JP2004243759A - 液体カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】空気が記録ヘッドに引き込まれることを防止する。
【解決手段】液体噴射装置へ装着されることにより液体噴射装置に液体を供給する液体カートリッジであって、液体を収容する液体収容部と、液体収容部に収容された液体を液体噴射装置へ供給する供給部と、液体収容部と大気とを連通する連通孔を、開放又は封止する大気弁と、連通孔を封止すべく、大気弁を連通孔に向けて付勢する付勢部とを備え、付勢部は、当該液体カートリッジが大気圧に開放された場合に、大気弁が連通孔を開放する付勢力を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体カートリッジに関する。特に本発明は、液体噴射装置に液体を供給する液体カートリッジに関する。
液体噴射装置の一例として、インクジェット式記録装置は、記録ヘッドに設けられたノズルからインクを吐出することにより被記録物に印刷する。液体カートリッジの一例としてのインクカートリッジは、インク収容部にインクを保持し、インクジェット式記録装置に装着されることにより、インクジェット式記録装置にインクを供給する(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−277530号公報(第2から3頁、第1図)
インクカートリッジを初めて使用する前の状態では、インクカートリッジは、減圧密封パッケージ内に包装されている。この減圧密封パッケージを開封してインクカートリッジをインクジェット式記録装置に装着すると、インク収容部内には負圧がかかっているので、インクが記録ヘッドからインクカートリッジへ引き込まれ、更に空気が記録ヘッドに引き込まれる場合がある。そのため、記録ヘッドに形成されたインクのメニスカスが破壊され、記録ヘッドが使用できなくなることがあった。
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる液体カートリッジを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、液体噴射装置へ装着されることにより液体噴射装置に液体を供給する液体カートリッジであって、液体を収容する液体収容部と、液体収容部に収容された液体を液体噴射装置へ供給する供給部と、液体収容部と大気とを連通する連通部を、開閉する大気弁と、連通部を封止すべく、大気弁を連通部に向けて付勢する付勢部とを備え、付勢部は、液体収容部内部が大気圧よりも低い圧力でパッケージに密封された当該液体カートリッジがパッケージの開封により大気圧に開放された場合に、大気弁が連通部を開閉可能な付勢力を有する。これにより、液体カートリッジの液体収容部内の圧力が大気圧より低い場合に、大気弁が連通孔を一旦、開放して大気と連通させるので、液体収容部内の圧力と大気圧との差を弱めることができる。よって、液体カートリッジが液体噴射装置に装着された場合に、液体カートリッジが液体噴射装置から液体を引きこむことを防ぐことができる。
上記液体カートリッジにおいて、付勢部はコイルバネを含んでいてもよい。これにより、付勢部として用いられるコイルバネの付勢力に基づいて、液体収容部内の圧力と大気圧との差を弱める程度を調整することができる。更に、コイルバネは、連通部に対して、大気弁を液体収容部側から大気側へ付勢してもよい。これにより、液体カートリッジが大気圧に開放された場合に、簡便な構成で、大気弁が連通部を開放して大気と連通させることができる。
上記液体カートリッジにおいて、供給部を封止し、液体カートリッジの初回使用時に開封されるシールを更に備えてもよい。これにより、減圧密封パッケージが開封されて液体カートリッジが大気圧に開放されたときに、供給部側が大気開放することを防ぎ、大気弁を確実に移動させて連通部を開放して大気と連通させることができる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、液体噴射装置の液体噴射ヘッドに液体を供給するのに適した液体カートリッジの一例を、インクジェット式記録装置用のインクカートリッジ100に例を採り、その構造を斜め上方からみた状態で示す正面斜視図である。
なお、本発明でいう液体噴射装置とは、インクジェット式記録装置の液体噴射ヘッドだけではなく、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置の色剤噴射ヘッドや、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、さらにはバイオチップを製造するバイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッド及び精密ピペットしての試料噴射ヘッドなどを含む。
図2及び図3は、図1のインクカートリッジ100を斜め下方からみた背面斜視図で、図2は、インクカートリッジ100の表面にフィルム110が貼り付けられる前の状態を示す図であり、図3は、インクカートリッジ100にフィルム110が貼り付けられた状態を示す図である。さらに図4、図5は、インクカートリッジ100を構成する部材を分解して示す組み立て斜視図である。図6及び図7は、図1のインクカートリッジ100の正面図であり、図6は、インクカートリッジ100の開口部122にフィルム130が貼り付けられる前の状態を示す図であり、図7は、インクカートリッジ100の開口部122にフィルム130が貼り付けられた状態を示す図である。なお、図7において、ハッチングで示された領域にフィルム130が貼り付けられる。
図4に示すように、インクカートリッジ100は、開口部122を有する有底の略筐体形状のカートリッジ本体120、この開口部122のほぼ全面を覆うフィルム130、および、このフィルム130の外側を覆う蓋体140を備える。カートリッジ本体120の内部は、後述のようにリブや壁により区画される。フィルム130は、カートリッジ本体120の開口部122のほぼ全面を、その内部が密閉状態となるように封止する。蓋体140は、さらにフィルム130の外側を非密閉状態で被覆するようにカートリッジ本体120に固定される。
カートリッジ本体120は、インクを収容するインク収容部111と、インク収容部111からインク供給部160までのインク流路部と、インク収容部111を大気に連通させるインク側通路、大気弁収容部及び大気側通路からなる大気連通部とを備え、例えばプロピレン(PP)により一体成形されている。
インクカートリッジ100はさらに、インク供給制御手段150と、インク供給部160と、記憶手段170と、係合レバー180とを有する。インク供給部160は、カートリッジ本体120の下面に配され、インクカートリッジ100が装着されるキャリッジ42に形成されたインク供給針が挿入されて、インク収容部111に収容されたインクをインクジェット式記録装置の記録ヘッドへ供給する。記憶手段170は、取付部190にかしめられ、この取付部190は、カートリッジ本体120の側面の下方にかしめられて取り付けられる。記憶手段170は、インクカートリッジ100の種類の情報、インクカートリッジ100が保持するインクの色の情報、および、インクの現存量等の情報を記憶し、表面に露出した複数の端子171により装置本体との間でこれらの情報を受け渡す。係合レバー180は、カートリッジ本体120における取付部190と対向する側面の上部に成形され、インクジェット式記録装置のキャリッジ42と係合する。取付部190の側面は、キャリッジに形成された図示しないリブにより規制されて、上記端子171とキャリッジ側の弾性接点とが確実に当接するように構成されている。
インク供給制御手段150は、インクの消費に伴って発生するインク収容部111とインク供給部160との圧力差により、インク収容部111のインクをインク供給部160へ供給する差圧弁から構成されている。インク供給制御手段150は、弾性変形可能であって、カートリッジ本体120の凹部495に挿入される弁部材の一例である膜弁900と、凹部495を覆う弁蓋151と、膜弁900および弁蓋151の間に配される付勢部材の一例としてのコイルバネ907とを有する。
インク収容部111は、図6、7に示したように水平方向に延びる壁272により、上部と下部とに大きく分割され、下部には連通孔242により大気と連通可能な大気側収容部270が、また上部には大気から遮断された2つの第1インク収容部292及び第2インク収容部294からなる供給側収容部290が形成されている。供給側収容部290は、壁272の近傍(下部領域)に連通部276を有する斜めの壁271により、第1、及び第2インク収容部292、294の2つに分割され、また第2インク収容部294に周りを囲まれるように配された流路部296が形成されている。流路部296は下部の連通部278を介して、第2インク収容部294と接続されるとともに、通路298、300及び通孔918を介してインク供給制御手段150に接続されている。
また、インク供給制御手段150の下流側は、インク供給制御手段150と連通する通孔910、通孔910と連通する連通部302および流路321、流路321の一端に形成され、表面側に向けて形成された通孔323、および、通孔323と一端が連通した連通部304を介して、インク供給部160と連通するよう構成されている。
大気側収容部270と第1インク収容部292とは垂直に延びる連通路295により連通されていて、インク供給部160からのインクの消費に対応して大気側収容部270のインクを第1インク収容部292に吸い上げ、ここから第2インク収容部294、流路部296等を介してインク供給制御手段150に流れ込ませるように構成されている。インク収容部111の大気側収容部270からインク供給制御手段150へは、連通部274、第2のインク注入口162、連通路295、連通部276、278、流路部296、通路298、300、通孔918をこの順に通ってインクが流れ込む。
一方、大気弁部250は、大気弁254が収容される中空の大気弁収納室232を有し、大気弁収納室232の下方の壁面には、大気弁254の軸部264の径より若干径が大きく大気の連通流路をも兼ねる連通孔239を有し、ここに大気弁254の軸部264がコイルバネ255により常時、インクカートリッジ100の底面に向かって付勢されて摺動自在に挿入されて、インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置のキャリッジ42に装着されていない場合に大気弁254によって連通孔239を封止している。これにより、大気弁254は、インクカートリッジ100がキャリッジ42へ装着される鉛直方向に移動可能に配され、キャリッジ42に装着される場合に、キャリッジに形成された当接部材の一例としての当接部材60により押し上げられ、連通孔239を開放する。なお、コイルバネ255のバネ力については後述する。
図8は、図1のインクカートリッジ100においてフィルム110が貼り付けられる前の状態を示す背面図である。上述した連通孔239を境として大気と連通する側である大気側通路は、開口212、蛇行した通路214、フィルタ収容部216、連通孔218および連通部222、連通部222の底面に形成された連通孔253、連通部224により構成されている。
詳細には、図8に示すように、カートリッジ本体120の表側に形成された迷路状に蛇行した1本の通路214の一端は開口212として大気に開放され、他端は撥インク性と通気性の機能を備えたフィルタ215(図4、図5)が収容されたフィルタ収容部216に接続されている。フィルタ収容部216は、カートリッジ本体120の表側から裏側に貫通する連通孔218と連通する。連通孔218は、カートリッジ本体120の裏側において連通部222、連通部222を区画する部屋の底部に形成された連通孔253を介して連通部224と接続している。通路214の途中には、凹部からなるチャンバ930が設けられている。
図2に示すように、連通部224は、カートリッジ本体120の底面に凹部257として形成され、大気弁254の作動棹である軸部264を露出させ、かつ大気弁254を収容する大気弁収納室232との連通が可能な連通孔239と、連通部222に連通する連通孔253が凹部257内に形成され、凹部257の外面を第1のインク注入口161、第2のインク注入口162を封止するフィルム132により封止して形成されている。このフィルム132は、キャリッジ42に設けられた操作部材の押圧力により弾性変形可能なものが選択されている。
一方、図6に示すように上述した連通孔239を境として大気側収容部270と連通するインク側通路は、大気弁収納室232、通孔234a、連通室234b、連通部234c、連通室234d、連通部236、連通室237および連通孔238、連通溝240、連通孔242とで形成されている。詳細には、大気弁収納室232の上部の壁には通孔232aが形成されており、この通孔232aを介して連通室234b、連通室234bの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部234c、連通部234cの上部に設けられた連通室234d、連通室234dの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部236、下方に連通孔238が形成された連通室237と順に連通する大気通路が形成されている。カートリッジ本体120の裏側から表側に貫通する連通孔238は、連通孔238と連通する連通溝240、連通溝240と連通すると共にカートリッジ本体120の表側から裏側に貫通する連通孔242を介して大気側収容部270と連通する。これら、大気側収容部270、供給側収容部290、大気弁部250、及び大気側通路、インク側通路は、それぞれを区画する壁にフィルム130、110を熱溶着などの方法で貼着することにより大気と隔離された領域となる。
インク供給部160は、キャリッジ42に設けられたインク供給針が挿入される挿入口26を有するエラストマ等から形成されたシール部材12と、シール部材12の挿入口26を塞ぐ供給弁13と、供給弁13をシール部材12に向けて付勢するコイルスプリング等からなる付勢部材14とを有する。なお、シール部材12の挿入口26には、工場出荷時において、シール604が貼り付けられている。
インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置のキャリッジ42に装着されると、キャリッジ42に設けられた凸部がフィルム132を介して大気弁254の軸部264を上方に押し上げるとともに、キャリッジ42のインク供給針がインク供給部160の供給弁13を上方に押し上げる。これにより、連通孔239は、大気弁収納室232から連通孔242までの大気流路を大気と連通する。また、インク供給部160における供給弁13より上流は、インク供給針と連通する。
連通孔242が大気と連通している状態において、インクジェット式記録装置が記録を始めると、インク供給部160からインク供給針を通して記録ヘッドへインクが供給される。インク供給部160からインクが供給されると、インク収容部111において図6に示す矢印a、通孔918の順に流れたインクが、インク供給制御手段150を経由して、図6に示す矢印b、c、dの順に流れて、インク供給部160に流れ込み、インク供給部160に挿入されたインク供給針にインクが供給される。
このインクの流れにあわせてインク収容部111においては、大気側収容部270のインクが供給側収容部290に供給される。大気側収容部270のインクの消費に伴って空気が、図6における矢印f、底面の連通部224、および矢印gの経路を順に通って、連通孔242から大気側収容部270へ流入する。インク供給部160から記録ヘッドへインクが供給されて大気側収容部270の液面が下がるが、大気側収容部270と供給側収容部290とを接続する流路は、大気側収容部270の最も下部に連通口があるので、大気側収容部270の全てのインクが供給側収容部290へ移動するまで、供給側収容部290には空気が流入しない。
大気側収容部270のインクがすべて消費された後に、供給側収容部290の第1インク収容部292および第2インク収容部294のインクがこの順に消費される。この間、供給側収容部290と大気側収容部270とを連通する第2のインク注入口162に形成されるインクのメニスカスによる表面張力により、供給側収容部290のインクが大気側収容部270に逆流することが防止される。
第1インク収容部292のインクが消費され始めると、第1インク収容部292に空気が流入する。これにより、第1インク収容部292の液面が下がるが、第1インク収容部292と第2インク収容部294とは、下部のみが連通部276により連通しているので、まず、第1インク収容部292のインクが消費される。第1インク収容部292のインクが消費されて、液面が連通部276に到達すると、第2インク収容部294のインクが消費されるのにあわせて、空気は第2インク収容部294にも流入する。第2インク収容部のインクが消費される間、連通部276にインクのメニスカスによる表面張力が生じるため、第2インク収容部294のインクが第1インク収容部292に逆流することが防止される。
上述のように大気側収容部270、第1インク収容部292および第2インク収容部294のインクはこの順に消費されるが、インクの液面がいずれの収容部にあっても、インクは、インク収容部111を上下に略二分する壁272の近傍に配された連通部278から通路300を経由して通孔918を通ってインク供給部160へ供給される。
図6に示したコイルバネ255は、本発明における付勢部の一例である。コイルバネ255は、連通孔239に対して、大気弁254をインク収容部111側から大気側へ付勢する。これにより、インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置に装着されない状態において、大気弁254が連通孔239を封止して、インク収容部111と大気との連通を遮断している。ここで、コイルバネ255は、インクカートリッジ100が大気圧に開放された場合に、大気圧により大気弁254がこのコイルバネ255に抗して移動し、連通孔239を開放する付勢力を有する。例えば、コイルバネ255は、インクカートリッジ100の開封時におけるインク収容部111内の圧力と大気圧との差圧に、大気弁254の軸部264と当接するフィルム132が大気圧に接して撓むことができる領域の面積を乗じた力よりも弱い力で大気弁254を付勢する。本実施形態において、フィルム132が大気圧に接して撓むことができる領域は、連通部224の領域と略同一である。
上述の構成を有するインクカートリッジ100のインク収容部111内にインクが収容された後に、インクカートリッジ100は、減圧下でアルミ等の減圧密封パッケージ等により減圧密封される。これにより、インクカートリッジ100のインク収容部111内も減圧され大気圧よりも低い状態となる。この状態から、減圧密封パッケージが開封されると、インクカートリッジ100は大気圧に開放される。この場合に、インク収容部111内の圧力よりも大気圧が大きいので、大気弁254は大気圧側からインク収容部111側へ圧力を受ける。ここで大気弁254をインク収容部111側から連通孔239に付勢しているコイルバネ255は上述の付勢力を有するので、大気弁254は、大気圧によりコイルバネ255の付勢力に抗して連通部224を開放する上方へ移動する。よって、インク収容部111が連通孔239を通じて大気と連通し、インク収容部111の圧力が高まる。これにより、大気弁254は、インク収容部111内の圧力と大気圧との差を弱めることができる。
上述の状態から更に、インク収容部111の圧力が高まることによりインク収容部111の圧力と大気圧との差が弱まると、大気圧が大気弁254に及ぼす圧力よりもコイルバネ255の付勢力が勝り、大気弁254が再び連通孔239を封止する。これにより、インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置に装着されていない状態において、連通孔239が封止された状態が保たれ、インクカートリッジ100からインクが漏れ出すことを防ぐことができる。
上記のように、本実施形態のインクカートリッジ100によれば、インクカートリッジ100を収容する減圧密封パッケージが開封された時に、大気圧により大気弁254が、付勢部600の付勢力に抗して連通部224を開放する上方へ一旦、移動するので、インクカートリッジ100を大気開放してインクカートリッジ100内の圧力と大気圧との差を弱めることができる。これにより、インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置に装着された場合に、インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置の記録ヘッドからインクを引き込むことを防止し、空気が記録ヘッドに引き込まれることにより記録ヘッドが故障することを防ぐことができる。
また、図5に示すように、付勢部としてコイルバネ255を用いているので、コイルバネ255の付勢力を適宜選択することにより、各インクカートリッジ100におけるインク収容部111内の圧力と大気圧との差を弱める程度を調整することができる。例えば、より弱い付勢力のコイルバネ255を用いた場合には、減圧密封パッケージを開封した場合に、インク収容部111内の圧力と大気圧との差をより弱めることができる。
更に、図2及び図3で説明したように、インク供給部160がシール604により封止されているので、インク供給部160が大気と連通せず、インク供給部160側がインク収容部111を大気に開放することを防ぐことができる。そのため、減圧密封パッケージを開封してインクカートリッジ100を大気に開放した場合に、大気弁254を確実に移動させ、インク収容部111の負圧を確実に弱めることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
第1の実施形態によるインクカートリッジ100の正面斜視図である。 フィルム110が貼り付けられる前のインクカートリッジ100の背面斜視図である。 フィルム110が貼り付けられた後のインクカートリッジ100の背面斜視図である。 インクカートリッジ100の分解斜視図である。 インクカートリッジ100の分解斜視図である。 フィルム130が貼り付けられる前のインクカートリッジ100の正面図である。 フィルム130が貼り付けられた後のインクカートリッジ100の正面図である。 フィルム110が貼り付けられる前のインクカートリッジ100の背面図である。
符号の説明
100 インクカートリッジ、111 インク収容部、120 カートリッジ本体、131、132 フィルム、140 蓋体、150 インク供給制御手段、160 インク供給部、170 記憶手段、180 係合レバー、210 大気側通路、212 開口、214 通路、216 フィルタ収容部、218 連通孔、222、224 連通部、230 インク側通路、232 大気弁収容室、234、236、274、276、278 連通部、240 連通溝、238、242 連通孔、250 大気弁部、270 大気側収容室、272 壁、290 供給側収容室、292 第1インク収納部、294 第2インク収容部、296 流路部、298、300 通路、302、304 連通部、604 シール

Claims (4)

  1. 液体噴射装置へ装着されることにより前記液体噴射装置に液体を供給する液体カートリッジであって、
    液体を収容する液体収容部と、
    前記液体収容部に収容された液体を前記液体噴射装置へ供給する供給部と、
    前記液体収容部と大気とを連通する連通部を、開閉する大気弁と、
    前記連通部を封止すべく、前記大気弁を前記連通部に向けて付勢する付勢部と
    を備え、
    前記付勢部は、前記液体収容部内部が大気圧よりも低い圧力でパッケージに密封された当該液体カートリッジが前記パッケージの開封により大気圧に開放された場合に、前記大気弁が前記連通部を開閉可能な付勢力を有する液体カートリッジ。
  2. 前記付勢部はコイルバネを含むことを特徴とする請求項1に記載の液体カートリッジ。
  3. 前記コイルバネは、前記連通部に対して、前記大気弁を前記液体収容部側から前記大気側へ付勢する請求項2に記載の液体カートリッジ。
  4. 前記供給部を封止し、前記液体カートリッジの初回使用時に開封されるシールを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の液体カートリッジ。
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