JP2004087379A - 電気コネクタ及び電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】家電製品等の電子機器をリサイクルする際に確実に取外すことができ、なおかつ、シンプルな構造を有する電気コネクタの提供と、この電気コネクタを備えた電子機器の提供とを課題とする。
【解決手段】係止爪5dに形状記憶樹脂が用いられている電気コネクタを採用した。また、この電気コネクタを備えた電子機器を採用した。
【選択図】 図2
【解決手段】係止爪5dに形状記憶樹脂が用いられている電気コネクタを採用した。また、この電気コネクタを備えた電子機器を採用した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気コネクタ及びこれを備えた電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばエアコン等の電化製品には、その運転動作を制御するための電子基板が内蔵されている。この種の電子基板は、他の電子基板やモータ等との間で制御信号や電力供給のやりとりを行うための電線を介して接続されており、その接続には、多数の電気コネクタが用いられている。
【0003】
ところで、最近の家電製品においては、環境保護の観点から、用済み後の廃棄処理をいかに行うかが問題となっている。
すなわち、大量生産された電化製品の部品をリサイクルして資源を有効利用するとともに、資源の浪費を抑制したり、有害な物質を取り出して安全に処理することで地球環境を保全することを目的として、廃棄された電化製品を分解してその素材毎に分別回収することがなされている。しかしながら、これら電化製品は、通常の使用状態では容易に分解できないように組み立てられている上に部品点数が多いのが一般的であるため、その中から電気コネクタなどを探し出して分離、回収するには多くの人手と時間、すなわち分解コストを必要とする問題があった。
【0004】
そこで、例えば特開2002−75505号公報に示されるように、コンタクトとインシュレータとを有する電気コネクタにおいて、ランスを形状記憶合金で構成するとともにこのランスに電熱線を設け、この電熱線の発熱により、ランスの係止状態を解除して分離する構成が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の電気コネクタでは、構造が複雑で部品点数が多くなってしまうことから、その実用化にあたっては、さらなる検討が必要とされている。
すなわち、この従来の電気コネクタは、そのランスが、樹脂製の本体と異なる形状記憶合金製であるため、別部品とせざるを得ない。また、このランスを加熱するために前記電熱線を別部品として必要としている。また、この電熱線に電流を流すための導線も必要としている。したがって、電気コネクタ1個あたりの部品点数が通常よりも多くなる。
上述のように、この種の電気コネクタは、多数が用いられるものであるから、それぞれの電気コネクタごとにこのような多くの部品点数を用いることは、コスト的にも現実的ではない。さらには、構造が複雑であることから、電気コネクタの外形が大型化しがちであり、家電製品の装置小型化の要求に応えることができない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、家電製品等の電子機器をリサイクルする際に確実に取外すことができ、なおかつ、シンプルな構造を有する電気コネクタの提供と、この電気コネクタを備えた電子機器の提供とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の電気コネクタは、一方の係止部を他方の被係止部に係止させることで接続可能な電気コネクタにおいて、前記係止部または前記被係止部の何れか一方もしくは両方に、形状記憶樹脂が用いられていることを特徴とする。
上記請求項1に記載の電気コネクタによれば、電気コネクタ全体を所定の温度に加熱すると、係止部及び被係止部間の係合状態が解除される。
【0008】
請求項2に記載の電気コネクタは、金属端子を接続させた際に、該金属端子のランスが係止するランス係止部を有する電気コネクタにおいて、前記ランス係止部に、形状記憶樹脂が用いられていることを特徴とする。
上記請求項2に記載の電気コネクタによれば、電気コネクタ全体を所定の温度に加熱すると、ランス及びランス係止部間の係合状態が解除される。
【0009】
請求項3に記載の電子機器は、請求項1または請求項2に記載の電気コネクタが備えられていることを特徴とする。
上記請求項3に記載の電子機器によれば、その電気コネクタを所定温度に加熱することで、確実に接続解除できるものであるから、基板間の配線接続などを容易に分離でき、効果的に分別することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電気コネクタ及び電子装置の一実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれに限定解釈されるものでないことはもちろんである。なお、本実施形態では、電子装置がエアコンである場合を例として説明する。
【0011】
本実施形態のエアコンは、図示しない室内機と室外機とを備えており、図1に示すように、それぞれの内部に、その運転動作を制御するための電子基板1が内蔵されている。この種の電子基板1は、図示されない他の電子基板やモータ等との間で制御信号や電力供給のやりとりを行うための電線2を介して接続されており、その接続には、多数の電気コネクタ3が用いられている。
【0012】
これら電気コネクタ3の第1実施形態を、図2(a),(b)に示す。同図に示すように、この電気コネクタ3は、電子基板1側、または他の電子基板やモータ等側のいずれか一方に設けられた雌型コネクタ4と、他方に設けられた雄型コネクタ5とを備えて構成されている。そして、雌型コネクタ4に対して雄型コネクタ5を差し込むことで、雄コネクタ5側の電線2が、雌コネクタ4側の電線2に対して通電可能に接続されるようになっている。
【0013】
詳細には、雌型コネクタ4は、電線2の被覆を除去してむき出しにした心線を挟み込んで保持する金属端子4aと、この金属端子4aを内部に保持する雌型コネクタ本体4bと、雄型コネクタ5に設けられた係止爪5dがそれぞれ係止される一対の被係止部4cとを備える。この雌型コネクタ4は、金属端子4aを除く部分が、通常の樹脂による一体成形部品となっている。
【0014】
雄型コネクタ5は、電線2の被覆を除去してむき出しにした心線を挟み込んで保持する金属端子5aと、金属端子5aを内部に保持する雄型部5bを有する雄型コネクタ本体5cと、雄型コネクタ本体5cの外部に一体に形成された一対の係止爪5d(係止部)とを備えて構成されている。そして、この雄型コネクタ5は、金属端子5aを除く部分が、形状記憶樹脂による一体成形部品となっている。
ここで、雌型コネクタ4の金属端子4aと雄型コネクタ5の金属端子5aとが接触することにより導通可能とするものであり、この導通状態を維持するために被係止部4cと係止爪5dとが係合し、雌型コネクタ4から雄型コネクタ5が抜け落ちる方向への摺動を係止する。
そして、この雄型コネクタ5は、その各係止爪5dが、通常の温度範囲(例えば70℃未満)では、図2(a)に示す係止状態を維持するが、所定の温度(例えば70℃以上)に加熱することで、図2(b)に示す接続解除状態にすることが可能となるように、係止爪5dと被係止部4cとが係合しない状態をなす間隔にまで係止爪5dが雄型部5bから離隔した形状を記憶させた上で、係止爪5dと被係止部4cとが係合する間隔に係止爪5dが雄型部5bから離隔した形状に成形する。
【0015】
なお、一般的に、輸送される電子装置がさらされるとして想定される周囲温度は、船内で最大63℃、日本の倉庫内で最大48℃であるため、およそ70℃未満で係止状態を維持させる必要がある。本実施形態では、このような理由により、電子機器の輸出入を考慮した場合の一例として、各係止爪5dの変形温度を70℃以上としている。ただし、この加熱温度は、あくまでも一例であり、本発明がこの温度に限定されるものではない。
【0016】
以上説明の構成を有する電気コネクタ3によれば、この電気コネクタ3の全体を所定の温度に加熱することで、記憶された形状に不可逆変形を開始し、結果、各係止爪5dがそれぞれ開いて各被係止部4cから外れ、摺動を係止しない構造に変化させることができる。ひいては、係合状態を解除するために負荷をかけることなく簡易かつ迅速に、図2(a)の係止状態から図2(b)の接続解除状態に移行させ、雌型コネクタ4と雄型コネクタ5とを分離させることができる。
このように、本実施形態の電気コネクタ3は、その接続解除用の発熱体や導線などを内部に備える必要がないため、従来に比較して低コスト化を実現できるシンプルな構造とすることができ、なおかつ、電気コネクタ3の全体を所定温度に加熱することによって確実かつ迅速にその接続状態を解除し、リサイクルのための解体作業を効率良いものとすることが可能となる。
【0017】
なお、本実施形態では、係止爪5d側のみに形状記憶樹脂を用いる場合について説明したが、これに限らず、前記各被係止部4c側のみに形状記憶樹脂を用いるようにしても良いし、または、これら係止爪5d及び被係止部4cの双方に形状記憶樹脂を用いるものとしても良い。具体的には、前述したように係止爪5dが雄型部5bから離隔する方向に変形するように係止爪5dの形状を記憶させるのに対し、被係止部4cが雌型コネクタ4bから突出する高さが低くなる方向に変形するように被係止部4cの形状を記憶させる。この場合、形状記憶樹脂に要求される変形量は少ないものとなるので、電気コネクタ3を成形する際に選択できる形状記憶樹脂の種類が増加することになり、よりリサイクルコストを下げることが可能となる。
【0018】
続いて、電気コネクタ3の第2実施形態を、図3(a),(b)に示す。同図に示すように、この電気コネクタ(以下、第1実施形態の電気コネクタ3と区別するために、新たに符号13を与えて説明する。)は、電子基板1側、または他の電子基板やモータ等側のいずれか一方に設けられた雌型コネクタ14と、他方に設けられた単極用雄型コネクタ15とを備えて構成されている。そして、雌型コネクタ14に対して単極用雄型コネクタ15を差し込むことで、単極用雄コネクタ15側の電線2が、雌コネクタ4側の電線2に対して通電可能に接続されるようになっている。
【0019】
単極用雄型コネクタ15は、電線2の被覆を除去してむき出しにした心線を挟み込んで保持する金属端子であり、導通部として機能すると共に、一体的に金属製のランス15aを備えている。
一方、雌型コネクタ14は、単極用雄型コネクタ15が挿入され、内部に単極用雄型コネクタ15の金属端子を保持する端子挿入孔14dを有する雌型コネクタ本体14cと、端子挿入孔14d内に配され電線2の被覆を除去してむき出しにした心線を挟み込んで保持する挿入孔内金属端子(図示せず)と、端子挿入孔14d内に設けられ、挿入された単極用雄型コネクタ15に向かって突出するように形成されたランス係止部14eと、を備える。この雌型コネクタ14は、挿入孔内金属端子を除く部分が、形状記憶樹脂による一体成形部品となっている。ここで、単極用雄型コネクタ15をなす金属端子と雌型コネクタ14の端子挿入孔14d内に配された挿入孔内金属端子とが接触することにより導通可能とするものであり、この導通状態を維持するためにランス係止部14eとランス15aとが係合し、雌型コネクタ14から単極用雄型コネクタ15が抜け落ちる方向への摺動を係止する。
そして、この雌型コネクタ14は、前述した実施形態の係止爪5dと同様に、そのランス係止部14eが、通常の温度範囲(例えば70℃未満)では、図3(a)に示す係止状態を維持するが、所定の温度(例えば70℃以上)に加熱することで、図3(b)に示すように、ランス15aから外れて接続解除状態にすることが可能となるように、ランス係止部14eとランス15aとが係合しない状態をなす形状、すなわち、端子挿入孔14d内のランス15aの摺動面からランス係止部14eが突出しない形状を記憶させた上で、ランス係止部14eとランス15aとが係合する形状に成形する。
【0020】
以上説明の構成を有する電気コネクタ13によれば、この電気コネクタ13の全体を所定の温度に加熱することで、記憶された形状に不可逆変形を開始し、結果、ランス係止部14eがランス15aの摺動面から引っ込むように変形してランス15aから外れ、摺動を係止しない構造に変化させることができる。ひいては、係合状態を解除するために負荷をかけることなく簡易かつ迅速に、図3(a)の係止状態から図3(b)の接続解除状態に移行させ、雌型コネクタ14と単極用雄型コネクタ15とを分離させることができる。
このように、本実施形態の電気コネクタ13によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となり、リサイクル作業時間の短縮化を図ることができる。
【0021】
また、上記第1及び第2実施形態では、本発明の電気コネクタ3及び13を、エアコンに適用した場合について説明したが、これに限らず、その他の電子機器に適用しても良いことは勿論であり、本発明を適用することにより電子機器の環境対応の促進する原動力となり得るものである。
【0022】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の電気コネクタは、係止部または被係止部の何れか一方もしくは両方に形状記憶樹脂を用いる構成を採用した。この構成によれば、その接続解除用の発熱体や導線などが不要であるため、従来に比較してシンプルな構造とすることができ、なおかつ、電気コネクタ全体を所定温度に加熱することによって確実にその接続状態を解除することが可能となる。
【0023】
また、請求項2に記載の電気コネクタは、ランス係止部に形状記憶樹脂を用いる構成を採用した。この構成によれば、その接続解除用の発熱体や導線などが不要であるため、従来に比較してシンプルな構造とすることができ、なおかつ、電気コネクタ全体を所定温度に加熱することによって確実にその接続状態を解除することが可能となる。
【0024】
また、請求項3に記載の電子機器は、請求項1または請求項2に記載の電気コネクタを備える構成を採用した。この構成によれば、その電気コネクタが、リサイクルする際に確実に取外すことができ、なおかつ、シンプルな構造を有するものであるから、家電製品の装置小型化の要求に応えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気コネクタと電子基板との接続状態の一例を示す図である。
【図2】同電気コネクタの第1実施形態を示す図であって、(a)が接続状態を示す概略図であり、(b)が接続解除状態を示す概略図である。
【図3】同電気コネクタの第2実施形態を示す図であって、(a)が接続状態を示す概略図であり、(b)が接続解除状態を示す概略図である。
【符号の説明】
3,13・・・電気コネクタ
4a・・・金属端子
4c・・・被係止部
5d・・・係止爪(係止部)
14e・・・ランス係止部
15a・・・ランス
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気コネクタ及びこれを備えた電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばエアコン等の電化製品には、その運転動作を制御するための電子基板が内蔵されている。この種の電子基板は、他の電子基板やモータ等との間で制御信号や電力供給のやりとりを行うための電線を介して接続されており、その接続には、多数の電気コネクタが用いられている。
【0003】
ところで、最近の家電製品においては、環境保護の観点から、用済み後の廃棄処理をいかに行うかが問題となっている。
すなわち、大量生産された電化製品の部品をリサイクルして資源を有効利用するとともに、資源の浪費を抑制したり、有害な物質を取り出して安全に処理することで地球環境を保全することを目的として、廃棄された電化製品を分解してその素材毎に分別回収することがなされている。しかしながら、これら電化製品は、通常の使用状態では容易に分解できないように組み立てられている上に部品点数が多いのが一般的であるため、その中から電気コネクタなどを探し出して分離、回収するには多くの人手と時間、すなわち分解コストを必要とする問題があった。
【0004】
そこで、例えば特開2002−75505号公報に示されるように、コンタクトとインシュレータとを有する電気コネクタにおいて、ランスを形状記憶合金で構成するとともにこのランスに電熱線を設け、この電熱線の発熱により、ランスの係止状態を解除して分離する構成が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の電気コネクタでは、構造が複雑で部品点数が多くなってしまうことから、その実用化にあたっては、さらなる検討が必要とされている。
すなわち、この従来の電気コネクタは、そのランスが、樹脂製の本体と異なる形状記憶合金製であるため、別部品とせざるを得ない。また、このランスを加熱するために前記電熱線を別部品として必要としている。また、この電熱線に電流を流すための導線も必要としている。したがって、電気コネクタ1個あたりの部品点数が通常よりも多くなる。
上述のように、この種の電気コネクタは、多数が用いられるものであるから、それぞれの電気コネクタごとにこのような多くの部品点数を用いることは、コスト的にも現実的ではない。さらには、構造が複雑であることから、電気コネクタの外形が大型化しがちであり、家電製品の装置小型化の要求に応えることができない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、家電製品等の電子機器をリサイクルする際に確実に取外すことができ、なおかつ、シンプルな構造を有する電気コネクタの提供と、この電気コネクタを備えた電子機器の提供とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の電気コネクタは、一方の係止部を他方の被係止部に係止させることで接続可能な電気コネクタにおいて、前記係止部または前記被係止部の何れか一方もしくは両方に、形状記憶樹脂が用いられていることを特徴とする。
上記請求項1に記載の電気コネクタによれば、電気コネクタ全体を所定の温度に加熱すると、係止部及び被係止部間の係合状態が解除される。
【0008】
請求項2に記載の電気コネクタは、金属端子を接続させた際に、該金属端子のランスが係止するランス係止部を有する電気コネクタにおいて、前記ランス係止部に、形状記憶樹脂が用いられていることを特徴とする。
上記請求項2に記載の電気コネクタによれば、電気コネクタ全体を所定の温度に加熱すると、ランス及びランス係止部間の係合状態が解除される。
【0009】
請求項3に記載の電子機器は、請求項1または請求項2に記載の電気コネクタが備えられていることを特徴とする。
上記請求項3に記載の電子機器によれば、その電気コネクタを所定温度に加熱することで、確実に接続解除できるものであるから、基板間の配線接続などを容易に分離でき、効果的に分別することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電気コネクタ及び電子装置の一実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれに限定解釈されるものでないことはもちろんである。なお、本実施形態では、電子装置がエアコンである場合を例として説明する。
【0011】
本実施形態のエアコンは、図示しない室内機と室外機とを備えており、図1に示すように、それぞれの内部に、その運転動作を制御するための電子基板1が内蔵されている。この種の電子基板1は、図示されない他の電子基板やモータ等との間で制御信号や電力供給のやりとりを行うための電線2を介して接続されており、その接続には、多数の電気コネクタ3が用いられている。
【0012】
これら電気コネクタ3の第1実施形態を、図2(a),(b)に示す。同図に示すように、この電気コネクタ3は、電子基板1側、または他の電子基板やモータ等側のいずれか一方に設けられた雌型コネクタ4と、他方に設けられた雄型コネクタ5とを備えて構成されている。そして、雌型コネクタ4に対して雄型コネクタ5を差し込むことで、雄コネクタ5側の電線2が、雌コネクタ4側の電線2に対して通電可能に接続されるようになっている。
【0013】
詳細には、雌型コネクタ4は、電線2の被覆を除去してむき出しにした心線を挟み込んで保持する金属端子4aと、この金属端子4aを内部に保持する雌型コネクタ本体4bと、雄型コネクタ5に設けられた係止爪5dがそれぞれ係止される一対の被係止部4cとを備える。この雌型コネクタ4は、金属端子4aを除く部分が、通常の樹脂による一体成形部品となっている。
【0014】
雄型コネクタ5は、電線2の被覆を除去してむき出しにした心線を挟み込んで保持する金属端子5aと、金属端子5aを内部に保持する雄型部5bを有する雄型コネクタ本体5cと、雄型コネクタ本体5cの外部に一体に形成された一対の係止爪5d(係止部)とを備えて構成されている。そして、この雄型コネクタ5は、金属端子5aを除く部分が、形状記憶樹脂による一体成形部品となっている。
ここで、雌型コネクタ4の金属端子4aと雄型コネクタ5の金属端子5aとが接触することにより導通可能とするものであり、この導通状態を維持するために被係止部4cと係止爪5dとが係合し、雌型コネクタ4から雄型コネクタ5が抜け落ちる方向への摺動を係止する。
そして、この雄型コネクタ5は、その各係止爪5dが、通常の温度範囲(例えば70℃未満)では、図2(a)に示す係止状態を維持するが、所定の温度(例えば70℃以上)に加熱することで、図2(b)に示す接続解除状態にすることが可能となるように、係止爪5dと被係止部4cとが係合しない状態をなす間隔にまで係止爪5dが雄型部5bから離隔した形状を記憶させた上で、係止爪5dと被係止部4cとが係合する間隔に係止爪5dが雄型部5bから離隔した形状に成形する。
【0015】
なお、一般的に、輸送される電子装置がさらされるとして想定される周囲温度は、船内で最大63℃、日本の倉庫内で最大48℃であるため、およそ70℃未満で係止状態を維持させる必要がある。本実施形態では、このような理由により、電子機器の輸出入を考慮した場合の一例として、各係止爪5dの変形温度を70℃以上としている。ただし、この加熱温度は、あくまでも一例であり、本発明がこの温度に限定されるものではない。
【0016】
以上説明の構成を有する電気コネクタ3によれば、この電気コネクタ3の全体を所定の温度に加熱することで、記憶された形状に不可逆変形を開始し、結果、各係止爪5dがそれぞれ開いて各被係止部4cから外れ、摺動を係止しない構造に変化させることができる。ひいては、係合状態を解除するために負荷をかけることなく簡易かつ迅速に、図2(a)の係止状態から図2(b)の接続解除状態に移行させ、雌型コネクタ4と雄型コネクタ5とを分離させることができる。
このように、本実施形態の電気コネクタ3は、その接続解除用の発熱体や導線などを内部に備える必要がないため、従来に比較して低コスト化を実現できるシンプルな構造とすることができ、なおかつ、電気コネクタ3の全体を所定温度に加熱することによって確実かつ迅速にその接続状態を解除し、リサイクルのための解体作業を効率良いものとすることが可能となる。
【0017】
なお、本実施形態では、係止爪5d側のみに形状記憶樹脂を用いる場合について説明したが、これに限らず、前記各被係止部4c側のみに形状記憶樹脂を用いるようにしても良いし、または、これら係止爪5d及び被係止部4cの双方に形状記憶樹脂を用いるものとしても良い。具体的には、前述したように係止爪5dが雄型部5bから離隔する方向に変形するように係止爪5dの形状を記憶させるのに対し、被係止部4cが雌型コネクタ4bから突出する高さが低くなる方向に変形するように被係止部4cの形状を記憶させる。この場合、形状記憶樹脂に要求される変形量は少ないものとなるので、電気コネクタ3を成形する際に選択できる形状記憶樹脂の種類が増加することになり、よりリサイクルコストを下げることが可能となる。
【0018】
続いて、電気コネクタ3の第2実施形態を、図3(a),(b)に示す。同図に示すように、この電気コネクタ(以下、第1実施形態の電気コネクタ3と区別するために、新たに符号13を与えて説明する。)は、電子基板1側、または他の電子基板やモータ等側のいずれか一方に設けられた雌型コネクタ14と、他方に設けられた単極用雄型コネクタ15とを備えて構成されている。そして、雌型コネクタ14に対して単極用雄型コネクタ15を差し込むことで、単極用雄コネクタ15側の電線2が、雌コネクタ4側の電線2に対して通電可能に接続されるようになっている。
【0019】
単極用雄型コネクタ15は、電線2の被覆を除去してむき出しにした心線を挟み込んで保持する金属端子であり、導通部として機能すると共に、一体的に金属製のランス15aを備えている。
一方、雌型コネクタ14は、単極用雄型コネクタ15が挿入され、内部に単極用雄型コネクタ15の金属端子を保持する端子挿入孔14dを有する雌型コネクタ本体14cと、端子挿入孔14d内に配され電線2の被覆を除去してむき出しにした心線を挟み込んで保持する挿入孔内金属端子(図示せず)と、端子挿入孔14d内に設けられ、挿入された単極用雄型コネクタ15に向かって突出するように形成されたランス係止部14eと、を備える。この雌型コネクタ14は、挿入孔内金属端子を除く部分が、形状記憶樹脂による一体成形部品となっている。ここで、単極用雄型コネクタ15をなす金属端子と雌型コネクタ14の端子挿入孔14d内に配された挿入孔内金属端子とが接触することにより導通可能とするものであり、この導通状態を維持するためにランス係止部14eとランス15aとが係合し、雌型コネクタ14から単極用雄型コネクタ15が抜け落ちる方向への摺動を係止する。
そして、この雌型コネクタ14は、前述した実施形態の係止爪5dと同様に、そのランス係止部14eが、通常の温度範囲(例えば70℃未満)では、図3(a)に示す係止状態を維持するが、所定の温度(例えば70℃以上)に加熱することで、図3(b)に示すように、ランス15aから外れて接続解除状態にすることが可能となるように、ランス係止部14eとランス15aとが係合しない状態をなす形状、すなわち、端子挿入孔14d内のランス15aの摺動面からランス係止部14eが突出しない形状を記憶させた上で、ランス係止部14eとランス15aとが係合する形状に成形する。
【0020】
以上説明の構成を有する電気コネクタ13によれば、この電気コネクタ13の全体を所定の温度に加熱することで、記憶された形状に不可逆変形を開始し、結果、ランス係止部14eがランス15aの摺動面から引っ込むように変形してランス15aから外れ、摺動を係止しない構造に変化させることができる。ひいては、係合状態を解除するために負荷をかけることなく簡易かつ迅速に、図3(a)の係止状態から図3(b)の接続解除状態に移行させ、雌型コネクタ14と単極用雄型コネクタ15とを分離させることができる。
このように、本実施形態の電気コネクタ13によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となり、リサイクル作業時間の短縮化を図ることができる。
【0021】
また、上記第1及び第2実施形態では、本発明の電気コネクタ3及び13を、エアコンに適用した場合について説明したが、これに限らず、その他の電子機器に適用しても良いことは勿論であり、本発明を適用することにより電子機器の環境対応の促進する原動力となり得るものである。
【0022】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の電気コネクタは、係止部または被係止部の何れか一方もしくは両方に形状記憶樹脂を用いる構成を採用した。この構成によれば、その接続解除用の発熱体や導線などが不要であるため、従来に比較してシンプルな構造とすることができ、なおかつ、電気コネクタ全体を所定温度に加熱することによって確実にその接続状態を解除することが可能となる。
【0023】
また、請求項2に記載の電気コネクタは、ランス係止部に形状記憶樹脂を用いる構成を採用した。この構成によれば、その接続解除用の発熱体や導線などが不要であるため、従来に比較してシンプルな構造とすることができ、なおかつ、電気コネクタ全体を所定温度に加熱することによって確実にその接続状態を解除することが可能となる。
【0024】
また、請求項3に記載の電子機器は、請求項1または請求項2に記載の電気コネクタを備える構成を採用した。この構成によれば、その電気コネクタが、リサイクルする際に確実に取外すことができ、なおかつ、シンプルな構造を有するものであるから、家電製品の装置小型化の要求に応えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気コネクタと電子基板との接続状態の一例を示す図である。
【図2】同電気コネクタの第1実施形態を示す図であって、(a)が接続状態を示す概略図であり、(b)が接続解除状態を示す概略図である。
【図3】同電気コネクタの第2実施形態を示す図であって、(a)が接続状態を示す概略図であり、(b)が接続解除状態を示す概略図である。
【符号の説明】
3,13・・・電気コネクタ
4a・・・金属端子
4c・・・被係止部
5d・・・係止爪(係止部)
14e・・・ランス係止部
15a・・・ランス
Claims (3)
- 一方の係止部を他方の被係止部に係止させることで接続可能な電気コネクタにおいて、
前記係止部または前記被係止部の何れか一方もしくは両方に、形状記憶樹脂が用いられていることを特徴とする電気コネクタ。 - 金属端子を接続させた際に、該金属端子のランスが係止するランス係止部を有する電気コネクタにおいて、
前記ランス係止部に、形状記憶樹脂が用いられていることを特徴とする電気コネクタ。 - 請求項1または請求項2に記載の電気コネクタが備えられていることを特徴とする電子装置。
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