WO2021117240A1 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、第1ヘッダおよび第2ヘッダの容積の増加を抑制することができる冷蔵庫を提供することである。 冷蔵庫(10)は、筐体(20)と、冷媒回路(30)とを備えている。冷媒回路(30)は、筐体(20)に収容されている。冷媒回路(30)は、圧縮機(31)、凝縮器(32)、減圧装置(33)および蒸発器(34)を含んでいる。冷媒回路(30)は、圧縮機(31)、凝縮器(32)、減圧装置(33)および蒸発器(34)の順に冷媒が流れるように構成されている。凝縮器(32)は、第1ヘッダと、第2ヘッダと、複数の扁平管とを含んでいる。第2ヘッダは、第1ヘッダと第1方向に離れて配置されている。複数の扁平管は、第1方向に延びて第1ヘッダおよび第2ヘッダの各々に接続され、かつ第1方向と交差する第2方向に延びる。第1ヘッダおよび第2ヘッダの各々は、短軸および長軸を有する楕円形状に構成された内周を有している。内周の短軸は第1方向に沿い、かつ長軸は第2方向に沿う。
Description
本発明は、冷蔵庫に関するものである。
従来、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器の順に冷媒が流れるように構成された冷媒回路を備えた冷蔵庫が用いられている。例えば、特開2019-70465号公報(特許文献1)には、扁平管、第1ヘッダおよび第2ヘッダを用いた凝縮器を備えた冷蔵庫が記載されている。第1ヘッダおよび第2ヘッダは、扁平管の両端部に設けられている。第1ヘッダおよび第2ヘッダは、概ね中空の円筒状に形成されている。
上記公報に記載された冷蔵庫では、第1ヘッダおよび第2ヘッダは概ね中空の円筒状に形成されている。このため、扁平管の軸方向に直交する扁平管の長手方向が第1ヘッダおよび第2ヘッダの径方向に沿うように、第1ヘッダおよび第2ヘッダに扁平管が挿入されると、扁平管の軸方向において第1ヘッダおよび第2ヘッダの内壁と扁平管の先端との間に大きな隙間が生じる。そのため、円筒状の第1ヘッダおよび第2ヘッダでは、不要な容積が生じる。これにより、第1ヘッダおよび第2ヘッダの容積が増加する。このため、第1ヘッダおよび第2ヘッダは、冷媒が液化した際の液溜めとして機能する。したがって、冷媒回路に使用される冷媒の量の増加を招くという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は第1ヘッダおよび第2ヘッダの容積の増加を抑制することができる冷蔵庫を提供することである。
本発明の冷蔵庫は、筐体と、冷媒回路とを備えている。冷媒回路は、筐体に収容されている。冷媒回路は、圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器を含んでいる。冷媒回路は、圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器の順に冷媒が流れるように構成されている。凝縮器は、第1ヘッダと、第2ヘッダと、複数の扁平管とを含んでいる。第2ヘッダは、第1ヘッダと第1方向に離れて配置されている。複数の扁平管は、第1方向に延びて第1ヘッダおよび第2ヘッダの各々に接続され、かつ第1方向と交差する第2方向に延びる。第1ヘッダおよび第2ヘッダの各々は、短軸および長軸を有する楕円形状に構成された内周を有している。内周の短軸は第1方向に沿い、かつ長軸は第2方向に沿う。
本発明の冷蔵庫によれば、第1ヘッダおよび第2ヘッダの各々は、短軸および長軸を有する楕円形状に構成された内周を有し、内周の短軸は第1方向に沿い、かつ長軸は第2方向に沿う。このため、第1ヘッダおよび第2ヘッダの第1方向の寸法を小さくすることにより、第1ヘッダおよび第2ヘッダの容積の増加を抑制することができる。
以下、実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下においては、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
図1および図2を参照して、実施の形態に係る冷蔵庫10の構成について説明する。
実施の形態に係る冷蔵庫10は、筐体20と、冷媒回路30とを備えている。冷蔵庫10は、筐体20に収容された冷媒回路30を利用して冷蔵庫10の庫内を目標温度まで冷却するように構成されている。
実施の形態に係る冷蔵庫10は、筐体20と、冷媒回路30とを備えている。冷蔵庫10は、筐体20に収容された冷媒回路30を利用して冷蔵庫10の庫内を目標温度まで冷却するように構成されている。
筐体20は、前面FS、背面RS、右側面SS1、左側面SS2、天井部TSおよび底部BSを有している。実施の形態では、前面FSと背面RSとが向かい合う方向を前後方向とする。また、右側面SS1と左側面SS2とが向かい合う方向を左右方向とする。また、天井部TSと底部BSとが向かい合う方向を上下方向とする。前後方向と左右方向と上下方向とは互いに直交している。
筐体20は、前面FS側が開口した箱状の形状を有している。筐体20は、筐体20の外郭を構成する外箱と、筐体20の内壁を構成する内箱とを有しており、その間にたとえばウレタンおよび真空断熱材が設けられて構成されている。また、筐体20の内部には、筐体20の内部空間を複数の貯蔵室に仕切る仕切り壁が設けられている。このようにして筐体20は複数の貯蔵室を有している。
筐体20は、複数の貯蔵室として、第1~第5貯蔵室を有している。例えば、筐体20は、第1貯蔵室として野菜室21、第2貯蔵室として冷凍室22、第3貯蔵室として製氷室23、第4貯蔵室として切替室24および第5貯蔵室として冷蔵室25をそれぞれ含んでいる。筐体20の前面FS側には、野菜室21、冷凍室22、製氷室23、切替室24および冷蔵室25のそれぞれの第1扉21a~第5扉25aが設けられている。
野菜室21は、冷蔵庫10の最下部に設けられている。野菜室21は、主に野菜を収容する貯蔵室である。野菜室21は前面FSに設けられた第1開口OP1を有している。第1開口OP1は第1扉21aにより開閉自在に覆われる。
冷凍室22は、野菜室21の上側に設けられている。冷凍室22は、庫内に収容された物を凍らせる冷凍温度に設定される貯蔵室である。冷凍室22は前面FSに設けられた第2開口OP2を有している。第2開口OP2は第2扉22aにより開閉自在に覆われる。冷凍室22は、野菜室21よりも室内の設定温度が低くなっている。
製氷室23および切替室24は、冷凍室22の上側の左右に並んで設けられている。製氷室23は、庫内の製氷機によって製造された氷を保存する貯蔵室である。製氷室23は前面FSに設けられた第3開口OP3を有している。第3開口OP3は第3扉23aにより開閉自在に覆われる。切替室24は、用途に応じて温度帯を切り換えることができる貯蔵室である。切替室24は前面FSに設けられた第4開口OP4を有している。第4開口OP4は第4扉24aにより開閉自在に覆われる。
冷蔵室25は、冷蔵庫10の最上部に設けられている。冷蔵室25は、庫内に収容された物が凍らない程度の温度に設定される貯蔵室である。冷蔵室25は前面FSに設けられた第5開口OP5を有している。第5開口OP5は第5扉25aにより開閉自在に覆われる。
各貯蔵室は、設定可能な温度帯(設定温度帯)によって区別されている。例えば、野菜室21は約7℃、冷凍室22は約-18℃、製氷室23は約-13℃、冷蔵室25は約5℃にそれぞれ室内温度を設定可能となっている。また、切替室24は、チルド(約0℃)またはソフト冷凍(約-8℃)などの温度帯に室内温度を切り替えることが可能である。各貯蔵室の室内の設定温度は、野菜室21が最も高く、冷凍室22が最も低くなるように設定されている。なお、各貯蔵室の設定温度はこれに限るものではない。また、各貯蔵室には庫内温度センサーがそれぞれ設けられており、庫内温度センサーの検出値が設定温度となるように冷凍サイクルの運転および各部の動作が制御される。
図1および図3を参照して、冷媒回路30は、筐体20に収容されている。冷媒回路30は、圧縮機31、凝縮器32、減圧装置33および蒸発器34を備えている。
冷媒回路30は、圧縮機31と、凝縮器32と、減圧装置33と、蒸発器34とが、配管にて接続されることにより構成されている。冷媒回路30は、圧縮機31、凝縮器32、減圧装置33および蒸発器34の順に冷媒が流れるように構成されている。
また、冷媒回路30は、減圧装置33を流れる冷媒と、蒸発器34と圧縮機31との間における配管を流れる冷媒とが熱交換するように構成されている。
冷媒回路30を流れる冷媒は、たとえば、R600a(HC冷媒)、R134a(HFC冷媒)、R1234yf(HFO冷媒)である。冷媒回路30において使用される冷媒量は、たとえば、84gである。
圧縮機31は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するように構成されている。圧縮機31は、吸入側が蒸発器34に接続され、吐出側が凝縮器32に接続されている。圧縮機31は、冷媒を圧縮して高温および高圧の冷媒とするように構成されている。圧縮機31は、たとえば、インバータで駆動され、冷蔵庫10の庫内状況に応じて運転が制御されるように構成されている。
凝縮器32は、圧縮機31から吐出された高温および高圧の冷媒を放熱させることで冷媒を凝縮させるように構成されている。凝縮器32は、機械室凝縮器32aと、コンデンサパイプ32bと、キャビネットパイプ32cとを含んでいる。
機械室凝縮器32aは、圧縮機31とコンデンサパイプ32bとに接続されている。機械室凝縮器32aの冷媒流れの上流側に位置する一端が圧縮機31に接続されており、機械室凝縮器32aの冷媒流れの下流側に位置する他端がコンデンサパイプ32bに接続されている。
コンデンサパイプ32bは、機械室凝縮器32aにおいて凝縮された冷媒をさらに凝縮させるように構成されている。コンデンサパイプ32bは、冷媒を凝縮させる機能を有している。コンデンサパイプ32bは、機械室凝縮器32aとキャビネットパイプ32cとに接続されている。コンデンサパイプ32bの冷媒流れの上流側に位置する一端が機械室凝縮器32aに接続されており、コンデンサパイプ32bの冷媒流れの下流側に位置する他端がキャビネットパイプ32cに接続されている。コンデンサパイプ32bは、筐体20の右側面SS1、左側面SS2および背面RSの各々に配置されている。
キャビネットパイプ32cは、筐体20の前面FSにおける結露の発生を防止するように構成されている。キャビネットパイプ32cは、コンデンサパイプ32bにおいて凝縮された冷媒をさらに凝縮させるように構成されている。キャビネットパイプ32cは、冷媒を凝縮させる機能を有している。
キャビネットパイプ32cは、筐体20の前面FSの表面温度を冷媒の凝縮熱により外気露点温度以上に維持するように構成されている。キャビネットパイプ32cは、筐体20の前面FS側の縁に配置されている。筐体20の前面FS側の縁の幅は、たとえば3cmである。キャビネットパイプ32cは、第1開口OP1~第5開口OP5の周囲に配置されている。
キャビネットパイプ32cは、コンデンサパイプ32bと減圧装置33とに接続されている。キャビネットパイプ32cの冷媒流れの上流側に位置する一端がコンデンサパイプ32bに接続されており、キャビネットパイプ32cの冷媒流れの下流側に位置する他端が減圧装置33に接続されている。
減圧装置33は、キャビネットパイプ32cから流出した冷媒を減圧するように構成されている。減圧装置33は、たとえば、キャピラリーチューブである。減圧装置33は、キャビネットパイプ32cと蒸発器34とに接続されている。つまり、減圧装置33の冷媒流れの上流側に位置する一端がキャビネットパイプ32cに接続されており、減圧装置33の冷媒流れの下流側に位置する他端が蒸発器34に接続されている。
蒸発器34は、減圧装置33において減圧された冷媒を蒸発させるように構成されている。蒸発器34は、冷却器室27内の空気と冷媒との間で熱交換を行うことにより、冷却器室27内の空気を冷却して冷気を生成するように構成されている。蒸発器34は、冷却器室27内において生成された冷気が風路(図示せず)を介して各貯蔵室内に供給されることにより各貯蔵室内の空気を冷却するように構成されている。蒸発器34は、冷却器として機能する。蒸発器34は、減圧装置33と圧縮機31との間に接続されている。蒸発器34の冷媒流れの上流側に位置する一端が減圧装置33に接続され、蒸発器34の冷媒流れの下流側に位置する他端が圧縮機31に接続されている。
筐体20は、機械室26と、冷却器室27とを有している。機械室26は、筐体20の背面RS側の下部に設けられている。機械室26は、筐体20外に連通している。機械室26内に、圧縮機31、機械室凝縮器32aおよび減圧装置33が配置されている。
冷却器室27は、筐体20の背面RS側に設けられている。冷却器室27は、機械室26の上方に配置されている。冷却器室27内に、蒸発器34が配置されている。また、冷却器室27内に、蒸発器34により生成された冷気を各貯蔵室に供給するための冷却器室送風ファン(図示せず)が配置されている。冷却器室27は風路(図示せず)を介して各貯蔵室に連通している。各貯蔵室の背面RS側には風路(図示せず)を流れる冷気を各貯蔵室に吹き出すための吹出口(図示せず)がそれぞれ設けられている。各吹出口にはダンパー(図示せず)がそれぞれ設けられており、ダンパーの開閉により各貯蔵室の温度が管理される。
図4を参照して、機械室26における圧縮機31、機械室凝縮器32a、減圧装置33、機械室送風ファン40の配置について説明する。また、機械室凝縮器32aを流れる冷媒の状態変化について説明する。なお、図4では見やすくするため、圧縮機31、機械室凝縮器32aおよび減圧装置33の各々に接続された配管は図示されていない。
機械室26内に、機械室送風ファン40が配置されている。機械室送風ファン40は、機械室26内において空気を送風するように構成されている。機械室送風ファン40によって送風された空気の流れWFにおいて機械室送風ファン40よりも上流側に機械室凝縮器32aが配置されている。空気の流れWFにおいて機械室送風ファン40よりも下流側に圧縮機31が配置されている。空気の流れWFにおいて圧縮機31よりも下流側に減圧装置33が配置されている。
機械室26は筐体20外に連通しているため、機械室26内の空気の温度は筐体20外の空気の温度に相当する。機械室凝縮器32aを流れる冷媒と機械室26内の空気との間で熱交換が行われることにより機械室凝縮器32aを流れる冷媒は液状態へと変化する。
図5および図6を参照して、機械室凝縮器32aの構成について詳しく説明する。
実施の形態では、機械室凝縮器32aは、マルチフロー型の扁平管が用いられた熱交換器である。マルチフロー型の扁平管は多孔管である。つまり、扁平管の内部に多数の貫通孔THが設けられている。実施の形態では、機械室凝縮器32aは、フィンを有さないフィンレス式の熱交換器である。なお、機械室凝縮器32aは、フィンレス式の熱交換器に限定されず、フィンアンドチューブ式の熱交換器であってもよい。
実施の形態では、機械室凝縮器32aは、マルチフロー型の扁平管が用いられた熱交換器である。マルチフロー型の扁平管は多孔管である。つまり、扁平管の内部に多数の貫通孔THが設けられている。実施の形態では、機械室凝縮器32aは、フィンを有さないフィンレス式の熱交換器である。なお、機械室凝縮器32aは、フィンレス式の熱交換器に限定されず、フィンアンドチューブ式の熱交換器であってもよい。
機械室凝縮器32aは、第1ヘッダHP1と、第2ヘッダHP2と、複数の扁平管SPとを含んでいる。第1ヘッダHP1、第2ヘッダHP2および複数の扁平管SPの各々は、それぞれ内部に冷媒が流れるように構成されている。
第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2は、冷媒流量を分配するためのものである。第1ヘッダHP1は、上下方向において上側から下側まで連通する中空の構造を有している。第2ヘッダHP2の内部は、上下方向において上側と下側に分離された中空の構造を有している。
第2ヘッダHP2に流入管CP1および流出管CP2が接続されている。流入管CP1は、上下方向において第2ヘッダHP2の下側に配置されている。流入管CP1は、第2ヘッダHP2の内部の下側の部分に接続されている。流出管CP2は、上下方向において第2ヘッダHP2の上側に配置されている。流出管CP2は第2ヘッダHP2の内部の上側の部分に接続されている。
第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2は、互いに向かい合うように配置されている。第2ヘッダHP2は、第1ヘッダHP1と第1方向D1に離れて配置されている。第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2はそれぞれ内部に冷媒が流通する冷媒通路を有している。
第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の各々は、両端が閉じられた楕円管を含んでいる。第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の各々は、短軸A1および長軸A2を有する楕円形状に構成された内周ICを有している。内周ICの短軸A1は、第1方向D1に沿っている。内周ICの長軸A2は、第1方向D1に交差する第2方向D2に沿っている。内周ICの短軸A1の寸法(短径)は、たとえば、16mm以下である。内周ICの長軸A2の寸法(長径)は、たとえば、16mm以上である。
短軸A1は、空気の流れWFに交差する方向に沿っている。長軸A2は、空気の流れWFに沿っている。このため、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の空気の流れWFに交差する方向の寸法を低減させることができる。したがって、空気の流れWFに対して第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2による通風抵抗を低減させることができる。
複数の扁平管SPは第1方向D1に延びている。複数の扁平管SPは、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の各々に接続されている。複数の扁平管SPの各々の一方端(第1端)が第1ヘッダHP1に接続されており、複数の扁平管SPの各々の他方端(第2端)が第2ヘッダHP2に接続されている。複数の扁平管SPは、第1ヘッダHP1と第2ヘッダHP2との間に配置されている。
複数の扁平管SPの各々は、扁平形状を有している。複数の扁平管SPの各々は、軸方向に直交する断面が扁平形状となるように構成されている。複数の扁平管SPの各々は、軸方向に直交する断面が略長方形状となるように構成されている。
複数の扁平管SPは、第1方向D1に交差する第2方向D2に延びている。複数の扁平管SPの各々は、軸方向に直交する断面の長手方向が第2方向D2に沿うように構成されている。
複数の扁平管SPは、第1方向D1および第2方向D2に交差する第3方向D3に互いに間隔を隔てて配置されている。複数の扁平管SPの各々は、軸方向に直交する断面の短手方向が第3方向D3に沿うように構成されている。第3方向D3は、上下方向である。複数の扁平管SPは、互いに並行に配置されている。複数の扁平管SPの各々では、第2方向D2の幅が第3方向D3の幅よりも大きい。
複数の扁平管SPの各々の短手方向の寸法は、たとえば、1.8mm以上である。複数の扁平管SPの各々の長手方向の寸法は、たとえば、12mm以上である。複数の扁平管SPの各々の間の間隔は、たとえば、10mm以下である。複数の扁平管SPの各々の材料は、たとえば、アルミニウムである。
複数の扁平管SPの各々は、第2方向D2に並んで配置された複数の貫通孔THを有している。複数の貫通孔THの各々は、第1方向D1に複数の扁平管SPの各々を貫通している。つまり、複数の貫通孔THの各々は、第1方向D1に複数の扁平管SPの各々の一方端から他方端まで貫通している。これらの複数の貫通孔THは、その内部に冷媒を流通させるように第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の各々の冷媒通路に連通している。
次に、図1および図3を参照して、実施の形態に係る冷蔵庫10の動作について説明する。
冷媒回路30を流れる冷媒は、まず、圧縮機31により圧縮されて、高温および高圧のガス冷媒になる。高温および高圧のガス冷媒は、凝縮器32に流れ込み、凝縮器32を流れる間に凝縮される。具体的には、高温および高圧のガス冷媒は、機械室凝縮器32aに流れ込み、機械室凝縮器32aを流れる間に機械室27内の空気との間で熱交換が行われることにより凝縮されて気液二相冷媒となる。
機械室凝縮器32aにより凝縮された気液二相冷媒は、コンデンサパイプ32bに流れ込み、コンデンサパイプ32bを流れる間に熱伝導により筐体20外の空気との間で熱交換が行われることによりさらに凝縮される。
コンデンサパイプ32bにより凝縮された気液二相冷媒は、キャビネットパイプ32cに流れ込み、キャビネットパイプ32cを流れる間に熱伝導により筐体20外の空気との間で熱交換が行われることによりさらに凝縮されて液冷媒となる。キャビネットパイプ32cを気液冷媒が流れる間に冷媒の熱が放熱される。キャビネットパイプ32cを流れる気液二相冷媒から放熱された冷媒の熱によって各貯蔵室の開口周辺の結露が防止される。
キャビネットパイプ32cにより凝縮された液冷媒は、減圧装置33に流れ込み、減圧装置33により減圧されて低温および低圧の液冷媒となる。低温および低圧の液冷媒は、蒸発器34へ流れ込み、蒸発器34を流れる間に冷却器室27内の空気との間で熱交換が行われることにより蒸発してガス冷媒となる。
この際、蒸発器34により冷却器室27内の空気が冷却される。蒸発器34により冷却された空気が冷却器室送風ファン(図示せず)により風路(図示せず)を介して各貯蔵室へと送風される。このようにして、各貯蔵室内の空気が冷却される。蒸発器34により蒸発したガス冷媒は、圧縮機31へ流れ込み再び圧縮されて、高温および高圧のガス冷媒となる。この冷凍サイクルが繰り返されることにより冷蔵庫10内の温度が設定温度に保たれる。
続いて、図5を参照して、機械室凝縮器32aにおける冷媒の流れについて説明する。
流入管CP1から第2ヘッダHP2に流入した冷媒は、第2ヘッダHP2の下側の内部から複数の扁平管SPのうち下側に配置された複数の扁平管SPを通って第1ヘッダHP1に流れ込む。第1ヘッダHP1に流れ込んだ冷媒は、第1ヘッダHP1内を上側に向けて流れてから複数の扁平管SPのうち上側に配置された複数の扁平管SPを通って第2ヘッダHP2に流れ込む。第1ヘッダHP1から複数の扁平管SPを通って第2ヘッダHP2に流れ込んだ冷媒は、第2ヘッダHP2から流出管CP2を通って流出する。
流入管CP1から第2ヘッダHP2に流入した冷媒は、第2ヘッダHP2の下側の内部から複数の扁平管SPのうち下側に配置された複数の扁平管SPを通って第1ヘッダHP1に流れ込む。第1ヘッダHP1に流れ込んだ冷媒は、第1ヘッダHP1内を上側に向けて流れてから複数の扁平管SPのうち上側に配置された複数の扁平管SPを通って第2ヘッダHP2に流れ込む。第1ヘッダHP1から複数の扁平管SPを通って第2ヘッダHP2に流れ込んだ冷媒は、第2ヘッダHP2から流出管CP2を通って流出する。
次に、図7および図8を参照して、実施の形態に係る冷蔵庫10の作用効果について比較例と対比して説明する。
図7を参照して、実施の形態に係る冷蔵庫10では、第1ヘッダHP1の内周ICの短軸A1は第1方向D1に沿っており、内周ICの長軸A2は第2方向D2に沿っている。なお、図示されていないが、第2ヘッダHP2の内周ICの短軸A1は第1方向D1に沿っており、内周ICの長軸A2は第2方向D2に沿っている。
図8を参照して、比較例に係る冷蔵庫10では、第1ヘッダHP1は、円形状(真円形状)に構成されている。なお、図示されていないが、第2ヘッダHP2は、円形状(真円形状)に構成されている。比較例の第2ヘッダHP2第1ヘッダHP1の内径は、扁平管SPの第2方向D2の幅にあわせて決められる。この結果、第1ヘッダHP1では、第1方向D1において不要な容積が生じる。これにより、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の容積が増加する。このため、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2は、冷媒が液化した際の液溜めとして機能する。したがって、冷媒回路30に使用される冷媒の量増加を招くという問題がある。
実施の形態に係る冷蔵庫10によれば、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の内周ICの短軸A1は第1方向D1に沿っており、内周ICの長軸A2は第2方向D2に沿っている。このため、比較例のように第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2が円形状(真円形状)に構成されている場合に比べて、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の第1方向D1の寸法を小さくすることにより、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の容積の増加を抑制することができる。したがって、冷媒回路30において使用される冷媒量(使用冷媒量)の増加を抑制することができる。これにより、使用冷媒量の規制値に抵触する可能性を低減することができる。
実施の形態に係る冷蔵庫10によれば、複数の扁平管SPの各々は、第2方向D2に並んで配置された複数の貫通孔THを有しており、複数の貫通孔THの各々は、第1方向D1に複数の扁平管SPの各々を貫通している。このため、機械室凝縮器32aの熱交換性能を高くすることができる。
続いて、図5を参照して、実施の形態に係る冷蔵庫10の変形例について説明する。
実施の形態に係る冷蔵庫10の変形例では、短軸A1は、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2を流れる冷媒の流速がゼロペネトレーション流速以上となる寸法を有している。
実施の形態に係る冷蔵庫10の変形例では、短軸A1は、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2を流れる冷媒の流速がゼロペネトレーション流速以上となる寸法を有している。
配管の中を上昇して流れるガス冷媒の流速Ugasがある流速を超えて増加すると、凝縮によって生じた液冷媒は管壁に沿う膜となって自重に逆らって管壁を上昇する。このときのガス冷媒の流速はゼロペネトレーション流速Ugas’と言われる。ガス冷媒の流速Ugasがゼロペネトレーション流速Ugas’を下回る場合、液冷媒は管壁に沿って滑らかに下降する。
冷蔵庫では、空気調和機などの他の冷凍サイクル装置に比べて、ガス冷媒の流速Ugasが小さい。このため、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の短軸A1の寸法(短径)が大きいと、ガス冷媒の流速Ugasがゼロペネトレーション流速Ugas’を下回ることにより、液冷媒の滞留が発生する可能性が高い。
ガス冷媒の流速Ugasは、次の式(1)で示される。
式(1)の各記号は、冷蔵庫における冷媒流量Gr(Kg/s)、冷媒ガス密度ρgas(kg/m3)、配管の内周の断面積S(m2)を示している。
ゼロペネトレーション流速Ugas’は、次の式(2)で示される。
式(2)の各記号は、フラッディング定数C、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の短軸A1の寸法D(m)、冷媒液密度ρliq(kg/m3)、冷媒ガス密度ρgas(kg/m3)、重力加速度g(m/s2)を示している。フラッディング定数Cは、実験から定まる定数であり、たとえば、0.56以上1以下である。
ガス冷媒の流速Ugasがゼロペネトレーション流速Ugas’以上(ガス冷媒の流速Ugas≧ゼロペネトレーション流速Ugas’)となるように、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の短軸A1が決定されれば、液冷媒の滞留が発生しない。
たとえば、冷蔵庫運転条件において、冷蔵庫における冷媒流量Gr(Kg/s)が1Kg/sであり、冷媒液密度ρliq(kg/m3)/冷媒ガス密度ρgas(kg/m3)が吐出圧力による冷媒液密度/冷媒飽和ガス密度であり、フラッディング定数Cが1であり、重力加速度g(m/s2)が9.8m/s2であるとき、ガス冷媒の流速Ugasがゼロペネトレーション流速Ugas’以上となる第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2の短軸の寸法(短径)は、式(1)および式(2)より4.1mm以下となる。
実施の形態に係る冷蔵庫10の変形例によれば、短軸A1は、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2を流れる冷媒の流速がゼロペネトレーション流速以上となる寸法を有している。このため、第1ヘッダHP1および第2ヘッダHP2での液冷媒の液溜りを防ぐことができる。したがって、冷媒回路30において使用される冷媒量(使用冷媒量)を削減することができる。よって、使用冷媒量の増加を抑制しつつ機械室凝縮器32aの熱交換性能を高く保つことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 冷蔵庫、20 筐体、30 冷媒回路、31 圧縮機、32 凝縮器、32a 機械室凝縮器、32b コンデンサパイプ、32c キャビネットパイプ、33 減圧装置、34 蒸発器、40 機械室送風ファン、A1 短軸、A2 長軸、D1 第1方向、D2 第2方向、D3 第3方向、HP1 第1ヘッダ、HP2 第2ヘッダ、IC 内周、SP 扁平管、Ugas’ ゼロペネトレーション流速。
Claims (3)
- 筐体と、
前記筐体に収容された冷媒回路とを備え、
前記冷媒回路は、圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器を含み、
前記冷媒回路は、前記圧縮機、前記凝縮器、前記減圧装置および前記蒸発器の順に冷媒が流れるように構成されており、
前記凝縮器は、
第1ヘッダと、
前記第1ヘッダと第1方向に離れて配置された第2ヘッダと、
前記第1方向に延びて前記第1ヘッダおよび前記第2ヘッダの各々に接続され、かつ前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の扁平管とを含み、
前記第1ヘッダおよび前記第2ヘッダの各々は、短軸および長軸を有する楕円形状に構成された内周を有し、
前記内周の前記短軸は前記第1方向に沿い、かつ前記長軸は前記第2方向に沿う、冷蔵庫。 - 前記短軸は、前記第1ヘッダおよび前記第2ヘッダを流れる前記冷媒の流速がゼロペネトレーション流速以上となる寸法を有している、請求項1に記載の冷蔵庫。
- 前記複数の扁平管の各々は、前記第2方向に並んで配置された複数の貫通孔THを有しており、
前記複数の貫通孔の各々は、前記第1方向に前記複数の扁平管の各々を貫通している、請求項1または2に記載の冷蔵庫。
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