WO2019087268A1

WO2019087268A1 - シート状頒布物及び筒状頒布物

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Publication number: WO2019087268A1
Application number: PCT/JP2017/039205
Authority: WO
Inventors: 正和宮原
Original assignee: ｓｕｎ－Ｑ株式会社
Priority date: 2017-10-30
Filing date: 2017-10-30
Publication date: 2019-05-09

Abstract

【課題】本発明は、配布時の際の効率やコストの課題を解決しつつ、かつ、受取人に視認される機会や頻度を確保することができる頒布物の提供を目的とした。【解決手段】本発明のシート状頒布物１０は、シート状部材２０を有し、シート状部材２０が、頒布可能とされる平面的な形状をなす第一形態と、屈曲、あるいは折り曲げられて立体的な形状をなす第二形態とを形成可能とするものであり、第一形態における利用態様と異なる態様により、前記第二形態において利用可能とされたものであり、第二形態において、携帯電話機やスマートフォン携帯型の端末を所定の姿勢に維持して保持可能とされたことを特徴とする。

Description

シート状頒布物及び筒状頒布物

　本発明は、広告宣伝等のために配布するための頒布物に関する。

　近年では、広告宣伝を目的として多種多様な印刷物とされた頒布物が配布されている。これらの頒布物の多くは、大量の枚数を配布することや、配布後の受取人の持ち帰りの便宜のため、かさばらないようなシート状のものとして配布されている。このようなシート状の頒布物は、多くの文字情報を表示することができるほか、印刷物として製造コストを抑えて製造することができることから、配布物として多用されている。

　その一方で、広告宣伝等を目的とした頒布物は、受取人の興味を惹くことが出来ずに配布直後に受取人に廃棄されることも多い。そのため、広告宣伝等を目的とした頒布物については、コストを抑えて大量に製造することを実現しつつ、いかにして表示された広告内容を受取人に視認させるかといった課題について、様々な試行錯誤がなされている。このような課題に対する発明として、下記特許文献１には広告用簡易うちわが記載されている。

特開２００７－１３５８５６号公報

　特許文献１の簡易うちわは、コストを抑えて大量に製造することを可能としつつ、広告宣伝物としての機能と共にうちわとしての機能を備えている。

　しかしながら、不特定多数の者に配布される頒布物は、うちわ等の特定の物品の形態とされたものが多数を占め、同様の頒布物が多数提供されることにより、受取人の興味を惹くことが簡単ではなくなっている。また、うちわのような物品は、受取人に使用される機会が限定されるため、これに伴って表示された広告内容が受取人に視認される機会も限定されることとなる。そのため、うちわ等に広告内容を表示した販促物では、受取人が表示された広告内容と接触する機会も限定されるため、高い広告宣伝効果を見込めない。

　その一方で、受取人の興味を惹くような複雑な形状の販促物は、配布の作業効率や製造コスト増加の観点から敬遠されがちである。

　そこで本発明は、配布時の際の効率やコストの課題を解決しつつ、かつ、受取人に視認される機会や頻度を確保することができる頒布物の提供を目的とした。

　上述した課題を解決すべく提供される本発明のシート状頒布物は、屈曲、あるいは折り曲げ可能とされた１又は２以上のシート状部材を有し、前記シート状部材が、頒布可能とされる平面的な形状をなす第一形態と、屈曲、あるいは折り曲げられて立体的な形状をなす第二形態とを形成可能とするものであり、前記第一形態における利用態様と異なる態様により、前記第二形態において利用可能とされたものであり、前記第二形態において、端末を所定の姿勢に維持して保持可能とされたことを特徴とするものである。

　本発明のシート状頒布物によれば、各種の情報を表示したシート状の配布物として、好適に配布することができる。すなわち、本発明のシート状頒布物は、製造コストの増加を回避して多くの数量を製造して、効率良く配布することができる。

　ところで、一般的なシート状の配布物は、配布された直後には表示された広告内容が受取人に視認される可能性はあるものの、一定期間が経過した後は受取人に廃棄される場合も多い。その一方で、近年では、携帯電話機やスマートフォン等、携帯型の端末の普及率が高まり、ユーザーの日常生活に欠かせないものとなっている。また、このような携帯型の端末は、メールや電話の着信の有無等を確認するために日常的に視認されるものであり、ユーザーが視認する機会や頻度も多い。

　上述のとおり、本発明のシート状頒布物は、第二形態において携帯電話機やスマートフォン等の携帯型の端末を、所定の姿勢に保持するために利用することができる。これにより、メールや電話の着信の有無等を確認するために受取人が端末を視認する度に、本発明のシート状頒布物も視認されることとなる。すなわち、シート状頒布物を配布して一定期間が経過した後にも、シート状頒布物に表示された広告内容への受取人の接触機会を確保することができる。その結果、シート状頒布物に表示された内容の広告宣伝効果を高めることが期待される

　このように、本発明のシート状頒布物によれば、第一形態においてシート状の配布物として効率良く多数の受取人に対して配布しつつ、第二形態において受取人の端末を保持するために利用されることにより、第一形態及び第二形態を通じて表示された情報への受取人の接触機会を高めることが可能となる。これにより、シート状頒布物の配布率を高めつつ、かつ、広告内容の効率的な伝達を実現することができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材が、前記第二形態を保持するための固定部を有し、前記固定部が、前記シート状部材に設けられた切れ目により凸形状を形成する係合部と、前記係合部を差し込み可能とされた前記シート状部材に設けられた切れ目である被係合部とを含み、前記係合部を前記被係合部に差し込むことにより、前記第二形態を保持可能とすることが望ましい。

　上述の構成によれば、簡単な構造により、また複雑な組み立て作業を要さず、シート状頒布物を第一形態から第二形態へと組み立てることができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材が、視認することができる情報である可視情報を表示させる可視情報表示領域を有し、前記可視情報表示領域が、前記第一形態又は第二形態において視認することができる領域である視認領域のうち、前記第一形態及び前記第二形態の双方を通じて視認可能とされた第一視認領域を有することが望ましい。

　上述の構成によれば、第一視認領域に表示された可視情報が受取人に視認される機会を増加させることができる。すなわち、シート状頒布物の配布の際に加え、シート状頒布物が第二形態で利用される際においても、第一視認領域に表示された可視情報が受取人に視認される。これにより、第一視認領域に表示された可視情報を、受取人に対する接触機会を増加させることができる。その結果、第一視認領域に表示された可視情報の広告宣伝効果を高めることができる。

　上述した前記第一視認領域は、前記第二形態において外側に露呈するように配置されることが望ましい。

　上述の構成によれば、第一視認領域に表示された可視情報が受取人に視認される機会を増加させることができる。すなわち、シート状頒布物の配布の際に加え、シート状頒布物が第二形態で利用される際においても、第一視認領域に表示された可視情報が受取人に視認可能とされる。これにより、第一視認領域に表示された可視情報を、受取人に対する接触機会を増加させることができる。その結果、第一視認領域に表示された可視情報の広告宣伝効果を高めることができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記可視情報表示領域が、前記第一形態及び前記第二形態の双方を通じて視認することができる第一視認領域と、前記第二形態において隠れる第二視認領域とを備えていることが望ましい。

　上述の構成によれば、受取人に視認される頻度を高めようとする優先度の高い情報を第一伝達目的情報として第一視認領域に表示し、第一伝達目的情報と比較して優先度の低い情報を第二視認領域に表示させることができる。このように、本発明のシート状頒布物は、視認頻度に応じて優先度の高い情報を表示することができる。これにより、広告目的とされた製品等に関して、より多くの情報を優先度に応じて効率的に受取人に伝達することができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材の全部又は一部が、透光性を有する素材により構成されたものであり、前記シート状部材が、文字、図形、模様又は色彩のいずれかを少なくとも含む領域とされた絵柄領域を少なくとも一部に備え、前記シート状部材が、透光性を有する領域である透光領域を少なくとも一部に備え、前記第一形態又は前記第二形態のうちいずれか一方又は双方において、前記透光領域を通じて少なくとも一部の前記絵柄領域を視認可能であることが望ましい。

　上述の構成によれば、シート状頒布物にバリエーションに富んだ意匠を構成することができる。その結果、より効果的な広告宣伝効果が期待される。

　本発明のシート状頒布物は、前記絵柄領域の少なくとも一部が、前記第二形態において前記透光領域を通じて所定の方向から視認することができるものであり、前記絵柄領域には、文字、図形、模様又は色彩のうちの少なくともいずれかが含まれる絵柄が構成され、前記所定の方向から視認される前記絵柄領域に構成された絵柄が、前記所定の方向において前方に配置される絵柄である前方絵柄と、前記シート状部材の後方に配置される絵柄である後方絵柄とを含み、前記前方絵柄と、前記後方絵柄とが、前記所定の方向から視認した場合に、奥行きのある一つの意匠を構成することが望ましい。

　上述の構成によれば、シート状頒布物にバリエーションに富んだ意匠を構成することができる。また、上述の構成によれば、第一形態において視認される意匠と、第二形態において視認される意匠とを、異なる印象を生じるものとすることができる。例えば、第一形態において構成される意匠に対して、第二形態において奥行きのある立体感のある意匠を構成することができる。その結果、より効果的な販促効果が期待できる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材が二つ折りとされることにより、又は２以上の前記シート状部材が積層されることにより、層をなす前記シート状部材の間に挟持領域が形成され、前記シート状部材が、前記層をなすシート状部材の周囲のうち一部を連結することにより、書類を挟持領域に保持可能なクリアファイルとして利用可能であることが望ましい。

　上述の構成によれば、シート状頒布物を第一形態において書類保持用のクリアファイルとして利用することができる。これにより、さらにシート状頒布物の配布率を高めて効果的な宣伝効果を実現することができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材が二つ折りとされることにより、又は２以上の前記シート状部材が積層されることにより、層をなす前記シート状部材の間に挟持領域が形成され、前記シート状部材が、前記層をなすシート状部材の周囲のうち一部が開口するように連結されて袋状とされていることが望ましい。

　上述の構成によれば、シート状頒布物を第一形態において袋として利用することができる。これにより、さらにシート状頒布物の配布率を高めて効果的な宣伝効果を実現することができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材が二つ折りとされることにより、又は２以上の前記シート状部材が積層されることにより、層をなす前記シート状部材の間に挟持領域が形成され、前記シート状部材が、前記層をなすシート状部材の周囲のうち一部が開口するように連結されて袋状とされており、前記第一形態において袋として利用可能とされ、さらに前記第一形態において前記連結されている部分を切り離すことによりクリアファイルとして利用可能とされていることが望ましい。

　上述の構成によれば、シート状頒布物を第一形態において、袋として利用可能としつつ、さらにクリアファイルとして利用することができる。そのため、シート状頒布物を不特定多数の受取人に対して配布する場合において、配布率を高めることができる。さらに、多様な利用態様により、受取人に長期間利用されることが見込まれる。その結果、より長い期間に亘る広告宣伝効果の維持が期待される。

　ここで、近年、携帯電話機、スマートフォン、デジタル音楽プレイヤー、タブレット型端末等のような携帯型の端末が多数提供されており、これらの端末で音楽等を楽しむユーザも多い。これらの端末の多くは、携帯性を高めるべく内蔵されているバッテリーにより駆動させることが多い。

　スマートフォン等の携帯型端末の多くにおいては、イヤフォンやヘッドフォンを使用しなくても簡易に音楽等を楽しむことができるよう、小型のスピーカーが内蔵されている。しかしながら、スマートフォン等の端末で再生される音楽等を、さらに拡張させて再生したいという要望がある。かかる要望を満足すべく、コネクタに接続された携帯電子機器から受信したオーディオ信号を拡張してスピーカーから出力することができるものも提供されている。

　しかしながら、このようなスピーカー装置は、携帯電子機器を接続するためのコネクタやスピーカーを設ける必要がある分だけ装置構成が複雑であり、携帯電子機器と共に携行する用途には用いにくい。また、従来技術のスピーカー装置は、オーディオ信号を電気的に拡張してスピーカーから出力するものであるため、電源を別途必要とするという問題がある。また、上述したスマートフォン等の端末等の多くは、携帯可能なように内蔵バッテリーにより動作可能とされているが、そのバッテリー容量は端末自身を駆動させるだけでもさほど長持ちするものではない。そのため、端末の内蔵バッテリーの電力をオーディオ信号の拡張等のためにも用いることとすると、バッテリーにより端末を駆動可能な時間が大幅に減ってしまうという問題がある。

　このような問題に対応するため、本発明の発明者の鋭意検討の結果、シート状部材を所定の形状に形成することにより、電力を使用することなくスピーカーを備えた端末から出力される音声を拡張することができるとの知見に至った。

　上述した知見により提供される本発明のシート状頒布物は、前記第二形態が、前記シート状部材を組み立てることによりスピーカーを備えた末端から出力される音声を拡張させるための音声拡張装置として使用可能なものであり、前記シート状部材が、屈曲されることにより筒状部を形成可能とされ、前記シート部材には、前記第二形態においてスピーカーを備えた端末を差し込み可能な端末差込口が、前記筒状部の軸線方向中間部に形成され、前記第二形態において、前記端末差込口に前記端末を差し込むことにより、前記端末において前記スピーカーが設けられた部位が前記筒状部の内側に到来することを特徴とするものである。

　上述の構成により、本発明のシート状頒布物は、シート状部材を用いて組み立てることによりスピーカーを備えた端末から出力される音声を拡張させるための音声拡張装置として使用することができる。そのため、本発明のシート状頒布物は、シート状部材の状態で持ち運び、使用したい場所において組み立てることにより音声拡張装置として使用できる。従って、本発明のシート状頒布物は、携帯性に優れている。

　また、本発明のシート状頒布物は、電源を使用する必要がない。そのため、使用に際して別途電源を準備したり、端末のバッテリーを使用する必要がない。そのため、本発明のシート状頒布物は、電源が使用できない屋外や、バッテリー容量が十分でない端末において音声を拡張するために好適に利用することができる。

　また、本発明のシート状頒布物は、シート状部材を丸め構成された筒状部に設けられた端末差込口にスピーカーを備えた端末を差し込むことが可能である。また、端末差込口に端末を差し込むことにより、端末に設けられたスピーカーに相当する部位が、筒状部の内側に到来した状態になる。そのため、端末を作動させてスピーカーから音声を発生させると、筒状部において音声の指向性増強や共鳴等の効果により音声が拡張される。

　さらに、本発明のシート状頒布物は、筒状部の軸線方向中間部に差込口形成領域が形成されている。そのため、スピーカーにおいて発生した音声を、端末の両脇に向けて分配して伝播させることができる。従って、本発明のシート状頒布物によれば、端末のスピーカーで発生した音声を、ステレオ方式の如く再生させることができる。

　上述した本発明のシート状頒布物は、前記端末差込口に差し込まれた前記端末が、前記筒状部の内周面に対して線接触するものであることが望ましい。

　かかる構成とした場合、端末差込口に差し込んだ状態において端末本体の底面となる部分あるいはその近傍にスピーカーが設けられた構造の端末を使用した場合であっても、スピーカーが筒状部の内周面によって完全に閉塞されてしまうことを抑制できる。これにより、端末のスピーカーからクリアに音声を発生させることが可能となる。

　上述した本発明のシート状頒布物は、前記筒状部を設置対象物の設置面上に設置して使用されるものであり、前記端末差込口に差し込まれた前記端末の姿勢が、前記設置面の法線に対して傾斜した状態になるようにガイドする端末ガイド部を有するものであることが望ましい。

　本発明のシート状頒布物においては、端末差込口に差し込まれた端末が端末ガイド部によってガイドされ、傾斜した姿勢になる。そのため、端末差込口に端末を差し込むことにより、端末が筒状部の内周面に対して線接触した状態になる。これにより、使用する端末が端末本体の底面あるいはその近傍にスピーカーが設けられた構造ものであったとしても、スピーカーが筒状部の内周面によって閉塞されてしまうことを抑制できる。従って、本発明によれば、端末のスピーカーから発生する音声をクリアな状態で拡張可能な組立式音声拡張装置としてシート状頒布物を提供できる。

　上述した本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材に、前記端末差込口の形成用として差込口形成領域が設けられており、前記端末差込口を構成する縁のうち、前記筒状部の軸線方向に延びる一の縁Ａを除く他の縁に該当する部位に切れ目が形成されており、前記縁Ａが稜線をなすように前記差込口形成領域を前記筒状部の内側に押し込むこと、あるいは前記差込口形成領域を前記筒状部の外側に引き出すことにより前記端末ガイド部が形成されるものとすることが可能である。

　本発明のシート状頒布物では、シート状部材を筒状部の内側あるいは外側に切り起こすことにより端末差込口を形成すると共に、切り起こすことで形成された切り起こし片を端末ガイド部として利用することができる。そのため、本発明のシート状頒布物においては、端末ガイド部を形成するための別途の構成を設ける必要が無く、シンプルな構成とすることができる。

　上述した本発明のシート状頒布物は、前記筒状部を構成した状態を維持可能なように前記シート状部材を固定する固定部を有し、前記筒状部を設置対象物の設置面上に設置した状態において、前記シート状部材の一端側に、前記固定部による固定位置を越えて前記設置面に到達するように形成された設置面到達部が設けられているものであることが望ましい。

　かかる構成とした場合、第二形態とされたシート状頒布物を設置対象物に設置すると、筒状部だけでなく設置面到達部においても設置面に当接した状態になる。そのため、第二形態とされた本発明のシート状頒布物は、設置状態における安定性が高い。

　また、上述した本発明のシート状頒布物は、前記筒状部を構成した状態を維持可能なように前記シート状部材を固定する固定部を有し、前記シート状部材が、弾性力を有する素材によって形成されており、前記筒状部の軸線方向の一部の領域において前記シート状部材が前記固定部によって固定され、他の領域においては前記シート状部材が非固定状態とされているものとすることが可能である。

　かかる構成とした場合、シート状部材を屈曲させて筒状部を構成した場合に、シート状部材には弾性力により元の状態に戻ろうとする力が作用する。固定部により固定された部分においては、シート状部材の弾性力に反して固定力が作用するが、非固定の部分については弾性力によりシート状部材が筒状部から離れる方向に撓んだ状態になる。本発明のシート状頒布物の第二形態においては、筒状部の軸線方向の一部において固定部が設けられているが、他の部分については非固定とされている。そのため、シート状部材の一端側において、固定部による固定位置を越える領域に形成された設置面到達部の一部（非固定の部分）が筒状部から離れる方向に張り出した状態になる。本発明のシート状頒布物の第二形態においては、このようにして張り出した部分が、筒状部を支えるための脚として機能し、設置状態における安定性をさらに向上させうる。

　上述した本発明のシート状頒布物は、前記設置面到達部の一部の領域が、他の領域よりも大きく撓んで前記筒状部から離れた状態になるものであることが好ましい。

　本発明のシート状頒布物の第二形態においては、設置面到達部の一部の領域が、他の領域よりも大きく撓んで筒状部から離れた状態になるため、この張り出し部分が筒状部を支えるための脚として機能する。従って、本発明によれば、設置状態における安定性に優れた組立式音声拡張装置としてシート状頒布物を提供することができる。

　上述した本発明のシート状頒布物は、前記筒状部を構成した状態を維持可能なように前記シート状部材を固定する固定部が、前記シート状部材に一体的に形成されているものであることが望ましい。

　かかる構成によれば、固定部を形成するための部材を別途準備する必要がなく、第二形態とされたシート状頒布物をより一層シンプルなものとすることが可能である。

　ここで本発明者らが鋭意検討したところ、端末差込口に端末を差し込んだ状態において端末の側方に筒状部の内部空間に連通した隙間が形成されている方が、隙間がない場合よりも音質や音響効果が向上するとの知見を得た。

　かかる知見に基づいて提供される本発明のシート状頒布物は、前記端末差込口に前記端末を差し込んだ状態において、前記端末の側方に前記筒状部の内部空間に繋がる隙間が形成されるものである。

　かかる構成とすることにより、端末差込口に差し込んだ端末において発生する音質や音響効果の向上が期待できる。

　上述した本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材が、他部材と組み合わされており、前記他部材から分離させた前記シート状部材を用いて組み立てることにより前記音声拡張装置として使用可能なものとすることが可能である。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材には、前記第二形態において屈曲させて変形可能とされた支持脚形成領域が設けられたものであり、前記第二形態において、前記支持脚形成領域が前記筒状部の外側に向くよう配置され、前記筒状部を支持する支持脚が形成されることが望ましい。

　上述の構成により、シート状頒布物の第二形態において、携帯型の端末をより安定して保持することができる。特に、シート状頒布物の筒状部を外形の小さいものとする場合において、好適に端末を支持することができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記筒状部を構成した状態を維持可能なように前記シート状部材を固定する固定部を有し、前記筒状部を設置対象物の設置面上に設置した状態において、前記シート状部材の一端側に、前記固定部による固定位置を越えて前記設置面に到達するように形成された設置面到達部が設けられ、前記支持脚形成領域が、前記設置面到達部の一部に設けられ、前記第二形態において、前記支持脚形成領域が前記筒状部の外側に向くよう配置され、前記筒状部を支持する支持脚が形成されるものであり、前記シート状部材の前記設置面到達領域が設けられた側とは反対側の端部を内側縁部とした場合に、前記筒状部形成領域が前記筒状部を形成した状態において、前記筒状部の内側において前記内側縁部が前記支持脚形成領域を覆う位置まで到達することが望ましい。

　上述の構成により、シート状頒布物の第二形態において、端末をより安定して支持可能する支持脚を設けつつ、かつ、筒状部の筒形状を維持することができる。これにより、筒状部が径の小さいものとして形成される場合であっても、端末を安定して支持しつつ、音声拡張装置としての機能を維持することができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材には、前記端末から発せられる音声を前記筒状部の内側から外側へと漏出させる前面孔が設けられることが望ましい。

　上述の構成により、第二形態において筒状部内で反響する音声を正面側に漏出させることができる。また、筒状部の下方に前面孔を配置することにより、低音の音響効果を増強させる効果が期待できる。

　本発明のシート状頒布物は、所定の切断経路で前記シート状部材を切断するための切れ目が前記シート状部材に設けられており、前記切れ目が前記切断経路の途中において一又は複数箇所において不連続とされていることが望ましい。

　上述したようにシート状部材に切れ目を入れておくことにより、ハサミやカッターなどの道具を用いることなく所定の切断経路で容易にシート状部材を切断し、シート状部材の一部を切り起こしたり切り欠いたりする等の作業を行える。そのため、本発明のシート状頒布物は、シート状部材を手軽に加工できる。また、本発明のシート状頒布物は、切断経路に設けられた切れ目の途中に不連続箇所が設けられている。このような不連続箇所を設けることにより、使用者が意図的に不連続箇所を切断しない限り、前述の切断経路でシート状部材が切断された状態にはならない。そのため、前述した不連続箇所は、シート状部材において切れ目を境界として隣接する一方側の領域が他方側の領域から遊離するのを抑制する切込保持部として機能する。このような不連続箇所を設けることにより、第一形態においてシート状部材が予期せず切り起こされたり、切り欠かれたりしてしまうのを回避し、平面形状を保持できる。

　ここで、例えばシート状頒布物を重ねて準備しておき、表面側のものから一枚ずつスライドさせながら頒布する場面を想定すると、表面側から一枚目のシート状頒布物をスライドさせる際に、一枚目のシート状頒布物が二枚目のシート状頒布物の切れ目が設けられた箇所に引っかかるケースが想定される。もし仮に上述した切断経路の切れ目の不連続箇所を設けていなければ、一枚目のシート状頒布物が二枚目のシート状頒布物の切れ目の箇所に引っかかると、二枚目のシート状部材が切れ目の部分において切り起こされた状態になるなどしてシート状頒布物をスムーズに頒布できない状態になる等の問題が生じる懸念がある。しかしながら、本発明のシート状頒布物は、切断経路の途中で切れ目が不連続となるように形成されているため、このような問題が生じにくい。従って、本発明のシート状部材は、効率よく円滑にシート状頒布物を配布することができる。また、シート状頒布物を受取人のバッグ等に収容する場合において、他の収容物と凸状部が引っ掛かることを抑制することができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材が、前記第一形態において矩形の平面形状とされたものであり、前記シート状部材の外形がＡ４サイズであることが望ましい。

　上述の構成によれば、シート状頒布物を効率の良い丁付けで製造することができる。また、シート状頒布物をビジネスバッグ等のバッグに好適に収容することができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材が、前記第一形態において矩形の平面形状とされたものであり、前記シート状部材の長辺が延びる方向又は短辺が延びる方向のうちいずれか一方をＸ方向として他方をＹ方向とし、さらにＡ４サイズの長辺の長さをＬ１としてＡ４サイズの短辺の長さをＬ２とした場合に、前記シート状部材のＸ方向又はＹ方向の辺のうち一方又は双方の長さがＬ２とされ、他方の辺の長さがＬ１以下であることが望ましい。

　上述の構成によれば、シート状頒布をひとまわり小さいサイズとしつつ、丁付け良く製造することができる。また、シート状頒布物を上述のサイズとすれば、ビジネスバッグ等に好適に収容することができるほか、ひとまわり小さいサイズのバッグにも収容することができる。

　本発明のシート状頒布物は、前記シート状部材に所定の絵柄が付されたものであり、前記所定の絵柄の輪郭の一部に沿うように切れ目が設けられ、前記第二形態において、前記切れ目に囲まれた領域の端部が、前記切れ目を境界として隣接する前記シート状部材の他の領域から離反して、突出するような姿勢となることが望ましい。

　上述の構成によれば、受取人との接触機会を増やそうとする可視情報を、より際立つ意匠として構成することができる。

　本発明の筒状頒布物は、長手方向の一端側及び他端側の双方を開放可能とされた中空の筒体を形成する筒状部を有し、内部に収容対象物を収容するケースとしての第一形態と、携帯型の端末を所定の姿勢に維持して保持可能とされた第二形態とにより利用可能とされたことを特徴とするものである。

　本発明の筒状頒布物によれば、収容ケースとして、好適に用いることができる。

　ところで、一般的な商品を収容する外装ケースは、商品が取り出された後には廃棄される可能性が高い。その一方で、近年では、携帯電話機やスマートフォン等、携帯型の端末の普及率が高まり、ユーザーの日常生活に欠かせないものとなっている。また、このような携帯型の端末は、メールや電話の着信有無得を確認するために日常的に視認されるものであり、ユーザーが視認する機会や頻度も多い。

　上述のとおり、本発明の筒状頒布物は、第二形態において携帯電話機やスマートフォン等の携帯型の端末を、所定の姿勢に保持するために利用することができる。これにより、メールや電話の着信有無等を確認するために受取人が端末を視認する度に、本発明の筒状頒布物も視認されることとなる。すなわち、筒状頒布物から収容物が取り出されて一定期間が経過した後にも、筒状頒布物に表示された広告内容への受取人の接触機会を確保することができる。その結果、筒状頒布物に表示された内容の広告宣伝効果を高める効果が期待される

　このように、本発明の筒状頒布物によれば、第一形態において収容対象物を収容する外装ケースとして用いられ、第二形態において受取人の端末を保持するために利用されることにより、第一形態及び第二形態を通じて表示された情報への受取人の接触機会を高めることが可能となる。これにより、筒状頒布物の配布率を高めつつ、かつ、広告内容の効率的な伝達を実現することができる。

　このような問題に対応するため、本発明の発明者の鋭意検討の結果、筒状部材に携帯型の端末を差し込むような形状により、電力を使用することなくスピーカーを備えた端末から出力される音声を拡張することができるとの知見に至った。

　上述した知見により提供される本発明の筒状頒布物は、前記第二形態において、スピーカーを備えた末端から出力される音声を拡張させるための音声拡張装置として使用可能なものであり、前記筒状部には、前記第二形態においてスピーカーを備えた端末を差し込み可能な切り込みあるいは切り抜きとされた端末差込口が形成され、前記第二形態において、前記端末差込口に前記端末を差し込むことにより、前記端末において前記スピーカーが設けられた部位が前記筒状部の内側に到来することを特徴とする。

　上述の構成により、本発明の筒状頒布物は、スピーカーを備えた端末から出力される音声を拡張させるための音声拡張装置として使用することができる。そのため、本発明の筒状頒布物は、外装ケースとしての形態で持ち運び、使用したい場所において音声拡張装置として使用できる。従って、本発明の筒状頒布物は、携帯性に優れている。

　また、本発明の筒状頒布物は、電源を使用する必要がない。そのため、使用に際して別途電源を準備したり、端末のバッテリーを使用する必要がない。そのため、本発明の筒状頒布物は、電源が使用できない屋外や、バッテリー容量が十分でない端末において音声を拡張するために好適に利用することができる。

　また、本発明の筒状頒布物は、筒状部に設けられた端末差込口にスピーカーを備えた端末を差し込むことが可能である。また、端末差込口に端末を差し込むことにより、端末に設けられたスピーカーに相当する部位が、筒状部の内側に到来した状態になる。そのため、端末を作動させてスピーカーから音声を発生させると、筒状部において音声の指向性増強や共鳴等の効果により音声が拡張される。

　さらに、本発明の筒状頒布物は、筒状部の軸線方向中間部に差込口形成領域が形成されている。そのため、スピーカーにおいて発生した音声を、端末の両脇に向けて分配して伝播させることができる。従って、本発明の筒状頒布物によれば、端末のスピーカーで発生した音声を、ステレオ方式の如く再生させることができる。

　本発明の筒状頒布物は、前記筒状部の長手方向の一端側及び他端側のうちの少なくとも一方に、前記筒状部の開口を開放及び閉塞可能とされた閉塞部が設けられ、前記閉塞部が、前記筒状部の開口に対して連結されるものであり、前記閉塞部が、前記筒状部の開口を開放するように配置された状態において、前記筒状部を支持する支持脚として機能することが望ましい。

　上述の構成によれば、第二形態において筒状頒布物を設置対象物に設置すると、筒状部だけでなく閉塞部においても設置面に当接した状態になる。そのため、第二形態とされた本発明の筒状頒布物は、設置状態における安定性が高い。

　本発明によれば、配布時の際の効率やコストの課題を解決しつつ、かつ、受取人に視認される機会や頻度を確保することができるシート状頒布物を提供することができる。

本発明の第一実施形態に係るシート状頒布物の第二形態を示す斜視図である。図１に示したシート状頒布物のシート状部材を示す平面図である。図１の要部を拡大した斜視図である。図１に示したシート状頒布物の第二形態における平面図である。図１に示したシート状頒布物の第二形態における断面図である。図１に示したシート状頒布物の可視情報表示領域を示している。（ａ）はシート状部材の表面を示す平面図、（ｂ）はシート状部材の裏面を示す平面図、（ｃ）は第二形態とされたシート状頒布物を示す斜視図である。図１に示したシート状頒布物の切込保持部を示している。（ａ）は差込口形成領域に設けられた切込保持部を示す要部拡大図、（ｂ）は係合部に設けられた切込保持部を示す要部拡大図である。本発明の第二実施形態に係るシート状頒布物の第一形態を示す平面図である。（ａ）は外観全体を示す平面図、（ｂ）は長辺及び短辺の長さを示す参考図である。図８のシート状頒布物の第二形態を示す斜視図である。（ａ）は図８のシート状頒布物に設けられる絵柄を示す平面図、（ｂ）は図１０（ａ）のＡ－Ａ’断面図である。（ａ）は図８のシート状頒布物の第二形態において構成される意匠を示す概念図、（ｂ）は図１１（ａ）のＢ－Ｂ’断面図である。本発明の第三実施形態に係るシート状頒布物を示している。（ａ）は第一形態における平面図、（ｂ）は図１２（ａ）のＣ－Ｃ’断面図である。図１２のシート状頒布物の第二形態において構成される意匠を示す斜視図である。本発明の第四実施形態に係るシート状頒布物の第一形態を示す斜視図である。図１４のシート状頒布物のシート状部材の展開図である。図１４のシート状頒布物の第二形態における正面図である。（ａ）は図１６のＤ－Ｄ’断面図、（ｂ）は図１６のＥ－Ｅ’断面図である。本発明の第五実施形態に係るシート状頒布物の第一形態を示す斜視図である。図１８のシート状頒布物のシート状部材の展開図である。図１８のシート状頒布物の第二形態における断面図である。図１８のシート状頒布物に構成される意匠を示している。（ａ）はシート状部材の展開図、（ｂ）は図２１（ａ）のＦ－Ｆ’断面図である。図１８のシート状頒布物に構成される意匠を示す分解斜視図である。本発明の第六実施形態に係るシート状頒布物の第一形態を示す平面図である。図２３のシート状頒布物の第二形態を示す斜視図である。（ａ）は正面側を示す斜視図、（ｂ）は背面側を示す斜視図である。図２３のシート状頒布物の第二形態における断面図である。本発明のシート状頒布物の第一の変形例を示している。（ａ）は第一形態における平面図、（ｂ）は第二形態における断面図である。本発明のシート状頒布物の第二の変形例を示している。（ａ）は第一形態における平面図、（ｂ）は第二形態における断面図である。本発明の第七実施形態に係る筒状頒布物を示す斜視図である。図２８の筒状頒布物を示している。（ａ）は平面図、（ｂ）は断面図である。

　以下、本発明のシート状頒布物及び筒状頒布物の各実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。

＜第一実施形態＞
　本発明の第一実施形態に係るシート状頒布物１０は、複数の切れ目等が設けられ、平面視において略矩形の外観とされたシート状部材２０を有している。シート状頒布物１０は、シート状部材２０が平面的な形状をなす第一形態と、シート状部材２０が屈曲あるいは折り曲げられて組み立てられ、立体的な形状をなす第二形態とを形成可能とされている。

　本実施形態におけるシート状頒布物１０は、商品「ＡＢＣ」の広告宣伝用の販促物とされている。シート状頒布物１０は、商品「ＡＢＣ」の発売を告知する旨及び商品「ＡＢＣ」の詳細を受取人に対して伝達するために配布される。

　シート状頒布物１０は、第一形態においてシート状の配布物として好適に配布することができる。また、本実施形態におけるシート状頒布物１０は、第二形態において、スマートフォンや携帯電話機、デジタル音楽プレーヤー、タブレット端末等のような携帯型の端末９０を所定の姿勢で保持することができる。また、本実施形態におけるシート状頒布物１０は、端末９０を所定の姿勢で保持した状態で、音声拡張装置として利用することができる。

　第二形態とされたシート状頒布物１０は、図１に示すような外観形状を有するものである。シート状頒布物１０は、図２に示すような矩形状のシート状部材２０を屈曲させて組み立てることにより、音声拡張装置として利用可能な状態となる。シート状頒布物１０は、第二形態において、スマートフォンや携帯電話機、デジタル音楽プレイヤー、タブレット型端末等のような携帯型の端末９０のスピーカー９１から出力される音声を拡張させることができる。第二形態とされたシート状頒布物１０は、机や台などの設置対象物９２の設置面９４上に設置した状態で使用することができる。

　以下の本発明の第一実施形態に係るシート状頒布物１０の説明において、先ず図２を参照しつつ第一形態における形状をもとに各構成について説明し、次いで図１等を参照しつつ第二形態における各構成の機能について説明し、その次に図６等を参照してシート状頒布物１０に表示される情報について説明する。

　図２は、第一形態とされたシート状頒布物１０を示す平面図である。図２に示すとおり、シート状頒布物１０は、平面視において略矩形の形状とされたシート状部材２０を有している。

　シート状部材２０は、シート状の素材から構成される部材である。シート状部材２０は、湾曲や折り曲げ等、屈曲可能とされたものであればいかなる素材により構成されていてもよい。また、シート状部材２０は、透光性を有するものであってもよいし、あるいは、透光性を有しない素材により構成されていてもよい。シート状部材２０は、例えばポリプロピレンやＰＥＴ樹脂等の樹脂素材、あるいは紙等の素材により構成することができる。本実施形態では、シート状部材２０の材質としてポリプロピレンであって、透光性を有しないものが採用されている。シート状部材２０は、シート状頒布物１０を第二形態において音声拡張装置として機能させようとする場合には、音が籠るのを防止する等の観点から、樹脂素材により構成されることが望ましい。

　本実施形態におけるシート状部材２０は、平面視において概ねＡ４サイズの外形とされている。また、本実施形態におけるシート状部材２０は、後に詳述する可視情報表示領域７０が設けられ、印刷が施されたものとされている。シート状頒布物１０は、シート状部材２０を一般的な印刷物のサイズであるＡ４サイズとすることにより、効率の良い丁付けにより製造コストを抑制して製造することができる。また、シート状頒布物１０は、シート状部材２０を概ねＡ４サイズの大きさとすることで、折り曲げたりすることなく一般的なビジネスバッグや手提げ袋等に収容することができる。これにより、シート状頒布物１０は、受取人の手持ちのバックに収容されて、廃棄されずに持ち帰られることが期待される。このように、シート状頒布物１０は、広告宣伝用、あるいは販促用の配布物として好適に頒布することができる。

　図２に示すように、シート状部材２０には、第二形態とされたシート状頒布物１０の主要部をなす筒状部３０が形成される筒状部形成領域２２と、固定部５０が形成される固定部形成領域２４と、設置面到達部６０が形成される設置面到達部形成領域２６とが設けられている。また、シート状部材２０には、視覚を通じて視認可能とされた可視情報を表示するための可視情報表示領域７０が設けられている。

　以下、各構成について説明する。なお、以下において、必要に応じて固定部形成領域２４の一方側を「固定部形成領域２４ａ」と称し、他方側を「固定部形成領域２４ｂ」とも称する。

　シート状部材２０のうち、固定部形成領域２４ａ，２４ｂの間に存在する領域は、筒状部形成領域２２とされている。また、固定部形成領域２４ａ，２４ｂのうち一方側に対してさらにシート状部材２０の幅方向外側の領域が、設置面到達部形成領域２６とされている。具体的には、設置面到達部形成領域２６は、固定部形成領域２４ａ，２４ｂのうち、後に詳述する係合部５２が設けられる固定部形成領域２４ａ側に設けられている。

　筒状部形成領域２２は、シート状頒布物１０の第二形態において、後述する筒状部３０を構成する領域である。筒状部形成領域２２には、端末差込口３２及び端末ガイド部４０を形成するための差込口形成領域２８が設けられている。図１等に示すように、筒状部形成領域２２を屈曲させた状態で後に詳述する固定部５０により固定することで、筒状部３０と後述する設置面到達部６０を形成可能とされている。

　差込口形成領域２８は、４つの縁Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄに取り囲まれた略矩形の輪郭をなす領域である。差込口形成領域２８を構成する４つの縁Ａ～縁Ｄのうち、筒状部３０の軸線方向に延びる縁Ａを除く他の縁Ｂ～Ｄに該当する部位は、シート状部材２０に対する切り込みとされた切れ目２９ａとして形成されている。なお、縁Ａ～縁Ｄに囲まれた領域に位置するシート片は、第二形態とされたシート状頒布物１０において、後述する端末ガイド部４０として機能する。また、切れ目２９ａには、後述する切込保持部６２が設けられている。

　固定部５０は、シート状頒布物１０の第二形態を維持可能なようにシート状部材２０を固定するためのものである。固定部５０は、係合部５２と被係合部５４との組み合わせにより構成される係合構造５５を複数（本実施形態では２つ）備えている。固定部５０を構成する係合部５２及び被係合部５４は、いずれもシート状部材２０に形成されている。すなわち、固定部５０は、シート状部材２０に一体的に形成されている。

　図２に示すように、係合部５２は、シート状部材２０の幅方向一端側に設けられた固定部形成領域２４ａに設けられている。係合部５２は、固定部形成領域２４ａに設けられた切れ目５６に沿ってシート状部材２０の一部を切り起こすことにより形成される凸状の部分である。係合部５２を構成するための切れ目５６は、シート状部材２０の長手方向両端近傍に一箇所ずつ形成されている。また、切れ目５６には、後述する切込保持部６２が設けられている。

　被係合部５４は、固定部形成領域２４ｂに設けられた切れ目５８によって構成されている。切れ目５８は、係合部５２をなす凸状部を形脱可能なように形成されている。また、切れ目５８は、シート状部材２０の長手方向両端近傍に一箇所ずつ形成されている。各切れ目５８は、係合部５２をなす２つの凸状部にそれぞれ対応する位置に形成されている。

　切込保持部６２は、シート状頒布物１０の第一形態において、固定部形成領域２４や差込口形成領域２８をなすシート状部材２０の一部が、シート状部材２０の他の領域やその他の物品と引っ掛からないようにするために設けられている。より具体的には、切込保持部６２は、シート状部材２０に設けられた切れ目２９ａ，５６等の経路に隔てられた領域のシート状部材２０を、切れ目２９ａ，５６等の経路を境界として隣接するシート状部材２０の他の領域から遊離しないように保持するために設けられている。

　図７に示すとおり、切込保持部６２は、切れ目２９ａ，５６等を構成する経路の一部を途切れさせるようにして設けられている。すなわち、切れ目２９ａ，５６等が、所定の切断経路でシート状部材２０を切断するためのものとして設けられているのに対し、切込保持部６２は、切れ目２９ａ，５６等が切断経路の途中において一又は複数箇所において不連続となる箇所を設けることにより使用者が意図的に切断しない限りシート状部材２０が切断されないように形成されている。また、切込保持部６２は、切れ目５６等の各切れ目に対して所定の間隔で複数箇所に設けられている。具体的には、切れ目２９ａには３つの切込保持部６２が設けられ（図７（ａ）参照）、図７切れ目５６には３つの切込保持部６２が設けられている（図７（ｂ）参照）。切れ目５６に設けられた切込保持部６２は、切れ目５６を構成する略「コの字状」の経路の一部を途切れさせるように、経路の屈曲部分及び最も長い直線的な経路の中途に設けられている。これにより、シート状頒布物１０は、第一形態において切れ目５６に囲まれたシート状部材２０の凸形状をなす領域が、切れ目５６の経路を境界として隣接するシート状部材の他の領域から遊離しないように保持することができる。また、切れ目２９ａも同様に、切れ目２９ａを構成する略「コの字状」の経路の一部を途切れさせるように切込保持部６２が設けられている。

　なお、切込保持部６２は、シート状部材２０の切れ目５６等により隔てられた領域の一方又は双方を押圧することで、簡単に分離可能な長さとされることが望ましい。例えば、切込保持部６２は、切れ目５６等を途切れさせる途切れ部分として、０．２ｍｍ～５．０ｍｍ程度の長さとすることができる。また、切込保持部６２の長さや設けられる部分は、切れ目の形状や大きさによって適宜選択することができる。また、切込保持部６２は、切れ目の経路が凸形状をなす場合に、当該切れ目に対して設けられることが望ましい。なお、切込保持部６２は、切れ目の経路が凸形状をなすものでない場合に、当該切れ目に設けてもよい。例えば、切れ目の経路が長く直線的なものに設けてもよい。

　シート状頒布物１０は、切れ目５６等に切込保持部６２を設けることにより、切れ目５６に囲まれたシート状部材２０の領域を、切れ目５６の経路により隔てられた領域のシート状部材２０に保持することができる。これによりシート状頒布物１０は、第一形態において係合部５２や差込口形成領域２８の凸形状が意図せずに切り起こされることを抑制することができる。その結果、シート状頒布物１０の平面形状を好適に維持することができる。

　例えば、重ねて準備された複数のシート状頒布物１０を不特定多数の受取人に対して１枚ずつ配布する際に、切れ目２９ａ，５６の経路に囲まれた領域が凸形状をなす差込口形成領域２８や係合部５２等が遊離して、シート状部材２０のいずれかの部分に引っ掛かることを抑制することができる。これにより、シート状頒布物１０の配布作業を円滑に行うことができる。また、受取人がシート状頒布物１０をバッグ等の中に収容しようとする場合においても、シート状頒布物１０は切込保持部６２により係合部５２等が遊離することを抑制して、シート状頒布物１０とバッグの中の他の収容物とが引っ掛かることを抑制することができる。

　続いて、シート状頒布物１０を第二形態として形成する手順、及びシート状頒布物１０の第二形態における機能について以下詳細に説明する。

　図１に示すとおり、筒状部形成領域２２は、シート状頒布物１０の第二形態においてシート状部材２０の筒状部形成領域２２を屈曲させて筒状にすることにより、筒状部３０として形成される。筒状部３０は、断面形状が矩形や多角形のものとして形成されるものであっても良いが、本実施形態ではシート状部材２０を丸めることにより、断面形状が円形あるいは楕円形になるように形成されている。また、筒状部３０は、内部空間が略中空とされ、両端が解放された形状とされている。筒状部３０は、後に詳述する固定部５０によってシート状部材２０を固定することにより、形状が維持されている。

　図１や図５等に示すように、シート状頒布物１０を組み立てる場合には、シート状部材２０を、被係合部５４が形成された固定部形成領域２４ｂ側が筒状部３０の内側となり、係合部５２が形成された固定部形成領域２４ａ側が筒状部３０の外側となるようにシート状部材２０を幅方向に湾曲させるように変形させて、筒状部３０を形成させる。すなわち、筒状部３０を形成する場合には、固定部形成領域２４ｂの外側に固定部形成領域２４ａが重なった状態になる。そのため、ユーザーがシート状頒布物１０を組み立てて第二形態とする場合には、筒状部形成領域２２を屈曲させた（丸めた）状態として片手で押さえておき、他方の手で固定部形成領域２４ａにある切れ目５６に沿って係合部５２を切り起こし、固定部形成領域２４ｂにおいて切れ目５８により形成された被係合部５４に差し込むことにより、筒状部３０を構成した状態を維持可能なようにシート状部材２０を固定することができる。

　図１や図４に示すように、第二形態とされたシート状頒布物１０は、筒状部３０の軸線方向中間部（本実施形態では略中央部）に端末差込口３２が形成される。より具体的には、シート状部材２０の筒状部形成領域２２を筒状部３０として形成した上で、縁Ａに相当する部分に稜線２９ｂが形成されるように差込口形成領域２８を筒状部３０の内側に押し込むと、端末差込口３２が形成される。また、図１や図５に示すように、差込口形成領域２８に相当する部分は、縁Ａ（稜線２９ｂ）を基端部として片持ち状に支持された状態となり、後に詳述する端末ガイド部４０として機能する。

　図１や図４に示すように、端末差込口３２の開口幅Ｗ１、すなわち筒状部３０の長手方向への開口領域の長さは、使用が想定されるスマートフォン等の端末９０の平均的な幅Ｗ２よりも大きい。開口幅Ｗ１は、端末９０の幅Ｗ２に対して１ｃｍ～５ｃｍ程度大きいことが望ましく、１．５～３ｃｍ程度大きいことがさらに好ましい。この程度の大きさの開口幅Ｗ１とした場合は、端末差込口３２に端末９０を差し込んだ状態において端末９０の両脇に筒状部３０の内部に繋がる隙間３４，３４が形成される。この隙間３４，３４を設けることにより、端末差込口３２への端末９０の差し込みが容易になるだけでなく、音質や音響効果の向上が期待できる。

　図５に示すように、端末ガイド部４０は、端末差込口３２に差し込まれる端末９０が倒れ込まないように支持するためのガイドである。端末ガイド部４０によって端末９０を支持すると、端末９０は、設置面９４の法線Ｎに対して傾斜した状態になる。言い換えれば、端末ガイド部４０は、差込口形成領域２８の縁Ａ側（以下、「背面側」とも称す）から、縁Ａに対向する縁Ｃ側（以下、「正面側」とも称す）に向かうに連れて下り勾配となるように形成されている。そのため、端末差込口３２に端末９０を差し込むと、端末９０は、第二形態とされたシート状頒布物１０の背面側から正面側に向けて下り勾配となるように傾いた姿勢になる。これにより、端末９０の底面９０ａ側の部位が筒状部３０の内周面３０ａに対して線接触した状態になる。従って、使用する端末９０が、スピーカー９１で発生する音声を底面９０ａ側から出力可能なものであったとしても、底面９０ａ全体が筒状部３０の内周面３０ａに面接触して閉塞されることを抑制できる。

　第二形態とされたシート状頒布物１０の端末差込口３２に対して端末９０を差し込むと、端末９０は長手方向が法線Ｎに対して傾斜した姿勢で保持される。この状態において、端末９０の液晶画面が鉛直方向に対して傾斜した状態となり、端末９０の液晶画面を視認しやすくなる。

　図４に示すように第二形態とされたシート状頒布物１０を差込口形成領域２８側から平面視すると、固定部５０による固定位置は、シート状頒布物１０の背面側（差込口形成領域２８の縁Ａ側）の領域に位置している。また、図５に示すようにシート状頒布物１０を筒状部３０の両端部（開口端）側から側面視すると、固定部５０による固定位置は、筒状部３０の軸心位置の高さと同等あるいはそれ以下の領域に位置している。

　固定部５０は、筒状部３０の軸線方向の一部の領域においてのみシート状部材２０を固定し、他の領域においてはシート状部材２０が非固定状態とされる。すなわち、シート状頒布物１０の組み立てに際し、固定部５０は、係合部５２及び被係合部５４が設けられているシート状部材２０の長手方向両端近傍（筒状部３０の軸線方向両端近傍）においてのみシート状部材２０を固定し、他の部分においてはシート状部材２０を固定しない。ここで、シート状部材２０は、可撓性を有する素材により形成されており、筒状部３０を構成するために屈曲させると元の平坦な状態に戻る方向に弾性力を発揮するものである。そのため、図４に示すように、シート状頒布物１０の第二形態において、固定部５０により固定されていない領域については、固定されている領域よりも筒状部３０から離れる方向に撓んだ状態になる。

　設置面到達部６０は、シート状部材２０に設けられた設置面到達部形成領域２６によって構成される部分である。上述したように、設置面到達部形成領域２６は、シート状部材２０において幅方向一端側に設けられた固定部形成領域２４ａに対し、さらに幅方向外側に設けられた領域である。また、上述したように、固定部形成領域２４ａ側の端部は、シート状頒布物１０を組み立てるためにシート状部材２０を巻き回す際に、固定部形成領域２４ｂ側の端部に対して外側に重なる部分である。そのため、図１や図５に示すように、設置面到達部６０は、シート状頒布物１０の背面側において、固定部５０によるシート状部材２０の固定位置を越えて突出した状態になる。また、設置面到達部６０は、端末差込口３２が上方に向けて開口するようにシート状頒布物１０を設置面９４上に設置することにより、設置面９４に到達するように形成されている。そのため、シート状頒布物１０を設置面９４上に設置すると、筒状部３０だけでなく、設置面到達部６０においても設置面９４に接触する。すなわち、設置面到達部６０は、筒状部３０が転倒しないように支持する支持脚としての機能を発揮する。

　ここで、上述したように、固定部形成領域２４ａにおいて固定部５０により固定されていない領域（本実施形態では、筒状部３０の軸線方向の中間領域）については、固定されている領域よりも筒状部３０から離れる方向に撓んだ状態になっている。また、設置面到達部６０が設けられている設置面到達部形成領域２６は、係合部５２が設けられた固定部形成領域２４ａに連続する位置にある。そのため、図４に示すように、設置面到達部形成領域２６についても、筒状部３０の軸線方向の中間領域において筒状部３０から離れる方向に撓んで膨出した状態になっている。これにより、筒状部３０が転倒しないように支持する支持脚としての設置面到達部６０の機能が強化されている。

　上述したように、本実施形態のシート状頒布物１０は、シート状部材２０を用いて組み立てることにより、電源等を用いることなく音声拡張装置として使用可能なものである。そのため、シート状頒布物１０は、平面的な形状とされた第一形態の状態で持ち運び、使用したい場所において組み立てて使用できる。従って、本実施形態のシート状頒布物１０は、携帯性及び利便性に優れている。また、電源を使用する必要がないため、別途電源を準備したり、端末９０のバッテリーを使用する必要がない。そのため、シート状頒布物１０は、電源が使用できない屋外や、バッテリー容量が十分でない端末９０においても好適に音声拡張装置として利用することができる。

　また、図５等に示すように、シート状頒布物１０は、端末差込口３２に端末９０を差し込むことにより、端末９０のスピーカー９１が設けられた部分が、筒状部３０の内側に収まる。これにより、スピーカー９１から発生させた音声を、筒状部３０における指向性増強や共鳴等の効果により拡張させることができる。

　また、図５に示すように、シート状頒布物１０においては、端末差込口３２に差し込まれた端末９０が、端末ガイド部４０によってガイドされて傾斜した姿勢となり、筒状部３０の内周面３０ａに対して線接触する。そのため、底面９０ａ近傍にスピーカー９１が設けられた構造の端末９０を使用した場合であっても、スピーカー９１が筒状部３０の内周面３０ａによって完全に閉塞されてしまうことを抑制し、音質の高い音声を発生させることが可能となる。

　また、端末ガイド部４０は、シート状部材２０の一部を用いて形成されるものであり、端末ガイド部４０となるものを別途準備する必要がない。そのため、シート状頒布物１０は、構成が極めてシンプルである。

　なお、本実施形態では、シート状部材２０に設けられた差込口形成領域２８を筒状部３０の内側に折り込んで端末ガイド部４０を形成した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、差込口形成領域２８を筒状部３０の外側に引き起こして端末ガイド部４０に相当するものを形成しても良い。また、シート状頒布物１０は、端末ガイド部４０に相当するものを別途の部材で作成することや、端末ガイド部４０を設けないこととしても良い。なお、底面９０ａ近傍にスピーカー９１が設けられた構造の端末９０の使用が想定される場合には、端末ガイド部４０を設けない場合であっても、端末９０が上述したのと同様に傾斜した姿勢になるようにする方策を講じることが好ましい。

　また、本実施形態では、差込口形成領域２８が、筒状部３０の軸線方向中間部に設けられている。そのため、端末９０のスピーカー９１において発生した音声を、左右に分配して伝播させることができる。従って、シート状頒布物１０によれば、端末９０において発生した音声を、ステレオ方式の如く再生させることが可能である。

　上述したように、シート状頒布物１０には、設置面到達部６０が設けられている。そのため、シート状頒布物１０を設置対象物９２に設置すると、筒状部３０だけでなく設置面到達部６０においても設置面９４に当接した状態になり、安定性が高い。さらに、本実施形態では、筒状部３０の軸線方向の両端側の領域においてシート状部材２０が固定部５０によって固定され、軸線方向の中間部分においてはシート状部材２０が非固定状態とされている。このような構成とすることにより、設置面到達部６０において筒状部３０の軸線方向の中間部分が両端部分よりも筒状部３０から離れる方向に撓んで膨出した状態になり、筒状部３０が転倒しないように支持することができる。

　なお、本実施形態においては、固定部５０による固定位置を筒状部３０の軸線方向両端側に設け、軸線方向中間部においては固定部５０による固定を行わない例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、固定部５０による固定位置を筒状部３０の軸線方向中間部に設け、軸線方向両端部においては固定部５０による固定を行わないこととしても良い。かかる構成とした場合には、上述した実施形態の例とは逆に、筒状部３０の軸線方向の両端部分が中間部分よりも筒状部３０から離れる方向に撓んで膨出した状態になり、両端の膨出部分を筒状部３０が転倒しないように支持するための支持脚として機能させることが可能となる。また、筒状部３０の安定性向上の観点からは好ましくないが、筒状部３０の軸線方向の略全体において固定部５０に相当するものによりシート状部材２０を固定することとしても良い。なお、筒状部３０の安定性向上の観点からすれば、筒状部３０の軸線方向の略全体においてシート状部材２０を固定する場合には、筒状部３０自身が転倒しにくい構成である場合を除き、筒状部３０を支持するための構成を付加することが望ましい。

　また、上述したシート状頒布物１０は、固定部５０がシート状部材２０に一体的に形成されている。そのため、シート状頒布物１０は、構成がシンプルである。なお、固定部５０は、上述したようにシート状部材２０に一体的に形成することも可能であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、固定部５０に代えて別途の部材を採用しても良い。また、固定部５０に加えて、さらに別の固定部を設けても良い。

　上述したシート状頒布物１０は、端末差込口３２に端末９０を差し込んだ状態において端末９０の側方に筒状部３０の内部空間に連通した隙間３４が形成される構成とされている。これにより、端末差込口３２に差し込んだ端末９０において発生する音質や音響効果の向上が期待できる。また、端末差込口３２に対して、端末９０を容易に差し込み可能となる。

　続いて、シート状頒布物１０に表示される可視情報及び可視情報表示領域７０について詳細に説明する。

　可視情報表示領域７０は、文字、図形、模様又は色彩のうちのいずれかを少なくとも含み視認可能とされた可視情報を表示するための領域である。可視情報表示領域７０には、シート状頒布物１０を広告物として機能させるための様々な可視情報を表示することができる。例えば、可視情報表示領域７０には、受取人に対して伝達しようとする商品の写真や名称、企業名や企業ロゴ、あるいはイベントの告知等、受取人に対して伝達しようとする伝達目的情報を表示することができる。

　図６に示すとおり、本実施形態の可視情報表示領域７０には、受取人に対して伝達しようとする主目的である可視情報（第一伝達目的情報）として、商品「ＡＢＣ」が発売された旨を受取人に対して伝達しようとする「ＡＢＣ新発売」の文字情報や、商品ＡＢＣに関する詳細情報が表示される。また、本実施形態におけるシート状頒布物１０の可視情報表示領域７０には、印刷により各種の可視情報が施されている。

　本実施形態におけるシート状部材２０は、表面及び裏面の双方の全域に亘り、可視情報表示領域７０とされている。また、本実施形態における可視情報表示領域７０には、第一視認領域７２と、第二視認領域７４と、第三視認領域７６とが設けられている。図６（ａ）に示すとおり、第一視認領域７２及び第三視認領域７６は、シート状部材２０の表面に相当する面に対して設けられている。また、図６（ｂ）に示すとおり、第二視認領域７４は、シート状部材２０の裏面に相当する面に対して設けられている。

　図６（ａ）及び（ｃ）に示すとおり、第一視認領域７２は、シート状頒布物１０の第一形態及び第二形態の双方において視認可能となる領域である。より具体的には、第一視認領域７２は、シート状頒布物１０の第一形態及び第二形態の双方において、シート状頒布物１０の外側に露出するように配置される部分である。

　本実施形態では、第一視認領域７２には優先度の高い可視情報である第一伝達目的情報が表示される。より具体的には、図６に示すとおり、第一視認領域７２には第一伝達目的情報として、商品「ＡＢＣ」が発売された旨を告知する「ＡＢＣ新発売」の文字情報が表示される。また、図６（ａ）に示すとおり、「ＡＢＣ新発売」の文字情報は、第一視認領域７２のうち、シート状部材２０の長手方向略中央であって差込口形成領域２８の近傍に配置されている。

　図６（ｂ）に示すとおり、第二視認領域７４は、シート状頒布物１０の裏面全域に亘り設けられている。第二視認領域７４は、シート状頒布物１０の第二形態において筒状部３０の内周面に相当する面に配置される。本実施形態では、第二視認領域７４には第一伝達目的情報に付随する可視情報である第二伝達目的情報が表示される。より具体的には、第二視認領域７４には、第二伝達目的情報として「ＡＢＣ新発売」の告知内容に付随する情報である商品ＡＢＣに関する詳細情報が記載される。

　図６（ａ）に示すとおり、第三視認領域７６は、固定部形成領域２４ｂの略全域に亘り設けられている。第二視認領域７４は、シート状頒布物１０の第二形態において、固定部形成領域２４ａに覆われて遮蔽される領域である。第三視認領域７６には、第一形態とされたシート状頒布物１０を第二形態へと組み立てる手順や、第二形態とされたシート状頒布物１０を音声拡張装置として機能させるための方法等を記載することができる。

　シート状頒布物１０の第一形態においては、シート状頒布物１０の表面及び裏面を視認することで、第一視認領域７２、第二視認領域７４及び第三視認領域７６に表示された可視情報を視認することができる。

　図６（ｃ）は、シート状頒布物１０の第二形態における斜視図である。図６（ｃ）に示すように、シート状頒布物１０の第二形態において、第一視認領域７２に付された「ＡＢＣ新発売」の第一伝達目的情報は、筒状部３０の外側に露出するように配置される。そのため、第一視認領域７２に表示される情報は、シート状頒布物１０の第一形態及び第二形態の双方において表示させることができる。すなわち、第一視認領域７２に表示されている第一伝達目的情報は、シート状頒布物１０が配布されるに際し、及び音声拡張装置として利用されるに際し、受取人に視認される。その結果、シート状頒布物１０は、配布されてから音声拡張装置として利用される期間に亘り優先度の高い視認情報を露出させて、広告伝達媒体として効果的に機能させることができる。

　また、一旦組み立てられて第二形態とされたシート状頒布物１０は、固定部５０の固定状態を解除することにより、再び第一形態へと形状を変化させることができる。そのため、受取人は、第一視認領域７２に表示された商品についての詳細情報を確認したい場合、シート状頒布物１０を再び第一形態として、詳細情報（第二伝達目的情報）を視認することができる。

　なお、本実施形態では、シート状部材２０の全域を可視情報表示領域７０とした例を示したが、可視情報表示領域７０をシート状部材２０の表面及び裏面のうち一部に設けてもよいし、表面及び裏面のうちいずれかの全域に設けてもよい。また、可視情報表示領域７０に付される情報は、いかなるものであってもよい。可視情報表示領域７０に施される意匠として、例えば、シート状頒布物１０を広告物として機能させるための企業イメージを示すロゴやキャッチコピー、あるいは商品のイメージや詳細、二次元コード等の情報とすることができる。
＜第二実施形態＞

　続いて、本発明の第二実施形態に係るシート状頒布物１００について詳細に説明する。なお、以下のシート状頒布物１００の説明において、シート状頒布物１０の構成と同様とされた各構成については、シート状頒布物１０の説明において用いた符合と同一の符合を用いて説明し、詳細な説明を省略する。

　シート状頒布物１００は、第一形態において広告用配布物として好適に配布することができる。本実施形態におけるシート状頒布物１００は、旅行会社「ＡＢＣ旅行」の広告用配布物とされている。また、シート状頒布物１００は、シート状頒布物１０と同様に、第二形態において端末９０を所定の姿勢で保持しつつ、音声拡張装置として好適に利用可能とされている。

　以下、先ず図８を参照しつつシート状頒布物１００の形状について説明し、次いで図９を参照してシート状頒布物１００に表示される情報について説明する。

　図８（ａ）は、第一形態におけるシート状頒布物１００を示す平面図である。図８（ａ）に示すとおり、シート状頒布物１００は、平面視において略矩形の外形とされたシート状部材１２０を有している。シート状部材１２０は、シート状部材２０と同様に、固定部形成領域２４、端末差込口３２として形成される差込口形成領域２８、及び筒状部３０として形成される筒状部形成領域２２を有している。また、シート状部材１２０の固定部形成領域２４には、シート状部材２０と同様に、係合部５２及び被係合部５４がそれぞれ２つずつ形成されている。

　以下、シート状頒布物１００の構成について、シート状頒布物１０と異なる構成を中心に説明する。なお、以下の説明において、第一形態とされたシート状頒布物１０，１００の平面視における長辺又は短辺のうち、筒状部３０の長手方向に配された辺が延びる方向を「Ｘ方向」と称して説明する。また、第一形態とされたシート状頒布物１０，１００を平面視した場合において、Ｘ方向と交差する方向を「Ｙ方向」と称して説明する。さらに、Ａ４サイズの長辺の長さを「Ｌ１」として、短辺の長さを「Ｌ２」として説明する。

　図８（ａ）及び（ｂ）に示すとおり、シート状部材１２０は、第一実施形態におけるシート状部材２０と異なる大きさとされている。シート状頒布物１００は、図８（ａ）及び（ｂ）に示すとおり、Ａ４サイズよりもひとまわり小さい略矩形の外形とされたシート状部材１２０を有している。より具体的には、シート状部材１２０は、Ｘ方向の辺の長さをＬ２と略同じ長さとされ、Ｙ方向の辺の長さをＬ１よりも短い長さとされている。すなわち、シート状部材１２０は、Ａ４サイズに収まる大きさであって、Ａ４サイズの長辺の長さを短くされた大きさとされている。これにより、シート状頒布物１００は、第一形態において、よりコンパクトなサイズの配布物として好適に配布することができる。また、シート状頒布物１００は、例えば一般的なビジネスバッグよりも小さいバッグ、例えば女性用のバックにも、好適に収容することができる。

　図８（ａ）に示すとおり、シート状部材１２０には、前面孔１０２が形成されている。前面孔１０２は、本実施形態においては略円形の貫通孔として形成され、シート状部材１２０のＸ方向の略中央に位置するように１つ配置されている。ここで、シート状頒布物１００を第二形態とさせた場合において、筒状部形成領域２２のうち筒状部３０が設置面９４と接触する領域は、底部領域１０４として構成される。前面孔１０２は、差込口形成領域２８と底部領域１０４との間に配置されている。

　図９に示すとおり、シート状頒布物１００は、シート状頒布物１０と同様に、端末９０のスピーカー９１から発生される音声を筒状部３０の左右両端の開口に分配して伝播させ、ステレオ方式の如く再生することができる。さらに、シート状頒布物１００は、端末差込口３２の隙間３４を設けることにより、スピーカー９１から発生する音質や音響の効果の向上が期待される。

　また、前面孔１０２は、シート状頒布物１００が第二形態とされた状態において、設置面９４の近傍であって端末９０のスピーカー９１に近接して配置される。また、前面孔１０２は、筒状部３０の内側から外側へと連通するように構成される。そのため、シート状頒布物１００は、スピーカー９１から発せられた音声を、筒状部３０の内側に反響させつつ前面孔１０２を通じて正面側へと漏出させることができる。シート状頒布物１００は、前面孔１０２から音声の一部を漏出させて低音を増幅させることが期待される。そのため、シート状頒布物１００は、重低音を効果的に拡張させて、体に響くような重厚感のある音域を再生することが期待できる。

　続いて、図１０を参照しつつ、シート状頒布物１００に付される可視情報について説明する。図１０（ａ）及び（ｂ）に示すとおり、シート状部材１２０は、透光性を有する樹脂製のシートとされた透明シート１２２に対して、所定の印刷が施された構成とされている。

　図１０（ａ）に示すとおり、シート状部材１２０は、透光領域１１０と、絵柄領域１１２とを有している。

　本実施形態における透光領域１１０は、透明シート１２２に対して印刷が施されていない領域として構成されている。透光領域１１０は、透明シート１２２の有する透光性により、透明シート１２２の向こう側に配置された物体を視認することができる程度の透光性が確保された領域である。なお、透光領域１１０は、透明シート１２２の有する透光性を確保できる程度の着色を設けて構成されていてもよい。

　絵柄領域１１２は、透明シート１２２に対して印刷が施された領域である。絵柄領域１１２は、シート状部材１２０の全域のうち一部に設けられている。図１０（ｂ）及び図１１（ｂ）に示すとおり、絵柄領域１１２は、第二形態とされたシート状頒布物１００の筒状部３０の内側に配置される面である印刷面１２２ｂに対して印刷が施された構成とされている。

　図１０（ｂ）に示すとおり、絵柄領域１１２は、透明シート１２２の印刷面１２２ｂに対して、３つの印刷層を有している。より具体的には、絵柄領域１１２は、透明シート１２２の印刷面１２２ｂに対し、第一の印刷層である第一下地層１２４と、第二の印刷層であるカラー層１２６と、第三の印刷層である第二下地層１２８とを有している。第一下地層１２４及び第二下地層１２８は、下地色として機能するインク色により印刷が施されたものである。本実施形態においては、第一下地層１２４及び第二下地層１２８には、下地用のインク色として白色が採用されている。また、カラー層１２６は、４種のインク色により構成されている。本実施形態におけるカラー層１２６は、シアン（Ｃ）、マゼンダ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）、黒（Ｋ）の４色（以下、これらの４色を「ＣＭＹＫ」とも称す）により構成されている。これにより、カラー層１２６は、フルカラー印刷としての印刷層を構成している。

　なお、第一下地層１２４、第二下地層１２８及びカラー層１２６は、特色インクによる印刷層とすることも可能である。

　図１０（ａ）に示すとおり、絵柄領域１１２には、所定の絵柄を構成するような印刷が施されている。より具体的には、絵柄領域１１２には、「ＡＢＣ旅行」の文字や図形が含まれる前方絵柄１３０ａと、飛行機のイラストが含まれる前方絵柄１３０ｂと、海及び雲を想起させるイラストが含まれる後方絵柄１３２と、海を想起させる着色とされた底部絵柄１３４とが設けられている。本実施形態においてはシート状部材１２０のうち、絵柄領域１１２が設けられた領域以外の領域は、印刷が施されていない透光領域１１０とされている。

　図１０（ｂ）に示すとおり、前方絵柄１３０ａ，１３０ｂには、透明シート１２２に近い順から、カラー層１２６及び第二下地層１２８が積層されて絵柄領域１１２が構成されている。そのため、前方絵柄１３０ａ，１３０ｂは、非印刷面１２２ａ側から視認された場合に第二下地層１２８を下地として手前側にカラー層１２６が積層され、透光性を有しない絵柄領域１１２として構成される。

　一方、後方絵柄１３２及び底部絵柄１３４は、透明シート１２２に近い順から、第一下地層１２４及びカラー層１２６が積層されて絵柄領域１１２が構成されている。そのため、後方絵柄１３２及び底部絵柄１３４は、印刷面１２２ｂ側から視認された場合に第一下地層１２４を下地として手前側にカラー層１２６が積層され、透光性を有しない絵柄領域１１２として構成される。

　このように、シート状部材１２０は、前方絵柄１３０ａ，１３０ｂと、後方絵柄１３２及び底部絵柄１３４とで、印刷面１２２ｂに対する下地層の積層順序が異なる構成とされている。すなわち、前方絵柄１３０ａ，１３０ｂは、非印刷面１２２ａ側から視認することを前提とした構成とされている。一方、後方絵柄１３２及び底部絵柄１３４は、印刷面１２２ｂ側から視認することを前提とした構成とされている。

　前方絵柄１３０ａ，１３０ｂと、後方絵柄１３２と、底部絵柄１３４とは、第二形態において正面側から視認された場合に、図１１（ａ）に示すような意匠を構成する。より具体的には、シート状頒布物１００の筒状部形成領域２２を筒状部３０として形成した状態において、筒状部３０を正面側から視認すると、前方絵柄１３０ａ，１３０ｂが前方に配置され、正面側の透光領域１１０を通じて後方に後方絵柄１３２を、底側に底部絵柄１３４を視認可能となる。これらの前方絵柄１３０ａ，１３０ｂと後方絵柄１３２及び底部絵柄１３４とにより、シート状頒布物１００は、第二形態において正面側から視認した場合に、空をバックに飛行機が通過しているかのような一つの奥行きのある意匠を構成することができる。

　このように、シート状頒布物１００は、第二形態において奥行きのある意匠を構成することができる。なお、透明シート１２２に下地層を設けずにカラー層１２６を設けて、絵柄領域１１２に透光性を持たせつつ、透光性を有する絵柄を構成してもよい。これにより、後方絵柄を視認可能としつつ、透き通るような前方絵柄を構成することができる。その結果、よりバリエーションに富む意匠を構成することができる。また、下地層は、白色以外の印刷色を用いてもよい。

＜第三実施形態＞
　続いて、図１２及び図１３を参照しつつ、本発明の第三実施形態に係るシート状頒布物２００について詳細に説明する。なお、以下のシート状頒布物２００の説明において、シート状頒布物１０及びシート状頒布物１００の構成と同様とされた各構成については、これらの説明において用いた符合と同一の符合を用いて説明し、詳細な説明を省略する。

　シート状頒布物２００は、第一形態として、シート状の広告用販促物として配布することができる。本実施形態のシート状頒布物２００は、鉄道会社のイベント等において、イベントの来場者に配布する販促物として好適に配布することができる。

　さらに、シート状頒布物２００は、第二形態において、端末９０を所定の姿勢に保持しつつ音声拡張装置として機能させることができることに加え、卓上装飾物として利用することができる。シート状頒布物２００は、第二形態において鉄道会社を想起させるような駅や電車を模した意匠を構成して、卓上装飾物として設置しつつ、音声拡張装置として利用することができる。

　以下、先ず図１２を参照しつつシート状頒布物２００の各構成について説明し、次いで図１３を参照して第二形態とされたシート状頒布物２００が構成する意匠について説明する。

　シート状頒布物２００は、概ねＡ４サイズの外形を有するシート状部材２２０を有している。シート状部材２２０は、透光性を有する樹脂素材とされた透明シート２３６に対して、印刷が施された構成とされている。

　図１２（ａ）に示すとおり、シート状部材２２０は、シート状部材２２０を長手方向に二つに分断可能とする分断線２２２が設けられている。シート状部材２２０は、分断線２２２を境界として、本体部２２０ａと、付属部２２０ｂ（他部材）とに分離可能とされている。

　本体部２２０ａは、シート状部材２０と同様に、筒状部形成領域２２と、固定部形成領域２４と、設置面到達部形成領域２６と、差込口形成領域２８とを有している。また、本体部２２０ａは、シート状部材２０と同様に、固定部形成領域２４に設けられた係合部５２及び被係合部５４の係合構造５５により、第二形態を保持可能とされている。さらに、本体部２２０ａは、シート状頒布物２００の第二形態において、筒状部形成領域２２が筒状部３０を構成し、差込口形成領域２８を筒状部３０の内側に折り曲げることにより端末差込口３２が形成される。本体部２２０ａは、これらの構成により、音声拡張装置として機能させることができる。

　付属部２２０ｂ（他部材）は、第二形態とされたシート状頒布物２００において、本体部２２０ａが構成する音声拡張装置に付属する付属物を構成する領域が設けられている。付属部２２０ｂには、様々な付属物を構成するための領域を設けることができる。本実施形態においては、付属部２２０ｂは、電車模型構成領域２２４と、カード領域２２６とが設けられ、これら以外の領域は残部領域２２８とされている。電車模型構成領域２２４は、付属部２２０ｂに設けられた切れ目２２４ａに沿って切り取って残部領域２２８から分離することができる。また、カード領域２２６は、付属部２２０ｂに設けられた切れ目２２６ａに沿って切り取って残部領域２２８から分離することができる。

　電車模型構成領域２２４は、六面体を展開させた平面形状を有している。電車模型構成領域２２４は、残部領域２２８から分離された上で、折り目２２４ｂに沿って屈曲させて組み立て可能とされている。電車模型構成領域２２４は、組み立てられた状態において、後に詳述する電車模型２５０として構成される。また、カード領域２２６には、鉄道会社に関する広告や、シート状頒布物２００の組み立て方法及び利用方法等の文字を表示することができる。

　続いて、シート状頒布物２００に構成される意匠について詳細に説明する。図１２（ａ）に示すとおり、シート状部材２２０には、透光領域２３０、第一絵柄領域２３２及び第二絵柄領域２３４が設けられている。

　透光領域２３０は、透明シート２３６に対して印刷が設けられていない領域である。そのため、透光領域２３０は、透明シート２３６の向こう側に配置された物体を視認することができる程度の透光性を有している。

　第一絵柄領域２３２は、透明シート２３６の印刷面２３６ｂに対して印刷層が積層された構成とされている。図１２（ｂ）に示すとおり、第一絵柄領域２３２は、印刷面２３６ｂに対して、透明シート２３６に近い順から、第一の印刷層とされたカラー層２３８と、第二の印刷層とされた下地層２４０とを備える。本実施形態において、カラー層２３８はＣＭＹＫの４色によるカラーの印刷層とされている。また、下地層２４０は、白色のインク色による印刷層とされている。第一絵柄領域２３２を非印刷面２３６ａ側から視認すると、手前にカラー層２３８、奥側に下地層２４０が配置される。すなわち、第一絵柄領域２３２は、非印刷面２３６ａ側から視認されることを前提とした構成とされている。

　図１２（ｂ）に示すとおり、第二絵柄領域２３４は、透明シート２３６の印刷面２３６ｂに対して、カラー層２３８が積層された構成とされている。なお、第二絵柄領域２３４は、下地層２４０を有しない。そのため、第二絵柄領域２３４により構成される絵柄は、ある程度の透光性を有しつつ所定の絵柄を構成している。

　本体部２２０ａに設けられた第一絵柄領域２３２には駅名標を模した絵柄が付され、後述する後方絵柄２４２として構成される。さらに、本体部２２０ａに設けられた第二絵柄領域２３４には、線路を模した絵柄が付され、後述する底部絵柄２４４として構成される。

　付属部２２０ｂには、カード領域２２６及び電車模型構成領域２２４に第一絵柄領域２３２が設けられている。電車模型構成領域２２４には、第一絵柄領域２３２が設けられ、電車の外観を模した立体絵柄２４６が付されている。また、カード領域２２６には、第一絵柄領域２３２が設けられ、鉄道会社の広告やシート状頒布物２００の組み立て方等の視認情報が表示される。

　続いて、シート状頒布物２００の第二形態において構成される意匠について説明する。本体部２２０ａの係合部５２を被係合部５４に対して差し込んで係止させると、図１３に示すとおり筒状部３０が形成される。この状態において、本体部２２０ａは音声拡張装置として機能させることができる。

　電車模型構成領域２２４は、残部領域２２８から分離されて折り目２２４ｂに沿って折り曲げて組み立てると、図１３に示すような六面体の形状を有する電車模型２５０が形成される。上述のとおり、電車模型構成領域２２４には、第一絵柄領域２３２が設けられ、電車を模した立体絵柄２４６が付されている。そのため、電車模型構成領域２２４を組み立てると六面体の形状が形成され、電車の外観を想起させる電車模型２５０が構成される。

　図１３に示すとおり、筒状部３０の内側に電車模型２５０を配置させると、本体部２２０ａの正面側に配置される透光領域２３０を通じて、電車模型２５０及び後方絵柄２４２を視認することができる。また、電車模型２５０の下方には、底部絵柄２４４を視認することができる。これらにより、シート状頒布物２００は、トンネル内のプラットフォームに電車が止まっているかのようなイメージを想起させる立体的で奥行きのある意匠を構成することができる。

　なお、図１３において端末差込口３２は図示を省略しているが、筒状部３０の長手方向略中央には端末差込口３２が配置される。すなわちシート状頒布物２００は、第二形態において図１３に示すような卓上装飾物のような形状を構成しつつ、端末差込口３２に端末９０を差し込んで保持して、音声拡張装置として機能させることができる。

＜第四実施形態＞
　続いて、図１４等を参照しつつ本発明の第三実施形態に係るシート状頒布物３００について説明する。なお、以下のシート状頒布物３００の説明において、シート状頒布物１０の構成と同様とされた各構成については、シート状頒布物１０の説明において用いた符合と同一の符合を用いて説明し、詳細な説明を省略する。

　図１４に示すとおり、シート状頒布物３００は、第一形態においてシート状の広告用配布物としつつ、書類等を挟持して保持可能とするクリアファイルとして利用することができる。また、シート状頒布物３００は、第二形態において端末９０を所定の姿勢に保持しつつ音声拡張装置として利用可能とされている。

　以下、先ずシート状頒布物３００の第一形態における構成及び機能について説明し、次いでシート状頒布物３００の第二形態における意匠について説明する。なお、シート状頒布物３００の第二形態における端末９０を保持する機能及び音声拡張装置としての機能はシート状頒布物１０と同様とされているため、詳細な説明を省略する。

　図１４及び図１５に示すとおり、シート状頒布物３００は、１枚の樹脂製シートを二つ折りとして、概ねＡ４サイズの平面形状をなすシート状部材３２０を有している。

　図１４及び図１５に示すとおり、シート状部材３２０は、概ねＡ３サイズの１枚の樹脂製シートを、Ｙ方向の略中央に設けられた折り目３６０で二つ折りとされている。シート状部材３２０は、折り目３６０を境界として、第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂを有している。第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂは、いずれも平面視において略矩形の外形とされている。

　シート状部材３２０は、第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂの外縁が一致するように二つ折りとされ、Ｙ方向に延びる２つの辺のうち一方に設けられた連結部３６２が溶着される。このように、シート状部材３２０は、四方の外縁のうちＬ字に配される二方が連結される。また、シート状部材３２０は、第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂが積層され、第一シート部３２０ａと第二シート部３２０ｂとの間に書類等を挟持することができる領域（挟持領域）が形成されて、クリアファイルとしての形状が構成される。なお、第一シート部３２０ａと第二シート部３２０ｂとの連結は、熱圧着によるものでもよいし、高周波溶着（いわゆるウェルダー加工）によるものであってもよい。なお、二つ折り加工及びウェルダー加工を自動機により対応できない場合には、熱圧着機（いわゆるホットメルト機）により接着加工を行うことができる。これにより、シート状部材３２０を製造するロットが多い場合や、あるいはシート状部材３２０を安価に製造しようとする場合に、納期の短縮やコストの低減を実現することができる。

　図１５に示すとおり、第一シート部３２０ａには、係合部３５２ａ、被係合部３５４ａ及び差込口形成領域３２８ａが設けられている。また、第二シート部３２０ｂには係合部３５２ｂ、被係合部３５４ｂ及び差込口形成領域３２８ｂが設けられている。

　図１５に示すとおり、係合部３５２ａと係合部３５２ｂとは、折り目３６０を中心線として線対称となる位置に配置されている。また、被係合部３５４ａと被係合部３５４ｂとは、折り目３６０を中心線として線対称となる位置に配置されている。さらに、差込口形成領域３２８ａと差込口形成領域３２８ｂとは、折り目３６０を中心線として線対称となる位置に配置されている。

　すなわち、シート状部材３２０は、折り目３６０を境界として第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂが重ね合わせられた状態において、係合部３５２ａ及び係合部３５２ｂを形成する切れ目の位置が一致して、ひとつの係合部３５２を構成する。また、第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂが積層された状態において、被係合部３５４ａ及び被係合部３５４ｂの切れ目が一致して、ひとつの被係合部３５４を構成する。さらに、第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂが積層された状態において、差込口形成領域３２８ａ及び差込口形成領域３２８ｂの切れ目が一致して、ひとつの差込口形成領域３２８を構成する。このように、シート状部材３２０は、第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂが重ね合わせられた状態で、係合部５２等の固定部５０、及び端末差込口３２を形成する。

　シート状部材３２０は、図１４及び図１５に示すとおり、第一シート部３２０ａに突出絵柄領域３３０が設けられている。突出絵柄領域３３０には、動物の顔を模したイラストの絵柄が設けられている。また、突出絵柄領域３３０は、差込口形成領域３２８ａの近傍に設けられている。さらに、突出絵柄領域３３０の輪郭の一部には、切れ目３２４が設けられている。切れ目３２４は、突出絵柄領域３３０を構成する輪郭のうち、動物の耳に相当する部分を囲むように設けられている。切れ目３２４に囲まれた領域は、後述する突出領域３３２として構成される。

　図１６に示すとおり、シート状部材３２０の係合部３５２及び被係合部３５４を係止させて筒状部３０を形成し、シート状頒布物３００を第二形態とすると、突出絵柄領域３３０は正面側から視認しやすい位置に配置される。また、この状態において、突出領域３３２の端部は、切れ目３２４を境界として隣接するシート状部材３２０の他の領域から離反して、筒状部３０の外側へと突出するような姿勢となる。

　より詳細に説明すると、図１６に示すとおり、筒状部３０は係合部３５２及び被係合部３５４により、筒状部３０の長手方向両端において筒形状が維持されている。ここで、シート状部材３２０は可撓性を有する素材である樹脂製シートにより構成されているため、筒状部３０を構成するために屈曲させると元の平坦な状態に戻る方向に弾性力を発揮する。すなわち、筒状部３０は、周方向の端部に相当する係合部３５２及び被係合部３５４をシート状部材３２０の弾性力に対抗するように係止させて湾曲した形状が維持されている。

　一方、突出領域３３２は、図１７（ｂ）の断面図に示すとおり、切れ目３２４が設けられた側の突出領域３３２の端部がシート状部材３２０の他の領域から遊離して、平坦な形状に戻ろうとする弾性力が発揮される。その結果、突出領域３３２は、シート状部材３２０の他の領域が屈曲されることにより形成される筒状の形状に対して、突出したような姿勢となる。これにより、シート状頒布物３００は、第二形態において突出絵柄領域３３０の一部が筒状部３０の稜線から突出したような意匠を構成することができる。その結果、シート状頒布物３００は、突出絵柄領域３３０に付された可視情報をより際だたせて、高い視認効果を生じさせ、広告宣伝効果を高めることができる。

　また、図１７（ｂ）に示すとおり、第一シート部３２０ａの突出領域３３２が筒状部３０から遊離すると、第一シート部３２０ａにより構成される筒形状には、外部に挿通する孔３７０が出現する。ここで、本実施形態においては、第二シート部３２０ｂに突出領域が設けられていない。そのため、第一シート部３２０ａに出現した孔３７０は、第二シート部３２０ｂにより形成される筒形状により閉塞される。そのため、シート状頒布物３００は、筒状部３０の音響効果を維持しつつ、突出したような意匠を構成することができる。

　なお、図１７（ａ）の断面図に示すとおり、第二形態とされたシート状頒布物３００は、差込口形成領域３２８ａ及び差込口形成領域３２８ｂを重ねて筒状部３０の内側に屈曲させて、端末差込口３２が形成される。

　本実施形態のシート状部材３２０は、１枚の樹脂製シートを二つ折りとして第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂを構成するものとしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、シート状部材３２０は、２枚の樹脂製シートを積層させて、積層された２枚のシートの周囲のうち一部を連結させて挟持領域が構成されるものであってもよい。

　本実施形態では、第二形態とされたシート状頒布物３００は、第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂを積層させたまま筒状部３０を形成することとしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、シート状部材３２０を、第一シート部３２０ａと第二シート部３２０ｂとに分離可能なものとして、第二形態におけるシート状頒布物３００を第一シート部３２０ａ又は第二シート部３２０ｂのいずれかにより構成されるものとしてもよい。また、シート状頒布物３００の第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂを分離可能としつつ、第一シート部３２０ａ及び第二シート部３２０ｂのそれぞれを音声拡張装置として構成可能なものとしてもよい。

＜第五実施形態＞
　続いて、本発明の第五実施形態に係るシート状頒布物４００について図１８等を参照しつつ詳細に説明する。

　図１８に示すとおり、シート状頒布物４００は、第一形態においてシート状の配布物として利用できることに加え、クリアファイル及び手提げ袋として利用可能とされている。

　また、シート状頒布物４００は、第二形態においてシート状頒布物１０と同様に、音声拡張装置として利用することができる。

　以下において、先ず図１８及び図１９を参照しつつ、シート状頒布物４００の第一形態における各構成や利用態様について説明し、次いで図２１等を参照しつつシート状頒布物４００に構成される意匠について説明する。なお、以下のシート状頒布物４００の説明において、シート状頒布物１０の構成と同様とされた各構成については、シート状頒布物１０の説明において用いた符合と同一の符合を用いて説明し、詳細な説明を省略する。また、シート状頒布物４００の第二形態における音声拡張装置としての機能は、シート状頒布物１０と同様とされているため、詳細な説明を省略する。

　図１８及び図１９に示すとおり、シート状頒布物４００は、シート状部材４２０を有している。図１９に示すとおり、シート状部材４２０は、Ｙ方向の略中央に折り目４６０を有し、折り目４６０を境界として第一シート部４２０ａ及び第二シート部４２０ｂを有している。シート状部材４２０には、Ｙ方向に延びる二つの辺の一方に第一連結部４２２が設けられている。また、シート状部材４２０には、第二シート部４２０ａのＹ方向の端部であって折り目４６０が設けられた側とは反対側に第二連結部４２４が設けられている。

　シート状部材４２０は、折り目４６０を境界として二つ折りとされ、第一連結部４２２が溶着され、第二連結部４２４が第一シート部４２０ｂに対して接着されることにより、図１８に示すような、四方の辺のうち一方が開放された三方袋の形状をなす。袋状の形状とされたシート状部材４２０は、開口４２６を有している。

　また、図１９に示すとおり、第一シート部４２０ａには把手部形成領域４２７ａが設けられ、第二シート部４２０ｂには把手部形成領域４２７ｂが設けられている。把手部形成領域４２７ａ，４２７ｂは、袋状をなすシート状頒布物４００において、利用者が手提げ袋として利用する際に利用者が把手するための持ち手部分である把手部４２９として形成される。本実施形態において、把手部形成領域４２７ａ，４２７ｂは、後述する残部領域４３４に対して設けられている。

　シート状部材４２０には、分断線４３０が設けられている。分断線４３０は、シート状部材４２０に設けられた切れ目として設けられている。シート状部材４２０は、分断線４３０を境界として本体領域４３２と残部領域４３４とに隔てられて、これらに分離可能とされている。また、シート状部材４２０は、分断線４３０に沿って分離されることにより、本体領域４３２が本体部４４０として構成され、残部領域４３４が残部４４２として構成される。

　シート状部材４２０を、本体部４４０と残部４４２とに分離させた状態において、本体部４４０はクリアファイルとして機能させることができる。より具体的には、本体部４４０は、第四実施形態におけるシート状頒布物３００と同様に、略矩形の樹脂製シートが二つ折りとされた状態となり、挟持領域を形成する。

　このように、シート状頒布物４００は、第一形態において手提げ袋及びクリアファイルの双方の態様で利用可能とされている。

　次いで、図２０等を参照しつつ、シート状頒布物４００の第二形態について、他の実施形態と異なる構成について説明する。

　シート状頒布物４００は、本体領域４３２に対して係合部５２及び被係合部５４が設けられている。そのため、シート状頒布物４００は、本体領域４３２及び残部領域４３４が分離されていない状態及び分離された状態の双方において、筒状部３０を形成することができる。

　図２０に示すとおり、シート状頒布物４００は、本体領域４３２から残部領域４３４を分離させた状態において、筒状部３０を形成させることができる。その場合は、シート状頒布物４００を第一形態においてクリアファイルとして、及び第二形態において音声拡張装置として、相互に利用することができる。

　さらに、本体領域４３２及び残部領域４３４が分離されていない状態において筒状部３０を形成させると、残部領域４３４の端部は端末差込口３２を閉塞しない位置に配置される（図示を省略）。そのため、シート状頒布物４００は、本体領域４３２及び残部領域４３４が分離されていない状態において筒状部３０を形成した場合であっても、端末差込口３２に端末９０を差し込むことができる。その結果、シート状頒布物４００を第一形態において手提げ袋として、及び第二形態において音声拡張装置として、相互に利用することができる。

　このように、シート状頒布物４００は、シート状部材４２０全体、及び本体部４４０のいずれにおいても音声拡張装置としての形状及び機能を発揮し得る。

　続いて、図２１を参照しつつ、シート状頒布物４００に構成される意匠について説明する。シート状部材４２０は、透光性を有する樹脂製の透明シート４５４に対して、印刷が施された領域を有するものとされている。

　図２１（ａ）及び（ｂ）に示すとおり、シート状部材４２０は、透明シート４５４の印刷面４５４ｂに対して印刷がなされていない領域である透光領域４５０と、透明シート４５４に対して印刷がなされた領域である絵柄領域４５２とが設けられている。図２１（ｂ）に示すとおり、絵柄領域４５２は、第一下地層４５６、カラー層４５８及び第二下地層４５７を備えている。

　図２１（ｂ）に示すとおり、第一シート部４２０ａに設けられた絵柄領域４５２は、透明シート４５４に近い順から、カラー層４５８と、第二下地層４５７とを有する。第一シート部４２０ａに構成される絵柄領域４５２には、これらの印刷により所定のイメージを想起させる前方絵柄４６２が構成される。

　図２１（ａ）に示すとおり、第二シート部４２０ｂには、本体領域４３２の全域に亘り絵柄領域４５２が設けられ、残部領域４３４は透光領域４５０が設けられている。図２１（ｂ）に示すとおり、第二シート部４２０ｂに設けられた絵柄領域４５２は、透明シート４５４に近い順から、第一下地層４５６と、カラー層４５８とを有する。第一シート部４２０ｂに構成される絵柄領域４５２には、これらの印刷により所定のイメージを想起させる後方絵柄４６４が構成される。

　図２２に示すとおり、シート状部材４２０を第一形態とした状態において、後方絵柄４６４は第一シート部４２０ａに設けられた透光領域４５０を通じて視認することができる。また、後方絵柄４６４の前方には前方絵柄４６２が配置される。これにより、シート状頒布物４００は、前方絵柄４６２及び後方絵柄４６４が重なるように視認される構成により、奥行きのある意匠が構成される。

　なお、本実施形態におけるシート状頒布物４００は、前方絵柄４６２及び後方絵柄４６４により奥行きのある意匠が構成されるものとしたが、さらにシート状頒布物４００を手提げ袋としつつ、内部に収容される収容物をひとつの絵柄として構成してもよい。

　また、シート状頒布物４００は、第一シート部４２０ａと第二シート部４２０ｂとを分離可能として、第一シート部４２０ａをシート状頒布物４００の第二形態において利用可能としてもよい。

＜第六実施形態＞
　次に、図２３等を参照しつつ本発明の第六実施形態に係るシート状頒布物５００について説明する。シート状頒布物５００は、シート状頒布物１０と同様に、第一形態において広告用配布物として好適に配布することができる。また、シート状頒布物５００は、第二形態において音声拡張装置として利用可能とされている。

　以下、シート状頒布物５００の構成について、シート状部材２０，１２０等と異なる点について詳細に説明する。なお、以下のシート状頒布物５００の説明において、シート状頒布物１０の構成と同様とされた各構成については、シート状頒布物１０の説明において用いた符合と同一の符合を用いて説明し、詳細な説明を省略する。また、シート状頒布物５００の第二形態における音声拡張装置としての機能は、シート状頒布物１０と同様とされているため、詳細な説明を省略する。

　図２３に示すとおり、シート状頒布物５００は、樹脂製のシートにより構成されるシート状部材５２０を有している。また、シート状部材５２０は、第二実施形態におけるシート状部材１２０よりも、さらにひとまわり小さいサイズとされている。さらに、シート状部材５２０には、支持脚形成領域５３０が設けられている。

　シート状部材５２０は、シート状部材２０と同様に、筒状部形成領域２２、固定部形成領域２４及び設置面到達部形成領域２６とを有している。筒状部形成領域２２には、差込口形成領域２８が設けられている。固定部形成領域２４には、係合部５２及び被係合部５４が設けられている。

　支持脚形成領域５３０は、シート状頒布物５００の第二形態において、後述する支持脚５４０として形成される領域である。支持脚形成領域５３０は、図２３に示すとおり、シート状部材５２０の設置面到達部形成領域２６のうちの一部が含まれる領域に設けられている。支持脚形成領域５３０は、切れ目５３２及び折り目５３４ａ，５３４ｂにより形成される略矩形の形状とされた領域である。切れ目５３２は、設置面到達部形成領域２６の長手方向略中央においてシート状部材５２０の外縁から中央に向かって延びる切れ目と、設置面到達部形成領域２６に沿うように延びる切れ目により「Ｔ字型」の経路を有している。また、折り目５３４ａ，５３４ｂは、切れ目５３２の両端部から設置面到達部形成領域２６の外縁に到達するように形成されている。支持脚形成領域５３０は、切れ目５３２及び折り目５３４ａ，５３４ｂにより、支持脚形成領域５３０ａと支持脚形成領域５３０ｂとに区画される。

　続いて、シート状頒布物５００の第二形態における支持脚５４０の形状及び機能について説明する。図２４（ａ）に示すとおり、シート状部材５２０の係合部５２を被係合部５４に差し込み、筒状部３０を形成させて、さらに差込口形成領域２８を筒状部３０の内側に折り込むことにより、シート状頒布物５００を音声拡張装置として形成することができる。

　図２４（ｂ）は、シート状頒布物５００の第二形態における背面側斜視図である。支持脚形成領域５３０は、シート状頒布物５００の第二形態において、支持脚形成領域５３０ａを折り目５３４ａに沿って背面側に向くように折り開かれ、支持脚形成領域５３０ｂを折り目５３４ｂに沿って背面側に向くように折り開かれる。この状態において、支持脚形成領域５３０ａ，５３０ｂの端部は、筒状部３０の外側の離れた位置に配置される。

　支持脚５４０は、設置面到達部６０が設置面９４に接地する範囲を、筒状部３０の外側へと拡張させることができる。より具体的には、第二形態とされたシート状頒布物５００は、筒状部３０が設置面９４と接触する部分から、設置面到達部６０と設置面９４とが接触する部分までの範囲において支持される。ここで、支持脚５４０は、設置面到達部６０の一部を変形させることにより、設置面到達部６０と設置面９４とが接触する範囲を、図２４（ｂ）中に示す符合Ｒ１の範囲からＲ２の範囲へと、筒状部３０の外側へ拡張させる。

　すなわち、シート状頒布物５００の端末差込口３２に端末９０が差し込まれて端末９０の重心位置が筒状部３０の外側（Ｒ１よりも外側）に位置する場合であっても、端末９０が差し込まれた状態のシート状頒布物５００を安定して支持可能としている。

　ここで、図２４及び図２５に示すとおり、シート状部材５２０の設置面到達部形成領域２６が設けられた側とは反対側の端部である内側縁部５２２は、シート状頒布物５００の第二形態において、筒状部３０の内側の支持脚形成領域５３０ａ，５３０ｂを覆う位置まで到達する。そのため、シート状頒布物５００は、支持脚形成領域５３０ａ，５３０ｂを設けつつ、第二形態において筒状部３０の背面側に挿通する隙間を閉塞するように筒状部３０を形成することができる。そのため、シート状頒布物５００は、コンパクトなサイズとしつつ、筒状部３０の筒形状を維持して、音声拡張装置としての機能を損なうことなく構成することができる。

＜変形例＞
　本発明のシート状頒布物の各実施形態において説明したが、本発明のシート状頒布物は上述した各実施形態に限定されない。例えば、本発明のシート状頒布物は、以下に説明する変形例のようなものとすることも可能である。

　上述した各実施形態におけるシート状頒布物は、シート状部材を略矩形の形状とした例を示したが、シート状部材は円形、三角形、その他の変形形状等、いかなる平面形状を有していてもよい。

　例えば、図２６（ａ）に示すシート状頒布物の第一変形例であるシート状頒布物１０’のように、シート状頒布物１０’のシート状部材２０’を略円形の平面形状を有するものとしてもよい。なお、シート状頒布物１０’は、設置面到達部形成領域２６に折り目を設け、図２６（ｂ）に示すように設置面到達部６０を筒状部３０の背面側に屈曲可能とされている。これにより、設置面到達部６０が湾曲した形状とされたものであっても、安定して設置することができる。

　また、例えば、図２７（ａ）に示すシート状頒布物の第二変形例であるシート状頒布物１０’’のように、シート状頒布物１０’’のシート状部材２０’’を略三角形の平面形状を有するものとしてもよい。また、シート状頒布物１０’’のように、係合部５２及び被係合部５４は、それぞれ１つずつ設けるものとしてもよい。さらに、シート状頒布物１０’’のように、係合部５２が設けられる側のシート状部材の端部に加え、被係合部５４が設けられる側のシート状部材の端部にも設置面到達部形成領域２６’を設けてもよい。さらに、支持脚形成領域５３０ａ’，５３０ｂ’を、筒状部形成領域に設けるように構成することも可能である。例えば、図２７（ｂ）に示すように、シート状頒布物１０’’を、設置面到達部６０’が設置面９４に対して面接触するような構成することも可能である。

＜第七実施形態＞
　続いて、本発明の第七実施形態にかかる筒状頒布物６００について、図２８等を参照しつつ詳細に説明する。

　筒状頒布物６００は、第一形態において対象物を収容する収容ケースとして利用可能とされている。また、筒状頒布物６００は、第二形態において携帯電話機やスマートフォン等の携帯型とされた端末９０を所定の姿勢に保持しつつ、音声拡張装置として利用可能とされている。

　図２８に示すとおり、筒状頒布物６００は、筒状の外観形状を有している。より具体的には、筒状頒布物６００は、矩形の断面形状を有する中空の箱形の外観を有している。また、筒状頒布物６００は、筒状部６３０と、閉塞部６１０ａ，６１０ｂとを有している。

　筒状部６３０は、長手方向の両端を開口とされた矩形の断面形状を有し、内部を中空とされた部材である。筒状部６３０は、長手方向の両端に開口６２４ａ，６２４ｂを有している。また、図２９（ｂ）に示すとおり、筒状部６３０は、上方面６２２ａ、前方面６２２ｂ、後方面６２２ｃ及び底面６２２ｄの４つの面を有している。図２９（ａ）に示すとおり、上方面６２２ａの長手方向略中央には、筒状部６３０の長手方向に沿うように略矩形の差込口形成領域６２８が設けられている。差込口形成領域６２８を筒状部６３０の内側に折り込むことにより、筒状部６３０には略矩形の開口とされた端末差込口６３２が形成される。

　閉塞部６１０ａ，６１０ｂは、筒状部６３０の両端の開口６２４ａ，６２４ｂを開放及び閉塞可能とされている。図２８に示すとおり、閉塞部６１０ａ，６１０ｂは、開口６２４ａ，６２４ｂの開口の大きさと略一致する蓋部６１２ａ，６１２ｂと、筒状部６３０の内側に向けて差し込まれる差込部６１４ａ，６１４ｂとを有している。閉塞部６１０ａ，６１０ｂは、蓋部６１２ａ，６１２ｂを開口６２４ａ，６２４ｂに対して連結されて、筒状部６３０と連結されている。

　筒状頒布物６００は、第一形態において筒状部６３０の開口６２４ａ，６２４ｂを開放及び閉塞することにより、筒状部６３０の内部に対象物を収容して、収容ケースとして利用することができる。

　また、筒状頒布物６００は、第二形態において筒状部６３０の開口６２４ａ，６２４ｂを開放させるように閉塞部６１０ａ，６１０ｂを配置させ、さらに差込口形成領域６２８を筒状部６３０の内側に折り曲げて、音声拡張装置として利用することができる。

　第二形態における筒状頒布物６００の音声拡張装置としての機能について、以下さらに詳細に説明する。

　筒状頒布物６００を第二形態において使用する場合、先ず閉塞部６１０ａ，６１０ｂを開口６２４ａ，６２４ｂを開放するように配置させる。より具体的には、閉塞部６１０ａ，６１０ｂを、差込部６１４ａ，６１４ｂ側が開口６２４ａ，６２４ｂから離反するように配置させる。これにより、筒状頒布物６００と設置面９４とが接触する範囲を拡大させて、筒状部６３０を安定して支持することができる。このように、閉塞部６１０ａ，６１０ｂは、筒状部６３０の支持脚として機能する。

　図２８及び図２９に示すように、筒状頒布物６００は、筒状部６３０の軸線方向中間部（本実施形態では略中央部）に端末差込口６３２が形成される。より具体的には、縁Ａに相当する部分に稜線６２９ｂが形成されるように差込口形成領域６２８を筒状部６３０の内側に押し込むと、端末差込口６３２が形成される。また、図２９（ｂ）に示すように、差込口形成領域６２８に相当する部分は、縁Ａ（稜線６２９ｂ）を基端部として片持ち状に支持された状態となり、後に詳述する端末ガイド部６４０として機能する。

　図２８に示すように、端末差込口６３２の開口幅Ｗ３、すなわち筒状部６３０の長手方向への開口領域の長さは、使用が想定されるスマートフォン等の端末９０の平均的な幅Ｗ２よりも大きい。開口幅Ｗ３は、端末９０の幅Ｗ２に対して１ｃｍ～５ｃｍ程度大きいことが望ましく、１．５～３ｃｍ程度大きいことがさらに好ましい。この程度の大きさの開口幅Ｗ３とした場合は、端末差込口６３２に端末９０を差し込んだ状態において端末９０の両脇に筒状部６３０の内部に繋がる隙間６３４，６３４が形成される。この隙間６３４，６３４を設けることにより、端末差込口６３２への端末９０の差し込みが容易になるだけでなく、音質や音響効果の向上が期待できる。

　図２９（ｂ）に示すように、端末ガイド部６４０は、端末差込口６３２に差し込まれる端末９０が倒れ込まないように支持するためのガイドである。端末ガイド部６４０によって端末９０を支持すると、端末９０は、設置面９４の法線Ｎに対して傾斜した状態になる。言い換えれば、端末ガイド部６４０は、差込口形成領域６２８の縁Ａ側（以下、「背面側」とも称す）から、縁Ａに対向する縁Ｃ側（以下、「正面側」とも称す）に向かうに連れて下り勾配となるように形成されている。そのため、端末差込口６３２に端末９０を差し込むと、端末９０は、筒状頒布物６００の背面側から正面側に向けて下り勾配となるように傾いた姿勢になる。これにより、端末９０の底面９０ａ側の部位が筒状部６３０の内周面６３０ａに対して線接触した状態になる。従って、使用する端末９０が、スピーカー９１で発生する音声を底面９０ａ側から出力可能なものであったとしても、底面９０ａ全体が筒状部６３０の内周面６３０ａに面接触して閉塞されることを抑制できる。

　また、筒状頒布物６００の端末差込口６３２に対して端末９０を差し込むと、端末９０は長手方向が法線Ｎに対して傾斜した姿勢で保持される。この状態において、端末９０の液晶画面が鉛直方向に対して傾斜した状態となり、端末９０の液晶画面を視認しやすくなる。

　筒状頒布物６００は、端末差込口６３２に端末９０を差し込むことにより、電源等を用いることなく音声拡張装置として使用となる。そのため、筒状頒布物６００は、収容ケースとしての利用態様において持ち運び、使用したい場所において使用できる。従って、本実施形態の筒状頒布物６００は、携帯性及び利便性に優れている。また、電源を使用する必要がないため、別途電源を準備したり、端末９０のバッテリーを使用する必要がない。そのため、筒状頒布物６００は、電源が使用できない屋外や、バッテリー容量が十分でない端末９０においても好適に音声拡張装置として利用することができる。

　また、図２８等に示すように、筒状頒布物６００は、端末差込口６３２に端末９０を差し込むことにより、端末９０のスピーカー９１が設けられた部分が、筒状部６３０の内側に収まる。これにより、スピーカー９１から発生させた音声を、筒状部６３０における指向性増強や共鳴等の効果により拡張させることができる。

　また、図２９（ｂ）に示すように、筒状頒布物６００においては、端末差込口６３２に差し込まれた端末９０が、端末ガイド部６４０によってガイドされて傾斜した姿勢となり、筒状部６３０の内周面６３０ａに対して線接触する。そのため、底面９０ａ近傍にスピーカー９１が設けられた構造の端末９０を使用した場合であっても、スピーカー９１が筒状部６３０の内周面６３０ａによって完全に閉塞されてしまうことを抑制し、音質の高い音声を発生させることが可能となる。

　また、端末ガイド部６４０は、筒状部６３０の一部を用いて形成されるものであり、端末ガイド部６４０となるものを別途準備する必要がない。そのため、筒状頒布物６００は、構成が極めてシンプルである。

　なお、本実施形態では、筒状部６３０に設けられた差込口形成領域６２８を筒状部６３０の内側に折り込んで端末ガイド部６４０を形成した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、差込口形成領域６２８を筒状部６３０の外側に引き起こして端末ガイド部６４０に相当するものを形成しても良い。また、筒状頒布物６００は、端末ガイド部６４０に相当するものを別途の部材で作成することや、端末ガイド部６４０を設けないこととしても良い。なお、底面９０ａ近傍にスピーカー９１が設けられた構造の端末９０の使用が想定される場合には、端末ガイド部６４０を設けない場合であっても、端末９０が上述したのと同様に傾斜した姿勢になるようにする方策を講じることが好ましい。

　また、本実施形態では、差込口形成領域６２８が、筒状部６３０の軸線方向中間部に設けられている。そのため、端末９０のスピーカー９１において発生した音声を、左右に分配して伝播させることができる。従って、筒状頒布物６００によれば、端末９０において発生した音声を、ステレオ方式の如く再生させることが可能である。

　上述したように、筒状頒布物６００には、閉塞部６１０ａ，６１０ｂが設けられている。そのため、筒状頒布物６００を設置対象物９２に設置すると、筒状部６３０の底面６２２ｄだけでなく閉塞部６１０ａ，６１０ｂにおいても設置面９４に当接した状態になり、安定性が高い。

　上述した筒状頒布物６００は、端末差込口６３２に端末９０を差し込んだ状態において端末９０の側方に筒状部６３０の内部空間に連通した隙間６３４が形成される構成とされている。これにより、端末差込口６３２に差し込んだ端末９０において発生する音質や音響効果の向上が期待できる。また、端末差込口６３２に対して、端末９０を容易に差し込み可能となる。

　筒状頒布物６００は、樹脂製のものや紙製のもの等、いかなる素材により構成されていてもよい。

　また、筒状部６３０等には、必要に応じて広告などの表示を行うことも可能である。この表示は、着色などで行ってもよく、既に説明したように型でプレスする際に機能に影響しないような形に型抜きするなどして行ってもよい。

　本実施形態の筒状頒布物６００は、筒状部６３０を断面形状が略矩形の筒体とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく断面形状が円形や楕円形、あるいは多角形の筒体であっても良い。筒状部６３０を略円形の断面形状を有するものとした場合、筒状部６３０の安定性を向上させるため、筒状部６３０の一部を変形させて、あるいは別途部材を設けて、筒状部６３０が後方に転倒しないようにする支持脚をさらに設けることが望ましい。

　本発明の筒状頒布物は、シート状頒布物の実施形態において説明した各構成を設けることができる。すなわち、本発明の筒状頒布物は、透光性を有する素材により構成されるものとして、透光領域及び絵柄領域を設けてもよい。これにより、筒状部の前方面や上方面と、後方面や底面とにより、奥行きのある意匠を構成することができる。また、筒状頒布物に収容された収容物と絵柄領域に呈示された絵柄とにより、所定の意匠を構成するものとしてもよい。

　また、本発明の筒状頒布物に、前面孔や切込保持部、あるいは支持脚形成領域を設けてもよい。

　本発明のシート状頒布物及び筒状頒布物は、広告や販促のために用いられる頒布物として利用可能であることに加え、携帯電話機、スマートフォン、デジタル音楽プレイヤー、タブレット型端末等のような端末から発せられる音声を拡張する用途全般において利用することができる。

　１０，１０’，１０’’　シート状頒布物
　２０，２０’，２０’’　シート状部材
　２２　　　　　　　　筒状部形成領域
　２４　　　　　　　　固定部形成領域
　２６，２６’　　　　設置面到達部形成領域
　２８　　　　　　　　差込口形成領域
　２９ａ　　　　　　　切れ目
　２９ｂ　　　　　　　稜線
　３０　　　　　　　　筒状部
　３０ａ　　　　　　　内周面
　３２　　　　　　　　端末差込口
　３４　　　　　　　　隙間
　４０　　　　　　　　端末ガイド部
　５０　　　　　　　　固定部
　５２　　　　　　　　係合部
　５４　　　　　　　　被係合部
　５６　　　　　　　　切れ目
　５８　　　　　　　　切れ目
　６０，６０’　　　　設置面到達部
　６２　　　　　　　　切込保持部
　７０　　　　　　　　可視情報表示領域
　７２　　　　　　　　第一視認領域
　７４　　　　　　　　第二視認領域
　７６　　　　　　　　第三視認領域
　９０　　　　　　　　端末
　９０ａ　　　　　　　底面
　９１　　　　　　　　スピーカー
　９２　　　　　　　　設置対象物
　９４　　　　　　　　設置面
　１００　　　　　　　シート状頒布物
　１０２　　　　　　　前面孔
　１０４　　　　　　　底部領域（絵柄領域）
　１１０　　　　　　　透光領域
　１１２　　　　　　　絵柄領域
　１２０　　　　　　　シート状部材
　１３０ａ，１３０ｂ　前方絵柄（絵柄）
　１３２　　　　　　　後方絵柄（絵柄）
　１３４　　　　　　　底部絵柄（絵柄）
　２００　　　　　　　シート状頒布物
　２２０　　　　　　　シート状部材
　２３０　　　　　　　透光領域
　２３２　　　　　　　第一絵柄領域（絵柄領域）
　２３４　　　　　　　第二絵柄領域（絵柄領域）
　２４２　　　　　　　後方絵柄（絵柄）
　２４４　　　　　　　底部絵柄（絵柄）
　２４６　　　　　　　立体絵柄（絵柄）
　３００　　　　　　　シート状頒布物
　３２０　　　　　　　シート状部材
　３２４　　　　　　　切れ目
　３２８　　　　　　　差込口形成領域
　３５２　　　　　　　係合部
　３５４　　　　　　　被係合部
　４００　　　　　　　シート状頒布物
　４２０　　　　　　　シート状部材
　４２６　　　　　　　開口
　４５０　　　　　　　透光領域
　４５２　　　　　　　絵柄領域
　４６２　　　　　　　前方絵柄（絵柄）
　４６４　　　　　　　後方絵柄（絵柄）
　５００　　　　　　　シート状頒布物
　５２０　　　　　　　シート状部材
　５２２　　　　　　　内側縁部
　５３０　　　　　　　支持脚形成領域
　５４０　　　　　　　支持脚
　６００　　　　　　　筒状頒布物
　６２８　　　　　　　差込口形成領域
　６２９ｂ　　　　　　稜線
　６３０　　　　　　　筒状部
　６３０ａ　　　　　　内周面
　６３２　　　　　　　端末差込口
　６３４　　　　　　　隙間
　６４０　　　　　　　端末ガイド部
　Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ　　　縁
　Ｎ　　　　　　　　　法線
　Ｗ１，Ｗ３　　　　　開口幅

Claims

　屈曲、あるいは折り曲げ可能とされた１又は２以上のシート状部材を有し、
　前記シート状部材が、
　頒布可能とされる平面的な形状をなす第一形態と、
　屈曲、あるいは折り曲げられて立体的な形状をなす第二形態とを形成可能とするものであり、
　前記第一形態における利用態様と異なる態様により、前記第二形態において利用可能とされたものであり、
　前記第二形態において、端末を所定の姿勢に維持して保持可能とされたことを特徴とするシート状頒布物。
　前記シート状部材が、前記第二形態を保持するための固定部を有し、
　前記固定部が、前記シート状部材に設けられた切れ目により凸形状を形成する係合部と、前記係合部を差し込み可能とされた前記シート状部材に設けられた切れ目である被係合部とを含み、
　前記係合部を前記被係合部に差し込むことにより、前記第二形態を保持可能とされたことを特徴とする請求項１に記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材が、視認することができる情報である可視情報を表示させる可視情報表示領域を有し、
　前記可視情報表示領域が、前記第一形態及び前記第二形態の双方を通じて視認可能とされた第一視認領域を有することを特徴とする請求項１又は２に記載のシート状頒布物。
　前記第一視認領域が、前記第二形態において外側に露呈するように配置されることを特徴とする請求項３に記載のシート状頒布物。
　前記可視情報表示領域が、前記第一形態及び前記第二形態の双方を通じて視認することができる第一視認領域と、前記第二形態において隠れる第二視認領域とを備えていることを特徴とする請求項３又は４に記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材の全部又は一部が、透光性を有する素材により構成されたものであり、
　前記シート状部材が、文字、図形、模様又は色彩のいずれかを少なくとも含む領域とされた絵柄領域を少なくとも一部に備え、
　前記シート状部材が、透光性を有する領域である透光領域を少なくとも一部に備え、
　前記第一形態又は前記第二形態のうちいずれか一方又は双方において、前記透光領域を通じて少なくとも一部の前記絵柄領域を視認可能であることを特徴とする請求項１～５のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記絵柄領域の少なくとも一部が、前記第二形態において前記透光領域を通じて所定の方向から視認することができるものであり、
　前記絵柄領域には、文字、図形、模様又は色彩のうちの少なくともいずれかが含まれる絵柄が構成され、
　前記所定の方向から視認される前記絵柄領域に構成された絵柄が、前記所定の方向において前方に配置される絵柄である前方絵柄と、前記シート状部材の後方に配置される絵柄である後方絵柄とを含み、
　前記前方絵柄と、前記後方絵柄とが、前記所定の方向から視認した場合に、奥行きのある一つの意匠を構成することを特徴とする請求項６に記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材が二つ折りとされることにより、又は２以上の前記シート状部材が積層されることにより、層をなす前記シート状部材の間に挟持領域が形成され、
　前記シート状部材が、前記層をなすシート状部材の周囲のうち一部を連結することにより、書類を挟持領域に保持可能なクリアファイルとして利用可能であることを特徴とする請求項１～７のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材が二つ折りとされることにより、又は２以上の前記シート状部材が積層されることにより、層をなす前記シート状部材の間に挟持領域が形成され、
　前記シート状部材が、前記層をなすシート状部材の周囲のうち一部が開口するように連結されて袋状とされていることを特徴とする請求項１～８のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材が二つ折りとされることにより、又は２以上の前記シート状部材が積層されることにより、層をなす前記シート状部材の間に挟持領域が形成されｙ、
　前記シート状部材が、前記層をなすシート状部材の周囲のうち一部が開口するように連結されて袋状とされており、
　前記第一形態において袋として利用可能とされ、さらに前記第一形態において前記連結されている部分を切り離すことによりクリアファイルとして利用可能とされていることを特徴とする請求項１～９のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記第二形態が、前記シート状部材を組み立てることによりスピーカーを備えた末端から出力される音声を拡張させるための音声拡張装置として使用可能なものであり、
　前記シート状部材が、屈曲されることにより筒状部を形成可能とされ、
　前記シート部材には、前記第二形態においてスピーカーを備えた端末を差し込み可能な端末差込口が、前記筒状部の軸線方向中間部に形成され、
　前記第二形態において、前記端末差込口に前記端末を差し込むことにより、前記端末において前記スピーカーが設けられた部位が前記筒状部の内側に到来することを特徴とする請求項１～１０のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記端末差込口に差し込まれた前記端末が、前記筒状部の内周面に対して線接触することを特徴とする請求項１１に記載のシート状頒布物。
　前記筒状部を設置対象物の設置面上に設置して使用されるものであり、
　前記端末差込口に差し込まれた前記端末の姿勢が、前記設置面の法線に対して傾斜した状態になるようにガイドする端末ガイド部を有することを特徴とする請求項１１又は１２に記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材に、前記端末差込口の形成用として差込口形成領域が設けられており、
　前記端末差込口を構成する縁のうち、前記筒状部の軸線方向に延びる一の縁Ａを除く他の縁に該当する部位に切れ目が形成されており、
　前記縁Ａが稜線をなすように前記差込口形成領域を前記筒状部の内側に押し込むこと、あるいは前記差込口形成領域を前記筒状部の外側に引き出すことにより前記端末ガイド部が形成されることを特徴とする請求項１３に記載のシート状頒布物。
　前記筒状部を構成した状態を維持可能なように前記シート状部材を固定する固定部を有し、
　前記筒状部を設置対象物の設置面上に設置した状態において、前記シート状部材の一端側に、前記固定部による固定位置を越えて前記設置面に到達するように形成された設置面到達部が設けられていることを特徴とする請求項１１～１４のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記筒状部を構成した状態を維持可能なように前記シート状部材を固定する固定部を有し、
　前記シート状部材が、弾性力を有する素材によって形成されており、
　前記筒状部の軸線方向の一部の領域において前記シート状部材が前記固定部によって固定され、他の領域においては前記シート状部材が非固定状態とされていることを特徴とする請求項１５に記載のシート状頒布物。
　前記設置面到達部の一部の領域が、他の領域よりも大きく撓んで前記筒状部から離れた状態になることを特徴とする請求項１５又は１６に記載のシート状頒布物。
　前記筒状部を構成した状態を維持可能なように前記シート状部材を固定する固定部が、前記シート状部材に一体的に形成されていることを特徴とする請求項１１～１７のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記端末差込口に前記端末を差し込んだ状態において、前記端末の側方に前記筒状部の内部空間に繋がる隙間が形成されることを特徴とする請求項１１～１８のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材が、他部材と組み合わされており、
　前記他部材から分離させた前記シート状部材を用いて組み立てることにより前記音声拡張装置として使用可能であることを特徴とする請求項１１～１９のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材には、前記第二形態において屈曲させて変形可能とされた支持脚形成領域が設けられたものであり、
　前記第二形態において、前記支持脚形成領域が前記筒状部の外側に向くよう配置され、前記筒状部を支持する支持脚が形成されることを特徴とする請求項１～２３のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記筒状部を構成した状態を維持可能なように前記シート状部材を固定する固定部を有し、
　前記筒状部を設置対象物の設置面上に設置した状態において、前記シート状部材の一端側に、前記固定部による固定位置を越えて前記設置面に到達するように形成された設置面到達部が設けられ、
　前記支持脚形成領域が、前記設置面到達部の一部に設けられ、
　前記第二形態において、前記支持脚形成領域が前記筒状部の外側に向くよう配置され、前記筒状部を支持する支持脚が形成されるものであり、
　前記シート状部材の前記設置面到達領域が設けられた側とは反対側の端部を内側縁部とした場合に、前記筒状部形成領域が前記筒状部を形成した状態において、前記筒状部の内側において前記内側縁部が前記支持脚形成領域を覆う位置まで到達することを特徴とする請求項１１～２１のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材には、前記端末から発せられる音声を前記筒状部の内側から外側へと漏出させる前面孔が設けられることを特徴とする請求項１１～２２のいずれかに記載のシート状頒布物。
　所定の切断経路で前記シート状部材を切断するための切れ目が前記シート状部材に設けられており、
　前記切れ目が前記切断経路の途中において一又は複数箇所において不連続とされていることを特徴とする請求項１１～２３のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材が、前記第一形態において矩形の平面形状とされたものであり、
　前記シート状部材の外形がＡ４サイズであることを特徴とする請求項１～２４のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材が、前記第一形態において矩形の平面形状とされたものであり、
　前記シート状部材の長辺が延びる方向又は短辺が延びる方向のうちいずれか一方をＸ方向として他方をＹ方向とし、さらにＡ４サイズの長辺の長さをＬ１としてＡ４サイズの短辺の長さをＬ２とした場合に、
　前記シート状部材のＸ方向又はＹ方向の辺のうち一方又は双方の長さがＬ２とされ、他方の辺の長さがＬ１以下であることを特徴とする請求項１～２５のいずれかに記載のシート状頒布物。
　前記シート状部材に所定の絵柄が付されたものであり、前記所定の絵柄の輪郭の一部に沿うように切れ目が設けられ、
　前記第二形態において、前記切れ目に囲まれた領域の端部が、前記切れ目を境界として隣接する前記シート状部材の他の領域から離反して、突出するような姿勢となることを特徴とする請求項１～２６のいずれかに記載のシート状頒布物。
　長手方向の一端側及び他端側の双方を開放可能とされた中空の筒体を形成する筒状部を有し、
　内部に収容対象物を収容するケースとしての第一形態と、
　携帯型の端末を所定の姿勢に維持して保持可能とされた第二形態とにより利用可能とされたことを特徴とする筒状頒布物。
　前記第二形態において、スピーカーを備えた末端から出力される音声を拡張させるための音声拡張装置として使用可能なものであり、
　前記筒状部には、前記第二形態においてスピーカーを備えた端末を差し込み可能な切り込みあるいは切り抜きとされた端末差込口が形成され、
　前記第二形態において、前記端末差込口に前記端末を差し込むことにより、前記端末において前記スピーカーが設けられた部位が前記筒状部の内側に到来することを特徴とする筒状頒布物。
　前記筒状部の長手方向の一端側及び他端側のうちの少なくとも一方に、前記筒状部の開口を開放及び閉塞可能とされた閉塞部が設けられ、
　前記閉塞部が、前記筒状部の開口に対して連結されるものであり、
　前記閉塞部が、前記筒状部の開口を開放するように配置された状態において、前記筒状部を支持する支持脚として機能することを特徴とする請求項２８又は２９に記載の筒状頒布物。