JP3621761B2 - 電子内視鏡用コネクタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子内視鏡用コネクタ装置、特にスコープとしての電子内視鏡を光源装置やプロセッサ装置に接続するためのコネクタ装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5には、電子内視鏡装置の全体構成が示されており、スコープである電子内視鏡1の先端部1Aには、固体撮像素子であるCCDが設けられる。そして、この電子内視鏡1では、先端部1AまでCCDを駆動してビデオ信号を得るための信号線が配置されると共に、観察のための光を供給するためのライトガイドが配設される。また、図示されるように、電子内視鏡1の操作部1Bからケーブル2がコネクタ装置3まで設けられており、このコネクタ装置3が光源装置4に接続される。また、コネクタ装置3には、ケーブル5がコネクタ6まで設けられ、このコネクタ6がプロセッサ装置7へ接続される。
【0003】
そうして、上記ライトガイドはケーブル2内に配置され、コネクタ装置3を介して光源装置4へ接続されており、これによって光源装置4から出力された光が先端部1Aまで伝送される。また、上記信号線は上記ケーブル2からコネクタ装置3内を通って、ケーブル5内に配置され、コネクタ6を介してプロセッサ装置7へ接続されており、これによってビデオ信号をプロセッサ装置7へ出力することができる。また、上記コネクタ装置3内には、先端部1Aに配置されたCCDを個々の電子内視鏡1に適合した制御により駆動するための回路等も収納されており、このコネクタ装置3は、ライトガイド及び信号線の接続・配置だけでなく、回路部材を収納する役目もすることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の電子内視鏡用コネクタ装置では、ケーブル2及びケーブル5の両者を保持する強度を持たせるために、本体ケースの肉厚を厚くしており、コネクタ装置3自体が重くなるという問題があった。また、電子内視鏡ではコネクタ装置3においても、気密構造が採用されているが、この気密がとり難いという問題もあった。
【0005】
図6には、上記コネクタ装置3のケースが示されており、このコネクタ装置3は、直方体に類する形状において一番広い面積となる側面に開口部を有するケース体3Aと蓋3Bにより構成される。そして、このケース体3Aの開口部の周囲に、Oリング8が配置されており、この開口部のネジ孔9及び上記蓋3Bの取付け孔10を介して、この蓋3Bをネジ締め固定するようになっている。しかし、上記のケース体3Aでは、側面開口部に蓋3Bを載せる構造であるため、ネジの取付け具合によって気密状態を維持できなくなる場合もあった。また、一番広い面積の側面に蓋3Bを取り付ける構造のため、ケース体3Aと蓋3Bとの結合の外周距離が長くなるので、気密がとり難いということもある。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置自体を軽く、コンパクトにすることが可能となり、また気密構造を容易にとることができる電子内視鏡用コネクタ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、電子内視鏡のケーブルの端部に設けられ、光源装置又はプロセッサ装置側の連結部に接続される電子内視鏡用コネクタ装置において、上記装置側連結部に接続するための電子内視鏡側の連結部が配置され、ケーブル配置側の取付け面にその外周に沿って環状に取付け溝が形成された基部と、仮想直方体(直方体として捉えたとき)の左右いずれかの側面とこの側面に繋がる上下面のいずれかの面を排除した状態の直方体状フレームからなり、仮想直方体で残された他方の側面及び上下面の他方の面の仮想直方体前側面に位置する3箇所の隅が上記基部の上記取付け面に3点支持で取り付けられ、上記ケーブルを仮想直方体の後側面部に取付け、支持するための金属製本体フレームと、上記基部の上記取付け面側に開口部を設けながら、上記本体フレームを覆う形状に一体形成され、上記開口部の周囲には上記基部の取付け溝に嵌合する環状の嵌合突起が形成され、この嵌合突起を上記取付け溝に嵌合させることにより上記基部に合体するケース体と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0008】
作用
上記の構成によれば、金属製本体フレームが配置されるので、ケース体の肉厚を薄くすることが可能となり、またこの本体フレームは3点支持により、例えば側面と下面の2面が開いた状態となるので、ライトガイド、信号線或いは回路基板の配置が容易に行われる。
更に、ケース体の開口部を基部側とすると共に、この基部とケース体を環状の取付け溝と環状の嵌合突起の嵌合により合体したので、コネクタ装置の気密が容易にとれるという利点がある。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図4には、本発明の実施形態に係る電子内視鏡用コネクタ装置が示されており、図3は組立てたコネクタ装置の内部を示す図、図4は基部とケース体の結合構造を示す図である。図1及び図2に示されるように、合成樹脂製の基部12に光源装置側のコネクタ受け部に接続するための連結部(嵌合部)13が設けられ、この連結部13から突出するようにライトガイド端14Aが配置される。この基部12における連結部13と反対側のケーブル配置側の取付け面Sに、図示のような本体フレーム16が位置P1 ,P2 ,P3 の3点で支持されるように、ネジ17及びナット18で取り付けられる。
【0010】
この本体フレーム16は、図1の左下側の支持部がなく、仮想直方体における左側側面と下面が排除された形とされ、これによって開放空間100を形成している。また、この本体フレーム16の後側面には2本のケーブル(図2のケーブル内筒20,21と図3のケーブル外被38)を配置するための取付け用リング22,23が取り付けられており、このリング22,23にはそれぞれに雄ネジ部NA が形成される。このような本体フレーム16によれば、取付け用リング22,23を通してライトガイドや信号線をコネクタ内部へ配置し、またフレーム16に回路基板等を固定することができる。なお、図示の箱状の高周波シールド体22は、必要な配置が終了した後に、上記開放空間100から内部の回路部材を覆うように配置される(本体ケース16とは絶縁がとられる)。
【0011】
また、上記本体フレーム16を覆う大きさの合成樹脂製のケース体26が備えられており、このケース体26は上記基部12側に開口部26Aを形成して一体に形成される。即ち、このケース体26は上記の仮想直方体と相似となる直方体に近似する直方体とされ、当該例でも一番広い面積の面を側面側に配置し、狭い面積の方の面に開口部26Aを設けている。そして、上記開口部26Aの反対側には上記ケーブル内筒20,21を通し、かつケース体26を本体フレーム16に固定するための取付け孔27,28が形成される。なお、このケース体26の固定は、上記取付けリング22,23の雄ネジ部NA に螺合する雌ネジ部NB を有する固定リング29,30で行われる。
【0012】
図4には、上記の基部12とケース体26の合体部の結合構造の拡大図が示されており、基部12の取付け面Sの外周に沿って環状に取付け溝32が形成され、この取付け溝32には基部中心側の内面にOリング33が配置される。一方、ケース体26の開口部26Aの周囲には、上記取付け溝32に嵌合する環状の嵌合突起34が形成される。このような取付け溝32と嵌合突起34の嵌合によれば、合体したケース体26に所定の内圧が与えられたとしても、ケース体26が外側へ膨らむことはなく、もちろん外圧に対しても十分耐え得る強度が維持できる。従って、従来の図6で示したような蓋形式のものと比較すると、気密が良好に保たれるという利点がある。
【0013】
当該コネクタ装置は以上の構成からなるが、図1及び図2に示したように、本体フレーム16では、位置P1 ,P2 ,P3 の3点で支持し、開放空間100を設けるようにしているので、各種部材の収納配置の作業が容易となる利点がある。当該例では、図3に示されるように、ライトガイド14、信号線36、回路基板37等が配置される。そして、これらの部材が配置され、ケーブル内筒20,21が取り付けられた後に、ケース体26を開口部26Aから基部12へ向けて配置し、基部12の取付け溝32にケース体26の嵌合突起34を嵌合させることにより、ケース体26が基部12へ合体される。
【0014】
そうした状態で、固定用リング29,30を取付け孔27,28を介して取付け用リング22,23に螺合固定すれば、ケース体26が本体フレーム16及び基部12に固定される。その後、図3に示されるように、ケーブル外被38をケーブル内筒20,21及び取付け用リング22,23へ被せることにより、組立てが終了する。
【0015】
上記のように、基部12の取付け面Sに対しケース体26の開口部26Aを結合し、上記取付け溝32に嵌合突起34を嵌合して、基部12とケース体26を合体させることにより、内圧(検査時にF所定の内圧をかける)及び外圧に対しても強固な結合状態が得られ、気密状態が良好に維持されることになる。また、直方体における一番大きな面積が側面となるコネクタ装置において、当該例では小さな面積の面で基部12とケース体26が合体されるので、側面側に蓋を設ける図6の構造と比較すると、結合部の外周距離が短くなるので、気密がとり易くなったという利点もある。
【0016】
上記例では、光源装置側へ接続されるコネクタ装置で、2本のケーブルを接続するものについて説明したが、本発明は1本のケーブルを接続するコネクタ装置、或いはプロセッサ装置へ接続するコネクタ装置にも同様に適用することが可能である。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ケーブル配置側の取付け面にその外周に沿って環状に取付け溝が形成された基部と、仮想直方体の左右いずれかの側面とこの側面に繋がる上下面のいずれかの面を排除した状態の直方体状フレームからなり、仮想直方体で残された他方の側面及び上下面の他方の面の前側面に位置する3箇所の隅が上記基部の上記取付け面に3点支持で取り付けられた金属製本体フレームと、上記基部の取付け面側に開口を設けながら、上記本体フレームを覆う形状に一体形成され、上記開口部の周囲には上記基部の取付け溝に嵌合する環状の嵌合突起が形成されたケース体とを含んで構成するようにしたので、装置自体を軽く、コンパクトにすることが可能となり、また気密構造を容易にとることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電子内視鏡用コネクタ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1のコネクタ装置の側面を示し、ケース体を断面で示した図である。
【図3】図1のコネクタ装置を組立てた状態を示す断面図である。
【図4】実施形態例における基部とケース体の合体部の構造を示す断面図である。
【図5】従来の電子内視鏡装置の全体構成を示す斜視図である。
【図6】図5のコネクタ装置のケースの構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
12 … 基部、
16 … 本体フレーム、
22,23 … 取付け用リング、
26 … ケース体、
29,30 … 固定用リング、
32 … 取付け溝、
34 … 係合突起、
100 … 開放空間、
P1 ,P2 ,P3 … 取付け位置。
Claims (1)
- 電子内視鏡のケーブルの端部に設けられ、光源装置又はプロセッサ装置側の連結部に接続される電子内視鏡用コネクタ装置において、
上記装置側連結部に接続するための電子内視鏡側の連結部が配置され、ケーブル配置側の取付け面にその外周に沿って環状に取付け溝が形成された基部と、
仮想直方体の左右いずれかの側面とこの側面に繋がる上下面のいずれかの面を排除した状態の直方体状フレームからなり、仮想直方体で残された他方の側面及び上下面の他方の面の仮想直方体前側面に位置する3箇所の隅が上記基部の上記取付け面に3点支持で取り付けられ、上記ケーブルを仮想直方体の後側面部に取付け、支持するための金属製本体フレームと、
上記基部の上記取付け面側に開口部を設けながら、上記本体フレームを覆う形状に一体形成され、上記開口部の周囲には上記基部の取付け溝に嵌合する環状の嵌合突起が形成され、この嵌合突起を上記取付け溝に嵌合させることにより上記基部に合体するケース体と、を含んで構成したことを特徴とする電子内視鏡用コネクタ装置。
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