WO2017138139A1

WO2017138139A1 - 電装品ユニットおよび空気調和機

Info

Publication number: WO2017138139A1
Application number: PCT/JP2016/054096
Authority: WO
Inventors: めぐみ澤井; 雄大平野; 雅晃丸山
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2016-02-12
Filing date: 2016-02-12
Publication date: 2017-08-17

Abstract

　本発明に係る電装品ユニットは、対向する二つのリブが内壁に形成された電装品箱と、電装品箱に収納された基板と、基板に一端が接続され、他端が電装品箱の外に延びる少なくとも１本の配線と、配線を束ねるバンドとを備える。配線は、対向する二つのリブの間に配置され、バンドは、配線の、対向する二つのリブよりも一端側に設けられ、バンドの外周径は、対向する二つのリブにより形成された間隙の幅よりも大きいものである。

Description

電装品ユニットおよび空気調和機

　本発明は、配線を含む電装品ユニットおよび電装品ユニットを備える空気調和機に関する。

　従来の空気調和機の電装品ユニットは、別途部品メーカによって組立てられたものが空気調和機メーカに納入され、空気調和機メーカの作業者が、納入された電装品ユニットを空気調和機本体に組付けて配線接続するものがある。納入された電装品ユニットからは、電装品ユニットの電装品箱内の基板に一端を接続された配線が延び出ている。そのため、電装品ユニットを運搬する際に作業者が配線を引っ張っても、電装品ユニットから配線が抜けることがないようにする必要がある。

　そこで、従来の電装品ユニットにおいて、電装品箱の一部分で配線を引っかけることで、基板と配線を接続するコネクタから配線が抜けることを防いでいるものが開示されている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１では、複数の配線のコード部分は抜け防止部材としてのナイロンクランプによってまとめられている。このナイロンクランプによってまとめられた部分は、電装品箱の内部に入っており、化粧パネル用開口を小蓋で塞いだ状態で残る隙間を通過できない大きさとなっている。これにより、配線の抜け落ちを防ぎつつ、配線が引っ張られた際に接続端子にかかる負担を小さくすることが記載されている。

特開２０１１－１５３７４９号公報

　電装品ユニットを空気調和機へ組付ける際、組付け作業者が電装品ユニットから延び出た配線を持って運搬することで、配線がコネクタから外れることがあった。これに対し、従来は電装品ユニットの筐体（電装品箱）の一部分で配線を引っかけていた。しかし、このようにしても、持つ方向によっては配線を引く力に対して配線を筐体内に留め置くことができず、配線が移動してコネクタから外れてしまう可能性があった。

　本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、電装品ユニットから延び出た配線をどの方向から持っても、配線が基板から外れにくい電装品ユニットおよび電装品ユニットを備える空気調和機を提供するものである。

　本発明に係る電装品ユニットは、対向する二つのリブが内壁に形成された電装品箱と、前記電装品箱に収納された基板と、前記基板に一端が接続され、他端が前記電装品箱の外に延びる少なくとも１本の配線と、前記配線を束ねるバンドとを備え、前記配線は、前記対向する二つのリブの間に配置され、前記バンドは、前記配線の、前記対向する二つのリブよりも前記一端側に設けられ、前記バンドの外周径は、前記対向する二つのリブにより形成された間隙の幅よりも大きいものである。

　この発明によれば、電装品箱の内側から外側に延びる配線が、電装品ユニットの外側に向けて引っ張られた時に、配線に巻かれたバンドが配線の両脇に設けた対向する二つのリブ（対向リブ）に当たって、配線の移動が押し止められる。バンドの大きさは対向リブの隙間より大きいので、バンドは隙間を通過せず、配線の位置が規制される。これより、電装品箱内で配線が所定の範囲を越えて移動しないので、作業者が配線をどの方向から持っても配線を基板から外れないもしくは外れにくくすることができる。

本発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の傾斜図である。本発明の実施の形態１に係る室内機の化粧パネルと電装品ユニットの組付け状態を説明する傾斜図である。本発明の実施の形態１に係る電装品ユニットの電装品箱と基板と配線の組付け状態を説明する傾斜図である。本発明の実施の形態１に係る電装品ユニットの背面図である。本発明の実施の形態１に係る電装品ユニットの箱本体と配線の概略断面図である。本発明の実施の形態２に係る空気調和機の構成例を示す図である。

　以下、本発明にかかる電装品ユニットおよび空気調和機の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、空気調和機として床置形のものを代表例に挙げているが、これに限定されるものではない。

　以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。

実施の形態１．
　図１は、本発明の実施の形態１に係る空気調和機１の室内機１００の傾斜図である。空気調和機１の室内機１００は、室内空間に筐体２を備え、この筐体２は図示しない室内送風機と、室内空気を熱交換する室内熱交換器１１０とを収容している。筐体２の前面には化粧パネル４が取付けられており、筐体２の側面には室内送風機の稼動中に室内空気を吸い込む吸入口３が設けられ、化粧パネル４の上面には図示しない吹出口が設けられている。

　図２は、本発明の実施の形態１に係る室内機１００の化粧パネル４と電装品ユニット５の組付け状態を説明する傾斜図である。図２に示すように室内機１００の化粧パネル４には、電装品ユニット５が取付けられている。

　電装品ユニット５とは、空気調和機１の電気部品を含む装置である。例えば、電装品ユニット５は、室内機１００を作動または停止するスイッチおよびリモコンからの信号を受診する受信部を含む操作部と、室内機１００の運転状況を示すＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ　ｅｍｉｔｔｉｎｇ　ｄｉｏｄｅ）を含む表示部とからなるものであってもよい。

　図３は、本発明の実施の形態１に係る電装品ユニット５の電装品箱と基板８と配線７の組付け状態を説明する傾斜図である。電装品箱は、電装品ユニット５の前面、天面、底面、右側面および左側面を構成する箱本体６と、電装品ユニット５の背面を構成する電装品蓋９とからなる。図３に示すように、電装品ユニット５は、箱本体６および電装品蓋９からなる電装品箱と、電装品を搭載する基板８と、配線７と、配線７を束ねるバンド１０とを備える。配線７の一端は基板８に電気的に接続されている。以降、本明細書において、配線７と基板８とが接続された部分を「接続部」と定義する。

　接続の方法は、具体的には、直接半田付けにより接続してもよいし、生産性または修理性に優れたコネクタを用いてもよい。また、コネクタの種類としては、基板８上に差込形の端子台を設けて使用してもよいし、または、対応する形状のコネクタを配線７の一端および基板８のそれぞれに設けて、配線７と基板８の着脱が容易な構成としてもよい。
　本実施の形態においては、基板８に設置されたコネクタ８ａに配線７が接続されているものとして説明する。

　配線７は、その一端は、電装品箱に収納された基板８に接続され、他端は電装品箱の外に延び出している。配線７の一端側（接続部側）の一部には、その周囲にバンド１０が巻かれており、バンド１０は配線７の軸方向へ滑りを生じないよう配線７に対ししっかりと締付けられている。

　バンド１０は、配線７に固定されるよう摩擦力が大きくなる素材または形状が好ましい。具体的には、バンド１０はその内周面に凹凸が形成された結束バンドであってもよい。バンド１０のバンド部１０ａが配線７の周囲に巻き付けられ、係止部１０ｂに形成された挿通孔にバンド部１０ａが挿通されて係止される。これにより、配線７の外周面に対するバンド１０の内周面の摩擦係数を大きくして、バンド１０の滑りを防止することができる。

　また、配線７は、その周囲を保護用チューブにより被覆されたものであってもよい。その場合、バンド１０は保護用チューブの外周に巻きつける。更に、保護用チューブが弾性のある素材であれば、内径が小さめのものを選んで配線７に密着させてもよい。保護用チューブを使用した場合、バンド１０を締付けても配線７の外周面に傷をつけず、また、配線７は電装品等が発する熱から保護される。保護用チューブが摩擦係数の大きな素材（例えばゴム製）で構成されていれば、保護用チューブとバンド１０、または、保護用チューブと配線７との間には大きな摩擦力が働くので、相互の位置ずれを生じにくい。また、配線７が複数ある場合にその周囲を保護用チューブでまとめれば、バンド１０との接触面積を大きくできるので、バンド１０が保護用チューブに対してしっかり固定される。

　次に、図４および図５を用いて電装品箱の内側の構成について説明する。
　図４は、本発明の実施の形態１に係る電装品ユニット５の背面図である。図４は、電装品ユニット５から電装品蓋９を外したときの電装品ユニット５を背面から見た図である。
　図５は、本発明の実施の形態１に係る電装品ユニット５の箱本体６と配線７の概略断面図である。図５は、箱本体６に配線７を配置した状態での、図４のＺ－Ｚ位置における断面を表す。

　図４に示すように、箱本体６の裏面には溝６ａ、対向リブ６ｂ、６ｃおよび曲げ用リブ６ｄが形成されている。また、箱本体６の一側面を構成する壁面６ｅには開口６ｆが形成されており、配線７の他端はこの開口６ｆを挿通されて電装品箱の外に延び出している。

　溝６ａは、箱本体６の壁面６ｅに沿って形成されており、図４および図５に示すように、接続部から開口６ｆ位置までの配線７の一部を溝６ａに沿わせるように収めている。

　対向リブ６ｂ、６ｃは対向する二つのリブであって、溝６ａの両側に、溝６ａの軸方向において同じ高さとなるよう設けられる。

　開口６ｆは基板８と配線７の一端との接続部から離れており、その間にある配線７は、溝６ａに沿う直線部分とその両端の曲線部分とをもつ。具体的には、開口６ｆ付近において、配線７は、挿通方向から、直線部分が配置される「配線方向」へ曲げられ、また接続部に近い一端側では、配線方向から接続部の方へ曲げられる。つまり、電装品箱の壁面６ｅに平行な方向を「壁面方向」としたとき、接続部は、壁面方向において開口６ｆから離れた位置にある。

　なお、本実施の形態では、溝６ａは開口６ｆを設けた壁面６ｅに沿って形成されているので、溝６ａの一壁面と箱本体６の一壁面６ｅの内壁とは一体構成されており、「配線方向」は「壁面方向」に一致する。

　バンド１０は、対向リブ６ｂ、６ｃよりも接続部に近い位置で配線７に取付けられている。バンド１０の外周径は、対向リブ６ｂ、６ｃの二つのリブにより形成された間隙の幅より大きい。これにより、配線７に、電装品箱の外側へ引く力が加わったときに、バンド１０が対向リブ６ｂ、６ｃに当たり配線７の位置を規制することができる。

　具体的には、配線７が電装品箱の外側へ引っ張られると、配線７の電装品箱内にある部分が開口６ｆの方へ移動する。しかし、バンド１０の外周径は二つのリブ間の間隙より大きいので、バンド１０が対向リブ６ｂ、６ｃに当たると押し止められて配線７はそれ以上移動しない。このとき、対向リブ６ｂ、６ｃには、配線７を引く力がバンド１０を介して伝わる。これに対し、バンド１０の、バンド１０と対向リブ６ｂ、６ｃとが接する接触面には、対向リブ６ｂ、６ｃが押し返す力が作用する。一方、前述したようにバンド１０は配線７に対してしっかりと固定されているため、バンド１０は配線７の表面を滑ることなく、配線７の移動を止めることができる。

　また、開口６ｆと接続部は離れており、配線７は開口６ｆに挿通された状態から方向を変えて接続部まで配置される。そのため、配線７が曲げられる位置においても配線７は周囲の構造と接触するので、バンド１０の接触面に作用する力を軽減することができる。また、対向リブ６ｂ、６ｃを溝６ａの接続部に近い位置に設けておけば、引く力が直接バンド１０の接触面に伝わることを防止できる。

　また、対向リブ６ｂ、６ｃは、配線７の外周径より、間隙の幅を狭く構成してもよい。これより、配線７が溝６ａの奥行き方向に押し込まれると、配線７を狭持して固定する。このため、配線７が電装品箱の外へ引っ張られても、配線７をその場に留めようとする力が働き、バンド１０と対向リブ６ｂ、６ｃの間に作用する力を低減できる。

　なお、バンド１０は弾性の素材で構成してもよいが、配線７が引っ張られた時に、バンド１０の接触面が、対向リブ６ｂ、６ｃからの押し返す力に対抗できる程度の固さを備えたものが好ましい。

　配線７は、バンド１０より接続部に近い位置で、接続部の方へと曲げられる。図４に示すように、対向リブ６ｂ、６ｃは、間隙の中心を溝６ａの中心軸より壁面６ｅに寄せて形成し、配線７を壁面６ｅに寄せて這わせてもよい。これより、配線７と接続部との距離を確保して、配線７を接続部の方へ曲げるためのスペースを確保できる。また、配線７の曲線部分および接続部において負荷が軽減される。

　また、溝６ａの深さは、係止部１０ｂの位置が配線７に対し奥行き方向に位置する状態で配線７が溝６ａに収められた場合に、電装品蓋９が箱本体６に取付けられないよう構成されている。つまり、配線７が円周方向に回転させられて係止部１０ｂが配線７に対し溝幅方向に並んだ状態で配線７が溝６ａに配置された場合、電装品蓋９が箱本体６に取付けされる。このとき、係止部１０ｂは、配線７と溝６ａの側面との間に形成される空隙に収めればよい。例えば対向リブ６ｂ、６ｃの間隙が、溝６ａの中心軸より壁面６ｅに寄せて形成されている場合、係止部１０ｂは、配線７について壁面６ｅとは反対側に形成された空隙に収められればよい。これより、溝幅方向におけるバンド１０の外径は係止部１０ｂの分大きくなるので、配線７が引っ張られたときに力を受ける、バンド１０と対向リブ６ｂ、６ｃとの接触面積は大きくなる。したがって、バンド１０により配線７の位置を規制できる確立が高まるので、配線７の基板８からの抜け落ちが抑制される。一方、係止部１０ｂが配線７に対し奥行き方向に並んだ状態では、溝幅方向に配置した場合と比較して、バンド１０と溝６ａの両側に設けられた対向リブ６ｂ、６ｃとの接触面積は小さくなる。しかし、この場合、例えば部品メーカの作業者は、箱本体６に電装品蓋９が取付けられないため配線７の配置が適切でないことに気づき、配線７の配置をやり直すことができる。したがって、バンド１０による位置規制効果が得られる確立が高まる。

　図４に示すように、電装品箱は箱本体６の内壁に曲げ用リブ６ｄを備える。配線７は、開口６ｆからバンド１０のある位置までは溝６ａに沿って配線方向に配置される。バンド１０より接続部に近いところでは、配線７は曲げ用リブ６ｄによって配線方向から接続部の方へ曲げられ、基板８上のコネクタ８ａに接続される。つまり、曲げ用リブ６ｄは、配線７の一端を基板８の方へ誘導する。曲げ用リブ６ｄを設ける位置は、壁面方向において、対向リブ６ｂ、６ｃおよびバンド１０よりも接続部に近い位置であって、かつ、接続部の開口６ｆに近い辺縁と同じ位置に設ける。また、曲げ用リブ６ｄは、配線方向について、配線７の接続部に近い側方に設けられる。具体的には、図４に示すように、配線方向について、対向リブ６ｂ、６ｃのうち基板側のリブ（６ｃ）の接続部側に配置される。つまり、図４においては、曲げ用リブ６ｄの外周上端が、コネクタ８ａの下端部と同じ高さとなるよう構成されている。

　また、曲げ用リブ６ｄの外周を円などの曲面形状で形成し、配線７が曲線を描いて接続部の方へ曲げられるよう構成されている。曲面形状は、例えば曲げ用リブ６ｄの、配線７と接する側面のみに設けてもよい。図４のように、配線７を、溝６ａの基板８から遠い壁面に寄せて這わせた場合、接続部までの距離を確保できて配線７を曲げ易い。

　次に電装品ユニット５の組立て手順について説明する。
　図３に示すように、まず、基板８上に設置されたコネクタ８ａに、バンド１０が巻かれた配線７を接続する。次に、基板８と一端が接続された配線７を箱本体６に取付ける。このとき、配線７を溝６ａに這わせ、対向リブ６ｂ、６ｃの間に押して挟み込む。配線７を溝６ａに這わせた後、配線７の基板８に接続されていない端（他端）を開口６ｆから外に出す。また、図４に示すように、基板８を、箱本体６に形成された位置決め用の突起に沿って嵌め込む。次に、配線７、バンド１０および基板８が取付けられた箱本体６に、電装品蓋９を取付ける。

　なお、溝６ａの、対向リブ６ｂ、６ｃより開口６ｆに近い位置に、開口６ｆを設けた壁面６ｅとの間に配線７の幅だけ隙間を設けてリブを設けてもよい。これより、対向リブ６ｂ、６ｃから離れた位置でも配線７を所定の位置に配置できるため、箱本体６に電装品蓋９を取付け易い。また、コネクタ８ａの方へ曲げられた配線７が通る溝６ａから基板８までの間に、凹形状のガイドを設けて配線７を誘導するよう構成してもよい。

　本実施の形態では、溝６ａ、対向リブ６ｂ、６ｃ、開口６ｆおよび曲げ用リブ６ｄを電装品箱の箱本体６に設けるものとして記載したが、これに限定しない。溝６ａ、対向リブ６ｂ、６ｃ、開口６ｆおよび曲げ用リブ６ｄの一部または全部を、電装品箱の電装品蓋９に設けてもよい。
　また、溝６ａは凹形状として記載したが特に溝を形成する必要はなく、電装品箱内に配線７を配置する経路を確保できれば良い。
　また、「配線方向」と「壁面方向」は同一の方向でなくてもよい。つまり、配線７を、開口６ｆを設けた壁面６ｅに沿って配置する必要はなく、別途、電装品箱内に配線７を配置する径路を設けてもよい。また、基板８および配線径路の配置によって、開口６ｆ、対向リブ６ｂ、６ｃおよび曲げ用リブ６ｄを形成する位置を決めればよい。

　以上のように本実施の形態においては、電装品ユニット５は、対向する二つのリブ６ｂ、６ｃが内壁に形成された電装品箱と、電装品箱に収納された基板８と、基板８に一端が接続され、他端が電装品箱の外に延びる少なくとも１本の配線７と、配線７を束ねるバンド１０とを備え、配線７は、対向する二つのリブ６ｂ、６ｃの間に配置され、バンド１０は、配線７の、対向する二つのリブ６ｂ、６ｃよりも一端側に設けられ、バンド１０の外周径は、対向する二つのリブ６ｂ、６ｃにより形成された間隙の幅よりも大きいものである。

　このため、配線７に電装品ユニット５の外方向へ引く力が加わると、バンド１０が対向リブ６ｂ、６ｃに当たる位置で、配線７の移動が制限される。また、対向リブ６ｂ、６ｃは、電装品箱の内壁に設けられ、配線７を電装品箱の内部で止める構成となっているため、電装品ユニット５の電装品箱にひっかけてとめる場合と比較して、配線７を引く力が直接接続部に伝わり難い。そのため、配線７をどの方向から引っ張っても、配線７の基板８からの抜け落ちまたは接触不良が生じる確立を低減できる。

　また、電装品箱は配線７が挿通される開口６ｆを有し、電装品箱の開口６ｆを設けた壁面６ｅに平行な方向を壁面方向としたとき、配線７の一端と基板８とが接続される接続部は、壁面方向において開口６ｆから離れた位置にあり、配線７はバンド１０より一端側の位置で、接続部の方へ曲げられるものであってもよい。

　このため、電装品箱内に配置された配線７は、少なくとも開口６ｆから接続部までの長さを有し、また曲線部分を有するので、引く力が接続部へ直接伝わるのを回避できる。そのため、配線７をどの方向から引っ張っても、配線７の基板８からの抜け落ちまたは接触不良が生じる確立を低減できる。

　また、電装品箱は曲げ用リブ６ｄを有し、配線７が開口６ｆからバンド１０まで配置される方向を配線方向としたとき、配線７は、曲げ用リブ６ｄによって配線方向から接続部の方へ曲げられるものであってもよい。

　このため、曲げ用リブ６ｄに配線７を沿わせて配置すればよいので曲げ易い。また、曲げ用リブ６ｄを設ける位置は、開口６ｆとコネクタ８ａの位置および向きに応じて決めればよいので、配線７の径路を調整し易い。そのため、接触不良などが生じ易い接続部を保護できる。

　曲げ用リブ６ｄは、対向する二つのリブ６ｂ、６ｃおよびバンド１０より一端側に設けられ、かつ、壁面方向において接続部の開口６ｆに近い一縁と同じ位置に設けてもよい。

　このため、接続部に近いところに配線７を曲げるスペースが確保されるので、配線７の曲線部分または接続部に過剰な負荷がかかるのを防止できる。また、配線７が引っ張られた時に、バンド１０に加え、開口６ｆ、曲げ用リブ６ｄなどの複数個所で負荷が分散されるため、バンド１０および接続部における負荷を軽減でき、配線７の抜け落ちを防止できる。

　曲げ用リブ６ｄは、配線７の、配線方向の接続部に近い側方に設けてもよい。

　このため、コネクタ８ａの向きに合わせて配線７を接続できるので、接続部における負荷を軽減できる。また、配線７がどの方向から引っ張られても、バンド１０と対向リブ６ｂ、６ｃとの接触および配線７の曲線部分により負荷が分散され、特定の位置に過剰な力が加わることを防止できる。

　曲げ用リブ６ｄは、その外周が曲面形状を有するものであってもよい。

　このため、配線７を曲げ用リブ６ｄの外周に沿わせれば、緩やかに曲げることができる。そのため、配線７を曲げることによる負荷、または、配線７が引っ張られた時に曲げ用リブ６ｄとの間に働く力が、配線７の曲線部分の一部に集中するのを防ぐことができる。

　対向する二つのリブは配線７を挟んで固定するものであってもよい。

　これより、配線７の電装品箱内での移動をより強固に防止できる。配線７を引く力は、対向リブ６ｂ、６ｃの二つのリブ間においても低減されるので、バンド１０と対向リブ６ｂ、６ｃとの接触面に加わる負荷を軽減できる。

　電装品箱は溝６ａを有し、配線７は溝６ａに沿って配置されるものであってもよい。

　これより、電装品ユニット５の組立てを行う際に、配線７の配置や電装品蓋９の嵌め込み作業を行い易い。

実施の形態２．
　本実施の形態では、実施の形態１に記載した電装品ユニット５を備える空気調和機１について説明する。
　図６は、本発明の実施の形態２に係る空気調和機１の構成例を示す図である。図６は空気調和機１の冷凍サイクルの一例を表す。なお、実施の形態１で説明したものについては同様の動作を行うものとする。

　図６の空気調和機１は、室外機２００と、実施の形態１において説明した室内機１００とを備え、室内機１００と室外機２００とは、ガス冷媒配管３００および液冷媒配管４００により配管接続されている。室外機２００は、圧縮機２１０、四方弁２２０、室外熱交換器２３０および膨張弁２４０を有している。

　圧縮機２１０は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。ここで、特に限定するものではないが、圧縮機２１０は例えばインバータ回路等により、運転周波数を任意に変化させることにより、圧縮機２１０の容量（単位時間あたりの冷媒を送り出す量）を変化させることができるようにしてもよい。四方弁２２０は、例えば冷房運転時と暖房運転時とによって冷媒の流れを切り換える弁である。

　本実施の形態における室外熱交換器２３０は、冷媒と空気（室外の空気）との熱交換を行う。例えば、室外熱交換器２３０は、暖房運転時においては蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させて気化させる。また、室外熱交換器２３０は、冷房運転時においては凝縮器として機能し、冷媒を凝縮して液化させる。

　絞り装置等の膨張弁２４０は冷媒を減圧して膨張させる。例えば電子式膨張弁等で構成した場合には、図示しない制御装置等の指示に基づいて開度調整を行う。室内熱交換器１１０は、例えば空調対象となる空気と冷媒との熱交換を行う。室内熱交換器１１０は、暖房運転時においては凝縮器として機能し、冷媒を凝縮して液化させる。また、室内熱交換器１１０は、冷房運転時においては蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させて気化させる。

　以上のように空気調和機１を構成することで、室外機２００の四方弁２２０により冷媒の流れを切り換えることで、暖房運転および冷房運転を実現することができる。

　なお、電装品ユニット５は、室内機１００または室外機２００の一方に搭載してもよいし、または、その両方に搭載してもよい。室外機２００に搭載する電装品ユニット５としては、例えば、インバータ制御回路、プリント基板および電気部品等を含むものがある。

　以上のように本実施の形態においては、空気調和機１は、室内機１００および室外機２００を備え、室内機１００および室外機２００の少なくとも一つは実施の形態１に記載した電装品ユニット５を備えるものである。

　このため、空気調和機１の室内機１００または室外機２００、またはその両方に、それぞれ電装品ユニット５を組付けて配線接続する時に、作業者が電装品ユニット５から延び出した配線７をどの方向に引っ張っても配線７が基板から抜けにくい。

　１　空気調和機、２　（空気調和機の）筺体、３　吸込口、４　化粧パネル、５　電装品ユニット、６　箱本体、６ａ　溝、６ｂ　対向リブ、６ｃ　対向リブ、６ｄ　曲げ用リブ、６ｅ　（開口を設けた）壁面、６ｆ　開口、７　配線、８　基板、８ａ　コネクタ、９　電装品蓋、１０　バンド、１０ａ　バンド部、１０ｂ　係止部、１００　室内機、１１０　室内熱交換器、２００　室外機、２１０　圧縮機、２２０　四方弁、２３０　室外熱交換器、２４０　膨張弁、３００　ガス冷媒配管、４００　液冷媒配管。

Claims

　対向する二つのリブが内壁に形成された電装品箱と、
　前記電装品箱に収納された基板と、
　前記基板に一端が接続され、他端が前記電装品箱の外に延びる少なくとも１本の配線と、
　前記配線を束ねるバンドとを備え、
　前記配線は、前記対向する二つのリブの間に配置され、
　前記バンドは、前記配線の、前記対向する二つのリブよりも前記一端側に設けられ、
　前記バンドの外周径は、前記対向する二つのリブにより形成された間隙の幅よりも大きい
　電装品ユニット。
　前記電装品箱は前記配線が挿通される開口を有し、
　前記電装品箱の前記開口を設けた壁面に平行な方向を壁面方向としたとき、前記配線の一端と前記基板とが接続される接続部は、前記壁面方向において前記開口から離れた位置にあり、
　前記配線は前記バンドより前記一端側の位置で、前記接続部の方へ曲げられる請求項１記載の電装品ユニット。
　前記電装品箱は曲げ用リブを有し、
　前記配線が前記開口から前記バンドまで配置される方向を配線方向としたとき、前記配線は、前記曲げ用リブによって前記配線方向から前記接続部の方へ曲げられる請求項２記載の電装品ユニット。
　前記曲げ用リブは、前記対向する二つのリブおよび前記バンドより前記一端側に設けられ、かつ、前記壁面方向において前記接続部の前記開口に近い一縁と同じ位置に設けられる請求項３記載の電装品ユニット。
　前記曲げ用リブは、前記配線の、前記配線方向の前記接続部に近い側方に設けられる請求項３又は４に記載の電装品ユニット。
　前記曲げ用リブは、その外周が曲面形状を有する請求項３～５のいずれか一項に記載の電装品ユニット。
　前記対向する二つのリブは前記配線を挟んで固定する請求項１～６のいずれか一項に記載の電装品ユニット。
　前記電装品箱は溝を有し、
　前記配線は前記溝に沿って配置される請求項１～７のいずれか一項に記載の電装品ユニット。
　室内機および室外機を備え、
　前記室内機および前記室外機の少なくとも一つは請求項１～８のいずれか一項に記載の電装品ユニットを備える空気調和機。