WO2019004477A1 - 機能性不織布 - Google Patents
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Abstract
繊維(11a)が集合した不織布本体(11)と、繊維(11a)に形成された複数のグラフト鎖(20)と、グラフト鎖(20)に付与された官能基(21)とを備え、繊維(11a)の径が3.0μm以下である機能性不織布を提供する。
Description
本発明は、抗菌、消臭等の特定の機能を有する機能性不織布に関する。
本願は、2017年6月30日に日本に出願された特願2017-129718号に対して優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2017年6月30日に日本に出願された特願2017-129718号に対して優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、繊維を改質して特定の機能、例えば抗菌、消臭(脱臭)、有害物質の除去等の機能を付与した繊維体が注目されている。具体的には、例えばコットン等の天然繊維の表面を、電子線を用いてグラフト重合により活性化させ、その活性化された繊維表面に上記機能を有する物質を結合させることにより、繊維に特定の機能を付与している(下記の特許文献1、2を参照)。
ところで、コットン等の天然繊維に、必要と認められる量の薬剤を結合させようとすると、繊維に付与しようとする機能に依っては必要量の機能性物質を担持させるために繊維の量を多くしなければならない場合がある。すなわち、繊維の物質担持量は繊維の表面積に比例するが、天然繊維は繊維の一本一本が太いため、繊維の表面積を増やそうとすれば、繊維の量を多くするしかない。例えばある大きさに裁断されたシート状の繊維の場合、その大きさを維持しつつ繊維の表面積を増やそうとすれば、シートを厚くして繊維の量を多くするしかない。しかしながら、そのようにして繊維の量を多くすると、厚みが増すことで通気性が低下したり、シートの重量が増して取り扱いが不便になったりする問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、厚みや重量を増やすことなく、さらには厚みや重量を減らしつつも繊維の表面積を拡大させて、必要な量の機能性物質を担持させることができる不織布を提供することを課題とする。
本発明の態様は、繊維が集合した不織布本体と、前記繊維に形成された複数のグラフト鎖と、前記グラフト鎖に付与された官能基とを備え、前記繊維の径が3.0μm以下である機能性不織布である。
本発明によれば、見かけの大きさは従来のものと同等、若しくはそれよりも薄くて重量も軽いにもかかわらず、繊維の表面積は拡大され、その拡大された表面に固定されたグラフト鎖に、所望の機能をもつ官能基が従来よりも多く付与されるので、不織布に求められる付与された官能基のもつ機能の有効性を高めることができる。
(第一実施形態)
本発明にかかる機能性不織布の第一実施形態を図1に示す。
第一実施形態における機能性不織布1Aは、基材10と、不織布本体11とを含む。不織布本体11は、一般にナノファイバーと呼ばれる極細繊維11aの集合体である(以下、本実施形態では極細繊維11aをナノファイバーと呼び、基材10に接着された不織布本体11をナノファイバー層と呼ぶ)。基材10は不織布本体10に接着されて不織布本体11を支持し、不織布1Aの剛性を維持する。ナノファイバー11aの表面には、複数のグラフト鎖20が形成され、そのグラフト鎖20に絡まるように特定の機能を有する複数の官能基21が付与されている。
本発明にかかる機能性不織布の第一実施形態を図1に示す。
第一実施形態における機能性不織布1Aは、基材10と、不織布本体11とを含む。不織布本体11は、一般にナノファイバーと呼ばれる極細繊維11aの集合体である(以下、本実施形態では極細繊維11aをナノファイバーと呼び、基材10に接着された不織布本体11をナノファイバー層と呼ぶ)。基材10は不織布本体10に接着されて不織布本体11を支持し、不織布1Aの剛性を維持する。ナノファイバー11aの表面には、複数のグラフト鎖20が形成され、そのグラフト鎖20に絡まるように特定の機能を有する複数の官能基21が付与されている。
(基材)
本実施形態における基材10には、例えば、乾式不織布、湿式法不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、ステッチボンド不織布、スチームジェット不織布等、公知の不織布を採用することができる。
基材10の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを含むポリオレフィン、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維、ガラス繊維、ゼルロース繊維等が挙げられる。これらの中から一種の材料だけで基材10を形成してもよいし、二種以上の材料を混合して基材10を形成してもよい。
基材10の材質は特に限定されないが、市場に供給される製品に求められる特徴(例えばマスクであれば、空気中を浮遊する忌避すべき粒子の捕捉性、呼吸のし易さに影響する通気性など)に応じて、基材10に求められる各種物性値(粒子の捕集効率、圧力損失、厚み、空隙率など)は自ずと特定される。一般的にマスクでは通気性が求められるため、加工時のハンドリング性や強度に問題が出ない限り、基材10には薄くて空隙率が大きく、通気性の良いものが望まれる。
本実施形態における基材10には、例えば、乾式不織布、湿式法不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、ステッチボンド不織布、スチームジェット不織布等、公知の不織布を採用することができる。
基材10の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを含むポリオレフィン、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維、ガラス繊維、ゼルロース繊維等が挙げられる。これらの中から一種の材料だけで基材10を形成してもよいし、二種以上の材料を混合して基材10を形成してもよい。
基材10の材質は特に限定されないが、市場に供給される製品に求められる特徴(例えばマスクであれば、空気中を浮遊する忌避すべき粒子の捕捉性、呼吸のし易さに影響する通気性など)に応じて、基材10に求められる各種物性値(粒子の捕集効率、圧力損失、厚み、空隙率など)は自ずと特定される。一般的にマスクでは通気性が求められるため、加工時のハンドリング性や強度に問題が出ない限り、基材10には薄くて空隙率が大きく、通気性の良いものが望まれる。
基材10を構成する不織布の繊維の形状としては、材料としての樹脂を紡糸して糸状に加工したもの、フィルム化した後にメッシュ状に割繊して扁平な繊維に加工したもの等、公知の形状を採用することができる。平均繊維径は100μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、3μm以下が特に好ましい。
基材10の空隙率について特に制限は無いが、80%以上であることが好ましい。後述するように、粒子径が0.3μm以上0.374μm以下の範囲に含まれる粒子を捕捉対象とした場合、下記式(1)から求められるQF値は0.010Pa-1以上であることが好ましい。
基材10の空隙率について特に制限は無いが、80%以上であることが好ましい。後述するように、粒子径が0.3μm以上0.374μm以下の範囲に含まれる粒子を捕捉対象とした場合、下記式(1)から求められるQF値は0.010Pa-1以上であることが好ましい。
本実施形態において、基材10の比表面積は0.01m2/g以上1.0m2/g以下であることが好ましい。比表面積とは、単位質量あたりの表面積の大きさのことであり、本実施形態においては基材10が占める空間に対する表面積の大きさを意味する。
また、基材10の通気性を測る尺度としての通気度は10cm3/cm2・s以上2000cm3/cm2・s以下であることが好ましい。本実施形態では、JIS L1096に準拠したフラジール形試験機を使用して不織布1Aの通気度を計測した。
また、基材10の通気性を測る尺度としての通気度は10cm3/cm2・s以上2000cm3/cm2・s以下であることが好ましい。本実施形態では、JIS L1096に準拠したフラジール形試験機を使用して不織布1Aの通気度を計測した。
本実施形態において、基材10の目付量は50g/m2以下であることが好ましく、30g/m2以下であることがより好ましい。基材10の目付量が上記の値以下であることにより、製品としてのマスクの通気性の低下を抑制することができる。
(不織布本体)
不織布本体としてのナノファイバー層11を構成するナノファイバーとは、材料としての樹脂を平均径が1μm未満の繊維に加工したものをいう。
ナノファイバー11aの材料として使用可能な樹脂は、糸状に加工可能な熱可塑性樹脂である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸を含むポリエステル、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)を含むポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリビニルアルコール系ポリマー、アクリロニトリル系ポリマー、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などを含むフッ素系ポリマー、ウレタン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオキシメチレン、エーテルエステル系ポリマー、トリアセチルセルロース等のセルロース修飾ポリマーなどが使用可能である。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)及びポリプロピレンは、延伸性及び分子配向性が良いため好ましい。
不織布本体としてのナノファイバー層11を構成するナノファイバーとは、材料としての樹脂を平均径が1μm未満の繊維に加工したものをいう。
ナノファイバー11aの材料として使用可能な樹脂は、糸状に加工可能な熱可塑性樹脂である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸を含むポリエステル、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)を含むポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリビニルアルコール系ポリマー、アクリロニトリル系ポリマー、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などを含むフッ素系ポリマー、ウレタン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオキシメチレン、エーテルエステル系ポリマー、トリアセチルセルロース等のセルロース修飾ポリマーなどが使用可能である。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)及びポリプロピレンは、延伸性及び分子配向性が良いため好ましい。
本実施形態におけるナノファイバー11aの平均繊維径は0.5μm以下であることが好ましい。ナノファイバー層11の目付量は0.5g/m2以上、10g/m2以下であることが好ましい。特に目付量の上限値は6g/m2以下であることがより好ましく、3g/m2以下であることがさらに好ましい。ナノファイバー層11の目付量が上記の範囲に維持されることにより、不織布1Aの製品としての通気性の低下を抑制することができる。
本実施形態において、下記式(2)から求められるナノファイバー層11の空隙率は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。なお、樹脂密度(g/cm3)はナノファイバー層11を構成する樹脂の材料密度を指し、厚み(μm)とはナノファイバー層11の厚さを指す。ナノファイバー層11の空隙率が上記の値以上であることにより、マスクの通気性を左右する要因である圧力損失の増大が抑制され、より高いQF値を維持することができる。粒子径が0.3μm以上0.374μm以下の範囲に含まれる粒子を捕捉対象とした場合、式(1)から求められるQF値は0.020Pa-1以上であることが好ましい。ナノファイバー層11の比表面積は1.0m2/g以上10.0m2/g以下であることが好ましい。比表面積が大きいほど、有害物質の吸着サイトが多くなり高い機能性を発揮することができる。ナノファイバー層11を含む不織布1Aの通気度は3.0cm3/cm2・s以上300cm3/cm2・s以下であることが好ましい。通気度が高いほど、有害物質の吸着サイトへの移動が容易になる。
本実施形態におけるナノファイバー層11は、構成繊維の平均繊維径(1μm未満)の2倍以上10倍以下の繊維径を有した繊維(すなわち、相対的に太い繊維)を所定の割合で含むことが好ましい。具体的には、本発明の不織布において、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維が繊維総数の2~20%を占めていることが好ましい。これにより、本発明の不織布は、マスクの材料に用いられた場合に、実用上で十分な捕集効率を実現しつつ、従来のナノファイバー不織布に比べて、通気性を高めることで圧力損失を改善し、また、製品としての寿命を長期化することを可能とする。
(グラフト鎖)
グラフト鎖20とは、幹となるナノファイバー11aの表面に枝のように配列されたグラフト重合体のことである。グラフト鎖20が繊維表面に定着することにより、ナノファイバー層11を形成する繊維(繊維径を問わない)の表面には、グラフト鎖20の無数の枝が層をなすように形成される。本実施形態において、下記式(3)から求められるグラフト鎖のグラフト率は1%以上300%以下であることが好ましい。なお、式(3)においてW0はグラフト重合前の不織布(基材を含む)の重量を指し、Wはグラフト重合後の不織布(基材を含む)の重量を指す。
グラフト鎖20とは、幹となるナノファイバー11aの表面に枝のように配列されたグラフト重合体のことである。グラフト鎖20が繊維表面に定着することにより、ナノファイバー層11を形成する繊維(繊維径を問わない)の表面には、グラフト鎖20の無数の枝が層をなすように形成される。本実施形態において、下記式(3)から求められるグラフト鎖のグラフト率は1%以上300%以下であることが好ましい。なお、式(3)においてW0はグラフト重合前の不織布(基材を含む)の重量を指し、Wはグラフト重合後の不織布(基材を含む)の重量を指す。
(官能基)
本実施形態の不織布1Aにおいては、インフルエンザウイルスの捕捉に特に有効なマスクの材料としての利用が検討されており、そのような機能を付与するために、グラフト鎖20に付与される官能基21には、シアル酸等の糖が用いられる。インフルエンザウイルスの捕捉に特に有効な官能基としては、シアル酸の他にN-アセチルグルコサミン、シアリルガラクトース、シアリルラクトース等がある。シアル酸を含むこれらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は1%以上60%以下であることが好ましい。インフルエンザウイルスは80~120nmとシアル酸よりも大きいので、グラフト鎖20を過剰に密集させる必要はないが、インフルエンザウイルスの大きさよりも粗くしかグラフト鎖20が形成されていないと、いわゆる糖クラスター効果が薄れてウイルスを吸着することが難しくなる。
本実施形態の不織布1Aにおいては、インフルエンザウイルスの捕捉に特に有効なマスクの材料としての利用が検討されており、そのような機能を付与するために、グラフト鎖20に付与される官能基21には、シアル酸等の糖が用いられる。インフルエンザウイルスの捕捉に特に有効な官能基としては、シアル酸の他にN-アセチルグルコサミン、シアリルガラクトース、シアリルラクトース等がある。シアル酸を含むこれらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は1%以上60%以下であることが好ましい。インフルエンザウイルスは80~120nmとシアル酸よりも大きいので、グラフト鎖20を過剰に密集させる必要はないが、インフルエンザウイルスの大きさよりも粗くしかグラフト鎖20が形成されていないと、いわゆる糖クラスター効果が薄れてウイルスを吸着することが難しくなる。
ところで、本実施形態の不織布1Aにおいては、インフルエンザウイルスの捕捉以外にも、豚流行性下痢ウイルスの捕捉、ウイルスセンサー、タンパク質の捕捉、トリメチルシラノールの除去、脱臭等の機能を付与することが可能である。
不織布1Aに豚流行性下痢ウイルスの捕捉機能を付与する場合、グラフト鎖20に付与される官能基21には、アミノペプチターゼNの豚流行性下痢ウイルスとの結合部位を模倣したペプチドが用いられる。これらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は1%以上60%以下であること好ましく、20%以上55%以下であることがさらに好ましい。インフルエンザウイルスの場合と同様に、豚流行性下痢ウイルスはシアル酸よりも大きいので、グラフト鎖20を過剰に密集させる必要はないが、豚流行性下痢ウイルスの大きさよりも粗くしかグラフト鎖20が形成されていないと、ウイルスを吸着することが難しくなる。
不織布1Aに豚流行性下痢ウイルスの捕捉機能を付与する場合、グラフト鎖20に付与される官能基21には、アミノペプチターゼNの豚流行性下痢ウイルスとの結合部位を模倣したペプチドが用いられる。これらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は1%以上60%以下であること好ましく、20%以上55%以下であることがさらに好ましい。インフルエンザウイルスの場合と同様に、豚流行性下痢ウイルスはシアル酸よりも大きいので、グラフト鎖20を過剰に密集させる必要はないが、豚流行性下痢ウイルスの大きさよりも粗くしかグラフト鎖20が形成されていないと、ウイルスを吸着することが難しくなる。
不織布1Aにウイルスセンサーの機能を付与する場合、グラフト鎖20に付与される官能基21には、シアル酸、N-アセチルグルコサミン、シアリルガラクトース、シアリルラクトース等が用いられる。これらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は1%以上60%以下であることが好ましく、20%以上55%以下であることがさらに好ましい。センシング機能を発現させるためには、ウイルス吸着量を多くする必要があるが、過剰に密集させる必要はない。
不織布1Aにタンパク質の捕捉機能を付与する場合、グラフト鎖20に付与される官能基21には、前述の糖やペプチド等が用いられる。タンパク質はウイルスの10分の1以下の大きさで小さいことから、これらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は30%以上300%以下であることが好ましい。
不織布1Aにトリメチルシラノールの除去機能を付与する場合、グラフト鎖20に付与される官能基21には、スルホン酸、カルボン酸、リン酸等が用いられる。これらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は50%以上300%以下であることが好ましく、60%以上250%以下であることがさらに好ましい。トリメチルシラノールは酸触媒により二量体化され、活性炭フィルターなどで除去することが可能となる。トリメチルシラノールは分子量90.2の小さな化合物であることから、高密度のグラフト鎖の間を拡散することが可能であり、酸触媒活性点となるスルホン酸基などは不織布表面に多く付与されている方が好ましい。一方で、グラフト率を過度に高めても、不織布表面ではなく繊維内部にグラフト鎖が形成され活性点として機能しない。
不織布1Aに脱臭機能を付与する場合、グラフト鎖20に付与される官能基21には、スルホン酸、カルボン酸、リン酸、金属錯体、アミン等が用いられる。これらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は50%以上300%以下であること好ましく、60%以上250%以下であることがさらに好ましい。硫化水素やアンモニアなどの臭い成分は、分子量が小さな化合物であることから、高密度のグラフト鎖の間を拡散することが可能であり、吸着サイトとなる官能基は不織布表面に多く付与されている方が好ましい。一方で、グラフト率を過度に高めても、不織布表面ではなく繊維内部にグラフト鎖が形成され吸着サイトとして機能しない。
不織布1Aにタンパク質の捕捉機能を付与する場合、グラフト鎖20に付与される官能基21には、前述の糖やペプチド等が用いられる。タンパク質はウイルスの10分の1以下の大きさで小さいことから、これらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は30%以上300%以下であることが好ましい。
不織布1Aにトリメチルシラノールの除去機能を付与する場合、グラフト鎖20に付与される官能基21には、スルホン酸、カルボン酸、リン酸等が用いられる。これらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は50%以上300%以下であることが好ましく、60%以上250%以下であることがさらに好ましい。トリメチルシラノールは酸触媒により二量体化され、活性炭フィルターなどで除去することが可能となる。トリメチルシラノールは分子量90.2の小さな化合物であることから、高密度のグラフト鎖の間を拡散することが可能であり、酸触媒活性点となるスルホン酸基などは不織布表面に多く付与されている方が好ましい。一方で、グラフト率を過度に高めても、不織布表面ではなく繊維内部にグラフト鎖が形成され活性点として機能しない。
不織布1Aに脱臭機能を付与する場合、グラフト鎖20に付与される官能基21には、スルホン酸、カルボン酸、リン酸、金属錯体、アミン等が用いられる。これらの官能基をグラフト鎖20に付与する場合、不織布1Aのグラフト率は50%以上300%以下であること好ましく、60%以上250%以下であることがさらに好ましい。硫化水素やアンモニアなどの臭い成分は、分子量が小さな化合物であることから、高密度のグラフト鎖の間を拡散することが可能であり、吸着サイトとなる官能基は不織布表面に多く付与されている方が好ましい。一方で、グラフト率を過度に高めても、不織布表面ではなく繊維内部にグラフト鎖が形成され吸着サイトとして機能しない。
上記のように構成された機能性不織布1Aによれば、見かけの大きさは従来のものよりも薄くて重量も軽いにもかかわらず、繊維の表面積は拡大され、その拡大された表面に定着したグラフト鎖20に、所望の機能をもつ官能基21が従来よりも多く付与されるので、機能性不織布1Aの機能の有効性を高めることができる。
<機能性不織布の製造方法>
本実施形態における機能性不織布の製造方法は、ナノファイバーを生成する工程と、ナノファイバー層11を、その目付量が10g/m2以下となるように基材10に重ねて形成する工程と、ナノファイバー層11を構成するナノファイバーの表面にグラフト鎖20を形成する工程と、グラフト鎖20に官能基21を付与する工程とを有する。
本実施形態における機能性不織布の製造方法は、ナノファイバーを生成する工程と、ナノファイバー層11を、その目付量が10g/m2以下となるように基材10に重ねて形成する工程と、ナノファイバー層11を構成するナノファイバーの表面にグラフト鎖20を形成する工程と、グラフト鎖20に官能基21を付与する工程とを有する。
(ナノファイバー生成工程)
ナノファイバーの生成には、従来公知の方法を用いることができる。例えば、エレクトロスピニング法(電界紡糸法)、メルトブロー法、海島溶融紡糸法、炭酸ガス超音速レーザ延伸法等が挙げられる。なかでも、炭酸ガス超音速レーザ延伸法は、(1)熱可塑性高分子材料であれば適用でき、(2)得られるナノファイバーは無限長繊維であり、(3)繊維配向性は高く、(4)溶剤を使用しないために作業環境やナノファイバーの安全性は高く、(5)減圧化で繊維を捕集するためにナノファイバーの飛散を防止でき、(6)装置は小型で簡便な構造であるため、設置場所を選ばず、拡張性にも優れているので好ましい。
ナノファイバーの生成には、従来公知の方法を用いることができる。例えば、エレクトロスピニング法(電界紡糸法)、メルトブロー法、海島溶融紡糸法、炭酸ガス超音速レーザ延伸法等が挙げられる。なかでも、炭酸ガス超音速レーザ延伸法は、(1)熱可塑性高分子材料であれば適用でき、(2)得られるナノファイバーは無限長繊維であり、(3)繊維配向性は高く、(4)溶剤を使用しないために作業環境やナノファイバーの安全性は高く、(5)減圧化で繊維を捕集するためにナノファイバーの飛散を防止でき、(6)装置は小型で簡便な構造であるため、設置場所を選ばず、拡張性にも優れているので好ましい。
以下、本実施形態におけるナノファイバー生成工程の好ましい一例について説明する。
ナノファイバーは、原フィラメント送出手段と延伸室とがノズルを介して接続されると共にノズルの入口と出口との圧力差が20kPa以上である装置を用いて生成される。すなわち、前記原フィラメント送出手段が原フィラメントを送り出し、この送り出された原フィラメントが前記ノズルを通過して前記延伸室へと導かれる。前記延伸室では、前記ノズルから出てきた原フィラメントにレーザ照射が行われる。これにより、原フィラメントが連続的に溶融、延伸されてナノファイバーが生成される。
ナノファイバーは、原フィラメント送出手段と延伸室とがノズルを介して接続されると共にノズルの入口と出口との圧力差が20kPa以上である装置を用いて生成される。すなわち、前記原フィラメント送出手段が原フィラメントを送り出し、この送り出された原フィラメントが前記ノズルを通過して前記延伸室へと導かれる。前記延伸室では、前記ノズルから出てきた原フィラメントにレーザ照射が行われる。これにより、原フィラメントが連続的に溶融、延伸されてナノファイバーが生成される。
本実施形態において、原フィラメントとして多原糸(マルチフィラメント)が使用される。したがって、以下では原フィラメントをマルチフィラメントという場合がある。多原糸(マルチフィラメント)とは、複数本の単原糸(モノフィラメント)からなる束のことを指す。マルチフィラメントを構成する1本のモノフィラメントの断面形状については特に制限されない。すなわち、モノフィラメントは、断面形状が円形はもちろん、断面形状が楕円形、四角形、三角形、台形、その他多角形などの各種異形原糸であってもよい。また、モノフィラメントとして、中空糸、芯鞘型原糸、サイドバイサイド型原糸などの複合原糸が用いられてよい。さらに、マルチフィラメントを構成するモノフィラメントは、全て同じものである必要はない。形状、材質が異なるモノフィラメントが組み合わされてマルチフィラメントを構成してもよい。
本実施形態においては、モノフィラメントが10本以上束ねられたマルチフィラメントが原フィラメントとして使用される。マルチフィラメントとして使用可能な樹脂は、ナノファイバー11aの材料として上述した材料と同じである。束ねられるモノフィラメントの本数は、使用されるノズルに応じて調整することができる。具体的には、ノズルの整流部の断面積S1に対するマルチフィラメントの総断面積S2の比率(S2/S1)が適切な範囲に収まるように適宜調整され得る。好ましくは20本以上、より好ましくは40本以上のモノフィラメントが束ねられたマルチフィラメントが原フィラメントとして使用される。また、マルチフィラメントを構成する各モノフィラメントの直径は、好ましくは10~200μmである。なお、マルチフィラメントは、複数本のモノフィラメントが束としての一体性を失うことが無いように、通常は撚りがかけられている。撚りの数は、モノフィラメントの本数、形状、材質等によって適宜調整される(通常は20回/m以上である)。
マルチフィラメントは、その繊維の中に各種有機物、有機金属錯体、無機物質などの各種物質が練り込まれたり、その繊維の表面に付着されたりしたものであってもよい。これにより、ナノファイバーが生成される際に、練り込まれ及び/又は付着された物質が均一に分散して、ナノファイバーに機能性を付与することが可能である。
図2には、本実施形態におけるナノファイバーを製造する装置の一例を示す。原フィラメント供給室C1と延伸室C2とは、ノズル30を介して接続されている。なお、原フィラメント供給室C1の上流側には、原フィラメント(マルチフィラメント)をノズル30に向けて送り出す原フィラメント送出装置25が設けられている。原フィラメント送出装置25は、一定の送出速度でマルチフィラメントを送り出することができればよく、その構成等は特に限定されない。以下、原フィラメント送出装置25及び原フィラメント供給室C1をまとめて「原フィラメント送出手段」という場合がある。
ノズル30は、内面が、下流に向かうほど内径が小さくなるテーパ状に形成された導入部31と、導入部31の下流端に連続して形成され、内径が一様の直管状の整流部32とを有するのが好ましい。
整流部32の長さLと整流部32の径Dとの比(L/D)は、好ましくは1~100であり、より好ましくは1~50であり、さらに好ましくは1~10である。なお、整流部32には、使用されるマルチフィラメントにおけるモノフィラメントの本数、形状、材質などに応じて、気流調整用の加工などが適宜施されてもよい。
整流部32の長さLと整流部32の径Dとの比(L/D)は、好ましくは1~100であり、より好ましくは1~50であり、さらに好ましくは1~10である。なお、整流部32には、使用されるマルチフィラメントにおけるモノフィラメントの本数、形状、材質などに応じて、気流調整用の加工などが適宜施されてもよい。
原フィラメント供給室C1は、P1気圧の雰囲気下にある。一方、延伸室C2は、P1気圧よりも低いP2気圧の雰囲気に保たれている。P1気圧の原フィラメント供給室C1とP2気圧の延伸室との圧力差(P1-P2)によって、ノズル30中にはノズルの入口(導入部31)から出口(整流部32の下流末端部)に向かう気流が生じる。ノズル30に送り込まれたマルチフィラメントは、ノズル30中に生じた気流によってノズル30を通過して延伸室C2へと送られる。
なお、P1≧2×P2であることが好ましく、P1≧3×P2がさらに好ましく、P1≧5×P2であることが最も好ましい。また、P1とP2との圧力差(P1-P2)は、具体的には、20kPa以上であることが好ましく、50kPa以上であることがより好ましい。
なお、P1≧2×P2であることが好ましく、P1≧3×P2がさらに好ましく、P1≧5×P2であることが最も好ましい。また、P1とP2との圧力差(P1-P2)は、具体的には、20kPa以上であることが好ましく、50kPa以上であることがより好ましい。
本実施形態においては、P1が大気圧とされ、P2が大気圧未満の圧力とされるのが特に好ましい。装置を比較的簡便に構成できるからである。なお、原フィラメント供給室C1及び延伸室C2の温度は、通常、室温(常温)とされる。但し、マルチフィラメントを予熱したい場合や延伸後のフィラメントを熱処理したい場合などにおいては、加熱エアーが適宜使用され得る。フィラメントが酸化されるのを防ぐ場合には窒素ガス等の不活性ガスが使用され得る。水分の飛散を防ぐ場合には水蒸気や水分を含む気体が使用され得る。
また、マルチフィラメントの振動(後述する)を制御する目的で、その他各種の不活性ガスも使用され得る。
また、マルチフィラメントの振動(後述する)を制御する目的で、その他各種の不活性ガスも使用され得る。
本実施形態において、マルチフィラメントを延伸室C2へと送るために十分な気流を生じさせるためには、ノズル30の整流部32の断面積S1に対するマルチフィラメントの総断面積S2の比率(=S2/S1、以下「ノズル整流部占有率」という)が50%以下になるようにしなければならない。ノズル整流部占有率(S2/S1)が50%よりも大きいと、整流部32内を流通する高速気流の量が不足して、マルチフィラメントの振動(後述する)が十分に得られないからである。マルチフィラメントの振動が不十分であると、溶融したマルチフィラメントが糸状にならず、溶融塊として落下するため、ナノファイバーが得られない。他方、ノズル整流部占有率(S2/S1)が5%よりも小さくなると、マルチフィラメントの振動が大きくなりすぎたり、気流の力がマルチフィラメントにうまく加わらなかったりして、所望のナノファイバーが得られない。したがって、ノズル整流部占有率(S2/S1)は、5~50%とする必要があり、10~35%であることが好ましい。
ノズル30を通過したマルチフィラメントにはレーザ照射が行われ、マルチフィラメントの先端部が加熱されて溶融する。このとき、マルチフィラメントに振動を生じさせる必要があり、そのために、レーザ照射位置、レーザ形状及びレーザパワーなどのレーザ照射条件が適宜調整される。
マルチフィラメントからナノファイバーを得るには、レーザ照射によってマルチフィラメントを振動させる必要があるが、単にマルチフィラメントを振動させればよいというわけではない。所望のナノファイバーを安定して得るためには、ノズル30の中心軸に対し、振動時のマルチフィラメント(の束中央)の角度(以下「マルチフィラメントの振動角」という)が5°~80°の範囲である必要がある。好ましくは、マルチフィラメントの振動角が、15°~50°の範囲であり、より好ましくは、20°~40°の範囲である。
また、マルチフィラメントに振動を生じさせるためには、レーザ照射を行う位置も重要である。具体的には、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がノズル出口の垂直下1mm以上15mm以下の位置となるように、レーザ照射が行われる必要がある。マルチフィラメントの溶融部がノズル出口から1mmよりも近い距離にあると、ノズルから流出する気流によってマルチフィラメントの振動角が上述した範囲の上限を超えてしまうおそれがあり、マルチフィラメントの溶融部がノズル出口から15mmよりも離れた距離にあると、ノズルから流出する気流が弱まるため、マルチフィラメントの振動角が上述した範囲の下限を下回ってしまうおそれがあるからである。好ましくは、レーザ照射は、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がノズル出口の垂直下3mm以上10mm以下の位置となるように行われ、より好ましくは、レーザ照射は、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がノズル出口の垂直下3mm以上5mm以下の位置となるように行われる。
以上に述べた条件を満たしたマルチフィラメントに振動が生じるとき、ナノファイバーが生成される。
以上に述べた条件を満たしたマルチフィラメントに振動が生じるとき、ナノファイバーが生成される。
上記の工程においては、使用される原フィラメント(マルチフィラメント)、原フィラメント(マルチフィラメント)の送出速度、ノズル形状、レーザ照射条件、及び/又は、原フィラメント供給室と延伸室との圧力差(P1-P2)を変更することによって、得られるナノファイバーの平均繊維径や繊維径分布を調整することが可能である。例えば、本実施形態のエアフィルター用のナノファイバーを生成する場合には、構成繊維中に、構成繊維の平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維(相対的に太い繊維)が所定の割合で含まれるように、原フィラメント、原フィラメントの送出速度、ノズル形状、レーザ照射条件、及び/又は、圧力差(P1-P2)が選択又は決定される。
(ナノファイバー層形成工程)
上記の工程において生成されたナノファイバーを、基材10上に成膜する。ナノファイバー層11の形成にあたっては、シート状の基材10を一方向に送り出しつつ、その片側表面に、上述の装置からナノファイバーを射出してナノファイバー層11を形成する。このとき、ナノファイバー層11の目付量が10g/m2以下となるように、ナノファイバーの射出量、及び基材10の送り出し速度を適宜調整する。なお、生成されたナノファイバー層11を基材10上に効率的に形成するため、例えば上述の装置においては、基材10の移動方向に対して交差する方向に複数のノズルを並べて配置してもよい。この場合においては、振動するマルチフィラメント同士が接触したり、生成されたナノファイバーの成膜が、隣接するノズルの気流による悪影響を受けたりしないように、ノズル同士の間隔が適宜調整される。
上記の工程において生成されたナノファイバーを、基材10上に成膜する。ナノファイバー層11の形成にあたっては、シート状の基材10を一方向に送り出しつつ、その片側表面に、上述の装置からナノファイバーを射出してナノファイバー層11を形成する。このとき、ナノファイバー層11の目付量が10g/m2以下となるように、ナノファイバーの射出量、及び基材10の送り出し速度を適宜調整する。なお、生成されたナノファイバー層11を基材10上に効率的に形成するため、例えば上述の装置においては、基材10の移動方向に対して交差する方向に複数のノズルを並べて配置してもよい。この場合においては、振動するマルチフィラメント同士が接触したり、生成されたナノファイバーの成膜が、隣接するノズルの気流による悪影響を受けたりしないように、ノズル同士の間隔が適宜調整される。
(グラフト鎖形成工程)
上記の工程において形成されたナノファイバー層11に対して放射線グラフト重合を行い、ナノファイバー層11を形成する繊維11aの表面にグラフト鎖20を定着させる。例えば、ナノファイバーを構成するポリプロピレン等の高分子素材に放射線を照射する。放射線を照射された高分子素材においては、C-H結合が切れてラジカルが生成する。ラジカルが生成した高分子材料を、二重結合(ビニル基)を持つグリシジルメタクリレート(GMA)の溶液(以下、「GMA溶液」と言う)と接触させると、ラジカルが反応の活性種となってグリシジルメタクリレートの二重結合が切れてラジカルと結合し、高分子素材の表面にグラフト鎖20が形成される。ここで用いるGMA溶液の溶媒にはメタノールなどのアルコール類又はトルエンなどの芳香族類を含有する溶媒を使用する。
なお、本実施形態において、グラフト鎖20を形成する材料としてGMA溶液を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の不飽和二重結合官能基を有する化合物を用いてもよいし、プロパルギル基等の不飽和三重結合官能基を有する化合物を用いてもよい。
上記の工程において形成されたナノファイバー層11に対して放射線グラフト重合を行い、ナノファイバー層11を形成する繊維11aの表面にグラフト鎖20を定着させる。例えば、ナノファイバーを構成するポリプロピレン等の高分子素材に放射線を照射する。放射線を照射された高分子素材においては、C-H結合が切れてラジカルが生成する。ラジカルが生成した高分子材料を、二重結合(ビニル基)を持つグリシジルメタクリレート(GMA)の溶液(以下、「GMA溶液」と言う)と接触させると、ラジカルが反応の活性種となってグリシジルメタクリレートの二重結合が切れてラジカルと結合し、高分子素材の表面にグラフト鎖20が形成される。ここで用いるGMA溶液の溶媒にはメタノールなどのアルコール類又はトルエンなどの芳香族類を含有する溶媒を使用する。
なお、本実施形態において、グラフト鎖20を形成する材料としてGMA溶液を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の不飽和二重結合官能基を有する化合物を用いてもよいし、プロパルギル基等の不飽和三重結合官能基を有する化合物を用いてもよい。
(官能基付与工程)
ナノファイバー11aの表面にグラフト鎖20が形成された不織布1Aを、官能基21を含む溶液に浸漬し、所定の温度下で所定の時間にわたりその状態を維持する。その後、溶液から不織布1Aを取り出し、洗浄及び乾燥させると、グラフト鎖20に官能基21が付与される。
ナノファイバー11aの表面にグラフト鎖20が形成された不織布1Aを、官能基21を含む溶液に浸漬し、所定の温度下で所定の時間にわたりその状態を維持する。その後、溶液から不織布1Aを取り出し、洗浄及び乾燥させると、グラフト鎖20に官能基21が付与される。
(変形例)
上記第一実施形態の変形例を図3に示す。
本変形例における不織布1Bは、二枚の基材10と、その間に挟まれたナノファイバー層(不織布本体)11とを含む。ナノファイバー11aの表面には、複数のグラフト鎖20が形成され、そのグラフト鎖20に絡まるように特定の機能を有する複数の官能基21が付与されている。
なお、基材10及びナノファイバー11aの材質、それらに求められる各種物性値は、第一実施形態と同様である。
上記第一実施形態の変形例を図3に示す。
本変形例における不織布1Bは、二枚の基材10と、その間に挟まれたナノファイバー層(不織布本体)11とを含む。ナノファイバー11aの表面には、複数のグラフト鎖20が形成され、そのグラフト鎖20に絡まるように特定の機能を有する複数の官能基21が付与されている。
なお、基材10及びナノファイバー11aの材質、それらに求められる各種物性値は、第一実施形態と同様である。
(第二実施形態)
本発明にかかる機能性不織布の第二実施形態を図4に示す。
第二実施形態における機能性不織布2では、一般にマイクロファイバーと呼ばれる繊維12aの集合体を不織布本体12とし、その不織布本体12を構成する繊維12aの表面に複数のグラフト鎖20が形成され、そのグラフト鎖20に絡まるように、特定の機能を有する複数の官能基21が付与されている(以下、本実施形態では繊維12aをマイクロファイバーと呼ぶ)。
本発明にかかる機能性不織布の第二実施形態を図4に示す。
第二実施形態における機能性不織布2では、一般にマイクロファイバーと呼ばれる繊維12aの集合体を不織布本体12とし、その不織布本体12を構成する繊維12aの表面に複数のグラフト鎖20が形成され、そのグラフト鎖20に絡まるように、特定の機能を有する複数の官能基21が付与されている(以下、本実施形態では繊維12aをマイクロファイバーと呼ぶ)。
いわゆるマイクロファイバーとは、材料としての樹脂を平均繊維径3μm未満の繊維に加工したものをいう。マイクロファイバー12aの材料として使用可能な樹脂は、糸状に加工可能な熱可塑性樹脂である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸を含むポリエステル、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)を含むポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリビニルアルコール系ポリマー、アクリロニトリル系ポリマー、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などを含むフッ素系ポリマー、ウレタン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオキシメチレン、エーテルエステル系ポリマー、トリアセチルセルロース等のセルロース修飾ポリマーなどが使用可能である。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)及びポリプロピレンは、延伸性及び分子配向性が良いため好ましい。
図5に、不織布を構成する繊維の比表面積と平均繊維径との関係を表すグラフを示す。このグラフによれば、平均繊維径が3μm以下になると比表面積が急激に拡大する。比表面積が大きいほど、繊維表面に形成されるグラフト鎖の数(単位重量当たり)が多くなり、そのグラフト鎖に付与される官能基の数も多くなる。したがって、平均繊維径の小さい繊維の不織布ほど、官能基のもつ機能の有効性が高い。
マイクロファイバー12aの材料は特に限定されないが、市場に供給される製品に求められる特徴(例えばマスクであれば、空気中を浮遊する忌避すべき粒子の捕捉性、呼吸のし易さに影響する通気性など)に応じて、不織布本体12に求められる各種物性値(粒子の捕集効率、圧力損失、厚み、空隙率など)は自ずと特定される。一般的にマスクでは通気性が求められるため、加工時のハンドリング性や強度に問題が出ない限り、不織布本体12には薄くて空隙率が大きく、通気性の良いものが望まれる。
マイクロファイバー12aの材料は特に限定されないが、市場に供給される製品に求められる特徴(例えばマスクであれば、空気中を浮遊する忌避すべき粒子の捕捉性、呼吸のし易さに影響する通気性など)に応じて、不織布本体12に求められる各種物性値(粒子の捕集効率、圧力損失、厚み、空隙率など)は自ずと特定される。一般的にマスクでは通気性が求められるため、加工時のハンドリング性や強度に問題が出ない限り、不織布本体12には薄くて空隙率が大きく、通気性の良いものが望まれる。
本実施形態において、マイクロファイバー12aの集合体である不織布本体12の目付量は50g/m2以下であり、好ましくは30g/m2以下である。不織布本体12の目付量が上記の値以下であることにより、製品としてのマスクの通気性の低下を抑制することができる。
粒子径が0.3μm以上0.374以下の範囲に含まれる粒子を捕捉対象とした場合、上記式(1)から求められるQF値は、0.010Pa-1以上であることが好ましい。不織布本体12の比表面積は、0.01m2/g以上1.0m2/g以下であることが好ましい。不織布本体12の通気度は、10cm3/cm2・s以上2000cm3/cm2・s以下であることが好ましい。なお、通気度計測の手法については第一実施形態にならうものとする。
粒子径が0.3μm以上0.374以下の範囲に含まれる粒子を捕捉対象とした場合、上記式(1)から求められるQF値は、0.010Pa-1以上であることが好ましい。不織布本体12の比表面積は、0.01m2/g以上1.0m2/g以下であることが好ましい。不織布本体12の通気度は、10cm3/cm2・s以上2000cm3/cm2・s以下であることが好ましい。なお、通気度計測の手法については第一実施形態にならうものとする。
また、本実施形態において、上記式(2)から求められる不織布本体12の空隙率は80%以上であることが好ましい。不織布本体12の空隙率が上記の値以上であることにより、マスクの通気性を左右する要因である圧力損失の増大をより抑制し、より高いQF値を維持することができる。
上記のように構成された機能性不織布2によれば、マイクロファイバー12aの表面に定着されたグラフト鎖20に、所望の機能をもつ官能基21が従来よりも多く付与されるので、官能基21の機能の有効性を高めることができる。
<タンパク質吸着実験>
上記の機能性不織布1について、下記の方法によりタンパク質の吸着量を評価した。
(GMA膜の形成)
まず、本発明の第一実施形態として説明した不織布1A(基材:ポリエチレン製、目付18g/m2、ナノファイバー層:ポリプロピレン製ナノファイバー不織布、平均繊維径0.3μm、目付10g/m2)を5cm×5cm角の大きさに裁断したものを用意し、その重量を測定した。また、GMA濃度10%のGMA/メタノール混合溶液を調製し、その溶液を注入した袋に上記の大きさに裁断した不織布1Aを入れ、袋を真空引きしてGMA/メタノール混合溶液に浸漬した。その後、袋を真空引きした状態を維持しつつ、袋内の不織布1に放射線を当ててグラフト重合させた。不織布1Aを袋から取り出し、メタノールで三回、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)で二回洗浄した。洗浄後に不織布1を乾燥させて試験片Aを作製した。試験片Aの重量を測定し、上記の式(3)を用いてグラフト率を算出した。
上記の機能性不織布1について、下記の方法によりタンパク質の吸着量を評価した。
(GMA膜の形成)
まず、本発明の第一実施形態として説明した不織布1A(基材:ポリエチレン製、目付18g/m2、ナノファイバー層:ポリプロピレン製ナノファイバー不織布、平均繊維径0.3μm、目付10g/m2)を5cm×5cm角の大きさに裁断したものを用意し、その重量を測定した。また、GMA濃度10%のGMA/メタノール混合溶液を調製し、その溶液を注入した袋に上記の大きさに裁断した不織布1Aを入れ、袋を真空引きしてGMA/メタノール混合溶液に浸漬した。その後、袋を真空引きした状態を維持しつつ、袋内の不織布1に放射線を当ててグラフト重合させた。不織布1Aを袋から取り出し、メタノールで三回、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)で二回洗浄した。洗浄後に不織布1を乾燥させて試験片Aを作製した。試験片Aの重量を測定し、上記の式(3)を用いてグラフト率を算出した。
同様に、GMA濃度50%のGMA/メタノール混合溶液、GMA濃度10%のGMA/トルエン混合溶液、GMA濃度50%のGMA/トルエン混合溶液、及びGMA濃度10%液を調製し、それらの溶液を使って上記の要領で不織布1Aをグラフト重合させた。それぞれの溶液を用いて作製した不織布1Aの試験片B、C、D及びEについてもそれぞれグラフト率を算出した。結果を表1に示す。
メタノール、トルエンいずれの溶媒を用いた場合でも、上記混合溶液のGMA濃度が高いほど試験片のグラフト率が高くなることがわかる。また、GMA濃度が高い50%で比較すると、トルエンよりもメタノールを用いた方が、試験片のグラフト率が高くなっており、メタノールを用いた方がナノファイバー表面にグラフト鎖をより伸長させることができる。
上記の試験片A~Eとは別に、本発明の第一実施形態の変形例として説明した不織布1B(基材:ポリプロピレン製スパンボンド不織布、平均繊維径20μm、目付15g/m2、ナノファイバー層:ポリプロピレン製ナノファイバー不織布、平均繊維径0.3μm、目付6g/m2)を用意すると共に、不織布1Bに用いた基材(ポリプロピレン製スパンボンド不織布、平均繊維径20μm、目付15g/m2)を用意し、濃度を相違させた3つのGMA/メタノール混合溶液を用いてそれらにGMA膜を形成し、不織布1Bの試験片F、G及びHと、不織布1Bの基材のみ(すなわちスパンボンド不織布)の比較例としての試験片I、J及びKとを作製した。
上記の試験片F~Kについてもそれぞれグラフト率を算出した。結果を表2に示す。
GMA濃度毎に比較すると、スパンボンド不織布の試験片よりも、ナノファイバー層11を有する不織布1Bの試験片のほうがグラフト率を高くできることが分かる。
上記の試験片F~Kについてもそれぞれグラフト率を算出した。結果を表2に示す。
GMA濃度毎に比較すると、スパンボンド不織布の試験片よりも、ナノファイバー層11を有する不織布1Bの試験片のほうがグラフト率を高くできることが分かる。
(GMA膜へのIDA-EDCの導入)
上記の試験片A~Kとは別に、本発明の第一実施形態として説明した不織布1A(基材:ポリエチレン製不織布、目付18g/m2、ナノファイバー層:ポリプロピレン製ナノファイバー不織布、平均繊維径0.3μm、目付10g/m2)を用意し、GMA濃度を相違させた5つの溶液を用いてそれらにGMA膜を形成して試験片L~Pを作製した。また、官能基としてのイミノニ酢酸二ナトリウム・水和物(以下、「IDA」と言う)0.125Mと、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDC」と言う)0.25Mとを、25℃の温度下で60時間カップリング反応させてIDA-EDC溶液を調製した。そして、各試験片L~PをIDA-EDC溶液と反応させてそれぞれの表面に形成されたGMA膜にIDA-EDCを固定した。その上で、各試験片L~PにおけるIDA-EDCのGMA膜へのモル転化率を下記式(4)により求めた。
上記の試験片A~Kとは別に、本発明の第一実施形態として説明した不織布1A(基材:ポリエチレン製不織布、目付18g/m2、ナノファイバー層:ポリプロピレン製ナノファイバー不織布、平均繊維径0.3μm、目付10g/m2)を用意し、GMA濃度を相違させた5つの溶液を用いてそれらにGMA膜を形成して試験片L~Pを作製した。また、官能基としてのイミノニ酢酸二ナトリウム・水和物(以下、「IDA」と言う)0.125Mと、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDC」と言う)0.25Mとを、25℃の温度下で60時間カップリング反応させてIDA-EDC溶液を調製した。そして、各試験片L~PをIDA-EDC溶液と反応させてそれぞれの表面に形成されたGMA膜にIDA-EDCを固定した。その上で、各試験片L~PにおけるIDA-EDCのGMA膜へのモル転化率を下記式(4)により求めた。
(IDA-EDC膜への糖の導入)
GMA膜にIDA-EDCを固定したことにより、表面にIDA-EDC膜が形成された各試験片L~Pを、0.25Mのシアル酸(N-アセチルノイラミン酸、NANA)溶液に浸漬し、25℃の温度下で24時間にわたり振とうした。その後、シアル酸溶液から各試験片L~Pを取り出し、イオン交換水で洗浄し、それらを乾燥させて、各試験片の表面に形成されたIDA-EDC膜にシアル酸を固定した。その上で、各試験片L~Pにおけるシアル酸のIDA-EDC膜へのモル転化率を下記式(5)により求めた。
GMA膜にIDA-EDCを固定したことにより、表面にIDA-EDC膜が形成された各試験片L~Pを、0.25Mのシアル酸(N-アセチルノイラミン酸、NANA)溶液に浸漬し、25℃の温度下で24時間にわたり振とうした。その後、シアル酸溶液から各試験片L~Pを取り出し、イオン交換水で洗浄し、それらを乾燥させて、各試験片の表面に形成されたIDA-EDC膜にシアル酸を固定した。その上で、各試験片L~Pにおけるシアル酸のIDA-EDC膜へのモル転化率を下記式(5)により求めた。
同様に、表面にIDA-EDC膜が形成された各試験片L~Pを、0.25MのN-アセチルグルコサミン(以下、「GlcNAc」と言う)溶液に浸漬し、25℃の温度下で24時間にわたり振とうした。その後、GlcNAc溶液から各試験片L~Pを取り出し、イオン交換水で洗浄し、それらを乾燥させて、各試験片の表面に形成されたIDA-EDC膜にGlcNAcを固定した。その上で、各試験片L~PにおけるGlcNAcのIDA-EDC膜へのモル転化率を下記式(6)により求めた。
各試験片L~Pについて、GMA濃度、グラフト率、式(4)により求めたIDA-EDC転化率、式(5)により求めたシアル酸転化率、及び式(6)により求めたGlcNAc転化率を表3に示す。
各試験片L~Pについて、シアル酸のIDA-EDC膜へのモル転化率を比較すると、グラフト率の大きさとシアル酸転化率との間に比例関係は見いだせず、モル転化率は60%以上の高い値を示した。また、GlcNAcのIDA-EDC膜へのモル転化率を比較すると、試験片O、Pは、試験片M、Nよりもグラフト率が高いにもかかわらず、試験片O、PのGlcNAc転化率は、試験片M、Nよりも低い値を示した。このことから、グラフト率が低いとグラフト鎖の数も少なく、そのグラフ鎖に定着する官能基の数も少ないが、グラフト率が高くグラフト鎖が多すぎても、そのグラフト鎖間に官能基の収まるスペースが少なくなって結果的に官能基の数が制限されてしまうと推測される。
各試験片L~Pについて、シアル酸のIDA-EDC膜へのモル転化率を比較すると、グラフト率の大きさとシアル酸転化率との間に比例関係は見いだせず、モル転化率は60%以上の高い値を示した。また、GlcNAcのIDA-EDC膜へのモル転化率を比較すると、試験片O、Pは、試験片M、Nよりもグラフト率が高いにもかかわらず、試験片O、PのGlcNAc転化率は、試験片M、Nよりも低い値を示した。このことから、グラフト率が低いとグラフト鎖の数も少なく、そのグラフ鎖に定着する官能基の数も少ないが、グラフト率が高くグラフト鎖が多すぎても、そのグラフト鎖間に官能基の収まるスペースが少なくなって結果的に官能基の数が制限されてしまうと推測される。
(タンパク質の吸着)
インフルエンザウイルスの表面に存在するタンパク質であるヘマグルチニンに見立てた小麦胚芽タンパクの溶液を100μg/mLに調製し、その小麦胚芽タンパク溶液1mL中に、1cm×1cm四方に裁断した下記の五種類の試料S1~S5を浸漬し、37℃の温度下で24時間にわたり振とうした。溶液から各試料を取り出し、残った小麦胚芽タンパク溶液に含まれる小麦胚芽タンパクの量をBCA法により定量した。
(S1)グラフト鎖形成を行っていない不織布
(S2)GMA膜のみ形成された不織布
(S3)IDA-EDC膜を形成された不織布
(S4)IDA-EDC膜にシアル酸が固定された不織布
(S5)IDA-EDC膜にGlcNAcが固定された不織布
インフルエンザウイルスの表面に存在するタンパク質であるヘマグルチニンに見立てた小麦胚芽タンパクの溶液を100μg/mLに調製し、その小麦胚芽タンパク溶液1mL中に、1cm×1cm四方に裁断した下記の五種類の試料S1~S5を浸漬し、37℃の温度下で24時間にわたり振とうした。溶液から各試料を取り出し、残った小麦胚芽タンパク溶液に含まれる小麦胚芽タンパクの量をBCA法により定量した。
(S1)グラフト鎖形成を行っていない不織布
(S2)GMA膜のみ形成された不織布
(S3)IDA-EDC膜を形成された不織布
(S4)IDA-EDC膜にシアル酸が固定された不織布
(S5)IDA-EDC膜にGlcNAcが固定された不織布
BCA法により定量した溶液中の小麦胚芽タンパクの残量から、各試料に吸着された小麦胚芽タンパクの量、すなわち単位面積(1cm×1cm)あたりの小麦胚芽タンパクの吸着量を求めた。その結果を図6に示す。
試料S2、S4及びS5については、それぞれにタンパク質の吸着が見られた。ただし、試料S5にはGlcNAc結合特異性があるにも関わらず、そのタンパク質吸着量は試料S2と試料S4との間の値であった。その理由は、GMA膜へのGlcNAcの転化率が低いため、若しくはGlcNAcと小麦胚芽タンパクとの結合部位がGlcNAcとIDA-EDCとの結合に用いられるために、相互作用が弱くなって糖クラスター効果が十分に発揮されなかったのではないかと考えられる。
試料S4については、試料S2の約4倍に相当する量のタンパク質の吸着が見られ、シアル酸による糖クラスター効果が十分に発揮されたと考えられる。
試料S2、S4及びS5については、それぞれにタンパク質の吸着が見られた。ただし、試料S5にはGlcNAc結合特異性があるにも関わらず、そのタンパク質吸着量は試料S2と試料S4との間の値であった。その理由は、GMA膜へのGlcNAcの転化率が低いため、若しくはGlcNAcと小麦胚芽タンパクとの結合部位がGlcNAcとIDA-EDCとの結合に用いられるために、相互作用が弱くなって糖クラスター効果が十分に発揮されなかったのではないかと考えられる。
試料S4については、試料S2の約4倍に相当する量のタンパク質の吸着が見られ、シアル酸による糖クラスター効果が十分に発揮されたと考えられる。
グラフト率と小麦胚芽タンパクの吸着量との関係を図7に示す。単位面積あたりの小麦胚芽タンパクの吸着量は、グラフト率が高いほど増加することが分かる。
上記の試験片A~Pとは別に、本発明の第一実施形態の変形例として説明した不織布1B(基材:ポリプロピレン製スパンボンド不織布、平均繊維径20μm、目付15g/m2、ナノファイバー層:ポリプロピレン製ナノファイバー不織布、平均繊維径0.3μm、目付6g/m2)を複数枚用意し、それらにグラフト率の異なるGMA膜を形成して試験片U~Wを作製した。
さらに、本発明の第二実施形態として説明した不織布2(ポリプロピレン製マイクロファイバー不織布、平均繊維径2.2μm、目付30g/m2)を複数枚用意し、それらにグラフト率の異なるGMA膜を形成して試験片AA、BB、CC及びDDを作製した。
試験片U~Wの比較例として、不織布1Bの基材に使用したポリプロピレン製スパンボンド不織布を用意し、その不織布単体にGMA膜を形成して試験片Xを作製した。また、不織布1Bのナノファイバー層に使用したポリプロピレン製ナノファイバー不織布を用意し、その不織布単体にGMA膜を形成して試験片Yを作製した。
さらに、本発明の第二実施形態として説明した不織布2(ポリプロピレン製マイクロファイバー不織布、平均繊維径2.2μm、目付30g/m2)を複数枚用意し、それらにグラフト率の異なるGMA膜を形成して試験片AA、BB、CC及びDDを作製した。
試験片U~Wの比較例として、不織布1Bの基材に使用したポリプロピレン製スパンボンド不織布を用意し、その不織布単体にGMA膜を形成して試験片Xを作製した。また、不織布1Bのナノファイバー層に使用したポリプロピレン製ナノファイバー不織布を用意し、その不織布単体にGMA膜を形成して試験片Yを作製した。
上記の各試験片について、それぞれのGMA膜にIDA-EDCを固定してIDA-EDC膜を形成し、さらにそのIDA-EDC膜にシアル酸を固定した。
各試験片のグラフト率、式(4)により求めたIDA-EDC転化率、及び式(5)により求めたシアル酸転化率を表4に示す。
さらに、上記の要領で各試験片に小麦胚芽タンパクを吸着させた。そして、各試験片について小麦胚芽タンパクの吸着量をBCA法により定量した。定量された小麦胚芽タンパクの吸着量、及びその値をシアル酸量で除した値、すなわち単位シアル酸当たりの小麦胚芽タンパクの吸着量を表4に示す。なお、単位シアル酸当たりの小麦胚芽タンパクの吸着量は、振とう時間を24時間とした試験片について調べた結果である。
各試験片のグラフト率、式(4)により求めたIDA-EDC転化率、及び式(5)により求めたシアル酸転化率を表4に示す。
さらに、上記の要領で各試験片に小麦胚芽タンパクを吸着させた。そして、各試験片について小麦胚芽タンパクの吸着量をBCA法により定量した。定量された小麦胚芽タンパクの吸着量、及びその値をシアル酸量で除した値、すなわち単位シアル酸当たりの小麦胚芽タンパクの吸着量を表4に示す。なお、単位シアル酸当たりの小麦胚芽タンパクの吸着量は、振とう時間を24時間とした試験片について調べた結果である。
単位面積あたりの小麦胚芽タンパクの吸着量は、グラフト率が高いほど増加するが、比例関係ではないことが分かる。グラフト率を52%から162%と約3倍にしても吸着量は1.3倍以下であり2倍にも満たないことから、グラフト率を過剰に高めても有効に活用されないグラフト鎖が多くなることが分かる。
また、グラフト率がいずれも50%台の試験片U、AA、BB及びCCを比較すると、不織布2の試験片AA、BB及びCCよりも、不織布1Bの試験片Yのほうが、単位シアル酸当たりの小麦胚芽タンパクの吸着量が多いことが分かる。
さらに、グラフト率がいずれも50%台の試験片Uと比較例としての試験片Yとの間で小麦胚芽タンパクの吸着量(振とう時間:12時間)を比較すると、試験片Uのほうが二倍以上の量のタンパクを吸着している。
また、グラフト率がいずれも50%台の試験片U、AA、BB及びCCを比較すると、不織布2の試験片AA、BB及びCCよりも、不織布1Bの試験片Yのほうが、単位シアル酸当たりの小麦胚芽タンパクの吸着量が多いことが分かる。
さらに、グラフト率がいずれも50%台の試験片Uと比較例としての試験片Yとの間で小麦胚芽タンパクの吸着量(振とう時間:12時間)を比較すると、試験片Uのほうが二倍以上の量のタンパクを吸着している。
(気相中でのタンパク質の吸着)
上記の試験片AAとは別に、本発明の第二実施形態として説明した不織布2(ポリプロピレン製マイクロファイバー不織布、平均繊維径2.2μm、目付30g/m2)を用意し、GMA膜を形成して試験片EEを作製した。この試験片EEのGMA膜にIDA-EDC膜を形成し、さらにそのIDA-EDC膜にシアル酸を固定した。この試験片AAにおいて、式(4)により求めたIDA-EDC転化率は81.4%、式(5)により求めたシアル酸転化率は37.0%であった。この試験片EEを、図8に示すネブライザーユニット100の底に配置したうえで、ネブライザーユニット100の蓋100aを開けて小麦胚芽タンパクの1μg/μL溶液100μLをユニット内に滴下し、蓋100aを閉めてエアロゾルチャンバー101を密閉した。その後、吸引装置102を作動させてチャンバー101内を真空引きし、小麦胚芽タンパク溶液を噴霧化させた。3分後、ネブライザーユニット100から試験片EEを取り出し、イオン交換水で洗浄した後、0.2重量パーセントのラウリル硫酸ナトリウム水溶液10mLに浸漬し、30分間振とうした。溶液から試験片EEを取り出し、残った溶液に含まれる小麦胚芽タンパクの量をBCA法により定量した。それらの結果も表4に示す。
上記の試験片AAとは別に、本発明の第二実施形態として説明した不織布2(ポリプロピレン製マイクロファイバー不織布、平均繊維径2.2μm、目付30g/m2)を用意し、GMA膜を形成して試験片EEを作製した。この試験片EEのGMA膜にIDA-EDC膜を形成し、さらにそのIDA-EDC膜にシアル酸を固定した。この試験片AAにおいて、式(4)により求めたIDA-EDC転化率は81.4%、式(5)により求めたシアル酸転化率は37.0%であった。この試験片EEを、図8に示すネブライザーユニット100の底に配置したうえで、ネブライザーユニット100の蓋100aを開けて小麦胚芽タンパクの1μg/μL溶液100μLをユニット内に滴下し、蓋100aを閉めてエアロゾルチャンバー101を密閉した。その後、吸引装置102を作動させてチャンバー101内を真空引きし、小麦胚芽タンパク溶液を噴霧化させた。3分後、ネブライザーユニット100から試験片EEを取り出し、イオン交換水で洗浄した後、0.2重量パーセントのラウリル硫酸ナトリウム水溶液10mLに浸漬し、30分間振とうした。溶液から試験片EEを取り出し、残った溶液に含まれる小麦胚芽タンパクの量をBCA法により定量した。それらの結果も表4に示す。
試験片EEにおいて、定量された小麦胚芽タンパクの吸着量は15.8μg/cm2、単位シアル酸当たりの吸着量は0.035g/gであった。他の試験片と比較すると、気相中でタンパクを吸着させた場合であっても液相中での吸着と同等、もしくはそれ以上に小麦胚芽タンパクが吸着されていることが分かる。
(単位目付量当たりの厚さ)
本発明の第一実施形態の変形例として説明した不織布1B(基材:ポリプロピレン製スパンボンド不織布、平均繊維径20μm、目付15g/m2、ナノファイバー層:ポリプロピレン製ナノファイバー不織布、平均繊維径0.3μm、目付6g/m2)を用意し(試験片FF)、その試験片について目付の量を測定したうえで単位目付量当たりの厚さを測定した。また、本発明の第二実施形態として説明した不織布2(ポリプロピレン製マイクロファイバー不織布、平均繊維径2.2μm)を複数用意し(試験片GG、HH、II)、各々の試験片について目付の量を測定したうえで単位目付量当たりの厚さを測定した。さらに、別途用意した比較例としての試験片JJ、KKについて、各々の目付の量を測定したうえで単位目付量当たりの厚さを測定した。それらの測定結果を表5に示し、さらに目付と厚さとの関係を表すグラフを図9に示す。
本発明の第一実施形態の変形例として説明した不織布1B(基材:ポリプロピレン製スパンボンド不織布、平均繊維径20μm、目付15g/m2、ナノファイバー層:ポリプロピレン製ナノファイバー不織布、平均繊維径0.3μm、目付6g/m2)を用意し(試験片FF)、その試験片について目付の量を測定したうえで単位目付量当たりの厚さを測定した。また、本発明の第二実施形態として説明した不織布2(ポリプロピレン製マイクロファイバー不織布、平均繊維径2.2μm)を複数用意し(試験片GG、HH、II)、各々の試験片について目付の量を測定したうえで単位目付量当たりの厚さを測定した。さらに、別途用意した比較例としての試験片JJ、KKについて、各々の目付の量を測定したうえで単位目付量当たりの厚さを測定した。それらの測定結果を表5に示し、さらに目付と厚さとの関係を表すグラフを図9に示す。
比較例としての試験片JJ、KKの単位目付量当たりの厚さに比べて、試験片FF~IIの単位目付量当たりの厚さは1/2程度であった。このことから、目付の量が同じであっても、本発明の不織布の厚さは比較対象の従来品と比べて薄く、様々な機能を付与するにあたってグラフト鎖の形成、官能基の付与など加工がし易い。また、マスクなどの日用品に加工される場合は、使用者にとって使い勝手が良く肌身に付けても負担が少ないなどメリットがある。
1A、1B及び2…機能性不織布、
10…基材、
11…ナノファイバー層(不織布本体)、
11a…ナノファイバー、
12…マイクロファイバーの集合体(不織布本体)、
12a…マイクロファイバー、
20…グラフト鎖、
21…官能基
10…基材、
11…ナノファイバー層(不織布本体)、
11a…ナノファイバー、
12…マイクロファイバーの集合体(不織布本体)、
12a…マイクロファイバー、
20…グラフト鎖、
21…官能基
Claims (11)
- 繊維が集合した不織布本体と、前記繊維に形成された複数のグラフト鎖と、前記グラフト鎖に付与された官能基とを備え、
前記繊維の径の平均が3.0μm以下である機能性不織布。 - 前記繊維の径の平均が0.5μm以下である請求項1に記載の機能性不織布。
- 前記不織布本体に接着されて該不織布本体を支持する基材をさらに備える請求項1又は2に記載の機能性不織布。
- 前記基材を含む前記不織布本体の目付量が50g/m2以下である請求項3に記載の機能性不織布。
- 前記不織布本体の比表面積が1.0m2/g以上10.0m2/g以下である請求項1から5のいずれか一項に記載の機能性不織布。
- 前記基材を含む前記不織布本体の通気度が3.0cm3/cm2・s以上300cm3/cm2・s以下である請求項3から5のいずれか一項に記載の機能性不織布。
- 前記不織布本体の目付量が50g/m2以下である請求項1に記載の機能性不織布。
- グラフト率が1%以上300%以下である請求項1から7のいずれか一項に記載の機能性不織布。
- 前記官能基がシアル酸、N-アセチルグルコサミン、シアリルガラクトース、シアリルラクトースのいずれかであり、
グラフト率が1%以上60%以下である請求項8に記載の機能性不織布。 - 前記官能基がアミノペプチターゼNの豚流行性下痢ウイルスとの結合部位を模倣したペプチドであり、
グラフト率が1%以上60%以下である請求項8に記載の機能性不織布。 - 前記官能基がスルホン酸、カルボン酸、リン酸、金属錯体、アミンのいずれかであり、
グラフト率が50%以上300%以下である請求項8に記載の機能性不織布。
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- 2018-06-29 WO PCT/JP2018/024976 patent/WO2019004477A1/ja active Application Filing
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