WO2021157617A1 - 姿勢保持装置 - Google Patents

Abstract

装着時に装着者の左側面及び右側面にそれぞれ装着される２つの腰部ユニットと、２つの腰部ユニットを連結する腰部フレームであって、装着時に装着者の腰部に装着される腰部フレームと、腰部ユニットにそれぞれ設けられており、装着時に装着者の脚に装着される脚部フレームと、を備える。脚部フレームは、腰部ユニットに回動可能に設けられており、腰部ユニットは、脚部フレームの回動軌道上に設けられており、脚部フレームが当接することで脚部フレームの回動を停止するストッパを有する。

Description

姿勢保持装置

　本発明は、姿勢保持装置に関する。

　特許文献１には、ユーザーの向こう脛を支持するための向こう脛フレームと、向こう脛フレームに対して回転自在であり、ユーザーの太ももを支持するための太ももフレームと、向こう脛フレームへ直接的又は間接的に動力を伝達することによって、ユーザーの股関節の動きを補助するための駆動フレームを含む運動補助装置が開示されている。

特開２０１９－１４１５７０号公報

　農作業、園芸作業、製造作業等では、中腰姿勢を長時間維持した状態で作業を行うことがあるが、中腰姿勢を維持するには相応の筋力が必要である。特許文献１に記載の運動補助装置は、股関節の動きを補助するものであり、中腰姿勢を維持するための構成を有しない。したがって、特許文献１に記載の運動補助装置を用いても、中腰姿勢の維持を補助することはできず、大腿部や腰部の筋肉に負担が生じていた。

　本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、大腿部や腰部の筋肉に負担をかけずに中腰姿勢を維持することができる姿勢保持装置を提供することを目的とする。

　上記課題を解決するために、本発明の実施形態の一例に係る装着者の姿勢を保持する姿勢保持装置は、装着者の左側面及び右側面にそれぞれ装着される２つの腰部ユニットと、２つの前記腰部ユニットを連結する腰部フレームであって、前記装着者の腰部に装着される腰部フレームと、前記腰部ユニットにそれぞれ設けられており、装着時に前記装着者の脚に装着される脚部フレームと、を備え、前記脚部フレームは、前記腰部ユニットに回動可能に設けられており、前記腰部ユニットは、前記脚部フレームの回動軌道上に設けられており、前記脚部フレームが当接することで前記脚部フレームの回動を停止するストッパを有する。

　上記姿勢保持装置によれば、装着時に装着者の脚に装着される脚部フレームは、装着時に装着者の側面に装着される腰部ユニットに回動可能に設けられている。腰部ユニットは、脚部フレームの回動軌道上に設けられたストッパを有し、ストッパに脚部フレームが当接することで脚部フレームの回動を停止する。これにより、姿勢保持装置を装着した装着者が前方に上半身を傾けて上半身が任意の角度以上前に倒れることがなく、大腿部や腰部の筋肉に負担をかけずに中腰姿勢を維持することができる。

　前記腰部ユニットは、一対の側板と、前記ストッパに挿通された軸と、を有し、前記ストッパ及び前記脚部フレームは、一対の前記側板の間に設けられており、前記側板には、それぞれ、円弧状に湾曲する長孔が設けられており、前記軸は、前記長孔に沿って摺動し、かつ、両端がそれぞれ前記長孔を介して前記側板から突出しており、前記軸の両端に設けられた部材により、前記ストッパは一対の前記側板の間で固定されてもよい。これにより、ストッパの位置を変えることができる。その結果、装着者の上半身の傾き角度を調整し、作業の内容等に応じて最適な腰の角度で中腰姿勢を維持することができる。

　前記腰部ユニットは、一対の側板を有し、前記脚部フレームは、一対の前記側板の間に設けられており、前記側板には、それぞれ、前記回動軌道に沿って複数の孔が設けられており、前記ストッパは、両端がそれぞれ前記側板から突出するように前記複数の孔のいずれかに抜き差し可能に挿通されてもよい。これにより、ストッパの位置を変えることができる。その結果、装着者の上半身の傾き角度を調整し、作業の内容等に応じて最適な腰の角度で中腰姿勢を維持することができる。さらに、装着者が姿勢保持装置を装着したままストッパの位置、すなわち傾き角度の調整が可能であり、使い勝手が良い。

　前記脚部フレームは、前記腰部ユニットに回動可能に保持される係止アームと、装着時に前記装着者の大腿部に当接する腿パッドが下端に設けられた大腿部アームと、前記係止アームと前記大腿部アームとを連結するヒンジであって、前記係止アームの面かつ前記係止アームの長手方向と直交する方向に沿った回転軸を有するヒンジと、を有してもよい。これにより、装着状態であっても脚を外側に開く動作をスムースに行うことができる。

　前記装着部は、２つの前記腰部ユニットを連結する腰部フレームであって、装着時に前記装着者の腰部に装着される腰部フレームと、棒状であり、下端に前記腰部フレームが設けられている背部フレームと、前記背部フレームに両端が連結され、前記装着者の肩に装着される一対の肩ベルトと、を有してもよい。これにより、ストッパに体重をかけることで中腰姿勢の負担をより効果的に軽減するように、腰部を十分に屈曲させるよう装着者の動作を誘導することができる。

　本発明によれば、大腿部や腰部の筋肉に負担をかけずに中腰姿勢を維持することができる。

第１の実施形態に係る姿勢保持装置の概略を示す図であって、（ａ）は装着者が姿勢保持装置を装着した状態を斜め正面側からみたときの図であり、（ｂ）は装着者が姿勢保持装置を装着した状態を右側から見たときの図である。 図１に示す姿勢保持装置の補助ユニットの概略を示す図であり、（ａ）は斜視図であり、（ｂ）は側面図であり、（ｃ）は平面図である。 補助ユニットの概略を示す図であり、（ａ）＋ｙ側から見た図であり、（ｂ）は－ｙ側から見た図である。 第２の実施形態に係る姿勢保持装置の補助ユニットの概略を示す斜視図である。 補助ユニットの概略を示す図であり、（ａ）は＋ｘ側から見た図であり、（ｂ）は＋ｙ側から見た図である。

　以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る動作補助装置は、装着者の中腰姿勢の維持を補助するものである。

＜第１の実施の形態＞
　図１は、第１の実施形態に係る姿勢保持装置の概略を示す図であって、（ａ）は装着者が姿勢保持装置を装着した状態を斜め正面側からみたときの図であり、（ｂ）はその状態を右側から見たときの図である。姿勢保持装置１は、装着者の両側面から背中を覆うように装着される。以下、装着者の後から前に向かう方向を＋ｘ方向とし、装着者の右から左に向かう方向を＋ｙ方向とし、装着者の下から上に向かう方向を＋ｚ方向とする。また、装着者の正面及び姿勢保持装置１の正面は、同方向とする。

　姿勢保持装置１は、主として、装着者Ｕの左側面に装着される補助ユニット３と、装着者の右側面に装着される補助ユニット１０３と、補助ユニット３、１０３を装着者に装着させるための部材である装着部２と、１対の肩ベルト２１、２２と、腰ベルト２４と、１対の腿パッド５０ａ、５０ｂと、を有する。

　補助ユニット３、１０３は、それぞれ、主として、装着者Ｕの腰部側方に保持される腰部ユニット３０、１３０と、装着者Ｕの大腿部に沿って装着される脚部フレーム４０、１４０と、を有する。補助ユニット３、１０３については、後に詳述する。

　装着部２は、主として、一対の肩ベルト２１、２２と、腰部フレーム２３と、背部フレーム２５とを有する。背部フレーム２５は、棒状であり、装着時に装着者Ｕの背部に鉛直方向に略沿って（ｚ方向に沿って）に延設される。棒状とは、丸棒や角棒を用いる棒状の形態や、略棒状、すなわち概ね棒状の形態、例えば、細長い平板状の板状部材を用いる形態を含む。背部フレーム２５の上端には、それぞれ、肩ベルト２１、２２の上端が設けられている。背部フレーム２５の下端には、腰部フレーム２３が設けられている。

　背部フレーム２５には、背部パッド２６が設けられている。背部パッド２６は、装着時に装着者の背中に当接する板状部材である。背部パッド２６は、装着者の背中に当接する面、すなわち姿勢保持装置１の正面側の面が、弾性力のある柔らかい素材で形成されている。背部パッド２６は、装着部２と装着者Ｕの背中が当接したときに装着者Ｕに加わる衝撃を和らげる。なお、背部パッド２６の形状は図示する形態に限られない。

　肩ベルト２１、２２は、両端が背部フレーム２５に連結されており、装着時において装着者の肩部に固定される部材である。本実施の形態では、肩ベルト２１、２２は、装着者の動きに追従して変形できるように、弾性力のある柔らかい素材で形成された１対の帯状部材と、調整機構（図示省略）と、を有する。肩ベルト２１、２２は、調整機構により長さが調節可能である。装着者Ｕが肩ベルト２１、２２を肩にかけることで、装着部２が装着者の背部に装着される。なお、肩ベルト２１、２２に変えて、装着時において装着者の胸部に固定される胸ベルトを用いてもよい。

　腰部フレーム２３及び背部フレーム２５が剛体であり、姿勢保持装置１を装着した装着者Ｕが背中を丸める姿勢が取りづらいため、中腰姿勢を取るために腰部を十分に屈曲させるよう装着者Ｕの動作を誘導できる。そのため、後述するストッパ３５（図２等参照）に多く体重がかかり、中腰姿勢の負担をより効果的に軽減することができる。

　腰部フレーム２３は、装着者Ｕの腰の背面側に沿って湾曲する帯状の部材である。腰部フレーム２３の横方向（ｙ方向）の略中央に、背部フレーム２５が連結される。腰部フレーム２３の左右両端には、それぞれ、補助ユニット３、１０３の上端が設けられている。

　腰ベルト２４は、１本の帯状の部材であり、補助ユニット３と補助ユニット１０３とを連結する。腰ベルト２４は、装着時に装着者の腰部に固定され、これにより補助ユニット３、１０３が装着者の側面に装着される。腰ベルト２４の内周長は調節可能である。腰ベルト２４は、柔らかい部材であり、装着者の動きに追従して変形できるため、装着者が動きやすいようになっている。

　腿パッド５０ａ、５０ｂは、湾曲した平板であり、装着時に装着者Ｕの大腿部に当接する部材である。腿パッド５０ａ、５０ｂは、それぞれ、脚部フレーム４０、１４０の下端に連結される。装着者Ｕが腰を屈曲させると、屈曲の程度に応じて装着者Ｕの大腿部により腿パッド５０ａ、５０ｂが前方に押し出され、脚部フレーム４０、１４０が腰部ユニットに対して回動する。図１（ｂ）においては、腰が屈曲すると、脚部フレーム４０、１４０は時計回りに回動する。

　装着部２及び腰ベルト２４を用いて補助ユニット３、１０３を装着者Ｕの両側面に固定することで、補助ユニット３、１０３が装着者Ｕの動作を補助できるようになる。なお、補助ユニット３、１０３を装着者の側面に固定する形態はこれに限られない。

　装着部２の形態はこれに限られない。例えば、補助ユニット３、１０３に腰部フレーム２３及び背部フレーム２５を設け、背部フレーム２５と背部パッド２６とを結合部材により連結し、背部パッド２６に肩ベルト２１、２２を設け、背部パッド２６を少なくとも上下方向及び左右方向に揺動可能にしてもよい。これにより、装着者の上体の動き（例えば、上体を左右方向に捩る動作）に背部パッド２６を追従させることができる。例えば、結合部材は、背部フレーム２５に左右方向に揺動可能に設けられた金具部と、金具部に設けられ、上下方向に揺動可能に設けられた紐状部とで構成されていてもよい。また、紐状部は可撓性を有するが、紐状部に変えて剛体を用いてもよいし、弾性部材を用いてもよい。

　次に、補助ユニット３、１０３について説明する。補助ユニット３と補助ユニット１０３とは左右対称形状であるため、以下、補助ユニット３を用いて説明する。

　図２は、補助ユニット３の概略を示す図であり、（ａ）は斜視図であり、（ｂ）は内部構造を示す図であり、（ｃ）は平面図である。図３もまた、補助ユニット３の概略を示し、（ａ）＋ｙ側から見た図であり、（ｂ）は－ｙ側から見た図である。なお、図２（ｂ）では側板３１ａ（後の詳述）の図示を省略している。

　補助ユニット３は、主として、腰部ユニット３０と、脚部フレーム４０と、を有する。腰部ユニット３０は、主として、側板３１と、側板連結部３２、３３ａ、３３ｂと、ストッパ３５と、ノブ３６と、軸３７と、係止部３８と、を有する。

　側板３１は、一対の側板３１ａ、３１ｂを有する。腰部ユニット３０は、側板３１ａ、３１ｂが隙間を空けて対向することで両側面が構成される。側板３１ａ、３１ｂは、板状の部材であり、例えば金属製の薄板である。側板３１ａ、３１ｂは、それぞれ、円形状部３１ａ－１、３１ｂ－１と、細長い棒状部３１ａ－２、３１ｂ－２とを有する。棒状部３１ａ－２、３１ｂ－２は、円形状部３１ａ－１、３１ｂ－１から斜め上後方に突出している。

　側板３１ａと側板３１ｂとは、側板連結部３２、３３ａ、３３ｂにより連結されており、かつ、互いに略平行に保持されている。側板連結部３２は、略角柱状の部材であり、棒状部３１ａ－２、３１ｂ－２の先端部分に設けられている。側板連結部３３ａ、３３ｂは、略円柱状の部材であり、棒状部３１ａ－２、３１ｂ－２の根元近傍に設けられている。

　棒状部３１ｂ－２には、腰部フレーム２３の端部が連結されている（図１参照）。棒状部３１ｂ－２が斜め後ろ上方に向けて突出しているため、腰部フレーム２３が装着者の側面を覆わず、腰部が腰部フレーム２３に接触しづらい。

　円形状部３１ａ－１、３１ｂ－１の略中央には、脚部フレーム４０を回動可能に保持する軸３１ｒが挿通されている。軸３１ｒの－ｙ側の端には、略円柱状の係止部３１ｋ（図２（ｃ）および図３（ｂ）参照）が連結されており、軸３１ｒが側板３１ａ、３１ｂから抜けないように係止している。

　円形状部３１ａ－１、３１ｂ－１には、それぞれ長孔３４ａ、３４ｂが設けられている。長孔３４ａ、３４ｂは、円形状部３１ａ－１、３１ｂ－１の外周に沿って、軸３１ｒを中心とする円弧状に湾曲する孔である。図３に示すように、側面視において長孔３４ａと長孔３４ｂとは重なる。長孔３４ａ、３４ｂには、軸３７が挿通される。

　ストッパ３５は、側面視における形状が略円環扇形状の柱体であり、側板３１ａと側板３１ｂとの間に設けられている。ストッパ３５は、厚さ方向（ｙ方向）に貫通する孔（図示省略）が設けられており、この孔には軸３７が挿通されている。

　軸３７は、棒状体（ここでは、丸棒状）であり、両端がそれぞれ長孔３４ａ、３４ｂを介して側板３１ａ、３１ｂから突出している。軸３７の第１端（側板３１ａ側の端）には、ノブ３６が設けられている。ノブ３６は、略円柱形状であり、その直径は軸３７及び長孔３４ａ、３４ｂの幅より大きい。ノブ３６の外周は、手で把持しやすいように凹凸（例えば、ローレット）が設けられている。

　軸３７の第２端（ノブ３６が設けられていない側、側板３１ｂ側の端）には、係止部３８が設けられている。係止部３８は、側板３１ｂに隣接して設けられており、軸３７が側板３１ｂから抜けないように保持する。本実施の形態では、係止部３８は略円環扇形状であるが、係止部３８の形状はこれに限られない。

　軸３７の第２端近傍には、雄ねじ部（図示省略）が設けられている。係止部３８には、軸３７の雄ねじ部が螺合される雌ねじ部（図示省略）が設けられている。したがって、ノブ３６を手で把持して回転させることにより、軸３７、すなわち雄ねじ部が回転し、軸３７の雄ねじ部と係止部３８の雌ねじ部とを締緩可能である。

　ノブ３６により軸３７の雄ねじ部と係止部３８の雌ねじ部とが締められているときには、ノブ３６及び係止部３８により側板３１ａと側板３１ｂとが押圧され、ストッパ３５が側板３１ａと側板３１ｂとにより挟持される。このとき、ストッパ３５は、摩擦力により側板３１ａと側板３１ｂとの間で固定される。言い換えれば、軸３７の両端に設けられた部材により、ストッパ３５は側板３１ａと側板３１ｂとの間で固定される。

　ノブ３６により軸３７の雄ねじ部と係止部３８の雌ねじ部とが緩められているときには、軸３７は長孔３４ａ、３４ｂに沿って摺動可能である。そして、軸３７を長孔３４ａ、３４ｂに沿って摺動させることで、側板３１ａ、３１ｂの周方向に沿ってストッパ３５の位置を変えることができる。

　脚部フレーム４０は、係止アーム４１と、大腿部アーム４２と、を有する。大腿部アーム４２の下端には、腿パッド５０ａが設けられている。

　係止アーム４１は、側板３１ａと側板３１ｂの間に設けられる細長い平板状の部材である。係止アーム４１は、装着時に装着者Ｕの側面に沿って、面がｘｚ平面に沿うように設けられる。係止アーム４１の＋ｚ側の端部には、軸３１ｒが挿通されている。したがって、係止アーム４１は、軸３１ｒを中心に側板３１ａ、３１ｂに対して回動可能である。

　係止アーム４１の－ｚ側の端部には、係止アーム４１の面、かつ、係止アーム４１の長手方向と直交する方向（ｘ方向）に沿った回転軸を有するヒンジ４３が設けられている。ヒンジ４３は、係止アーム４１の下端と大腿部アーム４２の上端とを連結する。したがって、大腿部アーム４２が回転軸を中心に回動可能である。そのため、姿勢保持装置１の装着時に、装着者Ｕが脚を外側に開く動作をスムースに行うことができる。後述するが、直交する方向とあるが、厳密に直交の場合に限られず、略直交する方向も含む。

　なお、ヒンジ４３の回転軸上に弾性体を設け、弾性体が係止アーム４１と大腿部アーム４２とが略同一平面上に配置されるように係止アーム４１及び大腿部アーム４２に力を付勢してもよい。これにより、姿勢保持装置１の装着時に装着者Ｕが足を開いた状態から直立状態に移動するとき、大腿部アーム４２を大腿に追従させることができる。

　図２（ｂ）に示すように、係止アーム４１は、軸３１ｒを中心に側板３１ａ、３１ｂに対して回動する（図２（ｂ）矢印参照）。装着者Ｕが腰を屈曲させると、係止アーム４１は、屈曲の程度に応じて、大腿部アーム４２が装着者Ｕの前方へ伸び出る方向、すなわち図２（ｂ）において時計回り（第１方向）に回動する。装着者Ｕが腰を屈曲状態から直立状態にすると、係止アーム４１は、図２（ｂ）において反時計回り（第２方向）に回動する。

　ストッパ３５は、係止アーム４１の回動軌道上に設けられている。係止アーム４１は、ストッパ３５の面３５ａに当接することで、係止アーム４１の回動が停止する。図２（ｂ）においては、係止アーム４１の第１方向側の面４１ａが面３５ａに当接しているため、係止アーム４１は第１方向に回転できない。一方、係止アーム４１は第２方向には自由に回転可能である。

　図１の説明に戻る。装着者Ｕが中腰姿勢になると、上体の重量が肩ベルト２１、２２を介して装着部２及び補助ユニット３、１０３を介して、腿パッド５０ａ、５０ｂから装着者Ｕの大腿部に伝わる。つまり、中腰姿勢では、上半身の重量を大腿部で保持している。

　図２、３に示すように、ストッパ３５が係止アーム４１の回動軌道上に設けられており、係止アーム４１の第１方向の動き、すなわち装着者Ｕが上体を前に倒す動きが規制される。すなわち、装着者Ｕが上体を所定の角度まで前に倒すと、係止アーム４１がストッパ３５に当接し、係止アーム４１の位置が保持される。すなわち、装着者Ｕが前方に体重を預けても、上半身がそれ以上前に倒れることがない。また、ストッパ３５が側板３１ａ、３１ｂの間に固定されているため、上半身の重量をストッパ３５で支えることができる。

　本実施の形態によれば、脚部フレーム４０の回転角度を規制し、かつ、任意の位置で脚部フレーム４０の回転を止めることができる。したがって、姿勢保持装置１を装着した装着者が前方に上半身を傾けても上半身が任意の角度以上前に倒れることがなく、大腿部や腰部の筋肉に負担をかけずに中腰姿勢を維持することができる。

　姿勢保持装置１を装着していない場合には、中腰時に膝や太腿に手を置いて脚や腰の筋肉の負荷を減らす。本実施の形態の姿勢保持装置１を装着して大腿部の角度を固定し、上半身の重量を補助ユニット３、１０３に加えることで、膝や太腿部に手を置いて脚や腰の筋肉の負荷を減らす動作と同様、大腿部や腰部の筋肉の負担を減らすことができる。

　装着者Ｕの腰が直立に近い姿勢では脚部フレーム４０が自由に回転するため、姿勢保持装置１を装着しても歩行動作等の妨げにならない。

　アクチュエータや弾性体等を有しないため、小型で軽量な姿勢保持装置１とすることができる。

　ストッパ３５の位置が可変であるため、装着者Ｕの上半身の傾き角度を調整することができる。したがって、作業の内容、装着者Ｕの体格や動作の癖等に応じて、最適な腰の角度で中腰姿勢を維持することができる。

＜第２の実施の形態＞
　本発明の第２の実施形態に係る姿勢保持装置について、第１の実施形態に係る姿勢保持装置１と異なる部分を中心に説明する。第２の実施形態に係る姿勢保持装置は、腰部ユニットに脚部フレームの回動軌道に沿った複数の孔が設けられており、この孔に棒状のストッパが選択的に挿入される点で、第１の実施形態に係る姿勢保持装置１と異なる。なお、第１の実施形態と同様の部材については同じ符号を付し、説明を省略する。

　第２の実施形態に係る姿勢保持装置は、主として、装着者Ｕの左側面に装着される補助ユニット２０３と、装着者の右側面に装着される補助ユニット（図示省略）と、これら２つの補助ユニットを装着者に装着させるための部材である装着部２と、１対の肩ベルト２１、２２と、腰ベルト２４と、１対の腿パッド５０ａ、５０ｂと、を有する。

　第２の実施形態に係る姿勢保持装置が有する２つの補助ユニットは左右対称形状であるため、以下、補助ユニット２０３を用いて説明する。

　図４は、補助ユニット２０３の概略を示す斜視図である。図５は、その概略を示す図であり、（ａ）は＋ｘ側から見た図であり、（ｂ）は＋ｙ側から見た図である。

　補助ユニット２０３は、腰部ユニット２３０と、脚部フレーム４０と、を有する。腰部ユニット２３０は、主として、側板２３１と、側板連結部３２、３３ａ、３３ｂと、ストッパ２３５と、を有する。

　側板２３１は、一対の側板２３１ａ、２３１ｂを有し、側板２３１ａ、２３１ｂが隙間を空けて対向することで両側面が構成される。側板２３１ａ、２３１ｂと側板３１ａ、３１ｂとは、側板３１ａ、３１ｂが長孔３４ａ、３４ｂを有するのに対し、側板２３１ａ、２３１ｂが複数の孔２３４ａ、２３４ｂを有する点で異なり、その他の構成は同一である。

　側板２３１ａ、２３１ｂには、複数の孔２３４ａ、２３４ｂが設けられている。孔２３４ａ、２３４ｂは、軸３１ｒを中心とした円周上に、円形状部２３１ａ－１、２３１ｂ－１の外周に沿って設けられている。図５（ｂ）に示すように、側面視において孔２３４ａと孔２３４ｂとが重なる。

　ストッパ２３５は、側板２３１ａ、２３１ｂを貫通する棒状体（ここでは、丸棒状）である。ストッパ２３５は、任意の孔２３４ａ、２３４ｂに挿通される。

　側板２３１ａと側板２３１ｂとの間には、係止アーム４１が、軸２３１ｒを中心に回動可能に配置されている。ストッパ２３５は、係止アーム４１の回動軌道上に設けられており、係止アーム４１が腰部ユニット２３０に対して第１方向（図５（ｂ）における時計回り）所定の角度だけ回動すると、係止アーム４１がストッパ２３５に当接する。これにより、姿勢保持装置を装着した装着者Ｕが前方に体重を預けても、上半身が任意の角度以上前に倒れることがなく、かつ大腿部や腰部の筋肉に負担をかけずに中腰姿勢を維持することができる。

　一方、係止アーム４１は第２方向（図５（ｂ）における反時計回り）には自由に回転可能である。

　また、係止アーム４１がストッパ２３５に当接するまでは、第１方向、第２方向ともに係止アーム４１が回動可能である。すなわち、装着者Ｕの腰が直立に近い姿勢では脚部フレーム４０が自由に回転するため、姿勢保持装置を装着しても歩行動作等の妨げにならない。

　さらに、ストッパ２３５は、孔２３４ａ、２３４ｂに対して抜き差し可能である。言い換えれば、ストッパ２３５の位置が可変である。したがって、ストッパ２３５を挿通する孔２３４ａ、２３４ｂを変更することで、装着者Ｕの上半身の傾き角度を調整することができる。したがって、作業の内容、装着者Ｕの体格や動作の癖等に応じて、最適な腰の角度で中腰姿勢を維持することができる。

　特に、本実施の形態では、ストッパ２３５の挿通位置を変えるだけで上体の傾き角度が調整できるため、傾き角度の調整が容易であり、例えば装着者Ｕが姿勢保持装置を装着したまま傾き角度の調整が可能であり、使い勝手が良い。

　以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の技術的思想は、中腰姿勢の保持以外にも、例えば膝の曲げ角度の保持にも適用可能である。

　また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、略平行、略直交とは、厳密に平行、直交の場合には限られない。また、例えば、単に平行、直交等と表現する場合においても、厳密に平行、直交等の場合のみでなく、略平行、略直交等の場合を含むものとする。また、本発明において「近傍」とは、例えばＡの近傍であるときに、Ａの近くであって、Ａを含んでも含まなくてもよいことを示す概念である。

１　　　　　：姿勢保持装置
２　　　　　：装着部
３、１０３、２０３：補助ユニット
２１、２２：肩ベルト
２３　　　　：腰部フレーム
２４　　　　：腰ベルト
２５　　　　：背部フレーム
２６　　　　：背部パッド
３０、１３０、２３０：腰部ユニット
３１　　　　：側板
３１ａ、３１ｂ、２３１ａ、２３１ｂ：側板
３１ａ－１、３１ｂ－１：円形状部
３１ａ－２、３１ｂ－２：棒状部
３１ｋ　　　：係止部
３１ｒ、２３１ｒ：軸
３２　　　　：側板連結部
３３ａ、３３ｂ：側板連結部
３４ａ、３４ｂ：長孔
２３４ａ、２３４ｂ：孔
３５、２３５：ストッパ
３５ａ　　　：面
３６　　　　：ノブ
３７　　　　：軸
３８　　　　：係止部
４０、１４０：脚部フレーム
４０ｈ　　　：ヒンジ
４１　　　　：係止アーム
４１ａ　　　：面
４２　　　　：大腿部アーム
５０ａ、５０ｂ：腿パッド

Claims (5)

1. 　装着者の姿勢を保持する姿勢保持装置であって、
   　装着者の左側面及び右側面にそれぞれ装着される２つの腰部ユニットと、
   　前記腰部ユニットを前記装着者に装着させるための部材である装着部と、
   　前記腰部ユニットにそれぞれ設けられており、前記装着者の脚に装着される脚部フレームと、
   　を備え、
   　前記脚部フレームは、前記腰部ユニットに回動可能に設けられており、
   　前記腰部ユニットは、前記脚部フレームの回動軌道上に設けられており、前記脚部フレームが当接することで前記脚部フレームの回動を停止するストッパを有する
   　姿勢保持装置。
2. 　前記腰部ユニットは、一対の側板と、前記ストッパに挿通された軸と、を有し、
   　前記ストッパ及び前記脚部フレームは、一対の前記側板の間に設けられており、
   　前記側板には、それぞれ、円弧状に湾曲する長孔が設けられており、
   　前記軸は、前記長孔に沿って摺動し、かつ、両端がそれぞれ前記長孔を介して前記側板から突出しており、
   　前記軸の両端に設けられた部材により、前記ストッパは一対の前記側板の間で固定される
   　請求項１に記載の姿勢保持装置。
3. 　前記腰部ユニットは、一対の側板を有し、
   　前記脚部フレームは、一対の前記側板の間に設けられており、
   　前記側板には、それぞれ、前記回動軌道に沿って複数の孔が設けられており、
   　前記ストッパは、両端がそれぞれ前記側板から突出するように前記複数の孔のいずれかに抜き差し可能に挿通される
   　請求項１に記載の姿勢保持装置。
4. 　前記脚部フレームは、
   　前記腰部ユニットに回動可能に保持される係止アームと、
   　装着時に前記装着者の大腿部に当接する腿パッドが下端に設けられた大腿部アームと、
   　前記係止アームと前記大腿部アームとを連結するヒンジであって、前記係止アームの面かつ前記係止アームの長手方向と直交する方向に沿った回転軸を有するヒンジと、
   　を有する請求項１から３のいずれか一項に記載の姿勢保持装置。
5. 　前記装着部は、２つの前記腰部ユニットを連結する腰部フレームであって、装着時に前記装着者の腰部に装着される腰部フレームと、棒状であり、下端に前記腰部フレームが設けられている背部フレームと、前記背部フレームに両端が連結され、前記装着者の肩に装着される一対の肩ベルトと、を有する
   　請求項１から４のいずれか一項に記載の姿勢保持装置。

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