WO2018047831A1

WO2018047831A1 - 容器

Info

Publication number: WO2018047831A1
Application number: PCT/JP2017/031984
Authority: WO
Inventors: 惇紀宮川; 博一三橋; 寛利 ▲高▼橋; 翔太野間
Original assignee: 大成化工株式会社
Priority date: 2016-09-09
Filing date: 2017-09-05
Publication date: 2018-03-15
Also published as: JP2019194092A; JP6868987B2

Abstract

容器１０は、口部１８を有する容器本体１２とキャップ１４とを備える。口部１８は、第１凸部２２ａと第２凸部２４ａと第３凸部２６ａとを有する第１嵌合部２０ａを含み、キャップ１４は、第４凸部４４ａと第５凸部４６ａと第６凸部４８ａとを有する第２嵌合部４２ａを含む。第１凸部２２ａと第４凸部４４ａとは、口部１８の周方向に延びる直線状に形成され、第２凸部２４ａと第３凸部２６ａと第５凸部４６ａとは、第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように形成される。キャップ１４を第１方向Ｄ１に回転させると、第５凸部４６ａが第２凸部２４ａに沿って摺動し、第４凸部４４ａが開位置から閉位置に移動する。キャップ１４を第１方向Ｄ１とは反対向きに回転させると、第６凸部４８ａが第３凸部２６ａに沿って摺動し、第４凸部４４ａが閉位置から開位置に移動する。

Description

容器

　この発明は容器に関し、より特定的には、キャップを有する容器に関する。

　この種の従来技術の一例として、特許文献１には、容器本体とキャップとからなる容器が開示されている。容器本体における容器口部の外周面には、螺旋状の螺合凸条が形成される。そして、螺合凸条と螺合凸条との間には、キャップの緩みを防止するための緩み止め凸条が、容器口部の外周面に略水平に形成される。一方、キャップの内周面には、螺合凸条と螺合する被螺合凸条が形成される。被螺合凸条は、一本の連続した螺旋状の凸条ではなく間欠的に形成される。このようなキャップを容器口部に被せて回転させると、螺合凸条間に被螺合凸条が入り込んで、被螺合凸条が螺合凸条をガイドとして摺動し、キャップが閉まっていく。そして、被螺合凸条は、螺合凸条間に形成された緩み止め凸条に乗り上げていく。被螺合凸条が、緩み止め凸条を乗り越えると、キャップが閉まった状態となる。緩み止め凸条を形成することで、被螺合凸条が振動等によって逆方向に戻らないように規制でき、キャップが不用意に緩むことを防止することができる。

特許２９６３６７８号公報

　特許文献１に示す容器では、被螺合凸条が緩み止め凸条を乗り越えるためには、キャップを回転させて被螺合凸条を緩み止め凸条よりも下方に移動させなければならず、少なくとも、被螺合凸条の下方側端部が緩み止め凸条の上方側と接触した状態から被螺合凸条の上方側端部が緩み止め凸条の下方側よりも下方に位置するまで被螺合凸条を下方に移動させなければならない。すなわち、少なくとも、被螺合凸条の上下方向の寸法と緩み止め凸条の上下方向の寸法とを合わせた分だけ被螺合凸条を下方に移動させなければならない。ここで、被螺合凸条は螺旋状に形成されるので、被螺合凸条の上下方向の寸法は大きくなる。したがって、被螺合凸条が緩み止め凸条を乗り越えるために必要なキャップの上下方向への移動量も大きくなる。そのため、キャップを着脱するときの回転量が大きくなってしまい、操作性が良くない。

　それゆえにこの発明の主たる目的は、キャップを容器本体に容易に着脱できる容器を提供することである。

　この発明の或る見地によれば、胴部と胴部から筒状に延びる口部とを有する容器本体、および口部に着脱されるキャップを備え、口部は口部の外周面に第１嵌合部を有し、キャップは口部の外周面と対向する内周面に第１嵌合部と嵌合可能な第２嵌合部を有し、第１嵌合部は、口部の径方向の外方へ突出する第１凸部、第２凸部および第３凸部を有し、第２嵌合部は、第１凸部に対応するようにキャップの径方向の内方へ突出する第４凸部、第２凸部に対応するようにキャップの径方向の内方へ突出する第５凸部、および第３凸部に対応するようにキャップの径方向の内方へ突出する第６凸部を有し、第１凸部および第４凸部のうちのいずれか一方はキャップが口部に装着されたときに口部の周方向に延びる直線状に形成され、他方はキャップが口部に装着されたときに点状または一方と同方向に延びる直線状に形成され、第４凸部は、口部の軸方向において第１凸部の胴部とは反対側に位置する開位置から第１凸部の胴部側に位置する閉位置へ移動可能であり、第２凸部および第５凸部の少なくともいずれか一方は、キャップが口部に装着されたときに口部の周方向における第１方向側が胴部に近づくように形成され、第４凸部が開位置の状態からキャップを第１方向に回転させると第５凸部が第２凸部に沿って摺動し第４凸部が閉位置へ移動可能となるように、第４凸部が開位置の状態では第５凸部は第１方向における第２凸部の前端部よりも後方に位置し、第３凸部および第６凸部の少なくともいずれか一方は、キャップが口部に装着されたときに第１方向側が胴部に近づくように形成され、第４凸部が閉位置の状態からキャップを第１方向とは反対向きに回転させると第６凸部が第３凸部に沿って摺動し第４凸部が開位置へ移動可能となるように、第４凸部が閉位置の状態では第６凸部は第１方向における第３凸部の後端部よりも前方に位置する、容器が提供される。

　この発明によれば、キャップを第１方向に回転させて第４凸部を開位置から閉位置へ移動させる場合（キャップを容器本体の口部に装着する場合）には、第５凸部を第２凸部に沿って摺動させることによって、第４凸部を胴部側へ移動させる。このとき、キャップの回転量が大きいほど、口部の軸方向における第４凸部の胴部側への移動量が大きくなる。ここで、第１凸部および第４凸部のうちのいずれか一方は口部の周方向に延びる直線状に形成され、他方は点状または一方と同方向に延びる直線状となるように形成される。そのため、口部の軸方向において、第１凸部の寸法および第４凸部の寸法を小さくできる。したがって、口部の軸方向において、第４凸部が、開位置の状態から胴部側へ向かって移動し第１凸部を乗り越えて閉位置の状態へ移動するために必要な移動量を小さくできる。これによって、第４凸部が開位置から閉位置に移動するために必要なキャップの回転量を小さくできる。また、オーバーキャップタイプのようにキャップを押し込むだけでも、キャップを口部に装着することができる。

　キャップを第１方向とは反対向きに回転させて第４凸部を閉位置から開位置へ移動させる場合（キャップを容器本体の口部から取り外す場合）には、第６凸部を第３凸部に沿って摺動させることによって、第４凸部を胴部とは反対側へ移動させる。このとき、キャップの回転量が大きいほど、口部の軸方向における第４凸部の胴部とは反対側への移動量が大きくなる。ここで、上述したように第１凸部および第４凸部のうちのいずれか一方は口部の周方向に延びる直線状に形成され、他方は点状または一方と同方向に延びる直線状となるように形成される。そのため、口部の軸方向において、第１凸部の寸法および第４凸部の寸法を小さくできる。したがって、口部の軸方向において、第４凸部が、閉位置の状態から胴部とは反対側へ向かって移動し第１凸部を乗り越えて開位置の状態へ移動するために必要な移動量を小さくできる。これによって、第４凸部が閉位置から開位置に移動するために必要なキャップの回転量を小さくできる。

　このように、キャップを容器本体に着脱するときのキャップの操作量を小さくでき、キャップを容器本体に容易に着脱することができる。

　好ましくは、口部の外周面に形成される複数の第１嵌合部、およびキャップの内周面に形成される複数の第２嵌合部の少なくともいずれか一方を含む。キャップを取り外した状態から容器本体の口部に装着するときは、まず、キャップを口部に被せて第４凸部を第１凸部の胴部とは反対側（開位置）に位置させる必要がある。そして、キャップを口部に被せたときに第４凸部が開位置に位置していない場合は、キャップを回転させる等して第４凸部を開位置に位置させる。ここで、複数の第１嵌合部（第１凸部）が口部の外周面に形成されている場合、複数の第１凸部のいずれか１つに対して第４凸部が開位置に位置すればよい。したがって、キャップを口部に被せたときに、第４凸部が開位置に位置していないとしても、その第４凸部の位置から第１方向Ｄ１に一番近い第１凸部の方へ第４凸部を移動させればよいので、キャップを大きく回転させることなく、第４凸部を開位置に位置させることができる。また、複数の第２嵌合部（第４凸部）がキャップの内周面に形成された場合においても、複数の第４凸部のいずれか１つが第１凸部に対して開位置に位置すればよい。したがって、キャップを口部に被せたときに、第４凸部が開位置に位置していないとしても、第１凸部から第１方向Ｄ１とは反対向きに一番近い第４凸部を第１凸部の方へ移動させればよいので、キャップを大きく回転させることなく、第４凸部を開位置に位置させることができる。複数の第１嵌合部（第１凸部）と複数の第２嵌合部（第４凸部）とが形成された場合も同様の効果が得られる。このように、キャップを装着するときのキャップの回転量を小さくできる。

　また好ましくは、複数の第１嵌合部が口部の周方向に等間隔で形成され、複数の第１嵌合部のそれぞれと嵌合するように複数の第２嵌合部がキャップの周方向に等間隔で形成される。この場合、複数の第１嵌合部のそれぞれに対して複数の第２嵌合部のそれぞれが嵌合するので、大きい固定力を得ることができ、キャップをより外れにくいように容器本体の口部に装着することができる。

　さらに好ましくは、第２凸部は第１方向において第１凸部よりも前方かつ口部の軸方向において第１凸部よりも胴部とは反対側に形成され、第３凸部は第１方向において第１凸部よりも後方かつ口部の軸方向において第１凸部よりも胴部側に形成される。この場合、キャップが容器本体の口部に装着されたときに第１嵌合部における第２凸部と第３凸部との間に第２嵌合部における第４凸部と第５凸部と第６凸部とが位置するように、第２嵌合部をコンパクトに形成することができる。これによって、キャップの内周面という限られた範囲内であっても複数の第２嵌合部を容易に形成することができる。

　好ましくは、隣り合う第１嵌合部において一方の第１嵌合部の第２凸部から他方の第１嵌合部の第３凸部まで第６凸部が摺動可能となるように、一方の第１嵌合部の第２凸部と他方の第１嵌合部の第３凸部との間で口部の外周面から口部の径方向の外方へ突出する第７凸部をさらに含む。上述したように、キャップを取り外した状態から容器本体の口部に装着するときは、まず、キャップを口部に被せて第４凸部を開位置に位置させる必要がある。キャップを口部に被せたとき、第４凸部が開位置に位置せず、第６凸部が第７凸部と接触した場合、その位置からキャップを第１方向に回転させると、第６凸部が第７凸部に沿って第１方向に隣り合う第３凸部まで摺動し、さらに第６凸部は第３凸部に沿って摺動する。第６凸部が第３凸部に沿って摺動すると、第４凸部はやがて開位置に達する。また、キャップを口部に被せたとき、第４凸部が開位置に位置せず、第６凸部が第１方向とは反対側で隣り合う第１嵌合部の第２凸部と接触した場合も同様で、その位置からキャップを第１方向に回転させると、第６凸部は第２凸部に沿って第１方向に隣り合う第７凸部まで摺動する。そして、第６凸部は第７凸部および第１方向に隣り合う第３凸部に沿って摺動し、第４凸部はやがて開位置に達する。このように、キャップを被せたときに、第４凸部が開位置に位置していない場合でも、キャップを回転させるだけで容易に第４凸部を開位置に位置させることができる。これによって、キャップの操作が容易になる。

　また好ましくは、第７凸部は、一方の第１嵌合部の第２凸部と他方の第１嵌合部の第３凸部とを繋げる。この場合、より安定して第６凸部を摺動させることができ、キャップの操作がさらに容易になる。

　さらに好ましくは、口部の軸方向において、第１凸部の胴部側から胴部とは反対側への上り勾配は、第１凸部の胴部とは反対側から胴部側への上り勾配よりも急勾配に形成される。この場合、第４凸部が閉位置から開位置へ移動するときよりも開位置から閉位置へ移動するときの方が、第１凸部によって第４凸部を押し上げやすく、第４凸部は第１凸部を乗り越えやすい。これによって、キャップを容器本体の口部に装着しやすくなるとともに、装着後はキャップを口部の軸方向にずれにくいように固定することができる。

　好ましくは、第３凸部の第１方向とは反対向きの上り勾配は、口部の軸方向における第１凸部の胴部側から胴部とは反対側への上り勾配よりも緩やかに形成され、第４凸部は前記第６凸部の近傍に形成される。この場合、第４凸部が閉位置の状態において、キャップを容器本体の口部の軸方向に引っ張ることで第１凸部によって第４凸部を押し上げるよりも、キャップを第１方向とは反対向きに回転させることで第３凸部によって第６凸部を押し上げるほうが容易になる。ここで、第４凸部が閉位置の状態からキャップを第１方向とは反対向きに回転させると、第３凸部によって第６凸部は押し上げられ、さらにこれにともなって、第６凸部の近傍に形成された第４凸部が口部の径方向の外方に移動する。これによって、第４凸部は第１凸部を容易に乗り越えることができる。したがって、キャップを口部の軸方向にずれにくいように固定できるとともに、キャップを取り外したいときはキャップを第１方向とは反対向きに回転させることで容易に取り外すことができる。

　また好ましくは、キャップの径方向におけるキャップの厚みは、第２嵌合部が形成されている箇所よりも、隣り合う第２嵌合部の間における第２嵌合部が形成されていない箇所の方が小さくなるように設定される。第４凸部が開位置と閉位置との間を移動するとき、第４凸部は第１凸部を乗り越えるために容器本体の口部の径方向の外方に移動する。したがって、このときキャップにおける第２嵌合部（第４凸部）が形成されている箇所は口部の径方向の外方へ膨らむ。反対に、キャップにおける隣り合う第２嵌合部の間の第２嵌合部が形成されていない箇所は口部の径方向の内方へ引っ張られるように変形する。ここで、隣り合う第２嵌合部の間の第２嵌合部が形成されていない箇所の厚みは、第２嵌合部が形成されている箇所の厚みよりも小さく形成されるので、隣り合う第２嵌合部の間は変形しやすい。これによって、キャップにおける第２嵌合部（第４凸部）が形成されている箇所は、口部の径方向の外方へ膨らみやすくなり、より小さい力でキャップを操作できる。

　さらに好ましくは、キャップが口部に装着されたときに、口部の軸方向において、第４凸部の胴部とは反対側から胴部側への上り勾配は、第４凸部の胴部側から胴部とは反対側への上り勾配よりも急勾配となるように形成される。この場合、第４凸部が閉位置から開位置へ移動するときよりも開位置から閉位置へ移動するときの方が、第１凸部によって第４凸部を押し上げやすく、第４凸部は第１凸部を乗り越えやすい。これによって、キャップを容器本体の口部に装着しやすくなるとともに、装着後はキャップを口部の軸方向にずれにくいように固定することができる。

　好ましくは、キャップが口部に装着されたときに、第６凸部の第１方向への上り勾配は、口部の軸方向における第４凸部の胴部とは反対側から胴部側への上り勾配よりも緩やかに形成され、第４凸部は第６凸部の近傍に形成される。この場合、第４凸部が閉位置の状態において、キャップを容器本体の口部の軸方向に引っ張ることで第１凸部によって第４凸部を押し上げるよりも、キャップを第１方向とは反対向きに回転させることで第３凸部によって第６凸部を押し上げるほうが容易になる。ここで、第４凸部が閉位置の状態からキャップを第１方向とは反対向きに回転させると、第３凸部によって第６凸部は押し上げられ、さらにこれにともなって、第６凸部の近傍に形成された第４凸部が口部の径方向の外方に移動する。これによって、第４凸部は第１凸部を容易に乗り越えることができる。したがって、キャップを口部の軸方向にずれにくいように固定できるとともに、キャップを取り外したいときはキャップを第１方向とは反対向きに回転させることで容易に取り外すことができる。

　また好ましくは、キャップが口部に装着されたときに、第２嵌合部が第１方向に延びる部分と第１方向側が胴部に近づくように延びる部分とを有する略Ｖ字状となるように、第４凸部と第５凸部と第６凸部とが一体的に形成される。この場合、第２嵌合部の強度を大きくできる。したがって、キャップを容器本体の口部に確実に固定することができる。

　さらに好ましくは、キャップが口部に装着されたときに、第２嵌合部が口部の周方向に延びる直線状となるように、第４凸部と第５凸部と第６凸部とが一体的に形成される。この場合、第２嵌合部の強度を大きくできかつ第２嵌合部を容易に形成できる。したがって、キャップを容器本体の口部に確実に固定することができるとともに、キャップの製造コストを安くできる。

　好ましくは、第２凸部は、第１方向における第２凸部の後端部において、第１方向に向かって上り勾配となりかつ胴部に近づくほど第１方向側に位置するように傾斜する第３摺動面を有する。この場合、キャップを容器本体の口部に被せて第１方向に回転させたとき、第５凸部が第２凸部（第３摺動面）と接触しても、そのままキャップを第１方向に回転させれば、第５凸部を第２凸部（第３摺動面）に沿って摺動させて、キャップを胴部側に容易に移動させることができる。これによって、キャップの取り付けがさらに容易になる。

　この発明によれば、キャップを容器本体に容易に着脱できる容器が得られる。

この発明の一実施形態に係る容器を示す斜視図である。容器本体とキャップとを分離した状態を示す斜視図である。容器本体の口部を示す正面図である。図３のＦ１－Ｆ１断面図である。図３のＧ１－Ｇ１断面図である。図３のＨ１－Ｈ１断面図である。キャップを示す斜視図である。キャップを示す底面図である。図８のＮ１－Ｎ１断面図である。キャップを口部に装着する前の状態を示す斜視図である。キャップを口部に被せた状態を示す斜視図である。第５凸部が第２凸部と接触し、キャップの回転が止まった状態を示す斜視図である。第４凸部を開位置に位置させた状態を示す斜視図である。第４凸部を閉位置に位置させた状態を示す斜視図である。第４凸部を開位置に位置させた状態を示す断面図である（図３のＦ１－Ｆ１で切った状態を示す）。第４凸部を閉位置に位置させた状態を示す断面図である（図３のＦ１－Ｆ１で切った状態を示す）。この発明の他の実施形態に係る容器を示す斜視図である。図１７の実施形態に係る容器本体の口部を示す正面図である。図１８のＦ２－Ｆ２断面図である。図１８のＧ２－Ｇ２断面図である。図１８のＨ２－Ｈ２断面図である。図１７の実施形態に係るキャップを示す斜視図である。図１７の実施形態に係るキャップを示す底面図である。図２３のＮ２－Ｎ２断面図である。図１７の実施形態に係るキャップを口部に装着する前の状態を示す斜視図である。図１７の実施形態に係るキャップを口部に被せた状態を示す斜視図である。図１７の実施形態に係る第５凸部が第２凸部と接触し、キャップの回転が止まった状態を示す斜視図である。図１７の実施形態に係る第４凸部を開位置に位置させた状態を示す斜視図である。図１７の実施形態に係る第４凸部を閉位置に位置させた状態を示す斜視図である。図１７の実施形態に係る第４凸部を開位置に位置させた状態を示す断面図である（図１８のＦ２－Ｆ２で切った状態を示す）。図１７の実施形態に係る第４凸部を閉位置に位置させた状態を示す断面図である（図１８のＦ２－Ｆ２で切った状態を示す）。（ａ）は第１凸部が直線状に形成されかつ第４凸部が点状に形成される場合を示す図解図であり、（ｂ）は第１凸部が点状に形成されかつ第４凸部が直線状に形成される場合を示す図解図である。

　以下、図面を参照してこの発明の好ましい実施形態について説明する。

　なお、この発明の実施形態における、口部１８の軸方向とは図２～図５において矢印Ａ１で示す方向、口部１８の径方向とは図２および図６において矢印Ｂ１で示す方向、口部１８の周方向とは図２および図６において矢印Ｃ１で示す方向である。

　図１および図２を参照して、この発明の一実施形態に係る容器１０は、容器本体１２と容器本体１２に着脱されるキャップ１４とを含む。容器本体１２は、一端部が開口している筒状の胴部１６と、胴部１６の一端部から筒状に延びる口部１８とを有する。

　図２および図３を参照して、口部１８は、外周面に形成される複数（この実施形態では、４個）の第１嵌合部２０ａ～２０ｄを含む。第１嵌合部２０ａ～２０ｄは、相互に同形状、同寸法に設定され、口部１８の周方向に等間隔（この実施形態では、９０度間隔）に形成される。

　第１嵌合部２０ａは、口部１８の径方向の外方へ突出する第１凸部２２ａと第２凸部２４ａと第３凸部２６ａとを有する。

　図２～図４を参照して、第１凸部２２ａは、口部１８の軸方向の中央よりもやや胴部１６側において、口部１８の周方向に延びる直線状に形成される。また、第１凸部２２ａは、第１凸部２２ａの胴部１６とは反対側において口部１８の周方向に延びる第１摺動面２８ａと、第１凸部２２ａの胴部１６側において口部１８の周方向に延びる第２摺動面３０ａとを有する。口部１８の軸方向において、第１摺動面２８ａは胴部１６側へ向かって上り勾配となるように形成され、第２摺動面３０ａは胴部１６とは反対側へ向かって上り勾配となるように形成される。第２摺動面３０ａの上り勾配は、第１摺動面２８ａの上り勾配よりも急勾配となるように形成される。

　図２、図３および図５を参照して、第２凸部２４ａは、第１凸部２２ａよりも胴部１６とは反対側から、口部１８の周方向における第１方向Ｄ１（時計回り方向）側が胴部１６に近づくように形成される（後述する第７凸部３８との境界を図２および図３において二点鎖線で示す）。口部１８の径方向において、第２凸部２４ａの突出量は第１凸部２２ａの突出量よりも大きい。また、第２凸部２４ａは、第２凸部２４ａの胴部１６とは反対側において第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように延びる第３摺動面３２ａと、第２凸部２４ａの胴部１６側において第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように延びる第４摺動面３４ａとを有する。口部１８の軸方向において、第３摺動面３２ａは胴部１６側へ向かって上り勾配となるように形成され、第４摺動面３４ａは胴部１６とは反対側へ向かって上り勾配となるように形成される。

　図２～図４および図６を参照して、第３凸部２６ａは、第１方向Ｄ１において第１凸部２２ａよりも後方から第１凸部２２ａの後端部を通って第１凸部２２ａよりも胴部１６側へ湾曲しながら延びる略円弧状の第５摺動面３６ａを有し、略４分の１円形状に形成される（後述する第７凸部３８との境界を図２および図３において二点鎖線で示す）。第１凸部２２ａと第３凸部２６ａとは繋がっている。口部１８の径方向において、第３凸部２６ａの突出量は第１凸部２２ａの突出量よりも大きい。第５摺動面３６ａは、第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように延び、かつ第３凸部２６ａの頂面へ向かって上り勾配となるように形成される。第５摺動面３６ａの上り勾配は、第２摺動面３０ａの上り勾配よりも緩やかに形成される。

　このように、第１凸部２２ａと第２凸部２４ａと第３凸部２６ａとの位置関係については、第２凸部２４ａが第１方向Ｄ１において第１凸部２２ａよりも前方かつ口部１８の軸方向において第１凸部２２ａよりも胴部１６とは反対側に形成され、第３凸部２６ａが第１方向Ｄ１において第１凸部２２ａよりも後方かつ口部１８の軸方向において第１凸部２２ａよりも胴部１６側に形成される。なお、第１方向Ｄ１において第１凸部２２ａよりも前方かつ口部１８の軸方向において第１凸部２２ａよりも胴部１６とは反対側に、第２凸部２４ａの全てが形成されていなくてもよく、第２凸部２４ａの少なくとも一部が形成されていればよい。また、第１方向Ｄ１において第１凸部２２ａよりも後方かつ口部１８の軸方向において第１凸部２２ａよりも胴部１６側に、第３凸部２６ａの全てが形成されていなくてもよく、第３凸部２６ａの少なくとも一部が形成されていればよい。

　上述したように、第１嵌合部２０ｂ～２０ｄはそれぞれ、第１嵌合部２０ａと同形状、同寸法に設定され、上述した第１嵌合部２０ａの説明において各部の符号の末尾「ａ」を「ｂ」～「ｄ」に読み替えることによって容易に理解できるので、第１嵌合部２０ｂ～２０ｄの説明は省略する。なお、第１嵌合部２０ｂ～２０ｄの各部については必要に応じて、第１嵌合部２０ａの対応する各部の符号の末尾「ａ」を「ｂ」～「ｄ」に差し替えて図示されている。

　図２、図３、図６および図１０を参照して、第１嵌合部２０ｂにおける第２凸部２４ｂと第１方向Ｄ１に隣り合う第１嵌合部２０ａにおける第３凸部２６ａとの間には、第２凸部２４ｂと第３凸部２６ａとを繋ぐように、口部１８の外周面から口部１８の径方向の外方へ突出する第７凸部３８が形成される。第７凸部３８は、第３摺動面３２ｂと第５摺動面３６ａとを繋ぐ第６摺動面４０を有する。同様に、第１嵌合部２０ａにおける第２凸部２４ａと第１方向Ｄ１に隣り合う第１嵌合部２０ｄにおける第３凸部２６ｄとの間、第１嵌合部２０ｄにおける第２凸部２４ｄと第１方向Ｄ１に隣り合う第１嵌合部２０ｃにおける第３凸部２６ｃとの間、および第１嵌合部２０ｃにおける第２凸部２４ｃと第１方向Ｄ１に隣り合う第１嵌合部２０ｂにおける第３凸部２６ｂとの間にも、第２凸部２４ａと第３凸部２６ｄ、第２凸部２４ｄと第３凸部２６ｃ、および第２凸部２４ｃと第３凸部２６ｂとを繋ぐように、第６摺動面４０を有する第７凸部３８が形成される。

　図７を参照して、キャップ１４は、外周面が略正二十四角形に形成されかつ一端部が開口している筒状に形成される。ここで、キャップ１４の軸方向とは図２、図７および図９において矢印Ｉ１で示す方向、キャップ１４の径方向とは図２、図７および図８において矢印Ｊ１で示す方向、キャップ１４の周方向とは図２、図７および図８において矢印Ｋ１で示す方向である。キャップ１４は、第１嵌合部２０ａ～２０ｄのそれぞれと嵌合可能となるように、内周面に形成される複数（この実施形態では、４個）の第２嵌合部４２ａ～４２ｄを含む。また、キャップ１４の径方向における厚みは、第２嵌合部４２ａ～４２ｄが形成されている箇所の厚みＳ１よりも、隣り合う第２嵌合部４２ａ～４２ｄの間における第２嵌合部４２ａ～４２ｄが形成されていない箇所の厚みＲ１の方が小さくなる（図８参照）。

　第２嵌合部４２ａ～４２ｄは、相互に同形状、同寸法に設定され、キャップ１４の周方向に等間隔（この実施形態では、９０度間隔）に形成される。第２嵌合部４２ａ～４２ｄはそれぞれ、キャップ１４の周方向における第２方向Ｍ１とは反対向きに二股に延びる略Ｖ字状に形成される。第２嵌合部４２ａは、第１凸部２２ａに対応するようにキャップ１４の径方向の内方へ突出する第４凸部４４ａと、第２凸部２４ａに対応するようにキャップ１４の径方向の内方へ突出する第５凸部４６ａと、第３凸部２６ａに対応するようにキャップ１４の径方向の内方へ突出する第６凸部４８ａとを有する。第４凸部４４ａと第５凸部４６ａと第６凸部４８ａとは一体的に形成される。

　図７～図９を参照して、第４凸部４４ａは、キャップ１４の軸方向の一端の近傍において、キャップ１４の周方向に延びる直線状に形成される（後述する第６凸部４８ａとの境界を図７および図８において二点鎖線で示す）。また、第４凸部４４ａは、第４凸部４４ａにおけるキャップ１４の他端側においてキャップ１４の周方向に延びる第７摺動面５０ａと、第４凸部４４ａにおけるキャップ１４の一端側においてキャップ１４の周方向に延びる第８摺動面５２ａとを有する。ここで、キャップ１４の一端とは、キャップ１４の軸方向における開口端を示し、キャップ１４の他端とは、キャップ１４の軸方向における閉口端を示す。第７摺動面５０ａは、キャップ１４の他端側から一端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第８摺動面５２ａは、キャップ１４の一端側から他端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第７摺動面５０ａの上り勾配は、第８摺動面５２ａの上り勾配よりも急勾配となるように形成される。

　第５凸部４６ａは、第２方向Ｍ１における第４凸部４４ａの前端部から、第２方向Ｍ１とは反対向きに進むにつれてキャップ１４の他端側へ向かって延びる。また、第５凸部４６ａは、第５凸部４６ａにおけるキャップ１４の他端側において第２方向Ｍ１側がキャップ１４の一端側に近づくように延びる第９摺動面５４ａと、第５凸部４６ａにおけるキャップ１４の一端側において第２方向Ｍ１側がキャップ１４の一端側に近づくように延びる第１０摺動面５６ａとを有する。第９摺動面５４ａは、キャップ１４の他端側から一端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第１０摺動面５６ａは、キャップ１４の一端側から他端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第１０摺動面５６ａの上り勾配は、第９摺動面５４ａの上り勾配よりも急勾配となるように形成される。

　第６凸部４８ａは、第２方向Ｍ１における第４凸部４４ａの後端部から後方に延びる。また、第２方向Ｍ１において、第６凸部４８ａは、第７摺動面５０ａの後端部から後方に延びる第１１摺動面５８ａと、第８摺動面５２ａの後端部から後方に延びる第１２摺動面６０ａと、第６凸部４８ａの後端部に形成される第１３摺動面６２ａとを有する。第１１摺動面５８ａは、キャップ１４の他端側から一端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第１２摺動面６０ａは、キャップ１４の一端側から他端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第１３摺動面６２ａは、第２方向Ｍ１において上り勾配となるように形成される。また、第１３摺動面６２ａの上り勾配は、第７摺動面５０ａおよび第１１摺動面５８ａの上り勾配よりも緩やかに形成される。

　このようなキャップ１４を口部１８に装着した状態では、第４凸部４４ａは、口部１８の周方向において、第１凸部２２ａと同方向に延びる直線状に形成される。第５凸部４６ａは、第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように第２凸部２４ａ（第４摺動面３４ａ）と概ね同方向に延びる部分（第９摺動面５４ａ）を有する。また、口部１８の軸方向において、第７摺動面５０ａの上り勾配は第８摺動面５２ａの上り勾配よりも急勾配となるように形成される。第１３摺動面６２ａの第１方向Ｄ１への上り勾配は、口部１８の軸方向における第７摺動面５０ａの上り勾配よりも緩やかに形成される。第２嵌合部４２ａは、第１方向Ｄ１に延びる部分（第４凸部４４ａと第６凸部４８ａとで形成される部分）と、第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように延びる部分（第５凸部４６ａ）とを有する略Ｖ字状となるように形成される。

　上述したように、第２嵌合部４２ｂ～４２ｄはそれぞれ、第２嵌合部４２ａと同形状、同寸法に設定され、上述した第２嵌合部４２ａの説明において各部の符号の末尾「ａ」を「ｂ」～「ｄ」に読み替えることによって容易に理解することができるので、第２嵌合部４２ｂ～４２ｄの説明は省略する。なお、第２嵌合部４２ｂ～４２ｄの各部については必要に応じて、第２嵌合部４２ａの対応する各部の符号の末尾「ａ」を「ｂ」～「ｄ」に差し替えて図示されている。

　図１０～図１６を参照して、キャップ１４を口部１８に着脱する方法を説明する。なお、図１１～図１４では、図面が煩雑になることを避けるため、キャップ１４の外形を一点鎖線で示し、第２嵌合部４２ａ～４２ｄを破線で示す。

　まず、図１０を参照して、キャップ１４を口部１８に装着するときは、キャップ１４と容器本体１２とを口部１８の軸方向にずらして配置する。このとき、キャップ１４の一端（開口側）を口部１８の方に向ける。

　図１１を参照して、キャップ１４を口部１８の方に移動させて、キャップ１４を口部１８に被せる。このとき、第６凸部４８ａ（第１２摺動面６０ａ側）が第７凸部３８（第６摺動面４０側）と接触する。なお、キャップ１４を口部１８に被せたときに第６凸部４８ａ（第１２摺動面６０ａ側）が第２凸部２４ｂ（第３摺動面３２ｂ側）と接触してもよい。第７凸部３８（第６摺動面４０）は、第６凸部４８ａが第２凸部２４ｂ（第３摺動面３２ｂ側）から第３凸部２６ａ（第５摺動面３６ａ側）まで摺動可能となるように形成されるので、キャップ１４を第１方向Ｄ１に回転させれば、第６凸部４８ａ（第１２摺動面６０ａ側）が第２凸部２４ｂ（第３摺動面３２ｂ側）および第７凸部３８（第６摺動面４０側）に沿って摺動し、図１１で示す位置に第２嵌合部４２ａを移動させることができる。ここで、キャップ１４の外周面は略正二十四角形になるように形成されるので、キャップ１４を回転させるときに、手が滑ることを抑制でき、キャップ１４を良好に操作できる。

　図１２を参照して、キャップ１４を第１方向Ｄ１に回転させると、第６凸部４８ａ（第１２摺動面６０ａ側）は第３凸部２６ａ（第５摺動面３６ａ側）に沿って摺動する。そうすると、やがて第５凸部４６ａ（第９摺動面５４ａ側）が第２凸部２４ａ（第４摺動面３４ａ側）と接触してキャップ１４の回転が止まる。このようにキャップ１４の回転が止まることによって、第２嵌合部４２ａがどの位置にあるかを把握しやすくなり、キャップ１４を良好に操作できる。

　図１３を参照して、キャップ１４をさらに第１方向Ｄ１に回転させるか、もしくは胴部１６側へ押し込む。

　キャップ１４をさらに第１方向Ｄ１に回転させると、第５凸部４６ａ（第９摺動面５４ａ側）が、第２凸部２４ａ（第４摺動面３４ａ側）に沿って摺動する。ここで、第２凸部２４ａ（第４摺動面３４ａ）および第５凸部４６ａ（第９摺動面５４ａ）は、第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように延びる。したがって、第５凸部４６ａは第１方向Ｄ１に移動しながら胴部１６側へ移動する。これによって、キャップ１４は第１方向Ｄ１に回転しながら胴部１６側へ移動する。そして、第４凸部４４ａ（第８摺動面５２ａ側）が第１凸部２２ａ（第１摺動面２８ａ側）と接触するとキャップ１４の回転が止まる。このように、第１凸部２２ａの胴部１６とは反対側（第１摺動面２８ａ側）に第４凸部４４ａが位置している状態を開位置とする（図１５参照）。

　一方、キャップ１４を胴部１６側へ押し込むと、第６凸部４８ａ（第１２摺動面６０ａ側）が第３凸部２６ａ（第５摺動面３６ａ側）に沿って摺動する。ここで、第３凸部２６ａ（第５摺動面３６ａ）は、第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように延びる。したがって、第６凸部４８ａは、胴部１６側へ移動しながら第１方向Ｄ１に移動する。これによって、キャップ１４は胴部１６側へ移動しながら第１方向Ｄ１に回転する。そして、第４凸部４４ａ（第８摺動面５２ａ側）が第１凸部２２ａ（第１摺動面２８ａ側）と接触すると、キャップ１４の移動が止まる。このように、キャップ１４を胴部１６側へ押し込んでも、キャップ１４を第１方向Ｄ１に回転させたときと同様に、第４凸部４４ａを開位置に位置させることができる（図１５参照）。

　図１３および図１４を参照して、キャップ１４をさらに第１方向Ｄ１に回転させるか、もしくはさらに胴部１６側へ押し込む。

　第４凸部４４ａが開位置の状態では、第５凸部４６ａは第１方向Ｄ１における第２凸部２４ａの前端部（図２および図３で示す第７凸部３８ａとの境界）よりも後方に位置する。したがって、キャップ１４をさらに第１方向Ｄ１に回転させると、第５凸部４６ａ（第９摺動面５４ａ側）は、第２凸部２４ａ（第４摺動面３４ａ側）に沿って摺動し、第１方向Ｄ１に移動しながら胴部１６側へ移動する。そして、これにともなって第４凸部４４ａも第１方向Ｄ１に移動しながら胴部１６側へ移動する。このとき、第４凸部４４ａ（第８摺動面５２ａ側）は第１凸部２２ａ（第１摺動面２８ａ側）に沿って口部１８の径方向の外方へと徐々に押し上げられる。これによって、キャップ１４は第４凸部４４ａが形成されている付近において口部１８の径方向の外方に膨らむ。そして、第４凸部４４ａは第１凸部２２ａを乗り越えて、今度は第４凸部４４ａ（第７摺動面５０ａ側）が第１凸部２２ａ（第２摺動面３０ａ側）に沿って口部１８の径方向の内方へと戻っていく。このように、第１凸部２２ａの胴部１６側（第２摺動面３０ａ側）に第４凸部４４ａが位置している状態を閉位置とする（図１６参照）。このように、第４凸部４４ａを開位置から閉位置に移動させるときには、口部１８の軸方向における移動量Ｐ１だけ、第４凸部４４ａを胴部１６側に移動させればよい。ここで、第２摺動面３０ａおよび第７摺動面５０ａを急勾配に設定しておくと、第４凸部４４ａ（第７摺動面５０ａ側）は第１凸部２２ａ（第２摺動面３０ａ側）に沿って素早く口部１８の径方向の内方へと戻り、クリック感とともに第４凸部４４ａを閉位置に位置させることができる。したがって、キャップ１４が閉まったことを容易に把握できるのでキャップ１４を閉めすぎることを抑制でき、キャップ１４が口部１８の軸方向に引っ張られた場合でも第４凸部４４ａが第１凸部２２ａを乗り越えてキャップ１４が外れることがないように確実に固定することができる。なお、第４凸部４４ａが閉位置の状態において、キャップ１４は口部１８の周方向に多少回転可能である。

　一方、第４凸部４４ａが開位置の状態において、キャップ１４をさらに胴部１６側へ押し込むと、第６凸部４８ａ（第１２摺動面６０ａ側）が第３凸部２６ａ（第５摺動面３６ａ側）に沿って摺動し、キャップ１４は胴部１６側へ移動しながら第１方向Ｄ１に移動する。そして、キャップ１４を第１方向Ｄ１に回転させたときと同様に、第４凸部４４ａが第１凸部２２ａを乗り越えて閉位置へと移動し、キャップ１４が口部１８に装着される（図１６参照）。

　キャップ１４を口部１８から取り外すときは、キャップ１４を第１方向Ｄ１とは反対向きに回転させる。キャップ１４が閉位置の状態では、第６凸部４８ａは第１方向Ｄ１における第３凸部２６ａの後端部（図２および図３で示す第７凸部３８ａとの境界）よりも前方に位置する。したがって、キャップ１４を第１方向Ｄ１とは反対向きに回転させると、第６凸部４８ａ（第１３摺動面６２ａ側）が第３凸部２６ａ（第５摺動面３６ａ側）に沿って摺動する。ここで、第３凸部２６ａ（第５摺動面３６ａ）は、第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように延びる。また、第３凸部２６ａ（第５摺動面３６ａ）は、第１方向Ｄ１とは反対向きに上り勾配となる。したがって、第６凸部４８ａは、第１方向Ｄ１とは反対向きに移動しながら胴部１６とは反対側へ移動し、かつ口部１８の径方向の外方へと押し上げられる。これにともなって、第４凸部４４ａ（第７摺動面５０ａ側）は第１凸部２２ａ（第２摺動面３０ａ側）に沿って口部１８の径方向の外方へ移動していく。そして、第４凸部４４ａが第１凸部２２ａを乗り越えた後、第４凸部４４ａ（第８摺動面５２ａ側）は第１凸部２２ａ（第２摺動面２８ａ側）に沿って口部１８の径方向の内方へ戻っていく。これにともなって、第６凸部４８ａも第１方向Ｄ１とは反対向きに移動しながら胴部１６とは反対側へ移動し、かつ口部１８の径方向の内方へと戻っていく。このようにして、第４凸部４４ａを開位置へと移動させる（図１３、図１５参照）。そして、さらにキャップ１４を第１方向Ｄ１とは反対向きに回転させると、キャップ１４を口部１８から取り外すことができる。

　なお、上述の説明では、第２嵌合部４２ａが第１嵌合部２０ａと嵌合する場合について説明したが、同様に第２嵌合部４２ｂは第１嵌合部２０ｂと、第２嵌合部４２ｃは第１嵌合部２０ｃと、第２嵌合部４２ｄは第１嵌合部２０ｄと嵌合する。

　このような容器１０によれば、キャップ１４を第１方向Ｄ１に回転させて第４凸部４４ａを開位置から閉位置へ移動させる場合（キャップ１４を容器本体１２の口部１８に装着する場合）には、第５凸部４６ａを第２凸部２４ａに沿って摺動させることによって、第４凸部４４ａを胴部１６側へ移動させる。このとき、キャップ１４の回転量が大きいほど、口部１８の軸方向における第４凸部４４ａの胴部１６側への移動量が大きくなる。ここで、第１凸部２２ａは口部１８の周方向に延びる直線状に形成され、第４凸部４４ａは第１凸部２２ａと同方向に延びる直線状となるように形成される。そのため、口部１８の軸方向において、第１凸部２２ａの寸法および第４凸部４４ａの寸法を小さくできる。したがって、口部１８の軸方向において、第４凸部４４ａが、開位置の状態から胴部１６側へ向かって移動し第１凸部２２ａを乗り越えて閉位置の状態へ移動するために必要な移動量Ｐ１を小さくできる。これによって、第４凸部４４ａが開位置から閉位置に移動するために必要なキャップ１４の回転量を小さくできる。また、オーバーキャップタイプのようにキャップ１４を押し込むだけでも、キャップ１４を口部１８に装着することができる。

　キャップ１４を第１方向Ｄ１とは反対向きに回転させて第４凸部４４ａを閉位置から開位置へ移動させる場合（キャップ１４を容器本体１２の口部１８から取り外す場合）には、第６凸部４８ａを第３凸部２６ａに沿って摺動させることによって、第４凸部４４ａを胴部１６とは反対側へ移動させる。このとき、キャップ１４の回転量が大きいほど、口部１８の軸方向における第４凸部４４ａの胴部１６とは反対側への移動量が大きくなる。ここで、上述したように第１凸部２２ａは口部１８の周方向に延びる直線状に形成され、第４凸部４４ａは第１凸部２２ａと同方向に延びる直線状となるように形成される。そのため、口部１８の軸方向において、第１凸部２２ａの寸法および第４凸部４４ａの寸法を小さくできる。したがって、口部１８の軸方向において、第４凸部４４ａが、閉位置の状態から胴部１６とは反対側へ向かって移動し第１凸部２２ａを乗り越えて開位置の状態へ移動するために必要な移動量Ｐ１を小さくできる。これによって、第４凸部４４ａが閉位置から開位置に移動するために必要なキャップ１４の回転量を小さくできる。

　このように、キャップ１４を容器本体１２に着脱するときのキャップ１４の操作量を小さくでき、キャップ１４を容器本体１２に容易に着脱することができる。

　キャップ１４を取り外した状態から容器本体１２の口部１８に装着するときは、まず、キャップ１４を口部１８に被せて第４凸部４４ａ～４４ｄを第１凸部２２ａ～２２ｄの胴部１６とは反対側（開位置）に位置させる必要がある。そして、キャップ１４を口部１８に被せたときに第４凸部４４ａ～４４ｄが開位置に位置していない場合は、キャップ１４を回転させる等して第４凸部４４ａ～４４ｄを開位置に位置させる。ここで、複数の第１嵌合部２０ａ～２０ｄ（第１凸部２２ａ～２２ｄ）が口部１８の外周面に形成されているので、複数の第１凸部２２ａ～２２ｄのいずれか１つに対して第４凸部４４ａ（４４ｂ～４４ｄ）が開位置に位置すればよい。したがって、キャップ１４を口部１８に被せたときに、第４凸部４４ａ（４４ｂ～４４ｄ）が開位置に位置していないとしても、その第４凸部４４ａ（４４ｂ～４４ｄ）の位置から第１方向Ｄ１に一番近い第１凸部２２ａ～２２ｄの方へ第４凸部４４ａ（４４ｂ～４４ｄ）を移動させればよいので、キャップ１４を大きく回転させることなく、第４凸部４４ａ～４４ｄを開位置に位置させることができる。また、複数の第２嵌合部４２ａ～４２ｄ（第４凸部４４ａ～４４ｄ）がキャップ１４の内周面に形成されているので、複数の第４凸部４４ａ～４４ｄのいずれか１つが第１凸部２２ａ（２２ｂ～２２ｄ）に対して開位置に位置すればよい。したがって、キャップ１４を口部１８に被せたときに、第４凸部４４ａ～４４ｄが開位置に位置していないとしても、第１凸部２２ａ（２２ｂ～２２ｄ）から第１方向Ｄ１とは反対向きに一番近い第４凸部４４ａ～４４ｄを第１凸部２２ａ（２２ｂ～２２ｄ）の方へ移動させればよいので、キャップ１４を大きく回転させることなく、第４凸部４４ａ～４４ｄを開位置に位置させることができる。このように、キャップ１４を装着するときのキャップ１４の回転量を小さくできる。

　複数の第１嵌合部２０ａ～２０ｄのそれぞれに対して複数の第２嵌合部４２ａ～４２ｄのそれぞれが嵌合するので、大きい固定力を得ることができ、キャップ１４をより外れにくいように容器本体１２の口部１８に装着することができる。

　キャップ１４が容器本体１２の口部１８に装着されたときに第１嵌合部２０ａ（２０ｂ～２０ｄ）における第２凸部２４ａ（２４ｂ～２４ｄ）と第３凸部２６ａ（２６ｂ～２６ｄ）との間に、第２嵌合部４２ａ（４２ｂ～４２ｄ）における第４凸部４４ａ（４４ｂ～４４ｄ）と第５凸部４６ａ（４６ｂ～４６ｄ）と第６凸部４８ａ（４８ｂ～４８ｄ）とが位置するように、第２嵌合部４２ａ（４２ｂ～４２ｄ）をコンパクトに形成することができる。これによって、キャップ１４の内周面という限られた範囲内であっても複数の第２嵌合部４２ａ～４２ｄを容易に形成することができる。

　上述したように、キャップ１４を取り外した状態から容器本体１２の口部１８に装着するときは、まず、キャップ１４を口部１８に被せて第４凸部４４ａを開位置に位置させる必要がある。キャップ１４を口部１８に被せたとき、第４凸部４４ａが開位置に位置せず、第６凸部４８ａが第７凸部３８と接触した場合、その位置からキャップ１４を第１方向Ｄ１に回転させると、第６凸部４８ａが第７凸部３８に沿って第１方向Ｄ１に隣り合う第３凸部２６ａまで摺動し、さらに第６凸部４８ａは第３凸部２６ａに沿って摺動する。第６凸部４８ａが第３凸部２６ａに沿って摺動すると、第４凸部４４ａはやがて開位置に達する。また、キャップ１４を口部１８に被せたとき、第４凸部４４ａが開位置に位置せず、第６凸部４８ａが第１方向Ｄ１とは反対側で隣り合う第１嵌合部２０ｂの第２凸部２４ｂと接触した場合も同様で、その位置からキャップ１４を第１方向Ｄ１に回転させると、第６凸部４８ａは第２凸部２４ｂに沿って第１方向Ｄ１に隣り合う第７凸部３８まで摺動する。そして、第６凸部４８ａは第７凸部３８および第１方向Ｄ１に隣り合う第３凸部２６ａに沿って摺動し、第４凸部４４ａはやがて開位置に達する。このように、キャップ１４を被せたときに、第４凸部４４ａが開位置に位置していない場合でも、キャップ１４を回転させるだけで容易に第４凸部４４ａを開位置に位置させることができる。これによって、キャップ１４の操作が容易になる。

　第７凸部３８は、一方の第１嵌合部２０ｂの第２凸部２４ｂと他方の第１嵌合部２０ａの第３凸部２６ａとを繋いでいるので、より安定して第６凸部４８ａを摺動させることができ、キャップ１４の操作がさらに容易になる。

　第４凸部４４ａが閉位置から開位置へ移動するときよりも開位置から閉位置へ移動するときの方が、第１凸部２２ａによって第４凸部４４ａを押し上げやすく、第４凸部４４ａは第１凸部２２ａを乗り越えやすい。これによって、キャップ１４を容器本体１２の口部１８に装着しやすくなるとともに、装着後はキャップ１４を口部１８の軸方向にずれにくいように固定することができる。

　第４凸部４４ａが閉位置の状態において、キャップ１４を容器本体１２の口部１８の軸方向に引っ張ることで第１凸部２２ａによって第４凸部４４ａを押し上げるよりも、キャップ１４を第１方向Ｄ１とは反対向きに回転させることで第３凸部２６ａによって第６凸部４８ａを押し上げるほうが容易になる。ここで、第４凸部４４ａが閉位置の状態からキャップ１４を第１方向Ｄ１とは反対向きに回転させると、第３凸部２６ａによって第６凸部４８ａは押し上げられ、さらにこれにともなって、第６凸部４８ａの近傍に形成された第４凸部４４ａが口部１８の径方向の外方に移動する。これによって、第４凸部４４ａは第１凸部２２ａを容易に乗り越えることができる。したがって、キャップ１４を口部１８の軸方向にずれにくいように固定できるとともに、キャップ１４を取り外したいときはキャップ１４を第１方向Ｄ１とは反対向きに回転させることで容易に取り外すことができる。

　第４凸部４４ａが開位置と閉位置との間を移動するとき、第４凸部４４ａ～４４ｄは第１凸部２２ａ～２２ｄを乗り越えるために容器本体１２の口部１８の径方向の外方に移動する。したがって、このときキャップ１４における第２嵌合部４２ａ～４２ｄ（第４凸部４４ａ～４４ｄ）が形成されている箇所は口部１８の径方向の外方へ膨らむ。反対に、キャップ１４における隣り合う第２嵌合部４２ａ～４２ｄの間の第２嵌合部４２ａ～４２ｄが形成されていない箇所は口部１８の径方向の内方へ引っ張られるように変形する。ここで、隣り合う第２嵌合部４２ａ～４２ｄの間の第２嵌合部４２ａ～４２ｄが形成されていない箇所の厚みＲ１は、第２嵌合部４２ａ～４２ｄが形成されている箇所の厚みＳ１よりも小さく形成されるので、隣り合う第２嵌合部４２ａ～４２ｄの間は変形しやすい。これによって、キャップ１４における第２嵌合部４２ａ～４２ｄ（第４凸部４４ａ～４４ｄ）が形成されている箇所は、口部１８の径方向の外方へ膨らみやすくなり、より小さい力でキャップ１４を操作できる。

　キャップ１４が口部１８に装着されたときに、第２嵌合部４２ａが第１方向Ｄ１に延びる部分と第１方向Ｄ１側が胴部１６に近づくように延びる部分とを有する略Ｖ字状となるように、第４凸部４４ａと第５凸部４６ａと第６凸部４８ａとが一体的に形成される。この場合、第２嵌合部４２ａの強度を大きくできる。したがって、キャップ１４を容器本体１２の口部１８に確実に固定することができる。

　ついで、この発明の他の実施形態に係る容器１００について説明する。

　なお、この発明の実施形態における、口部１０８の軸方向とは図１７～図２０において矢印Ａ２で示す方向、口部１０８の径方向とは図１７～図２１において矢印Ｂ２で示す方向、口部１０８の周方向とは図１７および図２１において矢印Ｃ２で示す方向である。

　図１７を参照して、この発明の一実施形態に係る容器１００は、容器本体１０２と容器本体１０２に着脱されるキャップ１０４とを含む。容器本体１０２は、一端部が開口している筒状の胴部１０６と、胴部１０６の一端部から筒状に延びる口部１０８とを有する。

　図１７および図１８を参照して、口部１０８は、外周面に形成される複数（この実施形態では、４個）の第１嵌合部１１０ａ～１１０ｄを含む。第１嵌合部１１０ａ～１１０ｄは、相互に同形状、同寸法に設定され、口部１０８の周方向に等間隔（この実施形態では、９０度間隔）に形成される。

　第１嵌合部１１０ａは、口部１０８の径方向の外方へ突出する第１凸部１１２ａと第２凸部１１４ａと第３凸部１１６ａとを有する。

　図１７～図１９を参照して、第１凸部１１２ａは、口部１０８の軸方向の中央よりもやや胴部１０６側において、口部１０８の周方向に延びる直線状に形成される。また、第１凸部１１２ａは、第１凸部１１２ａの胴部１０６とは反対側において口部１０８の周方向に延びる第１摺動面１１８ａと、第１凸部１１２ａの胴部１０６側において口部１０８の周方向に延びる第２摺動面１２０ａとを有する。口部１０８の軸方向において、第１摺動面１１８ａは胴部１０６側へ向かって上り勾配となるように形成され、第２摺動面１２０ａは胴部１０６とは反対側へ向かって上り勾配となるように形成される。第２摺動面１２０ａの上り勾配は、第１摺動面１１８ａの上り勾配よりも急勾配となるように形成される。

　図１７、図１８および図２０を参照して、第２凸部１１４ａは、第１凸部１１２ａよりも胴部１０６とは反対側から、口部１０８の周方向における第１方向Ｄ２（時計回り方向）側が胴部１０６に近づくように形成される（後述する第７凸部１３０との境界を図１７および図１８において二点鎖線で示す）。口部１０８の径方向において、第２凸部１１４ａの突出量は第１凸部１１２ａの突出量よりも大きい。また、第２凸部１１４ａは、第２凸部１１４ａの第１方向Ｄ２における後端部において第１方向Ｄ２に向かって上り勾配となる第３摺動面１２２ａと、第３摺動面１２２ａの胴部１０６とは反対側から第１方向Ｄ２側が胴部１０６に近づくように延びる第４摺動面１２４ａと、第３摺動面１２２ａの胴部１０６側から第１方向Ｄ２側が胴部１０６に近づくように延びる第５摺動面１２６ａとを有する。第３摺動面１２２ａは、胴部１０６に近づくほど、第１方向Ｄ２側に位置するように傾斜する。口部１０８の軸方向において、第４摺動面１２４ａは胴部１０６側へ向かって上り勾配となるように形成され、第５摺動面１２６ａは胴部１０６とは反対側へ向かって上り勾配となるように形成される。

　図１７、図１８および図２１を参照して、第３凸部１１６ａは、第１方向Ｄ２において第１凸部１１２ａよりも後方から第１凸部１１２ａの後端部を通って第１凸部１１２ａよりも胴部１０６側へ湾曲しながら延びる第６摺動面１２８ａを有し、略円弧状に形成される（後述する第７凸部１３０との境界を図１７および図１８において二点鎖線で示す）。第１凸部１１２ａと第３凸部１１６ａとは繋がっている。口部１０８の径方向において、第３凸部１１６ａの突出量は第１凸部１１２ａの突出量よりも大きい。第６摺動面１２８ａは、第１方向Ｄ２側が胴部１０６に近づくように延び、かつ第３凸部１１６ａの頂面へ向かって上り勾配となるように形成される。第６摺動面１２８ａの上り勾配は、第２摺動面１２０ａの上り勾配よりも緩やかに形成される。

　このように、第１凸部１１２ａと第２凸部１１４ａと第３凸部１１６ａとの位置関係については、第２凸部１１４ａが第１方向Ｄ２において第１凸部１１２ａよりも前方かつ口部１０８の軸方向において第１凸部１１２ａよりも胴部１０６とは反対側に形成され、第３凸部１１６ａが第１方向Ｄ２において第１凸部１１２ａよりも後方かつ口部１０８の軸方向において第１凸部１１２ａよりも胴部１０６側に形成される。なお、第１方向Ｄ２において第１凸部１１２ａよりも前方かつ口部１０８の軸方向において第１凸部１１２ａよりも胴部１０６とは反対側に、第２凸部１１４ａの全てが形成されていなくてもよく、第２凸部１１４ａの少なくとも一部が形成されていればよい。また、第１方向Ｄ２において第１凸部１１２ａよりも後方かつ口部１０８の軸方向において第１凸部１１２ａよりも胴部１０６側に、第３凸部１１６ａの全てが形成されていなくてもよく、第３凸部１１６ａの少なくとも一部が形成されていればよい。

　上述したように、第１嵌合部１１０ｂ～１１０ｄはそれぞれ、第１嵌合部１１０ａと同形状、同寸法に設定され、上述した第１嵌合部１１０ａの説明において各部の符号の末尾「ａ」を「ｂ」～「ｄ」に読み替えることによって容易に理解できるので、第１嵌合部１１０ｂ～１１０ｄの説明は省略する。なお、第１嵌合部１１０ｂ～１１０ｄの各部については必要に応じて、第１嵌合部１１０ａの対応する各部の符号の末尾「ａ」を「ｂ」～「ｄ」に差し替えて図示されている。

　図１７、図１８および図２５を参照して、第１嵌合部１１０ｂにおける第２凸部１１４ｂと第１方向Ｄ２に隣り合う第１嵌合部１１０ａにおける第３凸部１１６ａとの間には、第２凸部１１４ｂと第３凸部１１６ａとを繋ぐように、口部１０８の外周面から口部１０８の径方向の外方へ突出する第７凸部１３０が形成される。第７凸部１３０は、第４摺動面１２４ｂと第６摺動面１２８ａとを繋ぐ第７摺動面１３２を有する。同様に、第１嵌合部１１０ａにおける第２凸部１１４ａと第１方向Ｄ２に隣り合う第１嵌合部１１０ｄにおける第３凸部１１６ｄとの間、第１嵌合部１１０ｄにおける第２凸部１１４ｄと第１方向Ｄ２に隣り合う第１嵌合部１１０ｃにおける第３凸部１１６ｃとの間、および第１嵌合部１１０ｃにおける第２凸部１１４ｃと第１方向Ｄ２に隣り合う第１嵌合部１１０ｂにおける第３凸部１１６ｂとの間にも、第２凸部１１４ａと第３凸部１１６ｄ、第２凸部１１４ｄと第３凸部１１６ｃ、および第２凸部１１４ｃと第３凸部１１６ｂとを繋ぐように、第７摺動面１３２を有する第７凸部１３０が形成される。

　また、第２凸部１１４ａと第３凸部１１６ｄと第７凸部１３０とで囲まれる部分における口部１０８の径方向の厚みは、第２凸部１１４ａ、第３凸部１１６ｄ、および第７凸部１３０の厚みよりも小さくなるように形成される。これによって、口部１０８を製造する際に、口部１０８にくぼみ等（ヒケ）が生じることを防止できる。第２凸部１１４ｄと第３凸部１１６ｃと第７凸部１３０とで囲まれる部分、第２凸部１１４ｃと第３凸部１１６ｂと第７凸部１３０とで囲まれる部分、および第２凸部１１４ｂと第３凸部１１６ａと第７凸部１３０とで囲まれる部分についても同様である。

　図２２～図２４を参照して、キャップ１０４は、外周面が略正二十四角形に形成されかつ一端部が開口している筒状に形成される。ここで、キャップ１０４の軸方向とは図１７、図２２および図２４において矢印Ｉ２で示す方向、キャップ１０４の径方向とは図１７、図２２および図２３において矢印Ｊ２で示す方向、キャップ１０４の周方向とは図１７、図２２および図２３において矢印Ｋ２で示す方向である。キャップ１０４は、第１嵌合部１１０ａ～１１０ｄのそれぞれと嵌合可能となるように内周面に形成される複数（この実施形態では、４個）の第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄと、キャップ１０４の天板部１２９の内面から環状に突出する環状凸部１３１，１３３，１３５とを含む。また、キャップ１０４の径方向における厚みは、第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄが形成されている箇所の厚みＳ２よりも、隣り合う第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄの間における第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄが形成されていない箇所の厚みＲ２の方が小さくなる（図２３参照）。

　第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄは、相互に同形状、同寸法に設定され、キャップ１０４の周方向に等間隔（この実施形態では、９０度間隔）に形成される。第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄはそれぞれ、キャップ１０４の周方向に延びる直線状に形成される。第２嵌合部１３４ａは、第１凸部１１２ａに対応するようにキャップ１０４の径方向の内方へ突出する第４凸部１３６ａと、第２凸部１１４ａに対応するようにキャップ１０４の径方向の内方へ突出する第５凸部１３８ａと、第３凸部１１６ａに対応するようにキャップ１０４の径方向の内方へ突出する第６凸部１４０ａとを有する。第４凸部１３６ａと第５凸部１３８ａと第６凸部１４０ａとは一体的に形成される。

　第４凸部１３６ａは、キャップ１０４の軸方向の一端の近傍において、キャップ１０４の周方向に延びる直線状に形成される（後述する第５凸部１３８ａとの境界および第６凸部１４０ａとの境界を図２２および図２３において二点鎖線で示す）。また、第４凸部１３６ａは、第４凸部１３６ａにおけるキャップ１０４の他端側においてキャップ１０４の周方向に延びる第８摺動面１４２ａと、第４凸部１３６ａにおけるキャップ１０４の一端側においてキャップ１０４の周方向における第２方向Ｍ２側がキャップ１０４の一端側に近づくように延びる第９摺動面１４４ａとを有する。ここで、キャップ１０４の一端とは、キャップ１０４の軸方向における開口端を示し、キャップ１０４の他端とは、キャップ１０４の軸方向における閉口端を示す。第８摺動面１４２ａは、キャップ１０４の他端側から一端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第９摺動面１４４ａは、キャップ１０４の一端側から他端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第９摺動面１４４ａの上り勾配は、第８摺動面１４２ａの上り勾配よりも急勾配となるように形成される。

　第５凸部１３８ａは、第２方向Ｍ２において、第４凸部１３６ａの前端部から前方に延びる。また、第２方向Ｍ２において、第５凸部１３８ａは、第８摺動面１４２ａの前端部から第２方向Ｍ２側が胴部１０６に近づくように延びる第１０摺動面１４６ａと、第９摺動面１４４ａの前端部から第９摺動面１４４ａと同方向に延びる第１１摺動面１４８ａと、第５凸部１３８ａの前端部において第２方向Ｍ２とは反対向きに上り勾配となる第１２摺動面１５０ａとを有する。第１０摺動面１４６ａは、キャップ１０４の他端側から一端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第１１摺動面１４８ａは、キャップ１０４の一端側から他端側へ向かって上り勾配となるように形成される。

　第６凸部１４０ａは、第２方向Ｍ２における第４凸部１３６ａの後端部から後方に延びる。また、第２方向Ｍ２において、第６凸部１４０ａは、第８摺動面１４２ａの後端部から第８摺動面１４２ａと同方向に延びる第１３摺動面１５２ａと、第９摺動面１４４ａの後端部から第９摺動面１４４ａと同方向に延びる第１４摺動面１５４ａと、第６凸部１４０ａの後端部に形成される第１５摺動面１５６ａとを有する。第１３摺動面１５２ａは、キャップ１０４の他端側から一端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第１４摺動面１５４ａは、キャップ１０４の一端側から他端側へ向かって上り勾配となるように形成される。第１５摺動面１５６ａは、第２方向Ｍ２において上り勾配となる。

　このようなキャップ１０４を口部１０８に装着した状態では、第４凸部１３６ａは、口部１０８の周方向において、第１凸部１１２ａと同方向に延びる直線状に形成される。第５凸部１３８ａは、第１方向Ｄ２側が胴部１０６に近づくように延びる部分（第１０摺動面１４６ａ）を有する。第２嵌合部１３４ａは、口部１０８の周方向に延びる直線状に形成される。

　上述したように、第２嵌合部１３４ｂ～１３４ｄはそれぞれ、第２嵌合部１３４ａと同形状、同寸法に設定され、上述した第２嵌合部１３４ａの説明において各部の符号の末尾「ａ」を「ｂ」～「ｄ」に読み替えることによって容易に理解することができるので、第２嵌合部１３４ｂ～１３４ｄの説明は省略する。なお、第２嵌合部１３４ｂ～１３４ｄの各部については必要に応じて、第２嵌合部１３４ａの対応する各部の符号の末尾「ａ」を「ｂ」～「ｄ」に差し替えて図示されている。

　環状凸部１３１は、キャップ１０４の外周面と同軸上に形成される。

　環状凸部１３３は、環状凸部１３１よりもキャップ１０４の径方向の内方において、キャップ１０４の外周面と同軸上に形成される。環状凸部１３３は、環状凸部１３３の先端部に向かうにつれてキャップ１０４の径方向の外方にやや広がるように突出する。

　環状凸部１３５は、環状凸部１３３よりもキャップ１０４の径方向の内方において、キャップ１０４の外周面と同軸上に形成される。環状凸部１３５は、環状凸部１３５の先端部に向かうにつれてキャップ１０４の径方向の外方にやや広がるように突出し、環状凸部１３５の外周面にはキャップ１０４の周方向に延びる溝が形成される。

　図２５～図３１を参照して、キャップ１０４を口部１０８に着脱する方法を説明する。なお、図２６～図２９では、図面が煩雑になることを避けるため、キャップ１０４の外形を一点鎖線で示し、第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄを破線で示す。

　まず、図２５を参照して、キャップ１０４を口部１０８に装着するときは、キャップ１０４と容器本体１０２とを口部１０８の軸方向にずらして配置する。このとき、キャップ１０４の一端（開口側）を口部１０８の方に向ける。

　図２６を参照して、キャップ１０４を口部１０８の方に移動させて、キャップ１０４を口部１０８に被せる。このとき、第６凸部１４０ａ（第１４摺動面１５４ａ側）が第３凸部１１６ａ（第６摺動面１２８ａ側）と接触する。なお、キャップ１０４を口部１０８に被せたときに第６凸部１４０ａ（第１４摺動面１５４ａ側）が第２凸部１１４ｂ（第４摺動面１２４ｂ側）もしくは第７凸部１３０（第７摺動面１３２側）と接触してもよい。第７凸部１３０（第７摺動面１３２）は、第６凸部１４０ａが第２凸部１１４ｂ（第４摺動面１２４ｂ側）から第３凸部１１６ａ（第６摺動面１２８ａ側）まで摺動可能となるように形成されるので、キャップ１０４を第１方向Ｄ２に回転させれば、第６凸部１４０ａ（第１４摺動面１５４ａ側）が第２凸部１１４ｂ（第４摺動面１２４ｂ側）および第７凸部１３０（第７摺動面１３２側）に沿って摺動し、図２６で示す位置に第２嵌合部１３４ａを移動させることができる。ここで、キャップ１０４の外周面は略正二十四角形になるように形成されるので、キャップ１０４を回転させるときに、手が滑ることを抑制でき、キャップ１０４を良好に操作できる。

　図２７を参照して、キャップ１０４をさらに第１方向Ｄ２に回転させると、第６凸部１４０ａ（第１４摺動面１５４ａ側）は第３凸部１１６ａ（第６摺動面１２８ａ側）に沿って摺動する。そうすると、やがて第５凸部１３８ａ（第１０摺動面１４６ａ側）が第２凸部１１４ａ（第５摺動面１２６ａ側）と接触してキャップ１０４の回転が止まる。このようにキャップ１０４の回転が止まることによって、第２嵌合部１３４ａがどの位置にあるかを把握しやすくなり、キャップ１０４を良好に操作できる。また、第３摺動面１２２ａは胴部１０６に近づくほど第１方向Ｄ２側に位置するように傾斜する。したがって、キャップ１０４を第１方向Ｄ２に回転させたときに、第５凸部１３８ａ（第１２摺動面１５０ａ側）が第２凸部１１４ａ（第３摺動面１２２ａ側）と接触しても、そのままキャップ１０４を第１方向Ｄ２に回転させると、第５凸部１３８ａ（第１２摺動面１５０ａ側）は第２凸部１１４ａ（第３摺動面１２２ａ側）に沿って摺動し、容易に図２７で示す位置に第２嵌合部１３４ａを移動させることができる。このように、キャップ１０４を胴部１０６側に容易に移動させることができ、これによって、キャップ１０４の取り付けが容易になる。

　図２８を参照して、キャップ１０４をさらに第１方向Ｄ２に回転させるか、もしくは胴部１０６側へ押し込む。

　キャップ１０４をさらに第１方向Ｄ２に回転させると、第５凸部１３８ａ（第１０摺動面１４６ａ側）が、第２凸部１１４ａ（第５摺動面１２６ａ側）に沿って摺動する。ここで、第２凸部１１４ａ（第５摺動面１２６ａ側）および第５凸部１３８ａ（第１０摺動面１４６ａ）は、第１方向Ｄ２側が胴部１０６側に近づくように延びる。したがって、第５凸部１３８ａは第１方向Ｄ２に移動しながら胴部１０６側へ移動する。また、第５凸部１３８ａ（第１０摺動面１４６ａ）が第２凸部１１４ａ（第５摺動面１２６ａ側）に沿って摺動するときに、第５凸部１３８ａと第２凸部１１４ａとの接触面が大きくなるため、第５凸部１３８ａが破損することを抑制できる。第５凸部１３８ａが第１方向Ｄ２に移動しながら胴部１０６側へ移動すると、キャップ１０４は第１方向Ｄ２に回転しながら胴部１０６側へ移動する。そして、第４凸部１３６ａ（第９摺動面１４４ａ側）が第１凸部１１２ａ（第１摺動面１１８ａ側）と接触するとキャップ１０４の回転が止まる。このように第１凸部１１２ａの胴部１０６とは反対側（第１摺動面１１８ａ側）に第４凸部１３６ａが位置している状態を開位置とする（図３０参照）。第４凸部１３６ａが開位置の状態では、環状凸部１３３の先端部が口部１０８の開口部の内周面を押圧するので、この状態であってもシール性を保持することができる。

　一方、キャップ１０４を胴部１０６側へ押し込むと、第６凸部１４０ａ（第１４摺動面１５４ａ側）が第３凸部１１６ａ（第６摺動面１２８ａ側）に沿って摺動する。ここで、第３凸部１１６ａ（第６摺動面１２８ａ）は、第１方向Ｄ２側が胴部１０６に近づくように延びる。したがって、第６凸部１４０ａは、胴部１０６側へ移動しながら第１方向Ｄ２に移動する。これによって、キャップ１０４は胴部１０６側へ移動しながら第１方向Ｄ２に回転する。そして、第４凸部１３６ａ（第９摺動面１４４ａ側）が第１凸部１１２ａ（第１摺動面１１８ａ側）と接触すると、キャップ１０４の移動が止まる。このように、キャップ１０４を胴部１０６側へ押し込んでも、キャップ１０４を第１方向Ｄ２に回転させたときと同様に、第４凸部１３６ａを開位置に位置させることができる（図３０参照）。

　図２９を参照して、キャップ１０４をさらに第１方向Ｄ２に回転させるか、もしくはさらに胴部１０６側へ押し込む。

　第４凸部１３６ａが開位置の状態では、第５凸部１３８ａは第１方向Ｄ２における第２凸部１１４ａの前端部よりも後方に位置する。したがって、キャップ１０４をさらに第１方向Ｄ２に回転させると、第５凸部１３８ａ（第１０摺動面１４６ａ側）は、第２凸部１１４ａ（第５摺動面１２６ａ側）に沿って摺動し、第１方向Ｄ２に移動しながら胴部１０６側へ移動する。そして、これにともなって第４凸部１３６ａも第１方向Ｄ２に移動しながら胴部１０６側へ移動する。このとき、第４凸部１３６ａ（第９摺動面１４４ａ側）は第１凸部１１２ａ（第１摺動面１１８ａ側）に沿って口部１０８の径方向の外方へと徐々に押し上げられる。これによって、キャップ１０４は第４凸部１３６ａが形成されている付近において口部１０８の径方向の外方に膨らむ。そして、第４凸部１３６ａは第１凸部１１２ａを乗り越えて、今度は第４凸部１３６ａ（第８摺動面１４２ａ側）が第１凸部１１２ａ（第２摺動面１２０ａ側）に沿って口部１０８の径方向の内方へと戻っていく。このように、第１凸部１１２ａの胴部１０６側（第２摺動面１２０ａ側）に第４凸部１３６ａが位置している状態を閉位置とする（図３１参照）。第４凸部１３６ａが閉位置の状態になれば、環状凸部１３１が口部１０８の開口部と密着し、環状凸部１３３が口部１０８の開口部の内周面を押圧し、キャップ１０４が口部１０８に装着された状態となる。このように、第４凸部１３６ａを開位置から閉位置に移動させるときには、口部１０８の軸方向における移動量Ｐ２だけ、第４凸部１３６ａを胴部１０６側に移動させればよい。ここで、第２摺動面１２０ａおよび第８摺動面１４２ａを急勾配に設定しておくと、第４凸部１３６ａ（第８摺動面１４２ａ側）は第１凸部１１２ａ（第２摺動面１２０ａ側）に沿って素早く口部１０８の径方向の内方へと戻り、クリック感とともに第４凸部１３６ａを閉位置に位置させることができる。したがって、キャップ１０４が閉まったことを容易に把握できるのでキャップ１０４を閉めすぎることを抑制でき、キャップ１０４が口部１０８の軸方向に引っ張られた場合でも第４凸部１３６ａが第１凸部１１２ａを乗り越えてキャップ１０４が外れることがないように確実に固定することができる。なお、第４凸部１３６ａが閉位置の状態において、キャップ１０４は口部１０８の周方向に多少回転可能である。

　一方、第４凸部１３６ａが開位置の状態において、キャップ１０４をさらに胴部１０６側へ押し込むと、第６凸部１４０ａ（第１４摺動面１５４ａ側）が第３凸部１１６ａ（第６摺動面１２８ａ側）に沿って摺動し、胴部１０６側へ移動しながら第１方向Ｄ２に移動する。そして、キャップ１０４を第１方向Ｄ２に回転させたときと同様に、第４凸部１３６ａが第１凸部１１２ａを乗り越えて閉位置へと移動し、キャップ１０４が口部１０８に装着される（図３１参照）。

　キャップ１０４を口部１０８から取り外すときは、キャップ１０４を第１方向Ｄ２とは反対向きに回転させる。キャップ１０８が閉位置の状態では、第６凸部１４０ａは第１方向Ｄ２における第３凸部１１６ａの後端部（図１８参照）よりも前方に位置する。したがって、キャップ１０４を第１方向Ｄ２とは反対向きに回転させると、第６凸部１４０ａ（第１５摺動面１５６ａ側）が第３凸部１１６ａ（第６摺動面１２８ａ側）に沿って摺動する。ここで、第３凸部１１６ａ（第６摺動面１２８ａ）は、第１方向Ｄ２側が胴部１０６に近づくように延びる。また、第３凸部１１６ａ（第６摺動面１２８ａ）は、第１方向Ｄ２とは反対向きに上り勾配となる。したがって、第６凸部１４０ａは、第１方向Ｄ２とは反対向きに移動しながら胴部１０６とは反対側へ移動し、かつ口部１０８の径方向の外方へと押し上げられる。これにともなって、第４凸部１３６ａ（第８摺動面１４２ａ側）は第１凸部１１２ａ（第２摺動面１２０ａ側）に沿って口部１０８の径方向の外方へ移動していく。そして、第４凸部１３６ａが第１凸部１１２ａを乗り越えた後、第４凸部１３６ａ（第９摺動面１４４ａ側）は第１凸部１１２ａ（第１摺動面１１８ａ側）に沿って口部１０８の径方向の内方へ戻っていく。これにともなって、第６凸部１４０ａも第１方向Ｄ２とは反対向きに移動しながら胴部１０６とは反対側へ移動し、かつ口部１０８の径方向の内方へ戻っていく。このようにして、第４凸部１３６ａを開位置へと移動させる（図２８、図３０参照）。そして、さらにキャップ１０４を第１方向Ｄ２とは反対向きに回転させると、キャップ１０４を口部１０８から取り外すことができる。

　なお、上述の説明では、第２嵌合部１３４ａが第１嵌合部１１０ａと嵌合する場合について説明したが、同様に第２嵌合部１３４ｂは第１嵌合部１１０ｂと、第２嵌合部１３４ｃは第１嵌合部１１０ｃと、第２嵌合部１３４ｄは第１嵌合部１１０ｄと嵌合する。

　このような容器１００によれば、キャップ１０４を第１方向Ｄ２に回転させて第４凸部１３６ａを開位置から閉位置へ移動させる場合（キャップ１０４を容器本体１０２の口部１０８に装着する場合）には、第５凸部１３８ａを第２凸部１１４ａに沿って摺動させることによって、第４凸部１３６ａを胴部１０６側へ移動させる。このとき、キャップ１０４の回転量が大きいほど、口部１０８の軸方向における第４凸部１３６ａの胴部１０６側への移動量が大きくなる。ここで、第１凸部１１２ａは口部１０８の周方向に延びる直線状に形成され、第４凸部１３６ａは第１凸部１１２ａと同方向に延びる直線状となるように形成される。そのため、口部１０８の軸方向において、第１凸部１１２ａの寸法および第４凸部１３６ａの寸法を小さくできる。したがって、口部１０８の軸方向において、第４凸部１３６ａが、開位置の状態から胴部１０６側へ向かって移動し第１凸部１１２ａを乗り越えて閉位置の状態へ移動するために必要な移動量Ｐ２を小さくできる。これによって、第４凸部１３６ａが開位置から閉位置に移動するために必要なキャップ１０４の回転量を小さくできる。また、オーバーキャップタイプのようにキャップ１０４を押し込むだけでも、キャップ１０４を口部１０８に装着することができる。

　キャップ１０４を第１方向Ｄ２とは反対向きに回転させて第４凸部１３６ａを閉位置から開位置へ移動させる場合（キャップ１０４を容器本体１０２の口部１０８から取り外す場合）には、第６凸部１４０ａを第３凸部１１６ａに沿って摺動させることによって、第４凸部１３６ａを胴部１０６とは反対側へ移動させる。このとき、キャップ１０４の回転量が大きいほど、口部１０８の軸方向における第４凸部１３６ａの胴部１０６とは反対側への移動量が大きくなる。ここで、上述したように第１凸部１１２ａは口部１０８の周方向に延びる直線状に形成され、第４凸部１３６ａは第１凸部１１２ａと同方向に延びる直線状となるように形成される。そのため、口部１０８の軸方向において、第１凸部１１２ａの寸法および第４凸部１３６ａの寸法を小さくできる。したがって、口部１０８の軸方向において、第４凸部１３６ａが、閉位置の状態から胴部１０６とは反対側へ向かって移動し第１凸部１１２ａを乗り越えて開位置の状態へ移動するために必要な移動量Ｐ２を小さくできる。これによって、第４凸部１３６ａが閉位置から開位置に移動するために必要なキャップ１０４の回転量を小さくできる。

　このように、キャップ１０４を容器本体１０２に着脱するときのキャップ１０４の操作量を小さくでき、キャップ１０４を容器本体１０２に容易に着脱することができる。

　キャップ１０４を取り外した状態から容器本体１０２の口部１０８に装着するときは、まず、キャップ１０４を口部１０８に被せて第４凸部１３６ａ～１３６ｄを第１凸部１１２ａ～１１２ｄの胴部１０６とは反対側（開位置）に位置させる必要がある。そして、キャップ１０４を口部１０８に被せたときに第４凸部１３６ａ～１３６ｄが開位置に位置していない場合は、キャップ１０４を回転させる等して第４凸部１３６ａ～１３６ｄを開位置に位置させる。ここで、複数の第１嵌合部１１０ａ～１１０ｄ（第１凸部１１２ａ～１１２ｄ）が口部１０８の外周面に形成されているので、複数の第１凸部１１２ａ～１１２ｄのいずれか１つに対して第４凸部１３６ａ（１３６ｂ～１３６ｄ）が開位置に位置すればよい。したがって、キャップ１０４を口部１０８に被せたときに、第４凸部１３６ａ（１３６ｂ～１３６ｄ）が開位置に位置していないとしても、その第４凸部１３６ａ（１３６ｂ～１３６ｄ）の位置から第１方向Ｄ２に一番近い第１凸部１１２ａ～１１２ｄの方へ第４凸部１３６ａ（１３６ｂ～１３６ｄ）を移動させればよいので、キャップ１０４を大きく回転させることなく、第４凸部１３６ａ～１３６ｄを開位置に位置させることができる。また、複数の第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄ（第４凸部１３６ａ～１３６ｄ）がキャップ１０４の内周面に形成されているので、複数の第４凸部１３６ａ～１３６ｄのいずれか１つが第１凸部１１２ａ（１１２ｂ～１１２ｄ）に対して開位置に位置すればよい。したがって、キャップ１０４を口部１０８に被せたときに、第４凸部１３６ａ～１３６ｄが開位置に位置していないとしても、第１凸部１１２ａ（１１２ｂ～１１２ｄ）から第１方向Ｄ２とは反対向きに一番近い第４凸部１３６ａ～１３６ｄを第１凸部１１２ａ（１１２ｂ～１１２ｄ）の方へ移動させればよいので、キャップ１０４を大きく回転させることなく、第４凸部１３６ａ～１３６ｄを開位置に位置させることができる。このように、キャップ１０４を装着するときのキャップ１０４の回転量を小さくできる。

　複数の第１嵌合部１１０ａ～１１０ｄのそれぞれに対して複数の第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄのそれぞれが嵌合するので、大きい固定力を得ることができ、キャップ１０４をより外れにくいように容器本体１０２の口部１０８に装着することができる。

　キャップ１０４が容器本体１０２の口部１０８に装着されたときに第１嵌合部１１０ａ（１１０ｂ～１１０ｄ）における第２凸部１１４ａ（１１４ｂ～１１４ｄ）と第３凸部１１６ａ（１１６ｂ～１１６ｄ）との間に、第２嵌合部１３４ａ（１３４ｂ～１３４ｄ）における第４凸部１３６ａ（１３６ｂ～１３６ｄ）と第５凸部１３８ａ（１３８ｂ～１３８ｄ）と第６凸部１４０ａ（１４０ｂ～１４０ｄ）とが位置するように、第２嵌合部１３４ａ（１３４ｂ～１３４ｄ）をコンパクトに形成することができる。これによって、キャップ１０４の内周面という限られた範囲内であっても複数の第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄを容易に形成することができる。

　上述したように、キャップ１０４を取り外した状態から容器本体１０２の口部１０８に装着するときは、まず、キャップ１０４を口部１０８に被せて第４凸部１３６ａを開位置に位置させる必要がある。キャップ１０４を口部１０８に被せたとき、第４凸部１３６ａが開位置に位置せず、第６凸部１４０ａが第７凸部１３０と接触した場合、その位置からキャップを第１方向Ｄ２に回転させると、第６凸部１４０ａが第７凸部１３０に沿って第１方向Ｄ２に隣り合う第３凸部１１６ａまで摺動し、さらに第６凸部１４０ａは第３凸部１１６ａに沿って摺動する。第６凸部１４０ａが第３凸部１１６ａに沿って摺動すると、第４凸部１３６ａはやがて開位置に達する。また、キャップ１０４を口部１０８に被せたとき、第４凸部１３６ａが開位置に位置せず、第６凸部１４０ａが第１方向Ｄ２とは反対向側で隣り合う第１嵌合部１１０ｂの第２凸部１１４ｂと接触した場合も同様で、その位置からキャップ１０４を第１方向Ｄ２に回転させると、第６凸部１４０ａは第２凸部１１４ｂに沿って第１方向Ｄ２に隣り合う第７凸部１３０まで摺動する。そして、第６凸部１４０ａは第７凸部１３０および第１方向Ｄ２に隣り合う第３凸部１１６ａに沿って摺動し、第４凸部１３６ａはやがて開位置に達する。このように、キャップ１０４を被せたときに、第４凸部１３６ａが開位置に位置していない場合でも、キャップ１０４を回転させるだけで容易に第４凸部１３６ａを開位置に位置させることができる。これによって、キャップ１０４の操作が容易になる。

　第７凸部１３０は、一方の第１嵌合部１１０ｂの第２凸部１１４ｂと他方の第１嵌合部１１０ａの第３凸部１１６ａとを繋いでいるので、より安定して第６凸部１４０ａを摺動させることができ、キャップ１０４の操作がさらに容易になる。

　第４凸部１３６ａが閉位置から開位置へ移動するときよりも開位置から閉位置へ移動するときの方が、第１凸部１１２ａによって第４凸部１３６ａを押し上げやすく、第４凸部１３６ａは第１凸１１２ａを乗り越えやすい。これによって、キャップ１０４を容器本体１０２の口部１０８に装着しやすくなるとともに、装着後はキャップ１０４を口部１０８の軸方向にずれにくいように固定することができる。

　第４凸部１３６ａが閉位置の状態において、キャップ１０４を容器本体１０２の口部１０８の軸方向に引っ張ることで第１凸部１１２ａによって第４凸部１３６ａを押し上げるよりも、キャップ１０４を第１方向Ｄ２とは反対向きに回転させることで第３凸部１１６ａによって第６凸部１４０ａを押し上げるほうが容易になる。ここで、第４凸部１３６ａが閉位置の状態からキャップ１０４を第１方向Ｄ２とは反対向きに回転させると、第３凸部１１６ａによって第６凸部１４０ａは押し上げられ、さらにこれにともなって、第６凸部１４０ａの近傍に形成された第４凸部１３６ａが口部１０８の径方向の外方に移動する。これによって、第４凸部１３６ａは第１凸部１１２ａを容易に乗り越えることができる。したがって、キャップ１０４を口部１０８の軸方向にずれにくいように固定できるとともに、キャップ１０４を取り外したいときはキャップ１０４を第１方向Ｄ２とは反対向きに回転させることで容易に取り外すことができる。

　第４凸部１３６ａが開位置と閉位置との間を移動するとき、第４凸部１３６ａ～１３６ｄは第１凸部１１２ａ～１１２ｄを乗り越えるために容器本体１０２の口部１０８の径方向の外方に移動する。したがって、このときキャップ１０４における第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄ（第４凸部１３６ａ～１３６ｄ）が形成されている箇所は口部１０８の径方向の外方へ膨らむ。反対に、キャップ１０４における隣り合う第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄの間の第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄが形成されていない箇所は口部１０８の径方向の内方へ引っ張られるように変形する。ここで、隣り合う第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄの間の第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄが形成されていない箇所の厚みＲ２は、第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄが形成されている箇所の厚みＳ２よりも小さく形成されるので、隣り合う第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄの間は変形しやすい。これによって、キャップ１０４における第２嵌合部１３４ａ～１３４ｄ（第４凸部１３６ａ～１３６ｄ）が形成されている箇所は、口部１０８の径方向の外方へ膨らみやすくなり、より小さい力でキャップ１０４を操作できる。

　キャップ１０４が口部１０８に装着されたときに、第２嵌合部１３４ａが口部１０８の周方向に延びる直線状となるように、第４凸部１３６ａと第５凸部１３８ａと第６凸部１４０ａとが一体的に形成される。この場合、第２嵌合部１３４ａの強度を大きくできかつ第２嵌合部１３４ａを容易に形成できる。したがって、キャップ１０４を容器本体１０２の口部１０８に確実に固定することができるとともに、キャップ１０４の製造コストを安くできる。

　上述の実施形態では、第１凸部および第４凸部が、キャップが容器本体の口部に装着されたときに、容器本体の口部の周方向に延びる直線状に形成される場合について説明したが、これに限定されず、第１凸部および第４凸部のうちのいずれか一方が、図３２に示すように点状に形成されてもよい。

　第２凸部および第５凸部は、キャップが容器本体の口部に装着されたときに、第２凸部および第５凸部の少なくともいずれか一方の第１方向側が胴部に近づくように形成されていればよい。

　第３凸部および第６凸部は、キャップが容器本体の口部に装着されたときに、第３凸部および第６凸部の少なくともいずれか一方の第１方向側が胴部に近づくように形成されていればよい。

　上述の実施形態では、第１凸部と第３凸部とが繋がっている場合について説明したが、これに限定されず、第１凸部と第３凸部とは繋がっていなくてもよい。

　上述の実施形態では、第４凸部と第５凸部と第６凸部とが一体的に形成される場合について説明したが、これに限定されず、第４凸部と第５凸部と第６凸部とは一体的に形成されていなくてもよい。

　上述の実施形態では、第７凸部が、第１嵌合部における第２凸部と第１方向に隣り合う第１嵌合部における第３凸部とを繋ぐように形成される場合について説明したが、これに限定されず、第７凸部は、第２凸部と第３凸部とを繋いでいなくてもよい。

　上述の実施形態では、複数の第１嵌合部が口部の周方向に等間隔に形成される場合について説明したが、これに限定されず、等間隔でなくてもよく、また第１嵌合部が少なくとも１つ形成されていればよい。

　上述の実施形態では、複数の第２嵌合部がキャップの周方向に等間隔に形成される場合について説明したが、これに限定されず、等間隔でなくてもよく、また第２嵌合部が少なくとも１つ形成されていればよい。

　上述の実施形態では、キャップ１４の外周面が略正二十四角形に形成される場合について説明したが、これに限定されず、外周面が円形に形成されてもよい。

　なお、この発明は、タンパーエビデンス機構を有する容器にも適用することができる。

　以上、この発明の好ましい実施形態について説明されたが、この発明の範囲および精神を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能であることは明らかである。この発明の範囲は、添付された請求の範囲のみによって限定される。

　１０，１００　　　容器
　１２，１０２　　　容器本体
　１４，１０４　　　キャップ
　１８，１０８　　　口部
　２０ａ～２０ｄ，１１０ａ～１１０ｄ　　　第１嵌合部
　２２ａ～２２ｄ，１１２ａ～１１２ｄ　　　第１凸部
　２４ａ～２４ｄ，１１４ａ～１１４ｄ　　　第２凸部
　２６ａ～２６ｄ，１１６ａ～１１６ｄ　　　第３凸部
　３８，１３０　　　第７凸部
　４２ａ～４２ｄ，１３４ａ～１３４ｄ　　　第２嵌合部
　４４ａ～４４ｄ，１３６ａ～１３６ｄ　　　第４凸部
　４６ａ～４６ｄ，１３８ａ～１３８ｄ　　　第５凸部
　４８ａ～４８ｄ，１４０ａ～１４０ｄ　　　第６凸部

Claims

　胴部と前記胴部から筒状に延びる口部とを有する容器本体、および
　前記口部に着脱されるキャップを備え、
　前記口部は前記口部の外周面に第１嵌合部を有し、
　前記キャップは前記口部の前記外周面と対向する内周面に前記第１嵌合部と嵌合可能な第２嵌合部を有し、
　前記第１嵌合部は、前記口部の径方向の外方へ突出する第１凸部、第２凸部および第３凸部を有し、
　前記第２嵌合部は、前記第１凸部に対応するように前記キャップの径方向の内方へ突出する第４凸部、前記第２凸部に対応するように前記キャップの径方向の内方へ突出する第５凸部、および前記第３凸部に対応するように前記キャップの径方向の内方へ突出する第６凸部を有し、
　前記第１凸部および前記第４凸部のうちのいずれか一方は前記キャップが前記口部に装着されたときに前記口部の周方向に延びる直線状に形成され、他方は前記キャップが前記口部に装着されたときに点状または前記一方と同方向に延びる直線状に形成され、
　前記第４凸部は、前記口部の軸方向において前記第１凸部の前記胴部とは反対側に位置する開位置から前記第１凸部の前記胴部側に位置する閉位置へ移動可能であり、
　前記第２凸部および前記第５凸部の少なくともいずれか一方は、前記キャップが前記口部に装着されたときに前記口部の周方向における第１方向側が前記胴部に近づくように形成され、
　前記第４凸部が前記開位置の状態から前記キャップを前記第１方向に回転させると前記第５凸部が前記第２凸部に沿って摺動し前記第４凸部が前記閉位置へ移動可能となるように、前記第４凸部が前記開位置の状態では前記第５凸部は前記第１方向における前記第２凸部の前端部よりも後方に位置し、
　前記第３凸部および前記第６凸部の少なくともいずれか一方は、前記キャップが前記口部に装着されたときに前記第１方向側が前記胴部に近づくように形成され、
　前記第４凸部が前記閉位置の状態から前記キャップを前記第１方向とは反対向きに回転させると前記第６凸部が前記第３凸部に沿って摺動し前記第４凸部が前記開位置へ移動可能となるように、前記第４凸部が前記閉位置の状態では前記第６凸部は前記第１方向における前記第３凸部の後端部よりも前方に位置する、容器。
　前記口部の前記外周面に形成される複数の前記第１嵌合部、および前記キャップの前記内周面に形成される複数の前記第２嵌合部の少なくともいずれか一方を含む、請求項１に記載の容器。
　複数の前記第１嵌合部が前記口部の周方向に等間隔で形成され、複数の前記第１嵌合部のそれぞれと篏合するように複数の前記第２嵌合部が前記キャップの周方向に等間隔で形成される、請求項２に記載の容器。
　前記第２凸部は前記第１方向において前記第１凸部よりも前方かつ前記口部の軸方向において前記第１凸部よりも前記胴部とは反対側に形成され、前記第３凸部は前記第１方向において前記第１凸部よりも後方かつ前記口部の軸方向において前記第１凸部よりも前記胴部側に形成される、請求項３に記載の容器。
　隣り合う前記第１嵌合部において一方の前記第１嵌合部の前記第２凸部から他方の前記第１嵌合部の前記第３凸部まで前記第６凸部が摺動可能となるように、前記一方の前記第１嵌合部の前記第２凸部と前記他方の前記第１嵌合部の前記第３凸部との間で前記口部の前記外周面から前記口部の径方向の外方へ突出する第７凸部をさらに含む、請求項４に記載の容器。
　前記第７凸部は、前記一方の前記第１嵌合部の前記第２凸部と前記他方の前記第１嵌合部の前記第３凸部とを繋げる、請求項５に記載の容器。
　前記口部の軸方向において、前記第１凸部の前記胴部側から前記胴部とは反対側への上り勾配は、前記第１凸部の前記胴部とは反対側から前記胴部側への上り勾配よりも急勾配に形成される、請求項１から６のいずれかに記載の容器。
　前記第３凸部の前記第１方向とは反対向きの上り勾配は、前記口部の軸方向における前記第１凸部の前記胴部側から前記胴部とは反対側への上り勾配よりも緩やかに形成され、前記第４凸部は前記第６凸部の近傍に形成される、請求項１から７のいずれかに記載の容器。
　前記キャップの径方向における前記キャップの厚みは、前記第２嵌合部が形成されている箇所よりも、隣り合う前記第２嵌合部の間における前記第２嵌合部が形成されていない箇所の方が小さくなるように設定される、請求項３から６のいずれかに記載の容器。
　前記キャップが前記口部に装着されたときに、前記口部の軸方向において、前記第４凸部の前記胴部とは反対側から前記胴部側への上り勾配は、前記第４凸部の前記胴部側から前記胴部とは反対側への上り勾配よりも急勾配となるように形成される、請求項１から９のいずれかに記載の容器。
　前記キャップが前記口部に装着されたときに、前記第６凸部の前記第１方向への上り勾配は、前記口部の軸方向における前記第４凸部の前記胴部とは反対側から前記胴部側への上り勾配よりも緩やかに形成され、前記第４凸部は前記第６凸部の近傍に形成される、請求項１から１０のいずれかに記載の容器。
　前記キャップが前記口部に装着されたときに、前記第２嵌合部が前記第１方向に延びる部分と前記第１方向側が前記胴部に近づくように延びる部分とを有する略Ｖ字状となるように、前記第４凸部と前記第５凸部と前記第６凸部とが一体的に形成される、請求項１から１１のいずれかに記載の容器。
　前記キャップが前記口部に装着されたときに、前記第２嵌合部が前記口部の周方向に延びる直線状となるように、前記第４凸部と前記第５凸部と前記第６凸部とが一体的に形成される、請求項１から１１のいずれかに記載の容器。
　前記第２凸部は、前記第１方向における前記第２凸部の後端部において、前記第１方向に向かって上り勾配となりかつ前記胴部に近づくほど前記第１方向側に位置するように傾斜する第３摺動面を有する、請求項１３に記載の容器。