WO2020189564A1

WO2020189564A1 - 内視鏡のコネクタ装置

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Publication number: WO2020189564A1
Application number: PCT/JP2020/011161
Authority: WO
Inventors: 慎太郎服部; 鳥澤　信幸
Original assignee: 富士フイルム株式会社
Priority date: 2019-03-19
Filing date: 2020-03-13
Publication date: 2020-09-24
Also published as: US20210382291A1; EP3943998A1; CN113544566B; EP3943998A4; JP7078798B2; JPWO2020189564A1; CN113544566A

Abstract

内視鏡を安定して動作させることができる内視鏡のコネクタ装置を提供する。コネクタ装置（１０）は、中空の外装ケース（２０）と、外装ケース（２０）に収容されたシールドケース（２２）と、プロセッサ装置（２００）の給電部（２１６）から非接触で電力が供給される受電部（２４）とを備え、外装ケース（２０）は給電部（２１６）に対向する側壁部（３２Ｄ）を有し、シールドケース（２２）は、側壁部（３２Ｄ）から離間して対向配置された内側ケース壁部（２３）を有し、受電部（２４）は内側ケース壁部（２３）に配置される。

Description

内視鏡のコネクタ装置

　本発明は内視鏡のコネクタ装置に係り、特に内視鏡用プロセッサ装置に接続される内視鏡のコネクタ装置に関する。

　特許文献１には、受電コイルを備えた内視鏡のコネクタ装置（第１コネクタ）が開示されている。このコネクタ装置が内視鏡用プロセッサ装置に接続されると、上記の受電コイルと内視鏡用プロセッサ装置側の給電コイルとによって非接触式の電力供給部が構成され、この電力供給部によって内視鏡に必要な電力が内視鏡用プロセッサ装置から内視鏡に供給される。

　また、特許文献１のコネクタ装置は、内視鏡用プロセッサ装置に接続される側から順に第１コネクタケースと、第２コネクタケースと、第３コネクタケースとを有する外装ケースを備えており、受電コイルは、第１コネクタケースの内部であって、内視鏡用プロセッサ装置との接続面に近い位置に配置されている。

特開２０１６－６７５３４号公報

　特許文献１のように受電コイルを備えるコネクタ装置では、内視鏡の安定した動作を保証するために、内視鏡用プロセッサ装置の給電コイルとコネクタ装置の受電コイルとの位置が正確に合っている必要がある。

　しかしながら、例えば、受電コイルがコネクタ装置の外装ケースに配置されている場合には、以下の問題があった。すなわち、内視鏡は、使用の度に滅菌処理を行う必要がある。この場合、オートクレーブを用いて滅菌処理を行うことがあるが、この滅菌処理時においてコネクタ装置は、高温及び高圧（例えば１２１℃及び２気圧）の飽和水蒸気に２０分程度の間晒されることになる。このような滅菌処理を繰り返し実施すると、コネクタ装置の外装ケースが蒸気滅菌のヒートサイクルで徐々に形状が変形していくので、受電コイルの位置が当初の位置からずれてしまい、この結果、給電効率が低下し、内視鏡の動作が不安定になるという問題があった。

　本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、内視鏡を安定して動作させることができる内視鏡のコネクタ装置を提供することを目的とする。

　本発明の内視鏡のコネクタ装置の一形態は、本発明の目的を達成するために、プロセッサ装置と着脱自在に接続される内視鏡のコネクタ装置であって、中空の外装ケースと、外装ケースの内部に収容された内側ケースと、外装ケースの内部に内側ケースを配置する保持体と、プロセッサ装置の給電部から非接触で電力が供給される受電部と、を備え、外装ケースは、プロセッサ装置の給電部に対向する側壁部を有し、内側ケースは、側壁部から離間して対向配置された内側ケース壁部を有し、受電部は、内側ケース壁部に配置される。

　本発明の一形態は、受電部は、平板状のコアと、コアに螺旋状に巻回されたコイルとを有し、コアは焼結フェライトコアで構成されることが好ましい。

　本発明の一形態は、受電部は、熱硬化性接着材によって内側ケース壁部に接着されることが好ましい。

　本発明の一形態は、保持体は、内側ケース壁部に一端が固定された軸状部材であり、側壁部には、軸状部材が挿通され且つ軸状部材の他端を外装ケースの外部に導出させる第１導出孔が設けられ、第１導出孔の内壁面と軸状部材の外壁面との間には第１封止部材が配設されていることが好ましい。

　本発明の一形態は、プロセッサ装置には、側壁部に対向する面に軸状部材の他端を挿入可能な位置決め用孔を有し、軸状部材の他端が位置決め用孔に挿入されて、受電部が給電部に対向する位置に位置決めされた状態であることが好ましい。

　本発明の一形態は、第１封止部材は、軸状部材の外壁面に嵌合されたＯリングであることが好ましい。

　本発明の一形態は、外装ケースは樹脂製であり、内側ケースは金属製であることが好ましい。

　本発明の一形態は、内側ケースは、電子部品をシールドするためのシールドケースであることが好ましい。

　本発明の一形態は、外装ケースは円筒体を有し、内側ケースは直方体形状に構成され、内側ケースは、内側ケースの長辺が円筒体の軸に沿った姿勢で外装ケースに収容されることが好ましい。

　本発明の一形態は、外装ケースは、内視鏡から延設されたユニバーサルケーブルが接続される開口部を有し、開口部の内壁面とユニバーサルケーブルの外壁面との間には第２封止部材が配設されていることが好ましい。

　本発明の一形態は、第２封止部材は、ユニバーサルケーブルの外壁面に嵌合されたＯリングであることが好ましい。

　本発明の一形態は、外装ケースの開口部は、内視鏡、ユニバーサルケーブル、及びユニバーサルケーブルに設けられたスイッチ配置部材を挿通可能な大きさに構成されることが好ましい。

　本発明の一形態は、外装ケースの内部に一端が配置されたライトガイド棒が設けられ、側壁部には、ライトガイド棒が挿通され且つライトガイド棒の他端を外装ケースの外部に導出させる第２導出孔が設けられ、第２導出孔の内壁面とライトガイド棒の外壁面との間には第３封止部材が配設されていることが好ましい。

　本発明の一形態は、第３封止部材は、ライトガイド棒の外壁面に嵌合されたＯリングであることが好ましい。

　本発明によれば、内視鏡を安定して動作させることができる。

外科システムの概略構成図挿入部の先端部の正面図コネクタ装置の外観斜視図外装ケースを構成するプラグの斜視図プラグを前方から後方に向けて見た斜視図プラグを後方から前方に向けて見た斜視図外装ケースを構成するコネクタ外装ケースを前方から後方に向けて見た斜視図コネクタ外装ケースを後方から前方に向けて見た斜視図ライトガイド棒を含むコネクタ外装ケースを前方から後方に向けて見た斜視図シールドケースの構成を示した斜視図ピンが挿入される挿通路を示した要部拡大断面図

　以下、添付図面に従って本発明に係る内視鏡のコネクタ装置について説明する。

　図１は、内視鏡システム１の概略構成図である。内視鏡システム１は、内視鏡１００と、内視鏡用プロセッサ装置２００とを備えている。

　内視鏡１００は、例えば腹腔鏡等の硬性内視鏡であり、体腔内に挿入される細長い硬性の挿入部１０２と、挿入部１０２の基端部に連設されたＬ字形状のグリップ部１０４と、グリップ部１０４を介して挿入部１０２に基端部が接続された軟性のユニバーサルケーブル１０６と、ユニバーサルケーブル１０６の中途部分に設けられたスイッチ配置部材１０８と、を備える。

　ユニバーサルケーブル１０６の先端部には、実施形態に係るコネクタ装置１０が設けられており、内視鏡１００はコネクタ装置１０を介して内視鏡用プロセッサ装置２００のプロセッサ側コネクタ２１０に着脱自在に接続される。なお、図１では、内視鏡１００と比較してコネクタ装置１０を誇大視して示している。

　内視鏡用プロセッサ装置２００は、光源部２０２と、画像信号受信部２０４を含む画像処理部２０６とを備えている。また、内視鏡用プロセッサ装置２００には、画像処理部２０６にて画像処理された画像を表示するモニタ２０８が接続されている。

　本例の内視鏡システム１は、内視鏡１００と内視鏡用プロセッサ装置２００との間で、コネクタ装置１０とプロセッサ側コネクタ２１０とから構成されるコネクタ部を介して、電力及び光信号等を非接触で伝送する構成を備えている。また、前述のスイッチ配置部材１０８に配置される操作スイッチ１１０としては、例えば、モニタ２０８に表示される画像を、通常の撮像画像と特殊光の画像（例えば、WL（white light）画像、BLI（Blue LASER Imaging）画像、 LCI（Linked Color Imaging ）画像又は低酸素イメージング画像）とを切り替える画像切替スイッチを適用することができる。また、これに限らず、画像静止スイッチ、撮影スイッチ、テレとワイドのボタンを備えたズームスイッチ、挿入部先端部の洗浄スイッチ、ライト光量調整スイッチ、又は感度調整スイッチ等を適用することもできる。

　図２は、挿入部１０２の先端部の正面図である。また、図１では、挿入部１０２の先端部の要部断面を拡大して示している。

　図１及び図２の如く、挿入部１０２の先端面１０２Ａには、観察部１１４が設けられている。観察部１１４は、観察窓１１６と、観察窓１１６の周囲に配置されたライトガイド１１８の先端部である３箇所の光出射端１１８Ａと、観察窓１１６の背部に配置された撮像レンズ群１２０及びプリズム１２２と、固体撮像素子１２４とを備えている。固体撮像素子１２４としては、ＣＣＤ(Charge Coupled Device)型イメージセンサ又はＣＭＯＳ(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを適用することができる。

　ライトガイド１１８の基端部は、挿入部１０２とグリップ部１０４とユニバーサルケーブル１０６とに挿通されてコネクタ装置１０の円筒状のライトガイド棒１２に挿入配置される。このライトガイド棒１２をプロセッサ側コネクタ２１０の接続孔２１２に接続することにより、ライトガイド１１８の光入射端１１８Ｂが内視鏡用プロセッサ装置２００の光源部２０２に接続される。これにより、光源部２０２からの照明光がライトガイド１１８を介して伝送されて、ライトガイド１１８の３箇所の光出射端１１８Ａから挿入部１０２の前方に照射される。

　一方、観察窓１１６から取り込まれた被写体光は、撮像レンズ群１２０及びプリズム１２２を介して固体撮像素子１２４の撮像面に結像され、固体撮像素子１２４により撮像信号に変換される。固体撮像素子１２４には、不図示のベース基板を介して信号線１２６の先端部が接続される。信号線１２６の基端部は、挿入部１０２とグリップ部１０４とユニバーサルケーブル１０６とに挿通されてコネクタ装置１０の外装ケース２０に収容された画像信号送信部１４に接続される。この画像信号送信部１４により撮像信号が光信号に変換され、この光信号は外装ケース２０に収容されたファイバーケーブル１６に伝送される。

　ファイバーケーブル１６の光出射端１６Ａは、コネクタ装置１０の円筒状のピン１８に挿入配置される。このピン１８を、プロセッサ側コネクタ２１０の接続孔２１４に接続することにより、上記の光信号は内視鏡用プロセッサ装置２００の画像信号受信部２０４に非接触で光送信される。画像信号受信部２０４に光送信された光信号は、画像処理部２０６にて画像処理されてモニタ２０８に被写体像として表示される。

　上記のピン１８は、本発明の構成要素である軸状部材の一例である。このピン１８の基端部は、外装ケース２０の内部に収容された金属製のシールドケース２２に固定されており、このピン１８を上記の接続孔２１４に接続することで、プロセッサ側コネクタ２１０にシールドケース２２が位置決めされる。また、シールドケース２２内部には、上記の画像信号送信部１４を構成する基板等の電子部品が搭載されている。

　コネクタ装置１０には、電力を非接触で受電する受電部２４が設けられ、プロセッサ側コネクタ２１０には、電力を非接触で給電する給電部２１６が設けられている。本例の内視鏡システム１では、給電部２１６と受電部２４とによって非接触式の電力供給部が構成され、この電力供給部によって内視鏡１００側の電子部品の駆動に必要な電力が内視鏡用プロセッサ装置２００からコネクタ装置１０に供給される。なお、後述するが、受電部２４は、外装ケース２０に固定されておらず、ピン１８と同様にシールドケース２２に固定されている。

ライトガイド棒１２とピン１８を介してコネクタ装置１０をプロセッサ側コネクタ２１０に接続すると、給電部２１６と受電部２４とが電磁結合可能な距離に近接して対向配置され、給電部２１６から受電部２４へ非接触による電力給電が可能な状態となる。この給電部２１６は、外部の商用電源に接続されており、この商用電源から給電部２１６に電力が供給されると、給電部２１６から受電部２４に電力が非接触で給電される。

給電部２１６としては、商用電源に接続された一次コイル（給電コイルとも言う。）を例示することができ、また、受電部２４としては、上記の一次コイルに電磁結合される二次コイル（受電コイルとも言う。）を例示することができる。

　上記の一次コイル及び二次コイルの構造としては、平板状のコアの表面にコイルを螺旋状に巻回した構造を例示することができる。この場合、受電部２４を構成する二次コイルのコアは、一例として耐熱性の高い焼結フェライトコアであることが好ましい。これにより、オートクレーブの熱に対抗することができる耐熱性の高い受電部２４を構成することができる。また、受電部２４は、後述するようにシールドケース２２に固定されるが、この場合、一例として耐熱性の高い熱硬化性エポキシシート等の熱硬化性接着材を用いて受電部２４をシールドケース２２に接着することが好ましい。これにより、耐熱性の高い受電部２４を構成することができる。

実施形態では、非接触の電力供給部として、給電部２１６を一次コイルで構成し、受電部２４を二次コイルで構成したものを例示したが、これに限定されるものではなく、非接触により電力を給電及び受電可能なものであればよい。なお、一次コイルと二次コイルとを利用して電力の給電を行う内視鏡は、特開２０１６－６７５３４号公報により公知であるので、ここではその詳細な説明は省略する。

　次に、コネクタ装置１０の構造について説明する。図３は、コネクタ装置１０の外観を示した全体斜視図である。　

　図３に示すように、コネクタ装置１０の外装ケース２０は、円筒状のライトガイド棒１２及びピン１８の軸線方向に平行な長手軸１０ａを有している。なお、以下の説明では、コネクタ装置１０が配置された空間の位置及び向きに関して、長手軸１０ａに沿ったＸ（＋）方向の向きを「前」、Ｘ（－）方向の向きを「後」、Ｘ方向に直交するＹ（＋）方向の向きを「左」、Ｙ（－）方向の向きを「右」、ＸＹ方向に直交するＺ（＋）方向の向きを「上」、Ｚ（－）方向の向きを「下」という用語を用いて説明する。

　コネクタ装置１０は、耐熱性及び耐薬品性の高い樹脂製の外装ケース２０と、金属製のライトガイド棒１２と、金属製のピン１８と、金属製のシールドケース２２（図１参照）とを有している。

　図４は、外装ケース２０を構成するプラグ（栓：plug）２６の斜視図、図５は、プラグ２６を前方から後方に向けて見た斜視図、図６は、プラグ２６を後方から前方に向けて見た斜視図である。

　また、図７は、外装ケース２０を構成するコネクタ外装ケース２８を前方から後方に向けて見た斜視図であり、図８はコネクタ外装ケース２８を後方から前方に向けて見た斜視図である。

　図３に戻り、外装ケース２０は、図４から図６に示したプラグ２６と、図７及び図８に示したコネクタ外装ケース２８とを接続することにより中空状に構成される。

　プラグ２６は、図４から図６に示すように、後端に開口２９を有する楕円環部３０と、楕円環部３０から前方に突出したマウント部３２と、マウント部３２から前方に突出した円筒部３４とを備えている。

　図６に示すように、楕円環部３０は、その平面視の形状が、左右方向において互いに対向する一対の平行な直線部３０Ａ、３０Ａと、上下方向において互いに対向する一対の曲線部３０Ｂ、３０Ｂと、が接続されたレーストラック形状（長円形状）に構成されている。また、楕円環部３０の外周面には、封止部材であるＯリング３６が嵌合されている。このＯリング３６は、後述するように外装ケース２０の内部を封止する複数の封止部材のうちの一つである。

　図５に示すように、マウント部３２は、その平面視の形状が、左右方向において対向する一対の平行な直線部３２Ａ、３２Ａと、上下方向において対向する曲線部３０Ｂ及び直線部３０Ｃと、が接続された略半楕形状に構成されている。

　円筒部３４は、マウント部３２の側壁部３２Ｄの上部に備えられており、その中央部にはライトガイド棒１２（図３参照）を外部に導出する導出孔３８が備えられている。この導出孔３８は、本発明の構成要素である第２導出孔の一例である。また、側壁部３２Ｄは、本発明の構成要素である側壁部の一例である。この側壁部３２Ｄは、コネクタ装置１０が内視鏡用プロセッサ装置２００に接続されると、内視鏡用プロセッサ装置２００の給電部２１６（図１参照）に対向配置される。

　図９は、コネクタ外装ケース２８を前方から後方に向けて見た斜視図であり、ライトガイド棒１２及びシールドケース２２が図示されている。図９に示すように、ライトガイド棒１２は、その基端部が外装ケース２０の内部に配置されて略半円形のブラケット１３に固定されている。このブラケット１３が図４から図６に示したプラグ２６の内周面に固定されることにより、ライトガイド棒１２がプラグ２６に支持されている。

　また、図９に示すように、ライトガイド棒１２の外周面には、弾性を有するＯリング４０が嵌合されており、ライトガイド棒１２は、Ｏリング４０を介して導出孔３８（図５参照）に嵌着される。Ｏリング４０は、ライトガイド棒１２の外壁面を構成する外周面と導出孔３８の内壁面を構成する内周面との間の隙間に配設されるものであり、本発明の構成要素である第３封止部材の一例である。このＯリング４０もＯリング３６と同様に、外装ケース２０の内部を封止する複数の封止部材のうちの一つである。

　図５に戻り、マウント部３２の側壁部３２Ｄには、ピン１８（図３参照）を外部に導出する導出孔４２が備えられている。この導出孔４２は、本発明の構成要素である第１導出孔の一例である。

　図９に示すように、ピン１８の一端は、シールドケース２２の前面の内側ケース壁部２３に固定され、ピン１８の他端は前方に向けて配置されている。また、ピン１８の外周面には、弾性を有するＯリング４４が嵌合されており、ピン１８は、Ｏリング４４を介して導出孔４２（図５参照）に嵌着される。Ｏリング４４は、ピン１８の外壁面を構成する外周面と導出孔４２の内壁面を構成する内周面との間の隙間に配設されるものであり、本発明の構成要素である第１封止部材の一例である。このＯリング４４もＯリング３６、４０と同様に、外装ケース２０の内部を封止する複数の封止部材のうちの一つである。

　また、Ｏリング４４を介してピン１８を導出孔４２に嵌着することにより、シールドケース２２（図１参照）は、ピン１８によって外装ケース２０の内部に配置される。すなわち、シールドケース２２は、ピン１８によってプラグ２６及びコネクタ外装ケース２８の内面から離間して配置される。

　図１０は、シールドケース２２の構成を示した斜視図である。図１０に示すように、シールドケース２２は、直方体形状に構成され、シールドケース２２の長辺２２Ａが長手軸１０ａに沿った姿勢でコネクタ外装ケース２８に収容される。これにより、コネクタ外装ケース２８の内面とシールドケース２２の外面との間に十分な空間が確保されている。

　図７及び図８に示すように、コネクタ外装ケース２８は、前端が膨らんだ略円筒状に構成されている。コネクタ外装ケース２８は、前端に開口２７を有する楕円環部４６を備えている。この楕円環部４６は、その平面視の形状が、左右方向において互いに対向する一対の平行な直線部４６Ａ、４６Ａと、上下方向において互いに対向する一対の曲線部４６Ｂ、４６Ｂと、が接続されたレーストラック形状（長円形状）に構成されている。

　コネクタ外装ケース２８とプラグ２６（図６参照）とは、プラグ２６の楕円環部３０をコネクタ外装ケース２８の楕円環部４６に嵌入することで接続される。この接続状態において、楕円環部３０の直線部３０Ａ、３０Ａと楕円環部４６の直線部４６Ａ、４６Ａとが対向配置され、楕円環部３０の曲線部３０Ｂ、３０Ｂと楕円環部４６の曲線部４６Ｂ、４６Ｂとが対向配置される。そして、図７に示すように、楕円環部４６の内周面には、その内周面に沿った環状の溝４８が備えられ、この溝４８にプラグ２６側のＯリング３６（図５参照）が嵌合される。すなわち、コネクタ外装ケース２８とプラグ２６とは、プラグ２６の楕円環部３０をコネクタ外装ケース２８の楕円環部４６に嵌入して、Ｏリング３６を溝４８に嵌合させることで接続される（図３参照）。

　一方、図８に示すように、楕円環部４６の直線部４６Ａ、４６Ａには、楕円環部４６の外周面と内周面とを貫通する一対の貫通孔５０、５２（楕円環部４６の左側面の貫通孔５０、５２のみ図示）が上下方向において同軸上に備えられている。また、直線部４６Ａ、４６Ａの内周面には、図７に示すように、貫通孔５０と貫通孔５２とを接続する半円形の溝５４が上下方向に沿って備えられている。更に、図４及び図５に示すように、楕円環部３０の直線部３０Ａ、３０Ａの外周面には、半円形の溝５６、５６（楕円環部３０の左側面の溝５６のみ図示）が上下方向に沿って備えられており、この溝５６は、コネクタ外装ケース２８とプラグ２６とが接続された状態で溝５４に対向配置される。これにより、図１１に示す要部断面図の如く、溝５４の壁面と溝５６の壁面とによって、略円柱状の挿通路５８が上下方向に沿って形成される。

　図８には、貫通孔５０から上記の挿通路５８（図１１参照）を介して貫通孔５２に嵌入される円柱状のピン６０が示されている。このピン６０を貫通孔５０から挿通路５８（図１１参照）を介して貫通孔５２に嵌入し、ピン６０の上端部６０Ａを貫通孔５０の内壁面に嵌合させ、ピン６０の下端部６０Ｂを貫通孔５２の内壁面に嵌合させ、ピン６０の上端部６０Ａと下端部６０Ｂを除く部分を挿通路５８に嵌合させる。これにより、コネクタ外装ケース２８からのプラグ２６の抜けが防止され、且つ楕円環部３０の直線部３０Ａがピン６０によって補強され、直線部３０Ａの変形が抑制された状態となる。また、ピン６０は、その下端部６０Ｂから楕円環部３０の直線部３０Ａにかけて螺入されたネジ６２（図７参照）によって、楕円環部３０に締結される。これにより、ピン６０の脱落が防止されている。更に、ピン６０の上端部６０Ａ及び下端部６０Ｂは、直線部４６Ａの外周面から突出しないように斜面として構成されている。なお、ピン６０は、剛性の高い金属によって構成されることが好ましい。

　図８に示すように、コネクタ外装ケース２８は、その後端に、ユニバーサルケーブル１０６（図３参照）が接続される開口部６４が備えられる。また、ユニバーサルケーブル１０６の外周面には、弾性を有するＯリング６６（図１０参照）が嵌合されており、ユニバーサルケーブル１０６は、Ｏリング６６を介して開口部６４に嵌着される。Ｏリング６６は、ユニバーサルケーブル１０６の外壁面を構成する外周面と開口部６４の内壁面を構成する内周面との間の隙間に配設されるものであり、本発明の構成要素である第２封止部材の一例である。このＯリング６６もＯリング３６、４０、４４と同様に、外装ケース２０の内部を封止する複数の封止部材のうちの一つである。

　図１に示す内視鏡１００の組立時において、挿入部１０２、グリップ部１０４、スイッチ配置部材１０８及びユニバーサルケーブル１０６は、挿入部１０２を先頭にして、コネクタ外装ケース２８の開口２７（図７参照）から開口部６４（図８参照）を介して外部に挿通される。そのため、コネクタ外装ケース２８の開口部６４は、挿入部１０２、グリップ部１０４、スイッチ配置部材１０８及びユニバーサルケーブル１０６を挿通可能な大きさに構成されている。このような大きさに開口部６４を構成することにより、内視鏡１００の組立が容易になる。また、内視鏡１００の分解時においても分解が容易になる。開口部６４は、さらにスイッチ配置部材１０８に操作スイッチ１１０を配置した状態でも挿通可能な大きさであればより好ましい。つまり、開口部６４の内径は、ユニバーサルケーブル１０６の長手軸方向から見たときの操作スイッチ１１０を含むスイッチ配置部材１０８の外接円の直径よりも大きく設定すればよい。

　ところで、実施形態のコネクタ装置１０は、図９及び図１０に示すように、シールドケース２２の内側ケース壁部２３は、外装ケース２０の内側において、側壁部３２Ｄ（図５参照）から後方に離間して対向配置され、この内側ケース壁部２３に受電部２４が配置されている。すなわち、実施形態のコネクタ装置１０によれば、蒸気滅菌のヒートサイクルの影響を受け難い位置である、側壁部３２Ｄから後方に離間した位置に内側ケース壁部２３を配置し、この内側ケース壁部２３に受電部２４を配置しているので、以下の効果を得ることができる。

　例えば、蒸気滅菌のヒートサイクルの影響で外装ケース２０（特にプラグ２６）の形状が変形したとしても、受電部２４は、ヒートサイクルの影響を受け難い内側ケース壁部２３に配置されているので、受電部２４の位置ずれを抑制することできる。これにより、受電部２４の位置ずれに起因する給電効率の低下を抑制することができるので、内視鏡１００を安定して動作させることができる。

　以上の如く、実施形態のコネクタ装置１０によれば、外装ケース２０は給電部２１６に対向する側壁部３２Ｄを有し、シールドケース２２は側壁部３２Ｄから離間して対向配置された内側ケース壁部２３を有し、この内側ケース壁部２３に受電部２４を配置したので、内視鏡１００を安定して動作させることができる。

　また、内側ケース壁部２３は金属製なので、樹脂製の外装ケース２０よりもヒートサイクルの影響で受けて変形する量は極僅かである。これにより、受電部２４の位置ずれを効果的に抑制することができるので、内視鏡１００の動作が更に安定する。

　また、受電部２４を構成する二次コイルのコアは、耐熱性の高い焼結フェライトコアで構成されており、また、受電部２４は、耐熱性の高い熱硬化性エポキシシートを用いてシールドケース２２に接着されているので、オートクレーブによる滅菌処理に耐え得る耐熱性の高い受電部２４を提供することができる。

　また、シールドケース２２側に受電部２４を固定することで、受電部２４からシールドケース２２側にリード線を配設する作業性、及びリード線をシールドケース２２の基板に接続する作業性が向上し、更に、シールドケース２２とプラグ２６の分解作業も容易になる。

　また、実施形態のコネクタ装置１０によれば、シールドケース２２は、ピン１８を介して外装ケース２０に配置されることにより、プラグ２６の内面、及びコネクタ外装ケース２８の内面から離間して配置されている。この構成により、実施形態のコネクタ装置１０は、以下の効果を得ることができる。

　すなわち、コネクタ装置１０を備えた内視鏡１００を高圧蒸気滅菌器から取り出すと、高圧蒸気滅菌器で加熱されたコネクタ装置１０の温度は外気により徐々に低下していく。ここで、例えば、シールドケース２２が外装ケース２０、特にコネクタ外装ケース２８の内面に接触している構成が採用された場合、滅菌処理後の温度低下の過程で、コネクタ外装ケース２８とシールドケース２２とに温度差が生じ難くなるので、コネクタ外装ケース２８の内部の空気中水分がシールドケース２２の内壁及び基板に付着して結露が生じ、基板に悪影響を与える問題がある。つまり、コネクタ外装ケース２８の内壁にも結露が生じるが、この結露と同時に又は時間差なく、シールドケース２２の内壁及び基板に結露が生じてしまう。

　これに対し、実施形態のコネクタ装置１０は、ピン１８を介してシールドケース２２を外装ケース２０に保持させることにより、シールドケース２２の外面をプラグ２６の内面、及びコネクタ外装ケース２８の内面から離間して配置している。また、実施形態のコネクタ装置１０は、シールドケース２２の長辺２２Ａを長手軸１０ａに沿わせた姿勢でシールドケース２２をコネクタ外装ケース２８に収容することで、外装ケース２０の内面とシールドケース２２外面との間に十分な空間を確保している。したがって、本実施形態のコネクタ装置１０は、シールドケース２２の外面に結露が生じ難くなる。これにより、実施形態のコネクタ装置１０によれば、シールドケース２２の内側に配置された基板への結露を防止することができる。

　また、実施形態のコネクタ装置１０によれば、シールドケース２２の外面をプラグ２６の内面、及びコネクタ外装ケース２８の内面から離間して配置しているので、コネクタ外装ケース２８とシールドケース２２との温度差による内部応力を低減することができる。これにより、蒸気滅菌によるヒートサイクル耐性が向上する。

　また、本実施形態のコネクタ装置１０によれば、外装ケース２０の内面とシールドケース２２の外面との間に十分な空間が確保されているので、高圧蒸気滅菌器の熱が基板等の電装部品に伝わる時定数（緩和時間）が大きくなる。これにより、電装部品への熱ストレスを低減できる。

　また、実施形態のコネクタ装置１０において、外装ケース２０を構成するプラグ２６とコネクタ外装ケース２８は、一例として、ポリフェニルスルホン樹脂製であることが好ましく、ライトガイド棒１２及びピン１８、６０は、一例としてステンレス製であることが好ましく、Ｏリング３６、４０、４４、６６は、一例として耐熱性の高いフッ素ゴム製であることが好ましい。

　また、実施形態のコネクタ装置１０では、シールドケース２２の内側ケース壁部２３に受電部２４を配置する形態を例示したが、受電部２４が配置される内側ケース壁部はシールドケース２２に限定されるものではなく、つまり、外装ケース２０の内部に収容される内側ケースであればよく、例えば、シールドケース２２を覆う内側ケースであってもよい。この場合、内側ケースは金属製であることが好ましい。

　また、実施形態では、好ましい態様として、外装ケースの一例であるプラグ２６とコネクタ外装ケース２８を樹脂で構成し、内側ケースの一例であるシールドケース２２を金属で構成したが、これに限定されるものではなく、外装ケース及び内側ケースは他の材料で構成されていてもよい。

　また、実施形態では、好ましい態様として、プラグ２６とコネクタ外装ケース２８との連結部である楕円環部３０及び楕円環部４６の形状をレーストラック形状としたが、これに限定されるものではなく、プラグ２６とコネクタ外装ケース２８とを連結可能な形状であれば、例えば、平面視で円形、楕円形、又は卵型（長軸方向と短軸方向の交点を通る短軸方向の線を中心線として、対称にならない形状）等のオーバル形状であってもよい。

　また、実施形態では、好ましい態様として、受電部２４を構成する二次コイルのコアを焼結フェライトコアで構成したが、他の材料でコアを構成してもよい。また、受電部２４を熱硬化性接着材によりシールドケース２２に接着したが、他の接着材によりシールドケース２２に接着してもよい。

　以上、本発明について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。

１　　　　内視鏡システム
１０　　　コネクタ装置
１０ａ　　長手軸
１２　　　ライトガイド棒
１３　　　ブラケット
１４　　　画像信号送信部
１６　　　ファイバーケーブル
１６Ａ　　光出射端
１８　　　ピン
２０　　　外装ケース
２２　　　シールドケース
２２Ａ　　長辺
２３　　　内側ケース壁部
２４　　　受電部
２６　　　プラグ
２８　　　コネクタ外装ケース
３０　　　楕円環部
３０Ａ　　直線部
３０Ｂ　　曲線部
３２　　　マウント部
３２Ａ　　直線部
３２Ｂ　　曲線部
３２Ｃ　　直線部
３２Ｄ　　側壁部
３４　　　円筒部
３６　　　Ｏリング
３８　　　導出孔
４０　　　Ｏリング
４２　　　導出孔
４４　　　Ｏリング
４６　　　楕円環部
４６Ａ　　直線部
４６Ｂ　　曲線部
４８　　　溝
５０　　　貫通孔
５２　　　貫通孔
５４　　　溝
５６　　　溝
５８　　　挿通路
６０　　　ピン
６０Ａ　　上端部
６０Ｂ　　下端部
６２　　　ネジ
６４　　　開口部
６６　　　Ｏリング
１００　　内視鏡
１０２　　挿入部
１０２Ａ　先端面
１０４　　グリップ部
１０６　　ユニバーサルケーブル
１０８　　スイッチ配置部材
１１０　　操作スイッチ
１１４　　観察部
１１６　　観察窓
１１８　　ライトガイド
１１８Ａ　光出射端
１１８Ｂ　光入射端
１２０　　撮像レンズ群
１２２　　プリズム
１２４　　固体撮像素子
１２６　　信号線
２００　　内視鏡用プロセッサ装置
２０２　　光源部
２０４　　画像信号受信部
２０６　　画像処理部
２０８　　モニタ
２１０　　プロセッサ側コネクタ
２１２　　接続孔
２１４　　接続孔
２１６　　給電部

Claims

　プロセッサ装置と着脱自在に接続される内視鏡のコネクタ装置であって、
　中空の外装ケースと、
　前記外装ケースの内部に収容された内側ケースと、
　前記外装ケースの内部に前記内側ケースを配置する保持体と、
　前記プロセッサ装置の給電部から非接触で電力が供給される受電部と、
　を備え、
　前記外装ケースは、前記プロセッサ装置の前記給電部に対向する側壁部を有し、
　前記内側ケースは、前記側壁部から離間して対向配置された内側ケース壁部を有し、
　前記受電部は、前記内側ケース壁部に配置される、
　内視鏡のコネクタ装置。
　前記受電部は、平板状のコアと、前記コアに螺旋状に巻回されたコイルとを有し、
　前記コアは焼結フェライトコアで構成される、
　請求項１に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記受電部は、熱硬化性接着材によって前記内側ケース壁部に接着される、
　請求項１又は２に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記保持体は、前記内側ケース壁部に一端が固定された軸状部材であり、
　前記側壁部には、前記軸状部材が挿通され且つ前記軸状部材の他端を前記外装ケースの外部に導出させる第１導出孔が設けられ、
　前記第１導出孔の内壁面と前記軸状部材の外壁面との間には第１封止部材が配設されている、
　請求項１から３のいずれか１項に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記プロセッサ装置には、前記側壁部に対向する面に前記軸状部材の他端を挿入可能な位置決め用孔を有し、
　前記軸状部材の他端が前記位置決め用孔に挿入されて、前記受電部が前記給電部に対向する位置に位置決めされた状態である、
　請求項４に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記第１封止部材は、前記軸状部材の外壁面に嵌合されたＯリングである、
　請求項４又は５に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記外装ケースは樹脂製であり、
　前記内側ケースは金属製である、
　請求項１から６のいずれか１項に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記内側ケースは、電子部品をシールドするためのシールドケースである、
　請求項１から７のいずれか１項に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記外装ケースは円筒体を有し、
　前記内側ケースは直方体形状に構成され、
　前記内側ケースは、前記内側ケースの長辺が前記円筒体の軸に沿った姿勢で前記外装ケースに収容される、
　請求項１から８のいずれか１項に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記外装ケースは、内視鏡から延設されたユニバーサルケーブルが接続される開口部を有し、
　前記開口部の内壁面と前記ユニバーサルケーブルの外壁面との間には第２封止部材が配設されている、
　請求項１から９のいずれか１項に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記第２封止部材は、前記ユニバーサルケーブルの外壁面に嵌合されたＯリングである、
　請求項１０に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記外装ケースの前記開口部は、前記内視鏡、前記ユニバーサルケーブル、及び前記ユニバーサルケーブルに設けられたスイッチ配置部材を挿通可能な大きさに構成される、
　請求項１０又は１１に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記外装ケースの内部に一端が配置されたライトガイド棒が設けられ、
　前記側壁部には、前記ライトガイド棒が挿通され且つ前記ライトガイド棒の他端を前記外装ケースの外部に導出させる第２導出孔が設けられ、
　前記第２導出孔の内壁面と前記ライトガイド棒の外壁面との間には第３封止部材が配設されている、
　請求項１から１２のいずれか１項に記載の内視鏡のコネクタ装置。
　前記第３封止部材は、前記ライトガイド棒の外壁面に嵌合されたＯリングである、
　請求項１３に記載の内視鏡のコネクタ装置。