WO2016199627A1 - 送信装置、及び送信方法 - Google Patents

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Abstract

第1の変調信号s(t)及び第2の変調信号s(t)からプリコーディング行列を用いて第1の送信信号z(t)及び第2の送信信号z(t)を生成するものであって、フィードバック情報からプリコーディング行列のパラメーターを求める。

Description

送信装置、及び送信方法
 本開示は、マルチアンテナを用いる伝送技術に関する。
 従来、マルチアンテナを用いた通信方法として、例えば、MIMO(Multiple-Input Multiple-Out)と呼ばれる通信方法がある。
 MIMOに代表されるマルチアンテナ通信では、1以上の系列の送信データを変調し、各変調信号を異なるアンテナから同一周波数(共通の周波数)を用い、同時に送信することで、データの受信品質を高め、および/または、(単位時間当たりの)データの通信速度を高めることができる。
 また、MIMOの一つに偏波MIMOがあり、例えば特許文献1(特開2007-192658号公報)に次の内容が開示されている。
 送信側及び受信側それぞれで一部のアンテナの偏波面を切り替え、これと直交している偏波面を使用するアンテナとの伝達関数を0に近づけることによりチャネル行列のランクを向上させ、ストリーム数を確保する。3×3以上のアンテナ構成の場合には、基本的に垂直偏波を各アンテナで使用し、水平偏波をどのアンテナに適用したら効果的にチャネル行列の品質が向上するかを判断して、送受信機の特定のアンテナだけ偏波面を切り替える。
特開2007-192658号公報
 ところで、MIMOにおいて、マッピング後の信号s(t)とマッピング後の信号s(t)とをプリコーディング行列を用いて重み付け演算を行い、重み付け後の信号r(t)と重み付け後の信号r(t)と生成する処理が行われることがある。
 しかしながら、特許文献1では、偏波を考慮してプリコーディング行列を変更することが開示されていない。
 そこで、本開示の一態様は、偏波を考慮してプリコーディング行列を変更する送信装置及び送信方法を提供する。
 本開示の一実施の形態に係る送信方法は、第1の変調信号s(t)及び第2の変調信号s(t)から後述の数4を演算して第1の送信信号z(t)及び第2の送信信号z(t)を生成して送信する送信方法であって、フィードバック情報に基づいて後述の数7となるように、θ、a、bを求める。
 なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
 これによれば、偏波を考慮してプリコーディング行列を変更するため、受信側での受信性能が向上する可能性がある。
偏波MIMOシステムのシステム構成図。 アンテナの配置状態の一例を示す図。 通信局の一構成例を示す図。 通信局の他の構成例を示す図。 通信局の変調信号のフレーム構成の一例を示す図。 端末の一構成例を示す図。 端末の変調信号のフレーム構成の一例を示す図。 通信局と端末の通信状態の一例を示す図。 通信局の変調信号のフレーム構成の他の例を示す図。 通信局の構成の例を示す図。 通信局の構成の例を示す図。 通信局の構成の例を示す図。 通信局の構成の例を示す図。 位相変更方法の例を示す図を示す図。 位相変更方法の例を示す図。 フレーム構成の例を示す図。 フレーム構成の例を示す図。 フレーム構成の例を示す図。 フレーム構成の例を示す図。 フレーム構成の例を示す図。 フレーム構成の例を示す図。 フレーム構成の例を示す図。 位相変更方法の例を示す図。 位相変更方法の例を示す図。 マッピング部の例を示す図。 通信局の構成の例を示す図。 通信局の構成の例を示す図。
 以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
 (MIMO偏波)
 図1は偏波MIMOシステムのシステム構成図である。
 通信局110の送信部111は、信号z(t)と信号z(t)とを入力とし、水平垂直偏波用アンテナ112から信号z(t)を送信し、垂直偏波用アンテナ113から信号z(t)を送信する。
 端末150の受信部151は、水平偏波用アンテナ152で受信した信号と垂直偏波用アンテナ154で受信した信号とを入力とし、信号r(t)と信号r(t)とを出力する。
 ここで、通信局110の水平偏波用アンテナ112と端末150の水平偏波用アンテナ152との間のチャネル特性をh11(t)、通信局110の垂直偏波用アンテナ113と端末150の水平偏波用アンテナ152との間のチャネル特性をh12(t)、通信局110の水平偏波用アンテナ112と端末150の垂直偏波用アンテナ152との間のチャネル特性をh21(t)、及び通信局110の垂直偏波用アンテナ113と端末150の垂直偏波用アンテナ153との間のチャネル特性をh22(t)とする。
 すると、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
の関係が成立する。
 そして、偏波MIMO(Multiple-Input Multiple Output)システムにおいて、XPD(交差偏波識別度:cross polarization discrimination)が大きい値の場合、h12(t)≒0、かつ、h21(t)≒0と扱うことができる。そして、ミリ波帯を使用した場合、電波は直進性が強いため、以下のような状態になる可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)(t)はマッピング後のベースバンド信号)であれば、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないため、良好なデータの受信品質を得ることができる可能性が高い。同様に、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないため、良好なデータの受信品質を得ることができる可能性が高い。
 但し、h11(t)、h12(t)、h21(t)、h22(t)は複素数である(実数でもよい)。r(t)、r(t)、z(t)、z(t)は複素数である(実数でもよい)。n(t)、n(t)は雑音であり、複素数である。
 図2はアンテナの配置状態の一例を示す図である。
 図2において、送信側の水平偏波用アンテナ112及び垂直偏波用アンテナ113に対して、受信側の水平偏波用アンテナ152及び垂直偏波用アンテナ153の配置の理想的な状態を点線で示している。
 図2に示すように、この理想的な状態の水平偏波用アンテナ152及び垂直偏波用アンテナ153に対する、実際に設置された状態またはアンテナ状態が変化した場合の水平偏波用アンテナ152及び垂直偏波用アンテナ153のなす角度を、δ(ラジアン)とする。
 (プリコーディング方法(1A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(但し、δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000008
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000009
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000010
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000011
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000012
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000013
 (通信局の構成(1))
 以下、本開示の通信局の一構成例を説明する。図3は、本開示の通信局の一構成例を示すブロック図である。
 通信局300は、インタリーバ302A,302B、マッピング部304A,304Bと、重み付け合成部306A,306B、無線部308A,308B、水平偏波用アンテナ310A、垂直偏波用アンテナ310B、アンテナ312、受信装置313、プリコーディング方法決定部316、及び送信方法・フレーム構成決定部318を備える。
 インタリーバ302Aは、符号化後のデータ301A、及び送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、符号化後のデータ301Aをインタリーブし、インタリーブ後のデータ303Aを出力する。なお、送信方法・フレーム構成信号319に基づきインタリーブの方法を切り替えてもよい。
 インタリーバ302Bは、符号化後のデータ301B、及び送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、符号化後のデータ301Bをインタリーブし、インタリーブ後のデータ303Bを出力する。なお、送信方法・フレーム構成信号319に基づきインタリーブの方法を切り替えてもよい。
 マッピング部304Aは、インタリーブ後のデータ303A、及び送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、インタリーブ後のデータ303Aに対してQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、変調後の信号(マッピング後の信号)305Aを出力する。なお、送信方法・フレーム構成信号319に基づき変調方式を切り替えてもよい。
 マッピング部304Bは、インタリーブ後のデータ303B、及び送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、インタリーブ後のデータ303Bに対してQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、変調後の信号(マッピング後の信号)305Bを出力する。なお、送信方法・フレーム構成信号319に基づき変調方式を切り替えてもよい。
 重み付け合成部306Aは、マッピング後の信号305A及びマッピング後の信号305Bと、送信方法・フレーム構成信号319と、プリコーディング方法信号320を入力とし、プリコーディング方法信号320に基づいてマッピング後の信号305Aとマッピング後の信号305Bとを重み付け合成し、送信方法・フレーム構成信号319のフレーム構成に基づき、重み付け後の信号307Aを出力する。なお、重み付け合成部306Aによる重み付け合成の方法については後述する。
 重み付け合成部306Bは、マッピング後の信号305A及びマッピング後の信号305Bと、送信方法・フレーム構成信号319と、プリコーディング方法信号320を入力とし、プリコーディング方法信号320に基づいてマッピング後の信号305Aとマッピング後の信号305Bとを重み付け合成し、送信方法・フレーム構成信号319のフレーム構成に基づき、重み付け後の信号307Bを出力する。なお、重み付け合成部306Bによる重み付け合成の方法については後述する。
 無線部308Aは、重み付け後の信号307A、及び送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、重み付け後の信号307Aに対して、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号309Aを出力する。送信信号309Aは、水平偏波用アンテナ310Aから電波として出力される。なお、送信方法・フレーム構成信号319に基づき各種処理内容を切り替えてもよい。
 無線部308Bは、重み付け後の信号307B、及び送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、重み付け後の信号307Bに対して、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号309Bを出力する。送信信号309Bは、垂直偏波用アンテナ310Bから電波として出力される。なお、送信方法・フレーム構成信号319に基づき各種処理内容を切り替えてもよい。
 受信装置313は、アンテナ311で受信した受信信号312を入力とし、受信信号312を復調・復号し、得られたデータ信号314、315を出力する。
 プリコーディング方法決定部316は、データ信号314と信号317とを入力とし、データ信号314から通信相手が送信したフィードバック情報を取得し、フィードバック情報に基づいてプリコーディング方法を決定し、プリコーディング方法信号320を出力する。なお、プリコーディング方法決定部316によるプリコーディング方法の決定については後述する。
 送信方法・フレーム構成決定部318は、データ信号314と信号317とを入力とし、データ信号314から通信相手が送信した情報を取得し、また、信号317には、通信局が所望する送信方法の情報が含まれており、これら情報に基づいて送信方法・フレーム構成を決定し、送信方法・フレーム構成信号319を出力する。
 (通信局の構成(2))
 以下、本開示の通信局の他の構成例を説明する。
 図4は、本開示の通信局の他の構成例を示すブロック図である。
 図4の通信局400は、図3の通信局300に対して、重み付け合成部306Aと無線部308Aとの間に係数乗算部401Aを備え、重み付け合成部306Bと無線部308Bとの間に係数乗算部401Bを備える。
 係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307Aとプリコーディング方法信号320とを入力とし、プリコーディング方法信号320に基づいて重み付け後の信号307Aに係数を乗算し、係数乗算後の信号402Aを出力する。なお、係数乗算部401Aによる係数の乗算については後述する。
 係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307Bとプリコーディング方法信号320とを入力とし、プリコーディング方法信号320に基づいて重み付け後の信号307Bに係数を乗算し、係数乗算後の信号402Bを出力する。なお、係数乗算部401Bによる係数の乗算については後述する。
 なお、図4の無線部308Aは重み付け後の信号307Aの代わりに係数乗算後の信号402Aを入力として処理を行い、無線部308Bは重み付け後の信号307Bの代わりに係数乗算後の信号402Bを入力として処理を行う。
 (プリコーディング方法(1A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000014
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000015
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000016
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(1A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000017
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000018
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(1A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000019
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000020
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000021
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(1A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000022
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000023
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(1B))
 「(プリコーディング方法(1A))」で記載したように、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000024
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000025
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000026
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000027
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000028
 (プリコーディング方法(1B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000029
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000030
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000031
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(1B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000032
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000033
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(1B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000034
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000035
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000036
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(1B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000037
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000038
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (通信局の送信フレーム構成(1))
 図5は、通信局が送信する変調信号のフレーム構成の一例を示す図である。図5において、横軸は時間、縦軸は周波数である。ただし、縦軸の周波数において、キャリア(サブキャリア)は1以上であればよい。図5(A)は、図3、図4の水平偏波用アンテナ310Aから送信される変調信号(z(t))のフレーム構成、図5(B)は、図3、図4の垂直偏波用アンテナ310Bから送信される変調信号(z(t))のフレーム構成の一例を示している。
 また、プリアンブル、制御情報シンボル、プリコーディング設定用トレーニングシンボルがシングルキャリア(キャリア数1)方式、データシンボルがOFDM(orthogonal frequency-division multiplexing)などのマルチキャリア方式であってもよい。(このとき、プリアンブルを伝送するのに使用する周波数帯域、制御情報シンボルを伝送するのに使用する周波数帯域、プリコーディング設定用トレーニングシンボルを伝送するのに使用する周波数帯域、データシンボルを伝送するのに使用する周波数帯域は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。)そして、プリアンブル、制御情報シンボル、プリコーディング設定用トレーニングシンボル、データシンボルは、いずれもOFDMなどのマルチキャリア方式であってもよい(このとき、プリアンブルを伝送するのに使用する周波数帯域、制御情報シンボルを伝送するのに使用する周波数帯域、プリコーディング設定用トレーニングシンボルを伝送するのに使用する周波数帯域、データシンボルを伝送するのに使用する周波数帯域は、同一であってもよいし、異なっていてもよい)。
 図5におけるプリアンブルは、通信局が送信した変調信号を、端末が検出するための信号、通信局が送信した変調信号に対し、端末が時間同期、および、周波数同期を行うための信号などが含まれたシンボルであるものとする。なお、図5では、プリアンブルは水平偏波用アンテナ310Aおよび垂直偏波用アンテナ310B両者から送信されてもよいし、プリアンブルは水平偏波用アンテナ310A、または、垂直偏波用アンテナ310Bのいずれか一方から送信されてもよい。
 図5における制御情報シンボルは、端末に制御情報を伝送するためのシンボルであり、制御情報シンボルは、例えば、(データシンボルの)変調方式の情報(s(t)の変調方式の情報、および、(データシンボルの)s(t)の変調方式の情報、通信局が用いた誤り訂正符号の情報(符号化率、ブロック長(符号長)など)を含んでおり、端末は、制御情報シンボルを得ることで、変調方式の情報、誤り訂正符号の情報を得ることで、データシンボルを復調・復号することが可能となる。なお、図5では、制御情報シンボルは水平偏波用アンテナ310Aおよび垂直偏波用アンテナ310B両者から送信されてもよいし、制御情報シンボルは水平偏波用アンテナ310A、または、垂直偏波用アンテナ310Bのいずれか一方から送信されてもよい。
 なお、少なくともデータシンボルはMIMO伝送を行っていることを前提としており、データシンボルは、同一時間、同一周波数を用いて、水平偏波用アンテナ310A、および、垂直偏波用アンテナ310Bから送信される。
 図5におけるリファレンスシンボルは、端末がデータシンボルを復調(検波)するために、伝播環境の推定(チャネル推定)を行うためのシンボルである。リファレンスシンボルは、水平偏波用アンテナ310Aから送信され、また、リファレンスシンボルは、垂直偏波用アンテナ310Bからも送信される。ただし、「水平偏波用アンテナ310Aからリファレンスシンボルが送信されている時間および周波数において、垂直偏波用アンテナ310Bからリファレンスシンボルを送信しない」、という構成としてもよいし、「水平偏波用アンテナ310Aからリファレンスシンボルが送信されている時間および周波数において、垂直偏波用アンテナ310Bからもリファレンスシンボルを送信する」、というような構成としてもよい。
 図5におけるデータシンボルは、データを伝送するためのシンボルであり、図5(A)におけるデータシンボルは、s(t)、および/または、s(t)で構成された信号z(t)であり、図5(B)におけるデータシンボルは、s(t)、および/または、s(t)で構成された信号z(t)である。そして、図5(A)におけるデータシンボルと図5(B)におけるデータシンボルは、同一時間、同一周波数を用いて、通信局から送信される。
 図5におけるプリコーディング設定用トレーニングシンボルは、「(プリコーディング方法(1A))」、「(プリコーディング方法(1A-1))」、「(プリコーディング方法(1A-2))」、「(プリコーディング方法(1B))」、「(プリコーディング方法(1B-1))」、「(プリコーディング方法(1B-2))」で説明したプリコーディングを行うために、パラメーター(a、b、θ)を推定するためのトレーニングシンボルである。例えば、端末は、プリコーディング設定用トレーニングシンボルを受信し、伝播環境の推定(チャネル推定)を行い、チャネル推定値(CSI:Channel State Information)を、通信局に送信する。プリコーディング設定用トレーニングシンボルは、水平偏波用アンテナ310Aから送信され、また、プリコーディング設定用トレーニングシンボルは、垂直偏波用アンテナ310Bからも送信される。ただし、「水平偏波用アンテナ310Aからプリコーディング設定用トレーニングシンボルが送信されている時間および周波数において、垂直偏波用アンテナ310Bからプリコーディング設定用トレーニングシンボルを送信しない」、という構成としてもよいし、「水平偏波用アンテナ310Aからプリコーディング設定用トレーニングシンボルが送信されている時間および周波数において、垂直偏波用アンテナ310Bからもプリコーディング設定用トレーニングシンボルを送信する」、というような構成としてもよい。
 なお、図5の通信局が送信する変調信号のフレーム構成は、一例であり、図5で示した以外のシンボルを通信局が送信してもよいし、フレームに図5で示した以外のシンボルが存在していてもよい。また、制御情報シンボルやデータシンボルなどに、伝播環境の推定(チャネル推定)を行うためのパイロットシンボルなどが挿入されていてもよい。
 (端末の構成)
 図6は、本開示の端末の構成の一構成例を示している。
 端末600は、水平偏波用アンテナ601_X、無線部603_X、変調信号z1のチャネル変動推定部605_1、変調信号z2のチャネル変動推定部605_2、無線部603_Y、変調信号z1のチャネル変動推定部607_1、変調信号z2のチャネル変動推定部607_2、制御情報復号部609、信号処理部611、フィードバック情報生成部613、時間・周波数同期部615、送信部618、及びアンテナ620を備える。
 無線部603_Xは、水平偏波用アンテナ601_Xで受信された受信信号602_Xと時間・周波数同期信号616とを入力とし、受信信号602_Xに対して周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号604_Xを出力する。
 変調信号z1のチャネル変動推定部605_1は、ベースバンド信号604_Xと時間・周波数同期信号616とを入力とし、図5(A)のリファレンスシンボルを用いて、チャネル推定を行い(チャネル特性h11(t)を算出し)、チャネル推定信号606_1を出力する。
 変調信号z2のチャネル変動推定部605_2は、ベースバンド信号604_Xと時間・周波数同期信号616とを入力とし、図5(B)のリファレンスシンボルを用いて、チャネル推定を行い(チャネル特性h12(t)を算出し)、チャネル推定信号606_2を出力する。
 無線部603_Yは、垂直偏波用アンテナ601_Yで受信された受信信号602_Yと時間・周波数同期信号616とを入力とし、受信信号602_Yに対して周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号604_Yを出力する。
 変調信号z1のチャネル変動推定部607_1は、ベースバンド信号604_Yと時間・周波数同期信号616とを入力とし、図5(A)のリファレンスシンボルを用いて、チャネル推定を行い(チャネル特性h21(t)を算出し)、チャネル推定信号608_1を出力する。
 変調信号z2のチャネル変動推定部607_2は、ベースバンド信号604_Yと時間・周波数同期信号616とを入力とし、図5(B)のリファレンスシンボルを用いて、チャネル推定を行い(チャネル特性h22(t)を算出し)、チャネル推定信号608_2を出力する。
 時間・周波数同期部615は、ベースバンド信号604_Xとベースバンド信号604_Yとを入力とし、図5(A)、(B)のプリアンブルを用いて、時間同期(フレーム同期)、および、周波数同期を行い、時間・周波数同期信号616を出力する。
 制御情報復号部609は、ベースバンド信号604_X及びベースバンド信号604_Yと時間・周波数同期信号616とを入力とし、図5(A)、(B)の制御情報シンボルの復調・復号を行い、制御情報を得て、制御信号610を出力する。
 信号処理部611は、ベースバンド信号604_X,604_Yと、チャネル推定信号606_1,606_2,608_1,608_2と、制御信号610と、時間・周波数同期信号616とを入力とし、図5(A)、(B)のデータシンボルの復調・復号を行い、データを得て、データ612を出力する。
 フィードバック情報生成部613は、ベースバンド信号604_X及びベースバンド信号604_Yと時間・周波数同期信号616とを入力とし、図5(A)、(B)におけるプリコーディング設定用トレーニングシンボルを用いて、例えば、伝播環境の推定(チャネル推定)を行い、チャネル推定値(CSI:Channel State Information)を得、これに基づき、フィードバック情報を生成し、フィードバック信号614を出力する(フィードバック情報は、送信部618を介し、端末は、フィードバック情報として、通知情報シンボルを通信局に送信する)。
 送信部618は、フィードバック信号614とデータ617とを入力とし、送信信号619は、アンテナ620から電波として出力される。
 (端末の送信フレーム構成)
 図7は、端末が送信する変調信号のフレーム構成の一例を示す図である。図7において、横軸は時間、縦軸は周波数である。ただし、縦軸の周波数において、キャリア(サブキャリア)は1以上であればよい。このとき、プリアンブル、制御情報シンボル、通知情報シンボルがシングルキャリア(キャリア数1)方式、データシンボルがOFDM(orthogonal frequency-division multiplexing)などのマルチキャリア方式であってもよい。(このとき、プリアンブルを伝送するのに使用する周波数帯域、制御情報シンボルを伝送するのに使用する周波数帯域、通知情報シンボルを伝送するのに使用する周波数帯域、データシンボルを伝送するのに使用する周波数帯域は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。)そして、プリアンブル、制御情報シンボル、通知情報シンボル、データシンボルは、いずれもOFDMなどのマルチキャリア方式であってもよい。(このとき、プリアンブルを伝送するのに使用する周波数帯域、制御情報シンボルを伝送するのに使用する周波数帯域、通知情報シンボルを伝送するのに使用する周波数帯域、データシンボルを伝送するのに使用する周波数帯域は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。)また、端末が送信する変調信号は、一つに限ったものではない(例えば、複数のアンテナか複数の変調信号を送信するMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)方式、MISO(Multiple-Input Single-Output)方式を用いてもよい)。
 図7におけるプリアンブルは、端末が送信した変調信号を、端末が検出するための信号、端末が送信した変調信号に対し、通信局が、時間同期、および、周波数同期を行うための信号などが含まれたシンボルであるものとする。
 図7における制御情報シンボルは、通信局に制御情報を伝送するためのシンボルであり、制御情報シンボルは、例えば、(データシンボルの)変調方式の情報、端末が用いた誤り訂正符号の情報(符号化率、ブロック長(符号長)など)を含んでおり、通信局は、制御情報シンボルを得ることで、変調方式の情報、誤り訂正符号の情報を得ることで、データシンボルの復調・復号することが可能となる。
 図7における通知情報シンボルは、「端末が、通信局が送信したプリコーディング設定用トレーニングシンボルを用いて推定した、例えば、伝播環境の推定(チャネル推定)を行うことで得たチャネル推定値(CSI)を、通信局に伝送する」ためのシンボルである(したがって、通信局は、通知情報シンボルを得ることで、データシンボルを生成するのに使用するプリコーディング行列、(および、パワー変更値)を求めることができる)。
 図7におけるリファレンスシンボルは、通信局がデータシンボルを復調(検波)するために、伝播環境の推定(チャネル推定)を行うためのシンボルである。
 図7におけるデータシンボルは、データを伝送するためのシンボルである。
 なお、図7の端末が送信する変調信号のフレーム構成は、一例であり、図7で示した以外のシンボルを端末が送信してもよいし、フレームに図7で示した以外のシンボルが存在していてもよい。また、制御情報シンボルやデータシンボルなどに、伝播環境の推定(チャネル推定)を行うためのパイロットシンボルなどが挿入されていてもよい。
 (通信局と端末の通信状態)
 図8は、通信局と端末の通信状態の一例を示している。フレーム#1、フレーム#2、フレーム#3は通信局が送信しているフレームであり、各フレームは、例えば、図5のように構成されているものとする。加えて、通信局は、「ビーコン(Beacon)」フレームを送信しており、端末は、「ビーコン」を検出することで、通信局が構成しているネットワークを検出することになる。
 フレーム$1、フレーム$2は端末が送信しているフレームであり、各フレームは、例えば、図7のように構成されているものとする。加えて、端末は、「データ要求」のフレームを送信している。
 図8に示すように、例えば、通信局は、特定の端末と通信を行っていない場合、規則的に「ビーコン」フレームを送信しているものとする。
 端末は、通信局が送信した「ビーコン」フレームを検出し、「データ要求」のフレームを、通信局に対して送信する。
 通信局は、端末が送信した「データ要求」のフレームを受信し、データシンボルを含む「フレーム#1」を送信する。なお、上述のように、「フレーム#1」は、例えば、図5に示したようなシンボルで構成されているものとする。
 端末は、通信局が送信した「フレーム#1」を受信する。そして、端末は、「フレーム#1」に含まれている「プリコーディング設定用トレーニングシンボル」を抽出し、例えば、伝播環境の推定(チャネル推定)を行い、チャネル推定値(CSI)を「フレーム$1」における「通知情報シンボル」を用いて送信する。
 通信局は、端末が送信した「フレーム$1」を受信する。そして、端末は、「フレーム$1」に含まれている「通知情報シンボル」を用いて、「(プリコーディング方法(1A))」、「(プリコーディング方法(1A-1))」、「(プリコーディング方法(1A-2))」、「(プリコーディング方法(1B))」、「(プリコーディング方法(1B-1))」、「(プリコーディング方法(1B-2))」で説明したプリコーディングを行うために、パラメーター(a、b、θ)を求める。そして、通信局は、「フレーム#2」を送信する際、データシンボルに対し、求めたパラメーターに基づいたプリコーディングを施し、変調信号を送信する。また、通信局は、「フレーム#2」において、「プリコーディング設定用トレーニングシンボル」を送信する。
 端末は、通信局が送信した「フレーム#2」を受信する。そして、端末は、「フレーム#2」に含まれている「プリコーディング設定用トレーニングシンボル」を抽出し、例えば、伝播環境の推定(チャネル推定)を行い、チャネル推定値(CSI)を「フレーム$2」における「通知情報シンボル」を用いて送信する。
 端末は、通信局が送信した「フレーム#2」を受信する。そして、端末は、「フレーム#2」に含まれている「プリコーディング設定用トレーニングシンボル」を抽出し、例えば、伝播環境の推定(チャネル推定)を行い、チャネル推定値(CSI)を「フレーム$2」における「通知情報シンボル」を用いて送信する。
 通信局は、端末が送信した「フレーム$2」を受信する。そして、端末は、「フレーム$2」に含まれている「通知情報シンボル」を用いて、「(プリコーディング方法(1A))」、「(プリコーディング方法(1A-1))」、「(プリコーディング方法(1A-2))」、「(プリコーディング方法(1B))」、「(プリコーディング方法(1B-1))」、「(プリコーディング方法(1B-2))」で説明したプリコーディングを行うために、パラメーター(a、b、θ)を求める。そして、通信局は、「フレーム#3」を送信する際、データシンボルに対し、求めたパラメーターに基づいたプリコーディングを施し、変調信号を送信する。また、通信局は、「フレーム#3」において、「プリコーディング設定用トレーニングシンボル」を送信する。
 以上のように図8のような通信状態のとき、通信局が送信した「フレーム#(N-1)」に含まれる「プリコーディング設定用トレーニングシンボル」を端末が受信し、端末は、この「プリコーディング設定用トレーニングシンボル」からフィードバック情報を生成、送信し、通信局は、このフィードバック情報に基づいて、「フレーム#N」の「データシンボル」のプリコーディングを行うことになる。なお、図8の場合、Nは2以上の整数となる。
 上述のようにプリコーディング方法の設定を行った場合、通信局が送信する「フレーム#1」では好適なプリコーディング方法の設定のための端末からのフィードバック情報を、通信局は保持していない。そこで、図9に示すような送信方法を考える。
 (通信局の送信フレーム構成(2))
 図9は、図8に示す通信局が送信する「フレーム#1」の構成の一例を示している。なお、図9において、図5と同様に動作するものについては、説明を省略する。
 図9が、図5と異なる点は、データシンボルの構成である(時間t3からt4)。図9では、「データC1」があるとき、「データC1」と同一のデータ群、「データC1-1」、「データC1-2」、「データC1-3」を生成する(なお、図9では、同一のデータ群を3つとしているが、これに限ったものではない)。
 そして、「データC1-1」を伝送するのに使用するプリコーディング方法(プリコーディング方法とパワー変更値)をプリコーディング方法#1とし、「データC1-2」を伝送するのに使用するプリコーディング方法をプリコーディング方法#2とし、「データC1-3」を伝送するのに使用するプリコーディング方法をプリコーディング方法#3とする。
 このとき、プリコーディング方法#1とプリコーディング方法#2は異なり、プリコーディング方法#1とプリコーディング方法#3は異なり、プリコーディング方法#2とプリコーディング方法#3は異なるものとする。
 つまり、「データC1-i」を伝送するのに使用するプリコーディング方法をプリコーディング方法#iとし、「データC1-j」を伝送するのに使用するプリコーディング方法をプリコーディング方法#jとする。
 このとき、i≠jが成立するとき、プリコーディング方法#iとプリコーディング方法#jは異なるものとする。
 このようにすることで、端末は、例えば、図8の場合、「データC1-1」、「データC1-2」、「データC1-3」のいずれかで正しい結果を得ることができる可能性が高くなるという効果を得ることができる。
 上述した「(プリコーディング方法(1A))」、「(プリコーディング方法(1A-1))」、「(プリコーディング方法(1A-2))」、「(プリコーディング方法(1B))」、「(プリコーディング方法(1B-1))」、「(プリコーディング方法(1B-2))」では、プリコーディング行列を
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000039
または、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000040
として説明したが、これとは異なる場合について説明する。
 (プリコーディング方法(2A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000041
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000042
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000043
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000044
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000045
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000046
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000047
 (プリコーディング方法(2A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000048
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000049
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(2A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000051
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000052
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(2A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000053
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000054
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000055
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(2A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000056
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000057
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(2B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000058
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000059
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000060
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000061
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000062
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000063
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000064
 (プリコーディング方法(2B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000065
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000066
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000067
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(2B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000068
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000069
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(2B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000070
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000071
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000072
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(2B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000073
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000074
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(3A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000075
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000076
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000077
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000078
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000079
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000080
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000081
 (プリコーディング方法(3A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000082
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000083
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000084
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(3A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000085
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000086
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(3A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000087
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000088
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000089
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(3A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000090
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000091
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(3B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000092
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000093
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000094
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000095
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000096
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000097
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000098
 (プリコーディング方法(3B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000099
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000100
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000101
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(3B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000102
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000103
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(3B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000104
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000105
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000106
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(3B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000107
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000108
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(4A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000109
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000110
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000111
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000112
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000113
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000114
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000115
 (プリコーディング方法(4A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000116
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000117
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000118
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(4A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000119
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000120
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(4A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000121
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000122
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000123
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(4A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000124
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000125
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(4B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000126
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000127
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000128
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000129
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000130
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000131
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000132
 (プリコーディング方法(4B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000133
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000134
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000135
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(4B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000136
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000137
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(4B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000138
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000139
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000140
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(4B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000141
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000142
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(5A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000143
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000144
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000145
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000146
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000147
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000148
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000149
 (プリコーディング方法(5A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000150
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000151
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000152
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(5A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000153
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000154
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(5A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000155
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000156
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000157
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(5A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000158
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000159
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(5B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000160
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000161
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000162
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000163
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000164
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000165
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000166
 (プリコーディング方法(5B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000167
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000168
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000169
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(5B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000170
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000171
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(5B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000172
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000173
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000174
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(5B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000175
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000176
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(6A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000177
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000178
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000179
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000180
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000181
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000182
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000183
 (プリコーディング方法(6A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000184
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000185
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000186
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(6A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000187
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000188
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(6A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000189
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000190
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000191
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(6A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000192
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000193
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(6B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000194
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000195
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000196
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000197
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000198
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000199
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000200
 (プリコーディング方法(6B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000201
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000202
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000203
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(6B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000204
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000205
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(6B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000206
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000207
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000208
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(6B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000209
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000210
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(7A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000211
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000212
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000213
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000214
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000215
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000216
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000217
 (プリコーディング方法(7A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000218
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000219
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(7A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000221
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000222
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(7A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000223
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000224
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000225
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(7A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000226
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000227
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(7B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000228
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000229
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000230
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000231
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000232
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000233
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000234
 (プリコーディング方法(7B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000235
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000236
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000237
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(7B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000238
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000239
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(7B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000240
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000241
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000242
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(7B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000243
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000244
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(8A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000245
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000246
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000247
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000248
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000249
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000250
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000251
 (プリコーディング方法(8A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000252
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000253
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000254
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(8A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000255
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000256
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(8A-2)
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000257
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000258
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000259
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(8A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000260
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000261
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(8B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000262
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000263
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000264
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000265
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000266
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000267
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000268
 (プリコーディング方法(8B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000269
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000270
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000271
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(8B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000272
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000273
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(8B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000274
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000275
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000276
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(8B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000277
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000278
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(9A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000279
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000280
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000281
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000282
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000283
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000284
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000285
 (プリコーディング方法(9A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000286
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000287
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000288
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(9A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000289
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000290
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(9A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000291
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000292
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000293
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(9A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000294
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000295
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(9B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000296
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000297
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000298
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000299
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000300
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000301
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000302
 (プリコーディング方法(9B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000303
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000304
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000305
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(9B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000306
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000307
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(9B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000308
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000309
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000310
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(9B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000311
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000312
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(10A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000313
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000314
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000315
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000316
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000317
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000318
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000319
 (プリコーディング方法(10A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000320
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000321
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000322
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(10A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000323
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000324
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(10A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000325
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000326
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000327
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(10A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000328
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000329
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(10B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000330
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000331
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000332
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000333
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000334
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000335
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000336
 (プリコーディング方法(10B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000337
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000338
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000339
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(10B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000340
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000341
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(10B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000342
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000343
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000344
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(10B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000345
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000346
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(11A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000347
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000348
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000349
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000350
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000351
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000352
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000353
 (プリコーディング方法(11A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000354
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000355
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000356
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(11A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000357
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000358
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(11A-2)
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000359
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000360
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000361
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(11A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000362
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000363
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(11B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000364
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000365
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000366
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000367
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000368
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000369
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000370
 (プリコーディング方法(11B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000371
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000372
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000373
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(11B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000374
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000375
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(11B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000376
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000377
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000378
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(11B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000379
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000380
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(12A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000381
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000382
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000383
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000384
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000385
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000386
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000387
 (プリコーディング方法(12A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000388
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000389
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000390
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(12A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000391
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000392
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(12A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000393
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000394
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000395
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(12A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000396
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000397
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(12B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000398
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000399
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000400
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000401
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000402
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000403
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000404
 (プリコーディング方法(12B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000405
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000406
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000407
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(12B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000408
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000409
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(12B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000410
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000411
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000412
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(12B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000413
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000414
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(13A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000415
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000416
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000417
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000418
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000419
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000420
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000421
 (プリコーディング方法(13A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000422
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000423
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000424
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(13A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000425
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000426
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(13A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000427
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000428
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000429
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(13A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000430
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000431
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(13B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000432
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000433
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000434
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000435
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000436
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000437
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000438
 (プリコーディング方法(13B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000439
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000440
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000441
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(13B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000442
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000443
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(13B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000444
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000445
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000446
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(13B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000447
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000448
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(14A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000449
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000450
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000451
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000452
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000453
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000454
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000455
 (プリコーディング方法(14A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000456
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000457
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000458
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(14A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000459
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000460
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(14A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000461
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000462
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000463
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(14A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000464
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000465
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(14B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000466
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000467
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000468
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000469
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000470
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000471
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000472
 (プリコーディング方法(14B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000473
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000474
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000475
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(14B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000476
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000477
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(14B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000478
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000479
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000480
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(14B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000481
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000482
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(15A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000483
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000484
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000485
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000486
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000487
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000488
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000489
 (プリコーディング方法(15A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000490
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000491
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000492
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(15A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000493
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000494
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(15A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000495
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000496
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000497
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(15A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000498
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000499
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(15B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000500
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000501
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000502
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000503
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000504
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000505
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000506
 (プリコーディング方法(15B-1)
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000507
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000508
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000509
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(15B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000510
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000511
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(15B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000512
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000513
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000514
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(15B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000515
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000516
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(16A))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000517
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000518
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000519
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000520
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000521
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000522
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000523
 (プリコーディング方法(16A-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000524
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000525
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000526
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(16A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000527
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000528
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(16A-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000529
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000530
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000531
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(16A))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000532
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000533
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(16B))
 図2のような状態のとき、受信装置(例えば、端末)が受信する信号r(t)、r(t)は下記のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000534
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t)、s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000535
すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000536
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000537
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000538
よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000539
となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用いて、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000540
 (プリコーディング方法(16B-1))
 図3は、通信局の構成であり、図3の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、z(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000541
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000542
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000543
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(16B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000544
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000545
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(16B-2))
 図4は、図3と異なる通信局の構成であり、図4の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aを、s(t)とし、マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bを、s(t)とする。
 また、重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aを、y(t)とし、重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bを、y(t)とする。
 さらに、係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aを、z(t)とし、係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bを、z(t)とする。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000546
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000547
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t)を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000548
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「(プリコーディング方法(16B))」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000549
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000550
を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図4の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図4の係数乗算部401Bは、重み付け後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (通信局の構成(3))
 図2、図3の構成と異なる通信局の構成として、図10、図11を示す。図2、図3と同様に動作するものには、同一の符号を付している。図10、図11が、図2、図3と異なる点は、マッピング部304Bと重み付け合成部306Bとの間に位相変更部1001Bが追加されている点である。
 位相変更部1001Bは、マッピング後の信号305Bと送信方法・フレーム構成信号319とを入力とし、送信方法・フレーム構成信号319に基づいてマッピング後の信号305Bの位相を変更し、位相変更後の信号1002Bを出力する。
 なお、図10、図11において、重み付け合成部306Bは、マッピング後の信号305Bの代わりに位相変更後の信号1002Bを入力として処理を行う。
 (偏波MIMOシステム)
 図1の場合、以下の関係が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000551
 そして、偏波MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)システムにおいて、XPD(交差偏波識別度:Cross polarization discrimination)が大きい値の場合、h12(t)≒0、かつ、h21(t)≒0と扱うことができる。そして、ミリ波帯を使用した場合、電波は直進性が強いため、以下のような状態になる可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000552
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)であれば、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないため、良好なデータの受信品質を得ることができる可能性が高い。同様に、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないため、良好なデータの受信品質を得ることができる可能性が高い。
 但し、h11(t),h12(t),h21(t),h22(t)は複素数である(実数でもよい)。r(t),r(t),z(t),z(t)は複素数である(実数でもよい)。n(t),n(t)は雑音であり、複素数である。
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は下記のように与えることができる(但し、δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000553
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 これまでの説明では、通信局は、端末からのフィードバック情報に基づいて、プリコーディング方法を切り替える方法について説明してきた。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。したがって、このような状況において、データの受信品質を確保しながら、なおかつ、アンテナの状態の変動が緩やかになったときにも、これまで述べたプリコーディング方法と同様に、データの受信品質を確保できる、プリコーディング方法の適用が望まれる。以下では、これを満たすプリコーディング方法について説明する。
 (プリコーディング方法(17A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000554
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000555
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000556
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000557
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000558
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000559
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000560
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(17A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000561
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000562
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000563
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(17A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000564
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000565
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(17A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000566
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000567
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000568
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(17A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000569
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000570
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(17A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000571
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(17A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(17B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000572
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000573
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000574
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000575
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000576
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000577
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000578
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(17B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000579
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000580
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000581
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(17B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000582
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000583
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(17B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000584
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000585
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000586
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(17B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000587
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000588
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(17B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000589
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(17B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(18A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000590
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000591
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000592
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000593
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000594
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000595
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000596
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(18A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000597
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000598
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000599
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(18A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000600
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000601
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(18A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000602
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000603
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000604
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(18A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000605
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000606
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(18A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000607
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(18A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(18B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000608
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000609
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000610
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000611
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000612
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000613
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000614
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(18B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000615
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000616
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000617
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(18B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000618
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000619
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(18B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000620
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000621
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000622
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(18B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000623
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000624
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(18B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000625
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(18B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(19A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000626
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000627
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000628
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000629
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000630
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000631
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000632
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(19A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000633
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000634
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000635
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(19A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000636
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000637
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(19A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000638
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000639
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000640
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(19A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000641
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000642
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(19A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000643
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(19A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(19B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000644
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000645
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000646
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000647
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000648
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000649
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000650
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(19B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000651
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000652
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000653
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(19B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000654
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000655
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(19B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000656
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000657
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000658
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(19B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000659
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000660
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(19B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000661
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(19B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(20A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000662
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000663
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000664
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000665
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000666
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000667
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000668
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(20A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000669
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000670
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000671
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(20A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000672
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000673
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(20A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000674
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000675
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000676
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(20A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000677
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000678
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(20A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000679
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(20A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(20B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000680
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000681
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000682
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000683
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000684
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000685
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000686
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(20B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000687
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000688
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000689
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(20B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000690
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000691
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(20B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000692
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000693
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000694
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(20B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000695
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000696
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(20B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000697
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(20B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(21A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000698
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000699
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000700
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000701
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000702
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000703
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000704
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(21A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000705
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000706
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000707
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(21A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000708
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000709
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(21A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000710
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000711
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000712
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(21A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000713
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000714
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(21A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000715
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(21A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(21B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000716
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000717
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000718
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000719
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000720
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000721
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000722
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(21B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000723
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000724
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000725
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(21B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000726
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000727
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(21B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000728
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000729
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000730
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(21B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000731
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000732
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(21B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000733
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(21B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(22A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000734
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000735
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000736
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000737
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000738
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000739
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000740
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(22A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000741
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000742
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000743
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(22A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000744
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000745
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(22A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000746
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000747
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000748
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(22A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000749
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000750
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(22A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000751
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(22A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(22B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000752
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000753
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000754
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000755
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000756
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000757
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000758
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(22B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000759
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000760
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000761
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(22B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000762
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000763
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(22B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000764
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000765
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000766
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(22B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000767
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000768
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(22B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000769
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(22B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(23A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000770
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000771
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000772
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000773
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000774
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000775
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000776
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(23A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000777
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000778
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000779
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(23A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000780
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000781
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(23A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000782
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000783
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000784
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(23A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000785
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000786
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(23A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000787
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(23A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(23B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000788
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000789
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000790
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000791
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000792
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000793
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000794
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(23B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000795
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000796
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000797
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(23B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000798
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000799
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(23B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000800
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000801
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000802
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(23B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000803
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000804
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(23B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000805
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(23B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(24A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000806
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000807
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000808
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000809
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000810
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000811
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000812
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(24A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000813
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000814
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000815
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(24A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000816
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000817
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(24A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000818
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000819
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000820
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(24A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000821
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000822
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(24A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000823
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(24A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(24B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000824
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000825
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000826
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000827
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000828
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000829
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000830
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(24B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000831
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000832
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000833
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(24B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000834
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000835
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(24B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000836
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000837
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000838
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(24B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000839
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000840
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(24B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000841
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(24B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(25A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000842
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000843
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000844
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000845
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000846
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000847
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000848
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(25A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000849
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000850
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000851
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(25A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000852
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000853
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(25A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000854
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000855
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000856
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(25A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000857
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000858
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(25A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000859
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(25A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(25B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000860
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000861
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000862
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000863
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000864
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000865
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000866
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(25B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000867
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000868
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000869
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(25B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000870
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000871
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(25B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000872
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000873
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000874
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(25B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000875
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000876
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(25B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000877
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(25B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(26A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000878
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000879
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000880
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000881
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000882
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000883
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000884
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(26A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000885
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000886
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000887
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(26A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000888
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000889
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(26A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000890
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000891
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000892
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(26A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000893
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000894
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(26A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000895
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(26A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(26B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000896
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000897
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000898
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000899
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000900
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000901
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000902
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(26B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000903
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000904
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000905
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(26B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000906
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000907
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(26B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000908
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000909
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000910
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(26B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000911
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000912
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(26B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000913
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(26B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(27A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000914
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000915
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000916
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000917
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000918
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000919
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000920
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(27A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000921
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000922
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000923
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(27A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000924
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000925
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(27A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000926
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000927
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000928
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(27A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000929
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000930
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(27A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000931
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(27A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(27B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000932
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000933
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000934
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000935
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000936
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000937
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000938
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(27B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000939
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000940
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000941
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(27B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000942
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000943
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(27B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000944
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000945
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000946
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(27B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000947
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000948
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(27B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000949
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(27B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(28A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000950
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000951
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000952
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000953
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000954
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000955
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000956
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(28A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000957
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000958
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000959
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(28A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000960
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000961
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(28A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000962
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000963
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000964
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(28A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000965
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000966
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(28A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000967
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(28A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(28B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000968
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000969
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000970
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000971
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000972
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000973
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000974
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(28B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000975
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000976
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000977
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(28B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000978
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000979
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(28B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000980
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000981
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000982
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(28B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000983
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000984
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(28B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000985
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(28B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(29A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000986
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000987
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000988
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000989
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000990
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000991
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000992
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(29A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000993
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000994
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000995
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(29A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000996
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000997
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(29A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000998
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000999
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001000
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(29A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001001
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001002
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(29A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001003
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(29A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(29B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001004
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001005
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001006
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001007
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001008
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001009
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001010
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(29B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001011
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001012
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001013
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(29B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001014
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001015
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(29B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001016
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001017
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001018
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(29B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001019
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001020
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(29B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001021
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(29B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(30A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001022
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001023
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001024
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001025
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001026
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001027
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001028
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(30A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001029
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001030
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001031
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(30A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001032
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001033
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(30A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001034
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001035
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001036
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(30A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001037
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001038
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(30A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001039
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(30A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(30B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001040
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001041
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001042
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001043
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001044
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001045
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001046
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(30B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001047
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001048
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001049
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(30B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001050
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001051
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(30B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001052
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001053
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001054
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(30B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001055
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001056
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(30B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001057
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(30B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(31A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001058
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001059
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001060
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001061
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001062
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001063
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001064
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(31A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001065
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001066
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001067
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(31A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001068
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001069
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(31A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001070
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001071
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001072
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(31A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001073
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001074
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(31A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001075
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(31A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(31B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001076
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001077
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001078
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001079
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001080
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001081
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001082
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(31B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001083
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001084
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001085
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(31B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001086
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001087
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(31B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001088
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001089
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001090
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(31B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001091
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001092
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(31B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001093
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(31B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(32A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001094
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001095
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001096
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001097
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001098
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001099
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001100
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(32A-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001101
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001102
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001103
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(32A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001104
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001105
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(32A-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001106
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001107
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001108
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(32A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001109
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001110
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(32A)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001111
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(32A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(32B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001112
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001113
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001114
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001115
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001116
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001117
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001118
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(32B-1))
 図10は、通信局の構成である。図10の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001119
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001120
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001121
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(32B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001122
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001123
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(32B-2))
 図11は、図10とは異なる通信局の構成である。図11の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001124
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001125
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001126
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(32B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001127
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001128
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図11の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図11の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(32B)における位相変更)
 そして、図10、図11における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001129
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図10、図11において、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図10、図11において、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図10、図11において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(32B)」を満足しなくなる。
 (通信局の構成(4))
 図10、図11の構成と異なる通信局の構成として、図12、図13を示す。図10、図11と同様に動作するものには同一番号を付している。図12、図13が、図10、図11と異なる点は、位相変更部1001Aが追加されている点である。
 位相変更部1001Aは、マッピング後の信号305Bと送信方法・フレーム構成信号319とを入力とし、送信方法・フレーム構成信号319に基づいてマッピング後の信号305Bの位相を変更し、位相変更後の信号1002Bを出力する。
 なお、図12、図13において、重み付け合成部306Aは、マッピング後の信号305Aの代わりに位相変更後の信号1002Aを入力として処理を行う。
 (プリコーディング方法(33A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001130
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001131
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001132
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001133
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001134
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001135
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001136
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(33A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001137
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001138
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001139
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(33A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001140
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001141
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(33A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001142
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001143
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001144
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(33A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001145
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001146
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(33A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001147
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(33A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(33B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001148
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001149
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001150
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001151
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001152
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001153
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001154
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(33B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001155
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001156
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001157
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(33B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001158
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001159
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(33B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001160
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001161
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001162
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(33B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001163
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001164
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(33B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001165
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(33B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(34A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001166
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001167
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001168
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001169
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001170
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001171
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001172
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(34A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001173
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001174
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001175
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(34A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001176
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001177
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(34A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001178
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001179
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001180
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(34A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001181
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001182
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(34A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001183
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(34A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(34B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001184
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001185
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001186
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001187
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001188
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001189
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001190
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(34B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001191
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001192
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001193
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(34B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001194
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001195
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(34B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001196
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001197
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001198
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(34B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001199
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001200
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(34B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001201
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(34B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(35A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001202
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001203
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001204
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001205
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001206
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001207
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001208
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(35A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001209
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001210
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001211
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(35A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001212
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001213
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(35A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001214
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001215
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001216
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(35A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001217
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001218
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(35A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001219
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(35A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(35B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001220
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001221
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001222
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001223
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001224
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001225
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001226
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(35B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001227
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001228
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001229
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(35B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001230
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001231
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(35B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001232
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001233
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001234
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(35B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001235
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001236
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(35B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001237
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(35B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(36A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001238
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001239
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001240
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001241
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001242
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001243
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001244
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(36A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001245
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001246
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001247
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(36A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001248
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001249
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(36A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001250
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001251
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001252
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(36A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001253
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001254
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(36A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001255
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(36A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(36B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001256
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001257
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001258
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001259
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001260
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001261
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001262
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(36B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001263
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001264
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001265
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(36B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001266
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001267
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(36B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001268
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001269
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001270
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(36B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001271
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001272
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(36B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001273
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(36B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(37A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001274
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001275
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001276
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001277
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001278
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001279
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001280
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(37A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001281
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001282
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001283
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(37A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001284
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001285
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(37A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001286
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001287
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001288
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(37A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001289
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001290
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(37A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001291
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(37A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(37B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001292
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001293
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001294
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001295
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001296
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001297
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001298
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(37B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001299
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001300
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001301
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(37B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001302
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001303
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(37B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001304
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001305
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001306
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(37B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001307
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001308
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(37B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001309
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(37B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(38A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001310
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001311
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001312
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001313
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001314
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001315
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001316
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(38A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001317
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001318
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001319
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(38A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001320
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001321
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(38A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001322
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001323
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001324
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(38A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001325
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001326
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(38A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001327
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(38A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(38B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001328
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001329
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001330
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001331
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001332
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001333
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001334
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(38B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001335
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001336
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001337
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(38B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001338
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001339
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(38B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001340
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001341
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001342
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(38B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001343
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001344
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(38B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001345
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(38B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(39A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001346
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001347
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001348
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001349
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001350
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001351
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001352
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(39A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001353
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001354
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001355
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(39A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001356
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001357
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(39A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001358
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001359
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001360
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(39A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001361
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001362
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(39A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001363
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(39A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(39B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001364
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001365
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001366
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001367
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001368
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001369
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001370
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(39B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001371
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001372
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001373
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(39B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001374
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001375
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(39B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001376
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001377
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001378
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(39B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001379
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001380
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(39B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001381
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(39B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(40A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001382
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001383
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001384
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001385
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001386
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001387
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001388
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(40A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001389
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001390
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001391
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(40A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001392
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001393
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(40A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001394
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001395
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001396
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(40A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001397
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001398
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(40A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001399
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(40A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(40B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001400
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001401
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001402
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001403
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001404
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001405
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001406
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(40B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001407
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001408
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001409
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(40B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001410
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001411
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(40B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001412
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001413
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001414
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(40B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001415
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001416
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(40B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001417
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(40B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(41A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001418
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001419
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001420
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001421
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001422
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001423
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001424
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(41A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001425
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001426
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001427
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(41A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001428
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001429
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(41A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001430
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001431
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001432
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(41A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001433
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001434
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(41A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001435
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(41A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(41B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001436
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001437
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001438
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001439
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001440
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001441
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001442
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(41B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001443
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001444
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001445
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(41B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001446
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001447
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(41B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001448
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001449
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001450
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(41B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001451
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001452
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(41B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001453
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(41B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(42A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001454
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001455
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001456
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001457
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001458
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001459
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001460
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(42A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001461
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001462
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001463
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(42A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001464
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001465
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(42A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001466
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001467
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001468
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(42A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001469
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001470
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(42A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001471
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(42A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(42B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001472
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001473
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001474
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001475
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001476
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001477
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001478
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(42B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001479
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001480
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001481
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(42B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001482
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001483
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(42B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001484
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001485
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001486
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(42B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001487
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001488
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(42B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001489
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(42B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(43A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001490
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001491
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001492
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001493
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001494
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001495
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001496
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(43A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001497
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001498
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001499
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(43A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001500
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001501
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(43A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001502
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001503
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001504
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(43A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001505
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001506
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(43A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001507
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(43A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(43B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001508
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001509
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001510
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001511
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001512
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001513
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001514
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(43B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001515
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001516
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001517
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(43B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001518
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001519
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(43B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001520
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001521
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001522
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(43B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001523
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001524
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(43B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001525
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(43B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(44A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001526
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001527
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001528
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001529
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001530
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001531
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001532
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(44A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001533
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001534
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001535
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(44A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001536
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001537
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(44A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001538
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001539
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001540
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(44A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001541
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001542
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(44A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001543
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(44A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(44B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001544
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001545
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001546
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001547
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001548
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001549
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001550
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(44B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001551
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001552
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001553
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(44B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001554
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001555
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(44B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001556
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001557
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001558
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(44B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001559
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001560
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(44B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001561
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(44B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(45A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001562
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001563
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001564
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001565
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001566
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001567
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001568
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(45A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001569
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001570
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001571
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(45A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001572
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001573
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(45A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001574
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001575
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001576
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(45A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001577
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001578
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(45A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001579
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(45A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(45B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001580
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001581
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001582
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001583
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001584
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001585
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001586
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)については、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(45B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001587
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001588
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001589
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(45B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001590
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001591
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(45B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001592
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001593
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001594
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(45B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001595
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001596
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(45B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001597
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(45B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(46A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001598
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001599
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001600
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001601
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001602
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001603
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001604
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(46A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001605
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001606
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001607
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(46A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001608
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001609
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(46A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001610
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001611
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001612
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(46A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001613
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001614
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(46A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001615
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(46A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(46B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001616
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001617
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001618
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001619
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001620
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001621
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001622
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(46B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001623
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001624
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001625
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(46B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001626
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001627
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(46B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。
 マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。
 重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。
 重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。
 係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。
 係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001628
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001629
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001630
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(46B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001631
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001632
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(46B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001633
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(46B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(47A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001634
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001635
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001636
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001637
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001638
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001639
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001640
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(47A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001641
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001642
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001643
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(47A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001644
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001645
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(47A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001646
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001647
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001648
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(47A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001649
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001650
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(47A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001651
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(47A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(47B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001652
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001653
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001654
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001655
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001656
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001657
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001658
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(47B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001659
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001660
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001661
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(47B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001662
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001663
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(47B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001664
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001665
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001666
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(47B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001667
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001668
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(47B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001669
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(47B)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(48A))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001670
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001671
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、次式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001672
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001673
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001674
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001675
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001676
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(48A-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001677
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001678
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001679
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(48A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001680
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001681
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(48A-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001682
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001683
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001684
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(48A)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001685
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001686
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(48A)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001687
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(48A)」を満足しなくなる。
 (プリコーディング方法(48B))
 図2のような状態のとき、受信装置が受信する信号r(t),r(t)は以下の式のように与えることができる(δは0ラジアン以上、かつ、2πラジアン未満とする)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001688
 このとき、z(t)=s(t)、z(t)=s(t)(s(t),s(t)はマッピング後のベースバンド信号)とすると、δ=0、π/2、π、3π/2ラジアンのときを除き、マッピング後のベースバンド信号s(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受け、マッピング後のベースバンド信号s2(t)は、マッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けるため、データの受信品質は低下する可能性がある。
 そこで、通信局は、端末からのフィードバック情報を得て、そのフィードバック情報に基づき、プリコーディングを行う方法を提案する。ユニタリ行列を用いた以下のようなプリコーディングを行うことを考える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001689
 但し、a,bは複素数である(実数でもよい)。jは虚数単位であり、γ(t)は偏角(argument)であり、時間の関数であるものとする。
 すると、以下の関係式が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001690
 上式において、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための一つの方法として、以下の条件式がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001691
 したがって、以下が成立すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001692
 よって、通信局は、端末からのフィードバック情報から、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001693
 となるように、θ、a、bを求め、それらの値を用い、通信局は、プリコーディングを行うことになる。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 なお、平均送信電力の関係上、以下の関係式が成立することがある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001694
 なお、マッピング後のベースバンド信号s(t)、マッピング後のベースバンド信号s(t)ともに、位相変更が施されていることになっているが、「マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けない」、という構成を維持している。
 (プリコーディング方法(48B-1))
 図12は、通信局の構成である。図12の重み付け合成部306A,306Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、z(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001695
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001696
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001697
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(48B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001698
 つまり、上式のプリコーディング行列を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001699
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(z(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(48B-2))
 図13は、図12とは異なる通信局の構成である。図13の重み付け合成部306A,306Bと、係数乗算部401A,401Bと、プリコーディング方法決定部316の処理内容の一例について、記載する。
 マッピング部304Aが出力するマッピング後の信号305Aは、s(t)である。マッピング部304Bが出力するマッピング後の信号305Bは、s(t)である。重み付け合成部306Aが出力する重み付け後の信号307Aは、y(t)である。重み付け合成部306Bが出力する重み付け後の信号307Bは、y(t)である。係数乗算部401Aが出力する係数乗算後の信号402Aは、z(t)である。係数乗算部401Bが出力する係数乗算後の信号402Bは、z(t)である。
 プリコーディング行列を以下の式であらわす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001700
 すると、重み付け合成部306Aは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001701
 重み付け合成部306Bは、以下の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001702
 プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、「プリコーディング方法(48B)」で説明した演算を行うことで、プリコーディング行列を決定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001703
 つまり、上式のプリコーディング行列、および、a、bの値を求めることになるが、このとき、プリコーディング方法決定部316は、端末からのフィードバック情報に基づき、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001704
 を用いてa,b,θを決定し、プリコーディング行列を決定する。
 例えば、通信局が、トレーニングシンボルを送信し、端末は、トレーニングシンボルからチャネル推定を行い、チャネル推定値を通信局にフィードバックする。そして、通信局は、このフィードバックされた情報を用いて、θ、a、bの値を算出することになる。
 q11、q12の値に基づいて、重み付け合成部306Aは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307A(y(t))を出力する。同様に、q21、q22の値に基づいて、重み付け合成部306Bは、重み付け合成の演算を行い、重み付け後の信号307B(y(t))を出力する。
 そして、図13の係数乗算部401Aは、重み付け後の信号307A(y(t))を入力とし、z(t)=a×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402A(z(t))を出力する。同様に、図13の係数乗算部401Bは、重み付け合成後の信号307B(y(t))を入力とし、z(t)=b×y(t)の演算を行い、係数乗算後の信号402B(z(t))を出力する。
 (プリコーディング方法(48B)における位相変更)
 そして、図12、図13における位相変更部1001Aは、マッピング部304Aから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002A(ejε(t)×s(t))を出力する。図12、図13における位相変更部1001Bは、マッピング部304Bから出力されたマッピング後の信号s(t)を入力とし、位相変更を施し、位相変更後の信号1002B(ejγ(t)×s(t))を出力する。
 図2において、アンテナの状態の変動がはやい場合、例えば、端末を移動して使用する、風等の影響により、アンテナが振動している場合では、図2におけるδの値をフレーム内で、ほぼ一定の値に維持できるとは限らない。すると、以下のような関係式が成立する可能性が高い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M001705
 このとき、hxy,d(t)はhxy(t)の直接波の成分であり、hxy,s(t)はhxy(t)の散乱波の成分である。(x=1,2、y=1,2となる)そして、Kはライスファクターである。
 ライスファクターKが大きい場合を考える。このとき、直接波の影響から、チャネル変動の変動は小さいという傾向がある。したがって、位相変更を行わなかった場合、つまり、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bがない場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、定常的(少しの変動はある)な受信状態になる可能性が高い。すると、受信電界強度が高いにもかかわらず、信号の分離が困難な状態に定常的に陥る可能性がある。
 一方、図12、図13において、位相変更部1001A、位相変更部1001Bが存在する場合、受信装置では、r(t)、r(t)は、送信装置で時間的(または、周波数的に)位相変更が行われていることにより、定常的な受信状態を回避することができ、これにより、信号の分離が困難な状態に定常的に陥ることを回避することができる可能性が高くなる。
 以上のように、2つの異なるチャネル状態、いずれにおいても、良好なデータの受信品質を得ることができるという格別な効果を得ることができることになる。なお、図12、図13において、重み付け合成部の後に位相変更部を配置した場合、「プリコーディング方法(48B)」を満足しなくなる。
 (位相変更方法について)
 これまでの説明において、位相変更に関連する値γ(t),ε(t)は、t(t:時間)の関数として与えたが、これに限ったものではない。例えば、図10、図11の通信局の送信部が、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)などのマルチキャリア方式の変調信号を送信する場合、位相変更に関連する値γ(t),ε(t)を「周波数」の関数、または、「時間および周波数」の関数と与えてもよい。したがって、周波数をfとあらわしたとき、位相変更に関連する値が「周波数」の関数の場合、γ(f),ε(f)とあらわされ、位相変更の値が「時間および周波数」の関数の場合、γ(f,t),ε(f,t)とあらわされる。
 以降では、位相変更γ(t),ε(t)、γ(f),ε(f)、γ(f,t),ε(f,t)の与え方の例を説明する。
 (位相変更方法(1))
 図14は、図10における位相変更部1001B、重み付け合成部306A、306Bに関連する部分を抽出し、位相変更方法の一例を示した図である。
 位相変更部1001Bでは、位相変更を行うことになるが、変更例は、図14に示した通りである。
 例えば、シンボル番号#uでは(位相変更値γはシンボル番号の関数として扱うため、γ(u)と記載する。)、位相変更値γ(u)=ej0と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u)およびγ(u)×s(u)が入力となる。
 シンボル番号#(u+1)では、位相変更値γ(u+1)=e(j×1×π)/2と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u+1)およびγ(u+1)×s(u+1)が入力となる。
 シンボル番号#(u+2)では、位相変更値γ(u+2)=e(j×2×π)/2と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u+2)およびγ(u+2)×s(u+2)が入力となる。
 シンボル番号#(u+3)では、位相変更値γ(u+3)=e(j×3×π)/2と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u+3)およびγ(u+3)×s(u+3)が入力となる。
・・・
 シンボル番号#(u+k)では、位相変更値γ(u+k)=e(j×k×π)/2と与える。(例えば、kは整数。)したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u+k)およびγ(u+k)×s(u+k)が入力となる。
・・・
 (なお、上記の説明は、シンボルを時間軸方向に配置する場合、シンボルを周波数軸方向に配置する場合、シンボルを時間・周波数軸方向に配置する場合、いずれにおいても適用可能である。)
 そして、変調信号z(t)の時刻$1では、シンボル番号#uのz(t)を送信し、変調信号z(t)の時刻$1では、シンボル番号#uのz(t)を送信する。
 変調信号z(t)の時刻$2では、シンボル番号#(u+1)のz(t)を送信し、変調信号z(t)の時刻$2では、シンボル番号#(u+1)のz(t)を送信する。
・・・
 なお、z(t)とz(t)は、同一周波数を用い、異なるアンテナから送信されることになる。
 (位相変更方法(2))
 図15は、図11における1001B、重み付け合成部306A、306B、係数乗算部401A、401Bに関連する部分を抽出し、位相変更方法の一例を示した図である。
 位相変更部1001Bでは、位相変更を行うことになるが、変更例は、図15に示した通りである。
 例えば、シンボル番号#uでは(位相変更値γはシンボル番号の関数として扱うため、γ(u)と記載する。)、位相変更値γ(u)=ej0と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u)およびγ(u)×s(u)が入力となる。
 シンボル番号#(u+1)では、位相変更値γ(u+1)=e(j×1×π)/2と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u+1)およびγ(u+1)×s(u+1)が入力となる。
 シンボル番号#(u+2)では、位相変更値γ(u+2)=e(j×2×π)/2と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u+2)およびγ(u+2)×s(u+2)が入力となる。
 シンボル番号#(u+3)では、位相変更値γ(u+3)=e(j×3×π)/2と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u+3)およびγ(u+3)×s(u+3)が入力となる。
・・・
 シンボル番号#(u+k)では、位相変更値γ(u+k)=e(j×k×π)/2と与える。(例えば、kは整数。)したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(u+k)およびγ(u+k)×s(u+k)が入力となる。
・・・
 なお、上記の説明は、シンボルを時間軸方向に配置する場合、シンボルを周波数軸方向に配置する場合、シンボルを時間・周波数軸方向に配置する場合、いずれにおいても適用可能である。
 そして、変調信号z(t)の時刻$1では、シンボル番号#uのz(t)を送信し、変調信号z(t)の時刻$1では、シンボル番号#uのz(t)を送信する。
 変調信号z(t)の時刻$2では、シンボル番号#(u+1)のz(t)を送信し、変調信号z(t)の時刻$2では、シンボル番号#(u+1)のz(t)を送信する。
・・・
 なお、z(t)とz(t)は、同一周波数を用い、異なるアンテナから送信されることになる。
 (フレーム構成(1))
 次に、位相変更値が周波数fの関数、つまり、γ(f)とあらわされる場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、・・・とあらわすものとする。(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図16は、シンボルを周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図16において、図16(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図16(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図16では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2のシンボルを示している。なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる。
 図16において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図16(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#5のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア2には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#17のシンボルが配置される)。
 また、図16(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#5のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア2には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#17のシンボルが配置されている)。
 (フレーム構成(2))
 次に、位相変更値が時間t、周波数fの関数、つまり、γ(t,f)とあらわされる場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図17は、シンボルを時間・周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図17において、図17(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図17(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図17では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2、時刻$3、時刻$4のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図17において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図17(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#19のシンボルが配置される)。
 また、図17(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#19のシンボルが配置されている)。
 (フレーム構成(3))
 次に、位相変更値が時間t、周波数fの関数、つまり、γ(t,f)とあらわされる場合のフレーム構成の別の例を説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、・・・とあらわすものとする。(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図18は、シンボルを時間・周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図18において、図18(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図18(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図18では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2、時刻$3、時刻$4のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図18において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図18(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#21のシンボルが配置される)。
 また、図18(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#21のシンボルが配置されている)。
 (フレーム構成(4))
 次に、位相変更値が時間tの関数、つまり、γ(t)とあらわされ、途中にデータシンボル以外のシンボル、例えば、制御情報を伝送するための制御情報シンボル、チャネル推定や周波数同期、時間同期、信号検出を行うためのパイロットシンボル(リファレンスシンボル、プリアンブル)などが、存在する場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、・・・とあらわすものとする。(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s1(k)およびγ(k)×s2(k)が入力となる)。
 図19は、シンボルを時間方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図19において、図19(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を時間とする。そして、図19(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を時間とする(なお、同一時刻のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図19において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している。(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している。(例えば、pは0以上の整数であるものとする。))そして、「P」という記載は、パイロットシンボルであることを意味している(なお、ここでは、パイロットシンボルを示しているが、パイロットシンボル以外のシンボルであってもよい(ただし、データシンボルではないものとする))。
 よって、図19(A)の時刻$1には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、時刻$4には、パイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 また、図19(B)の時刻$1には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 なお、図19の例は、データシンボル以外のシンボルでは、位相変更を施していない。
 (フレーム構成(5))
 次に、位相変更値が周波数fの関数、つまり、γ(f)とあらわされ、途中にデータシンボル以外のシンボル、例えば、制御情報を伝送するための制御情報シンボル、チャネル推定や周波数同期、時間同期、信号検出を行うためのパイロットシンボル(リファレンスシンボル、プリアンブル)などが、存在する場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図20は、シンボルを周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図20において、図20(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図20(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図20では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図20において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図20(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、パイロットシンボルが配置され、時刻$1、キャリア2には、パイロットシンボルが配置され、時刻$1、キャリア3には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 また、図20(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、パイロットシンボルが配置され、時刻$1、キャリア2には、パイロットシンボルが配置され、時刻$1、キャリア3にはzのシンボル番号#1のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 なお、図20の例は、データシンボル以外のシンボルでは、位相変更を施していない。
 (フレーム構成(6))
 次に、位相変更値が時間t、周波数fの関数、つまり、γ(t,f)とあらわされ、途中にデータシンボル以外のシンボル、例えば、制御情報を伝送するための制御情報シンボル、チャネル推定や周波数同期、時間同期、信号検出を行うためのパイロットシンボル(リファレンスシンボル、プリアンブル)などが、存在する場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図21は、シンボルを時間・周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図21において、図21(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図21(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図21では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2、時刻$3、時刻$4のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図21において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図21(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア2には、パイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 また、図21(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア2には、パイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 なお、図21の例は、データシンボル以外のシンボルでは、位相変更を施していない。
 (フレーム構成(7))
 次に、位相変更値が時間t、周波数fの関数、つまり、γ(t,f)とあらわされ、途中にデータシンボル以外のシンボル、例えば、制御情報を伝送するための制御情報シンボル、チャネル推定や周波数同期、時間同期、信号検出を行うためのパイロットシンボル(リファレンスシンボル、プリアンブル)などが、存在する場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図22は、シンボルを時間・周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図22において、図22(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図22(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図22では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2、時刻$3、時刻$4のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図22において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図22(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、例えば、時刻$2、キャリア2にはパイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 また、図22(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、例えば、時刻$2、キャリア2にはパイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 なお、図22の例は、データシンボル以外のシンボルでは、位相変更を施していない。
 (位相変更方法(3))
 図23は、図12における位相変更部1001A、1001B、重み付け合成部306A、306Bに関連する部分を抽出し、位相変更方法の一例を示した図である。
 位相変更部1001A、1001Bでは、位相変更を行うことになるが、変更例は、図23に示した通りである。
 例えば、シンボル番号#uでは(位相変更値γはシンボル番号の関数として扱うため、γ(u)と記載する。そして、位相変更値εはシンボル番号の関数として扱うため、ε(u)と記載する。)、位相変更値γ(u)=ej0と与え、位相変更値ε(u)=ej((-0×π/4)-(π/2))と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u)×s(u)およびγ(u)×s(u)が入力となる。
 シンボル番号#(u+1)では、位相変更値γ(u+1)=e(j×1×π)/4と与え、ε(u+1)=ej((-1×π/4)-(π/2))と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u+1)×s(u+1)およびγ(u+1)×s(u+1)が入力となる。
 シンボル番号#(u+2)では、位相変更値γ(u+2)=e(j×2×π)/4と与え、ε(u+2)=ej((-2×π/4)-(π/2))と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u+2)×s(u+2)およびγ(u+2)×s(u+2)が入力となる。
 シンボル番号#(u+3)では、位相変更値γ(u+3)=e(j×3×π)/4と与え、ε(u+3)=ej((-3×π/4)-(π/2))と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u+3)×s(u+3)およびγ(u+3)×s(u+3)が入力となる。
・・・
 シンボル番号#(u+k)では、位相変更値γ(u+k)=e(j×k×π)/4と与え、ε(u+k)=ej((-k×π/4)-(π/2))と与える。(例えば、kは整数。)したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u+k)×s(u+k)およびγ(u+k)×s(u+k)が入力となる。
・・・
 なお、上記の説明は、シンボルを時間軸方向に配置する場合、シンボルを周波数軸方向に配置する場合、シンボルを時間・周波数軸方向に配置する場合、いずれにおいても適用可能である。
 そして、変調信号z(t)の時刻$1では、シンボル番号#uのz(t)を送信し、変調信号z(t)の時刻$1では、シンボル番号#uのz(t)を送信する。
 変調信号z(t)の時刻$2では、シンボル番号#(u+1)のz(t)を送信し、変調信号z(t)の時刻$2では、シンボル番号#(u+1)のz(t)を送信する。
・・・
 なお、z1(t)とz2(t)は、同一周波数を用い、異なるアンテナから送信されることになる。
 (位相変更方法(4))
 図24は、図13における1001A、1001B、重み付け合成部306A、306B、係数乗算部401A、401Bに関連する部分を抽出し、位相変更方法の一例を示した図である。
 位相変更部1001A、1001Bでは、位相変更を行うことになるが、変更例は、図24に示した通りである。
 例えば、シンボル番号#uでは(位相変更値γはシンボル番号の関数として扱うため、γ(u)と記載する。そして、位相変更値εはシンボル番号の関数として扱うため、ε(u)と記載する。)、位相変更値γ(u)=ej0と与え、位相変更値ε(u)=ej((-0×π/4)-(π/2))と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u)×s(u)およびγ(u)×s(u)が入力となる。
 シンボル番号#(u+1)では、位相変更値γ(u+1)=e(j×1×π)/4と与え、ε(u+1)=ej((-1×π/4)-(π/2))と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u+1)×s(u+1)およびγ(u+1)×s(u+1)が入力となる。
 シンボル番号#(u+2)では、位相変更値γ(u+2)=e(j×2×π)/4と与え、ε(u+2)=ej((-2×π/4)-(π/2))と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u+2)×s(u+2)およびγ(u+2)×s(u+2)が入力となる。
 シンボル番号#(u+3)では、位相変更値γ(u+3)=e(j×3×π)/4と与え、ε(u+3)=ej((-3×π/4)-(π/2))と与える。したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u+3)×s(u+3)およびγ(u+3)×s(u+3)が入力となる。
・・・
 シンボル番号#(u+k)では、位相変更値γ(u+k)=e(j×k×π)/4と与え、ε(u+k)=ej((-k×π/4)-(π/2))と与える。(例えば、kは整数。)したがって、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(u+k)×s(u+k)およびγ(u+k)×s(u+k)が入力となる。
・・・
 なお、上記の説明は、シンボルを時間軸方向に配置する場合、シンボルを周波数軸方向に配置する場合、シンボルを時間・周波数軸方向に配置する場合、いずれにおいても適用可能である。
 そして、変調信号z(t)の時刻$1では、シンボル番号#uのz(t)を送信し、変調信号z(t)の時刻$1では、シンボル番号#uのz(t)を送信する。
 変調信号z(t)の時刻$2では、シンボル番号#(u+1)のz(t)を送信し、変調信号z2(t)の時刻$2では、シンボル番号#(u+1)のz(t)を送信する。
・・・
 なお、z(t)とz(t)は、同一周波数を用い、異なるアンテナから送信されることになる。
 (フレーム構成(8))
 次に、位相変更値が周波数fの関数、つまり、γ(f)、ε(f)とあらわされる場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、ε(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、ε(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、ε(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)、ε(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(k)×s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図16は、シンボルを周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図16において、図16(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図16(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図16では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2のシンボルを示している。なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる。
 図16において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図16(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#5のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア2には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#17のシンボルが配置される)。
 また、図16(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#5のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア2には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#17のシンボルが配置されている)。
 (フレーム構成(9))
 次に、位相変更値が時間t、周波数fの関数、つまり、γ(t,f)、ε(t,f)とあらわされる場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、ε(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、ε(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、ε(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)、ε(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(k)×s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図17は、シンボルを時間・周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図17において、図17(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図17(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図17では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2、時刻$3、時刻$4のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図17において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図17(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#19のシンボルが配置される)。
 また、図17(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#19のシンボルが配置されている)。
 (フレーム構成(10))
 次に、位相変更値が時間t、周波数fの関数、つまり、γ(t,f)、ε(t,f)とあらわされる場合のフレーム構成の別の例を説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、ε(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、ε(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、ε(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(k)×s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図18は、シンボルを時間・周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図18において、図18(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図18(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図18では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2、時刻$3、時刻$4のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図18において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図18(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#21のシンボルが配置される)。
 また、図18(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている(例えば、時刻$2、キャリア5には、zのシンボル番号#21のシンボルが配置されている)。
 (フレーム構成(11))
 次に、位相変更値が時間tの関数、つまり、γ(t)、ε(t)とあらわされ、途中にデータシンボル以外のシンボル、例えば、制御情報を伝送するための制御情報シンボル、チャネル推定や周波数同期、時間同期、信号検出を行うためのパイロットシンボル(リファレンスシンボル、プリアンブル)などが、存在する場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、ε(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、ε(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、ε(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)、ε(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(k)×s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図19は、シンボルを時間方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図19において、図19(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を時間とする。そして、図19(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を時間とする(なお、同一時刻のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図19において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している。(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している。(例えば、pは0以上の整数であるものとする。))そして、「P」という記載は、パイロットシンボルであることを意味している(なお、ここでは、パイロットシンボルを示しているが、パイロットシンボル以外のシンボルであってもよい(ただし、データシンボルではないものとする))。
 よって、図19(A)の時刻$1には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、時刻$4には、パイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 また、図19(B)の時刻$1には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 なお、図19の例は、データシンボル以外のシンボルでは、位相変更を施していない。
 (フレーム構成(12))
 次に、位相変更値が周波数fの関数、つまり、γ(f)、ε(f)とあらわされ、途中にデータシンボル以外のシンボル、例えば、制御情報を伝送するための制御情報シンボル、チャネル推定や周波数同期、時間同期、信号検出を行うためのパイロットシンボル(リファレンスシンボル、プリアンブル)などが、存在する場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、ε(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、ε(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、ε(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)、ε(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(k)×s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図20は、シンボルを周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図20において、図20(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図20(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図20では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図20において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図20(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、パイロットシンボルが配置され、時刻$1、キャリア2には、パイロットシンボルが配置され、時刻$1、キャリア3には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 また、図20(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、パイロットシンボルが配置され、時刻$1、キャリア2には、パイロットシンボルが配置され、時刻$1、キャリア3にはzのシンボル番号#1のシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 なお、図20の例は、データシンボル以外のシンボルでは、位相変更を施していない。
 (フレーム構成(13))
 次に、位相変更値が時間t、周波数fの関数、つまり、γ(t,f)、ε(t,f)とあらわされ、途中にデータシンボル以外のシンボル、例えば、制御情報を伝送するための制御情報シンボル、チャネル推定や周波数同期、時間同期、信号検出を行うためのパイロットシンボル(リファレンスシンボル、プリアンブル)などが、存在する場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、ε(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、ε(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、ε(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)、ε(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(k)×s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図21は、シンボルを時間・周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図21において、図21(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図21(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図21では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2、時刻$3、時刻$4のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図21において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図21(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア2には、パイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 また、図21(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$1、キャリア1には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア2には、パイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 なお、図21の例は、データシンボル以外のシンボルでは、位相変更を施していない。
 (フレーム構成(14))
 次に、位相変更値が時間t、周波数fの関数、つまり、γ(t,f)、ε(t,f)とあらわされ、途中にデータシンボル以外のシンボル、例えば、制御情報を伝送するための制御情報シンボル、チャネル推定や周波数同期、時間同期、信号検出を行うためのパイロットシンボル(リファレンスシンボル、プリアンブル)などが、存在する場合のフレーム構成の一例について説明する。
 ここで、シンボル番号#0の位相変更値をγ(0)、ε(0)、シンボル番号#1の位相変更値をγ(1)、ε(1)、シンボル番号#2の位相変更値をγ(2)、ε(2)、・・・とあらわすものとする(つまり、シンボル番号#kの位相変更値をγ(k)、ε(k)とあらわすものとする(kは0以上の整数とする)。したがって、シンボル番号#kにおいて、重み付け合成部306Aおよび306Bは、ε(k)×s(k)およびγ(k)×s(k)が入力となる)。
 図22は、シンボルを時間・周波数方向に配置する場合のフレーム構成の一例である。
 図22において、図22(A)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。そして、図22(B)は、変調信号zのフレーム構成の一例を示しており、横軸を周波数、縦軸を時間とする。図22では、キャリア0からキャリア9、時刻$1、時刻$2、時刻$3、時刻$4のシンボルを示している(なお、同一時刻、同一キャリア番号のzのシンボルとzのシンボルは、同一時刻、同一周波数を用いて、異なるアンテナから送信されることになる)。
 図22において、例えば、「#0」という記載は、シンボル番号#0のシンボルであることを意味しており、「#1」という記載は、シンボル番号#1のシンボルであることを意味している(つまり、「#p」と記載されている場合、シンボル番号#pのシンボルであることを意味している(例えば、pは0以上の整数であるものとする))。
 よって、図22(A)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、例えば、時刻$2、キャリア2にはパイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 また、図22(B)の時刻$1、キャリア0には、zのシンボル番号#0のシンボルが配置され、時刻$2、キャリア0には、zのシンボル番号#1のシンボルが配置され、時刻$3、キャリア0には、zのシンボル番号#2のシンボルが配置され、例えば、時刻$2、キャリア2にはパイロットシンボルが配置される。なお、これら以外のシンボルについても、同様の規則でシンボルが配置されている。
 なお、図22の例は、データシンボル以外のシンボルでは、位相変更を施していない。
 (位相変更の説明)
 これまでに、位相変更を行うことを説明したきたが、ここでは、位相変更の与え方について、いくつかの例を説明する。
 ここで、位相変更値γがシンボル番号iの関数であるとき、γ(i)とあらわし、位相変更値εがシンボル番号iの関数であるとき、ε(i)とあらわすものとする。このとき、γ(i)およびε(i)は一定値ではない(シンボル番号により変動する)ものとする。
 したがって、以下の関係式を満足することになる。
γ(i)≠g (gは複素数(実数でもよい)であり一定値。)
ε(i)≠h (hは複素数(実数でもよい)であり一定値。)
 位相変更値γ(i)、位相変更値ε(i)が、シンボル番号に対し、周期をもつように設定することが望まれる。
 例えば、位相変更値として5種類の位相を用意する。5種類の位相変更値をPhase[0],Phase[1],Phase[2],Phase[3],Phase[4]とする。
 そして、
i mod 5=0のとき:γ(i)=Phase[0]
i mod 5=1のとき:γ(i)=Phase[1]
i mod 5=2のとき:γ(i)=Phase[2]
i mod 5=3のとき:γ(i)=Phase[3]
i mod 5=4のとき:γ(i)=Phase[4]
とする。「mod」は「modulo」の略表記で、「i mod 5」は「iを5で除算したときの余り」を意味する。
 このようにすることで、位相変更値γ(i)は、シンボル番号に対し、周期をもつことになる(ここでは、周期5としているが、周期は、他の値であってもよい(周期は2以上の整数となる))。
 同様に、例えば、位相変更値として3種類の位相を用意する。3種類の位相変更値をPhase_x[0],Phase_x[1],Phase_x[2]とする。
 そして、
i mod 3=0のとき:ε(i)=Phase_x[0]
i mod 3=1のとき:ε(i)=Phase_x[1]
i mod 3=2のとき:ε(i)=Phase_x[2]
とする。「mod」は「modulo」の略表記で、「i mod 5」は「iを5で除算したときの余り」を意味する。
 このようにすることで、位相変更値ε(i)は、シンボル番号に対し、周期をもつことになる(ここでは、周期3としているが、周期は、他の値であってもよい(周期は2以上の整数となる))。
 また、例えば、位相変更値の周期をNとする場合、N種類の位相を用意するものとする。そして、その値をPhase[k]とする(kは0以上N-1以下の整数とする(Nは2以上の整数とする))。
 このとき、u≠vを満たす、すべてのu、すべてのvに対して以下が成立してもよい。
  Phase[u]≠Phase[v]
 また、別の方法として、u≠vであるがPhase[u]=Phase[v]を満たすu,vが存在するが、周期Nを形成する、という方法も考えられる。
 別の方法として、「γ(i)およびε(i)は一定値ではない」を満たし、周期をもたずに位相変更を行う、としてもよい。
 (マッピング部の説明)
 図3、図4、図10、図11、図12、図13では、マッピング部304Aと304Bを分離して記載したが、図25のようにマッピング部を配置してもよい。
 図25において、マッピング部2502は、ビット列2501を入力とし、マッピング後の信号305A、および、305Bを出力する。
 このときの利点について説明する。例えば、変調信号s(i)の変調方式をQPSK,変調信号s(i)の変調方式をQPSKとする。変調信号s(t)を1シンボル、および、変調信号s(t)を1シンボル生成するために4ビットが必要となる。このとき、この4ビットをb1,0、b1,1、b1,2、b1,3とする。
 第1のQPSKシンボルは、ビット列b1,0、b1,1を用いて、直交ベースバンド信号の同相成分I[1,1]、および、直交ベースバンド信号の直交成分Q[1,1]を生成する。そして、第2のQPSKシンボルは、ビット列b1,2、b1,3を用いて、直交ベースバンド信号の同相成分I[1,2]、および、直交ベースバンド信号の直交成分Q[1,2]を生成する。
 そして、変調信号s(i=1)の同相成分をI[1,1]とし、直交成分をQ[1,2]とする。また、変調信号s(i=1)の同相成分をI[1,2]とし、直交成分をQ[1,1]とする。
 つまり、第1のQPSKシンボルは、ビット列bk,0、bk,1を用いて、直交ベースバンド信号の同相成分I[k,1]、および、直交ベースバンド信号の直交成分Q[k,1]を生成する。そして、第2のQPSKシンボルは、ビット列bk,2、bk,3を用いて、直交ベースバンド信号の同相成分I[k,2]、および、直交ベースバンド信号の直交成分Q[k,2]を生成する。
 そして、変調信号s1(i=1)の同相成分をI[k,1]とし、直交成分をQ[k,2]とする。また、変調信号s(i=1)の同相成分をI[k,2]とし、直交成分をQ[k,1]とする。
 このようにすると、ビット列bk,0、bk,1、bk,2、bk,3は、いずれも複数のアンテナから送信されることになるため、高いダイバーシチ効果を得ることができるという利点がある。
 なお、上述の例では、変調方式がQPSKの時を例に説明したが16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、256QAM、16APSK(Amplitude Phase Shift Keying)、64APSK、256APSK、NU-QAM(Non-uniform QAM)、NUのマッピングを用いた変調方式、いずれの変調方式を用いたときも同様に実施することができる。また、変調信号s1(i)の変調方式と変調信号s2(i)の変調方式が同一の場合、異なる場合、いずれのときも、同様に実施することができる。
 つまり、「第1のビット列から、第1のマッピング後の直交ベースバンド信号の同相成分I[k,1]、および、直交ベースバンド信号の直交成分Q[k,1]を生成する。そして、第2のビット列から第2のマッピング後の直交ベースバンド信号のの同相成分I[k,2]、および、直交ベースバンド信号の直交成分Q[k,2]を生成する。そして、変調信号s(i=1)の同相成分をI[k,1]とし、直交成分をQ[k,2]とする。また、変調信号s(i=1)の同相成分をI[k,2]とし、直交成分をQ[k,1]とする。」ということになる。
 (通信局の構成(5))
 図3、図10、図12において、重み付け合成部と無線部の間に並び替え部を挿入してもよい。
 図26は、そのときの構成である。並び替え部2602Aは、重み付け後の信号307A、送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、送信方法・フレーム構成信号319に基づいて、重み付け信号307Aの並び替えを行い、並び替え後の信号2603Aを出力する。例えば、図16から図22のシンボルの配置が可能な並び替えを実現することができる。
 並び替え部2602Bは、重み付け後の信号307B、送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、送信方法・フレーム構成信号319に基づいて、重み付け信号307Bの並び替えを行い、並び替え後の信号2603Bを出力する。例えば、図16から図22のシンボルの配置が可能な並び替えを実現することができる。
 また、図4、図11、図13において、係数乗算部と無線部の間に並び替え部を挿入してもよい。
 図27はそのときの構成である。並び替え部2602Aは、係数乗算後の信号402A、送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、送信方法・フレーム構成信号319に基づいて、係数乗算後の信号402Aに並び替えを行い、並び替え後の信号2603Aを出力する。例えば、図16から図22のシンボルの配置が可能な並び替えを実現することができる。なお、並び替え部2602Aと係数乗算部401Aの順番を入れ替えることも可能である。
 並び替え部2602Bは、係数乗算後の信号402B、送信方法・フレーム構成信号319を入力とし、送信方法・フレーム構成信号319に基づいて、係数乗算後の信号402Bに並び替えを行い、並び替え後の信号2603Bを出力する。例えば、図16から図22のシンボルの配置が可能な並び替えを実現することができる。なお、並び替え部2602Bと係数乗算部401Bの順番を入れ替えることも可能である。
 (補足)
 図1、図2では、送信側と受信とがそれぞれ水平偏波のアンテナと垂直偏波のアンテナとを用いて通信を行う構成について説明したが、本開示の送信方法は、これに限らず、送信側と受信とがそれぞれ異なる2種類の偏波のアンテナを用いて通信を行う場合に適用することができる。
 また、送信側と受信側の偏波の状態を考慮して、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けず、かつ、マッピング後のベースバンド信号s(t)がマッピング後のベースバンド信号s(t)の影響(干渉)を受けないための条件を満たすように、プリコーディングにおけるθの値を決定しているが、偏波以外も考慮に入れて、θの値を決定してもよい。
 当然であるが、本明細書において説明した実施の形態、その他の内容を複数組み合わせて、実施してもよい。
 また、各実施の形態については、あくまでも例であり、例えば、「変調方式、誤り訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」を例示していても、別の「変調方式、誤り訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」を適用した場合でも同様の構成で実施することが可能である。
 変調方式については、本明細書で記載している変調方式以外の変調方式を使用しても、本明細書において説明した実施の形態、その他の内容を実施することが可能である。例えば、APSK(Amplitude Phase Shift Keying)(例えば、16APSK, 64APSK, 128APSK, 256APSK, 1024APSK, 4096APSKなど)、PAM(Pulse Amplitude Modulation)(例えば、4PAM, 8PAM, 16PAM, 64PAM, 128PAM, 256PAM, 1024PAM, 4096PAMなど)、PSK(Phase Shift Keying)(例えば、BPSK, QPSK, 8PSK, 16PSK, 64PSK, 128PSK, 256PSK, 1024PSK, 4096PSKなど)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)(例えば、4QAM, 8QAM, 16QAM, 64QAM, 128QAM, 256QAM, 1024QAM, 4096QAMなど)などを適用してもよいし、各変調方式において、均一マッピング、非均一マッピングとしてもよい。また、I-Q平面における2個、4個、8個、16個、64個、128個、256個、1024個等の信号点の配置方法(2個、4個、8個、16個、64個、128個、256個、1024個等の信号点をもつ変調方式)は、本明細書で示した変調方式の信号点配置方法に限ったものではない。
 本明細書において、送信装置を具備しているのは、例えば、放送局、基地局、アクセスポイント、端末、携帯電話(mobile phone)等の通信・放送機器であることが考えられ、このとき、受信装置を具備しているのは、テレビ、ラジオ、端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、アクセスポイント、基地局等の通信機器であることが考えられる。また、本開示における送信装置、受信装置は、通信機能を有している機器であって、その機器が、テレビ、ラジオ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のアプリケーションを実行するための装置に何らかのインターフェースを解して接続できるような形態であることも考えられる。また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード、ポストアンブル、リファレンスシンボル等)、制御情報用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。そして、ここでは、パイロットシンボル、制御情報用のシンボルと名付けているが、どのような名付け方を行ってもよく、機能自身が重要となっている。
 パイロットシンボルは、例えば、送受信機において、PSK変調を用いて変調した既知のシンボル(または、受信機が同期をとることによって、受信機は、送信機が送信したシンボルを知ることができてもよい。)であればよく、受信機は、このシンボルを用いて、周波数同期、時間同期、(各変調信号の)チャネル推定(CSI(Channel State Information)の推定)、信号の検出等を行うことになる。
 また、制御情報用のシンボルは、(アプリケーション等の)データ以外の通信を実現するための、通信相手に伝送する必要がある情報(例えば、通信に用いている変調方式・誤り訂正符号化方式・誤り訂正符号化方式の符号化率、上位レイヤーでの設定情報等)を伝送するためのシンボルである。
 なお、本開示は各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、各実施の形態では、通信装置として行う場合について説明しているが、これに限られるものではなく、この通信方法をソフトウェアとして行うことも可能である。
 なお、例えば、上記通信方法を実行するプログラムを予めROM(Read Only Memory)に格納しておき、そのプログラムをCPU(Central Processor Unit)によって動作させるようにしても良い。
 また、上記通信方法を実行するプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしても良い。
 そして、上記の各実施の形態などの各構成は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、各実施の形態の全ての構成または一部の構成を含むように1チップ化されてもよい。
 ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
 本明細書において、水平偏波のアンテナ、垂直偏波のアンテナを使用したときの例を説明したが、これに限ったものではなく、右旋円偏波のアンテナ、左旋円偏波のアンテナを使用しても、本明細書で説明した「通信相手からのフィードバック情報に基づき、重み付け合成方法、および/または、係数乗算方法を変更(例えば、図3などの重み付け合成部306A、306B)、図4などの係数乗算部401A、401B」を実施することが可能である(アンテナの構成方法はこれに限ったものではない)。
 また、本明細書において、通信相手からのフィードバック情報に基づいて、重み付け合成方法におけるプリコーディング行列におけるパラメーターθ、プリコーディング行列におけるパラメーターaおよびb、係数乗算部におけるパラメーターaおよびbを計算する具体的な方法について説明したが、計算方法は、上述で記載した方法に限ったものではない。したがって、通信局は、例えば、通信相手からのフィードバック情報などに基づいて、重み付け合成方法におけるプリコーディング行列におけるパラメーターθ、および/または、プリコーディング行列におけるパラメーターaおよびb、および/または、係数乗算部におけるパラメーターaおよびb(重み付け合成方法におけるプリコーディング行列におけるパラメーターθ、プリコーディング行列におけるパラメーターaおよびb、係数乗算部におけるパラメーターaおよびbのうち少なくとも一つ)を設定し、その設定に基づいて、変調信号を生成し、通信相手に変調信号を送信するという構成であれば、本明細書で記載した効果を同様に得ることができる。なお、前述のパラメーターの切り替えは、フレーム単位、特定の時間単位など、いずれのタイミングで切り替えてもよく、前述のパラメーターの設定は、通信局が行ってもよいし、通信相手が指示してもよい。そして、通信局が使用したθの値、aの値、bの値については、例えば、制御情報シンボルを用いて、通信相手に通知することになる。これにより、通信相手は、制御情報シンボルを復調することで、通信局が使用したθの値、aの値、bの値を知ることができ、これにより、データシンボルの復調・復号を行うことが可能となる。
 本明細書において、パラメーターa、パラメーターbについて記載したが、パラメーターaの絶対値とパラメーターbの絶対値の差が大きい場合、「パラメーターaの絶対値とパラメーターbの絶対値の差が大きい」ことを知らせるための警告画面を表示する装置や警告音を発生するためのオーディオ発生部を通信局が具備していてもよい。「パラメーターaの絶対値とパラメーターbの絶対値の差が大きい」場合、アンテナの設置を再度行ったほうが、通信品質が向上する可能性が高いからである。
 本明細書において、通信局が、パラメーターθの値、aの値、bの値を設定するにあたり、通信局が保持しているテーブルから選択し、パラメーターθの値、aの値、bの値を設定するような方法をとってもよい。以下で例を説明する。
 例えば、選択可能なパラメーターθの値として、θ0、θ1、θ2、θ3をテーブルとし用意しておく。そして、通信局は、θ0、θ1、θ2、θ3の中から、適切な値を選択して、パラメーターθの値として設定する。
 同様に、選択可能なパラメーターaの値として、a0、a1、a2、a3をテーブルとし用意しておく。そして、通信局は、a0、a1、a2、a3の中から、適切な値を選択して、パラメーターaの値として設定する。
 選択可能なパラメーターbの値として、b0、b1、b2、b3をテーブルとし用意しておく。そして、通信局は、b0、b1、b2、b3の中から、適切な値を選択して、パラメーターbの値として設定する。
 ここでは、選択可能な値として、4種類としているが、これに限ったものではない。
 また、制御情報x=x0のとき、「θの値として、θ0と設定する」、制御情報x=x1のとき、「θの値として、θ1と設定する」、制御情報x=x2のとき、「θの値として、θ2と設定する」、制御情報x=x3のとき、「θの値として、θ3と設定する」と関連付けるとする。すると、制御情報xを通信局が制御情報として、通信相手に送信することで、通信相手は、通信局が使用した、θの値を知ることができる。
 同様に、制御情報y=y0のとき、「aの値として、a0と設定する」、制御情報y=y1のとき、「aの値として、a1と設定する」、制御情報y=y2のとき、「aの値として、a2と設定する」、制御情報y=y3のとき、「aの値として、a3と設定する」と関連付けるとする。すると、制御情報yを通信局が制御情報として、通信相手に送信することで、通信相手は、通信局が使用した、aの値を知ることができる。
 制御情報z=z0のとき、「bの値として、b0と設定する」、制御情報z=z1のとき、「bの値として、b1と設定する」、制御情報z=z2のとき、「bの値として、b2と設定する」、制御情報z=z3のとき、「bの値として、b3と設定する」と関連付けるとする。すると、制御情報zを通信局が制御情報として、通信相手に送信することで、通信相手は、通信局が使用した、bの値を知ることができる。
 本開示は、偏波MIMOシステムに利用することができる。
 300,400 通信局
 306A,306B 重み付け合成部
 401A,402B 係数乗算部

Claims (2)

  1.  第1の変調信号s(t)及び第2の変調信号s(t)から式(1)を演算して第1の送信信号z(t)及び第2の送信信号z(t)を生成して送信する送信方法であって、
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
     フィードバック情報に基づいて
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
    となるように、θ、a、bを求める
     送信方法。
  2.  第1の変調信号s(t)及び第2の変調信号s(t)から式(1)を演算して第1の送信信号z(t)及び第2の送信信号z(t)を生成して送信する送信装置であって、
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
     フィードバック情報に基づいて
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
    となるように、θ、a、bを求める
     送信装置。
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