WO2019220493A1

WO2019220493A1 - 空気調和機

Info

Publication number: WO2019220493A1
Application number: PCT/JP2018/018518
Authority: WO
Inventors: 弘祐大西; 智大加藤
Original assignee: 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
Priority date: 2018-05-14
Filing date: 2018-05-14
Publication date: 2019-11-21
Also published as: CN110785611B; CN110785611A; JPWO2019220493A1; JP6685473B1

Abstract

ファン清掃部の故障の可能性を考慮した信頼性の高い空気調和機を提供する。空気調和機（１００）は、室内熱交換器（１５）と、室内ファン（１６）と、室内ファン（１６）を清掃するファン清掃部（２４）と、少なくとも室内ファン（１６）及びファン清掃部（２４）を制御する制御部と、ファン清掃部（２４）によって押されるリミットスイッチ（２５）と、を備える。制御部は、ファン清掃部（２４）をリミットスイッチ（２５）に向けて移動させ、リミットスイッチ（２５）が押されなかった場合、ファン清掃部（２４）の故障を報知する。

Description

空気調和機

　本発明は、空気調和機に関する。

　空気調和機の室内ファンを清掃する技術として、例えば、特許文献１には、「ファンの塵埃を除去するためのファン清掃装置」を備えるものが記載されている。

特許第４０４６７５５号公報

　特許文献１には、前記したように、室内ファンを清掃するための構成については記載されているが、ファン清掃装置が故障した場合の信頼性を考慮した構成については記載されていない。

　そこで、本発明は、ファン清掃部の故障の可能性を考慮した信頼性の高い空気調和機を提供することを課題とする。

　前記課題を解決するために、本発明に係る空気調和機は、熱交換器と、ファンと、前記ファンを清掃するファン清掃部と、少なくとも前記ファン及び前記ファン清掃部を制御する制御部と、前記ファン清掃部によって押されるリミットスイッチと、を備え、前記制御部は、前記ファン清掃部を前記リミットスイッチに向けて移動させ、前記リミットスイッチが押されなかった場合、前記ファン清掃部の故障を報知することを特徴とする。

　また、本発明は、熱交換器と、ファンと、前記ファンを清掃するファン清掃部と、少なくとも前記ファン及び前記ファン清掃部を制御する制御部と、前記ファン清掃部によって押されるリミットスイッチと、を備え、前記制御部は、前記ファン清掃部を前記リミットスイッチに向けて移動させ、前記リミットスイッチが押された場合、前記ファン清掃部による前記ファンの清掃を開始し、前記リミットスイッチが押されなかった場合、前記ファン清掃部による前記ファンの清掃を開始しないことを特徴とする。

　本発明によれば、ファン清掃部の故障の可能性を考慮した信頼性の高い空気調和機を提供できる。

本発明の第１実施形態に係る空気調和機の冷媒回路の説明図である。本発明の第１実施形態に係る空気調和機が備える室内機の縦断面図である。本発明の第１実施形態に係る空気調和機が備えるファン清掃部及びリミットスイッチの構成図である。本発明の第１実施形態に係る空気調和機の機能ブロック図である。本発明の第１実施形態に係る空気調和機の制御部が実行する処理のフローチャートである。本発明の第１実施形態に係る空気調和機において、室内ファンの清掃中の状態を示す説明図である。本発明の第１実施形態に係る空気調和機が備える室内ファンの駆動状態、及び、リミットスイッチからの信号を示すタイムチャートである。本発明の第１実施形態に係る空気調和機において、ファン清掃部による室内ファンの清掃中の状態を示す説明図である。本発明の第１実施形態に係る空気調和機において、ファン清掃部によってリミットスイッチが押された状態を示す説明図である。本発明の第１実施形態に係る空気調和機において、ファン清掃部がリミットスイッチから離れた状態を示す説明図である。本発明の第２実施形態に係る空気調和機の制御部が実行する処理のフローチャートである。本発明の第２実施形態に係る空気調和機の制御部が実行する処理のフローチャートである。本発明の第３実施形態に係る空気調和機が備えるファン清掃部、リミットスイッチ、及びレバーを含む構成図である。本発明の第４実施形態に係る空気調和機において、ファン清掃部によってリミットスイッチが押された状態を示す説明図である。本発明の第４実施形態に係る空気調和機において、ファン清掃部による室内ファンの清掃中の状態を示す説明図である。本発明の第４実施形態に係る空気調和機において、ファン清掃部による室内ファンの清掃が行われていないときの状態を示す説明図である。本発明の第４実施形態に係る空気調和機の制御部が実行する処理のフローチャートである。本発明の第５実施形態に係る空気調和機において、ファン清掃部による室内ファンの清掃中の状態を示す説明図である。本発明の第５実施形態に係る空気調和機において、ファン清掃部が室内ファンから退避した状態を示す説明図である。本発明の変形例に係る空気調和機が備えるファン清掃部及び角度センサの構成図である。

≪第１実施形態≫
＜空気調和機の構成＞
　図１は、第１実施形態に係る空気調和機１００の冷媒回路Ｑの構成図である。
　なお、図１の実線矢印は、暖房運転時の冷媒の流れを示している。
　また、図１の破線矢印は、冷房運転時の冷媒の流れを示している。
　空気調和機１００は、暖房運転や冷房運転等の空調を行う機器である。図１に示すように、空気調和機１００は、圧縮機１１と、室外熱交換器１２と、室外ファン１３と、膨張弁１４と、を備えている。また、空気調和機１００は、前記した構成の他に、室内熱交換器１５（熱交換器）と、室内ファン１６（ファン）と、四方弁１７と、を備えている。

　圧縮機１１は、低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒として吐出する機器であり、駆動源である圧縮機モータ１１ａを有している。
　室外熱交換器１２は、その伝熱管（図示せず）を通流する冷媒と、室外ファン１３から送り込まれる外気と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。

　室外ファン１３は、室外熱交換器１２に外気を送り込むファンである。室外ファン１３は、駆動源である室外ファンモータ１３ａを有し、室外熱交換器１２の付近に配置されている。
　膨張弁１４は、「凝縮器」（室外熱交換器１２及び室内熱交換器１５の一方）で凝縮した冷媒を減圧する弁である。なお、膨張弁１４で減圧された冷媒は、「蒸発器」（室外熱交換器１２及び室内熱交換器１５の他方）に導かれる。

　室内熱交換器１５は、その伝熱管ｇ（図２参照）を通流する冷媒と、室内ファン１６から送り込まれる室内空気（空調対象空間の空気）と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。室内熱交換器１５は、複数のフィンｆと、それらのフィンｆを貫通する複数の伝熱管ｇと、を備えている。また、別の観点から説明すると、室内熱交換器１５は、室内ファン１６の前側に配置された前側室内熱交換器１５ａと、室内ファン１６の後側に配置された後側室内熱交換器１５ｂと、を備えている。前側室内熱交換器１５ａの上端部と、後側室内熱交換器１５ｂの上端部と、は逆Ｖ状に接続されている。

　室内ファン１６は、室内熱交換器１５に室内空気を送り込むファンである。室内ファン１６は、駆動源である室内ファンモータ１６ｃ（図４参照）を有し、室内熱交換器１５の付近に配置されている。

　四方弁１７は、空気調和機１００の運転モードに応じて、冷媒の流路を切り替える弁である。例えば、冷房運転時（図１の破線矢印を参照）には、圧縮機１１、室外熱交換器１２（凝縮器）、膨張弁１４、及び室内熱交換器１５（蒸発器）が、四方弁１７を介して順次接続されてなる冷媒回路Ｑにおいて、冷凍サイクルで冷媒が循環する。

　一方、暖房運転時（図１の実線矢印を参照）には、圧縮機１１、室内熱交換器１５（凝縮器）、膨張弁１４、及び室外熱交換器１２（蒸発器）が、四方弁１７を介して順次接続されてなる冷媒回路Ｑにおいて、冷凍サイクルで冷媒が循環する。

　すなわち、圧縮機１１、「凝縮器」、膨張弁１４、及び「蒸発器」を順次に介して冷媒が循環する冷媒回路Ｑにおいて、前記した「凝縮器」及び「蒸発器」の一方は室外熱交換器１２であり、他方は室内熱交換器１５である。

　なお、図１に示す例では、圧縮機１１、室外熱交換器１２、室外ファン１３、膨張弁１４、及び四方弁１７が、室外機Ｕｏに設置されている。一方、室内熱交換器１５及び室内ファン１６は、室内機Ｕｉに設置されている。

　図２は、室内機Ｕｉの縦断面図である。
　なお、図２では、ファン清掃部２４が室内ファン１６から退避した状態を図示している。室内機Ｕｉは、前記した室内熱交換器１５や室内ファン１６の他に、露受皿１８と、筐体ベース１９と、フィルタ２０ａ，２０ｂと、前面パネル２１と、を備えている。さらに、室内機Ｕｉは、左右風向板２２と、上下風向板２３と、ファン清掃部２４と、リミットスイッチ２５（故障検知部）と、を備えている。

　露受皿１８は、室内熱交換器１５の凝縮水を受けるものであり、室内熱交換器１５の下側に配置されている。
　室内ファン１６は、例えば、円筒状のクロスフローファンであり、室内熱交換器１５の付近に配置されている。室内ファン１６は、複数のファンブレード１６ａと、これらのファンブレード１６ａが設置される仕切板１６ｂと、駆動源である室内ファンモータ１６ｃ（図４参照）と、を備えている。

　筐体ベース１９は、室内熱交換器１５や室内ファン１６等の機器が設置される筐体である。
　フィルタ２０ａ，２０ｂは、室内熱交換器１５に向かう空気から塵埃を捕集するものである。一方のフィルタ２０ａは室内熱交換器１５の前側に配置され、他方のフィルタ２０ｂは室内熱交換器１５の上側に配置されている。

　前面パネル２１は、前側のフィルタ２０ａを覆うように設置されるパネルであり、下端を軸として前側に回動可能になっている。なお、前面パネル２１が回動しない構成であってもよい。

　左右風向板２２は、室内に吹き出される空気の左右方向の風向きを調整する板状部材である。左右風向板２２は、吹出風路ｈ３に配置され、左右風向板用モータ２６（図４参照）によって左右方向に回動するようになっている。

　上下風向板２３は、室内に吹き出される空気の上下方向の風向きを調整する板状部材である。上下風向板２３は、空気吹出口ｈ４の付近に配置され、上下風向板用モータ２７（図４参照）によって上下方向に回動するようになっている。

　空気吸込口ｈ１，ｈ２を介して吸い込まれた空気は、室内熱交換器１５の伝熱管ｇを通流する冷媒と熱交換し、熱交換した空気が吹出風路ｈ３に導かれる。この吹出風路ｈ３を通流する空気は、左右風向板２２及び上下風向板２３によって所定方向に導かれ、さらに、空気吹出口ｈ４を介して室内に吹き出される。

　なお、空気の流れに伴って空気吸込口ｈ１，ｈ２に向かう塵埃の多くは、フィルタ２０ａ，２０ｂで捕集される。しかしながら、細かい塵埃がフィルタ２０ａ，２０ｂを通り抜けて、室内ファン１６に付着することがある。したがって、室内ファン１６を定期的に清掃することが望ましい。そこで、本実施形態では、次に説明するファン清掃部２４が室内ファン１６の清掃を行うようにしている。

　図２に示すファン清掃部２４は、室内ファン１６を清掃するものであり、室内熱交換器１５と室内ファン１６との間に配置されている。より詳しく説明すると、縦断面視で＜字状を呈する前側室内熱交換器１５ａの凹部にファン清掃部２４が配置されている。

　図３は、空気調和機が備えるファン清掃部２４及びリミットスイッチ２５の構成図である。
　図３に示すように、ファン清掃部２４は、軸部２４ａと、ブラシ２４ｂと、ファン清掃用モータ２４ｃと、ギヤ２４ｄ，２４ｅと、突当て部２４ｆと、を備えている。軸部２４ａは、室内ファン１６（図２参照）の軸方向に平行な棒状の部材であり、その両端付近が軸支されている。

　ブラシ２４ｂは、室内ファン１６（図２参照）に付着した塵埃を掻き落とすものであり、軸部２４ａに設置されている。
　ファン清掃用モータ２４ｃは、例えば、ステッピングモータであり、ブラシ２４ｂを回動（移動）させる際の駆動源である。前記したステッピングモータは、所定の回転角で正確に位置決めできるという特長を有している。

　ギヤ２４ｄ，２４ｅは、ファン清掃用モータ２４ｃのトルクを所定のギヤ比（減速比）で軸部２４ａに伝達するものである。一方のギヤ２４ｄは、ファン清掃用モータ２４ｃの回転子（図示せず）に連結されている。他方のギヤ２４ｅは、軸部２４ａの一端側（図３の紙面左側）に設置されている。なお、図３では、ギヤ２４ｄ，２４ｅが互いに若干離れた状態で図示しているが、実際には、ギヤ２４ｄ，２４ｅは互いに噛合している。

　突当て部２４ｆは、ファン清掃部２４が室内ファン１６から退避する際、リミットスイッチ２５に突き当てられる（つまり、リミットスイッチ２５を押す）部材であり、軸部２４ａの一端側に設置されている。

　室内ファン１６の清掃時には、室内ファン１６にブラシ２４ｂが接触するように軸部２４ａが回動された後、室内ファン１６が逆回転する（図６Ａ参照）。そして、室内ファン１６の清掃が終了すると、軸部２４ａが再び回動され、ブラシ２４ｂが室内ファン１６から離間した状態になる（図２参照）。このようにファン清掃部２４が退避する際、突当て部２４ｆがリミットスイッチ２５を押すようになっている。

　なお、前記したファン清掃用モータ２４ｃ（例えば、ステッピングモータ）は、開ループ制御に基づいて駆動されるため、その回転角が制御部３０（図４参照）側では把握されない。したがって、ファン清掃部２４による室内ファン１６の清掃後、リミットスイッチ２５のオン／オフが切り替わったか否かに基づいて、ファン清掃部２４が適切に退避したか否かを制御部３０が判定するようになっている。

　リミットスイッチ２５は、ファン清掃部２４が室内ファン１６から適切に退避したか否かの判定（ファン清掃部２４の故障の検知）に用いられるスイッチである。すなわち、リミットスイッチ２５は、ファン清掃部２４によって押されるスイッチであり、ファン清掃部２４の退避位置の付近（室内熱交換器１５の付近：図２参照）に設けられている。図３に示すように、リミットスイッチ２５は、ケース２５ａと、アクチュエータ２５ｂと、可動片２５ｃと、を備えている。

　ケース２５ａは、マイクロスイッチ（図示せず）等の部品を収容するものであり、筐体ベース１９（図２参照）の所定箇所に設置されている。アクチュエータ２５ｂは、突当て部２４ｆから加えられる力によって、バネ（図示せず）の弾性力に抗して、可動片２５ｃの側に回動される部材である（図８Ｂ参照）。可動片２５ｃは、アクチュエータ２５ｂからの押圧力によって、マイクロスイッチ（図示せず）の可動接点を固定接点に接触させる部材である。

　そして、マイクロスイッチ（図示せず）の可動接点が固定接点に接触すると、リミットスイッチ２５から出力される信号が、例えば、オフからオンに切り替わるようになっている。

　なお、リミットスイッチ２５は、防水性であることが好ましい。例えば、リミットスイッチ２５が所定のシール部材（図示せず）で封止されていてもよい。これによって、室内機Ｕｉの内部の湿度が高い状況であっても、リミットスイッチ２５の内部に水分が入り込みにくくなり、リミットスイッチ２５が故障しにくくなる。

　図４は、空気調和機１００の機能ブロック図である。
　図４に示す室内機Ｕｉは、前記した構成の他に、リモコン送受信部２８と、表示ランプ２９ａと、音発生部２９ｂと、室内制御回路３１と、を備えている。
　リモコン送受信部２８は、リモコン４０との間で所定の情報をやり取りする。

　表示ランプ２９ａは、ファン清掃部２４（図２参照）の故障等を報知するためのランプである。音発生部２９ｂは、ファン清掃部２４が故障した場合等に、所定の報知音を鳴らすものである。

　室内制御回路３１は、図示はしないが、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）、各種インタフェース等の電子回路を含んで構成されている。そして、ＲＯＭに記憶されたプログラムを読み出してＲＡＭに展開し、ＣＰＵが各種処理を実行するようになっている。

　図４に示すように、室内制御回路３１は、記憶部３１ａと、室内制御部３１ｂと、を備えている。
　記憶部３１ａには、所定のプログラムの他、リミットスイッチ２５からの信号や、リモコン送受信部２８を介して受信したデータの他、各種センサ（図示せず）の検出値等が記憶される。

　室内制御部３１ｂは、記憶部３１ａに記憶されたデータに基づいて、室内ファンモータ１６ｃ、ファン清掃用モータ２４ｃ、左右風向板用モータ２６、上下風向板用モータ２７等を制御する。また、室内制御部３１ｂは、ファン清掃部２４に故障ありと判定した場合、表示ランプ２９ａを点灯させたり、音発生部２９ｂによって所定の報知音を発生させたりする。

　室外機Ｕｏは、前記した構成の他に、室外制御回路３２を備えている。室外制御回路３２は、図示はしないが、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、各種インタフェース等の電子回路を含んで構成され、通信線を介して室内制御回路３１に接続されている。図４に示すように、室外制御回路３２は、記憶部３２ａと、室外制御部３２ｂと、を備えている。

　記憶部３２ａには、所定のプログラムの他、室内制御回路３１から受信したデータ等が記憶される。室外制御部３２ｂは、記憶部３２ａに記憶されたデータに基づいて、圧縮機モータ１１ａ、室外ファンモータ１３ａ、膨張弁１４等を制御する。以下では、室内制御回路３１及び室外制御回路３２を一括して「制御部３０」という。

　図５は、制御部３０が実行する処理のフローチャートである（適宜、図２、図４を参照）。
　なお、図５の「ＳＴＡＲＴ」時には空調運転が行われておらず、また、ファン清掃部２４が室内ファン１６から退避した状態（図２参照）であるものとする。
　ステップＳ１０１において制御部３０は、ファン清掃部２４によって、室内ファン１６を清掃する。なお、室内ファン１６の清掃を開始するトリガとして、例えば、前回清掃時からの空調運転の積算時間が所定時間に達するという条件が挙げられる。

　図６は、室内ファン１６の清掃中の状態を示す説明図である。
　室内ファン１６の清掃を行うに際して、制御部３０（図４参照）は、軸部２４ａを中心にブラシ２４ｂを回動させ、ブラシ２４ｂの先端が室内ファン１６に臨むようにする。これによって、室内ファン１６のファンブレード１６ａにブラシ２４ｂが接触する。そして、制御部３０は、通常の空調運転時とは逆向きに室内ファン１６を回転させる。

　このように室内ファン１６が逆回転すると、ファンブレード１６ａの移動に伴ってブラシ２４ｂがたわみ、ファンブレード１６ａの背面をなでるようにブラシ２４ｂが押し付けられる。そして、ファンブレード１６ａに付着していた塵埃がブラシ２４ｂによって掻き落とされる。

　室内ファン１６から掻き落とされた塵埃ｊは、図６に示すように、前側室内熱交換器１５ａと室内ファン１６との間の隙間を介して、露受皿１８に導かれる。これによって、次回の空調運転中に塵埃ｊが室内に吹き出されることを防止できる。

　図５のステップＳ１０２において制御部３０は、ファン清掃部２４に退避指令を出力する。つまり、制御部３０は、ファン清掃部２４を室内ファン１６から退避させるための所定の退避指令をファン清掃用モータ２４ｃ（図４参照）に出力する。

　ステップＳ１０３において制御部３０は、退避指令を出力してから所定時間ΔＴ内に、リミットスイッチ２５からの信号（オン／オフ）が切り替わったか否かを判定する。前記した所定時間ΔＴは、ファン清掃用モータ２４ｃが正常である場合において、退避指令が出力されてからリミットスイッチ２５が切り替わるまでの時間よりも長い所定の閾値であり、予め設定されている。

　ステップＳ１０３において、所定時間ΔＴ内にリミットスイッチ２５からの信号が切り替わった場合（Ｓ１０３：Ｙｅｓ）、制御部３０は、一連の処理を終了する（ＥＮＤ）。この場合において制御部３０は、図５では省略したが、ファン清掃部２４が室内ファン１６から適切に退避したと判定し、リモコン４０（図４参照）からの指令に基づいて、所定の空調運転を行う。

　このように制御部３０は、ファン清掃部２４が室内ファン１６から退避する際（Ｓ１０２）、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５が押された場合（Ｓ１０３：Ｙｅｓ）、その後の空調運転を行う（図５では省略）。なお、リミットスイッチ２５の切替動作の詳細については後記する。

　図５のステップＳ１０３において、所定時間ΔＴ内にリミットスイッチ２５からの信号が切り替わらない場合（Ｓ１０３：Ｎｏ）、制御部３０は、次の処理を行う。すなわち、制御部３０は、図５では省略したが、ファン清掃部２４が室内ファン１６から適切に退避していない（ファン清掃部２４が故障している）と判定し、ステップＳ１０４においてファン清掃部２４の故障を報知する。

　ステップＳ１０４について具体的に説明すると、制御部３０は、表示ランプ２９ａ（図４参照）を点灯（又は点滅）させるとともに、音発生部２９ｂ（図４参照）によって所定の報知音を鳴らす。この報知音は、ブザーであってもよいし、また、所定のメッセージ音であってもよい。これによって、ファン清掃部２４が故障したことをユーザに知らせることができる。なお、リモコン４０やユーザの携帯端末（図示せず）において、所定の故障表示がなされるようにしてもよい。

　このように制御部３０は、ファン清掃部２４をリミットスイッチ２５に向けて移動させ（Ｓ１０２）、リミットスイッチ２５が押されなかった場合（Ｓ１０３：Ｎｏ）、ファン清掃部２４の故障を報知する（Ｓ１０４）。ステップＳ１０４の処理を行った後、制御部３０は一連の処理を終了する（ＥＮＤ）。
　次に、ファン清掃部２４によるリミットスイッチ２５の切替動作について、図７等を用いて説明する。

　図７は、室内ファン１６の駆動状態、及び、リミットスイッチ２５からの信号を示すタイムチャートである。
　なお、図７に示す室内ファン１６のＯＮ／ＯＦＦは、室内ファン１６の駆動／停止を示している。また、リミットスイッチ２５のＯＮ／ＯＦＦは、リミットスイッチ２５から制御部３０に出力される信号を示している。また、図７の横軸は、時刻である。

　図７に示す例では、室内ファン１６の清掃（図５のＳ１０１）が時刻ｔ１まで行われた後、ファン清掃部２４の退避指令（Ｓ１０２）が時刻ｔ２に出力されている。この退避指令から所定時間ΔＴが経過する前の時刻ｔ３に、リミットスイッチ２５の信号がオフからオンに切り替わった後（Ｓ１０３：Ｙｅｓ）、信号がオンからオフに切り替わっている。この信号の切替りと、ファン清掃部２４の動作と、の関係について、図８Ａ、図８Ｂ、図８Ｃを用いて説明する。

　図８Ａは、ファン清掃部２４による室内ファン１６の清掃中の状態を示す説明図である。図８Ａに示すように、室内ファン１６の清掃中は、ファン清掃部２４の突当て部２４ｆがリミットスイッチ２５には接触していないため、リミットスイッチ２５から制御部３０にオフ信号が出力される（図７の時刻ｔ１までの状態）。

　図８Ｂは、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５が押された状態を示す説明図である。
　室内ファン１６の清掃後、ファン清掃部２４が室内ファン１６から適切に退避した場合、突当て部２４ｆからの力によってアクチュエータ２５ｂが回動し、このアクチュエータ２５ｂによって可動片２５ｃが押される。これによって、リミットスイッチ２５から制御部３０にオン信号が出力される（図７の時刻ｔ３～ｔ４）。

　なお、ファン清掃用モータ２４ｃが故障した場合には、室内ファン１６の清掃が終わってもファン清掃部２４が適切に退避しないため、リミットスイッチ２５の可動片２５ｃが押されない。したがって、リミットスイッチ２５から制御部３０に出力される信号はオフのままである。

　図８Ｃは、ファン清掃部２４がリミットスイッチ２５から離れた状態を示す説明図である。
　ファン清掃部２４が正常に退避してリミットスイッチ２５を押した後（図８Ｂ参照）、図８Ｃに示すように、制御部３０が、ファン清掃部２４をリミットスイッチ２５から離すようにしてもよい（図７の時刻ｔ４以後）。すなわち、空調運転中、ファン清掃部２４は、リミットスイッチ２５に接触していないことが好ましい。これによって、突当て部２４ｆからアクチュエータ２５ｂに対して、所定の押圧力が作用し続けることを防止できる。したがって、リミットスイッチ２５の故障や、突当て部２４ｆの磨耗を抑制できる。

＜効果＞
　本実施形態によれば、ファン清掃部２４への退避指令の後、リミットスイッチ２５からの信号が切り替わったか否かに基づき、ファン清掃部２４の故障の有無が判定される。例えば、室内ファン１６の清掃後（図５のＳ１０１）、ファン清掃部２４に退避指令を出しても（Ｓ１０２）、リミットスイッチ２５の信号が切り替わらない場合（Ｓ１０３：Ｎｏ）、制御部３０はファン清掃部２４が故障した旨を報知する（Ｓ１０４）。これによって、ファン清掃部２４が故障したことをユーザに知らせることができる。

≪第２実施形態≫
　第２実施形態は、空調運転を開始する際、制御部３０がファン清掃部２４（図２参照）をリミットスイッチ２５に接触させ、その接触位置を基準としてファン清掃用モータ２４ｃを制御する点が、第１実施形態とは異なっている。

　また、第２実施形態は、ファン清掃部２４の退避時にリミットスイッチ２５が切り替わらない場合、制御部３０がファン清掃部２４の回動動作を繰り返す点が、第１実施形態とは異なっている。なお、その他（空気調和機の構成等：図１～図４）については、第１実施形態と同様である。したがって、第１実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。

　図９は、第２実施形態に係る空気調和機の制御部３０が実行する処理のフローチャートである（適宜、図２、図４を参照）。
　なお、図９の「ＳＴＡＲＴ」時には空調運転が行われておらず、また、ブラシ２４ｂが室内ファン１６から退避した状態（図２参照）で位置決めされているものとする。

　ステップＳ２０１において制御部３０は、空調運転の開始指令があったか否かを判定する。空調運転の開始指令があった場合（Ｓ２０１：Ｙｅｓ）、制御部３０の処理はステップＳ２０２に進む。一方、空調運転の開始指令がない場合（Ｓ２０１：Ｎｏ）、制御部３０はステップＳ２０１の処理を繰り返す。

　ステップＳ２０２において制御部３０は、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５を押す。つまり、制御部３０は、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５が押されたことを、リミットスイッチ２５からの信号に基づいて検知する。前記したように、ファン清掃用モータ２４ｃとして用いられるステッピングモータでは開ループ制御が行われるため、ブラシ２４ｂが実際にどの位置にあるかを制御部３０の側では把握していない。そこで、第２実施形態では、空調運転の開始時にも、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５が押されるようにしている。

　これによって、リミットスイッチ２５が押されたときのファン清掃用モータ２４ｃの位置を、ファン清掃用モータ２４ｃの制御上の基準位置（基点）とすることができる。したがって、その後のファン清掃部２４の回動を適切かつ正確に行うことができる。

　次に、ステップＳ２０３において制御部３０は、所定の空調運転を行う。
　ステップＳ２０４において制御部３０は、リモコン４０（図４参照）から空調運転の停止指令があったか否かを判定する。空調運転の停止指令がない場合（Ｓ２０４：Ｎｏ）、制御部３０は、ステップＳ２０３の空調運転を継続する。一方、空調運転の停止指令があった場合（Ｓ２０４：Ｙｅｓ）、ステップＳ２０５において制御部３０は、空調運転を停止する。

　空調運転を停止した後、制御部３０は、第１実施形態と同様に、室内ファン１６の清掃を行い（Ｓ２０６）、さらに、ファン清掃部２４に退避指令を出力する（Ｓ２０７）。

　ステップＳ２０８において制御部３０は、退避指令を出力してから所定時間内にリミットスイッチ２５からの信号が切り替わったか否かを判定する。所定時間内にリミットスイッチ２５からの信号が切り替わった場合（Ｓ２０８：Ｙｅｓ）、制御部３０は、一連の処理を終了する（ＥＮＤ）。ファン清掃部２４が適切に退避したからである。

　一方、ステップＳ２０８においてリミットスイッチ２５からの信号が切り替わっていない場合（Ｓ２０８：Ｎｏ）、制御部３０の処理は、図１０のステップＳ２０９に進む。
　なお、リミットスイッチ２５からの信号が切り替わらない原因として、ファン清掃用モータ２４ｃの故障の他、室内熱交換器１５（図２参照）のフィンｆの隙間にブラシ２４ｂの先端付近が引っ掛かって、ファン清掃部２４の回動が規制されることが挙げられる。

　図１０のステップＳ２０９において制御部３０は、ファン清掃部２４を室内ファン１６の側に移動させる。これによって、例えば、室内熱交換器１５（図２参照）のフィンｆの隙間にブラシ２４ｂの先端付近が引っ掛かっている場合には、このブラシ２４ｂを室内熱交換器１５から引き離すことができる。

　ステップＳ２１０において制御部３０は、ファン清掃部２４に退避指令を再び出力する。つまり、ファン清掃部２４に室内ファン１６からの退避指令を出力した後（図９のＳ２０７）、リミットスイッチ２５からの信号が切り替わらない場合（Ｓ２０８：Ｎｏ）、制御部３０は、いったんファン清掃部２４を室内ファン１６の側に移動させた後（図１０のＳ２０９）、ファン清掃部２４を再び退避（Ｓ２１０）させる「処理」を行う。このようにして制御部３０は、ファン清掃部２４の退避を再度試みる。

　ステップＳ２１１において制御部３０は、再度の退避指令から所定時間内にリミットスイッチ２５からの信号が切り替わったか否かを判定する。所定時間内にリミットスイッチ２５からの信号が切り替わった場合（Ｓ２１１：Ｙｅｓ）、制御部３０は、図１０では省略したが、ファン清掃部２４が室内ファン１６から適切に退避したと判定し、一連の処理を終了する（図９の「ＥＮＤ」）。

　一方、ステップＳ２１１において、所定時間内にリミットスイッチ２５からの信号が切り替わらない場合（Ｓ２１１：Ｎｏ）、制御部３０は、図１０では省略したが、ファン清掃部２４が室内ファン１６から適切に退避していないと判定し、ステップＳ２１２の処理に進む。

　なお、ステップＳ２０９、Ｓ２１０の１回目の処理ではファン清掃部２４が退避しなかったとしても、同様の処理（Ｓ２０９、Ｓ２１０）をさらに繰り返すと、ファン清掃部２４が適切に退避することがある。

　ステップＳ２１２において制御部３０は、ファン清掃部２４への退避指令の出力回数が所定回数に達したか否かを判定する。なお、前記した「所定回数」は、ステップＳ２０９～Ｓ２１１の処理を制御部３０が繰り返す回数の上限値であり、予め設定されている。

　このように、ファン清掃部２４の退避を制御部３０が複数回試みることで、例えば、室内熱交換器１５に引っ掛かったブラシ２４ｂを引き離すことができ、さらに、ファン清掃部２４の位置決めを適切に行うことができる。また、前記した所定回数（Ｓ２１２）が予め設定されているため、ステップＳ２０９～Ｓ２１１の処理が無駄に多く行われることを防止できる。

　ステップＳ２１２において退避指令の出力回数が所定回数に達していない場合（Ｓ２１２：Ｎｏ）、制御部３０の処理はステップＳ２０９に戻る。一方、退避指令の出力回数が所定回数に達した場合（Ｓ２１２：Ｙｅｓ）、制御部３０の処理はステップＳ２１３に進む。

　ステップＳ２１３において制御部３０は、表示ランプ２９ａ（図４参照）や音発生部２９ｂ（図４参照）によって、ファン清掃部２４の故障を報知する。すなわち、制御部３０は、ファン清掃部２４をリミットスイッチ２５に向けて移動させ（図９のＳ２０７）、リミットスイッチ２５が押されなかった場合（Ｓ２０８：Ｎｏ）、ファン清掃部２４をリミットスイッチ２５に向けて移動させる処理を繰り返す（図１０のＳ２０９～Ｓ２１２）。そして、前記した処理を繰り返してもリミットスイッチ２５が押されなかった場合（Ｓ２１２：Ｙｅｓ）、制御部３０は、ファン清掃部２４の故障を報知する（Ｓ２１３）。これによって、ファン清掃部２４が故障していることをユーザに報知できる。

＜効果＞
　第２実施形態によれば、空調運転が開始される際（図９のＳ２０１：Ｙｅｓ）、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５が押される（Ｓ２０２）。これによって、パルス信号に基づくファン清掃用モータ２４ｃの制御上の基点に基づき、制御部３０が、ファン清掃部２４を適切かつ正確に回動させることができる。

　また、ファン清掃部２４に退避指令を出力しても（図９のＳ２０７）、リミットスイッチ２５が切り替わらない場合（Ｓ２０８：Ｎｏ）、制御部３０は、ファン清掃部２４の退避を複数回試みる（図１０のＳ２０９～Ｓ２１２）。これによって、ファン清掃用モータ２４ｃが正常であるにも関わらず、誤って故障が報知されることを防止できる。また、例えば、室内熱交換器１５のフィンｆの隙間にブラシ２４ｂが引っ掛かっても、このブラシ２４ｂを室内熱交換器１５から引き離した上で位置決めできる。

≪第３実施形態≫
　第３実施形態は、ファン清掃部２４が故障した場合に、ユーザやサービス員がファン清掃部２４を手動で退避させるレバー５０（図１１参照）が設けられている点が、第１実施形態とは異なっている。なお、その他（空気調和機の構成等：図１～図４）については、第１実施形態と同様である。したがって、第１実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。

　図１１は、空気調和機が備えるファン清掃部２４、リミットスイッチ２５、及びレバー５０を含む構成図である。
　図１１に示すレバー５０は、ファン清掃部２４を室内ファン１６（図２参照）から手動で退避させるためのものであり、室内ファン１６の軸方向一方側（図１１では、紙面左側）に配置されている。このレバー５０を動かすことで、軸部２４ａ及びブラシ２４ｂが一体で回動（又は平行移動）して、室内ファン１６から退避するようになっている。

　ファン清掃部２４が故障した場合には、例えば、ユーザが室内機Ｕｉ（図２参照）の側面のカバー等（図示せず）を取り外して、レバー５０を露出させる。そして、ユーザがレバー５０を手で握って所定の向きに移動させることで、ファン清掃部２４が室内ファン１６から退避するようになっている。これによって、ファン清掃部２４が故障した場合であっても、ブラシ２４ｂが室内ファン１６から離れた状態で、その後の空調運転を行うことができる。

＜効果＞
　第３実施形態によれば、ファン清掃部２４の故障を知ったユーザ等がレバー５０を動かすことで、ファン清掃部２４を室内ファン１６から退避させることができる。したがって、ファン清掃部２４が故障した場合であっても、その後の空調運転を行うことができる。つまり、ファン清掃部２４が故障してから実際に修理されるまでの期間も空調運転を行うことが可能であるため、ユーザの快適性や利便性を高めることができる。

≪第４実施形態≫
　第４実施形態は、リミットスイッチ２５Ａ（図１２Ａ参照）が室内ファン１６の付近に設けられている点が、第１実施形態とは異なっている。また、第４実施形態は、リミットスイッチ２５Ａからの信号に基づく制御が、第１実施形態とは異なっている。なお、その他（空気調和機の構成等：図１～図４参照）については、第１実施形態と同様である。したがって、第１実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。

　図１２Ａは、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５Ａが押された状態を示す説明図である。
　なお、リミットスイッチ２５Ａは、室内ファン１６の軸方向において、この室内ファン１６には干渉していないものとする。図１２Ａに示すように、リミットスイッチ２５Ａは、室内ファン１６の付近に配置されている。より詳しく説明すると、ブラシ２４ｂが下を向いた状態（図１２Ｃ参照）を基準として、ファン清掃部２４による清掃時の回動角θ２（図１２Ｂ参照）よりも大きい回動角θ１（図１２Ａ参照）のとき、突当て部２４ｆによってリミットスイッチ２５Ａが押されるようになっている。

　なお、リミットスイッチ２５Ａの構成については、第１実施形態のリミットスイッチ２５（図３参照）と同様であるから、説明を省略する。また、図１２Ｂ及び図１２Ｃについては、次の図１３のフローチャートとともに説明する。

　図１３は、空気調和機の制御部３０が実行する処理のフローチャートである。
　ステップＳ３０１において制御部３０は、室内ファン１６の清掃に関する所定の開始条件が成立したか否かを判定する。室内ファン１６の清掃の開始条件が成立した場合（Ｓ３０１：Ｙｅｓ）、制御部３０の処理はステップＳ３０２に進む。一方、室内ファン１６の清掃の開始条件が成立していない場合（Ｓ３０１：Ｎｏ）、制御部３０はステップＳ３０１の処理を繰り返す。

　ステップＳ３０２において制御部３０は、ファン清掃部２４を室内ファン１６の方に移動させるための移動指令を出力する。その結果、ファン清掃部２４が所定の回動角θ１（図１２Ａ参照）だけ回動し、突当て部２４ｆによってリミットスイッチ２５Ａが押される。つまり、ファン清掃部２４が室内ファン１６を清掃する際にも、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５Ａが押されるようになっている。

　ステップＳ３０３において制御部３０は、移動指令を出力してから所定時間内にリミットスイッチ２５Ａからの信号が切り替わったか否かを判定する。所定時間内にリミットスイッチ２５Ａからの信号が切り替わった場合（Ｓ３０３：Ｙｅｓ）、図１３では省略したが、制御部３０は、ファン清掃部２４は正常であると判定し、ステップＳ３０４の処理に進む。リミットスイッチ２５Ａが室内ファン１６の付近に設けられているため、ファン清掃部２４が室内ファン１６の方に適切に回動したか否かの判定も行うことができる。
　ステップＳ３０４において制御部３０は、ファン清掃部２４によって、室内ファン１６を清掃する。

　図１２Ｂは、ファン清掃部２４による室内ファン１６の清掃中の状態を示す説明図である。
　図１２Ｂに示す例では、室内ファン１６の清掃中、ファン清掃部２４の突当て部２４ｆはリミットスイッチ２５Ａに接触していない。これによって、突当て部２４ｆの磨耗やリミットスイッチ２５Ａの故障が生じにくくなる。

　室内ファン１６の清掃後、図１３のステップＳ３０５において制御部３０は、ファン清掃部２４に退避指令を出力する。なお、前記した退避指令に基づき、ファン清掃部２４を回動してリミットスイッチ２５Ａを再び押した後（図１２Ａ参照）、ファン清掃部２４が逆向きに回動し、ブラシ２４ｂが下に向くようにしてもよい（図１２Ｃ参照）。つまり、ファン清掃部２４が室内ファン１６から退避する際にも、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５Ａが押されるようにしてもよい。これによって、室内ファン１６から退避する際にも、ファン清掃部２４が正常であることを制御部３０が把握できる。

　図１２Ｃは、ファン清掃部２４による室内ファン１６の清掃が行われていないときの状態を示す説明図である。
　室内ファン１６の清掃が行われていないとき、図１２Ｃに示すように、ブラシ２４ｂが下に向くようにして位置決めしてもよい。つまり、ファン清掃部２４が、室内ファン１６から退避する際にリミットスイッチ２５Ａを押した後、室内ファン１６及び室内熱交換器１５（図２参照）に接触しない位置に留まるようにしてもよい。これによって、室内熱交換器１５との接触に伴うブラシ２４ｂの磨耗を抑制できる。

　再び、図１３に戻って説明を続ける。
　ステップＳ３０３において所定時間内にリミットスイッチ２５Ａからの信号が切り替わらない場合（Ｓ３０３：Ｎｏ）、制御部３０の処理はステップＳ３０７に進む。また、ステップＳ３０６において所定時間内にリミットスイッチ２５Ａからの信号が切り替わらない場合も（Ｓ３０６：Ｎｏ）、制御部３０の処理はステップＳ３０７に進む。室内ファン１６の清掃の開始時（Ｓ３０３）や終了時（Ｓ３０６）に、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５Ａが適切に押されなかったからである。

　ステップＳ３０７において制御部３０は、表示ランプ２９ａ（図４参照）や音発生部２９ｂ（図４参照）によって、ファン清掃部２４の故障を報知し、一連の処理を終了する（ＥＮＤ）。

＜効果＞
　第４実施形態によれば、ファン清掃部２４が室内ファン１６を清掃する際、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５Ａが押されなかった場合（Ｓ３０３：Ｎｏ）、制御部３０が、ファン清掃部２４の故障を報知する（Ｓ３０７）。これによって、室内ファン１６の清掃を行えない状況にあることをユーザに報知できる。

≪第４実施形態の変形例≫
　例えば、室内熱交換器１５の付近に第１のリミットスイッチ２５を設けるとともに（第１実施形態）、室内ファン１６の付近に第１のリミットスイッチ２５Ａを設けるようにしてもよい（第４実施形態）。そして、室内ファン１６が清掃される際には、ファン清掃部２４が第２のリミットスイッチ２５Ａを押し、室内ファン１６から退避する際には、ファン清掃部２４が第１のリミットスイッチ２５を押すようにしてもよい。

　前記した構成において、室内ファン１６を清掃する際、第２のリミットスイッチ２５Ａの信号が切り替わらない場合、制御部３０は、ファン清掃部２４の故障を報知する。また、室内ファン１６から退避する際、第１のリミットスイッチ２５の信号が切り替わらない場合にも、制御部３０は、ファン清掃部２４の故障を報知する。これによって、制御部３０がファン清掃部２４の故障を早期に報知できる。

≪第５実施形態≫
　第５実施形態は、リミットスイッチ２５に代えて、室内ファン１６からファン清掃部２４を退避させる向きに付勢するバネ６０（図１４Ａ参照）が設けられている点が、第１実施形態とは異なっている。なお、その他の各構成については、第１実施形態と同様である。したがって、第１実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。

　図１４Ａは、ファン清掃部２４による室内ファン１６の清掃中の状態を示す説明図である。
　図１４Ａに示すように、空気調和機は、ファン清掃部２４等の他に、バネ６０を備えている。バネ６０は、ファン清掃部２４を室内ファン１６から退避させる向きに付勢するものである。このようなバネ６０として、例えば、図１４Ａに示すようなトーションバネを用いることができる。

　バネ６０は、その一端が固定リブＲ１に固定され、他端がブラシ設置部２４ｇに設置されている。このブラシ設置部２４ｇは、ブラシ２４ｂが設置される部材であり、軸部２４ａと一体で回動するようになっている。なお、軸部２４ａの両端付近にそれぞれバネ６０が設けられてもよいし、その他の箇所にバネ６０が適宜に設けられてもよい。

　そして、ファン清掃部２４による室内ファン１６の清掃中、バネ６０の弾性力に抗して、ファン清掃部２４が室内ファン１６に接触するようになっている。つまり、正常な状態でのファン清掃用モータ２４ｃのフリクショントルク（軸部２４ａとギヤ２４ｄとの接触摩擦に抗して軸部２４ａを回転させるトルク：図３参照）は、ファン清掃部２４が退避した状態でのバネ６０の弾性力よりも大きい。
　なお、室内ファン１６の清掃中は、ファン清掃用モータ２４ｃに通電され続けるため、その保磁力によって、ブラシ２４ｂが室内ファン１６に接触した状態でファン清掃用モータ２４ｃが位置決めされるようになっている。

　仮に、ファン清掃用モータ２４ｃが故障した場合には、そのトルクが大幅に小さくなることが多い。したがって、ファン清掃用モータ２４ｃが故障した場合の当該ファン清掃用モータ２４ｃのフリクショントルクは、ファン清掃部２４が室内ファン１６に接触した状態でのバネ６０の弾性力よりも小さいことが好ましい。これによって、ファン清掃部２４が故障した場合には、バネ６０の弾性力によって、ファン清掃部２４を室内ファン１６から退避させることができる。

　図１４Ｂは、ファン清掃部２４が室内ファン１６から退避した状態を示す説明図である。ファン清掃用モータ２４ｃが故障すると、前記したように、バネ６０の弾性力がファン清掃用モータ２４ｃのフリクショントルクに打ち勝って、ファン清掃部２４が室内熱交換器１５の側に回動（退避）する。これによって、ブラシ２４ｂが室内ファン１６に接触しない状態になるため、ファン清掃用モータ２４ｃが故障した後も空調運転を行うことができる。

＜効果＞
　第５実施形態によれば、ファン清掃部２４を退避される向きに付勢するバネ６０が設けられることで、ファン清掃部２４の故障後も空調運転を継続できる。

≪変形例≫
　以上、本発明に係る空気調和機１００等について各実施形態で説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
　例えば、第１実施形態では、室内機Ｕｉ（図２参照）にリミットスイッチ２５が設けられる構成について説明したが、これに限らない。すなわち、リミットスイッチ２５を省略し、ファン清掃部２４のトルクを以下のように設定してもよい。

　すなわち、ファン清掃部２４のブラシ２４ｂが室内熱交換器１５に接触した状態で（図２参照）、ファン清掃部２４をさらに退避させる向きのトルクが、ファン清掃部２４から室内熱交換器１５に作用するようにしてもよい。例えば、ファン清掃部２４が退避すると、ブラシ２４ｂの毛が室内熱交換器１５のフィンｆの微少な隙間に入り込んで（ファン清掃部２４が室内熱交換器１５に接触して）、その摩擦抵抗でファン清掃部２４の回動が規制される。このような状態で、室内熱交換器１５にブラシ２４ｂをさらに押し込むように、ステッピングモータであるファン清掃用モータ２４ｃに、制御部３０が所定のパルス信号を出力し続けてもよい。
　前記した構成において室内熱交換器１５は、ファン清掃部２４が室内ファン１６から退避した所定位置で、ファン清掃部２４の回動（移動）を規制する「規制部材」としても機能する。なお、ファン清掃部２４の回動を規制する「規制部材」は、室内熱交換器１５に限定されず、規制用のリブ（図示せず）であってもよい。
　また、前記した「トルク」が、室内ファン１６を清掃する際のファン清掃部２４の駆動トルク（ブラシ２４ｂを室内ファン１６の方に回動させるトルク）よりも大きいことが好ましい。これによって、ファン清掃部２４が退避している状態よりも、室内ファン１６の清掃中の方が、ファン清掃用モータ２４ｃにかかる負荷が小さくなる。したがって、ファン清掃部２４が室内ファン１６を清掃しているときの方が、その退避中よりも、ファン清掃用モータ２４ｃの故障の可能性が低くなる。その結果、ブラシ２４ｂが室内ファン１６に接触した状態では、ファン清掃用モータ２４ｃが故障しにくくなる。
　また、仮に、ファン清掃用モータ２４ｃが故障したときには、ファン清掃部２４が室内ファン１６に接触していない状態であるため、その後も空調運転を行うことができる。
　なお、ブラシ２４ｂが室内熱交換器１５に接触した状態で、ファン清掃部２４をさらに退避させる向きのトルクが、室内ファン１６を清掃する際のファン清掃部２４の駆動トルク（又は、ファン清掃用モータ２４ｃの安全率と駆動トルクとの積）以下であってもよい。

　また、例えば、第１実施形態で説明したリミットスイッチ２５に代えて、空気調和機が、ブラシ２４ｂの延在方向の傾斜角度を検出する角度センサ７０（故障検知部：図１５参照）を備える構成であってもよい。

　図１５は、変形例に係る空気調和機が備えるファン清掃部２４及び角度センサ７０の構成図である。
　図１５に示す角度センサ７０は、ファン清掃部２４の回動角（ブラシ２４ｂの延在方向の傾斜角度）を検出することによって、ファン清掃部２４の故障を検知するセンサである。このような角度センサ７０として、例えば、加速度センサを用いることができる。そして、制御部３０は、角度センサ７０の検出値に基づいて、ファン清掃部２４の故障を報知する。例えば、ファン清掃部２４の退避指令後、所定時間内に角度センサ７０の検出値が所定値に達しない場合、制御部３０は、ファン清掃部２４が故障していると判定し、その故障を報知する。

　また、空気調和機１００の据付時若しくは前回のメンテナンス時からの経過時間が所定時間に達した場合、制御部３０が、ファン清掃部２４のメンテナンスを要する旨を報知するようにしてもよい。また、空気調和機１００の据付時若しくは前回のメンテナンス時からの空調運転の回数が所定回数に達した場合、制御部３０が、ファン清掃部２４のメンテナンスを要する旨を報知するようにしてもよい。これによって、ファン清掃部２４が故障していなくても、そのメンテナンスを要する旨をユーザに報知できる。

　また、ファン清掃用モータ２４ｃが励磁されない場合、ブラシ２４ｂの自重によって、ブラシ２４ｂの先端が下方を向くようにしてもよい。これによって、ファン清掃用モータ２４ｃが故障して励磁されない場合でも、ブラシ２４ｂが室内ファン１６に接触しない状態になるため、その後も空調運転を行うことができる。なお、ファン清掃用モータ２４ｃがギヤレスステッピングモータであれば、ギヤが設けられてないぶん、励磁されていないときにブラシ２４ｂの自重の影響を受けやすくなるため、ブラシ２４ｂの先端が下方を向きやすくなる。

　また、ファン清掃部２４がリミットスイッチ２５に接触している状態で、ブラシ２４ｂが室内ファン１６にも室内熱交換器１５にも接触しないようにリミットスイッチ２５が配置されてもよい。例えば、ファン清掃部２４が退避して、ブラシ２４ｂの先端が下方に向いた状態で、ファン清掃部２４によってリミットスイッチ２５が押されるようにしてもよい。さらに、リミットスイッチ２５を押した後、ファン清掃部２４がリミットスイッチ２５から若干離れるようにしてもよい。これによって、ファン清掃用モータ２４ｃの故障を抑制できるとともに、ブラシ２４ｂの磨耗を抑制できる。

　また、第２実施形態（図９参照）では、空調運転を開始する際、ファン清掃部２４がリミットスイッチ２５を押す処理について説明したが、これに限らない。例えば、空調運転の開始時に代えて、ファン清掃部２４による室内ファン１６の清掃の開始時に、ファン清掃部２４がリミットスイッチ２５を押すようにしてもよい。
　また、制御部３０が、「ファン清掃モード」として、次の処理を行うようにしてもよい。すなわち、制御部３０は、ファン清掃部２４をリミットスイッチ２５に向けて移動させ、リミットスイッチ２５が押された場合、ファン清掃部２４による室内ファン１６の清掃を開始する。一方、リミットスイッチ２５が押されなかった場合、制御部３０は、ファン清掃部２４による室内ファン１６の清掃を開始しない。
　なお、前記した「ファン清掃モード」の処理は、各実施形態に適用可能であり、また、他の変形例にも適用可能である。また、「ファン清掃モード」において、ファン清掃部２４がリミットスイッチ２５に向けて移動されるタイミングは、空調運転の開始時であってもよいし、室内ファン１６の清掃の開始時であってもよいし、また、他の所定のタイミングであってもよい。

　また、各実施形態において、制御部３０がファン清掃部２４の故障を報知した後、空調運転を禁止するようにしてもよい。すなわち、制御部３０は、ファン清掃部２４の故障後にリモコン４０から空調運転の開始指令があっても、ファン清掃部２４が正常に戻るまでは、空調運転を禁止するようにしてもよい。これによって、ファン清掃部２４が故障した状態で、室内ファン１６が高速回転で駆動されること防止し、ひいては、ファンブレード１６ａの破損を防止できる。

　また、各実施形態では、ファン清掃部２４の軸部２４ａを中心にブラシ２４ｂが回動する構成について説明したが、これに限らない。例えば、ファン清掃部２４が平行移動する構成であってもよい。
　また、各実施形態では、ファン清掃部２４がブラシ２４ｂを備える構成について説明したが、これに限らない。すなわち、室内ファン１６を清掃可能な部材であれば、ブラシ２４ｂに代えてスポンジ等を用いてもよい。
　また、各実施形態では、空気の通流方向において、室内ファン１６の上流側にファン清掃部２４が配置される例について説明したが、これに限らない。例えば、室内ファン１６の下流側にファン清掃部２４が配置されてもよい。

　また、各実施形態は、適宜に組み合わせることができる。例えば、第２実施形態と第３実施形態とを組み合わせ、レバー５０が設けられる構成において（第３実施形態：図１１参照）、制御部３０が第２実施形態の処理（図９、図１０参照）を実行するようにしてもよい。
　また、例えば、リミットスイッチ２５が設けられる構成（第１実施形態等：図３参照）において、ファン清掃部２４を室内ファン１６から退避させる向きに付勢するバネ６０（第５実施形態：図１４Ａ、図１４Ｂ参照）をさらに設けてもよい。これによって、例えば、ファン清掃部２４が故障し、さらに、バネ６０に不具合が生じた場合、その旨をユーザに報知できる。

　また、各実施形態では、室内機Ｕｉ（図１参照）及び室外機Ｕｏ（同図参照）が一台ずつ設けられる構成について説明したが、これに限らない。すなわち、並列接続された複数台の室内機を設けてもよいし、また、並列接続された複数台の室外機を設けてもよい。
　また、各実施形態は、ルームエアコンの他、様々な種類の空気調和機にも適用可能である。

　また、各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
　また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。

　１００　空気調和機
　１１　　圧縮機
　１２　　室外熱交換器
　１３　　室外ファン
　１４　　膨張弁
　１５　　室内熱交換器（熱交換器、規制部材）
　１６　　室内ファン（ファン）
　２４　　ファン清掃部
　２４ａ　軸部
　２４ｂ　ブラシ
　２４ｃ　ファン清掃用モータ
　２５　　リミットスイッチ（故障検知部）
　３０　　制御部
　４０　　リモコン
　５０　　レバー
　６０　　バネ
　７０　　角度センサ（故障検知部）

Claims

　熱交換器と、
　ファンと、
　前記ファンを清掃するファン清掃部と、
　少なくとも前記ファン及び前記ファン清掃部を制御する制御部と、
　前記ファン清掃部によって押されるリミットスイッチと、を備え、
　前記制御部は、前記ファン清掃部を前記リミットスイッチに向けて移動させ、前記リミットスイッチが押されなかった場合、前記ファン清掃部の故障を報知する空気調和機。
　熱交換器と、
　ファンと、
　前記ファンを清掃するファン清掃部と、
　少なくとも前記ファン及び前記ファン清掃部を制御する制御部と、
　前記ファン清掃部によって押されるリミットスイッチと、を備え、
　前記制御部は、前記ファン清掃部を前記リミットスイッチに向けて移動させ、前記リミットスイッチが押された場合、前記ファン清掃部による前記ファンの清掃を開始し、前記リミットスイッチが押されなかった場合、前記ファン清掃部による前記ファンの清掃を開始しない空気調和機。
　前記制御部は、前記ファン清掃部を前記リミットスイッチに向けて移動させ、前記リミットスイッチが押されなかった場合、前記ファン清掃部を前記リミットスイッチに向けて移動させる処理を繰り返し、当該処理を繰り返しても前記リミットスイッチが押されなかった場合、前記ファン清掃部の故障を報知すること
　を特徴とする請求項１に記載の空気調和機。
　前記ファン清掃部は、前記ファンの軸方向に平行な棒状の軸部と、前記軸部に設置されるブラシと、前記ブラシを移動させるファン清掃用モータと、を有し、
　前記ファン清掃用モータが励磁されない場合、前記ブラシの自重によって、前記ブラシの先端が下方を向くこと
　を特徴とする請求項１又は請求項２に記載の空気調和機。
　前記ファン清掃部を前記ファンから退避させる向きに付勢するバネを備え、
　前記ファン清掃部による前記ファンの清掃中、前記バネの弾性力に抗して、前記ファン清掃部が前記ファンに接触すること
　を特徴とする請求項１又は請求項２に記載の空気調和機。
　前記ファン清掃部は、前記ファンの軸方向に平行な棒状の軸部と、前記軸部に設置されるブラシと、前記ブラシを移動させるファン清掃用モータと、を有し、
　前記ファン清掃用モータのフリクショントルクは、前記ファン清掃部が前記ファンに接触した状態での前記バネの弾性力よりも小さいこと
　を特徴とする請求項５に記載の空気調和機。
　前記ファン清掃部が前記ファンから退避した所定位置で、前記ファン清掃部の移動を規制する規制部材を備え、
　前記ファン清掃部が前記規制部材に接触した状態で、前記ファン清掃部をさらに退避させる向きのトルクが、前記ファン清掃部から前記規制部材に作用し、
　前記トルクは、前記ファンを清掃する際の前記ファン清掃部の駆動トルクよりも大きいこと
　を特徴とする請求項１又は請求項２に記載の空気調和機。
　前記ファン清掃部は、前記ファンの軸方向に平行な棒状の軸部と、前記軸部に設置されるブラシと、前記ブラシを移動させるファン清掃用モータと、を有し、
　前記熱交換器は、前記規制部材としても機能し、
　前記ブラシが前記熱交換器に接触した状態で、前記ファン清掃部をさらに退避させる向きのトルクが、前記ファン清掃部から前記熱交換器に作用すること
　を特徴とする請求項７に記載の空気調和機。
　空気調和機の据付時若しくは前回のメンテナンス時からの経過時間が所定時間に達した場合、
　又は、
　前記空気調和機の据付時若しくは前回のメンテナンス時からの空調運転の回数が所定回数に達した場合、
　前記制御部は、前記ファン清掃部のメンテナンスを要する旨を報知すること
　を特徴とする請求項１又は請求項２に記載の空気調和機。
　前記ファン清掃部を前記ファンから手動で退避させるためのレバーを備えること
　を特徴とする請求項１又は請求項２に記載の空気調和機。