WO2017110453A1 - 関節運動アシストシステム - Google Patents

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Abstract

マスタ装置の装着者が、マスタ装置を装着した手指の関節を屈曲状態又は伸展状態にすると、制御装置が、関節の屈曲角度を反映した第2検出値(DM2j,DM3j)をマスタ装置から受ける。また、制御装置は、関節運動アシスト装置の磁気センサ(432j)から送られた第1検出値(DA2j)、及び、磁気センサ(433j)から送られた第1検出値DA3j)を受ける。そして、制御装置は、第2検出値(DM2j)と第1検出値(DA2j)との差の絶対値が所定値以下となるように、ベローズ(342j)内の空気圧を変化させる。また、制御装置は、第2検出値(DM3j)と第1検出値(DA3j)との差の絶対値が所定値以下となるように、ベローズ(343j)内の空気圧を変化させる。この結果、マスタ装置を装着した手指の動きを関節運動アシスト装置がトレースする。このため、関節運動を適切にアシストすることができる。

Description

関節運動アシストシステム
 本発明は、関節運動アシストシステムに係り、より詳しくは、所定対象物の関節運動をアシストする関節運動アシストシステムに関する。
 従来から、リハビリテーションに用いられる様々な装置が提案されている。こうした装置の中には、理学療法士や家族員等に代って、又は、理学療法士や家族員等の支援を得て、患者の基本的動作の機能の回復を図るための治療運動をアシストするものがある。
 かかる患者の運動をアシストする装置の一つとして、脳梗塞などの中枢神経障害により手指が麻痺して拘縮してしまった場合等に、ベローズの伸縮を利用して、手指の関節運動をアシストする装置がある(特許文献1参照:以下、「従来例1」と呼ぶ)。かかる従来例1のように、ベローズを用いた関節運動アシスト装置は、モータ及びワイヤにより駆動するアクチュエータを用いる方式の装置よりも軽量であるため、実用性が高い。また、ベローズを用いた関節運動アシスト装置は、低圧力での駆動が可能であるため、ダイヤフラム式ポンプやベーン式ポンプなどの低振動、低騒音のポンプを使用することができる。こうした点からも、伸縮可能なベローズを用いた関節運動アシスト装置は、実用性が高いといえる。
 この従来例1の技術では、伸縮可能なベローズがアシスト対象となる関節に配置される。そして、当該ベローズの一方側端部に接続された一方側伝達部材が、アシスト対象となる関節に接続された一方側部位に装着される。また、当該ベローズの他方側端部に接続された他方側伝達部材が、アシスト対象となる関節に接続された他方側部位に装着される。こうした装着状態のもとで、ベローズからの空気の強制的排出が行われた場合には、ベローズが収縮することにより、関節屈曲状態から関節伸展状態へと変化する関節運動のアシストを行う。また、ベローズへの空気の強制的供給が行われた場合には、ベローズが膨張することにより、関節伸展状態から関節屈曲状態へと変化する関節運動のアシストを行うようになっている。
 この関節運動アシスト装置を動作させる方法の一つとして、当該関節運動アシスト装置をスレーブ装置とし、マスタ装置がスレーブ装置を遠隔操作するマスタ・スレーブ方式が考えられる。こうしたマスタ・スレーブ方式を採用する場合には、健常な手部にマスタ装置を装着し、マスタ装置を装着した手部の手指の動きを、スレーブ装置である関節運動アシスト装置がトレースする構成が考えられる。そして、マスタ装置がスレーブ装置を遠隔操作する構成の一つとして、マスタ装置が装着される手部における手指の関節の屈曲角度を検出し、検出された屈曲角度に応じて、ベローズ内の空気圧を制御するものが考えられる。
 ここで、手指の関節の屈曲角度を検出する技術として、シート状の角度センサを手指の関節部分に装着し、当該角度センサにより、手指の関節の屈曲角度を検出するものがある(特許文献2参照:以下、「従来例2」と呼ぶ)。この従来例2の技術では、角度センサとして、光ファイバを通る光量変化を検出する方式や、関節の屈曲により生じるワイヤ位置変化量を検出する方式を採用する。そして、関節屈曲動作予測装置が、角度センサにより検出された屈曲角度に基づいて屈曲角速度を演算し、屈曲角度、屈曲角速度及び関節状態の予測判定の基準値となる参照角度データに基づいて、関節の状態を予測するようになっている。
 この従来例2の技術を、従来例1の関節運動アシスト装置の技術に適用した場合、マスタ装置を装着する手部における手指の関節の状態を予測する。そして、関節状態の予測結果に基づき、マスタ装置側の手指が関節屈曲状態から関節伸展状態へと変化する際には、制御装置が、ベローズからの空気の強制的排出を行う制御を行う。また、関節状態の予測結果に基づき、マスタ装置側の手指が関節伸展状態から関節屈曲状態へと変化する際には、制御装置が、ベローズへの空気の強制的供給を行う制御を行う構成が考えられる。
国際公開第2011/043095号 特開2009-112540号公報
 上述した従来例2の技術では、シート状の角度センサを手指の関節部分に直接的に装着している。この結果、従来例2の技術的思想を適用し、従来例1の関節運動アシスト装置をスレーブ装置として動作させる場合には、関節運動アシストシステムを頻繁に使用するとシートが塑性変形して検出特性が経時変化してしまい、センサの耐久期間が短くなってしまうおそれがある。また、従来例2の技術的思想をマスタ装置に適用して、従来例1の関節運動アシスト装置を動作させ、関節屈曲状態と関節伸展状態との中間状態で、マスタ装置に装着された手指の屈曲角度とスレーブ装置に装着された手指の屈曲角度とを同じにすることは困難である。
 このため、関節部分に直接的に装着するシート状の角度センサを用いず、かつ、マスタ装置に装着された手指の屈曲角度とスレーブ装置に装着された手指の屈曲角度とに基づいたフィードバック制御を用いて、簡易にスレーブ装置である関節運動アシスト装置を適切に動作させることのできる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
 本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、関節部分に直接的に装着するセンサを用いずに、関節運動アシスト装置を遠隔動作させ、関節運動を適切にアシストすることができる新たな関節運動アシストシステムを提供することを目的とする。
 本発明は、第1対象物の関節運動をアシストする関節運動アシストシステムであって、前記第1対象物に装着されるスレーブ装置と;前記第1対象物と合同対称性、相似対称性及び左右対称性のいずれかの対称性を有する構造の第2対象物に装着されるマスタ装置と;前記第2対象物における関節運動に対応する関節運動を前記第1対象物が行うように制御する制御装置と;を備え、前記スレーブ装置は、アシストすべき関節運動ごとに用意され、前記関節運動をアシストする力を発生させる少なくとも1つの伸縮自在なベローズと;前記ベローズと連通する配管と;前記ベローズの一方側端部に接続されるとともに、前記第1対象物における前記関節運動に関わる関節の一方側部位に装着される一方側部材と;前記ベローズの他方側端部に接続されるとともに、前記第1対象物における前記関節の他方側部位に装着される他方側部材と;前記一方側部材及び前記他方側部材の少なくとも一方に取り付けられ、前記一方側部位が前記関節との接続部から延びる第1方向と、前記他方側部位が前記関節との接続部から延びる第2方向とが成す第1角度を反映した第1物理量を検出する第1検出部と;を備え、前記マスタ装置は、前記第1対象物における前記一方側部材の装着位置に対応する位置に装着される一方側対応部材と;前記第1対象物における前記他方側部材の装着位置に対応する位置に装着される他方側対応部材と;前記一方側対応部材及び前記他方側対応部材の少なくとも一方に取り付けられ、前記第1対象物における前記第1方向に対応する第3方向と、前記第1対象物における前記第2方向に対応する第4方向とが成す第2角度を反映した第2物理量を検出する第2検出部と;を備え、前記制御装置は、前記第1物理量と前記第2物理量との差に基づいて、前記配管を介して、前記ベローズ内への作動流体の供給、及び、前記ベローズ内からの作動流体の排出を制御する、ことを特徴とする関節運動アシストシステムである。
 この関節運動アシストシステムでは、スレーブ装置が、第1対象物に装着される。第1対象物にスレーブ装置が装着された場合に、関節運動をアシストすべき関節ごとに用意されたベローズが、対応する関節部分に配置される。そして、スレーブ装置では、一方側部位が関節との接続部から延びる第1方向と、他方側部位が当該関節との接続部から延びる第2方向とが成す第1角度を反映した第1物理量を検出する第1検出部が、一方側部材及び他方側部材に取り付けられている。また、この関節運動アシストシステムでは、マスタ装置が、第2対象物に装着される。そして、マスタ装置では、第1対象物における第1方向に対応する第3方向と、第1対象物における第2方向に対応する第4方向とが成す第2角度を反映した第2物理量を検出する第2検出部が、一方側対応部材及び他方側対応部材に取り付けられている。この関節運動アシストシステムにおいて、スレーブ装置がベローズ及び当該ベローズと連通する配管を備える点を除いて、スレーブ装置とマスタ装置とは、同じ構成になっている。
 こうした状態で、制御装置が、第1検出部により検出された第1物理量と、第2検出部により検出された第2物理量とに基づいてフィードバック制御を行い、ベローズ内への作動流体の供給、及び、ベローズ内からの作動流体の排出を制御する。この結果、ベローズの膨張行程及び収縮行程により、ベローズが、関節運動をアシストする力を発生する。このため、第1検出部により検出された第1物理量及び第2検出部により検出された第2物理量に基づいて制御を行うマスタ・スレーブ方式により、スレーブ装置である関節運動アシスト装置を遠隔動作させることができる。
 このため、マスタ装置に装着された手指の屈曲角度とスレーブ装置に装着された手指の屈曲角度とを演算することなく、第1物理量及び第2物理量を直接的に比較したフィードバック制御を用いて、簡易にスレーブ装置である関節運動アシスト装置を適切に動作させることができる。
 なお、この場合には、固定された回動軸を有する蝶番関節の関節屈曲状態から関節伸展状態への関節運動、及び、関節伸展状態から関節屈曲状態へ関節運動については、当然、アシストすることができる。そして、この場合には、固定された回動軸を有していない鞍関節、球関節、楕円体関節等の他の関節の関節運動についても、アシストすることができる。
 したがって、本発明の関節運動アシストシステムによれば、関節部分に直接的に装着するセンサを用いずに、関節運動アシスト装置を遠隔動作させ、関節運動を適切にアシストすることができる。
 なお、軽量の柔らかい樹脂製のベローズを構成要素とすれば、スレーブ装置の重さの軽量化を図ることができ、関節運動アシスト装着を装着する者の身体的負担を軽減させて、関節運動を、適切にアシストすることができる。
 本発明の関節運動アシストシステムでは、前記少なくとも1つのベローズには、前記アシストすべき関節の回動運動の回動軸に対して垂直方向に配置された垂直配置ベローズが含まれ、前記スレーブ装置は、前記垂直配置ベローズに対する前記関節側において、前記垂直配置ベローズに接続された前記一方側部材と前記垂直配置ベローズに接続された前記他方側部材とを弾性的に拘束し、前記ベローズの伸縮により発生する力を回動力に変換するための支援を行うことにより、前記関節運動のアシストのための回動力を、弾性的に拘束された前記一方側部材及び弾性的に拘束された前記他方側部材を介して、弾性的に拘束された前記一方側部材が装着された一方側部位及び弾性的に拘束された前記他方側部材が装着された他方側部位に伝達する第1拘束部材を更に備える、ようにすることができる。また、前記マスタ装置は、前記スレーブ装置における第1拘束部材の配置位置に対応する前記マスタ装置の位置に配置され、弾性的に拘束された前記一方側部材に対応する一方側対応部材と弾性的に拘束された前記他方側部材に対応する他方側対応部材とを弾性的に拘束する第2拘束部材を更に備える、ようにすることができる。
 この場合には、第1対象物にスレーブ装置が装着された場合に、関節運動をアシストすべき関節ごとに用意された垂直配置ベローズが、対応する関節の回動運動の回動軸に対して垂直方向の関節部分に配置される。そして、スレーブ装置は、一方側部材と他方側部材とを弾性的に拘束する第1拘束部材を備えている。また、マスタ装置は、一方側対応部材と他方側対応部材とを弾性的に拘束する第2拘束部材を備えている。この結果、関節屈曲状態から関節伸展状態への関節運動、及び、関節伸展状態から関節屈曲状態へ関節運動を適切にアシストすることができる。なお、この場合にも、スレーブ装置がベローズ及び当該ベローズと連通する配管を備える点を除いて、スレーブ装置とマスタ装置とは、同じ構成になっている。
 また、本発明の関節運動アシストシステムでは、前記第1物理量は、前記一方側部材から前記他方側部材までの距離、及び、前記一方側部材が延びる方向と前記他方側部材が延びる方向とが成す角度より定まる物理量であり、前記第2物理量は、前記一方側対応部材から前記他方側対応部材までの距離、及び、前記一方側対応部材が延びる方向と前記他方側対応部材が延びる方向とが成す角度により定まる物理量である、ようにすることができる。これは、人体等の関節機構においては、第1角度と、一方側部材から他方側部材までの距離を反映した長さとは、1対1対応になっていること、及び、第2角度と、一方側対応部材から他方側対応部材までの距離を反映した長さとは、1対1対応になっていることに着目したものである。このため、一方側部材から他方側部材までの距離、及び一方側部材が延びる方向と他方側部材が延びる方向とが成す角度により変化する物理量を検出するとともに、一方側対応部材から他方側対応部材までの距離、及び一方側対応部材が延びる方向と他方側対応部材が延びる方向とが成す角度により変化する物理量を検出することにより、第1角度と第2角度とに差があるかどうかを判断することができる。
 本発明の関節運動アシストシステムでは、前記作動流体は空気であり、前記制御装置は、前記ベローズへの空気の供給、及び、前記ベローズからの空気の排出を行うことにより、前記ベローズ内の空気圧を設定する空気圧設定部と;前記第1物理量と前記第2物理量との差に基づいて、前記空気圧設定部による前記ベローズ内の空気圧の設定を制御する空気圧制御部と;を備える、構成とすることができる。この場合には、空気圧制御部がベローズ内の空気圧を調整するため、ベローズが調整された空気圧に応じて発生する力により、関節運動を適切にアシストすることができる。
 また、本発明の関節運動アシストシステムでは、前記第1検出部及び前記第2検出部は、磁石及び磁気センサから成る同様に構成された検出部であり、前記第1検出部の磁石は、前記一方側部材及び前記他方側部材のうちの一の部材に取り付けられ、前記第1検出部の磁気センサは、前記一方側部材及び前記他方側部材のうちの前記一の部材とは異なる他の部材に取り付けられる、ようにすることができる。また、前記第2検出部の磁石は、前記一方側対応部材及び前記他方側対応部材のうちの一の対応部材に取り付けられ、前記第2検出部の磁気センサは、前記一方側対応部材及び前記他方側対応部材のうちの前記一の対応部材とは異なる他の対応部材に取り付けられる、ようにすることができる。この場合には、磁気センサが、当該磁気センサと磁石との間の距離を反映した検出結果が、第1物理量及び第2物理量になる。このため、関節部分に直接的に装着しない磁石及び磁気センセの双方を用いて、関節運動を適切にアシストすることができる。
 本発明の関節運動アシストシステムでは、マスタ装置を第2対象物に装着する場合に、前記第1対象物には、人体の一方の手部における手指の少なくとも1つが含まれ、前記第2対象物には、前記人体の他方の手部における手指の少なくとも1つが含まれる、ようにすることができる。この場合には、関節運動アシスト装置を装着する者の一方の手部の手指のみが拘縮し、他方の手部の手指が拘縮していない場合に、適用される。すなわち、スレーブ装置を、関節運動をアシストすべき人体の手部に装着する。そして、マスタ装置を、当該人体の手指が拘縮していない手部に装着する。このため、他者の支援を得ることなく、関節運動アシスト装置を装着する者自身で、手指の関節運動をアシストすることができる。
 また、本発明の関節運動アシストシステムでは、マスタ装置を第2対象物に装着する場合に、前記第1対象物には、人体の手部における手指の少なくとも1つが含まれ、前記第2対象物には、前記人体とは異なる人体の手部における手指の少なくとも1つが含まれる、ようにすることができる。この場合には、スレーブ装置を、関節運動をアシストすべき人体の手部に装着し、マスタ装置を、当該人体とは異なる人体の手指が拘縮していない手部に装着する。このため、理学療法士や家族員等の他者の支援を得て、手指の関節運動をアシストすることができる。
 本発明の関節運動アシストシステムでは、マスタ装置を第2対象物に装着する場合に、前記第1対象物には、人体の一方の手首部が含まれ、前記第2対象物には、前記人体の他方の手首部が含まれる、ようにすることができる。この場合には、関節運動アシスト装置を装着する者の一方の手部の手首のみが拘縮し、他方の手部の手首が拘縮していない場合に、適用される。すなわち、スレーブ装置を、関節運動をアシストすべき人体の手部に装着する。そして、マスタ装置を、当該人体の手指が拘縮していない手部に装着する。このため、他者の支援を得ることなく、関節運動アシスト装置を装着する者自身で、手首の関節運動をアシストすることができる。
 また、本発明の関節運動アシストシステムでは、マスタ装置を第2対象物に装着する場合に、前記第1対象物には、人体の手首部が含まれ、前記第2対象物には、前記人体とは異なる手首部が含まれる、ようにすることができる。この場合には、スレーブ装置を、関節運動をアシストすべき人体の手部に装着し、マスタ装置を、当該人体とは異なる人体の手指が拘縮していない手部に装着する。このため、理学療法士や家族員等の他者の支援を得て、手首の関節運動をアシストすることができる。
 以上説明したように、本発明の関節運動アシストシステムによれば、関節部分に直接的に装着するセンサを用いずに、スレーブ装置である関節運動アシスト装置を遠隔動作させ、関節運動を適切にアシストすることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る関節運動アシストシステムの構成を説明するための図である。 図1の関節運動アシスト装置の外観図である。 図2の母指関節運動アシスト部の構成を説明するための図である。 図3の磁気センサの特性を示す図である。 図2の示指用の手指関節運動アシスト部の構成を説明するための図である。 図1のマスタ装置の外観図である。 図6の母指マスタ部の構成を説明するための図である。 図6の示指用の手指マスタ部の構成を説明するための図である。 図1の制御装置の構成を説明するための図である。 手指マスタ部の状態の例、及び当該手指マスタ部をトレースした手指関節運動アシスト部の状態を説明するための図である。 変形例であるガイド部材を説明するための図(その1)である。 変形例であるガイド部材を説明するための図(その2)である。 手首の関節運動をアシストする変形例を説明するための図である。
 100…関節運動アシストシステム、200…関節運動アシスト装置(スレーブ装置)、210…手部装着部、2301…母指関節運動アシスト部(手指関節運動アシスト部)、2302,2303,2304,2305…手指関節運動アシスト部、321j(j=1,…,5)…伝達部材、322k(k=2,…,5)…伝達部材、323j,324j(j=1,…,5)…伝達部材、331k(k=2,…,5)…配管、332j,333j(j=1,…,5)…配管、341k(k=2,…,5)…ベローズ(垂直配置ベローズ)、342j,343j(j=1,…,5)…ベローズ(垂直配置ベローズ)、3901…母指装着部、390k(k=2,…,5)…手指装着部、391j(j=1,…,5)…装着部材(第1拘束部材)、392j(j=1,…,5)…指サック、393j(j=1,…,5),396k(k=2,…,5)…バンド部材、412j,413j(j=1,…,5)…第1検出部、422j,423j(j=1,…,5)…磁石、432j,433j(j=1,…,5)…磁気センサ、442j,443j(j=1,…,5)…配線、500…マスタ装置、510…手部装着部、5301…母指マスタ部(手指マスタ部)、5302,5303,5304,5305…手指マスタ部、621j(j=1,…,5)…伝達部材、622k(k=2,…,5)…伝達部材、623j,624j(j=1,…,5)…伝達部材、6901…母指装着部、690k(k=2,…,5)…手指装着部、691j(j=1,…,5)…装着部材(第2拘束部材)、692j(j=1,…,5)…指サック、693j(j=1,…,5),696k(k=2,…,5)…バンド部材、712j,713j(j=1,…,5)…第2検出部、722j,723j(j=1,…,5)…磁石、732j,733j(j=1,…,5)…磁気センサ、742j,743j(j=1,…,5)…配線、800…制御装置、811…加圧ポンプ、812…減圧ポンプ、813…電気-空気圧制御弁(空気圧設定部)、814…制御ユニット(空気圧制御部)、815,816…配管、941A…ベローズ(垂直配置ベローズ)、921A,921M,922A,922M…伝達部材、951A…第1検出部、951M…第2検出部、961A,961M…磁石、971A,971M…磁気センサ、GA1,GA2,GA3,GA4,GM1,GM2,GM3,GM4…ガイド部材、AA1,AA3,AM1,AM3…軸部材、HB1,HB2…人体、HDR1…右手(第1対象物),HDR2…右手(第2対象物)
 以下、本発明の一実施形態を、図1~図10を参照して説明する。なお、本実施形態においては、人体の右手に装着される関節運動アシスト装置、及び、当該関節運動アシスト装置を装着する人体とは異なる人体の右手に装着されるマスタ装置を有する関節運動アシストシステムを例示して説明する。また、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
 [構成]
 図1には、一実施形態に係る関節運動アシストシステム100の構成が示されている。図1に示されるように、関節運動アシストシステム100は、関節運動アシスト装置200と、マスタ装置500とを備えている。また、関節運動アシストシステム100は、制御装置800を備えている。ここで、関節運動アシスト装置200は、スレーブ装置に対応している。
 <関節運動アシスト装置200の構成>
 上記の関節運動アシスト装置200の構成ついて、説明する。
 図2には、関節運動アシスト装置200の外観図が示されている。図2は、第1対象物としての「人体HB1の右手HDR1」に装着された関節運動アシスト装置200を、手指の関節が伸展状態にあるときに手背側から眺めた外観図である。図2に示されるように、関節運動アシスト装置200は、手部装着部210と、母指関節運動アシスト部2301と、手指関節運動アシスト部2302,2303,2304,2305とを備えている。
 なお、以下の説明では、母指関節運動アシスト部2301及び手指関節運動アシスト部2302,2303,2304,2305を総称して、「手指関節運動アシスト部230j(j=1,…,5)」とも記す。また、以下の説明では、母指関節運動アシスト部2301以外の手指関節運動アシスト部2302,2303,2304,2305を総称する場合には、「手指関節運動アシスト部230k(k=2,…,5)」とも記す。
 《手部装着部210》
 上記の手部装着部210について、説明する。手部装着部210は、例えば、布製の部材であり、右手HDR1の手背及び手掌に装着される。手部装着部210には、母指関節運動アシスト部2301の一方側の部分が取り付けられる。
 また、手部装着部210には、手指関節運動アシスト部2302,2303,2304,2305の一方側の部分が取り付けられる。そして、手部に手部装着部210が装着されている状態では、手指関節運動アシスト部230j(j=1,…,5)は、手背側の指部に配置されるようになっている。
 《母指関節運動アシスト部2301の構成》
 上記の母指関節運動アシスト部2301の構成について、説明する。
 母指関節運動アシスト部2301は、母指の関節運動をアシストする。母指関節運動アシスト部2301は、手部装着部210が手部に装着されている状態で、母指の指(末節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。
 母指関節運動アシスト部2301は、図2及び図3(A),(B)により総合的に示されるように、ベローズ3421,3431と、配管3321,3331と、伝達部材3211,3231,3241とを備えている。また、母指関節運動アシスト部2301は、第1検出部4121,4131と、母指装着部3901とを備えている。ここで、ベローズ3421,3431は、垂直配置ベローズに対応している。
 なお、図3(A),(B)における座標系(X1,Y1,Z1)は、母指が伸びている状態で、指先方向を+Y1方向、指の手掌側である指の腹(以下、「指腹」とも記す)側から指の手背側である指の背(以下、「指背」とも記す)側へ向かう方向を+Z1方向、Y1方向及びZ1方向に直交し、小指側へと向かう方向を+X1方向とする座標系である。ここで、図3(A)は、母指に装着された母指関節運動アシスト部2301を、+Z1方向側から視た図である。また、図3(B)は、母指に装着された母指関節運動アシスト部2301を、-X1方向側から視た図である。
 上記のベローズ3421は、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、母指の第1関節の関節軸の周りに沿って、指背側に配置される。ベローズ3421の一方側(図3における「-Y1方向側」)端部は、伝達部材3231の他方側の端部側(図3における「+Y1方向側」)に形成された他方側接続部に接続される。ベローズ3421の他方側端部は、伝達部材3211の一方側の端部側に形成された接続部に接続される。こうして配置されたベローズ3421は、第1関節の関節運動をアシストする力を発生する。
 上記のベローズ3431は、ベローズ3421と同様に、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、母指の第2関節の関節軸の周りに沿って、指背側に配置される。ベローズ3431の一方側端部は、伝達部材3241の他方側(ベローズ3431側)の端部側に形成された接続部に接続される。ベローズ3431の他方側端部は、伝達部材3231の一方側の端部側に形成された一方側接続部に接続される。こうして配置されたベローズ3431は、第2関節の関節運動をアシストする力を発生する。
 ここで、ベローズ3421には、可撓性を有する樹脂製の配管3321が取り付けられ、当該ベローズ3421は、配管3321を介して制御装置800と連通している。そして、ベローズ3421内の空気圧が変化すると、当該ベローズ3421が膨縮する。この結果、ベローズ3421が上述した関節運動をアシストする力を発生させる。
 また、ベローズ3431には、可撓性を有する樹脂製の配管3331が取り付けられ、当該ベローズ3431は、配管3331を介して制御装置800と連通している。そして、ベローズ3431内の空気圧が変化すると、当該ベローズ3431が膨縮する。この結果、ベローズ3431が上述した関節運動をアシストする力を発生させる。
 上記の伝達部材3211は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、一方側の端部に略直立して指背の方向に沿って延びる板状の接続部が形成されている。伝達部材3211の長板部の一方側の端部には、ベローズ3421を介して、伝達部材3231が接続されている。そして、伝達部材3211の一方側の端部の接続部は、ベローズ3421の他方側端部に接続されている。ここで、伝達部材3211の長板部の一方側の端部は、右手に関節運動アシスト装置200が装着されている時において、母指の第1関節の関節軸を回動軸にして、回動可能に伝達部材3231に接続されるようになっている。
 また、伝達部材3211の接続部には、第1検出部4121の後述する磁石4221が取り付けられている。この伝達部材3211の長板部は、母指装着部3901を介して、母指の末節部位に装着される。ここで、関節運動をアシストするアシスト対象関節(以下、単に「アシスト対象関節」とも記す)を第1関節とした場合に、伝達部材3211は、他方側部材に対応している。
 上記の伝達部材3231は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部の一方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の一方側接続部が形成されている。また、当該長板部の他方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の他方側接続部が形成されている。この他方側接続部には、配管3321、配線4421を挿入する挿入穴が成型されている。
 伝達部材3231の長板部の一方側の端部には、ベローズ3431を介して、伝達部材3241が接続されている。そして、伝達部材3231の一方側接続部は、ベローズ3431の他方側端部に接続されている。ここで、伝達部材3231の長板部の一方側の端部は、右手に関節運動アシスト装置200が装着されている時において、母指の第2関節の関節軸を回動軸にして、回動可能に伝達部材3241に接続されるようになっている。
 また、伝達部材3231の長板部の他方側の端部には、ベローズ3421を介して、伝達部材3211が接続されている。そして、伝達部材3231の他方側接続部は、ベローズ3421の一方側端部に接続されている。
 また、伝達部材3231の一方側接続部には、第1検出部4131の後述する磁石4231が取り付けられている。また、伝達部材3231の他方側接続部には、第1検出部4121の後述する磁気センサ4321が取り付けられている。この伝達部材3231の長板部は、母指装着部3901を介して、母指の基節部位に装着される。
 ここで、伝達部材3231の他方側接続部及び長板部は、アシスト対象関節を第1関節とした場合に、一方側部材に対応している。また、伝達部材3231の一方側接続部及び長板部は、アシスト対象関節を第2関節とした場合に、他方側部材に対応している。
 上記の伝達部材3241は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、他方側の端部に略直立して指背の方向に沿って延びる板状の接続部が形成されている。この接続部には、配管3331、配線4431を挿入する挿入穴が成型されている。伝達部材3241の長板部の他方側の端部には、ベローズ3431を介して、伝達部材3231が接続されている。そして、伝達部材3241の他方側の端部の接続部は、ベローズ3431の一方側端部に接続されている。
 また、伝達部材3241の接続部には、第1検出部4131の後述する磁気センサ4331が取り付けられている。この伝達部材3241の長板部は、母指装着部3901を介して、母指の中手に装着される。ここで、伝達部材3241は、アシスト対象関節を第2関節とした場合に、一方側部材に対応している。
 上記の第1検出部4121は、磁石4221と、磁気センサ4321とを備えている。
 上記の磁石4221は、本実施形態では、円柱形状の部材である。磁石4221は、伝達部材3211における接続部の-Y1方向側に取り付けられている。本実施形態では、磁石4221の+Y1方向側がS極であり、磁気センサ4321と向き合う磁石4221の-Y1方向側がN極になっている。
 上記の磁気センサ4321は、磁石4221と対向するように、伝達部材3231における他方側接続部の+Y1方向側に取り付けられている。そして、磁気センサ4321は、配線4421を介して、制御装置800に接続されている。
 本実施形態では、この磁気センサ4321は、受磁束面における磁束密度に応じた電圧を出力するホール素子を備えて構成され、当該ホール素子が出力する電圧値を検出する。そして、磁気センサ4321による検出結果は、第1検出値DA21として制御装置800へ送られる。図4には、関節運動アシスト装置200を、実際に人体の手指に装着して、手指の屈曲角度を変化させたときの磁気センサの出力特性が示されている。図4に示されるように、手指の屈曲角度と、磁気センサの出力電圧とは、1対1対応になっている。
 すなわち、磁気センサ4321は、伝達部材3211に取り付けられた磁石4221と、伝達部材3231に取り付けられた磁気センサ4321との間の距離、及び、伝達部材3211の長板部が延びる方向と伝達部材3231の長板部が延びる方向とが成す角度に対応する電圧値を出力する。このため、磁気センサ4321が出力する電圧値は、第1関節の屈曲又は伸展に対応して、伝達部材3211の長板部が第1関節に向かって延びる方向と、伝達部材3231の長板部が第1関節に向かって延びる方向とが成す角度(第1角度)を反映した物理量となっている。
 上記の第1検出部4131は、磁石4231と、磁気センサ4331とを備えている。
 上記の磁石4231は、磁石4221と同様に構成された円柱形状の部材である。磁石4231は、伝達部材3231における一方側接続部の-Y1方向側に取り付けられている。本実施形態では、磁気センサ4331と向き合う磁石4231の-Y1方向側がN極になっている。
 上記の磁気センサ4331は、磁石4231と対向するように、伝達部材3241における接続部の+Y1方向側に取り付けられている。そして、磁気センサ4331は、配線4431を介して、制御装置800に接続されている。
 この磁気センサ4331は、磁気センサ4321と同様に、ホール素子型のセンサであり、ホール素子が出力する電圧値を検出する。そして、磁気センサ4331による検出結果は、第1検出値DA31として制御装置800へ送られる。
 すなわち、磁気センサ4331は、伝達部材3231に取り付けられた磁石4231と、伝達部材3241に取り付けられた磁気センサ4331との間の距離、及び、伝達部材3231の長板部が延びる方向と伝達部材3241の長板部が延びる方向とが成す角度に対応する電圧値を出力する。このため、磁気センサ4331が出力する電圧値は、第2関節の屈曲又は伸展に対応して、伝達部材3231の長板部が第2関節に向かって延びる方向と、伝達部材3241の長板部が第2関節に向かって延びる方向とが成す角度(第1角度)を反映した物理量となっている。
 上記の母指装着部3901は、母指の指(末節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。母指装着部3901は、装着部材3911と、指サック3921と、バンド部材3931とを備えている。
 上記の装着部材3911は、弾力性を有する長形状の部材であり、母指が延びる方向に沿って、母指の指及び中手の手背側に配置される。装着部材3911の+Z1方向側には、伝達部材3211,3231,3241の長板部が固定されている。また、装着部材3911における伝達部材3241が固定されている部分の反対側(-Z1方向側)には、手部装着部210が取り付けられている。
 ここで、伝達部材3211と伝達部材3231との間の第1関節上に装着される装着部材3911が、第1拘束部材に対応している。また、伝達部材3231と伝達部材3241との間の第2関節上に装着される装着部材3911が、第1拘束部材に対応している。
 上記の指サック3921は、例えば、皮製の部材であり、装着部材3911の指先側に固定される。そして、指サック3921は、母指関節運動アシスト部2301を母指に装着する際に、母指の指先に固定される。上記のバンド部材3931は、例えば、長形状の布製の部材であり、基節部位と伝達部材3231の長板部とを固定する。
 《手指関節運動アシスト部230k(k=2,…,5)の構成》
 上記の手指関節運動アシスト部230k(k=2,…,5)の構成について、説明する。
 手指関節運動アシスト部2302は、示指の関節運動をアシストする。また、手指関節運動アシスト部2303は、中指の関節運動をアシストする。また、手指関節運動アシスト部2304は、薬指の関節運動をアシストする。また、手指関節運動アシスト部2305は、小指の関節運動をアシストする。手指関節運動アシスト部230k(k=2,…,5)のそれぞれは、手部装着部210が手部に装着されている状態で、これらの手指の指(末節部位、中節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。
 図5(A),(B)には、手指関節運動アシスト部230kの代表として、手指関節運動アシスト部2302の構成図が示されている。なお、図5(A),(B)における座標系(X2,Y2,Z2)は、示指が伸びている状態で、指先方向を+Y2方向、指腹側から指背側へ向かう方向を+Z2方向、Y2方向及びZ2方向に直交し、小指側へと向かう方向を+X2方向とする座標系である。
 ここで、図5(A)は、示指に装着された手指関節運動アシスト部2302を、+Z2方向側から視た図である。また、図5(B)は、示指に装着された手指関節運動アシスト部2302を、-X2方向側から視た図である。本実施形態では、手指関節運動アシスト部2303,2304,2305についても、手指関節運動アシスト部2302と同様に構成されている。
 手指関節運動アシスト部230k(k=2,…,5)のそれぞれは、図2及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、ベローズ341k,342k,343kと、配管331k,332k,333kと、伝達部材321k,322k,323k,324kとを備えている。また、手指関節運動アシスト部230kのそれぞれは、第1検出部412k,413kと、手指装着部390kとを備えている。ここで、ベローズ341k,342k,343kは、垂直配置ベローズに対応している。
 上記のベローズ341kは、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、第1関節の関節軸の周りに沿って、指背側に配置される。ベローズ341kの一方側(図5における「-Yk方向側」)端部は、伝達部材322kの他方側の端部側(図5における「+Yk方向側」)に形成された他方側接続部に接続される。ベローズ341kの他方側端部は、伝達部材321kの一方側の端部側に形成された接続部に接続される。こうして配置されたベローズ341kは、第1関節の関節運動をアシストする力を発生する。
 上記のベローズ342kは、ベローズ341kと同様に、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、第2関節の関節軸の周りに沿って、指背側に配置される。ベローズ342kの一方側端部は、伝達部材323kの他方側の端部側に形成された他方側接続部に接続される。ベローズ342kの他方側端部は、伝達部材322kの一方側の端部側に形成された一方側接続部に接続される。こうして配置されたベローズ342kは、第2関節の関節運動をアシストする力を発生する。
 上記のベローズ343kは、ベローズ341k,342kと同様に、等間隔の環状溝を有する伸縮自在な樹脂製の部材であり、第3関節の関節軸の周りに沿って、当該関節軸に対して略直交する方向側に配置される。ベローズ343kの一方側端部は、伝達部材324kの他方側(ベローズ343k側)の端部側に形成された接続部に接続される。ベローズ343kの他方側端部は、伝達部材323kの一方側の端部側に形成された一方側接続部に接続される。こうして配置されたベローズ343kは、第3関節の関節運動をアシストする力を発生する。
 ここで、ベローズ341kの内部空間とベローズ342kの内部空間は、可撓性を有する樹脂製の配管331kを介して、連通している。また、ベローズ342kには、可撓性を有する樹脂製の配管332kが取り付けられ、当該ベローズ342kは、配管332kを介して制御装置800と連通している。そして、ベローズ341k,342k内の空気圧が変化すると、当該ベローズ341k,342kが膨縮する。この結果、ベローズ341k,342kが上述した関節運動をアシストする力を発生させる。
 また、ベローズ343kには、可撓性を有する樹脂製の配管333kが取り付けられ、当該ベローズ343kは、配管333kを介して制御装置800と連通している。そして、ベローズ343k内の空気圧が変化すると、当該ベローズ343kが膨縮する。この結果、ベローズ343kが上述した関節運動をアシストする力を発生させる。
 上記の伝達部材321kは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、一方側の端部に略直立して指背の方向に沿って延びる板状の接続部が形成されている。伝達部材321kの長板部の一方側の端部には、ベローズ341kを介して、伝達部材322kが接続されている。そして、伝達部材321kの一方側の端部側の接続部は、ベローズ341kの他方側端部に接続されている。ここで、伝達部材321kの長板部の一方側の端部は、右手に関節運動アシスト装置200が装着されている時において、第1関節の関節軸を回動軸にして、回動可能に伝達部材322kに接続されるようになっている。この伝達部材321kの長板部は、手指装着部390kを介して、手指の末節部位に装着される。
 上記の伝達部材322kは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部の一方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の一方側接続部が形成されている。また、当該長板部の他方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の他方側接続部が形成されている。この一方側接続部及び他方側接続部には、配管331kを挿入する挿入穴が成型されている。
 伝達部材322kの長板部の一方側の端部には、ベローズ342kを介して、伝達部材323kが接続されている。そして、伝達部材322kの一方側接続部は、ベローズ342kの他方側端部に接続されている。ここで、伝達部材322kの長板部の一方側の端部は、右手に関節運動アシスト装置200が装着されている時において、第2関節の関節軸を回動軸にして、回動可能に伝達部材323kに接続されるようになっている。
 また、伝達部材322kの長板部の他方側の端部には、ベローズ341kを介して、伝達部材321kが接続されている。そして、伝達部材322kの他方側接続部は、ベローズ341kの一方側端部に接続されている。
 また、伝達部材322kの一方側接続部には、第1検出部412kの後述する磁石422kが取り付けられている。この伝達部材322kの長板部は、手指装着部390kを介して、手指の中節部位に装着される。ここで、伝達部材322kは、アシスト対象関節を第2関節とした場合に、他方側部材に対応している。この伝達部材322kの長板部は、手指装着部390kを介して、手指の中節部位に装着される。
 上記の伝達部材323kは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部の一方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の一方側接続部が形成されている。また、当該長板部の他方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の他方側接続部が形成されている。この他方側接続部には、配管332k、配線442kを挿入する挿入穴が成型されている。
 伝達部材323kの長板部の一方側の端部には、ベローズ343kを介して、伝達部材324kが接続されている。そして、伝達部材323kの一方側接続部は、ベローズ343kの他方側端部に接続されている。ここで、伝達部材323kの長板部の一方側の端部は、右手に関節運動アシスト装置200が装着されている時において、第3関節の関節軸を回動軸にして、回動可能に伝達部材324kに接続されるようになっている。
 また、伝達部材323kの長板部の他方側の端部には、ベローズ342kを介して、伝達部材322kが接続されている。そして、伝達部材323kの他方側接続部は、ベローズ342kの一方側端部に接続されている。
 また、伝達部材323kの一方側接続部には、第1検出部413kの後述する磁石423kが取り付けられている。また、伝達部材323kの他方側接続部には、第1検出部412kの後述する磁気センサ432kが取り付けられている。この伝達部材323kの長板部は、手指装着部390kを介して、手指の基節部位に装着される。
 ここで、伝達部材323kの他方側接続部及び長板部は、アシスト対象関節を第2関節とした場合に、一方側部材に対応している。また、伝達部材323kの一方側接続部及び長板部は、アシスト対象関節を第3関節とした場合に、他方側部材に対応している。
 上記の伝達部材324kは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、他方側の端部に略直立して指背の方向に沿って延びる板状の接続部が形成されている。この接続部には、配管333k、配線443kを挿入する挿入穴が成型されている。伝達部材324kの長板部の他方側の端部には、ベローズ343kを介して、伝達部材323kが接続されている。そして、伝達部材324kの他方側の端部の接続部は、ベローズ343kの一方側端部に接続されている。
 また、伝達部材324kの接続部には、第1検出部413kの後述する磁気センサ433kが取り付けられている。この伝達部材324kの長板部は、手指装着部390kを介して、手指の中手部位上に装着される。ここで、伝達部材324kは、アシスト対象関節を第3関節とした場合に、一方側部材に対応している。
 上記の第1検出部412kは、磁石422kと、磁気センサ432kとを備えている。
 上記の磁石422kは、磁石4221と同様に構成された円柱形状の部材である。磁石422kは、伝達部材322kにおける一方側接続部の-Yk方向側に取り付けられている。本実施形態では、磁気センサ432kと向き合う磁石422kの-Yk方向側がN極になっている。
 上記の磁気センサ432kは、磁石422kと対向するように、伝達部材323kにおける他方側接続部の+Yk方向側に取り付けられている。そして、磁気センサ432kは、配線442kを介して、制御装置800に接続されている。
 この磁気センサ432kは、磁気センサ4321と同様に、ホール素子型のセンサであり、ホール素子が出力する電圧値を検出する。そして、磁気センサ432kによる検出結果は、第1検出値DA2kとして制御装置800へ送られる。
 すなわち、磁気センサ432kは、伝達部材322kに取り付けられた磁石422kと、伝達部材323kに取り付けられた磁気センサ432kとの間の距離、及び、伝達部材322kの長板部が延びる方向と伝達部材323kの長板部が延びる方向とが成す角度に対応する電圧値を出力する。このため、磁気センサ432kが出力する電圧値は、第2関節の屈曲又は伸展に対応して、伝達部材322kの長板部が第2関節に向かって延びる方向と、伝達部材323kの長板部が第2関節に向かって延びる方向とが成す角度(第1角度)を反映した物理量となっている。
 上記の第1検出部413kは、磁石423kと、磁気センサ433kとを備えている。
 上記の磁石423kは、磁石422kと同様に構成された円柱形状の部材である。磁石423kは、伝達部材323kにおける一方側接続部の-Yk方向側に取り付けられている。本実施形態では、磁気センサ433kと向き合う磁石423kの-Yk方向側がN極になっている。
 上記の磁気センサ433kは、磁石423kと対向するように、伝達部材324kにおける接続部の+Yk方向側に取り付けられている。そして、磁気センサ433kは、配線443kを介して、制御装置800に接続されている。
 この磁気センサ433kは、磁気センサ432kと同様に、ホール素子型のセンサであり、ホール素子が出力する電圧値を検出する。そして、磁気センサ433kによる検出結果は、第1検出値DA3kとして制御装置800へ送られる。
 すなわち、磁気センサ433kは、伝達部材323kに取り付けられた磁石423kと、伝達部材324kに取り付けられた磁気センサ433kとの間の距離、及び、伝達部材323kの長板部が延びる方向と伝達部材324kの長板部が延びる方向とが成す角度に対応する電圧値を出力する。このため、磁気センサ433kが出力する電圧値は、第3関節の屈曲又は伸展に対応して、伝達部材3231の長板部が第3関節に向かって延びる方向と、伝達部材3241の長板部が第3関節に向かって延びる方向とが成す角度(第1角度)を反映した物理量となっている。
 上記の手指装着部390k(k=2,…,5)は、手指の指(末節部位、中節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。手指装着部390k(k=2,…,5)のそれぞれは、装着部材391kと、指サック392kと、バンド部材393k,396kとを備えている。
 上記の装着部材391kは、弾力性を有する長形状の部材であり、手指が延びる方向に沿って、手指の指及び中手の手背側に配置される。装着部材391kの+Zk方向側には、伝達部材321k,322k,323k,324kの長板部が固定されている。また、装着部材391kにおける伝達部材324kが固定されている部分の反対側(-Zk方向側)には、手部装着部210が取り付けられている。
 ここで、伝達部材321kと伝達部材322kとの間の第1関節上に装着される装着部材391kが、第1拘束部材に対応している。また、伝達部材322kと伝達部材323kとの間の第2関節上に装着される装着部材391kが、第1拘束部材に対応している。また、伝達部材3231と伝達部材3241との間の第3関節上に装着される装着部材391kが、第1拘束部材に対応している。
 上記の指サック392kは、例えば、皮製の部材であり、装着部材391kの指先側に固定される。そして、指サック392kは、手指関節運動アシスト部230kを手指に装着する際に、手指の指先に固定される。上記のバンド部材393k,396kは、例えば、長形状の布製の部材である。そして、バンド部材393kは、中節部位と伝達部材322kの長板部とを固定する。バンド部材396kは、基節部位と伝達部材323kの長板部とを固定する。
 <マスタ装置500の構成>
 上記のマスタ装置500の構成ついて、説明する。
 図6には、マスタ装置500の外観図が示されている。図6は、第2対象物としての「人体HB2の右手HDR2(関節運動アシスト装置200が装着される人とは別の人の右手)」に装着されたマスタ装置500を、手指の関節が伸展状態にあるときに手背側から眺めた外観図である。図6に示されるように、マスタ装置500は、手部装着部510と、母指マスタ部5301と、手指マスタ部530k(k=2,…,5)とを備えている。本実施形態では、「人体HB2の右手HDR2」は、「人体HB1の右手HDR1」と合同対称性を有している。この「合同対称性」とは、完全な合同以外にほぼ合同である場合も含む。
 なお、以下の説明では、母指マスタ部5301及び手指マスタ部530k(k=2,…,5)を総称して、「手指マスタ部530j(j=1,…,5)」とも記す。
 《手部装着部510》
 上記の手部装着部510について、説明する。手部装着部510は、例えば、布製の部材であり、右手HDR2の手背及び手掌に装着される。手部装着部510には、母指マスタ部5301の一方側の部分が取り付けられる。
 また、手部装着部510には、手指マスタ部530k(k=2,…,5)の一方側の部分が取り付けられる。そして、手部に手部装着部510が装着されている状態では、母指マスタ部5301及び手指マスタ部530j(k=2,…,5)は、手背側の指部に配置されるようになっている。
 《母指マスタ部5301の構成》
 上記の母指マスタ部5301の構成について、説明する。
 母指マスタ部5301は、手部装着部510が手部に装着されている状態で、母指の指(末節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。母指マスタ部5301は、図6及び図7(A),(B)により総合的に示されるように、伝達部材6211,6231,6241を備えている。また、母指マスタ部5301は、第2検出部7121,7131と、母指装着部6901とを備えている。
 なお、図7(A),(B)における座標系(U1,V1,W1)は、母指が伸びている状態で、指先方向を+V1方向、指腹側から指背側へ向かう方向を+W1方向、V1方向及びW1方向に直交し、小指側へと向かう方向を+U1方向とする座標系である。ここで、図7(A)は、母指に装着された母指マスタ部5301を、+W1方向側から視た図である。また、図7(B)は、母指に装着された母指マスタ部5301を、-U1方向側から視た図である。
 上記の伝達部材6211は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、一方側の端部に略直立して指背の方向に沿って延びる板状の接続部が形成されている。伝達部材6211の接続部には、第2検出部7121の後述する磁石7221が取り付けられている。この伝達部材6211の長板部は、母指装着部6901を介して、母指の末節部位に装着される。ここで、伝達部材6211は、アシスト対象関節を第1関節とした場合に、他方側対応部材に対応している。
 上記の伝達部材6231は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部の一方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の一方側接続部が形成されている。また、当該長板部の他方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の他方側接続部が形成されている。
 伝達部材6231の一方側接続部には、第2検出部7131の後述する磁石7231が取り付けられている。また、伝達部材6231の他方側接続部には、第2検出部7121の後述する磁気センサ7321が取り付けられている。そして、伝達部材6231の他方側接続部には、配線7421を挿入する挿入穴が成型されている。この伝達部材6231の長板部は、母指装着部6901を介して、母指の基節部位に装着される。
 ここで、伝達部材6231の他方側接続部及び長板部は、アシスト対象関節を第1関節とした場合に、一方側対応部材に対応している。また、伝達部材6231の一方側接続部及び長板部は、アシスト対象関節を第2関節とした場合に、他方側対応部材に対応している。
 上記の伝達部材6241は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、他方側の端部に略直立して指背の方向に沿って延びる板状の接続部が形成されている。伝達部材6241の接続部には、第2検出部7131の後述する磁気センサ7331が取り付けられている。そして、伝達部材6241の接続部には、配線7431を挿入する挿入穴が成型されている。この伝達部材6241の長板部は、母指装着部6901を介して、母指の中手に装着される。ここで、伝達部材6241は、アシスト対象関節を第2関節とした場合に、一方側対応部材に対応している。
 なお、本実施形態では、伝達部材6211,6241における接続部の指背方向に沿った長さは、伝達部材3211,3241における接続部の指背方向に沿った長さに比べて、短くなっている。また、本実施形態では、伝達部材6231における一方側接続部及び他方側接続部の指背方向に沿った長さは、伝達部材3231における接続部の指背方向に沿った長さに比べて、短くなっている(図3及び図7参照)。
 上記の第2検出部7121は、磁石7221と、磁気センサ7321とを備えている。
 上記の磁石7221は、関節運動アシスト装置200の磁石4221と同様に構成された円柱形状の部材である。磁石7221は、伝達部材6211における接続部の-V1方向側に取り付けられている。本実施形態では、磁気センサ7321と向き合う磁石7221の-V1方向側がN極になっている。
 上記の磁気センサ7321は、磁石7221と対向するように、伝達部材6231における他方側接続部の+V1方向側に取り付けられている。そして、磁気センサ7321は、配線7421を介して、制御装置800に接続されている。
 この磁気センサ7321は、関節運動アシスト装置200の磁気センサ4321と同様に構成されたホール素子型のセンサであり、ホール素子が出力する電圧値を検出する。そして、磁気センサ7321による検出結果は、第2検出値DM21として制御装置800へ送られる。
 すなわち、磁気センサ7321は、伝達部材6211に取り付けられた磁石7221と、伝達部材6231に取り付けられた磁気センサ7321との間の距離、及び、伝達部材6211の長板部が延びる方向と伝達部材6231の長板部が延びる方向とが成す角度に対応する電圧値を出力する。このため、磁気センサ7321が出力する電圧値は、第1関節の屈曲又は伸展に対応して、伝達部材6211の長板部が第1関節に向かって延びる方向と、伝達部材6231の長板部が第1関節に向かって延びる方向とが成す角度(第2角度)を反映した物理量となっている。
 上記の第2検出部7131は、磁石7231と、磁気センサ7331とを備えている。
 上記の磁石7231は、関節運動アシスト装置200の磁石4231と同様に構成された円柱形状の部材である。磁石7231は、伝達部材6231における一方側接続部の-V1方向側に取り付けられている。本実施形態では、磁気センサ7331と向き合う磁石7231の-V1方向側がN極になっている。
 上記の磁気センサ7331は、磁石7231と対向するように、伝達部材6241における接続部の+V1方向側に取り付けられている。そして、磁気センサ7331は、配線7431を介して、制御装置800に接続されている。
 この磁気センサ7331は、関節運動アシスト装置200の磁気センサ4331と同様に構成されたホール素子型のセンサであり、ホール素子が出力する電圧値を検出する。そして、磁気センサ7331による検出結果は、第2検出値DM31として制御装置800へ送られる。
 すなわち、磁気センサ7331は、伝達部材6231に取り付けられた磁石7231と、伝達部材6241に取り付けられた磁気センサ7331との間の距離、及び、伝達部材6231の長板部が延びる方向と伝達部材6241の長板部が延びる方向とが成す角度に対応する電圧値を出力する。このため、磁気センサ7331が出力する電圧値は、第2関節の屈曲又は伸展に対応して、伝達部材6231の長板部が第2関節に向かって延びる方向と、伝達部材6241の長板部が第2関節に向かって延びる方向とが成す角度(第2角度)を反映した物理量となっている。
 上記の母指装着部6901は、母指の指(末節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。母指装着部6901は、装着部材6911と、指サック6921と、バンド部材6931とを備えている。
 上記の装着部材6911は、弾力性を有する長形状の部材であり、母指が延びる方向に沿って、母指の指及び中手の手背側に配置される。装着部材6911の+W1方向側には、伝達部材6211,6231,6241の長板部が固定されている。また、装着部材6911における伝達部材6241が固定されている部分の反対側(-W1方向側)には、手部装着部510が取り付けられている。
 ここで、伝達部材6211と伝達部材6231との間の第1関節上に装着される装着部材6911が、第2拘束部材に対応している。また、伝達部材6231と伝達部材6241との間の第2関節上に装着される装着部材3911が、第2拘束部材に対応している。
 上記の指サック6921は、例えば、皮製の部材であり、装着部材6911の指先側に固定される。そして、指サック6921は、母指マスタ部5301を母指に装着する際に、母指の指先に固定される。上記のバンド部材6931は、例えば、長形状の布製の部材であり、基節部位と伝達部材6231の長板部とを固定する。
 《手指マスタ530k(k=2,…,5)の構成》
 上記の手指マスタ部530k(k=2,…,5)の構成について、説明する。
 手指マスタ部5302は、手部装着部510が手部に装着されている状態で、示指の指(末節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。また、手指マスタ部5303は、手部装着部510が手部に装着されている状態で、中指の指(末節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。また、手指マスタ部5304は、手部装着部510が手部に装着されている状態で、薬指の指(末節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。また、手指マスタ部5305は、手部装着部510が手部に装着されている状態で、小指の指(末節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。
 図8(A),(B)には、手指マスタ部530kの代表として、手指マスタ部5302の構成図が示されている。なお、図8(A),(B)における座標系(U2,V2,W2)は、示指が伸びている状態で、指先方向を+V2方向、指腹側から指背側へ向かう方向を+W2方向、V2方向及びW2方向に直交し、小指側へと向かう方向を+U2方向とする座標系である。
 ここで、図8(A)は、示指に装着された手指マスタ部5302を、+W2方向側から視た図である。また、図8(B)は、示指に装着された手指マスタ部5302を、-U2方向側から視た図である。本実施形態では、手指マスタ部5303,5304,5305についても、手指マスタ部5302と同様に構成されている。
 手指マスタ部530k(k=2,…,5)のそれぞれは、図6及び図8(A),(B)により総合的に示されるように、伝達部材621k,622k,623k,624kを備えている。また、手指マスタ部530kのそれぞれは、第2検出部712k,713kと、手指装着部690kとを備えている。
 上記の伝達部材621kは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、一方側の端部に略直立して指背の方向に沿って延びる板状の接続部が形成されている。この伝達部材621kの長板部は、手指装着部690kを介して、手指の末節部位に装着される。なお、この伝達部材621kは、手指マスタ部530kの構成要素から、省略してもよい。
 上記の伝達部材622kは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部の一方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の一方側接続部が形成されている。また、当該長板部の他方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の他方側接続部が形成されている。伝達部材622kの一方側接続部には、第2検出部712kの後述する磁石722kが取り付けられている。この伝達部材622kの長板部は、手指装着部690kを介して、手指の中節部位に装着される。ここで、伝達部材622kは、アシスト対象関節を第2関節とした場合に、他方側対応部材に対応している。
 上記の伝達部材623kは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部の一方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の一方側接続部が形成されている。また、当該長板部の他方の端部には、略直立して指背の方向に沿って延びる板状の他方側接続部が形成されている。
 伝達部材623kの一方側接続部には、第2検出部713kの後述する磁石723kが取り付けられている。また、伝達部材623kの他方側接続部には、第2検出部712kの後述する磁気センサ732kが取り付けられている。そして、伝達部材623kの他方側接続部には、配線742kを挿入する挿入穴が成型されている。この伝達部材623kの長板部は、手指装着部690kを介して、手指の基節部位に装着される。
 ここで、伝達部材623kの他方側接続部及び長板部は、アシスト対象関節を第2関節とした場合に、一方側対応部材に対応している。また、伝達部材623kの一方側接続部及び長板部は、アシスト対象関節を第3関節とした場合に、他方側対応部材に対応している。
 上記の伝達部材624kは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板部を有している。そして、当該長板部には、他方側の端部に略直立して指背の方向に沿って延びる板状の接続部が形成されている。伝達部材624kの接続部には、第2検出部713kの後述する磁気センサ733kが取り付けられている。そして、伝達部材624kの接続部には、配線743kを挿入する挿入穴が成型されている。この伝達部材624kの長板部は、手指装着部690kを介して、手指の中手部位上に装着される。ここで、伝達部材624kは、アシスト対象関節を第3関節とした場合に、一方側対応部材に対応している。
 なお、本実施形態では、伝達部材621k,624kにおける接続部の指背方向に沿った長さは、伝達部材321k,324kにおける接続部の指背方向に沿った長さに比べて、短くなっている。また、本実施形態では、伝達部材622k,623kにおける一方側接続部及び他方側接続部の指背方向に沿った長さは、伝達部材322k,323kにおける一方側接続部及び他方側接続部の指背方向に沿った長さに比べて、短くなっている(図5及び図8参照)。
 上記の第2検出部712kは、磁石722kと、磁気センサ732kとを備えている。
 上記の磁石722kは、関節運動アシスト装置200の磁石422kと同様に構成された円柱形状の部材である。磁石722kは、伝達部材622kにおける一方側接続部の-Vk方向側に取り付けられている。本実施形態では、磁気センサ732kと向き合う磁石722kの-Vk方向側がN極になっている。
 上記の磁気センサ732kは、磁石722kと対向するように、伝達部材623kにおける他方側接続部の+Vk方向側に取り付けられている。そして、磁気センサ732kは、配線742kを介して、制御装置800に接続されている。
 この磁気センサ732kは、関節運動アシスト装置200の磁気センサ4321と同様に構成されたホール素子型のセンサであり、ホール素子が出力する電圧値を検出する。そして、磁気センサ732kによる検出結果は、第2検出値DM2kとして制御装置800へ送られる。
 すなわち、磁気センサ732kは、伝達部材622kに取り付けられた磁石722kと、伝達部材623kに取り付けられた磁気センサ732kとの間の距離、及び、伝達部材622kの長板部が延びる方向と伝達部材623kの長板部が延びる方向とが成す角度に対応する電圧値を出力する。このため、磁気センサ732kが出力する電圧値は、第2関節の屈曲又は伸展に対応して、伝達部材622kの長板部が第2関節に向かって延びる方向と、伝達部材623kの長板部が第2関節に向かって延びる方向とが成す角度(第2角度)を反映した物理量となっている。
 上記の第2検出部713kは、磁石723kと、磁気センサ733kとを備えている。
 上記の磁石723kは、関節運動アシスト装置200の磁石423kと同様に構成された円柱形状の部材である。磁石723kは、伝達部材623kにおける一方側接続部の-Vk方向側に取り付けられている。本実施形態では、磁気センサ733kと向き合う磁石723kの-Vk方向側がN極になっている。
 上記の磁気センサ733kは、磁石723kと対向するように、伝達部材624kにおける接続部の+Vk方向側に取り付けられている。そして、磁気センサ733kは、配線743kを介して、制御装置800に接続されている。
 この磁気センサ733kは、関節運動アシスト装置200の磁気センサ4331と同様に構成されたホール素子型のセンサであり、ホール素子が出力する電圧値を検出する。そして、磁気センサ733kによる検出結果は、第2検出値DM3kとして制御装置800へ送られる。
 すなわち、磁気センサ733kは、伝達部材623kに取り付けられた磁石723kと、伝達部材624kに取り付けられた磁気センサ733kとの間の距離、及び、伝達部材623kの長板部が延びる方向と伝達部材624kの長板部が延びる方向とが成す角度に対応する電圧値を出力する。このため、磁気センサ733kが出力する電圧値は、第3関節の屈曲又は伸展に対応して、伝達部材6231の長板部が第3関節に向かって延びる方向と、伝達部材6241の長板部が第3関節に向かって延びる方向とが成す角度(第2角度)を反映した物理量となっている。
 上記の手指装着部690k(k=2,…,5)は、手指の指(末節部位、中節部位、基節部位)及び中手部位上に装着される。手指装着部690k(k=2,…,5)のそれぞれは、装着部材691kと、指サック692kと、バンド部材693k,696kとを備えている。
 上記の装着部材691kは、弾力性を有する長形状の部材であり、手指が延びる方向に沿って、手指の指及び中手の手背側に配置される。装着部材691kの+Wk方向側には、伝達部材621k,622k,623k,624kの長板部が固定されている。また、装着部材691kにおける伝達部材624kが固定されている部分の反対側(-Wk方向側)には、手部装着部510が取り付けられている。
 ここで、伝達部材621kと伝達部材622kとの間の第1関節上に装着される装着部材691kが、第2拘束部材に対応している。また、伝達部材622kと伝達部材623kとの間の第2関節上に装着される装着部材691kが、第2拘束部材に対応している。また、伝達部材623kと伝達部材624kとの間の第3関節上に装着される装着部材691kが、第2拘束部材に対応している。
 上記の指サック692kは、例えば、皮製の部材であり、装着部材691kの指先側に固定される。そして、指サック692kは、手指マスタ部530kを手指に装着する際に、手指の指先に固定される。上記のバンド部材693k,696kは、例えば、長形状の布製の部材である。そして、バンド部材693kは、中節部位と伝達部材622kの長板部とを固定する。バンド部材696kは、基節部位と伝達部材623kの長板部とを固定する。
 <制御装置800の構成>
 上記の制御装置800の構成について、説明する。
 制御装置800は、配管3321を介して母指関節運動アシスト部2301のベローズ3421と連通している。また、制御装置800は、配管3331を介して母指関節運動アシスト部2301のベローズ3431と連通している。また、制御装置800は、配管332kを介して手指関節運動アシスト部230kのベローズ341k,342kと連通している。さらに、制御装置800は、配管333kを介して手指関節運動アシスト部230kのベローズ343kと連通している。以下の説明においては、これらのベローズを総称して、単に「ベローズ」とも記す。
 また、制御装置800は、配線442jを介して関節運動アシスト装置200の第1検出部412jと接続している。また、制御装置800は、配線443jを介して関節運動アシスト装置200の第1検出部413jと接続している。さらに、制御装置800は、配線742jを介してマスタ装置500の第2検出部712jと接続している。また、制御装置800は、配管743jを介してマスタ装置500の第2検出部713jと接続している。
 制御装置800は、図9に示されるように、加圧ポンプ811と、減圧ポンプ812と、電気-空気圧制御弁813と、制御ユニット814とを備えている。また、制御装置800は、配管815,816を備えている。ここで、電気-空気圧制御弁813が空気圧設定部に対応し、制御ユニット814が空気圧制御部に対応している。
 上記の加圧ポンプ811は、配管815を介して、電気-空気圧制御弁813のポンプ側接続口の一方側に接続されている。加圧ポンプ811は、ベローズへの空気の強制的供給を行う際に利用される。上記の減圧ポンプ812は、配管816を介して、電気-空気圧制御弁813のポンプ側接続口の他方側に接続されている。減圧ポンプ812は、ベローズからの空気の強制的排出を行う際に、利用される。
 上記の電気-空気圧制御弁813は、流路切換弁と、圧力制御弁(比例ソレノイドバルブ)とを備えて構成されている。流路切換弁の入口側の一方が加圧ポンプ811に接続され、流路切換弁の入口側の他方が減圧ポンプ812に接続されている。
 そして、流路切換弁は、制御ユニット814による制御のもとで、ベローズへの空気の強制的供給を行う際には、配管815を介して、加圧ポンプ811と、指定されたベローズに連通している配管とを接続して流路を形成する。また、流路切換弁は、制御ユニット814による制御のもとで、ベローズからの空気の強制的排出を行う際には、配管816を介して、減圧ポンプ812と、指定されたベローズに連通している配管とを接続して流路を形成する。
 例えば、母指関節運動アシスト部2301のベローズ3421への空気の強制的供給を行う際には、流路切換弁は、配管815と配管3321とを接続して流路を形成する。また、ベローズ3421からの空気の強制的排出を行う際には、流路切換弁は、配管816と配管3321とを接続して流路を形成する。さらに、ベローズ3431への空気の強制的供給を行う際には、流路切換弁は、配管815と配管3331とを接続して流路を形成する。また、ベローズ3431からの空気の強制的排出を行う際には、流路切換弁は、配管816と配管3331とを接続して流路を形成する。
 また、手指関節運動アシスト部230kのベローズ341k,342kへの空気の強制的供給を行う際には、流路切換弁は、配管815と配管332kとを接続して流路を形成する。また、ベローズ341k,ベローズ342kからの空気の強制的排出を行う際には、流路切換弁は、配管816と配管332kとを接続して流路を形成する。さらに、ベローズ343kへの空気の強制的供給を行う際には、流路切換弁は、配管815と配管333kとを接続して流路を形成する。また、ベローズ343kからの空気の強制的排出を行う際には、流路切換弁は、配管816と配管333kとを接続して流路を形成する。
 上記の制御ユニット814は、ベローズからの空気の排出、及び、ベローズへの空気の供給の切り換えの制御を行う。かかる制御に際して、ベローズへの空気の供給を行う場合には、制御ユニット814は、電気-空気圧制御弁813が加圧ポンプ811と関節運動を行うベローズとを接続する流路を形成し、ベローズ内の空気圧力を調整するように制御する。また、ベローズからの空気からの空気の排出を行う場合には、制御ユニット814は、電気-空気圧制御弁813が減圧ポンプ812と関節運動を行うベローズとを接続する流路を形成し、ベローズ内の空気圧力を調整するように制御する。
 かかる制御に際して、制御ユニット814は、マスタ装置500の第2検出部712j(j=1,…,5)から送られた第2検出値DM2jを受けるとともに、関節運動アシスト装置200の第1検出部412jから送られた第1検出値DA2jを受ける。そして、制御ユニット814は、第1検出値DA2jと第2検出値DM2jとの差の絶対値が所定値以下となるようにフィードバック制御を行い、ベローズ342jへの空気の供給、又は、ベローズ342jからの空気の排出を行う給排制御指令を生成する。こうして生成された給排制御指令は、電気-空気圧制御弁813へ送る。
 また、かかる制御に際して、制御ユニット814は、マスタ装置500の第2検出部713j(j=1,…,5)から送られた第2検出値DM3jを受けるとともに、関節運動アシスト装置200の第1検出部413jから送られた第1検出値DA3jを受ける。そして、制御ユニット814は、第1検出値DA3jと第2検出値DM3jとの差の絶対値が所定値以下となるようにフィードバック制御を行い、ベローズ343jへの空気の供給、又は、ベローズ343jからの空気の排出を行う給排制御指令を生成する。こうして生成された給排制御指令は、電気-空気圧制御弁813へ送られる。こうした制御ユニット814による制御方法として、例えば、公知のPID制御(Proportional-Integral-Derivative Controller)を採用することができる。また、所定値は、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
 [動作]
 以上のようにして構成された関節運動アシストシステム100の動作について、マスタ・スレーブ方式による手指の関節運動のアシスト動作を説明する。
 以下の動作の説明では、マスタ装置500の状態を説明する際に、手指マスタ部530j(j=1,…,5)の代表として、手指マスタ部5302の状態図を参照することがある。また、以下の説明では、関節運動アシスト装置200の状態を説明する際に、手指関節運動アシスト部230j(j=1,…,5)の代表として、手指関節運動アシスト部2302の状態図を参照することがある。
 <関節運動アシスト装置200の関節屈曲状態へのアシスト動作>
 まず、マスタ装置500の装着者が、図10(A)に示されるように、マスタ装置500を装着した手指の全ての関節を屈曲状態にしたとする。制御ユニット814は、こうした屈曲状態でのマスタ装置500の磁気センサ732j(j=1,…,5)から送られた第2検出値DM2j、及び、磁気センサ733jから送られた第2検出値DM3jを受ける。また、制御ユニット814は、関節運動アシスト装置200の磁気センサ432jから送られた第1検出値DA2j、及び、磁気センサ433jから送られた第1検出値DA3jを受ける。
 次に、制御ユニット814は、第2検出値DM2jと第1検出値DA2jとの差、及び、差の絶対値を算出する。そして、制御ユニット814は、当該絶対値が所定値以下になっていない場合には、ベローズ342j内の空気圧を所定圧だけ上昇させるための給排制御指令を生成し、電気-空気圧制御弁813へ送る。
 次いで、制御ユニット814は、ベローズ342j内の空気圧が変更されたときの第1検出値DA2jを、関節運動アシスト装置200の磁気センサ432jから受ける。引き続き、制御ユニット814は、第2検出値DM2jと第1検出値DA2jとの差の絶対値を算出し、当該絶対値が所定値以下となっているか否かを判定する。そして、制御ユニット814は、当該絶対値が所定値以下となっていない場合には、第2検出値DM2jと第1検出値DA2jとの差の絶対値が、所定値以下となるまで、フィードバック制御処理を繰り返す。
 また、制御ユニット814は、第2検出値DM3jと第1検出値DA3jとの差の絶対値を算出する。そして、制御ユニット814は、当該絶対値が所定値以下になっていない場合には、ベローズ343j内の空気圧を所定圧だけ上昇させるための給排制御指令を生成し、電気-空気圧制御弁813へ送る。
 次いで、制御ユニット814は、ベローズ343j内の空気圧が変更されたときの第1検出値DA3jを、関節運動アシスト装置200の磁気センサ433jから受ける。引き続き、制御ユニット814は、第2検出値DM3jと第1検出値DA3jとの差の絶対値を算出し、当該絶対値が所定値以下となっているか否かを判定する。そして、制御ユニット814は、当該絶対値が所定値以下となっていない場合には、第2検出値DM3jと第1検出値DA3jとの差の絶対値が、所定値以下となるまで、フィードバック制御処理を繰り返す。ここで、所定圧は、ベローズ内の空気圧を急激に変化させない観点から、実験、シミュレーション、経験、所定値等に基づいて、予め定められる。
 こうしてベローズ342j内への空気の供給が行われると、母指に装着された手指関節運動アシスト部2301では、ベローズ3421が膨張する。また、示指、中指、薬指及び小指(以下、「四指」とも記す)に装着された手指関節運動アシスト部230k(k=2,…,5)では、ベローズ342k,341kが膨張する。また、こうしてベローズ343j内への空気の供給が行われると、手指関節運動アシスト部230j(j=1,…,5)のベローズ343jが膨張する。この結果、手指関節運動アシスト部230j(j=1,…,5)を装着した手指の関節は、図10(B)に示されるように、屈曲状態になる。
 <関節運動アシスト装置200の関節伸展状態へのアシスト動作>
 引き続き、マスタ装置500の装着者が、手指の全ての関節を、伸展状態にしたとする。上述した図7(A),(B)及び図8(A),(B)には、マスタ装置500を装着する手部の手指が、関節伸展状態となっているときの様子が示されている。
 制御ユニット814は、こうした伸展状態での第2検出値DM2jと第1検出値DA2jとの差の絶対値を算出し、当該絶対値が所定値以下となっているか否かを判定する。そして、制御ユニット814は、当該絶対値が所定値以下となっていない場合には、ベローズ342j内の空気圧を所定圧だけ下降させるための給排制御指令を生成し、電気-空気圧制御弁813へ送る。制御ユニット814は、第2検出値DM2jと第1検出値DA2jとの差の絶対値が所定値以下となるまで、フィードバック制御処理を繰り返す。
 また、制御ユニット814は、第2検出値DM3jと第1検出値DA3jとの差の絶対値を算出し、当該絶対値が所定値以下となっているか否かを判定する。そして、制御ユニット814は、当該絶対値が所定値以下となっていない場合には、ベローズ343j内の空気圧を所定圧だけ下降させるための給排制御指令を生成し、電気-空気圧制御弁813へ送る。制御ユニット814は、第2検出値DM3jと第1検出値DA3jとの差の絶対値が所定値以下となるまで、フィードバック制御処理を繰り返す。
 こうしてベローズ342j内からの空気の排出が行われると、母指に装着された手指関節運動アシスト部2301では、ベローズ3421が収縮する。また、四指に装着された手指関節運動アシスト部230k(k=2,…,5)では、ベローズ342k,341kが収縮する。また、こうしてベローズ343j内からの空気の排出が行われると、手指関節運動アシスト部230j(j=1,…,5)のベローズ343jが収縮する。この結果、手指関節運動アシスト部230j(j=1,…,5)を装着した手指の関節は、上述した図3(A),(B)及び図5(A),(B)に示されるように、伸展状態になる。
 また、マスタ装置500の装着者が、手指の関節を屈曲状態、伸展状態、または、伸展状態と屈曲状態との中間状態へ様々な状態に変化させたときには、第2検出値DM2j,DM3jの値が変化する。そして、制御装置800は、第2検出値DM2jの値の変化に応じて、図4に示される磁気センサの出力特性から、第2検出値DM2jの値から第1検出値DA2jの値を差し引いた値が正の場合には、ベローズ342j内の空気圧を段階的に上昇させて、第1検出値DA2jの値が第2検出値DM2jの値と所定値の範囲内で同じになるように制御する。また、制御装置800は、第2検出値DM2jの値から第1検出値DA2jの値を差し引いた値が負の場合には、ベローズ342j内の空気圧を段階的に下降させて、第1検出値DA2jの値が第2検出値DM2jの値と所定値の範囲内で同じになるように制御する。
 また、制御装置800は、第2検出値DM3jの値の変化に応じて、第2検出値DM3jの値から第1検出値DA3jの値を差し引いた値が正の場合には、図4に示される磁気センサの出力特性から、ベローズ343j内の空気圧を段階的に上昇させて、第1検出値DA3jの値が第2検出値DM3jの値と所定値の範囲内で同じになるように制御する。また、制御装置800は、第2検出値DM3jの値から第1検出値DA3jの値を差し引いた値が負の場合には、ベローズ343j内の空気圧を段階的に下降させて、第1検出値DA3jの値が第2検出値DM3jの値と所定値の範囲内で同じになるように制御する。この結果、関節運動アシスト装置200を装着した手指の関節についても、屈曲状態、伸展状態、または、伸展状態と屈曲状態との中間状態へアシストされる。
 以上説明したように、本実施形態では、関節運動アシスト装置200の手指関節運動アシスト部230j(j=1,…,5)を、人体HB1の右手HDR1の手指に装着する。そして、関節運動アシスト装置200では、磁石422jと磁気センサ432jとが、対向するようにして、関節部分で対向する伝達部材のそれぞれに取り付けられている。また、関節運動アシスト装置200では、磁石423jと磁気センサ433jとが、対向するようにして、他の関節部分で対向する伝達部材のそれぞれに取り付けられている。また、マスタ装置500の手指マスタ部530j(j=1,…,5)を、人体HB2の右手HDR2の手指に装着する。この関節運動アシストシステムにおいて、関節運動アシスト装置200がベローズ及び当該ベローズと連通する配管を備える点を除いて、スレーブ装置とマスタ装置とは、同じ構成になっている。
 こうした構成で、マスタ装置500の装着者が、マスタ装置500を装着した手指の関節を屈曲状態又は伸展状態にすると、制御装置800が、関節の屈曲角度を反映した第2検出値DM2j,DM3jをマスタ装置500から受ける。また、制御装置800は、関節運動アシスト装置200の磁気センサ432jから送られた第1検出値DA2j、及び、磁気センサ433jから送られた第1検出値DA3jを受ける。そして、制御装置800は、第2検出値DM2jと第1検出値DA2jとの差の絶対値が、所定値以下となるようにフィードバック制御を行い、ベローズ342j内の空気圧を変化させる制御を行う。また、制御装置800は、第2検出値DM3jと第1検出値DA3jとの差の絶対値が、所定値以下となるようにフィードバック制御を行い、ベローズ343j内の空気圧を変化させる制御を行う。この結果、マスタ装置500を装着した手部の手指の動きを、関節運動アシスト装置200がトレースし、関節運動をアシストすることができる。
 したがって、本実施形態によれば、関節部分に直接的に装着するセンサを用いずに、関節運動アシスト装置を遠隔動作させ、関節運動を適切にアシストすることができる。
 [実施形態の変形]
 本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
 例えば、上記の実施形態では、母指、示指、中指、薬指及び小指のそれぞれに手指関節運動アシスト部を装着し、母指、示指、中指、薬指及び小指の関節運動をアシストするようにした。これに対して、任意の手指に関節運動アシスト部を装着し、当該任意の手指の関節運動をアシストするようにしてもよい。この場合には、当該任意の手指の数と同数の手指マスタ部を用意すればよい。
 また、上記の実施形態では、人体の右手の手指の運動をアシストする関節運動アシスト装置を有する関節運動アシストシステムについて説明したが、左手の手指の運動をアシストする関節運動アシスト装置を有する関節運動アシストシステムであってもよいことは勿論である。
 また、上記の実施形態では、関節運動アシスト装置を右手に装着する場合に、マスタ装置を、関節運動アシスト装置を装着する人体とは異なる人体の右手に装着するようにした。これに対して、マスタ装置を、当該異なる人体の左手(左右対称性)に装着するようにしてもよい。
 また、上記の実施形態では、マスタ装置を装着する手部は、関節運動アシスト装置を装着する手部と合同対称性を有することとしたが、マスタ装置を装着する手部は、関節運動アシスト装置を装着する手部と相似対称性及び左右対称性の少なくとも1つを有する場合であってもよい。
 また、人体の一方の手部が拘縮し、他方の手部が健常な場合には、関節運動アシスト装置を当該人体の拘縮している手部に装着し、マスタ装置を当該人体の健常な手部(左右対称性)に装着するようにしてもよい。
 また、図11(A),(B)及び図12(A),(B)に示されるように、マスタ装置の伝達部材に板状のガイド部材GM1,GM2,GM3,GM4を取り付けるとともに、関節運動アシスト装置の伝達部材に板状のガイド部材GA1,GA2,GA3,GA4を取り付けるようにしてもよい。この図11(A),(B)及び図12(A),(B)では、マスタ装置では、伝達部材の-Uj方向側にガイド部材を取り付けている図が示されているが、伝達部材の+Uj方向側にもガイド部材が取り付けられている。また、関節運動アシスト装置では、伝達部材の-Xj方向側にガイド部材を取り付けている図が示されているが、伝達部材の+Xj方向側にもガイド部材が取り付けられている。
 ここで、マスタ装置のガイド部材GM1,GM2は、第2関節部分で対向する位置に配置された伝達部材のそれぞれに取り付けられる。このガイド部材GM1,GM2には、軸部材AM1を通す穴が成型されている。そして、軸部材AM1は、第2関節の回動中心軸付近に配置されるようになっている。また、マスタ装置のガイド部材GM3,GM4は、第3関節部分で対向する位置に配置された伝達部材のそれぞれに取り付けられる。このガイド部材GM3,GM4には、軸部材AM3を通す穴が成型されている。そして、軸部材AM3は、第3関節の回動中心軸付近に配置されるようになっている。
 また、関節運動アシスト装置のガイド部材GA1,GA2は、第2関節部分で対向する位置に配置された伝達部材のそれぞれに取り付けられる。このガイド部材GA1,GA2には、軸部材AA1を通す穴が成型されている。そして、軸部材AA1は、第2関節の回動中心軸付近に配置されるようになっている。また、関節運動アシスト装置のガイド部材GA3,GA4は、第3関節部分で対向する位置に配置された伝達部材のそれぞれに取り付けられる。このガイド部材GA3,GA4には、軸部材AA3を通す穴が成型されている。そして、軸部材AA3は、第3関節の回動中心軸付近に配置されるようになっている。
 こうしたガイド部材を、マスタ装置及び関節運動アシスト装置に取り付けることにより、関節運動に際して、マスタ装置では、磁石及び当該磁石に対応する磁気センサのVj軸上でのズレが生じにくくなる。また、関節運動アシスト装置では、磁石及び当該磁石に対応する磁気センサのYj軸上でのズレが生じにくくなる。このため、第1検出部及び第2検出部による検出結果の信頼性を保つことが可能となる。
 また、上記の実施形態では、手指の関節運動をアシストするようにした。これに対して、手首の関節運動をアシストするようにしてもよい。この場合には、図13(A)に示されるように、スレーブ装置側では、ベローズ941Aの他方側端部と接続される伝達部材921Aに、磁石961Aを取り付けるとともに、ベローズ941Aの一方側端部と接続される伝達部材922Aに、磁気センサ971Aを取り付けるようにすればよい。ここで、手首の関節運動をアシストする関節運動アシストシステムでは、磁石961A及び磁気センサ971Aが、第1検出部に対応する。
 そして、マスタ装置側では、図13(B)に示されるように、スレーブ装置の伝達部材921Aの装着位置に対応する位置に装着される伝達部材921Mに磁石961Mを取り付けるとともに、スレーブ装置の伝達部材922Aの装着位置に対応する位置に装着される伝達部材922Mに磁気センサ971Mを取り付けるようにすればよい。ここで、手首の関節運動をアシストする関節運動アシストシステムでは、磁石961M及び磁気センサ971Mが、第2検出部に対応する。
 なお、手首の関節運動をアシストする際にも、関節運動アシスト装置を右手に装着する場合に、マスタ装置を、関節運動アシスト装置を装着する人体とは異なる人体の右手に装着するようにしてよい。また、これに対して、マスタ装置を、当該異なる人体の左手(左右対称性)に装着するようにしてもよい。
 また、手首の関節運動をアシストする際に、マスタ装置を装着する手部は、関節運動アシスト装置を装着する手部と合同対称性、相似対称性及び左右対称性の少なくとも1つを有する場合であってもよい。
 また、手首の関節運動をアシストする際に、人体の一方の手部が拘縮し、他方の手部が健常な場合には、関節運動アシスト装置を当該人体の拘縮している手部に装着し、マスタ装置を当該人体の健常な手部(左右対称性)に装着するようにしてもよい。
 また、上記の実施形態では、関節屈曲状態から関節伸展状態への関節運動、及び、関節伸展状態から関節屈曲状態へ関節運動をアシストした。これに対して、本発明では、鞍関節、球関節、楕円体関節等の他の関節の関節運動についても、アシストすることができる。
 また、上記の実施形態では、第1検出部及び第2検出部のそれぞれは、磁石及び磁気センサから構成されることとした。これに対して、第1検出部及び第2検出部として、例えば、超音波反射センサを採用し、関節部分で対向する伝達部材間の角度を検出するようにしてもよい。
 また、本実施形態においては、樹脂製のベローズを採用したが、伸縮自在であり、人体に装着される装置の重さ等の負担をかけることがない素材であれば、他の素材であってもよい。
 また、本発明の関節運動アシスト装置は、作動流体を空気としたが、他の気体や、水や油等の液体であってもよい。
 本発明の関節運動アシスト装置は、介護や福祉の分野で利用する場合には、リハビリテーション用として装着するだけでなく、力が弱っている者がパワーアシスト用の装置としても利用することができる。また、本発明の関節運動アシスト装置は、介護や福祉の分野以外で、物を掴む等のパワーアシスト装置としても利用することができる。
 また、上記の実施形態においては、人体の関節運動をアシストする関節運動アシストシステムに本発明を適用したが、関節機構を有する人体以外の内骨格形の哺乳類、内骨格形のロボット等の所定対象物の関節運動アシストシステムにも本発明を適用することができる。
 以上説明したように、本発明の関節運動アシストシステムは、所定対象物の関節運動をアシストする関節運動アシストシステムに適用することができる。

Claims (9)

  1.  第1対象物の関節運動をアシストする関節運動アシストシステムであって、
     前記第1対象物に装着されるスレーブ装置と;
     前記第1対象物と合同対称性、相似対称性及び左右対称性のいずれかの対称性を有する構造の第2対象物に装着されるマスタ装置と;
     前記第2対象物における関節運動に対応する関節運動を前記第1対象物が行うように制御する制御装置と;を備え、
     前記スレーブ装置は、
      アシストすべき関節運動ごとに用意され、前記関節運動をアシストする力を発生させる少なくとも1つの伸縮自在なベローズと;
      前記ベローズと連通する配管と;
      前記ベローズの一方側端部に接続されるとともに、前記第1対象物における前記関節運動に関わる関節の一方側部位に装着される一方側部材と;
      前記ベローズの他方側端部に接続されるとともに、前記第1対象物における前記関節の他方側部位に装着される他方側部材と;
      前記一方側部材及び前記他方側部材の少なくとも一方に取り付けられ、前記一方側部位が前記関節との接続部から延びる第1方向と、前記他方側部位が前記関節との接続部から延びる第2方向とが成す第1角度を反映した第1物理量を検出する第1検出部と;を備え、
     前記マスタ装置は、
      前記第1対象物における前記一方側部材の装着位置に対応する位置に装着される一方側対応部材と;
      前記第1対象物における前記他方側部材の装着位置に対応する位置に装着される他方側対応部材と;
      前記一方側対応部材及び前記他方側対応部材の少なくとも一方に取り付けられ、前記第1対象物における前記第1方向に対応する第3方向と、前記第1対象物における前記第2方向に対応する第4方向とが成す第2角度を反映した第2物理量を検出する第2検出部と;を備え、
     前記制御装置は、前記第1物理量と前記第2物理量との差に基づいて、前記配管を介して、前記ベローズ内への作動流体の供給、及び、前記ベローズ内からの作動流体の排出を制御する、
     ことを特徴とする関節運動アシストシステム。
  2.  前記少なくとも1つのベローズには、前記アシストすべき関節の回動運動の回動軸に対して垂直方向に配置された垂直配置ベローズが含まれ、
     前記スレーブ装置は、前記垂直配置ベローズに対する前記関節側において、前記垂直配置ベローズに接続された前記一方側部材と前記垂直配置ベローズに接続された前記他方側部材とを弾性的に拘束し、前記ベローズの伸縮により発生する力を回動力に変換するための支援を行うことにより、前記関節運動のアシストのための回動力を、弾性的に拘束された前記一方側部材及び弾性的に拘束された前記他方側部材を介して、弾性的に拘束された前記一方側部材が装着された一方側部位及び弾性的に拘束された前記他方側部材が装着された他方側部位に伝達する第1拘束部材を更に備え、
     前記マスタ装置は、前記スレーブ装置における第1拘束部材の配置位置に対応する前記マスタ装置の位置に配置され、弾性的に拘束された前記一方側部材に対応する一方側対応部材と弾性的に拘束された前記他方側部材に対応する他方側対応部材とを弾性的に拘束する第2拘束部材を更に備える、
     ことを特徴とする請求項1に記載の関節運動アシストシステム。
  3.  前記第1物理量は、前記一方側部材から前記他方側部材までの距離、及び、前記一方側部材が延びる方向と前記他方側部材が延びる方向とが成す角度より定まる物理量であり、
     前記第2物理量は、前記一方側対応部材から前記他方側対応部材までの距離、及び、前記一方側対応部材が延びる方向と前記他方側対応部材が延びる方向とが成す角度により定まる物理量である、
     ことを特徴とする請求項1又は2に記載の関節運動アシストシステム。
  4.  前記作動流体は空気であり、
     前記制御装置は、
      前記ベローズへの空気の供給、及び、前記ベローズからの空気の排出を行うことにより、前記ベローズ内の空気圧を設定する空気圧設定部と;
      前記第1物理量と前記第2物理量との差に基づいて、前記空気圧設定部による前記ベローズ内の空気圧の設定を制御する空気圧制御部と;
     を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の関節運動アシストシステム。
  5.  前記第1検出部及び前記第2検出部は、磁石及び磁気センサから成る同様に構成された検出部であり、
     前記第1検出部の磁石は、前記一方側部材及び前記他方側部材のうちの一の部材に取り付けられ、前記第1検出部の磁気センサは、前記一方側部材及び前記他方側部材のうちの前記一の部材とは異なる他の部材に取り付けられ、
     前記第2検出部の磁石は、前記一方側対応部材及び前記他方側対応部材のうちの一の対応部材に取り付けられ、前記第2検出部の磁気センサは、前記一方側対応部材及び前記他方側対応部材のうちの前記一の対応部材とは異なる他の対応部材に取り付けられる、
     ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の関節運動アシストシステム。
  6.  前記第1対象物には、人体の一方の手部における手指の少なくとも1つが含まれ、
     前記第2対象物には、前記人体の他方の手部における手指の少なくとも1つが含まれる、
     ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の関節運動アシストシステム。
  7.  前記第1対象物には、人体の手部における手指の少なくとも1つが含まれ、
     前記第2対象物には、前記人体とは異なる人体の手部における手指の少なくとも1つが含まれる、
     ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の関節運動アシストシステム。
  8.  前記第1対象物には、人体の一方の手首部が含まれ、
     前記第2対象物には、前記人体の他方の手首部が含まれる、
     ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の関節運動アシストシステム。
  9.  前記第1対象物には、人体の手首部が含まれ、
     前記第2対象物には、前記人体とは異なる手首部が含まれる、
     ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の関節運動アシストシステム。
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