WO2020261504A1

WO2020261504A1 - 蓄電池用収納箱及び組電池

Info

Publication number: WO2020261504A1
Application number: PCT/JP2019/025694
Authority: WO
Inventors: 和一吉岡; 浩司坂野
Original assignee: 昭和電工マテリアルズ株式会社
Priority date: 2019-06-27
Filing date: 2019-06-27
Publication date: 2020-12-30
Also published as: JPWO2020261504A1

Abstract

キュービクル（１００）は、前方に開口する第一開口部（２０ｇ）を有すると共に左右方向に配列される鉛蓄電池（１０）が収納される筐体（２０）と、鉛直方向に筐体が積み重ねられた筐体群（１２０）が載置されるベース部材（２）と、第二開口部（６０ａ）と第三開口部（６０ｂ）とを有する枠体（６０）と、枠体の第三開口部を覆う蓋体（７０）と、を備える。前後方向から見たときに、左右方向における枠体の外形の端部は、左右方向における筐体の外形の少なくとも一方の端部よりも外側に位置する。前後方向から見たときに、左右方向におけるベース部材の外形の端部は、左右方向における筐体の外形の端部と同じ位置又は筐体の外形の端部よりも外側に位置すると共に、左右方向における枠体の外形の端部と同じ位置又は枠体の外形の端部よりも内側に位置している。

Description

蓄電池用収納箱及び組電池

　本発明の一側面は、蓄電池用収納箱及び組電池に関する。

　所望の出力電圧を得るために、複数の蓄電池を組み合わせた組電池が知られている。このような組電池は、防災上及び保安上の観点から、鋼板等にて形成された蓄電池用収納箱の中に収納されることがある。例えば、特許文献１には、床面に固定されたベース部（前後一対のチャンネルベール）の上に、複数の蓄電池を収納可能な筐体（電池収納筐）が鉛直方向に配列された蓄電池用収納箱（キュービクル式蓄電池筐組立体）が開示されている。この蓄電池用収納箱の筐体の前面には、筐体の開口部を覆うための扉が設けられている。

特開２００４－１０３４８９号公報

　より高い出力電圧を得るために、特許文献１に記載されているような蓄電池用収納箱に収納された組電池を複数並べて、電気的に接続したい場合がある。しかしながら、このような組電池を一方向に並べた場合、一方向におけるベース部のサイズが筐体のサイズよりも大きいので、隣り合う筐体同士に隙間が生じ、組電池同士を接続する配線が蓄電池用収納箱から露出してしまう。ところが、保安上の観点から、上記配線が蓄電池用収納箱から露出することは許容されない場合がある。この場合、配線が露出しないように別部材によって配線を保護する等の対策を取る必要が生じ、施工性に劣っていた。

　そこで、本発明の一側面は、蓄電池用収納箱に収納された複数の組電池を並べ、電気的に接続する際の施工性を向上させることができる蓄電池用収納箱及び組電池を提供することを目的とする。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱は、第一水平方向における一方側に開口する第一開口部を有する電池収納部であって、複数の蓄電池が収納される電池収納部と、床面に設置されると共に電池収納部が載置されるベース部と、第一水平方向における他方側に形成されると共に第一開口部に接続される第二開口部と、第一水平方向における一方側に形成される第三開口部と、を有する枠部と、枠部の第三開口部を覆う蓋部と、を備え、第一水平方向から見たときに、第一水平方向に直交する第二水平方向における枠部の外形の少なくとも一方の端部は、第二水平方向における電池収納部の外形の端部よりも外側に位置し、第一水平方向から見たときに、第二水平方向におけるベース部の外形の端部は、第二水平方向における電池収納部の外形の端部と同じ位置又は電池収納部の外形の端部よりも外側に位置すると共に、第二水平方向における枠部の外形の端部と同じ位置又は枠部の外形の端部よりも内側に位置している。

　この蓄電池用収納箱では、電池収納部が開口する正面側から蓄電池用収納箱を見ると、電池収納部（すなわち、電池収納部に収納された蓄電池）は枠部に設けられた蓋部によって完全に覆われた状態となる。したがって、保安性が確保される。また、枠部同士が接するように第二水平方向に蓄電池用収納箱を並べると、隣り合う電池収納部同士の間には隙間が形成される。このため、蓄電池用収納箱を並べて配置したときに互いに接する枠部の境界面に配線を挿通する連絡孔を形成すれば、蓄電池用収納箱から露出させることなく組電池同士を電気的に接続することができる。この結果、蓄電池用収納箱に収納された複数の組電池を並べ、電気的に接続する際の施工性を向上させることができる。

　なお、上記の電池収納部、ベース部、枠部、蓋部は、それぞれが一つの部材として形成されてもよいし、選択的に組み合わせられた部材として形成されてもよい。例えば、枠部と蓋部とは一体的に形成された部材であってもよい。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、第一水平方向から見たときに、第二水平方向におけるベース部の外形の端部の位置は、第二水平方向における枠部の外形の端部の位置と一致してもよい。この構成では、複数の蓄電池用収納箱を組み立てる際に、隣り合うベース部が互いに接するように配置するだけでそれぞれの蓄電池用収納箱の位置を決めることができる。これにより、施工性をより一層向上させることができる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、枠部に形成されており、隣接して配置される蓄電池用収納箱に設けられる枠部との間で電気的に接続される配線用の第一連絡孔が形成されていてもよい。この構成では、第一連絡孔が形成されているので、組立時に配線用の連絡孔を形成する必要がない。これにより、施工性をより一層向上させることができる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、鉛直方向において電池収納部の上方に設けられており、複数の蓄電池に電気的に接続される端子部を収納する端子収納部を更に備え、枠部は、端子収納部の第一水平方向における一方側に配置されており、第一水平方向から見たときに、第二水平方向における端子収納部の外形の少なくとも一方の端部は、第二水平方向における枠部の外形の端部と同じ位置又は枠部の外形の端部よりも外側に位置していてもよい。この構成では、組電池の端子部を収納する端子収納部を利用して、組電池同士を電気的に接続することが可能となる。すなわち、蓄電池用収納箱を並べて配置したときに互いに接する端子収納部の境界面に配線を挿通する連絡孔を形成すれば、蓄電池用収納箱から露出させることなく組電池同士を電気的に接続することができる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、端子収納部に形成されており、隣接して配置される蓄電池用収納箱に設けられる端子収納部との間で電気的に接続される配線用の第二連絡孔が形成されていてもよい。この構成では、第二連絡孔が形成されているので、組立時に配線用の連絡孔を形成する必要がない。これにより、施工性をより一層向上させることができる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、枠部の上端は、鉛直方向において、電池収納部の上端よりも上方に位置していてもよい。この構成では、電池収納部が開口する正面側から蓄電池用収納箱を見たときに、枠部に設けられた蓋部によって端子収納部が完全に覆われた状態とすることができる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、枠部の第三開口部は、鉛直方向に配列された複数の蓋部によって覆われていてもよい。この構成では、メンテナンスに必要な箇所の蓋部のみを着脱すればよい。このため、メンテンナンス時の作業性が向上する。また、蓄電池用収納箱は、比較的に狭い場所に設置されることが多い。このため、開口部全体を覆う一枚の蓋部と比べて蓋部を取り外した際に蓋部を置き易くなる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、蓄電池は、電池収納部、枠部、前記蓋部、及びベース部によって囲まれる閉塞空間の一部に配置されていてもよい。この構成では、保安性を確保することができる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、第一水平方向における一方側に開口する第一開口部を有する電池収納部であって、第一水平方向に直交する第二水平方向に配列される蓄電池が収納される電池収納部と、床面に設置されると共に電池収納部が載置されるベース部と、鉛直方向において電池収納部の上方に設けられており、複数の蓄電池に電気的に接続される端子部を収納する端子収納部と、を備え、第一水平方向から見たときに、第二水平方向における端子収納部の外形の少なくとも一方の端部は、第二水平方向における電池収納部の外形の端部よりも外側に位置し、第一水平方向から見たときに、第二水平方向におけるベース部の外形の端部は、第二水平方向における電池収納部の外形の端部と同じ位置又は電池収納部の外形の端部よりも外側に位置すると共に、第二水平方向における端子収納部の外形の端部と同じ位置又は端子収納部の外形の端部よりも内側に位置している。

　この蓄電池用収納箱では、電池収納部が開口する正面側から蓄電池用収納箱を見ると、電池収納部（すなわち、電池収納部に収納された蓄電池）は枠部に設けられた蓋部によって完全に覆われた状態となる。したがって、保安性が確保される。また、端子収納部同士が接するように第二水平方向に蓄電池用収納箱を並べると、隣り合う電池収納部同士の間には隙間が形成される。このため、蓄電池用収納箱を並べて配置したときに互いに接する端子収納部の境界面に配線を挿通する連絡孔を形成すれば、蓄電池用収納箱から露出させることなく組電池同士を電気的に接続することができる。この結果、蓄電池用収納箱に収納された複数の組電池を並べ、電気的に接続する際の施工性を向上させることができる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、第一水平方向から見たときに、第二水平方向におけるベース部の外形の端部の位置は、第二水平方向における端子収納部の外形の端部の位置と一致してもよい。この構成では、複数の蓄電池用収納箱を組み立てる際に、隣り合うベース部が互いに接するように配置するだけでそれぞれの蓄電池用収納箱の位置を決めることができる。これにより、施工性をより一層向上させることができる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、電池収納部は、第一開口部から蓄電池の一部が突出する状態で蓄電池を収納してもよい。この構成では、電池収納部に収納された蓄電池の出し入れが容易となる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、電池収納部は、鉛直方向における上方に電極端子が位置する状態で蓄電池を収納してもよい。この構成では、電池収納部に収納された蓄電池への配線が容易となる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、電池収納部は、第一開口部から蓄電池の一部が突出した状態で蓄電池を収納し、蓄電池は、一部のうち鉛直方向における上面に電極端子を有していてもよい。この構成では、上面に電極端子を有する蓄電池を収納することができる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱では、電池収納部は、第一開口部を有すると共に、第二水平方向に配列される蓄電池が収納される筐体が鉛直方向に積み重ねられていてもよい。この構成では、隣り合う電池収納部同士の間には隙間が形成されるので、鉛直方向に筐体を積み重ねるときの作業が容易となる。

　本発明の一側面に係る蓄電池用収納箱は、電池収納部から蓄電池が抜け出ることを防止するカバー部材を更に備え、カバー部材は、第一水平方向において第一開口部に対向するように電池収納部に設けられていてもよい。この構成では、地震時等に筐体から蓄電池が抜け出ることを防止できる。

　本発明の一側面に係る組電池は、上記の蓄電池用収納箱と、電池収納部に収納された複数の蓄電池と、を備えてもよい。この構成では、蓄電池用収納箱に収納された複数の組電池を並べ、電気的に接続する際の施工性を向上させることができる。

　本発明の一側面に係る組電池は、上記の複数の蓄電池用収納箱と、電池収納部に収納された複数の蓄電池と、を備え、複数の蓄電池用収納箱は、第二水平方向に配列されており、枠部同士が互いに接触するように配列されていてもよい。この構成では、蓄電池用収納箱に収納された複数の組電池を並べ、電気的に接続する際の施工性を向上させることができる。

　本発明の一側面に係る組電池では、電池収納部には、第一開口部から蓄電池の一部が突出した状態で複数の蓄電池が収納されており、蓄電池は、蓄電池の一部のうち鉛直方向における上面に電極端子が設けられていてもよい。この構成では、蓄電池の電極端子が上方を向いていると共に筐体から突出しているので、蓄電池同士を電気的に接続する際の作業性を向上させることができる。

　本発明の一側面によれば、蓄電池用収納箱に収納された蓄電池を電気的に接続された状態で設置する際の施工性を向上させることができる。

図１は、一実施形態に係る組電池を概略的に示す斜視図である。図２は、図１の電池ユニットを概略的に示す斜視図である。図３は、図２の電池ユニットの分解斜視図である。図４は、一実施形態に係るキュービクルを概略的に示す分解斜視図である。図５は、図４のキュービクルを斜め前から見た斜視図である。図６は、図４のキュービクルを斜め後から見た斜視図である。図７（Ａ）は、図４の枠体を後方から見た背面図であり、図７（Ｂ）は、図４の枠体を前方から見た正面図である。図８は、一実施形態に係るキュービクルを概略的に示す正面図である。図９は、一実施形態に係るキュービクルが並べて配置された状態を斜め前から見た斜視図である。図１０は、一実施形態に係るキュービクルが並べて配置された状態を斜め前から見た斜視図である。

　以下、図面を参照しながら一実施形態が詳細に説明される。なお、図面において、同一又は同等の要素には同じ符号が付され、重複する説明は省略される。図面にはＸＹＺ直交座標系が示される。Ｘ軸、Ｙ軸、及びＺ軸は互いに直交する。なお、以下の説明における「前」、「後」、「左」、及び「右」は、組電池１において、後述のカバー部材３０及び蓋体（蓋部）７０（図５参照）が設けられる方向を「前」方向（第一水平方向に沿った一方側）としたときの各方向を示す場合がある。すなわち、Ｘ軸方向と前後方向（第一水平方向）とが一致する。また、後述の筐体２０に収納される鉛蓄電池（蓄電池）１０の配列方向を左右方向（第二水平方向）と示す場合がある。すなわち、Ｙ軸方向と左右方向とが一致する。また、以下の説明における「上」及び「下」は、それぞれ、鉛直上方及び鉛直下方を示す場合がある。すなわち、Ｚ軸方向と上下方向とが一致する。

＜組電池＞
　一実施形態の組電池１は、図１に示されるような組電池１が、図６及び図７に示されるようなキュービクル（蓄電池用収納箱）１００に収納されている。はじめに、図１に示されるような組電池１について説明する。図１に示される組電池１は、複数の鉛蓄電池１０を電気的に接続した電池であり、例えば、短時間大放電用蓄電池用の電池である。鉛蓄電池１０は、例えば、１２Ｖバッテリーである。組電池１は、複数の鉛蓄電池１０と、負極出力端子（端子部）４と、正極出力端子（端子部）５と、を備えている。

　図２及び図３に示されるように、鉛蓄電池１０は、左右方向及び上下方向と交差する前後方向に延びる略直方体形状を有する。鉛蓄電池１０は、上面が開口している電槽１１と、電槽１１の開口を塞ぐ蓋１２と、を備えている。電槽１１及び蓋１２を形成する材料の例には、例えば、ポリプロピレン（ＰＰ）、ＡＢＳ、及びポリフェニレンエーテル（ＰＰＥ）が含まれる。電槽１１の内部には、不図示の電極群と、希硫酸等の電解液と、が収納されている。電極群は、正極板と負極板とがセパレータを介して交互に積層された構造を有している。

　蓋１２は、前蓋部１２ａと、後蓋部１２ｂと、を有している。前蓋部１２ａ及び後蓋部１２ｂは、前後方向に沿って配列されている。前蓋部１２ａの上面１２ｃは、後蓋部１２ｂの上面１２ｄよりも上下方向において下方に位置する。蓋１２には、負極端子１３（電極端子）と、正極端子１４（電極端子）と、過剰なガスを電槽１１外に排出するための複数の制御弁１５と、が設けられている。具体的には、負極端子１３及び正極端子１４は、前蓋部１２ａの上面１２ｃに設けられ、左右方向に沿って配列されている。複数の制御弁１５は、後蓋部１２ｂの上面１２ｄに設けられ、前後方向に沿って配列されている。

　鉛蓄電池１０は、第一部分１６と第二部分１７とを有している。第一部分１６及び第二部分１７は、前後方向に沿って配列されている。第一部分１６は、蓋１２の前蓋部１２ａ、及び電槽１１のうちの前蓋部１２ａによって覆われている部分から構成される。第二部分１７は、蓋１２の後蓋部１２ｂ、及び電槽１１のうちの後蓋部１２ｂによって覆われている部分から構成される。つまり、第一部分１６は、前蓋部１２ａの上面１２ｃを有するので、負極端子１３及び正極端子１４は、第一部分１６に設けられる。第二部分１７は、上下方向において第一部分１６よりも上方に突出している。

　複数の鉛蓄電池１０は、左右方向に沿って配列された状態で、筐体２０に収納される。このため、負極端子１３と正極端子１４とが左右方向に沿って交互に配列される。互いに隣り合う２つの鉛蓄電池１０のうち、左側に位置する鉛蓄電池１０の負極端子１３と右側に位置する鉛蓄電池１０の正極端子１４とが導電性の接続部材７（図１参照）によって電気的に接続される。接続部材７は、バスバーとも称される。これにより、互いに隣り合う２つの鉛蓄電池１０が電気的に直列に接続される。これらの鉛蓄電池１０は、３個又は５個を一組として筐体２０に収納され電池ユニット３を構成している。筐体２０については後段にて詳述する。

　負極出力端子４及び正極出力端子５は、組電池１に蓄電されている電力を組電池１の外部に出力するための端子である。負極出力端子４及び正極出力端子５は、鉛直方向に筐体２０が積み重ねられた筐体群（電池収納部）１２０の上方に配置されており、上方に突出している。負極出力端子４及び正極出力端子５は、端子ボックス（端子収納部）８０（図４参照）に収納される。端子ボックス８０については後段にて詳述する。

＜キュービクル＞
　図４～図６に示されるように、キュービクル１００は、ベース部材（ベース部）２と、筐体２０と、枠体（枠部）６０と、蓋体７０と、端子ボックス８０と、を備えている。

　図１に示されるように、ベース部材２は、床面に設置されると共に鉛直方向に筐体２０（電池ユニット３）が積み重ねられた筐体群１２０が載置される。ベース部材２は、板状部材である。ベース部材２は、例えば、ＳＳ４００等の金属で形成されている。ベース部材２は、床面に敷設された絶縁板の上に設けられてもよい。この場合の絶縁板の例には、硬質塩化ビニル板及びポリエステルガラス板が含まれる。

　図１～図３に示されるように、筐体２０は、前後方向における前方（一方側）に開口する第一開口部２０ｇを有する箱状の部材である。筐体２０には、左右方向に沿って配列された状態で鉛蓄電池１０が収納される。筐体２０は、第一開口部２０ｇから鉛蓄電池１０の一部が突出した状態で鉛蓄電池１０を収納する。複数の筐体２０は、ベース部材２上に配置され、鉛直方向に沿って積み重ねられている。上下方向に互いに隣り合う２つの筐体２０は、例えば、ボルト４１及びナット４２によって互いに固定されている。最下段の筐体２０は、例えば、ボルト４１及びナット４２によってベース部材２に固定されている。複数の筐体２０のうちの下方に位置する筐体２０には、Ｌ字状の補強部材６が取り付けられる。補強部材６は、積み重ねられた筐体２０（電池ユニット３）の重量によって、筐体２０が変形するのを抑制するための部材である。

　筐体２０は、複数（本実施形態では、５個）の鉛蓄電池１０を収納可能な中空の箱型部材である。筐体２０は、例えば、ＳＳ４００等の金属で形成されている。筐体２０は、メラミン樹脂等の絶縁材料でコーティングされてもよい。筐体２０は、上面２０ａ、底面２０ｂ、前面２０ｃ、後面２０ｄ、側面２０ｅ、及び側面２０ｆを有している。上面２０ａ及び底面２０ｂは、上下方向において互いに対向する。前面２０ｃ、後面２０ｄ、側面２０ｅ、及び側面２０ｆは、上面２０ａと底面２０ｂとを連結する。前面２０ｃ及び後面２０ｄは、前後方向において互いに対向する。側面２０ｅ及び側面２０ｆは、左右方向において互いに対向する。

　前面２０ｃには、第一開口部２０ｇが設けられている。つまり、前面２０ｃの外面２０ｈ（一側面）に、第一開口部２０ｇが設けられている。上面２０ａ、底面２０ｂ、前面２０ｃ、後面２０ｄ、側面２０ｅ、及び側面２０ｆによって、複数の鉛蓄電池１０を収納するための収納空間Ｓが規定される。筐体２０は、第一開口部２０ｇを介して、鉛蓄電池１０の第一部分１６が前後方向に沿って、前面２０ｃ（外面２０ｈ）から筐体２０の外部に突出した状態で、各鉛蓄電池１０を収納する。本実施形態では、第一部分１６の全体が筐体２０（前面２０ｃ）から突出しており、第二部分１７の全体が筐体２０内（収納空間Ｓ）に位置する。

　筐体２０は、隣り合う筐体２０又はベース部材２に取り付けるための一対の取付部２２を有している。一対の取付部２２は、筐体２０の左右方向の両端に位置し、側面２０ｅ及び側面２０ｆに設けられている。一方の取付部２２は、側面２０ｅから収納空間Ｓとは反対側に向かって延びるように、側面２０ｅに設けられている。他方の取付部２２は、側面２０ｆから収納空間Ｓとは反対側に向かって延びるように、側面２０ｆに設けられている。

　各取付部２２は、取付板２２ａ、取付板２２ｂ、取付板２２ｃ、及び取付板２２ｄを有している。取付板２２ａは、上面２０ａに連なっており、側面２０ｅ及び側面２０ｆの上端から上面２０ａと略平行に延びている。取付板２２ｂは、底面２０ｂに連なっており、側面２０ｅ及び側面２０ｆの下端から底面２０ｂと略平行に延びている。取付板２２ｃは、前面２０ｃに連なっており、側面２０ｅ及び側面２０ｆの前端から前面２０ｃと略平行に延びている。取付板２２ｄは、後面２０ｄに連なっており、側面２０ｅ及び側面２０ｆの後端から後面２０ｄと略平行に延びている。

　取付板２２ａには、取付板２２ａを上下方向に貫通する複数（本実施形態では、４つ）の挿通孔２２ｇが設けられている。複数の挿通孔２２ｇは、ボルト４１（又はボルト８８（図４参照））を挿通するための孔であり、前後方向に沿って配列されている。取付板２２ｂには、取付板２２ｂを上下方向に貫通する複数（本実施形態では、４つ）の挿通孔２２ｈが設けられている。複数の挿通孔２２ｈは、ボルト４１を挿通するための孔であり、前後方向に沿って配列されている。

　取付板２２ｃには、取付板２２ｃを前後方向に貫通する複数（本実施形態では、２つ）の挿通孔２２ｉが設けられている。複数の挿通孔２２ｉは、ボルト４３を挿通するための孔であり、上下方向に沿って配列されている。また、取付板２２ｃには、取付板２２ｃを前後方向に貫通する複数（本実施形態では、２つ）の挿通孔２２ｊが設けられている。複数の挿通孔２２ｊは、ボルト６８（図４参照）を挿通するための孔であり、上下方向に沿って配列されている。

　カバー部材３０は、筐体２０から鉛蓄電池１０が抜け出すことを防止するための部材である。カバー部材３０は、例えば、ＳＳ４００等の金属で形成されている。カバー部材３０は、例えば、一枚の金属板を折り曲げ加工することによって得られる。カバー部材３０は、左右方向に沿って延び、前後方向において鉛蓄電池１０の第一部分１６と対向するように配置された状態で、取付部２２の取付板２２ｃに取り付けられる。カバー部材３０は、上下方向における第一部分１６の中央部分を覆うように配置され、第一部分１６と接触を成している。

　具体的には、カバー部材３０は、第一部分３１と、一対の第二部分３２と、一対の第三部分３３と、を有している。第一部分３１は、左右方向に延びる板状の部分である。第一部分３１は、前後方向において、鉛蓄電池１０の第一部分１６（第一部分１６の前面１６ａ）と対向するように配置される。

　一対の第二部分３２は、第一部分３１の左右方向の両端に設けられる板状の部分である。一対の第二部分３２は、複数の鉛蓄電池１０を左右方向において挟持するように配置される。一対の第二部分３２は、複数の鉛蓄電池１０のうちの両端に位置する鉛蓄電池１０の第一部分１６の側面１６ｂと対向するように配置される。

　一対の第三部分３３は、カバー部材３０の両端に位置する板状の部分である。一方の第三部分３３は、第一部分３１から離れるように、一方の第二部分３２の後端から左右方向に沿って延びる。他方の第三部分３３は、第一部分３１から離れるように、他方の第二部分３２の後端から左右方向に沿って延びる。第三部分３３には、第三部分３３を前後方向に貫通する複数（本実施形態では、２つ）の貫通孔３３ｈが設けられている。複数の貫通孔３３ｈは、ボルト４３を挿通するための孔であり、上下方向に配列されている。

　図４～図６、図７（Ａ）及び図７（Ｂ）に示される枠体６０は、筐体群１２０の前後方向における前方に配置されている。枠体６０は、例えば、ＳＳ４００等の金属で形成されている。枠体６０は、メラミン樹脂等の絶縁材料でコーティング（塗装）されてもよい。枠体６０は、一対の側面６１，６１と、上面６２と、底面６３と、背面６４と、取付面６５と、を有している。前後方向から見た一対の側面６１，６１、上面６２及び底面６３は、枠状を呈している。上面６２と底面６３とは、鉛直方向おいて互いに対向している。一対の側面６１，６１は、左右方向おいて互いに対向している。

　上面６２には、グリル６２Ａが形成されている。グリル６２Ａは、複数の貫通孔から形成されており、枠体６０（キュービクル１００）の内部と連通している。グリル６２Ａは、主に、枠体６０内部の熱を外部に放射することを目的として形成されている。上面６２は、鉛直方向において、筐体群１２０の最上段に配置された筐体２０の上面２０ａよりも上方に位置している。

　図７（Ａ）に示されるように、背面６４は、左右方向において側面６１から内側に張り出している。取付面６５は、左右方向において背面６４から更に内側に張り出している。取付面６５は、取付面６５を前後方向に貫通する複数（本実施形態では、２つ）の挿通孔６５ａが設けられている。複数の挿通孔６５ａは、ボルト６８を挿通するための孔であり、上下方向に沿って配列されている。

　図７（Ｂ）に示されるように、一対の側面６１，６１の前後方向における前端には、それぞれの厚みを形成する部分には、内周面に溝孔が形成された複数のボルト孔６１ａ（本実施形態では、それぞれ８つ）が設けられている。複数のボルト孔６１ａは、ボルト７８を螺合させるための孔であり、上下方向に沿って配列されている。

　枠体６０は、前後方向に沿って後方側に配置される第二開口部６０ａと、前方側に配置される第三開口部６０ｂと、を有している。図７（Ａ）に示されるように、第二開口部６０ａは、上面６２、底面６３、背面６４及び取付面６５によってその外形が形成されている。第二開口部６０ａは、筐体２０の第一開口部２０ｇに接続されている。第三開口部６０ｂは、前後方向において第二開口部６０ａに対向するように配置されている。図７（Ｂ）に示されるように、第三開口部６０ｂは、一対の側面６１，６１、上面６２、及び底面６３によってその外形が形成されている。

　図４～図６に示される蓋体７０は、枠体６０の第三開口部６０ｂを覆う部材である。蓋体７０は、例えば、ＳＳ４００等の金属で形成されている。蓋体７０は、メラミン樹脂等の絶縁材料でコーティング（塗装）されてもよい。蓋体７０は、複数設けられる（本実施形態では、４つ）と共に、鉛直方向に沿って配列されている。蓋体７０は、取っ手７１と、グリル７２と、挿通孔７０ａと、を有している。

　取っ手７１は、作業者によって把持される部分である。グリル７２は、複数の貫通孔から形成されており、枠体６０（キュービクル１００）の内部と連通している。主に、枠体６０内部の熱を外部に放射することを目的として形成されている。蓋体７０には、蓋体７０を前後方向に貫通する複数（本実施形態では、４つ）の挿通孔７０ａが設けられている。複数の挿通孔７０ａは、ボルト７８を挿通するための孔であり、蓋体７０の四隅に設けられている。

　図４～図６に示される端子ボックス８０は、筐体群１２０の鉛直方向における上端に設けられており、複数の鉛蓄電池１０に電気的に接続される負極出力端子４及び正極出力端子５を収納する箱状の部材である。端子ボックス８０は、枠体６０の前後方向における後方に配置されている。すなわち、端子ボックス８０の前方には、枠体６０が設けられている。端子ボックス８０は、例えば、ＳＳ４００等の金属で形成されている。端子ボックス８０は、メラミン樹脂等の絶縁材料でコーティング（塗装）されてもよい。

　端子ボックス８０は、一対の側面８１，８１と、上面８２と、一対の取付面８３，８３と、背面８４と、連絡孔（第二連絡孔）８７と、を有している。一対の側面８１，８１は、左右方向において互いに対向する。上面８２には、グリル８２Ａと、端子孔８２Ｂ，８２Ｂと、が形成されている。グリル８２Ａは、複数の貫通孔から形成されており、端子ボックス８０（キュービクル１００）の内部と連通している。主に、端子ボックス８０内部の熱を外部に放射することを目的として形成されている。端子孔８２Ｂ，８２Ｂは、負極出力端子４及び正極出力端子５を端子ボックス８０の外部に露出させるために設けられている。

　取付面８３は、端子ボックス８０の下方に配置される筐体２０に端子ボックス８０を取り付けるための部位である。取付面８３には、取付面８３を上下方向に貫通する複数（本実施形態では、４つ）の挿通孔８３ａが設けられている。複数の挿通孔８３ａは、ボルト８８を挿通するための孔であり、前後方向に沿って配列されている。連絡孔８７は、隣接して配置されるキュービクル１００に設けられる端子ボックス８０との間で電気的に接続される配線用の孔である。左右方向に隣り合うキュービクル１００を、端子ボックス８０同士を接触させた状態で配置したとき、連絡孔８７は、左右方向に向かい合うように形成されている。

　図５及び図６に示されるように、キュービクル１００は、筐体２０、枠体６０、蓋体７０、及びベース部材２によって、キュービクル１００の外部と区画された閉塞空間が形成されている。更に詳細には、当該閉塞空間は、筐体２０に形成される収納空間Ｓと、枠体６０の第二開口部６０ａと第三開口部６０ｂと間に形成される空間と、端子ボックス８０によって形成される空間と、を含んでいる。複数の鉛蓄電池１０は、筐体２０、枠体６０、蓋体７０、及びベース部材２によって形成される閉塞空間の一部に配置されている。

　上述した本実施形態のキュービクル１００では、図８に示されるように、前後方向から見たときに、左右方向における枠体６０の外形の端部は、左右方向における筐体２０の外形の端部よりも外側に位置している。また、キュービクル１００では、前後方向から見たときに、左右方向におけるベース部材２の外形の端部は、左右方向における筐体２０の外形の端部よりも外側に位置すると共に、水平方向における枠体６０の外形の端部と同じ位置に位置している。また、キュービクル１００では、前後方向から見たときに、左右方向における端子ボックス８０の外形の端部は、左右方向における枠体６０の外形の端部と同じ位置に位置している。

　また、上述した本実施形態のキュービクル１００では、左右方向における枠体６０のサイズＬ６０は、左右方向における筐体２０のサイズＬ２０よりも大きく、左右方向におけるベース部材２のサイズＬ２は、左右方向における筐体２０のサイズＬ２０よりも大きい。更に、本実施形態のキュービクル１００では、左右方向における端子ボックス８０のサイズＬ８０は、左右方向における筐体２０のサイズＬ２０よりも大きく、左右方向におけるベース部材２のサイズＬ２及び枠体６０のサイズＬ６０と同じである。

＜組電池の組立方法＞
　次に、組電池１の組立方法の一例を説明する。まず、図４に示されるように、複数の筐体２０のそれぞれの収納空間Ｓに鉛蓄電池１０を収納する収納工程が行われる。このとき、第一部分１６が前側に位置するように、第一開口部２０ｇから鉛蓄電池１０が収納空間Ｓに挿入される。

　続いて、カバー部材３０を取り付ける取付工程が行われる。第三部分３３の貫通孔３３ｈ及び取付板２２ｃの挿通孔２２ｉにボルト４３が順次挿通され、取付板２２ｃの後側でナット４４により締結される。この締結によって、カバー部材３０が鉛蓄電池１０の第一部分１６を後方に押し込みながら、筐体２０に固定される。

　次に、図４に示される鉛蓄電池１０が収納された筐体２０を組み立てて筐体群１２０を形成する組立工程が行われる。組立工程では、組電池１を設置する場所の床面に、絶縁板が敷設され、絶縁板の上にベース部材２が載せられる。ベース部材２は、隣り合うベース部材２が互いに接触するように配置される。そして、第一開口部２０ｇ、すなわち筐体２０に収容された鉛蓄電池１０の第一部分１６が同じ方向（前側）を向くように、複数の筐体２０がベース部材２の上に積み重ねられる。このとき、ベース部材２の挿通孔（不図示）及び最下段に位置する筐体２０の取付板２２ｂに設けられた挿通孔２２ｈにボルト４１が順次挿通され、取付板２２ｂの上面でナット４２により締結される。これにより、最下段の筐体２０がベース部材２に固定される。

　同様に、上下方向に互いに隣り合う２つの筐体２０のうち、下側に位置する筐体２０の取付板２２ａに設けられた挿通孔２２ｇ及び上側に位置する筐体２０の取付板２２ｂに設けられた挿通孔２２ｈにボルト４１が順次挿通され、取付板２２ｂの上面でナット４２により締結される。これにより、上下方向に互いに隣り合う２つの筐体２０同士が固定される。なお、最下段から数段（図１の例では、２段）の筐体２０に補強部材６が取り付けられてもよい。このようにして、所望の段数の筐体２０が積み重ねられ、筐体群１２０が得られる。

　続いて、筐体群１２０の上端に端子ボックス８０が積み重ねられる。そして、端子ボックス８０の取付面８３に設けられた挿通孔８３ａ及び筐体２０の取付板２２ａに設けられた挿通孔２２ｇにボルト８８が順次挿通され、取付板２２ａの下面でナット（図示せず）により締結される。これにより、筐体群１２０と端子ボックス８０とが固定される。

　なお、上記の収納工程及び取付工程は、工場等で実行され、組立工程以降の工程が設置現場で実行されてもよい。また、収納工程及び取付工程は、組立工程の後に設置現場で実行されてもよい。この場合、鉛蓄電池１０は、例えば、最下段の筐体２０から最上段の筐体２０に向かって順に収納されてもよい。また、カバー部材３０の取り付けは、筐体群１２０を構成する全ての筐体２０に鉛蓄電池１０が収納されてから行われてもよく、１つの筐体２０に全ての鉛蓄電池１０が収納される毎に行われてもよい。

　続いて、組電池１に含まれる複数の鉛蓄電池１０を電気的に接続する配線工程が行われる。配線工程では、接続部材７を用いて、互いに隣り合う負極端子１３と正極端子１４とが接続される。更に、上下方向に隣り合う２つの電池ユニット３では、上側の電池ユニット３の左端に位置する鉛蓄電池１０の正極端子１４と下側の電池ユニット３の右端に位置する鉛蓄電池１０の負極端子１３とがケーブルによって接続される。これにより、組電池１に含まれる複数の鉛蓄電池１０が直列に接続される。そして、最上段の電池ユニット３の右端に位置する鉛蓄電池１０の負極端子１３と負極出力端子４とがケーブルによって接続され、最下段の電池ユニット３の左端に位置する鉛蓄電池１０の正極端子１４と正極出力端子５とがケーブルによって接続される。

　続いて、図９及び図１０に示されるように、隣り合うキュービクル１００に収納された組電池１同士を接続する。組電池１，１同士の接続は、端子ボックス８０に形成された連絡孔８７を介して行われる。すなわち、組電池１，１同士を接続する配線は、連絡孔８７に挿通される。

　続いて、端子ボックス８０が固定された筐体群１２０に枠体６０を取り付ける枠体設置工程が行われる。まず、端子ボックス８０が固定された筐体群１２０の前後方向における前方に枠体６０が配置される。次に、枠体６０における取付面６５の挿通孔６５ａ及び取付板２２ｃの挿通孔２２ｊにボルト６８が順次挿通され、取付板２２ｃの後側でナット（図示せず）により締結される。これにより、筐体群１２０と端子ボックス８０と枠体６０とが固定される。

　続いて、枠体６０に蓋体７０を取り付ける蓋体取付工程が行われる。まず、枠体６０の前後方向における前方に蓋体７０が配置される。次に、蓋体７０における挿通孔７０ａに前側からボルト７８が挿通され、枠体６０のボルト孔６１ａに螺合させる。これにより、蓋体７０が枠体６０に取り付けられる。すなわち、蓋体７０によって枠体６０の第三開口部６０ｂが覆われる。このような流れで４つの蓋体７０を枠体６０に順次取り付ける。

　以上のような工程を踏むことによって、図１に示されるような組電池１が、図５及び図６に示されるようなキュービクル１００に収納することができる。そして、図９及び図１０に示されるような、左右方向に組電池１が収容されたキュービクル１００を並設させることができる。なお、上記の工程の順番は、適宜変更が可能である。

　以上説明した組電池１を収容するキュービクル１００及び組電池１の作用効果について説明する。

　上記のキュービクル１００では、図９に示されるように、筐体２０が開口する前面側（正面側）からキュービクル１００を見ると、筐体２０（すなわち、筐体２０に収納された鉛蓄電池１０）は枠体６０に設けられた蓋体７０によって完全に覆われた状態となる。したがって、保安性が確保される。また、枠体６０，６０同士が接するように左右方向にキュービクル１００を並べると、図１０に示されるように、隣り合う筐体２０，２０同士の間には隙間Ｓ１が形成される。このため、筐体２０の積み上げる際の作業性を向上させることができる。

　更に、キュービクル１００を並べて配置したときに互いに接する端子ボックス８０の境界面に配線を挿通する連絡孔８７を利用すれば、キュービクル１００から露出させることなく組電池１，１同士を電気的に接続することができる。この結果、キュービクル１００に収納された複数の組電池１を並べ、電気的に接続する際の施工性を向上させることができる。

　上記のキュービクル１００では、図９及び図１０に示されるように、複数のキュービクル１００を組み立てる際に、隣り合うベース部材２，２が互いに接するように配置するだけでそれぞれのキュービクル１００の位置を決めることができる。これにより、施工性をより一層向上させることができる。

　上記のキュービクル１００では、隣接して配置されるキュービクル１００，１００に設けられる端子ボックス８０，８０との間で電気的に接続される配線用の連絡孔８７，８７が形成されている。これにより、組立時に端子ボックス８０，８０に配線用の連絡孔８７，８７を形成する必要がない。これにより、施工性をより一層向上させることができる。

　上記のキュービクル１００では、枠体６０の上面６２は、鉛直方向において、筐体群１２０の最上段に配置された筐体２０の上面２０ａよりも上方に位置している。これにより、筐体２０が開口する前面側からキュービクル１００を見たときに、枠体６０に設けられた蓋体７０によって端子ボックス８０が完全に覆われた状態とすることができる。

　上記のキュービクル１００では、枠体６０の第三開口部６０ｂは、鉛直方向に配列された複数の蓋体７０によって覆われている。これにより、メンテナンスに必要な箇所の蓋体７０のみを着脱すればよい。このため、メンテンナンス時の作業性が向上する。また、キュービクル１００は、比較的に狭い場所に設置されることが多い。このため、第三開口部６０ｂ全体を覆う一枚の蓋体と比べて蓋体を取り外した際に蓋体を置き易くなる。

　上記のキュービクル１００では、鉛蓄電池１０は、筐体２０、枠体６０、蓋体７０、及びベース部材２によって囲まれる閉塞空間の一部に配置されているので、保安性を確保することができる。

　上記のキュービクル１００では、筐体２０から鉛蓄電池１０が抜け出ることを防止するカバー部材３０を備えるので、地震時等に筐体２０から鉛蓄電池１０が抜け出ることを防止できる。

　上記の組電池１では、キュービクル１００に収納された複数の組電池１を並べ、電気的に接続する際の施工性を向上させることができる。

　上記の組電池１の筐体２０には、第一開口部２０ｇから鉛蓄電池１０の一部が突出した状態で複数の鉛蓄電池１０が収納されており、鉛蓄電池１０は、鉛蓄電池１０の一部のうち鉛直方向における上面に負極端子１３及び正極端子１４が設けられている。これにより、鉛蓄電池１０の負極端子１３及び正極端子１４が上方を向いていると共に筐体２０から突出しているので、鉛蓄電池１０同士を電気的に接続する際の作業性を向上させることができる。

　以上、本発明の一側面に係る一実施形態について説明したが、本発明の一側面は上記実施形態に限定されない。

　上記実施形態のキュービクル１００では、端子ボックス８０が枠体６０の後方に設けられている例を挙げて説明したが、枠体６０の上方に配置されてもよい。この場合、枠体６０の上面６２の位置と、筐体群１２０の最上段に配置される筐体２０の上面２０ａの鉛直方向における位置が一致させ、枠体６０の上面６２及び筐体群１２０の最上段に配置される筐体２０の上面２０ａに端子ボックス８０が載置してもよい。

　上記実施形態のキュービクル１００では、端子ボックス８０に設けられた連絡孔８７を介して隣り合う組電池１，１を接続する配線を施した例を挙げたがこれに限定されない。例えば、キュービクル１００を並べて配置したときに互いに接する枠体６０,６０の境界面に配線を挿通する連絡孔（第一連絡孔）が設けられていてもよい。この場合も、当該連絡孔を利用すれば、キュービクル１００から露出させることなく組電池１，１同士を電気的に接続することができる。なお、上記の例では、端子ボックス８０又は枠体６０に予め連絡孔が形成されている例を挙げて説明したが、キュービクル１００を組み立てるときに、連絡孔を形成してもよい。

　上記実施形態のキュービクル１００では、Ｘ軸方向（前後方向）から見たときに、Ｘ軸方向に直交するＹ軸方向（左右方向）における枠体６０の外形の両方の端部が、Ｙ軸方向における筐体群１２０の外形の端部よりも外側に位置している例を挙げて説明したが、枠体６０の外形の一方の端部のみが、Ｙ軸方向における筐体群１２０の外形の端部よりも外側に位置していてもよい。

　上記実施形態のキュービクル１００では、Ｙ軸方向における枠体６０と端子ボックス８０のサイズが同じである例を挙げて説明したが、Ｙ軸方向における端子ボックス８０のサイズは枠体６０よりも小さく、Ｙ軸方向における端子ボックス８０の両端部が枠体６０の両端部よりも内側に位置していてもよい。また、Ｙ軸方向における枠体６０と筐体群１２０のサイズが同じであり、Ｙ軸方向における端子ボックス８０の両端部が枠体６０及び筐体群１２０の両端部よりも内側に位置しているような構成のキュービクルとしてもよい。

　上記実施形態のキュービクル１００では、左右方向におけるベース部材２のサイズＬ２は、左右方向における筐体２０のサイズＬ２０よりも大きくなるように形成されている例を挙げて説明したが、左右方向における筐体２０のサイズＬ２０と同じとしてもよい。

　上記実施形態のキュービクル１００の筐体２０には、鉛蓄電池１０に一部が突出するように収納されている例を挙げて説明したが、全部が収納されてもよい。この場合の鉛蓄電池１０は、筐体２０に収納された状態において、第一開口部２０ｇから露出する面に負極端子及び正極端子が露出していることが好ましい。すなわち、負極端子及び正極端子は、鉛蓄電池１０の側面（水平方向に直交する面）に設けられていることが好ましい。

　上記実施形態のキュービクル１００において例示した、筐体群１２０を構成する筐体２０の数、筐体２０に収納される鉛蓄電池１０の数、枠体６０の第三開口部６０ｂを覆う蓋体７０の数は、任意に変更が可能である。

　上記実施形態のキュービクル１００において例示した電池収納部としての筐体群１２０は、複数の筐体２０が積み重ねられて形成された例を挙げて説明したが、例えば、棚状に形成された一つの部材からなる電池収納部であってもよい。

　また、上記実施形態では、筐体２０、ベース部材２、枠体６０、及び蓋体７０のそれぞれが別部材として形成されている例を挙げて説明したが、筐体２０、ベース部材２、枠体６０、及び蓋体７０のそれぞれの部材が選択的に組み合わせられた部材として形成されてもよい。例えば、枠体６０と蓋体７０とは一体的に形成された部材として形成されてもよい。

　１…組電池、２…ベース部材（ベース部）、３…電池ユニット、４…負極出力端子（端子部）、５…正極出力端子（端子部）、１０…鉛蓄電池（蓄電池）、１３…負極端子（電極端子）、１４…正極端子（電極端子）、２０…筐体、２０ｇ…第一開口部、３０…カバー部材、６０…枠体（枠部）、６０ａ…第二開口部、６０ｂ…第三開口部、６１…側面、６２…上面、７０…蓋体（蓋部）、８０…端子ボックス（端子収納部）、８７…連絡孔（第二連絡孔）、１００…キュービクル（蓄電池用収納箱）、１２０…筐体群（電池収納部）。

Claims

　第一水平方向における一方側に開口する第一開口部を有する電池収納部であって、複数の蓄電池が収納される前記電池収納部と、
　床面に設置されると共に前記電池収納部が載置されるベース部と、
　前記第一水平方向における他方側に形成されると共に前記第一開口部に接続される第二開口部と、前記第一水平方向における一方側に形成される第三開口部と、を有する枠部と、
　前記枠部の前記第三開口部を覆う蓋部と、を備え、
　前記第一水平方向から見たときに、前記第一水平方向に直交する第二水平方向における前記枠部の外形の少なくとも一方の端部は、前記第二水平方向における前記電池収納部の外形の端部よりも外側に位置し、
　前記第一水平方向から見たときに、前記第二水平方向における前記ベース部の外形の端部は、前記第二水平方向における前記電池収納部の外形の端部と同じ位置又は前記電池収納部の外形の端部よりも外側に位置すると共に、前記第二水平方向における前記枠部の外形の端部と同じ位置又は前記枠部の外形の端部よりも内側に位置している、蓄電池用収納箱。
　前記第一水平方向から見たときに、前記第二水平方向における前記ベース部の外形の端部の位置は、前記第二水平方向における前記枠部の外形の端部の位置と一致する、請求項１記載の蓄電池用収納箱。
　前記枠部に形成されており、隣接して配置される前記蓄電池用収納箱に設けられる前記枠部との間で電気的に接続される配線用の第一連絡孔が形成されている、請求項１又は２記載の蓄電池用収納箱。
　鉛直方向において前記電池収納部の上方に設けられており、複数の前記蓄電池に電気的に接続される端子部を収納する端子収納部を更に備え、
　前記枠部は、前記端子収納部の前記第一水平方向における一方側に配置されており、
　前記第一水平方向から見たときに、前記第二水平方向における前記端子収納部の外形の少なくとも一方の端部は、前記第二水平方向における前記枠部の外形の端部と同じ位置又は前記枠部の外形の端部よりも外側に位置している、請求項１～３の何れか一項記載の蓄電池用収納箱。
　前記端子収納部に形成されており、隣接して配置される前記蓄電池用収納箱に設けられる前記端子収納部との間で電気的に接続される配線用の第二連絡孔が形成されている、請求項４記載の蓄電池用収納箱。
　前記枠部の上端は、鉛直方向において、前記電池収納部の上端よりも上方に位置している、請求項１～５の何れか一項記載の蓄電池用収納箱。
　前記枠部の前記第三開口部は、鉛直方向に配列された複数の前記蓋部によって覆われている、請求項１～６の何れか一項記載の蓄電池用収納箱。
　前記蓄電池は、前記電池収納部、前記枠部、前記蓋部、及び前記ベース部によって囲まれる閉塞空間の一部に配置されている、請求項１～７の何れか一項記載の蓄電池用収納箱。
　第一水平方向における一方側に開口する第一開口部を有する電池収納部であって、前記第一水平方向に直交する第二水平方向に配列される蓄電池が収納される前記電池収納部と、
　床面に設置されると共に前記電池収納部が載置されるベース部と、
　鉛直方向において前記電池収納部の上方に設けられており、複数の前記蓄電池に電気的に接続される端子部を収納する端子収納部と、
　前記第一水平方向における他方側に形成されると共に前記第一開口部に接続される第二開口部と、前記第一水平方向における一方側に形成される第三開口部と、を有する枠部と、
　前記枠部の前記第三開口部を覆う蓋部と、を備え、
　前記第一水平方向から見たときに、前記第二水平方向における前記端子収納部の外形の少なくとも一方の端部は、前記第二水平方向における前記電池収納部の外形の端部よりも外側に位置し、
　前記第一水平方向から見たときに、前記第二水平方向における前記ベース部の外形の端部は、前記第二水平方向における前記電池収納部の外形の端部と同じ位置又は前記電池収納部の外形の端部よりも外側に位置すると共に、前記第二水平方向における前記端子収納部の外形の端部と同じ位置又は前記端子収納部の外形の端部よりも内側に位置している、蓄電池用収納箱。
　前記第一水平方向から見たときに、前記第二水平方向における前記ベース部の外形の端部の位置は、前記第二水平方向における前記端子収納部の外形の端部の位置と一致する、請求項９記載の蓄電池用収納箱。
　前記電池収納部は、前記第一開口部から前記蓄電池の一部が突出する状態で前記蓄電池を収納する、請求項１～１０の何れか一項記載の蓄電池用収納箱。
　前記電池収納部は、鉛直方向における上方に電極端子が位置する状態で前記蓄電池を収納する、請求項１～１１の何れか一項記載の蓄電池用収納箱。
　前記電池収納部は、前記第一開口部から前記蓄電池の一部が突出した状態で前記蓄電池を収納し、前記蓄電池は、前記一部のうち鉛直方向における上面に電極端子を有している、請求項１～１２の何れか一項記載の蓄電池用収納箱。
　前記電池収納部は、前記第一開口部を有すると共に、前記第二水平方向に配列される蓄電池が収納された状態で鉛直方向に積み重ねられている、請求項１～１３の何れか一項記載の蓄電池用収納箱。
　前記電池収納部から前記蓄電池が抜け出ることを防止するカバー部材を更に備え、
　前記カバー部材は、前記第一水平方向において前記第一開口部に対向するように前記電池収納部に設けられている、請求項１～１４の何れか一項記載の蓄電池用収納箱。
　請求項１～１５の何れか一項記載の蓄電池用収納箱と、
　前記電池収納部に収納された複数の蓄電池と、を備える、組電池。
　請求項１～１５の何れか一項記載の複数の蓄電池用収納箱と、
　前記電池収納部に収納された複数の蓄電池と、を備え、
　複数の前記蓄電池用収納箱は、前記第二水平方向に配列されており、前記枠部同士が互いに接触するように配列されている、組電池。
　前記電池収納部には、前記第一開口部から前記蓄電池の一部が突出した状態で複数の前記蓄電池が収納されており、
　前記蓄電池は、前記蓄電池の一部のうち鉛直方向における上面に電極端子が設けられている、請求項１６又は１７記載の組電池。