WO2021100592A1 - 吸収性物品の包装体及び吸収性物品の収容体 - Google Patents

Abstract

吸収性物品の包装体（１００）は、前後方向（Ｌ）と、前後方向に直交する幅方向（Ｗ）と、表面シート（２１）、裏面シート（２２）及び吸収コア（２３）を有する本体部（２０）と、本体部の非肌対向面側に配置された後処理用部材（３０）と、を有する吸収性物品（１）と、吸収性物品の非肌対向面側に配置され、後処理用部材を覆う被覆シート（４０）と、を有する。吸収性物品の包装体（１００）は、後処理用部材の使用方法を示す表示部（８０）を有する。表示部は、被覆シートに設けられたシート表示部（８１）を有する。吸収性物品の包装体の個包装状態において、後処理用部材及びシート表示部は、包装体の外面に向けられて配置されている。

Description

吸収性物品の包装体及び吸収性物品の収容体

　本発明は、廃棄時に用いられる後処理用部材を備えた吸収性物品を有する吸収性物品の包装体及び吸収性物品の収容体に関する。

　特許文献１は、廃棄時に用いられる後処理用部材を備えた使い捨ておむつや生理用ナプキンのような吸収性物品を開示している。特許文献１の後処理用部材は、止着テープであって、テープ基材と、テープ基材上に設けられた本体粘着部と、を有する。テープ基材は、裏面シートに固着された基部と、基部に連設された伸長可能な伸長部と、を備える。本体粘着部は、伸長部に設けられている。この吸収性物品を廃棄する際は、使用者は、テープ基材の伸長部を伸長させ、本体粘着部によって吸収性物品を丸めた状態で固定する。

　特許文献１に記載のテープ基材は、使用前に折り畳まれており、当該折り畳まれたテープ基材間に本体粘着部が配置されている。本体粘着部は、伸長された状態で裏面シート側に向く面に設けられており、廃棄時に裏面シートに接合し、吸収性物品を丸めた状態で固定する。

特開平９－９９０１０号公報

　特許文献１の吸収性物品のように、廃棄時にコンパクトに丸め、かつ丸めた状態を維持できる吸収性物品が求められている。しかし、廃棄用の止着テープ等の後処理用部材を有する吸収性物品は、十分に普及してなく、使用者によっては後処理用部材の存在を把握できないことがあった。また、使用者によっては、後処理用部材の存在を把握した場合であっても、後処理用部材の操作方法がわからず、後処理用部材を用いて清潔に廃棄できないことがあった。

　したがって、使用者が後処理用部材を適切に使用して、後処理用部材によって丸められた状態で清潔に廃棄可能な吸収性物品の包装体及び吸収性物品の収容体が望まれる。

　一態様に係る吸収性物品の包装体は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、表面シート、裏面シート及び吸収コアを有する本体部と、前記本体部の非肌対向面側に配置された後処理用部材と、を有する吸収性物品と、前記吸収性物品の非肌対向面側に配置され、前記後処理用部材を覆う被覆シートと、を有する吸収性物品の包装体であって、前記後処理用部材の使用方法を示す表示部を有し、前記表示部は、前記被覆シートに設けられたシート表示部を有し、前記吸収性物品の包装体の個包装状態において、前記後処理用部材及び前記シート表示部は、前記包装体の外面に向けられて配置されている。

　他態様に係る吸収性物品の包装体は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、表面シート、裏面シート及び吸収コアを有する本体部と、前記本体部の非肌対向面側に配置された後処理用部材と、を有する吸収性物品と、前記吸収性物品の非肌対向面側に配置され、前記後処理用部材を覆う被覆シートと、を有し、前記吸収性物品及び前記被覆シートが複数の折り目を基点にして折り畳まれることによって、前記被覆シートによって前記吸収性物品が個別に包装された個包装状態となる吸収性物品の包装体であって、前記後処理用部材の使用方法を示す表示部を有し、前記表示部は、前記個包装状態から前記折り目を基点に前記吸収性物品及び前記被覆シートを展開した展開状態において、前記包装体の外面に向けられて配置されている。

　一態様に係る吸収性物品の収容体は、吸収性物品の包装体と、厚さ方向に積層された複数の前記吸収性物品の包装体を収容する収容袋と、を有する吸収性物品の収容体であって、前記収容袋は、前記後処理用部材の使用方法を示す収容表示部を有し、前記後処理用部材の少なくとも一部は、前記収容表示部と重ならない領域に配置されている。

図１は、肌対向面側から見た第１実施形態に係る吸収性物品の包装体の第１展開状態の平面図である。 図２は、非肌対向面側から見た第１実施形態に係る吸収性物品の包装体の第１展開状態の平面図である。 図３は、第１実施形態に係る吸収性物品の包装体のシート展開状態の平面図である。 図４は、図３に示す吸収性物品の包装体の非肌対向面側から見た分解斜視図である。 図５は、図１に示すＡ－Ａ線に沿った断面図である。 図６は、図５に示すＢ部分の拡大図である。 図７は、個包装状態の吸収性物品を示した図である。 図８は、廃棄時に吸収性物品が前後方向に巻かれた状態を説明するための図である。 図９は、第２実施形態に係る吸収性物品の包装体の非肌対向面側から見た分解斜視図である。 図１０は、廃棄時に吸収性物品が前後方向に巻かれた状態を説明するための図である。 図１１は、第３実施形態に係る吸収性物品の包装体の第２展開状態の平面図である。 図１２は、第３実施形態に係る吸収性物品の包装体のシート展開状態の平面図である。 図１３は、第４実施形態に係る吸収性物品の包装体の非肌対向面側から見た分解斜視図である。 図１４は、吸収性物品の収容体を示した図である。

　（１）実施形態の概要
　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
　一態様に係る吸収性物品の包装体は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、表面シート、裏面シート及び吸収コアを有する本体部と、前記本体部の非肌対向面側に配置された後処理用部材と、を有する吸収性物品と、前記吸収性物品の非肌対向面側に配置され、前記後処理用部材を覆う被覆シートと、を有する吸収性物品の包装体であって、前記後処理用部材の使用方法を示す表示部を有し、前記表示部は、前記被覆シートに設けられたシート表示部を有し、前記被覆シートによって前記吸収性物品が個別に包装された個包装状態において、前記後処理用部材及び前記シート表示部は、前記包装体の外面に向けられて配置されている。

　使用者は、吸収性物品を使用する際に個包装状態の包装体を手に取って、吸収性物品を取り出す。このとき、後処理用部材が個包装状態における包装体の外面に向けられて配置されているため、使用者は、被覆シートを介して後処理用部材に触れる。使用者は、後処理用部材の厚みや感触によって、後処理用部材の存在を把握できる。また、個包装状態においてシート表示部が包装体の外面に向けられて配置されているため、使用者は、個包装状態においてシート表示部を視認でき、後処理用部材の使用方法を把握できる。よって、使用者は、後処理用部材を適切に使用して、後処理用部材によって丸められた状態で清潔に廃棄できる。

　好ましい一態様によれば、前記被覆シートは、前記個包装状態において複数の折り目を基点に折り畳まれ、前記折り目を基点に折り畳まれた折り返し部を複数有し、前記個包装状態において、前記包装体は、前記折り返し部のうち最も外側に位置する折り返し部が配置された開封面を有し、前記シート表示部は、前記開封面における前記被覆シートに設けられてよい。使用者は、包装体の開封操作を行う際に開封面を視認する。このとき、使用者は、シート表示部を視認でき、後処理用部材の使用方法を把握できる。例えば、触感等によって後処理用部材の存在を把握できない場合であっても、開封時にシート表示部によって後処理用部材の存在を把握できる。

　好ましい一態様によれば、前記包装体は、前記個包装状態において、前記開封面と反対側の非開封面を有し、前記後処理用部材は、前記個包装状態において前記非開封面に対向して設けられてよい。使用者は、包装体の開封操作において開封面を自分の方に向ける際に、包装体の背面側に位置する非開封面に手に当てる。このとき、使用者が後処理用部材に間接的に触れ、後処理用部材の存在を把握できる。

　好ましい一態様によれば、前記包装体は、前記個包装状態において、前記開封面と反対側の非開封面を有し、前記包装体の前記開封面及び前記非開封面のうち一方の面には、前記後処理用部材及び前記シート表示部が対向して配置されてよい。本態様によれば、包装体を手にとって後処理用部材の存在に気づいた使用者は、後処理用部材が設けられた面を視認することがある。このとき、包装体の同一面にシート表示部と後処理用部材が設けられているため、操作対象と操作方法を一度に把握でき、後処理用部材をより適切に使用できる。

　好ましい一態様によれば、前記本体部は、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出したフラップ部を有し、前記包装体は、シート展開状態において、前記被覆シートが展開し、かつ前記フラップ部が前記本体部の肌対向面側同士が向き合うように折り畳まれており、前記表示部は、前記本体部に配置された本体表示部を有し、前記本体表示部は、前記フラップ部の非肌対向面に配置されてよい。包装体は、個包装状態から開封される過程でシート展開状態となる。このとき、フラップ部の非肌対向面に本体表示部が設けられており、使用者は、包装体の開封過程でフラップ部の本体表示部を視認し、後処理用部材の使用方法を把握できる。

　好ましい一態様によれば、前記本体部は、前記吸収コアよりも前記幅方向の両側に延出した一対のフラップ部と、前記本体部を着用物品に接合するための粘着部と、を有し、前記粘着部は、前記一対のフラップ部を着用物品に接合するための一対のフラップ粘着部を有し、前記包装体は、シート展開状態において、前記被覆シートが展開し、かつ前記フラップ部が前記本体部の肌対向面側同士が向き合うように折り畳まれており、前記包装体は、前記一対のフラップ部が折り畳まれた状態で前記一対のフラップ粘着部を覆うフラップ剥離シートを有し、前記表示部は、前記フラップ剥離シートに配置されたフラップ剥離表示部を有してよい。包装体は、個包装状態から開封される過程でシート展開状態となる。このとき、一対のフラップ部を覆うようにフラップ剥離シートが配置されている。使用者は、包装体の開封過程でフラップ剥離表示部を視認し、後処理用部材の使用方法を把握できる。

　好ましい一態様によれば、前記本体部は、前記個包装状態において、前記幅方向に延びる複数の折り目を基点にして肌対向面側同士が向き合うように折り畳まれており、前記複数の折り目は、前記本体部の後端縁側に配置された第１幅折り目と、前記本体部の前端縁側に配置された第２幅折り目と、を有し、前記表示部は、前記本体部に配置された本体表示部を有し、前記本体表示部は、前記本体部の後端縁と前記第１幅折り目の間の後側領域の非肌対向面と、前記本体部の前端縁と前記第２幅折り目の間の前側領域の非肌対向面と、の少なくとも一方に配置されてよい。本態様によれば、個包装状態から開封する過程で、第１幅折り目を基点に本体部が折り畳まれた状態、又は第２幅折り目を基点に本体部が折り畳まれた状態となる。このとき、前側領域の非肌対向面又は後側領域の非肌対向面が使用者側に向けられる。使用者は、包装体の開封過程で本体表示部を視認し、後処理用部材の使用方法を把握できる。

　好ましい一態様によれば、前記表示部の少なくとも一部の色と、前記後処理用部材の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で、色相番号が同じ又は色相番号のずれが５以内であってよい。本態様によれば、表示部の少なくとも一部の色と、後処理用部材の色と、が近似する色であるため、使用者は、表示部と後処理用部材が関連していることを把握できる。よって、使用者は、操作対象と操作方法を関連づけて認識でき、後処理用部材をより適切に使用できる。

　好ましい一態様によれば、前記被覆シートは、前記個包装状態において複数の折り目を基点に折り畳まれ、前記折り目を基点に折り畳まれた折り返し部を複数有し、前記折り返し部のうち最も外側に位置する折り返し部は、前記個包装状態において前記折り返し部に重なる前記被覆シートと止着テープによって接合されており、前記止着テープの色と、前記後処理用部材の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で、色相番号のずれが６以上であり、前記止着テープの色と、前記表示部の少なくとも一部の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で、色相番号のずれが６以上であってよい。包装体を開封する際に、使用者は、止着テープを操作する。この操作過程で、使用者は、後処理用部材及び表示部の存在を把握する。このとき、止着テープの色が、後処理用部材及び表示部の色と近似する色でないため、使用者は、止着テープが、後処理用部材及び表示部と関連性がないことを把握できる。よって、表示部に示す操作対象が止着テープである等の誤認を防ぎ、後処理用部材をより適切に使用できる。

　好ましい一態様によれば、前記被覆シートは、前記吸収性物品を個別に包装する個包装シートを有し、前記後処理用部材は、着色されており、前記後処理用部材の厚みは、前記個包装シートの厚みよりも厚くてよい。本態様によれば、後処理用部材の厚みが比較的厚いため、使用者は触感によって後処理用部材の存在を把握できる。また、後処理用部材が着色されているため、使用者は視覚によって後処理用部材の存在を把握できる。

　他の態様に係る吸収性物品の包装体は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、表面シート、裏面シート及び吸収コアを有する本体部と、前記本体部の非肌対向面側に配置された後処理用部材と、を有する吸収性物品と、前記吸収性物品の非肌対向面側に配置され、前記後処理用部材を覆う被覆シートと、を有し、前記吸収性物品及び前記被覆シートが複数の折り目を基点にして折り畳まれることによって、前記被覆シートによって前記吸収性物品が個別に包装された個包装状態となる吸収性物品の包装体であって、前記後処理用部材の使用方法を示す表示部を有し、前記表示部は、前記個包装状態から前記折り目を基点に前記吸収性物品及び前記被覆シートを展開した展開状態において、前記包装体の外面に向けられて配置されている。使用者は、吸収性物品を使用する際に個包装状態の包装体を手に取って展開し、吸収性物品を被覆シートから取り外す。このとき、使用者が個包装状態から展開状態に操作する際に、表示部を視認でき、後処理用部材の使用方法を把握できる。よって、使用者は、後処理用部材を適切に使用して、後処理用部材によって丸められた状態で清潔に廃棄できる。

　一態様に係る吸収性物品の収容体は、吸収性物品の包装体と、厚さ方向に積層された複数の前記吸収性物品の包装体を収容する収容袋と、を有する吸収性物品の収容体であって、前記収容袋は、前記後処理用部材の使用方法を示す収容表示部を有し、前記後処理用部材の少なくとも一部は、前記収容表示部と重ならない領域に配置されている。使用者は、収容表示部を視認することで、収容袋に包装体が収容された状態においても、後処理用部材の存在及び使用方法を把握できる。また、後処理用部材の少なくとも一部は、後処理用部材と重ならないため、収容表示部と後処理用部材のそれぞれを収容体の外側から認識し易くなる。よって、後処理用部材の存在により気づきやすくなり、また、後処理用部材の位置を把握し易くなり、使用者は、後処理用部材を適切に使用して、後処理用部材によって丸められた状態で清潔に廃棄できる。

　（２）第１実施形態に係る吸収性物品
　以下、図面を参照して、第１実施形態に係る吸収性物品の包装体について説明する。吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、母乳パッド、大人用失禁パッド、使い捨ておむつ、糞便パッド又は汗取りシートのような吸収性物品であってよい。特に、吸収性物品は、使用者の下着のような着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。

　なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。

　図１は、肌対向面側から見た第１実施形態に係る吸収性物品の包装体の平面図である。図２は、非肌対向面側から見た第１実施形態に係る吸収性物品の包装体の平面図である。図３は、第１実施形態に係る吸収性物品の包装体のシート展開状態の平面図である。図４は、図３に示す吸収性物品の包装体の分解斜視図である。図４は、図１に示すＡ－Ａ線に沿った断面図である。図５は、図１に示すＡ－Ａ線に沿った断面図である。ここで、「肌対向面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌対向面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。また、第１展開状態は、吸収性物品１及び被覆シート４０が、いずれの折り目によっても折り畳まれていない状態であり、シート展開状態は、前後折り目ＦＬを基点にウイング２５を幅方向Ｗの内側に折り畳んだ状態であり、第２展開状態は、シート展開状態から第１幅折り目ＦＷ１を基点に吸収性物品１の後端縁を前後方向Ｌの内側に折り畳んだ状態である。本発明における展開状態は、第１展開状態、シート展開状態、及び第２展開状態を含む概念である。また、ウイングを有しない形態にあっては、シート展開状態を有していなくてよい。

　吸収性物品の包装体１００は、吸収性物品１と被覆シート４０を有する。吸収性物品１は、前後方向Ｌ及び幅方向Ｗを有する。前後方向Ｌは、着用者の前側（腹側）から後側（背側）に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Ｗは、前後方向Ｌと直交する方向である。

　吸収性物品１は、本体部２０と、後処理用部材３０と、を有してよい。本体部２０は、着用者の肌に面する表面シート２１と、着用者の肌とは反対側に向けられる裏面シート２２と、表面シート２１と裏面シート２２の間の吸収コア２３と、を含む。表面シート２１は、使用中に着用者の肌の方に向いて配置される。表面シート２１は、繊維を有する不織布又は織布によって構成されてよい。表面シート２１は、後述する後処理用部材３０のフック部材３１が接合可能に構成されていればよい。表面シートが繊維を有する織布又は不織布から構成され、当該繊維とフック部材が引っ掛かるように構成されてよく、表面シートの肌対向面に凹凸が形成され、当該凹凸によってもフック部材の先端がより引っ掛かり易く構成されていてもよい。裏面シート２２は、使用中に、着用者の肌とは反対側に向けられる。表面シート２１は、液透過性シートから構成されていてよい。裏面シート２２は、液不透過性シートを含んでいてよい。

　吸収コア２３は、吸収性物品１の前後方向Ｌに沿って延びている。吸収コア２３は、水分を吸収可能な吸収材料を有する。吸収コア２３は、図示しないコアラップによって覆われていてよい。コアラップは、例えばティッシュにより構成することができる。なお、本明細書において、「前後方向Ｌに沿って」という用語は、前後方向Ｌに対して４５°未満の角度を持った方向を意味し、「幅方向Ｗに沿って」という用語は、幅方向Ｗに対して４５°未満の角度を持った方向を意味する。

　吸収性物品１は、本体部２０を前後方向に三等分した前側域Ｓ１、中央域Ｓ２及び後側域Ｓ３を有してよい。前側域Ｓ１、中央域Ｓ２及び後側域Ｓ３は、本体部２０の前後方向Ｌの長さが最も長い位置（本実施の形態では、本体部の幅方向の中心２０ＣＷ）において、本体部２０を前後方向Ｌに３等分した領域である。各領域を図１及び図２に示す。吸収性物品１は、平面視にて吸収コア２３が配置されたコア配置領域Ｒ２３を有する。コア配置領域Ｒ２３は、図１等の平面視において吸収コア２３が配置された領域であり、図１において斜線が付された領域である。

　吸収性物品１の本体部２０は、吸収コア２３よりも幅方向Ｗの外側に延出したフラップ部を有してよい。フラップ部は、少なくとも中央域Ｓ２に配置されたウイング２５と、少なくとも後側域Ｓ３に配置されたヒップフラップと、のうち少なくとも一方であってよい。本実施の形態のフラップ部は、ウイング２５を有する。ウイング２５は、幅方向Ｗの外側に突出しており、使用時に着用物品のクロッチ部の非肌対向面側に折り返される。

　コア配置領域Ｒ２３における本体部２０の非肌対向面側Ｔ２には、本体部２０を着用物品に接合するための粘着部５０と、後処理用部材３０と、が設けられている。本実施の形態における本体部２０の非肌対向面は、裏面シート２２によって構成されており、裏面シート２２の非肌対向面に粘着部５０及び後処理用部材３０が配置されている。後処理用部材３０は、図２に示すように平面視にて矩形状であってもよいし、楕円等の円形状であってもよいし、点状であって複数設けられていてもよいし、線状であって複数設けられていてもよい。楕円形等、後処理用部材３０の角部が曲線状の形態にあっては、後処理用部材３０が使用者に当たった際の違和感を低減できる。

　後処理用部材３０は、非肌対向面側Ｔ２に向かって突出したフック部材３１を有する。フック部材３１は、吸収性物品の廃棄時等において本体部２０の肌対向面側Ｔ１を内側にして本体部２０が折られた状態で表面シート２１に接合可能に構成されている。吸収性物品１の廃棄時における態様については、後述にて詳細に説明する。フック部材３１は、裏面シート２２の一部が非肌対向面側Ｔ２に突出した部分によって構成されていてもよいし、裏面シート２２と別体の部材によって構成されていてもよい。図６は、図５のＢ部分の断面図である。図６に示すように、本実施の形態のフック部材３１は、裏面シート２２と別体の部材によって構成されており、裏面シート２２の非肌対向面に接合された基材シート３５から非肌対向面側Ｔ２に向かって突出している。基材シート３５とフック部材３１は、一体化していてよい。フック部材３１は、非肌対向面側Ｔ２に突出する軸部３１１と、軸部３１１の先端において軸部３１１よりも平面方向の外側に延びる傘部３１２と、を有してよい。フック部材３１は、前後方向Ｌ及び幅方向Ｗにおいて間隔を空けて複数配置されていてもよいし、１個のみであってもよい。基材シート３５は、本体部２０の非肌対向面に接合されている。本実施の形態の基材シート３５は、接合領域において裏面シート２２に接合されている。接合領域は、後処理用部材３０の全体に亘って設けられていてよい。

　後処理用部材３０は、シート状の基材シート３５と、該基材シートの表面（裏面）から起立する多数のフック部材３１とからなるものであり、例えば錨形や鉤形のフック部材３１を有するもの等を用いることができる。後処理用部材としては、公知の機械的面ファスナーのオス部材を用いることもでき、例えば「マジックテープ（登録商標）」（クラレ社製）、「クイックロン（登録商標）」（ＹＫＫ社製）、「マジクロス（登録商標）」（カネボウベルタッチ社製）等におけるオス部材等を用いることができる。

　変形例において、後処理用部材３０は、フック部材３１と表面シート２１を補助的に接合する後処理粘着部を有してよい。後処理粘着部は、後処理用部材３０の非肌対向面側の面に設けられてよい。後処理粘着部は、後処理用部材３０の非肌対向面に少なくとも配置されていればよく、軸部の表面等、後処理用部材３０の非肌対向面以外の面に設けられていてよい。後処理粘着部は、フック部材３１に設けられていてもよいし、基材シート３５に設けられてよい。後処理粘着部を有することにより、廃棄時にフック部材３１と表面シート２１が接合する際の接合力をより確保できる。また、スパンレース不織布等の短繊維（繊維長が概ね１０ｍｍ以下）の不織布及び繊維交絡の強度を確保しにくい不織布であっても、後処理粘着部によって表面シート２１に対する接合力を確保し、後処理用部材３０によって吸収性物品１を丸めた状態をより維持し易くなる。なお、後処理粘着部を構成する粘着剤は、粘着部５０と同じであってもよいし、粘着部５０と異なっていてもよい。

　粘着部５０は、本体部２０を着用物品に接合するための粘着剤が設けられた領域である。粘着部５０は、コア配置領域Ｒ２３に配置された本体粘着部５１と、フラップ部としてのウイング２５に設けられたウイング粘着部５２（フラップ粘着部）と、を有する。本体粘着部５１は、前後方向Ｌに延び、かつ幅方向Ｗに間隔を空けて配置されている。本体粘着部５１は、後処理用部材３０に対する幅方向Ｗの両側にそれぞれ配置されてよい。なお、本体粘着部５１は、第２実施形態のように、幅方向Ｗに延び、かつ前後方向Ｌに間隔を空けて配置されていてもよい。粘着部５０は、使用時に本体部２０を着用物品に接合する機能とともに、廃棄時に補助的に表面シート２１に接合する機能も有してよい。ウイング粘着部５２は、ウイング２５の非肌対向面に設けられており、図３に示すように、使用前にフラップ剥離シート４３によって覆われている。

　被覆シート４０は、後処理用部材３０の非肌対向面側Ｔ２に配置され、フック部材３１を覆ってよい。被覆シート４０は、使用前に本体部２０を覆い、使用時に本体部２０から分離する。被覆シート４０は、本体部２０を個別に包装する個包装シート４１及び粘着部５０を覆う剥離シート４２の少なくともいずれか一方であってよい。個包装シート４１及び剥離シート４２の少なくともいずれかによってフック部材３１を覆うことにより、吸収性物品１の使用前にフック部材３１が外側に露出することを抑制し、フック部材３１を保護することができる。よって、使用前に意図せずにフック部材３１が損傷したり、意図せずにフック部材３１が肌に当たったりする不具合を抑制できる。本実施の形態の被覆シート４０は、個包装シート４１及び剥離シート４２の両方によって構成されている。図５に示すように、後処理用部材３０のフック部材３１の非肌対向面側Ｔ２に剥離シート４２が配置され、剥離シート４２の非肌対向面側Ｔ２に個包装シート４１が配置されてよい。フック部材３１と個包装シート４１の間に剥離シート４２が配置されるため、フック部材３１によって意図せずに個包装シート４１が破れる不具合を抑制できる。

　被覆シート４０と後処理用部材３０の剥離強度は、後処理用部材３０と本体部２０の非肌対向面の剥離強度よりも低い。より詳細には、個包装状態で被覆シート４０とフック部材３１が当接しており、その被覆シート４０とフック部材３１の剥離強度は、後処理用部材３０と裏面シート２２の剥離強度よりも低くてよい。すなわち、個包装状態から展開する際に、後処理用部材３０と裏面シート２２が剥離することなく、被覆シート４０がフック部材３１から剥離できればよい。このような構成によれば、個包装状態からの開封時に、後処理用部材３０を本体部２０から剥離させることなく、本体部２０及び後処理用部材３０から被覆シート４０を分離できる。

　また、被覆シート４０と粘着部５０の剥離強度は、被覆シート４０と後処理用部材３０の剥離強度よりも高い。より詳細には、個包装状態で被覆シート４０と本体粘着部５１が当接し、かつ被覆シート４０とフック部材３１が当接しており、その被覆シート４０と本体粘着部５１の剥離強度は、被覆シート４０とフック部材３１の剥離強度よりも高くてよい。すなわち、個包装状態から展開する際に、本体粘着部５１よりもフック部材３１が被覆シート４０から剥離し易く構成されていればよい。個包装状態では、被覆シート４０と粘着部５０の接合によって、被覆シート４０の位置ずれを抑制できる。また、フック部材３１が被覆シート４０から剥離し易いため、本体部２０及び後処理用部材３０から被覆シート４０を分離する際に、後処理用部材３０が被覆シート４０に引っ掛かる不具合を抑制できる。

　本体部２０は、使用前に複数の折り目を基点に折り畳まれていてよい。図７は、吸収性物品１が折り目を基点に折り畳まれ、本体部２０が個包装シート４１によって個別に包装された個包装状態を示した図である。図７（ａ）は、個包装状態の吸収性物品の平面図であり、図７（ｂ）は、図７（ａ）に示すＣ－Ｃ線に沿った断面図である。なお、複数の折り目は、少なくとも本体部２０のみを折り畳む折り目であってよく、本体部２０、後処理用部材３０及び被覆シート４０を共に折り畳む折り目であってもよい。複数の折り目は、前後方向Ｌに延びる一対の前後折り目ＦＬと、幅方向Ｗに延びる一対の幅折り目ＦＷと、を有してよい。

　一対の前後折り目ＦＬは、幅方向Ｗに間隔を空けて配置されてよく、本体幅中心２０ＣＷを挟んだ両側に配置されてよい。一対の前後折り目ＦＬは、第１前後折り目ＦＬ１及び第２前後折り目ＦＬ２を有してよい。一対の前後折り目ＦＬは、ウイング２５を幅方向Ｗの内側に折り畳むための折り目であってよい。図３は、前後折り目ＦＬを基点にウイング２５（フラップ部）が折り畳まれ、かつ被覆シートが展開したシート展開状態を示している。第１実施形態の一対の前後折り目ＦＬは、吸収コア２３よりも幅方向の外側に位置し、吸収コアを折り畳まない折り目である。しかし、変形例において、一対の前後折り目ＦＬは、吸収コア２３に重なる領域に設けられ、シート展開状態において、吸収コア２３が折り畳まれるように構成されてよい。シート展開状態では、被覆シート４０が展開し、かつ本体部２０の肌対向面側同士が向き合うようにウイング２５が折り畳まれており、一対のウイング２５のウイング粘着部５２を覆うようにフラップ剥離シート４３が配置されている。

　一対の幅折り目ＦＷは、前後方向Ｌに間隔を空けて配置されてよい。幅折り目ＦＷは、第１幅折り目ＦＷ１及び第２幅折り目ＦＷ２を有してよい。第１幅折り目ＦＷ１は、複数の折り目のうち、吸収コア２３の後端縁２３Ｒに最も近く、第２幅折り目ＦＷ２は、複数の折り目のうち、吸収コア２３の前端縁２３Ｆに最も近い。なお、変形例において、第１幅折り目ＦＷ１と第２幅折り目ＦＷ２の間に、幅方向Ｗに延びる他の折り目が配置されていてもよい。第１幅折り目ＦＷ１及び第２幅折り目ＦＷ２は、吸収性物品の包装時（使用前）に、本体部２０の肌対向面側Ｔ１を内側にして吸収性物品１を折り畳むためのラインである。折り目は、折り癖の位置によって特定することができ、本体部２０の折り癖が特定しにくい形態にあっては、被覆シート４０の折り癖を基準に折り目の位置を特定してよい。吸収性物品１は、図１に示すように、本体部２０の後端縁２０Ｒと第１幅折り目の間の後側領域Ｓ３１と、本体部２０の前端縁２０Ｆと第２幅折り目ＦＷ２の間の前側領域Ｓ１１と、を有する。

　被覆シート４０は、複数の折り目を基点に折り畳まれた折り返し部を有してよい。具体的には、図３に示すように、折り返し部は、第１展開状態における被覆シート４０の前端縁と第２幅折り目ＦＷ２との間の領域であって、個包装状態において第２幅折り目ＦＷ２を基点に折り畳まれた第２折り返し部Ｒ４２と、第１展開状態における被覆シート４０の後端縁と第１幅折り目ＦＷ１との間の領域であって、個包装状態において第１幅折り目ＦＷ１を基点に折り畳まれた第１折り返し部Ｒ４１と、を有する。包装体１００は、複数の折り返し部のうち、個包装状態において最も外側に位置する折り返し部が配置された開封面を有する。本実施の形態の開封面は、第２幅折り目ＦＷ２を基点に折り畳んだ第２折り返し部Ｒ４２を有する面であり、図７（ａ）に示す面全体である。開封面Ｐ１は、第２折り返し部Ｒ４２の全体（図７（ａ）に示すＰ１１）と、第１折り返し部Ｒ４１のうち第２折り返し部Ｒ４２によって覆われていない部分（図７（ａ）に示すＰ１２）と、を含む。図７（ｂ）に示すように、包装体１００は、開封面Ｐ１と反対側の非開封面Ｐ２を有する。非開封面Ｐ２は、第１展開状態における第１幅折り目ＦＷ１と第２幅折り目ＦＷ２の間の領域に配置された個包装シート４１の非肌対向面によって構成されている。開封面Ｐ１及び非開封面Ｐ２は、いずれも個包装状態における面であり、個包装状態における包装体の外面を構成する。

　実施形態の吸収性物品１は、使用前の個包装時に、個包装シート４１及び剥離シート４２上に吸収性物品１を配置した状態で共に折り畳まれる。折り畳み態様の一例としては、個包装シート４１及び剥離シート４２上に吸収性物品１を配置した第１展開状態で、前後折り目ＦＬを基点にウイング２５を幅方向Ｗの内側に折り畳み、シート展開状態とする（図２参照）。シート展開状態では、本体部２０のみが折り畳まれ、被覆シート４０及び後処理用部材３０は、折り畳まれていない。

　次いで、第１幅折り目ＦＷ１を基点に吸収性物品１の後端縁を前後方向Ｌの内側に折り畳み、第２展開状態とする。次いで、第２幅折り目ＦＷ２を基点に吸収性物品１の前端縁側を前後方向Ｌの内側に折り畳む。第２幅折り目ＦＷ２を基点に折り畳んだ第２折り返し部Ｒ４２の先端（具体的には、個包装シート４１の前端縁）を、第１幅折り目ＦＷ１を基点に折り畳んだ第１折り返し部Ｒ４１の被覆シート４０に止着テープ４５によって接合する。このように折り畳まれることにより、吸収性物品１は、個包装シート４１によって個別に包装される。なお、変形例において、止着テープ４５を有していなくてもよい。

　吸収性物品１が使用前に折り畳まれた状態で、表面シート２１と後処理用部材３０が接していないことが好ましい。本実施形態の吸収性物品１は、使用前に折り畳まれた状態で、後処理用部材３０の非肌対向面側Ｔ２を覆うように表面シート２１が配置されてなく、使用前に折り畳まれた状態で後処理用部材３０と表面シート２１が当接せず、フック部材３１が意図せずに表面シート２１に接合しない。なお、幅折り目が３本以上の形態及び後処理用部材３０が幅折り目を前後方向Ｌに跨いで配置された形態にあっては、使用前に折り畳まれた状態において、後処理用部材３０の非肌対向面側Ｔ２を覆うように表面シート２１が配置されることがある。このような形態にあっては、フック部材３１と表面シート２１の間に吸収性物品１を構成する構成部材が配置されていることが好ましい。この構成部材は、例えば、被覆シート４０であってよい。折り畳まれた状態で、表面シート２１とフック部材３１の間に構成部材が配置されることにより、表面シート２１とフック部材３１が当接しない。よって、使用前に意図に表面シート２１にフック部材３１が接合する不具合を抑制できる。

　次いで、図８に基づいて、吸収性物品１の廃棄態様の一例について説明する。使用者は、使用後の表面シート２１に排泄物が付着しているため、吸収性物品１を廃棄する際に本体部２０の肌対向面側Ｔ１を内側に丸めて廃棄することがある。このとき、図８（ａ）に示すように、本体部２０の前端縁又は後端縁から前後方向Ｌに本体部２０及び後処理用部材３０を丸める。本体部２０の丸め始めの部分の非肌対向面側Ｔ２が表面シート２１に当接しつつ、本体部２０が前後方向Ｌに丸められる。本体部２０の非肌対向面側Ｔ２には、非肌対向面側Ｔ２に突出するフック部材３１が設けられている。図８（ａ）に示す状態から本体部２０及び後処理用部材３０が前後方向Ｌに更に丸められると、フック部材３１が表面シート２１に当接する。フック部材３１の傘部３１２が表面シート２１の繊維にひっかかり、フック部材３１が表面シート２１に接合する。後処理用部材３０によって、排泄物が付着した面を内側にした清潔な状態で吸収性物品１を廃棄できる。フック部材３１が表面シート２１の繊維間に引っ掛かって接合状態を実現できるため、経血等の体液の付着によって表面シート２１が濡れ、粘着部５０と表面シート２１の接合力が得にくい場合であっても、後処理用部材と表面シートを接合させることができる。特に粘着部は下着等と貼り合せた後であり、接合力が低下しているだけでなく、表面シートが湿っている状況にあるため、表面シートと粘着部５０が接合しにくい状況にあるため、後処理用部材３０によって接合させることができる。また、後処理用部材３０のフック部材３１を表面シート２１に接合する操作は、本体部２０を丸める過程で行うことができ、後処理用部材３０を引っ張って接合する等の別途の操作が必要ない。そのため、使用者が特段意識せずに廃棄する場合であっても、後処理用部材３０によって本体部２０が丸められた状態を維持することもできる。

　吸収性物品１が丸められた状態では、本体粘着部５１も表面シート２１に当接する。本体粘着部５１は、使用時に着用物品に本体部２０を接合する機能を有しており、着用物品から本体部２０を外した後にも僅かにでも粘着力を有する。本体粘着部５１も補助的に表面シート２１に接合する。よって、後処理用部材３０を表面シート２１に接合するとともに、本体粘着部５１も表面シート２１に接合することができる。

　後処理用部材３０及び本体粘着部５１は、コア配置領域Ｒ２３に配置されてよい。吸収コア２３は、吸収性物品１の構成部材において剛性が高い。剛性が高い吸収コア２３を丸めた状態で維持することにより、本体部２０が展開しにくく丸めた状態を維持しやすい。

　本実施の形態に係る吸収性物品の包装体１００は、後処理用部材３０の存在及び使用方法を使用者が把握し易いように構成されている。包装体１００は、後処理用部材３０の使用方法を示す表示部８０を有している。表示部８０は、文字や絵柄等によって後処理用部材３０の使用方法を示す表示である。表示部８０は、少なくとも個包装状態において包装体の外側から視認可能に構成されてよい。使用者は、後処理用部材３０の存在及び使用方法をより把握し易くなる。なお、本発明における「視認可能」とは、昼白色（色温度目安 ４６００～５４００ Ｋ（ケルビン））で明るく照明された室内(目安：５００～７５０ ｌｘ（ルクス））で約３０～５０ｃｍの距離で、良好な視力（１．０以上）を両眼に有する被験者が対象物を見たときに視認できる事を意味している。

　表示部８０は、被覆シート４０に設けられたシート表示部８１を有してよい。具体的には、図７（ｂ）に示すように、シート表示部８１は、包装体１００の外面を構成する個包装シート４１に設けられている。包装体１００の個包装状態において、シート表示部８１は、包装体１００の外面に向けられて配置されている。個包装状態においてシート表示部８１が包装体１００の外面に向けられて配置されているため、使用者は、個包装状態においてシート表示部８１を視認でき、後処理用部材３０の使用方法を把握できる。よって、使用者は、後処理用部材３０を適切に使用して、後処理用部材３０によって丸められた状態で清潔に廃棄できる。

　なお、包装体１００の外面とは、折り畳まれた状態で包装体の外側に位置する面である。包装体の外面に向けられた状態は、包装体１００の外面に配置された状態のみならず、包装体１００の外面を構成する部材（個包装シート等）に対向して配置された状態、及び包装体１００の外面を構成する部材とは別の部材を介して、包装体１００の外面を構成する部材に対向して配置された状態を含む。なお、好適には、表示部８０は、個包装状態において吸収コア２３よりも包装体１００の外面側に配置されてよい。

　シート表示部８１は、開封面Ｐ１における被覆シート４０に設けられてよい。図７（ａ）に示すように、本実施の形態のシート表示部８１は、開封面Ｐ１における個包装シート４１に設けられており、包装体の外面に設けられている。使用者は、包装体の開封操作を行う際に開封面Ｐ１を視認する。このとき、使用者は、シート表示部８１を視認でき、後処理用部材３０の使用方法を把握できる。例えば、触感等によって後処理用部材３０の存在を把握できない場合であっても、開封時にシート表示部８１によって後処理用部材３０の存在を把握できる。

　図４に示すように、表示部８０は、フラップ剥離シート４３に配置されたフラップ剥離表示部８２を有してよい。包装体は、使用時に開封される過程でシート展開状態となる。具体的には、個包装状態から第２幅折り目ＦＷ２を基点に展開し、次いで、第１幅折り目ＦＷ１を基点に展開すると、図３に示すシート展開状態となる。このとき、一対のウイング２５を覆うようにフラップ剥離シート４３が配置されている。使用者は、包装体１００の開封過程でフラップ剥離表示部８２を視認し、後処理用部材３０の使用方法を把握できる。

　個包装状態において、後処理用部材３０は、包装体１００の外面に向けられて配置されている。具体的には、図７（ｂ）に示すように、後処理用部材３０は、剥離シート４２を介して、包装体１００の外面を構成する個包装シート４１に向けて配置されている。使用者は、吸収性物品１を使用する際に個包装状態の包装体１００を手に取って、吸収性物品１を取り出す。このとき、後処理用部材３０が個包装状態における包装体１００の外面に向けられて配置されているため、使用者は、被覆シート４０を介して後処理用部材３０に触れる。使用者は、後処理用部材３０の厚みや感触によって、後処理用部材３０の存在を把握できる。

　図７（ｂ）に示すように、後処理用部材３０は、個包装状態において非開封面Ｐ２に対向して設けられてよい。使用者は、包装体１００の開封操作において開封面Ｐ１を自分の方に向ける際に、包装体１００の背面側に位置する非開封面Ｐ２に手に当てる。このとき、使用者が後処理用部材３０に間接的に触れ、後処理用部材３０の存在を把握できる。

　包装体１００の開封面Ｐ１及び非開封面Ｐ２のうち一方の面には、後処理用部材３０及びシート表示部８１が対向して配置されてよい。本実施の形態の包装体は、後処理用部材３０及びシート表示部８１が非開封面Ｐ２に対向して配置されている。包装体１００を手にとって後処理用部材３０の存在に気づいた使用者は、後処理用部材３０が設けられた面を視認することがある。このとき、包装体１００の同一面に、シート表示部８１と後処理用部材３０が設けられているため、操作対象と操作方法を一度に把握でき、後処理用部材３０をより適切に使用できる。なお、シート表示部８１及びフラップ剥離表示部８２は、いずれも後処理用部材３０を示していればよく、互いのデザインが同一であってもよいし、異なっていてもよい。

　また、後処理用部材３０は、着色されていてよい。使用者は視覚によって後処理用部材３０の存在を把握できる。後処理用部材３０の厚みは、個包装シート４１の厚みよりも厚くてよい。後処理用部材３０の厚みが個包装シート４１の厚みよりも厚いことにより、使用者は触感によって後処理用部材の存在を把握し易い。より好適には、後処理用部材３０の厚みは、個包装シート４１と剥離シート４２を合わせた被覆シート４０全体の厚みよりも厚くてよい。使用者は触感によって後処理用部材３０の存在をより把握し易くなる。

　後処理用部材３０は、本体粘着部５１と重ならない領域に配置されてよい。着用物品に吸収性物品１を装着した際に、本体粘着部５１と重ならない領域は、着用物品に対して浮き上がったり、着用物品に拘束されずに動いたりして、後処理用部材３０が視覚的に目立ちやすい。よって、使用者は、使用時に後処理用部材３０の存在に気づきやすくなる。

　後処理用部材３０は、本体部の幅方向の中心２０ＣＷを跨いで配置されてよい。着用物品に吸収性物品１を装着する際に、両手で吸収性物品１を把持すると、本体部２０の幅方向の中心２０ＣＷに触れ易い。このとき、使用者が意識せずに後処理用部材３０に触れ、後処理用部材３０の存在に気づき易い。また、後処理用部材３０が本体部２０の幅方向Ｗの中心に配置されていることを把握している使用者にあっては、後処理用部材３０を基準として、着用物品に対する位置合わせを行うことができる。

　表示部８０の少なくとも一部の色と、後処理用部材３０の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で、色相番号が同じ又は色相番号のずれが５以内であってよい。表示部８０の少なくとも一部の色と、後処理用部材３０の色と、が近似する色であるため、使用者は、表示部８０と後処理用部材３０が関連していることを把握できる。よって、使用者は、操作対象と操作方法を関連づけて認識でき、後処理用部材３０をより適切に使用できる。より好適には、表示部８０の少なくとも一部の色と、後処理用部材３０の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で同じ色相番号の色表であってよい。表示部８０のデザインと後処理用部材３０が一体化し、使用者が両者をより関連づけて把握できる。

　また、シート表示部８１と後処理用部材３０の色が近似する形態にあっては、シート表示部８１を有する被覆シート４０の触感と、後処理用部材３０の触感と、が異なることが好ましい。ここで触感が異なる構成とは、材質が異なっていればよい。このような構成によれば、デザインを一体化させ、使用者に対して関連性を伝えつつ、触感の違いによって異なる部材であることを把握させ、後処理用部材３０の存在を気づかせることができる。

　また、変形例において、表示部８０は、後処理用部材３０に設けられた後処理表示部を有してもよい。後処理用部材自体に、後処理用部材の使用方法を示す表示部を設けることにより、操作対象である後処理用部材をより適切に操作することが可能となる。また、後処理表示部は、他の表示部（シート表示部８１、フラップ剥離表示部８２、本体表示部８３、８４、８４、収容表示部８８）と同じデザインであってもよいし、異なるデザインであってもよい。また、後処理表示部の色と、他の表示部の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で同じ色相番号の色表であってもよいし、異なる色相番号の色表であってもよい。

　止着テープ４５の色と、後処理用部材３０の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で、色相番号のずれが６以上であってよく、止着テープ４５の色と、表示部８０の少なくとも一部の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で、色相番号のずれが６以上であってよい。包装体を開封する際に、使用者は、止着テープ４５を操作する。この操作過程で、使用者は、後処理用部材３０及び表示部８０の存在を把握する。このとき、止着テープ４５の色が、後処理用部材３０及び表示部８０の色と近似する色でないため、使用者は、止着テープ４５が、後処理用部材３０及び表示部８０と関連性がないことを把握できる。よって、表示部８０に示す操作対象が止着テープ４５である等の誤認を防ぎ、後処理用部材３０をより適切に使用できる。

　吸収性物品の自然状態において、後処理用部材３０の表面粗さは、裏面シート２２の表面粗さよりも低い。後処理用部材３０は、裏面シート２２よりも滑らかな触感であり、平滑な状態を維持しやすい。一方、裏面シート２２は、後処理用部材３０よりも凹凸が大きく形成され、平滑な状態を維持し難い。特に、使用後の吸収性物品にあっては、裏面シート２２の凹凸がより顕著になる。そのため、使用者は、吸収性物品の非肌面を触った際の触感、及び見た目の凹凸に基づいて、後処理用部材３０の存在を把握し易くなる。なお、本明細書において、「表面粗さ」とは、シートの表面の粗さであり、シートの表面の感触を表す特性値として一般的に知られている、カトーテック株式会社製のＫＥＳでの特性値（参考文献：風合い評価の標準化と解析（第２版）、著者 川端季雄 発行 昭和５５年７月１０日）に基づいて測定できる。具体的には、カトーテック（株）製ＫＥＳ－ＦＢ４を用いて、各サンプルにおいて１．０×１．０ｃｍの範囲を試料とし、平滑な金属平面の試験台に配置して行う。表面粗さの測定は、その表面（又は裏面）上に、１０ｇｆの荷重を掛け、かつ、０．５ｍｍ径のピアノ線で巻かれた幅０．５ｃｍの接触端子を試料に圧着させて行う。表面粗さの測定では、試料を０．１ｃｍ／ｓｅｃの一定速さで水平に２ｃｍ移動させ、試料には２０ｇｆ／ｃｍの一軸張力が与えられる。測定結果により、表面粗さを求めることができる。

　次いで、図９及び図１０に基づいて、第２実施形態に係る吸収性物品の包装体１００Ｘについて説明する。なお、以下の説明において、上述の第１実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。第２実施形態に係る吸収性物品の包装体１００Ｘは、吸収性物品１Ｘと、被覆シート４０Ｘと、を有する。吸収性物品１Ｘの後処理用部材３０Ｘは、フック部材を備えてなく、シート状の部材である。後処理用部材３０Ｘは、裏面シート２２に固定された固定部３３と、裏面シート２２に対して離間可能に構成された非固定部３２と、を有する。非固定部３２は、裏面シート２２に固定されてなく、使用者が後処理用部材３０を操作する部分である。より詳細には、使用者は、後処理用部材３０を使用する際に、非固定部３２を把持して固定部３３を基点にして非固定部を折り返したり、非固定部３２を伸長したりして、非固定部３２を本体部２０に止着する。

　図１０に示すように、後処理用部材３０は、吸収性物品１の廃棄時に、吸収性物品の肌対向面側を内側にして巻かれた状態の本体部２０に止着し、吸収性物品１が巻かれた状態を維持するように構成されてよい。本実施の形態の後処理用部材３０の非固定部３２は、本体部２０に対して止着可能に構成されている。非固定部３２が本体部２０に止着する構成は、本体粘着部５１であってもよいし、後処理用部材３０に設けられた粘着剤やフック部材等の止着手段であってもよい。

　第２実施形態の包装体１００Ｘのシート表示部８１Ｘは、剥離シート４２Ｘに設けられている。シート表示部８１Ｘは、個包装状態において、包装体の外面に向けられて配置されており、個包装シート４１Ｘを介して視認可能に構成されている。この構成によっても、使用者は、個包装状態においてシート表示部８１を視認でき、後処理用部材３０の使用方法を把握できる。よって、使用者は、後処理用部材３０を適切に使用して、後処理用部材３０によって丸められた状態で清潔に廃棄できる。

　第２実施形態の包装体１００Ｘは、本体部２０Ｘに配置された本体表示部を有してよい。本体表示部は、本体部２０の後端縁２０Ｒと第１幅折り目ＦＷ１の間の後側領域Ｓ３１に配置された第１本体表示部８４と、本体部２０の前端縁２０Ｆと第２幅折り目ＦＷ２の間の前側領域Ｓ１１に配置された第２本体表示部８５と、フラップ部の非肌対向面に配置された第３本体表示部８３と、の少なくともいずれかを有してよい。

　第１本体表示部８４は、後側領域Ｓ３１の非肌対向面に設けられており、第２本体表示部８５は、前側領域Ｓ１１の非肌対向面に設けられている。個包装状態から開封する過程で、第１幅折り目ＦＷ１を基点に本体部２０が折り畳まれた状態、又は第２幅折り目ＦＷ２を基点に本体部が折り畳まれた状態となる。このとき、前側領域Ｓ１１の非肌対向面又は後側領域Ｓ３１の非肌対向面が使用者側に向けられる。使用者は、包装体の開封過程で本体表示部を視認し、後処理用部材３０Ｘの使用方法を把握できる。

　また、本体部２０を廃棄する際は、一般的に本体部を長手方向に丸める。このとき、使用者は、排泄部が付着した面（肌対向面）を内側にして折り畳む傾向がある。本体部には、第１幅折り目及び第２幅折り目による折り癖が付いており、使用者は、折り癖によって前側領域及び後側領域の少なくとも一方を折り畳んだ状態で丸めることができる。このとき、前側領域の非肌対向面と、後側領域の非肌対向面と、の少なくとも一方に本体表示部が設けられており、使用者は、廃棄時に本体部を丸める過程で、本体表示部によって廃棄時の操作を把握できる。

　第３本体表示部８３は、フラップ部としてのウイング２５の非肌対向面に設けられている。包装体を開封する過程で、包装体１００Ｘは、シート展開状態となる。ウイング２５は、シート展開状態において、前後折り目ＦＬを基点に折り畳まれており、ウイング２５の非肌対向面は、使用者に向いて配置されている。使用者は、シート展開状態において、ウイング剥離シートを取り外す操作を行い、ウイング２５の非肌対向面を視認し易い。使用者は、包装体１００Ｘの開封過程で第３本体表示部８３を視認し、後処理用部材３０Ｘの使用方法を把握できる。

　次いで、図１１及び図１２に基づいて、第３実施形態に係る吸収性物品の包装体１００Ｙについて説明する。第３実施形態の包装体１００Ｘの表示部８０Ｙは、個包装状態から折り目を基点に吸収性物品１Ｙ及び被覆シート４０Ｙを展開した展開状態において、包装体１００Ｘの外面に向けられて配置されている。ここで、展開状態は、個包装状態からいずれかの折り目を基点に展開した状態であり、第１展開状態、第２展開状態、シート展開状態を含む。なお、変形例における第２展開状態は、シート展開状態から第１幅折り目ＦＷ１を基点に吸収性物品１の後端縁を前後方向Ｌの外側に展開した状態であってもよい。使用者は、吸収性物品を使用する際に、個包装状態の包装体を手に取って、個包装状態から折り目を基点に展開し、吸収性物品を被覆シートから取り外す。具体的には、個包装状態から第２幅折り目ＦＷ２を基点に吸収性物品１Ｙ及び被覆シート４０Ｙを展開し、第２展開状態とする。図１１は、第３実施形態に係る吸収性物品の包装体１００Ｙの第２展開状態を示している。次いで、第２展開状態から第１幅折り目ＦＷ１を基点に吸収性物品１Ｙ及び被覆シート４０Ｙを展開し、シート展開状態とする。図１２は、第３実施形態に係る吸収性物品の包装体１００Ｙのシート展開状態を示している。

　第３実施形態の表示部８０Ｙは、図１１に示す第２展開状態において、被覆シート４０Ｙとしての個包装シート４１Ｙに設けられたシート表示部８１Ｙと、本体部２０の後側領域Ｓ３１の非肌対向面に設けられた第４本体表示部８４Ｙと、の少なくともいずれかを有する。シート表示部８１Ｙは、第１幅折り目ＦＷ１によって折り畳まれた第１折り返し部Ｒ４１に重ならない領域と、第１幅折り目ＦＷ１によって折り畳まれた第１折り返し部Ｒ４１と、にそれぞれ設けられている。第１折り返し部Ｒ４１に設けられたシート表示部８１Ｙは、個包装状態において第２折り返し部Ｒ４２によって覆われた領域に設けられていてもよいし、個包装状態において第２折り返し部Ｒ４２によって覆われていない領域に設けられていてもよい。第４本体表示部８４Ｙは、本体部２０の非肌対向面に設けられており、第２展開状態において被覆シート４０Ｙを介して包装体の外側から視認可能に構成されていてよい。シート表示部８１Ｙ及び第４本体表示部８４Ｙは、第２展開状態において、包装体の外側から視認可能である。第３実施形態の吸収性物品の包装体１００Ｙは、剥離シートを備えてなく、被覆シート４０Ｙは、個包装シート４１Ｙのみによって構成されている。このような構成によれば、剥離シートを有する形態と比較して、被覆シートの光線透過率が高くなり、被覆シート４０Ｙを介して本体表示部を視認し易くなる。加えて、被覆シート４０Ｙを介して後処理用部材３０Ｙを視認し易く、個包装状態において後処理用部材３０Ｙの存在を把握し易くなる。なお、剥離シートを備えていない形態にあっては、個包装シート４１Ｙは、後処理用部材３０Ｙのフック部材３１が引っ掛かり難い材質が好ましく、例えば、フィルムであってよい。

　また、第３実施形態の表示部８０Ｙは、図１２に示すシート展開状態において、被覆シート４０Ｙとしての個包装シート４１Ｙに設けられたシート表示部８１Ｙと、フラップ剥離シート４３に配置されたフラップ剥離表示部８２Ｙと、フラップ部の非肌対向面に配置された第３本体表示部８３Ｙと、の少なくともいずれかを有する。シート表示部８１Ｙは、前後折り目ＦＬを基点に折り畳まれウイング２５に重ならない領域に設けられており、吸収性物品１Ｙに重ならない領域に設けられている。シート表示部８１Ｙは、シート展開状態において、個包装シート４１Ｙの前端縁と第２幅折り目ＦＷ２との間の領域、第１幅折り目ＦＷ１と第２幅折り目ＦＷ２との間の領域、及び個包装シート４１Ｙの後端縁と第１幅折り目ＦＷ１との間の領域の少なくともいずれかに設けられてよく、全ての領域に設けられていてもよい。第３本体表示部８３Ｙは、本体部２０の非肌対向面に設けられており、シート展開状態においてフラップ剥離シート４３を介して包装体の外側から視認可能に構成されていてよい。シート表示部８１Ｙ、フラップ剥離表示部８２Ｙ及び第３本体表示部８３Ｙは、シート展開状態において、包装体の外側から視認可能である。

　このように構成された第３実施形態に係る吸収性物品の包装体１００Ｙによれば、使用者が個包装状態から展開状態に操作する際に、表示部８０Ｙを視認でき、後処理用部材３０の使用方法を把握できる。よって、使用者は、後処理用部材３０を適切に使用して、後処理用部材によって丸められた状態で清潔に廃棄できる。

　次いで、図１３に基づいて、第４実施形態に係る吸収性物品の包装体１００Ｚについて説明する。図１３は、第４実施形態に係る吸収性物品の包装体の非肌対向面側から見た分解斜視図である。第４実施形態の吸収性物品の包装体１００Ｚは、剥離シートを備えてなく、被覆シート４０Ｚは、個包装シート４１Ｚのみによって構成されている。第４実施形態に係る吸収性物品１Ｚは、ウイング及びフラップ剥離シートを有していない。第４実施形態に係る後処理用部材３０Ｚは、フック部材を備えてなく、シート状の部材である。後処理用部材３０Ｚの一部は、本体部に固定されてなく、吸収性物品１の廃棄時に本体粘着部５１Ｚに対して止着可能に構成されている。第４実施形態の表示部は、本体部２０Ｚの非肌対向面に設けられた本体表示部８６Ｚを有している。本体表示部８６Ｚは、本体粘着部５１Ｚと重ならない領域と、本体粘着部５１Ｚと重なる領域と、に設けられている。第４実施形態に係る吸収性物品の包装体１００Ｚによれば、剥離シートを有する形態と比較して、被覆シートの光線透過率が高くなり、被覆シート４０Ｙを介して本体表示部８６Ｚを視認し易くなる。加えて、被覆シート４０Ｙを介して後処理用部材３０Ｚを視認し易く、個包装状態において後処理用部材３０Ｚの存在を把握し易くなる。なお、剥離シートを備えていない形態にあっては、個包装シート４１Ｚは、本体粘着部５１Ｚを剥離可能に覆う材質が好ましく、例えば、フィルムであってよい。

　次いで、第５実施形態に係る吸収性物品の包装体について説明する。第５実施形態に係る吸収性物品の包装体は、使用前の個包装状態において、吸収性物品及び被覆シートが共に、前後折り目及び幅折り目を基点に折り畳まれている。より詳細には、被覆シート上に吸収性物品が配置された第１展開状態において、幅方向に離間し、かつ前後方向に延びる一対の前後折り目を基点に被覆シート及び吸収性物品が折り畳まれる。次いで、一対の前後折り目を基点に折り畳まれた状態で、前後方向に離間し、かつ幅方向に延びる一対の幅折り目を基点に被覆シート及び吸収性物品が折り畳まれる。このように折り畳まれた包装体を展開する際は、幅折り目を基点に展開し、次いで、前後折り目を基点に展開する。一対の前後折り目を基点に折り畳まれた状態（幅折り目を基点に展開した状態）で、折り畳まれた被覆シート同士は、部分的に重なってよく、折り畳まれた被覆シートには、シート表示部が設けられている。このような形態によれば、一対の前後折り目を基点に折り畳まれた状態（幅折り目を基点に展開した状態）で使用者がシート表示部を視認することができ、個包装状態から展開する過程で、後処理用部材の使用方法を把握できる。例えば、吸収性物品の肌面側同士が向き合うように前後折り目を基点に折り畳む形態にあっては、前後折り目を基点に折り畳まれた被覆シートは、吸収コアよりも肌面側に位置し、後処理用部材と反対側に位置する。このような形態では、一対の前後折り目を基点に折り畳まれた状態（幅折り目を基点に展開した状態）では、後処理用部材を使用者が視認できないことがある。しかし、視覚によって後処理用部材の存在を把握できない場合であっても、開封時にシート表示部によって後処理用部材の存在を把握できる。

　次いで、図１４に基づいて、吸収性物品の収容体１１０について説明する。吸収性物品の収容体１１０は、複数の吸収性物品の包装体１００と、厚さ方向Ｔに積層された複数の前記吸収性物品の包装体を収容する収容袋１２０と、を有する。収容袋は、後処理用部材３０の使用方法を示す収容表示部８８を有する。後処理用部材３０の少なくとも一部は、収容表示部８８と重ならない領域に配置されている。使用者は、収容表示部８８を視認することで、収容袋１２０に包装体１００が収容された状態においても、後処理用部材３０の存在及び使用方法を把握できる。また、後処理用部材３０の少なくとも一部は、後処理用部材３０と重ならないため、収容表示部８８と後処理用部材３０のそれぞれを収容体１１０の外側から認識し易くなる。よって、後処理用部材３０の存在により気づきやすくなり、また、後処理用部材３０の位置を把握し易くなり、使用者は、後処理用部材３０を適切に使用して、後処理用部材３０によって丸められた状態で清潔に廃棄できる。

　また、本体部２０の吸収コア２３は、前後方向に延び、かつ幅方向に間隔を空けて配置された一対の前後折り目ＦＬを基点に折り畳まれてよい。後処理用部材３０は、一対の前後折り目を基点に折り畳まれた状態において折り畳まれた吸収コアに重ならない領域に配置されてよい。収性物品の包装体は、使用前に厚さ方向に積層された状態で収容袋に収容されており、厚さ方向に押圧されている。このとき、折り畳まれた吸収コアが配置された領域は、吸収コアが２層となっており、折り畳まれた吸収コアが配置されていない領域と比較してより押圧される。一方、折り畳まれた吸収コアが配置されていない領域は、押圧され難い。折り畳まれた吸収コアが配置されていない領域に後処理用部材が配置されているため、後処理用部材が押圧によって潰れることを抑制できる。よって、廃棄時に後処理用部材を用いて清潔に廃棄できる。

　以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。

　本態様によれば、使用者が後処理用部材を適切に使用して、後処理用部材によって丸められた状態で清潔に廃棄可能な吸収性物品の包装体及び吸収性物品の収容体を提供できる。

　なお、２０１９年１１月１８日に出願された中華人民共和国特許出願第２０１９１１１２５９３６．６号の全内容が、参照により、本明細書に組み込まれる。

　１、１Ｘ、１Ｙ、１Ｚ：吸収性物品、２０、２０Ｘ：本体部、２１：表面シート、２２：裏面シート、２３：吸収コア、３０、３０Ｘ、３０Ｙ、３０Ｚ：後処理用部材、３１：フック部材、３１１：軸部、３１２：傘部、３５：基材シート、４０、４０Ｘ、４０Ｙ、４０Ｚ：被覆シート、４１、４１Ｘ、４１Ｙ、４１Ｚ：個包装シート、４２、４２Ｘ：剥離シート、４３：フラップ剥離シート、８０、８０Ｘ：表示部、８１、８１Ｘ、８１Ｙ：シート表示部、８２、８２Ｘ：フラップ剥離表示部、８３、８３Ｘ、８４、８４Ｙ、８６Ｚ：本体表示部、８８：収容表示部、１００、１００Ｘ、１００Ｙ、１００Ｚ：吸収性物品の包装体、１１０：吸収性物品の収容体、Ｌ：前後方向、Ｗ：幅方向

Claims (12)

1. 　前後方向と、
   　前記前後方向に直交する幅方向と、
   　表面シート、裏面シート及び吸収コアを有する本体部と、
   　前記本体部の非肌対向面側に配置された後処理用部材と、を有する吸収性物品と、
   　前記吸収性物品の非肌対向面側に配置され、前記後処理用部材を覆う被覆シートと、を有する吸収性物品の包装体であって、
   　前記後処理用部材の使用方法を示す表示部を有し、
   　前記表示部は、前記被覆シートに設けられたシート表示部を有し、
   　前記被覆シートによって前記吸収性物品が個別に包装された個包装状態において、前記後処理用部材及び前記シート表示部は、前記包装体の外面に向けられて配置されている、吸収性物品の包装体。
2. 　前記被覆シートは、前記個包装状態において複数の折り目を基点に折り畳まれ、前記折り目を基点に折り畳まれた折り返し部を複数有し、
   　前記個包装状態において、前記包装体は、前記折り返し部のうち最も外側に位置する折り返し部が配置された開封面を有し、
   　前記シート表示部は、前記開封面における前記被覆シートに設けられている、請求項１に記載の吸収性物品の包装体。
3. 　前記包装体は、前記個包装状態において、前記開封面と反対側の非開封面を有し、
   　前記後処理用部材は、前記個包装状態において前記非開封面に対向して設けられている、請求項２に記載の吸収性物品の包装体。
4. 　前記包装体は、前記個包装状態において、前記開封面と反対側の非開封面を有し、
   　前記包装体の前記開封面及び前記非開封面のうち一方の面には、前記後処理用部材及び前記シート表示部が対向して配置されている、請求項３に記載の吸収性物品の包装体。
5. 　前記本体部は、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出したフラップ部を有し、
   　前記包装体は、シート展開状態において、前記被覆シートが展開し、かつ前記フラップ部が前記本体部の肌対向面側同士が向き合うように折り畳まれており、
   　前記表示部は、前記本体部に配置された本体表示部を有し、
   　前記本体表示部は、前記フラップ部の非肌対向面に配置されている、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の吸収性物品の包装体。
6. 　前記本体部は、前記吸収コアよりも前記幅方向の両側に延出した一対のフラップ部と、前記本体部を着用物品に接合するための粘着部と、を有し、
   　前記粘着部は、前記一対のフラップ部を着用物品に接合するための一対のフラップ粘着部を有し、
   　前記包装体は、シート展開状態において、前記被覆シートが展開し、かつ前記フラップ部が前記本体部の肌対向面側同士が向き合うように折り畳まれており、
   　前記包装体は、前記一対のフラップ部が折り畳まれた状態で前記一対のフラップ粘着部を覆うフラップ剥離シートを有し、
   　前記表示部は、前記フラップ剥離シートに配置されたフラップ剥離表示部を有する、請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の吸収性物品の包装体。
7. 　前記本体部は、前記個包装状態において、前記幅方向に延びる複数の折り目を基点にして肌対向面側同士が向き合うように折り畳まれており、
   　前記複数の折り目は、前記本体部の後端縁側に配置された第１幅折り目と、前記本体部の前端縁側に配置された第２幅折り目と、を有し、
   　前記表示部は、前記本体部に配置された本体表示部を有し、
   　前記本体表示部は、前記本体部の後端縁と前記第１幅折り目の間の後側領域の非肌対向面と、前記本体部の前端縁と前記第２幅折り目の間の前側領域の非肌対向面と、の少なくとも一方に配置されている、請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の吸収性物品の包装体。
8. 　前記表示部の少なくとも一部の色と、前記後処理用部材の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で、色相番号が同じ又は色相番号のずれが５以内である、請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の吸収性物品の包装体。
9. 　前記被覆シートは、前記個包装状態において複数の折り目を基点に折り畳まれ、前記折り目を基点に折り畳まれた折り返し部を複数有し、
   　前記折り返し部のうち最も外側に位置する折り返し部は、前記個包装状態において前記折り返し部に重なる前記被覆シートと止着テープによって接合されており、
   　前記止着テープの色と、前記後処理用部材の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で、色相番号のずれが６以上であり、
   　前記止着テープの色と、前記表示部の少なくとも一部の色と、は、オストワルト色相環によって分類された２４色の色票で、色相番号のずれが６以上である、請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の吸収性物品の包装体。
10. 　前記被覆シートは、前記吸収性物品を個別に包装する個包装シートを有し、
    　前記後処理用部材は、着色されており、
    　前記後処理用部材の厚みは、前記個包装シートの厚みよりも厚い、請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の吸収性物品の包装体。
11. 　前後方向と、
    　前記前後方向に直交する幅方向と、
    　表面シート、裏面シート及び吸収コアを有する本体部と、
    　前記本体部の非肌対向面側に配置された後処理用部材と、を有する吸収性物品と、
    　前記吸収性物品の非肌対向面側に配置され、前記後処理用部材を覆う被覆シートと、を有し、
    　前記吸収性物品及び前記被覆シートが複数の折り目を基点にして折り畳まれることによって、前記被覆シートによって前記吸収性物品が個別に包装された個包装状態となる吸収性物品の包装体であって、
    　前記後処理用部材の使用方法を示す表示部を有し、
    　前記表示部は、前記個包装状態から前記折り目を基点に前記吸収性物品及び前記被覆シートを展開した展開状態において、前記包装体の外面に向けられて配置されている、吸収性物品の包装体。
12. 　請求項１から請求項１１のいずれかに記載の吸収性物品の包装体と、
    　厚さ方向に積層された複数の前記吸収性物品の包装体を収容する収容袋と、を有する吸収性物品の収容体であって、
    　前記収容袋は、前記後処理用部材の使用方法を示す収容表示部を有し、
    　前記後処理用部材の少なくとも一部は、前記収容表示部と重ならない領域に配置されている、吸収性物品の収容体。

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