WO2016076077A1

WO2016076077A1 - 原子力プラント制御システムの解体方法、原子力プラント制御システム

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Publication number: WO2016076077A1
Application number: PCT/JP2015/079485
Authority: WO
Inventors: 俊樹福井; 広二伊藤; 好司千徳
Original assignee: 三菱重工業株式会社
Priority date: 2014-11-12
Filing date: 2015-10-19
Publication date: 2016-05-19
Also published as: JP6264694B2; JP2016095164A; WO2016076077A9

Abstract

　常用系制御装置、安全系制御装置、中央制御装置、を原子力プラント制御システムが備える。常用系制御装置と、安全系制御装置とに入力されるセンサ信号のうち、原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を入力して、常用系制御装置が行う制御と、安全系制御装置が行う制御と、中央制御装置が行う制御とを行う。

Description

原子力プラント制御システムの解体方法、原子力プラント制御システム

　本発明は、原子力プラント制御システムの解体方法、原子力プラント制御システムに関する。
　本願は、２０１４年１１月１２日に、日本に出願された特願２０１４－２２９９５１号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　原子力プラントは老朽化等の問題が発生した場合には解体することが必要となる。原子力プラントのコンピュータシステム構成に関連する技術が特許文献１に開示されている。

日本国特開２００３－００００００号公報

　上述のような原子力プラント全体の解体においては、核燃料の崩壊熱（発熱）の冷却を維持管理等しながら解体作業を行う必要がある。その維持管理の為の電力供給や所定の各センサからのセンシング信号の取得が解体作業を行っている最中に必要となる。大規模な原子力プラントの解体工程は、できるだけ電力需要を軽減し、必要なセンシング信号の取得を維持しながら効率的に解体作業を行うことが求められている。

　そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる原子力プラント制御システムの解体方法、原子力プラント制御システムを提供することを目的としている。

　本発明の第１の態様によれば、原子力プラント制御システムの解体方法は、原子力プラントにおいて常用される機能の制御を行う常用系制御装置と、前記原子力プラントにおいて異常時に用いられる機能の制御を行う安全系制御装置と、前記常用系制御装置と前記安全系制御装置との入力インタフェースに相当する機能の制御および前記常用系制御装置が行う制御と前記安全系制御装置が行う制御の結果の記録とを少なくとも行う中央制御装置と、を備えた原子力プラント制御システムの解体方法であって、前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とに入力される複数のセンサ信号のうち前記原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を取得して、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御とを行う第１追加装置を、前記中央制御装置が配置されている中央制御室に配置する工程と、前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とそれら常用系制御装置と安全系制御装置に関連する装置とが配置された空間を浄化する空調設備または前記空間の温度を調整する空調設備を含む不要設備を停止または撤去する工程と、を含む。

　また本発明の第２の態様によれば、原子力プラント制御システムの解体方法は、原子力プラントにおいて常用される機能の制御を行う常用系制御装置と、前記原子力プラントにおいて異常時に用いられる機能の制御を行う安全系制御装置と、前記常用系制御装置と前記安全系制御装置との入力インタフェースに相当する機能の制御および前記常用系制御装置が行う制御と前記安全系制御装置が行う制御の結果の記録とを少なくとも行う中央制御装置と、を備えた原子力プラント制御システムの解体方法であって、前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とに入力される複数のセンサ信号のうち前記原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を取得して、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御を行う第１追加装置を、前記中央制御装置の配置されている空間以外であって、かつ前記常用系制御装置と前記安全系制御装置の配置されている空間以外の外部空間に配置する工程と、前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とそれら常用系制御装置と安全系制御装置に関連する装置とが配置された空間を浄化する空調設備またはその空間の温度を調整する空調設備を含む不要設備を停止または撤去する工程と、を含む。

　また上述した原子力プラント制御システムの解体方法において、前記第１追加装置が、前記複数のセンサ信号のうちの少なくとも一つのセンサ信号を入力してデジタル信号へ変換する少なくとも一つの変換回路搭載カードを抜き差し可能に搭載するカード搭載機構と、前記カード搭載機構に搭載された前記少なくとも一つの変換回路搭載カードから出力されたデジタル信号を用いて、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御を行う制御処理部と、を備えており、前記解体方法は、解体された空間に配置されているセンサからのセンサ信号を前記デジタル信号へ変換する前記変換回路搭載カードを前記カード搭載機構から抜去する工程と、をさらに含んでもよい。

　また上述した原子力プラント制御システムの解体方法は、前記第１追加装置において前記制御処理部が、前記変換回路搭載カードの少なくとも一つに対応して設けられ、前記解体方法は、前記抜去された前記変換回路搭載カードに対応して設けられている前記制御処理部の電源をそれぞれ遮断する工程と、をさらに含んでもよい。

　また本発明の第３の態様によれば、原子力プラント制御システムは、原子力プラントにおいて常用される機能の制御を行う常用系制御装置と、前記原子力プラントにおいて異常時に用いられる機能の制御を行う安全系制御装置と、前記常用系制御装置と前記安全系制御装置との入力インタフェースに相当する機能の制御および前記常用系制御装置が行う制御と前記安全系制御装置が行う制御の結果の記録とを少なくとも行う中央制御装置と、前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とに入力される複数のセンサ信号のうち前記原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を取得し、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御と、を行う第１追加装置を備える。

　また上述の原子力プラント制御システムにおいて、前記第１追加装置は、監視操作装置と、記録装置とを備えていてもよい。

　また上述の原子力プラント制御システムにおいて、前記第１追加装置が、前記中央制御装置の配置されている中央制御室、または前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とが配置されている制御盤室に配置されていてもよい。

　また上述の原子力プラント制御システムにおいて、前記第１追加装置は、前記複数のセンサ信号のうちの少なくとも一つのセンサ信号を入力してデジタル信号へ変換する少なくとも一つの変換回路搭載カードを抜き差し可能に搭載するカード搭載機構と、前記カード搭載機構に搭載された前記少なくとも一つの変換回路搭載カードから出力されたデジタル信号を用いて、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御を行う制御処理部と、を備えていてもよい。

　また上述の原子力プラント制御システムにおいて、前記制御処理部が、前記変換回路搭載カードの少なくとも一つに対応して前記第１追加装置において設けられていてもよい。

　また上述の原子力プラント制御システムにおいて、前記第１追加装置は、前記変換回路搭載カードの少なくとも一つに対応して設けられている前記制御処理部に対する電源をそれぞれ別々に遮断する電源遮断回路を備えていてもよい。
　また上述の原子力プラント制御システムにおいて、前記第１追加装置は、前記廃炉措置の作業における中央制御室等の保守管理を容易にするための無線表示端末と通信してもよい。

　上述した原子力プラント制御システムの解体方法、原子力プラント制御システムによれば、電力需要、各種制御設備の設置スペース、各種制御設備に付随する空調設備を削減し、必要なセンシング信号の取得を維持しながら効率的に解体作業を行うことができる。

本発明の第一の実施形態による原子力プラント制御システムを示す図である。本発明の第二の実施形態による第１追加装置へのケーブルの接続工程の概要を示す第１の図である。本発明の第三の実施形態による第１追加装置へのケーブルの接続工程の概要を示す第２の図である。

（第一の実施形態）
　以下、本発明の第一の実施形態による原子力プラント制御システム、原子力プラント制御システムの解体方法を図面を参照して説明する。
　図１で示す原子力プラント制御システムはプラント建屋１００を有する。ラント建屋１００には中央制御室１０が配置されている。この中央制御室１０には中央制御装置（中央制御盤）１１が配置されている。プラント建屋１００には常用系制御装置（常用系制御盤）１２、安全系制御装置（安全系制御盤）１３が中央制御室１０とは異なる空間に配置されている。

　中央制御装置１１は、常用系制御装置１２と安全系制御装置１３との入力インタフェース処理、および中央制御装置１１や常用系制御装置１２等における制御処理結果の記録処理を少なくとも行うコンピュータ装置である。
　常用系制御装置１２は、原子力プラントにおいて常用される機能の制御を行うコンピュータ装置である。
　安全系制御装置１３は、原子力プラントにおいて異常時に用いられる機能の制御を行うコンピュータ装置である。
　中央制御装置１１は、常用系制御装置１２および安全系制御装置１３それぞれと通信ネットワークを介して接続されている。

　常用系制御装置１２は、常用系の計器類、補機類、弁などの制御対象とケーブル等により接続されている。常用系制御装置１２はケーブル等を介して送信した信号により常用系の計器類から信号を取得し、補機類、弁などの制御対象を制御する。図１は常用系の計器類、制御対象１４を示している。
　安全系制御装置１３は、安全系の計器類、補機類、弁などの制御対象とケーブル等により接続されている。安全系制御装置１３はケーブル等を介して送信した信号により安全系の計器類から信号を取得し、補機類、弁などの制御対象を制御する。図１は安全系の計器類、制御対象１５をさらに示している。

　本実施形態における原子力プラント制御システムは、中央制御装置１１、常用系制御装置１２、安全系制御装置１３に加え、廃炉措置専用制御装置１６（以下、第１追加装置１６と呼ぶこととする）、廃炉措置監視操作装置１７（以下、第２追加装置１７と呼ぶこととする）を新たに備える。本実施形態においては第１追加装置１６、第２追加装置１７とを異なる装置として図示、説明しているが、同じ装置内に構成されていてもよい。第１追加装置１６は、常用系制御装置１２と常用系の計器類、制御対象１４とを繋ぐケーブルを中継する中継装置１８に、別のケーブルを介して接続されている。第１追加装置１６は、安全系制御装置１３と安全系の計器類、制御対象１５とを繋ぐケーブルを中継する中継装置１９に、別のケーブルを介して接続されている。第１追加装置１６と中継装置１８を繋ぐケーブルは、中継装置１８内において、常用系制御装置１２に入力するセンサ信号のうち原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を伝送するケーブル（常用系の計器類、制御対象１４に接続するケーブル）と接続されている。第１追加装置１６と中継装置１９を繋ぐケーブルは、中継装置１９内において、安全系制御装置１３に入力するセンサ信号のうち原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を伝送するケーブル（安全系の計器類、制御対象１５に接続するケーブル）と接続されている。

　第１追加装置１６は、常用系制御装置１２と、安全系制御装置１３とに入力するセンサ信号のうち、原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を入力する。第１追加装置１６はセンサ信号を入力して、常用系制御装置１２の制御処理と同等の処理と、安全系制御装置１３の制御処理と同等の処理と、中央制御装置１１の処理と同等の処理と、を行う。

　第１追加装置１６は第２追加装置１７とケーブルを介して接続されている。第２追加装置１７は、モニタ（表示装置）と入力装置とを備えている。廃炉措置においてオペレータは第２追加装置１７のモニタに表示された情報に基づいて、入力装置を制御して廃炉措置における常用系の計器類、制御対象１４や、安全系の計器類、制御対象１５からの情報の監視とそれら制御対象の操作を行う。オペレータは、第２追加装置１７に備わるモニタにおいて中央制御装置１１、常用系制御装置１２、安全系制御装置１３で行うことができる操作と同等の情報、または廃炉措置に特化した情報を監視することができる。オペレータは、第２追加装置１７に備わる入力装置を用いて、中央制御装置１１、常用系制御装置１２、安全系制御装置１３で行うことができる制御の操作と同等の制御の操作、または廃炉措置に特化した制御の操作を行うことができる。第１追加装置１６は中央制御装置１１と同様の記録処理（記録装置の機能）を備える。

　第１追加装置１６は無線通信を介して無線表示端末１１０と通信により接続されていてもよい。無線表示端末１１０は、オペレータが携帯することができる小型のコンピュータ装置である。第１追加装置１６は、入力したセンサ信号を無線表示端末１１０へ送信するか、またはそれらセンサ信号に基づいて演算した情報を無線表示端末１１０へ送信する。無線表示端末１１０は、受信した信号や情報を用いて演算処理等を行い、情報を表示する。無線表示端末１１０には第２追加装置１７に備わる入力装置の機能と同等の機能が設けられ、画面上で操作できるようにしてもよい。これによりオペレータが無線表示端末１１０を携帯して第１追加装置１６、第２追加装置１７から離れて、廃炉措置における監視や操作を行うことができる。

　第１追加装置１６は、原子力プラント外部のデータセンタや、国、県などの保有する各コンピュータ装置に通信により接続されてよい。
　第１追加装置１６および第２追加装置１７は、中央制御装置１１が配置されている中央制御室１０と同じ空間に廃炉措置の過程で新たに配置されてもよいし、中央制御室１０の外部に廃炉措置の過程で新たに配置（プラント建屋１００内の他の空間など）されていてもよい。

　次に上述した原子力プラント制御システムにおける第１追加装置及び第２追加装置の配置工程と、不要設備の対応工程について説明する。
　原子力プラント制御システムの解体においては、上述したように第１追加装置１６と第２追加装置１７とを原子力プラント制御システムに新たに配置する追加装置の配置工程をまず実施する（ステップＳ１）。上述したように配置する場所は、中央制御室１０内であっても、中央制御室１０外であってもよい。第１追加装置の配置工程によれば、常用系制御装置１２、安全系制御装置１３、中央制御装置１１の各機能を集約化してそれらの機能を保持するためのスペースをコンパクト化することができる。
　第１追加装置１６と第２追加装置１７とを中央制御室１０に配置した場合を第一の配置例と呼ぶ。
　常用系制御装置１２と安全系制御装置１３とが配置されている空間（中央制御室１０とは異なる空間）に設置された不要設備を停止または撤去する不要設備対応工程を第一の不要設備の対応工程と呼ぶ。
　中央制御室１０が配置された空間に設置された不要設備を停止または撤去する不要設備対応工程を第二の不要設備の対応工程と呼ぶ。
　第一の配置例においては、第一の不要設備対応工程を、第二の不要設備対応工程よりも優先して行う（ステップＳ２ａ）。原子力プラント制御システムの解体においても必要となるセンサ信号は第１追加装置１６で受信できているため、優先して常用系制御装置１２と安全系制御装置１３とが配置されている空間に設置された不要設備を停止または撤去することができる。

　常用系制御装置１２と安全系制御装置１３とが配置されている空間には、常用系制御装置１２と、安全系制御装置１３と、それら制御装置に関連する装置の配置された空間を浄化または温度調整する空調設備１ａが配置されている。第一の不要設備の対応工程の作業を行うことにより、常用系制御装置１２と、安全系制御装置１３と、それら制御装置に関連する装置の配置された空間を浄化または温度調整する空調設備１ａも共に停止または撤去することができる。この空調設備１ａは、常用系制御装置１２と、安全系制御装置１３と、それら制御装置に関連する装置から発せられる大量の熱や気体を除去する目的で配置されているため、大型で電気消費量の多い空調設備である。上記工程により、原子力プラント、原子力プラント制御システムの解体においても必要なセンサの信号の受信により必要な監視や制御を行うことができる。上記第一の不要設備の対応工程により、常用系制御装置１２と、安全系制御装置１３と、それら制御装置に関連する装置の配置された空間に設置された不要設備を停止または撤去することに伴って、電気消費量を大幅に削減することができる。

　第１追加装置１６と第２追加装置１７とを、中央制御装置１１が配置されている中央制御室１０、常用系制御装置１２や安全系制御装置１３の配置されている空間の外部に配置した場合を第二の配置例と呼ぶ。
　中央制御室１０の空間と、常用系制御装置１２と安全系制御装置１３とが配置されている空間に設置された不要設備を停止または撤去する工程を第三の不要設備の対応工程と呼ぶ。
　第二の配置例においては、第三の不要設備の対応工程の作業を行う（ステップＳ２ｂ）。
　原子力プラント、原子力プラント制御システムの解体においても必要なセンサ信号は第１追加装置１６で受信できているため、中央制御室１０や、常用系制御装置１２や、安全系制御装置１３の配置されている空間に設置された不要設備を停止または撤去することができる。

　中央制御室１０には、常用系制御装置１２と安全系制御装置１３とが配置されている空間と同様に、大型の空調設備１ｂが配置されている。第三の不要設備の対応工程を行ったとしても、第１追加装置１６や第２追加装置１７により監視、制御しながら、中央制御装置１１や、常用系制御装置１２、安全系制御装置１３、それら制御装置等の為に配置された空調設備１ａと１ｂ、またはそれらに付随する設備のうち不要設備を停止または撤去することができる。
　このような第三の不要設備対応工程により、原子力プラント、原子力プラント制御システムの解体においても必要なセンサ信号の受信により必要な監視や制御を行うことができる。第三の不要設備対応工程により、中央制御室１０の空間や、常用系制御装置１２と安全系制御装置１３とそれら制御装置に関連する装置の配置された空間に設置された不要設備を停止または撤去に伴って、廃炉措置の途中において不要となった電気消費量を大幅に削減することができる。
　第１追加装置１６や第２追加装置１７を、常用系制御装置１２と安全系制御装置１３とが配置されている制御盤室に配置されるようにして、その制御盤室以外の空間に設置された不要設備を先に停止または撤去してもよい。

（第２の実施形態）
　図２は第１追加装置へのケーブルの接続工程の概要を示す第１の図である。
　第１追加装置１６は図２に示すようにＣＰＵ（Central Processing Unit）１６１、ＲＯＭ（Read Only Memory）１６２、ＲＡＭ（Random Access Memory）１６３、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）１６４、変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８を備えて構成されている。

　変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８はそれぞれ、アナログ信号をデジタル信号に変換する、またはデジタル信号をアナログ信号に変換する、変換回路を搭載したカード状の回路基板を含む。第１追加装置１６は、変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８の少なくとも一つを抜き差し可能に搭載するカード搭載機構１６０を備えている。カード搭載機構１６０は変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８が第１追加装置１６から抜き差し可能であればどのような構造であってもよい。より詳細に説明すると、変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８をカード搭載機構１６０に挿入することによって、変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８とＣＰＵ１６１とが電気的に接続される機構であればどのような構成であってもよい。
　ＣＰＵ１６１（制御処理部）は、カード搭載機構１６０に搭載された変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８から出力されたデジタル信号を用いて、常用系制御装置１２の制御処理と、安全系制御装置１３の制御処理と、中央制御装置１１の処理と、を行う。

　図２は、常用系制御装置１２（安全系制御装置１３）に備えられた配線盤１２１（１３１）を示している。その配線盤１２１（１３１）はセンサ信号のケーブルを接続するＩｎｐｕｔ側端子２と、そのＩｎｐｕｔ側端子２に対応するＯｕｔｐｕｔ側端子３とを有する。配線盤１２１（１３１）のＩｎｐｕｔ側端子２には、常用系制御装置１２（安全系制御装置１３）に入力するセンサ信号のケーブルが接続されている。廃炉処理担当者は、そのセンサ信号のケーブルが接続されているＩｎｐｕｔ側端子２に対応するＯｕｔｐｕｔ側端子３と、第１追加装置１６に挿入された変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８のうち、そのセンサ信号を入力すべき変換回路搭載カードのコネクタとをケーブルで接続する。常用系制御装置１２（安全系制御装置１３）と第１追加装置１６との距離は長いため、そのケーブルは中継装置等を介して中継する。

　図２は、中継装置１８（１９）に備えられた配線盤１８１（１９１）を示している。中継装置１８（１９）はセンサ信号のケーブルを接続するＩｎｐｕｔ側端子４と、そのＩｎｐｕｔ側端子４に対応するＯｕｔｐｕｔ側端子５とを有する。中継装置１８（１９）のＩｎｐｕｔ側端子４には、常用系（安全系）の計器類、制御対象１４（１５）に接続されたケーブルの他端が接続されている。廃炉処理担当者は、そのセンサ信号のケーブルが接続されているＩｎｐｕｔ側端子４に対応するＯｕｔｐｕｔ側端子５と、第１追加装置１６に挿入された変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８のうち、そのセンサ信号を入力すべき変換回路搭載カードのコネクタとをケーブルで接続するようにしてもよい。この場合も中継装置１８（１９）と第１追加装置１６との距離は長いため、そのケーブルは中継装置を介して中継する。

　上記の通り第１追加装置１６に挿入された変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８を用いて、廃炉処理担当者は第１追加装置１６からそれらカードを単独で抜去する電源遮断工程の作業を行うことができる。変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８をカード搭載機構１６０から抜去できる構成にすることで、廃炉担当者は、例えば廃炉措置の過程でセンシングや制御が不要となった計器類や制御対象に接続されているケーブルに対応する変換回路搭載カードへの電源供給を停止できる。また廃炉担当者はそれらセンシングや制御に伴うＣＰＵ１６１の処理のための電力量を削減することができる。

（第３の実施形態）
　図３は第１追加装置へのケーブルの接続工程の概要を示す第２の図である。
　第３の実施形態と第２の実施形態とは、第３の実施形態における第１追加装置１６が第２の実施形態で説明した第１追加装置１６と構成が異なる点で相違している。第３の実施形態による第１追加装置１６は、変換回路搭載カードの少なくとも一つに対応してＣＰＵが設けられている。図３においては変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８とＣＰＵ１６１－１，１６１－２，１６１－３，１６１－４とがそれぞれ１対１で対応して電気的に接続されている場合の例を示している。第３の実施形態による第１追加装置１６は、電源遮断回路１６９を備えている点で第２の実施形態と相違している。

　このような構成を第１追加装置１６が備えている状況において、廃炉担当者は、廃炉措置の過程でセンシングや制御が不要となった計器類や制御対象に接続されているケーブルに対応する変換回路搭載カードを第１追加装置１６より抜去する電源遮断工程の作業を行う。すると電源遮断回路１６９が、抜去された変換回路搭載カードを検知する。例えば電源遮断回路１６９は、変換回路搭載カードが抜去されることにより回路の遮断を検知して、これにより変換回路搭載カードが抜去されたことを検知するようにしてもよい。電源遮断回路１６９は、抜去された変換回路搭載カードが電気的に接続されているＣＰＵを予めデータテーブル等に記憶しておりそのＣＰＵ（ＣＰＵ１６１－１，１６１－２，１６１－３，１６１－４の何れか）に対する電源の供給を遮断する。または抜去された変換回路搭載カードが電気的に接続されているＣＰＵを電気回路の仕組みにより検出し、そのＣＰＵに対する電源の供給を遮断してもよい。
　異なるＣＰＵに接続される各変換回路搭載カード１６５，１６６，１６７，１６８をカード搭載機構１６０から抜去できる構成にすることで、廃炉担当者は、例えば廃炉措置の過程でセンシングや制御が不要となった計器類や制御対象に接続されているケーブルに対応する変換回路搭載カードへの電源供給を停止できる。また廃炉担当者はそれらセンシングや制御に伴う各ＣＰＵ１６１の処理のための電力量を削減することができる。

　以上、上述の原子力プラント制御システムとその解体方法によれば、大規模な原子力プラントの廃炉措置において、電力需要、各種制御設備の設置スペース、各種制御設備に付随する空調設備を廃炉措置の過程で段階的に削減し、必要なセンシング信号の取得を維持しながら、第１追加装置１６、第２追加装置１７を用いた監視および制御により効率的に解体作業を行うことができる。

　上の中央制御装置１１、常用系制御装置（常用系制御盤）１２、安全系制御装置（安全系制御盤）１３、第１追加装置１６、第２追加装置１７等は内部に、コンピュータシステムを有している。上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、ＣＤ－ＲＯＭ、ＤＶＤ－ＲＯＭ、半導体メモリ等をいう。

　また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するものであっても良い。上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル（差分プログラム）であっても良い。

　本発明は、原子力プラント制御システムの解体方法、原子力プラント制御システムに適用してもよい。

　１０・・・中央制御室
　１１・・・中央制御置
　１２・・・常用系制御装置
　１３・・・安全系制御装置
　１４・・・常用系の計器類、制御対象
　１５・・・安全系の計器類、制御対象
　１６・・・第１追加装置（廃炉措置専用制御装置）
　１７・・・第２追加装置（廃炉措置監視操作装置）
　１８，１９・・・中継装置
　１６１・・・ＣＰＵ
　１６２・・・ＲＯＭ
　１６３・・・ＲＡＭ
　１６４・・・ＨＤＤ
　１６５～１６８・・・変換回路搭載カード
　１２１，１３１・・・配線盤
　１８１，１９１・・・配線盤

Claims

　原子力プラントにおいて常用される機能の制御を行う常用系制御装置と、
　前記原子力プラントにおいて異常時に用いられる機能の制御を行う安全系制御装置と、
　前記常用系制御装置と前記安全系制御装置との入力インタフェースに相当する機能の制御および前記常用系制御装置が行う制御と前記安全系制御装置が行う制御の結果の記録とを少なくとも行う中央制御装置と、
　を備えた原子力プラント制御システムの解体方法であって、
　前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とに入力される複数のセンサ信号のうち前記原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を取得して、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御とを行う第１追加装置を、前記中央制御装置が配置されている中央制御室に配置する工程と、
　前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とそれら常用系制御装置と安全系制御装置に関連する装置とが配置された空間を浄化する空調設備または前記空間の温度を調整する空調設備を含む不要設備を停止または撤去する工程と、
　を含む原子力プラント制御システムの解体方法。
　原子力プラントにおいて常用される機能の制御を行う常用系制御装置と、
　前記原子力プラントにおいて異常時に用いられる機能の制御を行う安全系制御装置と、
　前記常用系制御装置と前記安全系制御装置との入力インタフェースに相当する機能の制御および前記常用系制御装置が行う制御と前記安全系制御装置が行う制御の結果の記録とを少なくとも行う中央制御装置と、
　を備えた原子力プラント制御システムの解体方法であって、
　前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とに入力される複数のセンサ信号のうち前記原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を取得して、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御を行う第１追加装置を、前記中央制御装置の配置されている空間以外であって、かつ前記常用系制御装置と前記安全系制御装置の配置されている空間以外の外部空間に配置する工程と、
　前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とそれら常用系制御装置と安全系制御装置に関連する装置とが配置された空間を浄化する空調設備またはその空間の温度を調整する空調設備を含む不要設備を停止または撤去する工程と、
　を含む原子力プラント制御システムの解体方法。
　前記第１追加装置が、
　前記複数のセンサ信号のうちの少なくとも一つのセンサ信号を入力してデジタル信号へ変換する少なくとも一つの変換回路搭載カードを抜き差し可能に搭載するカード搭載機構と、
　前記カード搭載機構に搭載された前記少なくとも一つの変換回路搭載カードから出力されたデジタル信号を用いて、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御を行う制御処理部と、を備えており、
　前記解体方法は、
　解体された空間に配置されているセンサからのセンサ信号を前記デジタル信号へ変換する前記変換回路搭載カードを前記カード搭載機構から抜去する工程と、
　をさらに含む請求項１または請求項２に記載の原子力プラント制御システムの解体方法。
　前記第１追加装置において前記制御処理部が、前記変換回路搭載カードの少なくとも一つに対応して設けられ、
　前記解体方法は、
　前記抜去された前記変換回路搭載カードに対応して設けられている前記制御処理部の電源をそれぞれ遮断する工程と、
　をさらに含む請求項３に記載の原子力プラント制御システムの解体方法。
　原子力プラントにおいて常用される機能の制御を行う常用系制御装置と、
　前記原子力プラントにおいて異常時に用いられる機能の制御を行う安全系制御装置と、
　前記常用系制御装置と前記安全系制御装置との入力インタフェースに相当する機能の制御および前記常用系制御装置が行う制御と前記安全系制御装置が行う制御の結果の記録とを少なくとも行う中央制御装置と、
　前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とに入力される複数のセンサ信号のうち前記原子力プラントの廃炉措置に必要なセンサ信号を取得し、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御と、を行う第１追加装置
　を備える原子力プラント制御システム。
　前記第１追加装置は、監視操作装置と、記録装置とを備える請求項５に記載の原子力プラント制御システム。
　前記第１追加装置が、前記中央制御装置の配置されている中央制御室、または前記常用系制御装置と前記安全系制御装置とが配置されている制御盤室に配置された請求項５または請求項６に記載の原子力プラント制御システム。
　前記第１追加装置は、
　前記複数のセンサ信号のうちの少なくとも一つのセンサ信号を入力してデジタル信号へ変換する少なくとも一つの変換回路搭載カードを抜き差し可能に搭載するカード搭載機構と、
　前記カード搭載機構に搭載された前記少なくとも一つの変換回路搭載カードから出力されたデジタル信号を用いて、前記常用系制御装置が行う制御と、前記安全系制御装置が行う制御と、前記中央制御装置が行う制御を行う制御処理部と、
　を備える請求項５から請求項７の何れか一項に記載の原子力プラント制御システム。
　前記制御処理部が、前記変換回路搭載カードの少なくとも一つに対応して前記第１追加装置において設けられている請求項８に記載の原子力プラント制御システム。
　前記第１追加装置は、
　前記変換回路搭載カードの少なくとも一つに対応して設けられている前記制御処理部に対する電源をそれぞれ別々に遮断する電源遮断回路を備える請求項９に記載の原子力プラント制御システム。
　前記第１追加装置は、
　前記廃炉措置の作業における中央制御室等の保守管理を容易にするための無線表示端末と通信する
　請求項５から請求項１０の何れか一項に記載の原子力プラント制御システム。