WO2017061243A1 - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

本発明の使い捨ておむつ（１）は、外装体（５）を構成する構成シートに着色された不織布シートを用いる。各サイドシール部（Ｓ）は、縦方向に延在する連続線状の融着部（７０）を有し、着用時におむつ（１）の外方に突出していない。融着部（７０）では、外装体（５）を構成する着色された不織布シートの色素が凝縮している。融着部（７０）は、その色が、前身頃（Ｆ）及び後身頃（Ｒ）の地色と同系色で且つ該地色よりも濃くなっている。

Description

パンツ型使い捨ておむつ

　本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関する。

　パンツ型使い捨ておむつには、吸収体を備えた縦長の吸収性本体の外側に外装体が配されている。そして、パンツ型使い捨ておむつには、外装体における前身頃の左右両側縁と後身頃の左右両側縁とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されている。

　パンツ型使い捨ておむつは、通常、複数のおむつが一方向（搬送方向）に連なった構成のおむつ連続体を製造し、このおむつ連続体における、サイドシール部形成予定部位において互いに重なり合う前身頃側の外装体と後身頃側の外装体とを、ヒートシール装置を用いた接合手段により接合した後、その接合部をカッター等の切断手段により切断することにより、個々のおむつに分断する工程を経て製造される。こうして製造される従来のパンツ型使い捨ておむつとして、例えば、特許文献１に記載のパンツ型使い捨ておむつが提案されている。また、特許文献１には、裏面シートの裏面側全域に外部から認識できるカラーデザインを印刷することが記載されている。

　また、パンツ型使い捨ておむつのサイドシール部を形成する別の方法として、本出願人は、先に、レーザー光を用いて溶着する方法を提案した。例えば、特許文献２には、複数枚のシートが重ねられたシート積層体を、周面にレーザー光透過性部を有する回転ロールの該周面に沿った形状に変形させて搬送しながら、該シート積層体に対して該回転ロールの内側からレーザー光を照射し、該シート積層体内のシートどうしを融着させる方法が記載されている。また、特許文献２には、サイドシール部の形成予定部位に不可逆性の熱変色剤を施して、該予定部位にレーザー光を照射することで、該熱変色剤を変色させ、融着部近傍が前身頃及び後身頃の地色と異なる色に着色されているパンツ型使い捨ておむつが記載されている。

特開２００３－０７０８３８号公報 特開２０１５－００８９４６号公報

　本発明は、吸収性本体と、該吸収性本体の非肌当接面側に配されて該吸収性本体を固定する外装体とを備え、該外装体の前身頃の左右両側縁部と該外装体の後身頃の左右両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型使い捨ておむつに関する。前記外装体は、該外装体を構成する構成シートが、少なくとも一部着色された不織布シートである。各前記サイドシール部は、前記前身頃における外装体の縁部と前記後身頃における外装体の縁部が、前記使い捨ておむつの縦方向に延在する連続線状の融着部で結合したシール縁部を有し、前記おむつの着用時において該サイドシール部の周辺部よりも前記使い捨ておむつの外方に突出しておらず、前記融着部は、その色が、前記前身頃及び前記後身頃の地色と同系色で且つ該地色よりも濃い。

図１は、本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの使用状態（着用状態）を示す斜視図である。 図２は、図１に示すおむつを展開して引き伸ばした状態を肌当接面側から視た一部破断展開平面図である。 図３は、図１に示すおむつの構成を説明する分解図である。 図４は、図１に示すおむつの横方向に沿った断面図である。 図５は、図４に示す断面図の要部拡大断面図である。 図６は、図１に示すおむつの製造方法を説明する図である。 図７は、図１に示すおむつの製造方法に適用可能な、レーザー式接合装置を用いたパンツ型使い捨ておむつの製造方法の一例を示す概略斜視図である。 図８（ａ）～図８（ｃ）は、それぞれ、図７に示すレーザー式接合装置を用いておむつ連続体（帯状の外装体）を分断するのと同時にサイドシール部（シール縁部）を形成する様子を説明する説明図である。

発明の詳細な説明

　特許文献１に記載のパンツ型使い捨ておむつのサイドシール部は、前身頃の側縁部と後身頃の側縁部とが合掌状に重なり合って形成されており、その合掌状部分の頂部が、周辺部よりもおむつの外方に突出しているので、目視により容易に認識できる。しかし、サイドシール部が、周辺部よりもおむつの外方に突出しているので、見栄えが悪い。また、サイドシール部が、ヒートシール装置を用いた接合手段により形成されているので、硬く、おむつ着用感や肌触りが悪いものであった。また、ヒートシール装置を用いた接合手段では、サイドシール部のシートがフィルム化して色素が表面に浮き出るだけで、印刷されたカラーデザインの色に対して、濃淡の変化をつけることができず、サイドシール部の見栄えを向上させることができなかった。

　特許文献２に記載のパンツ型使い捨ておむつのサイドシール部は、レーザー光を照射して得られたものであり、特許文献１に記載の使い捨ておむつの備える合掌状のサイドシール部に比して、周辺部よりもおむつの外方に突出していないため、おむつの着用感や外表面の肌触り等が向上する。また、融着部近傍が前身頃及び後身頃の地色と異なる色に着色されているので、サイドシール部の目視による視認性が高く、おむつの取り外し作業も手間取り難い。しかし、地色と同系色で見栄え良く、サイドシール部の目視による視認性を向上させたいとの更なるニーズがあった。

　したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る使い捨ておむつを提供することにある。

　以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ１（以下、「おむつ１」ともいう。）は、図１及び図２に示すとおり、吸収性本体１０と、吸収性本体１０の非肌当接面側に配されて該吸収性本体１０を固定する外装体５とを備え、外装体５の前身頃Ｆ（腹側領域Ａ）の左右両側縁部５ａ１，５ａ１と外装体５の後身頃Ｒ（背側領域Ｂ）の左右両側縁部５ｂ１，５ｂ１とが接合されて一対のサイドシール部Ｓ，Ｓ、ウエスト開口部ＷＯ及び一対のレッグ開口部ＬＯ，ＬＯが形成されている使い捨ておむつである。好適に、おむつ１の外装体５は、図２に示す、展開させかつ伸長させた状態を平面視して、着用時に着用者の腹側に配される腹側領域Ａ、着用時に着用者の背側に配される背側領域Ｂ、及び腹側領域Ａと背側領域Ｂとの間の股下領域Ｃに区分されている。また、おむつ１の外装体５は、図２に示すように、後述する横中心線ＣＬ２を境にして、前身頃Ｆと後身頃Ｒとに区分されている。

　上述したおむつ１を展開させかつ伸長させた状態とは、図２に示すように、サイドシール部Ｓを引き剥がして、おむつ１を展開状態とし、その展開状態のおむつ１を、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法（弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ）となるまで広げた状態を意味する。

　本明細書において、「肌対向面」とは、おむつ１又はその構成部材（例えば吸収性本体１０）における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌対向面」とは、おむつ１又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側とは反対側（着衣側）に向けられる面である。おむつ１において、縦方向（Ｘ方向）とは、平面に展開させかつ伸長させた状態で、腹側領域Ａから背側領域Ｂにわたる方向のことである。また、横方向（Ｙ方向）とは、縦方向（Ｘ方向）と直交する方向であり、平面に展開させかつ伸長させた状態のおむつ１の幅方向のことである。
　また、おむつ１は、図２に示す、縦方向（Ｘ方向）に延びる縦中心線ＣＬ１に対して左右対称形となっている。尚、図２中のＣＬ２は、おむつ１を二分する横方向（Ｙ方向）に延びる横中心線であり、縦中心線ＣＬ１に直交している。

　おむつ１では、吸収性本体１０は、図２及び図３に示すように、肌当接面を形成する表面シート２と、非肌当接面を形成する裏面シート３と、これら両シート間に介在配置された液保持性の吸収体４とを具備し、該吸収体は、縦方向（Ｘ方向）が相対的に長い縦長の形状を有している。
　以上のように構成された吸収性本体１０は、その縦方向（Ｘ方向）を、展開かつ伸長状態におけるおむつ１の縦方向（Ｘ方向）に一致させて、外装体５の中央部に、接着剤によって接合されている。このように、外装体５は、使い捨ておむつ１の厚み方向における、吸収性本体１０を構成する裏面シート３の非肌対向面側に配されて接着固定されている。

　おむつ１では、図１及び図２に示すように、各サイドシール部Ｓは、前身頃Ｆ（腹側領域Ａ）における外装体５の側縁部５ａ１と後身頃Ｒ（背側領域Ｂ）における外装体５の側縁部５ｂ１とが、縦方向（Ｘ方向）に延在する連続線状の融着部７０で結合したシール縁部７を有する。各サイドシール部Ｓは、図１に示すように、おむつ１の着用時において、該サイドシール部Ｓの周辺部よりもおむつ１の外方に突出していない。おむつ１では、おむつ１の肌対向面及び非肌対向面の何れにおいても、各サイドシール部Ｓが、サイドシール部Ｓの周辺部よりも外方に突出しておらず、おむつ１の肌対向面及び非肌対向面の状態がサイドシール部Ｓを跨いで実質的に変化しないように形成されており、おむつ１を下着のように見せることができる。

　おむつ１では、外装体５は、図２及び図３に示すように、おむつ１の外面を形成する非肌対向面側の外層シート５１と、肌対向面側の内層シート５２と、外層シート５１と内層シート５２との間に、横方向（Ｙ方向）に伸長した状態で、縦方向（Ｘ方向）に間欠的に配された複数の弾性部材５３とを有している。そして、外層シート５１と内層シート５２との間には、複数本のレッグ部弾性部材５５が配されている。また、おむつ１では、外層シート５１と内層シート５２との間が、所定部位において接着剤又はヒートシール等（図示せず）によって接合されている。外層シート５１及び内層シート５２は、縦方向（Ｘ方向）中央部において縦中心線ＣＬ１に向かって内方に括れて形成されている。

　外装体５は、図３に示すように、外装体５を構成する構成シートが、少なくとも一部着色された不織布シートで形成されている。ここで、少なくとも一部着色されたとは、不織布シートの全体が着色されている構成シートのみならず、サイドシール部Ｓを含む一部に着色された部分を有する構成シートも含む意味である。また、不織布シートとは、樹脂繊維から形成された不織布を意味する。このような少なくとも一部着色された不織布シートは、外装体５を構成する構成シートであれば、何れの構成シートであってもよいが、おむつ１では、内層シート５２が少なくとも一部着色された不織布シートとなっている。

　少なくとも一部着色された不織布シートは、該不織布シートの構成繊維を形成する樹脂のペレットと所望の色の着色剤とを混合した原料を溶融し形成した繊維練り込みシート、或いは、形成後の不織布シートの肌対向面及び非肌対向面の一方に所望の着色剤の色をフレキソ、グラビア、インクジェット方式等の通常の印刷方法を用いて印刷したシートが挙げられる。前記繊維練り込みシートはシートの全体が着色されている不織布シートの形態となり易く、着色剤を印刷したシートはシートの一部が着色されている不織布シートの形態となり易い。色移り防止の観点からは、着色剤を構成繊維に練り込んだ前記繊維練り込みシートが好ましく用いられ、色の鮮やかさの向上の観点からは、着色剤を印刷したシートが好ましく用いられる。おむつ１では、内層シート５２の非肌対向面に通常の印刷方法を用いて着色剤が印刷されている。

　着色された不織布シートは、見栄え向上の観点から、白色以外の色に着色されていることが好ましく、白色以外の無彩色又は有彩色に着色されていることが更に好ましく、有彩色に着色されていることが特に好ましい。ここで、白色とは、着色された不織布シートを、マイクロスコープ（キーエンス社製の品番「ＶＨ－ＺＳＴ」）を用いてデジタル画像として取込み、取込んだデジタル画像を、画像解析ソフト（Ｗａｙｎｅ　Ｒａｓｂａｎｄ社製の「Ｉｍａｇｅ　Ｊ」）を用いて、８ビットグレイスケールに変換し、各画素の濃度を８ビットの信号により０～２５５の２５６段階で表わした際に、段階２４０～段階２５５の範囲内であることを意味する。

　各サイドシール部Ｓを構成する融着部７０では、図４及び図５に示すように、外装体５を構成する着色された不織布シートの色素が凝縮している。おむつ１では、各サイドシール部Ｓの融着部７０は、内層シート５２の非肌対向面に印刷された着色剤の色素が凝縮して形成されている。

　そして、各サイドシール部Ｓを構成する融着部７０は、その色が、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色と同系色で且つ該地色よりも濃くなっている。ここで、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色とは、非着用時のおむつ１の非肌対向面を前身頃Ｆ及び後身頃Ｒから視た際に、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒにおいて最も広面積を占める色のことである。前身頃Ｆ及び後身頃Ｒが無模様一色である場合は、当該色が地色となる。一方、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒに、模様、文字、図形、又は記号等が付されて２色以上の色を有する場合には、最も広面積を占める色が地色となる。尚、おむつ１では、内層シート５２の非肌対向面に着色剤が印刷されているので、外層シート５１を通過して視える色が、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色である。

　また、融着部７０の色と前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色とが同系色であるとは、サイドシール部Ｓを中心に非肌対向面側から視たおむつ１の側面（図１参照）を、マイクロスコープ（キーエンス社製の品番「ＶＨ－ＺＳＴ」）を用いてデジタル画像として取込み、取込んだカラーデジタル画像を、画像解析ソフト（Ｗａｙｎｅ　Ｒａｓｂａｎｄ社製の「Ｉｍａｇｅ　Ｊ」）を用いて、各画素のＨ（色相）／Ｓ（彩度）／Ｂ（明度）それぞれについて、８ビットの信号により０～２５５の２５６段階で表わす。そして、融着部７０の領域のＨ（色相）の平均段階値と、融着部７０よりも前身頃Ｆ及び融着部７０よりも後身頃Ｒの領域のＨ（色相）の平均段階値との差が、Ｈ（色相）において、好ましくは±２０ポイント差以内であり、更に好ましくは±１０ポイント差以内であることを意味する。但し、Ｈ（色相）は1周すると元の色に戻る関係で、Ｈ（色相）の平均段階値０とＨ（色相）の平均段階値２５５とは大変近い色味となることを意味する。したがって、例えば、Ｈ（色相）の平均段階値が５であった場合、それと同系色であるとは、Ｈ（色相）の平均段階値が、２４１～２５５又は０～２５であることが好ましく、２５１～２５５又は０～１５であることが更に好ましい。

　また、融着部７０の色が前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色よりも濃くなっているとは、サイドシール部Ｓを中心に非肌対向面側から視たおむつ１の側面（図１参照）を、マイクロスコープ（キーエンス社製の品番「ＶＨ－ＺＳＴ」）を用いてデジタル画像として取込み、取込んだデジタル画像を、画像解析ソフト（Ｗａｙｎｅ　Ｒａｓｂａｎｄ社製の「Ｉｍａｇｅ　Ｊ」）を用いて、８ビットグレイスケールに変換し、各画素の濃度を８ビットの信号により０～２５５の２５６段階で表わす。そして、融着部７０の領域の平均段階値が、融着部７０よりも前身頃Ｆ及び融着部７０よりも後身頃Ｒの領域の平均段階値よりも大きいことを意味し、好ましくは２０ポイント差以上であり、更に好ましくは５０ポイント差以上であることを意味する。

　上述したおむつ１の各部の形成材料について説明する。
　吸収性本体１０を構成する表面シート２、裏面シート３及び吸収体４等としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート２としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート３としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。吸収体４としては、吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成された吸収コアをコアラップシートで被覆したもの等を用いることができる。

　外装体５を構成する外層シート５１及び内層シート５２としては、おむつ１では、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布等からなる単層の不織布又は２層以上の積層不織布等を用いることができる。また、外層シート５１と内層シート５２とで、異なるシート材を用いてもよい。尚、おむつ１では、上述したように、内層シート５２のみ、（少なくとも一部が）着色された不織布シートを用いている。

　弾性部材（弾性部材５３、レッグ部弾性部材５５等）としては、例えば、スチレン－ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、ＥＶＡ、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、楕円形、若しくは多角形状等の糸状（糸ゴム等）、又は紐状（平ゴム等）のもの等を好ましく用いることができる。

　弾性部材（弾性部材５３、レッグ部弾性部材５５等）を固定する接着剤（不図示）、及び外装体５及び吸収性本体１０等を固定する接着剤としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のホットメルト接着剤等を特に制限なく用いることができる。

　サイドシール部Ｓを形成する加工としては、おむつ１の着用時においてサイドシール部Ｓの着用感や外表面の肌触り等の観点から、レーザー加工が好ましい。

　上述したおむつ１は、その製造方法に特に制限がなく、任意の方法により製造することができる。以下、おむつ１の製造方法の好ましい例について図面を参照しながら説明する。おむつ１の製造方法は、着色された不織布シートを外装体５を構成する構成シートに用い、前身頃Ｆ側と後身頃Ｒ側とを重ねた状態の帯状の外装体５におけるサイドシール部Ｓの形成予定部位に、外装体の搬送方向と交差する方向に延在する光通過部を介してレーザー光を照射することにより、外装体５を分断するとともに、その分断によって生じた積層状態の外装体５の切断縁部どうしを融着させてサイドシール部Ｓを形成するサイドシール部形成工程を具備する。好適に、おむつ１の製造方法は、本実施態様においては、帯状の外装体５に吸収性本体１０を固定する本体固定工程と、吸収性本体１０が固定された帯状の外装体５の前身頃Ｆ側と後身頃Ｒ側とを重ね合わせ、重ね合わされた外装体５にサイドシール部Ｓを間欠的に形成するサイドシール部形成工程とを有している。

　おむつ１の製造方法は、図６に示すように、いわゆる横流れ方式のパンツ型使い捨ておむつの製造方法である。
　先ず、図６に示すように、原反ロール（図示せず）から連続的に供給される帯状の外層シート５１と、原反ロール（図示せず）から連続的に供給される帯状の内層シート５２の間に、弾性部材５３（具体的には、ウエストギャザーを形成するウエスト部弾性部材５３１、胴回りギャザーを形成する胴回り部弾性部材５３２）及びレッグギャザーを形成するレッグ部弾性部材５５を、所定の伸長率に伸長させた伸長状態で各々複数本配する。このとき、レッグ部弾性部材５５は、シートの流れ方向とは直交して往復運動する公知の揺動ガイド（図示せず）を介して、所定の脚周りパターンを形成しながら配される。また、帯状の外層シート５１及び帯状の内層シート５２には、それらを重ね合わせる前に、両シート５１，５２のいずれか一方又は双方の対向する面の所定部位に、接着剤塗工機（図示せず）によりホットメルト型接着剤を塗工する。尚、おむつ１の製造方法においては、帯状の内層シート５２に、帯状の着色された不織布シートが用いられている。

　尚、ウエスト部弾性部材５３１、胴回り部弾性部材５３２等の弾性部材が、両シート５１，５２における、レーザー光の照射によって分断される部分（サイドシール部Ｓの形成予定部位，図８中符号１０Ｃで示す分断予定部分）を跨ぐように伸長状態で配されている場合、その分断後の該弾性部材の大幅な縮みや該弾性部材の抜け等の不都合を回避するために、該部分及びその近傍に接着剤を塗工しておくことが好ましい。ウエスト部弾性部材５３１及び胴回り部弾性部材５３２には、両シート５１，５２間に配される前に、接着剤塗工機（図示せず）によりホットメルト型接着剤を間欠的に塗工してもよい。

　そして、図６に示すように、一対のニップロール１０１，１０１の間に、ウエスト部弾性部材５３１、胴回り部弾性部材５３２及びレッグ部弾性部材５５を伸長状態で挟み込んだ帯状の外層シート５１及び着色された帯状の内層シート５２を送り込んで加圧することにより、帯状シート５１，５２間に複数本の弾性部材５３１，５３２，５５が伸長状態で配された帯状の外装体５を形成する。

　この外装体５の形成工程においては、隣り合う２本の弾性部材５３，５３間において帯状の外層シート５１と着色された帯状の内層シート５２とを接合する複数の接合部（図示せず）を、凸ロールとこれに対応するアンビルロール等の接合手段（図示せず）を用いて形成することも好ましい。
　その後、必要に応じて、弾性部材プレカット手段（図示せず）を用いて、後述する吸収性本体１０を配する位置に対応させて、複数本の胴回り部弾性部材５３２を押圧して、収縮機能が発現されないように個々複数個に分断する。前記弾性部材プレカット手段としては、例えば、特開２００２－２５３６０５号公報に記載の複合伸縮部材の製造方法に用いる弾性部材分断部等が挙げられる。

　次いで、図６に示すように、別工程で製造された吸収性本体１０に予めホットメルト接着剤等の接着剤を塗工（図示せず）し、該吸収性本体１０を９０度回転させて、帯状の外装体５を構成する着色された内層シート５２上に間欠的に供給して固定する（本体固定工程）。なお、吸収性本体固定用の接着剤は、吸収性本体１０ではなく、着色された内層シート５２における吸収性本体１０の配置予定位置に予め塗工してもよい。

　そして、図６に示すように、吸収性本体１０が配置された帯状の外装体５におけるレッグ部弾性部材５５で環状に囲まれた環状部の内側にレッグホールＬＯ'を形成する。このレッグホール形成工程は、ロータリーカッター、レーザーカッター等の従来からこの種の物品の製造方法における手法と同様の手法を用いて実施することができる。なお、図示の態様においては、帯状の外装体５に吸収性本体１０を配置した後にレッグホールを形成しているが、吸収性本体１０の配置前にレッグホールを形成してもよい。

　次いで、帯状の外装体５をその幅方向（外装体５の搬送方向と直交する方向）に折り畳む。より具体的には、図６に示すように、帯状の外装体５の搬送方向に沿う両側部５ｓ，５ｓを、吸収性本体１０の長手方向両端部を覆うように折り返して吸収性本体１０の長手方向両端部を固定した後、外装体５を吸収性本体１０とともにその幅方向に２つ折りする（重合加圧工程における重合工程）。こうして、おむつ連続体１ｃが得られる。

　次いで、こうして製造されたおむつ連続体１ｃに対して、レーザー式接合装置を用いてレーザー光を照射して、図１に示すような一対のサイドシール部Ｓ，Ｓを形成し（サイドシール部形成工程）、一対の該サイドシール部Ｓ，Ｓを有する外装体５を具備するパンツ型使い捨ておむつ１を連続的に製造する。

　レーザー式接合装置としては、例えば、特開２０１５－８５６５２号公報に記載のレーザー式接合装置２０を用いることができる。レーザー式接合装置２０は、図７に示すように、矢印Ｄ方向に回転可能に駆動される中空の円筒ロール２３と、円筒ロール２３の中空部に配され、円筒ロール２３の周面部を形成する円筒状の支持部材２１に向けてレーザー光３０を照射する照射ヘッド３５とを備えている。照射ヘッド３５はレーザー光３０を集光するレンズを有している。円筒をした支持部材２１は、外方を向く第１面２１ａと内方を向く第２面２１ｂとを有する。照射ヘッド３５は、支持部材２１における第２面２１ｂ側に配置されている。

　レーザー光３０について説明すると、おむつ連続体１ｃ（帯状の外装体５）に照射するレーザー光としては、外装体５を構成するシート（外層シート５１及び内層シート５２）に吸収され該シートを発熱させる波長のレーザー光を用いる。ここで、「外装体を構成するシート」は、外装体の一方の面（支持部材２１との当接面）を構成するシート（例えば外層シート５１）に限定されず、外装体を構成するシートであればいずれのシートであってもよい。外装体５に照射するレーザー光３０が、外装体５を構成する個々のシート５１，５２について、該シート５１，５２に吸収されて該シート５１，５２を発熱させる波長であるか否かは、シート５１，５２の材質と、使用するレーザー光３０の波長との関係で決まる。外装体５を構成するシート５１，５２が、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品（サニタリー用品）の製造に汎用される合成樹脂製の不織布やフィルムである場合、レーザー光３０としては、ＣＯ₂レーザー、ＹＡＧレーザー、ＬＤレーザー（半導体レーザー）、ＹＶＯ４レーザー、ファイバーレーザー等を用いることが好ましい。また、外装体５を構成するシート５１，５２が、合成樹脂として、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等を含む場合、該シート５１，５２に吸収され該シート５１，５２を良好に発熱させ得る波長としては、例えば、８．０μｍ以上１５．０μｍ以下を用いることが好ましく、高出力のレーザー装置が存在するＣＯ₂レーザーの発振波長の９．０μｍ以上１１．０μｍ以下を用いることが特に好ましい。レーザー光３０のスポット径、レーザー出力等は、外装体５を構成するシート５１，５２の材質や厚み等を考慮して適宜選択することができる。

　支持部材２１は、円筒ロール２３の周面部（被加工物との当接部）を形成しており、円筒ロール２３の回転軸方向両端部を形成する一対の環状の枠体間に挟持固定されている。支持部材２１は、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属材料又はセラミックス等の耐熱性を有する材料からなる。

　支持部材２１は、図７に示すように、レーザー光が通過可能な光通過部として、該支持部材２１を厚み方向に貫通するスリット状の開口部２７を有している。開口部２７は、平面視して矩形形状を有し、その長手方向を、おむつ連続体１ｃ（帯状の外装体５）の搬送方向と交差する方向、より具体的には、円筒ロール２３の回転軸の軸長方向と平行な方向（図７中に符号Ｘで示す方向）に一致させて、円筒状の支持部材２１の周方向に所定間隔を置いて複数形成されている。支持部材２１は、開口部２７ではレーザー光３０を通過させる一方、開口部２７以外の部分ではレーザー光３０を通過（透過）させないようになっている。

　図７に示すように、中空の円筒ロール２３の中空部には、該円筒ロール２３の周面部を形成する支持部材２１に向けてレーザー光３０を照射する照射ヘッド３５が設けられている。照射ヘッド３５は、レーザー光３０を自在に走査するガルバノスキャナ（モータ軸にミラーが付いた装置）であり、レーザー光３０を円筒ロール２３の回転軸と平行な方向（図７中符号Ｘで示す方向）に進退させる機構、レーザー光３０が支持部材２１上のおむつ連続体１ｃに当たる位置（照射点）を円筒ロール２３の周方向に移動させる機構、及び円筒ロール２３の周面上でレーザー光３０のスポット径を一定にする機構等を備えている。レーザー照射機構は、このような構成を有することによって、レーザー光３０の照射点を、円筒ロール２３の周方向及び該周方向と直交する方向（図７中符号Ｘで示す方向。円筒ロール２３の回転軸と平行な方向。）の両方向に任意に移動させることができる。

　また、レーザー式接合装置２０は、図７に示すように、上述した支持部材２１及び照射ヘッド３５に加えて、複数の加圧ヘッド２６を備えている。加圧ヘッド２６は、上述した支持部材２１の第１面２１ａ上に支持されたおむつ連続体１ｃを加圧するために用いられる。各加圧ヘッド２６は、円筒ロール２３の回転軸の延長線上に回転軸を持ち、且つ円筒ロール２３に隣接して配置された第２円筒ロール２５の周面にヒンジ構造の支持部２４を介して配置されている。第２円筒ロール２５は、円筒ロール２３と同期して回転する。なお、図７においては、各加圧ヘッド２６が、円筒ロール２３とは別部材である第２円筒ロール２５に取り付けられているが、これに代えて、各加圧ヘッド２６を円筒ロール２３に取り付けることも可能である。

　第２円筒ロール２５が円筒ロール２３と同期して回転することで、各加圧ヘッド２６は、円筒ロール２３の円筒を構成する支持部材２１の回転方向と同方向に、かつ支持部材２１の周速と同速で、支持部材２１の周面に沿って周回可能になっている。

　各加圧ヘッド２６は、図７に示すように、加圧ヘッド２６の加圧部材５４の加圧面が、支持部材２１の周面から十分に離間して、支持部材２１の周面に導入されるおむつ連続体１ｃと干渉しない状態から、加圧ヘッド２６の加圧部材５４の加圧面が、支持部材２１の周面と平行になる状態まで、支持部２４を支点に揺動運動を行うようになっている。各加圧ヘッド２６は、支持部材２１の周面に沿って周回しながら、支持部材２１の第１面２１ａにおける各々の位置に応じて、開放状態、揺動過程状態、加圧状態及び揺動過程状態となるように接離動作を繰り返すようになっている。

　各加圧ヘッド２６は、図８に示すように、加圧部材５４の加圧面において開口する空気吸引口５５を有している。各加圧ヘッド２６は、外部に配された吸引手段（図示せず）を動作させることで、空気吸引口５５を通じ、加圧ヘッド２６の内部に向けて空気やレーザー溶断時に熱分解して微粒子化した樹脂が吸引されるようになっている。

　各加圧ヘッド２６の空気吸引口５５は、図８に示すように、その幅（支持部材２１の矢印Ｄ方向に沿った長さ）が、上述した支持部材２１におけるスリット状の開口部２７の幅（支持部材２１の矢印Ｄ方向に沿った長さ）よりも大きくなっている。尤も、場合によっては、空気吸引口５５の幅をスリット状の開口部２７の幅と同等又はそれより小さくすることもできる。

　図７に示すように、おむつ連続体１ｃは、図示しない案内ロール等によって、所定のテンションが掛けられた状態で、矢印Ｄ方向に回転駆動される円筒ロール２３の周面部を形成する支持部材２１の外面上に導入され、該支持部材２１に巻き掛けられるようにして該円筒ロール２３の回転によりその周方向に所定距離搬送された後、図示しない導出ロール及びニップロール等によって該支持部材２１から離れる。

　図７に示す実施形態においては、おむつ連続体１ｃを連続搬送しつつ、その一方の面１０ａを、円筒ロール２３の周面部を形成しかつレーザー光３０が通過可能なスリット状の開口部２７（光通過部）を有する支持部材２１の外面に当接させ、支持部材２１と加圧ヘッド２６（押さえ部材）とによって加圧状態となったおむつ連続体１ｃの分断予定部分１０Ｃ（サイドシール部Ｓの形成予定部位）に対して、支持部材２１側から開口部２７を介してレーザー光３０を照射することにより、おむつ連続体１ｃを分断するのと同時に、その分断によって生じた前記加圧状態にある複数枚のシート（外装体５）の切断縁部どうしを融着させて、サイドシール部Ｓを形成する（サイドシール部形成工程）。

　図８は、レーザー式接合装置２０を用いておむつ連続体１ｃ（帯状のシート積層体）を分断するのと同時にサイドシール部Ｓ（シール縁部）を形成する様子を説明する図であり、図８（ａ）には、おむつ連続体１ｃのレーザー光３０による分断予定部分１０Ｃ（すなわちサイドシール部Ｓの形成予定部位）及びその近傍が模式的に示されている。図示の態様におけるおむつ連続体１ｃの分断予定部分１０Ｃは、図８（ａ）に示すように、おむつ連続体１ｃの吸収性本体１０が配置されていない領域における搬送方向の中央である。斯かる分断予定部分１０Ｃは、ウエスト開口部ＷＯ（図２参照）の開口端部及びその近傍が、８枚のシートが重ねられた８層構造部分、それ以外の部分が、４枚のシートが重ねられた４層構造部分となっている。４層構造部分は、図８（ａ）に示すように、腹側領域Ａにおける１枚の外装体５を構成する２枚のシート（外層シート５１及び内層シート５２）と、背側領域Ｂにおける１枚の外装体５を構成する同じく２枚のシート５１，５２とからなり、これら４枚のシートが積層されて構成されている。一方、８層構造部分は、前述したように、おむつ連続体１ｃの製造時に帯状の外装体５の両側部５ｓ，５ｓが吸収性本体１０の長手方向両端部を覆うように折り返されている（図２及び図６参照）ことに起因して、腹側領域Ａ及び背側領域Ｂそれぞれに外装体５が２枚存しかつこれら計４枚の外装体５，５が積層されているので、結果として８枚のシート５１，５２が積層されて構成されている。なお、４層構造部分及び８層構造部分それぞれにおいて、互いに重なり合うシート５１，５２間には、ウエスト部弾性部材５３１、胴回り部弾性部材５３２等の弾性部材が介在配置されている場合があるが、図８では、説明容易の観点から、該弾性部材の図示を省略している。以下、主として、４層構造部分について説明するが、特に断らない限り、８層構造部分も４層構造部分と同様に構成されサイドシール部Ｓが形成される。

　おむつ連続体１ｃにおける４層構造の分断予定部分１０Ｃにおいて、おむつ連続体１ｃの一方の面１０ａ（支持部材２１との当接面）を構成する外層シート５１及び一方の面１０ａを構成するシート以外のシート（内層シート５２）は、レーザー光３０を吸収して発熱するシートを含んでいる。また、おむつ１の製造方法においては、内層シート５２が着色された不織布シートで形成されている。図示の態様においては、分断予定部分１０Ｃを構成する４枚のシート５１，５２の全てが、レーザー光３０を吸収して発熱するシート（不織布）である。また、分断予定部分１０Ｃ及びその近傍における互いに重なり合う外層シート５１及び内層シート５２の２枚のシート間は、レーザー光３０の照射前において、接着剤等により接合されていてもよく、全く接合されていなくてもよい。

　おむつ連続体１ｃは、図８（ｂ）に示すように、一方の面１０ａが支持部材２１に当接しかつ分断予定部分１０Ｃ（サイドシール部Ｓの形成予定部位）がスリット状の開口部２７上に位置するように、矢印Ｄ方向に回転する支持部材２１上に導入されるとともに、他方の面１０ｂに加圧ヘッド２６（押さえ部材）が押し付けられることによって、矢印Ｄ方向に搬送されつつ厚み方向に加圧（圧縮）される。そして、斯かる搬送中かつ加圧状態の分断予定部分１０Ｃに対して、支持部材２１側から開口部２７を介してレーザー光３０が照射される。前述したように、レーザー光３０の照射点は、円筒ロール２３の周方向に任意に移動可能に構成されており、開口部２７の該周方向に沿った移動に追従して移動するように設定されているので、該開口部２７上に位置する分断予定部分１０Ｃには、その搬送中にレーザー光３０が一定時間連続的に照射される。

　４層構造の分断予定部分１０Ｃにレーザー光３０が照射されると、該分断予定部分１０Ｃに存するシート５１，５２の形成材料（繊維等）は、レーザー光３０の直射による発熱によって熱分解して切断すると共に、該分断予定部分１０Ｃの近傍に存する該形成材料は、レーザー光３０の直射による発熱及び間接的な伝熱によって熱せられて溶融する。その結果、図８（ｃ）に示すように、４層構造の分断予定部分１０Ｃが溶断されて、おむつ連続体１ｃから１つの枚葉のシート積層体（おむつ前駆体）が切り分けられる形で、該おむつ連続体１ｃが分断されるのと同時に、その分断によって生じた該枚葉のシート積層体における４枚のシート５１，５２の切断縁部どうし、及び、切り分けられた該おむつ連続体１ｃにおける４枚のシート５１，５２の切断縁部どうしが、それぞれ融着するようになる。これらの切断縁部どうしは、それぞれ、その形成前（レーザー光３０の照射によるおむつ連続体１ｃの分断前）から、支持部材２１と加圧ヘッド２６とに挟まれることによって加圧状態（圧縮状態）とされていたものである。図示の態様のおむつ１の製造方法によれば、このように、一回のレーザー光の照射で、帯状の外装体５の分断と、その分断によって生じた２箇所の加圧状態にある外装体５の切断縁部どうしの融着とを同時に実施するため、２箇所の融着箇所を二回のレーザー光の照射で融着する方法（本発明の範囲外の方法）に比べ、おおよそ半分のレーザー出力で融着と分断とを同一工程で実施でき、おむつ１を効率良く製造することができる。

　おむつ１の製造方法において、サイドシール部形成工程では、外装体５を構成する着色された不織布シートの色素を凝縮させて融着部７０を形成し、サイドシール部Ｓの融着部７０の色を、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色と同系色で且つ該地色よりも濃くする。好適に、シート５１，５２の切断縁部は、レーザー光３０の照射中及び照射終了直後は、発熱して溶融状態となっているが、レーザー光３０の照射によっておむつ連続体１ｃから切り分けられた１つの枚葉のおむつ前駆体及び該おむつ連続体１ｃそれぞれの、支持部材２１と加圧ヘッド２６とによる加圧状態が保持されたまま、照射終了後からは外気や支持部材２１・加圧ヘッド２６への伝熱によって速やかに冷却されて固化し、該切断縁部の形成材料（繊維等）が溶融一体化した融着部７０となる。また、おむつ１の製造方法においては、着色された内層シート５２が有する着色剤の色素が凝縮しながら固化する。こうして、融着部７０が形成されることによって、融着部７０の色が、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色と同系色で且つ該地色よりも濃く形成される。図示の態様において詳述すると、加圧ヘッド２６で加圧した分断予定部分１０Ｃを、開口部２７を介してレーザー光３０で溶断すると、分断予定部分１０Ｃを構成する複数枚の（４枚の）不織布シート５１，５２の全てがレーザー光３０を吸収・発熱し、溶融状態の切断縁部においては、溶融した樹脂が複数枚の（４枚の）不織布のシート５１，５２を構成する構成繊維間に入り込むようになる。それに付随して、着色された内層シート５２の色素も、溶融状態の切断縁部において凝縮するようになる。これによって溶融状態の切断縁部が冷却されて固化した融着部７０を有するサイドシール部Ｓが地色より濃くなる。このようにして、１個のおむつ１における一対のサイドシール部Ｓ，Ｓのうちの一方が形成される。尚、必要に応じ、吸引装置、排気装置等の公知の冷却手段を用いてシート５１，５２の切断縁部を強制的に冷却し、融着部７０の形成を促進してもよい。

　上述したように、本実施態様のおむつ１の製造方法におけるサイドシール部形成工程では、分断予定部分１０Ｃを構成する複数枚の不織布（４枚の）シート５１，５２の全てがレーザー光３０を吸収・発熱し、融着部７０を形成しているが、分断予定部分１０Ｃを構成する複数枚の不織布（４枚の）シート５１，５２の内の一部の不織布シートがレーザー光３０を吸収・発熱し、融着部７０を形成してもよい。具体的には、分断予定部分１０Ｃを構成する複数枚の不織布（４枚の）シート５１，５２の内の一部の不織布シートである、例えば２枚の不織布シートが、レーザー光３０を吸収・発熱し、溶融状態の切断縁部においては、溶融した樹脂が該２枚の不織布シートを構成する構成繊維間に入り込むと共に、着色された内層シート５２の色素が溶融状態の切断縁部において凝縮して、融着部７０を形成してもよい。

　こうして１箇所の分断予定部分１０Ｃ（サイドシール部Ｓの形成予定部位）が分断されると、レーザー光３０は、その照射点が搬送方向とは逆方向に隣接する別の開口部２７に当たるように移動され、該別の開口部２７を介してその上に位置する別の分断予定部分１０Ｃに照射される。これにより、別の分断予定部分１０Ｃが前記と同様に分断・融着され、先に形成されたサイドシール部Ｓと対をなす他方のサイドシール部Ｓ（融着部７０）が形成される。以後、同様の操作を繰り返すことにより、一対のサイドシール部Ｓ，Ｓを有する外装体５を具備するパンツ型使い捨ておむつ１が連続的に効率的に製造される。

　以上のようにして製造されたおむつ１は、主たる特長の１つとして、サイドシール部Ｓに、前身頃Ｆにおける外装体５の側縁部５ａ１と後身頃Ｒにおける外装体５の側縁部５ｂ１とが、おむつ１の縦方向（Ｘ方向）に延在する連続線状の融着部７０で結合したシール縁部７が形成されることが挙げられる。また、シール縁部７は、図８（ａ）及び（ｂ）に示すように、着用時におけるサイドシール部Ｓが延びる方向と直交する断面において、融着部７０の外縁７ａは、おむつ１の内方に向かって窪んだ形状を有している。

　尚、図８（ｃ）に示すように、腹側領域Ａ（外装体Ｆ）と背側領域Ｂ（後身頃Ｒ）とを重ねた平面状態においては、着用時におけるシール縁部７が延びる方向と直交する断面において、前記分断によって生じたサイドシール部Ｓ（シール縁部７）は、該シール縁部７における融着部７０の外縁７ａが、おむつ１の内方に向かって凸の弧状をなし、かつ外縁７ａを含んでそれよりも該おむつ１の内方に、該外装体５を構成する４枚のシート５１，５２どうしの融着部７０が形成され、該融着部７０は、該外装体５の厚み方向（図８（ｃ）の上下方向）の中央部が両端部（上端部及び下端部）に比して幅が広い。すなわち、融着部７０は、おむつ１をその横方向Ｙ（レーザー光による分断方向と直交する方向）に断面視したときに、厚み方向において中央部に向けて融着部７０の幅が徐々に広くなっており、所謂、三日月状又は半月状に形成されている〔図８（ｃ）に示す融着部７０は三日月状〕。

　上述した本発明の一実施形態のおむつ１を使用した際の作用効果について説明する。
　おむつ１は、各サイドシール部Ｓが、図１に示すように、おむつ１の着用時において、該サイドシール部Ｓの周辺部よりもおむつ１の外方に突出していない形態であり、おむつの着用感や外表面の肌触りが向上すると共におむつ１を下着のように見せることができる。また、おむつ１の各サイドシール部Ｓを構成する融着部７０では、図４及び図５に示すように、外装体５を構成する着色された不織布シートの色素が凝縮している。そして、各サイドシール部Ｓを構成する融着部７０は、その色が、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色と同系色で形成されている。その為、おむつ１では、全体の見栄えが良く、特に融着部７０近傍の見栄えが良くなっている。しかも、各サイドシール部Ｓを構成する融着部７０は、その色が、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色よりも濃くなっている。その為、サイドシール部Ｓの目視による視認性が向上し、使用後の汚れたおむつ１の取り外し作業も手間取り難くなっている。

　また、おむつ１では、図３及び図４に示すように、外装体５を構成する構成シートの内の、内層シート５２に着色された不織布シートが用いられている。その為、おむつ１では、各サイドシール部Ｓを構成する融着部７０の色が、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色よりも更に濃くなっている。その為、サイドシール部Ｓの目視による視認性が更に向上し、使用後のおむつ１の取り外し作業の作業性も向上する。また、おむつ１では、内層シート５２の非肌対向面に着色剤が印刷されている。その為、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒの地色が鮮やかになり易く、おむつ１の見栄えが良くなる。

　以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。
　例えば、上述したおむつ１は、図２に示すように、外装体５が腹側領域Ａ、股下領域Ｃ及び背側領域Ｂにわたる砂時計状等の連続した形状のパンツ型使い捨ておむつであるが、外装体５が、腹側外装体、背側外装体及び股下外装体に別部材として区分された分割型のパンツ型使い捨ておむつであってもよい。

　また、上述した使い捨ておむつ１においては、図３及び図４に示すように、外装体５を構成する内層シート５２が着色された不織布シートとなっているが、外層シート５１が着色された不織布シートとなっていてもよく、外層シート５１及び内層シート５２それぞれが着色された不織布シートとなっていてもよい。外層シート５１が着色された不織布シートとなっている場合には、色移りの観点から、外層シート５１の肌対向面に着色剤が印刷されていることが好ましい。

　上述した実施形態に関し、本発明は更に以下のパンツ型使い捨ておむつ及びパンツ型使い捨ておむつの製造方法を開示する。

＜１＞
　吸収性本体と、該吸収性本体の非肌当接面側に配されて該吸収性本体を固定する外装体とを備え、該外装体の前身頃の左右両側縁部と該外装体の後身頃の左右両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型使い捨ておむつであって、
　前記外装体は、該外装体を構成する構成シートが、少なくとも一部着色された不織布シートであり、
　各前記サイドシール部は、前記前身頃における外装体の縁部と前記後身頃における外装体の縁部が、前記使い捨ておむつの縦方向に延在する連続線状の融着部で結合したシール縁部を有し、前記おむつの着用時において該サイドシール部の周辺部よりも前記使い捨ておむつの外方に突出しておらず、
　前記融着部は、その色が、前記前身頃及び前記後身頃の地色と同系色で且つ該地色よりも濃くなっているパンツ型使い捨ておむつ。

＜２＞
　前記外装体は、前記使い捨ておむつの外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、肌対向面側の内層シートとを有し、
　前記内層シートが前記着色された不織布シートである前記＜１＞に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜３＞
　前記外装体は、サイドシール部を含む一部に着色された部分を有する前記不織布シートを含む前記＜１＞又は＜２＞に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜４＞
　前記外装体は、前記使い捨ておむつの外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、肌対向面側の内層シートとを有し、
　前記外装体は、前記内層シートが、前記サイドシール部を含む一部に着色された部分を有する前記不織布シートである、前記＜３＞に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜５＞
　前記着色された不織布シートは、白色以外の色に着色されている前記＜１＞～＜４＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜６＞
　前記着色された不織布シートは、無彩色又は有彩色に着色されている、前記＜１＞～＜５＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜７＞
　前記着色された不織布シートは、有彩色に着色されている、前記＜６＞に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜８＞
　前記着色された不織布シートは、該不織布シートの構成繊維を形成する樹脂のペレットと着色剤とを混合した原料を溶融し形成した繊維練り込みシートである、前記＜１＞～＜７＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜９＞
　前記着色された不織布シートは、不織布シートの肌対向面及び非肌対向面の一方に着色剤の色を有するシートである、前記＜１＞～＜７＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜１０＞
　前記外装体は、前記使い捨ておむつの外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、肌対向面側の内層シートとを有し、
　前記外装体は、前記内層シートの非肌対向面に着色剤を有する、前記＜１＞～＜７＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。

＜１１＞
　前記外装体は、前記使い捨ておむつの外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、肌対向面側の内層シートとを有し、
　前記外層シートが前記着色された不織布シートである、前記＜１＞～＜１０＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜１２＞
　前記外装体は、前記外層シートの肌対向面に着色剤を有する、前記＜１１＞に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜１３＞
　前記着色された不織布シートは、前記融着部の色と前記前身頃及び前記後身頃の地色とが同系色である、前記＜１＞～＜１２＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜１４＞
　前記融着部の色と前記前身頃及び前記後身頃の地色は、デジタル画像として取込んだカラーデジタル画像を、各画素のＨ（色相）／Ｓ（彩度）／Ｂ（明度）それぞれについて、８ビットの信号により０～２５５の２５６段階で表わすと、前記融着部の領域のＨ（色相）の平均段階値と、前記前身頃の領域のＨ（色相）及び前記後身頃の領域のＨ（色相）の平均段階値との差が、Ｈ（色相）において、±２０ポイント差以内である、前記＜１＞～＜１３＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜１５＞
　前記融着部の領域のＨ（色相）の平均段階値と、前記前身頃の領域のＨ（色相）及び前記後身頃の領域のＨ（色相）の平均段階値との差が、Ｈ（色相）において、±１０ポイント差以内である、前記＜１４＞に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
＜１６＞
　前記融着部の色と前記前身頃及び前記後身頃の地色は、デジタル画像として取込んだデジタル画像を、８ビットグレイスケールに変換し、各画素の濃度を８ビットの信号により０～２５５の２５６段階で表わすと、前記融着部の領域の平均段階値が、前記前身頃の領域の平均段階値及び前記後身頃の領域の平均段階値と２０ポイント差以上ある、前記＜１＞～＜１５＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。

＜１７＞
　前記＜１＞～＜１６＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法であって、
　外装体を構成する構成シートに着色された不織布シートを用い、前身頃側と後身頃側とを重ねた状態の帯状の外装体におけるサイドシール部の形成予定部位に、前記外装体の搬送方向と交差する方向に延在する光通過部を介してレーザー光を照射することにより、該外装体を分断するとともに、その分断によって生じた積層状態の外装体の切断縁部どうしを融着させて前記サイドシール部を形成するサイドシール部形成工程を具備し、
　前記サイドシール部形成工程においては、前記外装体を構成する前記着色された不織布シートの色素を凝縮させて融着部を形成し、該融着部の色を、前記前身頃及び前記後身頃の地色と同系色で且つ該地色よりも濃くするパンツ型使い捨ておむつの製造方法。

＜１８＞
　前記着色された不織布シートは、該不織布シートの構成繊維を形成する樹脂のペレットと着色剤とを混合した原料を溶融し形成した繊維練り込みシートである、前記＜１７＞に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
＜１９＞
　前記着色された不織布シートは、不織布シートの肌対向面及び非肌対向面の一方に着色剤の色をフレキソ、グラビア、インクジェット方式等の通常の印刷方法を用いて印刷したシートである、前記＜１７＞に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
＜２０＞
　前記外装体は、外層シート及び内層シートを含んでおり、
　前記内層シートが前記着色された不織布シートで形成されている、前記＜１７＞～＜１９＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
＜２１＞
　前記外装体は、前記内層シートの非肌対向面に印刷方法を用いて着色剤が印刷されている、前記＜２０＞に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
＜２２＞
　一回のレーザー光の照射で、前記帯状の外装体の分断と、その分断によって生じた２箇所の加圧状態にある前記外装体の前記切断縁部どうしの融着とを同時に実施する、前記＜１７＞～＜２１＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
＜２３＞
　前記外装体の前記切断縁部は、レーザー光の照射中及び照射終了直後は、発熱して溶融状態となっているが、レーザー光の照射によって前記帯状の外装体から切り分けられた１つの枚葉の外装体及び前記帯状の外装体それぞれの、支持部材と加圧ヘッドとによる加圧状態が保持されたまま、レーザー光の照射終了後からは冷却されて固化し、該切断縁部の繊維が溶融一体化した融着部を、前記着色された不織布シートが有する着色剤の色素が凝縮しながら固化して形成する、前記＜２２＞に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
＜２４＞
　前記融着部は、加圧ヘッドで加圧した分断予定部分を、支持部材のレーザー光が通過可能な光通過部を介してレーザー光で溶断すると、該分断予定部分を構成する複数枚の不織布の全てがレーザー光を吸収・発熱し、溶融状態の前記切断縁部においては、溶融した樹脂が複数枚の不織布シートを構成する構成繊維間に入り込むようになり、前記着色された不織布シートの色素も、溶融状態の切断縁部において凝縮して形成され、該融着部の色が地色より濃くなる、前記＜１７＞～＜２３＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
＜２５＞
　前記融着部は、加圧ヘッドで加圧した分断予定部分を、支持部材のレーザー光が通過可能な光通過部を介してレーザー光で溶断すると、該分断予定部分を構成する複数枚の不織布シートの一部がレーザー光を吸収・発熱し、溶融状態の前記切断縁部においては、溶融した樹脂が複数枚の不織布シートを構成する構成繊維間に入り込むようになり、着色された不織布シートの色素も、溶融状態の切断縁部において凝縮して形成され、該融着部の色が地色より濃くなる、前記＜１７＞～＜２３＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
＜２６＞
　前記外装体は、外層シート及び内層シートを含んでおり、
　前記外装体は、前記外層シートの肌対向面に着色剤が印刷されている、前記＜１７＞～＜２５＞の何れか１に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。

　本発明によれば、おむつの着用感や外表面の肌触りが向上する。また、融着部近傍の見栄えが良く、サイドシール部の目視による視認性が向上し、おむつの取り外し作業も手間取り難い。

Claims (26)

1. 　吸収性本体と、該吸収性本体の非肌当接面側に配されて該吸収性本体を固定する外装体とを備え、該外装体の前身頃の左右両側縁部と該外装体の後身頃の左右両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型使い捨ておむつであって、
   　前記外装体は、該外装体を構成する構成シートが、少なくとも一部着色された不織布シートであり、
   　各前記サイドシール部は、前記前身頃における外装体の縁部と前記後身頃における外装体の縁部が、前記使い捨ておむつの縦方向に延在する連続線状の融着部で結合したシール縁部を有し、前記おむつの着用時において該サイドシール部の周辺部よりも前記使い捨ておむつの外方に突出しておらず、
   　前記融着部は、その色が、前記前身頃及び前記後身頃の地色と同系色で且つ該地色よりも濃い、パンツ型使い捨ておむつ。
2. 　前記外装体は、前記使い捨ておむつの外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、肌対向面側の内層シートとを有し、
   　前記内層シートが前記着色された不織布シートである請求項１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
3. 　前記外装体は、サイドシール部を含む一部に着色された部分を有する前記不織布シートを含む請求項１又は２に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
4. 　前記外装体は、前記使い捨ておむつの外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、肌対向面側の内層シートとを有し、
   　前記外装体は、前記内層シートが、前記サイドシール部を含む一部に着色された部分を有する前記不織布シートである、請求項３に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
5. 　前記着色された不織布シートは、白色以外の色に着色されている請求項１～４の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
6. 　前記着色された不織布シートは、無彩色又は有彩色に着色されている、請求項１～５の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
7. 　前記着色された不織布シートは、有彩色に着色されている、請求項６に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
8. 　前記着色された不織布シートは、該不織布シートの構成繊維を形成する樹脂のペレットと着色剤とを混合した原料を溶融し形成した繊維練り込みシートである、請求項１～７の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
9. 　前記着色された不織布シートは、不織布シートの肌対向面及び非肌対向面の一方に着色剤の色を有するシートである、請求項１～７の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
10. 　前記外装体は、前記使い捨ておむつの外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、肌対向面側の内層シートとを有し、
    　前記外装体は、前記内層シートの非肌対向面に着色剤を有する、請求項１～７の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
11. 　前記外装体は、前記使い捨ておむつの外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、肌対向面側の内層シートとを有し、
    　前記外層シートが前記着色された不織布シートである、請求項１～１０の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
12. 　前記外装体は、前記外層シートの肌対向面に着色剤を有する、請求項１１に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
13. 　前記着色された不織布シートは、前記融着部の色と前記前身頃及び前記後身頃の地色とが同系色である、請求項１～１２の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
14. 　前記融着部の色と前記前身頃及び前記後身頃の地色は、デジタル画像として取込んだカラーデジタル画像を、各画素のＨ（色相）／Ｓ（彩度）／Ｂ（明度）それぞれについて、８ビットの信号により０～２５５の２５６段階で表わすと、前記融着部の領域のＨ（色相）の平均段階値と、前記前身頃の領域のＨ（色相）及び前記後身頃の領域のＨ（色相）の平均段階値との差が、Ｈ（色相）において、±２０ポイント差以内である、請求項１～１３の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
15. 　前記融着部の領域のＨ（色相）の平均段階値と、前記前身頃の領域のＨ（色相）及び前記後身頃の領域のＨ（色相）の平均段階値との差が、Ｈ（色相）において、±１０ポイント差以内である、請求項１４に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
16. 　前記融着部の色と前記前身頃及び前記後身頃の地色は、デジタル画像として取込んだデジタル画像を、８ビットグレイスケールに変換し、各画素の濃度を８ビットの信号により０～２５５の２５６段階で表わすと、前記融着部の領域の平均段階値が、前記前身頃の領域の平均段階値及び前記後身頃の領域の平均段階値と２０ポイント差以上ある、請求項１～１５の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
17. 　請求項１～１６の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法であって、
    　外装体を構成する構成シートに着色された不織布シートを用い、前身頃側と後身頃側とを重ねた状態の帯状の外装体におけるサイドシール部の形成予定部位に、前記外装体の搬送方向と交差する方向に延在する光通過部を介してレーザー光を照射することにより、該外装体を分断するとともに、その分断によって生じた積層状態の外装体の切断縁部どうしを融着させて前記サイドシール部を形成するサイドシール部形成工程を具備し、
    　前記サイドシール部形成工程においては、前記外装体を構成する前記着色された不織布シートの色素を凝縮させて融着部を形成し、該融着部の色を、前記前身頃及び前記後身頃の地色と同系色で且つ該地色よりも濃くするパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
18. 　前記着色された不織布シートは、該不織布シートの構成繊維を形成する樹脂のペレットと着色剤とを混合した原料を溶融し形成した繊維練り込みシートである、請求項１７に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
19. 　前記着色された不織布シートは、不織布シートの肌対向面及び非肌対向面の一方に着色剤の色を、フレキソ、グラビア又はインクジェット方式の印刷方法を用いて印刷したシートである、請求項１７に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
20. 　前記外装体は、外層シート及び内層シートを含んでおり、
    　前記内層シートが前記着色された不織布シートで形成されている、請求項１７～１９の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
21. 　前記外装体は、前記内層シートの非肌対向面に印刷方法を用いて着色剤が印刷されている、請求項２０に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
22. 　一回のレーザー光の照射で、前記帯状の外装体の分断と、その分断によって生じた２箇所の加圧状態にある前記外装体の前記切断縁部どうしの融着とを同時に実施する、請求項１７～２１の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
23. 　前記外装体の前記切断縁部は、レーザー光の照射中及び照射終了直後は、発熱して溶融状態となっているが、レーザー光の照射によって前記帯状の外装体から切り分けられた１つの枚葉の外装体及び前記帯状の外装体それぞれの、支持部材と加圧ヘッドとによる加圧状態が保持されたまま、レーザー光の照射終了後からは冷却されて固化し、該切断縁部の繊維が溶融一体化した融着部を、前記着色された不織布シートが有する着色剤の色素が凝縮しながら固化して形成する、請求項２２に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
24. 　前記融着部は、加圧ヘッドで加圧した分断予定部分を、支持部材のレーザー光が通過可能な光通過部を介してレーザー光で溶断すると、該分断予定部分を構成する複数枚の不織布の全てがレーザー光を吸収・発熱し、溶融状態の前記切断縁部においては、溶融した樹脂が複数枚の不織布シートを構成する構成繊維間に入り込むようになり、前記着色された不織布シートの色素も、溶融状態の切断縁部において凝縮して形成され、該融着部の色が地色より濃くなる、請求項１７～２３の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
25. 　前記融着部は、加圧ヘッドで加圧した分断予定部分を、支持部材のレーザー光が通過可能な光通過部を介してレーザー光で溶断すると、該分断予定部分を構成する複数枚の不織布シートの一部がレーザー光を吸収・発熱し、溶融状態の前記切断縁部においては、溶融した樹脂が複数枚の不織布シートを構成する構成繊維間に入り込むようになり、着色された不織布シートの色素も、溶融状態の切断縁部において凝縮して形成され、該融着部の色が地色より濃くなる、請求項１７～２３の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
26. 　前記外装体は、外層シート及び内層シートを含んでおり、
    　前記外装体は、前記外層シートの肌対向面に着色剤が印刷されている、請求項１７～２５の何れか１項に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法。

Images