WO2017094407A1 - 非可逆回路素子、モジュール回路及び通信装置 - Google Patents

非可逆回路素子、モジュール回路及び通信装置 Download PDF

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Abstract

非可逆回路素子において、磁気回転子の入出力電極の短絡を防止すること。 フェライト(20)に複数の中心導体が配置されており、かつ、実装面側に複数の接続用電極を有する磁気回転子(10)と、磁気回転子(10)に直流磁界を印加する永久磁石(31)~(34)と、磁気回転子(10)の天面側及び実装面側にそれぞれ配置されたヨーク(51),(52)と、を備えた非可逆回路素子。磁気回転子(10)の実装面側に配置されたヨーク(52)は、スリット(54)によって少なくとも三つのセグメントに分割されており、磁気回転子(10)側の面の少なくとも一部とスリットとには感光性のレジスト材(55)が設けられている。

Description

非可逆回路素子、モジュール回路及び通信装置
 本発明は、非可逆回路素子、特に、マイクロ波帯で使用されるサーキュレータやアイソレータなどの非可逆回路素子に関し、さらに該素子を備えたモジュール回路及び通信装置に関する。
 サーキュレータやアイソレータなどの非可逆回路素子は、予め定められた特定方向にのみ信号を伝送し、逆方向には伝送しない特性を有している。この特性を利用して、例えば、サーキュレータは、携帯電話などの移動体通信機器のフロントエンド回路に使用されている。
 特許文献1には、中心導体を設けたフェライトと永久磁石を含む組立体を実装基板上に搭載した2ポート型アイソレータが記載されている。このアイソレータでは、実装基板の表面に、送信側又は受信側の入出力端子電極とアンテナ端子電極とグランド端子電極とを導体パターンとして形成していた。しかし、これでは、導体パターン間の距離が短く、アイソレータを実装する際のはんだによって端子電極間が短絡してしまうおそれがあった。
特開2006-238286号公報
 本発明の目的は、磁気回転子の入出力電極の短絡を防止できる非可逆回路素子、モジュール回路及び通信装置を提供することにある。
 本発明の第1の形態である非可逆回路素子は、
 フェライトに複数の中心導体が配置されており、かつ、実装面側に複数の接続用電極を有する磁気回転子と、
 前記磁気回転子に直流磁界を印加する永久磁石と、
 前記磁気回転子の天面側及び実装面側にそれぞれ配置されたヨークと、
 を備えた非可逆回路素子において、
 前記磁気回転子の実装面側に配置されたヨークは、スリットによって少なくとも三つのセグメントに分割されており、
 前記実装面側に配置されたヨークにおいて、前記磁気回転子側の面の少なくとも一部に前記スリットとには感光性のレジスト材が設けられていること、
 を特徴とする。
 本発明の第2の形態であるモジュール回路は、前記非可逆回路素子が、ランドパターンが設けられた実装基板上に搭載されていること、を特徴とする。
 本発明の第3の形態であるモジュール回路は、
 実装基板上に設けられた複数のランドパターンに非可逆回路素子を搭載したモジュール回路であって、
 前記非可逆回路素子は、
  フェライトに複数の中心導体が配置されており、かつ、実装面側に複数の接続用電極を有する磁気回転子と、
  前記磁気回転子に直流磁界を印加する永久磁石と、
  前記磁気回転子の天面側及び実装面側にそれぞれ配置されたヨークと、
 を備え、
  前記磁気回転子の前記実装面側に配置されたヨークは、スリットによって少なくとも三つのセグメントに分割されており、
  前記実装面側に配置されたヨークにおいて、前記磁気回転子側の面の少なくとも一部と前記スリットとには感光性のレジスト材が設けられており、
  前記各接続用電極と、前記実装面側に配置されたヨークとの間には、第1の開口部が設けられており、
  前記各セグメントと前記各ランドパターンとの間には、第2の開口部が設けられており、
  前記磁気回転子に設けた前記各接続用電極と前記各セグメントとは前記第1の開口部を介してはんだで接続されており、
 さらに、前記各セグメントと前記各ランドパターンとは前記第2の開口部を介してはんだで接続されていること、
 を特徴とする。
 本発明の第4の形態であるモジュール回路は、前記非可逆回路素子とパワーアンプとを備えたことを特徴とする。
 本発明の第5の形態である通信装置は、RFICをさらに備えた第4の形態であるモジュール回路とBBICを備えたことを特徴とする。
 前記非可逆回路素子にあっては、実装面側に配置されかつスリットで少なくとも三つに分割されたヨークの各セグメントに、磁気回転子の接続用電極(例えば、入出力端子電極、アンテナ端子電極及びグランド端子電極)がそれぞれはんだにて接続される。各セグメントはスリットで分割され、かつ、レジスト材が設けられているため、短絡することが未然に防止されている。また、非可逆回路素子の製造時において、各セグメントはスリットに設けたレジスト材で連結されており、バラけることなく取扱いが容易である。
 本発明によれば、磁気回転子の入出力電極などの短絡が防止される。
一実施例である非可逆回路素子(3ポート型サーキュレータ)を示す等価回路図である。 図1に示したサーキュレータを構成する磁気回転子を示す分解斜視図である。 図1に示したサーキュレータを示し、(A)は立面図、(B)は天面から見た図、(C)は実装面から見た図である。 ヨークでのレジスト材の配置の一例を示し、(A)は磁気回転子側を示し、(B)は実装基板側を示す、さらに(C)は実装基板を示す斜視図である。 図1に示したサーキュレータの断面図であり、(A)は実装基板に搭載する前の状態を示し、(B)は実装基板に搭載した状態(モジュール)を示す。 図1に示したサーキュレータにおける非可逆回路素子を集合基板から切り出す製造例の説明図である。 図1に示したサーキュレータのヨークに設けたレジスト材の膜厚とフェライトを通過する磁束密度との関係を示すグラフである。 図7に示したグラフを数値化したテーブル図である。 図1に示したサーキュレータのヨークに形成したスリットの幅寸法とフェライトを通過する磁束密度との関係を示すグラフである。 図9に示したグラフを数値化したテーブル図である。 図1に示したサーキュレータを組み込んだフロントエンド回路及び通信装置を示すブロック図である。 ヨークでのレジスト材の配置の他の例を示す説明図であり、(A)は磁気回転子側を示し、(B)は実装基板側を示す。
 以下に、非可逆回路素子、モジュール回路及び通信装置の実施例について添付図面を参照して説明する。なお、各図において同じ部材には共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
 一実施例である非可逆回路素子1は、図1に示す等価回路を有する集中定数型の3ポート型サーキュレータである。即ち、永久磁石により矢印A方向に直流磁界が印加されるフェライト20に第1中心導体21(L1)、第2中心導体22(L2)及び第3中心導体23(L3)をそれぞれ絶縁状態で所定の角度で交差させて配置している。第1中心導体21の一端を第1ポートP1、第2中心導体22の一端を第2ポートP2、第3中心導体23の一端を第3ポートP3としている。各中心導体21,22,23のそれぞれの他端はグランドに接続されている。さらに、各中心導体21,22,23に対して容量素子C1,C2,C3がそれぞれ並列に接続されている。
 ここで、第1中心導体21の一端を外部接続用電極41、他端を外部接続用電極42とし、第2中心導体22の一端を外部接続用電極43、他端を外部接続用電極44とし、第3中心導体23の一端を外部接続用電極45、他端を外部接続用電極46とする。また、この非可逆回路素子1が携帯電話などの送受信回路部に組み込まれる場合、第1ポートP1は送信側(TX)に接続され、第2ポートP2は受信側(RX)に接続され、第3ポートP3はアンテナ側(ANT)に接続される。
 フロントエンド回路(送受信回路部)における非可逆回路素子1(3ポート型サーキュレータ)の動作は以下のとおりである。即ち、第1ポートP1(送信回路TX)から入力された高周波信号は、第3ポートP3(アンテナANT)から出力され、第3ポートP3(アンテナANT)から入力された高周波信号は第2ポートP2(受信回路RX)に入力される。第2ポートP2の高周波信号はフロントエンド回路(送受信回路部)で減衰されて第1ポートP1に伝達されることはない。
 非可逆回路素子1は、具体的には、図2に示す磁気回転子10を備えている。この磁気回転子10は、矩形状のマイクロ波フェライト20の天面側及び実装面側にガラスを主成分とする絶縁体層11,12,13,14や各種導体、各種電極を積層したもので、フェライト20にも天面側及び実装面側に設けた各種導体をコイル状に接続するための複数のスルーホール導体や複数の電極が形成されている。
 詳しくは、第1中心導体21(L1)を形成する導体21a,21b,21cは絶縁体層12上に形成され、導体21d,21eは絶縁体層13とフェライト20の間に形成されている。導体21aの端部は外部引出し部41aとされ、導体21cの端部は外部引出し部42aとされている。導体21aの他端は導体21fを介して導体21dの一端に接続され、該導体21dの他端は導体21gを介して導体21bの一端に接続されている。該導体21bの他端は導体21hを介して導体21eの一端に接続され、該導体21eの他端は導体21iを介して導体21cの一端に接続されている。
 第2中心導体22(L2)を形成する導体22a,22b,22cは絶縁体層11とフェライト20の間に形成され、導体22d,22eは絶縁体層14の下面に形成されている。導体22aの端部は外部引出し部43aとされ、導体22cの端部は外部引出し部44aとされている。導体22aの他端は導体22fを介して導体22dの一端に接続され、該導体22dの他端は導体22gを介して導体22bの一端に接続されている。該導体22bの他端は導体22hを介して導体22eの一端に接続され、該導体22eの他端は導体22iを介して導体22cの一端に接続されている。
 第3中心導体23(L3)を形成する導体23a,23b,23cは絶縁体層11,12の間に形成され、導体23d,23eは絶縁体層13,14の間に形成されている。導体23aの端部は外部引出し部46aとされ、導体23cの端部は外部引出し部45aとされている。導体23aの他端は導体23fを介して導体23dの一端に接続され、該導体23dの他端は導体23gを介して導体23bの一端に接続されている。該導体23bの他端は導体23hを介して導体23eの一端に接続され、該導体23eの他端は導体23iを介して導体23cの一端に接続されている。
 外部接続用電極41は導体21aの端部である外部引出し部41aとそれに接続されている電極によって形成されている。外部接続用電極42は導体21cの端部である外部引出し部42aとそれに接続されている電極によって形成されている。外部接続用電極43は導体22aの端部である外部引出し部43aとそれに接続されている電極によって形成されている。外部接続用電極44は導体22cの端部である外部引出し部44aとそれに接続されている電極によって形成されている。外部接続用電極45は導体23cの端部である外部引出し部45aとそれに接続されている電極によって形成されている。外部接続用電極46は導体23aの端部である外部引出し部46aとそれに接続されている電極によって形成されている。
 中心導体21,22,23は、Ag、Cuなどの薄膜導体、厚膜導体又は導体箔として形成することができ、感光性の金属ペーストを使用することが好ましい。絶縁体層11~14は感光性ガラス、ポリイミドなど絶縁抵抗の高い材料を使用することが好ましい。導体層や絶縁層はフォトリソグラフィやエッチング、印刷などで形成できる。外部接続用電極41~46やスルーホール用導体は、好ましくは、Ag,Cuを主成分とする導電性の電極材料(ペースト)を塗布して焼き付け、その表面にNiのめっき層を形成し、さらに、Au,Sn,Ag,Cuなどのめっき層を形成する。めっきに限定するものではなく、スパッタ処理などであってもよい。一方、容量素子C1,C2,C3はチップ部品を使用する。
 以上の構成からなる磁気回転子10は、図3に示すように、四つの側面側に永久磁石31~34が配置され、天面側にヨーク51が配置されるとともに実装面側にヨーク52が配置されることで非可逆回路素子1とされる。ヨーク51,52は、冷間圧延鋼板などの磁性体を素材とすることが望ましく、Fe、Ni、Coの単体金属あるいはこれらを主成分とする合金であってもよい。ヨーク51,52の表面には高周波損を低減するためにAgやAuのめっき層を形成してもよい。磁気回転子10や永久磁石31~34はヨーク51,52に挟まれた状態で樹脂60(図5参照)を接着剤として一体化される。つまり、図3(A)に示されている空隙部分は樹脂60にて充填される。このように、磁気回転子10の側面側に永久磁石31~34を配置し、上下面をヨーク51,52で挟み込んだ構造体を、本明細書においてはフェライト・磁石組立体と称する。
 ところで、実装面側のヨーク52は、図3(C)に示すように、スリット54によって複数のセグメント52a,52b,52c,52dに分割されており、電極41(第1ポートP1、TX)はセグメント52aに接続され、電極43(第2ポートP2、RX)はセグメント52bに接続され、電極45(第3ポートP3、ANT)はセグメント52cに接続される。また、電極42,44,46(GND)はセグメント52dに接続される。即ち、磁気回転子10の電極41~46は、それぞれ電気的に絶縁状態で分割されたセグメント52a,52b,52c,52dを介して送信回路、受信回路、アンテナなどに接続される。この意味で、ヨーク52は磁気回転子10の接続用端子としても機能する。
 より詳しくは、図3及び図5(A)に示すように、スリット54によって分割されているヨーク52には実装面側とその反対側の面(磁気回転子10側の面)に感光性のソルダーレジスト材55a,55bが設けられ、スリット54にも感光性のソルダーレジスト材55cが充填されている。レジスト材55(55a,55b,55c)としては、透磁率が約1.0の感光性エポキシ樹脂を好適に用いることができる。図4(A),(B)において、レジスト材55には斜線を付して示し、表面のレジスト材55bには磁気回転子10の実装面側に露出した電極41~46(図2参照)とはんだ61にて接続するための開口部56が形成されている。裏面のレジスト材55aには、図4(C)に示す実装基板65のランドパターン66とはんだ62にて接続するための開口部57が形成されている。
 即ち、磁気回転子10に設けた各接続用電極41~46と実装面側に配置されたヨーク52との間には、開口部56が設けられている。また、ヨーク52の各セグメントと実装基板65上の各ランドパターン66との間には、開口部57が設けられている。そして、各接続用電極41~46と各セグメントとは開口部56を介してはんだ61で接続されている。また、各セグメントと各ランドパターン66とは開口部57を介してはんだ62で接続されている。
 実装面側に配置されたヨーク52において、磁気回転子10側の面上に配置されたレジスト材55bが感光性であると、光を照射して開口部56を設けることができる。はんだ61はメタルマスクを用いて印刷すればよい。
 開口部56が設けられていると、開口部56ではんだ61の流れが止まるので、溶融したはんだ61にて接続用電極41~46どうしが接続されることがなくなり、電極41~46間の短絡を防止することができる。なお、開口部56を形成するにあたり、少なくとも開口部56の周囲にはレジスト材が残されている。
 以下に図7を用いて説明するように、レジスト材55bの膜厚が30μmを超えると磁束密度が急激に低下する。それゆえ、レジスト材55bの膜厚は30μm以下であることが好ましく、フェライト20内での磁束密度の急激な低下を抑制し、小型の非可逆回路素子を得ることができる。
 また、前記同様に、実装面側に配置されたヨーク52において、実装面側の面上に配置されたレジスト材55aが感光性であると、光を照射して開口部57を設けることができる。はんだ62はメタルマスクを用いて印刷すればよい。
 開口部57が設けられていると、開口部57ではんだ62の流れが止まるので、溶融したはんだ62にてヨーク52の各セグメントどうしが接続されることがなくなり、ひいては電極41~46間の短絡を防止することができる。なお、開口部57を形成するにあたり、少なくとも開口部57の周囲にはレジスト材が残されている。
 ところで、従来の構成のままであると、磁気回転子10と実装基板65とを電気的に接続する電極間の距離が短い場合には、実装基板65上にレジスト材55がないと、磁気回転子10を実装基板65に実装した時点で、電極間が短絡してしまうおそれがある。本実施例では磁気回転子10と実装基板65との間にレジスト材55を介在させることで、電極41~46間の短絡を防止できる。
 また、以下に図9を用いて説明するように、スリット54の幅が0.20mmを超えると磁束密度が急激に低下する。それゆえ、スリット幅は0.20mm以下であることが好ましく、フェライト20内での磁束密度の急激な低下を抑制し、小型の非可逆回路素子を得ることができる。
 非可逆回路素子1の製造において、フェライト・磁石組立体は、ヨーク51となる広い面積の集合基板、及び、ヨーク52となる図6に示す広い面積の集合基板52Aの間に、磁気回転子10と永久磁石31~34をマトリクス状に配置し、一点鎖線X,Yに沿って1単位の非可逆回路素子1となるように切り出す。磁気回転子10の周囲の空間部には樹脂材60(図5A参照)が充填される。樹脂材60としては、例えば透磁率が約1.0の熱硬化性エポキシ樹脂が用いられる。樹脂材60を充填することにより、フェライト・磁石組立体が一体化されるとともに、樹脂材60が永久磁石31~34の角部にも行きわたり永久磁石31~34の欠けや割れが未然に防止される。
 前記非可逆回路素子1は、図5(B)に示すように、実装基板65上に搭載され、さらに、樹脂材67で被覆され、モジュール回路2として完成される。この樹脂材67として例えば熱硬化性エポキシ樹脂を用いることができる。ヨーク52の実装面側に設けたレジスト材55aには実装基板65上に設けたランドパターン66とはんだ62にて接続するための開口部57が形成されている。
 製造方法を詳述する。まず、冷間圧延鋼板からなるヨーク52(集合基板52A)にエッチングでスリット54を形成し、レジスト材55を設ける。表面のレジスト材55bには開口部56を、裏面のレジスト材55aには開口部57をフォトリソ法(露光現像)にて開口する。開口部56,57にはAuめっきを施す。ヨーク52の表面にはレジスト材55bが設けられているので、小型の磁気回転子10であっても電極41~46間の絶縁性を確保して実装が可能である。
 次に、開口部56にはんだ61を印刷し、永久磁石31~34及び磁気回転子10をヨーク52(集合基板52A)上に搭載してはんだ61を溶融、固化させる。この上に、ヨーク51となる集合基板を被せ、樹脂材60を充填し、真空プレス機で封止する。その後、前述のように、一点鎖線X,Yでダイシングし、素子1に個片化する。
 モジュール回路2とするには、さらに、実装基板65となる集合基板上に素子1と容量素子C1,C2,C3を搭載し、樹脂材67でモールドし、再度ダイシングしてモジュール回路2に個片化する。
 以下に、ヨーク52に設けたレジスト材55bの膜厚、及び、スリット54の幅寸法について具体的な数値を挙げて説明する。
 まず、ヨーク52の表面に設けたレジスト材55bの膜厚とフェライト20内での磁束密度との関係を図7及び図8に示す。図7から明らかなように、膜厚が30μmを超えると磁束密度が急激に低下する。それゆえ、レジスト材55bの膜厚は30μm以下であることが好ましく、フェライト20内での磁束密度の急激な低下を抑制し、小型の非可逆回路素子を得ることができる。
 ヨーク52を分割するスリット54の幅とフェライト20内での磁束密度との関係を図9及び図10に示す。図9から明らかなように、スリット幅が0.20mmを超えると磁束密度が急激に低下する。それゆえ、スリット幅は0.20mm以下であることが好ましく、フェライト20内での磁束密度の急激な低下を抑制し、小型の非可逆回路素子を得ることができる。
 次に、通信装置について説明する。図11に前記非可逆回路素子1を含むフロントエンド回路70及び該フロントエンド回路70を含む通信装置(携帯電話)80を示す。フロントエンド回路70はアンテナANTのチューナ71とTXフィルタ回路72とRXフィルタ回路73との間に前記非可逆回路素子1を挿入したもので、フィルタ回路72,73はそれぞれパワーアンプ74、ローノイズアンプ75を介してRFIC81に接続されている。なお、フロントエンド回路としてはアンテナANT及びチューナ71を含む場合もあり得る。
 通信装置80は前記フロントエンド回路70に対して、RFIC81、BBIC82を備え、BBIC82にはメモリ83、I/O84、CPU85が接続され、I/O84にはディスプレイ86などが接続されている。
 次に、前記ヨーク52に設けられるレジスト材のいま一つの配置例を示す。図12(A),(B)に示すように、ヨーク52には各セグメント52a~52dを分離するスリット54にレジスト材55cが充填されているとともに、表面側には開口部56の周囲のみを囲うようにレジスト材55bが配置され、裏面側には開口部57の周囲のみを囲うようにレジスト材55aが配置されている。即ち、レジスト材55a,55bはヨーク52の磁気回転子10側の面の少なくとも一部に、及び、実装面側の面の少なくとも一部に、それぞれ設けられていればよい。
 (他の実施例)
 なお、本発明に係る非可逆回路素子、モジュール回路及び通信装置は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
 例えば、磁気回転子における中心導体の構成や形状、本数などは任意である。特に、実装面側のヨークは少なくとも三つのセグメントに分割されたものであればよい。三つに分割されているとは、例えば、入出力端子電極のいずれかと、アンテナ電極と、グランド電極に分割されることを意味する。また、前記実施例において、磁気回転子は平面視で四角形状のものを示したが、多角形状や円形状などであってもよい。永久磁石の分割形態や配置も任意であり、枠状の1個の磁石であってもよい。容量素子は、チップタイプとして実装基板上に搭載する以外に、実装基板に内蔵した導体で構成してもよい。また、フェライト20への磁界の印加方向を逆にすると、高周波信号の伝達経路が入れ替わる。
 以上のように、本発明は、非可逆回路素子に有用であり、特に、入出力電極の短絡を防止できる点で優れている。
  1…非可逆回路素子
  2…モジュール回路
  10…磁気回転子
  20…フェライト
  21,22,23…中心導体
  31~34…永久磁石
  41~46…外部接続電極
  51…天面側ヨーク
  52…実装面側ヨーク
  55…レジスト材
  56,57…開口部
  61,62…はんだ
  65…実装基板
  66…ランドパターン

Claims (11)

  1.  フェライトに複数の中心導体が配置されており、かつ、実装面側に複数の接続用電極を有する磁気回転子と、
     前記磁気回転子に直流磁界を印加する永久磁石と、
     前記磁気回転子の天面側及び実装面側にそれぞれ配置されたヨークと、
     を備えた非可逆回路素子において、
     前記磁気回転子の前記実装面側に配置されたヨークは、スリットによって少なくとも三つのセグメントに分割されており、
     前記実装面側に配置されたヨークにおいて、前記磁気回転子側の面の少なくとも一部と前記スリットとには感光性のレジスト材が設けられていること、
     を特徴とする非可逆回路素子。
  2.  前記各接続用電極と、前記実装面側に配置されたヨークとの間には、開口部が設けられており、
     前記磁気回転子に設けた前記各接続用電極と前記各セグメントとは前記開口部を介してはんだで接続されていること、
     を特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3.  前記実装面側に配置されたヨークにおける前記磁気回転子側の面には、感光性のレジスト材が設けられていること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4.  前記レジスト材はエポキシ系樹脂材であること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  5.  前記レジスト材の膜厚は30μm以下であること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  6.  前記スリットの幅は0.20mm以下であること、を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  7.  請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の非可逆回路素子が、ランドパターンが設けられた実装基板上に搭載されていること、を特徴とするモジュール回路。
  8.  実装基板上に設けられた複数のランドパターンに非可逆回路素子を搭載したモジュール回路であって、
     前記非可逆回路素子は、
      フェライトに複数の中心導体が配置されており、かつ、実装面側に複数の接続用電極を有する磁気回転子と、
      前記磁気回転子に直流磁界を印加する永久磁石と、
      前記磁気回転子の天面側及び実装面側にそれぞれ配置されたヨークと、
     を備え、
      前記磁気回転子の前記実装面側に配置されたヨークは、スリットによって少なくとも三つのセグメントに分割されており、
      前記実装面側に配置されたヨークにおいて、前記磁気回転子側の面の少なくとも一部と前記スリットとには感光性のレジスト材が設けられており、
      前記各接続用電極と、前記実装面側に配置されたヨークとの間には、第1の開口部が設けられており、
      前記各セグメントと前記各ランドパターンとの間には、第2の開口部が設けられており、
      前記磁気回転子に設けた前記各接続用電極と前記各セグメントとは前記第1の開口部を介してはんだで接続されており、
     さらに、前記各セグメントと前記各ランドパターンとは前記第2の開口部を介してはんだで接続されていること、
     を特徴とするモジュール回路。
  9.  請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の非可逆回路素子とパワーアンプとを備えたこと、を特徴とするモジュール回路。
  10.  さらに、RFICを備えたこと、を特徴とする請求項9に記載のモジュール回路。
  11.  請求項10に記載のモジュール回路とBBICとを備えたこと、を特徴とする通信装置。
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JPH052414U (ja) * 1991-06-21 1993-01-14 アンリツ株式会社 磁気共鳴共振器
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