WO2018030100A1 - 電磁継電器 - Google Patents

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Abstract

電磁継電器が、固定接点を有する固定接点側端子と、可動接触片(22)を有し固定接点側端子と並列に配置された可動接点側端子と、ソレノイドアクチュエータと可動部とを有する自己保持型のソレノイド駆動部と、を備える。可動接触片(22)が、その端部に、接触部(51,52)と、可動接点(23)が固定接点に対して接触した状態で可動接点(23)が固定接点に対して接触する方向に可動部を移動させたときに前記可動接点が固定されている部分よりも接触部を弾性変形させる剛性分離構造(41,42,43)を有している。

Description

電磁継電器
 本発明は、自己保持型のソレノイド駆動部を備えた電磁継電器に関する。
 特許文献1に開示されている電磁継電器は、従動接点と、この従動接点に対して移動可能な駆動接点と、従動接点と駆動接点とが非接触状態になるオフ位置と、従動接点と駆動接点とが接触状態になるオン位置とに移動可能な可動部を有する自己保持型のソレノイド駆動部とを備え、このソレノイド駆動部によって可動部がオン位置およびオフ位置で保持されるようになっている。
 また、前記電磁継電器では、駆動接点は駆動接触片に支持されており、この駆動接触片を弾性変形させて撓ませることにより、駆動接点を従動接点に対して接触または開離させている。さらに、前記電磁継電器は、例えば、駆動接点と従動接点とが非接触状態から接触状態に切り替えられるときに、可動部が、オフ位置からオン位置を超えたオーバーシュート位置を経由してオン位置に移動して、オン位置で保持されるようになっている。
特開2016-58178号公報
 ところで、例えば、スマートメータ等に用いられる電磁継電器では、接点の開閉により高電流(例えば、60A)が流れ、この高電流によって導通経路が高い温度で発熱する。この発熱を抑える一つの方法としては、駆動接点を支持する駆動接触片を2枚重ねにすることが考えられる。
 しかし、駆動接触片を2枚重ねにすると剛性が高くなるため、ソレノイド駆動部によって可動部をオーバーシュート位置まで移動させることができず、可動部の保持位置を変更することができなくなる可能性がある。このような場合、自己保持型の電磁継電器として動作できなくなる。
 そこで、本発明は、オーバーシュート位置まで確実に移動可能な自己保持型のソレノイド駆動部を備えた電磁継電器を提供することを課題とする。
 本発明の一態様の電磁継電器は、
 固定接点を有する固定接点側端子と、
 前記固定接点に対向するように配置された可動接点が設けられかつ前記可動接点が前記固定接点に接触可能に弾性変形する可動接触片を有し、前記固定接点側端子と並列に配置されかつ前記固定接点側端子に対して電気的に独立して設けられた可動接点側端子と、
 ソレノイドアクチュエータと、このソレノイドアクチュエータにより前記可動接点が前記固定接点に対して接触および開離する接離方向に往復移動可能でありかつ前記接離方向で前記可動接触片と接触可能な可動部とを有し、この可動部の前記接離方向の往復移動により前記可動接点を前記固定接点に対して接触または開離させる自己保持型のソレノイド駆動部と、
を備え、
 前記可動接触片が、その端部に、前記ソレノイド駆動部の前記可動部が接触可能な接触部と、前記可動接点が前記固定接点に対して接触した状態で前記可動接点が前記固定接点に対して接触する方向に前記可動部を移動させたときに前記可動接点が固定されている部分よりも前記接触部を弾性変形させる剛性分離構造とを有し、
 前記可動部が、前記可動接点が前記固定接点に対して開離して保持されている復帰状態では前記可動部が非接触位置に位置し、前記可動接点が前記固定接点に対して接触して保持されている動作状態では前記可動部が第1接触位置に位置すると共に、前記非接触位置と前記第1接触位置との間を前記第1接触位置よりも前記非接触位置から遠い第2接触位置を通って移動するように構成されており、
 前記接触部が、前記復帰状態では非保持位置に位置し、前記動作状態では保持位置に位置すると共に、前記可動部が前記第2接触位置にあるとき前記保持位置よりも前記非保持位置から遠いオーバーシュート位置に位置するように構成されている。
 前記態様の電磁継電器によれば、可動接点側端子の可動接触片の端部に、可動接点が固定接点に対して接触した状態で可動接点が固定接点に対して接触する方向に可動部を移動させたときに可動接点が固定されている部分よりも接触部を弾性変形させる剛性分離構造を有している。これにより、接触部が、固定接点および可動接点が開離しているときの接触部の位置である非保持位置と、固定接点および可動接点が接触した状態で保持されているときの接触部の位置である保持位置と、保持位置よりも非保持位置から遠いオーバーシュート位置とに移動可能に確実に弾性変形するので、可動接触片が高い剛性を有している場合であっても、可動部が、第2接触位置を通って第1接触位置と非接触位置との間を移動することができる。その結果、オーバーシュート位置まで確実に移動可能な自己保持型のソレノイド駆動部を備えた電磁継電器を提供できる。
本発明の第1実施形態の復帰状態の電磁継電器のハウジングケースからハウジングカバーを取り外した状態を示す平面図。 図1の電磁継電器の動作状態を示す平面図。 図1の電磁継電器の可動接触片の端部を示す斜視図。 図1の電磁継電器の可動板を示す斜視図。 図1の電磁継電器のソレノイド駆動部の構成を説明するための動作状態の断面図。 図5に続く、図1の電磁継電器のソレノイド駆動部の構成を説明するための他の断面図。 図6に続く、図1の電磁継電器のソレノイド駆動部の構成を説明するための部分拡大図。 図1の電磁継電器の非保持位置に位置している可動接触片の接触部を示す側面模式図。 図1の電磁継電器のオーバーシュート位置に位置している可動接触片の接触部を示す側面模式図。 図1の電磁継電器の保持位置に位置している可動接触片の接触部を示す側面模式図。 図1の電磁継電器のソレノイド駆動部の動作を説明するための第1の展開図。 図11に続く、図1の電磁継電器のソレノイド駆動部の動作を説明するための第2の展開図。 図12に続く、図1の電磁継電器のソレノイド駆動部の動作を説明するための第3の展開図。 図13に続く、図1の電磁継電器のソレノイド駆動部の動作を説明するための第4の展開図。 図14に続く、図1の電磁継電器のソレノイド駆動部の動作を説明するための第5の展開図。 図16に続く、図1の電磁継電器のソレノイド駆動部の動作を説明するための第6の展開図。 図1の電磁継電器の可動接触片の他の例を示す斜視図。 図1の電磁継電器の可動板の他の例を示す斜視図。 図1の電磁継電器の可動接触片の別の例を示す斜視図。 本発明の第2実施形態の電磁継電器の復帰状態の可動接触片を示す平面図。 図20の電磁継電器の動作状態の可動接触片を示す平面図。 本発明の第3実施形態の電磁継電器のソレノイド駆動部のソレノイドアクチュエータを示す平面模式図。 図22の電磁継電器のソレノイド駆動部の可動鉄心の鍔部の大きさと吸引力とストロークとの関係を示す図。
 以下、本発明の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
 (第1実施形態)
 本発明の第1実施形態の電磁継電器100は、図1に示すように、導電性を有する固定接点側端子10と、この固定接点側端子10と並列に配置されかつ導電性を有する可動接点側端子20と、自己保持型のソレノイド駆動部30とを備えている。固定接点側端子10は、固定接点11を有しており、可動接点側端子20は、固定接点11と対向するように配置された可動接点23を有している。
 なお、固定接点側端子10の一部および可動接点側端子20の一部と、ソレノイド駆動部30とは、一例として、絶縁性を有するハウジング1の内部に収容されている。
 また、図1の左右方向をX方向とし、図1の上下方向をY方向とする。また、X方向およびY方向の両方に直交する方向をZ方向とする。
 ハウジング1は、図1および図2に示すように、略矩形箱形状を有している。このハウジング1は、固定接点側端子10および可動接点側端子20の一部とソレノイド駆動部30とを収容する収容凹部4を内部に有するハウジングケース2と、このハウジングケース2を覆うハウジングカバー(図示せず)とで構成されている。
 なお、図1は、可動接点23が固定接点11に対して開離した復帰状態の電磁継電器100を示し、図2は、可動接点23が固定接点11に対して接触した動作状態の電磁継電器100を示している。ここで、復帰状態は、可動接点23が固定接点11に対して開離した状態で保持されている状態であり、動作状態は、可動接点23が固定接点11に対して接触した状態で保持されている状態である。
 固定接点側端子10は、ハウジングケース2の左端に固定され、一部がハウジングケース2内を左側壁3に沿って延びている。収容凹部4内に位置している固定接点側端子10の先端部(すなわち、Y方向上側の端部)のX方向右向きの面には、固定接点11が固定されている。
 可動接点側端子20は、図1および図2に示すように、固定接点側端子10に対して略平行に配置された端子部21と、端子部21の上端部24(すなわち、Y方向上側の端部)に支持され、この上端部24からY方向上側に延びる可動接触片22とを有している。この可動接点側端子20は、固定接点側端子10に対して電気的に独立して設けられている。
 端子部21は、その上端部24が収容凹部4のY方向の中央よりも下側に位置するように設けられている。
 可動接触片22は、その上端部のX方向左向きの面に、固定接点11に対向するように固定された可動接点23を有し、この可動接点23が固定接点11に接触可能に弾性変形する。すなわち、可動接点23は、固定接点11に対向しかつするように配置され、可動接触片22が弾性変形して撓むことにより、固定接点11に対して接触するようになっている。
 また、可動接触片22は、2枚の導電性の弾性変形可能な第1板部材22aおよび第2板部材22bを可動接点23が固定接点11に対して接触および開離する接離方向(すなわち、X方向)に重ねた積層体であり、Y方向上側に向かうに従ってハウジングケース2の左側壁3から離れるように傾斜している。可動接触片22の長手方向(すなわち、Y方向)の下端近傍には、X方向右向きにU字状に突出した湾曲部25が設けられている。この湾曲部25により、可動接触片22が弾性変形したときの可動接触片22の撓み量を吸収および緩和し、円滑な動作特性を確保することができる。
 また、可動接触片22の上端部26には、図3に示すように、第1板部材22aの接離方向(すなわち、X方向)に第2板部材22bが重ねられていない低積層領域26aが設けられている。この低積層領域26aに、可動接点23の接離方向に交差する方向に延びる矩形の第1切込部41、矩形の第2切込部42、および、矩形の第3切込部43と、これらの切込部41,42,43に隣接する2つの接触部51,52とが設けられている。なお、第1切込部41、第2切込部42、および、第3切込部43は、剛性分離構造の一例である。
 第1切込部41は、可動接点23のY方向上側かつ可動接触片22の短手方向(すなわち、Z方向)の中間に設けられ、可動接触片22の短手方向に延びている。第2切込部42および第3切込部43は、可動接点23の短手方向に間隔を空けて設けられ、可動接触片22の長手方向(すなわち、Y方向)に延びている。第2切込部42および第3切込部43の各々は、その上端が第1切込部41の可動接触片22の短手方向の両端にそれぞれ連続している。
 このように、剛性分離構造の一例である第1切込部41、第2切込部42、および、第3切込部43を設けることで、可動接点23が固定接点11に対して接触した状態で可動接点23が固定接点11に対して接触する方向(すなわち、X方向左向き)に可動部31を移動させたときに可動接点23が固定されている部分よりも各接触部51,52を弾性変形させることができる。
 各接触部51,52は、可動接触片22の短手方向の両端にそれぞれ配置されており、可動接点23の接離方向(すなわち、X方向)から見た平面視において、可動接触片22の長手方向に延びる中心線に対して対称な略L字形状を有している。また、各接触部51,52は、可動接触片22の可動接点23側の第1板部材22aで構成されており、後述するソレノイド駆動部30の可動部を構成する可動板33が接触する。すなわち、各接触部51,52の接離方向(すなわち、X方向)の寸法(すなわち、板厚)は、可動接触片22の第1~第3切込部41,42,43に隣接すると共に、第1板部材22aの接離方向に第2板部材22bが重ねられかつ可動板33が接触しない非接触部53の接離方向の寸法よりも小さくなっている。
 このように、各接触部51,52は、可動接点23が固定されている非接触部53よりも板厚が小さくなっている。このため、非接触部53と比べて、可動接点23の接離方向(すなわち、X方向)への弾性変形が容易になっている。これにより、各接触部51,52は、後述する固定接点11および可動接点23が開離しているときの各接触部51,52の位置である非保持位置IV(図8参照)と、固定接点11および可動接点23が接触した状態で保持されているときの各接触部51,52の位置である保持位置V(図10参照)と、この保持位置よりも非保持位置から遠いオーバーシュート位置VI(図9参照)とに移動可能である。
 なお、各切込部41,42,43は、単なる切れ目(例えば、スリット)に限らず、溝または切欠等、可動板33が接触して弾性変形する接触部の幅(すなわち、Z方向の寸法)が可動接触片22の短手方向の寸法よりも小さくすることができる構成を含むものとする。
 ソレノイド駆動部30は、図1および図2に示すように、ソレノイドアクチュエータ30aと、可動接点23が固定接点11に対して接触および開離する接離方向(すなわち、X方向)に往復移動可能でありかつ接離方向で可動接触片22と接触可能な可動部31とを有している。このソレノイド駆動部30では、可動部31の接離方向の往復移動により、可動接点23が固定接点11に対して接触または開離すると共に、自己保持型のソレノイド駆動部30として可動部31の所定の位置での保持も行えるようになっている。
 詳しくは、ソレノイド駆動部30は、ソレノイドアクチュエータ30aと、ソレノイドアクチュエータ30aに直列的に接続されたラチェット機構部30bと、ラチェット機構部30bと可動接触片22との間に設けられた腕部32と、腕部32の上端部に連結された可動板33とを有している。ラチェット機構部30b、腕部32、および、可動板33で可動部31を構成している。この可動部31は、動作状態における可動部31の位置である第1接触位置II(図2および図10参照)と、復帰状態における可動部31の位置である非接触位置I(図1参照)との間を第1接触位置よりも非接触位置から遠い第2接触位置III(図9参照)を通って移動するように構成されており、非接触位置Iと第1接触位置IIとで保持可能になっている。
 ソレノイドアクチュエータ30aは、図5に示すように、絶縁性のハウジング61と、このハウジング61内に収容され貫通孔62aが設けられたスプール62と、このスプール62の外周に巻回されたコイル63と、スプール62の貫通孔62aに配置された略円柱形状の可動鉄心64と、コイル63を覆うヨーク65とを有している。ハウジング61の貫通孔62aは、可動接点23が固定接点11に接触および開離する方向(すなわち、X方向)に延びている。コイル63には、図示しないコイル端子が接続されている。また、可動鉄心64は、可動接点23が固定接点11に接触および開離する方向(すなわち、X方向)に移動可能に配置されている。
 なお、コイル63に電流を供給することにより電磁力が発生し、可動鉄心64を可動接点23が固定接点11に接触する方向(すなわち、X方向左向き)に移動させるようになっている。
 可動鉄心64のラチェット機構部30b側の端部(すなわち、X方向左側の端部)は、後述するラチェット機構部30bの貫通孔91aに位置しており、後述するラチェット機構部30bの係止部材67に接触可能に設けられた押圧部材66を有している。また、可動鉄心64のX方向右側の端部は、ハウジング61の外部に位置しており、YZ平面に延びる円形鍔部68を有している。この円形鍔部68の取り付け位置を調整することにより、可動鉄心64のストローク量を調整することができる。
 押圧部材66は、略円筒形状を有し、図6に示すように、後述するラチェット機構部30bのハウジング91内の貫通孔91aに配置されている。この押圧部材66は、その先端に複数の傾斜面82、83を有している。複数の傾斜面82、83の各々は、互いに傾斜方向が異なりかつ周方向に交互に配置されて上向き凸の三角形の斜辺を形成するように構成された複数組の第1傾斜面82および第2傾斜面83で構成され、可動鉄心64のX方向左側への移動に伴って係止部材67に接触する。
 また、押圧部材66の先端部の外周面には、X方向に延びる複数の矩形のガイド凸部86が設けられている。各ガイド凸部86は、周方向に間隔を空けて配置され、後述するラチェット機構部30bの貫通孔91aの内周面に形成されているガイド溝93(図7参照)に位置して、押圧部材66を可動接点23が固定接点11に対して接触および開離する方向(すなわち、X方向)に案内するようになっている。
 ラチェット機構部30bは、図5に示すように、貫通孔91aが設けられた絶縁性のハウジング91と、貫通孔91aにそれぞれ直列的に設けられた係止部材67、コイルばね95、および、連結部材96とを有している。係止部材67は、貫通孔91aのソレノイドアクチュエータ30aに最も近い端部(すなわち、X方向右側の端部)に配置されている。連結部材96は、ソレノイドアクチュエータ30aに対向する端部とは反対側の端部(すなわち、X方向左側の端部)に配置されている。また、コイルばね95は、係止部材67と連結部材96との間に、係止部材67に接触した状態で配置されている。
 ハウジング91の貫通孔91aは、可動接点23が固定接点11に接触および開離する方向(すなわち、X方向)に延び、かつ、ソレノイドアクチュエータ30aの貫通孔62aと連続している。この貫通孔91aの内周面には、図7に示すように、X方向に延びる複数の保持凸部92と、この保持凸部92の間に配置された第1ガイド溝93および第2ガイド溝94とが設けられている。保持凸部92の上端部(すなわち、図7の上側の端部)には、複数の第6傾斜面92aと、各第6傾斜面92aに隣接しかつ同一方向に傾斜する複数の第7傾斜面92bと、各第6傾斜面92aと各第7傾斜面92bとの間に配置された複数の段部92c(図8参照)とが設けられている。また、第1ガイド溝93および第2ガイド溝94は、交互に配置されている。第1ガイド溝93は、第2ガイド溝94よりも直径方向の深さが大きくなっており、押圧部材66の各ガイド凸部86および後述する係止部材67の各係止凸部81が収容可能になっている。また、第2ガイド溝94は、押圧部材66の各ガイド凸部86は収容可能であるが、係止部材67の各係止凸部81は収容できないようになっている。
 係止部材67は、略円筒形状を有し、図6に示すように、その外周面には、X方向に延びる複数の係止凸部81が設けられている。各係止凸部81は、周方向に間隔を空けて等間隔に配置されている。また、係止凸部81の下端(すなわち、図6の下側の端)には、複数の傾斜面84、85が設けられている。複数の傾斜面84、85の各々は、互いに傾斜方向が異なりかつ周方向に交互に配置されて下向き凸の三角形の斜辺を形成するように構成された複数組の第3傾斜面84および第4傾斜面85で構成されている。第3傾斜面84は、第1傾斜面82に対して周方向にずれた状態で対向しており、第4傾斜面85は、第2傾斜面83に対して周方向にずれた状態で対向している。また、各係止凸部81は、その下端(すなわち、図6の下側の端)に設けられた第5傾斜面81aを有している。この第5傾斜面81aは、第3傾斜面84と同一の傾斜方向を有している。
 なお、各係止凸部81は、貫通孔91aの内周面に形成されているガイド溝93(図11参照)に位置して、押圧部材66を可動接点23が固定接点11に対して接触および開離する方向(すなわち、X方向)に案内するようになっている。
 コイルばね95は、貫通孔91aのX方向左側の端部に設けられた段部91bに接触して、係止部材67を可動接点23が固定接点11に対して開離する方向(すなわち、X方向右向き)に付勢する。このコイルばね95により、ソレノイドアクチュエータ30aのコイル63に電圧が印加されていない状態では、可動鉄心64がX方向右向きに押圧されて、図1に示す位置(すなわち、復帰位置)に位置するようになっている。
 連結部材96は、貫通孔91aのX方向左側の端部に設けられた開口部91cから突出可能かつ貫通孔91a内に収容可能な突起部96aを有し、係止部材67に連結されて、X方向に往復移動可能になっている。突起部96aは、その先端が腕部32の中間部に連結されている。すなわち、連結部材96は、係止部材67およびコイルばね95を介して、可動鉄心64と腕部32とを連結している。この連結部材96は、ソレノイドアクチュエータ30aのコイル63に電圧が印加されて、係止部材67によりコイルばね95が図1のX方向左向きに押圧されて縮んでいるとき、図2に示すように、突起部96aが開口部91cからハウジング91の外部に突出する。また、ソレノイドアクチュエータ30aのコイル63に電圧が印加されていないとき、連結部材96は、コイルばね95の付勢力により、図1に示すように、X方向右側に移動し、突起部96aが貫通孔91a内に収容される。
 腕部32は、図1および図2に示すように、Y方向に沿って延びており、ラチェット機構部30bのX方向左側の端部のY方向下側に設けられた回動支持部36を介して、ハウジングケース2に回動可能に支持されている。この腕部32は、ラチェット機構部30bの連結部材96の突起部96aのX方向の往復移動により、回動支持部36を中心に正逆回転するようになっている。
 可動板33は、図1および図2に示すように、腕部32のY方向上側に設けられ、ハウジングケース2に設けられた図示しないガイド部によって、可動接点23が固定接点11に対して接触および開離する接離方向(X方向)に往復移動可能かつ可動接触片22の接触部51,52に同時的に接触可能に配置されている。この可動板33は、図4に示すように、矩形板状で、X方向左側の端部に設けられた一対の突出部34a、34bと、可動板33をY方向に貫通する貫通孔35とを有している。
 一対の突出部34a、34bの各々は、可動板33のZ方向の両端にそれぞれ設けられ、X方向左側の側面からX方向に突出して、可動接触片22の接触部51,52に各々に接触する。また、貫通孔35には、腕部32の上端部が挿入されている。これにより、腕部32と可動板33とが連結され、腕部32の回動により可動板33がX方向に往復移動するようになっている。貫通孔35の内壁面と腕部32の上端部との間には隙間が設けられ、この隙間により回動による腕部32のY方向の移動を許容している。
 次に、電磁継電器100の動作について説明する。なお、図11~図16は、ラチェット機構部30bの貫通孔91aの内周面を展開した展開図である。
 図1に示す復帰状態の電磁継電器100において、ソレノイドアクチュエータ30aのコイル63に電流を供給すると、可動部31が非接触位置Iから第2接触位置IIIに向かって移動を開始する。すなわち、ソレノイドアクチュエータ30aに発生する電磁力によって、可動接点23が固定接点11に接触する接触方向(すなわち、図1のX方向左向き)に可動鉄心64が移動し、押圧部材66を介して係止部材67を接触方向に押す。
 可動鉄心64に押された係止部材67は、図5に示すように、接触方向に移動して、コイルばね95を圧縮する。これにより、連結部材96を接触方向に移動させて、突起部96aをラチェット機構部30bのハウジング91の開口部91cからハウジング91の外部に突出させる。
 ラチェット機構部30bの開口部91cから突出した突起部96aは、回動支持部36を中心に腕部32を接触方向に回動させて、腕部32の上端部に連結された可動板33を接触方向に移動させる。X方向左向きに移動した可動板33は、一対の突出部34a、34bを介して可動接触片22の接触部51,52を押して、図8に示すように、可動接点23を固定接点11に接触させる。
 このとき、係止部材67は、図6に示すように、各第3傾斜面84が押圧部材66の各第1傾斜面82に押され、図11に示すように、各ガイド溝93に沿ってA1方向(すなわち、接触方向)に移動する。そして、可動接点23と固定接点11とが接触した時点では、係止部材67の各係止凸部81の下端(すなわち、図11の下側の端)の第5傾斜面81aが、貫通孔91a内の各保持凸部92の第6傾斜面92aよりも下側(すなわち、図11の下側)に位置している。
 また、可動接触片22の各接触部51,52は、可動接点23と固定接点11とが接触するまで、図8に示す非保持位置IVに位置している。この非保持位置IVは、非接触部53と共に移動しているときの各接触部51,52の位置である。
 可動接点23と固定接点11とが接触した後も、可動接点23と固定接点11とが接触を維持したまま、可動鉄心64は、図12に示すように、係止部材67の係止凸部81の第5傾斜面81aが、ガイド溝93の上端(すなわち、図12の上側の端)に達するまで、接触方向への移動を続ける。
 係止部材67の各係止凸部81の第5傾斜面81aが、各ガイド溝93の上端(すなわち、図12の上側の端)まで移動すると、すなわち、可動部31が図9に示す第2接触位置IIIまで移動すると、図12に示すように、係止部材67がA3方向(すなわち、第5傾斜面81aまたは第6傾斜面92aの傾斜方向)に移動し、各係止凸部81の第5傾斜面81aと各保持凸部92の第6傾斜面92aとが対向するまで、係止部材67が回動する。これは、図6に示すように、第1傾斜面82と第3傾斜面84とが周方向にずれて配置されているため、係止部材67の第3傾斜面84が第1傾斜面82に沿ってA2方向(すなわち、第1傾斜面82または第3傾斜面84の傾斜方向)にスライドするからである。
 可動部31が第2接触位置IIIに位置しているとき、可動接点23と固定接点11とは接触を維持したままであり、可動接触片22は、可動板33の一対の突出部34a、34bに接触している各接触部51,52のみが弾性変形する。可動接触片22の各接触部51,52は、各係止凸部81の第5傾斜面81aが各ガイド溝93の上端に達したとき、図9に示すオーバーシュート位置VIに位置している。オーバーシュート位置VIは、可動鉄心64が移動可能な接触方向の限界位置における各接触部51,52の位置である。このオーバーシュート位置では、各接触部51,52が、非接触部53に近い位置Pを支点として接近方向(すなわち、図9のX方向左向き)に回動して、図8の非保持位置よりも固定接点11の近くに位置している。また、このオーバーシュート位置でも、可動接点23と固定接点11とは接触を維持している。
 係止部材67が、図12に示す位置まで回動した後、ソレノイドアクチュエータ30aのコイル63への電流の供給が停止すると、コイルばね95の付勢力によって、可動鉄心64が、可動接点23が固定接点11から開離する開離方向(すなわち、図1のX方向右向き)に、すなわち、可動部31が、図10に示す第1接触位置IIに向かって移動する。そして、図13に示すように、各係止凸部81が各保持凸部92の第6傾斜面92aに沿ってA4方向(すなわち、第5傾斜面81aまたは第6傾斜面92aの傾斜方向)にスライドする。各係止凸部81は、第2ガイド溝94に収容されないため、各段部93cと接触する。これにより、各係止凸部81が各保持凸部92の第6傾斜面92aと各段部92cとで保持され、係止部材67が、図13に示す位置で保持される。
 このとき、係止部材67は、各第5傾斜面81aが図11に示す位置よりも接触方向側の位置で保持されている。このため、可動部31が、第1接触位置IIで保持され、その結果、電磁継電器100が、図2に示す動作状態で保持される。
 また、可動接触片22の各接触部51,52は、係止部材67が各保持凸部92の第6傾斜面92aと各段部92cとで保持されているとき、図10に示す保持位置Vに位置している。この保持位置Vは、各接触部51,52が、図8に示す非保持位置IVと図9に示すオーバーシュート位置VIとの間に位置している。
 すなわち、可動接触片22の各接触部51,52は、電磁継電器100が復帰状態から動作状態になる場合(すなわち、可動部31が非接触位置Iから第1接触位置IIに移動する場合)、非保持位置IVから保持位置Vに移動する際に、保持位置Vを一旦通過して、保持位置Vよりも非保持位置IVから接触方向に離れたオーバーシュート位置VIを経由したのち、保持位置Vに位置するようになっている。
 一方、図2に示す動作状態の電磁継電器100において、ソレノイドアクチュエータ30aのコイル63に電流を供給すると、可動部31が第1接触位置IIから第2接触位置IIIに向かって移動を開始する。すなわち、可動鉄心64が接触方向に移動して、押圧部材66を介して係止部材67を接触方向に押す。
 このとき、可動鉄心64は、図14に示すように、係止部材67がA5方向(すなわち、図14の係止凸部81の長手方向上向き)に移動して、各係止凸部81の第5傾斜面81aが各保持凸部92の段部92cの上端(すなわち、図14の上側の端)に達するまで、接触方向への移動を続ける。
 また、可動接触片22の各接触部51,52は、可動鉄心64の移動に伴って、図10に示す保持位置Vから図9に示すオーバーシュート位置VIに移動する。
 係止部材67の各係止凸部81の第5傾斜面81aが、各保持凸部92の段部92cの上端(すなわち、図14の上側の端)まで移動すると、すなわち、可動部31が図9に示す第2接触位置IIIまで移動すると、図15に示すように、係止部材67がA6方向(すなわち、保持凸部92の第7傾斜面92bの傾斜方向)に移動し、各係止凸部81の第5傾斜面81aと各保持凸部92の第7傾斜面92bとが対向するまで、係止部材67が回動する。
 係止部材67が、図15に示す位置まで回動した後、ソレノイドアクチュエータ30aのコイル63への電流の供給が停止すると、コイルばね95の付勢力によって、可動鉄心64が開離方向に、すなわち、可動部31が図8に示す非接触位置Iに向かって移動する。そして、図16に示すように、係止凸部81が保持凸部92の第7傾斜面92bに沿ってスライドした後、A7方向(すなわち、図16の係止凸部81の長手方向下向き)に移動して、係止部材67が第1ガイド溝93に収容される。これにより、可動部31が非接触位置Iで保持され、その結果、電磁継電器100が、図1に示す復帰状態で保持される。
 このとき、可動接触片22の各接触部51,52は、係止部材67の移動に伴って、図9に示すオーバーシュート位置VIから図8に示す非保持位置IVに移動する。
 このように、前記電磁継電器100では、可動接点側端子20の可動接触片22の端部に、可動接点23が固定接点11に対して接触した状態で可動接点23が固定接点11に対して接触する方向に可動部31を移動させたときに可動接点23が固定されている部分よりも各接触部51,52を弾性変形させる剛性分離構造を有している。
 すなわち、可動接点側端子20の可動接触片22の端部に切込部41,42,43と、切込部41,42,43に隣接する接触部51,52とが設けられ、各接触部51,52が、固定接点11および可動接点23が開離しているときの各接触部51,52の位置である非保持位置IVと、固定接点11および可動接点23が接触した状態で保持されているときの各接触部51,52の位置である保持位置Vと、保持位置Vよりも非保持位置IVから遠いオーバーシュート位置VIとに確実に移動可能に弾性変形する。これにより、可動接触片22が高い剛性を有している場合であっても、可動部31が、第2接触位置IIIを通って第1接触位置IIと非接触位置Iとの間を移動することができる。その結果、オーバーシュート位置まで確実に移動可能な自己保持型のソレノイド駆動部30を備えた電磁継電器100を提供できる。
 また、可動接点側端子20の可動接触片22が、第1板部材22aと、この第1板部材22aの接離方向(すなわち、X方向)に重ねられた第2板部材22bとを少なくとも有し、可動接触片22の端部26に、第1板部材22aの接離方向に第2板部材22bが重ねられていない低積層領域26aが設けられ、この低積層領域26aに、各接触部51,52と剛性分離構造とが配置されている。
 すなわち、可動接触片22が、複数枚の板部材を接離方向に重ねた積層体であり、接触部51,52が、切込部41,42,43に隣接しかつ可動部31が接触しない非接触部53よりも小さい接離方向の寸法を有している。このため、非接触部53と比べて、各接触部51,52の可動接点23の接離方向(すなわち、X方向)への弾性変形が容易になるので、可動部31が、第2接触位置IIIを通って、第1接触位置IIと非接触位置Iとの間をより確実に移動することができる。
 また、切込部が、可動接触片22の短手方向(すなわち、Z方向)に沿って延びる第1切込部41と、短手方向(すなわち、Z方向)に間隔を空けて設けられていると共に、それぞれ可動接触片22の長手方向(すなわち、Y方向)に沿って延びかつ第1切込部41に連続する第2切込部42および第3切込部43とを有している。これにより、各接触部51,52の可動接点23の接離方向(X方向)への弾性変形が容易になるので、可動部31が、第2接触位置IIIを通って、第1接触位置IIと非接触位置Iとの間をより確実に移動することができる。
 また、可動部31が、可動鉄心64と、接離方向(すなわち、X方向)に往復移動可能であると共に可動接触片22の各接触部51,52に接触可能な可動板33と、可動鉄心64および可動板33を連結する連結部材96とを有している。これにより、固定接点側端子10、可動接点側端子20、および、ソレノイド駆動部30の配置を電磁継電器100の設計等に応じて変更できる。
 また、可動板33が、接離方向(すなわち、X方向)に突出しかつ可動接触片22の接触部51,52に接触可能な一対の突出部34a、34bを有し、一対の突出部34a、34bと可動接触片22の接触部51,52とが連結されている。これにより、可動鉄心64の運動を可動接触片22に効率よく伝達することができる。
 なお、第1実施形態の電磁継電器100では、可動接触片22を2枚の板部材を接離方向に重ねた積層体で構成したが、これに限らない。可動接触片を1枚の板部材で構成してもよいし、3枚以上の板部材で構成してもよい。
 また、可動接触片22は、矩形板状に限らず、電磁継電器の設計に応じて任意の形状を採用できる。
 さらに、切込部は、第1~第3切込部41,42,43に限らず、ソレノイド駆動部の可動部が接触可能な接触部を形成できるものであれば、任意の数および形状の切込部を採用できる。
 すなわち、可動接触片は、その端部に、接離方向に交差する方向に延びる切込部と、この切込部に隣接すると共にソレノイド駆動部の可動部が接触可能な接触部とを有し、この接触部が、非保持位置と、保持位置と、オーバーシュート位置とに確実に移動可能に弾性変形するものであればよい。
 例えば、図17に示すように、先端部に第1~第3切込部41,42,43を取り囲むように設け、短手方向の両端に貫通孔54a、54bが設けられた接触部151を有する可動接触片122を採用してもよい。この場合、例えば、図18に示すように、一対の突出部34a、34bの各々からX方向左側に突出すると共に、貫通孔54a、54bに嵌合可能な一対の突出部134a、134bを有する可動板133を採用することで、可動鉄心64の運動を可動接触片22に効率よく伝達することができる。
 また、図19に示すように、先端部に第1切込部41のみを設け、この第1切込部41に隣接する接触部251,252を有する可動接触片222を採用してもよい。
 剛性分離構造は、第1切込部41、第2切込部42、および、第3切込部43で構成する場合に限らず、可動接点23が固定接点11に対して接触した状態で可動接点23が固定接点11に対して接触する方向(すなわち、X方向左向き)に可動部31を移動させたときに可動接点23が固定されている部分よりも各接触部51,52を弾性変形させることができるものであれば、任意の構造を採用できる。
 ソレノイド駆動部30は、ソレノイドアクチュエータ30aと、ラチェット機構部30bと、腕部32と、可動板33とで構成する場合に限らない。ソレノイド駆動部は、接離方向に往復移動可能でありかつ接離方向で可動接触片と接触可能な可動部を有し、この可動部の接離方向の往復移動により可動接点を固定接点に対して接触または開離させると共に、可動部が、第2接触位置を通って第1接触位置と非接触位置との間を移動するように構成されている、自己保持型のソレノイド駆動部であればよい。
 (第2実施形態)
 本発明の第2実施形態の電磁継電器200は、図20および図21に示すように、端子部121がハウジングケース2から固定接点側端子10に沿って上方に延びた可動接点側端子120を有すると共に、図17および図18に示す可動接触片122および可動板133を用いている点で、第1実施形態の電磁継電器100とは異なっている。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点について説明する。
 第2実施形態の電磁継電器200では、図20および図21に示すように、可動接点側端子120の端子部121が、ハウジングケース2から上方(すなわち、Y方向の上側)に向かうに従って固定接点側端子10に接近する方向に延びる傾斜板部121aと、この傾斜板部121aから固定接点側端子10に沿って上方に延びる平板部122bとで構成されている。可動接触片122は、平板部121bの下端部に固定されている。
 図21に示すように、動作状態の電磁継電器200は、可動接触片122の湾曲部25と可動接点23との間の一部分が、端子部121と接触するようになっている。これにより、固定接点11と可動接点23とを開閉するときに発生する熱を可動接触片122を介して可動接点側端子20に伝導させて、放散させることができる。
 (第3実施形態)
 本発明の第3実施形態の電磁継電器300は、図22に示すように、コイル63の周囲にヨーク65を設けると共に、コイル63の押圧部材66側の端部に、固定鉄心164を設けたソレノイドアクチュエータ130aを用いている点で、第1実施形態の電磁継電器100とは異なっている。なお、第3実施形態では、第1実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点について説明する。
 第3実施形態の電磁継電器300では、図22に示すように、ソレノイドアクチュエータ130aのコイル63に電流を供給すると、可動鉄心64と固定鉄心164との間に磁界が発生し、可動鉄心64が固定鉄心164に向かって吸引される。そして、可動鉄心64が固定鉄心164に向かって吸引されると、ヨーク65と円形鍔部68との間の間隔が狭まり、ヨーク65と円形鍔部68との間に磁界が発生し、さらに円形鍔部68がヨーク65に向かって吸引される。
 ここで、円形鍔部68の直径と、ヨーク65と円形鍔部68との間に働く磁気的吸引力との関係を図23に示す。図23では、ヨーク65と可動鉄心64の端面との間の距離(すなわち、ストローク)が5mmのときに、円形鍔部68を設けなかった場合(すなわち、φ8mm)に、ヨーク65と可動鉄心64との間に働く磁気的吸引力を1としたときの相対値を示している。
 図23に示すように、円形鍔部68を設けない場合(すなわち、φ8)よりも、円形鍔部68を設けた場合(すなわち、φ13およびφ18)の方が、ヨーク65と可動鉄心64との間に働く磁気的吸引力は大きくなることが分かった。また、円形鍔部68の直径が大きくなるほど、ヨーク65と円形鍔部68との間に働く磁気的吸引力が大きくなることが分かった。
 すなわち、第3実施形態の電磁継電器300では、可動接触片122の接触部151を押す力を高めることができるので、可動接触片22が高い剛性を有している場合であっても、可動部31が、第2接触位置IIIを通って第1接触位置IIと非接触位置Iとの間をより確実に移動することができる。
 以上、図面を参照して本発明における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本発明の種々の態様について説明する。
 本発明の第1態様の電磁継電器は、
 固定接点を有する固定接点側端子と、
 前記固定接点に対向するように配置された可動接点が設けられかつ前記可動接点が前記固定接点に接触可能に弾性変形する可動接触片を有し、前記固定接点側端子と並列に配置されかつ前記固定接点側端子に対して電気的に独立して設けられた可動接点側端子と、
 ソレノイドアクチュエータと、このソレノイドアクチュエータにより前記可動接点が前記固定接点に対して接触および開離する接離方向に往復移動可能でありかつ前記接離方向で前記可動接触片と接触可能な可動部とを有し、この可動部の前記接離方向の往復移動により前記可動接点を前記固定接点に対して接触または開離させる自己保持型のソレノイド駆動部と、
を備え、
 前記可動接触片が、その端部に、前記ソレノイド駆動部の前記可動部が接触可能な接触部と、前記可動接点が前記固定接点に対して接触した状態で前記可動接点が前記固定接点に対して接触する方向に前記可動部を移動させたときに前記可動接点が固定されている部分よりも前記接触部を弾性変形させる剛性分離構造とを有し、
 前記可動部が、前記可動接点が前記固定接点に対して開離して保持されている復帰状態では前記可動部が非接触位置に位置し、前記可動接点が前記固定接点に対して接触して保持されている動作状態では前記可動部が第1接触位置に位置すると共に、前記非接触位置と前記第1接触位置との間を前記第1接触位置よりも前記非接触位置から遠い第2接触位置を通って移動するように構成されており、
 前記接触部が、前記復帰状態では非保持位置に位置し、前記動作状態では保持位置に位置すると共に、前記可動部が前記第2接触位置にあるとき前記保持位置よりも前記非保持位置から遠いオーバーシュート位置に位置するように構成されている。
 第1態様の電磁継電器によれば、可動接点側端子の可動接触片の端部に、可動接点が固定接点に対して接触した状態で可動接点が固定接点に対して接触する方向に可動部を移動させたときに可動接点が固定されている部分よりも接触部を弾性変形させる剛性分離構造を有している。これにより、接触部が、固定接点および可動接点が開離しているときの接触部の位置である非保持位置と、固定接点および可動接点が接触した状態で保持されているときの接触部の位置である保持位置と、保持位置よりも非保持位置から遠いオーバーシュート位置とに確実に移動可能に弾性変形する。これにより、可動接触片が高い剛性を有している場合であっても、可動部が、第2接触位置を通って第1接触位置と非接触位置との間を移動することができる。その結果、オーバーシュート位置まで確実に移動可能な自己保持型のソレノイド駆動部を備えた電磁継電器を提供できる。
 本発明の第2態様の電磁継電器は、
 前記可動接触片が、第1板部材と、この第1板部材の前記接離方向に重ねられた第2板部材とを少なくとも有し、
 前記可動接触片の前記端部に、前記第1板部材の前記接離方向に前記第2板部材が重ねられていない低積層領域が設けられ、
 前記第1板部材の前記接離方向に前記第2板部材が重ねられかつ前記可動部が接触しない非接触部に前記可動接点が固定されており、
 前記低積層領域に、前記接触部と前記剛性分離構造とが配置されている。
 第2態様の電磁継電器によれば、非接触部と比べて、各接触部の可動接点の接離方向への弾性変形が容易になるので、可動部が、第2接触位置を通って第1接触位置と非接触位置との間をより確実に移動することができる。
 本発明の第3態様の電磁継電器は、
 前記可動接点側端子の前記可動接触片が、矩形板状を有し、
 前記切込部が、前記可動接触片の短手方向に沿って延びる第1切込部と、前記短手方向に間隔を空けて設けられていると共に、それぞれ前記可動接触片の長手方向に沿って延びかつ前記第1切込部に連続する第2切込部および第3切込部とを有し、
 前記接触部が、前記可動接触片の前記第1切込部、前記第2切込部、および、前記第3切込部よりも外側に位置している。
 第3態様の電磁継電器によれば、各接触部の可動接点の接離方向(X方向)への弾性変形が容易になるので、可動部が、第2接触位置を通って第1接触位置と非接触位置との間をより確実に移動することができる。
 本発明の第4態様の電磁継電器は、
 前記ソレノイド駆動部が、コイルと、このコイル内に設けられかつ前記接離方向に往復移動可能な可動鉄心とを有し、
 前記可動部が、前記可動鉄心と、前記接離方向に往復移動可能であると共に前記可動接触片の前記接触部に接触可能な可動板と、前記可動鉄心および前記可動板を連結する連結部材とを有している。
 第4態様の電磁継電器によれば、固定接点側端子、可動接点側端子、および、ソレノイド駆動部の配置を電磁継電器の設計等に応じて変更できる。
 本発明の第5態様の電磁継電器は、
 前記可動板が、前記接離方向に突出しかつ前記可動接触片の前記接触部に接触可能な突起部を有し、
 前記突起部と前記可動接触片の前記接触部とが連結されている。
 第5態様の電磁継電器によれば、可動鉄心の運動を可動接触片に効率よく伝達することができる。
 なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
 本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
 本発明の電磁継電器は、前記実施形態の電磁継電器に限らず、他の構成の電磁継電器に適用することができる。
1 ハウジング
2 ハウジングケース
3 左側壁
4 収容凹部
10 固定接点側端子
11 固定接点
20、120 可動接点側端子
21、121 端子部
121a 傾斜板部
121b 平板部
22 可動接触片
22a 第1板部材
22b 第2板部材
23 可動接点
24 (端子部の)上端部
25 湾曲部
26 (可動接触片の)上端部
26a 低積層領域
30 ソレノイド駆動部
30a、130a ソレノイドアクチュエータ
30b ラチェット機構部
31 可動部
32 腕部
33、133 可動板
34a、34b、134a、134b 突出部
35 貫通孔
36 回動支持部
41 第1切込部
42 第2切込部
43 第3切込部
51,52、151、251、252 接触部
53 非接触部
54a、54b 貫通孔
61 (ソレノイドアクチュエータの)ハウジング
62a 貫通孔
62 スプール
63 コイル
64 可動鉄心
164 固定鉄心
65 ヨーク
66 押圧部材
67 係止部材
68 円形鍔部
81 係止凸部
81a 第5傾斜面
82 第1傾斜面
83 第2傾斜面
84 第3傾斜面
85 第4傾斜面
86 ガイド凸部
91 (ラチェット機構部の)ハウジング
91a 貫通孔
92 保持凸部
92a 第6傾斜面
92b 第7傾斜面
93 第1ガイド溝
94 第2ガイド溝
95 コイルばね
96 連結部材
100、200、300 電磁継電器
I 非接触位置
II 第1接触位置
III 第2接触位置
IV 非保持位置
V 保持位置
VI オーバーシュート位置

Claims (5)

  1.  固定接点を有する固定接点側端子と、
     前記固定接点に対向するように配置された可動接点が設けられかつ前記可動接点が前記固定接点に接触可能に弾性変形する可動接触片を有し、前記固定接点側端子と並列に配置されかつ前記固定接点側端子に対して電気的に独立して設けられた可動接点側端子と、
     ソレノイドアクチュエータと、このソレノイドアクチュエータにより前記可動接点が前記固定接点に対して接触および開離する接離方向に往復移動可能でありかつ前記接離方向で前記可動接触片と接触可能な可動部とを有し、この可動部の前記接離方向の往復移動により前記可動接点を前記固定接点に対して接触または開離させる自己保持型のソレノイド駆動部と、
    を備え、
     前記可動接触片が、その端部に、前記ソレノイド駆動部の前記可動部が接触可能な接触部と、前記可動接点が前記固定接点に対して接触した状態で前記可動接点が前記固定接点に対して接触する方向に前記可動部を移動させたときに前記可動接点が固定されている部分よりも前記接触部を弾性変形させる剛性分離構造とを有し、
     前記可動部が、前記可動接点が前記固定接点に対して開離して保持されている復帰状態では前記可動部が非接触位置に位置し、前記可動接点が前記固定接点に対して接触して保持されている動作状態では前記可動部が第1接触位置に位置すると共に、前記非接触位置と前記第1接触位置との間を前記第1接触位置よりも前記非接触位置から遠い第2接触位置を通って移動するように構成されており、
     前記接触部が、前記復帰状態では非保持位置に位置し、前記動作状態では保持位置に位置すると共に、前記可動部が前記第2接触位置にあるとき前記保持位置よりも前記非保持位置から遠いオーバーシュート位置に位置するように構成されている、電磁継電器。
  2.  前記可動接触片が、第1板部材と、この第1板部材の前記接離方向に重ねられた第2板部材とを少なくとも有し、
     前記可動接触片の前記端部に、前記第1板部材の前記接離方向に前記第2板部材が重ねられていない低積層領域が設けられ、
     前記第1板部材の前記接離方向に前記第2板部材が重ねられかつ前記可動部が接触しない非接触部に前記可動接点が固定されており、
     前記低積層領域に、前記接触部と前記剛性分離構造とが配置されている、請求項1に記載の電磁継電器。
  3.  前記可動接点側端子の前記可動接触片が、矩形板状を有し、
     前記切込部が、前記可動接触片の短手方向に沿って延びる第1切込部と、前記短手方向に間隔を空けて設けられていると共に、それぞれ前記可動接触片の長手方向に沿って延びかつ前記第1切込部に連続する第2切込部および第3切込部とを有し、
     前記接触部が、前記可動接触片の前記第1切込部、前記第2切込部、および、前記第3切込部よりも外側に位置している、請求項1または2に記載の電磁継電器。
  4.  前記ソレノイド駆動部が、コイルと、このコイル内に設けられかつ前記接離方向に往復移動可能な可動鉄心とを有し、
     前記可動部が、前記可動鉄心と、前記接離方向に往復移動可能であると共に前記可動接触片の前記接触部に接触可能な可動板と、前記可動鉄心および前記可動板を連結する連結部材とを有している、請求項1から3のいずれか1つに記載の電磁継電器。
  5.  前記可動板が、前記接離方向に突出しかつ前記可動接触片の前記接触部に接触可能な突起部を有し、
     前記突起部と前記可動接触片の前記接触部とが連結されている、請求項4に記載の電磁継電器。
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