WO2018225213A1 - 無呼吸検出装置 - Google Patents

Abstract

身体の動きを加速度として検出する加速度センサ１１により測定される加速度情報と、身体の動きを角速度として検出する角速度センサ１２により測定される角速度情報と、心音センサ１３により検出される使用者の心音情報との相関に基づいて、使用者の無呼吸状態を検出する検出部１４を備え、加速度センサ１１により測定される加速度だけでなく、角速度センサ１２により測定される角速度の両方が同時に閾値以下となっていて、かつ、心音から特定される心拍速度が所定の心拍速度よりも速くなっている場合にのみ、無呼吸状態であると判定するようにすることで、睡眠中の無呼吸をより正確に検出できるようにする。

Description

無呼吸検出装置

　本発明は、睡眠の期間中に使用者の身体に装着して無呼吸状態を検出するための無呼吸検出装置に関するものである。

　睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気である。この病気は自覚症状が弱い場合が多い。これに対して従来、睡眠中の体動または加速度を検出して無呼吸状態を検出する技術が知られている（例えば、特許文献１～３参照）。

　特許文献１～３に記載の睡眠時無呼吸検査装置は、三次元の加速度センサと、加速度センサから得られるＤＣ成分から患者の寝姿勢を検出するとともに、加速度センサから得られるＡＣ成分から患者の呼吸数や心拍数を検出する信号処理手段とを備え、１台の加速度センサから、睡眠検査や睡眠時無呼吸検査に必要な情報を得ることができるようになされている。

特開２００６－２４７３７４号公報 特開２００６－３２０７３３号公報 特開２００６－３２０７３４号公報

　特許文献１～３では、加速度センサから得られるＡＣ成分に対して所定の演算を行うことによって算出される呼吸に基づく体動データを、データベースに格納されている呼吸中の体動データおよび無呼吸中の体動データと比較し、呼吸状態か無呼吸状態かのどちらかを推定するようになされている。

　しかしながら、呼吸によって得られる加速度はそれほど大きな値ではないため、上述のように単純なデータ比較による判定方法では、呼吸状態か無呼吸状態かのどちらかを誤って推定してしまうことがあるという問題があった。

　本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、睡眠中の無呼吸をより正確に検出できるようにすることを目的とする。

　上記した課題を解決するために、本発明では、身体の動きを加速度として検出する加速度センサにより測定される加速度情報と、身体の動きを角速度として検出する角速度センサにより測定される角速度情報と、心音センサにより検出される使用者の心音情報との相関に基づいて、加速度の値および角速度の値がそれぞれ同時に閾値以下を示すという体動条件を満たしていて、かつ、心音から特定される心拍速度が所定の心拍速度よりも速くなっている期間を使用者の無呼吸状態として検出するようにしている。

　上記のように構成した本発明によれば、加速度センサにより測定される加速度だけでなく、角速度センサにより測定される角速度の両方が同時に閾値以下となっていて、かつ、心音から特定される心拍速度が所定の心拍速度よりも速くなっている場合にのみ、無呼吸状態であると判定されるので、睡眠中の無呼吸をより正確に検出することができる。

本実施形態による無呼吸検出装置の機能構成例を示すブロック図である。 本実施形態による無呼吸検出装置の外観構成例を示す図である。

　以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図１は、本実施形態による無呼吸検出装置の機能構成例を示すブロック図である。図２は、本実施形態による無呼吸検出装置の外観構成例を示す図である。

　本実施形態による無呼吸検出装置１０は、睡眠の期間中に使用者の身体に装着して無呼吸状態を検出するためのものである。図２に示すように、本実施形態の無呼吸検出装置１０は携帯型に構成されており、例えばこれを使用者の胸部または腹部に装着して、使用者の無呼吸状態を検出する。

　なお、睡眠中に無呼吸検出装置１０が身体からずれ落ちないように、無呼吸検出装置１０を身体に固定するためのベルト２０が備えられている。ここではベルト２０を用いているが、固定方法はこれに限定されない。例えば、テープ等を使って無呼吸検出装置１０を身体に固定するようにしてもよい。

　図１に示すように、本実施形態による無呼吸検出装置１０は、その機能構成として、加速度センサ１１、角速度センサ１２、心音センサ１３、検出部１４およびアラーム部１５を備えている。このうち、検出部１４およびアラーム部１５は、その機能の一部または全部をハードウェア、ＤＳＰ（Digital Signal Processor）、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。

　例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック１４，１５は、実際にはコンピュータのＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭなどを備えて構成され、ＲＡＭやＲＯＭ、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。

　加速度センサ１１は、使用者の身体の動きを加速度として検出する。使用者の左右方向（体幅方向）をＸ軸、使用者の前後方向（身長方向）をＹ軸、使用者の上下方向（腹部および背部を結ぶ体厚方向）をＺ軸として、加速度センサ１１は、１軸～３軸の何れのタイプを用いてもよいが、Ｚ軸方向（体厚方向）の加速度を少なくとも検出するものとする。使用者が呼吸をすると、胸部または腹部に固定された無呼吸検出装置１０は、体厚方向に上下動するからである。

　角速度センサ１２は、使用者の身体の動きを角速度として検出する。この角速度センサ１２は、１軸～３軸の何れのタイプを用いてもよいが、Ｘ軸を回転軸とする角速度（Ｙ－Ｚ平面上の回転角の角速度）を少なくとも検出するものとする。使用者が呼吸をすると、胸部または腹部に固定された無呼吸検出装置１０は、前後方向に傾きながら体厚方向に上下動するからである。

　心音センサ１３は、使用者の心音を検出する。この心音センサ１３は、例えば、無呼吸検出装置１０の筐体の内表面近くに配置されたコンデンサマイクにより構成される。なお、コンデンサマイクは心音センサ１３の一例に過ぎない。例えば、ムービング・コイル型またはリボン型等のダイナミックマイク、あるいはカーボンマイクなどを心音センサ１３として用いてもよい。

　なお、加速度センサ１１による加速度の検出、角速度センサ１２による角速度の検出および心音センサ１３による心音の検出は、使用者の睡眠中に継続して行う。

　検出部１４は、加速度センサ１１により測定される加速度情報、角速度センサ１２により測定される角速度情報および心音センサ１３により検出される心音情報の相関に基づいて、使用者の無呼吸状態を検出する。具体的には、検出部１４は、加速度の値および角速度の値がそれぞれ同時に閾値以下を示すという体動条件を満たしていて、かつ、心音から特定される心拍速度が所定の心拍速度よりも速くなっている期間を無呼吸状態として検出する。

　ここで、加速度センサ１１が複数軸方向の値を検出している場合、検出部１４は、複数軸方向の値が全て閾値以下となっているときに、加速度の値に関して上述の体動条件を満たすと判定する。同様に、角速度センサ１２が複数軸方向の値を検出している場合、検出部１４は、複数軸方向の値が全て閾値以下となっているときに、角速度の値に関して上述の体動条件を満たすと判定する。無呼吸状態のときは、無呼吸検出装置１０が装着された使用者の胸部または腹部の動きが小さくなり、加速度の値および角速度の値が何れも閾値以下となる。

　また、無呼吸状態のときは、血液中の酸素濃度が下がるため、心拍速度（心拍数）が上昇する。すなわち、無呼吸状態（上述の体動条件を満たしている状態）では、無呼吸検出装置１０の使用者が呼吸をしている通常状態（上述の体動条件を満たしていない状態）に比べて心拍速度が速くなる。

　よって、検出部１４は、加速度の値および角速度の値がそれぞれ同時に閾値以下という体動条件を満たしていて、かつ、心音から特定される心拍速度が、体動条件を満たしていないときの心拍速度（所定の心拍速度）よりも速くなっている場合に、無呼吸状態であると判定する。

　なお、心拍速度は、心音センサ１３により検出される心音の時間間隔として捉えることが可能である。すなわち、検出部１４は、加速度の値および角速度の値が体動条件を満たしていないときに心音センサ１３により検出されている心音の時間間隔よりも時間間隔が短くなったことを検出した場合に、心音から特定される心拍速度が所定の心拍速度よりも速くなっていると判定する。

　アラーム部１５は、検出部１４により無呼吸状態が検出されたときにアラームを出力する。アラームは、例えばバイブレータを振動させることによって行う。あるいは、所定のアラーム音をスピーカから出力するようにしてもよい。

　以上詳しく説明したように、本実施形態の無呼吸検出装置１０では、身体の動きを加速度として検出する加速度センサ１１により測定される加速度情報と、身体の動きを角速度として検出する角速度センサ１２により測定される角速度情報と、心音センサ１３により検出される心音情報との相関に基づいて、使用者の無呼吸状態を検出するようにしている。

　このように構成した本実施形態の無呼吸検出装置１０によれば、加速度センサ１１により測定される加速度だけでなく、角速度センサ１２により測定される角速度の両方が同時に閾値以下となっていて、かつ、心音から特定される心拍速度が所定の心拍速度よりも速くなっている場合にのみ、無呼吸状態であると判定されるので、睡眠中の無呼吸をより正確に検出することができる。

　使用者の寝方によっては体動が微弱になり、加速度センサ１１により検出される加速度の値が小さくなる。そのような場合でも、本実施形態では角速度センサ１２により角速度も検出しているため、角速度の値が閾値以下にならなければ、無呼吸状態が誤検出されることはない。また、使用者の寝方によって、加速度の値および角速度の値が何れも閾値以下となるようなことがあっても、本実施形態では心音センサ１３により心音も検出しているため、心拍速度が所定の速度より早くならなければ、無呼吸状態が誤検出されることはない。以上により、本実施形態によれば、加速度、角速度および心音の相関から無呼吸状態をより正確に検出することができる。

　なお、上記実施形態では、検出部１４が心音に関して無呼吸状態を検出する際に判定基準として用いる「所定の心拍速度」として、「加速度および角速度が体動条件を満たしていないときの心拍速度」を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、所定の心拍速度は、使用者によりあらかじめ設定された心拍速度であってもよい。この場合における「あらかじめ設定された心拍速度」は、例えば、使用者が起きているときの安静時に心電計などにより測定された心拍速度（心拍数）とするのがよい。検出部１４は、使用者により設定された心拍速度を内部メモリ等に記憶し、心音センサ１３により検出される心音情報から計算される心拍速度が内部メモリの心拍速度より速い場合に、無呼吸状態であると判定する。

　また、上記実施形態では、アラーム部１５を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、アラーム部１５に代えて情報記録部を設け、睡眠中に加速度センサ１１により測定される加速度情報および角速度センサ１２により測定される角速度情報を記憶媒体に記録するようにしてもよい。このようにすれば、記録した情報を図示しない外部コンピュータに出力して利用することが可能である。あるいは、無呼吸検出装置１０自体にディスプレイを設け、記憶媒体に記録された情報をグラフィック的に可視化して表示できるようにしてもよい。

　その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

　１０　無呼吸検出装置
　１１　加速度センサ
　１２　角速度センサ
　１３　心音センサ
　１４　検出部
　１５　アラーム部

Claims (4)

1. 　睡眠の期間中に使用者の身体に装着して無呼吸状態を検出するための無呼吸検出装置であって、
   　上記身体の動きを加速度として検出する加速度センサと、
   　上記身体の動きを角速度として検出する角速度センサと、
   　上記使用者の心音を検出する心音センサと、
   　上記加速度センサにより測定される加速度情報、上記角速度センサにより測定される角速度情報および上記心音センサにより検出される心音情報の相関に基づいて、上記使用者の無呼吸状態を検出する検出部とを備え、
   　上記検出部は、上記加速度の値および上記角速度の値がそれぞれ同時に閾値以下を示すという体動条件を満たしていて、かつ、上記心音から特定される心拍速度が所定の心拍速度よりも速くなっている期間を上記無呼吸状態として検出することを特徴とする無呼吸検出装置。
2. 　上記所定の心拍速度は、上記体動条件を満たしていないときの心拍速度であることを特徴とする請求項１に記載の無呼吸検出装置。
3. 　上記所定の心拍速度は、上記使用者によりあらかじめ設定された心拍速度であることを特徴とする請求項１に記載の無呼吸検出装置。
4. 　上記加速度センサにより上記使用者の体厚方向の加速度を検出し、上記角速度センサにより上記使用者の体幅方向を回転軸とする角速度を検出することを特徴とする請求項１に記載の無呼吸検出装置。

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