WO2019030813A1 - 空気調和機の室外機 - Google Patents

Abstract

空気調和機の室外機は、複数の導電ピンを備えた端子が複数設けられた圧縮機を有する。室外機は、端子毎に設けられ、制御基板と複数の導電ピンとを接続する複数のリード線からなるリード線群と、各リード線群のそれぞれの複数の導電ピン側の端部に取り付けられ、リード線群毎に異なる端部コネクタとを備える。リード線群は、端部コネクタによって複数の導電ピンに接続されると共に、長手方向の途中で分割され、その分割部分が一対の中継コネクタで着脱自在に連結されており、制御基板から分割部分までの長さと、分割部分から端部コネクタまでの長さとが、リード線群毎に異なる。

Description

空気調和機の室外機

　本発明は、組立工程での誤配線を防止する空気調和機の室外機に関するものである。

　空気調和機の室外機に備えられる圧縮機は、固定子及び回転子を有する電動機部と、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、電動機部の回転力を圧縮機構部に伝達する主軸とを容器内に備えた構成を有している。この種の圧縮機には、容器外から電動機部の回転子に電源を供給するガラス端子が容器を貫通して設けられている（例えば、特許文献１参照）。そして、特許文献１では、ガラス端子に接続される複数のリード線のそれぞれが、クラスターブロックを介してガラス端子に設けられた導電ピンに接続されており、クラスターブロックの色を互いに異ならせることで、誤配線を防止している。

特開２０１１－２２９２２１号公報

　しかしながら、クラスターブロックの色を互いに異ならせても、クラスターブロックを導電ピンへ接続すること自体は可能であるため、誤配線を確実に防止する技術とは言えず、改善が必要であった。

　本発明はこのような点を鑑みなされたもので、誤配線を物理的に防止することが可能な空気調和機の室外機を提供することを目的とする。

　本発明に係る空気調和機の室外機は、複数の導電ピンを備えた端子が複数設けられた圧縮機を有する空気調和機の室外機であって、端子毎に設けられ、制御基板と複数の導電ピンとを接続する複数のリード線からなるリード線群と、各リード線群のそれぞれの複数の導電ピン側の端部に取り付けられ、リード線群毎に異なる端部コネクタとを備え、リード線群は、端部コネクタによって複数の導電ピンに接続されると共に、長手方向の途中で分割され、その分割部分が一対の中継コネクタで着脱自在に連結されており、制御基板から分割部分までの長さと、分割部分から端部コネクタまでの長さとが、リード線群毎に異なものである。

　本発明によれば、誤配線を物理的に防止することが可能である。

本発明の実施の形態１に係る空気調和機の室外機の分解斜視図である。 本発明の実施の形態１に係る空気調和機の室外機に備えられた圧縮機の上部の斜視図である。 本発明の実施の形態１に係る空気調和機の室外機に備えられた圧縮機と制御基板との接続状態の説明図である。 図３の圧縮機の拡大斜視図である。 本発明の実施の形態２に係る空気調和機の室外機に備えられた圧縮機と制御基板との接続状態の説明図である。

実施の形態１．
　図１は、本発明の実施の形態１に係る空気調和機の室外機の分解斜視図である。
　図１に示すように空気調和機の室外機１の筐体は、底面２と、前面から左側面に延びる平面視Ｌ字状の前面外郭部品３と、上面を構成する上部外郭部品５と、右側面を構成する側面外郭部品４とを備えている。前面外郭部品３の前面には吹出し口３ａが開口し、左側面には吸込み口（図示せず）が開口している。そして、筐体内の底面２上に、熱交換器８と、圧縮機１０と、熱交換器８に空気を送り込む送風機６とが配置されている。熱交換器８は、筐体の背面開口の略全体を閉塞するように底面２上に配置されている。また、筐体内には、送風機６を駆動するモータ（図示せず）と、モータを固定するモータ取付台７と、接続配管９とが配置されている。接続配管９は、熱交換器８と圧縮機１０とを接続するものである。また、圧縮機１０の上部には、室外機１全体を制御する制御基板２０が配置されている。

　図２は、本発明の実施の形態１に係る空気調和機の室外機に備えられた圧縮機の上部の斜視図である。
　圧縮機１０内には圧縮機モータ（図示せず）が備えられており、圧縮機モータはＵ相、Ｖ相及びＷ相の三相の巻線を有する三相モータである。圧縮機１０の容器１０ａの上部には、圧縮機１０の容器１０ａを貫通して２箇所にガラス端子１１ａ及びガラス端子１１ｂが設けられている。以下、ガラス端子１１ａ及びガラス端子１１ｂを総称してガラス端子１１ということがある。ガラス端子１１は、圧縮機モータの回転子に容器１０ａ外の制御基板２０から電源を供給するためのものである。

　ガラス端子１１ａは３本の導電ピン１２を備える。３本の導電ピン１２のそれぞれは、容器１０ａ内の圧縮機モータのＵ相、Ｖ相及びＷ相のそれぞれの巻線の一端部に接続される。このように、ガラス端子１１ａには、Ｕ相、Ｖ相及びＷ相の各１本ずつの計３本の導電ピン１２が一組として設けられている。また、ガラス端子１１ｂも同様に３本の導電ピン１３を備え、３本の導電ピン１３のそれぞれは、容器１０ａ内の圧縮機モータのＵ相、Ｖ相及びＷ相のそれぞれの巻線の一端部に接続される。このように、ガラス端子１１ｂには、Ｕ相、Ｖ相及びＷ相の各１本ずつの計３本の導電ピン１３が一組として設けられている。以上の構成により、圧縮機モータに電源が供給されるようになっている。

　そして、ガラス端子１１ａの導電ピン１２は、円筒のピン形状を有している。ガラス端子１１ｂの導電ピン１３は、円筒のピンに端子接続板１３ａが取り付けられた構成を有している。

　図３は、本発明の実施の形態１に係る空気調和機の室外機に備えられた圧縮機と制御基板との接続状態の説明図である。図４は、図３の圧縮機の拡大斜視図である。
　制御基板２０には、それぞれ３本のリード線で構成された、リード線群３１及びリード線群３２のそれぞれの一端部が接続されている。リード線群３１の他端部には端部コネクタとしてクラスターブロック１４が取り付けられ、クラスターブロック１４がガラス端子１１ａの導電ピン１２に着脱自在に接続されている。また、リード線群３２の各リード線それぞれの他端部には、端部コネクタとして旗型端子１５が取り付けられ、旗型端子１５がガラス端子１１ｂの導電ピン１３に着脱自在に接続されている。以上により、制御基板２０と圧縮機１０とが電気的に接続されている。なお、旗型端子１５は、図３及び図４では詳細に図示されていないが、端子接続板１３ａが挿入される被挿入部を有し、被挿入部に端子接続板１３ａが挿入されることで旗型端子１５と導電ピン１３とが接続される。

　クラスターブロック１４は樹脂製である。旗型端子１５は金属製である。旗型端子１５には、図４に示すように端子スリーブ１６が装着されている。導電ピン１３と旗型端子１５との接触不良が発生した場合に生じる火花放電による火災の発生を防止するため、端子スリーブ１６は、難燃性の素材で構成されている。図４では、一つの旗型端子１５にのみ、端子スリーブ１６が装着された状態を図示しているが、全ての旗型端子１５に端子スリーブ１６が装着されている。

　ところで、本実施の形態１の空気調和機の室外機は、制御基板２０に設けられた巻線切替部（図示せず）によって、圧縮機モータの結線をＹ結線とΔ結線とに切替可能な構成を有している。Ｙ結線は、圧縮機モータの回転数が低い場合に効率が良く、Δ結線は、圧縮機モータの回転数が高い場合に効率が良い結線構造である。巻線切替部は具体的にはリレーで構成されており、本実施の形態１の室外機は、このように運転条件に応じて圧縮機モータの結線を巻線切替部で切り替えることで、省エネルギー性の向上が可能なものである。なお、圧縮機モータの結線をＹ結線とΔ結線とに切り替える技術は公知の技術であり、公知の技術を用いて巻線切替部を構成すればよい。

　結線方式の切り替えを行わないタイプの圧縮機では、圧縮機モータのＵ相、Ｖ相及びＷ相のそれぞれの巻線に繋がっている計３本の導電ピンが、１つのガラス端子にまとめられて配置された構成となる。しかしながら、本実施の形態１のように結線方式を切り替えるタイプの圧縮機では、圧縮機モータのＵ相、Ｖ相及びＷ相のそれぞれの巻線の両端部を、制御基板２０の巻線切替部に接続する必要がある。このため、計６つの導電ピンが必要となり、故に、上述したようにＵ相、Ｖ相及びＷ相に接続される３本の導電ピンを一組として備えたガラス端子を２つ、容器１０ａ上部に配置した構成となっている。

　リード線群３１の接続先は、回路構成上、ガラス端子１１ａと決まっている。リード線群３２の接続先もまた、回路構成上、ガラス端子１１ｂと決まっている。そして、リード線群３１の制御基板２０側は、巻線切替部を介してＵ相、Ｖ相及びＷ相のそれぞれに接続されており、リード線群３１の圧縮機１０側は、上述したようにクラスターブロック１４を用いてガラス端子１１ａに接続される。また、リード線群３２の制御基板２０側は、巻線切替部を介してＵ相、Ｖ相及びＷ相のそれぞれに接続されており、リード線群３２の圧縮機１０側は上述したように旗型端子１５を用いてガラス端子１１ｂに接続される。

　ここで、リード線群３１及びリード線群３２の長さが長すぎると、組み立て難い。このため、リード線群３１及びリード線群３２は、図３に示すように長手方向の途中で分割されている。そして、その分割部分に互いに着脱可能な一対の中継コネクタ３３が設けられ、一対の中継コネクタ３３で着脱自在に連結可能となっている。そして、一対の中継コネクタ３３の一方はオス型コネクタ３３ａで構成され、他方はメス型コネクタ３３ｂで構成されている。また、リード線群３２も同様に、長手方向の途中で分割され、分割部分に互いに着脱可能な一対の中継コネクタ３４が設けられ、一対の中継コネクタ３４で着脱自在に連結可能となっている。そして、一対の中継コネクタ３４の一方はオス型コネクタ３４ａで構成され、他方はメス型コネクタ３４ｂで構成されている。

　そして、リード線群３１をガラス端子１１ｂに接続し、リード線群３２をガラス端子１１ａに接続するという誤配線が生じると、Ｙ結線とΔ結線と切り替えが正常に機能しなくなる。このため、本実施の形態１では、このような誤配線を防止する構成として以下の構成としている。なお、以下では、２つに分割されたリード線群３１のうち、制御基板２０側をリード線群３１ａ、圧縮機１０側をリード線群３１ｂという。また、同様に、リード線群３２のうち、制御基板２０側をリード線群３２ａ、圧縮機１０側をリード線群３２ｂという。

　リード線群３１とリード線群３２とにおいて、制御基板２０側のリード線群同士を比較すると、リード線群３１ａの長さをリード線群３２ａの長さよりも長くしている。また、圧縮機１０側のリード線群同士を比較すると、リード線群３１ｂの長さをリード線群３２ｂの長さよりも短くしている。すなわち、一対の中継コネクタ３３及び一対の中継コネクタ３４を境としたリード線の長さを、リード線群毎に異なる構成としている。

　このように構成することで、誤配線を物理的に行えなくしている。すなわち、圧縮機１０側のリード線群３１ｂがガラス端子１１ａに接続され、リード線群３２ｂがガラス端子１１ｂに接続された状態にあるとする。また、一対の中継コネクタ３３及び一対の中継コネクタ３４での連結が成されていない状態にあるとする。ここで、ガラス端子１１ａとガラス端子１１ｂとでは導電ピン１２と導電ピン１３との形状が異なっている。このため、組立作業者が、圧縮機１０側のリード線群３１ｂ及びリード線群３２ｂをガラス端子へ接続する際には、クラスターブロック１４と旗型端子１５とをどちらのガラス端子に接続すればよいか、一瞥して一意に決定できる。つまり、図４に示すように、リード線群３１ｂのクラスターブロック１４はガラス端子１１ａへ接続され、リード線群３２ｂの旗型端子１５はガラス端子１１ｂへ接続される。

　そして、この状態から制御基板２０側のリード線群３１ａ及びリード線群３２ａを、圧縮機１０側のリード線群３１ｂ及びリード線群３２ｂに、一対の中継コネクタ部分で連結する場合について考える。この場合、リード線群３１ａのオス型コネクタ３３ａは、リード線群３２ｂのメス型コネクタ３４ｂに連結可能である。しかし、リード線群３２ａのオス型コネクタ３４ａは、リード線群３１ａのメス型コネクタ３３ｂまで長さが届かず、連結できない。このため、誤配線を防止することができる。

　以上説明したように、本実施の形態１によれば、リード線群が長手方向の途中で分割されて、その分割部分で着脱自在に連結されており、制御基板２０から分割部分までの長さと、分割部分から端部コネクタまでの長さとが、リード線群毎に異なる構成とした。このため、誤配線を物理的に防止することができる。

　また、リード線群毎に、端部コネクタをクラスターブロック１４と旗型端子１５とで異ならせている。これに伴って、ガラス端子１１ａとガラス端子１１ｂとでは導電ピンの形状が異なっている。このため、クラスターブロック１４と旗型端子１５とを、誤ったガラス端子側に接続することを防止できる。また、クラスターブロック１４と旗型端子１５とを、どちらのガラス端子１１に接続すればよいか、一瞥して一意に決定でき、組立時間の短縮化にも効果的である。

　また、リード線の色又は一対の中継コネクタの色を、リード線群３１とリード線群３２とで異ならせ、より視覚的に接続先を見分けるようにしてもよい。

　また、端子スリーブ１６は、上述したように火災の発生を防止するために用いられるが、ここでは、旗型端子１５の導電ピン１３への取付け及び取外しの作業性を向上するための役割も有する。すなわち、端子スリーブ１６の形状及び色の一方又は両方を各旗型端子１５毎に変えることにより、旗型端子１５を導電ピン１３に接続する際の誤配線防止を行うことが可能になる。

実施の形態２．
　実施の形態２は、実施の形態１とは異なる誤配線の防止構造を一対の中継コネクタ部分に設けたものである。以下、実施の形態２が実施の形態１と異なる点を中心に説明し、本実施の形態２で説明されていない構成は実施の形態１と同様である。

　図５は、本発明の実施の形態２に係る空気調和機の室外機に備えられた圧縮機と制御基板との接続状態の説明図である。
　上記実施の形態１では、一対の中継コネクタ３３及び一対の中継コネクタ３４を構成するオス型コネクタとメス型コネクタとの振り分けを、リード線群３１とリード線群３２とで同じとしていた。これに対し、実施の形態２では、リード線群３１とリード線群３２とで、オス型コネクタとメス型コネクタとの振り分けを異ならせている。すなわち、図５に示すようにリード線群３１では、制御基板２０側をオス型、圧縮機１０側をメス型としているのに対し、リード線群３２では、制御基板２０側をメス型、圧縮機１０側をオス型としている。

　この構成により、例えばリード線群３１ａをガラス端子１１ｂ側に接続されたリード線群３２ｂに接続するといった誤配線は、コネクタが共にオス型となるため起こりえない。また、中継コネクタ部分のオス型とメス型とを確認することで、リード線群３１ａ及びリード線群３２ａを、リード線群３１ｂ及びリード線群３２ｂのどちらに接続したらよいか、容易に見分けることができる。その結果、組立時間の短縮を図ることができ、組立性能を向上できる。

　以上説明したように、本実施の形態２によれば、リード線群３１とリード線群３２とで一対の中継コネクタ部分におけるオス型とメス型の振り分けを異ならせるようにした。これにより、一対の中継コネクタ部分における誤った接続を物理的に不可能とすることができ、誤配線を防止できる。また、接続先を視覚的に容易に見分けることができ、組立性能を向上できる。

　なお、図４には、実施の形態１の技術を備え、一対の中継コネクタ３３及び一対の中継コネクタ３４を境としたリード線群の長さをリード線群毎に異なる構成としている。しかし、実施の形態２は、あくまでも中継コネクタにおけるオス型とメス型との振り分けをリード線群３１とリード線群３２とで異ならせることを特徴としたものであり、実施の形態１の技術は備えていなくてもよい。つまり、制御基板２０から分割部分までの長さと、分割部分から端部コネクタまでの長さを、リード線群同士で同じとしてもよい。この場合でも、実施の形態２の技術を備えることで、誤配線を防止することができる。

　１　室外機、２　底面、３　前面外郭部品、３ａ　吹出し口、４　側面外郭部品、５　上部外郭部品、６　送風機、７　モータ取付台、８　熱交換器、９　接続配管、１０　圧縮機、１０ａ　容器、１１　ガラス端子、１１ａ　ガラス端子、１１ｂ　ガラス端子、１２　導電ピン、１３　導電ピン、１３ａ　端子接続板、１４　クラスターブロック、１５　旗型端子、１６　端子スリーブ、２０　制御基板、３１　リード線群、３１ａ　リード線群、３１ｂ　リード線群、３２　リード線群、３２ａ　リード線群、３２ｂ　リード線群、３３　中継コネクタ、３３ａ　オス型コネクタ、３３ｂ　メス型コネクタ、３４　中継コネクタ、３４ａ　オス型コネクタ、３４ｂ　メス型コネクタ。

Claims (3)

1. 　複数の導電ピンを備えた端子が複数設けられた圧縮機を有する空気調和機の室外機であって、
   　前記端子毎に設けられ、制御基板と前記複数の導電ピンとを接続する複数のリード線からなるリード線群と、
   　各リード線群のそれぞれの前記複数の導電ピン側の端部に取り付けられ、前記リード線群毎に異なる端部コネクタとを備え、
   　前記リード線群は、前記端部コネクタによって前記複数の導電ピンに接続されると共に、長手方向の途中で分割され、その分割部分が一対の中継コネクタで着脱自在に連結されており、前記制御基板から前記分割部分までの長さと、前記分割部分から前記端部コネクタまでの長さとが、前記リード線群毎に異なる空気調和機の室外機。
2. 　前記一対の中継コネクタの一方はオス型、他方はメス型であり、前記リード線群毎に、前記オス型と前記メス型との振り分けが異なる請求項１記載の空気調和機の室外機。
3. 　複数の導電ピンを備えた端子が複数設けられた圧縮機を有する空気調和機の室外機であって、
   　前記端子毎に設けられ、制御基板と前記複数の導電ピンとを接続する複数のリード線からなるリード線群と、
   　各リード線群のそれぞれの前記複数の導電ピン側の端部に取り付けられ、前記リード線群毎に異なる端部コネクタとを備え、
   　前記リード線群は、前記端部コネクタによって前記複数の導電ピンに接続されると共に、長手方向の途中で分割され、その分割部分が一対の中継コネクタで着脱自在に連結されており、
   　前記一対の中継コネクタは、一方がオス型、他方がメス型であり、前記リード線群毎に、前記オス型と前記メス型との振り分けが異なる空気調和機の室外機。

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