WO2019097699A1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

コンデンサの静電容量の温度による変動を抑制できるとともに、コンデンサにおける電流アンバランスを抑制できる電力変換装置を開示する。本電力変換装置(101a)は、電力変換主回路と、電力変換回路の入力側もしくは出力側に接続され、高調波電流を吸収する複数のコンデンサ(41,42)とを備え、複数のコンデンサは、互いに並列接続される第1のコンデンサ(41)および第2のコンデンサ(42)を含み、第1のコンデンサ(41)は静電容量に正の温度特性を有し、第2のコンデンサ(42)は静電容量に負の温度特性を有し、さらに、第1のコンデンサ(41)は静電容量に負の周波数特性を有し、第2のコンデンサ(42)は静電容量に正の周波数特性を有する。もしくは、第1のコンデンサ(41)は等価直列抵抗に負の温度特性を有し、第2のコンデンサ(42)は等価直列抵抗に正の温度特性を有する。

Description

電力変換装置
 本発明は、平滑コンデンサを備える電力変換装置に関する。
 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等の高速半導体スイッチング素子を用いた電力変換装置が様々な分野で使用されている。近年、半導体技術の進歩により大容量の半導体モジュールが実現され、大容量の電力変換装置の小型化が進んでいる。
 電力変換装置を大容量化するためには、半導体モジュールが複数並列接続される。この場合、電圧安定用の平滑コンデンサの充放電電流が大きくなるため、平滑コンデンサの電圧の変動が大きくなる。充放電電流を抑制するためには、コンデンサを複数並列接続して平滑コンデンサを構成することにより、平滑コンデンサの静電容量を増加させる。また、平滑用の小容量のコンデンサを備える変換器セルを複数並列接続して大容量の電力変換装置を構成することにより、コンデンサを並列接続して電力変換装置の平滑コンデンサの静電容量を増加する。
 複数のコンデンサが並列接続されると、コンデンサの静電容量とコンデンサ間の配線インダクタンスおよびコンデンサの内部インダクタンスによりLC共振現象が発生する可能性がある。共振周波数と、スイッチング素子のスイッチング周波数およびその整数倍の周波数が一致すると、共振経路のインピーダンスが小さくなり、コンデンサ電流が大幅に増大する。コンデンサ電流が増大すると、コンデンサの電力損失が大きくなったり、コンデンサの寿命が低下したりする。
 このような共振現象に伴うコンデンサ電流の増大は、配線インダクタンスやスイッチング周波数の調整や最適化などによって抑制できる。しかし、コンデンサの静電容量に温度特性があるため、温度が変動すると共振周波数が変動して、コンデンサ電流が増大する怖れがある。また、静電容量の温度特性は、平滑コンデンサの静電容量自体を変動させる。
 これに対し、平滑コンデンサの静電容量の温度変動を抑制する従来技術として、特許文献1に記載される技術が知られている。
 本技術では、温度上昇により静電容量が増大する正の温度特性を持つコンデンサと、温度上昇により静電容量が減少する負の温度特性を持つコンデンサが並列接続される。これにより、温度変化に対する静電容量の変化が相殺される。
特開2008-61472号公報
 上記の従来技術では、温度変化による平滑コンデンサの静電容量の変動は抑制できるが、個々のコンデンサの静電容量は異なるため、各コンデンサに流れる電流がアンバランスになる。このため、平滑コンデンサにおいて電流集中が生じるため、平滑コンデンサの寿命劣化を起こす恐れがある。
 そこで、本発明は、コンデンサの静電容量の温度による変動を抑制できるとともに、コンデンサにおける電流アンバランスを抑制できる電力変換装置を提供する。
 上記課題を解決するために、本発明による電力変換装置は、電力変換回路の入力側もしくは出力側に接続され、高調波電流を吸収する複数のコンデンサと、を備えるものであって、複数のコンデンサは、互いに並列接続される第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを含み、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、静電容量と等価直列抵抗とインダクタンスとを成分とする内部インピーダンスを有し、第1のコンデンサは静電容量に正の温度特性を有し、第2のコンデンサは静電容量に負の温度特性を有し、さらに、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの温度変動に対する静電容量の変動に伴う、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサにおける高調波電流のアンバランスの増大を、内部インピーダンスの成分のいずれかの変化によって緩和する。
 また、上記課題を解決するために、本発明による電力変換装置は、電力変換主回路と、電力変換回路の入力側もしくは出力側に接続され、高調波電流を吸収する複数のコンデンサと、を備えるものであって、複数のコンデンサは、互いに並列接続される第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを含み、第1のコンデンサは静電容量に正の温度特性を有し、第2のコンデンサは静電容量に負の温度特性を有し、さらに、第1のコンデンサは静電容量に負の周波数特性を有し、第2のコンデンサは静電容量に正の周波数特性を有する。
 また、上記課題を解決するために、電力変換主回路と、電力変換回路の入力側もしくは出力側に接続され、高調波電流を吸収する複数のコンデンサと、を備えるものであって、複数のコンデンサは、互いに並列接続される第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを含み、第1のコンデンサは静電容量に正の温度特性を有し、第2のコンデンサは静電容量に負の温度特性を有し、さらに、第1のコンデンサは等価直列抵抗に負の温度特性を有し、第2のコンデンサは等価直列抵抗に正の温度特性を有する。
 本発明によれば、電力変換回路の入力側もしくは出力側に接続されるコンデンサの静電容量の温度による変動を抑制できるとともに、平滑コンデンサにおける電流アンバランスを抑制できる
 上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1である電力変換装置の構成を示す回路図である。 LC共振の周波数特性を示す。 各平滑コンデンサの静電容量の温度特性を示す。 各平滑コンデンサの静電容量の周波数特性を示す。 実施例1の変形例である電力変換装置を示す。 実施例1の他の変形例である電力変換装置を示す。 本発明の実施例2である電力変換装置の構成を示す回路図である。 各平滑コンデンサの等価直列抵抗の温度特性を示す。 実施例2の変形例である電力変換装置を示す。 実施例2の他の変形例である電力変換装置を示す。 本発明の実施例3である電力変換装置の構成を示す回路図である。 実施例3において電力変換装置のPWM制御に用いられるキャリアと変調波を示す。 コンデンサの等価回路を示す。 コンデンサのインピーダンスの周波数特性の一例を示す。 本発明の実施例4である電力変換装置の構成を示す回路図である。 実施例4の変形例である電力変換装置を示す。 本発明の実施例5である電力変換装置の構成を示す回路図である。 コンデンサの素子寿命と使用温度との関係を示す。 実施例5の変形例である電力変換装置を示す。 実施例5の他の変形例である電力変換装置を示す。
 本発明の一実施形態である電力変換装置は、電力変換用の半導体素子から構成される電力変換主回路と、電力変換回路の入力側もしくは出力側に接続され、高調波電流を吸収する複数のコンデンサ(例えば、平滑コンデンサやフィルタコンデンサ)を備える。この複数のコンデンサは、互いに並列接続される第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを含み、これらのコンデンサは、静電容量と等価直列抵抗とインダクタンスとを成分とする内部インピーダンスを有する。なお、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの等価回路は、公知のコンデンサと同様に、これら成分の直列接続回路となる。
 ここで、第1のコンデンサは静電容量に正の温度特性を有し、第2のコンデンサは静電容量に負の温度特性を有する。これにより、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの並列接続の総静電容量の温度変化が抑制される。従って、高調波電流を吸収する機能は変動することなく維持される。しかし、個々のコンデンサの静電容量の値は異なるため、第1のコンデンサと第2のコンデンサが吸収する高調波電流の大きさがばらつく怖れがある。
 そこで、本実施形態においては、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの温度変動に対する静電容量の変動に伴う、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサにおける高調波電流のアンバランスの増大を、内部インピーダンスの成分、すなわち静電容量と等価直列抵抗とインダクタンスのいずれかの変化によって緩和する。
 以下、本発明の実施形態について、下記の実施例1~5により、図面を用いながら、より具体的に説明する。各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
 図1は、本発明の実施例1である電力変換装置の構成を示す回路図である。
 図1に示すように、電力変換装置101aにおいては、入力端子1a,1b間に直流電源1が接続され、この直流電源1に、半導体スイッチング素子2によって構成される電力変換主回路の直流側が、複数の平滑コンデンサ41,42を介して接続される。また、電力変換主回路の交流側、すなわち電力変換回路の出力は、負荷6に接続される。
 なお、本実施例1において、平滑コンデンサ41は、静電容量に正の温度特性を有する。また、平滑コンデンサ41と並列に接続される平滑コンデンサ42は、静電容量に負の温度特性を有する。従って、本実施例においては、温度変化に伴う、平滑コンデンサ41および平滑コンデンサ42の静電容量の変化量の正負が互いに逆である。これにより、平滑コンデンサ41および平滑コンデンサ42の静電容量の変化量が、互いに相殺し合い、平滑コンデンサ群4aの総静電容量の値の温度変動が抑制される。例えば、各変化量の絶対値を実質同じ値にすれば、平滑コンデンサ群4aの総静電容量は、温度が変動しても、一定に保たれる。
 複数の平滑コンデンサ41,42は、配線インダクタンス5を介して、互いに並列に接続され、平滑コンデンサ群4aを構成する。実装状態では、平滑コンデンサ群4aを構成する平滑コンデンサ41,42は互いに隣接して配置される。
 平滑コンデンサ群4aは、配線インダクタンス10aおよび入力端子1a,1bを介して直流電源1に接続される。従って、本実施例1では、平滑コンデンサ41は、配線インダクタンス5,10aの内、配線インダクタンス10aを介して直流電源に並列に接続され、配線インダクタンス5を介して電力変換主回路の直流側に並列に接続される。また、平滑コンデンサ42は、配線インダクタンス5,10aの内、配線インダクタンス5および10aを介して直流電源に並列に接続され、配線インダクタンス5および10aを介することなく電力変換主回路の直流側に並列に接続される。なお、本実施例において、配線インダクタンス5の値は、配線インダクタンス10aの値よりも十分小さい。すなわち、平滑コンデンサ41,42間の配線長は、平滑コンデンサ群4aと直流電源1との間の配線長よりも十分短い。
 なお、本実施例1において、電力変換主回路は、半導体スイッチング素子2からなる三相フルブリッジ回路を備える三相インバータであり、負荷6は、三相交流電動機などの三相交流負荷である。また、半導体スイッチング素子2としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が適用される(図1中には、IGBTを記す)。なお、図1中では、三相フルブリッジ回路の一つのアームが、一個の半導体スイッチング素子2から構成されているが、これに限らず、複数の半導体スイッチング素子の直並列接続から構成されても良い。
 電力変換装置101aは、電力変換主回路を構成する半導体スイッチング素子2をPWM制御(PWM:Pulse Width Modulation)等のスイッチング制御によってオン・オフすることにより、直流電源1から供給される直流電力を交流電力へ変換し、この交流電力を負荷6に出力する。すなわち、電力変換装置101aは、逆変換器(インバータ)である。このとき、平滑コンデンサ群4にはリプル電流が流れるが、リプル電流の大きさは、平滑コンデンサ41の静電容量と、平滑コンデンサ42の静電容量、平滑コンデンサ41と平滑コンデンサ42間の配線インダクタンス5によるLC共振に依存する。
 図2は、LC共振の周波数特性を示す。半導体スイッチング素子2のスイッチング周波数が、共振周波数118に一致すると、平滑コンデンサ群4aには大きなリプル電流が流れる。リプル電流が増大すると、コンデンサ温度が上昇する。このため、静電容量に正の温度特性を有する平滑コンデンサ41は静電容量が増大する。また、静電容量に負の温度特性を有する平滑コンデンサ42は静電容量が減少する。
 ここで、コンデンサ電流iは、静電容量をCとし、コンデンサ電圧をVとして、式(1)によって表される。dV/dtはコンデンサ電圧の時間変化率を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 式(1)が示すようにコンデンサ電流は静電容量に比例するため、温度の変動に対し平滑コンデンサ群4aとして総静電容量の変動が抑制されても、温度上昇によって静電容量が増大する平滑コンデンサ41では電流が増大し、温度上昇によって静電容量が減少する平滑コンデンサ42は電流が減少する。その結果、平滑コンデンサ41に流れる電流と平滑コンデンサ42に流れる電流とにアンバランスが生じる。アンバランスが生じると、電流が増大する平滑コンデンサ41はさらに温度上昇するため、平滑コンデンサ41の静電容量および電流がさらに増大する。
 このような電流のアンバランスは、半導体スイッチング素子2のスイッチング周波数が、平滑コンデンサ群4aにおけるLC共振の共振周波数に近い場合に顕著になる。これは、温度上昇によって平滑コンデンサ41および平滑コンデンサ42の静電容量の値に差異が生じるのに加えて、半導体スイッチング素子2のスイッチングに伴って平滑コンデンサ41,42に流れるリプル電流における共振周波数に近い周波数成分が多くなるためである。電流のアンバランスが顕著になると、平滑コンデンサ41に電流集中が起きるので、平滑コンデンサ41の寿命が低下する怖れがある。
 これに対し、本実施例1においては、以下に説明するように、平滑コンデンサ41および平滑コンデンサ42の特性を異ならしめる。
 図3は、平滑コンデンサ41と平滑コンデンサ42の静電容量の温度特性を示す。なお、縦軸は静電容量の変化分を示し、横軸は温度を示す。
 図3に示すように、平滑コンデンサ41の静電容量は正の温度特性102bを有し、平滑コンデンサ42の静電容量は負の温度特性102aを示す。
 図4は、平滑コンデンサ41と平滑コンデンサ42の静電容量の周波数特性を示す。なお、縦軸は静電容量の変化分を示し、横軸は周波数を示す。
 図4に示すように、平滑コンデンサ41の静電容量は負の周波数特性103bを有し、平滑コンデンサ42の静電容量は正の周波数特性103aを示す。
 このように、平滑コンデンサ41の静電容量は、正の温度特性および負の周波数特性を有するため、温度上昇による静電容量の増大が、共振周波数に近い高周波数においては、負の周波数特性による静電容量の減少によって相殺される。このため、平滑コンデンサ41に流れる電流の増大が抑制される。また、平滑コンデンサ42の静電容量は、負の温度特性および正の周波数を有するため、温度上昇による静電容量の減少が、共振周波数に近い高周波数においては、正の周波数特性による静電容量の増大によって相殺される。このため、平滑コンデンサ41に流れる電流の減少が抑制される。このため、平滑コンデンサ41と平滑コンデンサ42の電流アンバランスの増大が防止される。
 上述のような平滑コンデンサ41,42のように、静電容量の温度特性および周波数特性が互いに異なる平滑コンデンサとしては、誘電体フィルム材料が互いに異なるフィルムコンデンサが適用される。誘電体フィルム材料は、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate)、ポリフェニレンサルファルド(polyphenylene sulfide)、ポリエチレン(polyethylene)、ポリエステル(polyester)などから適宜選択される。例えば、平滑コンデンサ41としては、ポリプロピレンを誘電体フィルム材料とするフィルムコンデンサが適用され、平滑コンデンサ42としては、ポリエチレンテレフタラートを誘電体フィルム材料としたフィルムコンデンサが適用される。なお、これらのフィルムコンデンサに限らず、静電容量の正負の温度特性および周波数特性が得られるコンデンサであれば、電解コンデンサやセラミックコンデンサなどを適用しても良い。
 なお、フィルムコンデンサは、一般に、比較的耐電圧が高く、低損失である。このような特徴は、電力変換装置に好適である。しかし、フィルムコンデンサは、静電容量に温度特性を有する。従って、本実施例1は、特に、フィルムコンデンサが適用される場合に、好適である(後述の、各実施例および各変形例についても、同様)。
 図5は、実施例1の変形例である電力変換装置を示す。以下、実施例1と異なる点について、説明する。なお、配線インダクタンス5のインダクタンスの値は、実施例1(図1)と同様に、配線インダクタンス10b(図1における配線インダクタンス10aに対応)の値よりも十分小さい(後述の図6の変形例も同様)。
 本変形例において、電力変換装置101b(図5)は、回路構成は実施例1(図1)と同様であるが、実施例1とは異なり順変換器として動作する。
 図5に示すように、半導体スイッチング素子2から構成される電力変換主回路の交流側には交流電源7が接続され、電力変換主回路の直流側には平滑コンデンサ群4aおよび配線インダクタンス10bを介して負荷6が接続される。
 電力変換装置101bは、交流電源7から供給される交流電力を直流電力へ変換し、この直流電力を負荷6に出力する。なお、本変形例において、交流電源7は三相交流電源であり、負荷6は直流負荷である。
 本変形例における平滑コンデンサ群4aは、実施例1と同様の構成を有するので、本変形例においても、上述の実施例1と同様の効果が得られる。
 図6は、実施例1の他の変形例である電力変換装置を示す。以下、実施例1と異なる点について、説明する。
 図6に示すように、本変形例において、電力変換主回路は、ダイオード9からなる三相フルブリッジ回路を備える整流器である。従って、電力変換装置101cは、順変換器として動作し、交流電源7から供給される交流電力を直流電力へ変換し、この直流電力を負荷6に出力する。なお、本変形例において、交流電源7は三相交流電源であり、負荷6は直流負荷である。
 本変形例における平滑コンデンサ群4aは、実施例1と同様の構成を有するので、本変形例においても、上述の実施例1と同様の効果が得られる。
 次に、本発明の実施例2について説明するが、主に、実施例1と異なる点について説明する。
 図7は、本発明の実施例2である電力変換装置の構成を示す回路図である。
 図7に示すように、平滑コンデンサ群4bにおいて、平滑コンデンサ43および平滑コンデンサ44が、配線インダクタンス5を介して並列に接続される。実施例1と同様に、平滑コンデンサ43は静電容量に正の温度特性を有し、平滑コンデンサ44は静電容量に負の温度特性を有する。このため、実施例1と同様に、平滑コンデンサ群4bとしては、総静電容量の温度変化が抑制される。さらに、本実施例2において、平滑コンデンサ43,44は、後述するように、コンデンサの等価直列抵抗の温度特性が互いに異なっている。なお、平滑コンデンサ群4b以外の電力変換装置101dの回路構成は、実施例1(図1)と同様である。
 図8は、平滑コンデンサ43と平滑コンデンサ44の等価直列抵抗の温度特性を示す。なお、縦軸は等価直列抵抗の変化分を示し、横軸は温度を示す。
 図8に示すように、平滑コンデンサ43の等価直列抵抗は正の温度特性102cを有し、平滑コンデンサ44の等価直列抵抗は負の温度特性103cを有する。
 図8に示すように、平滑コンデンサ43においては、等価直列抵抗が正の温度特性を有するので、温度が上昇すると等価直列抵抗が増大する。このため、平滑コンデンサ43に流れる電流の増大が抑制される。また、平滑コンデンサ44においては、等価直列抵抗が負の温度特性を有するので、温度が上昇すると等価直列抵抗が減少する。このため、平滑コンデンサ44に流れる電流の減少が抑制される。従って、静電容量の温度特性の正負の違いに伴う、平滑コンデンサ43と平滑コンデンサ42の電流アンバランスの増大が防止される。
 上述のような平滑コンデンサ43,44のように、静電容量の温度特性および等価直列抵抗の温度特性が互いに異なる平滑コンデンサとしては、誘電体フィルム材料が互いに異なるフィルムコンデンサが適用される。実施例1と同様に、誘電体フィルム材料は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリフェニレンサルファルド、ポリエチレンなどから適宜選択される。例えば、平滑コンデンサ43としては、ポリプロピレンを誘電体フィルム材料とするフィルムコンデンサが適用され、平滑コンデンサ44としては、ポリエチレンテレフタラートを誘電体フィルム材料としたフィルムコンデンサが適用される。なお、これらのフィルムコンデンサに限らず、静電容量の正負の温度特性および等価直列抵抗の正負の温度特性が得られるコンデンサであれば、電解コンデンサやセラミックコンデンサなどを適用しても良い。
 図9は、実施例2の変形例である電力変換装置を示す。なお、本変形例は、前述の実施例1の変形例(図5)に対応する。
 図9に示すように、本変形例において、電力変換装置101e(図9)は、回路構成は実施例2(図7)と同様であるが、実施例2とは異なり順変換器として動作する。
 図10は、実施例2の他の変形例である電力変換装置を示す。なお、本変形例は、前述の実施例1の他の変形例(図6)に対応する。
 図10に示すように、本変形例において、電力変換主回路は、ダイオード9からなる三相フルブリッジ回路を備える整流器である。従って、電力変換装置101fは、順変換器として動作する。
 これら図9および図10に示す実施例2の変形例における平滑コンデンサ群4bは、実施例2と同様の構成を有するので、これら変形例においても、上述の実施例2と同様の効果が得られる。
 次に、本発明の実施例2について説明するが、主に、実施例1,2と異なる点について説明する。
 図11は、本発明の実施例3である電力変換装置の構成を示す回路図である。
 図11に示すように、電力変換装置101gを含む回路構成は、実施例1(図1)および実施例2(図7)と同様であるが、本実施例3においては、平滑コンデンサ群4bと、半導体スイッチング素子2からなる電力変換主回路の直流側との間における直流端子1c,1d間に電圧センサ8が接続される。
 なお、平滑コンデンサ群4cにおける平滑コンデンサ45は、実施例1(図1)における平滑コンデンサ41と同様に、静電容量に正の温度特性および負の周波数特性を有する。また、平滑コンデンサ群4cにおける平滑コンデンサ46は、実施例1(図1)における平滑コンデンサ42と同様に、静電容量に負の温度特性および正の周波数特性を有する。
 電圧センサ8の検出値は、図示しない制御装置において、電力変換装置101gが出力する交流電力を制御するために用いられる。さらに、本実施例3においては、後述するように、電圧センサ8の検出値に基づき、平滑コンデンサ45,46の電流アンバランスの発生を検知したら、PWM制御に用いるキャリア周波数を増大する。これにより、各平滑コンデンサのインピーダンスを増大させ、各平滑コンデンサに流れるリプル電流の大きさを抑制する。従って、過度な電流アンバランスが防止され、各平滑コンデンサの寿命劣化を防止することができる。
 まず、電圧センサ8による、平滑コンデンサ45,46の電流アンバランスの発生の検知について説明する。
 電圧センサ8は、電力変換装置101gの直流電圧入力電圧、すなわち平滑コンデンサ群4cの電圧値を検出する。図示しない制御装置は、電圧センサ8によって検出される電圧値に基づいて、平滑コンデンサ群4cの電圧変化の大きさを検出する。
 ここで、平滑コンデンサ群4cの電圧変化の大きさは、平滑コンデンサ群4cの充放電の速さを示し、前述の式(1)が示すように、平滑コンデンサ群4cの総静電容量の大きさによって変化する。特に、平滑コンデンサ群4cの総静電容量が減少して、平滑コンデンサ群4cのリプル除去性能が低下する場合には、充放電が速まるので、電圧変化の大きさが増加する。
 そこで、本実施例3においては、図示しない制御装置が、平滑コンデンサ群4cの電圧変化の大きさの検出値が予め設定される閾値を超えているか否かを判定することにより、平滑コンデンサ群4cの総静電容量が減少しているか否か、すなわち温度上昇に伴い平滑コンデンサ45,46の電流アンバランスが発生する状態であるか否かを判定する。
 次に、電流アンバランスが検知される場合における各平滑コンデンサのインピーダンスを増大について説明する。
 図12は、本実施例3において電力変換装置のPWM制御(PWM:Pulse Width Modulation)に用いられるキャリアと変調波を示す。
 図12に示すような基本周波数を有する変調波116(電圧指令)と、変調波116よりも十分に高い周波数であり、半導体スイッチング素子2のスイッチング周波数に対応する高周波数を有する三角波キャリア117とを比較することにより、半導体スイッチング素子2のスイッチングパターンとなるPWMパルスが生成される。なお、本実施例3におけるPWM制御は公知技術であり、さらに詳細な説明は省略する。
 図12に示す三角波キャリア117の周波数、すなわち半導体スイッチング素子2のスイッチング周波数に相当する高周波数成分を含むリプル電流が、各平滑コンデンサに流れる。
 図13は、コンデンサの等価回路を示す。
 図13に示すように、コンデンサは、内部インダクタンス113と、静電容量114と、等価直列抵抗115(ESR:Equivalent Series Resistance)の直列接続回路によって表わされる。内部インダクタンス113の大きさは、主にコンデンサの内部電極やリードなどの金属導体の構成に依存するので、温度依存性や周波数依存性は少ない。静電容量114の大きさは、誘電体の特性に依存するので、本実施例3および前述の実施例1,2のように、周波数特性や温度特性を有する。等価直列抵抗115は、誘電体および金属導体の電気抵抗成分から構成されるので、周波数特性や、前述の実施例2のように温度特性を有する。
 図14は、コンデンサのインピーダンスの周波数特性の一例を示す。
 コンデンサのインピーダンスZは、図13に示す等価回路から、式(2)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 ここで、R,L,Cは、それぞれ、等価直列抵抗115、内部インダクタンス113、静電容量114を示す。また、ωは角周波数を示す。
 図14は、式(2)で表されるZの大きさとωとの関係、すなわちRLC直列共振特性の一例を示している。従って、本実施例3においては、平滑コンデンサ45,46の各インピーダンスがこのような共振特性を有している。
 図14が示すように、周波数が共振点から離れると、インピーダンスは増大する。但し、式(2)から判るように、インピーダンスの大きさにおいて、低周波側では静電容量114によるリアクタンス成分が支配的になり、高周波側では内部インダクタンス113によるリアクタンス成分が支配的になる。そのため、低周波側ではコンデンサの静電容量114の違いがインピーダンスに与える影響が大きい。従って、温度上昇に伴って各平滑コンデンサの静電容量にばらつきが生じる場合、キャリアの周波数を通常よりも下げて平滑コンデンサのインピーダンスの大きさを増大させても、平滑コンデンサのインピーダンスの大きさがばらつくので、電流アンバランスを防止することが難しい。
 これに対し、高周波側ではコンデンサの内部インダクタンス113の違いがインピーダンスに与える影響が大きい。しかも、上述のように、内部インダクタンス113の温度依存性は小さい。従って、温度上昇に伴って各平滑コンデンサの静電容量にばらつきが生じる場合、キャリアの周波数を通常よりも高くして、各平滑コンデンサのインピーダンスの大きさを増大させることにより、各平滑コンデンサに流れるリプル電流の大きさが抑制されるので、過度な電流アンバランスを防止することができる。
 なお、実施例3における平滑コンデンサ群4cを、実施例2における平滑コンデンサ群4bように、静電容量に正の温度特性を有するとともに等価直列抵抗に負の温度依存性を有する平滑コンデンサと、静電容量に負の温度特性を有するとともに等価直列抵抗に正の温度依存性を有する平滑コンデンサとで構成しても、本実施例3と同様の効果が得られる。
 次に、本発明の実施例4について説明するが、主に、実施例1~3と異なる点について説明する。
 図15は、本発明の実施例4である電力変換装置の構成を示す回路図である。
 図15に示すように、本実施例3の電力変換装置は交流電力系統に接続される。なお、図15においては、交流電力系統を、交流電源7、交流電源7と電力変換装置との間における系統インダクタンス131および寄生容量132によって示す。
 本実施例の電力変換装置は、実施例1~3(図1,7,11)と同様に、半導体スイッチング素子2によって構成される電力変換主回路を備える。電力変換回路の直流側が、直流電力を蓄電する蓄電装置4が接続される。また、電力変換主回路の交流側が、高調波フィルタ119を介して、交流電力系統に接続される。電力変換主回路は、半導体スイッチング素子2をオン・オフ制御することにより、交流電力系統からの交流電力を直流電力に変換して蓄電装置4に蓄電したり、蓄電装置4からの直流電力を交流電力に変換して交流電力系統へ出力したりする。電力変換装置から出力される交流電力に含まれる高調波電流の交流電力系統への重畳は、高調波フィルタ119によって抑制される。
 高調波フィルタ119は、直列に接続されるリアクトルと、リアクトルの直列接続点に接続されるフィルタコンデンサによって構成されるLCフィルタ回路からなる。本実施例4において、このLCフィルタ回路は、直列に接続されるリアクトル120と、リアクトル120の直列接続点とグラウンド123との間に接続されるコンデンサ121,122によって構成される。コンデンサ121,122は、互いに並列接続されて、フィルタコンデンサを構成する。
 フィルタコンデンサにおけるコンデンサ121は、実施例1(図1)における平滑コンデンサ41と同様に、静電容量に正の温度特性および負の周波数特性を有する。また、フィルタコンデンサにおけるコンデンサ122は、実施例1(図1)における平滑コンデンサ42と同様に、静電容量に負の温度特性および正の周波数特性を有する。これにより、実施例1と同様に、温度変動に伴う、フィルタコンデンサの容量の変動を抑制できるとともに、フィルタコンデンサを構成する各コンデンサの電流アンバランスを抑制できる。従って、温度変動に対し、フィルタ性能を保持できるととともに、電流アンバランスによる高調波フィルタの寿命劣化を防止できる。
 図16は、実施例4の変形例である電力変換装置を示す。以下、実施例4と異なる点について、説明する。
 図16に示すように、本変形例において、電力変換主回路は、ダイオード9からなる三相フルブリッジ回路を備える整流器である。従って、電力変換装置は、順変換器として動作し、電力系統から供給される交流電力を直流電力へ変換して蓄電装置4に蓄電する。
 本変形例におけるフィルタコンデンサ群は、実施例4と同様の構成を有するので、本変形例においても、上述の実施例1と同様の効果が得られる。
 なお、実施例2と同様に、上述のコンデンサ121およびコンデンサ121を、それぞれ、静電容量に正の温度特性を有するとともに等価直列抵抗に負の温度依存性を有するコンデンサおよび静電容量に負の温度特性を有するとともに等価直列抵抗に正の温度依存性を有するコンデンサとしても、本実施例4と同様の効果が得られる。
 次に、本発明の実施例5について説明するが、主に、実施例1~4と異なる点について説明する。
 図17は、本発明の実施例5である電力変換装置の構成を示す回路図である。
 図17に示すように、本実施例5における電力変換装置は、実施例1と同様に三相インバータとして動作するが、実施例1(図1)と異なり、2個の平滑コンデンサ群4aが2並列接続されている。
 実施例1と同様に、各平滑コンデンサ群4aにおいて、平滑コンデンサ41は、静電容量に正の温度特性および負の周波数特性を有し、平滑コンデンサ42は、静電容量に負の温度特性および正の周波数特性を有する。
 これにより、実施例1と同様に、温度変動に伴う、各平滑コンデンサ群4aの静電容量の変動を抑制できるとともに、各平滑コンデンサ群4aにおける各コンデンサの電流アンバランスを抑制できる。従って、本実施例5によれば、平滑コンデンサ群4aの並列接続により平滑コンデンサ全体としての総静電容量を増加させながらも、温度変動に伴う、総静電容量の変動を抑制できる。また、各コンデンサの電流アンバランスを抑制できるので、平滑コンデンサ全体としての寿命劣化が抑制できる。
 2個の平滑コンデンサ群4aは、配線インダクタンス5を介して、互いに並列に接続される。実装状態では、2個の平滑コンデンサ群4aは互いに隣接して配置されるので、図17中の4個の平滑コンデンサが互いに隣接して配置される。例えば、実装状態において、2個の平滑コンデンサ群4aを構成する一群の平滑コンデンサ(図17中では、4個の平滑コンデンサ)は、隣接する2個の平滑コンデンサが平滑コンデンサ41および平滑コンデンサ42となるように、配置される。
 図18は、コンデンサの素子寿命と使用温度との関係を示す。
 図18に示すように、また、良く知られているように、コンデンサの素子寿命は、使用温度が10℃増加すると半減する。このように、コンデンサの寿命は温度に大きく影響される。
 本実施例5のように、複数の平滑コンデンサが互いに隣接して配置される場合、各平滑コンデンサの使用温度は、自己発熱や周囲温度だけでなく、隣接する他の平滑コンデンサの発熱にも影響される。このため、電流集中によりある平滑コンデンサの発熱が増加すると、この平滑コンデンサが温度上昇するだけでなく、隣接する他の平滑コンデンサの温度も上昇する。このため、複数の平滑コンデンサ全体としての寿命劣化が大きくなる恐れがある。
 これに対し、本実施例5では、各平滑コンデンサ群4aが、静電容量に正の温度特性および負の周波数特性を有する平滑コンデンサ41と、静電容量に負の温度特性および正の周波数特性を有する平滑コンデンサ42とによって構成されるので、温度変動に対して、複数の平滑コンデンサ全体としての総静電容量の変動が抑制されるとともに、電流アンバランスにともなう電流集中およびそれによる発熱の増大を抑制することができる。従って、複数の平滑コンデンサ全体としての寿命劣化が抑制できる。
 図19は、実施例5の変形例である電力変換装置を示す。以下、実施例5と異なる点について、説明する。
 本変形例において、電力変換装置(図19)は、回路構成は実施例1(図1)と同様であるが、実施例19とは異なり順変換器として動作する。
 図19に示すように、半導体スイッチング素子2から構成される電力変換主回路の交流側には交流電源7が接続され、電力変換主回路の直流側には2個の平滑コンデンサ群4aおよび配線インダクタンス10bを介して負荷6が接続される。
 本変形例の電力変換装置は、交流電源7から供給される交流電力を直流電力へ変換し、この直流電力を負荷6に出力する。なお、本変形例において、交流電源7は三相交流電源であり、負荷6は直流負荷である。
 本変形例における各平滑コンデンサ群4aは、実施例5と同様の構成を有するので、本変形例においても、上述の実施例5と同様の効果が得られる。
 図20は、実施例5の他の変形例である電力変換装置を示す。以下、実施例5と異なる点について、説明する。
 図20に示すように、本変形例において、電力変換主回路は、ダイオード9からなる三相フルブリッジ回路を備える整流器である。従って、本変形例の電力変換装置は、順変換器として動作し、交流電源7から供給される交流電力を直流電力へ変換し、この直流電力を負荷6に出力する。なお、本変形例において、交流電源7は三相交流電源であり、負荷6は直流負荷である。
 本変形例における各平滑コンデンサ群4aは、実施例1と同様の構成を有するので、本変形例においても、上述の実施例5と同様の効果が得られる。
 なお、実施例2と同様に、上述の平滑コンデンサ41および平滑コンデンサ42を、それぞれ、静電容量に正の温度特性を有するとともに等価直列抵抗に負の温度依存性を有するコンデンサおよび静電容量に負の温度特性を有するとともに等価直列抵抗に正の温度依存性を有するコンデンサとしても、本実施例5と同様の効果が得られる。
 なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
 例えば、平滑コンデンサの並列数や、平滑コンデンサ群の並列数は、任意の複数個でも良い。また、上述の平滑コンデンサを、単体のコンデンサを複数個直列接続して構成することにより、高電圧化しても良い。
1…直流電源、1a,1b…入力端子、2…半導体スイッチング素子、4…蓄電装置、4a,4b…平滑コンデンサ群、5…配線インダクタンス、6…負荷、7…交流電源、9…ダイオード、10a,10b…配線インダクタンス、41,42,43,44…平滑コンデンサ、101a,101b,101c,101d,101e,101f…電力変換装置、113…内部インダクタンス、114…静電容量、115…等価直列抵抗、119…高調波フィルタ、120…リアクトル、121,122…コンデンサ、123…グラウンド、131…系統インダクタンス、132…寄生容量

Claims (15)

  1.  電力変換主回路と、
     前記電力変換主回路の入力側もしくは出力側に接続され、高調波電流を吸収する複数のコンデンサと、
    を備える電力変換装置において、
     前記複数のコンデンサは、互いに並列接続される第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを含み、
     前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサは、静電容量と等価直列抵抗とインダクタンスとを成分とする内部インピーダンスを有し、
     前記第1のコンデンサは前記静電容量に正の温度特性を有し、
     前記第2のコンデンサは前記静電容量に負の温度特性を有し、
     さらに、
     前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサの温度変動に対する前記静電容量の変動に伴う、前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサにおける前記高調波電流のアンバランスの増大を、前記内部インピーダンスの前記成分のいずれかの変化によって緩和することを特徴とする電力変換装置。
  2.  請求項1に記載の電力変換装置において、
     前記第1のコンデンサは前記静電容量に負の周波数特性を有し、
     前記第2のコンデンサは前記静電容量に正の周波数特性を有し、
     前記温度変動に対する前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサに流れる前記高調波電流の前記アンバランスの増大が、前記静電容量の前記周波数特性によって緩和されることを特徴とする電力変換装置。
  3.  電力変換主回路と、
     前記電力変換主回路の入力側もしくは出力側に接続され、高調波電流を吸収する複数のコンデンサと、
    を備える電力変換装置において、
     前記複数のコンデンサは、互いに並列接続される第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを含み、
     前記第1のコンデンサは静電容量に正の温度特性を有し、
     前記第2のコンデンサは静電容量に負の温度特性を有し、
     さらに、
     前記第1のコンデンサは前記静電容量に負の周波数特性を有し、
     前記第2のコンデンサは前記静電容量に正の周波数特性を有すること
    を特徴とする電力変換装置。
  4.  請求項1に記載の電力変換装置において、
     前記第1のコンデンサは等価直列抵抗に負の温度特性を有し、
     前記第2のコンデンサは等価直列抵抗に正の温度特性を有し、
     前記温度変動に対する前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサに流れる前記高調波電流の変動が、前記等価直列抵抗の前記温度特性によって緩和されることを特徴とする電力変換装置。
  5.  電力変換主回路と、
     前記電力変換主回路の入力側もしくは出力側に接続され、高調波電流を吸収する複数のコンデンサと、
    を備える電力変換装置において、
     前記複数のコンデンサは、互いに並列接続される第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを含み、
     前記第1のコンデンサは静電容量に正の温度特性を有し、
     前記第2のコンデンサは静電容量に負の温度特性を有し、
     さらに、
     前記第1のコンデンサは等価直列抵抗に負の温度特性を有し、
     前記第2のコンデンサは等価直列抵抗に正の温度特性を有すること
    を特徴とする電力変換装置。
  6.  請求項3または請求項5に記載の電力変換装置において、
     前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサは、互いに誘電体材料が異なるフィルムコンデンサであることを特徴とする電力変換装置。
  7.  請求項6に記載の電力変換装置において、
     前記誘電体材料は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリフェニレンサルファルド、ポリエチレン、ポリエステルのいずれかであることを特徴とする電力変換装置。
  8.  請求項3または請求項5に記載の電力変換装置において、
     前記複数のコンデンサは、前記電力変換主回路の直流側に接続される平滑コンデンサであることを特徴とする電力変換装置。
  9.  請求項3または請求項5に記載の電力変換装置において、
     前記電力変換主回路は直流電力を交流電力に変換することを特徴とする電力変換装置。
  10.  請求項3または請求項5に記載の電力変換装置において、
     前記電力変換主回路は交流電力を直流電力に変換することを特徴とする電力変換装置。
  11.  請求項9または請求項10に記載の電力変換装置において、
     前記電力変換主回路は半導体スイッチング素子から構成されることを特徴とする電力変換装置。
  12.  請求項10に記載の電力変換装置において、
     前記電力変換主回路はダイオード整流器から構成されることを特徴とする電力変換装置。
  13.  請求項1に記載の電力変換装置において、
     前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの電流アンバランスに応じて前記電力変換主回路のスイッチング周波数を増大し、
     前記温度変動に対する前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサに流れる前記高調波電流の前記アンバランスの増大が、前記スイッチング周波数の増大によって前記インダクタンスのリアクタンスを増大することにより、緩和されることを特徴とする電力変換装置。
  14.  請求項3または請求項5に記載の電力変換装置において、
     前記電力変換主回路は半導体スイッチング素子から構成され、
     さらに、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの電流アンバランスを検出する検出手段を備え、
     前記検出手段によって検出される前記電流アンバランスに応じて、前記半導体スイッチング素子のスイッチング周波数を増大する制御手段を備えることを特徴とする電力変換装置。
  15.  請求項3または請求項5に記載の電力変換装置において、
     前記複数のコンデンサは、前記電力変換主回路の交流側に接続されるフィルタ回路に含まれることを特徴とする電力変換装置。
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