WO2018088024A1

WO2018088024A1 - 車両用表示装置

Info

Publication number: WO2018088024A1
Application number: PCT/JP2017/033185
Authority: WO
Inventors: 克己藤田; 浩三小野; 祥太野尻; 拓夫山本; 静雄永田; 佑樹上久保; 全志中村; 孔太福冨; 真章石丸
Original assignee: 株式会社デンソー
Priority date: 2016-11-08
Filing date: 2017-09-14
Publication date: 2018-05-17

Abstract

車両用表示装置（１００）は、車両情報に対応する指標部（２２）を目視側に有する文字板（２０）と、文字板（２０）のうち目視側とは反対の背面側に対向して配置され、画像を発光表示する画像表示パネル（４０）と、文字板（２０）よりも目視側に配置され光源（７０）からの光を目視側に反射する反射部（５４ａ，５４ｂ）を備えた光透過性表示板（５０）と、を備える。文字板（２０）のうち画像表示パネル（４０）が対向する領域が、その領域を画像表示パネル（４０）の画像が透過するように光透過性に設定されている。

Description

車両用表示装置

関連出願の相互参照

　本出願は、２０１６年１１月８日に出願された日本特許出願２０１６－２１８２８４号、２０１６年１１月８日に出願された日本特許出願２０１６－２１８２８１号、２０１６年１１月８日に出願された日本特許出願２０１６－２１８２８２号、２０１６年１１月８日に出願された日本特許出願２０１６－２１８２８３号、２０１７年１月２４日に出願された日本特許出願２０１７－１０４２４号、２０１６年１２月５日に出願された日本特許出願２０１６－２３６１５７号、２０１７年４月２８日に出願された日本特許出願２０１７－８９３６８号、２０１７年８月８日に出願された日本特許出願２０１７－１５３４８６号に基づくもので、ここにそれらの記載内容を援用する。

　本開示は、車両用表示装置に関する。

　特許文献１には、車両情報としての回転速度に対応する数字、目盛が印刷された透過照明型文字板と、各種の車両情報を表示する液晶表示パネルとを備える表示装置が記載されている。文字板と液晶表示パネルは、同一平面内に横並び状態で配置され、目視側に、光源からの光を目視側に反射させて文字板及び液晶表示パネルの表示内容に対して重畳して情報を表示する反射部を有する透明表示板が、配置されている。

特開２０１６－１１４４２３号公報

　しかしながら、特許文献１では、第１に、文字板、液晶表示パネルが同一平面内でかつ横並び状態で配置されているため、両者間の相対的な奥行き感がない。第２に、透明表示板の反射部と液晶表示パネルとの距離は、文字板の位置によって一義的に決定されるため、透明表示板と液晶表示パネルとの組み合わせにおいて両者間の相対的な奥行き感の付与は比較的制限を受ける。

　このように、奥行き感は表示の立体感につながるため、従来においては、文字板及び反射部の表示と液晶表示パネルの表示との間に相対的な立体感が乏しく、特に液晶表示パネル及び反射部ならではの多様な可変性のある表示を効果的に立体感につなげられないという課題がある。

　本開示の目的は、文字板及び反射部の表示と液晶表示パネルとの間の相対的な立体感を向上できるようにした車両用表示装置を提供することにある。

　本開示の一態様において、車両に搭載される車両用表示装置は、
　車両情報に対応する指標部を目視側に有する文字板と、
　文字板のうち目視側とは反対の背面側に対向して配置され、画像を発光表示する画像表示パネルと、
　文字板よりも目視側に配置され光源からの光を目視側に反射する反射部を含む光透過性表示板と、を備える。

　文字板のうち画像表示パネルが対向する領域が、その領域を画像表示パネルの画像が透過するように光透過性に設定されている。

　画像表示パネルは文字板に対して同一平面内に横並びの状態で配置されるのではなく、文字板の背面側に配置されているため、横並び状態に比べて文字板及び光透過性表示板に対する画像表示パネルの奥行き感が増す。そして、画像表示パネルの画像は文字板の光透過性の領域を通して光透過性表示板の方向に到達することができる。このように、画像表示パネルの奥行き感が増すことで、文字板及び光透過性表示板の反射部による表示と、画像表示パネルの表示との組み合わせにおいて、これらの相対的な立体感が向上するという格別なる効果を期待することができる。

　本開示の一態様において、車両に搭載される車両用表示装置は、
　車両情報に対応する指標部を目視側に表示する文字板と、
　画像を目視側に発光表示する画像表示パネルと、
　文字板及び画像表示部よりも目視側に配置され光源からの光を目視側に反射する反射部を含む光透過性表示板と、を備える。

　反射部は、光源からの光を目視側に反射する反射素子であって、光透過性表示板の沿設方向に沿って配列されて図柄を構成している複数の反射素子を有する。

　図柄は、光透過性表示板のうち指標部の外周部に対応する領域に、指標部を縁取るように線状に形成された外周図柄を含む。

　外周図柄の端部は、光透過性表示板のうち画像表示パネルが対向する領域まで延伸し、画像表示パネルは、画像として、外周図柄の端部をさらに延長するように、線状に設けられた延長画像を表示する。

　これによると、画像表示パネルは、画像として、外周図柄の端部をさらに延長するように、線状に設けられた延長画像を表示する。こうした延長画像が外周図柄と連続したように見えることにより、立体感を生じさせつつも、指標部、反射部、及び画像表示パネルとの間に一体感が得られる。

　本開示の一態様において、車両に搭載される車両用表示装置は、
　画像を目視側に発光表示する画像表示パネルと、
　画像表示部よりも目視側に配置され光源からの光を目視側に反射する反射部を含む光透過性表示板と、を備える。

　図柄は、表示対象物のうち外観輪郭が表現された輪郭図柄を含み、画像表示パネルは、画像として、表示対象物のうち内部状態が表現された内部画像を、輪郭図柄に重畳させて表示する。

　これによると、画像表示パネルは、画像として、表示対象物のうち内部状態が表現された内部画像を、表示対象物のうち外観輪郭が表現された輪郭図柄に重畳させて表示する。このような重畳表示によれば、輪郭図柄が目視側に飛び出したように表示されるので、車両の乗員は、外観輪郭により表示対象物を的確に認識することができる。そして、別途に内部状態が背面側に表示されるので、車両の乗員は、外観輪郭と混同することを回避して、内部状態を的確に認識することができる。このように立体感を活用した視認性の高い表示を実現することができる。

第１実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、表示タイプＡの場合の一表示例を示している。第１実施形態の車両用表示装置を示す分解斜視図である。第１実施形態の車両用表示装置を模式的に示す断面図である。第１実施形態の光透過性表示板を模式的に示す断面図である。第１実施形態の反射素子を拡大して模式的に示す斜視図である。第１実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、表示板用光源を消灯した場合を示している。第１実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、表示タイプＢの場合の一表示例を示している。第１実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、表示タイプＣの場合の一表示例を示している。第１実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、表示タイプＣの場合の一表示例を示している。第１実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、表示タイプＤの場合の一表示例を示している。第１実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、表示タイプＤの場合の一表示例を示している。第１実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、表示タイプＥの場合の一表示例を示している。第２実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、一表示例を示している。第２実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、一表示例を示している。第２実施形態の各反射部の反射面の向きを説明するための部分拡大図である。第３実施形態の車両用表示装置を示す正面図である。第３実施形態のグラデーション領域における反射素子を説明するための光透過性表示板の模式的な断面図である。第４実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、一表示例を示している。第４実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、一表示例を示している。第４実施形態の発光素子の制御を説明するための図であって、移動体画像がフェードインしている場合を示している。第４実施形態の発光素子の制御を説明するための図であって、移動体画像が中央で停止している場合を示している。第４実施形態の車両用表示装置によるフローチャートである。第５実施形態の車両用表示装置の正面図であって、車両への搭載状態を示している。第５実施形態の車両用表示装置によるフローチャートである。変形例５における図４に対応する図である。第６実施形態における車両用表示装置の正面図である。図２６のXXVII－XXVII線断面図である。図２７のXXVIII部を拡大した図である。図２６のXXIX－XXIX線断面を拡大した図である。図２７のXXX部を拡大した図である。図３０において導光板をXXXI方向に見た拡大図である。図３１のXXXII－XXXII線断面図である。図３１のXXXIII－XXXIII線断面図である。各導光板の反射部の位置関係を説明するための図である。変形例１における車両用表示装置の部分正面図である。図３５のXXXVI－XXXVI線断面図である。図３６のXXXVII部を拡大した図である。図３７のXXXVIII－XXXVIII線断面図である。図３８の外縁部材をXXXIX方向に見た図である。図３８の外縁部材をXL方向に見た図である。第７実施形態における車両用表示装置の正面図である。図４１のXLII－XLII線断面図である。図４２のXLIII部を拡大した図である。図４２のXLIV部を拡大した図である。図４４において発光板をXLV方向に見た図である。図４５のXLVI－XLVI線断面図である。図４５のXLVII－XLVII線断面図である。発光板の発光領域による図柄を説明するための図である。第８実施形態における車両用表示装置の正面図である。図４９のL－L線断面図である。図５０のLI部を拡大した図である。図５１のLII部を拡大した図である。第８実施形態における発光板の正面図である。第９実施形態における車両用表示装置の正面図である。図５４のLV－LV線断面図である。図５５のLVI部を拡大した図である。第９実施形態における発光板の正面図である。第１０実施形態による表示装置の各表示部を示す正面図である。表示装置の機械的な構成を示す断面図である。表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。アクリル導光板の形成範囲に形成された凹部の形状、配置、及び機能等を説明するための図であって、微細な凹部を誇張して示す模式図である。アクリル導光板の一部を拡大して示す図であって、凹部の形状及び配置を示す模式図である。ＰＷＭ制御部のパルス幅変調制御により、個々の透光表示光源の点灯を個別に制御している場合のパルス信号の詳細を示すタイムチャートである。デューティ制御部のパルス周波数変調制御により、個々の透光表示光源の点灯を個別に制御している場合のパルス信号の詳細を示すタイムチャートである。オープニング表示にて表示される表示要素を示す図である。図６５に示すオープニング表示にて表示される表示要素のうちで、表示画面に表示される表示要素を示す図である。図６５に示すオープニング表示にて表示される表示要素のうちで、アクリル導光板に表示される表示物を示す図である。オープニング表示の開始直後の態様を示す図である。オープニング表示の中間の態様を示す図である。オープニング表示の最終の態様を示す図である。オープニング表示を表示させる表示制御処理の詳細を示すフローチャートである。警告表示の一例を示す図である。第１１実施形態における凹部の配列を示す図である。凹部の横断面形状を示す図であって、図７３のＬＸＸＩＶ－ＬＸＸＩＶ線断面図である。凹部の縦断面形状を示す図であって、図７３のＬＸＸＶ－ＬＸＸＶ線断面図である。オープニング表示の開始直後の態様を示す図である。第１２実施形態における車両用表示装置の正面図である。図７７のLXXVIII－LXXVIII線断面図である。第１２実施形態における遮光区画部を透光板側からみた図である。図７９のLXXX－LXXX線矢視図である。図８０のLXXXI－LXXXI線矢視図である。図７９のLXXXII－LXXXII線断面において、遮光区画部と透光板及び光源部との位置関係を示す断面図である。図７９のLXXXIII－LXXXIII線断面図である。図７８のLXXXIV部を部分的に拡大した拡大断面図である。第１２実施形態における反射部における配列領域を部分的に拡大して示す拡大図である。第１２実施形態における車両用表示装置の回路等を説明するためのブロック図である。第１２実施形態における車両用表示装置によるフローチャートである。第１２実施形態における表示の例を示す図であって、透光表示部が表示状態であり、警報表示部が非表示状態である場合を示す図である。第１２実施形態における表示の例を示す図であって、透光表示部が非表示状態であり、警報表示部が表示状態である場合を示す図である。第１２実施形態における表示の例を示す図であって、透光表示部及び警報表示部が重畳表示されている状態である場合を示す図である。第１３実施形態における車両用表示装置の正面図である。図９１のXCII－XCII線断面図である。図９２のXCIII部を拡大した図である。導光板の正面図であって、第１光源光と第２光源光との関係を説明するための図である。図９１のXCV部を拡大した図である。図９１のXCVI部を拡大した図である。図９５の目盛図柄の反射素子を拡大して示す図であって、（ａ）第１反射素子の例、（ｂ）第２反射素子の例を示している。図９７のXCVIII－XCVIII線断面図である。図９７のXCIX－XCIX線断面図である。変形例１における図９５に対応した図である。変形例２における外縁部と光源部との関係を示す図である。第１４実施形態における車両用表示装置の正面図である。図１０２のCIII－CIII線断面図である。図１０２の反射表示部の図柄部分を拡大した図である。図１０４のCV－CV線断面図である。図１０５のCVI－CVI線断面図である。第１４実施形態における光照射ユニットの表面側を示す斜視図である。第１４実施形態における光照射ユニットの裏面側を示す斜視図である。第１４実施形態における保持部材の表面側を示す斜視図である。第１４実施形態における光照射ユニットの裏面側を示す側面図である。第１４実施形態における光照射ユニットの正面図である。第１４実施形態における光照射ユニットの表面側を示す側面図である。図１１０のCXIII－CXIII線断面図である。図１１１のCXIV－CXIX線断面図である。図１０２のCXV－CXV線断面図である。第１４実施形態における光照射ユニットの周囲を示す断面斜視図である。図１１１のCXVII－CXVII線断面図である。図１０２のCXVIII－CXVIII線断面図である。図１１２のCXIX－CXIX線断面図である。図１１９のCXX部拡大図である。図１１２のCXXI部拡大図である。図１２１のCXXII－CXXII線断面図である。図１１２のCXXIII－CXXIII線断面図である。図１２３のCXXIV部拡大図である。図１０２のCXXV－CXXV線断面図である。第１４実施形態における光照射ユニットの保持ケースへの組み付け状態を説明するための図である。変形例１における図１０２に対応する図である。第１５実施形態の車両用表示装置を示す分解斜視図である。第１５実施形態の車両用表示装置を模式的に示す断面図である。光透過性表示板が平板状の場合と湾曲板状の場合との違いを説明するための模式図である。第１５実施形態の図柄を説明するための正面図である。第１５実施形態の車両用表示装置によるフローチャートである。第１５実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、一表示例を示している。第１５実施形態の車両用表示装置を示す正面図であって、一表示例を示している。

　複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。

　（第１実施形態）
　図１に示すように、第１実施形態による車両用表示装置１００は、車両に搭載され、当該装置１００を視認する乗員が着座する座席と対向するインストルメントパネルに設置されている。車両用表示装置１００は、乗員が位置することとなる目視側へ向けて車両情報を表示可能となっている。車両用表示装置１００を搭載する車両は、例えば駆動手段としてエンジンと電動モータとの両方を備えるハイブリッド車両となっている。

　このような車両用表示装置１００は、図２，３にも示すように、ケース部１０、文字板２０、指針３０、画像表示パネル４０、画像制御部８２、光透過性表示板５０、表示板用光源７０、及び光源制御部８３を備えている。ケース部１０は、遮光性を有する背面ケース１２及びウインドプレート１４、並びに装置１００において最も視認側に配置され、光透過性を有する透光板１６を有している。透光板１６は、例えば着色されたアクリル樹脂等の光半透過性樹脂により板状に形成されている。透光板１６は、スモーク調の着色により透過率が３０％程度に設定されているが、３０％以上の任意の値に設定されていてもよい。

　文字板２０は、透光板１６及び光透過性表示板５０よりも、背面側に配置されている。背面側とは、目視側とは反対となる側である。文字板２０は、例えば光透過性を有する合成樹脂からなる基材の目視側の表面に、光半透過性又は遮光性の印刷が部分的に施されて、平板状に形成されている。なお、印刷に代えて、塗装が施されていてもよい。

　このような文字板２０は、車両情報に対応する指標部２２を目視側に有している。指標部２２は、文字板２０において、遮光性の印刷に囲まれて、半透明の印刷が施されることにより、文字又は目盛等の指標の輪郭を形成している。なお、文字板２０の指標部２２は、車両情報に対応する文字、目盛、又はマークを含むものであればよく、「文字板」という名称だからと言っても、必ずしも文字が含まれる必要はない。

　こうした指標部２２は、文字板２０よりも背面側にあるメイン回路基板８０に実装された指標照明用発光素子２８により、背面側から照明される。

　また、本実施形態の指標部２２では、後述する指針３０に合わせて、文字板２０の左の領域にエンジン回転数を表す文字及び目盛、右上の領域に燃料残量を表す文字及び目盛、右下の領域にエンジン冷却水の水温を表す文字及び目盛が配置されている。

　指針３０は、文字板２０の左の領域に対応して１つ、右上の領域に対応して１つ、右下の領域に対応して１つ、合計３つ設けられている。各指針３０は、連結部３２及び指示部３４を一体的に有している。連結部３２は、文字板２０に開けられた貫通穴を通して配置されており、メイン回路基板８０に保持されたステッピングモータ３６の回転軸と連結されている。指示部３４は、文字板２０と光透過性表示板５０との間に配置されており、針状を呈している。各指針３０の指示部３４は、ステッピングモータ３６の出力に応じて回動するようになっており、文字板２０の左右の領域にそれぞれ部分環状に配置された各指標部２２を指示することにより、車両情報を表示するようになっている。

　なお、本実施形態において、左の領域に対応した指針３０は、車両情報として、エンジン回転数を表示するようになっている。右上の領域に対応した指針３０は、車両情報として、燃料残量を表示するようになっている。右下の領域に対応した指針３０は、車両情報として、エンジン冷却水の水温を表示するようになっている。

　画像表示パネル４０は、メイン回路基板８０と文字板２０との間に、当該文字板２０の背面側と対向して配置されている。文字板２０と画像表示パネル４０との間には、隙間が設けられている。本実施形態において画像表示パネル４０は、文字板２０の中央の領域に対応して配置されている。このため、画像表示パネル４０は、左右の指針３０による表示に挟まれるような配置となっている。

　本実施形態の画像表示パネル４０には、薄膜トランジスタを用いた液晶パネルであって、２次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルが採用されている。画像表示パネル４０は、バックライト４２に背面側から照明されることにより、目視側を向く矩形状の表示面４０ａから目視側に表示光を射出することにより、画像を発光表示するようになっている。

　画像制御部８２は、特に図２に示されているが、例えばメイン回路基板８０に実装され、少なくとも１つのプロセッサ、メモリ及び入出力インターフェースを有している。プロセッサは、例えばメモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、入出力インターフェースを介して画像表示パネル４０の画像を制御可能となっている。

　ここで、文字板２０のうち画像表示パネル４０が対向する中央の領域では、印刷が施されないことにより、文字板２０の光透過性の基材が露出している。したがって、文字板２０において中央の領域は、画像表示パネル４０の画像の表示光が透過するように、光透過性を有する透過領域２４として設定されている。透過領域２４は、表示面４０ａよりも僅かに小さなサイズで配置されている。こうした透過領域２４が、黒色の印刷により遮光性を有する遮光領域２６に囲まれていることで、その輪郭が矩形状に構成されている。

　光透過性表示板５０は、例えば光透過性を有する合成樹脂により、平板状に形成されている。光透過性表示板５０は、文字板２０及び指針３０よりも目視側に配置され、文字板２０とは実質平行に設けられている。このため、光透過性表示板５０の沿設方向ＥＤは、表示面２０ａの沿設方向及び文字板２０の沿設方向に沿っており、光透過性表示板５０の板厚方向ＴＤは、表示面２０ａに対する垂直方向及び文字板２０の板厚方向に沿っている。なお、本実施形態の板厚方向ＴＤは、光透過性表示板５０の最も面積の大きな表面に対する垂直方向に実質一致している。光透過性表示板５０は、文字板２０の全面を目視側から覆うように、略矩形状を呈している。

　表示板用光源７０は、図２に示すように、互いに左右に離間した２つの発光部７２ａ，７２ｂを有している。各発光部７２ａ，７２ｂは、外縁部５２に沿って配列されている。より詳細に、各発光部７２ａ，７２ｂは、光源光を発する複数の発光素子７３ａ，７３ｂが光透過性表示板５０の外縁部５２に沿って配列されていることにより形成されている。各発光素子７３ａ，７３ｂは、光源用回路基板８１に実装された発光ダイオードであり、電源と接続されることで発光する。特に本実施形態では、各発光素子７３ａ，７３ｂがマルチカラーの発光ダイオードとなっている。したがって、本実施形態の表示板用光源７０は、カラー光源を含む。

　より詳細に、発光部７２ａにおける各発光素子７３ａは、光透過性表示板５０の外縁部５２のうち下側の一辺において、当該外縁部５２の側面と対向している。同様に、発光部７２ｂにおける各発光素子７３ｂは、光透過性表示板５０の外縁部５２のうち下側の一辺において、当該外縁部５２の側面と対向している。各発光素子７３ａ，７３ｂが対向する側面に向けて光源光を発することで、光透過性表示板５０の内部を下側から上側へ向かって当該光源光が進むようになっている。外縁部５２を介して、光透過性表示板５０の内側へと入射する各発光素子７３ａ，７３ｂの光源光は、互いに一部分が沿設方向ＥＤにずれた照明範囲を照明するようになっている。なお、こうした表示板用光源７０は、乗員から見えないように配置することが好ましいが、正面図の一部では説明のため実線で図示されている。

　光源制御部８３は、例えばメイン回路基板８０に実装され、少なくとも１つのプロセッサ、メモリ及び入出力インターフェースを有している。プロセッサは、例えばメモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、入出力インターフェースを介して表示板用光源７０を制御可能となっている。具体的に、光源制御部８３は、表示板用光源７０の各発光素子７３ａ，７３ｂの点灯及び消灯を切り替え可能となっている。また、光源制御部８３は、各発光素子７３ａ，７３ｂの発光色を様々な色に変更可能となっている。特に本実施形態では、光源制御部８３は、発光部７２ａ，７２ｂ毎に、点灯及び消灯の切り替え、並びに発光色の変更を行なう。

　光透過性表示板５０は、図１～４に示すように、部分的な領域に反射部５４ａ，５４ｂを有している。特に本実施形態では、左右の発光部７２ａ，７２ｂに対応して、２つの反射部５４ａ，５４ｂが配置されている。なお、図１，２において反射部５４ａ，５４ｂにより表示される領域は、斜線のハッチングが施されることにより示されている（以下、対応する図でも同様である）。

　より具体的に、図４，５に示すように、各反射部５４ａ，５４ｂは、光透過性表示板５０の沿設方向ＥＤに沿って配列された複数の反射素子５６を有している。各反射素子５６は、微細なサイズに設定され、光透過性表示板５０の背面側から当該表示板５０の内部に凹む凹穴状に形成されている。各反射素子５６は、反射面５７ａ及び傾斜背面５７ｂを有している。

　反射面５７ａは、反射素子５６のうち、発光部７２ａ又は７２ｂと対向する向きに配置されている。反射面５７ａは、曲面状に形成されている。反射面５７ａは、光透過性表示板５０の板厚方向ＴＤに対して傾斜した傾斜方向に延設されている。当該傾斜方向は、板厚方向ＴＤに対して例えば３９～４５度の範囲に設定されることが好ましい。

　傾斜背面５７ｂは、反射面５７ａとは反対側を向いて設けられることで、当該反射面５７ａとは背中合わせに配置されている。傾斜背面５７ｂは、板厚方向ＴＤに対して例えば２５度傾斜した平面状に形成されている。すなわち、傾斜背面５７ｂは、反射面５７ａの傾斜よりも傾斜角を小さく設定されている。

　各反射部５４ａ，５４ｂにおいて各反射素子５６は、光透過性表示板５０の沿設方向ＥＤに沿って平坦に形成された平坦部５８を介することで、互いに離間して、１つずつ配置されている。特に本実施形態では、各反射部５４ａ，５４ｂにおける反射素子５６の密度は、各箇所で実質同等となっており、また反射素子５６の形状も各箇所で実質同じ形状となっている。

　このような反射部５４ａに、表示板用光源７０の発光部７２ａから光源光が到達すると、発光部７２ａと対向する各反射素子５６の反射面５７ａにより光源光が目視側に反射されることとなる。同様に、反射部５４ｂに、表示板用光源７０の発光部７２ｂから光源光が到達すると、発光部７２ｂと対向する各反射素子５６の反射面５７ａにより光源光が目視側に反射されることとなる。したがって、図１，２に示すように、一反射部５４ａに対応する発光部７２ａが点灯するときには、当該反射部５４ａにおいて配列された各反射素子５６によって構成された図柄６０ａが光って表示される。同様に、一反射部５４ｂに対応する発光部７２ｂが点灯するときには、当該反射部５４ｂにおいて配列された各反射素子５６によって構成された図柄６０ｂが光って表示される。

　本実施形態の図柄６０ａ，６０ｂは、左右の領域にそれぞれ対応して、互いに左右対称に配置された外周図柄６１ａ，６１ｂとなっている。反射部５４ａにより構成された外周図柄６１ａは、光透過性表示板５０のうち、左側の指標部２２の外周部に対応する領域に、当該指標部２２を縁取るように線状に形成され、例えば円弧状を呈している。こうした外周図柄６１ａの両端部６２ａ，６３ａは、光透過性表示板５０のうち画像表示パネル４０と対向する領域まで延伸している。反射部５４ｂにより構成された外周図柄６１ｂは、光透過性表示板５０のうち、左側の指標部２２の外周部に対応する領域に、当該指標部２２を縁取るように線状に形成され、例えば円弧状を呈している。こうした外周図柄６１ｂの両端部６２ｂ，６３ｂは、光透過性表示板５０のうち画像表示パネル４０と対向する領域まで延伸している。

　各外周図柄６１ａ，６１ｂは、それぞれ対応する発光部７２ａ，７２ｂの点灯及び消灯に伴って、表示及び非表示が切り替えられるだけでなく、カラー光源を含むことにより色を個別に変更して表示可能となっている。図６に示すように、各外周図柄６１ａ，６１ｂは、それぞれ対応する発光部７２ａ，７２ｂが消灯する非表示の場合には、反射素子５６のサイズ及び密度等の設定により、目視側からは殆ど視認されない。

　こうした発光部７２ａ，７２ｂの点灯及び消灯、並びに色変更は、画像表示パネル４０により表示される画像と連携して制御される。画像の表示タイプは、例えば車両に設けられた切替スイッチにより、乗員が好みに応じて選択設定可能となっており、車両のモードや車両の周辺監視装置による周辺監視の状況により一時的に変更される表示タイプも存在している。

　図１に示す表示タイプＡは、画像において、車両情報としての車両の速度を、文字画像ＩＬＴによりデジタル表示する表示タイプである。車両においてエコモードが選択されていない場合には、各発光部７２ａ，７２ｂが白色に発光することにより、各外周図柄６１ａ，６１ｂも白色に表示される。一方、エコモードが選択されると、各発光部７２ａ，７２ｂが例えば緑色に発光するように色変更され、各外周図柄６１ａ，６１ｂも緑色に表示される。なお、エコモードとは、例えばエンジン回転数を低めに抑制するような車両制御が行なわれるモードである。

　図７に示す表示タイプＢは、画像において、車両情報としての車両の速度を、文字画像ＩＬＴによりデジタル表示しつつ、他の車両情報としての電動モータの電流値を指針画像ＩＰＯが目盛画像ＩＳＣを指示することによりアナログ表示する表示タイプである。車両においてエコモードが選択されていない場合には、各発光部７２ａ，７２ｂが白色に発光することにより、各外周図柄６１ａ，６１ｂも白色に表示される。一方、エコモードが選択されると、各発光部７２ａ，７２ｂが例えば緑色に発光するように色変更され、各外周図柄６１ａ，６１ｂも緑色に表示される。

　図８，９に示す表示タイプＣは、表示面４０ａの左側にギヤポジション、右側に車両の速度を文字画像ＩＬＴにて表示すると共に、表示面４０ａの中央に各種情報を表示する表示タイプである。

　この表示タイプＣにおいて、車両においてアイドルストップモードが選択されていない場合には、図８に示すように、各発光部７２ａ，７２ｂが白色に発光することにより、各外周図柄６１ａ，６１ｂも白色に表示される。この際、画像表示パネル４０は、各外周図柄６１ａ，６１ｂの下側の端部６２ａ，６２ｂをさらに延長すると共に、当該下側の端部６２ａ，６２ｂ同士を結ぶように線状に設けられる延長画像ＩＥ１を表示する。加えて、画像表示パネル４０は、各外周図柄６１ａ，６１ｂの上側の端部６３ａ，６３ｂをさらに延長すると共に、当該上側の端部６３ａ，６３ｂ同士を結ぶように線状に設けられる延長画像ＩＥ２を表示する。

　一方図９に示すように、車両にてアイドルストップモードが選択されると、左側の発光部７２ａが消灯することにより、左側の外周図柄６１ａが非表示となると共に、右側の発光部７２ｂが白色に点灯することにより、右側の外周図柄６１ｂが白色に表示される。これに伴って、延長画像ＩＥ１が非表示となると共に、延長画像ＩＥ２は表示したままとなる。なお、車両のアイドルストップモードとは、例えば信号待ちで停車した際、エンジンを自動で一時的に停止するように車両制御が行なわれるモードである。

　また、図１０，１１に示すように、表示タイプＤとして、車両においてオートクルーズモードが設定された場合には、表示面４０ａの左側にギヤポジション、右側に車両の速度を文字画像ＩＬＴにて表示すると共に、表示面４０ａの中央には、例えば前方に車両が存在するか否か等、道路の状況が表示されるようになっている。この表示において、画像表示パネル４０は、外周図柄６１ａの端部６２ａ，６３ａのうち、下側の端部６２ａをさらに延長するように、線状に設けられる延長画像ＩＥＡを表示する。同様に、画像表示パネル４０は、外周図柄６１ｂの端部６２ｂ，６３ｂのうち、下側の端部６２ｂをさらに延長するように、線状に設けられる延長画像ＩＥＢを表示する。各延長画像ＩＥＡ，ＩＥＢは、道路の状況の表示における車両画像ＩＣＡを左右に挟んで、対応する端部６２ａ，６２ｂから表示面４０ａの中央に向かって直線状に延伸することにより、乗員からは車道外側線（例えば白線）を表す画像として認識され得る。

　こうした延長画像ＩＥＡ，ＩＥＢ及び外周図柄６１ａ，６１ｂは、周辺監視装置が周辺に障害物を検知していない場合には、図１０に示すようにそれぞれ白色に表示される。一方、周辺監視装置が車外の側方に障害物を検知した場合には、図１１に示すように左右のうち障害物が検知された側の延長画像及び外周図柄のみ、アンバー（橙色）に色変更される。例えば図１１では、車外の右側方に障害物が検知されたため、右側の延長画像ＩＥＢ及び外周図柄６１ｂのみ、アンバー（橙色）に色変更されている。なお、図１１では、色変更された部分がドットハッチングで表現されている。

　また、図１２に示すように、表示タイプＥとして、車両が長時間に亘って高速道路を走行し続けている場合には、表示面４０ａの左側にギヤポジション、右側に車両の速度を表示すると共に、表示面４０ａの中央には、休憩を促す画像が表示されるようになっている。この際、画像表示パネル４０は、各外周図柄６１ａ，６１ｂの下側の端部６２ａ，６２ｂをさらに延長すると共に、当該下側の端部６２ａ，６２ｂ同士を結ぶように線状に設けられる延長画像ＩＥ１を表示する。加えて、画像表示パネル４０は、各外周図柄６１ａ，６１ｂの上側の端部６３ａ，６３ｂをさらに延長すると共に、当該上側の端部６３ａ，６３ｂ同士を結ぶように線状に設けられる延長画像ＩＥ２を表示する。このため、休憩を促す画像は、延長画像ＩＥ１，ＩＥ２及び外周図柄６１ａ，６１ｂに全周を囲まれたように視認される。こうした延長画像ＩＥ１，ＩＥ２及び外周図柄６１ａ，６１ｂは、それぞれ注意喚起のためアンバー（橙色）に表示される。

　このように車両用表示装置１００は、画像表示パネル４０の画像と、反射素子５６により構成された図柄６０ａ，６０ｂとが連携した表示を行なうのである。

　以上説明した第１実施形態の作用効果を以下に説明する。

　車両用表示装置１００が第１実施形態のような構成を備えることにより、画像表示パネル４０は文字板２０に対して同一平面内に横並びの状態で配置されるのではなく、文字板２０の背面側に配置されているために、横並び状態に比べて文字板２０及び光透過性表示板５０に対する画像表示パネル４０の奥行き感が増すことになる。そして、画像表示パネル４０の画像は文字板２０の透過領域２４を通して光透過性表示板５０の方向に到達することができる。このように、画像表示パネル４０の奥行き感が増すことで、文字板２０及び光透過性表示板５０の反射部５４ａ，５４ｂによる表示と、画像表示パネル４０の表示との組み合わせにおいて、これらの相対的な立体感が向上するという格別なる効果を期待することができる。

　また、第１実施形態によると、複数の反射素子５６が光透過性表示板５０の沿設方向ＥＤに配列されて図柄６０ａ，６０ｂを構成している。こうした図柄６０ａ，６０ｂが画像表示パネル４０より目視側に飛び出したように表示されるので、立体感はより格別なものとなる。

　また、第１実施形態によると、画像表示パネル４０は、画像として、線状の外周図柄６１ａ，６１ｂの端部をさらに延長するように、線状に設けられた延長画像ＩＥＡ，ＩＥＢ，ＩＥ１，ＩＥ２を表示する。こうした延長画像ＩＥＡ，ＩＥＢ，ＩＥ１，ＩＥ２が外周図柄６１ａ，６１ｂと連続したように見えることにより、立体感を生じさせつつも、指標部２２、反射部５４ａ，５４ｂ、及び画像表示パネル４０との間に一体感が得られる。

　また、第１実施形態によると、光源７０は、図柄６０ａ，６０ｂの色を変更可能なカラー光源を含むので、立体感を生じさせつつも、状況に応じた様々な見栄えを演出できる。

　（第２実施形態）
　図１３～１５に示すように、第２実施形態は第１実施形態の変形例である。第２実施形態について、第１実施形態とは異なる点を中心に説明する。

　第２実施形態では、図１３，１４に示すように、指標部２２２として、文字板２２０の左の領域にエンジン回転数を表す文字及び目盛、右の領域に車両の速度を表す文字及び目盛が配置されている。これに応じて、指針３０は、文字板２２０の左の領域に対応して１つ、右の領域に対応して１つ、合計２つ設けられている。

　画像表示パネル４０は、第１実施形態と同様に、文字板２２０の背面側と対向すると共に、文字板２２０の中央の領域に対応して配置されている。そして文字板２２０において中央の領域は、画像表示パネル４０の画像の表示光が透過するように、透過領域２４として設定されている。

　第２実施形態の光透過性表示板２５０は、異なる図柄２６０ａ，２６０ｂを構成するように、２つの反射部２５４ａ，２５４ｂを有している。反射部２５４ａは、光透過性表示板２５０のうち画像表示パネル４０のうち上側の領域と対向する箇所に設けられている。反射部２５４ｂは、光透過性表示板２５０のうち画像表示パネル４０のうち下側の領域と対向する箇所に設けられている。

　第２実施形態の表示板用光源２７０は、２つの発光部２７２ａ，２７２ｂを有している。発光部２７２ａは、反射部２５４ａに対応している。発光部２７２ａにおいて各発光素子２７３ａは、光透過性表示板２５０の外縁部２５２のうち上側の一辺において、当該外縁部２５２の側面と対向している。各発光素子２７３ａが側面に向けて光源光を発することで、光透過性表示板２５０の内部を上側から下側へ向かって当該光源光が進むようになっている。

　反射部２５４ａにおける各反射素子２５６ａの反射面２５７ａは、互いに同じ方向である上側を向いている。すなわち発光部２７２ａは、外縁部２５２のうち対応する反射部２５４ａの反射面２５７ａに対向する位置に配置されている。反射部２５４ａに、発光部２７２ａから光源光が到達すると、発光部２７２ａと対向する各反射素子２５６ａの反射面２５７ａにより光源光が目視側に反射されることとなる。したがって、発光部２７２ａが点灯するときには、反射部２５４ａにおいて配列された各反射素子２５６ａによって、図柄２６０ａが光って表示される。

　発光部２７２ｂは、反射部２５４ｂに対応している。発光部２７２ｂにおいて各発光素子２７３ｂは、光透過性表示板２５０の外縁部２５２のうち左側の一辺において、当該外縁部２５２の側面と対向している。各発光素子が側面に向けて光源光を発することで、光透過性表示板２５０の内部を左側から右側へ向かって当該光源光が進むようになっている。

　反射部２５４ｂにおける各反射素子２５６ｂの反射面２５７ｂは、互いに同じ方向である左側を向いている。すなわち発光部２７２ｂは、外縁部２５２のうち対応する反射部２５４ｂの反射面２５７ｂに対向する位置に配置されている。こうして反射部２５４ａの反射面２５７ａと反射部２５４ｂの反射面２５７ｂとは、図１５に示すように、互いに９０度異なる方向を向いている。

　反射部２５４ｂに、発光部２７２ｂから光源光が到達すると、発光部２７２ｂと対向する各反射素子２５６ｂの反射面２５７ｂにより光源光が目視側に反射されることとなる。したがって、発光部２７２ｂが点灯するときには、反射部２５４ｂにおいて配列された各反射素子２５６ｂによって、図柄２６０ｂが光って表示される。

　こうした発光部２７２ａ，２７２ｂ及び反射部２５４ａ，２５４ｂの配置では、発光部２７２ａからの光が反射部２５４ｂにも到達し得るが、反射部２５４ｂの反射面２５７ｂは、反射部２５４ａの反射面２５７ａとは異なる方向を向いており、発光部２７２ａと対向する向きではない。したがって、発光部２７２ａが点灯しても、反射部２５４ｂによる図柄２６０ｂが光って表示されることが抑制されている。

　ここで、反射部２５４ａにより構成された図柄２６０ａは、表示対象物のうち外観輪郭が表現された輪郭図柄２６１ａを含んでいる。特に本実施形態の表示対象物は、車両となっており、輪郭図柄２６１ａでは車両の外観輪郭が表現されている。

　反射部２５４ｂにより構成された図柄２６０ｂは、車両が表現されているが、こちらは、車両を後方かつ上方から俯瞰した車両俯瞰図柄２６１ｂとなっている。

　発光部２７２ａが点灯し、発光部２７２ｂが消灯した状態が図１３に示されている。この状態では、輪郭図柄２６１ａが表示されているが、車両俯瞰図柄２６１ｂは非表示となっている。これに対応して画像表示パネル４０は、表示対象物のうち内部状態が表現された内部画像ＩＩＳを、輪郭図柄２６１ａに重畳させて表示するようになっている。特に本実施形態では、表示対象物が車両であるから、内部画像ＩＩＳは、車両の内部状態を表現する。例えば内部画像ＩＩＳは、輪郭図柄２６１ａに合わせた位置にエンジン及び蓄電池を表示し、エンジン、電動モータ及び蓄電池の間をエネルギーが流れるような動画により、車両のハイブリッドシステムが現在どのような制御となっているかを表示する。

　発光部２７２ａが消灯し、発光部２７２ｂが点灯した状態が図１４に示されている。この状態では、輪郭図柄２６１ａが非表示となっているが、車両俯瞰図柄２６１ｂが表示されている。これに対応して画像表示パネル４０は、周辺道路及び町並みが表現されたナビゲーション画像ＩＮＶを表示する。ナビゲーション画像ＩＮＶが例えば右に曲がる矢印などを表示することにより、乗員を目的地までナビゲーションすることが可能となっている。

　以上説明した第２実施形態によると、反射面２５７ａ，２５７ｂは、同一の反射部２５４ａ又は２５４ｂにおいて互いに同じ方向を向くと共に、異なる反射部２５４ａ，２５４ｂ間において異なる方向を向いている。こうした各反射部２５４ａ，２５４ｂに対応して、発光部２７２ａ，２７２ｂは、それぞれ対向する反射面２５７ａ，２５７ｂへ向けて光を発する。こうすると、各発光部２７２ａ，２７２ｂを個別に点灯又は消灯することにより、同一の光透過性表示板２５０において異なる複数の図柄２６０ａ，２６０ｂを表示可能となる。

　また、第２実施形態によると、画像表示パネル４０は、画像として、表示対象物のうち内部状態が表現された内部画像ＩＩＳを、表示対象物のうち外観輪郭が表現された輪郭図柄２６１ａに重畳させて表示する。このような重畳表示によれば、輪郭図柄２６１ａが目視側に飛び出したように表示されるので、車両の乗員は、外観輪郭により表示対象物を的確に認識することができる。そして、別途に内部状態が背面側に表示されるので、車両の乗員は、外観輪郭と混同することを回避して、内部状態を的確に認識することができる。このように立体感を活用した視認性の高い表示を実現することができる。

　（第３実施形態）
　図１６，１７に示すように、第３実施形態は第１実施形態の変形例である。第３実施形態について、第１実施形態とは異なる点を中心に説明する。

　第３実施形態の表示板用光源３７０は、図１６に示すように、第１実施形態と同様に、互いに離間した２つの発光部３７２ａ，３７２ｂを有している。ただし、第３実施形態では、各発光部３７２ａ，３７２ｂにおいて各発光素子３７３ａ，３７３ｂは、光透過性表示板３５０の外縁部３５２のうち上側の一辺において、当該外縁部３５２の側面と対向している。各発光素子３７３ａ，３７３ｂが側面に向けて光源光を発することで、光透過性表示板５０の内部を上側から下側へ向かって当該光源光が進むようになっている。

　こうした左右の発光部３７２ａ，３７２ｂにそれぞれ対応して、２つの反射部３５４ａ，３５４ｂが配置されている。各反射部３５４ａ，３５４ｂは、グラデーション領域ＧＲＤを有している。図１７に一例を模式的に示すように、グラデーション領域ＧＲＤでは、反射素子５６の凹み寸法又は反射素子５６の密度の少なくとも一方が、箇所により漸次変化している。発光部３７２ａ，３７２ｂからの光源光が目視側に反射される量が箇所によって異なるものとなるため、グラデーション領域ＧＲＤでは、各反射素子５６による図柄６０ａ，６０ｂの表示輝度がグラデーション状に変化することとなる。なお、図１６では、斜線ハッチングの太さを変化させてグラデーションが模式的に表現されている。

　以上説明した第３実施形態によると、反射部３５４ａ，３５４ｂは、反射素子５６の形状又は密度を漸次変化させることにより、図柄６０ａ，６０ｂの表示輝度をグラデーション状に変化させたグラデーション領域ＧＲＤを有するので、立体感を強調することができる。

　（第４実施形態）
　図１８～２２に示すように、第４実施形態は第１実施形態の変形例である。第４実施形態について、第１実施形態とは異なる点を中心に説明する。

　第４実施形態の表示板用光源４７０は、特に２０，２１に示すように、１つの発光部４７２を有している。発光部４７２において各発光素子４７３は、光透過性表示板４５０の外縁部４５２のうち下側の一辺において、当該外縁部４５２の側面と対向している。

　これに対し、第４実施形態の光源制御部４８３は、発光部４７２の発光素子４７３毎に、個別に点灯及び消灯の切り替えを行なう。

　第４実施形態の反射部４５４は、光透過性表示板４５０のうち画像表示パネル４０と対向する箇所を含んで設けられている。特に本実施形態の反射部４５４は、画像表示パネル４０のうち下側と対向する箇所を含んで設けられている。より詳細に、反射部４５４は、文字板２０のうち下側と対向する箇所に設けられている。

　第４実施形態において、反射部４５４の各反射素子５６により構成された図柄４６０は、地面が表現された地面図柄４６１となっている。具体的に、地面図柄４６１は、左右に平行に延伸する複数の横線と、上下に延伸し、上に向かう程互いに間隔が狭くなる縦線とを有している。そして、横線と縦線とが格子状に地面図柄４６１を構成することにより、地面の遠近感が表現されている。

　このような地面図柄４６１に対して、各発光素子４７３は、外縁部４５２に沿って配列されていることで、地面図柄４６１のうち、互いに発光素子４７３の配列する方向にずれた一部分に向けて光を発するようになっている。これにより、地面図柄４６１のうち点灯する発光素子４７３に対応する一部分のみを、表示させることが可能となる。

　第４実施形態の画像表示パネル４０は、移動体が表現された移動体画像ＩＭＶを表示可能となっている。特に本実施形態としては、移動体として車両が採用されているので、移動体画像ＩＭＶは、車両が表現された車両画像となっている。

　このような第４実施形態の車両用表示装置４００（主に画像制御部４８２及び光源制御部４８３）により実行される処理を、図２２のフローチャートに基づいて説明する。図２２のフローチャートの開始時には、画像表示パネル４０の画像は非表示状態とし、車両の起動スイッチ４０２がオフ状態であるものとする。なお、起動スイッチ４０２は、車両によって多少異なっているが、例えばエンジンを始動させるためのイグニッションスイッチや、電気自動車の電源スイッチが該当する。

　まず、ステップＳ４１０では、車両の起動スイッチ４０２がオフ状態からオン状態に変更された否かを判定する。ステップＳ４１０にて肯定判定が下されると、ステップＳ４２０へ移る。ステップＳ４１０にて否定判定が下されると、所定時間後又は所定の契機に応じて、再度ステップＳ４１０の判定を行なう。

　ステップＳ４２０では、特に図１８，２０に示すように、画像制御部４８２は、表示面４０ａの右側から中央に向かって移動体画像ＩＭＶがフェードインする。フェードインと連動して、光源制御部４８３は、点灯する発光素子４７３を左側の発光素子４７３から右側の隣接する発光素子４７３へと順々に切り替える。すなわち、移動体画像の移動方向とは逆方向に、点灯する発光素子４７３がずれていく。このようにすると移動体としての車両があたかも走行しているような演出を行なうことができる。ステップＳ４２０の処理後、ステップＳ４３０に移る。

　ステップＳ４３０では、特に図１９，２１に示すように、画像制御部４８２は、移動体画像ＩＭＶが表示面４０ａの中央まで移動すると、移動体画像を当該中央にて停止したまま表示させる。光源制御部４８３は、ステップＳ４２０と同様に、点灯する発光素子４７３を左側の発光素子４７３から右側の隣接する発光素子４７３へと順々に切り替える。例えば、光源制御部４８３は、消灯した発光素子４７３の間に、連続配置された３つの発光素子４７３が点灯するようにして、順々に点灯する発光素子４７３をずらしていく。このようにすると、移動体画像ＩＭＶが移動せずに停止していても、移動体としての車両があたかも走行しているような演出を行なうことができる。ステップＳ４３０を以って一連の処理を終了する。

　以上説明した第４実施形態によると、互いにずれた一部分に向けて光を発する複数の発光素子４７３のうち、点灯する発光素子４７３が切り替えられる。このような切り替えによって、図柄４６０が部分的に表示され、当該図柄４６０に動きを与えることができ、立体感を強調することができる。

　また、第４実施形態によると、画像表示パネル４０が表示する移動体画像ＩＭＶに合わせて、点灯する発光素子４７３が隣の発光素子へと順々に切り替わる。このようにすると、地面図柄４６１のうち表示される一部分が移動して見えるので、移動体画像ＩＭＶをあたかも移動しているように見せることができる。したがって、反射部４５４による地面図柄４６１と画像表示パネル４０による移動体画像ＩＭＶとの連携によって、立体感と共に一体感を醸し出すことができる。

　（第５実施形態）
　図２３，２４に示すように、第５実施形態は第１実施形態の変形例である。第５実施形態について、第１実施形態とは異なる点を中心に説明する。

　第５実施形態の車両用表示装置５００が搭載された車両は、移動障害物を検出する移動障害物検出部５０３を具備している。移動障害物検出部５０３は、例えばミリ波レーダ、ソナー、ライダ（ＬＩＤＥＲ：Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging）等の周辺監視センサを少なくとも１つ含み、車両周辺の歩行者等の移動障害物を検出可能となっている。

　第５実施形態の表示板用光源５７０は、１つの発光部５７２を有している。発光部５７２において各発光素子５７３は、光透過性表示板５５０の外縁部５５２のうち上側の一辺において配列され、当該外縁部５５２の側面と対向している。

　これに対し、第５実施形態の光源制御部５８２は、発光部５７２の発光素子５７３毎に、個別に点灯及び消灯の切り替えを行なう。また、第５実施形態の光源制御部５８２は、例えば車両のＥＣＵを介して移動障害物検出部５０３と通信可能となっている。

　第５実施形態において、反射部５５４の各反射素子５６により構成された図柄６０は、移動障害物を発光素子５７３が配列する方向に合わせて複数並べて表現された移動障害物モーション図柄５６１となっている。具体的に、本実施形態の移動障害物モーション図柄５６１は、移動障害物としての歩行者が横断歩道を渡る様子をモーション毎に並べて表現した図柄である。

　このような移動障害物モーション図柄５６１に対して、各発光素子５７３は、外縁部５５２に沿って配列されていることで、当該図柄５６１のうち、互いに発光素子５７３の配列する方向にずれた一部分に向けて光を発するようになっている。これにより、移動障害物モーション図柄５６１のうち点灯する発光素子５７３に対応する一モーションのみを、表示させることが可能となる。

　このような第５実施形態の車両用表示装置５００（主に光源制御部５８２）により実行される処理を、図２４のフローチャートに基づいて説明する。

　まず、ステップＳ５１０では、光源制御部５８２は、移動障害物検出部５０３からの入力信号により、車外前方に左右に移動する歩行者５０４が検出されたかどうかを判定する。ステップＳ５１０にて肯定判定が下されると、ステップＳ５２０へ移る。ステップＳ５１０にて否定判定が下されると、所定時間後又は所定の契機に応じて、再度ステップＳ５１０の判定を行なう。

　ステップＳ５２０では、光源制御部５８２は、歩行者５０４の移動方向に合わせて、点灯する発光素子５７３を隣接する発光素子５７３へと順々に切り替える。このようにすると、移動障害物モーション図柄５６１において、表示される歩行者のモーションが順次切り替わり、パラパラ漫画のように歩行者が歩くような演出を行なうことができる。

　ここで、光源制御部５８２は、各発光素子５７３について、点灯と消灯とを瞬時に切り替えるのではなく、徐々に輝度が変化するように切り替えるようにしてもよい。そうすると、最も表示輝度が高いモーションに隣接するモーションが、残像のように表現され、見栄えが向上する。

　また、歩行者５０４が横断歩道の真中で止まった場合には、当該一時停止に連動して、光源制御部５８２は、点灯する発光素子５７３の切り替えを一時停止してもよい。ステップＳ５２０の処理後、ステップＳ５３０へ移る。

　ステップＳ５３０では、光源制御部５８２は、検出されていた歩行者５０４が車外前方から他の箇所へ移動したかを判定する。ステップＳ５３０にて肯定判定が下されると、ステップＳ５４０へ移る。ステップＳ５３０にて否定判定が下されると、移動障害物モーション図柄５６１の表示を継続し、所定時間後又は所定の契機に応じて、再度ステップＳ５１０の判定を行なう。

　ステップＳ５４０では、光源制御部５８２は、全ての発光素子５８３を消灯し、移動障害物モーション図柄５６１の表示を終了する。ステップＳ５４０を以って一連の処理を終了する。

　以上説明した第５実施形態によると、互いにずれた一部分に向けて光を発する複数の発光素子５７３のうち、点灯する発光素子５７３が切り替えられる。このような切り替えによって、図柄５６１が部分的に表示され、当該図柄５６１に動きを与えることができ、立体感を強調することができる。

　また、第５実施形態によると、移動障害物検出部５０３が移動障害物としての歩行者５０４を検出した場合、当該歩行者５０４に合わせて、点灯する発光素子５７３が隣の発光素子５７３へと順々に切り替わる。このようにすると、移動障害物モーション図柄５６１にて表現された歩行者５０４の表現物が順々に表示されることとなり、歩行者５０４の存在を的確に車両の乗員に表示することができる。

　第１～第３実施形態に関する変形例１としては、画像表示パネル４０には、液晶パネルに限らず、有機ＥＬディスプレイによるパネルが採用されていてもよい。

　変形例２としては、文字板２０のうち画像表示パネル４０が対向する領域は、画像表示パネルの画像が透過するように光透過性に設定されていれば、光半透過性を有する半透過領域であってもよい。

　変形例３としては、反射面５７ａは、平面状に形成されていてもよい。

　変形例４としては、画像制御部８２と光源制御部８３とは、プロセッサ等を共有していてもよい。

　変形例５としては、図２５に示すように、光透過性表示板５０は、外縁部５２において、外側へ向かう程背後側に傾斜して設けられる平面状の外縁反射面５２ｂと、外縁反射面５２ｂから背後側に延びる外縁導光部５２ａを有していてもよい。図２５の例では、外縁導光部５２ａの背後側の先端面に対向して、光源７０の複数の発光素子７３ａ，７３ｂが配列されている。複数の発光素子７３ａ，７３ｂが互いに異なる位置から発した光源光は、外縁導光部５２ａにより外縁反射面５２ｂへ導光され、さらに外縁反射面５２ｂにより光透過性表示板５０の内側へと反射される。このようにして、外縁部５２を介して、光透過性表示板５０の内側へと入射する各発光素子７３ａ，７３ｂの光源光は、互いに一部分が沿設方向ＥＤにずれた照明範囲を照明するようになっている。

　変形例６としては、光源制御部４８３，５８２等は、プログラムを用いるものに限らず、より簡易的な回路によって実現されてもよい。

　（第６実施形態）
　第６実施形態における車両用表示装置２１００は、車両に搭載され、当該装置２１００を視認する乗員が着座する座席と対向するインストルメントパネルに設置されている。図２６に示すように、車両用表示装置２１００は、乗員が位置することとなる視認側へ向けて車両の状態を表示可能となっている。

　このような車両用表示装置２１００は、図２７にも示すように、ケース部２０１０、表示部２０２０、複数の導光板２０３０，２０４０、複数の導光板用光源部２０５０，２０６０、及び複数の外縁部材２０７０を備えている。本実施形態では、導光板２０３０，２０４０及び導光板用光源部２０５０，２０６０は、それぞれ２つずつ設けられている。

　ケース部２０１０は、背面ケース２０１２、ウインドプレート２０１４、及び透光板２０１６を有している。背面ケース２０１２は、例えば遮光性を有する合成樹脂により形成され、表示部２０２０を背面側から覆っている。ウインドプレート２０１４は、例えば遮光性を有する合成樹脂により形成され、表示部２０２０の外周輪郭に沿って視認側及び背面側に開口部を有する筒状に形成されている。透光板２０１６は、例えば着色されたアクリル樹脂等の半透光性樹脂により、ウインドプレート２０１４の視認側開口部を塞ぐ板状に形成されている。これにより、導光板２０３０，２０４０は透光板２０１６に視認側から覆われている。本実施形態の透光板２０１６は、スモーク調の着色により、透過率が３０％程度に設定されているが、３０％以上の任意の値に設定されていてもよい。

　表示部２０２０は、表示板２０２１を用いて、車両の状態を表示する。表示板２０２１は、一般的に文字板とも呼ばれており、背面ケース２０１２と導光板２０３０，２０４０との間に配置されている。表示板２０２１は、例えば透光性を有する合成樹脂からなる基材の視認側の表面に、半透光性又は遮光性の印刷が部分的に施されて、平板状に形成されている。なお、印刷に代えて、塗装が施されていてもよい。

　表示部２０２０は、複数の機械式表示部２０２２ａ，２０２２ｂ、及び画像表示部２０２７を有している。特に本実施形態では、画像表示部２０２７が２つの機械式表示部２０２２ａ，２０２２ｂに左右に挟まれた配置となっている。

　ここで、２つの機械式表示部２０２２ａ，２０２２ｂは互いに同様の構成となっているため、左側の機械式表示部２０２２ａについて代表して説明する。機械式表示部２０２２ａは、ステッピングモータ２０２３、指針２０２４、及び指針用光源部２０２５を有している。ステッピングモータ２０２３は、背面ケース２０１２と表示板２０２１との間に、すなわち表示板２０２１よりも背面側に配置されたメイン回路基板２０１８に保持されている。

　指針２０２４は、連結部２０２４ａ及び指示部２０２４ｂを一体的に有している。連結部２０２４ａは、表示板２０２１に開けられた貫通穴を通して配置されており、ステッピングモータ２０２３の回転軸２０２３ａと連結されている。指示部２０２４ｂは、表示板２０２１と導光板２０３０，２０４０との間に、すなわち表示板２０２１よりも視認側に配置されており、針状を呈している。指針２０２４は、ステッピングモータ２０２３の出力に応じて回動するようになっており、表示板２０２１上に環状に配置された指標２０２１ａを指示することにより、車両の状態が表示されるようになっている。本実施形態において指標２０２１ａは、目盛及び数字により構成されている。

　指針用光源部２０２５は、メイン回路基板２０１８上に配置された複数の発光素子２０２５ａを有している。特に本実施形態において発光素子２０２５ａは、発光ダイオードであり、制御回路を通じて電源と接続されることで発光する。指針用光源部２０２５の光が指針２０２４を照明することで、指針２０２４が発光するようになっている。

　なお、本実施形態において、左側の機械式表示部２０２２ａは、車両の状態として、車速を表示するようになっている。右側の機械式表示部２０２２ｂは、車両の状態として、エンジン回転数を表示するようになっている。

　画像表示部２０２７は、表示板２０２１よりも背面側に、表示板２０２１と近接して配置された液晶表示器２０２８を有している。本実施形態の液晶表示器２０２８には、薄膜トランジスタ（Thin Film Transistor、ＴＦＴ）を用いた液晶パネルであって、２次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルが採用されている。液晶表示器２０２８は、視認側に画像を表示する矩形状の表示面２０２８ａを有している。

　さらに表示板２０２１において表示面２０２８ａと重なる箇所には、特に図２６に示すように、印刷により遮光性を有する表示板遮光部２０２１ｂに囲まれ、透光性を有する表示板透光部２０２１ｃが表示面２０２８ａよりも僅かに小さなサイズで配置されている。こうして表示面２０２８ａに表示された画像の光は、表示板透光部２０２１ｃを透過する。

　このような機械式表示部２０２２ａ，２０２２ｂ及び画像表示部２０２７により、表示部２０２０の表示板２０２１は視認側に表示を行なう表示領域ＤＡを有している。一方、機械式表示部２０２２ａ，２０２２ｂと画像表示部２０２７との境界部分、及び機械式表示部２０２２ａ，２０２２ｂ及び画像表示部２０２７の外周部分には、当該表示領域ＤＡを囲み、視認側に表示を行なわない周辺領域ＳＡが設けられている。

　各導光板２０３０，２０４０は、図２７に示すように、例えば透光性を有する合成樹脂により、平板状に形成されている。各導光板２０３０，２０４０は、表示部２０２０よりも視認側に配置されている。各導光板２０３０，２０４０は、互いに重畳配置されており、互いに板厚方向ＴＤを合わせて配置されることで、略平行に延設されている。各導光板２０３０，２０４０の板厚は実質等しく設定されており、導光板２０３０と導光板２０４０との間には、１枚分の板厚程度の隙間が設けられている。

　なお、本実施形態の板厚方向ＴＤは、各導光板２０３０，２０４０の最も面積の大きな表面の法線方向に実質一致している。

　各導光板用光源部２０５０，２０６０は、各導光板２０３０，２０４０に個別に対応して、対応する導光板２０３０，２０４０と対をなしている。各導光板用光源部２０５０，２０６０は、複数の発光素子２０５２，２０６２を有している。特に本実施形態において発光素子２０５２，２０６２は、発光ダイオードであり、制御回路を通じて電源と接続されることで光源光を発する。各光源部２０５０，２０６０に属する各発光素子２０５２，２０６２は、それぞれ点灯又は消灯を切り替え可能に設けられている。視認側の導光板２０４０と対をなす光源部２０６０に属する各発光素子２０６２と、背面側の導光板２０３０と対をなす光源部２０５０に属する各発光素子２０５２とは、互いに異なる色で発光するようになっている。これにより、各光源部２０５０，２０６０は、互いに異なる色の光源光を発するようになっている。光源光の色としては、安全を表す色、快適走行を表す色、危険注意を表す色等がそれぞれ採用され得る。例えば光源部２０５０は青色の光源光を発し、光源部２０６０は赤色の光源光を発するが、他の色が採用されてもよい。そして各光源部２０５０，２０６０は、それぞれ対応する導光板２０３０，２０４０の外縁部２０３２，２０４２を介して、それぞれの導光板２０３０，２０４０の内側へと光源光を入射させるようになっている。

　各光源部２０５０，２０６０の発光素子２０５２，２０６２の配置に関して、さらに詳細に説明する。本実施形態において、導光板２０３０，２０４０よりも外周には、全周を囲むように複数の光源用回路基板２０１９が配置されている。各発光素子２０５２，２０６２は、この光源用回路基板２０１９上に、それぞれの光源部２０５０，２０６０に対応する導光板２０３０，２０４０の外縁部２０３２，２０４２を全周に囲むように配置されている。

　ここで図２８に示すように、異なる光源部２０５０，２０６０に属する発光素子２０５２，２０６２同士は、互いに板厚方向ＴＤに重なって配置されている。換言すると、表示部２０２０の表示板２０２１に対する垂直方向に、光源部２０５０に属する発光素子２０５２と光源部２０６０に属する発光素子２０６２とが重なっている。

　各外縁部材２０７０は、平板状の各導光板２０３０，２０４０の外縁部２０３２，２０４２と各発光素子２０５２，２０６２との間に配置されている。各外縁部材２０７０は、複数の外縁導光部２０７２ａ，２０７２ｂと光源光区画部２０７６とを、２色成形により一体的に有している。外縁導光部２０７２ａ，２０７２ｂは、導光板２０３０，２０４０と同数である２つ設けられている。そして、各外縁導光部２０７２ａ，２０７２ｂは、対をなす導光板２０３０と光源部２０５０との間、及び導光板２０４０と光源部２０６０との間に各々配置されている。各外縁導光部２０７２ａ，２０７２ｂは、例えば透光性を有する合成樹脂により、光源光を導光可能に形成されている。各外縁導光部２０７２ａ，２０７２ｂは、対応する光源部２０５０，２０６０の発光素子２０５２，２０６２と対向して、滑らかな凸面状に形成された光源対向面２０７３を有している。また各外縁導光部２０７２ａ，２０７２ｂは、対応する導光板２０３０，２０４０の外縁部２０３２，２０４２と対向して、滑らかな平面状に形成された板対向面２０７４を有している。各板対向面２０７４のサイズは、導光板２０３０，２０４０の板厚に合わせられており、各光源対向面２０７３のサイズは、各板対向面２０７４のサイズよりも大きくなっている。こうした各外縁導光部２０７２ａ，２０７２ｂは、対応する光源部２０５０，２０６０の光源光を光源対向面２０７３に入射させ、板対向面２０７４から射出する。

　外縁導光部２０７２ａと外縁導光部２０７２ｂとの間には、光源光区画部２０７６が配置されている。光源光区画部２０７６は、例えば遮光性を有するエストラマにより形成され、光源光を遮光するようになっている。光源光区画部２０７６は、各外縁導光部２０７２ａ，２０７２ｂのうち対向面２０７３，２０７４を除く箇所を囲い込む筒状の穴を、各外縁導光部２０７２ａ，２０７２ｂに対応して複数形成している。そして、光源光区画部２０７６は、各光源対向面２０７３よりも光源部２０５０，２０６０側及び各板対向面２０７４よりも導光板２０３０，２０４０側へ延伸している。さらに光源光区画部２０７６の光源部２０５０，２０６０側に設けられた囲い込み部２０７７が光源用回路基板２０１９を囲い込んでいる。

　光源光区画部２０７６が各対を光学的に区画することによって、例えば光源部２０５０から光源光が発せられても、それが異なる対に属する導光板２０４０に入射することが抑制される。同様に、例えば光源部２０６０から光源光が発せられても、それが異なる対に属する導光板２０３０に入射することが抑制される。

　こうした外縁部材２０７０は、背面ケース２０１２とウインドプレート２０１４との間に挟まれて保持されている。さらに光源光区画部２０７６の導光板２０３０，２０４０側端部が各外縁部２０３２，２０４２を挟むことによって、外縁部材２０７０が各導光板２０３０，２０４０を保持している。さらに、図２９に示すように、各導光板２０３０，２０４０の外縁部２０３２，２０４２の四隅には板厚方向ＴＤに貫通する貫通穴２０３４，２０４４が設けられており、背面ケース２０１２から視認側に突出する突出ピン２０１２ａが各貫通穴２０３４，２０４４を貫通して配置されていることで、各導光板２０３０，２０４０は位置決めされている。ここで導光板２０４０の貫通穴２０４４の径は、導光板２０３０の貫通穴２０３４の径よりも小さくなっており、突出ピン２０１２ａの径は、貫通穴２０４４を貫通する箇所の方が貫通穴２０３４を貫通する箇所よりも小さくなっている。このため、導光板２０３０，２０４０の背面ケース２０１２への組み付けを容易に行なうことができる。また、光源光区画部２０７６のエストラマの柔軟性により、車両の振動に応じて発生し得る導光板２０３０，２０４０とケース部２０１０との衝突音等の異音が抑制される。

　さらに各導光板２０３０，２０４０は、それぞれ、図３０～３３に示すように、反射部２０３６，２０４６を有している。反射部２０３６，２０４６は、対応する光源部２０５０，２０６０からの光源光を視認側へ反射するようになっている。

　背面側の導光板２０３０について代表して具体的に説明すると、反射部２０３６は、導光板２０３０の背面側から導光板２０３０の内部へ突出する複数の凹凸部２０３７を有している。各凹凸部２０３７の突出寸法は、１５μｍである。各凹凸部２０３７は、光源部２０５０を向く傾斜反射面２０３７ａと、当該傾斜反射面２０３７ａとは背中合わせに配置された傾斜壁面２０３７ｂを有している。傾斜反射面２０３７ａは、導光板２０３０の板厚方向ＴＤに対して４５°の角度をなすことにより、導光板２０３０内部を導光された光源光を視認側へ反射可能な平面状に形成されている。傾斜壁面２０３７ｂは、導光板２０３０の板厚方向ＴＤに対して５°以下の角度をなしており、平面状に形成されている。傾斜反射面２０３７ａ及び傾斜壁面２０３７ｂが延伸する方向ＥＤの寸法は７５μｍとなっている。

　また、傾斜反射面２０３７ａの側端部と傾斜壁面２０３７ｂの側端部との間には、傾斜側面２０３７ｃが設けられている。両側に設けられた各傾斜側面２０３７ｃは、導光板２０３０の板厚方向ＴＤに対して５°以下の角度をなしており、平面状に形成されている。

　こうした複数の凹凸部２０３７は、１つずつ、導光板２０３０の平坦部２０３８を介して離間して、所定の配列ピッチＰＥＤ，ＰＮＤで２次元方向ＥＤ，ＮＤに配列されている。具体的に、方向ＥＤの配列ピッチＰＥＤは、１５０μｍであり、当該方向ＥＤと直交する方向ＮＤの配列ピッチＰＮＤは、７５μｍとなっている。

　視認側の導光板２０４０における凹凸部２０４７、傾斜反射面２０４７ａ、傾斜壁面２０４７ｂ、傾斜側面２０４７ｃも導光板２０３０と同様の構成となっている。すなわち、複数の凹凸部２０４７も、１つずつ、導光板２０４０の平坦部２０４８を介して離間して、所定の配列ピッチＰＥＤ，ＮＥＤで２次元方向ＥＤ，ＮＤに配列されている。なお、凹凸部２０４７の詳細形状の図示は、図３１～３３と共通化して、括弧付き符号で表されている。

　各導光板２０３０，２０４０において、複数の凹凸部２０３７，２０４７の配置によって、図２６，３４に示すように、図柄が形成されている。図柄は、各導光板２０３０，２０４０において互いに異なるものとなっている。図２６では、導光板２０３０による反射部２０３６の凹凸部２０３７が配置されている領域が斜線のハッチングで図示されている。実際に、光源部２０５０，２０６０のうち光源部２０５０のみを点灯すると、導光板２０４０の反射部２０４６は殆ど視認されず、図２６のように視認されることとなる。光源部２０６０のみを点灯した場合も反射部２０３６は殆ど視認されない。図３４では、導光板２０４０による反射部２０４６の凹凸部２０４７の配置についても示されている。

　したがって、各導光板２０３０，２０４０において反射部２０３６，２０４６は、互いに少なくとも一部がずれた領域に配置されている。具体的に、背面側の導光板２０３０において、反射部２０３６は、周辺領域ＳＡに対応する領域に設けられる周辺反射部２０３６ａとなっている。視認側の導光板２０４０において、反射部２０４６は、表示領域ＤＡに対応する領域に設けられ、視認側に反射する光源光を表示部２０２０の表示に重畳させる表示重畳反射部２０４６ａとなっている。ここで本実施形態において、周辺領域ＳＡに対応する領域とは、周辺領域ＳＡと、表示板２０２１の垂直方向又は導光板２０３０，２０４０の板厚方向ＴＤに重なる導光板２０３０上の領域である。同様に、表示領域ＤＡに対応する領域とは、表示領域ＤＡと、表示板２０２１の垂直方向又は導光板２０３０，２０４０の板厚方向ＴＤに重なる導光板２０４０上の領域である。

　より詳細に、周辺反射部２０３６ａは、機械式表示部２０２２ａの周囲を全周に亘って縁取るように、円環状に配置されている。また、周辺反射部２０３６ａは、機械式表示部２０２２ｂの周囲を全周に亘って縁取るように、円環状に配置されている。また、周辺反射部２０３６ａは、画像表示部２０２７の周囲を全周に亘って縁取るように、矩形環状に配置されている。機械式表示部２０２２ａ又は２０２２ｂと画像表示部２０２７との近接箇所に対応する領域では、周辺反射部２０３６ａの縁取りは、互いにつながっている。

　表示重畳反射部２０４６ａは、周辺反射部２０３６ａに囲まれた領域のうち全域に配置されている。すなわち、機械式表示部２０２２ａ，２０２２ｂ及び画像表示部２０２７の表示領域ＤＡに対応して、３箇所に離散して配置されている。なお、図３４では、細かい傾斜ハッチングが反射部２０３６（すなわち周辺反射部２０３６ａ）の配置に対応し、粗い傾斜ハッチングが反射部２０４６（すなわち表示重畳反射部２０４６ａ）の配置に対応している。

　本実施形態によると、光源部２０５０，２０６０からの光源光を視認側へ反射する反射部２０３６，２０４６が設けられた導光板２０３０，２０４０は、互いに重畳配置されている。そして、各導光板２０３０，２０４０と個別に対応して対をなす複数の光源部２０５０，２０６０は、互いに異なる色の光源光を、対応する導光板２０３０，２０４０の外縁部２０３２，２０４２を介して内側へと光源光を入射させるようになっている。こうした光源部２０５０，２０６０が点灯及び消灯を切り替え可能に設けられることにより、各反射部２０３６，２０４６の反射により色又は図柄の変化又は組み合わせが実現されて、見栄えが向上するのである。

　また、本実施形態によると、各反射部２０３６，２０４６は、互いに少なくとも一部がずれた領域に配置されている。こうすると、各光源部２０５０，２０６０の点灯及び消灯の切り換えにより、反射位置を変えることができるので、見栄えが向上する。

　また、本実施形態によると、異なる光源部２０５０，２０６０に属する発光素子２０５２，２０６２同士は、互いに板厚方向ＴＤに重なって配置されている。例えば点灯する光源部２０５０又は２０６０を別の光源部２０６０又は２０５０に切り替える場合に、その前後において、導光板２０３０，２０４０上の輝度バランスが変化して視認され難いので、違和感を低減することができ、見栄えが向上する。

　また、本実施形態によると、導光板２０３０，２０４０の背面側から当該導光板２０３０，２０４０の内部へ突出する凹凸部２０３７，２０４７が図柄を形成する。こうした凹凸部２０３７，２０４７により、反射部２０３６，２０４６は、光源光を容易に視認側へ反射することができる。

　また、本実施形態によると、図柄が各導光板２０３０，２０４０において互いに異なるので、点灯する光源部２０５０，２０６０を切り替えることにより、異なる図柄を視認させることが可能となり、見栄えが向上する。

　また、本実施形態によると、ある導光板２０３０では、周辺反射部２０３６ａが表示部２０２０の周辺領域ＳＡに対応する領域に設けられ、他のある導光板２０４０では、表示重畳反射部２０４６ａが、表示領域ＤＡに対応する領域に設けられ、視認側に反射する光源光を表示部２０２０の表示に重畳させる。周辺反射部２０３６ａ及び表示重畳反射部２０４６ａがこのような表示部２０２０の領域配置に合わせてデザインされることにより、見栄えが高まる。

　本実施形態の変形例１としては、１つの導光板に、複数の光源部が対応した構成であってもよい。具体的に、図３５～４０の例では、車両用表示装置２２００は、図３６に示すように１つの導光板２２３０を有している。導光板２２３０は、本実施形態と同様に形成されている。

　ここで図３７に示すように、導光板用光源部２２５０，２２６０は、１つの導光板２２３０に対して２つ設けられている。各光源部２２５０，２２６０は、第１実施形態と同様に、複数の発光素子２２５２，２２６２を有し、光源部２２５０に属する各発光素子２２５２と光源部２２６０に属する各発光素子２２６２とは、互いに異なる色で発光するようになっている。異なる光源部２２５０，２２６０に属する発光素子２２５２，２２６２同士は、互いに板厚方向ＴＤに重なって配置されている。こうして発光素子２２５２，２２６２が光源部２２５０，２２６０毎に２列に配列されることで、発光素子２２５２と発光素子２２６２を交互に１列に配列した場合よりも、同じ光源部２２５０又は２２６０に属する発光素子２２５２又は２２６２同士の配列ピッチを狭めることができる。発光素子２２５２又は２２６２同士の配列ピッチを狭めることにより、反射部２２３６に反射される光源光の輝度ムラを減少させることができる。

　各外縁部材２２７０は、図３７～４０に示すように、平板状の導光板２２３０の外縁部２２３２と各発光素子２２５２，２２６２との間に配置されている。各外縁部材２２７０は、外縁導光部２２７２と遮光部２２７６とを、２色成形により一体的に有している。外縁導光部２２７２は、例えば透光性を有する合成樹脂により、光源光を導光可能に形成されている。外縁導光部２２７２は、１つの導光板２２３０と対向する板対向面２２７４、及び板厚方向ＴＤに重なる２つの発光素子２２５２，２２６２とそれぞれ個別に対向する２つの光源対向面２２７３ａ，２２７３ｂを有しており、各対向面２２７３ａ，２２７３ｂを接続する分岐が設けられた断面Ｙ字状を呈している。各光源対向面２２７３ａ，２２７３ｂ及び板対向面２２７４は、それぞれ滑らかな平面状に形成されている。

　こうした外縁導光部２２７２は、光源部２２５０，２２６０の光源光を光源対向面２２７３ａ，２２７３ｂに入射させ、板対向面２２７４から射出する。

　遮光部２２７６は、例えば遮光性を有するエストラマにより形成され、外縁導光部２２７２のうち対向面２２７３ａ，２２７３ｂ，２２７４を除く箇所を囲い込む筒状を呈している。これにより、発光素子２２５２，２２６２が発した光源光が、外縁導光部２２７２により導光される際、遮光部２２７６より外側に漏れ難くなる。遮光部２２７６は、板対向面２２７４よりも導光板２２３０側へ延伸している。

　また外縁部材２２７０は、背面ケース２０１２とウインドプレート２０１４との間に挟まれて保持されている。さらに遮光部２２７６の導光板２２３０側端部が導光板２２３０を挟むことによって、外縁部材２２７０が導光板２２３０を保持している。

　このような車両用表示装置２２００は、２つの光源部２２５０，２２６０のうち１つを点灯するように、点灯する光源部２２５０，２２６０を切り替え可能となっている。これにより、各光源部２２５０，２２６０に対応した異なる色（例えば赤又は青）により、反射部２２３６により視認される色を切り替えて視認させることができる。なお、２つの光源部２２５０，２２６０が両方同時に点灯可能に設けられていてもよい。

　変形例２としては、導光板２０３０，２０４０は、３つ以上設けられていてもよい。

　変形例３としては、各導光板２０３０，２０４０における反射部２０３６，２０４６は、全域が互いに重なった領域に配置されていてもよい。したがって、凹凸部２０３７，２０４７が形成する図柄は、各導光板２０３０，２０４０において同じであってもよい。

　変形例４としては、凹凸部２０３７，２０４７が形成する図柄として、任意の様々な図柄を採用することができる。

　変形例５としては、凹凸部２０３７，２０４７において傾斜反射面２０３７ａ，２０４７ａは、曲面状に形成されていてもよい。

　変形例６としては、異なる光源部２０５０，２０６０に属する発光素子２０５２，２０６２同士は、互いに板厚方向ＴＤに重なっていなくてもよく、例えばジグザグに配置されていてもよい。

　ここで、第６実施形態に基づく車両用表示装置の先行例である特開２０１６－１２１８９０号公報では、導光板が１つしか設けられていない。そして、反射部に応じた常に同じ図柄しか表示できない。したがって、装置の見栄えが十分とはいえなかった。

　これに対し、見栄えが良好な車両用表示装置を提供することを目的として、第６実施形態では、
　（１）車両の状態を表示する表示部（２０２０）を備える車両用表示装置は、
　透光性を有する板状に形成され、表示部よりも視認側において互いに重畳配置された複数の導光板（２０３０，２０４０）と、
　各導光板と個別に対応して対をなし、点灯及び消灯を切り替え可能に設けられると共に、対応する導光板の外縁部（２０３２，２０４２）を介して内側へと光源光を入射させる複数の光源部（２０５０，２０６０）と、を備え、
　各光源部は、互いに異なる色の光源光を発し、
　各導光板は、対応する光源部からの光源光を視認側へ反射する反射部（２０３６，２０４６）を有する。

　第６実施形態に基づく車両用表示装置の特徴は以上であるが、下位階層の特徴としては次のように列挙される。なお、上記の特徴との関連性を示すために「前記」を各構成に追加して説明する。

　（２）各前記導光板において各反射部は、互いに少なくとも一部がずれた領域に配置されている。

　（３）各前記光源部は、前記光源光を発する複数の発光素子（２０５２，２０６２）を有し、
　各前記導光板は、互いに板厚方向（ＴＤ）を合わせて配置され、
　異なる前記光源部に属する発光素子同士は、互いに前記板厚方向に重なって配置されている。

　（４）各前記導光板において前記反射部は、前記導光板の背面側から前記導光板の内部へ突出して図柄を形成する凹凸部（２０３７，２０４７）を有する。

　（５）前記図柄は、各前記導光板において互いに異なる。

　（６）前記表示部は、視認側に表示を行なう表示領域（ＤＡ）と、前記表示領域を囲む周辺領域（ＳＡ）と、を有し、
　前記複数の導光板のうち、少なくとも１つの前記導光板（２０３０）における前記反射部（２０３６）は、前記周辺領域に対応する領域に設けられる周辺反射部（２０３６ａ）であり、
　前記複数の導光板のうち、前記周辺反射部が設けられた前記導光板とは別の少なくとも１つの前記導光板（２０４０）における前記反射部（２０４６）は、前記表示領域に対応する領域に設けられ、視認側に反射する前記光源光を前記表示部の表示に重畳させる表示重畳反射部（２０４６ａ）である。

　これによると、光源部からの光源光を視認側へ反射する反射部が設けられた導光板は、互いに重畳配置されている。そして、各導光板と個別に対応して対をなす複数の光源部は、互いに異なる色の光源光を、対応する導光板の外縁部を介して内側へと光源光を入射させるようになっている。こうした光源部が点灯及び消灯を切り替え可能に設けられることにより、各反射部の反射により色又は図柄の変化又は組み合わせが実現されて、見栄えが向上する。

　（第７実施形態）
　第７実施形態における車両用表示装置３１００は、車両に搭載され、当該装置３１００を視認する乗員が着座する座席と対向するインストルメントパネルに設置されている。図４１に示すように、車両用表示装置３１００は、乗員が位置することとなる視認側へ向けて車両の状態を表示可能となっている。

　このような車両用表示装置３１００は、図４２にも示すように、ケース部３０１０、表示本体部３０２０、発光板３０３０、発光板用光源部３０５０、及び複数の外縁部材３０７０を備えている。

　ケース部３０１０は、背面ケース３０１２、ウインドプレート３０１４、及び透光板３０１６を有している。背面ケース３０１２は、例えば遮光性を有する合成樹脂により形成され、表示本体部３０２０を背面側から覆っている。ウインドプレート３０１４は、例えば遮光性を有する合成樹脂により形成され、表示本体部３０２０の外周輪郭に沿って視認側及び背面側に開口部を有する筒状に形成されている。透光板３０１６は、例えば着色されたアクリル樹脂等の半透光性樹脂により、ウインドプレート３０１４の視認側開口部を塞ぐ板状に形成されている。これにより、発光板３０３０は透光板３０１６に視認側から覆われている。本実施形態の透光板３０１６は、スモーク調の着色により、透過率が３０％程度に設定されているが、３０％以上の任意の値に設定されていてもよい。

　表示本体部３０２０は、表示板３０２１を用いて、車両の状態を表示する。表示板３０２１は、一般的に文字板とも呼ばれており、背面ケース３０１２と発光板３０３０との間に配置されている。表示板３０２１は、例えば透光性を有する合成樹脂からなる基材の表面に、半透光性又は遮光性の印刷が部分的に施されて、平板状に形成されている。なお、印刷に代えて、塗装が施されていてもよい。

　表示本体部３０２０は、複数の機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂ、及び画像表示部３０２７を有している。特に本実施形態では、画像表示部３０２７が２つの機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂに左右に挟まれた配置となっている。

　ここで、２つの機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂは互いに同様の構成となっている。各機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂは、指針３０２４を用いて車両の状態を表示する。各機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂは、ステッピングモータ３０２３、指針３０２４、指針用光源部３０２５、指標３０２１ａ、及び指標用照明部３０２６を有している。ステッピングモータ３０２３は、背面ケース３０１２と表示板３０２１との間に、すなわち表示板３０２１よりも背面側に配置されたメイン回路基板３０１８に保持されている。

　指針３０２４は、連結部３０２４ａ及び指示部３０２４ｂを一体的に有している。連結部３０２４ａは、表示板３０２１に開けられた貫通穴３０２１ｄを通して配置されており、ステッピングモータ３０２３の回転軸３０２３ａと連結されている。指示部３０２４ｂは、表示板３０２１と発光板３０３０との間に、すなわち表示板３０２１よりも視認側に配置されており、針状を呈している。指針３０２４は、ステッピングモータ３０２３の出力に応じて回動するようになっている。

　指針用光源部３０２５は、貫通穴３０２１ｄより背面側のメイン回路基板３０１８上に配置された複数の発光素子３０２５ａを有している。特に本実施形態において発光素子３０２５ａは、発光ダイオードであり、制御回路を通じて電源と接続されることで発光する。指針用光源部３０２５の光が背面側から指針３０２４を照明することで、指針３０２４が発光するようになっている。

　指標３０２１ａは、表示板３０２１上に配置され、貫通穴３０２１ｄを中心とした部分円環状に配置されている。詳細に、指標３０２１ａは、目盛及び数字を含んでいる。目盛は、一定間隔で配列されている。数字は、目盛のうち一部に対応して設けられ、対応する目盛よりも内周側に配置されている。これら目盛及び数字は、遮光性の印刷に囲まれて、半透光性の印刷が施されることにより輪郭を構成している。

　指標用照明部３０２６は、指針用光源部３０２５より外周側かつ指標３０２１ａの背面側に配置された複数の発光素子を有している。発光素子により指標用照明部３０２６が背面側から指標３０２１ａを照明することで、指標３０２１ａが発光するようになっている。

　こうした指標３０２１ａを指針３０２４が指示することにより、各機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂは、それぞれ指針３０２４を用いて車両の状態を表示する。なお、本実施形態において、左側の機械式表示部３０２２ａは、車両の状態として、車速を表示するようになっている。右側の機械式表示部３０２２ｂは、車両の状態として、エンジン回転数を表示するようになっている。

　したがって、各機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂにおいて、円環状の指標３０２１ａから内周側の円状領域が実質的に各機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂの可視範囲を構成していることとなる。

　画像表示部３０２７は、機械式表示部３０２２ａの隣かつ機械式表示部３０２２ｂの隣に配置され、画像を表示する。画像表示部３０２７は、表示板３０２１よりも背面側に、表示板３０２１と近接して配置された液晶表示器３０２８を有している。本実施形態の液晶表示器３０２８には、薄膜トランジスタ（Thin Film Transistor、ＴＦＴ）を用いた液晶パネルであって、２次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルが採用されている。液晶表示器３０２８は、視認側に画像を表示する矩形状の液晶表示面３０２８ａを有している。

　さらに表示板３０２１において液晶表示面３０２８ａと重なる箇所には、印刷が施されないことで透光性を有する表示板透光部３０２１ｃが液晶表示面３０２８ａよりも僅かに小さなサイズで配置されている。表示板透光部３０２１ｃの周囲は、印刷が施されることで遮光性を有する矩形状の表示枠３０２１ｂに囲まれている。したがって、液晶表示面３０２８ａに表示された画像の光は、表示板透光部３０２１ｃと表示枠３０２１ｂとの境界線ＰＬより内側であって、表示板透光部３０２１ｃと重なる部分のみ視認側へ透過して視認され得る。すなわち、液晶表示面３０２８ａのうち表示板透光部３０２１ｃと重なる部分が表示露出面３０２８ｂとして、光学的に露出することで画像を視認側へ向けて表示することとなる。本実施形態では、この表示枠３０２１ｂに囲まれた表示露出面３０２８ｂが実質的に画像表示部３０２７の可視範囲を構成している。

　発光板３０３０は、図４２に示すように、例えば透光性を有する合成樹脂により、平板状に形成されている。発光板３０３０は、機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂ及び画像表示部３０２７よりも視認側に配置され、表示板３０２１と実質平行に設けられている。発光板３０３０は、視認側へ向けて発光可能に形成された発光領域ＥＡを有している。

　発光板用光源部３０５０は、光源光を発する複数の発光素子３０５２を有している。特に本実施形態において発光素子３０５２は、発光ダイオードであり、制御回路を通じて電源と接続されることで発光する。各発光素子３０５２は、点灯又は消灯を切り替え可能に設けられている。各発光素子３０５２は、互いに同じ色で発光するようになっている。そして光源部３０５０は、各発光素子３０５２により、発光板３０３０の外縁部３０３２を介して、光源光を発光板３０３０に入射させる。本実施形態において、発光板３０３０よりも外周には、全周を囲むように複数の光源用基板３０１９が配置されている。各発光素子３０５２は、この光源用基板３０１９上に、発光板３０３０の外縁部３０３２を全周に囲むように配置されている。

　各外縁部材３０７０は、平板状の発光板３０３０の外縁部３０３２と各発光素子３０５２との間に配置されている。各外縁部材３０７０は、外縁導光部３０７２と遮光部３０７６とを、２色成形により一体的に有している。外縁導光部３０７２は、例えば透光性を有する合成樹脂により、光源光を導光可能に形成されている。図４３に示すように、外縁導光部３０７２は、発光板３０３０の外縁部３０３２と対向する板対向面３０７４、及び発光素子３０５２と対向する光源対向面３０７３を有している。光源対向面３０７３及び板対向面３０７４は、それぞれ滑らかな平面状に形成されている。

　遮光部３０７６は、例えば遮光性を有するエストラマにより形成され、外縁導光部３０７２のうち対向面３０７３，３０７４を除く箇所を囲い込む筒状を呈している。これにより、発光素子３０５２が発した光源光が、外縁導光部３０７２に導光される際、遮光部３０７６より外側に漏れ難くなる。遮光部３０７６は、板対向面３０７４よりも発光板３０３０側へ延伸している。

　また外縁部材３０７０は、背面ケース３０１２とウインドプレート３０１４との間に挟まれて保持されている。さらに遮光部３０７６の発光板側端部が発光板３０３０を挟むことによって、外縁部材３０７０が発光板３０３０を保持している。遮光部３０７６のエストラマの柔軟性により、車両の振動に応じて発生し得る発光板３０３０とケース部３０１０との衝突音等の異音が抑制される。

　発光板３０３０は、発光領域ＥＡにおいて反射部３０３６を有している。反射部３０３６には、発光板３０３０の背面側表面から内部に凹んで形成された凹状の傾斜面３０３７ａが設けられている。光源部３０５０から導光された光源光を、反射部３０３６の傾斜面３０３７ａが視認側へ反射することにより、発光板３０３０は発光するようになっている。

　より詳細に反射部３０３６は、図４４～４７に示すように、発光板３０３０の背面側から発光板３０３０の内部に突出する複数の反射素子３０３７を有している。各反射素子３０３７の突出寸法は、１５μｍである。傾斜面３０３７ａは、こうした各反射素子３０３７に、それぞれ１つずつ設けられている。傾斜面３０３７ａは、発光板３０３０の板厚方向ＴＤに対して、４５°の角度をなすことにより、発光板３０３０内部を導光された光源光を視認側へ反射可能な平面状に形成されている。なお、本実施形態の板厚方向ＴＤは、発光板３０３０の最も面積の大きな表面の法線方向に実質一致している。

　また、各反射素子３０３７には、傾斜面３０３７ａとは背中合わせに設けられた傾斜壁面３０３７ｂが設けられている。傾斜壁面３０３７ｂは、発光板３０３０の板厚方向ＴＤに対して５°以下の角度をなしており、平面状に形成されている。各反射素子３０３７において、傾斜面３０３７ａ及び傾斜壁面３０３７ｂが延伸する方向の寸法は７５μｍとなっている。

　また、傾斜面３０３７ａの側端部と傾斜壁面３０３７ｂの側端部との間には、傾斜側面３０３７ｃが設けられている。両側に設けられた各傾斜側面３０３７ｃは、発光板３０３０の板厚方向ＴＤに対して５°以下の角度をなしており、平面状に形成されている。

　こうした複数の反射素子３０３７は、１つずつ、発光板３０３０の平坦部３０３８を介して離間して、所定の配列ピッチＰＥＤ，ＰＮＤで２次元方向に配列されている。具体的に、方向ＥＤの配列ピッチＰＥＤは、１５０μｍであり、当該方向ＥＤと直交する方向ＮＤの配列ピッチＰＮＤは、７５μｍとなっている。

　本実施形態の複数の反射素子３０３７は、こうしたピッチ設定により発光領域ＥＡ内に所定かつ一定の密度で配置されることにより、反射部３０３６を形成している。

　図４８に示すように、発光板３０３０において、複数の反射素子３０３７が反射部３０３６として発光領域ＥＡに設けられることで、図柄が形成されている。こうした発光板３０３０において発光領域ＥＡは、機械式表示部３０２２ａの可視範囲と画像表示部３０２７の可視範囲との境界部分ＰＡに対応する領域を含んで設けられている。さらに発光領域ＥＡは、機械式表示部３０２２ｂの可視範囲と画像表示部３０２７の可視範囲との境界部分ＰＡに対応する領域を含んで設けられている。ここで、境界部分ＰＡに対応する領域とは、当該境界部分ＰＡと、表示板３０２１の垂直方向又は発光板３０３０の板厚方向ＴＤに重なる発光板３０３０上の領域である。

　より詳細に、本実施形態における発光領域ＥＡは、機械式表示部３０２２ａの可視範囲、機械式表示部３０２２ｂの可視範囲及び画像表示部３０２７の可視範囲にそれぞれ対応して設けられている。発光領域ＥＡのうち機械式表示部３０２２ａに対応する部分ＥＡ１は、機械式表示部３０２２ａの可視範囲の周囲を全周に亘って縁取るように、円環状に設けられている。発光領域ＥＡのうち機械式表示部３０２２ｂに対応する部分ＥＡ２は、機械式表示部３０２２ｂの可視範囲の周囲を全周に亘って縁取るように、円環状に設けられている。

　発光領域ＥＡのうち画像表示部３０２７に対応する部分ＥＡ３は、画像表示部３０２７の可視範囲の周囲を全周に亘って縁取るように、矩形環状に設けられている。ここで当該部分ＥＡ３は、境界線ＰＬを全周に亘って跨ぐように設けられている。

　機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂの可視範囲と画像表示部３０２７の可視範囲との境界部分ＰＡのうち、機械式表示部３０２２ａと画像表示部３０２７が近接している箇所に対応する領域では、発光領域ＥＡが全域に設けられており、発光領域ＥＡの各部分ＥＡ１とＥＡ３又はＥＡ２とＥＡ３は、互いにつながっている。

　こうした発光領域ＥＡは、光源部３０５０が点灯されているときには、発光して明るく視認されるが、光源部３０５０が消灯しているときには、反射素子３０３７のサイズ及び密度の設定により、視認側からは殆ど視認されない。なお、図４１，４８では、発光領域ＥＡの範囲が斜線のハッチングにより示されている。

　第７実施形態によると、機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂの可視範囲と画像表示部３０２７の可視範囲との境界部分ＰＡと重なる領域を含むように、発光領域ＥＡが設けられる。この発光領域ＥＡは視認側へ向けて発光可能に形成されているので、当該境界部分ＰＡが暗く視認されることを抑制することができる。

　より詳細に、この発光領域ＥＡは、機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂ及び画像表示部３０２７よりも視認側に配置された発光板３０３０に形成される。したがって、発光領域ＥＡが機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂの構造及び画像表示部３０２７の構造と機械的に干渉することが回避される。さらには、発光板３０３０の透光性により機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂ及び画像表示部３０２７の表示の視認が遮られることも回避できる。以上により、見栄えが良好な車両用表示装置３１００を提供することができる。

　また、第７実施形態によると、発光板３０３０は、発光領域ＥＡにおいて、発光板３０３０に凹状の傾斜面３０３７ａが設けられることにより、導光された光源光を視認側へ反射する反射部３０３６を有する。こうした傾斜面３０３７ａでの反射により発光領域ＥＡでの発光が実現される構成では、光源部３０５０を消灯した場合に、傾斜面３０３７ａが視認され難くなり、発光領域ＥＡの存在を認識され難くできるので、見栄えが向上する。

　また、第７実施形態によると、画像表示部３０２７は、画像表示部３０２７の可視範囲を構成し、光学的に露出することで画像を視認側へ向けて表示する表示露出面３０２８ｂと、表示露出面３０２８ｂを囲み、遮光性を有する表示枠３０２１ｂと、を有し、発光領域ＥＡは、表示露出面３０２８ｂと表示枠３０２１ｂとの境界線ＰＬを全周に亘って跨いで設けられる。こうした発光領域ＥＡの領域設定では、画像表示部３０２７の可視範囲における外周輪郭を、視認者に認識され難くすることができる。したがって、画像表示部３０２７を実際の大きさよりも大きく認識させることが可能となり、見栄えが向上する。

　（第８実施形態）
　図４９～５３に示すように、第８実施形態は第７実施形態の変形例である。第８実施形態について、第７実施形態とは異なる点を中心に説明する。

　第８実施形態の車両用表示装置３２００において、発光板３２３０は、図４９に示すように、分割された複数の部位３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃにより、１枚の平板状に形成されている。本実施形態において部位３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃは、機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂ及び画像表示部２７の総数に対応して合計３つ設けられている。部位３２３０ａは、発光板３２３０のうち、機械式表示部２２ａの可視範囲に対応する領域を全て含んで配置されている。部位３２３０ｂは、発光板３２３０のうち、機械式表示部２２ｂの可視範囲に対応する領域を全て含んで配置されている。部位３２３０ｃは、発光板３２３０のうち、画像表示部３０２７の可視範囲に対応する領域を全て含んで配置されている。

　図５０～５２に示すように、複数の部位３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃは、接合部３２４０にて互いに接合された状態となっている。具体的に、部位３２３０ａと部位３２３０ｃとの間、及び部位３２３０ｂと部位３２３０ｃとの間に接合部３２４０が設けられている。各接合部３２４０では、画像表示部２７に対応する部位３２３０ｃから発光板３２３０の視認側表面に沿って突出する突起３２４１と、機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂに対応する部位３２３０ａ，３２３０ｂから発光板３２３０の背面側表面に沿って突出する突起３２４２とが組み合わされた継手構造が形成されている。そして、部位３２３０ｃと部位３２３０ａ又は３２３０ｂとは、予め接合界面３２４３を紫外線により光酸化処理し、加圧した状態で、超短パルスレーザ光を照射することにより、接合されている。こうした接合方法による接合部３２４０は、乗員により視認側から接合界面３２４３が視認されることを困難としつつも、隣接する部位３２３０ａ及び３２３０ｃ，３２３０ｂ及び３２３０ｃ間での光源光の透過往来を規制可能な状態となる。

　図４９，５３に示すように、発光板３２３０において発光領域ＥＡは、第７実施形態と同様に、機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂの可視範囲と画像表示部３０２７の可視範囲との境界部分ＰＡに対応する領域を含んで設けられている。ただし第８実施形態の発光領域ＥＡは、各接合部３２４０を挟んで離間して、各部位３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃに設けられている。具体的に、発光領域ＥＡのうち機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂに対応する部分ＥＡ１は、機械式表示部３０２２ａの可視範囲の周囲を全周に亘って縁取るように、部位３２３０ａにて円環状に設けられているが、当該部分ＥＡ１の外周輪郭は八角形状となっている。発光領域ＥＡのうち機械式表示部３０２２ｂに対応する部分は、機械式表示部３０２２ｂの可視範囲の周囲を全周に亘って縁取るように、部位３２３０ｂにて円環状に設けられているが、当該部分ＥＡ２の外周輪郭は八角形状となっている。

　発光領域ＥＡのうち画像表示部３０２７に対応する部分ＥＡ３は、画像表示部３０２７の可視範囲の周囲を全周に亘って縁取るように、部位３２３０ｃにて矩形環状に設けられている。ここで各接合部３２４０は、当該部分ＥＡ３のうち機械式表示部２２ａ，２２ｂに対応する部分ＥＡ１，ＥＡ３と近接する辺に沿って延伸する直線状に設けられている。

　こうした発光板３２３０に対して、第８実施形態の光源部３２５０は、発光素子３２５２ａ，３２５２ｂ，３２５２ｃを光源用基板３０１９上に、各部位３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃに対応して、発光板３２３０の外縁部３２３２を全周に囲むように配置している。ただし、部位３２３０ａ及び３２３０ｂに対応する発光素子３２５２ａ，３２５２ｂと部位３２３０ｃに対応する発光素子３２５２ｃとが異なる色で発光することにより、光源部３２５０は、隣接する部位３２３０ａ及び３２３０ｃ，３２３０ｂ及び３２３０ｃ間で互いに異なる色の光源光を入射させるようになっている。

　したがって、発光領域ＥＡは、部位３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃ毎に異なる色で発光可能となる。各部位３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃが各表示部３０２２ａ，３０２２ｂ，３０２７に対応して分割されているので、各表示部３０２２ａ，３０２２ｂ，３０２７に合わせた色で発光領域ＥＡを発光させることが可能となる。例えば、部位３２３０ａ，ｂを青色で発光するようにし、部位３２３０ｃを赤色に発光するようにしてもよい。そして、部位３２３０ｃは、通常時は発光せず、警報を表示する際に、赤色に発光するようにしてもよい。

　第８実施形態によると、発光板３２３０は、複数の部位３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃが接合部３２４０にて互いに接合された状態で、接合部３２４０が隣接する部位３２３０ａ及び３２３０ｃ又は３２３０ｂ及び３２３０ｃ間の光源光の透過往来を規制するように、１枚の板状に形成されている。そして、光源部３２５０は、隣接する部位３２３０ａ及び３２３０ｃ又は３２３０ｂ及び３２３０ｃ間で互いに異なる色の光源光を入射させる。こうすると、１枚の発光板３２３０で部位３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃ毎に異なる色の発光を実現可能となるので、見栄えが向上する。

　（第９実施形態）
　図５４～５７に示すように、第９実施形態は第７実施形態の変形例である。第９実施形態について、第７実施形態とは異なる点を中心に説明する。

　第９実施形態の車両用表示装置３３００において、発光板３３３０は、図５５に示すように、内部が平板状となっているのに対し、外縁部３３３２が湾曲した形状となっている。より詳細に、第９実施形態の発光板３３３０の外縁部３３３２は全周に亘って屈曲導光部３３３３を有している。

　屈曲導光部３３３３は、図５６に示すように、屈曲した屈曲経路ＷＰを形成し、光源光を当該屈曲経路ＷＰを通じて発光領域ＥＡへ向けて導光するようになっている。屈曲導光部３３３３は、内部から光源部５０側へ向かうに従って視認側へ湾曲して形成されており、平面状の内部に対して９０°程度曲がった箇所に外縁部材３３７０と対向する外縁対向面３３３３ａが設けられている。

　第９実施形態における発光領域ＥＡは、図５４，５７に示すように、発光板３３３０のうち機械式表示部２２ａ，２２ｂの可視範囲に対応する領域及び画像表示部２７の可視範囲に対応する領域を除く略全域に設定されており、屈曲導光部３３３３にも設定されている。ここで第９実施形態の発光領域ＥＡは、当該発光領域ＥＡを実現する反射部３０３６において、反射素子３０３７の密度がグラデーション状に変化する密度変化領域ＥＡＧを有している。具体的に、反射素子３０３７の密度は、平面状の内部における発光領域ＥＡにおいて屈曲導光部３３３３よりも低く設定されており、屈曲導光部３３３３における発光領域ＥＡが密度変化領域ＥＡＧとなっている。具体的に、屈曲導光部３３３３では、内部から光源部３０５０側へ向かうに従って、反射素子３０３７の密度が増大している。

　図５６に示すように、第９実施形態の外縁部材３３７０は、第７実施形態と同様に、外縁導光部３３７２と遮光部３３７６とを、２色成形により一体的に有しているが、第９実施形態の外縁導光部３３７２は、断面Ｌ字状に屈曲している。外縁導光部３３７２におけるＬ字の側面が光源対向面３３７３となっており、光源部３０５０の発光素子３０５２は、光源対向面３３７３のうち背面側の端部３３７３ａと対向している。外縁導光部３３７２において光源光の入射箇所及び屈曲箇所のそれぞれには反射面３３７２ａ，３３７２ｂが設けられており、光源光は反射面３３７２ａ，３３７２ｂに順次反射されて、光源部３０５０及び発光板３３３０の内部よりも視認側に位置する板対向面３３７４まで導光されるようになっている。光源光は、外縁導光部３３７２から板対向面３３７４を介して射出され、外縁対向面３３３３ａを介して発光板３３３０の屈曲導光部３３３３へ入射する。

　光源光が屈曲経路ＷＰを通るにあたって、屈曲導光部３３３３のうち視認側の表面３３３３ｂは、滑らかに形成されている。このため、屈曲経路ＷＰにおける光源光は視認側の表面３３３３ｂに反射されつつ、屈曲導光部３３３３のうち背面側の表面３３３３ｃに達する一部は反射素子３０３７により視認側へ反射され、反射素子３０３７に反射されなかった他部は、内部の発光領域ＥＡへと導光される。

　第９実施形態によると、発光領域ＥＡは、反射素子３０３７の密度がグラデーション状に変化する密度変化領域ＥＡＧを有する。密度変化領域ＥＡＧでは、反射素子３０３７の密度に応じて発光輝度がグラデーション状に変化することとなるので、視認者に立体感を感じさせることが可能となり、見栄えが向上する。

　また、第９実施形態によると、外縁部３３３２は、屈曲した屈曲経路ＷＰを形成し、光源光を屈曲経路ＷＰを通じて発光領域ＥＡへ向けて導光する屈曲導光部３３３３を有する。光源光が屈曲経路ＷＰを通じて導光されるので、発光領域ＥＡまでの距離を稼ぐことができ、光源光の輝度が当該発光領域ＥＡに到達するまでに均一化されるので、輝度むらが抑制され、見栄えが向上する。

　また、第９実施形態によると、機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂの可視範囲と画像表示部３０２７の可視範囲との境界部分ＰＡを含むデッドスペース全体が発光することとなり、全体的に明るくなることで見栄えが向上する。

　第７～９実施形態の変形例１としては、機械式表示部２２ａ，２２ｂは、１つ又は３つ以上であってもよい。同様に、画像表示部２７は、２つ以上であってもよい。

　変形例２としては、発光領域ＥＡは、機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂのうち少なくとも１つの機械式表示部の可視範囲と、画像表示部３０２７の可視範囲（画像表示部３０２７が複数の場合には、画像表示部３０２７のうち少なくとも１つの画像表示部３０２７の可視範囲）との境界部分ＰＡに対応する領域を含んで設けられていればよい。より具体的に、発光領域ＥＡは、各表示部３０２２ａ，３０２２ｂ，３０２７を全周に亘って縁取るように設けられていなくてもよく、例えば、隣接する表示部３０２２ａ及び３０２７，３０２２ｂ及び３０２７同士が最も近接する箇所に対応する領域のみに設けられていてもよい。

　変形例３としては、反射部３０３６において傾斜面３０３７ａは、曲面状に形成されていてもよい。

　変形例４としては、車両用表示装置３１００は、機械式表示部３０２２ａ，３０２２ｂ及び画像表示部３０２７よりも視認側に、複数の発光板３０３０を互いに重畳配置していてもよい。こうした複数の発光板３０３０の図柄を互いに異なるものとし、各発光板３０３０に対応する光源部３０５０の点灯又は消灯を切り替えることにより、異なる図柄が視認されるようにしてもよい。

　変形例５としては、発光板３０３０は、光源部３０５０からの光源光を反射部３０３６が視認側へ反射することにより、発光するものに限られない。例えば、発光板３０３０に発光素子を埋設して、当該発光素子が発光する構成が採用されてもよい。

　ここで、第７～９実施形態に基づく車両用表示装置の先行例である特開２０１６－１３８１３号公報では、車両用表示装置において、機械式表示部の可視範囲の周囲には、機械式表示部のための構造を配置する必要があり、また、画像表示部の可視範囲の周囲にも、画像表示部のための構造を配置する必要がある。例えばこうした構造により、機械式表示部の可視範囲と画像表示部の可視範囲との間（すなわち境界部分）には、表示を行なえない無表示範囲が生じ得る。このような無表示範囲は概して暗くなる傾向があり、境界部分における当該無表示範囲の存在により、車両用表示装置の見栄えが悪いものとなっていた。

　これに対し、見栄えが良好な車両用表示装置を提供することを目的として、第７～９実施形態において、
　（１）車両の状態を表示する車両用表示装置は、
　指針（３０２４）を用いて状態を表示する機械式表示部（３０２２ａ，３０２２ｂ）と、
　機械式表示部の隣に配置され、画像を表示する画像表示部（３０２７）と、
　機械式表示部及び画像表示部よりも視認側に配置され、透光性を有する板状に形成された発光板（３０３０，３２３０，３３３０）と、を備え、
　発光板は、視認側へ向けて発光可能に形成された発光領域（ＥＡ）を有し、
　発光領域は、機械式表示部の可視範囲と画像表示部の可視範囲との境界部分（ＰＡ）に対応する領域を含んで設けられる。

　第７～９実施形態に基づく車両用表示装置の特徴は以上であるが、下位階層の特徴としては次のように列挙される。なお、上記の特徴との関連性を示すために「前記」を各構成に追加して説明する。

　（２）車両用表示装置は、前記発光領域へ導光される光源光を、前記発光板の外縁部（３０３２，３２３２，３３３２）を介して前記発光板に入射させる光源部（３０５０，３２５０）をさらに備え、
　前記発光板は、前記発光領域において、前記発光板に凹状の傾斜面（３０３７ａ）が設けられることにより、導光された前記光源光を視認側へ反射する反射部（３０３６）を有する。

　（３）前記発光領域における前記反射部は、前記傾斜面を有する複数の反射素子（３０３７）を、所定の密度で配置することにより形成され、
　前記発光領域は、前記所定の密度がグラデーション状に変化する密度変化領域（ＥＡＧ）を有する。

　（４）前記外縁部は、屈曲した屈曲経路（ＷＰ）を形成し、前記光源光を前記屈曲経路を通じて前記発光領域へ向けて導光する屈曲導光部（３３３３）を有する。

　（５）前記発光板は、複数の部位（３２３０ａ，３２３０ｂ，３２３０ｃ）が接合部（３２４０）にて互いに接合された状態で、前記接合部が隣接する前記部位間の前記光源光の透過往来を規制するように、１枚の板状に形成され、
　前記光源部は、隣接する前記部位間で互いに異なる色の前記光源光を入射させる。

　（６）前記画像表示部は、
　前記画像表示部の可視範囲を構成し、光学的に露出することで前記画像を視認側へ向けて表示する表示露出面（３０２８ｂ）と、
　前記表示露出面を囲み、遮光性を有する表示枠（３０２１ｂ）と、を有し、
　前記発光領域は、前記表示露出面と前記表示枠との境界線（ＰＬ）を全周に亘って跨いで設けられる。

　（７）前記発光領域は、前記発光板のうち、前記機械式表示部の可視範囲及び前記画像表示部の可視範囲に対応する領域以外の全域に設けられる。

　これによると、機械式表示部の可視範囲と画像表示部の可視範囲との境界部分と重なる領域を含むように、発光領域が設けられる。この発光領域は視認側へ向けて発光可能に形成されているので、当該境界部分が暗く視認されることを抑制することができる。

　より詳細に、この発光領域は、機械式表示部及び画像表示部よりも視認側に配置された発光板に形成される。したがって、発光領域が機械式表示部の構造及び画像表示部の構造と機械的に干渉することが回避される。さらには、発光板の透光性により機械式表示部及び画像表示部の表示の視認が遮られることも回避できる。以上により、見栄えが良好な車両用表示装置を提供することができる。

　（第１０実施形態）
　図５８に示す第１０実施形態による表示装置４１００は、車両に搭載されており、車両用のコンビネーションメータとして機能する。表示装置４１００は、図５８に示す正面側の表示領域４０１０ａを運転席へ向けた姿勢にて、インスツルメントパネル等に取り付けられている。表示装置４１００は、車両に関する種々の情報を表示領域４０１０ａに表示する。

　表示領域４０１０ａには、スピードメータ表示部４０１１及びタコメータ表示部４０１２といった指針表示部、マルチ表示部４０１３、並びに発光意匠表示部４０１４等が設けられている。スピードメータ表示部４０１１及びタコメータ表示部４０１２は、回転する各指針４０３３によって情報を表示する。マルチ表示部４０１３は、表示領域４０１０ａの中央に位置し、主に液晶表示器４０２０の表示画面４０２１に描画される種々の画像ＰＩによって情報を表示する。発光意匠表示部４０１４は、マルチ表示部４０１３の表示画面４０２１の画像ＰＩに重畳される発光意匠ＬＰを表示する。

　図５８及び図５９に示すように、表示装置４１００は、液晶表示器４０２０、二つの指針表示器４０３０、透過表示器４０４０、筐体４０５０、及び回路基板４０５７等によって構成されている。

　液晶表示器４０２０は、筐体４０５０の中央に保持された大型のＴＦＴ（Thin Film Transistor）液晶ディスプレイである。液晶表示器４０２０は、バックライト４０２３及び画像表示パネル４０２４等を重ねることにより、全体として矩形の平板状に形成されている。以下の説明では、液晶表示器４０２０の表示画面４０２１が向けられた方向であって、表示画面４０２１に対して実質的に直交する仮想軸線に沿った方向を、表示方向ＳＤとする。また、表示方向ＳＤと反対の方向を背面方向ＢＤとする。さらに、表示画面４０２１の長手方向であって車両の幅方向に沿う方向を水平方向ＨＤとする。

　バックライト４０２３は、液晶光源４０２５（図６０参照）及び拡散板を含む構成である。バックライト４０２３は、液晶光源４０２５から放出された光を拡散板で拡散させつつ、画像表示パネル４０２４の背面側に入射させる。バックライト４０２３は、画像表示パネル４０２４を透過照明する。画像表示パネル４０２４は、表示画面４０２１を形成している。表示画面４０２１には、多数の画素が二次元状に配列されている。画像表示パネル４０２４は、各画素に設けられた赤色、緑色、及び青色等のサブ画素の光の透過率を制御することにより、表示画面４０２１に種々の画像ＰＩをカラー表示する。

　二つの指針表示器４０３０は、液晶表示器４０２０の水平方向ＨＤの両側に一つずつ配置されている。各指針表示器４０３０は、指針駆動モータ４０３１、指針表示光源４０３２、指針４０３３、及び文字板４０３４等によって構成されている。指針駆動モータ４０３１及び指針表示光源４０３２は、後述する表示制御回路４０６０（図６０も参照）と電気的に接続されている。指針駆動モータ４０３１は、表示制御回路４０６０から出力される制御信号に基づいて指針４０３３を回転させる。指針表示光源４０３２は、表示制御回路４０６０から出力される制御信号に基づいて、文字板４０３４に形成された目盛、数字、文字、及びアイコン等の意匠、並びに指針４０３３を発光させる光を放出する。

　透過表示器４０４０は、アクリル導光板４０４１及び複数の透光表示光源４０４３等によって構成されている。透過表示器４０４０は、各透光表示光源４０４３から放射される照明光により、表示画面４０２１の画像ＰＩと立体的に組み合わされる発光意匠ＬＰを、アクリル導光板４０４１に設けられた発光意匠表示部４０１４に表示させる。

　アクリル導光板４０４１は、アクリル樹脂等の無色透明の樹脂材料によって矩形の平板状に形成されている。アクリル導光板４０４１は、板厚方向に高い光の透過性を有している。アクリル導光板４０４１は、表示画面４０２１の表示方向ＳＤに位置している。アクリル導光板４０４１の長手方向は、表示装置４１００の水平方向ＨＤに沿っている。アクリル導光板４０４１は、表示画面４０２１に平面方向を沿わせた姿勢にて、表示画面４０２１から表示方向ＳＤに１０～１５ｍｍ程度離れた位置で筐体４０５０に保持されている。アクリル導光板４０４１は、マルチ表示部４０１３の表示画面４０２１及び各指針表示部の指針４０３３を全面的に覆っている。アクリル導光板４０４１には、図６１及び図６２に示すような入射端面４０４１ｅ及び複数の形成範囲４０４２が設けられている。

　入射端面４０４１ｅは、アクリル導光板４０４１の四つの端面のうちで、車両に設置された姿勢にて下方を向く下側端面に形成されている。入射端面４０４１ｅは、水平方向ＨＤに沿って帯状に延伸する形状であり、平面状に形成されている。入射端面４０４１ｅは、複数の透光表示光源４０４３が実装された光源基板４０４４と対向している。入射端面４０４１ｅは、複数の透光表示光源４０４３から放出された光を、アクリル導光板４０４１の内部に入射させる。

　形成範囲４０４２は、アクリル導光板４０４１の両面のうち、背面方向ＢＤを向く裏面４０４１ｂに形成されている。個々の形成範囲４０４２は、透光表示光源４０４３の光が入射する入射端面４０４１ｅから、アクリル導光板４０４１の中央へ向けて線状に延伸する形状に規定されている。即ち、複数の形成範囲４０４２のうちで入射端面４０４１ｅの真ん中に位置する形成範囲４０４２は、入射端面４０４１ｅに対して実質的に直交する方向へ向けて延伸している。対して、入射端面４０４１ｅの真ん中から遠い形成範囲４０４２ほど、入射端面４０４１ｅに対して中央側に傾斜した姿勢で延伸している（図６７参照）。各形成範囲４０４２は、入射端面４０４１ｅの延伸方向である水平方向ＨＤにおいて、互に間隔を開けて形成されている。隣接する二つの形成範囲４０４２の間隔は、例えば数ｍｍ程度に設けられており、隣接する二つの透光表示光源４０４３の間隔よりも狭く配置されている。

　各形成範囲４０４２に属するアクリル導光板４０４１の裏面４０４１ｂには、微細な多数の凹部４０４５が設けられている。各凹部４０４５は、微細加工により、アクリル導光板４０４１の裏面４０４１ｂから凹形状に窪んでいる。多数の凹部４０４５は、各形成範囲４０４２において、アクリル導光板４０４１の長手方向及び短手方向のそれぞれに、互いに間隔を開けて、所定且つ一定の密度で二次元状に配列されている。具体的に、隣接する凹部４０４５の間の間隔は、アクリル導光板４０４１の長手方向（水平方向ＨＤ）において１００～２００μｍの範囲に設定され、アクリル導光板４０４１の短手方向において６０～１２０μｍに設定される。一例として、第１０実施形態における凹部４０４５の配列ピッチは、長手方向にて１５０μｍに設定され、短手方向において７５μｍに設定されている。

　凹部４０４５は、アクリル導光板４０４１の長手方向に沿って延伸するＶ字状の溝である。個々の凹部４０４５は、運転席に着座する運転者から視認困難なサイズ、又は運転者によって気にされない加工形状とされている。一例として、一つの凹部４０４５の長さは、７５μｍ程度に設定されている。また裏面４０４１ｂを基準とした凹部４０４５の深さ寸法は、５～２０μｍの程度に設定されている。凹部４０４５を構成する二つの斜面のうちで入射端面４０４１ｅに近い一方は、入射端面４０４１ｅと対向する姿勢の対向斜面４０４５ｒとなる。対向斜面４０４５ｒは、アクリル導光板４０４１の内部へ向けて凸状となる湾曲形状であって、曲率半径が１００μｍ程度の部分円筒面状に形成されている。

　各形成範囲４０４２に形成された多数の凹部４０４５は、透光表示光源４０４３が消灯状態にある場合、実質的に運転者から視認されなくなる。対して、透光表示光源４０４３が点灯状態にある場合、各形成範囲４０４２は、入射端面４０４１ｅからアクリル導光板４０４１に入射した光を、多数の凹部４０４５の各対向斜面４０４５ｒによって表示方向ＳＤへ向けて反射させる。その結果、アクリル導光板４０４１に設けられた発光意匠表示部４０１４には、個々の形成範囲４０４２と同一形状の発光意匠ＬＰが表示画面４０２１の画像ＰＩ（図５８参照）に重畳されて表示される。所定密度の凹部４０４５の配列によれば、個々の形成範囲４０４２は、ムラなく発光可能である。複数の形成範囲４０４２は、後述するように、全体として地面のイメージを運転者に想起させるような照射表示を形成する（図６７参照）。

　透光表示光源４０４３は、多色発光可能な発光ダイオード等の発光素子である。透光表示光源４０４３は、アクリル導光板４０４１をエッジライト照明する光源である。透光表示光源４０４３は、パルス状の駆動信号の入力によって発光する。透光表示光源４０４３は、入射端面４０４１ｅからアクリル導光板４０４１に光を入射させる。各透光表示光源４０４３は、光源基板４０４４の実装面に互いに間隔を開けて実装されている。各透光表示光源４０４３は、アクリル導光板４０４１の入射端面４０４１ｅに沿って等間隔で配置されている。隣接する二つの透光表示光源４０４３の間隔は、例えば１０～１５ｍｍ程度に設定されており、隣接する二つの形成範囲４０４２の間隔よりも広く設けられている（図５８参照）。

　図５８及び図５９に示す筐体４０５０は、表示装置４１００の外観を形成しており、表示装置４１００の各構成を収容することで、これらの構成を雰囲気中の塵や埃等から保護している。筐体４０５０は、スモークパネル４０５１及びロアーカバー４０５２と、これらが組み付けられる本体パネル４０５３等とによって構成されている。

　スモークパネル４０５１は、スモーク調等の暗色に着色された透過性の樹脂材料によって形成されている。一例として、スモークパネル４０５１の光の透過率は、３０％程度に設けられている。スモークパネル４０５１は、液晶表示器４０２０及び透過表示器４０４０の表示方向ＳＤに位置し、本体パネル４０５３に正面側から取り付けられている。透過率が低く設定されたスモークパネル４０５１は、アクリル導光板４０４１に形成された微細な凹部４０４５（図６１参照）を、運転者からいっそう見え難くしている。

　ロアーカバー４０５２は、例えば遮光性を有する黒色の樹脂材料によって形成されている。ロアーカバー４０５２は、回路基板４０５７の背面方向ＢＤに位置し、本体パネル４０５３に背面側から取り付けられている。

　本体パネル４０５３は、遮光性を有する樹脂材料等によって形成されている。本体パネル４０５３は、液晶表示器４０２０、透過表示器４０４０、及び回路基板４０５７等を保持している。本体パネル４０５３には、見返し部４０５４及びプレートウィンド４０５５等が形成されている。見返し部４０５４は、表示画面４０２１の水平方向ＨＤの両側に位置しており、スピードメータ表示部４０１１及びタコメータ表示部４０１２とマルチ表示部４０１３とを表示上で区分けしている。プレートウィンド４０５５は、表示領域４０１０ａの外縁を規定している。

　回路基板４０５７は、液晶表示器４０２０の背面方向ＢＤに配置されている。回路基板４０５７は、筐体４０５０によって保持されている。回路基板４０５７には、図６０に示す電源回路４０６９、メータ駆動ドライバ４０７１、メータ照明ドライバ４０７２、プレート照明ドライバ４０７３、液晶画像ドライバ４０７４、液晶照明ドライバ４０７５、及び表示制御回路４０６０等が設けられている。以下、これらの詳細を、図６０及び図５８に基づいて説明する。

　電源回路４０６９は、リニア方式又はスイッチング方式のＤＣ‐ＤＣコンバータである。電源回路４０６９は、車両に搭載されたバッテリ電源と接続されている。電源回路４０６９は、バッテリ電源（＋Ｂ）から供給される直流電圧を例えば５ボルト程度の出力電圧に変圧し、表示制御回路４０６０及び各ドライバ４０７１～４０７５に出力電圧を安定的に供給する。

　メータ駆動ドライバ４０７１は、表示制御回路４０６０からの指令に基づく制御信号を各指針駆動モータ４０３１へ向けて出力する。メータ駆動ドライバ４０７１は、各指針駆動モータ４０３１を駆動することで、各指針４０３３の指示位置を制御する。メータ照明ドライバ４０７２は、表示制御回路４０６０からの指令に基づく制御信号を指針表示光源４０３２へ向けて出力する。メータ照明ドライバ４０７２は、指針表示光源４０３２の発光を制御することで、文字板４０３４の各意匠及び指針４０３３を発光表示させる。

　プレート照明ドライバ４０７３は、表示制御回路４０６０からの指令に基づくパルス信号を透光表示光源４０４３へ向けて出力する。プレート照明ドライバ４０７３は、各透光表示光源４０４３に印加するパルス信号を個別に制御することで、発光表示される発光意匠ＬＰの発光態様を、表示画面４０２１の画像ＰＩに合わせて変化させる。

　液晶画像ドライバ４０７４は、表示制御回路４０６０からの指令に基づく映像信号を画像表示パネル４０２４へ向けて出力する。液晶照明ドライバ４０７５は、表示制御回路４０６０からの指令に基づく輝度信号を液晶光源４０２５へ向けて出力する。液晶画像ドライバ４０７４及び液晶照明ドライバ４０７５は、表示画面４０２１に表示される画像ＰＩの表示態様を制御する。

　表示制御回路４０６０は、表示領域４０１０ａの表示を制御する電子回路である。表示制御回路４０６０は、車両に搭載された車載ネットワーク４１１０の通信バスと通信可能に接続されている。表示制御回路４０６０は、少なくとも一つのプロセッサ、ＲＡＭ、及び記憶部４０６７等を有するマイクロコントローラを主体に構成されている。記憶部４０６７には、情報表示に必要な表示制御プログラム、及び種々の画像ＰＩを描画するための多数の画像データが格納されている。表示制御回路４０６０は、記憶部４０６７に記憶された表示制御プログラムをプロセッサによって実行することにより、情報取得部４０６１、指針表示回路部４０６２、画像制御回路部４０６３、及び発光制御回路部４０６４等の機能ブロックを構築する。

　情報取得部４０６１は、車載ネットワーク４１１０等から、車両の状態を示す種々の状態情報を取得する。状態情報には、車両の起動を示す起動情報が含まれている。起動情報は、具体的には、走行速度、エンジン回転速度、燃料残量、各種温度等の車載初期モード信号である。加えて状態情報には、車両の特定箇所の異常を示す異常情報が含まれている。情報取得部４０６１は、車両の起動中において状態情報を継続的に取得する。

　指針表示回路部４０６２は、メータ駆動ドライバ４０７１及びメータ照明ドライバ４０７２と協働して、指針表示器４０３０による指針表示を実現する。指針表示回路部４０６２は、情報取得部４０６１にて取得された走行速度及びエンジン回転速度の各情報に対応した指令をメータ駆動ドライバ４０７１へ供給することで、指針４０３３の回転角度を制御する。

　画像制御回路部４０６３は、液晶画像ドライバ４０７４及び液晶照明ドライバ４０７５と協働して、液晶表示器４０２０による画像ＰＩの表示を制御する。発光制御回路部４０６４は、プレート照明ドライバ４０７３と協働して、複数の透光表示光源４０４３の発光を個別に制御する。発光制御回路部４０６４は、個々の透光表示光源４０４３を駆動するパルス信号の立ち上りタイミングを互いにずらす制御により、明暗の変化による流れ動作を表現した発光意匠ＬＰを発光意匠表示部４０１４に表示させる（図６９参照）。画像制御回路部４０６３及び発光制御回路部４０６４は、画像ＰＩと発光意匠ＬＰの態様変化を協調させることにより、表示領域４０１０ａに立体的な表示意匠を表示する。

　発光制御回路部４０６４は、ＰＷＭ制御部４０６５及びデューティ制御部４０６６を含んでいる。ＰＷＭ制御部４０６５及びデューティ制御部４０６６は、パルス信号の制御によって個々の透光表示光源４０４３に印加される電流の実効値を増減させて、各透光表示光源４０４３の発光輝度を調整する。発光制御回路部４０６４は、ＰＷＭ制御部４０６５及びデューティ制御部４０６６による各制御の切り替え又は各制御の組み合わせにより、発光意匠ＬＰの発光態様を変化させる。ＰＷＭ制御部４０６５及びデューティ制御部４０６６の少なくとも一方によって生成されたスイッチング指令に基づき、プレート照明ドライバ４０７３から各透光表示光源４０４３にパルス信号が印加される。

　ＰＷＭ制御部４０６５は、所定の周期のパルス信号において、電流のオン状態とオフ状態との時間比率を変更し、各透光表示光源４０４３の輝度を制御する。こうしたパルス幅変調制御では、電流をオン状態とするパルス幅が広くなり、単位周期あたりでオン状態となる時間比率が高くなるほど、透光表示光源４０４３の発光輝度は高くなる（図６３参照）。

　デューティ制御部４０６６は、電流がオン状態となるオン時間を一定時間とし、オフ時間の長さを変更することにより、各透光表示光源４０４３の輝度を制御する。こうしたパルス周波数変調制御では、電流のオフ時間が短くなり、パルス信号の周波数が高く変調されるほど、透光表示光源４０４３の発光輝度は高くなる（図６４参照）。

　次に、ここまで説明した表示装置４１００に表示されるオープニング表示の詳細を以下説明する。オープニング表示は、画像ＰＩに発光意匠ＬＰを重畳させてなる演出表示の一つである。オープニング表示では、図６６に示す表示画面４０２１の画像ＰＩと、図６７に示す発光意匠表示部４０１４の発光意匠ＬＰとを重ね合わせることにより、図６５に示す各表示要素が表示される。以下、オープニング表示にて表示される画像ＰＩ及び発光意匠ＬＰの詳細を、図６５～図６７に基づき、図５８及び図６０を参照しつつ説明する。

　オープニング表示では、ステータス画像部Ｐｓ、車両モデルＭｖ、及び路面意匠Ｄｒ等が表示される。ステータス画像部Ｐｓは、車両の状態情報等を、文字によるメッセージ及び所定のアイコン等を組み合わせて通知する画像部である。ステータス画像部Ｐｓは、表示画面４０２１のうちで、発光意匠ＬＰと重ならない範囲、具体的には、上下方向にて表示画面４０２１の中央よりも上側の領域に表示される。

　車両モデルＭｖは、表示装置４１００を搭載する車両の外観形状に基づいた形態に描画されている。車両モデルＭｖは、オープニング表示において表示画面４０２１上を移動する移動画像部Ｐｍの一つである。車両モデルＭｖは、上下方向における表示画面４０２１の中央に表示される。車両モデルＭｖの前後方向は、水平方向ＨＤに沿っている。後述するように、車両モデルＭｖは、水平方向ＨＤに沿って表示画面４０２１上を移動する。車両モデルＭｖの下縁部分には、発光意匠ＬＰの上縁部分が重畳される。

　路面意匠Ｄｒは、アクリル導光板４０４１の発光意匠ＬＰ及び表示画面４０２１上の背景画像部Ｐｂが重畳されることで、立体的に表示されている。発光意匠ＬＰは、上述した各形成範囲４０４２の形状により、上下方向に延びる多数の縦縞状の表示とされている。入射端面４０４１ｅ（図６１参照）に入射した光が上方へ向かうに従って減衰及び反射によって弱くなることにより、発光意匠ＬＰは、上方へ向かうに従って輝度の低下するグラデーション状の発光態様となる。

　背景画像部Ｐｂは、上下方向における表示画面４０２１の中央よりも下側の領域であって、発光意匠ＬＰと重なる範囲に表示される。背景画像部Ｐｂは、水平方向ＨＤに沿って延びる帯状の意匠を複数組み合わせてなる横縞状の画像部である。このような横縞状の背景画像部Ｐｂに縦縞状の発光意匠ＬＰが重畳されることで、路面意匠Ｄｒは、車両モデルＭｖの置かれた地面を想起させる格子状の表示態様となる。

　次に、オープニング表示にて動的に変化する表示態様の詳細を、図６８～図７０に基づき、図５８及び図６０を参照しつつ順に説明する。

　図６８に示すように、車両が起動されると、ステータス画像部Ｐｓの表示画面４０２１への表示が開始されると共に、移動画像部Ｐｍである車両モデルＭｖが表示画面４０２１の右縁から表示画面４０２１内にスライドインされる。車両モデルＭｖは、表示画面４０２１の右縁から中央へ向かって左方向への移動を開始する。こうした車両モデルＭｖの移動に合わせて、発光意匠ＬＰの発光態様が変化する。

　具体的に、発光意匠ＬＰには、互に発光輝度の異なる明領域Ｂａ及び暗領域Ｓａが含まれている。明領域Ｂａは、暗領域Ｓａよりも表示輝度の高い領域である。発光意匠ＬＰの発光態様の変化と背景画像部Ｐｂの表示態様の変化とを同調させる各制御回路部４０６３，４０６４の協調制御により、車両モデルＭｖの移動に合わせた明領域Ｂａ及び暗領域Ｓａの形状及び位置の変化が実現されている。

　オープニング表示の初期の段階において、明領域Ｂａ及び暗領域Ｓａは、車両モデルＭｖの移動に合わせて、車両モデルＭｖと同じ方向に移動する。具体的には、車両モデルＭｖの前方に表示された暗領域Ｓａが車両モデルＭｖと共に左方向へ移動するような演出を、各制御回路部４０６３，４０６４は実施する。こうした演出のため、発光制御回路部４０６４及びプレート照明ドライバ４０７３は、透光表示光源４０４３の発光状態を右から左へ順に変更する制御を実施する（図６８の矢印参照）。以上により、車両モデルＭｖの移動が強調される。

　図６９に示すように、車両モデルＭｖがマルチ表示部４０１３の中央まで移動すると、明領域Ｂａ及び暗領域Ｓａは、水平方向ＨＤにおいて互い違いに表示されて、右方向への移動を開始する。このとき発光意匠ＬＰは、隣接する透光表示光源４０４３の交互の点灯及び明るさ変化により（図６３及び図６４参照）、車両モデルＭｖの前方から後方へ流れる動作を表現する（図６９の矢印参照）。こうした発光意匠ＬＰの態様変化に合わせて、背景画像部Ｐｂも後方へ流れる映像態様に変更される。以上の発光意匠ＬＰ及び背景画像部Ｐｂにより、路面意匠Ｄｒは、車両モデルＭｖが走行しているように見せることができる。

　そして、図７０に示すオープニング表示の最終画面では、車両モデルＭｖがマルチ表示部４０１３の中央に停車したような表示態様となる。車両モデルＭｖの後方となる右側には、残像画像部Ｍｒが表示されてよい。この段階では、透光表示光源４０４３が一様な明るさで全て点灯されるため、暗領域Ｓａ（図６９参照）が消失し、発光意匠ＬＰは、全て明領域Ｂａのみとなる。以上により、オープニング表示は終了する。

　以上のオープニング表示を行う表示制御処理の詳細を、図７１に基づいて説明する。表示制御処理は、電源回路４０６９からの電力供給が開始されたことに基づき、表示制御回路４０６０によって開始される。

　Ｓ４１０１では、車両の起動を示す起動情報として、車載初期モード信号を受信し、Ｓ４１０２に進む。Ｓ４１０１により、車両における種々の状態情報の取得が開始される。Ｓ４１０２では、車両モデルＭｖ、背景画像部Ｐｂ、及びステータス画像部Ｐｓ等の画像データを読み込み、Ｓ４１０３に進む。Ｓ４１０３では、Ｓ４１０２にて読み込んだ画像データに基づき、車両モデルＭｖ、背景画像部Ｐｂ、及びステータス画像部Ｐｓ等を表示画面４０２１に表示させる表示処理を開始し、Ｓ４１０４に進む。Ｓ４１０４では、表示画面４０２１上の画像ＰＩと重畳合成される発光意匠ＬＰの表示処理を開始し、表示処理を終了する。以上の処理によるオープニング表示が終了すると、表示領域４０１０ａの表示は、通常走行時の表示に切り替えられる。

　ここで、以上の表示制御処理のＳ４１０１にて、例えば車両の特定箇所の異常を示す異常情報が取得された場合を説明する。Ｓ４１０１にて異常情報が取得されると、表示装置４１００は、オープニング表示から図７２に示す警告表示へと表示を切り替える。警告表示では、異常が検出された特定箇所を、車両モデルＭｖを用いて運転者に通知する。

　詳記すると、警告表示では、車両モデルＭｖのうちで特定箇所に相当する位置が、一部の形成範囲４０４２によって指し示される。発光制御回路部４０６４（図６０参照）は、特定の透光表示光源４０４３の発光制御により、複数の形成範囲４０４２のうちの上記一部の形成範囲４０４２を、他の形成範囲４０４２とは異なる態様で発光させる。例えば一部の形成範囲４０４２は、他の形成領域とは異なる発光色（例えば赤色）にて点滅表示される。一例として、左前輪の空気圧の低下が検出された場合、図７２に示すように、車両モデルＭｖの左前輪に繋がる形成範囲４０４２が警告色にて点滅表示（図７２の破線参照）される。警告表示では、燃料残量及びバッテリ残量の低下、並びに各部の故障等が通知され得る。

　第１０実施形態において、表示画面４０２１に表示された車両モデルＭｖ等の移動画像部Ｐｍと、アクリル導光板４０４１に表示される発光意匠ＬＰとは、表示方向ＳＤにおいて互いにずれて位置している。故に、移動画像部Ｐｍと発光意匠ＬＰとが重畳されたオープニング表示等の演出表示は、立体感のある表示となり得る。加えてオープニング表示では、移動画像部Ｐｍが表示画面４０２１を移動するのに合わせて、移動画像部Ｐｍに重畳された発光意匠ＬＰも発光態様を変化させる。このように、移動画像部Ｐｍ及び発光意匠ＬＰが互いにずれた位置にて、それぞれ動的に変化することにより、表示装置４１００は、立体感のある演出表示を行うことができる。

　加えて第１０実施形態のオープニング表示では、車両モデルＭｖの移動に合わせて、発光意匠ＬＰを含む路面意匠Ｄｒの明領域Ｂａ及び暗領域Ｓａが移動する。特に第１０実施形態のオープニング表示では、車両モデルＭｖの移動方向と同一の方向に、暗領域Ｓａも移動する。こうした暗領域Ｓａの移動によれば、車両モデルＭｖの移動がいっそう強調される。その結果、車両モデルＭｖが走行しているような演出効果がいっそう高められる。

　また第１０実施形態では、表示画面４０２１のうちで発光意匠ＬＰと重なる範囲に表示された背景画像部Ｐｂが、発光意匠ＬＰの発光態様の変化に合わせて表示態様を変化させる。その結果、背景画像部Ｐｂに発光意匠ＬＰが重畳されてなる路面意匠Ｄｒの立体感は、連携のとれた背景画像部Ｐｂ及び発光意匠ＬＰの動的な変化により、いっそう強調される。

　さらに第１０実施形態の背景画像部Ｐｂは、縦縞状の発光意匠ＬＰと重ねられて格子状の路面意匠Ｄｒを形成する横縞状の画像部とされている。こうした格子状の表示によれば、路面意匠Ｄｒは、車両モデルＭｖの置かれた路面であると運転者に想起され易い表示態様となる。

　加えて第１０実施形態における個々の形成範囲４０４２は、入射端面４０４１ｅからアクリル導光板４０４１の中央へ向けて線状に延伸する形状である。そのため、入射端面４０４１ｅから入射された光が入射端面４０４１ｅから離れるに従って次第に弱くなり、発光意匠ＬＰは、上方へ向かうに従って輝度が低下するグラデーション状の発光態様となる。以上によれば、発光意匠ＬＰは、奥行き感のある表示となり、表示装置４１００の表示の立体感をいっそう強調できる。

　さらに第１０実施形態では、二つの形成範囲４０４２の間隔が、二つの透光表示光源４０４３の間隔よりも狭くされている。このように、線状を呈する形成範囲４０４２の間隔を密に設定することで、発光意匠ＬＰは、奥行きのある平面として運転者に認識され易い表示態様となり、オープニング表示の立体感の創出に貢献し得る。

　加えて第１０実施形態では、特定箇所の異常を示す状態情報が情報取得部４０６１に取得された場合、警告表示が提示される。この警告表示のように、一部の形成範囲４０４２を他の形成範囲４０４２と異なる態様で発光させて車両モデルＭｖの異常箇所を指し示せば、表示装置４１００は、車両の異常箇所を分かり易く運転者に通知できる。

　尚、第１０実施形態では、路面意匠Ｄｒが「表示意匠」に相当し、液晶表示器４０２０が「画像表示器」に相当し、アクリル導光板４０４１が「表示板」に相当し、入射端面４０４１ｅが「端面」に相当し、透光表示光源４０４３が「光源部」に相当する。また、画像制御回路部４０６３及び液晶画像ドライバ４０７４が「画像制御部」に相当し、発光制御回路部４０６４及びプレート照明ドライバ４０７３が「光源制御部」に相当する。

　（第１１実施形態）
　図７３～図７６に示す第１１実施形態は、第１０実施形態の変形例である。図７３～図７５に示すように、第１１実施形態では、延伸方向の異なる複数種類の凹部４２４５ａ～４２４５ｃが形成範囲４２４２に混在している。これら凹部４２４５ａ～４２４５ｃは、形成範囲４２４２にランダムな順序で配列されている。尚、各凹部４２４５ａ～４２４５ｃの形状は、互いに実質同一である。加えて、各凹部４２４５ａ～４２４５ｃの配列ピッチは、第１０実施形態と同一の値に設定されている。

　凹部４２４５ａの向きを規定する仮想の基準線ＲＬａは、水平方向ＨＤに沿っている。凹部４２４５ｂの向きを規定する仮想の基準線ＲＬｂは、基準線ＲＬａに対して＋３０度の角度に設定されている。また、凹部４２４５ｃの向きを規定する仮想の基準線ＲＬｃは、基準線ＲＬａに対して－３０度の角度に設定されている。各凹部４２４５ａ～４２４５ｃランダム配置は、例えばコンピュータ等で生成した疑似乱数に基づいて三種類の向きを振り分けることにより設計可能である。尚、凹部の向きの種類は、二種類であってもよく、又は四種類以上であってもよい。

　図７６に示す第１１実施形態のオープニング表示では、車両の起動直後に車両モデルＭｖが表示画面４０２１にスライドインするタイミングから、点灯状態にある透光表示光源４０４３を右方向へ移動させる点灯制御が実施される。以上により、明領域Ｂａ及び暗領域Ｓａの表示位置は、車両モデルＭｖの移動方向とは反対の方向に移動される。その結果、明領域Ｂａ及び暗領域Ｓａは、右方向への移動によって車両モデルＭｖの後方へ流れていく路面のイメージを表現する。

　ここまで説明した第１１実施形態でも、第１０実施形態と同様の効果を奏し、車両モデルＭｖ及び発光意匠ＬＰそれぞれの動的な変化により、立体感のある演出表示が実現される。加えて第１１実施形態では、車両モデルＭｖへ向かって明領域Ｂａ及び暗領域Ｓａが流れるような路面意匠Ｄｒの表示により、オープニング表示は、車両モデルＭｖが走行しているような疾走感を演出できる。

　上記実施形態では、発光意匠の発光態様の変化として、明領域及び暗領域の表示位置を変化させる例を示した。しかし、発光意匠の発光態様の変化は、上記のような輝度（明暗）の変化に限定されず、発光色の色相及び濃淡等の変化であってもよい。具体的には、発光色の異なる領域の位置変化、又は濃淡の異なる領域の位置変化等を利用して、車両モデル等の移動画像部の動きが強調されてよい。また発光意匠によって表現される動きの方向は、移動画像部の移動方向及びその反対方向に限定されない。例えば発光意匠は、移動画像部を中心とした放射状の動きを表示してもよく、移動画像部の移動方向とは関係の無い上下方向等の動きを表示してもよい。さらに、移動画像部は、車両モデルに限定されない。

　上記実施形態では、背景画像部と組み合わされて格子状となるような縦縞状の発光意匠が発光意匠表示部に表示されていた。しかし、発光意匠の形態、即ち、形成範囲の形状、配置、数等は、適宜変更可能である。加えて、透光表示光源は、アクリル導光板の水平方向ＨＤの両側、又はアクリル導光板の上側等に設けられてもよい。こうした透光表示光源の配置によれば、発光意匠表示部は、任意の箇所に高輝度の発光意匠を表示可能となる。

　上記実施形態の液晶表示器は、横長の矩形形状であった。しかし、表示画面の形状は、適宜変更可能である。例えば液晶表示器は、矩形形状ではない異型の表示パネルを用いた構成であってもよい。さらに、表示画面は、湾曲した形状であってもよい。加えて、画像を表示する画像表示器としては、有機ＥＬ（Electroluminescence）ディスプレイ等、液晶ディスプレイとは異なる構成が採用されてもよい。さらに、液晶表示器は、表示領域の中央に規定されていなくてもよい。また、表示領域の全体が液晶表示器によって形成されており、指針表示器は省略されていてもよい。

　上記実施形態では、移動画像部と発光意匠とを組み合わせた演出表示として、オープニング表示を例示したが、演出表示は、オープニング表示に限定されない。加えて、上記実施形態の表示制御回路に相当する構成は、上記とは異なるソフトウェア及びハードウェア、或いはこれらの組み合わせによって実現されてよい。また、表示制御回路の記憶部としては、例えばフラッシュメモリ又はハードディスクドライブ等の種々の非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)が採用可能である。

　上記実施形態では、車両に搭載された表示装置に本開示の特徴部分を適用した例を説明したが、本開示の特徴部分を適用可能な表示装置は、コンビネーションメータとして機能する上述のような表示装置に限定されない。例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置等のコンビネーションメータとは異なる表示装置にも、本開示の特徴部分は適用可能である。さらに、車両とは異なる移動体、例えば航空機や船舶等に搭載される計器としての表示装置、並びに産業用機械及び家電製品のコントロールパネルを兼ねた表示装置等にも、本開示の特徴部分は適用可能である。

　ここで、第１０、１１実施形態に基づく車両用表示装置の先行例である特開２０１５－７１３６９号公報には、液晶表示器の表示画面に、遠近感を持った格子状のエフェクト画像を表示する車両用表示装置が開示されている。この車両用表示装置は、格子状のエフェクト画像を、表示画面の奥から手前の方向に移動するアニメーションとして表示することにより、車両の走行状態を感覚的に表現している。

　特開２０１５－７１３６９号公報のエフェクト画像は、遠近感を持つような格子状とされているものの、実際には、表示画面に表示された平面状の画像に過ぎない。そのため、エフェクト画像のような演出表示は、アニメーションとして格子状の態様を変化させたとしても、十分な立体感を視認者に与えることが難しかった。

　これに対し、第１０，１１実施形態に基づくと、立体感のある演出表示を行うことが可能な表示装置を提供するため、
　（１）表示装置は、
　表示画面（４０２１）に画像（ＰＩ）を表示する画像表示器（４０２０）と、
　表示画面の向く表示方向（ＳＤ）に配置される透過性の表示板（４０４１）、及び表示板の端面（４０４１ｅ）から表示板に光を入射させる複数の光源部（４０４３）、を有し、表示板に形成された多数の微細な凹部（４０４５，４２４５ａ，４２４５ｂ，４２４５ｃ，）にて光源部からの光を表示方向へ向けて反射させることで、表示画面の画像に重畳される発光意匠（ＬＰ）を表示板に表示する透過表示器（４０４０）と、
　画像表示器の表示を制御する画像制御部（４０６３，４０７４）、及び複数の光源部の発光を個別に制御する光源制御部（４０６４，４０７３）、を有し、表示画面に表示させた移動画像部（Ｐｍ）を移動させつつ、当該移動画像部の少なくとも一部に重畳される発光意匠の発光態様を移動画像部の移動に合わせて変化させる表示制御回路（４０６０）と、を備える。

　第１０、１１実施形態に基づく車両用表示装置の特徴は以上であるが、下位階層の特徴としては次のように列挙される。なお、上記の特徴との関連性を示すために「前記」を各構成に追加して説明する。

　（２）前記発光意匠は、互に発光輝度の異なる明領域（Ｂａ）及び暗領域（Ｓａ）を含み、
　前記光源制御部は、前記明領域及び前記暗領域の少なくとも一方の表示位置を前記移動画像部の移動に合わせて移動させる。

　（３）前記光源制御部は、前記明領域及び前記暗領域の少なくとも一方の表示位置を、前記移動画像部の移動方向と同じ方向へ移動させる。

　（４）前記光源制御部は、前記明領域及び前記暗領域の少なくとも一方の表示位置を、前記移動画像部の移動方向とは反対の方向へ移動させる。

　（５）前記画像制御部は、前記表示画面のうちで前記発光意匠と重なる範囲に背景画像部（Ｐｂ）をさらに表示させ、前記発光意匠の発光態様の変化に合わせて前記背景画像部の表示態様を変化させる。

　（６）前記表示板には、多数の微細な前記凹部が配列されてなる形成範囲（４０４２，４２４２）が複数設けられており、
　個々の前記形成範囲は、前記光源部の光が入射する前記端面から、前記表示板の中央へ向けて線状に延伸する形状である。

　（７）前記画像制御部は、前記表示画面のうちで前記発光意匠と重なる範囲に背景画像部（Ｐｂ）を表示させ、前記発光意匠の発光態様の変化に合わせて前記背景画像部の表示態様を変化させ、
　前記背景画像部は、前記発光意匠と重ねられて格子状の表示意匠（Ｄｒ）を形成する横縞状の画像部である。

　（８）複数の前記光源部は、前記端面の延伸方向において互いに間隔を開けて設けられており、
　複数の前記形成範囲は、前記延伸方向に沿って互に間隔を開けて形成されており、
　隣接する二つの前記形成範囲の間隔は、隣接する二つの前記光源部の間隔よりも狭く設けられている。

　（９）前記表示装置は、車両に搭載され、
　前記移動画像部は、前記車両の外観形状に基づいた形態の車両モデル（Ｍｖ）を含み、
　前記発光意匠は、前記車両モデルの置かれた地面を想起させる発光形態である。

　（１０）前記表示装置は、前記車両の状態を示す状態情報を取得する情報取得部（４０６１）、をさらに備え、
　前記発光意匠は、前記車両の特定箇所の異常を示す前記状態情報を前記情報取得部が取得した場合に、前記車両モデルのうちで前記特定箇所に相当する位置を指し示す一部を、他の部分とは異なる態様で発光させる。

　こうした態様であれば、表示画面に表示された移動画像部と、表示板に表示される発光意匠とは、表示画面の向く表示方向において互いにずれて位置している。故に、移動画像部と発光意匠とが重畳された表示（以下「演出表示」）は、立体感のある表示となり得る。加えて演出表示では、移動画像部が表示画面を移動するのに合わせて、移動画像部に重畳された発光意匠も発光態様を変化させる。このように、重畳された移動画像部及び発光意匠が互いにずれた位置にてそれぞれ動的に変化することで、表示装置は、立体感のある演出表示を行うことができる。

　（第１２実施形態）
　図７７に示すように、第１２実施形態による車両用表示装置５１００は、車両に搭載され、当該装置５１００を視認する乗員が着座する座席と対向するインストルメントパネルに設置されている。車両用表示装置５１００は、乗員が位置することとなる視認側へ向けて車両の状態を表示可能となっている。

　このような車両用表示装置５１００は、図７８にも示すように、ケース部５０１０、指針表示部５０２０ａ，５０２０ｂ、液晶表示部５０３０、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂ、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂ、及びメイン回路基板５０７０を備えている。

　ケース部５０１０は、背面ケース５０１２、枠ケース５０１４、及びスモーク板５０１６を備えている。背面ケース５０１２は、例えば遮光性を有する合成樹脂により形成され、各表示部５０２０ａ，５０２０ｂ，５０３０，５０４０ａ，５０４０ｂ及びメイン回路基板５０７０を背面側から覆っている。枠ケース５０１４は、例えば遮光性を有する合成樹脂により、装置５１００の外周輪郭に沿って視認側及び当該視認側とは反対側の背面側に開口部を有する筒状に形成されている。スモーク板５０１６は、例えば着色されたアクリル樹脂等の半透光性樹脂により、枠ケース５０１４の視認側開口部の全面を塞ぐ曲面板状に形成されている。これにより、各表示部５０２０ａ，５０２０ｂ，５０３０，５０４０ａ，５０４０ｂ，５０５０ａ，５０５０ｂは、スモーク板５０１６を通して乗員に視認されることとなる。本実施形態のスモーク板５０１６は、スモーク調の着色により、透過率が３０％程度に設定されているが、３０％以上の任意の値に設定されていてもよい。

　指針表示部５０２０ａ，５０２０ｂは、指針５０２４が指標５０２２を指示することにより、車両の状態を表示する。指標５０２２は、表示板５０１８に設けられている。表示板５０１８は、一般的に文字板とも呼ばれている。表示板５０１８は、例えば透光性を有する合成樹脂からなる基材の視認側の表面に、半透光性又は遮光性の印刷が部分的に施されて、平板状に形成されている。なお、印刷に代えて、塗装が施されていてもよい。

　特に本実施形態では、表示板５０１８の左側の領域及び右側の領域にそれぞれ、指針表示部５０２０ａ，５０２０ｂが設けられている。ここで、２つの指針表示部５０２０ａ，５０２０ｂは互いに同様の構成となっているため、右側の指針表示部５０２０ａについて代表して説明する。指針表示部５０２０ａの指標５０２２は、表示板５０１８上の印刷により、目盛及び当該目盛に対応する文字を円環状に配列して形成されている。

　指針５０２４は、連結部５０２４ａ及び指示部５０２４ｂを一体的に有している。連結部５０２４ａは、表示板５０１８に空けられた貫通穴を通して配置されており、表示板５０１８よりも背面側のメイン回路基板５０７０に保持された指針駆動モータ５０２６（例えばステッピングモータ）の回転軸５０２６ａと連結されている。指示部５０２４ｂは、表示板５０１８よりも視認側に配置され、表示板５０１８に沿って延伸する針状を呈している。指針５０２４は、指針駆動モータ５０２６の出力に応じて回動するようになっている。

　なお、本実施形態において、右側の領域に対応した指針５０２４は、車両の状態として、車両の速度を表示するようになっている。左側の領域に対応した指針５０２４は、車両の状態として、車両のエンジン回転数を表示するようになっている。

　液晶表示部５０３０は、表示板５０１８の中央の領域に、２つの指針表示部５０２０ａ，５０２０ｂに挟まれた配置にて設けられている。液晶表示部５０３０は、表示板５０１８よりも背面側に配置された液晶パネル５０３２からの表示光が表示板５０１８に印刷が設けられないことで形成された透過領域５０３６を視認側に透過することで、画像を表示可能となっている。

　本実施形態の液晶パネル５０３２は、薄膜トランジスタ（Thin Film Transistor、ＴＦＴ）を用いた液晶パネルであって、２次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルとなっている。液晶パネル５０３２は、視認側に矩形状の表示面を形成している。液晶パネル５０３２がバックライト５０３４により背面側から照明されて、画像が表示される。

　警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂは、特に本実施形態では各指針表示部５０２０ａ，５０２０ｂよりも下側の２箇所に、表示板の外縁部に沿って、それぞれ設けられている。警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂは、警告を表示可能に形成されている。具体的に、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂは、各種警告を示す複数の警告灯５０４２を有している。各警告灯５０４２は、表示板５０１８に印刷されたマークとして形成されている。

　警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂは、各警告灯５０４２に個別に対応する複数の発光素子５０４４を、メイン回路基板５０７０に保持された状態で有している。当該警告灯に個別に対応する発光素子５０４４が発光し、当該警告灯５０４２のマークを背面側から照明することにより、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂは発光表示される。各発光素子５０４４には、発光ダイオードが採用されており、各発光素子５０４４は電源と接続されることで発光する。

　警告灯５０４２のマークとしては、乗員がシートベルトを着用していないことを示す警告マーク、車両が半ドア状態であることを示す警告マーク、ブレーキに異常が発生していることを示す警告マーク等が存在している。

　こうした警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの警告表示は、通常時には非表示状態となっており、異常発生時等に表示される。警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの警告の表示色は、赤色に設定されているが、他のアンバー（橙色）等の表示色に設定されてもよい。

　透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂは、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂが表示される表示板５０１８よりも視認側に配置されている透光板５０５２を用いて表示を行なう。透光板５０５２は、例えば透光性を有する合成樹脂により、表示板５０１８と略平行に配置された平板状を呈している。そして、透光板５０５２は、その透光性によって、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂによる警告の表示を乗員により視認可能に透過させるようになっている。

　特に本実施形態では、透光板５０５２のうち、各警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂと対向する２つの領域、すなわち各警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂによる警告の表示と重畳する２箇所の領域ＳＰａ，ＳＰｂに対応して、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂがそれぞれ設けられている。右側の透光表示部５０５０ａ及び左側の透光表示部５０５０ｂは、１つの透光板５０５２を共有し、さらに互いに同様の構成となっているため、以下では右側の透光表示部５０５０ａについて代表して説明する。具体的に、透光表示部５０５０ａは、光源部５０５８、遮光区画部５０６０及び反射部５０５４を有している。

　光源部５０５８は、光源用回路基板５０５８ｂ上に複数の発光素子５０５８ａを配列して形成されている。各発光素子５０５８ａには、発光ダイオードが採用されており、各発光素子５０５８ａは電源と接続されることで発光する。特に本実施形態では、各発光素子５０５８ａがマルチカラーの発光ダイオードとなっているが、点灯状態の発光素子５０５８ａは、互いに実質同一の色及び実質同じ輝度で発光を制御されるようになっている。

　こうした光源部５０５８は、透光板５０５２の外縁部５０５２ａと対向して配置されている。各発光素子５０５８ａから発せられた光が当該外縁部５０５２ａを介して透光板５０５２の内部に入射することで、光源部５０５８は、透光板５０５２の内部に光を提供可能となっている。

　遮光区画部５０６０は、図７７，７９～８４に示すように、例えば遮光性を有するエストラマにより弾性を有して形成され、光源部５０５８の各発光素子５０５８ａを囲い込む中空の筒状を呈している。遮光区画部５０６０において透光板５０５２側には、当該透光板５０５２の外縁部５０５２ａと当接し、各発光素子５０５８ａに個別に対応した矩形状の開口部５０６１を複数配列している。遮光区画部５０６０において透光板５０５２の反対側は、光源用回路基板５０５８ｂを配置するために開口しているが、光源用回路基板５０５８ｂの外縁部と隙間少なく当接する当接壁５０６５が設けられていることで、各発光素子５０５８ａの光の漏光を防止するようになっている。

　遮光区画部５０６０は、各開口部５０６１から光源用回路基板５０５８ｂの表面に向かって沿設された区画壁５０６２を有しており、当該区画壁５０６２によって、各発光素子５０５８ａに対応した矩形筒状の筒状空間５０６３が形成されている。当該筒状空間５０６３毎に１つの発光素子５０５８ａが配置され、区画壁５０６２の端部が光源用回路基板５０５８ｂの表面と当接することで、各発光素子５０５８ａの光の他の筒状空間５０６３への漏光を防止するようになっている。こうして、遮光区画部５０６０は、光源部５０５８において互いに隣り合って配置された発光素子５０５８の間に配置された区画壁５０６２によって、各発光素子５０５８ａを区画する。各発光素子５０５８ａは、それぞれ、透光板５０５２のうち、外縁部５０５２ａの延伸方向に互いにずれた照明範囲に、光を提供する。

　また、遮光区画部５０６０の透光板５０５２側には、透光板５０５２の外縁部５０５２ａ近傍の表面を部分的に覆うカバー部５０６４が形成されている。カバー部５０６４には、透光板５０５２の板厚方向に沿って、当該カバー部５０６４から透光板５０５２の内部へ向かって突出するピン５０６４ａが形成されている。一方の透光板５０５２には、ピン５０６４ａに対応した嵌合穴５０５２ｃが形成されており、ピン５０６４ａが嵌合穴５０５２ｃに嵌合している。さらにそのカバー部５０６４は、枠ケース５０１４において視認側から背面側に突出する突起部５０１４ａに圧接され、枠ケース５０１４と透光板５０５２との間に挟まれている。こうして、遮光区画部５０６０が安定的に保持されると共に、光源部５０５８の光が漏光を防止されつつ、確実に透光板５０５２の内部に提供される。

　反射部５０５４は、図７７に示すように、透光板５０５２に形成され、光源部５０５８からの光を視認側に反射することにより、表示内容を点灯表示する。具体的に図８５に示すように、反射部５０５４は、複数の微細なサイズに設定された反射素子５０５５を、２次元的に配列して形成されている。各反射素子５０５５は、透光板５０５２の背面側から当該透光板５０５２の内部に凹む凹穴状に形成されている。各反射素子５０５５は、反射面５０５６ａ、裏面５０５６ｂ、及び２つの側面５０５６ｃを有している。

　反射面５０５６ａは、反射素子５０５５のうち、光源部５０５８からの光が入射する外縁部５０５２ａ側を向いて配置され、光源部５０５８からの光を視認側に反射する。反射面５０５６ａは、透光板５０５２の内部に凹となる曲面状に形成されており、少なくとも、各発光素子５０５８ａの照明範囲がずれた方向に曲率を有している。特に本実施形態では、反射面５０５６ａは、円筒面状に形成され、その母線ＧＬは、背面側から視認側へ向かう程、光源部５０５８から遠ざかるように、透光板５０５２の板厚方向に対して傾斜して配置されている。裏面５０５６ｂは、反射面５０５６ａとは反対側を向いて設けられることで、反射面とは背中合わせに配置された平面状を呈している。２つの側面は、反射面の側端部と裏面の側端部との間に、それぞれ配置され、平面状を呈している。

　反射部５０５４において各反射素子５０５５は、透光板５０５２の沿設方向に沿って平坦に形成された平坦部５０５２ｂを介することで、互いに離間して、１つずつ配置されている。こうした反射素子５０５５が配列された配列領域ＡＡでは光が視認側に反射されることにより、領域ＡＡ全体が光って表示される。一方で反射素子５０５５が配置されずに、平坦部５０５２ｂのみで構成された平坦領域ＰＡ５では、光源部５０５８からの光が視認側に略反射されないので、何も表示されない。配列領域ＡＡと平坦領域ＰＡ５の配置により、反射部５０５４は、図柄を表示可能となっている。なお、図８５において実線の矢印は、光源部５０５８からの光が反射される方向を模式的に示している。

　具体的に、本実施形態の図柄は、図７７に示すように、透光板５０５２の外縁部５０５２ａに沿って互いに配列された複数の目盛５０６７ａを含む目盛図柄５０６７を、表示内容として表示可能となっている。各目盛５０６７ａは、光源部５０５８の各発光素子５０５８ａに個別に対応している。詳細に、各目盛５０６７ａは、各発光素子５０５８ａから遮光区画部５０６０の各開口部５０６１の延長線上に、配置され、その目盛５０６７ａ自身も、当該延長線に沿った方向に延伸している。各目盛５０６７ａの延伸寸法は、透光板５０５２の外縁部５０５２ａのうち一方に進むに従って漸次大きくなっている。

　なお、本実施形態において、右側の透光表示部５０５０ａは、領域ＳＰａにて、警告表示部５０４０ａとは別の表示内容として、車両の燃料残量を通常時に点灯表示するようになっている。左側の透光表示部５０５０ｂは、領域ＳＰｂにて、警告表示部５０４０ｂとは別の表示内容として、車両のエンジン冷却水の水温を通常時に点灯表示するようになっている。各透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示内容の表示色は、白色に設定されるが、重畳する警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの警告表示と異なる表示色であれば他の色に設定されてもよい。

　なお、各透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの光源部５０５８の発光素子５０５８ａを全て消灯した場合には、各反射素子５０５５の反射面５０５６ａには光は提供されず、さらに各反射素子５０５５が微細なサイズかつ平坦部５０５２ｂを介して形成されているので、乗員から目盛図柄５０６７は殆ど視認できなくなってしまう。

　メイン回路基板５０７０は、図７８に示すように、表示板５０１８及び液晶パネル５０３２の背面側に配置され、背面ケース５０１２によって保持されている。メイン回路基板５０７０には、図８６に示す電源回路５０７１、メータ駆動ドライバ５０７２、メータ照明ドライバ５０７３、液晶表示ドライバ５０７４、透光表示ドライバ５０７５ａ，５０７５ｂ、及び制御回路５０７６等が設けられている。

　電源回路５０７１は、リニア方式又はスイッチング方式のＤＣ－ＤＣコンバータである。電源回路５０７１は、車両に搭載されたバッテリ電源と接続されている。電源回路５０７１は、バッテリ電源（＋Ｂ）から供給される直流電源を例えば５ボルト程度の出力電圧に変圧し、制御回路５０７６及び各ドライバ５０７２，５０７３，５０７４，５０７５ａ，５０７５ｂに出力電圧を安定的に供給する。

　メータ駆動ドライバ５０７２は、制御回路５０７６からの指令に基づく制御信号を各指針駆動モータ５０２６へ向けて出力する。メータ駆動ドライバ５０７２は、各指針駆動モータ５０２６を駆動することで、各指針５０２４の指示位置を制御する。

　メータ照明ドライバ５０７３は、制御回路５０７６からの指令に基づく制御信号を指針表示光源５０２８へ向けて出力する。こうしてメータ照明ドライバ５０７３は、指針表示光源５０２８の発光を制御することで、表示板５０１８上の各指標５０２２及び各指針５０２４を点灯表示させる。

　また、メータ照明ドライバ５０７３は、制御回路５０７６からの指令に基づく制御信号を、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂを表示させる発光素子５０４４へ向けて出力する。こうしてメータ照明ドライバ５０７３は、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの表示態様を制御する。

　液晶表示ドライバ５０７４は、制御回路５０７６からの指令に基づく制御信号を液晶パネル５０３２及びバックライト５０３４へ向けて出力する。こうして液晶表示ドライバ５０７４は、表示面に表示される画像の表示態様を制御する。

　透光表示ドライバ５０７５ａ，５０７５ｂは、左右の透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂ毎に、１つずつ設けられている。各透光表示ドライバ５０７５ａ，５０７５ｂは、制御回路５０７６からの指令に基づく制御信号を対応する透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの光源部５０５８へ向けて出力する。こうして各透光表示ドライバ５０７５ａ，５０７５ｂは、対応する透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示態様を制御する。

　制御回路５０７６は、装置５１００の表示を制御する電子回路である。制御回路５０７６は、車両に搭載された車載ネットワーク２の通信パスと通信可能に接続されている。制御回路５０７６は、少なくとも１つのプロセッサ及び記憶部５０７９等を有するマイクロコントローラを主体に構成されている。記憶部５０７９には、表示に必要な表示制御プログラム、及び種々の画像を描画するための画像データ等が格納されている。制御回路５０７６は、記憶部５０７９により記憶された表示制御プログラムをプロセッサによって実行することにより、情報取得部５０７７、表示制御部５０７８、及び発光制御部５０８０等の機能ブロックを構築している。

　情報取得部５０７７は、車載ネットワーク２等から、車両の状態を示す種々の情報を取得する。取得する情報としては、車両の速度、エンジン回転数、燃料残量、エンジン冷却水の水温等の他、車両の特定箇所の異常を示す異常情報等が採用されている。情報取得部５０７７は、車両の起動中において情報を継続的に取得する。

　表示制御部５０７８は、情報取得部５０７７からの情報に基づき、各ドライバ５０７２，５０７３，５０７４，５０７５ａ，５０７５ｂと協働して、装置５１００の表示を制御する。表示制御部５０７８は、例えば各透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示を制御する。具体的に、表示制御部５０７８は、情報取得部５０７７が取得した車両の燃料残量の情報に基づいて、右側の透光表示部５０５０ａの光源部５０５８において各発光素子５０５８ａの点灯及び消灯を個別に制御する。

　すなわち、燃料残量が満タン（車両の燃料タンクの上限まで給油された状態）である場合には、表示制御部５０７８は、目盛図柄５０６７の各目盛５０６７ａに対応する発光素子５０５８ａを全て点灯させる。これにより、各目盛５０６７ａが全て点灯表示された状態となり、燃料残量が満タンであることが表示される。一方、燃料残量が満タンよりも少ない所定量である場合には、表示制御部５０７８は、目盛図柄５０６７の各目盛５０６７ａに対応する発光素子５０５８ａのうち、延伸寸法が小さい左側の一部の目盛５０６７ａに対応する一部の発光素子５０５８ａを点灯させ、他部の発光素子５０５８ａを消灯させる。これにより、一部の発光素子５０５８ａに対応する目盛５０６７ａのみが点灯表示された状態となり、燃料残量が所定量であることが表示される。

　また同様に、表示制御部５０７８は、情報取得部５０７７が取得した車両のエンジン冷却水の水温の情報に基づいて、左側の透光表示部５０５０ｂの光源部５０５８において各発光素子５０５８ａの点灯及び消灯を個別に制御する。

　表示制御部５０７８は、また例えば各警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの警告の表示を制御する。具体的に、表示制御部５０７８は、情報取得部５０７７が取得した異常情報に基づいて、各警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂにおける各発光素子５０４４の点灯及び消灯を個別に制御する。すなわち、車両の特定箇所の異常を示す異常情報が取得された場合に、表示制御部５０７８は、各発光素子５０４４のうち、当該異常情報に対応する警告灯５０４２を表示させるための発光素子５０４４を、点灯させる。異常情報が何も取得されていない場合には、表示制御部５０７８は、警告灯５０４２を表示させるための発光素子５０４４を、全て消灯させる。

　加えて、表示制御部５０７８は、警告表示部５０４０ａと透光表示部５０５０ａとの間で、また、警告表示部５０４０ｂと透光表示部５０５０ｂとの間で、表示態様を調整する。表示制御部５０７８は、警告表示部５０４０ａの警告の表示の少なくとも１つを表示する場合に、当該警告表示部５０４０ａと重畳する透光表示部５０５０ａの表示内容を一時的に消灯させる。すなわち、右側の警告表示部５０４０ａに配置された警告灯５０４２を表示する場合には、右側の透光表示部５０５０ａにおける燃料残量の表示が一時的に消灯される。

　同様に、表示制御部５０７８は、右側の警告表示部５０４０ｂの警告の表示の少なくとも１つを表示する場合に、当該警告表示部５０４０ｂと重畳する透光表示部５０５０ｂの表示内容を一時的に消灯させる。すなわち、警告表示部５０４０ｂに配置された警告灯５０４２を表示する場合には、左側の透光表示部５０５０ｂにおける水温の表示が一時的に消灯される。

　より詳細には、表示制御部５０７８は、警告表示部５０４０ａの警告が表示されている間、透光表示部５０５０ａの表示内容を点滅させる。すなわち、警告表示部５０４０ａに配置された警告灯５０４２が表示されている間、透光表示部５０５０ａの燃料残量の表示が一時的な消灯と一時的な点灯を繰り返すことで点滅される。

　同様に、表示制御部５０７８は、警告表示部５０４０ｂの警告が表示されている間、透光表示部５０５０ｂの表示内容を点滅させる。すなわち、警告表示部５０４０ｂに配置された警告灯５０４２が表示されている間、透光表示部５０５０ｂの水温の表示が一時的な消灯と一時的な点灯を繰り返すことで点滅される。

　その他、表示制御部５０７８は、指針表示部５０２０ａ，５０２０ｂの表示、及び液晶表示部５０３０の画像表示等も制御する。

　発光制御部５０８０は、ＰＷＭ制御部５０８１及びデューティ制御部５０８２を含んでいる。ＰＷＭ制御部５０８１及びデューティ制御部５０８２は、発光制御部５０７８と協働して、パルス信号の制御によって各発光素子５０５８ａに印加される電流の実効値を増減させて、各発光素子５０５８ａの発光輝度を調整する。発光制御部５０８０は、ＰＷＭ制御部５０８１及びデューティ制御部５０８２の各制御の切り替え又は各制御の組み合わせにより、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示態様を変化させる。ＰＷＭ制御部５０８１及びデューティ制御部５０８２の少なくとも一方によって生成されたスイッチング指令に基づき、透光表示ドライバ５０７５ａ，５０７５ｂから各透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの各発光素子５０５８ａにパルス信号が印加される。

　ＰＷＭ制御部５０８１は、所定の周期のパルス信号において、電流のオン状態とオフ状態との時間比率を変更し、各発光素子５０５８ａの輝度を制御する。こうしたパルス幅変調制御では、電流をオン状態とするパルス幅が広くなり、単位周期あたりでオン状態となる時間比率が高くなる程、発光素子５０５８ａの輝度が高くなる。

　デューティ制御部５０８２は、電流がオン状態となる時間を一定時間とし、オフ時間の長さを変更することにより、各発光素子５０５８ａの輝度を制御する。こうしたパルス幅変調制御では、電流のオフ時間が短くなり、パルス信号の周波数が高く変調される程、発光素子５０５８ａの輝度が高くなる。

　このような本実施形態の車両用表示装置５１００（主に表示制御部５０７８）により実行される処理、特に警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂ及び透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂに関連する処理を、図８７のフローチャートに基づいて説明する。本フローチャートは、車両のエンジンスイッチがオン状態となったことを以って開始され、車両のエンジンスイッチがオフ状態になり次第終了するものとする。

　まず、ステップＳ５１０１では、上述の各種制御信号が制御回路５０７６に入力される。ステップＳ５１０１の処理後、ステップＳ５１０２へ移る。

　ステップＳ５１０２では、表示制御部５０７８は、表示制御仕様を決定する。ステップＳ５１０２の処理後、ステップＳ５１０３へ移る。

　ステップＳ５１０３では、表示制御部５０７８は、各透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂ及び各警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂを、瞬間的に、重畳表示する。ステップＳ５１０３の処理後、ステップＳ５１０４へ移る。

　ステップＳ５１０４では、表示制御部５０７８は、ステップＳ５１０２にて決定された表示制御仕様に基づいて、各透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの車両の状態の表示を開始し、継続する（図８８参照）。ステップＳ５１０４の処理後、ステップＳ５１０５へ移る。

　ステップＳ５１０５では、表示制御部５０７８は、車両の特定箇所の異常を示す異常情報が入力されなくなると、各警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの各警告灯５０４２に点灯表示すべき警告灯５０４２が存在しているか否かを判定する。ステップＳ５１０５にて否定判定が下された場合、ステップＳ５１０４へ戻る。ステップＳ５１０５にて肯定判定が下された場合、ステップＳ５１０６へ移る。

　ステップＳ５１０６では、表示制御部５０７８は、点灯表示すべき警告灯５０４２を点灯させて、警告の表示を開始する。これと共に、各透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂのうち、点灯した警告灯５０４２が属する警告表示部５０４０ａ又は５０４０ｂに対応する透光表示部５０５０ａ又は５０５０ｂを、一時的に消灯する。警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの両方に点灯表示する警告灯５０４２が存在する場合には、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの両方を、一時的に消灯する（図８９参照）。透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの一時的な消灯は、１～３秒程度の所定時間継続され、その後、ステップＳ５１０７へ移る。

　ステップＳ５１０７では、表示制御部５０７８は、ステップＳ５１０６にて点灯を開始した警告灯５０４２について、警告の表示を継続させつつ、一時的に消灯していた透光表示部５０５０ａ又は５０５０ｂを点灯表示させて、警告表示部５０４０ａ又は５０４０ｂとこれに対応する透光表示部５０５０ａ又は５０５０ｂとを重畳表示する（図９０参照）。ステップＳ５１０７の処理後、再びステップＳ５１０５に移る。

　すなわち、ステップＳ５１０５からステップＳ５１０７の処理を繰り返すことにより、警告表示部５０４０ａ又は５０４０ｂの警告灯５０４２の警告が表示されている間には、対応する透光表示部５０５０ａ又は５０５０ｂの表示内容は点滅しているように視認される。

　そして、車両の特定箇所の異常を示す異常情報が入力されなくなると、すなわち、異常が解消されて警告の表示が不要になると、ステップＳ５１０５で否定判定されることとなるので、今度はステップＳ５１０４とステップＳ５１０５の処理が繰り返されることとなる。したがって、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示内容のみが継続的に表示され、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの警告は、非表示状態となる。

　なお、各図において、目盛５０６７ａ等の複数設けられた要素には、その一部にのみ符号が付されている。

　本実施形態によると、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂは、透光板５０５２において、警告の表示と重畳する領域ＳＰａ，ＳＰｂに警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂとは別の表示内容を点灯表示する。ここで、警告の表示を透過させる透光板５０５２は、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂよりも視認側に配置されているので、警告の表示は、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示内容よりも奥に表示されることとなり、立体感を演出できる。そして、通常時に点灯表示されている透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示内容は、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂにて警告を表示する場合に、一時的に消灯される。透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示内容が消えることで、警告の表示が視認し易くなるだけでなく、消灯による表示の変化によって警告の表示が目立つため、視認者の注目を集め易くなる。以上により、立体感を向上すると共に、視認性良好に警告を表示することで、視認者が警告を認識し易い車両用表示装置５１００を提供することができる。

　また、本実施形態によると、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの警告が表示されている間、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示内容が点滅する。このようにすると、点滅により警告の表示に注目が行き易くなると共に、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示内容が全く認識できなくなる事態も回避することができる。

　また、本実施形態によると、両表示部５０４０ａ，５０４０ｂ及び５０５０ａ，５０５０ｂの表示色が互いに異なるので、両表示の区別が付き易くなり、視認性が高まる。

　また、本実施形態によると、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂにおける表示内容の点灯表示は、透光板５０５２の内部に光を提供する光源部５０５８からの光を視認側に反射する反射部５０５４により実現されている。こうした表示内容の点灯表示では、斬新な見栄えにより、警告の表示との立体感は一層高まる。そして、斬新な見栄えの表示内容が視認者の注目を引き付けつつ、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂにて警告を表示する場合に消灯するので、警告の表示の誘目性も一層高まるのである。

　また、本実施形態によると、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示内容として、目盛図柄５０６７の目盛５０６７ａの一部又は全部が点灯表示されることにより、車両の状態が表示される。警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの警告の表示と重畳した領域ＳＰａ，ＳＰｂにおいて警告とは別の車両の状態を表示することにより、表示スペースが節約できる。

　また、本実施形態によると、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂは、互いに隣り合って配置された発光素子５０５８ａの間に、各発光素子５０５８ａを区画する遮光性の遮光区画部５０６０を有する。このようにすると、互いに隣り合って配置された発光素子５０５８ａから発せられる光が互いに混ざり合うことが防止されるので、各発光素子５０５８ａに個別に対応する目盛５０６７ａを独立して発光させることは、容易に実現可能となる。

　第１２実施形態の変形例１としては、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂは、目盛図柄５０６７以外の表示内容を表示するものであってもよい。例えば表示内容として、車両の状態を示すマーク、加飾のための模様等が採用されてもよい。

　変形例２としては、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂは、光源部５０５８からの光を反射する反射部５０５４により、表示内容を表示するものでなくてもよい。例えば、透光板５０５２として、有機ＥＬディスプレイを採用し、当該有機ＥＬディスプレイにより、表示内容が表示されてもよい。

　変形例３としては、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂは、表示板５０１８に印刷された警告灯５０４２を点灯させて警告を表示するものでなくてもよい。例えば、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂは、液晶パネル又は有機ＥＬディスプレイの画像によって警告を表示してもよい。

　変形例４としては、表示制御部５０７８は、警告表示部５０４０ａ，５０４０ｂの警告が表示されている間、透光表示部５０５０ａ，５０５０ｂの表示内容を消灯し続けるようにしてもよい。

　ここで、第１２実施形態に基づく車両用表示装置の先行例である特開２００８－１２２２１４号公報に開示の装置は、表示パネル及び表示板を有している。表示パネルは、各種警告メッセージないしは警告灯等の警告を表示可能に形成されている。表示板は、表示パネルよりも視認側に配置され、窓部において警告の表示を透過させる。

　また、表示板は、窓部以外の領域にヘアライン模様を形成している。表示パネルは、ヘアライン模様に連続した模様を、背景として表示している。

　こうした装置では、警告の表示とヘアライン模様のような表示内容との両方を、同じ表示パネルによって表示しているため、両表示が平面的に視認され、立体感に乏しい。さらに、両表示を同時に表示してしまっているため、警告の表示が目立ち難く、視認性が良好ではなかった。このため、視認者が警告を認識し難い。

　これに対し、第１２実施形態に基づくと、立体感を向上すると共に、視認性良好に警告を表示することで、視認者が警告を認識し易い車両用表示装置を提供するために、
　（１）車両に搭載される車両用表示装置は、
　警告を表示可能に形成された警告表示部（５０４０ａ，５０４０ｂ）と、
　警告表示部よりも視認側に配置され、警告の表示を透過させる透光板（５０５２）を有し、透光板において、警告の表示と重畳する領域（ＳＰａ，ＳＰｂ）に警告表示部とは別の表示内容を通常時に点灯表示する透光表示部（５０５０ａ，５０５０ｂ）と、
　警告表示部及び透光表示部の表示を制御する表示制御部（５０７８）と、を備え、
　表示制御部は、警告表示部の警告を表示する場合に、透光表示部の表示内容を一時的に消灯させる。
第１２実施形態に基づく車両用表示装置の特徴は以上であるが、下位階層の特徴としては次のように列挙される。なお、上記の特徴との関連性を示すために「前記」を各構成に追加して説明する。

　（２）前記表示制御部は、前記警告表示部の前記警告が表示されている間、前記透光表示部の前記表示内容を点滅させる。

　（３）前記透光表示部の前記表示内容の表示色は、前記警告表示部の前記警告の表示色と異なる。

　（４）前記透光表示部は、
　前記透光板の内部に光を提供する光源部（５０５８）と、
　前記透光板に形成され、前記光源部からの前記光を視認側に反射することにより、前記表示内容を点灯表示する反射部（５０５４）と、を有する。

　（５）前記反射部は、前記透光板の外縁部に沿って配列された複数の目盛（５０６７ａ）を含む目盛図柄（５０６７）を、前記表示内容として有し、
　前記光源部は、各前記目盛に個別に対応する複数の発光素子（５０５８ａ）を有し、
　前記表示制御部は、各前記発光素子の点灯及び消灯を個別に制御することにより、前記目盛図柄の目盛の一部又は全部を点灯表示させて、前記車両の状態を表示させる。

　（６）前記透光表示部は、互いに隣り合って配置された前記発光素子の間に、各前記発光素子を区画する遮光性の遮光区画部（５０６０）を有する。

　これによると、透光表示部は、透光板において、警告の表示と重畳する領域に警告表示部とは別の表示内容を点灯表示する。ここで、警告の表示を透過させる透光板は、警告表示部よりも視認側に配置されているので、警告の表示は、透光表示部の表示内容よりも奥に表示されることとなり、立体感を演出できる。そして、通常時に点灯表示されている透光表示部の表示内容は、警告表示部にて警告を表示する場合に、一時的に消灯される。透光表示部の表示内容が消えることで、警告の表示が視認し易くなるだけでなく、消灯による表示の変化によって警告の表示が目立つため、視認者の注目を集め易くなる。以上により、立体感を向上すると共に、視認性良好に警告を表示することで、視認者が警告を認識し易い車両用表示装置を提供することができる。

（第１３実施形態）
　図９１に示すように、第１３実施形態による車両用表示装置６００は、車両に搭載され、当該装置６００を視認する乗員が着座する座席と対向するインストルメントパネルに設置されている。車両用表示装置６００は、乗員が位置することとなる視認側へ向けて車両の情報を表示可能となっている。

　なお、本実施形態において、上下は、水平面上の車両を基準に定義される。左右は、座席に着座した乗員が装置６００を正面から見た場合を基準に定義される。

　このような車両用表示装置６００は、図９２にも示すように、ケース部６１０、表示本体部６２０、導光板６３０、複数の第１光源部６５０ａ，６５０ｂ、及び複数の第２光源部６６０ａ，６６０ｂ，６６０ｃ，６６０ｄ，６６０ｅ，６６０ｆを備えている。

　ケース部６１０は、背面ケース６１２、ウインドプレート６１４、及び透光板６１６を有している。背面ケース６１２は、例えば遮光性を有する合成樹脂により形成され、表示本体部６２０を背面側から覆っている。ウインドプレート６１４は、例えば遮光性を有する合成樹脂により、表示本体部６２０の外周輪郭に沿って視認側及び当該視認側とは反対の背面側に開口部を有する筒状に形成されている。透光板６１６は、例えば着色されたアクリル樹脂等の半透光性樹脂により、ウインドプレート６１４の視認側開口部を塞ぐ板状に形成されている。これにより、導光板６３０は透光板６１６により視認側から覆われている。本実施形態の透光板６１６は、スモーク調の着色により、透過率が３０％程度に設定されているが、３０％以上の任意の値に設定されていてもよい。

　表示本体部６２０は、表示板６２１を用いて、車両の情報を表示する。表示板６２１は、一般的に文字板とも呼ばれており、背面ケース６１２と導光板６３０との間に配置されている。表示板６２１は、例えば透光性を有する合成樹脂からなる基材の視認側の表面に、半透光性又は遮光性の印刷が部分的に施されて、平板状に形成されている。なお、印刷に代えて、塗装が施されていてもよい。

　表示本体部６２０は、画像表示部６２７、表示灯部６２９、及び指針表示部６２２を有している。

　画像表示部６２７は、表示板６２１の中央の領域に配置されている。画像表示部６２７は、表示板６２１よりも背面側に、表示板６２１と近接して配置された液晶表示器６２８を有している。本実施形態の液晶表示器６２８には、薄膜トランジスタ（Thin Film Transistor、ＴＦＴ）を用いた液晶パネルであって、２次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルが採用されている。液晶表示器６２８は、視認側に画像を表示する矩形状の表示面６２８ａを有している。

　さらに表示板６２１において表示面６２８ａと重なる領域には、印刷が施されないことで透光性を有する透光領域６２１ｃが、印刷により遮光性を有する遮光領域６２１ｄに囲まれることで、矩形状に形成されている。透光領域６２１ｃは、表示面６２８ａよりも僅かに小さなサイズで形成されている。こうして表示面６２８ａに表示された画像の光は、表示板６２１を透過する。

　表示灯部６２９は、表示板６２１の下側の領域に配置されている。表示灯部６２９は、ヘッドランプの向きを示す表示灯、各種警告を示す表示灯等の複数の表示灯を有している。各表示灯は、表示板６２１よりも背面側に配置された発光素子が表示板６２１に印刷されたマークを照明することで、車両の情報を表示するようになっている。

　本実施形態の指針表示部６２２は、表示板６２１の左側の領域及び右側の領域にそれぞれ配置されることで、複数設けられている。こうした配置により、画像表示部６２７が２つの指針表示部６２２に左右に挟まれた配置となっている。

　ここで、２つの指針表示部６２２は互いに同様の構成となっているため、左側の指針表示部６２２について代表して説明する。指針表示部６２２は、ステッピングモータ６２３、指針６２４を有している。ステッピングモータ６２３は、背面ケース６１２と表示板６２１との間に、すなわち表示板６２１よりも背面側に配置されたメイン回路基板６１８に保持されている。

　指針６２４は、連結部６２４ａ及び指示部６２４ｂを一体的に有している。連結部６２４ａは、表示板６２１に空けられた貫通穴を通して配置されており、ステッピングモータ６２３の回転軸６２３ａと連結されている。指示部６２４ｂは、表示板６２１と導光板６３０との間に、すなわち表示板６２１よりも視認側かつ導光板６３０よりも背面側に配置されており、針状を呈している。指針６２４は、ステッピングモータ６２３の出力に応じて回動するようになっており、指標部６８０を指示することにより、車両の情報が表示されるようになっている。

　また、指針６２４は、表示板６２１よりも背面側に配置された発光素子６２５により照明されることで発光するようになっている。

　本実施形態の指標部６８０は、表示板６２１上に部分円環状に配置された文字６２１ａ及び副目盛６２１ｂ、及び導光板６３０に図柄６３９として部分円環状に配置された目盛図柄６３９ａによって構成されている。指標部６８０の文字６２１ａ及び副目盛６２１ｂは、表示板６２１において、遮光性の印刷に囲まれて、半透光性の印刷が施されることにより輪郭を形成している。そして、メイン回路基板６１８に実装された発光素子６８１が文字６２１ａ及び副目盛６２１ｂを背後側から照明することにより、文字６２１ａ及び副目盛６２１ｂが発光表示されるようになっている。

　本実施形態では、指標部６８０が、指針６２４よりも背面側の文字６２１ａ及び副目盛６２１ｂと指針６２４よりも視認側の目盛図柄６３９ａとに分かれていることで、車両の乗員に立体感を感じさせるようになっている。

　なお、本実施形態において、左側の領域に対応した指針６２４は、車両の情報として、車両の速度を表示するようになっている。右側の領域に対応した指針６２４は、車両の情報として、車両のエンジン回転数を表示するようになっている。

　導光板６３０は、例えば透光性を有する合成樹脂により形成され、平板状を呈しており、板厚方向ＴＤに垂直な各方向に延設されている。導光板６３０は、表示本体部６２０よりも視認側に配置され、表示板６２１とは実質平行に設けられている。導光板６３０は、視認側を向く視認側板面６３０ａ及び背面側を向く背面側板面６３０ｂを有する略矩形状を呈している。本実施形態において導光板６３０の板厚方向ＴＤは、視認側板面６３０ａ及び背面側板面６３０ｂの法線方向に実質一致するものとする。

　第１光源部６５０ａ，６５０ｂは、導光板６３０の外縁部６３２のうち、左側の左外縁部６３２Ｌ及び右側の右外縁部６３２Ｒに個別に対応して合計２箇所に設けられている。左外縁部６３２Ｌと対向する第１光源部６５０ａは、左外縁部６３２Ｌに沿って設けられた光源用基板６１９上に、互いに配列された複数の発光素子６５２を有している。右外縁部６３２Ｒと対向する第１光源部６５０ｂは、右外縁部６３２Ｒに沿って設けられた光源用基板６１９上に、互いに配列された複数の発光素子６５２を有している。

　各第１光源部６５０ａ～ｂにおいて各発光素子６５２には、発光ダイオードが採用されており、各発光素子６５２は電源と接続されることで発光する。特に本実施形態では、各発光素子６５２がマルチカラーの発光ダイオードとなっているが、同じ第１光源部６５０ａ又は６５０ｂ内の各発光素子６５２は互いに実質同一の色及び実質同じ輝度で発光制御されるようになっている。

　第２光源部６６０ａ～ｆは、導光板６３０の外縁部６３２のうち、上側の上外縁部６３２Ｔに対応して３箇所、及び下側の下外縁部６３２Ｂに対応して３箇所、合計６箇所に設けられている（図９４も参照）。上外縁部６３２Ｔと対向する３箇所の第２光源部６６０ａ～ｃは、互いに左右に並べられている。このうち左側の第２光源部６６０ａは、上外縁部６３２Ｔのうち左側部に沿って設けられた光源用基板６１９上に、互いに配列された複数の発光素子６６２を有している。中央の第２光源部６６０ｂは、上外縁部６３２Ｔのうち中央部に沿って設けられた光源用基板６１９上に、互いに配列された複数の発光素子６６２を有している。右側の第２光源部６６０ｃは、上外縁部６３２Ｔのうち右側部に沿って配列された光源用基板６１９上に、複数の発光素子６６２を有している。

　下外縁部６３２Ｂと対向する３箇所の第２光源部６６０ｄ～ｆは、互いに左右に並べられている。このうち左側の第２光源部６６０ｄは、下外縁部６３２Ｂのうち左側に沿って設けられた光源用基板６１９上に、互いに配列された複数の発光素子６６２を有している。中央の第２光源部６６０ｅは、下外縁部６３２Ｂのうち中央部に沿って設けられた光源用基板６１９上に、互いに配列された複数の発光素子６６２を有している。右側の第２光源部６６０ｆは、下外縁部６３２Ｂのうち右側に沿って設けられた光源用基板６１９上に、互いに配列された複数の発光素子を有している。

　各第２光源部６６０ａ～ｆにおいて各発光素子６６２には、発光ダイオードが採用されており、各発光素子６６２は電源と接続されることで発光する。特に本実施形態では、各発光素子６６２がマルチカラーの発光ダイオードとなっているが、同じ第２光源部６６０ａ～ｆ内の各発光素子６６２は互いに実質同一の色及び実質同じ輝度で発光制御されるようになっている。

　こうして各光源部６５０ａ～ｃ，６６０ａ～ｆの各発光素子６５２，６６２によって、導光板６３０の外縁部６３２は、全周に亘って取り囲まれている。

　ここで、各光源部６５０ａ～ｃ，６６０ａ～ｆの発光素子６５２，６６２と導光板６３０の外縁部６３２との間には、図９３に示すような外縁部材６７０が設けられている。外縁部材６７０は、外縁導光部６７２と遮光部６７６とを２色成形により一体的に有している。外縁導光部６７２は、例えば透光性を有する合成樹脂により、第１光源光又は第２光源光を導光可能に形成されている。外縁導光部６７２は、導光板６３０の外縁部６３２と対向する板対向面６７４、及び発光素子６５２又は６６２と対向する光源対向面６７３を有している。光源対向面６７３及び板対向面６７４は、それぞれ滑らかな平面状に形成されている。

　遮光部６７６は、例えば遮光性を有するエストラマにより形成され、外縁導光部６７２のうち各対向面６７３，６７４を除く箇所を囲い込む筒状を呈している。これにより、発光素子６５２又は６６２が発した光源光が、外縁導光部６７２に導光される際、遮光部６７６により外側に漏れ難くなる。遮光部６７６は、板対向面６７４よりも導光板６３０側へ延伸している。

　また外縁部材６７０は、背面ケース６１２とウインドプレート６１４との間に挟まれて保持されている。さらに遮光部６７６の導光板側端部が導光板６３０を挟むことによって、外縁部材６７０が導光板６３０を保持している。遮光部６７６のエストラマの柔軟性により、車両の振動に応じて発生し得る導光板６３０とケース部６１０との衝突音等の異音が抑制される。

　図９４に示すように、こうして外縁部６３２を介して、各光源部６５０ａ～ｃ，６６０ａ～ｆの発光素子６５２，６６２から発せられた第１光源光及び第２光源光が導光板６３０の内部に提供される。導光板６３０の内部では、各光源部６５０ａ～ｃ，６６０ａ～ｆによる第１光源光及び第２光源光は、導光板６３０が延設している方向（以下、延設方向ＥＤ）に進むこととなる。ここで、導光板６３０の延設方向ＥＤに進む光源光とは、導光板６３０の内部を延設方向ＥＤに沿って直線的に進む光であってもよいし、導光板６３０の内部を両側の板面６３０ａ，６３０ｂに反射されながらジグザグに進むことにより、結果的に導光板６３０が延設方向ＥＤに進む光であってもよい。

　具体的には、第１光源部６５０ａからの第１光源光は、導光板６３０の内部を左側から右側へ進む。第１光源部６５０ｂからの第１光源光は、導光板６３０の内部を右側から左側へ進む。第２光源部６６０ａ～ｃからの各第２光源光は、導光板６３０の内部を上側から下側へ進む。第２光源部６６０ｄ～ｆからの各第２光源光は、導光板６３０の内部を下側から上側へ進む。すなわち、第１光源光は、導光板６３０の内部にて、第２光源光と交差するように、延設方向ＥＤに進む。換言すると、第２光源光は、導光板６３０の内部にて、第１光源光と交差するように、延設方向ＥＤに進む。そして本実施形態では、第１光源光のうち強度が最大の進行方向ＰＤ１と第２光源光のうち強度が最大の進行方向ＰＤ２とは、互いに実質直交している。

　そして、図９１に示すように、導光板６３０は、第１光源光と第２光源光との交差箇所において、反射表示部６３３を有している。反射表示部６３３は、表示領域ＤＡが図柄６３９の形状に設けられることによって、視認側に当該図柄６３９を表示可能となっている。

　反射表示部６３３の表示領域ＤＡでは、第１光源光又は第２光源光を視認側に反射する反射素子６３４が延設方向ＥＤに沿って（すなわち、導光板６３０が延設されている上下左右に）複数配置されている。各反射素子６３４は、図９５，９６に示すように、微細なサイズに設定され、導光板６３０の背面側板面６３０ｂから当該導光板６３０の内部に凹む凹穴状に形成されている。図９７～９９にも示すように、反射素子６３４には、第１光源光又は第２光源光を視認側に反射する反射面６３５が設けられている。反射素子６３４には、反射面６３５として、第１光源光の入射に対応した方向を向く第１反射面６３５ａを有する第１反射素子６３４ａと、反射面６３５として、第２光源光の入射に対応した方向を向く第２反射面６３５ｂを有する第２反射素子６３４ｂとが存在する。その他、各第１反射素子６３４ａ及び各第２反射素子６３４ｂは、傾斜背面６３６及び２つの側面６３７を有している。

　第１反射面６３５ａは、第１光源光が入射する外縁部６３２の方を向いて配置されている。具体的に、導光板６３０の左半分に配置された第１反射素子６３４ａでは、第１反射面６３５ａが第１光源部６５０ａに対応して左外縁部６３２Ｌの方を向き、導光板６３０の右半分に配置された第１反射素子６３４ａでは、第１反射面６３５ａが第１光源部６５０ｂに対応して右外縁部６３２Ｒの方を向いている。こうした第１反射面６３５ａは、延設方向ＥＤに長い略矩形状を呈している。第１反射面６３５ａは、背面側から視認側へ向かう程、対応する第１光源部６５０ａ又は６５０ｂから遠ざかるように、板厚方向ＴＤに対して傾斜した平面状に形成されている。第１反射面６３５ａと板厚方向ＴＤとがなす角は、３９～４５度の範囲に設定されることが好ましく、特に本実施形態では４５度に設定されている。こうして第１反射面６３５ａは、第１光源光及び第２光源光のうち、第１光源光を、視認側に反射するようになっている。

　第２反射面６３５ｂは、第２光源光が入射する外縁部６３２を向いて配置されている。具体的に、導光板６３０の上半分に配置された第２反射素子６３４ｂでは、第２反射面６３５ｂが第２光源部６６０ａ～ｃに対応して上外縁部６３２Ｔの方を向き、導光板６３０の下半分に配置された第２反射素子６３４ｂでは、第２反射面６３５ｂが第２光源部６６０ｄ～ｆに対応して右外縁部６３２Ｒを向いている。こうした第２反射面６３５ｂは、延設方向ＥＤに長い略矩形状を呈している。第２反射面６３５ｂは、背面側から視認側へ向かう程、対応する第２光源部６６０ａ～ｃ又は６６０ｄ～ｆから遠ざかるように、板厚方向ＴＤに対して傾斜した平面状に形成されている。第２反射面６３５ｂと板厚方向ＴＤとがなす角は、３９～４５度の範囲に設定されることが好ましく、特に本実施形態では４５度に設定されている。こうして第２反射面６３５ｂは、第１光源光及び第２光源光のうち、第２光源光を、視認側に反射するようになっている。

　傾斜背面６３６は、反射面６３５とは反対側を向いて設けられることで、一反射素子６３４において反射面６３５とは背中合わせに設けられている。傾斜背面６３６は、板厚方向ＴＤに対して例えば５度傾斜した平面状に形成されている。すなわち、傾斜背面６３６は、反射面６３５の傾斜よりも傾斜角を小さく設定されていることで、傾斜背面６３６に第１光源光又は第２光源光が反射されたとしても、乗員からは視認できない方向に反射されることとなる。

　２つの側面６３７は、一反射素子６３４において、反射面６３５の側端部と傾斜背面６３６の側端部との間に、それぞれ配置され、平面状に形成されている。側面６３７は、反射面６３５の傾斜よりも傾斜角を小さく設定され、さらに傾斜背面６３６の傾斜と同程度もしくは傾斜背面６３６の傾斜よりも傾斜角を小さく設定されている。したがって、側面６３７に第１光源光又は第２光源光が反射されたとしても、乗員からは視認できない方向に反射されることとなる。

　図９１，９５，９６に示すように、このような反射素子６３４ａ，６３４ｂにより、反射表示部６３３は、表示領域ＤＡとして、第１表示領域ＤＡ１及び第２表示領域ＤＡ２を有している。第１表示領域ＤＡ１は、反射素子６３４のうち、第１反射素子６３４ａが複数配置されて構成されている。第１表示領域ＤＡ１において各第１反射素子６３４ａは、延設方向ＥＤに沿って平坦に形成された平坦部６３８を介することで、互いに離間して、１つずつ配置されている。特に本実施形態では、第１表示領域ＤＡ１において各第１反射素子６３４ａは、延設方向ＥＤのうち、進行方向ＰＤ１及び進行方向ＰＤ２に合わせて、上下方向及び左右方向の２次元方向に互いに配列されている。

　第２表示領域ＤＡ２は、反射素子６３４のうち、第２反射素子６３４ｂが複数配置されて構成されている。第２表示領域ＤＡ２において各第２反射素子６３４ｂは、延設方向ＥＤに沿って平坦に形成された平坦部６３８を介することで、互いに離間して、１つずつ配置されている。特に本実施形態では、第２表示領域ＤＡ２において各第２反射素子６３４ｂは、延設方向ＥＤのうち、進行方向ＰＤ１及び進行方向ＰＤ２に合わせて、上下方向及び左右方向の２次元方向に互いに配列されている。

　こうした反射表示部６３３は、導光板６３０のうち指針表示部６２２と対向する箇所、すなわち第１光源部６５０ａからの第１光源光と第２光源部６６０ａ，６６０ｄからの第２光源光とが交差する箇所及び第１光源部６５０ｂからの第１光源光と第２光源部６６０ｃ，ｆからの第２光源光とが交差する箇所においてそれぞれ、図柄６３９として、上述の目盛図柄６３９ａを形成している。加えて、反射表示部６３３は、導光板６３０のうち画像表示部６２７と対向する箇所、すなわち第１光源部６５０ａ，６５０ｂからの第１光源光と第２光源部６６０ｂ，６６０ｅからの第２光源光とが交差する箇所において、図柄６３９として、画像表示部６２７を囲い込む枠図柄６３９ｂを形成している。

　ここで、２つの目盛図柄６３９ａは互いに同様の構成となっているため、左側の目盛図柄６３９ａについて代表して説明する。図９５に拡大して示すように、目盛図柄６３９ａは、表示板６２１の文字６２１ａ及び副目盛６２１ｂの位置に対応して部分円環状に配列されている。目盛図柄６３９ａは、第１表示領域ＤＡ１と第２表示領域ＤＡ２との組み合わせにより表示される。目盛図柄６３９ａのうち内側に配置された内側部分は、回転軸６２３ａを中心として放射状に延伸する形状となっており、第１表示領域ＤＡ１により構成されている。内側部分において、指針６２４側としての内周側は、先端に向かう程幅が小さくなる先細り形状となっている。

　目盛図柄６３９ａのうち外側に配置された外側部分は、内側部分を指針６２４とは反対側となる外周側から囲い込むＵ字形状となっており、第２表示領域ＤＡ２により構成されている。外側部分において、指針６２４側としての内周側は、先端に向かう程幅が小さくなる先細り形状となっている。反射表示部６３３は、内側部分を構成する第１表示領域ＤＡ１と外側部分を構成する第２表示領域ＤＡ２との間に、平坦部６３８のみで構成された隙間の領域ＣＡを有している。

　目盛図柄６３９ａを表示する各表示領域ＤＡの外輪郭は、図柄６３９の適切な表現のため、第１光源光の進行方向ＰＤ１及び第２光源光の進行方向ＰＤ２に対して傾斜する部分を有している。外輪郭の傾斜部分に接している反射素子６３４には、外輪郭に合わせて進行方向ＰＤ１，ＰＤ２に対して斜めの方向に延伸する切断側面６３７ａが形成されている。本実施形態において、こうした外輪郭の傾斜部分に接している反射素子６３４には、表示領域ＤＡ（第１表示領域ＤＡ１又は第２表示領域ＤＡ２）の中央部に配置されている反射素子６３４よりも大きく形成されている大反射素子６３４ｃが含まれている。このように大反射素子６３４ｃを設けることで、切断側面６３７ａを有する反射素子６３４に、所定以上のサイズの反射面６３５が担保される。

　図９６に示す枠図柄６３９ｂは、画像表示部６２７の表示面６２８ａの周囲を全周に亘って縁取るように、各辺が進行方向ＰＤ１又は進行方向ＰＤ２に沿って延伸する矩形環状に形成されている。枠図柄６３９ｂは、第１表示領域ＤＡ１と第２表示領域ＤＡ２との組み合わせにより表示される。枠図柄６３９ｂのうち、中央に配置された矩形環状の中枠部分は、第１表示領域ＤＡ１により構成されている。枠図柄６３９ｂのうち、内周側に配置された矩形環状の内枠部分及び外周側に配置された矩形環状の外枠部分は、第２表示領域ＤＡ２により構成されている。枠図柄６３９ｂにおいては、中枠部分を構成する第１表示領域ＤＡ１と内枠部分及び外枠部分を構成する第２表示領域ＤＡ２との間には、隙間の領域ＣＡが設けられていない。

　こうした図柄６３９の表示において、通常時では、第１光源部６５０ａ，６５０ｂの各発光素子６５２と第２光源部６６０ａ～ｆの各発光素子６５２とが互いに異なる色で発光するようになっている。例えば、第１光源部６５０ａ，６５０ｂの各発光素子６５２が赤色にて発光すると共に、第２光源部６６０ａ～ｆの各発光素子６６２が青色にて発光すると、第１表示領域ＤＡ１が赤色にて表示され、第２表示領域ＤＡ２が青色にて表示される。すなわち、目盛図柄６３９ａにおいては、内側部分が赤色にて表示され、外側部分が青色にて表示される。枠図柄６３９ｂにおいては、中枠部分が赤色にて表示され、内枠部分及び外枠部分が青色にて表示される。

　一方、車両においてスポーツモードが選択されると、第１光源部６５０ａ，６５０ｂの各発光素子６５２及び第２光源部６６０ａ～ｆの各発光素子６６２が同じ色で発光する。例えば、第１光源部６５０ａ，６５０ｂの各発光素子６５２及び第２光源部６６０ａ～ｆの各発光素子６６２が赤色にて発光すると、第１表示領域ＤＡ１及び第２表示領域ＤＡ２が赤色にて表示される。車両のスポーツモードとは、乗員がスポーティな運転を楽しむことができるような車両制御が行われる状態であり、例えばエンジン回転数が高めに制御される。

　また、状況に応じて、第１光源部６５０ａ，６５０ｂの各発光素子６５２及び第２光源部６６０ａ～ｆの各発光素子６５２のうち一方が点灯し、一方を消灯するように制御される。このようにすると、目盛図柄６３９ａ及び枠図柄６３９ｂのうち一部分を表示させることができる。すなわち、光源光が提供されない反射面６３５ａ，６３５ｂは、発光表示しなくなる。さらには、各反射素子６３４が微細なサイズかつ平坦部６３８を介して形成されているので、光源光が提供されない反射面６３５を有する反射素子６３４が乗員からは殆ど視認できなくなってしまうのである。

　なお、各図において反射素子６３４等は、見易さのため、その一部にのみ符号が付されている。

　本実施形態によると、導光板６３０の内部にて互いに交差する第１光源光及び第２光源光に対して、第１反射面６３５ａは第１光源光の入射に対応した方向を向き、第２反射面６３５ｂは第２光源光の入射に対応した方向を向いている。このような向きにより、第１光源光は第１反射面６３５ａにより反射され、第２光源光は第２反射面６３５ｂにより反射される。したがって、例えば第１光源部６５０ａ，６５０ｂ及び第２光源部６６０ａ～ｆの点灯及び消灯の組み合わせ、また例えば輝度の組み合わせ、また例えば色の組み合わせによって、多様な表現が実現可能となる。以上により、図柄６３９の表示における見栄えが際立って良好な車両用表示装置６００を提供することができる。

　また、本実施形態によると、第１表示領域ＤＡ１には、第１光源光の入射に対応した方向を向く第１反射面６３５ａを有する反射素子６３４ａが複数配置される。第２表示領域ＤＡ２には、第２光源光の入射に対応した方向を向く第２反射面６３５ｂを有する反射素子６３４ｂが複数配置される。こうした第１表示領域ＤＡ１及び第２表示領域ＤＡ２を用いて、図柄６３９が表示されるので、図柄６３９の一部分を他の部分とは異なる表現で見せることが可能となり、図柄６３９の表示における見栄えが際立って良好となる。

　また、本実施形態によると、第１表示領域ＤＡ１と第２表示領域ＤＡ２との間に、隙間の領域ＣＡが設けられているので、第１表示領域ＤＡ１と第２表示領域ＤＡ２との境界部分だけ例えば輝度が高く視認されたり、また例えば色が混ざって視認されたりしてしまう事態を回避できる。したがって、図柄６３９の表示における見栄えが一層良好となる。

　また、本実施形態によると、指針６２４に指示される目盛図柄６３９ａが表示領域ＤＡによって表示される。指針６２４に指示されることで注目がいき易い目盛図柄６３９ａの表示において、多様な表現が可能となるので、見栄えが良好な印象を与え易くなる。

　導光板６３０の板面６３０ｂから内部に凹む凹穴状に形成された反射素子６３４を、表示領域ＤＡにおいて互いに複数配列した構成においては、表示領域ＤＡの外輪郭において、仮に中央部に配置された反射素子６３４と同じサイズの反射素子６３４を配置しようとすると、外輪郭から反射素子６３４がはみ出して、図柄６３９の見栄えが落ちることが懸念される。一方で、仮に外輪郭における反射素子６３４を外輪郭からはみ出ないようにサイズを小さくすると、反射素子６３４が点のようになり、各光源光を乱反射して図柄６３９の見栄えが落ちることが懸念される。そこで本実施形態では、表示領域ＤＡの外輪郭に接している反射素子６３４が表示領域の中央部に配置されている反射素子６３４よりも大きく形成されている大反射素子６３４ｃを含むような構成とした。このような大反射素子６３４ｃの端部が外輪郭に接するように切断されていたとしても、各光源光を乱反射してしまうことは抑制されるので、図柄６３９の表示における見栄えが一層良好となる。

　また、第１３実施形態によると、第１光源部６５０ａ，６５０ｂと第２光源部６６０ａ～ｆとは、互いに異なる色の光を提供可能に設けられる。図柄６３９の色表現が多様なものとなるので、見栄えは一層良好となる。

　第１３実施形態の変形例１としては、図１００に示すように、表示領域ＤＡの外輪郭に接している反射素子６３４において、大反射素子６３４ｃが含まれないようにしてもよい。

　変形例２としては、図１０１に示すように、導光板６３０は、外縁部６３２において、外側へ向かう程背後側に傾斜して設けられる平面状の外縁反射面６３２ｂと、外縁反射面６３２ｂから背後側に延びる外縁導光部６３２ａを有していてもよい。図１０１の例では、外縁導光部６３２ａの背後側の先端面に対向して、光源部６５０ａ，ｂ又は６６０ａ～ｆの複数の発光素子６５２又は６６２が配列されている。複数の発光素子６５２，６６２が互いに異なる位置から発した光源光は、外縁導光部６３２ａにより外縁反射面６３２ｂへ導光され、さらに外縁反射面６３２ｂにより導光板６３０の内側へと反射される。このようにして、第１光源光及び第２光源光が導光板６３０の内部に提供される。

　変形例３としては、第２光源部６６０ａ，６６０ｄの各発光素子６６２と第２光源部６６０ｂ，ｅの各発光素子６６２と第２光源部６６０ｃ，６６０ｆの各発光素子６６２とが、互いに異なる色で発光するようにしてもよい。このようにすると、各目盛図柄６３９ａ及び枠図柄６３９ｂをそれぞれ異なる色で表示できる。

　変形例４としては、第１光源部６５０ａ，６５０ｂの各発光素子６５２の発光量と第２光源部６６０ａ～ｆの各発光素子６６２の発光量とが互いに異なるようにしてもよい。このようにすると、図柄６３９のうち一部分を高い輝度で表示させることができ、一図柄６３９内で輝度コントラストを対比させた表現を実現することができる。

　変形例５としては、反射面６３５は、曲面状に形成されていてもよい。

　ここで、第１３実施形態に基づく車両用表示装置の先行例である特開２０１６－１２１８９０号公報に開示の車両用表示装置は、透光性を有する板状に形成された導光板と、導光板の外縁部を介して導光板の内部に光源光を入射させる１箇所の光源部と、を備えている。

　導光板は、光源部からの光源光を視認側に反射する反射面が設けられた反射素子が導光板が延設している方向に沿って複数配列された表示領域によって、視認側に図柄を表示する反射表示部を有している。この反射面は、光源部からの光の入射に対応した方向を向いている。

　しかしながら、この構成では、１箇所の光源部からの光が、当該光源部からの光の入射に対応した方向を向く反射面に反射されて、図柄が表示されるだけである。このため、図柄の表示において単一的な表現しか実現できず、見栄えが十分とはいえなかった。

　これに対し、第１３実施形態に基づくと、図柄の表示における見栄えが際立って良好な車両用表示装置を提供するため、
　（１）車両に搭載される車両用表示装置は、
　透光性を有する板状に延設された導光板（６３０）と、
　導光板の内部にて、導光板が延設している方向（ＥＤ）に進む第１光源光を提供する第１光源部（６５０ａ，６５０ｂ）と、
　導光板の内部にて、第１光源光と交差するように、導光板が延設している方向に進む第２光源光を提供する第２光源部（６６０ａ～ｆ）と、を備える。

　導光板は、第１光源光と第２光源光との交差箇所において、第１光源光又は第２光源光を視認側に反射する反射面（６３５）が設けられた反射素子（６３４）が延設している方向に沿って複数配置された表示領域（ＤＡ）によって、視認側に図柄（６３９）を表示する反射表示部（６３３）を有する。

　反射表示部は、反射面として、第１光源光の入射に対応した方向を向く第１反射面（６３５ａ）と、反射面として、第２光源光の入射に対応した方向を向く第２反射面（６３５ｂ）と、を有する。

　第１３実施形態に基づく車両用表示装置の特徴は以上であるが、下位階層の特徴としては次のように列挙される。なお、上記の特徴との関連性を示すために「前記」を各構成に追加して説明する。

　（２）前記反射表示部は、
　前記表示領域として、前記反射素子のうち、前記第１反射面を有する前記反射素子（６３４ａ）が複数配置された第１表示領域（ＤＡ１）と、
　前記表示領域として、前記反射素子のうち、前記第２反射面を有する前記反射素子（６３４ｂ）が複数配置された第２表示領域（ＤＡ２）と、を有する。

　（３）前記反射表示部は、前記第１表示領域と、前記第２表示領域との間に、隙間の領域（ＣＡ）を有する。

　（４）車両用表示装置は、回動する指針（６２４）をさらに備え、
　前記反射表示部は、前記図柄として、前記指針に指示される目盛図柄（６３９ａ）を表示する。

　（５）各前記反射素子は、前記導光板の板面から内部に凹む凹穴状に形成され、前記表示領域において互いに配列され、
　前記表示領域の外輪郭に接している前記反射素子は、前記表示領域の中央部に配置されている前記反射素子よりも大きく形成されている大反射素子（６３４ｃ）を含む。

　（６）前記第１光源部と前記第２光源部とは、互いに異なる色の光を提供可能に設けられる。

　これによると、導光板の内部にて互いに交差する第１光源光及び第２光源光に対して、第１反射面は第１光源光の入射に対応した方向を向き、第２反射面は第２光源光の入射に対応した方向を向いている。このような向きにより、第１光源光は第１反射面により反射され、第２光源光は第２反射面により反射される。したがって、例えば第１光源部及び第２光源部の点灯及び消灯の組み合わせ、また例えば輝度の組み合わせ、また例えば色の組み合わせによって、多様な表現が実現可能となる。以上により、図柄の表示における見栄えが際立って良好な車両用表示装置を提供することができる。

　（第１４実施形態）
　図１０２に示すように、第１４実施形態による車両用表示装置７００は、車両に搭載され、当該装置７００を視認する乗員が着座する座席と対向するインストルメントパネルに設置されている。車両用表示装置７００は、乗員が位置することとなる視認側へ向けて車両の情報を表示可能となっている。インストルメントパネルにおいて上面部は、車両上側に凸となる緩やかな曲面状に形成されている。

　なお、本実施形態において車両下側とは、水平面上の車両において重力が生ずる側を示す。車両上側とは、車両下側の反対側を示す。車両左側又は車両右側は、座席に着座した乗員を基準とした左側又は右側を示す。

　このような車両用表示装置７００は、図１０３にも示すように、ケース部７１０、本体表示部７２０、透光表示板７３０、及び光照射ユニット７４０等により構成されている。

　ケース部７１０は、背面ケース７１１、保持ケース７１２、プレートウインド部材７１３、及びスモーク板７１４を有している。背面ケース７１１は、例えば合成樹脂により遮光性に形成されており、本体表示部７２０を視認側とは反対側の背面側から覆っている。

　背面ケース７１１よりも視認側に配置された保持ケース７１２は、例えば合成樹脂により遮光性に形成されており、本体表示部７２０を外周側から囲む外枠ケース状に形成されている。また、保持ケース７１２は、透光表示板７３０及び光照射ユニット７４０を保持している。

　プレートウインド部材７１３は、例えば合成樹脂により遮光性に形成されており、本体表示部７２０よりも視認側に配置されている。プレートウインド部材７１３は、装置７００の外周輪郭に沿って視認側及び背面側に開口部を有する筒状に形成されている。

　スモーク板７１４は、例えば着色されたアクリル樹脂又はポリカーボネイト樹脂等の半透光性樹脂により、プレートウインド部材７１３の視認側開口部の全面を塞ぐ曲面板状に形成されている。これにより本体表示部７２０及び透光表示板７３０は、スモーク板７１４を通して乗員により視認されることとなる。本実施形態のスモーク板７１４は、スモーク調の着色により、透過率が３０％程度に設定されているが、３０％以上の任意の値に設定されていてもよい。

　本体表示部７２０は、背面側表示板７２１、複数の指針表示部７２２ａ，７２２ｂ、及び画像表示部７２５を有している。背面側表示板７２１は、一般的に文字板とも呼ばれており、背面ケース７１１と透光表示板７３０との間に配置されている。背面側表示板７２１は、例えばアクリル樹脂又はポリカーボネイト樹脂等の透光性を有する基材の視認側の表面に、半透光性又は遮光性の印刷が部分的に施されて、平板状に形成されている。なお、印刷に代えて、塗装が施されていてもよい。

　複数の指針表示部７２２ａ，７２２ｂは、本実施形態では２つ設けられており、背面側表示板７２１の車両左側の領域及び車両右側の領域に、それぞれ配置されている。ここで、２つの指針表示部７２２ａ，７２２ｂは互いに同様の構成となっているため、車両右側の指針表示部７２２ａについて代表して説明する。

　指針表示部７２２ａは、ステッピングモータ７２３及び指針７２４を有している。ステッピングモータ７２３は、背面ケース７１１と背面側表示板７２１との間に、すなわち背面側表示板７２１よりもさらに背面側に配置されたメイン回路基板７２６に保持されている。

　指針７２４は、連結部７２４ａ及び指示部７２４ｂを一体的に有している。連結部７２４ａは、背面側表示板７２１に空けられた貫通穴７４４を通して配置されており、ステッピングモータ７２３の回転軸７２３ａと連結されている。指示部７２４ｂは、背面側表示板７２１よりも視認側かつ透光表示板７３０よりも背面側に配置されており、針状を呈している。指針７２４は、ステッピングモータ７２３の出力に応じて回動するようになっており、指標７２１ａを指示することにより、指示位置に応じた車両の情報が表示されるようになっている。

　指標７２１ａは、背面側表示板７２１上の印刷によって、目盛及び当該目盛に対応する文字を部分円環状に配列して形成されている。なお、本実施形態では、右側の指針表示部７２２ａにおける指標７２１ａは、車両の速度を表示するための指標となっている。一方、左側の指針表示部７２２ｂにおける指標７２１ａは、車両のエンジン回転数を表示するための指標となっている。

　画像表示部７２５は、背面側表示板７２１の中央の領域に配置されている。画像表示部７２５は、背面側表示板７２１とメイン回路基板７２６との間に、背面側表示板７２１と近接して配置された液晶表示器７２５ａを有している。本実施形態の液晶表示器７２５ａには、薄膜トランジスタ（Thin Film Transistor、ＴＦＴ）を用いた透過型ＴＦＴ液晶パネルであって、２次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルが採用されている。液晶表示器７２５ａは、視認側に画像を表示する矩形状の表示面７２５ｂを有している。

　さらに背面側表示板において表示面７２５ｂと対向する領域には、印刷が施されないことで透光性を有する透光領域７２１ｂが、印刷により遮光性を有する遮光領域７２１ｃに囲まれることで、矩形状に形成されている。透光領域７２１ｂは、表示面７２５ｂよりも僅かに小さなサイズで形成されている。こうして表示面７２５ｂに表示された画像の光は、表示板７２１の透光領域７２１ｂを視認側に透過し、さらに透光表示板７３０を透過する。

　透光表示板７３０は、例えばアクリル樹脂又はポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂により透光性に形成され、視認側板面７３１ａ及び背面側板面７３１ｂを有する平板状を呈している。透光表示板７３０は、背面側表示板７２１とは実質平行に設けられている。視認側板面７３１ａは、視認側を向いて形成されており、背面側板面７３１ｂは、背面側を向いて形成されている。特に本実施形態の透光表示板７３０は、背面側表示板７２１と対向する領域のうち、画像表示部７２５と重なる領域を含んで配置されている。特に本実施形態の透光表示板７３０は、背面側表示板７２１の全面を視認側から覆っている。透光表示板７３０は、本体表示部７２０の画像表示部７２５による表示を、光の透過により視認側に透過表示可能となっている。

　透光表示板７３０には、光照射ユニット７４０からの光源光が、当該透光表示板７３０の外縁部７３２を介して、内部に導入されるようになっている。特に本実施形態では、車両上側の外縁部７３２から車両下側へ向かって光源光が照射され、透光表示板７３０の内部でも車両上側から車両下側へ向かって光源光が進むようになっている。

　特に本実施形態の外縁部７３２において、光照射ユニット７４０と対向する箇所には、一対の外縁辺７３３が設けられている。一対の外縁辺７３３は、透光表示板７３０内部側に鈍角をなして接続されている。こうした一対の外縁辺７３３により、外縁部７３２の光照射ユニット７４０と対向する箇所にて、透光表示板７３０は、車両上方の当該光照射ユニット７４０側へ突出する外縁突出部７３４を有している。

　透光表示板７３０は、反射表示部７３５を有している。反射表示部７３５は、図１０２，１０４に示すように、凹み深さ５～２０μｍ程度の微細なサイズの複数の反射素子７３６を互いに２次元的に配列することにより、巨視的に視認可能な図柄７３５ａを形成している。各反射素子７３６が透光表示板７３０内部に導入された光源光を視認側に反射することにより、図柄７３５ａが光輝して、表示されるようになっている。特に本実施形態では、図柄７３５ａは、透光表示板７３０のうち、画像表示部７２５と背面側表示板７２１を挟んで対向する領域に配置されている。具体的に本実施形態の図柄７３５ａは、画像表示部７２５の表示面７２５ｂの周囲を全周に亘って縁取るように、矩形環状に形成された枠図柄となっている。

　保持ケース７１２の受け部７１２ａが透光表示板７３０の外縁部７３２を例えば全周に亘って受けることで、透光表示板７３０は、保持ケース７１２と当接している。さらに、受け部７１２ａから突出した複数の保持ピン７１２ｅが透光表示板７３０側の保持穴７３０ａに挿入されることにより、透光表示板７３０が保持ケース７１２に対して位置決めされている。こうして透光表示板７３０は、保持ケース７１２に対して保持されている。これと共に、透光表示板７３０の外縁部７３２を、プレートウインド部材７１３にて背面側に突出する突出部７１３ａが押さえつけることにより、透光表示板７３０の位置ずれが規制されている。

　各反射素子７３６は、図１０４～１０６に示すように、透光表示板７３０の背面側板面７３１ｂから、視認側板面７３１ａ側へ凹む三角錐状の凹部として形成されている。特に図１０４に示すように、各反射素子７３６は、板面７３１ｂに垂直な板厚方向ＴＤに沿って見た平面図上では、二等辺三角形状をなしている。各反射素子７３６は、２つの反射面７３７及び素子裏面７３８を有している。

　２つの反射面７３７は、平面図上の二等辺三角形状において等辺に対応する位置にそれぞれ配置され、光源光が導入される車両上方の外縁部７３２側を向いて形成されている。各反射面７３７は、三角形の平面状に形成されており、平面図上の二等辺三角形状の等辺に沿って互いに斜め外方を向いている。

　各反射素子７３６は、平面図上の二等辺三角形状の頂角（又は底辺）を二等分する断面に沿って、２つの反射面７３７同士を接続する直線状の接続辺７３６ｂを有している。接続辺７３６ｂは、背面側板面７３１ｂから視認側板面７３１ａ側へ向かう程、光源光が導入される車両上方の外縁部７３２から離れるように傾斜しており、特に図１０５に示すように板厚方向ＴＤに対して例えば７４５度の傾斜角をなしている。各反射面７３７においても、上述の頂角を二等分する断面に平行な断面上では、接続辺７３６ｂと同様、板厚方向ＴＤに対して例えば４５度の傾斜角をなしている。

　三角錐状の各反射素子７３６において、最も凹み深さが深い凹底部７３６ａを含み、特に図１０６に示すように、上述の頂角を二等分する断面に垂直な垂直断面上では、各反射面７３７は、背面側板面７３１ｂに対して１０度の傾斜角をなしている。

　素子裏面７３８は、平面図上の二等辺三角形状において底辺に対応する位置に配置され、光源光が導入される車両上方の外縁部７３２とは反対側を向いて形成されている。素子裏面７３８は、三角形の平面状に形成されている。素子裏面７３８は、背面側板面７３１ｂから視認側板面７３１ａ側へ向かう程、光源光が導入される車両上方の外縁部７３２に近づくように傾斜しており、板厚方向ＴＤに対して例えば５度の傾斜角をなしている。

　図１０４に示すように、こうした各反射素子７３６に光源光が車両上方から車両下方に向かって入射すると、上述の４５度の傾斜角をなす各反射面７３７によって、当該光源光が視認側に反射される。こうして、各反射素子７３６が視認側の乗員により光輝して視認される。

　本実施形態では、複数の反射素子７３６は、背面側板面７３１ｂにおいて平坦に形成された平坦部７３９を介することで、互いに所定の配列ピッチだけ離間して、１つずつ配置されている。そして、複数の反射素子７３６は、その凹底部７３６ａの位置を、１列毎に配列ピッチの半値分ずらした、所謂千鳥状に配列されている。

　こうした各反射素子７３６が配列された反射表示部７３５は、上述のように各反射面７３７が光源光を反射することで、全体としては、図柄７３５ａを面光源状に光輝させて表示することができる。より詳細には、見る角度によって各反射面７３７による反射具合が変わるため、乗員の眼の位置の移動に伴って、図柄７３５ａがキラキラと視認される。

　こうした図柄７３５ａは、本体表示部７２０による表示と重畳表示される。一方、光照射ユニット７４０が消灯により光源光を透光表示板７３０の内部に導入しないときには、各反射素子７３６が微細なサイズかつ平坦部７３９を介して形成されていることによって、視認されないようになっている。

　図１０７～１２６に示す光照射ユニット７４０は、透光表示板７３０の外縁部７３２を介して、透光表示板７３０に光源光を照射するユニットである。光照射ユニット７４０は、保持ケース７１２に対して保持されているが、当該保持ケース７１２に対して着脱可能な別体として形成されている。光照射ユニット７４０は、保持部材７４１、一対の実装基板７６０、複数の発光素子７７０、一対の光学シート部材７８０等により構成されている。

　保持部材７４１は、例えば合成樹脂からなる遮光性の基材により、透光表示板７３０の外縁部７３２（特に外縁突出部７３４）と対向して配置される表面７４３ａと、当該表面７４３ａとは反対側の裏面７４３ｂとを有する板状に形成されている。特に本実施形態では、外縁突出部７３４において互いに鈍角をなす一対の外縁辺７３３に対応して、保持部材７４１は、互いに鈍角をなして細長く沿設された一対の平板部７４２を有している。

　本実施形態では、透光表示板７３０の外縁突出部７３４の形状に合わせて、一対の平板部７４２の表面７４３ａ側が１８０度未満の鈍角をなしている。一対の平板部７４２が一対の外縁辺７３３と略等しい角度をなすことにより、保持部材７４１と外縁突出部７３４とは、全体に亘って略等距離に離間した状態で、互いに対向している。こうして保持部材７４１は、各平板部７４２の長手方向ＬＤを、透光表示板７３０の沿設方向に沿わせて、配置されている。このように保持部材７４１が折れ曲がるような形状をなしていることで、車両用表示装置７００は、インストルメントパネルの曲面状の上面部に対して、デッドスペースが少ない状態で配置可能となっている。

　各平板部７４２は、表面７４３ａと裏面７４３ｂとの間（すなわち外周壁７４６）を貫通する貫通穴７４４を複数形成している。各貫通穴７４４は、長手方向ＬＤに配列されて格子状をなし、それぞれ矩形状を呈している。貫通穴７４４と貫通穴７４４との間を隔てる穴隔壁７４５の厚さは、貫通穴７４４の配列を囲む外周壁７４６の厚さよりも、小さく設定されている。より詳細には、穴隔壁７４５は、外周壁７４６に対して裏面７４３ｂ寄りに配置されることで、外周壁７４６と共に裏面７４３ｂの一部を構成している一方、表面７４３ａに対しては僅かに引っ込んでいる。

　なお、本実施形態では、貫通穴７４４は、１つの平板部７４２につき９つ、合計１８つ設けられ、貫通穴７４４間の穴隔壁７４５は、１つの平板部７４２につき８つ、合計１６つ設けられている。

　実装基板７６０は、図１０７，１１０に示すように、一対の平板部７４２に対応して、一対設けられている。各実装基板７６０は、例えば合成樹脂により、細長い平板状に形成されている。各実装基板７６０は、複数の発光素子７７０を実装する実装面７６１ａ、及び当該実装面７６１ａの反対側において、電源と接続するための給電コネクタ７６４を配置したコネクタ配置面７６１ｂを有している。そして、各実装基板７６０は、実装面７６１ａを保持部材７４１の裏面７４３ｂと当接させて、保持部材７４１に保持されている。

　ここで、保持部材７４１による実装基板７６０の保持について図１１０，１１３～１１６を用いて詳細に説明する。保持部材７４１は、その裏面７４３ｂ側において、複数の基板支持リブ７４７、複数の弾性突起７４８、及び複数の位置決めリブ７４９を有している。

　基板支持リブ７４７は、各実装基板７６０の縁部７６２のうち、視認側の縁部７６２ｂに対応して、１つの平板部７４２につき２つ、合計４つ設けられている。各基板支持リブ７４７は、当接面７４７ａ及び小凸片部７４７ｂを有している。当接面７４７ａは、対応する縁部７６２ｂと、実装基板７６０の沿設方向に当接している。小凸片部７４７ｂは、当接面７４７ａからコネクタ配置面７６１ｂ側に回り込むように突出する矩形片状を呈している。基板支持リブ７４７は、当接面７４７ａにより実装基板７６０の沿設方向への位置ずれを規制しつつ、小凸片部７４７ｂにより実装基板７６０の縁部７６２ｂを裏面７４３ｂとの間に挟み込むことで、当該縁部７６２ｂを支持している。

　弾性突起７４８は、各実装基板７６０の縁部７６２のうち、基板支持リブ７４７により支持される縁部７６２ｂとは当該実装基板７６０の中央部を挟んで反対側の縁部７６２ａ、すなわち背面側の縁部７６２ａに対応して、１つの平板部７４２につき２つ、合計４つ（すなわち基板支持リブ７４７と同数）設けられている。特に本実施形態では、各弾性突起７４８は、基板支持リブ７４７と実装基板７６０を挟んで向かい合う位置に配置されている。弾性突起７４８は、可撓腕７４８ａ、先端面７４８ｂ、及び小凸片部７４８ｃを有した突起状に形成されている。

　可撓腕７４８ａは、保持部材７４１の台座部７５５（詳細は後述する）のうち、当接板７５６の視認側かつ表面７４３ａ側から突出して形成され、貫通穴７４４よりも当接部側へずれた位置に表面７４３ａと裏面７４３ｂとを貫通して開けられた腕通し穴７４８ｄに通されることで、裏面７４３ｂ側まで達している。可撓腕７４８ａは、例えば樹脂弾性により可撓性を有している。先端面７４８ｂは、可撓腕７４８ａの先端側に設けられ、対応する実装基板７６０の縁部７６２ａと、当該実装基板７６０の沿設方向に当接している。小凸片部７４８ｃは、先端面７４８ｂからコネクタ配置面７６１ｂ側に回り込むように突出する矩形片状に形成されている。弾性突起７４８は、実装基板７６０の基板支持リブ７４７の支持側とは反対側の縁部７６２ａを、弾性変形可能に形成された可撓腕７４８ａの弾性反力により基板支持リブ７４７側に押しつつ、小凸片部７４８ｃにより縁部７６２ａを裏面７４３ｂとの間に挟み込んでいる。このような保持部材７４１による保持により、各実装基板７６０の実装面７６１ａは、裏面７４３ｂと密着状態で当接している。

　位置決めリブ７４９は、１つの平板部７４２につき１つずつ設けられている。各位置決めリブ７４９は、裏面７４３ｂから突出した突起状に形成されている。各実装基板７６０において位置決めリブ７４９に対応する箇所には、縁部７６２からスリット状に凹むスリット部７６３が形成されている。位置決めリブ７４９がスリット部７６３に嵌合することにより、各実装基板７６０が保持部材７４１に対して位置決めされている。

　実装基板７６０の実装面７６１ａに実装される発光素子７７０は、貫通穴７４４と同数設けられている。各発光素子７７０は、各貫通穴７４４の内部に、１つずつ個別に配置されていることで、各平板部７４２の長手方向ＬＤ（換言すると、透光表示板７３０の沿設方向）に沿って、互いに配列されている。特に本実施形態の各発光素子７７０は、対応する貫通穴７４４の中心に合わせて配置されている。各発光素子７７０には、発光ダイオードが採用されており、各発光素子７７０は実装基板７６０上の導通パターンを通じて電源と接続されることで発光する。複数の発光素子７７０は、同時に点灯又は消灯を切り替え可能に設けられ、互いに同じ色で光源光を発するようになっている。特に本実施形態では、各発光素子７７０は、白色の光源光を発するようになっている。

　光学シート部材７８０は、図１０８，１１２に示すように、一対の平板部７４２に対応して、一対設けられている。各光学シート部材７８０は、各発光素子７７０から発せられた光源光に、光学作用を及ぼすようになっている。本実施形態の各光学シート部材７８０は、例えばアクリル樹脂又はポリカーボネイト樹脂等の透光性を有する基材の片面全体に、半透光性の印刷が施されることで、厚さが例えば０．５ｍｍ程度の細長い平板状に形成されている。半透光性の印刷により、各光学シート部材７８０は、半透光性の例えば青色に着色されており、光学作用として、光源光に対して透過可能な波長を選択する波長選択作用を及ぼすカラーフィルタとなっている。

　光学シート部材７８０は、各貫通穴７４４と対向し、各発光素子７７０からの光源光を入射させる穴対向面７８１ａ、及び穴対向面７８１ａの反対側において、光学作用を作用させて青色光に変換された後の光源光を透光表示板７３０の外縁部７３２へ向けて投射する投射面７８１ｂを有している。そして、各光学シート部材７８０は、穴対向面７８１ａを保持部材７４１の表面７４３ａと当接させて、保持部材７４１に保持されている。

　ここで、保持部材７４１による光学シート部材７８０の保持について図１１１，１１３，１１７～１２２を用いて詳細に説明する。保持部材７４１は、表面７４３ａ側において、複数のシート支持リブ７５０、複数の挿入ピン７５３、さらに一対の平板部７４２が接続された箇所において一対の突き当たり部７５４を有している。一方、光学シート部材７８０は、シート支持リブ７５０に対応した複数の鍵状凹凸部７８３、及び挿入ピン７５３に対応した複数の位置決め穴７８６を有している。

　シート支持リブ７５０には、各光学シート部材７８０の縁部７８２のうち、背面側の縁部７８２ａに対応する背面側リブ７５１、及び視認側の縁部７８２ｂに対応する視認側リブ７５２の２種類のリブが含まれている。背面側リブ７５１は、１つの平板部７４２につき２つ、合計４つ設けられている。視認側リブ７５２は、１つの平板部７４２につき２つ、合計４つ設けられている。背面側リブ７５１と視認側リブ７５２とは、互いに向かい合わないように、平板部７４２の長手方向ＬＤにずれた位置に配置されている。

　一方、光学シート部材７８０の鍵状凹凸部７８３には、背面側リブ７５１に対応する鍵状凸部７８４、及び視認側リブ７５２に対応する鍵状凹部７８５の２種類が含まれている。鍵状凸部７８４は、１つの平板部７４２につき２つ、合計４つ（すなわち背面側リブ７５１と同数）設けられている。各鍵状凸部７８４は、光学シート部材７８０の背面側の縁部７８２ａから、さらに背面側に鍵状に張り出す凸状に形成されている。

　鍵状凹部７８５は、１つの平板部７４２につき２つ、合計４つ（すなわち視認側リブ７５２と同数）設けられている。各鍵状凹部７８５は、光学シート部材７８０の視認側の縁部７８２ｂから、背面側に鍵状に引っ込む凹状に形成されている。特に本実施形態の各鍵状凹部７８５は、視認側の縁部７８２ｂから僅かに引っ込む小凹部７８５ａ、及び小凹部７８５ａに隣接して当該小凹部７８５ａよりも大きく引っ込む大凹部７８５ｂを有していることで、２段階に引っ込んでいる。

　背面側リブ７５１は、鍵状凸部７８４と組み合うように配置されている。背面側リブ７５１は、当接面７５１ａ及び大凸片部７５１ｂを有するＬ字状のリブである。当接面７５１ａは、対応する鍵状凸部７８４の先端と、光学シート部材７８０の沿設方向に当接している。大凸片部７５１ｂは、当接面７５１ａから投射面７８１ｂ側に回り込むように突出し、投射面７８１ｂと当接する矩形片状を呈している。

　視認側リブ７５２は、鍵状凹部７８５のうち小凹部７８５ａと組み合うように配置されている。特に本実施形態では、視認側リブ７５２に対して、一対の平板部７４２が互いに接続された保持部材７４１の中央部側に、同じ鍵状凹部７８５に属する大凹部７８５ｂが小凹部７８５ａに隣接して配置されている。視認側リブ７５２は、対向面７５２ａ、大凸片部７５２ｂ、変形用突起７５２ｃを有するＬ字状のリブである。対向面７５２ａは、対応する小凹部７８５ａと、当該光学シート部材７８０の沿設方向に対向している。大凸片部７５２ｂは、対向面７５２ａから投射面７８１ｂ側に回り込むように突出する矩形片状を呈している。なお、大凸片部７５２ｂの突出寸法は、小凹部７８５ａの引っ込み寸法よりも大きく、かつ、大凹部７８５ｂの引っ込み寸法よりも小さく設定されている。またなお、保持部材７４１において、表面７４３ａ側の大凸片部７５１ｂ，７５２ｂは、裏面７４３ｂ側の小凸片部７４７ｂ，７４８ｃよりも大きなサイズで形成されている。

　こうしてシート支持リブ７５０は、光学シート部材７８０の縁部７８２を、平板部７４２の短手方向ＰＤの両側から支持している。

　変形用突起７５２ｃは、特に図１２０に示すように、球面状の先端を有し、大凸片部７５２ｂのうち投射面７８１ｂと対向する面から当該投射面７８１ｂ側に向かって例えば０．２～０．３ｍｍ程度突出している微小な突起である。変形用突起７５２ｃの先端が投射面７８１ｂに当接することで、光学シート部材７８０の全体が撓んで、ばねのように弾性変形状態となる。こうした弾性変形状態により、光学シート部材７８０の厚みに対する表面と大凸片部７５１ｂとの間の隙間が埋まり、保持部材７４１による光学シート部材７８０の安定的保持が実現される。

　挿入ピン７５３は、特に図１１１，１１２に示すように、１つの平板部７４２につき１つ、合計２つ設けられている。各挿入ピン７５３は、各平板部７４２のうち、保持部材７４１の中央部とは反対側（すなわち保持部材７４１の外側）に配置されている。各挿入ピン７５３は、表面７４３ａから当該表面７４３ａの法線方向とは異なる方向に突出しているピン状を呈している。より詳細に、各挿入ピン７５３は、一対の平板部７４２がなす鈍角の二等分線ＢＳと平行に突出していることで、挿入ピン７５３同士も互いに平行な関係となっている。

　一方、光学シート部材７８０の位置決め穴７８６は、挿入ピン７５３と同数設けられ、穴対向面７８１ａと投射面７８１ｂとを貫通して開けられている。各位置決め穴７８６において、平板部７４２の短手方向ＰＤの径は、挿入ピン７５３の径と同程度に設定され、平板部７４２の長手方向ＬＤの径は、挿入ピン７５３の径よりも大きく設定されている。挿入ピン７５３が、位置決め穴７８６に挿入されていることで、光学シート部材７８０の位置ずれが規制されている。

　突き当たり部７５４は、図１１９，１２０に示すように、一対の平板部７４２が接続された保持部材７４１の中央部において、一対設けられている。突き当たり部７５４は、一方の平板部７４２の表面７４３ａの端部から透光表示板７３０側に突出すると共に、他方の平板部７４２側に延出するＬ字状のリブとなっている。突き当たり部７５４は、突き当たり面７５４ａ及び延出部７５４ｂを有している。突き当たり面７５４ａは、他方の平板部７４２の表面７４３ａに当接している光学シート部材７８０の中央部側の端部が突き当たることで、当該光学シート部材７８０の位置ずれを規制している。延出部７５４ｂは、突き当たり面７５４ａから光学シート部材７８０の投射面７８１ｂ側に回り込んで延出していることにより、光学シート部材７８０を表面７４３ａとの間に挟み込んでいる。

　こうして、図１２３，１２４に示すように、各平板部７４２において、実装基板７６０が裏面７４３ｂに密着状態で当接すると共に、光学シート部材７８０が表面７４３ａに密着状態で当接することにより、複数の発光素子７７０が配置される複数の貫通穴７４４による空間ＳＰが光学的に密閉性高く閉じられている。貫通穴７４４による空間ＳＰは、上述の穴隔壁７４５が表面７４３ａに対して引っ込んでいることにより、貫通穴７４４間において連通している。複数の発光素子７７０が配置された空間ＳＰの連通によって、光学シート部材７８０のうち空間ＳＰに接する領域全体から面光源状に光源光が投射される。なお、上述の大凸片部７５１ｂ，７５２ｂは、光学シート部材７８０のうち当該空間ＳＰに接する領域よりも外周側の領域に対応して配置されている。

　光学シート部材７８０と表面７４３ａとのラップ代は、例えば図１１７に示すように、視認側において背面側よりも大きく設定されている。特に本実施形態では、視認側のラップ代が背面側のラップ代に対して３倍以上に設定されている。

　保持部材７４１の台座部７５５は、図１０９～１１２に示すように、一対の平板部７４２よりも背面側に設けられている。台座部７５５は、一対の当接板７５６、一対の位置決めピン７５８、及び複数の締結台座７５９ａ，７５９ｂ，７５９ｃを有している。当接板７５６は、一対の平板部７４２に対応して一対設けられ、保持部材７４１において最も背面側に配置されている。各当接板７５６は、平板状に形成されている。一方、保持ケース７１２は、台座部７５５に合わせた形状の対向部７１２ｂを有していることで、保持部材７４１の当接板７５６と保持ケース７１２の対向部７１２ｂとが当接している。

　一対の位置決めピン７５８は、台座部７５５において一対の当接板７５６よりも外側のフランジ部７５７から、背面側に突出して設けられている。保持ケース７１２の対向部７１２ｂにおいて各位置決めピン７５８に対応する箇所には、対応穴（図示しない）が設けられており、各位置決めピン７５８が各対応穴に挿入された状態により、保持部材７４１が保持ケース７１２に対して位置決めされている。

　本実施形態において、締結台座７５９ａ，７５９ｂ，７５９ｃは、合計３つ設けられている。締結台座７５９ａは、保持部材７４１の中央部に一対の当接板７５６に挟まれるように配置されている。締結台座７５９ａは、一対の平板部７４２よりも視認側かつ貫通穴７４４よりも背面側に配置されていることで、一対の当接板７５６に対して視認側に凹んでいる。図１２５に示すように、締結台座７５９ａは、ビス７１７を通すビス通し穴７５９ｄを有している。一方、保持ケース７１２の対向部７１２ｂにおいて締結台座７５９ａと対向する箇所には、締結台座７５９ａの凹みに合わせて突出する突出台座７１２ｃと、突出台座７１２ｃに開けられたビス締結穴７１２ｄとが設けられている。締結台座７５９ａにおいて、ビス７１７がビス通し穴７５９ｄを通過した後、ビス締結穴７１２ｄに締結されている。

　締結台座７５９ｂ，７５９ｃは、フランジ部７５７に、配置されている。締結台座７５９ｂ，７５９ｃは、一対の平板部７４２よりも視認側かつ貫通穴７４４よりも背面側に配置されていることで、一対の当接板７５６に対して視認側に凹んでいる。締結台座７５９ａと同様に、締結台座７５９ｂ，７５９ｃにも対応して、ビス通し穴７５９ｄ、ビス締結穴７１２ｄ等が設けられている。締結台座７５９ｂ，７５９ｃにおいても、ビス７１７がビス通し穴７５９ｄを通過した後、ビス締結穴７１２ｄに締結されている。

　このように、保持部材７４１は、保持ケース７１２に対して、複数箇所においてビス７１７により締結されている。こうして締結時には、保持部材７４１の各当接板７５６が保持ケース７１２の対向部７１２ｂと密着状態で当接していることで、保持部材７４１は、保持ケース７１２に対して安定的に保持される。一方、保持部材７４１を含む光照射ユニット７４０は、保持ケース７１２に対して着脱可能な別体として形成されていることになる。このようにすることで、光照射ユニット７４０の部品交換（例えば光学シート部材７８０のカラーフィルタ色の変更等）もし易くなる。

　保持ケース７１２側から発光素子７７０への給電は、図１１０，１２６に示すように、給電コネクタ７６４及び給電ケーブル７１８を介して実現される。給電コネクタ７６４は、各実装基板７６０に１つずつ設けられ、対応する実装基板７６０のコネクタ配置面７６１ｂの中央部に配置されている。各給電コネクタ７６４は、平板部７４２の短手方向ＰＤに幅を有し、コネクタ配置面７６１ｂに対する垂直方向に開けられた差込口７６４ａを有する。

　給電ケーブル７１８は、各給電コネクタ７６４に対して１つずつ設けられ、可撓性を有する帯状に形成された帯状部７１８ａを有している。給電ケーブル７１８は、一端部を給電コネクタ７６４に接続され、他端部を例えばメイン回路基板７２６等の電源側に接続される。給電ケーブル７１８は、差込口７６４ａと接続される接続部７１８ｂに、可動機構７１８ｃを有している。給電ケーブル７１８は、可動機構７１８ｃにより、差込口７６４ａに対して、帯状部７１８ａを垂直に延伸させる姿勢と、平行に延伸させる姿勢とを、変更可能となっている。すなわち、給電ケーブル７１８を給電コネクタ７６４に差し込む際には、帯状部７１８ａが平行に延伸する姿勢にて差し込みを行ない、その後可動機構７１８ｃを用いて帯状部７１８ａを倒すことで、当該帯状部７１８ａを垂直に延伸させる姿勢に変更する。帯状部７１８ａを垂直に延伸させる姿勢では、給電ケーブル７１８が実装基板７６０に沿って配置されるので、光照射ユニット７４０をコンパクトに収容することができる。

　図１１５，１１６，１１８，１２５に示すように、本実施形態では、プレートウインド部材７１３が収容壁７１３ｂを有する。保持ケース７１２の対向部７１２ｂと、プレートウインド部材７１３の収容壁７１３ｂが組み合うことにより、光照射ユニット７４０が収容される収容室ＡＣが形成されている。こうした収容室ＡＣにより、光照射ユニット７４０から投射された光源光の漏光が規制されることで、当該光源光は、効率的に透光表示板７３０の内部に導入される。

　また、光照射ユニット７４０が収容される収容室ＡＣにおいて、透光表示板７３０の外縁突出部７３４の板面７３１ａとプレートウインド部材７１３の突出部７１３ａとの間には、防塵部材７１５が介挿状態で配置されている。防塵部材は、例えばエストラマ材により弾性を有する平板状に形成され、透光表示板７３０とプレートウインド部材７１３との間の密着性を高めて、防塵機能を発揮する。具体的に、防塵部材７１５は、収容室ＡＣ側の例えば埃、塵、破片等の小さな異物が収容室ＡＣ外、特に保持ケース７１２に保持された透光表示板７３０の視認され得る範囲に付着することを抑制している。同時に防塵部材７１５の弾性を活用して車両の振動等による異音の発生も抑制されている。

　ここで、車両用表示装置７００の製造方法、特に光照射ユニット７４０内の各部品の組み付けについて、部分的かつ簡潔に説明する。

　保持部材７４１は、一対の成形型を用いて型成形により成形される。具体的に、表面７４３ａ側の成形型と裏面７４３ｂ側の成形型とを組み合わせて、加熱流動化させた状態の合成樹脂材料を両成形型の間に射出する。合成樹脂材料の冷却後、両成形型を、一対の平板部７４２がなす鈍角の二等分線ＢＳに沿って抜くことで離型する。こうして保持部材７４１が成形される。

　各実装基板７６０は、それぞれ対応する平板部７４２の裏面７４３ｂ側に組み付けられる。具体的に、テンションばねを有する治具によって、保持部材７４１の各弾性突起７４８を、背面側に開いた状態で、保持部材７４１の位置決めリブ７４９と、実装基板７６０のスリット部７６３との位置を合わせつつ、実装基板７６０の視認側の縁部７６２ｂを各基板支持リブ７４７に引掛ける。その後、治具を外すと、各弾性突起７４８が弾性反力により実装基板７６０の背面側の縁部７６２ｂに当接する。このようにして、各実装基板７６０が保持部材７４１の裏面７４３ｂと密着する。

　各光学シート部材７８０は、それぞれ対応する平板部７４２の表面７４３ａ側に組み付けられる。具体的に、光学シート部材７８０を若干撓ませた状態で、保持部材７４１に対して完成時よりも少し外側に配置する。このようにすると、視認側リブ７５２が鍵状凹部７８５の大凹部７８５ｂと丁度重なり、光学シート部材７８０を表面７４３ａに接触させることができる。この状態で、光学シート部材７８０を保持部材７４１の外側から中央部側にスライドさせることにより、視認側リブ７５２が鍵状凹部７８５の小凹部７８５ａと重なると共に、背面側リブ７５１が鍵状凸部７８４と重なる。さらに光学シート部材７８０の撓みを戻して挿入ピン７５３を位置決め穴７８６に挿入する。このようにして、各光学シート部材７８０が保持部材７４１の表面７４３ａと密着する。

　このような工程を経て、保持部材７４１、複数の発光素子７７０が実装された実装基板７６０、及び光学シート部材７８０により一体物として構成された光照射ユニット７４０が完成する。

　加えて、光照射ユニット７４０の保持ケース７１２への組み付けについて、簡潔に説明する。まず、保持部材７４１の一対の位置決めピン７５８を、保持ケース７１２の対応穴に挿入する。こうして保持ケース７１２に対して光照射ユニット７４０が位置決めされた状態で、ビス７１７により保持部材７４１の台座部７５５を保持ケース７１２に対して締結する。こうして一体物としての光照射ユニット７４０を保持ケース７１２にまとめて組み付けることができ、着脱も自在となっているのである。

　なお、各図において、図面の見易さを確保するため、貫通穴７４４、穴隔壁７４５、発光素子７７０等は、全てに符号を付さず、符号の一部は省略されている。

　本実施形態によると、複数の発光素子７７０、実装基板７６０及び保持部材７４１等により光照射ユニット７４０が構成されている。こうした光照射ユニット７４０が保持ケース７１２に対して着脱可能な別体として形成されているので、車両用表示装置７００の製造時に、保持ケース７１２に対して光照射ユニット７４０をまとめて組み付けることが可能となる。したがって、保持ケース７１２への部品の組み付け回数を低減することができるため、組み付けに伴って例えば埃、塵、破片等の小さな異物が保持ケース７１２内に紛れ込むことが抑制される。故に、係る保持ケース７１２に対して、透光表示板７３０を保持させても、当該透光表示板７３０の板面７３１ａ，７３１ｂへの異物の付着も抑制される。この結果、複数の発光素子７７０を用いて、光照射ユニット７４０が光源光を透光表示板７３０に照射しても、図柄７３５ａと共に異物が同時に発光してしまう事態を、抑制することができる。以上により、透光表示板７３０による表示の見栄えが良好な車両用表示装置７００を提供することができる。

　また、本実施形態によると、実装基板７６０は、発光素子７７０を実装する実装面７６１ａを裏面７４３ｂと当接させて、保持ケース７１２に保持される。こうした実装基板７６０に実装された各発光素子７７０は、各貫通穴７４４の内部に、個別に配置されている。このようにすると、各発光素子７７０から発せられた光源光が裏面７４３ｂと実装基板７６０との間から漏れることが抑制され、確実に表面７４３ａ側に導光される。このため、表面７４３ａと対向する透光表示板７３０の外縁部７３２に効率的に光源光を照射させることができるので、輝度効率を高めて図柄７３５ａを光輝され、見栄えを向上させることができる。

　また、本実施形態によると、実装基板７６０は、基板支持リブ７４７により縁部７６２ｂを支持されると共に、当該縁部７６２ｂとは反対側から、弾性突起７４８の弾性反力により基板支持リブ７４７側に押されることにより、保持部材７４１に保持される。こうした弾性反力を利用した保持により、車両振動による実装基板７６０の相対的位置変動は吸収される。したがって、光照射ユニット７４０により、透光表示板７３０に光源光を確実に照射することができる。

　また、本実施形態によると、光照射ユニット７４０は、照射光に光学作用を及ぼす光学シート部材７８０を、さらに有する。光源光が光学シート部材７８０により光学作用を受けることにより、一層見栄え良く図柄７３５ａを光輝させることができる。

　また、本実施形態によると、光学シート部材７８０は、挿入ピン７５３を位置決め穴７８６に挿入された状態で位置決めされつつ、シート支持リブ７５０により支持されることにより、保持部材７４１に保持される。こうした挿入ピン７５３の挿入を用いた保持により、光学シート部材７８０を撓ませながら容易に組み付けを行なうことができると共に、車両振動による実装基板７６０の相対的位置変動は吸収される。したがって、光照射ユニット７４０により、透光表示板７３０に光源光を確実に照射することができる。

　また、本実施形態によると、光学シート部材７８０からシート支持リブ７５０に向かって突出する変形用突起７５２ｃの先端が、当該シート支持リブ７５０に当接する。こうした当接により、光学シート部材７８０自身は撓んで弾性変形状態となる。光学シート部材７８０がばねのように機能し、車両振動による相対的位置変動は吸収される。また、光学シート部材７８０の撓みを前提とした光学シート部材７８０の保持空間に対して、光学シート部材７８０を上述の弾性変形状態よりも撓ませない状態で組み付けることで空間に余裕ができるため、容易に組み付けを行なうことができる。

　また、本実施形態によると、保持部材７４１は、表面７４３ａが透光表示板７３０の外縁部７３２と対向するように、保持ケース７１２に対してビス７１７により締結されている。ビス７１７を用いた締結によって、光照射ユニット７４０のあらゆる方向へのずれが抑制されるため、車両振動によっても、光照射ユニット７４０と透光表示板７３０との相対的位置関係を維持できる。したがって、光源光が図柄７３５ａに安定的に提供されるので、見栄えを確実に維持することができる。

　第１４実施形態の変形例１としては、透光表示板７３０において、光照射ユニット７４０からの光源光が導入される外縁部７３２は、外縁突出部７３４のように光照射ユニット７４０側に突出して形成されていなくてもよく、例えば図１２７に示すように外縁部７３２の光照射ユニット７４０に対応する箇所が直線状に形成されていてもよい。

　変形例２としては、反射素子７３６には、様々な形状を採用することができる。例えば、反射素子７３６において、三角形の平面状に形成された一対の反射面７３７に代えて、曲面状に湾曲した単一の反射面を採用してもよい。また例えば、三角形の平面状に形成された一対の反射面７３７に代えて、矩形の平面状に形成された１つの反射面を採用してもよい。また、反射面７３７の傾斜角は、光源光を視認側に反射する機能が維持される範囲で、適宜設定することができる。

　変形例３としては、透光表示板７３０は、内部に光源光を導入することにより、図柄７３５ａを光輝させて表示するものであれば、反射表示部７３５の微細なサイズの反射素子７３６により図柄７３５ａを光輝させる構成でなくてもよい。例えば、反射素子７３６に代えて、光源光を拡散する拡散素子により、図柄が光輝するようにしてもよい。例えば、反射素子７３６に代えて、背面側板面７３１ｂから視認側板面７３１ａ側へ凹む視認可能なサイズの凹状穴を設け、当該凹状穴の側壁面を光源光により照明し、当該側壁面による輪郭が光輝するようにしてもよい。

　変形例４としては、透光表示板７３０は、背面側表示板７２１の一部分を視認側から覆うように配置されていてもよい。

　変形例５としては、図柄７３５ａとして、例えば指針が指示する指標等、任意の様々な図柄を採用することができる。

　変形例６としては、保持部材７４１は、一対の平板部７４２に代えて、単一の平板部を有していてもよく、３つ以上の平板部を有していてもよい。

　変形例７としては、本体表示部７２０として、様々な構成が採用可能である。例えば、指針表示部７２２ａ，ｂを設ける代わりに、全面に画像表示部７２５が採用されてもよい。

　ここで、第１４実施形態に基づく車両用表示装置の先行例である特開２０１６－１２１８９０号公報に記載の車両用表示装置は、透光表示板（透明導光板）及び複数の発光素子（光源）を備えている。透光表示板は、見返し板により押さえられ、透光性を有すると共に、図柄を形成した板状に形成されている。複数の発光素子が発した光源光が、透光表示板の内部に導入されることにより、図柄が光輝して表示されるようになっている。複数の発光素子がどのように保持されているかについての開示はない。

　また、第１４実施形態に基づく車両用表示装置の先行例である車両用表示装置に関する特開２０１３－１７０９９３号公報には、保持ケース（フレーム体）に対して保持された液晶表示素子に光源光を導入するための複数の発光素子（光源）の保持に関しての開示がある。複数の発光素子は、保持ケースの周壁部の内壁面において固定されたフレキシブル配線板に設けられる導電路に実装されている。

　本発明者らは、透光表示板に照射する光源光を発する複数の発光素子の保持について、詳細な検討を行なった。この結果、保持ケースに対して保持される透光表示板に対して、特開２０１３－１７０９９３号公報の構成のように、同じ保持ケースに対して複数の発光素子を固定する構成を適用した場合、以下の課題が生ずることが見出された。

　この課題とは、車両用表示装置の製造時に、保持ケースに対して、複数の発光素子を直接的に組み付けていくと、保持ケースへの組み付け回数が多くなる傾向があり、この組み付けの際に、例えば埃、塵、破片等の小さな異物が保持ケース内に紛れ込むことである。そして、透光表示板もこの保持ケースに対して保持されているので、透光表示板の板面にもこれら異物が付着してしまい、図柄を表示する際に、こうした異物も同時に光輝して、透光表示板による表示の見栄えが著しく悪化することが懸念されている。

　これに対し、第１４実施形態に基づくと、透光表示板による表示の見栄えが良好な車両用表示装置を提供することを目的とし、
　（１）車両に搭載される車両用表示装置は、
　保持ケース（７１２）と、
　前記保持ケースに対して保持され、透光性を有すると共に、図柄（７３５ａ）を形成した板状に形成され、内部に光源光を導入することにより、前記図柄を光輝させて表示する透光表示板（７３０）と、
　前記光源光を発する複数の発光素子（７７０）と、前記複数の発光素子を実装する実装基板（７６０）と、前記実装基板を保持する保持部材（７４１）と、を有し、前記透光表示板の外縁部（７３２）を介して、前記透光表示板に前記光源光を照射するユニットであって、前記保持ケースに対して着脱可能な別体として形成されている光照射ユニット（７４０）と、を備える。

　第１４実施形態に基づく車両用表示装置の特徴は以上であるが、下位階層の特徴としては次のように列挙される。なお、上記の特徴との関連性を示すために「前記」を各構成に追加して説明する。

　（２）前記保持部材は、遮光性の基材により表面（７４３ａ）及び前記表面とは反対側の裏面（７４３ｂ）を有する板状に形成され、前記表面と前記裏面との間を貫通する複数の貫通穴（７４４）を形成し、前記表面が前記外縁部と対向するように配置され、
　前記実装基板は、前記発光素子を実装する実装面（７６１ａ）を前記裏面と当接させて、前記保持部材に保持され、
　各前記発光素子は、各前記貫通穴の内部に、個別に配置されている。

　（３）前記保持部材は、
　前記裏面側において、前記実装基板の縁部（７６２）を支持する基板支持リブ（７４７）と、
　弾性変形可能な突起状に形成され、前記縁部のうち前記基板支持リブに支持される前記縁部（７６２ｂ）とは前記実装基板の中央部を挟んで反対側の前記縁部（７６２ａ）を、弾性反力により前記基板支持リブ側に押す弾性突起（７４８）と、を有する。

　（４）前記光照射ユニットは、前記光源光に光学作用を及ぼす光学シート部材（７８０）を、さらに有する。

　（５）前記保持部材は、
　前記光学シート部材の縁部（７８２）を支持するシート支持リブ（７５０）と、
　前記光学シート部材に開けられた位置決め穴（７８６）に挿入されている挿入ピン（７５３）と、を有する。

　（６）前記シート支持リブは、前記光学シート部材に向かって突出すると共に、先端を前記シート支持リブに当接させることで、前記光学シート部材を撓ませて弾性変形状態にする変形用突起（７５２ｃ）を有する。

　（７）前記保持部材は、前記保持ケースに対してビス（７１７）により締結されている。

　このような車両用表示装置によると、複数の発光素子、実装基板及び保持部材等により光照射ユニットが構成されている。こうした光照射ユニットが保持ケースに対して着脱可能な別体として形成されているので、車両用表示装置の製造時に、保持ケースに対して光照射ユニットをまとめて組み付けることが可能となる。したがって、保持ケースへの部品の組み付け回数を低減することができるため、組み付けに伴って例えば埃、塵、破片等の小さな異物が保持ケース内に紛れ込むことが抑制される。故に、係る保持ケースに対して、透光表示板を保持させても、当該透光表示板の板面への異物の付着も抑制される。この結果、複数の発光素子を用いて、光照射ユニットが光源光を透光表示板に照射しても、図柄と共に異物が同時に発光してしまう事態を、抑制することができる。以上により、透光表示板による表示の見栄えが良好な車両用表示装置を提供することができる。

　（第１５実施形態）
　図１２８～１３４に示すように、第１５実施形態は第１実施形態の変形例である。第１５実施形態について、第１実施形態とは異なる点を中心に説明する。

　第１５実施形態の車両用表示装置８００において、光透過性表示板８５０は、図１２８，１２９に示すように、例えば光透過性を有する合成樹脂により、湾曲板状に形成されている。具体的に、光透過性表示板８５０の目視側の表面８５１は、中央部が背面側へ凹む曲面状に形成されている。特に本実施形態の目視側の表面８５１は、車両の左右方向に湾曲した円筒面状を呈している。

　このような光透過性表示板８５０には、目視側から例えば太陽光、車内の光源からの光等の外光が入射することがあり、これら外光が当該光透過性表示板８５０に反射されることがある。ここで、図１３０を用いて、光透過性表示板が、平板状である場合と、曲面板状である場合とでの光の反射方向の違いについて説明する。図１３０は、車両用表示装置８００の左右方向の断面を示している。図１３０において、楕円で示された範囲は、アイリプスＥＬＰと呼ばれている。アイリプスＥＬＰは、乗員としての運転者の眼の位置の分布を統計的に表したアイレンジを、長円として示したものである（詳細は、ＪＩＳＤ００２１：１９９８参照）。

　平板状の光透過性表示板の場合（図１３０の破線参照）において、光透過性表示板の右側領域における外周部に、所定の外光Ａｉが入射した場合を考える。平板状の光透過性表示板に対する外光Ａｉの入射角はαとなり、反射光Ａｒの軌跡は、右眼のアイリプスＥＬＰに外接する。外光Ａｉの入射角αよりも少し大きな入射角γで入射する外光Ｃｉについての反射光Ｃｒは、反射光Ａｒよりも左側を通ることとなるため、アイリプスＥＬＰ内を通過する。すなわち、入射角αよりも大きな入射角で右側領域に入射する外光は、乗員としての運転者に視認される可能性が高い。

　一方、湾曲板状の光透過性表示板８５０の場合（図１３０の実線参照）において、光透過性表示板８５０の右側領域における外周部、外光Ａｉと同じ軌跡の外光Ｂｉが入射した場合を考える。この場合では、目視側の表面８５１の湾曲によって、右側領域では目視側の表面８５１が少し中央部側を向くように傾斜しているので、湾曲板状の光透過性表示板８５０に対する外光Ａｉの入射角はβとなり、入射角βは、入射角α，γと比較してかなり大きな値となる。このため反射光Ｂｒの軌跡は、左眼のアイリプスＥＬＰよりもさらに左側を通るようになる。さらに外光Ｃｉと同じ軌跡の外光の入射光が入射しても、その反射光は、反射光Ｂｒよりもさらに左側を通ることとなるため、乗員としての運転者に視認される可能性は、平板状の光透過性表示板の場合に比べて低くなる。

　また、第１５実施形態の光透過性表示板８５０には、指針８３０に対応して貫通穴が設けられている。指針８３０の連結部８３２が光透過性表示板８５０の貫通穴を貫通していることで、図１２８，１２９に示すように、指針８３０の指示部８３４が光透過性表示板８５０よりも目視側に配置されている。

　第１５実施形態の文字板８２０は、光透過性表示板８５０と略同じ湾曲形状を呈する湾曲板状に形成されている。そして、文字板８２０と光透過性表示板８５０とが隙間少なく近接して配置されている。

　文字板８２０には、第１実施形態と同様の指標部８２２が形成されている。図１２８に示すように、本実施形態では、文字板８２０の左の領域に車両の電動モータの電流値に対応する状況を表す指標８２２ａとして、目盛及び文字が配置されている。文字板８２０の右の領域に車両の電動モータの電源バッテリの電圧値を表示する指標８２２ｂとして、目盛及び文字が配置されている。

　第１５実施形態の図柄８６０は、左右の領域において、指標部８２２と対向する領域において設けられた別指標部８５９を有している。別指標部８５９は、指針８３０の指示部８３４に指示されることにより、情報を表示する点では指標部８２２と同様であるが、指標部８２２が表示する情報とは別の情報を表示するようになっている。

　本実施形態の別指標部８５９は、図１２８，１３１に示すように、指標８２２ａに対向する領域において指標図柄８６１ａを有し、指標８２２ｂに対向する領域において指標図柄８６１ｂを有している。指標図柄８６１ａは、車両の速度を表す目盛及び文字を有している。指標図柄８６１ｂは、車両のエンジン回転数を表す目盛及び文字を有している。

　第１５実施形態の光源制御部８８３は、表示板用光源８７０と共に、指標照明用光源８２７を制御可能となっている。指標照明用光源８２７は、第１実施形態と同様の指標照明用発光素子８２８が複数設けられて構成されている。具体的に、光源制御部８８３は、表示板用光源８７０の各発光素子８７３の点灯及び消灯の切り換え、及び指標照明用光源８２７の各発光素子８２８の点灯及び消灯の切り換えを行なう。

　第１実施形態と同様に、図柄８６０は、各発光素子８７３が点灯する場合には、表示状態となり、目視側から視認され得る。しかしながら、図柄８６０は、各発光素子８７３が消灯する場合には、非表示状態となり、目視側から殆ど視認されない。

　また、文字板８２０の指標部８２２は、各発光素子８２８が点灯する場合には、表示状態となり、目視側から視認され得る。しかしながら、指標部８２２は、各発光素子８２８が消灯する場合には、非表示状態となり、目視側から視認され難くなる。

　そして、光源制御部８８３は、表示板用光源８７０の発光素子８７３及び指標照明用光源８２７の発光素子８２８のうち一方を点灯し、他方を消灯するようになっている。これにより、光透過性表示板８５０の別指標部８５９及び文字板８２０の指標部８２２のうち一方のみが表示状態となる。指針８３０は、別指標部８５９及び指標部８２２のうち表示状態となっている方に合わせて回動する。すなわち、光源制御部８８３によって、指針８３０の指示部８３４が指示する指示対象が指標部８２２と別指標部８５９との間で切り替えられる。

　このような第１５実施形態の車両用表示装置８００（主に光源制御部８８３）により実行される処理を、図１３２のフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートは、所定の契機又は所定時間毎に実行される。

　まず、ステップＳ８１０では、光源制御部８８３は、別指標部８５９を表示するか否かを判定する。この判定における条件は、適宜設定することができる。例えば、乗員が操作する操作スイッチのオン及びオフの状態を参照して判定することができる。また例えば、判定時に、エンジン及び電動モータのどちらを主として車両が駆動されているかにより、判定することができる。ステップＳ８１０にて肯定判定が下されると、ステップＳ８２０へ移る。ステップＳ８１０にて否定判定が下されると、ステップＳ８３０へ移る。

　ステップＳ８２０では、光源制御部８８３は、表示板用光源８７０の各発光素子８７３を点灯させると共に、指標照明用光源８２７の各発光素子８２８を消灯させる。これにより、図１３３に示すように、別指標部８５９の指標図柄８６１ａ，８６１ｂが表示状態となり、指標部８２２が非表示状態となる。したがって、指示部８３４が指示する指示対象が別指標部８５９に設定される。指標部８６２と画像表示パネル４０との画像とは、部分的に重畳表示される。ステップＳ８２０を以って一連の処理を終了する。

　ステップＳ８３０では、光源制御部８８３は、表示板用光源８７０の各発光素子８７３を消灯させると共に、指標照明用光源８２７の各発光素子８２８を点灯させる。これにより、図１３４に示すように、別指標部８５９の指標図柄８６１ａ，８６１ｂが非表示状態となり、指標部８２２が表示状態となる。したがって、指示部８３４が指示する指示対象が指標部８２２に設定される。ステップＳ８３０を以って一連の処理を終了する。

　なお、図１３３に示すように、文字板８２０には、指標図柄８６１ｂに対応したレッドゾーン指標８２９が形成されている。当該レッドゾーン指標８２９は、指標部８２２とは独立して制御されている。具体的に、指標部８２２が非表示状態の場合にはレッドゾーン指標８２９が背面側からの照明により表示状態となり（図１３３参照）、指標部８２２が表示状態の場合には背面側からの照明が停止されて非表示状態となる（図１３４参照）。

　以上説明した第１５実施形態によると、光透過性表示板８５０は、湾曲板状に形成されている。このようにすると、光透過性表示板８５０のうち一部領域が他の領域に対して目視側に飛び出すので、光透過性表示板８５０内で立体感を生じさせることができる。

　また、第１５実施形態によると、光透過性表示板８５０の目視側の表面８５１は、中央部が背面側へ凹む曲面状に形成されている。このようにすると、光透過性表示板８５０の中央部と外周部との間で立体感が生じる。これと共に、外光が当該表面８５１に反射される際の反射光が乗員に視認されることが抑制できるので、各表示の視認性が高まることとなり、これら各表示の組み合わせによる相対的な立体感を強調することができる。

　また、第１５実施形態によると、表示板用光源８７０の点灯状態により図柄８６０の表示状態が変更され、指示部８３４が指示する指示対象は、指標部８２２と別指標部８５９との間で切り替わる。こうした切り替えでは、同じ指針８３０による指示対象を切り替えることで、表示の表現の幅を広げることができる。

　本開示は、好適な実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、好適な様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

Claims

　車両に搭載される車両用表示装置であって、
　車両情報に対応する指標部（２２，２２２，８２２）を目視側に有する文字板（２０，２２０，８２０）と、
　前記文字板のうち目視側とは反対の背面側に対向して配置され、画像を発光表示する画像表示パネル（４０）と、
　前記文字板よりも目視側に配置され光源（７０，２７０，３７０，４７０，５７０，８７０）からの光を目視側に反射する反射部（５４ａ，５４ｂ，２５４ａ，２５４ｂ，３５４ａ，３５４ｂ，４５４，５５４）を備えた光透過性表示板（５０，２５０，３５０，４５０，５５０，８５０）と、を備え、
　前記文字板のうち前記画像表示パネルが対向する領域が、その領域を前記画像表示パネルの前記画像が透過するように光透過性に設定されている車両用表示装置。
　前記反射部は、前記光源からの光を目視側に反射する反射素子であって、前記光透過性表示板の沿設方向（ＥＤ）に沿って配列されて図柄（６０，６０ａ，６０ｂ，２６０ａ，２６０ｂ，４６０，８６０）を構成している複数の反射素子（５６，２５６ａ，２５６ｂ）を有する請求項１に記載の車両用表示装置。
　前記図柄は、前記光透過性表示板のうち前記指標部の外周部に対応する領域に、前記指標部を縁取るように線状に形成された外周図柄（６１ａ，６１ｂ）を含み、
　前記外周図柄の端部（６２ａ，６２ｂ，６３ａ，６３ｂ）は、前記光透過性表示板のうち前記画像表示パネルが対向する領域まで延伸し、
　前記画像表示パネルは、前記画像として、前記外周図柄の端部をさらに延長するように、線状に設けられた延長画像（ＩＥＡ，ＩＥＢ，ＩＥ１，ＩＥ２）を表示する請求項２に記載の車両用表示装置。
　前記光源は、前記図柄の色を変更可能なカラー光源を含む請求項２又は３に記載の車両用表示装置。
　前記反射部は、同一の前記光透過性表示板において互いに異なる前記図柄を構成するように、複数設けられ、
　同一の前記反射部において、各前記反射素子は、互いに同じ方向を向く反射面（２５７ａ，２５７ｂ）を有すると共に、異なる前記反射部間において、各前記反射素子の前記反射面は、異なる方向を向き、
　前記光源は、前記光透過性表示板の外縁部（２５２）に沿って配設される発光部（２７２ａ，２７２ｂ）を複数有し、
　各前記発光部は、各前記反射部に個別に対応し、前記外縁部のうち対応する前記反射部の前記反射面に対向する位置に配置され、対向する前記反射面へ向けて光を発する請求項２から４のいずれか１項に記載の車両用表示装置。
　前記図柄は、表示対象物のうち外観輪郭が表現された輪郭図柄（２６１ａ）を含み、
　前記画像表示パネルは、前記画像として、前記表示対象物のうち内部状態が表現された内部画像（ＩＩＳ）を、前記輪郭図柄に重畳させて表示する請求項２から５のいずれか１項に記載の車両用表示装置。
　前記反射部は、前記反射素子の形状又は密度を漸次変化させることにより、前記図柄の表示輝度をグラデーション状に変化させたグラデーション領域（ＧＲＤ）を有する請求項２から６のいずれか１項に記載の車両用表示装置。
　前記光源を制御する光源制御部（４８３，５８２）をさらに備え、
　前記光源は、個別に点灯又は消灯を切り替え可能な複数の発光素子（４７３，５７３）を有し、
　各前記発光素子は、前記図柄のうち、互いにずれた一部分に向けて光を発し、
　前記光源制御部は、各前記発光素子のうち点灯する前記発光素子を切り替える請求項２に記載の車両用表示装置。
　前記画像表示パネルは、前記画像として、移動体が表現された移動体画像（ＩＭＶ）を表示し、
　前記図柄は、地面が表現された地面図柄（４６１）であり、
　前記光源制御部は、前記移動体画像に合わせて、点灯する前記発光素子を隣の前記発光素子へと順々に切り替える請求項８に記載の車両用表示装置。
　前記車両は、移動障害物を検出する移動障害物検出部（５０３）を具備し、
　前記図柄は、前記移動障害物を複数並べて表現された移動障害物モーション図柄（５６１）であり、
　前記光源制御部は、前記移動障害物検出部が前記移動障害物を検出した場合、前記移動障害物に合わせて、点灯する前記発光素子を隣の前記発光素子へと順々に切り替える請求項８に記載の車両用表示装置。
　前記光透過性表示板は、湾曲板状に形成されている請求項１から１０のいずれか１項に記載の車両用表示装置。
　前記光透過性表示板の目視側の表面（８５１）は、中央部が背面側へ凹む曲面状に形成されている請求項１１に記載の車両用表示装置。
　前記光透過性表示板よりも目視側に配置され、回動して指示位置に応じた情報を表示する指示部（８３４）を有する指針（８３０）をさらに備える請求項１から１２のいずれか１項に記載の車両用表示装置。
　回動する指示部を有する指針と、
　前記光源を制御する光源制御部（８８３）と、をさらに備え、
　前記図柄は、前記指標部と対向する領域において、前記指標部が表示する情報とは別の情報を表示する別指標部（８５９）を有し、
　前記光源制御部は、前記光源の点灯状態により前記図柄の表示状態を変更して、前記指示部が指示する指示対象を、前記指標部と前記別指標部との間で切り替える請求項２に記載の車両用表示装置。
　車両に搭載される車両用表示装置であって、
　車両情報に対応する指標部（２２）を目視側に表示する文字板（２０）と、
　画像を目視側に発光表示する画像表示パネル（４０）と、
　前記文字板及び前記画像表示パネルよりも目視側に配置され光源（７０）からの光を目視側に反射する反射部（５４ａ，５４ｂ）を備えた光透過性表示板（５０）と、を備え、
　前記反射部は、前記光源からの光を目視側に反射する反射素子であって、前記光透過性表示板の沿設方向（ＥＤ）に沿って配列されて図柄（６０ａ，６０ｂ）を構成している複数の反射素子（５６）を有し、
　前記図柄は、前記光透過性表示板のうち前記指標部の外周部に対応する領域に、前記指標部を縁取るように線状に形成された外周図柄（６１ａ，６１ｂ）を含み、
　前記外周図柄の端部（６２ａ，６２ｂ，６３ａ，６３ｂ）は、前記光透過性表示板のうち前記画像表示パネルが対向する領域まで延伸し、
　前記画像表示パネルは、前記画像として、前記外周図柄の端部をさらに延長するように、線状に設けられた延長画像（ＩＥＡ，ＩＥＢ，ＩＥ１，ＩＥ２）を表示する車両用表示装置。
　車両に搭載される車両用表示装置であって、
　画像を目視側に発光表示する画像表示パネル（４０）と、
　前記画像表示パネルよりも目視側に配置され光源（２７０）からの光を目視側に反射する反射部（２５４ａ）を備えた光透過性表示板（２５０）と、を備え、
　前記反射部は、前記光源からの光を目視側に反射する反射素子であって、前記光透過性表示板の沿設方向（ＥＤ）に沿って配列されて図柄（２６０ａ）を構成している複数の反射素子（２５６ａ）を有し、
　前記図柄は、表示対象物のうち外観輪郭が表現された輪郭図柄（２６１ａ）を含み、
　前記画像表示パネルは、前記画像として、前記表示対象物のうち内部状態が表現された内部画像（ＩＩＳ）を、前記輪郭図柄に重畳させて表示する車両用表示装置。