WO2019208533A1

WO2019208533A1 - 美容器

Info

Publication number: WO2019208533A1
Application number: PCT/JP2019/017122
Authority: WO
Inventors: 松下　剛
Original assignee: 株式会社Mtg
Priority date: 2018-04-27
Filing date: 2019-04-23
Publication date: 2019-10-31
Also published as: TW201944976A; TWI803626B; JP2019188046A

Abstract

美容器は、ハンドル（１１）と、そのハンドル（１１）に支持され、かつボール状をなす少なくとも一つの回転体（１３）とを備える。回転体（１３）の外周には錐台形状をなす複数の突起（１２）が形成されている。

Description

美容器

　本発明は、外周面に突起を有する回転体を身体上で転がすことにより、使用者の身体表面部をマッサージして使用者に対して美容的作用を付与するように構成された美容器に関する。

　従来、この種の回転体を有する美容器として、特許文献１及び特許文献２に開示されたものがある。
　特許文献１の美容器における回転体は、ゴルフボールのディンプルを逆に外側に突出させたような凹凸を有する外表面を有している。

　特許文献２の美容器における回転体は、円柱形状を有している。その回転体の外周面には複数の突起が形成されている。そして、回転体を身体の皮膚に押し付けて回転させることにより、身体に対して美容的作用が付与されるとしている。

特開２００３－７９６９０号公報（明細書の段落００１４、図面の図１）特開２０１７－８０３４１号公報（明細書の段落００８４～００９２、図面の図２４～図２７）

　特許文献１に開示される回転体の表面の凸部は、ゴルフボールのディンプルを逆に外側に突出させた程度の高さの低いものであるため、十分な美容的効果を期待できない。高い美容的効果を得るために、凸部の高さを高くした場合は、凸部がディンプルを逆に外側に突出させた形状であるため、その凸部は背が高い半球形状になる。このように半球形状の背が高い凸部においては、その凸部の基部の外周面が回転体の表面からほぼ直角に立ち上がる。従って、回転体の表面に多くの凸部が分散配置されていると、それらの凸部の基部の表面が放射方向に立ち上がることになるため、回転体の表面を成形する成形型を細かく分割しないと型抜きが困難になる。

　また、特許文献２の構成においては、突起が円筒面に形成されるものであるため、身体表面部に対して円筒の軸方向に沿う直線状領域の部分が当たることになり、美容器の角度や体の部位によっては、美容的効果が低下するおそれが多分にある。

　本発明の目的は、高い美容的効果を得ることができる美容器を提供することにある。

　上記の目的を達成する美容器は、ハンドルと、そのハンドルに支持され、かつボール状をなす少なくとも一つの回転体とを備え、前記回転体の外周には錐台形状をなす複数の突起が形成されている。

　ここで、錐台形状とは、円錐台，三角錐台，四角錐台などの先端が尖っていない錐台形状を指す。角錐台形状の場合は、各部のコーナが丸く形成されたり、面取りされたりするものを含む。また、錐台形の先端の台は、平面に限らず、膨らんだ半球面状、半楕円球面状、平面であっても外周のコーナを曲面状や面取り形状にしたものや、凹んだ形状のものを含むものとする。

　従って、本発明の美容器においては、回転体がボール状であるため、一対の回転体を並設して、それら回転体を先広がり状に配置された２本の軸に支持すれば、美容器の使用者の皮膚やその下部組織を含む身体表面部が回転体よって押圧されるとともに、つまみ上げられて、高い美容的効果を得ることができる。また、回転体の回転により、身体表面部が突起によって断続的に強く押圧されて、さらに高い美容的効果を得ることができる。さらに、突起が凸曲面状の先端を有する場合、突起による適度な刺激はあるものの、痛みは抑えられ、快適なマッサージ作用と高い美容的効果を得ることができる。

　本発明に係る美容器によれば、高い美容的効果を得ることができる。

第１実施形態の美容器の斜視図。第１実施形態の美容器の平面図。第１実施形態の美容器の一部破断底面図。第１実施形態の美容器の側面図。第１実施形態の美容器の分解斜視図。第２外フレーム及び第２カバーを含む部分の分解斜視図。回転体を含む部分の分解斜視図。ベースフレームの内部構成を示す平面図。図２の９－９線断面図。図９において補強部材を除去して示す断面図。図２の１１－１１線断面図。図２の１２－１２線断面図。回転体の断面図。回転体の平面図。回転体の側面図。第２実施形態の美容器を上から見た斜視図。第２実施形態の美容器を下から見た斜視図。第２実施形態の美容器の側面図。第３実施形態の美容器の斜視図。第４実施形態の美容器の平面図。変更例の美容器を示す斜視図。

　（第１実施形態）
　以下に、第1実施形態の美容器を図面に従って説明する。
　図１～図３に示すように、第1実施形態の美容器は、先端（以下、この先端側を前端側と称する）に二叉部１０が形成されたハンドル１１を備えている。二叉部１０には一対のマッサージ用の回転体１３が並設されている。各回転体１３は一軸線を中心に回転可能であり、その外周面に複数の突起１２を有している。美容器の使用者は、ハンドル１１を把持して、身体の皮膚，その下部組織，及び筋肉を含む身体表面部に対して回転体１３を適当な力で押し付けながらその回転体１３を転がすことにより、身体の各部をマッサージできる。

　以下に、第1実施形態の美容器の各部の構成を詳細に説明する。
　図１及び図５に示すように、ハンドル１１は、ベースフレーム１４と、そのベースフレーム１４の外側に位置する第１外フレーム１５及び第２外フレーム１６とを備えている。このベースフレーム１４，第１外フレーム１５，及び第２外フレーム１６により、ハンドル本体２０が構成されている。図１，図５，及び図６に示すように、第１，第２外フレーム１５，１６の外側には加飾部材としての第１カバー１７及び第２カバー１８が取り付けられている。ベースフレーム１４の前端近傍の部分の外側面には補強部材１９が設けられている（図３及び図９参照）。ベースフレーム１４、第１，第２外フレーム１５，１６、及び第１，第２カバー１７，１８は電気絶縁材である合成樹脂によって構成されている。補強部材１９は金属板材によって構成されている。第１，第２外フレーム１５，１６及び回転体１３の表面全体には金属メッキが施されている。

　図５，図８，及び図９に示すように、前記ベースフレーム１４は、一側面を開放した有底のほぼ舟形形状をなしている。ベースフレーム１４の開放部の周縁には溝２１が設けられており、その溝２１にはシールリング２２が嵌め込まれている。前記第１外フレーム１５はベースフレーム１４の底部側に被せられている。ベースフレーム１４は後端に突起２３を有しており、その突起２３が第１外フレーム１５の凹部２４に嵌合されている。前記第２外フレーム１６はベースフレーム１４の開放部側に被せられている。第２外フレーム１６は外周縁に段差２５を有しており、その段差２５に第１外フレーム１５の突条２６が嵌合されている。突条２６の内側には着座面が形成されている。この着座面に前記シールリング２２が着座されて、第２外フレーム１６とベースフレーム１４との間の水密性が確保されている。そして、タップネジ２８が、ベースフレーム１４に設けられた孔を通り、第２外フレーム１６にねじ込まれている。このタップネジ２８により、第２外フレーム１６がベースフレーム１４に固定されている。

　図５及び図１２に示すように、ベースフレーム１４の前端には円筒部２９が形成されている。第１，第２外フレーム１５，１６には円筒部２９の外周に被せられた半円筒部３０，３１が形成されている。そして、半円筒部３０，３１上に保持リング３２が外嵌されて、この部分においてベースフレーム１４と第１，第２外フレーム１５，１６とが一体化されている。

　図３，図９，及び図１０に示すように、前記補強部材１９は、ベースフレーム１４の前端部に位置する凹部３３内に配置されている。また、補強部材１９に設けられた位置決め突起３４がベースフレーム１４に設けられた凹部５２に嵌合することによって、補強部材１９がベースフレーム１４に対して位置決めされている。また、補強部材１９は、ベースフレーム１４にねじ込まれたタップネジ３５によって位置決め状態において固定されている。そして、補強部材１９は、後述する支持軸３８間であって、回転体１３に近接した位置から回転体１３の反対側であるハンドル１１の基端部に向かって、ハンドル１１の長さ方向の中間部まで延びている。この補強部材１９は、ハンドル１１に作用するハンドル１１の曲げ方向のモーメントに抗する補強作用を備えている。

　図１及び図９に示すように、前記第１カバー１７は、第１外フレーム１５の外側面の後端近傍に形成された凹部３６内に嵌合されている。前記第２カバー１８は、第２外フレーム１６の外側面の後端近傍に形成された凹部３６内に嵌合されている。そして、第１カバー１７は、第１外フレーム１５の孔を通って第１カバー１７の凸部にねじ込まれたタップネジ３７によって固定されている。第２カバー１８は、第２外フレーム１６の孔を通って第２カバー１８の凸部にねじ込まれたタップネジ３７によって固定されている。第１，第２カバー１７，１８は、第１，第２外フレーム１５，１６の外表面と連続する曲面よりなる外表面を形成するとともに、第１，第２外フレーム１５，１６と異なる色，例えば木目調に形成され、ハンドル１１の加飾機能を有している。この木目調は、例えば、第１，第２カバー１７，１８を構成する合成樹脂中に木粉を混入したり、第１，第２カバー１７，１８を構成する合成樹脂の表面に木製シートを貼着したりして構成される。従って、第１，第２カバー１７，１８は、第１，第２外フレーム１５，１６と材質が異なり、第１，第２外フレーム１５，１６と比較して色，明度，光沢度，表面粗度，比熱，硬度，及び摩擦係数が異なる。

　図５，図７，及び図１２に示すように、ベースフレーム１４の前記円筒部２９内には支持軸３８が挿入されている。この支持軸３８の一端面にはネジ孔３９が開口している。バネ座金付きネジ４０がベースフレーム１４の内側からネジ孔３９に螺入されて支持軸３８が前方の外側へ抜けることが防止されている。また、支持軸３８は、その外周面の一部に平面部４１を有している。すなわち、支持軸３８のうち、平面部４１に対応する部分は、Ｄ字状の断面を有している。支持軸３８の平面部４１が円筒部２９内の平面部（図示略）と係合して支持軸３８の回転が阻止されている。支持軸３８の長さ方向の中間部にはフランジ４３が形成されている。フランジ４３が円筒部２９の先端面と係合することにより、支持軸３８がベースフレーム１４側に移動することが阻止されている。支持軸３８の小径部には、支持軸３８の外周面と円筒部２９の内周面との間の水密性を保持するためのゴム製のシールリング４４が外嵌されている。

　図７及び図１２に示すように、支持軸３８のフランジ４３の前端側にはフランジ４５を有する合成樹脂製の軸受部材４６が回転可能に外嵌されている。フランジ４５と軸受部材４６との間には摩擦係数の低い材料よりなる滑動リング４７が介在されている。この滑動リング４７は、フランジ４５と軸受部材４６の段差面５３との間に位置し、軸受部材４６の円滑な回転を担保する。支持軸３８の先端には環状溝が設けられており、その環状溝には軸受部材４６の抜け止めのための止めリング４８が取り付けられている。軸受部材４６の周壁には案内斜面４９と抜け止め面５０とを備えた係合爪５１が撓み変形可能に一体形成されている。

　図７及び図１２に示すように、押圧体を構成する前記回転体１３は、開口５５を有する中空ボール形状をなしている。回転体１３の内部にはふたつのコア片５６，５７を結合させたコア５８が収容固定されている。コア片５６の内周には環状突起５９が形成されている。そして、回転体１３を軸受部材４６上に被冠させることにより、前記案内斜面４９の作用によって係合爪５１が撓み退避した後に、環状突起５９が抜け止め面５０に係合される。これによって、回転体１３が軸受部材４６に抜け止め状態で保持リング３２の周りにおいて支持軸３８に回転可能に支持される。すなわち、支持軸３８は回転体１３の回転軸を構成している。

　図１３～図１５に示すように、回転体１３は、ほぼ球形のベース部６１と、そのベース部６１に一体形成された複数（本実施形態では２５）の突起１２とを備えている。これらの突起１２はベース部６１の外周に均等間隔をおいて位置している。各突起１２は全体として円錐状に形成されている。各突起１２の先端は凸曲面状をなしている。すなわち、各突起１２の先端は半球面形状に形成されている。そして、突起１２は回転体１３のほぼ中心を中心としてほぼ放射方向を指向するとともに、先端が仮想球面α上に位置している。この仮想球面αは、回転体１３の最大径の位置において支持軸３８と直交する面内に位置する円を含み、その円と仮想球面αとは同径である。そして、仮想球面αの直径は、１５～６０ミリメートルの範囲が体感上好ましく、３２～５５ミリメートルの範囲がさらに好ましく、３８～４５ミリメートルの範囲が最も好ましい。

　回転体１３のベース部６１の基端部の外径βは前記ハンドル１１の回転体１３側の端部６２の外径と等しく、ベース部６１及び端部６２の外周面がほぼ同一曲面上に位置している。

　ここで、前記突起１２の数は、１６～３１の範囲が体感上及び美容的効果をもたらす血行促進の観点において好ましく、２０～３０の範囲がさらに好ましく、２３～２８の範囲が最も好ましい。また、左右の突起１２間の図２に示す最短距離δは７．５～１０ミリメートルが体感上及び美容的効果をもたらす血行促進の観点において好ましい。さらに、突起１２の先端の曲率半径は、２～６ミリメートルが体感上及び美容的効果をもたらす血行促進の観点において好ましく、２～４ミリメートルがさらに好ましい。突起１２の先端の曲率は、突起１２の先端が半球状ではない他の曲面状の場合も含めて、体感上及び美容的効果をもたらす血行促進の観点において１／２（２分の１）～１／６が好ましく、１／２～１／４がさらに好ましい。なお、第１実施形態において、突起１２の先端の曲率半径は３ミリメートル，すなわち曲率１／３である。

　図５，図８，及び図９に示すように、前記ベースフレーム１４の内部のほぼ中央部には保持台７１が形成されている。その保持台７１の上面には機能部品としての光発電用の発電パネル７２が枠７３によって位置決めされた状態で保持されている。発電パネル７２とハンドル１１の後端部との間には、機能部品としての金属製のバランスウェイト７４が配置されている。バランスウェイト７４は、ベースフレーム１４と一体のピン７５及びベースフレーム１４にねじ込まれるタップネジ７６によってベースフレーム１４に固定されている。このバランスウェイト７４は、第１実施形態の美容器の使用に際して、美容器全体の重量バランスを適正に維持するためのものである。

　そして、発電パネル７２のプラス及びマイナスの一方の出力端子が給電線（図示略）を介して前記タップネジ７６及びバランスウェイト７４に電気接続されている。バランスウェイト７４の下面には電極７７が圧接されている。この電極７７は給電路（図示略）を介して第１外フレーム１５の内面側のメッキに電気接続され、ひいてはハンドル本体２０の外表面のメッキに電気接続されている。発電パネル７２のプラス及びマイナスの他方の出力端子は給電線（図示略）を介して前記バネ座金付きネジ４０に電気接続されている。そして、バネ座金付きネジ４０は給電路（図示略）を介して回転体１３の外周面の金属メッキに電気接続されている。従って、発電パネル７２によって発電された電力は、ハンドル１１の外表面のメッキ及び回転体１３の外表面のメッキに供給される。前記電極７７及びバネ座金付きネジ４０間は絶縁材よりなるベースフレーム１４により電気絶縁されている。図１２に示すように、前記ハンドル本体２０と回転体１３との間には、隙間６４が形成されている。この隙間６４により、ハンドル本体２０と回転体１３との間の電気絶縁が確保されている。

　図１，図５，及び図９に示すように、前記第２外フレーム１６及び第２カバー１８には、前記発電パネル７２と対応するように透孔７８，７９が形成されている。そして、レンズユニット８０のレンズ８１がこの透孔７８，７９内に嵌合されて、ハンドル１１の外部の光を発電パネル７２の発電表面に導くようになっている。レンズユニット８０はその外周部においてタップネジ８２によって第２外フレーム１６の内面に固定されている。レンズユニット８０の外周部と第２外フレーム１６の透孔７８の内縁部との間にはシールリング８３が介在されている。このシールリング８３によって、透孔７８，７９におけるレンズユニット８０と第２外フレーム１６との間の水密性が保持されている。

　図２に示すように、回転体１３を並設状態で支持するための一対の支持軸３８（回転軸）は先広がり状に互いに傾斜した状態で配置されている。すなわち、一対の支持軸３８は、それら支持軸３８（回転軸）の先端に近づくほどそれら支持軸３８の中心軸線同士の間の距離が大きくなるように、互いに傾斜した状態で配置されている。一対の支持軸３８の中心軸線同士の間の角度、すなわち、一対の支持軸３８の開き角度θ１は、第１実施形態においてはほぼ７０度である。この開き角度θ１は、５０～１１０度の範囲内が体感上及び美容的効果をもたらす血行促進の観点において好ましく、５０～９０度の範囲内がさらに好ましく、６５～８０度の範囲内が最も好ましい。図４から明らかなように、美容器の側面視において、前記支持軸３８は、ハンドル１１に対して傾斜（前傾）している。

　前記回転体１３の突起１２の形状は、回転体１３の成形後の型割り（型離れ）時に、突起１２の部分においてアンダーカットが形成されることなく、型離れが円滑に行われるように設定されている。すなわち、図１４及び図１５に示すように、突起１２は、成形型の複数の分割型（図示略）間のパーティングラインεに面する側の周面が、突起１２の先端側ほどパーティングラインεから離間する形状になっている。なお、回転体１３は成形後にバフによって研磨されるため、パーティングラインεは、消えるか、目立たなくされる。

　次に、以上のように構成された第１実施形態の美容器の作用を説明する。
　この美容器を使用する場合は、使用者はハンドル１１を把持して、回転体１３を顔等の身体表面部にあてて、その回転体１３を適当な力を加えながら身体表面部上を転がせばよい。このようにすれば、回転する回転体１３の突起１２によって身体表面部である皮膚，その下部組織，及び筋肉などがマッサージされて、その身体表面部の血行が良くなったり、毛穴が開いたりして、美容的効果を得ることができる。また、このとき、発電パネル７２で発電された電力がハンドル本体２０及び回転体１３の金属メッキを有する表面に供給される。このため、手によって把持されるハンドル１１と、身体表面部に押し当てられた回転体１３との間に回転体１３によりマッサージされる身体表面部を含む身体を介在させた電路が形成される。その結果、身体表面部を含む身体に微弱電流が流れて、美容的効果が高められる。

　第１実施形態においては、回転体１３がボール形状のシルエットを有するとともに、回転体１３の支持軸３８が前傾角度を有している。このため、図１１に示すように、回転体１３を身体表面部上で移動させると、両回転体１３の回転によって、身体表面部１００が押圧されながらつまみ上げられる。このため、高い美容的効果を得ることができる。

　従って、第１実施形態においては、両回転体１３の回転によって身体表面部１００がつまみ上げられることと、突起１２によって身体表面部１００が断続的に強く押圧されることとの相乗効果により、さらに高い美容的効果を得ることができる。

　そして、この美容器においては、シールリング２２，４４，８３がハンドル１１のベースフレーム１４内への水の侵入を防止するため、この美容器を浴室内において、たとえ浴槽内であっても支障なく使用できる。

　第１実施形態の美容器によれば、以下の効果がある。
　（１）美容器の使用者の身体表面部が回転体１３によって押圧されると同時につまみ上げられるため、高い美容的効果を得ることができる。

　（２）この場合、回転体１３の回転により、身体表面部が突起１２によって断続的に強く押圧されて、さらに高い美容的効果を得ることができる。しかも、突起１２の先端は半球状をなしているため、身体表面部に対して適度な刺激はあるものの、痛みは抑えられる。

　（３）前記ハンドル１１のベースフレーム１４の外周縁と第２外フレーム１６の開口内周縁との間にはシールリング２２が設けられている。ベースフレーム１４の円筒部２９と支持軸３８との間にはシールリング４４が設けられている。レンズユニット８０と透孔７８の内縁部との間にはシールリング８３が設けられている。このため、ベースフレーム１４内に水が侵入することを防止することができる。よって、ベースフレーム１４に発電パネル７２等の電装品を収容した構成であっても、水によってそれらの機能が阻害されることを防止することができる。

　（４）ベースフレーム１４が舟形形状をなしており、かつそのベースフレーム１４の壁部が湾曲しているため、ベースフレーム１４そのものの強度を向上させることができ、ひいては、ハンドル１１の強度を向上させることができる。

　（５）ベースフレーム１４が舟形形状をなしているため、その内部空間を利用して、発電パネル７２やバランスウェイト７４などの機能部品を整列状態で納まりよく配置でき、その機能部品の組付けが容易になる。

　（６）ベースフレーム１４の先端部に、ハンドル１１の曲げ方向のモーメントに抗する補強部材１９が設けられているため、回転体１３を身体表面部に強く押し当てても、ハンドル１１の変形が抑えられる。このため、ハンドル１１が破損したり、ハンドル本体２０の第１，第２外フレーム１５，１６間が開いたりすることを抑えることができる。従って、回転体１３を身体表面部に強く押し当てることができるため、高いマッサージ効果を得ることができる。

　（７）補強部材１９の前端部が支持軸３８の基端部に近接しているため、支持軸３８の基端部に作用する同支持軸３８の軸方向と交差する方向の力、すなわち、支持軸３８を引き起こしてベースフレーム１４の円筒部２９を破損させる方向の力に抗することができる。従って、当該力により円筒部２９などが破損することを有効に回避できる。

　（８）前記補強部材１９を第１，第２外フレーム１５，１６で覆われるベースフレーム１４に設けたことにより、補強部材１９を隠蔽することができて、ハンドル１１の外観を良好に維持できる。

　（９）ベースフレーム１４の内部に発電パネル７２などの機能部品を設けるとともに、ベースフレーム１４の外側に補強部材１９を設けたことにより、補強部材１９によってベースフレーム１４の内部容積が狭くなることを回避できる。よって、ベースフレーム１４内のスペースを有効に利用できて、機能部品の組み付けが容易になる。

　（１０）補強部材１９をベースフレーム１４の外側面の凹部３３に嵌合したことにより、補強部材１９の移動を規制して、補強部材１９を定位置に保持できる。従って、補強部材１９の組付けが容易になるとともに、組付け状態の補強部材１９の移動を阻止できて、補強機能を発揮できる。また、ベースフレーム１４の外表面から補強部材１９が突出することを抑えることができて、ハンドル１１の小形化及びデザインの融通性に寄与できる。

　（１１）ハンドル１１が側面視において前傾形状に形成されているため、ハンドル１１を身体表面部に沿わせた使いやすい姿勢で使用することができ、有効なマッサージ機能を得ることができる。

　（１２）ハンドル１１に加飾部材としての第１，第２カバー１７，１８が設けられているため、加飾効果などの各種の効果を得ることができる。すなわち、第１，第２カバー１７，１８がハンドル本体２０と色，光沢度，面粗度，模様などの外観が異なっていれば、第１，第２カバー１７，１８によってハンドル１１、ひいては美容器全体のデザイン性を向上できる。

　また、第１，第２カバー１７，１８が木製のものであったり、木粉を混入したものであったりすれば、第１，第２カバー１７，１８の比熱が高くなり、ハンドル１１を把持したときに、暖かみを感じることができて、マッサージ操作にともなう快適性を向上できる。さらに、第１，第２カバー１７，１８が前記のように木製や、木粉を混入したものであれば、第１，第２カバー１７，１８はハンドル本体２０より摩擦係数が高くなって滑りにくく、マッサージにおいて操作しやすいものとなる。

　第１，第２カバー１７，１８がゴム材や軟質ウレタン材などのハンドル本体２０より柔らかいものであれば、ハンドル１１が手に馴染みやすく、マッサージにおいて操作しやすいものとなる。

　第１，第２カバー１７，１８が金属のように高剛性のものであれば、ハンドル本体２０の強度を向上できる。そして、このように、第１，第２カバー１７，１８として高剛性のものを用いれば、第１，第２カバー１７，１８と補強部材１９との相乗効果により、ハンドル１１全体をより高強度にすることができる。

　（１３）図１３～図１５に示すように、回転体１３の突起１２の部分においてアンダーカットが形成されないようにしている。従って、これらの突起１２を含む回転体１３の外周面を無理なく精密に整形できる。

　（第２実施形態）
　次に、第２実施形態の美容器を図面に基づいて説明する。
　第２実施形態の美容器は、図１６～図１８に示すように、ハンドル１０１及びフレーム１０２を備えている。ハンドル１０１は、平面視において長手方向の中間部が括れた略矩形の形状を有している。フレーム１０２は、ハンドル１０１の下面にハンドル１０１の中心の軸線γ（図１８参照）を中心に回転可能に支持されている。フレーム１０２の隅角部には、長四角形のコーナに位置する４本の支持軸３８が支持されている。各支持軸３８には、第１実施形態と同様な回転体１３が支持されている。従って、第２実施形態では、回転体１３は合計４個設けられている。４本の支持軸３８は、先広がり状に互いに傾斜するように延びている。従って、これら４本の支持軸３８では、一方向からの側面投影において二対が、先広がり状に互いに傾斜するように延びる２つの支持軸３８によりそれぞれ構成され、その一方向とは９０度異なる他方向からの側面投影において他の組み合わせの二対も、先広がり状に互いに傾斜するように延びる２つの支持軸３８によりそれぞれ構成されている。

　なお、フレーム１０２は、バネを有する規制手段（図示略）により軸線γを中心とする回動位置が４５度ごとに規制されている。すなわち、ハンドル１０１の向きは、４５度おきに３６０度の範囲で任意に調節される。

　第２実施形態の美容器を使用して、身体をマッサージする場合には、ハンドル１０１を把持して、回転体１３を広い間隔あるいは狭い間隔で前後に配置された状態で回転体１３を身体の表面に沿って移動させる。このようにすれば、広い間隔あるいは狭い間隔で前後に配置された一対の回転体１３により身体表面部が押圧されるとともに、摘まみ上げられながらマッサージされる。従って、合計４個の回転体１３により、身体表面部に対する押圧と摘まみ上げとの異なった力によるマッサージ効果が同時に得られる。

　従って、第２実施形態の美容器によれば、以下のような効果を得ることができる。
　（１４）支持軸３８（回転軸）が二対４本設けられ、各対の支持軸３８の軸間間隔が長四角の長辺及び短辺の長さに従って異なっている。このため、腕や足首等の細い部位をマッサージする場合には、軸間間隔の狭い二対の支持軸３８の回転体１３を移動方向と直交する方向の両側に配置にした状態で、美容器を移動させる。これにより、二対の回転体１３において細い部位に対する押圧と摘まみ上げとの異なったマッサージ効果を発揮させることができる。これに対して、腿や腰等の太い部位をマッサージする場合には、軸間間隔の広い二対の支持軸３８の回転体１３を移動方向の両側に配置した状態で、美容器を移動させる。これにより、二対の回転体１３により太い部位に対する押圧と摘まみ上げとの異なったマッサージ効果を良好に発揮させることができる。

　（１５）ハンドル１０１の向きが変更可能に構成されるとともに、所望の角度で保持されるようになっている。このため、例えばマッサージの部位に応じて、ハンドル１０１の向きを変更することにより、良好な操作性とマッサージ効果とを得ることができる。

　（第３実施形態）
　次に、第３実施形態の美容器について説明する。
　第３実施形態における全支持軸３８（回転軸）では、図１９に示すように、一方向からの側面投影において二対が、先広がり状に互いに傾斜するように延びる２つの支持軸３８によりそれぞれ構成され、その一方向とは９０度異なる他方向からの側面投影において他の組み合わせの二対は、互いに同方向に傾斜するように延びる２つの支持軸３８によりそれぞれ構成されている。

　従って、第３実施形態においては、第２実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。
　（第４実施形態）
　次に、第４実施形態の美容器について説明する。

　第４実施形態においては、図２０に示すように、直線的なハンドルの先端に１個の回転体１３を支持軸３８（回転軸）によって支持したものである。
　従って、第４実施形態においては、以下の効果がある。

　（１６）回転体１３によるつまみ上げ作用はないものの、突起１２の押圧によるマッサージ作用を得ることができるとともに、部品点数を少なくして、構成を簡素化できる。
　（変更例）
　本発明に係る美容器は、前記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更して具体化することも可能である。

　・図２１に示すように、扁平形状のハンドル１１と、１個の回転体１３とにより美容器を構成してもよい。この変更例においては、第４実施形態と同様な効果を得ることができる。

　・第１実施形態において、微弱電流の付与機能をなくしてもよい。つまり、ハンドル１１内の電装品を省略してもよい。これにより、部品数低減に寄与することができる。
　・回転体１３と支持軸３８とを一体化してもよい。このためには、支持軸３８を回転体１３にインサート成形したり、支持軸３８を回転体１３の孔に無理嵌めしたり、回転体１３と支持軸３８とを一体形成したりする。回転体１３と支持軸３８とを一体形成した場合は、支持軸３８の外周に筒状の金属を被せることが好ましい。そして、これらの構成においては、支持軸３８はハンドル１１に回転可能に支持される。この場合、ハンドル１１の支持軸３８を支持する軸受部分は、メタルを圧入したり、硬質樹脂を２色成形したりすることにより形成する。これにより、支持軸のボール支持構造を省略することができ、部品数低減に寄与することができる。

　・ハンドル１１の支持軸３８を支持する支持孔の底部を壁や栓などによって閉塞して、支持軸３８がハンドル１１の内部に突出しないようにしてもよい。たとえば、支持軸３８を支持孔に無理嵌めすることで、支持軸３８をハンドル１１に固定することができる。この場合、支持軸３８をハンドル１１に固定する部品を省略することができるため、部品数低減に寄与することができる。

　・支持軸３８をハンドル１１に支持して、そのハンドル１１から突出する支持軸３８に回転体１３を支持してもよい。たとえば、支持軸３８をハンドル１１と一体成形してもよい。この場合、支持軸３８をハンドル１１に固定する部品を省略することができるため、部品数低減に寄与することができる。

　・回転体１３の突起１２の数などを変更してもよい。
　・補強部材１９をベースフレーム１４の底面全体に設けてもよい。このように構成すれば、補強部材１９はベースフレーム１４の全体強度を向上させることができる。

　・補強部材１９を第１外フレーム１５及び第２外フレーム１６の少なくとも一方の内側面または外側面に設けてもよい。補強部材１９を第１外フレーム１５または第２外フレーム１６の外側面に設けた場合は、補強部材１９が加飾部材を兼ねるようにしてもよい。

　・第１カバー１７及び第２カバー１８のうちの一方のみを加飾部材として設けてもよい。
　・ハンドル本体２０や、第１，第２カバー１７，１８に、滑り止めのための手指の曲面に沿う形状の凹凸を設けたり、ローレットを刻設したりしてもよい。

　・回転体１３の突起１２を三角錐台形状，四角錐台形状などの角錐形状に形成してもよい。この場合、外周のコーナ部は、円弧状にしたり、面取り形状にしたりすることが好ましい。

　・突起１２の先端を平面形状、楕円形状、あるいは凹んだ形状にしてもよい。この場合、突起１２の先端と外周面との間にコーナが形成されないように、そのコーナを円弧状にしたり、面取り形状にしたりする。

　１１…ハンドル、１２…突起、１３…回転体、１５…カバー体、１９…補強部材、２０…ハンドル本体、３８…支持軸（回転軸）、α…仮想球面、δ…最短距離、θ１…角度。

Claims

　ハンドルと、そのハンドルに支持され、かつボール状をなす少なくとも一つの回転体とを備え、前記回転体の外周には錐台形状をなす複数の突起が形成されている美容器。
　前記突起は、凸曲面状の先端を有する請求項１に記載の美容器。
　前記突起は円錐台形状をなす請求項１または２に記載の美容器。
　前記突起の先端が前記回転体の中心を中心とする仮想球面上に位置する請求項１～３のうちのいずれか一項に記載の美容器。
　前記少なくとも一つの回転体は対をなす２つの回転体を含み、
　対をなす前記２つの回転体の回転軸は、先広がり状に互いに傾斜した状態で配置されている請求項１～４のうちのいずれか一項に記載の美容器。