JP2009033268A - 無線通信システム、並びに無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、並びに無線通信装置及び無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】チャネル行列のランクが低下する事態を回避して独立した複数のストリームを用いた空間多重伝送を行なう。
【解決手段】送信側及び受信側それぞれで一部のアンテナの偏波面を切り替え、これと直交している偏波面を使用するアンテナとの伝達関数を0に近づけることによりチャネル行列のランクを向上させ、ストリーム本数を確保する。3×3以上のアンテナ構成の場合には、基本的に垂直偏波を各アンテナで使用し、水平偏波をどのアンテナに適用したら効果的にチャネル行列の品質が向上するかを判断して、送受信機の特定のアンテナだけ偏波面を適応的に切り替える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を要素としたチャネル行列を基に空間多重して送られてきた受信信号から元の各ストリーム信号を空間分離する無線通信システム、並びに無線通信装置及び無線通信方法に係り、特に、チャネル行列のランクが低下する事態を回避して独立した複数のストリームを用いた空間多重伝送を行なう無線通信システム、並びに無線通信装置及び無線通信方法に関する。
旧来の有線通信方式における配線から解放するシステムとして、無線ネットワークが注目されている。無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11やIEEE802.15を挙げることができる。
例えばIEEE802.11a/gでは、無線LANの標準規格として、マルチキャリア方式の1つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式が採用されている。OFDM変調方式では、OFDM変調方式によれば、送信データを相互に直交する周波数が設定された複数のキャリアに分配して伝送するので、各キャリアの帯域が狭帯域となり、周波数利用効率が非常に高く、周波数選択性フェージング妨害に強い。
また、IEEE802.11a/gの規格では最大で54Mbpsの通信速度を達成する変調方式をサポートしているが、さらなる高ビットレートを実現できる次世代の無線LAN規格が求められている。
無線通信の高速化を実現する技術の1つとして、MIMO(Multi−Input Multi−Output)通信が注目を集めている。これは、送信機側と受信機側の双方において複数のアンテナ素子を備え、空間多重したストリームを実現する通信方式である。送信側では、複数の送信データに空間/時間符号を施して多重化し、複数本の送信アンテナに分配してチャネルに送信する。これに対し、受信側では、チャネル経由で複数本の受信アンテナにより受信した受信信号を空間/時間復号して、ストリーム間のクロストークなしに受信データを得ることができる。
MIMO通信方式によれば、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。また、空間多重を利用するので、周波数利用効率はよい。MIMOはチャネル特性を利用した通信方式であり、単なる送受信アダプティブ・アレーとは相違する。例えば、IEEE802.11a/gの拡張規格であるIEEE802.11nでは、1次変調にOFDMを用いたOFDM_MIMO方式が採用されている。現在、IEEE802.11nは、タスクグループn(TGn)において標準化作業が行なわれており、そこでまとめられつつある仕様案は2005年10月に設立された業界団体EWC(Enhanced Wireless Consortium)で作成された提案仕様に基づいている。
MIMO通信では、空間多重された受信信号から元の各ストリーム信号を空間分離するためには、何らかの方法によりチャネル行列Hを取得するとともに、さらに所定のアルゴリズムによってチャネル行列Hを用いて空間多重された受信信号から元の複数のストリームに空間分離を行なう必要がある。
図5には、MIMO通信システムを概念的に示している。MIMO送信機には、2本のアンテナ、すなわち送信アンテナ1と送信アンテナ2を備え、一方のMIMO受信機も2本の受信アンテナ1と受信アンテナ2を備えている。ここで、送信アンテナ1と受信アンテナ1間のチャネルの伝達関数をh11、送信アンテナ2と受信アンテナ1間のチャネルの伝達関数をh12、送信アンテナ1と受信アンテナ2間のチャネルの伝達関数をh21、送信アンテナ2と受信アンテナ2の伝搬路間のチャネルの伝達関数をh22とする。そして、送信機は、送信アンテナ1に対して送信データ系列X1を送信アンテナ2に対して送信データ系列X2を割り当て、受信機は、受信アンテナ1において受信データ系列Y1を受信し、受信アンテナ2において受信データ系列Y2を受信したものとする。この場合のチャネル状況は、以下の式(1)のように表現することができる。
Figure 2009033268
このときのチャネル行列Hを次式(2)のように定義すると、例えば次々式(3)のようにチャネル行列Hの逆行列H-1をアンテナ受信重み行列として求めることができる。
Figure 2009033268
Figure 2009033268
この場合、次式(4)に示すように、受信信号系列Y1及びY2にチャネル行列Hの逆行列H-1を乗算することで、受信信号系列X1及びX2が求まる。
Figure 2009033268
なお、図5では送受信アンテナがともに2本の場合を示したが、アンテナ本数が2本以上であっても、同様にしてMIMO通信システムを構築することができる。すなわち、M本の送信アンテナを備えた送信側では、複数の送信データに空間/時間符号を施して多重化して各送信アンテナに分配して送信する(但し、Mは2以上の整数)。これに対し、N本の受信アンテナを備えた受信側では、各受信アンテナにより受信した受信信号を空間/時間復号して受信データを得ることができる(但し、Nは2以上の整数)。理想的には、送受信アンテナのうち少ない方の数(MIN[M,N])だけの空間/時間ストリームが形成される。
上述したようなMIMO通信システムでは、何らかの方法によりチャネル行列Hを取得するとともに、さらに所定のアルゴリズムによってチャネル行列Hを用いて空間多重された受信信号から元の複数のストリームに空間分離を行なう必要がある。ここで、チャネル行列Hのランク(rank:階数)の下落が致命的となることが知られている。例えば、下式(5)に示すような行列は、逆行列を解くことができないので、独立な2つのチャネルを空間多重して伝送して、それを受信機側で分離するということはできない。
Figure 2009033268
上式(5)に示したチャネル行列Hを2つの列ベクトルに分解して見てみると、同じ[1,2]Tというベクトルが2つあるだけなので、独立なベクトルが1しかないためにランクが2から1へ落ちてしまっている。このように1次独立な列ベクトルが1つしかないときには、チャネル行列Hの逆行列を解くことはできないので、アンテナ受信重み行列を求めることができない。言い換えれば、上式(4)に示したように空間多重された受信信号を空間分離して元のストリーム信号を得ることはできない、すなわち独立した2本のストリームを得ることはできないことになる。このようなチャネル行列Hのランクの低下は、例えば、送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数が均一であることに起因して生じる。
チャネル行列Hのランク落ちがある場合、正確な逆行列が得られないので、H−1を計算する際に行列式の逆数に適当な値を入れて計算すれば、オーバーフローは避けられ、装置上の破綻は生じない。例えば、チャネル行列Hの要素hijを用いて、チャネル行列Hを2×2型行列に分割する小行列分割部と、分割された2×2型行列の余因子の計算を行なう余因子計算部と、計算された余因子を用いてチャネル行列Hの行列式|H|の計算を行なう行列式計算部と、前記行列式|H|を用いて,前記行列Hがランク落ちであるかを判定するランク落ち判定部を備えたチャンネル行列演算装置について提案がなされており(例えば、特許文献1を参照のこと)、アンテナ本数の多い送信機と受信機で構成されるMIMO通信システムにおいても、行列式計算を2×2型以下に分割した小行列のみで処理することができる。また、行列Hがランク落ちであると判定されたときには余因子を前記行列式判定閾値に置き換えて出力して、逆行列計算時の数値的破綻を回避することができる。
また、時間の経過に応じてチャネルのランクも変動するので、現在のチャネルのランクが低くても、ランクが高くなるまで、複数のアンテナに対するキャリブレーション係数の導出を延期するMIMOシステムについて提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。
特開2007−13455号公報 特開2006−279905号公報
本発明の目的は、送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を要素としたチャネル行列を基に空間多重して送られてきた受信信号から元の各ストリーム信号を好適に空間分離することができる、MIMO通信方式の優れた無線通信システム、並びに無線通信装置及び無線通信方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、チャネル行列のランクが低下する事態を回避して独立した複数のストリームを用いた空間多重伝送を行なうことができる、優れた無線通信システム、並びに無線通信装置及び無線通信方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、それぞれ複数のアンテナを備えた送信機と受信機で構成され、送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を要素としたチャネル行列を基に空間多重伝送を行なう無線通信システムであって、
前記送信機と前記受信機間のチャネル行列を取得するチャネル行列取得手段と、 該取得したチャネル行列のランクの下落を検出するランク検出手段と、
チャネル行列のランクの下落を検出したことに応じて、前記送信機と前記受信機のいずれかの送受信アンテナの組み合わせについて偏波面を変更する偏波面制御手段と、
を具備することを特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
高速・大容量伝送を実現する無線通信技術として、複数のアンテナを持つ送信機と複数のアンテナを持つ受信機間で空間多重を利用したMIMO通信が知られており、送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を要素としたチャネル行列を基に、送信側からは複数のストリームを空間多重送信するとともに、受信側では各アンテナの受信信号から元の各ストリーム信号を空間分離することができる。
しかしながら、このようなMIMO通信システムでは、チャネル行列Hのランクの下落とともに、チャネル行列Hの逆行列は解き難くなるために、空間多重可能な独立したストリーム本数が低減してしまうという問題がある。
これに対し、本発明に係る無線通信システムでは、チャネルの状況はそのままとし、送信側及び受信側のそれぞれについて一部のアンテナの偏波面を切り替えることで、これと直交している偏波面を使用するアンテナとの伝達関数を0に近づけるという作用を利用して、チャネル行列のランクを向上させ、より多くの独立したストリームを用いて空間多重伝送を行なえるようにしている。
例えば、図5に示した2×2の送受信アンテナで構成されるMIMO通信システムにおいて、チャネル行列Hのランクが下落したときには、送信側及び受信側それぞれの2番目のアンテナの偏波面を変える。これによって、これと直交している偏波面を使用する1番目のアンテナとの伝達関数は0に近づくので、上式(5)は下式(6)のように変化する。
Figure 2009033268
上式(6)では対角成分は元のままで対角成分以外が0に近くなる。このようなチャネル行列Hのランクは明らかに2×2行列の最大である2となる。すなわち、偏波を変えることによりチャネル行列のランクの低下を抑制して、逆行列が解けなかったものが解けるようになる。
チャネル行列Hのランクが下落したかどうかは、行列式を計算することで判別される。あるいは、チャネル行列HをSVD分解することによってもランクの状態を把握することができる。
通常、使用できる偏波は垂直偏波と水平偏波の2種類である。図5に示したMIMO通信システムでは送信側及び受信側ともにアンテナが2本であるから、それぞれに異なった偏波を割り当てれば良かった。しかしながら、アンテナ本数が3本以上になると、偏波の数が足りないので問題である。
そこで、本発明を3本以上のアンテナを用いたMIMO通信システムに適用する場合には、基本的に垂直偏波を各アンテナで使用するとして、水平偏波をどのアンテナに適用したら効果的にチャネル行列の品質が向上(すなわち、ランクがアップするか)するかを判断して、その判断結果に従って、送受信機の特定のアンテナだけ偏波面を適応的に切り替えるようにしている。
偏波面を変える送受信アンテナの組み合わせに応じて、チャネル行列Hのうちで0に近くなる要素の位置を予測することができる。そこで、その予測結果を基に、チャネル行列HのSVDなどを行なって、ランクの状況を把握して、最も望ましいアンテナの偏波を変化させるのが効果的である。
このように、本発明に係るMIMO通信システムによれば、偏波という限られたランクを向上させる手段を有効に使うことにより、通信品質を向上させて受信特性の向上を達成することができる。
なお、チャネル行列のランクの下落に応じたアンテナの偏波面の変更処理は、通常のパケット・シーケンスを利用して実施することができる。
送信データを複数のストリームに振り分けて空間多重伝送する送信機側も、空間多重されたストリームを各アンテナで受信して空間分離する受信機側も、初期状態では、すべてのアンテナを垂直偏波に設定しておく。
受信機は、送信機からのパケットを受信すると、そのプリアンブルに含まれる既知トレーニング系列などを利用してチャネル行列Hを取得する。そして、チャネル行列の行列式演算やSVD分解などを通じて、チャネル行列Hのランクが下落したことを検知すると、偏波を変えるべき(ランクの向上を見込むことができるような)アンテナの有効な組み合わせを決定する。また、受信機は、決定したアンテナ番号を送信機に通知する。
一方、送信機側では、通知されたアンテナのみ垂直偏波から水平偏波に変更して、以降のパケットを送信する。そして、受信機側では、決定したアンテナのみ垂直偏波から水平偏波に変更してパケットを受信する。
本発明によれば、送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を要素としたチャネル行列を基に空間多重して送られてきた受信信号から元の各ストリーム信号を好適に空間分離することができる、MIMO通信方式の優れた無線通信システム、並びに無線通信装置及び無線通信方法を提供することができる。
また、本発明によれば、チャネル行列のランクが低下する事態を回避して独立した複数のストリームを用いた空間多重伝送を行なうことができる、優れた無線通信システム、並びに無線通信装置及び無線通信方法を提供することができる。
本発明に係るMIMO通信システムは一部のアンテナの偏波面の切り替えという操作によってチャネル行列のランクの向上を図るように構成されている。送受信機が、チャネル行列のランクが低くなるような状況、すなわち逆行列が解き難い状況に置かれた場合であっても、一部のアンテナの偏波面の切り替えという操作によってチャネル行列のランクを向上させることが可能であり、逆行列が解き易くなることにより、複数のチャネルを独立で伝送することがし易くなり、ひいてはスループットの向上が可能になる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、複数のアンテナを持つ送信機と複数のアンテナを持つ受信機間で空間多重を利用したMIMO通信システムにおいて、一部のアンテナの偏波面の切り替えという操作によってチャネル行列のランクの向上を図るものである。すなわち、チャネル行列Hのランクが低下するような局面において、チャネルの状況はそのままとし、送信側及び受信側のそれぞれについて一部のアンテナの偏波面を切り替えるように構成されている。一部のアンテナの偏波面を切り替えると、これと直交している偏波面を使用するアンテナとの伝達関数を0に近づけるという作用があることから、チャネル行列のランクを向上させ、より多くの独立したストリームを確保して空間多重伝送を行なうことができる。
具体的には、送受信機の双方において垂直偏波を各アンテナで使用することを基本動作とするが、チャネル行列Hのランクが低下するような局面では、一部の送受信アンテナの組み合わせにおいて、水平偏波のアンテナに切り替えるようにする。
ここで、偏波とはアンテナから放射される電界の方向に相当する。垂直偏波アンテナ並びに水平偏波アンテナの構成例を図1A並びに図1Bに示している。垂直偏波アンテナは、天頂方向に沿って配設された1対のアンテナ素子が不平衡・平衡変換機を介して同軸ケーブルに接続されているダイポール・アンテナであり、アンテナ素子の全長は所望波長λの2分の1である。同軸ケーブルを通して不平衡伝送された信号は、不平衡・平衡変換機により平衡伝送に変換され、アンテナ素子に給電される。図示の垂直偏波アンテナは、アンテナ素子と垂直な面内では均一な指向性を有する。また、水平偏波アンテナは、水平方向に沿って配設された1対のアンテナ素子が不平衡・平衡変換機を介して同軸ケーブルに接続されている、全長がλ/2となるダイポール・アンテナである。
また、図2には、本発明に係るMIMO通信システムに適用されるMIMO送受信機の構成を模式的に示している。図示のMIMO送受信機1は、2以上の送受信ブランチで構成される。
各送受信ブランチは水平偏波アンテナ11及び垂直偏波アンテナ12を備えている。例えば、デジタル信号処理部20におけるチャネル行列Hの評価結果に基づいて、ブランチ毎に垂直偏波アンテナ11又は水平偏波12のうち一方を択一的に使用することが決定される。該使用が決定されたアンテナは、リング型スイッチ13を介して、同じブランチの送信系統と受信系統で共用される。各ブランチでは通常は垂直偏波アンテナに設定されているが、取得されたチャネル行列のランクが低そうな場合には、いずれか特定の1つのブランチにおいて垂直偏波アンテナから水平偏波アンテナに切り替えて、チャネル行列の向上を図る(後述)。
送信系統は、ブランチに振り分けられたデジタル送信信号をアナログ変換するDA変換器16と、ベースバンドのアナログ送信信号をRF(Radio Frequency)帯にアップコンバートし電力増幅する送信アナログ部14からなり、RF送信信号はいずれか一方のアンテナ11又は12から空中に放出される。また、受信系統は、いずれか一方のアンテナ11又は12で受信したRF信号を低雑音増幅してからベースバンド帯域にダウンコンバートする受信アナログ部15と、ベースバンドのアナログ受信信号をデジタル変換するAD変換器17からなる。
デジタル信号処理部20では、送信時において、送信データを各ブランチ(ストリーム)に振り分け、チャネル行列Hを基に決定されるアンテナ送信重みを掛けることで空間多重処理を施し、さらにブランチ毎にOFDMなどのデジタル変調処理を施す。また、デジタル信号処理部20は、受信時において、各ブランチでのデジタル受信信号に対しOFDMなどのデジタル復調処理を施してから、チャネル行列Hを基に決定されるアンテナ受信重みを掛けることで空間分離して元のストリームを再現し、各ストリームのデータを合成する。また、デジタル信号処理部20は、チャネル行列Hの評価結果に基づいて、ブランチ毎にいずれか一方のアンテナ11又は12を択一的に使用することを決定する。各ブランチでは通常(通信の初期状態)は垂直偏波アンテナに設定されているが、取得されたチャネル行列のランクが低そうな場合には、いずれか特定の1つのブランチにおいて垂直偏波アンテナから水平偏波アンテナに切り替えて、チャネル行列の向上を図るようになっている(後述)。
なお、デジタル信号処理部20は、チャネル行列Hを測定し、あるいは通信相手などからチャネル行列Hに関する情報を取得する必要があるが、この種の手段に関しては既に公知であるとともに(例えば、通信相手からのパケットのプリアンブルに含まれる既知のトレーニング系列を用いてチャネル行列Hを推定することができる)、本発明の要旨に直接関連しないので、本明細書では詳細な説明を省略する。
図2に示した装置構成では、ブランチ毎に垂直偏波アンテナと水平偏波アンテナを備え、スイッチを介してアンテナを切り替えることで偏波面の変更を実現するようになっているが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。各ブランチにおけるアンテナの偏波を切り替える他の方法を適用することもできる。
図5に示したような2×2のアンテナ構成からなるMIMO通信システムの場合、上式(5)に示したようにチャネル行列Hのランクが1に下落したときには、送信側及び受信側それぞれの2番目のアンテナの偏波面を変えることによって、上式(6)に示したように対角成分は元のままで対角成分以外が0に近くなる。このようなチャネル行列Hは明らかにランクが2に向上する。すなわち、偏波を変えることにより、逆行列が解けなかったものが解けるようになる。したがって、偏波という限られたランクを向上させる手段を有効に使うことにより、通信品質を向上させて受信特性の向上を達成することができる。
ところが、通常使用できる偏波は垂直偏波と水平偏波の2種類しかないので、送信側又は受信側の少なくとも一方が3本以上のアンテナを備えたMIMO通信システムの場合には、偏波の数が足りないので問題である。
これに対し、本発明では、3本以上のアンテナを用いたMIMO通信システムの場合には、基本的に垂直偏波を各アンテナで使用するとして、水平偏波をどのアンテナに適用したら効果的にチャネル行列の品質が向上(すなわち、ランクがアップするか)するかを判断して、その判断結果に従って、送受信機の特定のアンテナの組み合わせについてだけ偏波面を適応的に切り替えるようにしている。
以下では、3×3のアンテナ構成からなるMIMOシステムを具体的な実施形態として、各アンテナの偏波面を変える効果がチャネル行列Hにどのように現れるかについて考察してみる。3×3の送受信アンテナでシステムが構成される場合には、送信側及び受信側それぞれの1乃至3番目のうちいずれかのアンテナの組み合わせについて偏波を変えることができる。
ここでは、送受信機が置かれた、チャネル行列のランクが低くなるような状況、すなわち逆行列が解き難い状況として、もともとの(すなわち、すべてのアンテナを垂直偏波にそろえた状態における)チャネル行列H(base)が以下の場合を想定する。
Figure 2009033268
上式(7)に示したチャネル行列Hは、1列目と2列目の列ベクトルが同じであるので、ランクが2に落ちている。
ここで、送信側及び受信側それぞれの1番目のアンテナの偏波面を変えると、チャネル行列H(ant1)は下式(8)のようになる。但し、同式中で*で示される要素は0に近い値であることを表すものとする。
Figure 2009033268
チャネル行列の(i,j)要素がj番目の送信アンテナからi番目の受信アンテナへの伝達関数であることを考えると、送信側及び受信側それぞれの1番目のアンテナの偏波を変えたので、1番目の送信アンテナから2番目及び3番目の受信アンテナへの伝達関数が0に近い値になることが理解できる。また、2番目及び3番目の送信アンテナから1番目の受信アンテナへの伝達関数も0に近い値になることが理解できる。このチャネル行列H(ant1)を見ると、ランクが3×3行列としてのフルランクである3になっていることも分かる。
行列式が0でない場合にフルランクであると認識できる。言い換えれば、垂直偏波から水平偏波に切り替えることによって行列式がなるべく大きななる送受信アンテナの組み合わせを選択して、偏波面を適応的に切り替えるようにすればよい。
あるいは、チャネル行列HをSVD分解することによってもランクの状態を把握できることが知られている。ここで、SVD(Singular Value Decomposition:特異値分解)とは、チャネル行列Hをユニタリ行列U及びVと対角行列Dに特異値分解(H=UDVH)する計算方法であるが(上付き文字Hは行列の共役転置を表す)、対角行列Dの対角要素が0に近い値になっているものがあるとチャネル行列Hのランクが低下していると判断することができる。言い換えれば、垂直偏波から水平偏波に切り替えることによって対角行列Dの対角要素がなるべく大きななる送受信アンテナの組み合わせを選択して、偏波面を適応的に切り替えるようにすればよい。
なお、SVDを利用したMIMO通信方式では、例えば、送信機側では送信用アンテナ重み行列にVを用いて受信機に向けてビーム形成したパケットを送信し、受信機側では受信用アンテナ重み行列として典型的には(UD)-1を与える。対角行列Dは各空間ストリームの品質に相当する各特異値λiの平方根を対角要素に持つが、値の大きい順に特異値λiを並べ、各ストリームに対し特異値の大きさで表される通信品質に応じた電力配分や変調方式の割り当てを施すことによって、空間直交多重された論理的に独立した複数の伝送路を実現し、受信機側では元の複数の信号系列を全くクロストークなしに取り出すことができ、理論上は最高のパフォーマンスを達成する。特異値λiは空間多重されるi番目のストリームの通信品質に相当し、特異値λiが0に近づくことは該当する独立したストリームをできなくなること、すなわちランクの下落を意味する。
また、送信側及び受信側それぞれの2番目のアンテナの偏波面を変えると、チャネル行列H(ant2)は下式(9)のようになる。但し、同式中で*で示される要素は0に近い値であることを表すものとする。
Figure 2009033268
このように送信側及び受信側それぞれの2番目のアンテナの偏波を変えることによって、2番目の送信アンテナから1番目及び3番目の受信アンテナへの伝達関数が0に近い値になり、また、1番目及び3番目の送信アンテナから2番目の受信アンテナへの伝達関数も0に近い値になる。したがって、チャネル行列H(ant2)も、ランクが3×3行列としてのフルランクである3になって、すなわち、元のチャネル行列H(base)よりもランクが向上していることが分かる。
また、送信側及び受信側それぞれの3番目のアンテナの偏波面を変えると、チャネル行列H(ant3)は下式(10)のようになる。但し、同式中で*で示される要素は0に近い値であることを表すものとする。
Figure 2009033268
このように送信側及び受信側それぞれの3番目のアンテナの偏波を変えることによって、2番目の送信アンテナから1番目及び2番目の受信アンテナへの伝達関数が0に近い値になり、また、1番目及び2番目の送信アンテナから3番目の受信アンテナへの伝達関数も0に近い値になる。しかしながら、このチャネル行列H(ant3)は、相変わらず1列目と2列目のベクトルが同じとなるので、ランクは2のままであることが簡易に分かる。
3×3の送受信アンテナでシステムが構成されるMIMO通信システムでは、送信側及び受信側それぞれの1乃至3番目のうちいずれかのアンテナの組み合わせについて偏波を変えることができるが、上式(7)〜(10)で例示したチャネル状況では、送信側及び受信側それぞれの3番目のアンテナの偏波を変えることは良い選択でないことを理解できよう。
実際のMIMO送受信機では、どのアンテナに偏波を割り当てるかを仮定すると、上述した例のようにチャネル行列Hのうちで0に近くなる要素の位置を予測することができる。したがって、その予測結果を基に、行列式やチャネル行列HのSVDなどを行なって、ランクの状況を把握して、より大きな行列式を得ることができる、あるいはSVDして得られる対角行列Dのより大きな対角要素を得ることができる、最も望ましい送受信アンテナの組み合わせについて偏波を変化させるのが効果的であると言える。
図2には本発明に係るMIMO通信システムに適用されるMIMO送受信機の構成を示したが、さらに図3には、MIMO通信方式を採用した無線LAN規格であるIEEE802.11nを想定した場合のMIMO送受信機の構成例を示している。図面の錯綜を回避するため、送信及び受信のブランチ数を3としたが、勿論4本以上のブランチ数で送受信機を構成することも可能である。
各ブランチが水平偏波アンテナ及び垂直偏波アンテナを備え、リング型スイッチを介してアンテナを共用する点、並びにRF送受信処理段における構成や動作は、図2と同様である。IEEE802.11ではOFDM変調方式を採用しており、図3では主にデジタル信号処理部の内部構成を詳細に描いている。
各送信ブランチでは、上位プロセッサからの送信データを各ブランチに振り分けて、それぞれに符号化処理を施す。続いて、ブランチ毎に、周波数領域に並んだ各サブキャリアに高速逆フーリエ変換(IFFT)を掛けて時間軸信号に変換し、さらにガード・インターバル挿入部でガード・インターバル(GI)を付加し、さらに同期獲得や周波数誤差補正、チャネル推定などに用いるプリアンブルを付与した後、DA変換、送信アナログ処理が施される。
一方、各受信ブランチでは、AD変換した受信信号に対してパケット発見、タイミング検出、周波数誤差補正などの処理を施した後、データ送信区間の先頭に付加されたガード・インターバルを除去してから、高速フーリエ変換(FFT)を掛けて時間軸信号を周波数軸信号に変換する。続いて、ブランチ毎の受信信号に含まれるプリアンブル部分を利用してチャネル行列Hを取得し、さらにその逆行列H-1を求め、ブランチ毎の受信信号からなる受信ベクトルにこの逆行列H-1を乗算することで受信信号を空間分離して元のストリームを再現する。その後、ストリーム毎に復号処理を行なってから1本のデータに合成して、上位プロセッサへ渡す。
偏波アンテナ決定部では、受信処理を通じて取得されたチャネル行列Hに基づいて、各送受信ブランチにおけるアンテナの偏波の切り替えを制御するようになっている。この制御情報は、上位プロセッサへ通知され、各ブランチのリング型スイッチの制御が行なわれる。各ブランチでは通常は垂直偏波アンテナに設定されているが、取得されたチャネル行列のランクが低そうな場合には、いずれか特定の1つのブランチにおいて垂直偏波アンテナから水平偏波アンテナに切り替えて、チャネル行列のランクの向上を図る。
以下では、チャネル行列のランクが高くするために、いずれのブランチにおいて垂直偏波アンテナから水平偏波アンテナに切り替えるべきかの判断を行なう手順について説明する。但し、説明の便宜上、MIMO通信システムは3×3のアンテナ構成とする。
かかる判断手順は、例えばシステムの受信機側において実行する以下のステップ1〜8で構成することができる。
ステップ1:チャネル情報を取得する。具体的には、送信機から送られてくるパケットのプリアンブルとして付加された既知トレーニング系列を基に、送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を求め、これらを要素とするチャネル行列Hを組み立てる。
ステップ2:チャネル行列のランクが下落した状況下において、偏波面を切り替えることによりランクの向上を実現できる送受信アンテナの組み合わせを特定するために、送信側及び受信側それぞれ1番目から3番目までのアンテナについて偏波面を順次切り替えて、以下のステップ3からステップ7までの処理を繰り返し実行する。
ステップ3:ステップ1で取得したチャネル行列のうち、選択したアンテナ番号に対応する位置の要素を0で上書きする。
ステップ4:先行するステップで該当する位置の要素を0で上書きしたチャネル行列に対する逆行列を求める。
ステップ5:先行するステップ4で求めた逆行列の各行のノルムを求める。
ステップ6:逆行列の各行のノルムの中で最も小さいものの値を保持する。
ステップ7:未処理の送受信アンテナの組み合わせがあれば、ステップ2に戻って、次の未処理の送受信アンテナの組み合わせについて同様の処理を繰り返す。
ステップ8:3本のアンテナに対応したノルムの大きさを比較する。そして、3つのアンテナに対応したノルムの中から、最も大きいノルムに対応したアンテナを選択する。
以上で述べた処理ステップのうち、逆行列を求めて最も小さいノルムの値を保持するというステップ5〜6は、ランクの向上を見込むことができるようなアンテナの有効な組み合わせを判別することを意図したものであるが、例えばチャネル行列HをUDVHに特異値分解してこのうち対角行列Dの対角成分λのうち最も小さい値を保持するという処理に代替することが可能である。
図4には、送受信機間において、チャネル行列のランクの下落に応じて偏波面を変更するアンテナを決定するための動作シーケンスを模式的に示している。
送信データを複数のストリームに振り分けて空間多重伝送する送信機側も、空間多重されたストリームを各アンテナで受信して空間分離する受信機側も、初期状態では、すべてのアンテナを垂直偏波に設定しておく。
受信機は、送信機からのパケットを受信すると、そのプリアンブルに含まれる既知トレーニング系列などを利用してチャネル行列Hを取得する。そして、チャネル行列Hのランクが下落したときには、例えば上記の処理手順ステップ1〜8を実施することによって、偏波を変えるべきアンテナの組み合わせを決定する。また、受信機は、決定したアンテナの組み合わせを送信機に通知する。
一方、送信機側では、通知されたアンテナのみ垂直偏波から水平偏波に変更して、以降のパケットを送信する。そして、受信機側では、決定したアンテナのみ垂直偏波から水平偏波に変更してパケットを受信する。
なお、上式(8)〜(10)を用いた上記の説明では、送信側と受信側で偏波を変えるアンテナ番号は一致しているが、アンテナ番号の割り振り方は任意であり、あるいは偏波を変えるアンテナ番号が送受信機で一致している必要はない。アンテナ番号の不一致を許容することで、調査する組み合わせが増えて、より最適な組み合わせを見つけることができる可能性がある。
また、上式(8)〜(10)を用いた上記の説明では、偏波を変えるアンテナは送受信機でおのおの1本であったが、2本以上のアンテナで偏波を変えるようにしてもよい。調査すべき組み合わせが増えてより最適な組み合わせを見つけることができる可能性がある。
また、図4に示した動作シーケンスの変形例として、送信機側ではあらかじめ偏波面を切り替えるアンテナ(ブランチ)を設定しておき、受信機側では当該アンテナを偏波すべき稼動賭け決定して、この決定結果を送信機にフィードバックするようにしても良い。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本発明は、例えば、IEEE802.11の拡張規格であるIEEE802.11n、あるいはIEEE802.16eをベースとしたMobile WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave)、移動体向けの高速無線通信規格であるIEEE802.20、60GHz(ミリ波)帯を使用する高速無線PAN(Personal Area Network)規格であるIEEE802.15.3c、60GHz(ミリ波)帯の無線伝送を利用して非圧縮のHD(High Definition)映像を伝送可能とするWireless HD、第4世代(4G)携帯電話など、MIMO通信方式を採用するさまざまな無線通信システムに対して、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1Aは、垂直偏波アンテナの構成例を示した図である。 図1Bは、水平偏波アンテナの構成例を示した図である。 図2は、本発明に係るMIMO通信システムに適用されるMIMO送受信機の構成を模式的に示した図である。 図3は、MIMO通信方式を採用した無線LAN規格であるIEEE802.11nを想定した場合のMIMO送受信機の構成例を示した図である。 図4は、送受信機間において、チャネル行列のランクの下落に応じて偏波面を変更するアンテナを決定するための動作シーケンスを模式的に示した図である。 図5は、MIMO通信システムを概念的に示した図である。
符号の説明
1…MIMO送受信機
11…水平偏波アンテナ
12…垂直偏波アンテナ
13…リング型スイッチ
14…送信アナログ部
15…受信アナログ部
16…DA変換器
17…AD変換器
20…デジタル信号処理部

Claims (18)

  1. それぞれ複数のアンテナを備えた送信機と受信機で構成され、送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を要素としたチャネル行列を基に空間多重伝送を行なう無線通信システムであって、
    前記送信機と前記受信機間のチャネル行列を取得するチャネル行列取得手段と、
    該取得したチャネル行列のランクの下落を検出するランク検出手段と、
    チャネル行列のランクの下落を検出したことに応じて、前記送信機と前記受信機のいずれかの送受信アンテナの組み合わせについて偏波方向を変更する偏波方向制御手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記送信機と前記受信機は、各ブランチにおいて垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナと、垂直偏波アンテナ又は水平偏波アンテナのいずれかを択一的に使用するためのスイッチを備え、
    前記偏波方向制御手段は、前記スイッチの切り替え動作によって送受信アンテナの偏波方向の変更を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記偏波方向制御手段は、通常は各ブランチにおいて垂直偏波アンテナに設定するが、チャネル行列のランクの下落を検出したことに応じて、いずれかの送受信ブランチの組み合わせについて水平偏波アンテナに変更する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記偏波方向制御手段は、偏波方向を変える送受信ブランチの組み合わせに応じて、チャネル行列のうちで0に近くなる要素の位置を予測し、該予測結果を基に偏波方向を変えたときのチャネル行列のランクの状況を把握して、該ランクが向上する送受信ブランチの組み合わせについてアンテナの偏波方向を切り替える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記偏波方向制御手段は、偏波方向を変える送受信ブランチの組み合わせに応じて0に近くなると予測される要素に0を代入したチャネル行列の行列式の演算結果に基づいて、偏波方向を変えたときのチャネル行列のランクの状況を把握する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 前記偏波方向制御手段は、偏波方向を変える送受信ブランチの組み合わせに応じて0に近くなると予測される要素に0を代入したチャネル行列を特異値分解して得られる対角行列に対角要素が0に近い値になっているものがあるかどうかに基づいて、偏波方向を変えたときのチャネル行列のランクの状況を把握する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  7. 前記偏波方向制御手段は、偏波方向を変える送受信ブランチの組み合わせに応じて0に近くなると予測される要素に0を代入したチャネル行列の逆行列を求め、該逆行列の各行のノルムの中で最小となる値に基づいて、偏波方向を変えたときのチャネル行列のランクの状況を把握する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  8. 通信の初期状態では前記送信機及び前記受信機のすべてのアンテナの偏波方向をそろえておき、
    前記チャネル行列取得手段は、前記受信機において、前記送信機から受信したパケットのプリアンブルに含まれる既知トレーニング系列などを利用してチャネル行列Hを取得し、
    前記偏波方向制御手段は、チャネル行列のランクが下落したことに応じて、前記受信機において、ランクの向上を見込むことができるようなアンテナの有効な組み合わせをチャネル行列に基づいて決定するとともに、該決定したアンテナの組み合わせを前記受信機から前記送信機に通知し、
    前記送信機は、通知されたアンテナのみ偏波方向を変更して以降のパケットを送信し、前記受信機は、決定したアンテナのみ偏波方向を変更してパケットを受信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  9. 複数のアンテナを備え、複数のアンテナを備えた通信機を相手にして送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を要素としたチャネル行列を基に空間多重伝送を行なう無線通信装置であって、
    各ブランチにおいてアンテナの偏波方向の切り替えが可能であり、
    各ブランチのアンテナの偏波方向を変更する偏波方向制御手段と、
    前記偏波方向制御手段によって設定された偏波方向のアンテナを用いて、送信データを各ブランチに振り分けるとともに空間多重してから各ブランチのアンテナから伝送する送信処理を行ない、又は、各ブランチのアンテナにおける受信信号を空間分離して元のストリームを再現する受信処理を行なう通信処理手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  10. 各ブランチにおいて垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナと、垂直偏波アンテナ又は水平偏波アンテナのいずれかを択一的に使用するためのスイッチを備え、
    前記偏波方向制御手段は、ブランチ毎のスイッチ操作によってアンテナの偏波方向の切り替えを行なう、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
  11. 通信相手との間のチャネル行列を取得するチャネル行列取得手段と、
    該取得したチャネル行列のランクの下落を検出するランク検出手段をさらに備え、
    前記偏波方向制御手段は、チャネル行列のランクの下落を検出したことに応じて、少なくとも一部のブランチのアンテナの偏波方向を変更する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  12. 前記偏波方向制御手段は、通常は各ブランチにおいて垂直偏波アンテナに設定するが、チャネル行列のランクの下落を検出したことに応じて、通信相手とのいずれかのブランチの組み合わせについて水平偏波アンテナに変更する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 前記偏波方向制御手段は、偏波方向を変えるブランチの組み合わせに応じて、チャネル行列のうちで0に近くなる要素の位置を予測し、該予測結果を基に偏波方向を変えたときのチャネル行列のランクの状況を把握して、該ランクが向上するブランチの組み合わせについてアンテナの偏波方向を切り替える、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  14. 前記偏波方向制御手段は、偏波方向を変えるブランチの組み合わせに応じて0に近くなると予測される要素に0を代入したチャネル行列の行列式の演算結果に基づいて、偏波方向を変えたときのチャネル行列のランクの状況を把握する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  15. 前記偏波方向制御手段は、偏波方向を変えるブランチの組み合わせに応じて0に近くなると予測される要素に0を代入したチャネル行列を特異値分解して得られる対角行列に対角要素が0に近い値になっているものがあるかどうかに基づいて、偏波方向を変えたときのチャネル行列のランクの状況を把握する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  16. 前記偏波方向制御手段は、偏波方向を変えるブランチの組み合わせに応じて0に近くなると予測される要素に0を代入したチャネル行列の逆行列を求め、該逆行列の各行のノルムの中で最小となる値に基づいて、偏波方向を変えたときのチャネル行列のランクの状況を把握する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  17. 通信の初期状態では通信相手とともにすべてのアンテナの偏波方向をそろえておき、
    前記チャネル行列取得手段は、通信相手から受信したパケットのプリアンブルに含まれる既知トレーニング系列などを利用してチャネル行列Hを取得し、
    前記偏波方向制御手段は、チャネル行列のランクが下落したことに応じて、ランクの向上を見込むことができるようなアンテナの有効な組み合わせをチャネル行列に基づいて決定するとともに、該決定したアンテナの組み合わせを通信相手に通知するとともに、決定したアンテナのみ偏波方向を変更してパケットを受信する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  18. 複数のアンテナを備え、複数のアンテナを備えた通信機を相手にして送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を要素としたチャネル行列を基に空間多重伝送を行なうための無線通信方法であって、各ブランチにおいてアンテナの偏波方向の切り替えが可能であり、
    通信相手との間のチャネル行列を取得するチャネル行列取得ステップと、
    該取得したチャネル行列のランクの下落を検出するランク検出ステップと、
    チャネル行列のランクの下落を検出したことに応じて、通信相手とのいずれかのアンテナの組み合わせについて偏波方向を変更する偏波方向制御ステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
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