WO2018181529A1 - ホスファロドール化合物及びその塩、並びにそれを用いた蛍光色素 - Google Patents
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Abstract
一般式(1):[式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基を示す。R3は置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、又は置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基を示す。R4~R7は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルキル基、又はスルホン酸基を示す。R1とR4、R2とR6は、互いに結合して置換若しくは非置換アルキレン基を構成してもよい。R8は置換若しくは非置換アリール基を示す。] で表されるホスファロドール化合物又はその塩は、長波長領域に吸収極大及び蛍光極大を有しつつ、溶媒の極性に応じて吸収極大波長及び蛍光極大波長が変化する、つまり、ソルバトクロミック特性を有する化合物である。
Description
本発明は、ホスファロドール化合物及びその塩、並びにそれを用いた蛍光色素に関する。
赤色から近赤外領域に強い発光を示す分子は、細胞に対する光毒性を軽減するだけでなく、生体深部イメージングにおいても非常に有用である。今までにホスファキサンテン骨格を有する赤色から近赤外領域の発光色素が知られているが、これらは全て対称性の化合物である。非対称な骨格を有する化合物の有用性は他のキサンテン骨格を有する化合物においては報告されている(例えば、非特許文献1参照)が、このような非対称骨格を有する化合物の合成は一般に困難である。また、溶媒の極性に応じて吸収極大波長及び蛍光極大波長が変化する蛍光色素は少ないのが現状であり、長波長領域に吸収極大及び蛍光極大を有しつつも、溶媒の極性に応じて吸収極大波長及び蛍光極大波長が劇的に変化する蛍光色素は皆無である。
Chem. Commun, 2016, 52, 1120.
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、長波長領域に吸収極大及び蛍光極大を有しつつ、溶媒の極性に応じて吸収極大波長及び蛍光極大波長が変化する、つまり、ソルバトクロミック特性を有する化合物を提供することを目的とする。
上記目的を鑑み、鋭意検討した結果、本発明者らは、ホスファキサンテン骨格を有する化合物のなかでも、特定の構造を有するホスファロオール化合物が、長波長領域に吸収極大及び蛍光極大を有しつつ、溶媒の極性に応じて吸収極大波長及び蛍光極大波長が変化する、つまり、ソルバトクロミック特性を有することを見出した。このホスファロドール化合物は、ホスファローダミン化合物と塩基とを反応させることで簡便に合成することができる。本発明は、このような知見に基づきさらに研究を重ね、完成させたものである。すなわち、本発明は以下の構成を包含する。
項1.一般式(1):
[式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基を示す。R3は置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、又は置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基を示す。R4~R7は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルキル基、又はスルホン酸基を示す。R1とR4、R2とR6は、互いに結合して置換若しくは非置換アルキレン基を構成してもよい。R8は置換若しくは非置換アリール基を示す。]
で表されるホスファロドール化合物又はその塩。
で表されるホスファロドール化合物又はその塩。
項2.前記R4~R7がいずれも水素原子である、項1に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
項3.前記R8が、一般式(2):
[式中、R12及びR13は同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルコキシ基を示す。R14は水素原子又は反応性基を示す。]
で表される、項1又は2に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
で表される、項1又は2に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
項4.前記R12及びR13がいずれも置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルコキシ基である、項3に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
項5.前記R14が、アミン反応性基又はチオール反応性基である、項3又は4に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
項6.前記アミン反応性基又はチオール反応性基が、一般式(3A)~(3E):
[式中、R15は水素原子又はスルホン酸基を示す。R16は置換若しくは非置換アルキル基を示す。実線と破線で示される結合は、単結合又は二重結合である。]
で表される構造を末端に有する基である、項5に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
で表される構造を末端に有する基である、項5に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
項7.項1~6のいずれか1項に記載のホスファロドール化合物又はその塩からなる蛍光色素。
項8.ソルバトクロミック色素である、項7に記載の蛍光色素。
項9.項5又は6に記載のホスファロドール化合物又はその塩を用いたタンパク質標識剤。
項10.項9に記載のタンパク質標識剤を含有する、タンパク質標識化キット。
項11.項9に記載のタンパク質標識剤と、タンパク質とを反応させる工程
を備える、タンパク質標識化方法。
を備える、タンパク質標識化方法。
項12.項1~6のいずれか1項に記載のホスファロドール化合物若しくはその塩、又は一般式(5):
[式中、R3~R8は前記に同じである。R11は同一又は異なって、水素原子又は有機基を示す。]
で表されるホスファフルオロセイン化合物若しくはその塩の製造方法であって、
一般式(4):
で表されるホスファフルオロセイン化合物若しくはその塩の製造方法であって、
一般式(4):
[式中、R1~R8は前記に同じである。R9及びR10は同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基を示す。]
で表されるホスファローダミン化合物と、塩基とを反応させる工程
を備える、製造方法。
で表されるホスファローダミン化合物と、塩基とを反応させる工程
を備える、製造方法。
本発明のホスファロドール化合物は、特定の構造を有しているため、ホスファロドール骨格を拡張せずとも、吸収極大波長及び蛍光極大波長を長くすることができる。
本発明のホスファロドール化合物の水溶液中の吸収極大波長及び蛍光極大波長は、溶媒の極性によって劇的に変わる、つまり、ソルバトクロミック特性を有する。具体的には、溶媒の極性が小さくなるほど吸収極大波長及び蛍光極大波長が短くなる。このような溶媒依存性は、キサンテン骨格を有するホスファローダミン化合物、ホスファフルオレセイン化合物等では見られず、他のロドール化合物においても見られない。
上記のような性質を利用することにより、ターゲット選択的な蛍光染色、超解像顕微鏡用蛍光プローブ等、多様な応用が期待される。また、吸収極大波長及び蛍光極大波長が長く、且つ、溶媒依存性を有する化合物は皆無であるため、本発明のホスファロドール化合物を用いた新たな蛍光イメージング手法の開発も期待される。
本明細書において、「(ヘテロ)アリール基」は、アリール基又はヘテロアリール基を意味する。また、本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。
1.ホスファロドール化合物又はその塩
本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、一般式(1):
本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、一般式(1):
[式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基を示す。R3は置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、又は置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基を示す。R4~R7は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルキル基、又はスルホン酸基を示す。R1とR4、R2とR6は、互いに結合して置換若しくは非置換アルキレン基を構成してもよい。R8は置換若しくは非置換アリール基を示す。]
で表される化合物又はその塩である。この一般式(1)で表されるホスファロドール化合物又はその塩は、文献未記載の新規化合物である。
で表される化合物又はその塩である。この一般式(1)で表されるホスファロドール化合物又はその塩は、文献未記載の新規化合物である。
上記一般式(1)において、R1~R2で示されるアルキル基としては、直鎖アルキル基及び分岐鎖アルキル基のいずれも採用できる。
直鎖アルキル基としては、炭素数1~6(特に1~4)の直鎖アルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
分岐鎖アルキル基としては、炭素数3~6(特に3~5)の分岐鎖アルキル基が好ましく、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、3-メチルペンチル基等が挙げられる。
R1~R2で示されるアルキル基は、置換基を有していてもよい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、特に制限はなく、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、後述のアリール基、後述のヘテロアリール基、後述のアルケニル基、後述のアルキニル基、後述の反応性基等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基の数は、特に制限されず、1~6個が好ましく、1~3個がより好ましい。
上記一般式(1)において、R1~R2で示されるアリール基としては、単環アリール基、縮環アリール基及び多環アリール基のいずれも採用でき、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基等のC6-18アリール基(特にC6-14アリール基)が挙げられる。
R1~R2で示されるアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、特に制限はなく、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アルキル基、上記アリール基、後述のヘテロアリール基、後述のアルケニル基、後述のアルキニル基、後述の反応性基等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基の数は、特に制限されず、1~6個が好ましく、1~3個がより好ましい。
上記一般式(1)において、R1~R2で示されるヘテロアリール基としては、単環ヘテロアリール基及び多環ヘテロアリール基のいずれも採用でき、例えば、ピロリジル基、ピロリル基、テトラヒドロチエニル基、チエニル基、オキソラニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、ピペリジル基、ピリジル基、ピラジル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基等が挙げられる。
R1~R2で示されるヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、特に制限はなく、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アルキル基、上記アリール基、上記ヘテロアリール基、後述のアルケニル基、後述のアルキニル基、後述の反応性基等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基の数は、特に制限されず、1~6個が好ましく、1~3個がより好ましい。
なかでも、R1~R2としては、合成の容易さ、吸収極大波長及び蛍光極大波長の溶媒依存性等の観点から、置換若しくは非置換単環アルキル基、並びに置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基が好ましく、置換若しくは非置換アルキル基がより好ましい。
上記一般式(1)において、R3で示されるアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
一般式(1)において、R3で示されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
R3で示されるアルケニル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、特に制限はなく、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アルキル基、上記アリール基、上記ヘテロアリール基、上記アルケニル基、後述のアルキニル基、後述の反応性基等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基の数は、特に制限されず、1~6個が好ましく、1~3個がより好ましい。
一般式(1)において、R3で示されるアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
R3で示されるアルキニル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、特に制限はなく、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アルキル基、上記アリール基、上記ヘテロアリール基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、後述の反応性基等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基の数は、特に制限されず、1~6個が好ましく、1~3個がより好ましい。
なかでも、R3としては、合成の容易さと、吸収極大波長及び蛍光極大波長をより長波長化できる観点から、置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基が好ましく、置換若しくは非置換アリール基がより好ましい。なお、R3としては、後述の反応性基(特に後述のアミン反応性基又はチオール反応性基)とすることも可能である。
上記一般式(1)において、R4~R7で示されるアルキル基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
上記一般式(1)において、R4~R7で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記一般式(1)において、R1とR4、R2とR6は互いに結合して置換若しくは非置換アルキレン基を構成してもよい。このようなアルキレン基としては、炭素数1~6(特に炭素数2~4)のアルキレン基が挙げられ、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。アルキレン基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、特に制限はなく、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アリール基、上記ヘテロアリール基、後述の反応性基等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基の数は、特に制限されず、1~6個が好ましく、1~3個がより好ましい。ただし、水溶性をより向上させ、イメージングの際の非特異吸着をより抑制する観点からは、R1とR4、R2とR6のいずれも、互いに結合して置換若しくは非置換アルキレン基を構成しないことが好ましく、水素原子がより好ましい。なお、R4~R7の少なくとも1つをハロゲン原子とした場合には、光安定性をさらに向上させることも可能である。
上記一般式(1)において、R8で示されるアリール基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。なかでも、R8としては、吸収極大波長及び蛍光極大波長をより長波長化することができ、化合物の化学安定性、特にアルカリに対する安定性や合成の容易さの観点から、一般式(2):
[式中、R12及びR13は同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルコキシ基を示す。R14は水素原子又は反応性基を示す。]
で表される基が好ましい。
で表される基が好ましい。
一般式(2)において、R12及びR13で示されるアルキル基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
一般式(2)において、R12及びR13で示されるアルコキシ基としては、炭素数1~6(特に1~4)のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
R12及びR13で示されるアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、特に制限はなく、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、上記アルキル基、上記アリール基、上記ヘテロアリール基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、後述の反応性基等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基の数は、特に制限されず、1~6個が好ましく、1~3個がより好ましい。
なかでも、R12及びR13としては、吸収極大波長及び蛍光極大波長をより長波長化することができ、且つ、化合物の化学安定性、特にアルカリに対する安定性や合成の容易さの観点から、いずれも置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルコキシ基であることが好ましく、置換若しくは非置換アルコキシ基がより好ましい。特に、R12及びR13がいずれも置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルコキシ基である場合には、酸性条件、中性条件、アルカリ性条件のいずれにおいても、より長時間にわたって吸収強度及び蛍光強度を維持することができる。R12及びR13の少なくとも1つが水素原子である場合には、アルカリ性条件においては吸収強度及び蛍光強度が時間の経過とともに低減しやすいことと比較して優れた効果を有する。
一般式(2)において、R14で示される反応性基としては、反応性を有する基であれば特に制限されない。R14がカルボキシ基;水酸基;アミノ基;クロロメチル基等のハロゲン化アルキル基;イソシアン基;イソチアシアン基等であるホスファロドール化合物又はその塩は、当該反応性基と反応させることにより、R14を容易に、タンパク質を標識するための基(アミン反応性基、チオール反応性基等)とすることが可能である。このR14がタンパク質を標識するための基(アミン反応性基、チオール反応性基等)である化合物群も、本発明のホスファロドール化合物又はその塩の範疇である。
上記アミン反応性基は、標識対象となる化合物が有する置換若しくは非置換アミノ基と反応性を有する基であり、タンパク質(特に抗体)が有する置換若しくは非置換アミノ基と反応することにより、本発明のホスファロドール化合物又はその塩がタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)として機能することができる。
また、上記チオール反応性基は、標識対象となる化合物が有する置換若しくは非置換チオール基と反応性を有する基であり、タンパク質(特に抗体)が有する置換若しくは非置換チオール基と反応することにより、本発明のホスファロドール化合物又はその塩がタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)として機能することができる。この場合、長時間にわたって対象となるタンパク質(特に抗体)を標識する(蛍光させる)ことが可能である。特に、R12及びR13がいずれも置換若しくは非置換アルコキシ基である場合には、水溶性に優れつつも、特に、長時間にわたって対象となるタンパク質(特に抗体)を標識する(蛍光させる)ことが可能である。
このようなアミン反応性基又はチオール反応性基としては、例えば、一般式(3A)~(3E):
[式中、R15は水素原子又はスルホン酸基を示す。R16は置換若しくは非置換アルキル基を示す。実線と破線で示される結合は、単結合又は二重結合である。]
で表される構造を末端に有する基が好ましい。
で表される構造を末端に有する基が好ましい。
一般式(3C)において、R16で示されるアルキル基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
このような条件を満たすアミン反応性基又はチオール反応性基としては、-O-、-COO-、-CONR17-(R17は水素原子又は上記アルキル基を示す)で表される基(特に-COO-)等の連結基を介してアミン反応性末端又はチオール反応性末端を有する基が好ましい。これにより、本発明のホスファロドール化合物又はその塩をタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)として使用しやすい。このようなアミン反応性基又はチオール反応性基としては、具体的には、
[式中、nは1~6の整数を示す。]
等が挙げられる。
等が挙げられる。
上記式中、nは1~6の整数が好ましく、1~4の整数がより好ましい。
なかでも、合成の容易さ、タンパク質(特に抗体)の標識しやすさ等の観点から、アミン反応性基としては
等が好ましく、チオール反応性基としては
[式中、nは前記に同じである。]
が好ましい。
が好ましい。
このような条件を満たす本発明のホスファロドール化合物としては、例えば、
[式中、Phはフェニル基を示す。以下同様である。]
等で表されるホスファロドール化合物又はその塩が好ましい。
等で表されるホスファロドール化合物又はその塩が好ましい。
本発明のホスファロドール化合物は、塩の状態で存在することもできる。このような塩としては、塩基付加塩として、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩;アンモニウム塩;トリエチルアミン塩等の有機アミン塩等を挙げることができ、酸付加塩として、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩;p-トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩等の有機酸塩等を挙げることができる。これらのほか、グリシン等のアミノ酸との塩を形成する場合もある。
また、本発明のホスファロドール化合物は、水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。
このような本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、吸収極大波長が500~750nm、特に520~700nmであり、蛍光極大波長が600~800nm、特に620~720nmである。なお、本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、溶媒の極性によって吸収極大波長及び蛍光極大波長が変化する、つまり、ソルバトクロミック特性を有する化合物群である。例えば、溶媒の極性が非常に小さいトルエン等の非極性溶媒中では吸収極大波長が500~600nm、特に520~570nmであり、蛍光極大波長が600~680nm、特に620~670nmである。一方、溶媒の極性が非常に大きい水(PBS緩衝液等)等の極性溶媒中では吸収極大波長が600~750nm、特に650~700nmであり、蛍光極大波長が650~800nm、特に680~720nmである。つまり、ロドール骨格の共役系を拡張することなく、吸収極大波長及び蛍光極大波長をより長波長化するとともに、吸収極大波長及び蛍光極大波長の溶媒依存性がより高めることが可能である。なお、溶媒が水やPBS緩衝液等のような水溶液である場合には、吸収極度を特に大きくすることができる。また、本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、一般式(1)におけるR3を置換若しくは非置換アリール基とした場合には、細胞膜透過性をより向上させ、生体深部の非浸襲イメージングをよりしやすくすることもでき、上記のとおり、R8を選択することにより、生体内のタンパク質(特に抗体)を好適に標識する(蛍光させる)ことも可能である。
このように、本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、各種染色剤、標識化剤、蛍光プローブ等の学術研究用試薬の他、装置仕様に適合する特定の励起及び蛍光波長を有する蛍光色素等の診断装置用検出試薬等としても有用である。また、環境の変化によりon-offを行わせることができる蛍光色素として特に有用である。さらに、本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、蛍光スペクトル巾が狭くシャープなスペクトル形状を有する。励起光の影響が小さくなるため、波長調整のフィルターを用いない小型且つ安価な検出器での蛍光観察も可能になることが期待される。
2.ホスファロドール化合物又はその塩の製造方法
本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、特に制限されず、例えば、一般式(4):
本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、特に制限されず、例えば、一般式(4):
[式中、R1~R8は前記に同じである。R9及びR10は同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換(ヘテロ)アリール基を示す。]
で表されるホスファローダミン化合物と、塩基とを反応させることにより合成することができる。
で表されるホスファローダミン化合物と、塩基とを反応させることにより合成することができる。
なお、同様の方法で、反応時間をより長くすることにより、一般式(5):
[式中、R3~R8は前記に同じである。R11は同一又は異なって、水素原子又は有機基を示す。]
で表されるホスファフルオロセイン化合物又はその塩を得ることも可能である。
で表されるホスファフルオロセイン化合物又はその塩を得ることも可能である。
一般式(4)において、R9及びR10で示されるアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
原料として使用するホスファローダミン化合物は、公知又は市販品を使用することができる。ホスファローダミン化合物を合成する場合は、例えば、非特許文献1(Chem. Commun., 2016, 52, 1120)にしたがって合成することができる。
ホスファローダミン化合物と反応させる塩基としては、特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩等が挙げられ、収率、合成の容易さ等の観点から、アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
ホスファローダミン化合物と塩基とを反応させる際には、合成の容易さ等の観点から、ホスファローダミン化合物と塩基の水溶液とを混合することが好ましい。この際使用する塩基の水溶液の濃度は、反応性の観点から薄くすることが好ましい。具体的には、塩基の水溶液の濃度は、0.01~0.50mol/Lが好ましく、0.05~0.20mol/Lがより好ましい。
反応条件は、反応が十分に進行する程度が好ましく、例えば、反応雰囲気は不活性ガス雰囲気(窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等)が好ましく、反応温度は室温(20~30℃程度)が好ましく、反応時間は5分~96時間、特に10分~72時間が好ましい。なお、反応時間を短く(例えば5分~12時間)すると本発明のホスファロドール化合物又はその塩が得られやすく、反応時間を長く(例えば12時間~96時間)するとホスファフルオレセイン化合物又はその塩が得られやすい。
反応終了後は、常法にしたがって精製処理を行い、沈殿を回収することにより本発明のロドール化合物若しくはその塩、又はホスファフルオロセイン化合物若しくはその塩を得ることができる。
3.蛍光色素及びタンパク質標識剤
本発明の蛍光色素は、上記の本発明のホスファロドール化合物又はその塩を含有する。
本発明の蛍光色素は、上記の本発明のホスファロドール化合物又はその塩を含有する。
本発明の蛍光色素は、ロドールのキサンテン骨格の9位の位置にP(R3)=O構造を有している。本発明のホスファロドール化合物は、溶媒(特に極性溶媒)中では、一般式(1’):
[式中、R1~R8は前記に同じである。]
で表される化合物が形成されやすく、ホスファロドール骨格を拡張せずとも、吸収極大波長及び蛍光極大波長を長波長化することができる。特に、水等の極性の高い溶媒中において、吸収極大波長及び蛍光極大波長を特に長波長化できる点で有用である。また、本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、溶媒の極性によって吸収極大波長及び蛍光極大波長が変化する、つまり、ソルバトクロミック特性を有する化合物群である。このため、本発明の蛍光色素はソルバトクロミック色素とすることができる。また、本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、一般式(1)におけるR3を置換若しくは非置換アリール基とした場合には、細胞膜透過性をより向上させ、生体深部の非浸襲イメージングをよりしやすくすることもでき、上記のとおり、R8を選択することにより、生体内のタンパク質(特に抗体)を好適に標識する(蛍光させる)ことも可能である。このため、環境の変化によりon-offを行わせることができる蛍光色素として特に有用である。
で表される化合物が形成されやすく、ホスファロドール骨格を拡張せずとも、吸収極大波長及び蛍光極大波長を長波長化することができる。特に、水等の極性の高い溶媒中において、吸収極大波長及び蛍光極大波長を特に長波長化できる点で有用である。また、本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、溶媒の極性によって吸収極大波長及び蛍光極大波長が変化する、つまり、ソルバトクロミック特性を有する化合物群である。このため、本発明の蛍光色素はソルバトクロミック色素とすることができる。また、本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、一般式(1)におけるR3を置換若しくは非置換アリール基とした場合には、細胞膜透過性をより向上させ、生体深部の非浸襲イメージングをよりしやすくすることもでき、上記のとおり、R8を選択することにより、生体内のタンパク質(特に抗体)を好適に標識する(蛍光させる)ことも可能である。このため、環境の変化によりon-offを行わせることができる蛍光色素として特に有用である。
さらに、本発明のホスファロドール化合物又はその塩において、R8で示される基をアミン反応性基又はチオール反応性基とする場合には、タンパク質(特に抗体)が有する置換若しくは非置換アミノ基、チオール基等と反応させることができる。このため、本発明のホスファロドール化合物又はその塩を、タンパク質(特に抗体)を標識する(蛍光させる)ためのタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)として用いることが可能である。この際、本発明のホスファロドール化合物又はその塩は、上記のとおり、吸収極大波長及び蛍光極大波長を長波長化していることから、生体へのダメージを大幅に低減することができる。また、本発明のホスファロドール化合物又はその塩を用いた場合には、対象となるタンパク質(特に抗体)を従来よりも長時間にわたって蛍光させることが可能である。
本発明のホスファロドール化合物又はその塩をタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)として使用する場合、その対象となるタンパク質(特に抗体)としては、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、アネキシンV、抗IgG抗体、抗IgM抗体、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD20抗体、抗CD25抗体、抗CD43抗体、抗CD44抗体、抗CD68抗体、抗IFN-γ抗体、抗TNF-α抗体、抗Ly-6G抗体、抗Ku70抗体、抗IL-4抗体、抗IL-17抗体、抗IL-31抗体、抗Notch1抗体、抗Notch3抗体、抗FOXBP3抗体、抗Ki-67抗体、抗HLA-A2抗体、抗α-チューブリン抗体、抗カテプシン-D抗体、抗アンジオテンシン抗体、抗COX1抗体、抗GLUT1抗体、抗AKT1/2/3抗体、抗Apg3抗体、抗βカテニン抗体、抗CDK5抗体、抗CEA抗体、抗HER2抗体等が挙げられる。
本発明のホスファロドール化合物又はその塩のうち、R8で示される基をアミン反応性基又はチオール反応性基とした化合物をタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)に用いる場合は、本発明のタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)は、本発明のホスファロドール化合物又はその塩を含有しているが、有機溶媒中に溶解させて溶液とすることが好ましい。具体的には、本発明のホスファロドール化合物の濃度は1×10-8~1×10-4mol/Lが好ましく、1×10-7~1×10-5mol/Lがより好ましい。このように、本発明では、従来の蛍光色素と比較し、ホスファロドール化合物の含有量を低く抑えることができる。
本発明の蛍光色素(ホスファロドール化合物又はその塩)を、本発明のタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)を含有する溶液とする場合、使用し得る有機溶媒としては、特に制限はなく、極性溶媒及び非極性溶媒のいずれも使用できる。
極性溶媒としては、例えば、水、PBS緩衝液、エーテル化合物(テトラヒドロフラン、アニソール、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等)、アルコール(メタノール、エタノール、アリルアルコール等)、エステル化合物(酢酸エチル等)、ケトン(アセトン等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、クロロホルム等)、ジメチルスルホキシド、アミド系溶媒(N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルピロリドン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル等)等が挙げられる。
非極性溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族有機溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族溶媒等が挙げられる。
本発明のタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)は、生理的条件下でもより十分に高い蛍光量子収率としつつ、細胞中に投入する観点から、pHは4.0~11.0程度が好ましく、4.5~8.0程度がより好ましい。本発明のタンパク質検出剤(特に抗体検出剤)のpHを調整するために、緩衝剤(ヘペス緩衝剤、トリス緩衝剤、トリシン-水酸化ナトリウム緩衝剤、リン酸系緩衝剤、リン酸緩衝生理食塩水等)等を使用することもできる。
4.タンパク質標識キット及びタンパク質標識方法
本発明のタンパク質標識キットは、本発明のタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)を含有する。その他、必要に応じて、タンパク質(特に抗体)の標識に用いる際に使用するバッファー、培地、使用説明書等を含有することもできる。本発明のタンパク質標識キットを用いれば、タンパク質(特に抗体)を容易に標識することが可能である。使用できるバッファー、培地等は、従来から使用されている公知のものを採用することができる。
本発明のタンパク質標識キットは、本発明のタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)を含有する。その他、必要に応じて、タンパク質(特に抗体)の標識に用いる際に使用するバッファー、培地、使用説明書等を含有することもできる。本発明のタンパク質標識キットを用いれば、タンパク質(特に抗体)を容易に標識することが可能である。使用できるバッファー、培地等は、従来から使用されている公知のものを採用することができる。
また、本発明のタンパク質標識方法によれば、本発明のタンパク質標識剤と、タンパク質(特に抗体)とを反応させることにより、タンパク質(特に抗体)を容易に標識することが可能である。
この反応は、本発明のタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)と、タンパク質(特に抗体)とを接触させることにより行うことができる。接触方法は特に制限されず、例えば、タンパク質(特に抗体)を含有する溶液中に、本発明のタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)を含有する溶液を添加する方法が挙げられる。また、本発明のタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)を含むバッファー又は培地に、タンパク質(特に抗体)を移す方法も挙げられる。各溶液中のタンパク質(特に抗体)及び本発明のタンパク質標識剤(特に抗体標識剤)の分量は特に制限されず、常法にしたがうことができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
1H NMRは、JEOL AL-400 spectrometer(1H: 400 MHz)を用いて、溶媒としてCDCl3中で測定した。1H NMRスペクトルの化学シフトは、内部標準(CHCl3 δ7.26)として溶媒の残留プロトンを用いてδppmで表記した。マススペクトルは、Thermo Fisher Scientific Exactiveによるエレクトロスプレーイオン化(ESI)法により測定した。特に制限のない限り、全ての反応は窒素雰囲気下で行った。特に制限のない限り、市販の溶媒及び試薬は、精製することなく使用した。
合成例1:3,7-ビス(ジエチルアミノ)-5-フェニル-10H-アクリドホスフィン-10-オン5-オキシド(化合物2)
[式中、Etはエチル基を示す。s-BuLiはsec-ブチルリチウムを示す。Phはフェニル基を示す。TBABはテトラブチルアンモニウムブロミドを示す。DMSOはジメチルスルホキシドを示す。THFはテトラヒドロフランを示す。以下同様である。]
ビス(2-ブロモ-4-ジエチルアミノフェニル)メタン(化合物1; 5.15g, 11.0mmol)の無水テトラヒドロフラン(THF; 50mL)溶液に、sec-ブチルリチウム(0.99Mシクロヘキサン溶液, 22.2mL, 22mmol)を-78℃で30分間かけて添加し、得られた混合物を-78℃で1.5時間撹拌した。次いで、P,P-ジクロロフェニルホスフィン(1.49mL, 11.0mmol)をゆっくりと30分以上かけて添加し、混合物を一晩で室温まで昇温した。次いで、混合物を0℃まで冷却し、35%過酸化水素水(5mL)を添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌し、飽和Na2SO3水溶液(35mL)を添加して反応をクエンチした。混合物をクロロホルムで4回抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、油状の残渣を50mLのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、K2CO3粉末(4.56g, 33mmol)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB; 89mg, 0.275mmol)を添加した。空気雰囲気下、室温で、得られた懸濁液を一晩激しく撹拌した。次いで、再度、K2CO3粉末(3.04g, 22mmol)及びTBAB(89mg, 0.275mmol)を添加し、懸濁液をさらに50℃で24時間撹拌した。混合物を水(150mL)で希釈し、冷ました。得られた黄色沈殿をろ過し、水で洗浄した。得られた固体をジクロロメタン(DCM)に溶解させ、層分離した。水層をDCMで5回抽出し、合わせた有機層を水で2回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を真空下に除去した後、残渣(5.35g)をトルエンから再結晶し、山吹色固体として化合物2を得た(2.18g, 44%)。再結晶により得られたろ液には、まだ化合物2と未酸化の前駆体2-Hが残存している。ろ液を真空下に濃縮し、残渣を60mLのTHFに溶解させた。NaOH粉末(720 mg)及びTBAB(97mg, 0.30mmol)をこの溶液に添加し、得られた懸濁液を、室温で空気雰囲気下に2時間激しく撹拌し、酸化を完了した。混合物を水で希釈し、DCMで4回抽出し、水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後に、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(90/10 to 85/15 DCM/アセトン)により精製し、次いで、トルエン/ヘキサンから再結晶させ、化合物2を得た(836mg, 17%)。合計3.02 g(6.76mmol, 61%)の化合物2を山吹色結晶性固体として得た。
ビス(2-ブロモ-4-ジエチルアミノフェニル)メタン(化合物1; 5.15g, 11.0mmol)の無水テトラヒドロフラン(THF; 50mL)溶液に、sec-ブチルリチウム(0.99Mシクロヘキサン溶液, 22.2mL, 22mmol)を-78℃で30分間かけて添加し、得られた混合物を-78℃で1.5時間撹拌した。次いで、P,P-ジクロロフェニルホスフィン(1.49mL, 11.0mmol)をゆっくりと30分以上かけて添加し、混合物を一晩で室温まで昇温した。次いで、混合物を0℃まで冷却し、35%過酸化水素水(5mL)を添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌し、飽和Na2SO3水溶液(35mL)を添加して反応をクエンチした。混合物をクロロホルムで4回抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、油状の残渣を50mLのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、K2CO3粉末(4.56g, 33mmol)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB; 89mg, 0.275mmol)を添加した。空気雰囲気下、室温で、得られた懸濁液を一晩激しく撹拌した。次いで、再度、K2CO3粉末(3.04g, 22mmol)及びTBAB(89mg, 0.275mmol)を添加し、懸濁液をさらに50℃で24時間撹拌した。混合物を水(150mL)で希釈し、冷ました。得られた黄色沈殿をろ過し、水で洗浄した。得られた固体をジクロロメタン(DCM)に溶解させ、層分離した。水層をDCMで5回抽出し、合わせた有機層を水で2回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を真空下に除去した後、残渣(5.35g)をトルエンから再結晶し、山吹色固体として化合物2を得た(2.18g, 44%)。再結晶により得られたろ液には、まだ化合物2と未酸化の前駆体2-Hが残存している。ろ液を真空下に濃縮し、残渣を60mLのTHFに溶解させた。NaOH粉末(720 mg)及びTBAB(97mg, 0.30mmol)をこの溶液に添加し、得られた懸濁液を、室温で空気雰囲気下に2時間激しく撹拌し、酸化を完了した。混合物を水で希釈し、DCMで4回抽出し、水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後に、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(90/10 to 85/15 DCM/アセトン)により精製し、次いで、トルエン/ヘキサンから再結晶させ、化合物2を得た(836mg, 17%)。合計3.02 g(6.76mmol, 61%)の化合物2を山吹色結晶性固体として得た。
[数1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.27 (dd, J = 9.2, 6.1 Hz, 2H), 7.67-7.48 (m, 2H), 7.44-7.27 (m, 3H), 7.09 (dd, J = 14.7, 3.1 Hz, 2H), 6.82 (dd, J = 8.9, 2.8 Hz, 2H), 3.61-3.25 (m, 8H), 1.14 (t, J = 7.3 Hz, 12H). 13C{1H} NMR (100 MHz, CDCl3) δ 180.2 (d, JCP = 7.7 Hz, C), 150.5 (d, JCP = 12.5 Hz, C), 135.3 (d, JCP = 105.5 Hz, C), 134.8 (d, JCP= 95.8 Hz, C), 131.5 (d, JCP = 10.5 Hz, CH), 131.4 (d, JCP = 2.9 Hz, CH), 130.4 (d, JCP = 10.6 Hz, CH), 128.6 (d, JCP = 12.4 Hz, CH), 123.9 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 114.3 (s, CH), 111.5 (d, JCP = 7.6 Hz, CH), 44.6 (s, CH2), 12.5 (s, CH3). HRMS (ESI) m/z calcd. for C27H31N2O2PNa ([M+Na]+): 469.2015; found: 469.2015.
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.27 (dd, J = 9.2, 6.1 Hz, 2H), 7.67-7.48 (m, 2H), 7.44-7.27 (m, 3H), 7.09 (dd, J = 14.7, 3.1 Hz, 2H), 6.82 (dd, J = 8.9, 2.8 Hz, 2H), 3.61-3.25 (m, 8H), 1.14 (t, J = 7.3 Hz, 12H). 13C{1H} NMR (100 MHz, CDCl3) δ 180.2 (d, JCP = 7.7 Hz, C), 150.5 (d, JCP = 12.5 Hz, C), 135.3 (d, JCP = 105.5 Hz, C), 134.8 (d, JCP= 95.8 Hz, C), 131.5 (d, JCP = 10.5 Hz, CH), 131.4 (d, JCP = 2.9 Hz, CH), 130.4 (d, JCP = 10.6 Hz, CH), 128.6 (d, JCP = 12.4 Hz, CH), 123.9 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 114.3 (s, CH), 111.5 (d, JCP = 7.6 Hz, CH), 44.6 (s, CH2), 12.5 (s, CH3). HRMS (ESI) m/z calcd. for C27H31N2O2PNa ([M+Na]+): 469.2015; found: 469.2015.
合成例2:tert-ブチル4-ブロモ-3,5-ジメトキシベンゾエート(化合物4)
[式中、tBuはtert-ブチル基を示す。]
窒素雰囲気下、4-ブロモ-3,5-ジメトキシ安息香酸(5.22g, 20.0mmol)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC; 5.36g, 26.0mmol)、及びN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP; 244mg, 2.00mmol)を60mLのジクロロメタンに溶解させた。ここに、tert-ブチルアルコール(3.85g, 52.0mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を添加し、得られた混合物を室温で3日間撹拌した。白色沈殿をろ過により除去し、ろ液を減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/DCM 3/2 to 1/2)で精製し、白色固体として化合物4を得た(3.34g, 10.5mmol, 53%)。
窒素雰囲気下、4-ブロモ-3,5-ジメトキシ安息香酸(5.22g, 20.0mmol)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC; 5.36g, 26.0mmol)、及びN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP; 244mg, 2.00mmol)を60mLのジクロロメタンに溶解させた。ここに、tert-ブチルアルコール(3.85g, 52.0mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を添加し、得られた混合物を室温で3日間撹拌した。白色沈殿をろ過により除去し、ろ液を減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/DCM 3/2 to 1/2)で精製し、白色固体として化合物4を得た(3.34g, 10.5mmol, 53%)。
[数2]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.20 (s, 2H), 3.95 (s, 6H), 1.61 (s, 9H). 13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl3) δ 165.3, 157.0, 132.2, 106.3, 105.6, 81.9, 56.7, 28.3.
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.20 (s, 2H), 3.95 (s, 6H), 1.61 (s, 9H). 13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl3) δ 165.3, 157.0, 132.2, 106.3, 105.6, 81.9, 56.7, 28.3.
合成例3:ホスファローダミン化合物PR3
[式中、Phはフェニル基を示す。Meはメチル基を示す。]
2-ブロモ-1,3-ジメトキシベンゼン(326mg, 1.50mmol)の無水THF(5mL)溶液に、sec-ブチルリチウム(0.99Mシクロヘキサン溶液, 1.60mL, 1.58mmol)を、-78℃でゆっくりと添加し、得られた混合物を同じ温度で1時間撹拌した。ここに、合成例1で得た化合物2(223mg, 0.50mmol)のTHF(10mL)溶液を30分以上かけて滴下し、混合物を2時間かけて室温まで昇温した。次いで、ここに20mLの1M塩酸を添加し、撹拌を30分間継続した。得られた深緑色の混合物を水で希釈し、DCMで4回抽出した。有機層を合わせ、2M塩酸で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ過し、溶媒を減圧下に除去した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/メタノール 9/1)で精製した。溶離液を減圧下に除去した後、生成物をDCMに溶解させ、2M塩酸で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を蒸発させた後、生成物のDCM溶液にジエチルエーテルをゆっくりと添加して再結晶させた。共結晶性溶媒を除去するため、得られた茶色粉末を水中に溶解させ、液体N2中で凍結させ、フリーズドライした。深緑色粉末として化合物PR3を得た(90mg, 0.149mmol, 30%)。
2-ブロモ-1,3-ジメトキシベンゼン(326mg, 1.50mmol)の無水THF(5mL)溶液に、sec-ブチルリチウム(0.99Mシクロヘキサン溶液, 1.60mL, 1.58mmol)を、-78℃でゆっくりと添加し、得られた混合物を同じ温度で1時間撹拌した。ここに、合成例1で得た化合物2(223mg, 0.50mmol)のTHF(10mL)溶液を30分以上かけて滴下し、混合物を2時間かけて室温まで昇温した。次いで、ここに20mLの1M塩酸を添加し、撹拌を30分間継続した。得られた深緑色の混合物を水で希釈し、DCMで4回抽出した。有機層を合わせ、2M塩酸で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ過し、溶媒を減圧下に除去した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/メタノール 9/1)で精製した。溶離液を減圧下に除去した後、生成物をDCMに溶解させ、2M塩酸で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を蒸発させた後、生成物のDCM溶液にジエチルエーテルをゆっくりと添加して再結晶させた。共結晶性溶媒を除去するため、得られた茶色粉末を水中に溶解させ、液体N2中で凍結させ、フリーズドライした。深緑色粉末として化合物PR3を得た(90mg, 0.149mmol, 30%)。
[数3]
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.82 (dd, J = 12.8, 7.9 Hz, 2H), 7.71-7.46 (m, 6H), 7.38-7.17 (m, 2H), 7.07-6.77 (m, 4H), 3.88-3.60 (m, 14H), 1.27 (t, J = 6.7 Hz, 12H). 13C{1H} NMR (100 MHz, CD3OD) δ 162.7 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 159.2 (s, C), 158.8 (s, C), 155.1 (d, JCP = 12.5 Hz, C), 141.3 (d, JCP = 9.6 Hz, CH), 139.4 (d, JCP = 94.9 Hz, C), 134.3 (s, CH), 133.8 (d, JCP = 106.4 Hz, C), 133.3 (s, CH), 130.8 (d, JCP = 10.5 Hz, CH), 130.5 (d, JCP = 13.4 Hz, CH), 125.2 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 119.9 (d, JCP = 7.7 Hz, CH), 116.7 (s, CH), 113.9 (s, C), 105.3 (s, CH), 105.2 (s, CH), 56.8 (s, CH3), 56.6 (s, CH3), 47.5 (s, CH2), 13.1 (s, CH3). HRMS (ESI) m/z calcd. for C35H40N2O3P (M+): 567.2771; found: 567.2766.
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.82 (dd, J = 12.8, 7.9 Hz, 2H), 7.71-7.46 (m, 6H), 7.38-7.17 (m, 2H), 7.07-6.77 (m, 4H), 3.88-3.60 (m, 14H), 1.27 (t, J = 6.7 Hz, 12H). 13C{1H} NMR (100 MHz, CD3OD) δ 162.7 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 159.2 (s, C), 158.8 (s, C), 155.1 (d, JCP = 12.5 Hz, C), 141.3 (d, JCP = 9.6 Hz, CH), 139.4 (d, JCP = 94.9 Hz, C), 134.3 (s, CH), 133.8 (d, JCP = 106.4 Hz, C), 133.3 (s, CH), 130.8 (d, JCP = 10.5 Hz, CH), 130.5 (d, JCP = 13.4 Hz, CH), 125.2 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 119.9 (d, JCP = 7.7 Hz, CH), 116.7 (s, CH), 113.9 (s, C), 105.3 (s, CH), 105.2 (s, CH), 56.8 (s, CH3), 56.6 (s, CH3), 47.5 (s, CH2), 13.1 (s, CH3). HRMS (ESI) m/z calcd. for C35H40N2O3P (M+): 567.2771; found: 567.2766.
合成例4:ホスファローダミン化合物PR5
[式中、Phはフェニル基を示す。Meはメチル基を示す。]
合成例2で得た化合物4(856mg, 2.70mmol)の無水THF(10mL)溶液に、tert-ブチルリチウム(1.64M n-ペンタン溶液, 3.30mL, 5.41mmol)を-78℃でゆっくりと添加し、得られた混合物を同じ温度で1時間撹拌した。ここに、合成例1で得た化合物2(402mg, 0.90mmol)のTHF(20mL)溶液を20分以上かけて滴下し、混合物を一晩かけて室温まで昇温した。次いで、ここに30mLの2M塩酸を添加し、撹拌を1時間継続した。混合物を飽和食塩水で希釈し、DCMで5回抽出した。有機層を合わせ、希釈塩酸で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ過し、溶媒を減圧下に除去した。残渣を10mLのトリフルオロ酢酸に溶解させ、室温で2時間撹拌した。混合物を100mLの水に注ぎ、130mLの1M NaOH水溶液を添加して中和した。得られた溶液をDCMで5回抽出した。合わせた有機層を2M HClで2回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。ろ過し、溶媒を減圧下に除去した後に、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/メタノール/HCOOH 85/15/0.2)で単離した。溶離液を蒸発させ、生成物をDCMに溶解させ、2M HClで3回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ過して除去し、溶媒を蒸発させた。生成物のDCM溶液にジエチルエーテルをゆっくりと添加して再結晶させた。生成物を真空下に乾燥させ、茶色粉末として化合物PR5を得た(62mg, 0.096mmol, 11%)。
合成例2で得た化合物4(856mg, 2.70mmol)の無水THF(10mL)溶液に、tert-ブチルリチウム(1.64M n-ペンタン溶液, 3.30mL, 5.41mmol)を-78℃でゆっくりと添加し、得られた混合物を同じ温度で1時間撹拌した。ここに、合成例1で得た化合物2(402mg, 0.90mmol)のTHF(20mL)溶液を20分以上かけて滴下し、混合物を一晩かけて室温まで昇温した。次いで、ここに30mLの2M塩酸を添加し、撹拌を1時間継続した。混合物を飽和食塩水で希釈し、DCMで5回抽出した。有機層を合わせ、希釈塩酸で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ過し、溶媒を減圧下に除去した。残渣を10mLのトリフルオロ酢酸に溶解させ、室温で2時間撹拌した。混合物を100mLの水に注ぎ、130mLの1M NaOH水溶液を添加して中和した。得られた溶液をDCMで5回抽出した。合わせた有機層を2M HClで2回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。ろ過し、溶媒を減圧下に除去した後に、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/メタノール/HCOOH 85/15/0.2)で単離した。溶離液を蒸発させ、生成物をDCMに溶解させ、2M HClで3回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ過して除去し、溶媒を蒸発させた。生成物のDCM溶液にジエチルエーテルをゆっくりと添加して再結晶させた。生成物を真空下に乾燥させ、茶色粉末として化合物PR5を得た(62mg, 0.096mmol, 11%)。
[数4]
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.87-7.75 (m, 2H), 7.67-7.59 (m, 2H), 7.58-7.48 (m, 5H), 7.25 (dd, J = 9.5, 6.4 Hz, 2H), 6.94 (dd, J = 9.8, 2.4 Hz, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 3.73 (q, J = 7.1 Hz, 8H), 1.28 (t, J = 7.0 Hz, 12H). 13C{1H} NMR (100 MHz, CD3OD) δ 168.7 (s, C), 160.8 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 159.2 (s, C), 158.8 (s, C), 155.1 (d, JCP = 13.5 Hz, C), 141.0 (d, JCP = 8.6 Hz, CH), 139.4 (d, JCP = 93.9 Hz, C), 136.0 (s, C), 134.3 (s, CH), 133.8 (d, JCP = 108.0 Hz, C), 130.8 (d, JCP = 10.5 Hz, CH), 130.6 (d, JCP = 13.4 Hz, CH), 124.7 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 120.2 (d, JCP = 7.6 Hz, CH), 118.4 (s, C), 116.9 (s, CH), 106.5 (s, CH), 106.4 (s, CH), 57.0 (s, CH3), 56.8 (s, CH3), 47.6 (s, CH2), 13.1 (s, CH3). HRMS (ESI) m/z calcd. for C36H40N2O5P (M+): 611.2669; found: 611.2666.
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.87-7.75 (m, 2H), 7.67-7.59 (m, 2H), 7.58-7.48 (m, 5H), 7.25 (dd, J = 9.5, 6.4 Hz, 2H), 6.94 (dd, J = 9.8, 2.4 Hz, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 3.73 (q, J = 7.1 Hz, 8H), 1.28 (t, J = 7.0 Hz, 12H). 13C{1H} NMR (100 MHz, CD3OD) δ 168.7 (s, C), 160.8 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 159.2 (s, C), 158.8 (s, C), 155.1 (d, JCP = 13.5 Hz, C), 141.0 (d, JCP = 8.6 Hz, CH), 139.4 (d, JCP = 93.9 Hz, C), 136.0 (s, C), 134.3 (s, CH), 133.8 (d, JCP = 108.0 Hz, C), 130.8 (d, JCP = 10.5 Hz, CH), 130.6 (d, JCP = 13.4 Hz, CH), 124.7 (d, JCP = 6.7 Hz, C), 120.2 (d, JCP = 7.6 Hz, CH), 118.4 (s, C), 116.9 (s, CH), 106.5 (s, CH), 106.4 (s, CH), 57.0 (s, CH3), 56.8 (s, CH3), 47.6 (s, CH2), 13.1 (s, CH3). HRMS (ESI) m/z calcd. for C36H40N2O5P (M+): 611.2669; found: 611.2666.
実施例1:ホスファロドール化合物P-Rhodol
[式中、Phはフェニル基を示す。Meはメチル基を示す。]
水(27mL)中の合成例3で得たホスファローダミン化合物PR3(42mg, 0.070mmol)の溶液に、1M NaOH水溶液(3mL)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。得られた懸濁液を2M塩酸で酸性にし、ジクロロメタン(DCM)で4回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。混合物をろ過し、次いで溶媒を蒸発させた後に、残渣をメタノールに溶解させ、水をゆっくり添加することにより生成物を沈殿させた。沈殿物をろ過し、真空下に乾燥し、紫色固体としてホスファロドール化合物P-Rhodolを得た(34mg, 0.066mmol, 94%)。
水(27mL)中の合成例3で得たホスファローダミン化合物PR3(42mg, 0.070mmol)の溶液に、1M NaOH水溶液(3mL)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。得られた懸濁液を2M塩酸で酸性にし、ジクロロメタン(DCM)で4回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。混合物をろ過し、次いで溶媒を蒸発させた後に、残渣をメタノールに溶解させ、水をゆっくり添加することにより生成物を沈殿させた。沈殿物をろ過し、真空下に乾燥し、紫色固体としてホスファロドール化合物P-Rhodolを得た(34mg, 0.066mmol, 94%)。
[数5]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.88-7.68 (m, 2H), 7.52-7.36 (m, 4H), 7.27 (dd, J = 14.8, 3.2 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 17.1, 1.8 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 10.1, 7.0 Hz, 1H), 6.92 (dd, J = 9.2, 6.1 Hz, 1H), 6.70 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.53 (dd, J = 9.5, 2.8 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 10.1, 2.1 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.50-3.32 (m, 4H), 1.14 (t, J = 7.0 Hz, 6H).
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.88-7.68 (m, 2H), 7.52-7.36 (m, 4H), 7.27 (dd, J = 14.8, 3.2 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 17.1, 1.8 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 10.1, 7.0 Hz, 1H), 6.92 (dd, J = 9.2, 6.1 Hz, 1H), 6.70 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.53 (dd, J = 9.5, 2.8 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 10.1, 2.1 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.50-3.32 (m, 4H), 1.14 (t, J = 7.0 Hz, 6H).
実施例2:ホスファフルオレセイン化合物PF1
[式中、Phはフェニル基を示す。Meはメチル基を示す。]
水(15mL)及びメタノール(15mL)中の合成例3で得たホスファローダミン化合物PR3(42mg, 0.070mmol)の溶液に、NaOH(1.20g, 30mmol)を添加し、混合物を室温で3日間撹拌した。得られた青い溶液を水で希釈し、ジクロロメタン(DCM)で3回洗浄し、余剰のホスファローダミン化合物PR3を除去した。水層を2M塩酸で酸性にし、ジクロロメタン(DCM)で5回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。混合物をろ過し、次いで溶媒を蒸発させた後に、残渣をクロロホルム及びヘキサンの混合溶媒から再結晶させ、茶色粉末としてホスファフルオロセイン化合物PF1を得た(25mg, 0.055mmol, 78%)。
水(15mL)及びメタノール(15mL)中の合成例3で得たホスファローダミン化合物PR3(42mg, 0.070mmol)の溶液に、NaOH(1.20g, 30mmol)を添加し、混合物を室温で3日間撹拌した。得られた青い溶液を水で希釈し、ジクロロメタン(DCM)で3回洗浄し、余剰のホスファローダミン化合物PR3を除去した。水層を2M塩酸で酸性にし、ジクロロメタン(DCM)で5回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。混合物をろ過し、次いで溶媒を蒸発させた後に、残渣をクロロホルム及びヘキサンの混合溶媒から再結晶させ、茶色粉末としてホスファフルオロセイン化合物PF1を得た(25mg, 0.055mmol, 78%)。
[数6]
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.81-7.70 (m, 2H), 7.63-7.47 (m, 4H), 7.20 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 7.11 (dd, J = 9.5, 6.4 Hz, 2H), 6.87 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 6.58 (br s, 2H), 3.76 (s, 3H), 3.75 (s, 3H).
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.81-7.70 (m, 2H), 7.63-7.47 (m, 4H), 7.20 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 7.11 (dd, J = 9.5, 6.4 Hz, 2H), 6.87 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 6.58 (br s, 2H), 3.76 (s, 3H), 3.75 (s, 3H).
実施例3:ホスファロドール化合物P-Rhodol-COOH
メタノール(2mL)及び水(8.8mL)中の合成例4で得たホスファローダミン化合物PR5(40mg, 0.065mmol)の溶液に、1M NaOH水溶液(1.2mL)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。得られた懸濁液を2M塩酸で酸性にし、ジクロロメタン(DCM)で5回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。混合物をろ過し、次いで溶媒を蒸発させた後に、生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, ジクロロメタン/メタノール 9/1)で精製し、紫色固体としてホスファロドール化合物P-Rhodol-COOHを得た(18mg, 0.032mmol, 50%)。
[数7]
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.84-7.72 (m, 2H), 7.63-7.55 (m, 1H), 7.55-7.46 (m, 4H), 7.32 (dd, J = 15.6, 2.8 Hz, 1H), 7.14-7.05 (m, 2H), 7.02 (dd, J = 9.2, 6.1 Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 9.5, 2.8 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 9.8, 1.8 Hz, 1H), 3.82 (2 × s, 6H), 3.54 (q, J = 7.3 Hz, 4H), 1.18 (t, J = 7.0 Hz, 6H).
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.84-7.72 (m, 2H), 7.63-7.55 (m, 1H), 7.55-7.46 (m, 4H), 7.32 (dd, J = 15.6, 2.8 Hz, 1H), 7.14-7.05 (m, 2H), 7.02 (dd, J = 9.2, 6.1 Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 9.5, 2.8 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 9.8, 1.8 Hz, 1H), 3.82 (2 × s, 6H), 3.54 (q, J = 7.3 Hz, 4H), 1.18 (t, J = 7.0 Hz, 6H).
試験例1:光物理特性
P-Rhodol(実施例1)の吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した。具体的には、吸収スペクトルは、1体積%のDMSOを含有するPBSバッファー水溶液(pH7.4)にP-Rhodolを5μM溶解させた試料溶液を用いて、Shimadzu UV-3150 spectrometerにより、解像度0.2nmで測定した。また、蛍光スペクトルは、解像度1nmのHitachi F-4500 spectrometerで、1%のDMSOを含有するPBSバッファー水溶液(pH7.4)にP-Rhodolを5μM溶解させた試料溶液を用いて測定した。絶対蛍光量子収率は、Hamamatsu photonics PMA-11で測定した。結果を図1及び表1に示す。図1において、左側(破線)が吸収スペクトル、右側(実線)が蛍光スペクトルである。
P-Rhodol(実施例1)の吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した。具体的には、吸収スペクトルは、1体積%のDMSOを含有するPBSバッファー水溶液(pH7.4)にP-Rhodolを5μM溶解させた試料溶液を用いて、Shimadzu UV-3150 spectrometerにより、解像度0.2nmで測定した。また、蛍光スペクトルは、解像度1nmのHitachi F-4500 spectrometerで、1%のDMSOを含有するPBSバッファー水溶液(pH7.4)にP-Rhodolを5μM溶解させた試料溶液を用いて測定した。絶対蛍光量子収率は、Hamamatsu photonics PMA-11で測定した。結果を図1及び表1に示す。図1において、左側(破線)が吸収スペクトル、右側(実線)が蛍光スペクトルである。
試験例2:蛍光の溶媒依存性の評価
P-Rhodol(実施例1)の吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを、様々な溶媒中で測定した。溶媒としては、トルエン、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル(ACN)、メタノール(MeOH)、又はPBSバッファー水溶液(PH7.4)に1体積%DMSOを添加した溶液を用い、P-Rhodolの濃度を5μMとして、上記試験例1と同様に吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した。結果を図2及び表2に示す。図2において、上図が吸収スペクトル、下図が蛍光スペクトルである。また、溶媒としてトルエン及びPBSバッファー水溶液(PH7.4)を用いた場合の外観写真を図3に示す。
P-Rhodol(実施例1)の吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを、様々な溶媒中で測定した。溶媒としては、トルエン、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル(ACN)、メタノール(MeOH)、又はPBSバッファー水溶液(PH7.4)に1体積%DMSOを添加した溶液を用い、P-Rhodolの濃度を5μMとして、上記試験例1と同様に吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した。結果を図2及び表2に示す。図2において、上図が吸収スペクトル、下図が蛍光スペクトルである。また、溶媒としてトルエン及びPBSバッファー水溶液(PH7.4)を用いた場合の外観写真を図3に示す。
以上の結果、P-Rhodol(実施例1)は、溶媒の極性が高くなるほど、吸収スペクトル及び蛍光スペクトルが長波長化し、ストークスシフトも低減することが理解できる。
Claims (12)
- 前記R4~R7がいずれも水素原子である、請求項1に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
- 前記R12及びR13がいずれも置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルコキシ基である、請求項3に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
- 前記R14が、アミン反応性基又はチオール反応性基である、請求項3又は4に記載のホスファロドール化合物又はその塩。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載のホスファロドール化合物又はその塩を含有する蛍光色素。
- ソルバトクロミック色素である、請求項7に記載の蛍光色素。
- 請求項5又は6に記載のホスファロドール化合物又はその塩を用いたタンパク質標識剤。
- 請求項9に記載のタンパク質標識剤を含有する、タンパク質標識化キット。
- 請求項9に記載のタンパク質標識剤と、タンパク質とを反応させる工程
を備える、タンパク質標識化方法。
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