WO2020217751A1 - 画像表示装置 - Google Patents

Abstract

画像表示装置（１０）は、前面に画像を表示する表示パネル（２０）と、表示パネル（２０）の背面側に配置された熱拡散板（５０）と、表示パネル（２０）及び熱拡散板（５０）の端面に沿って設けられたフレーム（３０）とを備える。フレーム（３０）は、表示パネル（２０）及び熱拡散板（５０）の端面に対向して配置された側壁部（３１）と、側壁部（３１）から熱拡散板（５０）に向けて立設された支持壁部（３２）とを有する。熱拡散板（５０）は、支持壁部（３２）と表示パネル（２０）との間に配置される周縁部（５０ａ）を有し、周縁部（５０ａ）の背面側には、支持壁部（３２）の少なくとも一部を収容する段差部（５４）が設けられている。

Description

画像表示装置

　本開示は、画像を表示する表示パネルを備える画像表示装置に関する。

　特許文献１に開示された表示装置は、表示パネルとしての液晶パネルと、外部光源としてのバックライト装置とを備え、これらが、表示装置の外観を構成するフレーム及びシャーシによって一体的に保持された構成となっている。

特開２０１３－１９５５１０号公報

　本開示は、厚みの増加を抑制しつつ放熱性が向上された画像表示装置を提供する。

　本開示における画像表示装置は、前面に画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの背面側に配置された熱拡散板と、前記表示パネル及び前記熱拡散板の端面に沿って設けられたフレームとを備え、前記フレームは、前記表示パネル及び前記熱拡散板の端面に対向して配置された側壁部と、前記側壁部から前記熱拡散板に向けて立設された支持壁部とを有し、前記熱拡散板は、前記支持壁部と前記表示パネルとの間に配置される周縁部と、前記周縁部の背面側に設けられ、前記支持壁部の少なくとも一部を収容する段差部とを有する。

　本開示によれば、厚みの増加を抑制しつつ放熱性が向上された画像表示装置を提供することができる。

図１は、実施の形態に係る画像表示装置の外観斜視図である。 図２は、実施の形態に係る画像表示装置の分解斜視図である。 図３は、実施の形態に係る画像表示装置の周縁部の一部を示す斜視図である。 図４は、実施の形態に係る画像表示装置の周縁部の構成を示す部分断面図である。 図５は、図４に対応する画像表示装置の分解斜視図である。

　本願発明者は、従来の画像表示装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。従来、例えば、有機発光ダイオード（ｏｒｇａｎｉｃ　ｌｉｇｈｔ－ｅｍｉｔｔｉｎｇ　ｄｉｏｄｅ：ＯＬＥＤ）素子を用いた表示パネル（有機ＥＬパネル）を備えるテレビジョン受像機が存在する。

　有機ＥＬパネルは、自発光型のディスプレイパネルであり、液晶パネルに必要なバックライトユニットは不要である。そのため、有機ＥＬパネルを備える表示パネルモジュールは、液晶パネルを備える表示パネルモジュールよりも薄型化が可能である。しかし、有機ＥＬパネルは発光することにより熱を発し、この熱がＯＬＥＤ素子の劣化（温度劣化）の要因となる。そのため、有機ＥＬパネルの熱を効率よく外部に放出する構造が求められる。

　そこで、例えば、有機ＥＬパネルの背面に、金属等の熱伝導性の高い素材で形成された熱拡散板が配置される。この場合、有機ＥＬパネルの周縁部を支持するフレームは、例えば狭額縁化のために、有機ＥＬパネルの周縁部を背面側から支持するよう構成される。つまり、有機ＥＬパネルの周縁部の背面には、フレームの、有機ＥＬパネルの周縁部を支持する部分（支持部）が配置される。また、表示パネルモジュールの厚みの増加を抑制するために、熱拡散板は、支持部と重ならないように、支持部の内側の領域に配置される。従って、有機ＥＬパネルの周縁部の背面側には熱拡散板が配置されず、そのため、熱拡散板が配置されている部分と比較すると放熱性が低くなる。その結果、例えば、有機ＥＬパネルの周縁部における温度劣化が他の部分よりも進み、周縁部における明るさまたはコントラストの低下等が生じやすくなる。

　本開示は、このような知見に基づいてなされたものであり、本願発明者が鋭意検討した結果、厚みの増加を抑制しつつ放熱性が向上された画像表示装置についての着想を得た。

　以下、適宜図面を参照しながら実施の形態を説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。

　なお、本願発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。

　また、以下の実施の形態及び変形例において、説明の便宜上、上下方向をＺ軸方向と一致させ、前後方向をＹ軸方向と一致させ、左右方向をＸ軸方向と一致させているが、これら対応付けは、本開示に係る画像表示装置の製造時または使用時における姿勢を限定するものではない。以下の説明において、例えば、Ｘ軸プラス側とは、Ｘ軸の矢印方向側を示し、Ｘ軸マイナス側とは、Ｘ軸プラス側とは反対側を示す。Ｙ軸方向及びＺ軸方向についても同様である。各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。従って、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。

　（実施の形態）
　［１．画像表示装置の構成概要］
　まず、図１及び図２を用いて、実施の形態に係る画像表示装置１０の構成概要について説明する。図１は、実施の形態に係る画像表示装置１０の外観斜視図である。図２は、実施の形態に係る画像表示装置１０の分解斜視図である。具体的には、図２は、画像表示装置１０を斜め後方から見た場合の分解斜視図である。

　本実施の形態に係る画像表示装置１０は、表示パネル２０を備える表示パネルモジュールであり、例えば、テレビジョン受像機、モニタディスプレイ、及びその他の機器に、画像を表示する装置として組み込まれる装置である。

　具体的には、画像表示装置１０は、図１及び図２に示すように、画像を表示する表示パネル２０と、表示パネル２０の背面に沿って配置された熱拡散板５０と、表示パネル２０及び熱拡散板５０の端面に沿って設けられたフレーム３０とを備える。画像表示装置１０にはさらに、熱拡散板５０の背面側に配置されたバックカバー４０が備えられている。

　本実施の形態では、表示パネル２０は自発光型の表示パネルであり、具体的には、有機ＥＬパネルである。つまり、画像表示装置１０は、有機ＥＬパネルを備える表示パネルモジュール（ＯＬＥＤモジュール）である。なお、有機ＥＬパネルである表示パネル２０は、ＥＬ基板、カラーフィルタが形成されたガラス基板（ＣＦ基板）、ＥＬ基板とＣＦ基板との間の樹脂層、及び、放熱シート等を有しているが、これら要素の詳細な図示及び説明は省略する。

　画像表示装置１０は、表示パネル２０における画像表示を駆動するソース基板及びソース基板を制御するタイミングコントローラ等の、表示パネル２０の画像表示に必要な電子部品及び電子回路も備えているが、これら電子部品等の図示及び説明は省略する。なお、タイミングコントローラ及びソース基板は、例えば、バックカバー４０の背面に固定される。

　バックカバー４０は、表示パネルモジュールとしての画像表示装置１０の背面側のカバーであり、例えばアルミニウムまたは鉄等からなる金属部材（金属板）にプレス加工等を施すことで作製される部材である。本実施の形態では、バックカバー４０は、下部が表示パネル２０の下方に露出するサイズに形成されている。バックカバー４０の表示パネル２０の下方に露出する部分の前方には、下部キャビネット９０（図１参照）が配置されている。つまり、下部キャビネット９０は、表示パネル２０の直下に配置されており、熱拡散板５０に、例えば複数のネジで固定されている。

　なお、バックカバー４０は意匠性を備えてもよい。例えば、バックカバー４０に塗装を施してもよく、または、樹脂もしくは金属の薄膜接着シート、あるいは板をバックカバー４０に貼付してもよい。なお、バックカバー４０に塗装を施す場合は、バックカバー４０を黒色にすると輻射により熱をより効率よく外部に放出することができる。

　熱拡散板５０は、表示パネル２０の背面側に配置される板状の部材である。つまり、本実施の形態において、熱拡散板５０は、表示パネル２０とバックカバー４０との間に配置されている。熱拡散板５０は、鉄またはアルミニウム等の金属材料にプレス加工等を施すことで作製される部材である。熱拡散板５０は、複数のネジ８０でバックカバー４０に固定されている。熱拡散板５０には、ネジ８０の軸部と螺合するネジ穴５１が形成されており、当該軸部は熱拡散板５０の厚み内に収められる。つまり、熱拡散板５０は、軸部のバックカバー４０から突出した部分の全体を収容する程度の厚みを有している。画像表示装置１０におけるネジ８０周辺の構造については、図４を用いて後述する。

　本実施の形態では、熱拡散板５０は、表示パネル２０の背面のほぼ全域を覆う大きさであり、かつ、熱拡散板５０の前面のほぼ全域は、接着部材７５によって表示パネル２０の背面と接着されて固定されている。本実施の形態では、図２に示すように、上下方向（Ｚ軸方向）に長尺状の５枚の接着シートが左右方向（Ｘ軸方向）に並んで配置されているが、説明の容易化のために、これら５枚の接着シートを一括して、「接着部材７５」として説明する。接着部材７５は、樹脂製の基材の両面に粘着剤が配置された部材である。接着部材７５を構成する接着シートの枚数及び配置レイアウトは、図２に示される接着シートの枚数及び配置レイアウトには限定されない。接着部材７５は、例えば、複数上下方向に並べられた複数の接着シートを含んでもよく、接着部材７５が、単一の接着シートによって実現されてもよい。

　また、前後方向（Ｙ軸方向）に重ねられた表示パネル２０、熱拡散板５０、及びバックカバー４０には、これらの上端面及び左右の端面を囲むようにフレーム３０が配置されている。フレーム３０により、表示パネル２０、熱拡散板５０、及びバックカバー４０の、少なくとも上端面及び左右の端面は保護される。フレーム３０は、熱拡散板５０と接着テープ７０で接着され、バックカバー４０と接着テープ７１で接着される。接着テープ７０及び７１は、上記接着部材７５と同じく、樹脂製の基材の両面に粘着剤が配置された部材である。フレーム３０とバックカバー４０とはネジによって締結された部分もあるが、詳細な説明は省略する。フレーム３０は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属、または、樹脂等で形成されている。

　フレーム３０は、表示パネル２０の周縁部を背面側から支持することで、表示パネル２０の周縁部の前面を覆わずに表示パネル２０を支持するよう構成されている。これにより、例えば、テレビジョン受像機が表示パネルモジュールとして画像表示装置１０を備えることで、狭額縁化されたテレビジョン受像機を得ることができる。また、表示パネル２０の周縁部の背面には熱拡散板５０が配置されており、これにより、表示パネル２０の全体としての放熱効率を向上させることができる。このような構成において、本実施の形態では、熱拡散板５０の周縁部とフレーム３０の一部とが、画像表示装置１０の厚みの増加を抑制しつつ、放熱性を向上させる態様で配置されている。この構造について、図３～図５を用いて以下に説明する。

　［２．画像表示装置の周縁部の構造］
　図３は、実施の形態に係る画像表示装置１０の周縁部の一部を示す斜視図である。図３では、図２の点線で囲まれた領域ＩＩＩに対応する部分の拡大図が示されている。図４は、実施の形態に係る画像表示装置１０の周縁部の構成を示す部分断面図である。図４では、図３のＩＶ－ＩＶ線を通るＸＹ平面における画像表示装置１０の部分断面が図示されている。図５は、図４に対応する画像表示装置１０の分解斜視図である。

　図３～図５に示すように、本実施の形態に係る画像表示装置１０では、その周縁部において、表示パネル２０、熱拡散板５０及びバックカバー４０の端面が、フレーム３０によって覆われている。

　具体的には、フレーム３０は、表示パネル２０及び熱拡散板５０の端面に対向して配置された側壁部３１と、側壁部３１から熱拡散板５０に向けて立設された支持壁部３２とを有している。側壁部３１は、表示パネル２０、熱拡散板５０及びバックカバー４０の端面を覆うことで、これら端面を隠し、かつ、保護する部位である。支持壁部３２は、表示パネル２０の周縁部を、その背面側から支持する部位である。具体的には、支持壁部３２は、熱拡散板５０の周縁部５０ａを介して表示パネル２０の周縁部を支持している。より詳細には、熱拡散板５０の周縁部５０ａの背面側（支持壁部３２の側）には、図４及び図５に示すように、他の部分よりも薄く形成された段差部５４を有している。フレーム３０の側壁部３１から内側に突出して設けられた支持壁部３２は、この段差部５４に収容される。また、支持壁部３２と段差部５４とは、接着テープ７０によって接着され、かつ、熱拡散板５０の前面のほぼ全域と表示パネル２０の背面とは接着部材７５によって接着される。これにより、フレーム３０の支持壁部３２は、熱拡散板５０の周縁部５０ａを介して表示パネル２０の周縁部を支持することができる。

　図３～図５に示すように、熱拡散板５０とバックカバー４０とは、接着テープ７１によって接着されかつ、ネジ８０によって接続される。具体的には、バックカバー４０には、図２、図４及び図５に示すように、複数の挿通孔４１が形成されており、熱拡散板５０には複数のネジ穴５１が形成されている。挿通孔４１に挿通されたネジ８０の軸部８１はネジ穴５１に螺合する。画像表示装置１０では、このようなネジ８０による熱拡散板５０とバックカバー４０との締結箇所が複数設けられている。

　［３．効果等］
　以上説明したように、本実施の形態に係る画像表示装置１０は、前面に画像を表示する表示パネル２０と、表示パネル２０の背面側に配置された熱拡散板５０と、表示パネル２０及び熱拡散板５０の端面に沿って設けられたフレーム３０とを備える。フレーム３０は、表示パネル２０及び熱拡散板５０の端面に対向して配置された側壁部３１と、側壁部３１から熱拡散板５０に向けて立設された支持壁部３２とを有する。熱拡散板５０は、支持壁部３２と表示パネル２０との間に配置される周縁部５０ａを有し、周縁部５０ａの背面側には、支持壁部３２の少なくとも一部を収容する段差部５４が設けられている。

　この構成によれば、フレーム３０の側壁部３１から内側に突出して設けられた支持壁部３２は、熱拡散板５０の周縁部５０ａの背面側の段差部５４に収容される。これにより、熱拡散板５０が、前面側に配置された表示パネル２０の背面のほぼ全域を覆う大きさに形成することができる。つまり、本実施の形態では、熱拡散板５０とフレーム３０の支持壁部３２との干渉を避けるように、熱拡散板５０の端面を支持壁部３２の内側まで後退させるのではなく、周縁部５０ａと支持壁部３２とを前後方向で重ねている。この構造において、熱拡散板５０の周縁部５０ａの、支持壁部３２と重なる部分は、周縁部５０ａの段差形状の部分（段差部５４）であり、これにより、周縁部５０ａと支持壁部３２とが重なることによる厚みの増加が抑制される。なお、本実施の形態では、段差部５４は、図４に示すように、支持壁部３２の幅方向（Ｘ軸方向）及び厚み方向（Ｚ軸方向）の全体を収容する大きさに形成されている。

　さらに、周縁部５０ａの前面は、周縁部５０ａよりも内側の部分の前面と面一に形成することができるため、熱拡散板５０の前面の全域をフラットに形成することができる。これにより、熱拡散板５０の周縁部５０ａを含む全域を表示パネル２０の背面に沿って配置することができ、これにより、表示パネル２０の放熱を効率よく行うことがでる。また、熱拡散板５０の、支持壁部３２と重ねられない部分の肉厚を比較的に大きくすることができるため、熱拡散板５０による熱交換可能量を増加させることができる。このことによっても、表示パネル２０の放熱を効率よく行うことができる。

　このように、本実施の形態に係る画像表示装置１０によれば、厚みの増加を抑制しつつ放熱性を向上させることができる。

　本実施の形態に係る画像表示装置１０は、表示パネル２０及び熱拡散板５０の間に配置された接着部材７５を備える。接着部材７５は、熱拡散板５０の周縁部５０ａの前面の少なくとも一部を含む領域であって、熱拡散板５０の前面における半分以上の面積の領域に配置されている。

　この構成によれば、周縁部５０ａがフレーム３０の支持壁部３２と表示パネル２０との間に配置される大きさ及び形状を有する熱拡散板５０において、前面の比較的に大きな領域が、接着部材７５によって表示パネル２０と接着される。つまり、表示パネル２０の背面の比較的に大きな領域が接着部材７５によって熱拡散板５０と接着される。

　これにより、表示パネル２０に熱拡散板５０をより近接して配置することができ、その結果、熱拡散板５０による放熱がより効率よく行われる。具体的には、仮に、表示パネル２０と熱拡散板５０との間に、面積の小さな接着シートを散在させ、かつ、表示パネル２０を熱拡散板５０に近接配置した場合を想定する。この場合、表示パネル２０において、背面側に接着シートがある部分と、接着シートがない（空気層がある）部分との放熱性の差が大きくなり、その結果、表示パネル２０において色ムラまたは輝度ムラ等が目立ちやすくなる。そのため、従来では、例えば接着部材７５よりも厚い接着シート（接着テープ）を用いることで、表示パネル２０と熱拡散板５０とを離隔させていた。例えば、本実施の形態に係る接着部材７５の厚みを０．３ｍｍとした場合、従来の、表示パネルと熱拡散板とを接着する接着シート（接着テープ）として、０．５ｍｍ以上の厚みのものが用いられていた。しかし、本実施の形態では、表示パネル２０の背面における比較的に大きな領域に接着部材７５が配置されていることで、表示パネル２０における放熱性のムラが生じ難い。そのため、接着部材７５の厚みを小さくすることで熱拡散板５０と表示パネル２０とを近接配置した場合であっても、色ムラまたは輝度ムラ等の発生が抑制される。この効果は、接着部材７５の配置面積が、例えば熱拡散板５０の前面の面積の半分以上となることで発揮され、その値が大きくなるほどより顕著となる。そのため、本実施の形態では、図２及び図４に示すように、接着部材７５は、熱拡散板５０の前面のほぼ全域と、表示パネル２０の背面のほぼ全域とが接着されるよう配置されている。

　このように、表示パネル２０と熱拡散板５０とを近接配置することは、画像表示装置１０の薄型化に有利である。また、接着部材７５の厚みを小さくすることにより、例えば、画像表示装置１０の厚みの増加を抑制しつつ、熱拡散板５０の段差部５４以外の部分の肉厚をさらに大きくすることも可能である。

　本実施の形態に係る画像表示装置１０はさらに、熱拡散板５０の背面側に配置されるバックカバー４０を備える。バックカバー４０の厚みは、熱拡散板５０の厚みよりも小さい。つまり、バックカバー４０を形成する板状部材の厚み（肉厚）は、熱拡散板５０の厚み（段差部５４以外の部分）の厚みよりも小さい。

　本実施の形態では、上述のように、熱拡散板５０の周縁部５０ａに形成された段差部５４が、フレーム３０の支持壁部３２と前後方向で重ねられているため、熱拡散板５０の段差部５４以外の部分の厚みを大きくできる。これにより、例えば、画像表示装置１０に要求される、構造物としての剛性を、熱拡散板５０によって確保することができ、その結果、バックカバー４０の肉厚を薄くすることができる。このことは、画像表示装置１０の厚みの増加の抑制、または、薄型化に有利である。

　本実施の形態において、バックカバー４０には、ネジ８０の軸部８１が挿通する挿通孔４１が形成されている。熱拡散板５０には、挿通孔４１に挿通されたネジ８０の軸部８１と螺合するネジ穴５１であって、軸部８１の先端を露出させない長さのネジ穴５１が形成されている。

　本実施の形態では、上述のように、熱拡散板５０の肉厚が比較的に大きいため、図４に示すように、ネジ８０の軸部８１の先端を露出させない長さのネジ穴５１の形成が可能である。これにより、例えば、熱拡散板５０に、バックカバー４０の側に凸状の膨出部（ボス）を設けることなく、バックカバー４０を熱拡散板５０にネジ止めすることができる。つまり、熱拡散板５０にボスを設けた場合、ボスの裏側は、表示パネル２０と接着されない領域となり、このことは、表示パネル２０の放熱効率の維持または向上の妨げとなる。この点に関し、本実施の形態では、熱拡散板５０にネジ止め用のボスは不要であるため、熱拡散板５０にボスが存在することによる放熱効率の低下は生じない。また、熱拡散板５０の一部とバックカバー４０の一部とを、ネジ８０による締結力で密着させることができるため、熱拡散板５０とバックカバー４０とをより強固に結合することができるともに、熱拡散板５０からバックカバー４０への熱伝導が効率よく行われる。このことは、表示パネル２０の放熱効率の向上に有利である。

　なお、本実施の形態では、熱拡散板５０に設けられたネジ穴５１は、図４及び図５に示すように、熱拡散板５０を貫通しているが、ネジ穴５１は熱拡散板５０を貫通している必要はない。つまり、ネジ穴５１は、熱拡散板５０の背面のみに開口する有底の穴であってもよい。この場合、熱拡散板５０の前面におけるネジ穴５１に対応する部分に、開口が形成されない。そのため、熱拡散板５０における、表示パネル２０の背面に沿って配置される面積が増加する。このことは、表示パネル２０の放熱効率の向上に寄与する。

　（他の実施の形態）
　以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。

　例えば、熱拡散板５０と表示パネル２０とを接着する接着層は、接着シートまたは接着テープ等の粘着剤を用いた部材である必要はない。例えば熱伝導性の高いシリコーン接着剤によって、熱拡散板５０と表示パネル２０とが接着されてもよい。

　バックカバー４０、フレーム３０の支持壁部３２、熱拡散板５０、及び表示パネル２０のうちの互いに隣り合う部材間を接着する部材（接着テープ７０及び７１、並びに接着部材７５のそれぞれ）は必須ではない。例えば、バックカバー４０とフレーム３０の支持壁部３２とは、係合または嵌合などによって接続されてもよい。また、例えば、表示パネル２０と熱拡散板５０とは、接着部材７５を用いずに、表示パネル２０の周縁部の全域を熱拡散板５０に向けてフレームで押さえるなど、構造的な仕組みによって互いに密着するように構成されてもよい。

　フレーム３０は、熱拡散板５０、及びバックカバー４０の上下の端面及び左右の端面を囲むように矩形状に形成されてもよい。また、フレーム３０は、組み立てやすさ等を考慮して複数の部材に分割されてもよい。

　画像表示装置１０が組み込まれるテレビジョン受像機またはモニタディスプレイ等が、重ね合わされた表示パネル２０及び熱拡散板５０の端面に沿う枠部材を有する場合、画像表示装置１０は、当該枠部材をフレームとして利用してもよい。

　表示パネル２０は、有機ＥＬパネルとは異なる種類の表示パネルであってもよい。例えば、マトリクス状に配置された、赤、青、緑のそれぞれで発光する３種類のＬＥＤを有するＬＥＤディスプレイパネルが、表示パネル２０として画像表示装置１０に配置されてもよい。

　以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。

　従って、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。

　上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。

　本開示は、テレビジョン受像機、モニタディスプレイ、または、デジタルサイネージ等に備えられる画像表示装置に適用可能である。

　　１０　画像表示装置
　　２０　表示パネル
　　３０　フレーム
　　３１　側壁部
　　３２　支持壁部
　　４０　バックカバー
　　４１　挿通孔
　　５０　熱拡散板
　　５０ａ　周縁部
　　５１　ネジ穴
　　５４　段差部
　　７０、７１　接着テープ
　　７５　接着部材
　　８０　ネジ
　　８１　軸部
　　９０　下部キャビネット

Claims (4)

1. 　前面に画像を表示する表示パネルと、
   　前記表示パネルの背面側に配置された熱拡散板と、
   　前記表示パネル及び前記熱拡散板の端面に沿って設けられたフレームとを備え、
   　前記フレームは、
   　前記表示パネル及び前記熱拡散板の端面に対向して配置された側壁部と、
   　前記側壁部から前記熱拡散板に向けて立設された支持壁部とを有し、
   　前記熱拡散板は、前記支持壁部と前記表示パネルとの間に配置される周縁部を有し、
   　前記周縁部の背面側には、前記支持壁部の少なくとも一部を収容する段差部が設けられている、
   　画像表示装置。
2. 　前記表示パネル及び前記熱拡散板の間に配置された接着部材を備え、
   　前記接着部材は、前記周縁部の前面の少なくとも一部を含む領域であって、前記熱拡散板の前面における半分以上の面積の領域に配置されている、
   　請求項１記載の画像表示装置。
3. 　さらに、前記熱拡散板の背面側に配置されるバックカバーを備え、
   　前記バックカバーの厚みは、前記熱拡散板の厚みよりも小さい、
   　請求項１または２記載の画像表示装置。
4. 　前記バックカバーには、ネジの軸部が挿通する挿通孔が形成されており、
   　前記熱拡散板には、前記挿通孔に挿通された前記ネジの軸部と螺合するネジ穴であって前記軸部の先端を露出させない長さのネジ穴が形成されている、
   　請求項３記載の画像表示装置。

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