WO2019116638A1

WO2019116638A1 - ヘアーカッター

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Publication number: WO2019116638A1
Application number: PCT/JP2018/031605
Authority: WO
Inventors: 近藤　光
Original assignee: 近藤　光
Priority date: 2017-12-13
Filing date: 2018-08-27
Publication date: 2019-06-20
Also published as: JP2019103646A; JP6357577B1

Abstract

手動式であり、髪を梳かす機能を有し、ペットなどの動物にも騒音が無く怖がらせることなく使用でき、アタッチメントを頭皮に押し当てる必要がなく、長い毛髪のカットも希望の毛髪の長さの場所でカットでき、バネのテンションによる駆動力ロスが軽減し、スムーズにカットし続けられ、正確に毛髪を確実にカットできるヘアーカッターを提供する。手動、歯車機構とし、２列に配置された櫛部と当該櫛部の中間に配置された刃スライド本体溝、刃スライド本体溝を移動する刃スライド本体に取り付けられた刃から構成されるヘアーカッターにより、２列の櫛部のうち一方の列の櫛部の櫛棒と、他方の列の櫛部の櫛棒との２カ所で毛髪を支え、２列に配置された櫛部の中間でカットする。また、刃スライド本体溝を移動する刃スライド本体に取り付けられた刃が可動刃と固定刃から構成され、固定刃と可動刃の密着をバネではなく永久磁石にした。さらに、刃スライド本体に取り付けられた固定刃と可動刃を櫛棒間傾斜させた構造。

Description

ヘアーカッター

　本発明は、片手で取り扱える調髪用の器具であって、具体的には、刃の機能を有する櫛であって、毛髪を手動で切る機能を有する櫛（ヘアーカッター）に関する。

　一般に、毛髪を切る際には、櫛と鋏等の毛髪を切る器具を用いるのが通常である。毛髪を切る器具としては、手動式の器具と電動式の器具がある。理容室又は美容室で毛髪を切る時、理容師又は美容師は、片手に櫛を持ち客の毛髪を整えながら、もう一方の手で鋏（手動式の器具）を使用し、又は電動バリカン（電動式の器具）を使用して客の毛髪を切るのが通常である。

　また、理容又は美容においては、毛髪の長さを調節したり、毛髪の流れを整えたりするのに櫛を使用することは必要不可欠である。従って、理容師又は美容師は、片手で櫛を持ち、毛髪を整えながら、もう一方の手で毛髪を切る器具を使用することが当然とされてきた。

　係る状況のもと、片手でも扱える器具が提案されている。例えば、櫛をベースに切断機能の付いた器具について提案がある（特許文献１）。また、鋏に櫛の機能を付与した提案がある（特許文献２、３）。

　特許文献１は、鋏を使わずに毛髪をカットすることを目的としたもので、鋏を使わずに毛髪をカットする事ができる切断機能が付いたシザーコームを活用するものである。シザーコームは櫛部分の根本に鋭利な刃（上刃と下刃）が施され、電動式で左右に振動して毛髪を切断する仕組みになっている。しかし、電動式は、モーターと電池を装備せねばならず、下記の電動バリカンと同様の問題がある。また、特許文献１には、「根本部分２に取り付けた鋭利な刃は、上刃と下刃で構成される。電動式になっていて、スイッチ３のオンオフにより左右に振動し毛髪を切断する仕組み。」との記載があるが、上刃と下刃がどのような関係（配置）で構成されているか、左右に振動してどのように毛髪を切断するかについては具体的な記載が無い。また、仮に、刃の振動により毛髪を切る構成であれば、発明の効果として記載されている動物を対象とした場合、電動による刃の振動音により、動物が怖がる恐れがある。

　特許文献２は、梳き鋏を提供するもので、歯部片が列設される櫛身刃と、それと差し合う直身刃とが軸で枢着される梳き鋏となるものである。また、特許文献３は、理美容師が片手で頭部を支えて毛髪を切ることに適した理美容鋏を提供するものである。しかし、特許文献２と３は共に、鋏であって、その刃の部分に櫛の機能を付与しようとしたものである。即ち、鋏としてはともかく櫛として使用するには、通常の櫛の機能（毛髪の流れを整えたりする）が発揮できないことは明らかである。

　即ち、櫛をベースに切断機能を付与するか、鋏をベースに櫛の機能を付与するかの別はあっても、櫛としても鋏としても十分な機能を有することはなかった。

　一方、片手で毛髪を切る器具として、手動又は電動バリカンがある。バリカンでは、毛髪をセットしながらカットすることはできない。そこで、この電動バリカンのアタッチメントに毛髪を整える機能を持たせて毛髪を切る、いわゆる電動式のヘアーカッターが提案されている（例えば、特許文献４、５）。また、櫛とカット具を一体化した提案もある（特許文献６）。

　しかし、電動バリカンは、電池やバッテリーを搭載する為重く高齢者や長時間使用する美容師には負担が大きい。また、アタッチメントの厚みで毛髪のカット位置を決定する電動バリカンは、アタッチメントに依存しアタッチメントの厚み以上の毛髪はバリカンのみでは正確にカットできない。電動バリカンは、頭皮に押し当てる必要があり不快感が生じる。さらには、櫛から突出した毛髪を刃が押し倒して上手くカットできないという問題がある（例えば、特許文献４）。

　さらに、カット器具では、カバーに覆われていて刃部が見えず正確なカットができない。櫛部（アタッチメント）と刃部が直角に配置されている物では、毛髪が逃げて上手くカットできない、櫛間に差し入れられた毛髪は刃に押され櫛寄りに集まり、逃げ場所を無くした毛髪が刃で一度にカットされるので、スムーズにカットし続けられないでいた。固定刃と可動刃を密着させるのにバネが用いられる、可動刃が固定刃と水平移動する時、バネのテンションがかかり駆動力ロスになるという点である。

　一般に、電動式では、家庭で利用したり、女性の長い毛髪を切ったり、高齢者が利用するのには問題があり、毛髪を切る本人が片手で使用できる手動式のヘアーカッターが求められていた。さらに、モーターを搭載し騒音を発生させる電動式では動物が怖がり、周囲に配慮する必要があった。ペットの毛を切ることにも使用できるヘアーカッターも求められていた。

特開２０１７－３８９０２号特開２００７－２９６２５８号特開２０１７－８０２３３号特開平１０－５４５７号特開２０１５－１２８５３３特開２０１５－１２８５５５

　櫛（くし）をベースに切断機能を付与したものでもなく、鋏（はさみ）をベースに櫛の機能を付与したものでもない、新たな発想によるヘアーカッターを提供することを課題とした。即ち、刃の機能を有する櫛であって、毛髪を手動で切る機能を有する櫛（ヘアーカッター）を提供することを課題とした。すなわち、モーター等を使用する電動式でないヘアーカッターを提供することを課題とした。また、上述の電動バリカンの問題点、頭皮に押し当てる必要があり不快感が生じる。さらには、櫛から突出した毛髪を刃が押し倒して上手くカットできないという電動バリカンの有する課題を解決することも目的とした。

　手動、歯車機構とし、２列に配置された櫛部と当該櫛部の中間に配置された刃スライド本体溝、刃スライド本体溝を移動する刃スライド本体に取り付けられた刃から構成されるヘアーカッターにより、櫛棒の２カ所で毛髪を支え、２列に配置された櫛部の中間でカットする構造のヘアーカッターとした。

　刃スライド本体溝を移動する刃スライド本体に取り付けられた刃が可動刃と固定刃から構成され、固定刃と可動刃の密着をバネではなく永久磁石にした構造のヘアーカッターとした。

　刃スライド本体に取り付けられた固定刃と可動刃を櫛棒間傾斜させた構造のヘアーカッターとした。

　刃スライド本体に固定された前後運動用ラックと噛み合う組になった一連の前後運動用歯車により、レバーを動かすことで歯車が連動し、刃スライド本体が前後移動する構造のヘアーカッターとした。

　本体ハウジング内部底面に固定された上下運動用ラックと噛み合う組になった一連の上下運動用歯車によりコネクティングロッドが上下し、コネクティングロッドに連結した可動刃で髪をカットする構造のヘアーカッターとした。

　本発明のヘアーカッターは、手動式であり、騒音も無く、片手で操作できる。また、２列に配置された櫛部で毛髪を梳く櫛としての機能を有し毛髪を整えられる、かつ、２列に配置された櫛部で梳かした毛髪を、当該櫛部の中間に配置された刃スライド本体溝を移動する刃で、毛髪を切るカッターとしての機能を有する。本発明のヘアーカッターを用いれば、特別な技能を有しない人でも、毛髪が逃げることなく確実に自らの毛髪を一人でカットすることができる。

　さらに、ペットなどの動物にも、騒音が無く怖がらせることなく使用でき、簡単な操作で毛髪を整えながらカットできる。アタッチメントでの毛髪のカット位置調整を必要としないので、頭皮に押し当てる必要がなく、頭皮の不快感が改善された。アタッチメントの厚みに限定されることなく、長い毛髪のカットも希望の毛髪の長さの場所でカットできる事により、アタッチメントに依存しアタッチメントの厚み以上以下の毛髪はカットできないという問題が解決できた。固定刃と可動刃の密着にバネを使用せず磁力で密着させる構造とした事により、可動刃が水平移動する時のバネのテンションによる駆動力ロスが軽減した。固定刃と可動刃を櫛棒間傾斜させた為スムーズにカットし続けられるようになった。２列の櫛部間の中間でカットするので正確なカット位置がわかる。櫛棒、刃、櫛棒で、毛髪が挟まれる構造にしたことにより、櫛棒からの毛髪の逃げを防止でき、毛髪を確実にカットできた。

　なお、本発明のヘアーカッターは、モーター、バッテリー不要で軽い手動式なので、電池やバッテリーを搭載する為重く高齢者や長時間使用する美容師には負担が大きいかった従来品の問題を改善できた。

本発明の第１実施形態の斜視図同実施形態の正面図同実施形態の平面図同実施形態の底面図同実施形態の側面図同実施形態の断面図（Ａ－Ａ線断面）同実施形態の作動前の断面図（Ａ－Ａ線断面）同実施形態の作動後の断面図（Ａ－Ａ線断面）同実施形態の櫛棒間に毛髪を差し入れた状態の正面図（Ｂ－Ｂ線断面）同実施形態の櫛棒間に毛髪を差し入れカットした状態の正面図（Ｂ－Ｂ線　　　　　　　断面）同実施形態の梳きアタッチメントを途中まで引き出した斜視図同実施形態の毛髪をカットしてる要部拡大斜視図同実施形態の可動刃固定刃拡大分解斜視図同実施形態の可動刃固定刃拡大断面図同実施形態の上下運動要部拡大斜視図同実施形態の使用状態を示した図同実施形態の梳きアタッチメントを使用した図同実施形態の梳きアタッチメントを引き出した斜視図同実施形態のペットトリマーとして使用した参考図同実施形態の毛髪をカットし始めた状態を示した説明図同実施形態の櫛棒間１列目の毛髪を切り終え２列目を切り始めた説明図同実施形態の櫛棒間２列目の毛髪を切り終え３列目を切り始めた説明図同実施形態の可動刃が下限に位置してる要部拡大斜視図同実施形態の前後運動用歯車拡大斜視図同実施形態のレバーを操作し刃が中間まで進んだ状態の斜視図同実施形態のレバーが下限に位置してる時の扇型内歯車の拡大斜視図同実施形態のレバーが上限に位置してる時の扇型内歯車の拡大斜視図同実施形態の可動刃が上下可動域の中間に位置してる要部拡大斜視図同実施形態の可動刃が上下可動域の上限に位置してる要部拡大斜視図同実施形態の拡大正面図（Ｂ－Ｂ線断面）同実施形態のフローチャート本発明の第２実施形態の説明図本発明の第３実施形態の説明図

　本願発明で、「手動」とは、電動モーター等いかなる電気的手段で作動する構造を使用しないものをいう。
　「歯車機構」とは、レバー作動から始まる一連の作動の事で、レバー、コネクティングロッド，前後運動用扇型内歯車、前後運動用小歯車、前後運動用大歯車、前後運動用ラック、刃スライド本体が動き、上下運動用ラックと噛み合う上下運動用小歯車が動き、上下運動用大歯車、上下運動用小歯車、コネクティング、可動刃が動く一連の仕組みである。
　「櫛部」とは、ヘアーカッター本体に取り付けられた櫛棒の一群をいう。
　「刃スライド本体溝」は、ヘアーカッターの本体に形成された２列の櫛部間に設けられている、この刃スライド溝を刃が移動する。
　「刃」とは、毛髪を切る刃を指す。
　「固定刃」とは、固定刃プレート部と固定刃プレート部の一辺に固定されている刃を含む総称であり、刃、固定刃プレート部共に磁性体の材質である。
　「可動刃」とは、可動刃プレート部と可動刃プレート部の一辺に固定されている刃を含む総称であり、刃、可動刃プレート部共に磁性体の材質である。
　「櫛棒間傾斜」とは、２列の櫛部のうち、各１列の櫛部の櫛棒を注視した時、１本の櫛棒の先端と隣接するもう１本の櫛棒のヘアーカッター本体に接する底部を結ぶ傾斜をいう。図２０の符号Ｋ１線、図３０の符号Ｋ２線である。
　「永久磁石」は、バネを無くする為に使用するものである。
　これらの具体例は、以下の図にて示す。

　本願発明のヘアーカッターは、カッター本体に２列に設けられた櫛部を備え、２列の櫛部間には、刃が移動する溝が設けられている。この溝が、刃スライド本体溝となる。本願発明のヘアーカッターは、櫛部、溝、櫛部の構成で、２列に設けられた櫛部と刃を備える。具体例については、以下の図に示す。

　ヘアーカッターを構成する要素について説明する。「櫛部」は、ヘアーカッターに設けられ、毛髪を梳く機能を有する櫛棒を一定数配置した一群の櫛棒から構成される。本願発明では櫛棒の数は２０～４０本が好ましく、２０～３０本が特に好ましい。本願発明のヘアーカッターは、一群の櫛棒が２列に配置された櫛部、当該櫛部の中間に配置された刃スライド本体溝、刃スライド本体溝を移動する刃スライド本体から構成されている。

　刃スライド本体は、先端部に可動刃と固定刃を備える。刃スライド本体は、ヘアーカッター内部に取りつけられた歯車で移動する。この移動は、本体ハウジングに取りつけられたレバーを動かすことで外から制御できる。レバーと刃スライド本体とは、コネクティングロッド、歯車、ラックでつながる構成とすることができる。

　以下、本願発明のヘアーカッターを実施するための形態について、図面により具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える限りにおいてヘアーカッターを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。

　図１は、本願発明のヘアーカッター第１実施形態の斜視図である。本体ハウジング１４については説明上その概略だけを示している。また、２列になっている櫛棒４０についても、説明上一部を省略して記載している。内部の構造がわかるように、刃スライド本体カバ－７８は省略している。刃スライド本体カバ－７８については、図１２で説明する。ハウジング先端４２が本体ハウジング１４と反対方向に設けられている。櫛棒４０の配置については図３で説明する。櫛部間に設置された刃スライド本体溝７６を移動するのが刃スライド本体３６である。刃スライド本体３６の先端部には、刃が設けられている。刃は、固定刃１０と可動刃１２から構成される。刃の詳細については、別途図により説明する。

　図２は、図１で示したヘアーカッター第１実施形態について、正面から（櫛の先端部から）見た図である。ハウジング先端４２、梳きアタッチメント３２、レバー４８、本体ハウジング１４である。

　図３は、図１で示したヘアーカッターの第１実施形態について、櫛棒４０の頭上から見た平面図である。ハウジング先端４２、櫛棒４０、固定刃１０、可動刃１２、刃スライド本体カバ－７８、本体ハウジング１４、梳きアタッチメント突起４４である。１列に並んだ櫛棒４０と櫛棒４０の間は等間隔が望ましい。櫛棒４０は２列になっていて、各１０～２０本が好ましい。２列の櫛部間に刃スライド本体溝７６が設けられていて、この刃スライド本体溝７６を刃スライド本体３６が移動する。本体ハウジング１４は使用者が右手又は左手で握る部分である。梳きアタッチメント突起４４は、梳きアタッチメント３２を引き出して使用するときに使用するツマミ部分である。

　図４は、図３とは反対方向から見た平面図である。レバー４８、本体ハウジング１４である。

　図５は、図１で示したヘアーカッターの第１実施形態について、側面から見た図である。本体ハウジング１４、梳きアタッチメント突起４４、櫛棒４０、ハウジング先端４２、梳きアタッチメントスライド溝３４である。固定刃１０可動刃１２共に櫛棒間分、傾斜している。

　図６は、図５で示した側面図から本体ハウジング１４を透視して内部の構造がわかるようにした図３のＡ－Ａ線の断面図である。２列に並んだ櫛部の間を動く可動刃１２はコネクティングロッドＡ２４と上下運動用小歯車Ａ１８と上下運動用大歯車２８の動きにより上下する。歯車の上下する詳細は別の図で説明する。刃スライド本体３６に取りつけられた前後運動用ラック２２とつながったレバー４８を動かすことで、刃スライド本体３６は刃スライド本体溝７６を動く。
　なお、レバー４８は、レバー固定ピン８０で本体ハウジング１４とつながっている。以下の図７と図８で刃スライド本体３６と可動刃１２の動きを説明する。

　図７は、図６の側面で、コイルバネ５２の力によりレバー４８が外側に伸びた状態で、可動刃１２が本体ハウジング１４内に収納された状態を示している。ここで、可動刃１２が前後運動用扇型内歯車２０に接近した配置となる。
　なお、レバー４８を握り矢印Ｃの方向に動かすと刃スライド本体３６が矢印Ｇの方向に動く。なお、図２６で、図７における前後運動用扇型内歯車２０を拡大して説明する。

　図８は、図７の状態から、レバー４８を握り矢印Ｃの方向に動かして、刃スライド本体３６が矢印Ｇの方向に動いた状態を示している。レバー４８が動くとコネクティングロッドＢ５０も矢印Ｃ方向に連動して、前後運動用扇型内歯車２０が回転し、前後運動用ラック２２が動く。即ち、レバー４８を動かすと刃スライド本体３６が動き、可動刃１２がＧ方向に動いて、ハウジング先端４２にまで移動する。なお、図８では、図３のＡ－Ａ線の断面図であるため、２列の櫛部の前列の記載は省略している。

　図９は、図３のＢ－Ｂ線断面の正面図であり、櫛棒４０間に毛髪Ｈを差し入れた状態である、２列の櫛棒４０の中間に固定刃１０と可動刃１２が位置している。

　図１０は、図９の状態からレバー４８を動かして刃スライド本体３６がハウジング先端４２へ移動し、毛髪Ｈがカットされた状態を示している。２列の櫛部が毛髪Ｈを逃がすことなく支え、２列の櫛部の中間でカットしている。

　図１１は、梳きアタッチメント３２が梳きアタッチメントスライド溝３４に沿って移動することを示した図である。本体ハウジング１４から梳きアタッチメント突起４４で、梳きアタッチメント３２を矢印Ｂ方向に引き出すことで、梳きカットができる。

　図１２は、本願発明のヘアーカッターで毛髪Ｈをカットする状態を示す。２列の櫛部の間に刃スライド本体溝７６があり、この刃スライド本体溝７６を可動刃１２を端に有する刃スライド本体３６が移動する。毛髪Ｈを櫛棒４０に差し入れ、固定刃１０と可動刃１２でカットする状態を示したものである。刃スライド本体カバー７８は、固定刃１０と、可動刃１２の刃の部分以外と、刃スライド本体３６を、覆いかぶさるように刃スライド本体３６に取りつけられている。１列目の櫛棒４０と２列目の櫛棒４０の２カ所に毛髪Ｈが支えられている為カット時、毛髪Ｈが櫛棒４０間から逃げることなく確実にカットできる。

　図１３は、固定刃１０と可動刃１２を説明するために固定刃１０と可動刃１２に分解した図である。固定刃１０は、刃の部分とプレートの部分からなり、固定刃プレート部１１には、その端部にスライド筋５６が形成されていて、固定刃プレート部１１に永久磁石５８が貼り付けられている。可動刃１２は、刃の部分とプレートの部分からなり、可動刃プレート部１３には、その端部にスライド溝５４が形成されている。スライド筋５６をスライド溝５４に嵌め込むことで、固定刃１０と可動刃１２は組み立てられる。　

　図１４は、固定刃１０と可動刃１２を組み合わせたときの断面図であり、固定刃１０と可動刃１２の内部に永久磁石５８が配置されていて、永久磁石５８からの磁力線８２を示したものである。また、固定刃１０のスライド筋５６が可動刃１２のスライド溝５４に嵌め込まれた状態を示している。

　図１５は、可動刃１２の上下動を説明する図であり、可動刃１２が下限に移動したときの状態を示した要部拡大図である。固定刃１０のスライド筋５６が可動刃１２のスライド溝５４に嵌め込まれた状態で、固定刃１０と可動刃１２は組み合わされ、可動刃１２が下限に移動した状態である。構成要素について説明すると、上下運動用ラック３０は、本体ハウジング１４内部底面に固定されている。上下運動用小歯車ＡＡ２６が上下運動用ラック３０と噛み合う。上下運動用小歯車ＡＡ２６と上下運動用大歯車２８は同軸となる構成である。上下運動用大歯車２８は上下運動用小歯車Ａ１８と噛み合う。上下運動用小歯車Ａ１８とコネクティングロッドＡ２４は偏心軸接続ピン６２で連結されている。コネクティングロッドＡ２４と可動刃１２は可動刃接続ピン６０で連結されている。

　図１６は、本願発明のヘアーカッターを使用して毛髪Ｈをカットする状態を示す図である。長い毛髪Ｈも希望の場所でカットできる。

　図１７は、本願発明のヘアーカッターを梳きアタッチメント３２を使用した状態で毛髪Ｈをカットする状態を示す図である。梳きアタッチメントＶ字開口４６に毛髪Ｈを差し入れ、開口に入った毛髪Ｈだけをカットする。

　図１８は、本願発明のヘアーカッターを梳きアタッチメント突起４４を使い、梳きアタッチメント３２を引き出した状態の斜視図である。ハウジング先端４２、梳きアタッチメント突起４４、梳きアタッチメントＶ字開口４６である。図中の梳きアタッチメントＶ字開口４６は第１実施形態であり、開口数を減らし梳きカット時の毛髪Ｈのカット量を少なくすることもできる。この梳きアタッチメントＶ字開口４６に頭髪Ｈを差し入れ、毛髪Ｈをカットする。

　図１９は、本願発明のヘアーカッターをペットトリマーとして使うときの図である。

　図２０は、固定刃１０と可動刃１２と櫛棒４０の拡大側面図である。固定刃１０と可動刃１２が櫛棒間傾斜して刃スライド本体３６に取りつけられている為、櫛棒４０間に差し入れられた頭髪Ｈは、固定刃１０と可動刃１２が図面７の矢印Ｇ方向に移動すると、櫛棒付根４１から櫛棒先端３９にかけて順番にカットされる、従って、傾斜していることにより終始スムーズに作動する。

　図２１は、図２０の状態からさらに図７の矢印Ｇ方向へ進み、櫛棒間１列目の毛髪Ｈをカットし終わり、櫛棒間２列目の櫛棒根元の毛髪Ｈをカットし始めた状態である。

　図２２は、図２１の状態からさらに進み、櫛棒間２列目の毛髪Ｈを切り終え櫛棒間３列目を切り始めた状態である。

　図２３は、上下運動用大歯車２８の拡大斜視図である。歯車の作用で可動刃１２が上下運動するのを説明する図である。上下運動用ラック３０は、上下運動用小歯車ＡＡ２６と噛み合い、上下運動用小歯車ＡＡ２６と上下運動用大歯車２８は、刃スライド本体３６に取りつけられた、上下運動用歯車シャフト６６で同軸となっている。上下運動用大歯車２８は、上下運動用小歯車Ａ１８と噛み合い、上下運動用小歯車Ａ１８は刃スライド本体３６に取りつけられた、上下運動用小歯車シャフト６４を軸とし取りつけられている。上下運動用小歯車Ａ１８とコネクティングロッドＡ２４は偏心軸接続ピン６２によって連結されている。
偏心軸接続ピン６２は上下運動用小歯車Ａ１８の側面中心からずれた位置に取りつけられている為、コネクティングロッド２４を介して、可動刃１２に上下運動が発生する仕組みである。コネクティングロッド２４と可動刃１２は、可動刃１２の可動刃プレート部１３に取りつけられた可動刃接続ピン６０で連結されている。
　本体ハウジング１４内部底面に固定された上下運動用ラック３０を上下運動用小歯車ＡＡ２６が噛み合って移動する。その状態は、図７と図８で示した通りである。

　可動刃１２が矢印Ｌ又は矢印Ｒ方向に移動する機構を説明する。上下運動用ラック３０上を上下運動用小歯車ＡＡ２６が回転して動くと、同軸の上下運動用大歯車２８が回転し、噛み合う上下運動用小歯車Ａ１８が回転して、コネクティングロッドＡ２４が矢印Ｄ又は矢印Ｎの方向に上下動する。コネクティングロッドＡ２４と可動刃接続ピン６０でつながる可動刃１２がコネクティングロッド２４の動きに連動する。

　上下運動用小歯車ＡＡ２６と連動する上下運動用大歯車２８がＨ方向に回転すると、上下運動用小歯車Ａ１８は、矢印Ｊ方向に回転し、連動するコネクティングロッド２４はＤ方向に上昇し、連動する可動刃１２が矢印Ｌ方向に上昇する。即ち、上下運動用小歯車Ａ１８が１回転すると、可動刃１２が上昇下降する。よって、刃スライド本体が移動している間、可動刃１２が上下動を繰り返す。

　図２４は、前後運動用扇型内歯車２０の拡大斜視図である。図６，７，８で既に記載した通り、刃スライド本体３６が刃スライド溝７８を前後移動するための歯車の拡大図である。レバー４８にレバー接続ピン７４で連結されて、レバー４８の動きで上下するコネクティングロッドＢ５０、コネクティングロッドＢ５０と扇型内歯車接続ピン６８で連結した前後運動用扇型内歯車２０、前後運動用扇型内歯車２０と噛み合う前後運動用小歯車１６である。前後運動用小歯車１６と前後運動用大歯車１７は、前後運動用歯車シャフト７０で同軸で回転する。前後運動用大歯車１７と前後運動用ラック２２が噛み合っている。前後運動用扇型内歯車２０は、扇型内歯車シャフト７２を軸に回転する。

　前後運動用ラック２２が矢印Ｕ方向に移動する機構を説明する。レバー４８とレバー接続ピン７４で連結されているコネクティングロッドＢ５０が矢印Ｋ方向に動くと、扇型内歯車接続ピン６８で連結されている前後運動用扇型内歯車２０が扇型内歯車シャフト７２を軸に矢印Ｅ方向に回転し、前後運動用扇型内歯車２０と噛み合う、前後運動用小歯車１６と、前後運動用歯車シャフト７０で同軸の前後運動用大歯車１７が矢印Ｆ方向に回転し、前後運動用大歯車１７と噛み合う前後運動用ラック２２が矢印Ｕ方向に動く。

　図２５は、斜視図でありレバー４８を握り内部歯車が作動し、刃スライド本体３６が図面７の矢印Ｇ方向に移動してる図である。

　図２６は、前後運動用扇型内歯車２０の作動前拡大斜視図である。レバー４８、コネクティングロッドＢ５０、前後運動用扇型内歯車２０ともに下限に位置している。前後運動用小歯車１６と同軸で回転する前後運動用大歯車１７は、前後運動用ラック２２と噛み合っている。図７で示した状態に対応する。

　図２７は、前後運動用扇型内歯車の作動後拡大斜視図である。前後運動用大歯車１７と噛み合う前後運動用ラック２２がコネクティングロッドＢ５０の上昇に伴い移動する。図８で示した状態に対応する。即ち図７で示した矢印Ｃ方向にレバーを動かすと固定刃１０と可動刃１２は、ハウジング先端４２に向かって移動する。

　図２８は、図２３の状態の上下運動用小歯車Ａ１８が矢印Ｊの方向に４分の１回転した状態を示す図である。上下運動用大歯車２８と噛み合う上下運動用小歯車Ａ１８が回転し、上下運動用小歯車Ａ１８と偏心軸接続ピン６２によって連結されているコネクティングロッドＡ２４が（上下可動域の２分の１）動き傾いた状態になる。

　図２９は、図２８の状態から更に上下運動用小歯車Ａ１８が矢印Ｊの方向に４分の１回転した状態を示す図である。上下運動用大歯車２８と噛み合う上下運動用小歯車Ａ１８が回転し、上下運動用小歯車Ａ１８と偏心軸接続ピン６２によって連結されているコネクティングロッド２４が矢印Ｄ方向に動く。コネクティングロッドＡ２４と可動刃接続ピン６０でつながる可動刃プレート部１３がコネクティングロッド２４の動きに連動するので、可動刃１２も連動することとなる。
　即ち、上下運動用ラック３０と噛み合う上下運動用小歯車ＡＡ２６が動くことで可動刃１２が動くこととなる。

　図３０は、図３のＢ－Ｂ線断面の正面図である。２列に設けられた櫛部の中間に刃スライド本体３６の先端部に設けられた固定刃１０、可動刃１２が配置されている。刃スライド本体３６の底部側面には、刃スライド本体突起３７が横方向に突出している。刃スライド本体突起３７は、本体ハウジング１４内部に設けられた刃スライド本体安定溝３８に、はめ込まれているため、刃スライド本体３６が上下に動かないようにしてある。梳きアタッチメント３２底部側面内側は出っ張りが形成されていて、本体ハウジング１４外部に設けられた梳きアタッチメントスライド溝３４に、はめ込まれている。

　図３１は、作動を表したフローチャートである。レバー４８を握り、刃がハウジング先端４２に到達するまでの作動行程である。刃並びに刃スライド本体３６を後退させ、本体ハウジング１４内に収納する場合は、握ったレバー４８の力を弱めると、レバー４８と本体を接続してるレバー固定ピン８０に巻き付くように取り付けられたコイルバネ５２のレバー４８を外側に開こうとする力により、歯車機構で刃スライド本体３６を後退させ、本体ハウジング１４内に収納される。尚、フローチャートは連結順序を示したもので、流れ行程ではなくフローチャートに記載の行程は、全て同時進行で作動する。

　図３２は、本発明の第二実施形態を示し、固定刃１０と可動刃１２と櫛棒４０の拡大側面説明図であり、図２０の刃の角度（櫛棒間傾斜）を上下反転させた場合の図である。櫛棒先端３９から櫛棒付根４１にかけて順番に毛髪Ｈがカットされる。

　図３３は、本発明の第三実施形態を示した斜視図であり、櫛棒４０をコ型状に成形したコ型状櫛４３の場合の図である。１列に並んだコ型状櫛４３の内側を、櫛棒間傾斜した刃が移動して毛髪Ｈをカットする。

　本発明の作用効果を確認するため、以下の試験を行った。

〈人の毛髪カット〉
　モニターの女性につき以下の試験を行った。毛髪を梳かし５ｃｍカットした。毛髪の梳かし具合、カットの時の圧迫感はなかった。

〈ペットの毛カット〉
　ペットの毛をカットして、ペットの反応を見た。試験方法は以下の通りである。
　図１９の様に、ペットを台（図示せず）の上に置き、本願発明のヘアーカッターと電動バリカン（パナソニックペットクラブＥＲ８０７ＰＰ）で毛をカットした。モニターとして、ゴールデンレトリバー、ポメラニアン、を使用した。本願発明のヘアーカッターでは、ペットは台からは移動しようとしなかった。電動バリカンでは、ペットはモーター音に動揺して台から移動しようとした。この結果、本願発明のヘアーカッターでは動物は怖がることがないと確認できた。

１０：固定刃
１１：固定刃プレート部
１２：可動刃
１３：可動刃プレート部
１４：本体ハウジング
１６：前後運動用小歯車
１７：前後運動用大歯車
１８：上下運動用小歯車Ａ
２０：前後運動用扇型内歯車
２２：前後運動用ラック
２４：コネクティングロッドＡ
２６：上下運動用小歯車ＡＡ
２８：上下運動用大歯車
３０：上下運動用ラック
３２：梳きアタッチメント
３４：梳きアタッチメントスライド溝
３６：刃スライド本体
３７：刃スライド本体突起
３８：刃スライド本体安定溝
３９：櫛棒先端
４０：櫛棒
４１：櫛棒付根
４２：ハウジング先端
４３：コ型状櫛
４４：梳きアタッチメント突起
４６：梳きアタッチメントＶ字開口
４８：レバー
５０：コネクティングロッドＢ
５２：コイルバネ
５３：バネ抑え
５４：スライド溝
５６：スライド筋
５８：永久磁石
６０：可動刃接続ピン
６２：偏心軸接続ピン
６４：上下運動用小歯車シャフト
６６：上下運動用歯車シャフト
６８：扇型内歯車接続ピン
７０：前後運動用歯車シャフト
７２：扇型内歯車シャフト
７４：レバー接続ピン
７６：刃スライド本体溝
７８：刃スライド本体カバ－
８０：レバー固定ピン
８２：磁力線
Ｈ　：毛髪
Ｋ１：８０度傾斜線
Ｋ２：１００度傾斜線

Claims

　刃スライド本体、刃、歯車、櫛棒、から構成される手動式ヘアーカッターであって、歯車機構とし、２列に配置された櫛部と当該櫛部の中間に配置された刃スライド本体溝、刃スライド本体溝を移動する刃スライド本体に取り付けられた歯車機構で移動する刃から構成されるヘアーカッターであって、２列の櫛部のうち一方の列の櫛部の櫛棒と、他方の列の櫛部の櫛棒との２カ所で毛髪を支え、２列に配置された櫛部の中間でカットする構造のヘアーカッター。
　刃スライド本体に取り付けられた可動刃と固定刃が櫛棒間傾斜した構造であることを特徴とする請求項１記載のヘアーカッター。
　刃スライド本体溝を移動する刃スライド本体に取り付けられた刃が可動刃と固定刃から構成され、固定刃と可動刃の密着を永久磁石にした構造であることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のヘアーカッター。
　刃スライド本体に固定された前後運動用ラックと噛み合う組になった一連の前後運動用歯車により、レバーを動かすことで歯車が連動し、刃スライド本体を前後移動させることを特徴とする請求項１記載のヘアーカッター。
　本体ハウジング内部底面に固定された上下運動用ラックと噛み合う組になった一連の上下運動用歯車によりコネクティングロッドが上下し、コネクティングロッドに連結した可動刃で髪をカットすることを特徴とする請求項１記載のヘアーカッター。