WO2021075410A1

WO2021075410A1 - 指圧器

Info

Publication number: WO2021075410A1
Application number: PCT/JP2020/038550
Authority: WO
Inventors: 高橋泰生
Original assignee: 高橋泰生
Priority date: 2019-10-18
Filing date: 2020-10-12
Publication date: 2021-04-22
Also published as: JP3225391U; CN216777513U; KR20210119990A

Abstract

本指圧器は、マット（ベッドあるいは敷き布団）に仰臥して使用する。首・肩から背中・腰までの指圧のツボに対して、指圧師が行う５～４０ｋｇ程度の刺激を、一人で、身体の重みを利用して行う。身体と接する指圧器の突起部は1つで山型とし、先端部の尖りの程度を水平断面直径１.５ｃｍとなる面から頂点までの距離が０.５～０.８ｃｍになるように調整する。これを台の先端に取り付けて、指圧部位の高さを７ｃｍ程度とする。この高さにより、体位を変えながら突起部先端を一点のツボに集中させれば、ヒトが行う指圧と同等の刺激を加えることができる。取り付け台座は、指圧部を肩から腰部まで自由に移動できるように、片手で動かせる２０～２１ｃｍ程度の長さのものとする。左右を同時に指圧したい場合、左右に１台ずつ持って行う。首の指圧には両手を使うため、突起部を台座の中央に取り付けて行う。外観は、図面の図５を参照。

Description

指圧器

本発明は、腰痛・首肩凝り等に対して、仰臥位にて自己の体重をかけて、指圧効果を施す指圧器に関するものである。

従来の指圧器としては、床等に据え置き、単一接点で体重をかけることにより、指圧効果を施すものとして、特開２００７－１６００５６号、実用新案登録第３１９７４３４号、実用新案登録第３２０８６２８号、実用新案登録第３２１３８３４号公報が公知である。

特開２００７－１６００５６号公報実用新案登録第３１９７４３４号公報実用新案登録第３２０８６２８号公報実用新案登録第３２１３８３４号公報

指圧は、指圧師による施術が最も優れている。指圧器は、人の手を借りずに、その施術に少しでも近づくことを目的とする。指圧師の拇指と体との接点は、拇指先端骨（医学的には末節骨）であり、硬く幅は約１ｃｍである。特許文献１の指圧器は、ボール状で弾性材料を用いているため、ツボへの力が分散する。また特許文献２の指圧器は、硬さはあるがボール状のため接点が広く、指圧効果が乏しくなる。また特許文献３の指圧器は、硬さはあり、接点もボール状を一部釣鐘状にするなど工夫されているが、接点が１ｃｍよりかなり広くなる。また特許文献４の指圧器は、突起部を複数個だけでなく１つにもでき硬さも変えられるため検討を行ったが、先端が尖らない円丘状ないしは円錐状であり、接点は広い。

指圧効果は、接点以外に、圧と時間と角度が関係し、指圧師の場合には力は５～４０ｋｇ程度、指圧時間は５秒前後で、ツボに対して垂直に当てる。肩・背中・腰部では特に圧が必要となるが、筋肉やその他の組織を痛めないように、圧と時間の配分を行い、場所も上下・左右に移動させる。指圧器の場合、圧を高めるためには、床と浮かした体との間の距離（高さ）が必要となる。特許文献１・２・４では、可動性があり一つのツボへの時間は短くなるが、指圧接点の高さが低く圧がかかりにくい。特許文献３では、高さが最大１５ｃｍであるため体が浮いて圧はかかるが、底辺が狭いため可動性に乏しく、一つのツボへの指圧時間が長くなる。また、ツボに対する角度も重要である。ツボは床とは平行でないためツボごとに角度を変える必要があるが、特許文献１・２・３・４ではいずれも考慮されていない。

以上の課題を解決するためには、指圧という行為を科学的に分析しなければならない。指圧に使うヒトの拇指の末節骨は、先端が円形で直径は約１ｃｍである。厚みは、周囲の組織とあわせると約０.８ｃｍほどであり、その上に約１.５ｃｍ四方の爪が覆っている。指圧には、このような形態に近づける器具が必要となる。さらに、かなりの力で押すという行為が加わるため、一人で行うには体重などの力を利用する必要がある。この課題を解決できる器具の作製を行った。

肩から・背中・腰にかけてまんべんに、休むことなく指圧できる。仰臥位で、体を左や右に傾けて指圧のツボに突起部を当て、腰を浮かせたり反動をつけたりなどの方法で強い圧を加えることができ、秒単位でツボを移動できる。骨以外ならばどこでも指圧することができ、痛いが気持ちよい程度に圧を加減しながら動かすことができる。左右１台ずつ使えば、左右同時指圧ができる。突起部を台座の中心に付ければ、座った状態でも首の指圧ができる。痛む患部がない場合でも、首・肩・背中・腰部の張りに対し毎日就眠前に５分～３０分程度の自己指圧をすることにより、快い睡眠を得ることができる。

図１は、台座が一つ穴の初期モデルの外観図である。図２は、台座が一つ穴の側面断面図である。図３は、突起部と台座の縦断面図である。突起部と台座の間に円板をはさめる。図４は、突起部の写真である。左は未加工、中央は先端部分を加工、右は硬質プラスチック模型を示す。図５は、台座が二つ穴の現行モデルの外観図である。図６は、台座が二つ穴の断面図である。突起部先端の尖りの程度を数値で示した。円板の代用になるＭ８ナットを示す。図７は、ヒトの拇指とＸ線、指圧時の拇指背屈である。

本発明に係る指圧器の一実施例である指圧器１を図１に示す。指圧器１は、突起部３、及び、台座部５を有している。指圧は、ヒトの拇指を使って行われる。指圧器１において、人の拇指による指圧を再現しようとするならば、突起部３を山型とし、その先端を割れや摩耗しないような堅さにする必要がある。そこで、突起部３を形成するにあたり、崖柏木（ガイハクボク）という硬質な木を使った「にぎり玉六角」と呼ばれる市販品を利用した。なお、突起部３を形成するにあたり、図４Ｃに示すように、硬質プラスチックで形成してもよい。

「にぎり玉六角」の平面図を図４Ａに示す。図４Ａに示すように、「にぎり玉六角」は、双角錐の６つの先端が半球面状に丸められた形状を有している。双角錐は、２つの四角錘の互いの底面を合わせて一体とした八面体形状を有している。「にぎり玉六角」の６つの先端のうち、最も形の良い1つの先端を指圧用先端３ａとして用いる。指圧用先端３ａの対側の先端を切り落として、平面状の取付面３ｃを形成する。これにより、「にぎり玉六角」から、指圧用先端３ａを頂点とする山形の突起部を形成する。

　図２に指圧器１の断面を示す。突起部３は、取付面３ｃから頂点３ａ１までの高さＨ３を、４ｃｍに調整する。また、指圧用先端３ａの頂点３ａ１が尖りすぎないように、指圧用先端３ａにおいて、水平断面直径１.５ｃｍとなる面Ｐ１から、頂点３ａ１までの距離Ｌ１が０.５～０.８ｃｍになるように調整する。

図１に示すように、突起部の指圧用先端３ａ以外の４つの先端は、突起部３を台座５に取り付けたり、取り外したりする際のにぎり部分となる操作用先端３ｂとなる。操作用先端３ｂは、場合によっては、握りやすくなるように加工する。

なお、「にぎり玉六角」の６つの先端のいずれもが尖りすぎている場合は、身体に押し当てても痛みがないように、図４Ｂに示すように、６つのうちの１つの先端を、直径ＤＭ１ｃｍ以内の平坦な面に研磨し、指圧用先端３ａとして用いてもよい。

　図２に示すように、突起部３は、台座５に取り付けるための第１固定部３ｄを有している、第１固定部３ｄは、４ｃｍの長さのＭ８ボルトを用いて形成する。第１固定部３ｄは、突起部３の取付面３ｃに８ｍｍの穴を開けて、ボルトを２ｃｍ埋め込み、接着剤で固定することによって形成する。

　突起部３を取り付ける台座５は、温かみのある木材を使って形成する。仰臥位で楽な姿勢でツボを押すためには、図２に示すように、突起部３を取付面３ｃが台座５の上面５ａに接するように、台座５に取り付けた状態での台座５の下面５ｂから突起部３の頂点３ａ１までの指圧器１の標準高さＨ１は、マットから７ｃｍが適当と判断した。突起部の高さＨ３が４ｃｍのため、台座の高さＨ５は３ｃｍとする。また、台座５を手に持って突起部３をすべてのツボに当てるためには、台座５は、最短２０～２１ｃｍの長さＬ５が必要となる。図３に示すように、突起部３を取り付けるため、台座５の幅Ｗ５は５ｃｍとする。台座５の下面５ｂは、頭部と側面の角（図２と図３参照）をロッキングチェアのように丸く削ることにより、ツボに対して適宜角度が変えられるようにする。

　図２に示すように、台座５は、頭部に、突起部３を取り付けるための第２固定部５ｃを有している。第２固定部５ｃは、台座５の上面５ａから深さ２.５ｃｍまでの穴をあけて、２ｃｍの長さの「鬼目ナット Eタイプ」を埋め込むことにより形成する。これにより、突起部３の第１固定部３ｄを台座部５の第２固定部５ｃに螺合させることによって、突起部３と台座５とを、Ｍ８ボルト・ナットで安全かつ強く結合できる。

図３に示すように、指圧器１の全体の高さを７ｃｍ以上、つまり、標準高さＨ１以上にする場合、突起部３を操作用先端３ｂを用いて回して、突起部３の第１固定部３ｄと台座５の第２固定部５ｃとの螺合をゆるめればよいが、ゆるめた分だけ第１固定部３ｄが表面に出る。安全性を高めるため、ボルト３ｄを通すことができる直径３ｃｍ・高さ１ｃｍの穴あき円板７を、突起部３を台座５に取り付ける際に、突起部３の取付面３ｃと台座５の上面５ａとの間に配置すれば、指圧器１の高さを、標準高さから１ｃｍ程度かさ上げできる。なお、図６に示すように、円盤７に代えて、市販のＭ８ナット９（厚さ５ｍｍまたは６.５ｍｍ）を用いてもよい。

図１・２に示すように、指圧器１を使用する際には、台座５の第２固定部５ｃの位置に、突起部３の第１固定部３ｄを合わせて、台座５に突起部３を取り付ける。突起部３の指圧用先端３ａを、指圧のツボに当てて、左右に身体を傾けてゆっくり体重をかける。健常な筋肉はほとんど痛みを感じないので、少しずつ上下いずれかにずらしては、数秒ずつ体重をかけていく。骨にあたると痛いので注意する。痛みを少しでも感じる部位があると、「少し痛いが気持ちいい」程度に体重をかける。同じ場所を続けたい場合は、ゆっくり当てたりゆるめたりしながら行う。気持ちよくなったら移動する。ツボでなくても、筋肉を指圧すると痛みやこりが緩和される。指圧師が左右の拇指を重ね合わせて一点に圧をかけるような強い力が必要な場合、膝を立てて腰を上げたり、時には反動をつけたりする。指圧する時間は、毎日５分～３０分程度だが、場合により１時間行うことも可能である。

柔らかいマット上で使用する場合や、厚めの皮下脂肪を有するヒトが使用する場合、指圧器１の標準高さ７ｃｍでは、十分な体重を突起部３にかけることができない。その場合、図３・６に示すように、突起部３と台座５の間に厚みのある円板７かＭ８ナット９をはさむ。いずれも、結合部位が１ｃｍの長さでも安全に固定することができ、指圧器１の高さを８ｃｍまで高くすることが可能である。使用できる市販のＭ８ナット９は、ピッチ１.２５ｍｍ、厚さ５ｍｍと６.５ｍｍである。

首の指圧のために、台座５の頭部に１つの第２固定部５ｃを有する初期モデルに対して、図５・６に示すように、２つの第２固定部５ｃと５ｄを有する台座１５を有する指圧器１１を考案した。台座１５は、頭部に形成した第２固定部５ｃに加えて、台座１５の中央に、台座５の頭部に形成した第２固定部５ｃと同様に、２ｃｍの長さの「鬼目ナット Eタイプ」を埋め込むことにより、もう一つの第２固定部５ｄを形成する。突起部３を台座１５の中央の第２固定部５ｄに付ければ、両手を使えるため、首の指圧が容易となる。

首の指圧をする場合、台座１５の中央の第２固定部５ｄに突起部３を取り付ける。両手で指圧器１１を支え、突起部３をツボに当てて、首の力を利用してツボ押しを行う。

指圧師が左右の拇指を使って行う２点指圧の場合、左右は同じ幅、同じ角度、同じ深さではない。そのため、理想の２点指圧をしたい場合には、同一の台座に２つの突起部ではなく、左右に指圧器を１つずつ持って行う。

Claims

　水平断面直径１.５ｃｍとなる面から頂点までの距離が０.５～０.８ｃｍになる先端を有する山型の突起部、
　前記突起部を取り付ける台座、
　を有する指圧器。
前記突起部は単数で、自身の下面から前記頂点までの高さは４ｃｍである、請求項１記載の指圧器。
前記突起部は、先端部分が割れや摩耗しにくいような硬質な材料を用いて形成したこと、
を特徴とする請求項１記載の指圧器。
　前記台座は、
　厚さ３ｃｍ・幅５ｃｍ・長さ２０～２１ｃｍであり、頭部と側面の角を丸く削っていること、
　を特徴とする請求項１記載の指圧器。
前記台座は、
前記突起部を固定する固定部を、頭部に有すること、
を特徴とする請求項１記載の指圧器。
　前記台座は、
　前記突起部を固定する固定部を、中央部に有すること、
　を特徴とする請求項１記載の指圧器。
　さらに、前記台座と突起部との間に取り付ける高さ調整部材、
　を有する請求項１記載の指圧器。