WO2021193494A1

WO2021193494A1 - 露光装置及び露光方法

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Publication number: WO2021193494A1
Application number: PCT/JP2021/011627
Authority: WO
Inventors: 三宅　健; 俊博高木
Original assignee: サンエー技研株式会社
Priority date: 2020-03-23
Filing date: 2021-03-22
Publication date: 2021-09-30
Also published as: JPWO2021193494A1; TW202141202A; CN115335772A; KR20220157448A

Abstract

高精度の回路描画が可能な露光装置及び露光方法を提供する。　基板ステージ（５）に対して所定方向へ相対移動して基板（１０）上に回路を描画する描画ヘッド（４Ｘ）と、前記基板ステージ（５）と一体的に設けられた基準マーク（９Ｃ）と、前記基板ステージ（５）に対して前記所定方向へ相対移動して前記基板（１０）上の位置マーク（１０ａ）を読み取る基板位置検出手段（６）と、前記基板ステージ（５）と一体的に設けられた描画ヘッド位置検出手段（８）と、を備えた露光装置において、前記描画ヘッド位置検出手段（８）は、前記基準マーク（９Ｃ）と前記描画ヘッド（４Ｘ）からの光ビーム（４ａ）とを重ねて読み取った結果に基づいて描画ヘッド座標系を補正し、前記基板位置検出手段（６）は、前記基準マーク（９Ｃ）を読み取った結果に基づいて基板位置検出座標系を補正することにより、前記描画ヘッド座標系と前記基板位置検出座標系とを互いに一致させる。

Description

露光装置及び露光方法

　本発明は、高精度の回路描画を行い得る露光装置及び露光方法に関する。

　従来、表面に感光層を有する基板の露光面に導電パターン等を形成するために、基板と、パターンが描かれたフォトマスクとを重ねて配置し、フォトマスクを通じて基板に光を照射することにより、パターンを基板表面の感光層に転写する露光方法が広く行われてきた。これに対して、フォトマスクを用いずに所定のパターンを基板に直接形成するマスクレス露光（直接露光）方式が提案されている（例えば、下記の特許文献１）。かかるマスクレス露光方式によれば、フォトマスクが不要となるため、コスト的に有利であり、また、高精度露光が可能であるとされている。

特開２００６－２５０９８２号公報

　そのマスクレス露光装置の一つの従来例としては、例えば、基板を載置して往復移動する基板ステージを有し、基板位置検出カメラにより基板上の基板位置マークを読み取って、基板ステージ上の基板位置を認識し、その結果を基に基板ステージを往復移動させながら、描画ヘッドより光ビームを基板上に照射して回路描画を行う。基板位置検出カメラのＣＣＤ（撮像素子）及び描画ヘッドのＤＭＤ(Digital Mirror Device=光学変調素子)は、熱等によって微小な位置ずれを生じるので、各々別個に設けられた基準マークを用いて、基板位置検出カメラ及び描画ヘッドの座標補正を行っていた。マスクレス露光装置は、基板位置を検出する位置と描画する位置とが異なるため、精度良く描画するためには、基板位置検出座標系と描画ヘッド座標系との相関をとっておくことが必要である。しかるに、従来のマスクレス露光装置は前述のとおり、各々別個に設けられた基準マークを用い座標系の補正をするにとどまり、相関をとることができず、結果的に良好な回路描画精度を得るのが困難であった。

　本発明の第１の形態は、描画ヘッド（４Ｘ）により基板（１０）を露光して該基板上に直接的に回路を描画する露光装置において、
　一個以上の基板位置マーク（１０ａ）を有する前記基板（１０）を載置された基板ステージ（５）と、
　描画ヘッド座標系を有し、前記基板ステージ（５）に対して所定方向へ相対的に移動して前記基板（１０）上に回路を描画する前記描画ヘッド（４Ｘ）と、
　前記基板ステージ（５）と一体的に設けられ、一個以上の基準マーク（９Ｃ）を有する基準マーク手段（９；９Ａ、９Ｂ）と、
　基板位置検出座標系を有し、前記基板ステージ（５）に対して少なくとも前記所定方向へ相対的に移動して前記基板（１０）の基板位置マーク（１０ａ）を読み取る基板位置検出手段（６）と、
　前記基板ステージ（５）と一体的に設けられ、前記描画ヘッド（４Ｘ）からの光ビーム（４ａ）と前記基準マーク手段（９；９Ａ、９Ｂ）上の基準マーク（９Ｃ）とを重ねて読み取る描画ヘッド位置検出手段（８）とを備え、
　前記描画ヘッド位置検出手段（８）は、前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）と前記光ビーム（４ａ）とを重ねて読み取りその結果に基づいて前記描画ヘッド座標系を補正し、前記基板位置検出手段（６）は、前記描画ヘッド位置検出手段（８）が読み取ったのと同一の前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）を読み取りその結果に基づいて前記基板位置検出座標系を補正することにより、前記描画ヘッド座標系と前記基板位置検出座標系とを互いに一致させることを特徴とする露光装置である。

　本発明の第２の形態は、前記描画ヘッド（４Ｘ）は少なくとも前記所定方向に対して位置が固定されており、且つ前記基板ステージ（５）及び基板位置検出手段（６）が前記所定方向に移動可能であることを特徴とする露光装置である。

　本発明の第３の形態は、前記描画ヘッド（４Ｘ）は少なくとも前記所定方向に対して移動可能であり、且つ前記基板ステージ（５）が少なくとも前記所定方向に対して位置が固定されていることを特徴とする露光装置。

　本発明の第４の形態は、前記補正作業は、異なる基板（１０）毎に毎回行うことを特徴とする露光装置である。
　本発明の第５の形態は、前記基板ステージ（５）の前記基板（１０）上の回路を描画される基板面と、前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）面との、高さが同一になるように調整し得る高さ調整手段（１１）が更に設けられていることを特徴とする露光装置である。

　本発明の第６の形態は、前記基板ステージ（５）は、前記所定方向上に前記描画ヘッド（４Ｘ）を挟んで互いに対向して一対分（５Ａ、５Ｂ）配設されていることを特徴とする露光装置である。

　本発明の第７の形態は、描画ヘッド（４Ｘ）により基板（１０）を露光して該基板上に直接的に回路を描画する露光方法において、
　一個以上の基板位置マーク（１０ａ）を有する前記基板（１０）を載置され且つ所定方向へ移動自在の基板ステージ（５）を設けるステップと、
　描画ヘッド座標系を有し、且つ前記基板ステージ（５）に対して所定方向に相対的に移動して前記基板（１０）上に回路を描画する前記描画ヘッド（４Ｘ）を設けるステップと、
　前記基板ステージ（５）と一体的に設けられ、一個以上の基準マーク（９Ｃ）を有する基準マーク手段（９；９Ａ、９Ｂ）を設けるステップと、
　基板位置検出座標系を有し、且つ前記基板ステージ（５）に対して少なくとも前記所定方向に相対的に移動して前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）を読み取る基板（１０）の基板位置マーク（１０ａ）を読み取る基板位置検出手段（６）を設けるステップと、
　前記基板ステージ（５）と一体的に設けられ、前記描画ヘッド（４Ｘ）からの光ビーム（４ａ）と前記基準マーク手段（９；９Ａ、９Ｂ）上の基準マーク（９Ｃ）とを重ねて読み取る描画ヘッド位置検出手段（８）を設けるステップとを備え、
　前記描画ヘッド位置検出手段（８）は、前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）と前記光ビーム（４ａ）とを重ねて読み取りその結果に基づいて前記描画ヘッド座標系を補正し、前記基板位置検出手段（６）は、前記描画ヘッド位置検出手段（８）が読み取ったのと同一の前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）を読み取りその結果に基づいて前記基板位置検出座標系を補正することにより、前記描画ヘッド座標系と前記基板位置検出座標系とを互いに一致させることを特徴とする露光方法である。

　本発明の第８の形態は、前記描画ヘッド（４Ｘ）は少なくとも前記所定方向に対して位置が固定されており、且つ前記基板ステージ（５）及び基板位置検出手段（６）が前記所定方向に移動可能であることを特徴とする露光方法である。

　本発明の第９の形態は、前記描画ヘッド（４Ｘ）は少なくとも前記所定方向に対して移動可能であり、且つ前記基板ステージ（５）が少なくとも前記所定方向に対して位置が固定されていることを特徴とする露光方法である。

　本発明の第１０の形態は、前記補正作業は、異なる基板（１０）毎に毎回行うことを特徴とする露光方法である。
　本発明の第１１の形態は、前記基板ステージ（５）の前記基板（１０）上の回路を描画される基板面レベルと、前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）レベルとの、高さレベルが同一になるように調整し得る高さレベル調整手段（１１）が更に設けられるステップを有することを特徴とする露光方法である。

　本発明の第１２の形態は、前記基板ステージ（５）は、前記所定方向上に前記描画ヘッド（４Ｘ）を挟んで互いに対向して一対分（５Ａ、５Ｂ）配設されていることを特徴とする露光方法である。

　本発明は、共通（同一）の基準原器９を基に上記描画ヘッド座標系と上記基板位置検出座標系の補正を行う事により、両座標系の相関がとれるので、基板１０の回路の描画精度を向上し得る。

本発明の一実施例としての露光装置の概略構成の斜視図である。図１に示す露光装置の要部の正面図である。図２中、左側基板ステージ部分の拡大正面図である。図１に示す露光装置の要部の第１の工程を示す正面図である。同上、第２の工程を示す正面図である。同上、第３の工程を示す正面図である。同上、全ての工程を示す平面図である。図８（Ａ）及び（Ｂ）は夫々、基板位置検出カメラと基準マーク部材との構成部分、及び描画ヘッドと基準マーク部材との構成部分を示す拡大正面図である。基板位置検出カメラと基準マーク部材とを示す斜視図である。描画ヘッドからの光ビームと基準原器の基準マークとの位置ずれを示す図である。基板ステージ５Ａ及び５Ｂについて、縦軸がその動作ステップを示し、横軸が時間を示すタイムチャートである。

　図１乃至図３は、本発明の一実施例としての露光装置の概略構成の斜視図、図１に示す露光装置の要部の正面図、及び図２中左側基板ステージの拡大正面図である。
　図１中、露光装置１は、架台２上のベッド３（矢印Ａ及びＢ方向へ伸びている）上に載置された、描画ヘッドユニット４（上記矢印Ａ及びＢ方向と直交する方向に複数（本実施例では５個）の描画ヘッド４Ｘを有する）と、描画ヘッドユニット４の矢印Ａ及びＢ方向の両側の一対の基板ステージ５Ａ及び５Ｂ（夫々基板１０Ａ及び１０Ｂが載置される）と、同じく両側の一対の基板位置検出カメラユニット６Ａ及び６Ｂ（夫々上記直交方向に例えば３個の基板位置検出カメラ６ＡＸ、６ＢＸを有する）を備える。

　なお、描画ヘッド４Ｘは、基板１０上へ回路を描画するための描画ヘッド座標系を備え、また基板位置検出カメラ６ＡＸ、６ＢＸは、基板１０上の位置を検出するための基板位置検出座標系を備えている。また、後述する如く、描画ヘッド４Ｘは、矢印Ａ及びＢ方向（主走査方向）だけでなく、その直交方向（副走査方向）へも往復移動可能である。

　基板ステージ５Ａ及び５Ｂ（夫々キャリジ７Ａ及び７Ｂに載置されている）と、基板位置検出カメラユニット６Ａ及び６Ｂは夫々矢印Ａ及びＢ方向へ往復的に移動可能である。なお、基板位置検出カメラ６ＡＸ、６ＢＸは基板１０上の位置を検出するために矢印Ａ及びＢ方向だけでなく、その直交方向へも往復移動可能としてよい。

　図２中、８Ａ及び８Ｂは夫々、左右の基板ステージ５Ａ及び５Ｂに一体的に取付けられた一対の描画光ビーム検出カメラ（センサー）であり、５個の描画ヘッド４Ｘに対応して夫々５個の描画光ビーム検出カメラ８Ａ及び８Ｂを有する。（図９参照）
　また、９Ａ及び９Ｂは夫々、左右のキャリジ７Ａ及び７Ｂに一体的に取付けられた基準原器であり、複数個の基準マーク９Ｃ（図９参照）を有する。

　また図３中、１１は左側基板ステージ５Ａの高さを調節する高さ調節機構で、電動モータ１２から減速機構１３を介した駆動軸１４が基板ステージ５Ａのフランジ部５ａの垂直方向長孔（図示せず）を挿通すると共に偏心カム１５有しており、偏心カム１５が回転駆動されることにより、基板ステージ５Ａが押圧されて上下方向に高さが微調節的に移動される。右側基板ステージ５Ｂについても同様の高さ調節機構が設けられる。

　次に、本発明の露光装置１の動作について、主に図４乃至図７及び図１１（タイムチャート）を使用して説明する。なお、図１１は縦軸が右側基板ステージ５Ｂ及び左側基板ステージ５Ａの各動作ステップ（Ｂ１～Ｂ７、Ａ１～Ａ７）であり、横軸は各動作ステップに要した時間を示す。

　図４中、右側基板ステージ５Ｂ（未露光の基板１０Ｂが載置されている）が、矢印Ｂ方向移動限界の待機位置（図７中の位置１０Ｂ１に対応）から、矢印Ａ方向へ移動して、図４に示す描画準備位置（図７中の位置１０Ｂ２に対応）へ至る。（図１１のステップＢ１参照）この描画準備位置において、描画ヘッド４Ｘからの光ビーム４ａが右側基準原器９Ｂの基準マーク９Ｃ付近を通過して描画光ビーム検出カメラ８Ｂにより撮像され、基準マーク９Ｃと光ビーム４ａとが重ねて読み取られる（図１０参照）。ここで、基準マーク９Ｃと光ビーム４ａとは本来一致するのが好ましいが、描画ヘッドのＤＭＤが熱等に起因して微小な位置ずれδ1、即ち描画ヘッド４Ｘの描画ヘッド座標系のずれを生ずる。従って、この描画ヘッド座標系のずれがゼロになるように制御回路（図示せず）によりソフト的な補正を行う。（図１１のステップＢ２参照）この補正作業は描画ヘッド４Ｘが基準原器９（９Ａ、９Ｂ）に対して繰り返し対応する都度行われるので、描画ヘッド４Ｘの基準原器９に対する位置校正（又は補正）がその都度行われることになる。

　この間、左側基板ステージ５Ａはそれ以前の描画終了位置（図７中の位置１０Ａ２に対応）から、図４に示した矢印Ａ方向移動限界の待機位置（図７中の位置１０Ａ１に対応）へ移動しており、（図１１のステップＡ４参照）この位置で基板チャック（図示せず）により露光・描画が終了した基板１０Ａが取り去られて、新たな未露光の基板１０Ａが基板ステージ５Ａ上に載置される。（図１１のステップＡ５及びＡ６参照）
　この待機位置で、図４中、左側基板位置検出カメラ６ＡＸが左側基準原器９Ａの基準マーク９Ｃを撮像したとき、カメラ６ＡＸの撮像用ＣＣＤの熱によるゆらぎ等に起因して基準マーク９Ｃと撮像中心との位置ずれ量δ２、即ち基板位置検出カメラ６ＡＸの基板位置検出座標系のずれを生ずる。従って、この基板位置検出座標系のずれがゼロになるように制御回路（図示せず）によりソフト的な補正を行なう。（図１１のステップＡ７参照）この補正作業は基板位置検出カメラ６ＡＸ（又は６ＢＸ）が基準原器９（９Ａ、９Ｂ）に対して繰り返し対応する都度行われるので、基板位置検出カメラ６ＡＸ、６ＢＸの基準原器９に対する位置校正（又は補正）がその都度行われることになる。

　続いて、右側基板ステージ５Ｂ（右側基板１０Ｂが載置される）は、図４に示す描画準備位置（図７中の位置１０Ｂ２に対応）から、図５に示す位置（図７中の位置１０Ｂ３に対応）まで矢印Ａ方向へ移動しながら、描画ヘッド４Ｘから光ビーム４ａを右側基板１０Ｂに対して照射し、直接的に回路を描画する。そして、描画ヘッド４Ｘが所定量副走査方向へ移動した後、右側基板ステージ５Ｂは、図７中の位置１０Ｂ３から図４に示す描画準備位置（図７中の位置１０Ｂ２に対応）まで矢印Ｂ方向へ戻り移動しながら、描画ヘッドから光ビーム４ａを右側基板１０Ｂに対し照射し、直接的に回路を描画する。この一連の往復移動による描画動作は、基板の副走査方向に基板の全幅描画できるまで必要に応じて繰り返される。しかしながら、必要がなければ、先に述べたＡ方向への移動および描画のみで終了しても良い。（図１１のステップＢ３参照）この回路描画作業は、それ以前に右側基板１０Ｂの基板位置マーク１０ａを基にして右側基板位置検出カメラ６ＢＸから得られた基板位置（アライメント）情報（図１１のステップＢ７参照）を基にして行われる。

　他方この間、図５に示す如く、待機位置に停止したままの左側基板ステージ５Ａに載置された基板１０Ａに対して、左側基板位置検出カメラ６ＡＸが矢印Ａ方向へ相対的に移動しながら、基板１０Ａ上に設けられた基板位置マーク１０ａ（例えば、図７中合計９箇所のマーク１０ａが存在するが９箇所以下又は以上の個数でもよい）を撮像し（読取り）、描画すべき基板１０Ａの位置（アライメント）情報を検出する。これをアライメント作業と呼ぶ。（図１１のステップＡ７参照）
　続いて、図６に示す如く、右側基板ステージ５Ｂは矢印Ｂ方向移動限界の待機位置（図７中の位置１０Ｂ１に対応）まで戻り、（図１１のステップＢ４参照）この待機位置で、基板チャックにより上記の如く露光・描画が終了した基板１０Ｂが取り去られて、新たな未露光の基板１０Ｂが基板ステージ５Ｂ上に載置される。（図１１のステップＢ５及びＢ６参照）またこの待機位置で、右側基板位置検出カメラ６ＢＸが右側基準原器９Ｂの基準マーク９Ｃを撮像して、図４の左側基板１０Ａで述べた場合と同様に撮像した基準マーク９Ｃと撮像中心との位置ずれ量δ２に基づいて基板位置検出座標系が補正される。（図１１のステップＢ７参照）
　この間、図６中、左側基板ステージ５Ａが矢印Ｂ方向へ移動して描画準備位置（図７中、位置１０Ａ２に対応）にあって、描画光ビーム検出カメラ８Ａが描画ヘッド４Ｘからの光ビーム４ａと左側基準原器９Ａの基準マーク９Ｃとを重ねて撮像してその位置ずれδ１に基づいて同様に描画ヘッド座標系が補正される。

　続いて、右側基板ステージ５Ｂが待機位置に停止したままで、図５の基板１０Ａに対するのと同様のアライメント作業が、右側基板ステージ５Ｂに載置された基板１０Ｂに対して行われ（図１１のステップＢ７参照）、以後、繰り返しの作業が同様にして行われる。

　上記構成及び動作によれば、例えば左側基板ステージ５Ａに着目して見ると、描画ヘッド４Ｘ自体の描画ヘッド座標系は、描画光ビーム検出カメラ８Ａにより読み取った光ビーム４ａと基準原器９Ａの基準マーク９Ｃとのずれ量δ１をゼロ補正することにより校正され、また基板位置検出カメラ６ＡＸ自体の基板位置検出座標系はカメラ撮像中心と基準原器９Ａの基準マーク９Ｃとのずれ量δ２をゼロ補正することにより校正される。更に基板位置検出カメラ６ＡＸにより基板位置マーク１０ａを読み取る際に、前記２つの座標系がゼロ補正されていることに起因して、実際の基板の位置を正確に検出することができ、描画ヘッド４Ｘにより基板上に正確な回路描画を行い得る。しかるに、本発明では特に、上記２つの座標系の補正作業の際に、同一の基準原器９Ａを共通に使用しているため、従来の如く双方の座標系で別個の基準原器を使用した場合に比して、上記補正後の２つの座標系（描画ヘッド座標系及び基板位置検出座標系）を互いに一致させることができるから、上記基板への描画を一層高精度に行い得る。これは右側基板ステージ５Ｂについても同様である。なお、「互いに一致」とは、厳密に一致でなくとも微小なずれは含んでもよい。

　なお、描画ヘッド４Ｘ及び基板位置検出カメラ６ＡＸ、６ＢＸに対する校正作業が、基準原器９Ａに対向する都度、即ち描画作業を行う都度毎回行っているので、それだけ描画精度を向上し得る。

　また、上記描画ヘッド座標系の補正作業と上記基板位置検出座標系の補正作業とを共通（同一）の基準原器９Ａを用いて行うのであれば、場合によっては、基準マーク９Ｃは共通（同一）でなく異なってもよい。

　また、一方の基板ステージ５Ａ（又は５Ｂ）において基板１０の着脱及び基板位置検出カメラ６による撮像（読取り）作業が行われる間に、同時に他方の基板ステージ５Ｂ（又は５Ａ）において描画ヘッド４Ｘによる基板１０への描画作業が行われるから、生産性を損なうことなく、十分な時間をかけて、アライメント作業及び座標系補正を行うことができる。

　次に、基板１０（１０Ａ、１０Ｂ）上面の高さ調節作業について説明する。描画ヘッド４Ｘからの光ビーム４ａの焦点位置及び基板位置検出カメラ６ＡＸ、６ＢＸによる撮像の焦点位置が、基準原器９（９Ａ、９Ｂ）の検出用基準マーク面と基板１０（１０Ａ、１０Ｂ）上面との双方に一致していることが高精度の描画を行うために好ましい。

　このため、図３に示す如く、基板１０Ａを高さ方向に調節する高さ調節機構１１が設けられている。同図中、高さ調節機構１１は、キャリジ７Ａに、電動モータ１２と、減速機構１３を介して設けた駆動軸１４と、該駆動軸１４に設けた偏心カム１５とを有し、駆動軸１４が基板ステージ５Ａに設けたフランジ部５ａの垂直方向長孔（図示せず）を挿通している。従って、電動モータ１２が駆動されると偏心カム１５が回転して基板ステージ５Ａを押し上げて上昇させるか又は重力による下降を許容して、基板１０上面を基準原器９Ａの基準マーク９Ｃと同一高さ位置になるように調節する。なお、基板ステージ５Ａを上下動させる機構は偏心カムに限らず、ねじ機構又はテーパー機構を利用した機構等の種々の機構が考えられ、また基板１０を上下動させるのでなく基準原器９Ａを上下動させても良い。なお、右側基板１０Ｂについても同様である。

　上記実施例では、描画ヘッドユニット４は矢印Ａ及びＢ方向（主走査方向）の位置が固定され、且つ基板ステージ５Ａ及び５Ｂ（夫々キャリジ７Ａ及び７Ｂに載置されている）と、基板位置検出カメラユニット６Ａ及び６Ｂとが夫々、同方向へ往復移動可能であったが、これに限ることなく、基板ステージ５Ａ及び５Ｂが矢印Ａ及びＢ方向へ位置固定であって、描画ヘッドユニット４がこれら位置固定の基板ステージ５Ａ及び５Ｂに対して往復移動するようにしてもよく、又は描画ヘッドユニット４及び基板位置検出カメラ６が夫々位置固定であって、基板ステージ５Ａ及び５Ｂが矢印Ａ及びＢ方向へ往復移動可能であってもよい。

　また、上記実施例では、描画ヘッドユニット４の複数の描画ヘッド４Ｘは矢印Ａ及びＢ方向と直交する方向に１列であったが、これに限らず、上記直交方向に２列以上設けて、各列どうしで描画ヘッド４Ｘを千鳥状に配列しても良く、これによれば描画ヘッド４Ｘが副走査方向へ往復移動する距離を列数分の１に低減できる。

　以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の組み合わせ、または、省略が可能である。

１…露光装置
２…架台
３…ベッド
４…描画ヘッドユニット
４Ｘ…描画ヘッド
４ａ…光ビーム
５（５Ａ、５Ｂ）…基板ステージ
５ａ…フランジ部
６（６Ａ、６Ｂ）…基板位置検出カメラユニット
６ＡＸ、６ＢＸ…基板位置検出カメラ
７（７Ａ、７Ｂ）…キャリジ
８（８Ａ、８Ｂ）…描画光ビーム検出カメラ
９（９Ａ、９Ｂ）…基準原器
９Ｃ…基準マーク
１０（１０Ａ、１０Ｂ）…基板
１０ａ…基板位置マーク
１１…高さ調節機構
１２…電動モータ
１３…減速機構
１４…駆動軸
１５…偏心カム

Claims

　描画ヘッド（４Ｘ）により基板（１０）を露光して該基板上に直接的に回路を描画する露光装置において、
　一個以上の基板位置マーク（１０ａ）を有する前記基板（１０）を載置された基板ステージ（５）と、
　描画ヘッド座標系を有し、前記基板ステージ（５）に対して所定方向へ相対的に移動して前記基板（１０）上に回路を描画する前記描画ヘッド（４Ｘ）と、
前記基板ステージ（５）と一体的に設けられ、一個以上の基準マーク（９Ｃ）を有する基準マーク手段（９；９Ａ、９Ｂ）と、
　基板位置検出座標系を有し、前記基板ステージ（５）に対して少なくとも前記所定方向へ相対的に移動して前記基板（１０）の基板位置マーク（１０ａ）を読み取る基板位置検出手段（６）と、
　前記基板ステージ（５）と一体的に設けられ、前記描画ヘッド（４Ｘ）からの光ビーム（４ａ）と前記基準マーク手段（９；９Ａ、９Ｂ）上の基準マーク（９Ｃ）とを重ねて読み取る描画ヘッド位置検出手段（８）と、
　を備え、
　前記描画ヘッド位置検出手段（８）は、前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）と前記光ビーム（４ａ）とを重ねて読み取りその結果に基づいて前記描画ヘッド座標系を補正し、前記基板位置検出手段（６）は、前記描画ヘッド位置検出手段（８）が読み取ったのと同一の前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）を読み取りその結果に基づいて前記基板位置検出座標系を補正することにより、前記描画ヘッド座標系と前記基板位置検出座標系とを互いに一致させる、
　露光装置。
　請求項１に記載の露光装置において、
　前記描画ヘッド（４Ｘ）は少なくとも前記所定方向に対して位置が固定されており、且つ前記基板ステージ（５）及び基板位置検出手段（６）が前記所定方向に移動可能である、
　露光装置。
　請求項１に記載の露光装置において、
　前記描画ヘッド（４Ｘ）は少なくとも前記所定方向に対して移動可能であり、且つ前記基板ステージ（５）が少なくとも前記所定方向に対して位置が固定されている、
　露光装置。
　請求項１乃至３の何れかに記載の露光装置において、
　前記補正作業は、異なる基板（１０）毎に毎回行う
　露光装置。
　請求項１乃至４の何れかに記載の露光装置において、
　前記基板ステージ（５）の前記基板（１０）上の回路を描画される基板面と、前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）面との、高さが同一になるように調整し得る高さ調整手段（１１）が更に設けられている
　露光装置。
　請求項１乃至５の何れかに記載の露光装置において、
　前記基板ステージ（５）は、前記所定方向上に前記描画ヘッド（４Ｘ）を挟んで互いに対向して一対分（５Ａ、５Ｂ）配設されている
　露光装置。
　描画ヘッド（４Ｘ）により基板（１０）を露光して該基板上に直接的に回路を描画する露光方法において、
　一個以上の基板位置マーク（１０ａ）を有する前記基板（１０）を載置され且つ所定方向へ移動自在の基板ステージ（５）を設けることと、
　描画ヘッド座標系を有し、且つ前記基板ステージ（５）に対して所定方向に相対的に移動して前記基板（１０）上に回路を描画する前記描画ヘッド（４Ｘ）を設けることと、
　前記基板ステージ（５）と一体的に設けられ、一個以上の基準マーク（９Ｃ）を有する基準マーク手段（９；９Ａ、９Ｂ）を設けることと、
　基板位置検出座標系を有し、且つ前記基板ステージ（５）に対して少なくとも前記所定方向に相対的に移動して前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）を読み取る基板（１０）の基板位置マーク（１０ａ）を読み取る基板位置検出手段（６）を設けることと、
　前記基板ステージ（５）と一体的に設けられ、前記描画ヘッド（４Ｘ）からの光ビーム（４ａ）と前記基準マーク手段（９；９Ａ、９Ｂ）上の基準マーク（９Ｃ）とを重ねて読み取る描画ヘッド位置検出手段（８）を設けることと、
　を備え、
　前記描画ヘッド位置検出手段（８）は、前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）と前記光ビーム（４ａ）とを重ねて読み取りその結果に基づいて前記描画ヘッド座標系を補正し、前記基板位置検出手段（６）は、前記描画ヘッド位置検出手段（８）が読み取ったのと同一の前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）を読み取りその結果に基づいて前記基板位置検出座標系を補正することにより、前記描画ヘッド座標系と前記基板位置検出座標系とを互いに一致させる、
　露光方法。
　請求項７に記載の露光方法において、
前記描画ヘッド（４Ｘ）は少なくとも前記所定方向に対して位置が固定されており、且つ前記基板ステージ（５）及び基板位置検出手段（６）が前記所定方向に移動可能であることを特徴とする露光方法。
　請求項７に記載の露光方法において、
　前記描画ヘッド（４Ｘ）は少なくとも前記所定方向に対して移動可能であり、且つ前記基板ステージ（５）が少なくとも前記所定方向に対して位置が固定されている、
　露光方法。
　請求項７乃至９の何れかに記載の露光方法において、
　前記補正作業は、異なる基板（１０）毎に毎回行うことを特徴とする露光方法。
　請求項７乃至１０の何れかに記載の露光方法において、
　前記基板ステージ（５）の前記基板（１０）上の回路を描画される基板面と、前記基準マーク手段（９）上の基準マーク（９Ｃ）面との、高さが同一になるように調整し得る高さ調整手段（１１）が更に設けられるステップを有することを特徴とする露光方法。
　請求項７乃至１１の何れかに記載の露光方法において、
　前記基板ステージ（５）は、前記所定方向上に前記描画ヘッド（４Ｘ）を挟んで互いに対向して一対分（５Ａ、５Ｂ）配設されている
　露光方法。