WO2021161435A1

WO2021161435A1 - プリンタ

Info

Publication number: WO2021161435A1
Application number: PCT/JP2020/005438
Authority: WO
Inventors: 誠佐桑
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2020-02-13
Filing date: 2020-02-13
Publication date: 2021-08-19

Abstract

ロール紙とペーパーフランジの組み合わせの誤りを検出できるプリンタを提供する。制御部は、用紙搬送部により記録用紙を搬送又は停止しつつ回転駆動部によりペーパーフランジを回転駆動するか、用紙搬送部により記録用紙を搬送しつつペーパーフランジの回転駆動を停止し、その際に回転検出部が検出するペーパーフランジの回転態様に基づいて、ロール紙とペーパーフランジの組み合わせの正誤を判断する。

Description

プリンタ

　本開示は、ロール状に巻回されたロール紙から引き出された記録用紙に印画を行うプリンタに関するものである。

　プリンタで印刷を行う際は、記録用紙を紙送り方向あるいは巻き戻し方向に記録用紙を搬送する。例えば、昇華型熱転写式方式のサーマルプリンタでは、インクリボンにそれぞれ印画１画面分ごとのインクＹ（イエロー）、Ｍ（マゼンタ）、および、Ｃ（シアン）がＹＭＣの順番で塗布されており、記録用紙をグリップローラーとピンチローラーで圧着して搬送し、Ｙの染料インクを加熱気化して記録用紙に熱転写し印画した後、元の位置に記録用紙を戻し、次のＭを、最後にＣを印画する。このように各色を印画する毎に、紙送り方向あるいは巻き戻し方向に記録用紙を搬送する。

　大量の印刷を行う業務用途のプリンタでは、記録用紙にロール状に巻き回したロール紙を利用することが一般的で、ＹＭＣの印画を全て終えると記録用紙は規定の寸法にカッターで切断され、印刷物として出力される。ロール紙の回転軸方向から見た中心部は中空になっており、ロール紙は、プリンタ内に装着される際は中空部側表面に当接するペーパーフランジにより保持され、記録用紙の紙送りあるいは巻き戻しの搬送に応じてペーパーフランジを通して回転駆動される。

　ロール紙は、用途により材質、厚み、あるいは、構成が異なる。また、ロール紙は、紙の曲がり癖であるカールが大きくならないようにするため等の理由により、紙厚あるいは材質に応じた内径に形成されている。

特開２０１１－１８９５１３号公報

　記録用紙を正しく搬送するために、ロール紙は、当該ロール紙の内径と対応したペーパーフランジに装着する必要がある。インクリボンの巻取軸においては、外径を拡大縮小できるインクリボンの巻取軸について、巻取軸の外径が誤った状態で装着されている場合に、誤った状態であることを検出する技術が提案されている（特許文献１）。ペーパーフランジとロール紙の組み合わせについても、組み合わせが誤っている場合にプリンタが誤りを検出することが望ましい。

　しかし、インクリボンの巻取軸が縮小状態であることを検出する特許文献１の技術は、インクリボンの巻取軸自体の状態を検出するものであるため、特許文献１の技術を用いてペーパーフランジとロール紙の組み合わせの誤りを検出することはできない。

　本開示は、上述のような問題を解決するためになされたもので、ロール紙とペーパーフランジの組み合わせの誤りを検出できるプリンタを提供することを目的とする。

　本開示によれば、ロール状に巻回されたロール紙から引き出された記録用紙に印画を行うプリンタであって、記録用紙を搬送または停止する用紙搬送部と、ロール紙をロール紙のロールの中空部から支持するペーパーフランジと、ペーパーフランジを回転駆動することによりペーパーフランジを通してロール紙を回転駆動する回転駆動部と、ペーパーフランジの回転態様を検出する回転検出部と、制御部と、を備え、制御部は、用紙搬送部により記録用紙を搬送又は停止しつつ回転駆動部によりペーパーフランジを回転駆動するか、用紙搬送部により記録用紙を搬送しつつペーパーフランジの回転駆動を停止し、その際に回転検出部が検出するペーパーフランジの回転態様に基づいて、ロール紙とペーパーフランジの組み合わせの正誤を判断する、プリンタ、が提供される。

　本開示のプリンタにおいて、制御部は、用紙搬送部により記録用紙を搬送又は停止しつつ回転駆動部によりペーパーフランジを回転駆動するか、用紙搬送部により記録用紙を搬送しつつペーパーフランジの回転駆動を停止し、その際に回転検出部が検出するペーパーフランジの回転態様に基づいて、ロール紙とペーパーフランジの組み合わせの正誤を判断する。

　本開示のプリンタは、これにより、ロール紙とペーパーフランジの組み合わせの誤りを検出できる。

　本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。

実施の形態１から３に係るプリンタの印画機構の説明図である。実施の形態１から３に係るプリンタのブロック図である。実施の形態１から３に係るプリンタで用いるロール紙をペーパーフランジに装着した状態の説明図である。実施の形態１から３に係るプリンタのペーパーフランジの説明図である。実施の形態１から３に係るプリンタで用いるロール紙を異なる品種のロール紙用のペーパーフランジに装着した状態の説明図である。実施の形態１に係るプリンタの動作フローチャートである。実施の形態２に係るプリンタの動作フローチャートである。実施の形態１から３に係るロータリーエンコーダーの出力パルス数とロール紙外径の関係を示す図である。実施の形態３に係るプリンタの動作フローチャートである。実施の形態４に係るプリンタの印画機構の説明図である。実施の形態４に係るプリンタのブロック図である。実施の形態４に係るプリンタの動作フローチャートである。ＤＣモーターの、トルクと回転数の関係、及びトルクと電流の関係を示す図である。

　＜Ａ．実施の形態１＞
　＜Ａ－１．構成＞
　図１は、実施の形態１に係るプリンタ１の印画機構の概略構成を説明するための説明図である。図２はプリンタ１の動作に係る主要な構成を説明するためのブロック図である。

　プリンタ１は、図１に示されるように、ロール紙８及びインクシート１３を装着し、ロール状に巻回されたロール紙８から引き出された記録用紙２に印画を行う。図２には、プリンタ１の動作の説明のため、プリンタ１に含まれない情報処理装置２００も示されている。

　図１及び図２に示されるように、プリンタ１は、サーマルヘッド５と、プラテンローラー６と、カッター７と、ペーパーフランジ１００と、ペーパーフランジ駆動ギア１０と、回転駆動部１１と、回転検出部１２０と、供給側インクボビン１４と、供給側インクボビン駆動部１５と、巻取側インクボビン１６と、巻取側インクボビン駆動部１７と、通信部１９と、メモリ２０と、制御部２１と、印画データ処理部２２と、データバス２３と、用紙センサ２４と、報知部２５と、用紙搬送部１８０と、を備える。

　図１に示されるように、用紙搬送部１８０はグリップローラー３とピンチローラー４と、用紙搬送駆動部１８と、を備える。

　図２に示されるように、通信部１９と、メモリ２０と、制御部２１と、印画データ処理部２２と、サーマルヘッド５と、カッター７と、用紙搬送駆動部１８と、用紙センサ２４と、回転駆動部１１と、供給側インクボビン駆動部１５と、巻取側インクボビン駆動部１７と、回転検出部１２０と、報知部２５と、は、相互にデータを送受信するためデータバス２３に繋がれている。

　用紙搬送駆動部１８は例えばステッピングモーターであり、用紙搬送駆動部１８はグリップローラー３を回転駆動する。

　グリップローラー３とピンチローラー４とは互いに対向する位置に配置されている。用紙搬送部１８０は、記録用紙２を間に挟んでグリップローラー３とピンチローラー４とを圧着することで、グリップローラー３とピンチローラー４とで記録用紙２を把持する。また、用紙搬送部１８０は、記録用紙２を把持した状態から、グリップローラー３とピンチローラー４との圧着を開放することで、記録用紙２の把持を解除する。用紙搬送部１８０は、グリップローラー３とピンチローラー４とで記録用紙２を把持した状態で用紙搬送駆動部１８によりグリップローラー３を回転駆動することで記録用紙２を搬送する。また、用紙搬送部１８０は、グリップローラー３とピンチローラー４とで記録用紙２を把持した状態で用紙搬送駆動部１８によるグリップローラー３の回転を停止することで、記録用紙２を停止する。

　サーマルヘッド５とプラテンローラー６とは、印画時、インクシート１３と記録用紙２とを圧着し、制御部２１の制御によりサーマルヘッド５でインクシート１３を加熱することで記録用紙２に印画する。

　カッター７は制御部２１の制御により記録用紙２を規定の長さに切断する。制御部２１は、切断しようとする部分がカッター７で切断できる位置にくるよう記録用紙２を搬送してから、カッター７により当該部分を切断する。

　ペーパーフランジ１００は、ロール紙８を保持する。図４には、ペーパーフランジ１００の一例として、ロール紙８の内径に対応し、ロール紙８と正しい組み合わせであるペーパーフランジ９が示されている。図４は、ペーパーフランジ９の、回転軸を含む断面での断面図である。ペーパーフランジ９は、図４に示されるように、ペーパーフランジ部材９ａ及びペーパーフランジ部材９ｂからなる。ペーパーフランジ部材９ａはギア９１ａと、嵌合部９２ａと、嵌合部９３ａと、を備える。ペーパーフランジ部材９ｂはギア９１ｂと、嵌合部９２ｂと、嵌合部９３ｂと、を備える。

　ペーパーフランジ部材９ａとペーパーフランジ部材９ｂは、嵌合部９３ａと嵌合部９３ｂで相互に嵌合し、回転軸方向および回転方向ともに互いに固定される。図３は、ロール紙８をペーパーフランジ９に装着した状態を示す。図３は図１のＡ－Ａ線における断面図であり、ペーパーフランジ９の回転軸を含む断面における断面図である。

　ペーパーフランジ９はロール紙８の内径に対応した、ロール紙８と正しい組み合わせのペーパーフランジである。図３に示されるように、ペーパーフランジ９は、嵌合部９２ａ及び嵌合部９２ｂがロール紙８の中空部側表面８ａに当接し、ロール紙８をロール紙８のロールの中空部から支持する。ペーパーフランジ９には、正しい組み合わせのロール紙の中空部側表面、例えばロール紙８の中空部側表面８ａ、と嵌合部９２ａ及び嵌合部９２ｂとの間で滑りが起こらないよう、嵌合部９２ａ及び嵌合部９２ｂの中空部側表面８ａと接する表面には弾性材などが配置されている。

　回転駆動部１１はペーパーフランジ１００を回転駆動する。また、回転駆動部１１は、ペーパーフランジ１００を回転駆動することによりペーパーフランジ１００を通してロール紙８を回転駆動する。ここでは例としてペーパーフランジ１００がペーパーフランジ９の場合について説明する。回転駆動部１１はモーター１１０を備え、モーター１１０の回転駆動力が、ペーパーフランジ駆動ギア１０とギア９１ａ及びギア９１ｂとが噛み合うことにより、ペーパーフランジ９に伝達される。モーター１１０は例えばＤＣモーターである。なお、回転駆動部１１からペーパーフランジ１００への回転駆動力の伝達形態は、本実施の形態ではペーパーフランジ駆動ギア１０を介した例で説明されているが、伝達ベルトなどを介した形態であっても良い。

　回転駆動部１１がペーパーフランジ１００とロール紙８を介し記録用紙２に与えることのできる搬送方向の力は、ペーパーフランジ１００がロール紙８と正しい組み合わせの物であっても、用紙搬送部１８０が記録用紙２を搬送又は停止している場合に用紙搬送部１８０が記録用紙２に与えることのできる搬送方向の力よりも弱い。

　例えば、用紙搬送部１８０が記録用紙２を搬送又は停止している場合、回転駆動部１１によるペーパーフランジ１００の回転駆動状況にかかわらず、記録用紙２は用紙搬送部１８０の駆動通りに搬送され又は停止する。

　一方、例えば用紙搬送部１８０が記録用紙２を停止している場合には、記録用紙２をロール紙８に巻き取る方向に回転駆動部１１がペーパーフランジ１００を回転駆動していても、記録用紙２は停止し、ロール紙８は回転しない。また、この場合、ペーパーフランジ１００がロール紙８と正しい組み合わせのペーパーフランジ９であったとすると、ペーパーフランジ９とロール紙８との間で滑りが起こらないので、ペーパーフランジ９も回転しない。

　回転検出部１２０はロータリーエンコーダー１２ｃを備える。図１に示されるように、ロータリーエンコーダー１２ｃは回転スリット１２ａと透過型光学センサ１２ｂを備える。回転スリット１２ａはペーパーフランジ１００の回転に従って回転する。回転スリット１２ａには、スリットが回転中心から放射状に形成されている。透過型光学センサ１２ｂは、回転スリット１２ａが回転した際に透過型光学センサ１２ｂの信号光が回転スリット１２ａのスリットを通過する毎に、パルスを出力する。回転検出部１２０は、ロータリーエンコーダー１２ｃにより、ペーパーフランジ１００の回転態様を検出する。より具体的には、回転検出部１２０は、透過型光学センサ１２ｂが出力するパルスの頻度の形で、ペーパーフランジ１００の回転の有無を検出または回転速度を計測する。

　インクシート１３の長手方向の一端は、供給側インクボビン１４に巻かれる。インクシート１３の長手方向の他端は、巻取側インクボビン１６に巻かれる。供給側インクボビン駆動部１５は供給側インクボビン１４を回転駆動する。巻取側インクボビン駆動部１７は、巻取側インクボビン１６を回転駆動する。供給側インクボビン１４にはインクシート１３の未使用部分が巻かれる。インクシート１３の印画に使用された部分は巻取側インクボビン１６に巻き取られる。

　通信部１９は、パーソナルコンピュータ等の外部の情報処理装置２００から画像データおよび印画に関する情報を受信する。

　メモリ２０は、受信した画像データおよび印画に関する情報などを一時的に保存するＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモリ）等の一時記憶メモリと、プリンタ１の動作を制御する制御プログラム及び初期設定値などを保存する不揮発性メモリと、を備える。

　制御部２１は例えばＣＰＵ（中央処理装置）であり、メモリ２０に保存されている制御プログラムに従って印画およびプリンタ１全体の動作を制御する。

　印画データ処理部２２は画像データを処理し印画データに変換する。

　用紙センサ２４は検出対象位置の記録用紙２の有無を検出する。用紙センサ２４は、検出対象位置がグリップローラー３及びピンチローラー４で記録用紙２を把持する部分よりも排紙側の位置となるように、配置される。

　報知部２５は、例えばブザーあるいはＬＥＤなどの表示素子を備え、利用者に情報を報知する。例えば、報知部２５は、プリンタ１に装着されているロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが誤っている場合に、その旨を利用者に報知する。

　図５は、ペーパーフランジ１００が、ロール紙８と正しくない組み合わせのペーパーフランジ５０である場合に、ロール紙８がペーパーフランジ５０に装着された状態を説明するための断面図である。ペーパーフランジ５０は、内径がロール紙８の内径より小さい品種のロール紙用のペーパーフランジである。

　ペーパーフランジ５０は、ペーパーフランジ部材５０ａ及びペーパーフランジ部材５０ｂからなる。ペーパーフランジ部材５０ａはギア５０１ａと、嵌合部５０２ａと、嵌合部５０３ａと、を備える。ペーパーフランジ部材５０ｂはギア５０１ｂと、嵌合部５０２ｂと、嵌合部５０３ｂと、を備える。嵌合部５０２ａ及び嵌合部５０２ｂの回転軸方向から見た場合の外径が嵌合部９２ａ及び嵌合部９２ｂの外径より小さいことを除けば、ギア５０１ａと、嵌合部５０２ａと、嵌合部５０３ａと、ギア５０１ｂと、嵌合部５０２ｂと、嵌合部５０３ｂと、はそれぞれ、ギア９１ａと、嵌合部９２ａと、嵌合部９３ａと、ギア９１ｂと、嵌合部９２ｂと、嵌合部９３ｂと、同じ構成である。

　ペーパーフランジ５０にロール紙８を装着した場合、ロール紙８の内径が嵌合部５０２ａ及び嵌合部５０２ｂの外径より大きいため、ロール紙８と嵌合部５０２ａ及び嵌合部５０３ａは接触しない、あるいは、ペーパーフランジ５０はロール紙８を確実には保持できない。

　ロール紙８がペーパーフランジ５０に保持されてプリンタ１に装着されている場合、ペーパーフランジ５０とロール紙８との間で伝わる回転方向の力は、ペーパーフランジ９とロール紙８の場合と比べ弱い。例えば、ロール紙８がペーパーフランジ５０に装着されていて、用紙搬送部１８０が記録用紙２を停止しており、記録用紙２をロール紙８に巻き取る方向に回転駆動部１１がペーパーフランジ５０を回転駆動している場合を考える。この場合、記録用紙２は停止し、ロール紙８は回転しないが、ロール紙８とペーパーフランジ５０の間で滑りが起こり、ペーパーフランジ５０は回転駆動部１１の回転駆動に従って回転する。実際にはペーパーフランジ５０とロール紙８との間である程度の回転方向の力が伝わるが、説明を簡単にするため、＜Ａ－２．動作＞ではペーパーフランジ５０とロール紙８との間で回転方向の力が伝わらないと扱う。

　ロール紙８の内径よりも大きい内径のロール紙用のペーパーフランジには、ロール紙８は装着できないので、そのようなペーパーフランジは＜Ａ－２．動作＞では考慮しない。

　以下、プリンタ１に装着されたペーパーフランジ１００の回転について、ペーパーフランジ１００から記録用紙２を引き出す方向を順方向、ペーパーフランジ１００に記録用紙２を巻き取る方向を逆方向とする。また、記録用紙２の搬送方向についても、ロール紙８から記録用紙２を引き出す方向を順方向、それとは逆向きの搬送を逆方向とする。

　＜Ａ－２．動作＞
　図６は、実施の形態１に係るプリンタ１の、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を検出するための動作（以下、正誤検出動作と記す）を説明するフローチャートである。

　正誤検出動作において、制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２を搬送又は停止しつつ回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を回転駆動するか、用紙搬送部１８０により記録用紙２を搬送しつつペーパーフランジ１００の回転駆動を停止し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転態様に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する。

　本実施の形態では、制御部２１が、用紙搬送部１８０により記録用紙２を停止しつつ回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を逆方向へ回転駆動し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転態様に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する、という場合について説明する。

　まず、制御部２１は、ロール紙８がプリンタ１に装着され記録用紙２が印画待機位置に挿入されたかを用紙センサ２４で確認する（ステップＳ１０１）。記録用紙２があることを用紙センサ２４が確認できなかった場合、正誤検出動作を終了する。

　ステップＳ１０１で記録用紙２があることを用紙センサ２４が確認したら、制御部２１は、ピンチローラー４とグリップローラー３で記録用紙２を把持する（ステップＳ１０２）。

　次に、制御部２１は、用紙搬送部１８０による記録用紙２の停止を開始する（ステップＳ１０３）。

　次に、制御部２１は、回転駆動部１１による逆方向へのペーパーフランジ１００の回転駆動を開始する（ステップＳ１０４）。

　ステップＳ１０３とステップＳ１０４の後、用紙搬送部１８０により記録用紙２を停止しつつ、回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を逆方向へ回転駆動している状態で、回転検出部１２０が、ペーパーフランジ１００の回転態様を検出する（ステップＳ１０５）。本実施の形態では、回転検出部１２０は、ペーパーフランジ１００の回転態様としてペーパーフランジ１００の回転の速度または回転の有無を、ロータリーエンコーダー１２ｃの出力するパルスの頻度（例えば１秒当たりのパルス数）の形で検出する。ペーパーフランジ１００がロール紙８と正しい組み合わせのペーパーフランジの場合、ペーパーフランジ１００は回転せず、パルスの頻度は０となる。一方、ペーパーフランジ１００がロール紙８と正しい組み合わせのペーパーフランジでない場合、ロータリーエンコーダー１２ｃの出力するパルスの頻度は、回転駆動部１１がペーパーフランジ１００を回転駆動する速度に応じてゼロでない値となる。

　次に、制御部２１は、ステップＳ１０５で回転検出部１２０が検出したペーパーフランジ１００の回転態様に基づき、制御部２１は、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する（ステップＳ１０６）。本実施の形態では、制御部２１は、ペーパーフランジ１００の回転態様として回転の有無または回転の速度に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する。制御部２１は、パルスの頻度が予め定められた閾値以下の場合、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいと判断する。但し、当該予め定められた閾値は、回転駆動部１１がペーパーフランジ１００を回転駆動する速度に応じてロータリーエンコーダー１２ｃが出力するパルスの頻度よりも小さい値に定められる。

　ステップＳ１０６でロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいと判断されたら、制御部２１は、予め設定された記録用紙２の初期化動作を行い（ステップＳ１０７）、記録用紙２を印画待機位置に搬送し、ピンチローラー４とグリップローラー３による記録用紙２の把持を開放し（ステップＳ１０８）、正誤検出動作を終了する。

　ステップＳ１０６でロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが誤っていると判断されたら、制御部２１は、回転駆動部１１によるロール紙８の回転駆動を停止し（ステップＳ１０９）、ピンチローラー４とグリップローラー３の圧着を開放して記録用紙２の把持をやめ（ステップＳ１１０）、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが誤っている旨を報知部２５により利用者に報知し（ステップＳ１１１）、正誤検出動作を終了する。

　つまり、用紙搬送部１８０により記録用紙２を停止しつつ、逆方向へ回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を回転駆動することで、ペーパーフランジ１００がロール紙８と正しい組み合わせの物かどうかによりペーパーフランジ１００の回転態様が変わる。そのため、制御部２１は、ペーパーフランジ１００の回転態様に基づき、ロール紙８とペーパーフランジ１００のみ合わせの誤りを検出できる。また、これにより、プリンタ１の誤動作および印画品位の低下を未然に防ぐことができる。さらに、ロール紙８とペーパーフランジ１００のみ合わせの誤りによる紙ジャムを防止でき、紙ジャムが発生した部分の除去作業に伴う時間の節約、紙ジャムで無駄になる記録用紙２の廃棄物の削減ができる。

　また、プリンタ１は、正誤検出動作により、ペーパーフランジ１００が、ロール紙８の中空部側表面８ａと嵌合する嵌合部の外径が調整可能なものの場合でも、ペーパーフランジ１００の当該嵌合部の外径がロール紙８の内径と対応した状態であるかを、検出できる。

　＜Ａ－３．効果＞
　制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２を搬送又は停止しつつ回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を回転駆動するか、用紙搬送部１８０により記録用紙２を搬送しつつペーパーフランジ１００の回転駆動を停止し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転態様に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する。これにより、プリンタ１は、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの誤りを検出できる。

　制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２を停止しつつ、回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を逆方向へ回転駆動し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転態様に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する。これにより、プリンタ１は、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの誤りを検出できる。

　制御部２１がロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する際に用いるペーパーフランジ１００の回転態様は、回転速度または回転の有無である。これにより、プリンタ１は、当該回転態様を容易に検出できる。

　回転検出部１２０はロータリーエンコーダー１２ｃを備える。これにより、回転検出部１２０は、ペーパーフランジ１００の回転の有無を検出または回転速度を計測できる。

　報知部２５は、制御部２１が判断したロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を使用者に報知する。これにより、プリンタ１の使用者は、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの誤りに容易に気づくことができる。

　＜Ｂ．実施の形態２＞
　実施の形態１では、制御部２１は用紙搬送部１８０が記録用紙２を停止状態に維持した状態で逆方向にペーパーフランジを回転駆動し、その際のペーパーフランジ１００の回転態様に基づいてロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断した。本実施の形態では、制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２を逆方向へ搬送しつつ、回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を逆方向へ回転駆動し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転態様に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する。

　＜Ｂ－１．構成＞
　実施の形態２に係るプリンタは実施の形態１の場合と同じプリンタ１である。但し、＜Ｂ－２．動作＞で説明する正誤検出動作は、＜Ａ－２．動作＞で説明した正誤検出動作とは異なる。また、実施の形態２の動作の説明のため、回転スリット１２ａのスリット数Ｎ_ｓｌ、ロール紙８の外径ｒ_ｅｘｔ、ロール紙８の内径ｒ_ｉｎｔについて、以下では具体的に、Ｎ_ｓｌ＝３００、ｒ_ｅｘｔ＝１５０ｍｍ、ｒ_ｉｎｔ＝６０ｍｍとして説明する。また、簡単のため、ペーパーフランジ１００と回転スリット１２ａの回転角度は等しいとする。例えばペーパーフランジ１００が１回転すると回転スリット１２ａも１回転し、その際にロータリーエンコーダー１２ｃが出力するパルス数は３００である。

　＜Ｂ－２．動作＞
　図７は、実施の形態２に係るプリンタ１の、正誤検出動作を説明するフローチャートである。

　正誤検出動作において、プリンタ１は、まずステップＳ１０１及びステップＳ１０２を行う。

　ステップＳ１０２の後、制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２の逆方向への搬送を開始する（ステップＳ２０３）。この時、用紙搬送部１８０は、例えば記録用紙２の速度ｖがｖ＝１００ｍｍ／秒となるようにする。

　次に、制御部２１は、回転駆動部１１により、ペーパーフランジ１００の逆方向への回転駆動を開始する（ステップＳ２０４）。この時、回転駆動部１１は、ペーパーフランジ１００を回転駆動する回転速度ω（１秒当たりの回転数）は、ω＝０．８／秒とする。回転駆動部１１がペーパーフランジ１００を回転速度ωで回転駆動するとは、用紙搬送部１８０による記録用紙２の搬送または停止により妨げられない場合にはペーパーフランジ１００の回転速度がωとなるようにペーパーフランジ１００を回転駆動する、という意味である。

　この状態で、回転検出部１２０が、ペーパーフランジ１００の回転態様を検出する（ステップＳ２０５）。回転検出部１２０はペーパーフランジ１００の回転態様としての回転速度を、ロータリーエンコーダー１２ｃの１秒当たりの出力パルス数Ｎ_{ｐｕｌｓｅ}の形で計測する。

　ステップＳ２０５において、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しくなく、ペーパーフランジ１００が例えばペーパーフランジ５０であるとする。この場合、ペーパーフランジ５０がロール紙８と滑って回転することとなり、Ｎ_{ｐｕｌｓｅ}＝Ｎ_ｓｌ×ω＝２４０／秒となる。

　逆に、ステップＳ２０５において、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しく、ペーパーフランジ１００が例えばペーパーフランジ９であるとすると、ペーパーフランジ９の回転速度は用紙搬送部１８０による記録用紙２の搬送速度に追従する。この場合、Ｎ_{ｐｕｌｓｅ}＝Ｎ_ｓｌ×ｖ／（ｒ_ｅｘｔ×π）≒６４／秒となる。

　次に、制御部２１は、ステップＳ２０５で検出したペーパーフランジ１００の回転速度に基づき、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいかを判断する（ステップＳ２０６）。制御部２１は、Ｎ_ｓｌ×ω＝２４０／秒より小さな予め定められた閾値、例えば０．９×Ｎ_ｓｌ×ω、とステップＳ２０５で計測したＮ_{ｐｕｌｓｅ}を比較する。制御部２１は、Ｎ_{ｐｕｌｓｅ}が閾値より大きければロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しくないと判断し、Ｎ_{ｐｕｌｓｅ}が閾値以下であればロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正いと判断する。

　ステップＳ２０６で、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいと判断されたら、制御部２１は、ステップＳ１０７とステップＳ１０８を行い、正誤検出動作を終了する。

　ステップＳ２０６で、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが誤っていると判断されたら、制御部２１は、回転駆動部１１によるロール紙８の回転駆動及び用紙搬送部１８０による記録用紙２の搬送を停止し（ステップＳ２０９）、その後ステップＳ１１０とステップＳ１１１を行い、正誤検出動作を終了する。

　ステップＳ２０５において、ｒ_ｅｘｔとωとｖの値がＮ_ｓｌ×ω＜Ｎ_ｓｌ×ｖ／（ｒ_ｅｘｔ×π）となるようなものであった場合、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しかったとしても、ペーパーフランジ１００の回転速度はωであり、Ｎ_{ｐｕｌｓｅ}はＮ_{ｐｕｌｓｅ}＝Ｎ_ｓｌ×ωである。つまり、この場合は、制御部２１は、ステップＳ２０６において、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正いかを、正しく判断できない。そのため、ωとｖは、ｒ_ｅｘｔの想定される範囲の値に対しＮ_ｓｌ×ω＞Ｎ_ｓｌ×ｖ／（ｒ_ｅｘｔ×π）となるように、設定されることが望ましい。また、ステップＳ２０６で用いる閾値は、Ｎ_ｓｌ×ωよりも小さな値、例えば０．９×Ｎ_ｓｌ×ω、と設定される。そのため、ωとｖは、ｒ_ｅｘｔの想定される範囲の値に対しＮ_ｓｌ×ｖ／（ｒ_ｅｘｔ×π）が当該閾値より小さいように、設定されることが望ましい。

　ペーパーフランジ１００がペーパーフランジ９の場合のステップＳ２０５でのロータリーエンコーダー１２ｃの１秒当たりの出力パルス数は、ロール紙８の外径に応じ図８のように変わる。ロール紙８の外径はロール紙８の内径以上なので、ペーパーフランジ１００がロール紙８と対応しているペーパーフランジ９の場合のＮ_{ｐｕｌｓｅ}は、最大でもＮ_{ｐｕｌｓｅ}＝Ｎ_ｓｌ×ｖ／（ｒ_ｉｎｔ×π）≒１６０／秒である。一方、ロール紙８が正しくない組み合わせのペーパーフランジ１００に装着されている場合はＮ_{ｐｕｌｓｅ}＝２４０／秒である。そのため、例えば、ステップＳ２０６で用いる閾値が０．９×Ｎ_ｓｌ×ωと予め定めてあれば、ステップＳ２０６において、制御部２１は、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいかどうかを、ロール紙８の外径に関わらず正しく判断できる。

　このように、ロール紙８の内径ｒ_ｉｎｔが例えば情報処理装置２００からの入力により分かっているならば、Ｎ_ｓｌ×ω　＞　Ｎ_ｓｌ×ｖ／（ｒ_ｉｎｔ×π）となるようにωとｖを設定すれば、制御部２１はロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいかどうかを、ロール紙８の外径に関わらず正しく判断できる。

　プリンタ１が、例えば予め定められたペーパーフランジ１００のみを用いるものであることにより、または何らかの認識手段や情報処理装置２００からの入力により、ペーパーフランジ１００が対応しているロール紙の内径Ｒ_ｉｎｔを認識できるとする。この場合、Ｎ_ｓｌ×ω　＞　Ｎ_ｓｌ×ｖ／（Ｒ_ｉｎｔ×π）となるようにωとｖとを設定すれば、制御部２１は、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいかどうかを、ロール紙８の外径と内径に関わらず正しく判断できる。

　＜Ｂ－３．効果＞
　制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２を逆方向へ搬送しつつ、回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を逆方向へ回転駆動し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転速度に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する。これにより、プリンタ１は、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの誤りを検出できる。また、正誤検出動作中に記録用紙２を搬送しているので、記録用紙２を把持するピンチローラー４とグリップローラー３により記録用紙２に余分な圧着痕あるいは傷などの劣化を生じることが無く、印画品位を良好に保つことができる。

　＜Ｂ－４．変形例＞
　制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２を順方向へ搬送しつつ、回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を順方向へ回転駆動し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転態様に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断してもよい。この場合、制御部２１は、ペーパーフランジ１００の回転態様として、ペーパーフランジ１００の回転速度を用いる。

　この場合、上で説明した＜Ｂ－２．動作＞のステップＳ２０３とＳ２０４では、制御部２１は、記録用紙２の搬送方向とペーパーフランジ１００の回転方向を共に順方向として、搬送駆動と回転駆動をそれぞれ開始する。そして、Ｓ２０６において、制御部２１は、Ｎ_ｓｌ×ωより大きな予め定められた閾値とＳ２０５で計測したＮ_{ｐｕｌｓｅ}とを比べ、Ｎ_{ｐｕｌｓｅ}の方が大きければ、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいと判断する。

　また、制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２を順方向へ搬送しつつ、回転駆動部１１によりペーパーフランジ１００を逆方向へ回転駆動し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転態様に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断してもよい。この場合、制御部２１は、ペーパーフランジ１００の回転態様として、ペーパーフランジ１００の回転速度または回転方向またはその両方を用いる。制御部２１がロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する際に用いるペーパーフランジ１００の回転態様が、ペーパーフランジ１００の回転速度または回転方向またはその両方であることにより、プリンタ１は、当該回転態様を容易に計測または検出できる。

　この場合、制御部２１は、上で説明した＜Ｂ－２．動作＞のステップＳ２０３では、記録用紙２の搬送方向を順方向として、搬送駆動を開始する。また、例えば制御部２１がステップＳ２０６でペーパーフランジ１００の回転方向に基づいてロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤の判断する場合、回転検出部１２０は回転方向検出部を備え、回転検出部１２０はステップＳ２０５において回転方向検出部によりペーパーフランジ１００の回転方向を検出する。そして、ステップＳ２０６では、制御部２１は、ペーパーフランジ１００が順方向に回転していればロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいと判断し、ペーパーフランジ１００が逆方向に回転していればロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しくないと判断する。

　本変形例に記載のプリンタ１によっても、＜Ｂ－３．効果＞に記載のものと同様の効果が得られる。

　＜Ｃ．実施の形態３＞
　＜Ｃ－１．構成＞
　実施の形態３に係るプリンタは実施の形態１の場合と同じプリンタ１である。但し、＜Ｃ－２．動作＞で説明する正誤検出動作は、＜Ａ－２．動作＞で説明した正誤検出動作とは異なる。

　＜Ｃ－２．動作＞
　本実施の形態において、制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２を順方向へ搬送しつつ、回転駆動部１１によるペーパーフランジ１００の回転駆動を停止し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転速度または回転の有無に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する。

　図９は、実施の形態３に係るプリンタ１の正誤検出動作を説明するフローチャートである。

　まず、プリンタ１は、ステップＳ１０１及びステップＳ１０２を行う。

　ステップＳ１０２の後、制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２の順方向への搬送を開始する（ステップＳ３０３）。

　次に、制御部２１は、回転駆動部１１によるペーパーフランジ１００の回転駆動を停止する（ステップＳ３０４）。

　この状態で、回転検出部１２０が、ペーパーフランジ１００の回転態様を検出する（ステップＳ３０５）。回転検出部１２０は、ペーパーフランジ１００の回転態様としてペーパーフランジ１００の回転の速度または回転の有無を、ロータリーエンコーダー１２ｃの出力するパルスの頻度Ｎ_{ｐｕｌｓｅ}（１秒当たりのパルス数）の形で検出する。ペーパーフランジ１００がロール紙８と正しい組み合わせのペーパーフランジの場合、ロータリーエンコーダー１２ｃの出力するパルスの頻度は用紙搬送部１８０が記録用紙２を搬送する速度に応じたゼロでない値となる。ペーパーフランジ１００がロール紙８と正しい組み合わせでない場合、ロータリーエンコーダー１２ｃの出力するパルスの頻度は、ゼロとなる。

　次に、制御部２１は、ステップＳ３０５で検出したペーパーフランジ１００の回転態様に基づき、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいかを判断する（ステップＳ３０６）。本実施の形態では、制御部２１は、ペーパーフランジ１００の回転態様として回転の有無または回転の速度に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する。制御部２１は、例えば、Ｎ_{ｐｕｌｓｅ}が予め定められた閾値以上の場合、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいと判断する。

　ステップＳ２０６で、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが誤っていると判断されたら、制御部２１は、用紙搬送部１８０による記録用紙２の搬送を停止し（ステップＳ３０９）、その後ステップＳ１１０とステップＳ１１１を行い、正誤検出動作を終了する。

　＜Ｃ－３．効果＞
　本実施の形態において、制御部２１は、用紙搬送部１８０により記録用紙２を順方向へ搬送しつつ、回転駆動部１１によるペーパーフランジ１００の回転駆動を停止し、その際に回転検出部１２０が検出するペーパーフランジ１００の回転態様に基づいて、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの正誤を判断する。これにより、プリンタ１は、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの誤りを検出できる。また、正誤検出動作中に記録用紙２を搬送しているので、記録用紙２を把持するピンチローラー４とグリップローラー３により記録用紙２に余分な圧着痕あるいは傷などの劣化を生じることが無く、印画品位を良好に保つことができる。

　＜Ｄ．実施の形態４＞
　＜Ｄ－１．構成＞
　図１０は、実施の形態４に係るプリンタ１ｂの印画機構の概略構成を説明するための説明図である。図１１はプリンタ１ｂの動作に係る主要な構成を説明するためのブロック図である。

　実施の形態１から３に係るプリンタ１は回転検出部１２０を備えていたが、本実施の形態のプリンタ１ｂは、プリンタ１と比べ、回転検出部１２０の代わりに回転検出部１２０ｂを備える。その他の点はプリンタ１ｂの構成はプリンタ１の構成と同じである。

　回転検出部１２０ｂは駆動電流計測部１１１を備える。駆動電流計測部１１１は、回転駆動部１１のモーター１１０の駆動電流を計測する。

　本実施の形態では、駆動電流計測部１１１が計測するモーター１１０の駆動電流について、モーター１１０はＤＣモーターであるとして説明する。

　＜Ｄ－２．動作＞
　図１２はプリンタ１ｂの正誤検出動作を説明するフローチャートである。

　まず、プリンタ１ｂは、ステップＳ１０１、ステップＳ１０２、ステップＳ２０３、及びステップＳ２０４の動作を行う。なお、本実施の形態では、回転駆動部１１がペーパーフランジ１００を回転駆動する回転速度ω、用紙搬送部１８０が記録用紙２を搬送する速度ｖ、ロール紙８の外径ｒ_ｅｘｔについて具体的な値を設定しないが、Ｎ_ｓｌ×ω＞Ｎ_ｓｌ×ｖ／（ｒ_ｅｘｔ×π）という条件が満たされているものとする。

　次に、回転検出部１２０は、ペーパーフランジ１００の回転態様としての回転速度を、駆動電流計測部１１１により、モーター１１０の駆動電流の値という形で計測する（ステップＳ４０５）。

　ステップＳ４０５において、ペーパーフランジ１００が例えばペーパーフランジ５０であるとする。この場合、モーター１１０の回転速度は、ペーパーフランジ５０が回転速度ωで回転するのに応じた回転速度となる。モーター１１０のこの回転速度をｎ（毎分の回転数）とする。図１３には、ＤＣモーターであるモーター１１０の、トルクと回転数（毎分の回転数、ｒｐｍ）との関係（実線）、及びトルクと駆動電流との関係（破線）、が示されている。トルクと回転数との関係よりモーター１１０の回転数がｎの場合のトルクはｔであり、トルクと駆動電流との関係よりトルクがｔの場合の駆動電流はＩである。駆動電流計測部１１１は、モーター１１０の駆動電流としてＩを計測する。

　ステップＳ４０５において、ペーパーフランジ１００が例えばペーパーフランジ９であるとする。この場合、モーター１１０の回転は記録用紙２の搬送に追従し、モーター１１０は、ロール紙の外径に応じた、ｎより遅い速度ｎ_１で回転する。また、この場合、図１３に示されるように、トルクがｔ_１で、駆動電流がＩ_１となる。駆動電流計測部１１１は、モーター１１０の駆動電流として、Ｉより大きなＩ_１を計測する。

　トルクと回転数との関係、及びトルクと駆動電流との関係、は、図１３に示されるように共に単調な関係にあり、回転数と駆動電流も単調な関係にある。そのため、回転検出部１２０ｂは、駆動電流計測部１１１でモーター１１０の駆動電流を計測することで、ペーパーフランジ１００の回転態様としての回転速度を検出できる。

　ステップＳ４０５の次に、制御部２１は、回転検出部１２０ｂがステップＳ４０５で計測したペーパーフランジ１００の回転態様に基づき、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいかを判断する（ステップＳ４０６）。制御部２１は、例えば、Ｉよりも大きな予め定められた閾値と、駆動電流計測部１１１がステップＳ４０５で計測したモーター１１０の駆動電流を比較し、当該駆動電流が当該閾値より大きければ、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいと判断し、駆動電流が閾値以下であれば、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが間違っていると判断する。

　ステップＳ４０６で、制御部２１がロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが正しいと判断したら、プリンタ１ｂはステップＳ１０７及びステップＳ１０８を行い、正誤検出動作を終了する。

　ステップＳ４０６で、制御部２１がロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせが誤っていると判断したら、プリンタ１ｂはステップＳ２０９、ステップＳ１１０、及びステップＳ１１１の動作を行い、正誤検出動作を終了する。

　以上のように、プリンタ１ｂにおいては、駆動電流計測部１１１が計測したモーター１１０に流れる電流の値によりペーパーフランジ１００の回転態様を検出する。そのため、プリンタ１と比べ簡易な構成で、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの誤りを検出でき、また、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの誤りによる誤動作および印画品位の低下を未然に防ぐことができる。

　＜Ｄ－３．効果＞
　プリンタ１ｂにおいては、回転検出部１２０ｂは駆動電流計測部１１１が計測したモーター１１０に流れる電流の値によりペーパーフランジ１００の回転態様を検出する。そのため、実施の形態１から３に係るプリンタ１と比べ、ペーパーフランジ１００の回転を検出するロータリーエンコーダー１２ｃが不要となり、プリンタ１と比べ簡易な構成で、ロール紙８とペーパーフランジ１００の組み合わせの誤りを検出できる。

　＜Ｄ－４．変形例＞
　ＤＣモーターを回転駆動していない場合にＤＣモーターを外力で回転させると、発電機として働き電圧が発生する。また、回転駆動している方向に、外力により回転駆動速度以上の速度で回転した場合、図１３のグラフはトルクが負の方向に単調に延長される。そのため、実施の形態１、実施の形態２の変形例、及び実施の形態３に対しても、本実施の形態のように、回転検出部１２０ｂによりペーパーフランジ１００の回転態様を検出するような変形例が実施可能である。

　なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。

　１，１ｂ　プリンタ、２　記録用紙、３　グリップローラー、４　ピンチローラー、５　サーマルヘッド、６　プラテンローラー、７　カッター、８　ロール紙、８ａ　中空部側表面、９　ペーパーフランジ、９ａ，９ｂ　ペーパーフランジ部材、１０　ペーパーフランジ駆動ギア、１１　回転駆動部、１２ａ　回転スリット、１２ｂ　透過型光学センサ、１２ｃ　ロータリーエンコーダー、１３　インクシート、１４　供給側インクボビン、１５　供給側インクボビン駆動部、１６　巻取側インクボビン、１７　巻取側インクボビン駆動部、１８　用紙搬送駆動部、１９　通信部、２０　メモリ、２１　制御部、２２　印画データ処理部、２３　データバス、２４　用紙センサ、２５　報知部、５０　ペーパーフランジ、５０ａ，５０ｂ　ペーパーフランジ部材、９１ａ，９１ｂ　ギア、９２ａ，９２ｂ，９３ａ，９３ｂ　嵌合部、１００　ペーパーフランジ、１１０　モーター、１１１　駆動電流計測部、１２０　回転検出部、１２０ｂ　回転検出部、１８０　用紙搬送部、２００　情報処理装置、５０１ａ，５０１ｂ　ギア、５０２ａ，５０２ｂ，５０３ａ，５０３ｂ　嵌合部。

Claims

　ロール状に巻回されたロール紙から引き出された記録用紙に印画を行うプリンタであって、
　前記記録用紙を搬送または停止する用紙搬送部と、
　前記ロール紙を前記ロール紙のロールの中空部から支持するペーパーフランジと、
　前記ペーパーフランジを回転駆動することにより前記ペーパーフランジを通して前記ロール紙を回転駆動する回転駆動部と、
　前記ペーパーフランジの回転態様を検出する回転検出部と、
　制御部と、
　を備え、
　前記制御部は、前記用紙搬送部により前記記録用紙を搬送又は停止しつつ前記回転駆動部により前記ペーパーフランジを回転駆動するか、前記用紙搬送部により前記記録用紙を搬送しつつ前記ペーパーフランジの回転駆動を停止し、その際に前記回転検出部が検出する前記ペーパーフランジの回転態様に基づいて、前記ロール紙と前記ペーパーフランジの組み合わせの正誤を判断する、
　プリンタ。
　請求項１に記載のプリンタであって、
　前記制御部は、前記用紙搬送部により前記記録用紙を停止しつつ、前記回転駆動部により前記ペーパーフランジを逆方向へ回転駆動し、その際に前記回転検出部が検出する前記ペーパーフランジの前記回転態様に基づいて、前記ロール紙と前記ペーパーフランジの組み合わせの前記正誤を判断する、
　プリンタ。
　請求項１に記載のプリンタであって、
　前記制御部は、前記用紙搬送部により前記記録用紙を逆方向へ搬送しつつ、前記回転駆動部により前記ペーパーフランジを逆方向へ回転駆動し、その際に前記回転検出部が検出する前記ペーパーフランジの前記回転態様に基づいて、前記ロール紙と前記ペーパーフランジの組み合わせの前記正誤を判断する、
　プリンタ。
　請求項１に記載のプリンタであって、
　前記制御部は、前記用紙搬送部により前記記録用紙を順方向へ搬送しつつ、前記回転駆動部により前記ペーパーフランジを順方向へ回転駆動し、その際に前記回転検出部が検出する前記ペーパーフランジの前記回転態様に基づいて、前記ロール紙と前記ペーパーフランジの組み合わせの前記正誤を判断する、
　プリンタ。
　請求項１に記載のプリンタであって、
　前記制御部は、前記用紙搬送部により前記記録用紙を順方向へ搬送しつつ、前記回転駆動部により前記ペーパーフランジを逆方向へ回転駆動し、その際に前記回転検出部が検出する前記ペーパーフランジの前記回転態様に基づいて、前記ロール紙と前記ペーパーフランジの組み合わせの前記正誤を判断する、
　プリンタ。
　請求項１に記載のプリンタであって、
　前記制御部は、前記用紙搬送部により前記記録用紙を順方向へ搬送しつつ、前記回転駆動部による前記ペーパーフランジの回転駆動を停止し、その際に前記回転検出部が検出する前記ペーパーフランジの前記回転態様に基づいて、前記ロール紙と前記ペーパーフランジの組み合わせの前記正誤を判断する、
　プリンタ。
　請求項２から６のいずれかに記載のプリンタであって、
　前記回転態様は、回転速度である、
　プリンタ。
　請求項２または６に記載のプリンタであって、
　前記回転態様は、回転の有無である、
　プリンタ。
　請求項５に記載のプリンタであって、
　前記回転態様は、回転方向または回転速度及び回転方向である、
　プリンタ。
　請求項１から８のいずれかに記載のプリンタであって、
　前記回転検出部はロータリーエンコーダーを備え、
　前記回転検出部は前記ロータリーエンコーダーにより前記ペーパーフランジの前記回転態様を検出する、
　プリンタ。
　請求項１から９のいずれかに記載のプリンタであって、
　前記回転駆動部は前記ペーパーフランジを回転駆動するモーターを備え、
　前記回転検出部は前記モーターに流れる電流の値を計測する駆動電流計測部を備え、
　前記回転検出部は前記駆動電流計測部が計測した前記モーターに流れる前記電流の値により前記ペーパーフランジの前記回転態様を検出する、
　プリンタ。
　請求項１から１１のいずれかに記載のプリンタであって、
　報知部をさらに備え、
　前記報知部は、前記制御部が判断した前記ロール紙と前記ペーパーフランジの組み合わせの前記正誤を使用者に報知する、
　プリンタ。