。これにより、香料が劣化（揮発による弱化と酸化による変質）したり、混ざったり、ラベルを溶かしたりすること等が問題となっていた。このような問題が生じるため、従来の香料カートリッジは、長期保存に向かず、香料カートリッジ自体をアルミパウチで封止し、香料劣化を防いでいた。

　これに対し、本実施形態に係る香料カートリッジ１０１を備える香り提供装置１００によれば、第１ケース１１１と第２ケース１１２との嵌合部、第２ケース１１２と開閉機構部１０２との嵌合部、第１開口部２０２、および、第２開口部２１１を定常時に密閉しているため、これらの隙間からの香料漏れを防止することができる。

　また、香料カートリッジ１０１の香料保持空間２０９は一定の圧力まで閉じていることができるため、通気させるためのポンプ等をＯＮにした後に空気供給路部の弁を開くことができる。これにより、香り提供装置１００は、空気の吸排気を一方向に保ち、逆流防止、デバイス保護およびコンタミネーション（香料の混ざり）防止が可能となる。

　さらに、公差吸収部２０７の公差吸収構造により、空気供給路である第２開口部２１１または香り入り空気の放出路である第１開口部２０２のどちらかを先に開放するかを構造的に制御することができる。これにより、香り提供装置１００は、第２開口部２１１を先に開いた後に第１開口部２０２を開くか、または、第２開口部２１１を先に閉じた後に第１開口部２０２を閉じることで、逆流防止、デバイス保護およびコンタミネーション防止が可能となる。

　なお、香料カートリッジ１０１は、ガスの透過を防ぐため、第１ケース１１１と第２ケース１１２との嵌合部に、オイルシール材の塗布またはシリコンゴムやフッ素ゴムなどの弾性素材の塗布をすることができ、オイルシール材および弾性素材を組み合わせた材料を有することもできる。同様の目的で、香料カートリッジ１０１は、表面が、ガス低透過性のフッ素樹脂、高分子膜やＳＡＭ膜、ＬＢ膜などの有機高分子または有機低分子の集合したもの、有機金属、金属、金属膜、などのいずれか一つ、または、これらの複数の組合せから選択された材料で形成することもできる。金属または金属膜は、金属蒸着に用いることができる。さらに、香料カートリッジ１０１は、内壁面を金属で形成することもできる。

（３）香料カートリッジの変形例
　次に、図６を参照して、香料カートリッジ１０１の変形例について説明する。図６は、本実施形態に係る香料カートリッジ１０１の変形例を示す側面断面図である。本変形例の香料カートリッジ３０１が香料カートリッジ１０１と相違する点は、各開口部と軸部との接触面が、傾斜面ではなく、互いに軸部の可動方向に垂直な面に形成されている点である。香料カートリッジ３０１のその他の構成は、香料カートリッジ１０１の構成と同様であり、同一の構成には同一の符号を付けて説明する。

　図６に示すように、香料カートリッジ３０１は、第１ケース３０２と、第１ケース３０２の後方側に取り付けられた第２ケース３０３と、を備えている。香料カートリッジ３０１は、円筒形状であるが、本技術に係る香料保持部材の外形は円筒形状に限られず、例えば、円柱、直方体、立方体、その他の適宜の形状とすることができる。

　第１ケース３０２は、香料を含む香り入り空気を外部へ放出する吐出孔２０１と、香料と空気とが混合した香り入り空気を吐出孔２０１へ放出する第１開口部３１２と、第２ケース３０３との嵌合部に配置された第１Oリング２０３と、を備えている。第１開口部３１２は、軸上部２０４との接触面が、軸上部２０４の可動方向に垂直な面に形成されている。香料カートリッジ３０１は、第１Oリング２０３により、第１ケース３０２と第２ケース３０３との嵌合部を密閉し、この嵌合部からの香料漏れを防ぐことができる。

　第２ケース３０３には、液体香料を保持する香料保持空間２０９が形成されている。香料保持空間２０９には、軸上部２０４と、第１ばね２０５と、第２ばね２０６と、公差吸収部３１７と、香料保持体２０８と、軸下部３２０と、が備えられている。

　また、第２ケース３０３は、外部から送られてくる空気を香料保持空間２０９へ流し込む第２開口部３２１と、開閉機構部１０２との嵌合部に配置された第２Oリング２１２と、を備えている。第２開口部２１１は、軸下部３２０との接触面が、軸下部３２０の可動方向に垂直な面に形成されている。軸下部２１０の開閉機構部１０２との接触部には、金属製のねじ２１３が備えられている。

　軸上部２０４は、香料保持空間２０９を延在方向に可動可能であり、第１ばね２０５によって前方側の第１開口部２０２に向かって付勢されている。

　公差吸収部３１７は、軸上部２０４の前方に第２ばね２０６を介して接続されている。公差吸収部３１７の前方部は、軸上部２０４の可動方向に垂直な面に形成され、軸上部２０４からの弾性力により、定常時に公差吸収部３１７の前方部の面が第１開口部３１２の面に押し付けられて、第１開口部３１２を密閉している。公差吸収部３１７は、公差吸収部２０７と同様に、密閉を構成する部分の公差を吸収し、第１開口部３１２を密閉するキャップの役割を有する構造になっている。これにより、香料カートリッジ３０１は、第１開口部３１２および吐出孔２０１からの香料漏れを防ぐことができる。

　なお、第１ばね２０５は、軸上部２０４を第１開口部３１２の密閉方向に向かって付勢できる弾性体等であればよい。また、第２ばね２０６は、公差吸収部３１７により第１開口部３１２の第１開閉位置と第２開口部３２１の第２開閉位置との間の公差を吸収可能な弾性体等であればよい。

　軸下部３２０は、軸上部２０４の後方に連結され、軸上部２０４とともに香料保持空間２０９を延在方向に可動可能である。軸下部３２０は、定常時に第２開口部３２１に接触している。軸下部３２０の第２開口部３２１との接触部は、軸下部３２０の可動方向に垂直な面に形成され、第１ばね２０５の弾性力により、第２開口部３２１に押し付けられて、定常時に第２開口部３２１を密閉している。これにより、香料カートリッジ３０１は、第２開口部３２１からの香料漏れを防ぐことができる。

　さらに、香料カートリッジ３０１は、第２Oリング２１２により、第２ケース３０３と開閉機構部１０２との嵌合部を密閉し、この嵌合部からの香料漏れを防ぐことができる。

　香料カートリッジ３０１を本技術に係る香り提供装置に備えることにより、香り提供装置１００と同様の効果を有することができる。さらに、香料カートリッジ３０１は、第１開口部３１２および第２開口部３２１と、軸上部２０４および軸下部３２０と、の接触面が、軸上部２０４および軸下部３２０の可動方向に垂直な面に形成されているため、香料カートリッジ１０１よりも容易に製造することができる。また、香料カートリッジ３０１は、香料カートリッジ１０１よりも容易に接触面の密閉性を高めることができるため、より高い精度で香料漏れを防止することができる。

（４）連結部の変形例
　次に、図７を参照して、香り提供装置１００の変形例について説明する。図７は、香料カートリッジ１０１と開閉機構部１０２との連結部の変形例を示す側面透視図である。本変形例の香料カートリッジ４０１と開閉機構部４０２との連結部には、ロック機構が備えられている。その他の構成は、香料カートリッジ１０１および開閉機構部１０２の構成と同様であるため、ここでは説明を割愛する。

　図７に示すように、香料カートリッジ４０１は、開閉機構部４０２と連結する後端部に密閉部４０３が装着されている。密閉部４０３には、突起部４０４が形成されている。香料カートリッジ４０１の後端部には、突起部４０４が差込み可能なＬ字形状の突起固定溝４０５が形成されている。密閉部４０３は、香料カートリッジ４０１へ装着時に、突起部４０４を突起固定溝４０５に差し込み、密閉部４０３を香料カートリッジ４０１の断面の円周方向に回転させて突起固定溝４０５の屈折部に突起部４０４を引っ掛けて固定されている。

　開閉機構部４０２は、香料カートリッジ４０１と連結する前方部に、突起部４０４が差込み可能な、直線部、傾斜部および直線部を有する突起移動溝４０６が形成されている。

　香料カートリッジ４０１を開閉機構部４０２に装着する時には、まず、香料カートリッジ４０１の後方と開閉機構部４０２の前方とを互いの突起固定溝４０５および突起移動溝４０６の開口部を合わせて連結する。次に、突起部４０４を突起固定溝４０５に固定させた時と逆方向に密閉部４０３を回転させて突起固定溝４０５から突起部４０４の固定を外す。そして、突起部４０４を突起固定溝４０５から突起移動溝４０６の形状に合わせてスライドさせる。これにより、装着時に密閉部４０３が開閉機構部４０２へ移動し、香料カートリッジ４０１の内部と開閉機構部４０２の内部が連通して、香料保持空間を開放する。

　香料カートリッジ４０１と開閉機構部４０２との連結部のロック機構により、香料カートリッジ４０１が単体の定常状態の時に、香料保持空間を密閉して香料カートリッジ４０１の後端からの香料漏れを防止するとともに、上記後端の蓋等が意図せずに外れて香料が漏れることを防止することができる。また、香料カートリッジ４０１と開閉機構部４０２とを密閉状態で連結させることができるので、連結後も香料漏れを防止することができる。

２．第２実施形態
（１）香料カートリッジの構成例
　次に、図８から図１０を参照して、本技術の第２実施形態に係る香料カートリッジ５０１の構成例について説明する。図８は、本実施形態に係る香料カートリッジ５０１の構成例を示す斜視図である。図９は、香料カートリッジ５０１の構成例を示す分解斜視図である。図１０は、香料カートリッジ５０１の構成例を示す側面断面図である。香料カートリッジ５０１が第１実施形態に係る香料カートリッジ１０１と相違する点は、各開口部の内側面と軸部の隆起部とを接触させて密閉構造を形成している点である。

　図８および図９に示すように、本実施形態に係る香料カートリッジ５０１は、円筒形状であり、第１ケース５１１と、第１ケース５１１の後方側に取り付けられた第２ケース５１２と、第１ケース５１１および第２ケース５１２の内部を延在方向に可動する可動部である軸部５１３と、を備えている。ただし、香料カートリッジ５０１の形状は、円筒形状に限られない。

　第１ケース５１１には、第２ケース５１２との連結部側面の対向する位置に２つの突起部５１４が形成されている。第２ケース５１２には、第１ケース５１１との連結部に各突起部５１４が差込み可能な２つのＬ字形状の突起固定溝５１５が形成されている。なお、突起部５１４および突起固定溝５１５の数は２つに限られず、１つまたは３つ以上であってもよい。

　第１ケース５１１と第２ケース５１２との連結時に、第１ケース５１１は、各突起部５１４を各突起固定溝５１５に差し込み、第１ケース５１１を香料カートリッジ５０１の断面の円周方向に回転させて各突起固定溝５１５の屈折部に各突起部５１４を引っ掛けて固定されている。

　図９に示すように、軸部５１３は、円柱形状であり、側面の互いに離間した箇所に第１隆起部５１６および第２隆起部５１７が形成されている。第１隆起部５１６および第２隆起部５１７の軸方向に垂直な断面形状は、環状に形成されている。第１隆起部５１６および第２隆起部５１７の距離は、後述する第１開口部５２２の径部と第２開口部５２５の径部との距離に対応している。

　図１０に示すように、第１ケース５１１は、香料を含む香り入り空気を外部へ放出する吐出孔５２１と、香料と空気とが混合した香り入り空気を吐出孔５２１へ流し込む第１開口部５２２と、第２ケース５１２との嵌合部に配置された第１Oリング５２３と、を備えている。

　香料カートリッジ５０１は、第１Oリング５２３により、第１ケース５１１と第２ケース５１２との嵌合部を密閉し、この嵌合部からの香料漏れを防ぐことができる。

　第２ケース５１２には、液体香料を保持する香料保持空間５１９が形成されている。香料保持空間５１９には、軸部５１３と、香料保持体５２４と、が備えられている。香料保持体５２４は、板状の形状であるが、軸部５１３の側面を覆い囲むような円筒形状であってもよい。また、第２ケース５１２は、外部から送られてくる空気を香料保持空間５１９へ流し込む第２開口部５２５を備えている。軸部５１３は、第１開口部５２２および第２開口部５２５を同時または時間差で開閉可能に可動する可動部である。

　第１開口部５２２および第２開口部５２５の直径は、香料保持空間５１９等の内部空間と比較して狭く形成され、第１隆起部５１６および第２隆起部５１７の軸方向に垂直な断面の直径と略等しい。これにより、軸部５１３を第１ケース５１１および第２ケース５１２の内部に収容した際に、第１隆起部５１６および第２隆起部５１７が、それぞれ第１開口部５２２および第２開口部５２５の内側面に当接し、第１開口部５２２および第２開口部５２５を密閉することができる。

　第１開口部５２２の径部および第２開口部５２５の径部は、延在方向に幅が広く形成され、これらの各径部の幅が公差を吸収する公差吸収構造の役割を有している。この公差吸収構造である各径部の幅を調整することにより、第１開口部５２２および第２開口部５２５を同時または時間差で開閉することができる。

（２）香料カートリッジの動作例
　次に、図１０を参照して、香料カートリッジ５０１から香り入り空気を放出する動作の例について説明する。

　アクチュエータ等の駆動力により、軸部５１３が香料カートリッジ５０１の後方側に可動すると、第１隆起部５１６および第２隆起部５１７が、それぞれ第１開口部５２２および第２開口部５２５の内側面から離れ、第１開口部５２２および第２開口部５２５が開口する。このとき、第１開口部５２２および第２開口部５２５の各径部の延在方向の幅を調整することにより、第１開口部５２２および第２開口部５２５を同時または時間差で開口することができる。

　第２開口部５２５が開口すると、エア取込口に送り込まれた空気が第２開口部５２５から第２ケース５１２の香料保持空間５１９に流入する。

　そして、香料保持空間５１９に流入した空気と香料保持空間５１９内の香料保持体５２４に含まれている香料と空気が混ざった香り入り空気が、第１開口部５２２を通って吐出孔５２１より外部のユーザへ放出される。

　香り入り空気を放出後に、軸部５１３を元の位置にスライドして、第１隆起部５１６および第２隆起部５１７を、それぞれ第１開口部５２２および第２開口部５２５の径部内側面と接触させて、第１開口部５２２および第２開口部５２５を密閉する。このとき、第１開口部５２２および第２開口部５２５の各径部の延在方向の幅を調整することで、第１隆起部５１６および第２隆起部５１７の延在方向の公差を考慮することなく、第１開口部５２２と第２開口部５２５との間に公差が生じていた場合でも第１開口部５２２および第２開口部５２５を同時に密閉することができる。

　以上により、本実施形態に係る香料カートリッジ５０１によれば、第１実施形態と同様の効果に加え、第１隆起部５１６および第２隆起部５１７の延在方向の公差を考慮する必要なく、第１開口部５２２および第２開口部５２５の径部間の公差を吸収して容易に各開口部の開閉を制御することができる。

　なお、本技術では、以下の構成を取ることができる。
（１）
　香料を保持する香料保持体と、
　前記香料保持体が配置される保持空間と、
　前記保持空間を外部に開放する第１開口部および第２開口部と、
　前記第１開口部および前記第２開口部を開閉可能に可動する可動部と、
　前記可動部の前記第１開口部の第１開閉位置と前記可動部の前記第２開口部の第２開閉位置との間の公差を吸収する公差吸収部と、を備え、
　前記保持空間は、前記第１開口部および前記第２開口部により構成される通風流路を有し、
　前記可動部は、定常時に前記第１開口部および前記第２開口部を密閉し、前記保持空間の開放時に前記第１開口部および前記第２開口部を開口する、香料保持部材。
（２）
　前記可動部は、駆動源および／または磁気手段により着脱可能な着脱部を有する、（１）に記載の香料保持部材。
（３）
　前記可動部は、前記第１開口部および前記第２開口部の密閉方向に付勢された弾性体を有する、（１）または（２）に記載の香料保持部材。
（４）
　前記公差吸収部は、前記公差を吸収する弾性体を有する、（１）から（３）のいずれかに記載の香料保持部材。
（５）
　前記可動部は、前記第１開口部を密閉する第１隆起部および前記第２開口部を密閉する第２隆起部を有する、（１）または（２）に記載の香料保持部材。
（６）
　前記可動部は、前記第１開口部および前記第２開口部の開閉方向に直動する直動機構である、（１）から（５）のいずれかに記載の香料保持部材。
（７）
　定常時に前記保持空間を密閉し、外部装置へ装着時に前記保持空間を開放するロック機構をさらに備える、（１）から（６）のいずれかに記載の香料保持部材。
（８）
　前記保持空間および前記第１開口部を有する第１ケースと、前記第１ケースに取り付けられ、前記第２開口部を有する第２ケースと、を備え、
　前記第１ケースと前記第２ケースとの嵌合部に、密閉構造が形成されている、（１）から（７）のいずれかに記載の香料保持部材。
（９）
　前記密閉構造は、Oリングである、（８）に記載の香料保持部材。
（１０）
　前記第１ケースと前記第２ケースとの嵌合部に、オイルシール材および／または弾性素材を有する、（８）または（９）に記載の香料保持部材。
（１１）
　表面が、ガス低透過性の樹脂、有機高分子、有機低分子、有機金属、金属、金属膜のいずれか一つ、または、これらの複数の組合せから選択された材料で形成されている、（１）から（１０）のいずれかに記載の香料保持部材。
（１２）
　内壁面が金属で形成されている、（１）から（１１）のいずれかに記載の香料保持部材。
（１３）
　前記香料保持部材は、香り提供装置に装着される香料カートリッジである、（１）から（１２）のいずれかに記載の香料保持部材。
（１４）
　香料を保持する香料保持体と、
　前記香料保持体が配置される保持空間と、
　前記保持空間を外部に開放する第１開口部および第２開口部と、
　前記第１開口部および前記第２開口部を開閉可能に可動する可動部と、
　前記可動部の前記第１開口部の第１開閉位置と前記可動部の前記第２開口部の第２開閉位置との間の公差を吸収する公差吸収部と、
を有する香料保持部材と、
　前記可動部に連結し、前記可動部を駆動する駆動機構部と、
を備え、
　前記保持空間は、前記第１開口部および前記第２開口部により構成される通風流路を有し、
　前記可動部は、定常時に前記第１開口部および前記第２開口部を密閉し、前記保持空間の開放時に前記第１開口部および前記第２開口部を開口する、香り提供装置。

１００　香り提供装置
１０１、３０１、４０１、５０１　香料カートリッジ（香料保持部材）
１０２、４０２　開閉機構部
１０３　本体部
１１１、３０２、５１１　第１ケース
１１２、３０３、５１２　第２ケース
１１３　スリーブケース
１１４　開閉機構底部
１１５　開閉機構固定部
１１６　スタンド
２０１、５２１　吐出孔
２０２、３１２、５２２　第１開口部
２０３、５２３　第１Oリング
２０４　軸上部
２０５　第１ばね
２０６　第２ばね
２０７、３１７　公差吸収部
２０８、５２４　香料保持体
２０９、５１９　香料保持空間
２１０、３２０　軸下部
２１１、３２１、５２５　第２開口部
２１２　第２Oリング
２１３　ねじ
２２１　稼働スリーブ
２２２　磁石固定部
２２３　バイアスばね
２２４　磁石
２２５　稼働空間
２２６　エア取込口
４０３　密閉部
４０４、５１４　突起部
４０５、５１５　突起固定溝
４０６　突起移動溝
５１３　軸部
５１６　第１隆起部
５１７　第２隆起部

Claims (14)

1. 　香料を保持する香料保持体と、
   　前記香料保持体が配置される保持空間と、
   　前記保持空間を外部に開放する第１開口部および第２開口部と、
   　前記第１開口部および前記第２開口部を開閉可能に可動する可動部と、
   　前記可動部の前記第１開口部の第１開閉位置と前記可動部の前記第２開口部の第２開閉位置との間の公差を吸収する公差吸収部と、を備え、
   　前記保持空間は、前記第１開口部および前記第２開口部により構成される通風流路を有し、
   　前記可動部は、定常時に前記第１開口部および前記第２開口部を密閉し、前記保持空間の開放時に前記第１開口部および前記第２開口部を開口する、香料保持部材。
2. 　前記可動部は、駆動源および／または磁気手段により着脱可能な着脱部を有する、請求項１に記載の香料保持部材。
3. 　前記可動部は、前記第１開口部および前記第２開口部の密閉方向に付勢された弾性体を有する、請求項１に記載の香料保持部材。
4. 　前記公差吸収部は、前記公差を吸収する弾性体を有する、請求項１に記載の香料保持部材。
5. 　前記可動部は、前記第１開口部を密閉する第１隆起部および前記第２開口部を密閉する第２隆起部を有する、請求項１に記載の香料保持部材。
6. 　前記可動部は、前記第１開口部および前記第２開口部の開閉方向に直動する直動機構である、請求項１に記載の香料保持部材。
7. 　定常時に前記保持空間を密閉し、外部装置へ装着時に前記保持空間を開放するロック機構をさらに備える、請求項１に記載の香料保持部材。
8. 　前記保持空間および前記第１開口部を有する第１ケースと、前記第１ケースに取り付けられ、前記第２開口部を有する第２ケースと、を備え、
   　前記第１ケースと前記第２ケースとの嵌合部に、密閉構造が形成されている、請求項１に記載の香料保持部材。
9. 　前記密閉構造は、Oリングである、請求項８に記載の香料保持部材。
10. 　前記第１ケースと前記第２ケースとの嵌合部に、オイルシール材および／または弾性素材を有する、請求項８に記載の香料保持部材。
11. 　表面が、ガス低透過性の樹脂、有機高分子、有機低分子、有機金属、金属、金属膜のいずれか一つ、または、これらの複数の組合せから選択された材料で形成されている、請求項１に記載の香料保持部材。
12. 　内壁面が金属で形成されている、請求項１に記載の香料保持部材。
13. 　前記香料保持部材は、香り提供装置に装着される香料カートリッジである、請求項１に記載の香料保持部材。
14. 　香料を保持する香料保持体と、
    　前記香料保持体が配置される保持空間と、
    　前記保持空間を外部に開放する第１開口部および第２開口部と、
    　前記第１開口部および前記第２開口部を開閉可能に可動する可動部と、
    　前記可動部の前記第１開口部の第１開閉位置と前記可動部の前記第２開口部の第２開閉位置との間の公差を吸収する公差吸収部と、
    を有する香料保持部材と、
    　前記可動部に連結し、前記可動部を駆動する駆動機構部と、
    を備え、
    　前記保持空間は、前記第１開口部および前記第２開口部により構成される通風流路を有し、
    　前記可動部は、定常時に前記第１開口部および前記第２開口部を密閉し、前記保持空間の開放時に前記第１開口部および前記第２開口部を開口する、香り提供装置。

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