WO2021205585A1

WO2021205585A1 - ごみ分別支援システム

Info

Publication number: WO2021205585A1
Application number: PCT/JP2020/015902
Authority: WO
Inventors: 上垣　映理子; 啓中嶋; 竹内　洋; 聡美堀; 忠博山口; 江太永岡; 鈴木　一生; 玲子千葉; 英也吉内; 直弘高武; 腰塚　久洋
Original assignee: 株式会社日立製作所
Priority date: 2020-04-09
Filing date: 2020-04-09
Publication date: 2021-10-14

Abstract

本発明の目的は、ごみに特別な識別情報がなくても、ごみ出しする人に正しい分別を促すことのできる、ごみ分別支援システムを提供することにある。ごみセンサ装置は、ごみ情報を検知するごみ検知部と、検知した前記ごみ情報をごみ管理サーバへ送信するセンサ通信部と、ごみの分別が不適切な場合に報知する報知部とを有する。ごみ管理サーバは、前記ごみセンサ装置から前記ごみ情報を受信するサーバ通信部と、前記サーバ通信部で受信した前記ごみ情報に基づいてごみの種類を特定するごみ特定部と、ごみの収集スケジュールを格納するデータベースと、前記ごみ特定部で特定したごみの種類が、前記データベースに格納された前記収集スケジュールに対応しているかどうかを判定する分別確認部とを有し、前記分別確認部が前記収集スケジュールに対応していないと判定した場合、前記サーバ通信部は、分別が不適切であることを示す情報を前記ごみセンサ装置へ送信する。

Description

ごみ分別支援システム

　本発明はごみ分別支援システムに関する。

　近年、ごみの分別の仕方が細分化されてきており、地域によって、その分別の仕方や収集スケジュールも異なっている。このため、ごみの分別が正しくなされていないと、業者にごみを回収してもらえず、ごみ置き場に放置され続けてしまう場合がある。

　ごみの分別を支援する技術として、特許文献１が知られている。この特許文献１には、廃棄物に付加されているＲＦＩＤタグから情報を取得し、地域コードおよび日付に基づいて廃棄可能な廃棄物であるか否かを判別する方法が開示されている（同文献の要約等）。

特開２０１０－２６４３９５号公報

　上記特許文献１では、ごみ袋の中の各廃棄物にＲＦＩＤタグが付加されていることを前提とした技術である。

　本発明の目的は、ごみに特別な識別情報がなくても、ごみ出しする人に正しい分別を促すことのできる、ごみ分別支援システムを提供することにある。

　上記課題を解決するために、本発明は、ごみセンサ装置と、ごみ管理サーバと、を備えるごみ分別支援システムであって、前記ごみセンサ装置は、ごみ情報を検知するごみ検知部と、検知した前記ごみ情報を前記ごみ管理サーバへ送信するセンサ通信部と、ごみの分別が不適切な場合に報知する報知部と、を有し、前記ごみ管理サーバは、前記ごみセンサ装置から前記ごみ情報を受信するサーバ通信部と、前記サーバ通信部で受信した前記ごみ情報に基づいてごみの種類を特定するごみ特定部と、ごみの収集スケジュールを格納するデータベースと、前記ごみ特定部で特定したごみの種類が、前記データベースに格納された前記収集スケジュールに対応しているかどうかを判定する分別確認部と、を有し、前記分別確認部が前記収集スケジュールに対応していないと判定した場合、前記サーバ通信部は、分別が不適切であることを示す情報を前記ごみセンサ装置へ送信する。

　本発明によれば、ごみに特別な識別情報がなくても、ごみ出しする人に正しい分別を促すことで、ごみ置き場にごみが放置され続けるのを防ぐことが可能となる。

本実施形態に係るごみ分別支援システムの全体構成を示す図である。実施形態に係るごみ分別支援システムのブロック図である。ごみ収集スケジュールデータベースに格納された、ごみの回収日に関するテーブルの一例を示す図である。分別状況履歴データベースに格納された、過去の分別状況の一例を示す図である。ごみ判定基準データベースに格納された、ごみの種類を判定する際に用いられるテーブルの一例を示す図である。ごみ袋に金属が含まれていた場合の動作の一例を示すフローチャートである。粗大ごみかどうかを判定する場合の動作の一例を示すフローチャートである。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。

　＜ごみ分別支援システム＞
本実施形態に係るごみ分別支援システムの全体構成について説明する。図１は、本実施形態に係るごみ分別支援システムの全体構成を示す図である。図１に示すように、本実施形態に係るごみ分別支援システムは、ごみセンサ装置２００を備えたごみ収集庫１と、ごみ管理サーバ１００と、ユーザ端末装置３と、ネットワーク４と、で構成されている。ここでは、１つのごみ収集庫１を用いた例で説明するが、共通のごみ管理サーバ１００に対して、実際には、複数のごみ収集庫１がネットワーク４を介して接続される。

　ごみ収集庫１は、ごみ収納部（図示せず）と、蓋部（図示せず）と、ごみセンサ装置２００と、で構成されている。ごみセンサ装置２００には、図１に示すように、ごみ検知部２２０を構成する、金属検知器２２０ａおよびカメラ２２０ｂと、ごみ出ししようとする人に対して音声などで情報を知らせる報知部２２１と、が正面側に設置されている。なお、本実施形態では、マンションの１階にある所定の部屋またはマンションの敷地内に、ごみ収集庫１が置かれた場合を例に挙げて以下、説明する。

　図２は、本実施形態に係るごみ分別支援システムのブロック図である。本実施形態では、ごみ管理サーバ１００が、マンションの管理会社等に置かれ、ごみセンサ装置２００が、マンションのごみ収集庫１に置かれ、ユーザ端末装置３が、マンションの入居者などのユーザが使用する端末装置であるとして、以下説明する。なお、ごみ管理サーバ１００は、単一のコンピュータで構築されるものであっても、多数のコンピュータ群で構築されるクラウド型のものであっても良い。

　＜ユーザ端末装置３＞
　ユーザ端末装置３は、例えば、スマートフォン、タブレット端末などである。ユーザは、ユーザ端末装置３を操作して、ごみ管理サーバ１００にアクセスできる。また、このユーザ端末装置３は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等の近距離無線通信によって、ごみセンサ装置２００のセンサ通信部２１１と直接接続できるようにしても良い。

　＜ごみセンサ装置２００＞
本実施形態のごみセンサ装置２００は、プロセッサ２１０と、センサ通信部２１１と、メモリ２１２と、ごみ検知部２２０と、報知部２２１と、を備えている。本実施形態では、計算や制御等の機能は、プログラムがプロセッサ２１０によって実行されることで、定められた処理を他のハードウェアと協働して実現される。これらの機能を実現するためのプログラムは、メモリ２１２に格納される。

　なお、上記プログラムは、ＲＯＭ等に予め組み込まれて提供されたり、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでＣＤ－ＲＯＭ等の計算機で読み取り可能な記録媒体に記録して提供されたり、配布されても良い。さらには、上記プログラムは、インターネット等のネットワークに接続された計算機上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されたり、配布されたりしても良い。

　センサ通信部２１１は、ネットワーク４を介して、ごみ管理サーバ１００およびユーザ端末装置３との間でデータをやり取りするためのインターフェースである。このセンサ通信部２１１は、ごみ検知部２２０で検知したごみ情報をごみ管理サーバ１００へ送信したり、ごみの分別が不適切であることを示す情報をごみ管理サーバ１００から受信したりする。

　ごみ検知部２２０として、本実施形態では、金属検知器２２０ａとカメラ２２０ｂが設けられている。なお、ごみ検知部２２０に設けられるものとしては、この他に、臭いセンサや重量センサなどが考えられる。例えば、臭いセンサが所定レベル以上の臭いのごみを検知した場合には燃えるごみであると特定されたり、重量センサが所定の重量以上を検知した場合には生ごみの水分が絞り切れていないことが特定されたりする。さらには、ごみ検知部２２０として、Ｘ線検査装置が用いられ、ごみ袋を開封せずに透視によってごみの種類が特定されるようにしても良い。

　金属検知器２２０ａは、導電体である金属を検知するセンサであり、具体的には、巻線が巻回されたコイルと、コイルに接続される電流測定部と、測定した電流値によって金属の有無を判定する金属判定部と、で構成されている。この金属検知器２２０ａでは、コイルに交流電流が印加されると、磁場が発生する。ここで、コイルの近くに金属が存在していると、金属に渦電流が発生し、その渦電流による磁場の変化に伴い、コイルを流れる交流電流が変化する。したがって、金属判定部は、ごみ袋などに封入されたごみが接近したときに、電流測定部が測定した交流電流が所定の閾値を超えて変化した場合、金属が含まれていることを判定する。なお、金属検知器２２０ａの構成としては、必ずしもコイルを用いたものに限定されず、金属を非接触で検知できるものであれば、どのような方式のものでも良い。ただし、検出距離が短いと袋内の位置によっては検知できない可能性があるので、金属探知機のように比較的検出距離の長い金属検知器２２０ａを用いるのが望ましい。

　カメラ２２０ｂは、ＣＣＤイメージセンサなどの固体撮像素子を有する画像センサであり、ごみ収集庫１の後方から前方を向いたエリアを撮影する。なお、カメラ２２０ｂがごみ収集庫１の上方、例えば天井に設置されている場合には、カメラ２２０ｂは、上方から下方を見下ろしたエリアを撮影する。そして、カメラ２２０ｂで取得した画像のデータは、センサ通信部２１１からネットワーク４を介してごみ管理サーバ１００へ送信され、ごみ管理サーバ１００のごみ特定部１２０でごみの種類が特定される。本実施形態では、カメラ２２０ｂで取得した画像データは、ごみ特定部１２０で処理される例について説明するが、カメラ２２０ｂに、高度な処理が可能なプロセッサとメモリを持たせ、カメラ２２０ｂ内の処理でごみの種類を特定できるようにしても良い。

　報知部２２１は、ごみの分別が不適切な場合に、ごみ出しをしようとする人（ユーザ）に対して報知するものである。報知の具体的な方法としては、例えば「金属がたくさん混ざっています。金属は金属ごみの水曜日に出しましょう」といったスピーカーの音声で知らせることが考えられる。また、報知部２２１が画面表示装置を有していれば、画面上に報知の内容を表示しても構わない。なお、ユーザが詳細な情報を希望する場合、報知部２２１が、近距離無線通信によって、ユーザ端末装置３へ当該情報を送信するようにしても良い。さらに、報知部２２１は、ごみの分別が適切な場合についても、音声で報知したり、ユーザ端末装置３へ通知したりしても良い。

　＜ごみ管理サーバ１００＞
本実施形態のごみ管理サーバ１００は、プロセッサ１１０と、サーバ通信部１１１と、メモリ１１２と、ストレージ１１３と、を備えている。図２では、概念的にプロセッサ１１０が実行する機能を、ごみ特定部１２０、分別確認部１２１として示している。これらの機能を実現するためのプログラムは、メモリ１１２に格納される。なお、上記プログラムは、予め組み込まれて提供されたり、計算機で読み取り可能な記録媒体に記録して提供されたり、配布されても良い。さらには、上記プログラムは、ネットワークに接続された計算機上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されたり、配布されたりしても良い。

　サーバ通信部１１１は、ネットワーク４を介して、ごみセンサ装置２００およびユーザ端末装置３との間でデータをやり取りするためのインターフェースである。このサーバ通信部１１１は、ごみ検知部２２０で検知したごみ情報を受信したり、ごみの分別が不適切であることを示す情報をごみセンサ装置２００へ送信したりする。

　ストレージ１１３は、ごみ収集スケジュールデータベース１３０と、分別状況履歴データベース１３１と、ごみ判定基準データベース１３２と、ごみ情報データベース１３３と、を有している。

　図３は、ごみ収集スケジュールデータベース１３０に格納された、ごみの回収日に関するテーブルの一例を示す図である。図３に示すように、ごみ収集スケジュールデータベース１３０には、ごみ収集庫ごとに、どの種類のごみが何曜日に廃棄可能であるかが登録されている。ここで、ごみの回収日は、地域によって異なるため、ごみ収集スケジュールデータベース１３０には、ごみ収集庫の設置された地域を特定する情報も格納されている。例えば、ごみ収集庫Ａは、コードがＸＸＸＸの地域に設置されているため、月曜日と木曜日が燃えるごみ、火曜日が燃えないごみ（ガラス、陶器）、水曜日が資源ごみ（紙、ペットボトル、缶など）および金属ごみとなる。

　図４は、分別状況履歴データベース１３１に格納された、過去の分別状況の一例を示す図である。図４に示すように、分別状況履歴データベース１３１には、ごみ収集庫ごとに、日にち、ごみの個体を識別する情報、ごみの種類、分別レベルなどが記録されている。ここでは、「ごみ出し可」と判定された分別レベルが５０点以上のものだけが登録されているが、「ごみ出し不可」と判定された分別レベルが５０点未満のものも登録しても良い。

　なお、本実施形態におけるごみの分別レベルとは、ごみ分別の適切度合いを示す指標であり、例えば、燃えるごみの日に金属などの他のごみが全く混入していない場合には、１００点とする。また、ごみの分別レベルに応じて、大きく分けて３つの異なる対応がされる。まず、分別レベルが８０点以上のごみは、ごみの分別が適切かつ「ごみ出し可」であるとして、問題なく回収される。次に、分別レベルが８０点未満５０点以上のごみは、ごみの分別は十分と言えないが「ごみ出し可」ではあるとして、回収される。この場合は、必要に応じて、ユーザ端末装置３などを通じて、具体的な改善策の通知がなされる。そして、分別レベルが５０点未満のごみは、ごみの分別が不適切かつ「ごみ出し不可」であるとして、回収されない。このとき、ごみ収集庫１へごみ出しがされないよう、報知部２２１が音声で報知する。なお、ごみ収集庫１の蓋部がロック機構を有する場合は、「ごみ出し可」の場合のみ蓋部が開き、「ごみ出し不可」の場合は蓋部が開かないようにしても良い。

　図５は、ごみ判定基準データベース１３２に格納された、ごみの種類を判定する際に用いられるテーブルの一例を示す図である。図５には、粗大ごみであることを判定するための基準値と、燃えるごみであることを判定するための基準値と、が記載されている。

　粗大ごみかどうかの基準値は、地域によって異なるため、ごみ判定基準データベース１３２には、ごみ収集庫の設置された地域を特定するための情報も格納されている。例えば、ごみ収集庫Ａは、コードがＸＸＸＸの地域に設置されているため、粗大ごみの基準値は大きさ〇〇ｃｍ以上となる。また、ごみ検知部２２０に臭いセンサが設けられていた場合には、ごみ判定基準データベース１３２に格納される情報として、Ｌｖ●●以上の臭いを検知したら燃えるごみであると特定するような基準値があっても良い。この臭いセンサの基準値は、マンションごとに適宜異なる値を設定することも可能である。

　ごみ情報データベース１３３は、ごみセンサ装置２００のごみ検知部２２０で検知したごみ情報が記録されるデータベースである。記録されるごみ情報としては、ごみの画像情報、ごみの臭いレベル、ごみの重量などが挙げられる。

　ここで、ごみ特定部１２０について説明する。ごみ特定部１２０は、サーバ通信部１１１を介して受信したごみ情報に基づいて、ごみの種類を特定するものである。以下、ごみ特定部１２０での具体的な処理に関し、ごみ出し対象が粗大ごみであることを特定する２つの方法を例に挙げて説明する。

　第１の方法は、ごみの大きさが基準値より大きい場合に、粗大ごみであると特定する方法である。この方法では、まずカメラ２２０ｂが、ごみの存在しない状態での画像を撮影し、この画像情報が、ごみ管理サーバ１００へ送信され、背景画像として、ごみ情報データベース１３３に格納される。その後、カメラ２２０ｂによって、ごみの存在する状態での画像が撮影されると、この画像情報が、ごみ有り画像として、ごみ管理サーバ１００へ送信され、ごみ情報データベース１３３に格納される。このとき、ごみ特定部１２０は、背景画像とごみ有り画像とを比較し、変化のあった部分をごみ領域として抽出する。さらに、ごみ特定部１２０は、ごみ領域の大きさを算出し、図５に記載されたごみ判定基準データベース１３２のテーブルを参照する。ごみ特定部１２０は、ごみ領域の大きさが粗大ごみの基準値以上であった場合、カメラ２２０ｂで撮影したごみは粗大ごみであると特定する。

　第２の方法は、ごみの輪郭にシャープなエッジがある場合に、ごみ袋に入らない粗大ごみであると特定する方法である。この方法では、第１の方法と同様に、カメラ２２０ｂを用い、背景画像とごみ有り画像とを比較することで、ごみ領域を抽出する。次に、ごみ特定部１２０は、ごみ領域の輝度値の境界となるエッジを検出する。例えば、隣接する画素の画素値の差分が所定値以上である画素が、エッジとして検出される。こうして検出したエッジが、直線状に並んでいる場合、ごみ特定部１２０は、ごみ領域にシャープなエッジがあるとして、カメラ２２０ｂで撮影したごみは粗大ごみであると特定する。

　次に、分別確認部１２１について説明する。分別確認部１２１は、ごみ特定部１２０で特定したごみの種類が、ごみ収集スケジュールデータベース１３０に格納された収集スケジュールに対応しているかどうかを判定するものである。

　例えば、分別確認部１２１が、特定のごみ収集庫Ａについて、ごみ収集スケジュールデータベース１３０を参照し、燃えないごみの日であることを確認する。一方、ごみ検知部２２０の臭いセンサの測定値がＬｖ●●以上となり、ごみ判定基準データベース１３２に登録されている基準値を超えたため、ごみ特定部１２０が、対象のごみは燃えるごみであることを特定したとする。この場合、燃えないごみの日であるにも拘わらず、燃えるごみが出されようとしているとして、分別確認部１２１は、収集スケジュールに対応していないと判定する。

　＜ごみに金属が含まれていた場合の動作例＞
図６は、本実施形態に係るごみ分別支援システムにおいて、ごみ出ししようとしたごみ袋に金属が含まれていた場合の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ごみ出ししようとする人（ユーザ）が、ごみ収集庫１のごみ検知部２２０の前にごみ袋を近づける（ステップＳ６０１）。すると、ごみ検知部２２０のうち金属検知器２２０ａが、ごみ袋に含まれる金属を検知する（ステップ６０２）。これを受けて、センサ通信部２１１が、金属を検知したことを示す情報を、ごみ管理サーバ１００へ送信し（ステップＳ６０３）、サーバ通信部１１１が、金属を検知したことを示す情報を、受信する（ステップＳ６０４）。次に、分別確認部１２１は、ごみ収集スケジュールデータベース１３０を参照し、当該ごみ収集庫１の収集スケジュールが金属ごみに対応しているかどうかを判定する（ステップＳ６０５）。

　収集スケジュールが金属ごみに対応していた場合、サーバ通信部１１１は、分別が適切であることを示す情報を、ごみセンサ装置２００へ送信する（ステップＳ６０６）。そして、ごみセンサ装置２００の報知部２２１が、分別は適切であることを知らせる情報を、ユーザに対して報知する（ステップＳ６０７）。その後、ユーザがごみ収集庫１の蓋部を開けることで、金属を含むごみ袋がごみ収納部へ投入される。なお、このときのごみの記録は、分別状況履歴データベース１３１に蓄積される（ステップＳ６０８）。

　一方、収集スケジュールが金属ごみに対応していない場合、サーバ通信部１１１は、分別が不適切であることを示す情報を、ごみセンサ装置２００へ送信する（ステップＳ６０９）。そして、ごみセンサ装置２００の報知部２２１は、分別が不適切であることを知らせる情報を、ユーザに対して報知する（ステップＳ６１０）。このとき、ユーザは、ユーザ端末装置３などを利用して、分別不適を解消するための具体的な改善策を確認することが可能となっている。

　ここで、ユーザ端末装置３には、ごみの分別支援に関する専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされており、このアプリケーションを起動することで、ごみ分別の詳細に関する情報を確認できる。ごみ管理サーバ１００は、ユーザ端末装置３からアクセスがあった際、ごみ収集庫１のＩＤと対応付けて登録された識別情報と一致するかどうかを認証し、認証が正常に行われた場合、ユーザ端末装置３が、ごみ管理サーバ１００に接続すること許可する。そして、このごみ管理サーバ１００は、ユーザ端末装置３から情報の呼び出し信号を受信すると、ごみの分別に関する情報をユーザ端末装置３に対して送信する。

　なお、収集スケジュールが金属ごみに対応していない場合であっても、ごみ袋に含まれる金属の量が第１の所定値以下の場合、分別確認部１２１は、分別レベルが８０点以上であるとして、分別が適切であると判定しても良い。さらに、ごみ袋に含まれる金属の量が第１の所定値より多く、第２の所定値以下の場合、分別確認部１２１は、分別レベルが５０点以上８０点未満であるとして、「ごみ出し可」と判定するとともに、報知部２２１等を介してユーザに分別の改善を促す通知をしても良い。

　また、ごみの分別が適切だった場合、ごみ管理サーバ１００は、所定のアプリケーションソフトを通じて当該ユーザにポイントを付与するなどして、正しい分別を行うインセンティブを設けても良い。例えば、ポイントが一定以上に達すると、マンション管理会社や自治体が提供するサービスに利用できるようにすることが考えられる。一方、ごみの分別が不適切なごみ出しの多いユーザに対しては、マンション管理会社等が、ごみの分別に関する指導を行ったり、ペナルティを課したり、などしても良い。このとき、マンション管理会社等は、分別状況履歴データベース１３１に蓄積された情報に基づいて、よくある分別間違いなど知らせても良い。なお、インセンティブ付与や指導、ペナルティの対象は、ユーザ毎に限らず、マンション毎であっても良い。

　＜ごみが粗大ごみであるかを判定する場合の動作例＞
図７は、本実施形態に係るごみ分別支援システムにおいて、ごみ出ししようとしたごみが粗大ごみかどうかを判定する場合の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ユーザが、ごみ収集庫１のごみ検知部２２０の前にごみを近づける（ステップＳ７０１）。このとき、ごみ検知部２２０のうちカメラ２２０ｂが、ごみの画像を撮影する（ステップＳ７０２）。カメラ２２０ｂによって取得した画像情報は、センサ通信部２１１によって、ごみ管理サーバ１００へ送信され（ステップＳ７０３）、ごみ管理サーバ１００のサーバ通信部１１１が受信する（ステップＳ７０４）。次に、ごみ特定部１２０が、背景画像とごみ有り画像とを比較し、変化のあった領域を抽出する（ステップＳ７０５）。さらに、ごみ特定部１２０は、抽出した領域が、ごみ判定基準データベース１３２にある粗大ごみの基準値以上かどうかを確認する（ステップＳ７０６）。

　抽出した領域が基準値より小さい場合、ごみ特定部１２０は、ごみが粗大ごみではないと判定する。この場合、カメラ２２０ｂ以外のセンサにより、引き続き、ごみの検知が行われる（ステップＳ７０７）。

　一方、抽出した領域が基準値以上の場合、ごみ特定部１２０は、ごみが粗大ごみであると判定する（ステップＳ７０８）。すると、サーバ通信部１１１は、分別が不適切であることを示す情報を、ごみセンサ装置２００へ送信する（ステップＳ７０９）。そして、ごみセンサ装置２００の報知部２２１は、分別が不適切であることを知らせる情報をユーザに対して報知する（ステップＳ７１０）。このとき、ユーザは、ユーザ端末装置３などを利用して、粗大ごみの出し方に関する情報を確認することが可能となっている。

　粗大ごみであると判定され、分別が不適切であった場合も、分別状況履歴データベース１３１に、ごみ有り画像などの情報が記録される（ステップＳ７１１）。

　ここで、分別状況履歴データベース１３１に蓄積された、ごみの種類および分別レベルに関する情報や、ごみ情報データベース１３３に蓄積された、ごみ検知部２２０で検知したごみの画像などの情報は、ごみ特定部１２０におけるごみの種類の特定精度を高めるための学習に利用しても良い。また、ごみ検知部２２０で検知するごみ情報を入力とし、ごみ特定部１２０で特定するごみの種類の情報を出力としたデータセットなどを、教師データとして、ごみ特定部１２０に予め学習させておいても良い。

　図７のフローチャートでは、粗大ごみかどうかを判定し、粗大ごみの場合は分別が不適切として、粗大ごみの決められた出し方で対処するよう報知するものであるが、粗大ごみとしても大き過ぎて取り扱えない場合もある。したがって、更に大きな基準値に基づいて、粗大ごみとして扱えるかどうかを判定し、粗大ごみとしても扱えない場合に報知するようにしても良い。

　また、有料で購入する「粗大ごみ処理シール」等のシールの有無を画像認識により判別し、粗大ごみ等に当該シールが貼られていない場合、回収できないとして報知しても良い。さらに、ごみ検知部にＲＦＩＤリーダを設け、ごみ袋やごみに貼られたＲＦＩＤタグを読み取ることで、ごみの種類を判別し、必要に応じて報知することも可能である。

　＜その他のごみの判定例＞
金属ごみ、粗大ごみ以外には、以下のような判定方法が考えられる。例えば、リサイクル法等の条例にて個別に回収方法が定められているごみとして、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、バッテリー、タイヤなどが含まれていないか、物体の３次元形状認識によって判定するものである。これらが含まれていた場合には、回収できないごみであるため、分別が不適切であるとして報知される。

　＜変形例＞
上述した実施形態では、ごみセンサ装置２００が、ごみ収集庫１に取付けられているが、ごみセンサ装置２００の設置個所は、これに限定されるものではない。例えば、ごみ収集庫１がマンションの建物内の所定の部屋にある場合は、その部屋のドアや出入口のインターホン等にごみセンサ装置２００を設けても良い。ごみ収集庫１のある部屋が電子錠の付いたドアを有している場合、ごみセンサ装置２００によって「ごみ出し不可」と判定されたときは、ドアが開錠しないようにし、入居者によるごみ出しを物理的に不可能とすることができる。このとき、ごみ出ししようとした人が所有するユーザ端末装置３に、例えば「分別レベル３０点。残念ながら鍵を開けることができません。正しい分別方法はこちらをご覧ください。」といった表示がされる。そして、必要に応じて、分別の具体的な改善策の説明が閲覧できるようになっている。

　さらには、エレベーターの乗り場など各階の所定箇所に、ごみセンサ装置２００を設置しても良い。このように、各フロアにごみセンサ装置２００が設置されれば、分別が不適切で「ごみ出し不可」の場合、入居者がごみ収集庫１に行く前の早い段階で知ることが可能となるため、入居者がごみ収集庫１へ行って戻ってくる手間を省くことができる。また、「ごみ出し不可」となった場合は、エレベーターの呼び登録ができなくなり、報知部２２１から例えば「正しい分別ができていないため、下の階へごみを持ち出すことができません」といった音声が出力される。特に、ごみ検知部２２０として臭いセンサを用いる場合は、ごみセンサ装置２００をごみ収集庫１に取付けると、出そうとしているごみではなく、ごみ収集庫１内の他の臭いを検知してしまう可能性があるので、各フロアに設置するのが望ましい。

　また、上述した実施形態では、ごみが収集スケジュールに対応しているか判定したが、ごみ特定部１２０で特定したごみの種類が複数あった場合、収集スケジュールと関係なく、分別が不適切であると見做しても良い。例えば、同じごみ袋について、金属検知器２２０ａが金属を検知するとともに、臭いセンサの測定値が基準値を超えた場合、金属と燃えるごみが混入しているとし、サーバ通信部１１１は、分別が不適切であることを示す情報をごみセンサ装置２００へ送信する。

　さらに、上述した実施形態では、ごみ特定部１２０、分別確認部１２１および各データベースを、ごみ管理サーバ１００に持たせた構成で説明したがが、これらをごみセンサ装置２００に持たせた構成であっても良い。

１…ごみ収集庫、３…ユーザ端末装置、４…ネットワーク、１００…ごみ管理サーバ、１１０…プロセッサ、１１１…サーバ通信部、１１２…メモリ、１１３…ストレージ、１２０…ごみ特定部、１２１…分別確認部、１３０…ごみ収集スケジュールデータベース、１３１…分別状況履歴データベース、１３２…ごみ判定基準データベース、１３３…ごみ情報データベース、２００…ごみセンサ装置、２１０…プロセッサ、２１１…センサ通信部、２２０…ごみ検知部、２２０ａ…金属検知器、２２０ｂ…カメラ、２２１…報知部

Claims

　ごみセンサ装置と、ごみ管理サーバと、を備えるごみ分別支援システムであって、
　前記ごみセンサ装置は、
　ごみ情報を検知するごみ検知部と、
　検知した前記ごみ情報を前記ごみ管理サーバへ送信するセンサ通信部と、
　ごみの分別が不適切な場合に報知する報知部と、を有し、
　前記ごみ管理サーバは、
　前記ごみセンサ装置から前記ごみ情報を受信するサーバ通信部と、
　前記サーバ通信部で受信した前記ごみ情報に基づいてごみの種類を特定するごみ特定部と、
　ごみの収集スケジュールを格納するデータベースと、
　前記ごみ特定部で特定したごみの種類が、前記データベースに格納された前記収集スケジュールに対応しているかどうかを判定する分別確認部と、を有し、
　前記分別確認部が前記収集スケジュールに対応していないと判定した場合、前記サーバ通信部は、分別が不適切であることを示す情報を前記ごみセンサ装置へ送信する、ごみ分別支援システム。
　請求項１に記載のごみ分別支援システムにおいて、
　前記ごみ検知部は、ごみの画像を撮影するカメラを有し、
　前記ごみ特定部は、ごみの画像が所定の大きさ以上あったときに、粗大ごみであると特定する、ごみ分別支援システム。
　請求項１に記載のごみ分別支援システムにおいて、
　前記ごみ検知部は、ごみに含まれる金属を検知する金属検知器を有し、
　前記データベースに格納された前記収集スケジュールが金属ごみの日でないにもかかわらず、前記ごみ特定部がごみの種類は金属であると特定した場合、前記分別確認部は、前記収集スケジュールに対応していないと判定する、ごみ分別支援システム。
　請求項１に記載のごみ分別支援システムにおいて、
　前記ごみ検知部は、ごみの臭いを測定する臭いセンサを有し、
　前記ごみ特定部は、前記臭いセンサの測定値が基準値を超えた場合、ごみの種類は燃えるごみであると特定するものであって、
　前記データベースに格納された前記収集スケジュールが燃えるごみの日でないにもかかわらず、前記ごみ特定部がごみの種類は燃えるごみであると特定した場合、前記分別確認部は、前記収集スケジュールに対応していないと判定する、ごみ分別支援システム。
　請求項１に記載のごみ分別支援システムにおいて、
　前記ごみ特定部で特定したごみの種類が複数あり、主たるごみの種類が前記収集スケジュールに対応し、残りのごみの種類が前記収集スケジュールに対応していない場合でも、前記残りのごみの量が第１の所定値以下の場合、前記サーバ通信部は、分別が適切であることを示す情報を前記ごみセンサ装置へ送信する、ごみ分別支援システム。
　請求項５に記載のごみ分別支援システムにおいて、
　前記残りのごみの量が前記第１の所定値より多く、第２の所定値以下の場合、前記サーバ通信部は、分別の改善を促す情報を前記ごみセンサ装置へ送信する、ごみ分別支援システム。
　ごみセンサ装置と、ごみ管理サーバと、を備えるごみ分別支援システムであって、
　前記ごみセンサ装置は、
　ごみ情報を検知するごみ検知部と、
　検知した前記ごみ情報を前記ごみ管理サーバへ送信するセンサ通信部と、
　ごみの分別が不適切な場合に報知する報知部と、を有し、
　前記ごみ管理サーバは、
　前記ごみセンサ装置から前記ごみ情報を受信するサーバ通信部と、
　前記サーバ通信部で受信した前記ごみ情報に基づいてごみの種類を特定するごみ特定部と、
　前記ごみ特定部で特定したごみの種類が複数あった場合、前記サーバ通信部は、分別が不適切であることを示す情報を前記ごみセンサ装置へ送信する、ごみ分別支援システム。
　請求項７に記載のごみ分別支援システムにおいて、
　前記ごみ検知部は、ごみに含まれる金属を検知する金属検知器と、ごみの臭いを測定する臭いセンサと、を有し、
　前記ごみ特定部は、前記臭いセンサの測定値が基準値を超えた場合、ごみの種類は燃えるごみであると特定するものであって、
　前記ごみ特定部が、同じごみ袋に金属と燃えるごみが含まれていることを特定した場合、前記サーバ通信部は、分別が不適切であることを示す情報を前記ごみセンサ装置へ送信する、ごみ分別支援システム。
　請求項１または７に記載のごみ分別支援システムにおいて、
　前記報知部は、ごみ収集庫に設けられている、ごみ分別支援システム。
　請求項１または７に記載のごみ分別支援システムにおいて、
　前記報知部は、マンションにおける、所定の部屋の出入口またはエレベーター乗り場に設けられている、ごみ分別支援システム。
　請求項１または７に記載のごみ分別支援システムにおいて、
　前記ごみセンサ装置または前記ごみ管理サーバと接続されたユーザ端末装置を有し、
　ごみの分別が不適切な場合に、前記ユーザ端末装置に報知される、ごみ分別支援システム。