JP2005047242A - 液体カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体噴射装置へ装着されることにより液体噴射装置に液体を供給するインクカートリッジ100であって、インクカートリッジ100は、開放された開口部を一側面に有するカートリッジ本体120と、カートリッジ本体120の開口部を覆うことにより、カートリッジ本体120とともに液体を収容する閉空間であるインク収容室111を形成する可撓性フィルム130とを備え、インクカートリッジが梱包用の減圧袋101から取り出されときに作用する大気圧により可撓性フィルム130をインク収容室111の側に変形させて、インク収容室111の圧力を高める。
【選択図】図9
Description
これにより、カートリッジから新しいインクを液体噴射ヘッドであるインクジェットヘッドに供給すると、カートリッジ着脱によりインクジェットヘッドやインク供給針に侵入した気泡を、カートリッジから供給した脱気状態のインクにより容易に溶解させてインク滴の吐出特性を、気泡の侵入に関わり無く維持することができるという利点がある。
一方、カートリッジのインク供給口がインク供給針に接続された時点で、カートリッジの負圧がインクジェットヘッドにそのまま作用するため、インクジェットヘッドのノズル開口のメニスカスが引き込まれてしまい、インク滴の吐出特性に悪い影響を与える恐れがある。
このため、このようなインクカートリッジは、特許文献1に見られるように、液体噴射ヘッドに連通するインク供給針がインク供給口に連通する以前に、インク収容室を大気に開放させる構造が採用されている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはインク供給針の直前に大気開放弁を開放させるといった特別なホルダの構造を不要として、液体カートリッジのインク収容室の負圧の如何に関わり無く液体カートリッジの負圧が液体噴射ヘッドに影響するのを防止した液体カートリッジを提供することである。
インク収容領域は、図6、7に示したように水平方向に延びる壁272により、上部と下部とに大きく分割され、下部には連通孔242により大気と連通可能な大気側収容室270が、また上部には大気から遮断された2つの第1供給側収容室292及び第2供給側収容室294からなる供給側収容室290が形成されている。供給側収容室290は、壁272の近傍(下部領域)に連通部276を有する斜めの壁271により2つに分割され、第1供給側収容室292及び第2供給側収容室が形成されている。また、第2供給側収容室294に周りを囲まれるように、流路部296が形成されている。流路部296は下部の連通部278を介して、第2供給側収容室294と接続されるとともに、通路298、300及び通孔918を介して後述する膜弁を有する差圧弁を備えたインク供給制御手段150に接続されている。
また、インク供給制御手段150の下流側は、インク供給制御手段150と連通する連通孔910、この連通孔910と連通する流路321、流路321の一端に形成され、表面側に向けて形成された通孔323、通孔323と一端が連通した流路304、流路304と連通するインク供給部160が形成されている。
図7に示すように、ハッチングで示した領域がフィルム130により封止されることにより、大気側収容室270と供給側収容室290からなるインク収容室111、大気弁部250及びそれらを接続するインク流路、大気流路が形成される。
詳細には、図8に示すように、カートリッジ本体120の表側に形成された迷路状に蛇行した1本の通路214は、その一端を開口212として大気に開放され、また他端を撥インク性と通気性との機能を備えたフィルタ215(図4、図5)を収容したフィルタ収容室216に接続されている。フィルタ収容室216は、カートリッジ本体120の表側から裏側に貫通する連通孔218と連通する。連通孔218は、カートリッジ本体120の裏側において連通部222、連通部222を区画する部屋の底部に形成された連通孔253を介して連通部224と接続している。通路214の途中には、凹部からなるチャンバー930が設けられている。このチャンバー930により、通路214の流体抵抗をチャンバー930が形成されていない状態よりも下げ、液体カートリッジを初回使用時におけるカートリッジ内の減圧解除を素早く行うことができる。また、フィルタ収容室216に対するフィルタ215の固定が不十分な場合にインクが通路214に漏れてきた場合でも、チャンバー930によりインクをトラップして外部への漏れ出しを防止することができる。
このフィルム132は、ホルダ200に設けられた操作部材202(図13)の押圧力により弾性変形可能なものが選択されている。
詳細には、中空部232の上部の壁には通孔234aが形成されており、この通孔234aを介して連通室234b、連通室234bの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部234c、連通部234cと連通する連通室234d、連通室234dの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部236、下方に連通孔238が形成された連通室237と順に連通する大気通路が形成されている。
なお、図6において図中符号232、234b、234、237、及び222で示す部材の領域の、太線の矢印は、I、IIの順で大気側から大気側収容室270へと大気が流れる方向を示すものである。
カートリッジ本体120の裏側から表側に貫通する連通孔238は、連通孔238と連通する連通溝240、連通溝240と連通すると共にカートリッジ本体120の表側から裏側に貫通する連通孔242を介して大気側収容室270と連通する。
これら、大気側収容室270、供給側収容室290、大気弁部250、及び大気側通路210、インク側通路230は、それぞれを区画する壁にフィルム130、110を熱溶着などの方法で貼着することにより大気と隔離された領域となる。
フィルム130は、図9(ロ)に示したように最内層950、強度層952、及び透過防止層954との3層構造を有し、大気側収容室270、供給側収容室290、大気弁部250、及び大気側通路210の圧力と大気圧との差圧で、或る程度弾性変形できるように構成されている。
また、図10に示すように、カートリッジ本体120の開口部に貼着されたフィルム130の外面は、フィルム130との間の空間135の容積が可及的に少なくなるように略密着した状態で蓋体140が嵌着されていて、後述する減圧袋101に収容された場合にフィルム130が無用に膨張したり、また突起などの衝突による破損を防止するように構成されている。
また、位置決めブロック190の上部には、後述するホルダ200のレバー204に係合してインク供給部160をホルダ側に押圧する凸部192を図13、14に示すように設けることもできる。
一方、位置決めブロック190と対向する他方の側面には、ホルダ200の係合部205に突起181により係合するレバーからなる係合部材180が、カートリッジ本体120の射出成形に合わせて一体的に成形されている。
隔壁970は、インク収容室111とインク供給部160との間の位置し、インク収容室111と連通する側に形成された本体側連通室912と、インク供給部160に連通するように形成された供給側連通室906及び908とに区画し、本体側連通室912と連通する連通孔918が周縁部に、前記膜弁900により封止される連通孔910が中心に位置するように形成されている。なお図4に示すように本体側連通室912には、インクろ過用のフィルタ310を収容することも可能で、これによりインクに紛れ込んだ異物をここで阻止して下流側への移動を阻止して、膜弁900の封止機能を保証するとともに、記録ヘッドの目詰まりを防止できる。
この状態では大気弁254によりインク収容室111が外界との連通を遮断されているから、カートリッジ本体120の開口を封止しているフィルム130が膨張するが、これに近接して蓋体140が存在するため、フィルム130は蓋体140に規制されるため、外側への膨張量を可及的に小さく抑えられる。
この大気側収容室270の負圧の程度がフィルム130の弾性変形によって低下することになり、インクカートリッジを、図14に示したようにホルダ200に装着したときの、インクカートリッジ内の負圧による液体噴射ヘッドのノズル開口に形成されたメニスカスの引き込みを低減することができる。
特に本実施例においては、インク収容室を構成する全ての領域をフィルム130により封止されているので、一部のインク収容室のみをフィルム130により封止するよりも素早く負圧の解除(圧力の上昇)を行うことができる。
インクカートリッジを、図13に示したようにホルダ200に装着し、図14に示したように装填レバー204を回動させて装填すると、インク供給部160にインク供給針201が進入し、続いて大気弁254が底面の操作部材202により開弁される。
インク供給針201が進入してインク供給部160がインク供給針201に接続した瞬間に、インク供給針201に連通する液体噴射ヘッド203を介して膜弁900の背面が大気に連通する。このときインク収容室側の圧力が低いため、膜弁900はインク供給部160の側に大気圧が作用し、膜弁900が隔壁970の側に弾性変形しようとするが、隔壁970に形成された変形規制部980に当接し所定の位置で停止する。
このようにして所定量のインクが供給部160に流れ込んで、膜弁900に作用する差圧がバネ907の圧力よりも小さくなると、膜弁900が隔壁側に押し戻され、流路が絶たれる。
以下、このような工程を繰り返すことにより、供給部160の圧力を所定の負圧に維持してインクを液体噴射ヘッドに供給することができる。
詳細には、インクカートリッジ100が装着されると、大気弁部250の開放により大気側通路210からインク側通路230を介して大気側収容室270に大気が流れこみ、インクカートリッジ100内の減圧状態が解除される。この状態でインク供給部160にインクジェット式記録装置のインク供給針が進入すると、既にインクカートリッジ100内の減圧状態が緩和されているから、膜弁を境界にしてインク収容室側の圧力の方がインク供給口側の圧力よりも高くなり、記録液体噴射ヘッドのインクをインクカートリッジ100の側に引き込むことがなく、記録液体噴射ヘッドのノズル開口から空気を引き込むといった不都合を確実に防止できる。
この様な構成の装置であっても、カートリッジを無理矢理インク供給針に平行な方向に挿入するような装着ミス等によって大気開放がインク供給針のインク供給口への挿入よりも遅れた場合に有効である。
Claims (13)
- 液体噴射装置へ装着されることにより前記液体噴射装置に液体を供給する液体カートリッジであって、
開口部を一側面に有し、かつ液体噴射装置に液体を供給する液体供給部とを有する筐体と、
前記筐体の前記開口部を覆うことにより、前記筐体とともに液体を収容する液体収容室を形成し、大気圧と前記液体収容室との差圧で弾性変形可能な可撓性フィルムと、
前記液体収容室を大気に開放させるべく外部操作により開放する大気開放部と、
を備えたことを特徴とする液体カートリッジ。 - 前記液体収容室は、大気に連通される大気側収容室と、前記大気側収容室に連通する供給側収容室とを有し、
前記フィルムは、前記大気側収容室及び前記供給側収容室を覆うことを特徴とする請求項1に記載の液体カートリッジ。 - 前記フィルムは複数の層を有し、前記フィルムの少なくとも最も内側の最内層の材質は、前記筐体の材質と同一であることを特徴とする請求項1に記載の液体カートリッジ。
- 前記フィルムが、前記液体カートリッジ内で蒸発した液体が前記フィルムを介して前記液体カートリッジの外側へ透過することを防止する透過防止層を更に有することを特徴とする請求項3に記載の液体カートリッジ。
- 前記フィルムは、前記最内層より強度が高い強度層を更に有することを特徴とする請求項3に記載の液体カートリッジ。
- 前記筐体の表面に設けられ、一端が大気へと開放された通路と、
前記通路の途中に設けられ、前記通路の深さよりも深いチャンバーとを備えたことを特徴とする請求項1記載の液体カートリッジ。 - 前記フィルムの外側に、前記フィルムが外側に膨張するのを防止する蓋を備えたことを特徴とする請求項1に記載の液体カートリッジ。
- 液体噴射装置へ装着されることにより前記液体噴射装置に液体を供給する液体カートリッジであって、
液体を収容する液体収容室と、
前記液体収容室に収容された液体を、前記液体噴射装置に供給する供給部と、
前記液体収容室と前記供給部との間に設けられ、前記液体収容室と前記供給部とを連通する連通孔を有する隔壁と、
前記隔壁の供給部側に配され、前記液体収容室と前記供給部との連通、非連通を制御する膜弁と、
前記膜弁が閉弁状態を形成でき、かつ前記供給部側の圧力が上昇することによる前記膜弁の前記収容室側への弾性変形を規制する変形規制部と、
を備えたことを特徴とする液体カートリッジ。 - 前記変形規制部は、前記隔壁の、前記膜弁の周縁領域に対向する位置に設けた突起部として構成されていることを特徴とする請求項8に記載の液体カートリッジ。
- 前記変形規制部は、前記膜弁の前記隔壁に対向する面に設けられ、前記膜弁が閉じたときに前記隔壁と当接する肉厚部として形成されていることを特徴とする請求項8に記載の液体カートリッジ。
- 前記変形規制部は、前記隔壁に形成された連通孔を結ぶ領域を切欠部とするように略環状の凸条として形成されている請求項8に記載の液体カートリッジ。
- 前記連通孔に膜弁が当接することにより閉弁状態を形成することを特徴とする請求項8に記載の液体カートリッジ。
- 前記膜弁に連通孔を備え、この連通孔を封止する封止部を前記隔壁に形成したことを特徴とする請求項8に記載の液体カートリッジ。
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