WO2016059927A1 - 成形品、電気部品シート、電気製品及び成形品の製造方法 - Google Patents

成形品、電気部品シート、電気製品及び成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

 成形体に接着している、厚膜印刷によって形成されている回路パターンや接続パターンに断線を生じ難くする。厚膜導電層(35)は、第2配線領域(Ar2)においてベースフィルム(31)が剥離されることによって、接続パターン(44)が露出できるように構成されている。しかし、ベースフィルム(31)が剥離されても、第1配線領域(Ar1)においては、厚膜導電層(35)の回路パターンがベースフィルム(31)と接着層(36)との間に挟まれて固定された状態が維持される。

Description

成形品、電気部品シート、電気製品及び成形品の製造方法
 本発明は、厚膜印刷で回路パターン及び接続パターンが形成されている電気部品シート、電気部品シートが溶融一体成形されてなる成形体を備える成形品、電気部品シートを用いる電気製品及び電気部品シートを用いる成形品の製造方法に関する。
 従来から、シート状のフレキシブルなタッチセンサなどの電気部品シートを使った電気製品が製造されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、射出成形時にシート状のタッチセンサを熱可塑性樹脂の成形体と一体化して、タッチセンサ付きの成形品を製造する技術が開示されている。
特許第5220454号公報 特許第5484529号公報
 例えば特許文献1に記載の成形品では、射出成形金型の一方の金型内にフィルム上に設けられた電極パターン層が樹脂成形体側に向くようにセットして樹脂を射出することにより、静電容量スイッチ付きインサートフィルムが成形体と一体化されている。そして、静電容量スイッチは、成形品の外部に引き出されたフィルム上の導電性インキ層でフレキシブル回路を介して外部のコントローラ等に接続される。
 このようなタッチセンサ付き成形品では、熱サイクルテスト又は高温高湿等の環境テストにおいて、樹脂成形体とインサートフィルムの熱収縮差や吸湿における接着力低下が原因で、タッチセンサを構成しているフィルムと樹脂成形体との間で生じる剥離によって、樹脂成形体に接着している回路パターンに断線が生じることがある。あるいは引っ張り試験又は振動試験において、上述のタッチセンサ付き成形品では、フィルムと樹脂成形体とを引き剥がす方向の力が加わると、樹脂成形体とフィルムとで間で生じる剥離によって、樹脂成形体に接着している回路パターンに断線が生じる場合がある。
 本発明の課題は、成形体に接着している、厚膜印刷によって形成されている回路パターンや接続パターンに断線の生じ難い成形品を提供することであり、そのような成形品に適した電気部品シートを提供することであり、またそのような電気部品シートを用いた電気製品及び成形品の製造方法を提供することである。
 以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
 本発明の一見地に係る成形品は、電気部品シートと、溶融一体成形によって電気部品シートと一体化されてなる絶縁性の成形体とを備え、電気部品シートは、成形体の表面の少なくとも一部を覆う絶縁性のベースフィルムと、ベースフィルムの第1配線領域に厚膜印刷で形成された回路パターンと回路パターンと電気的に接続され且つ第2配線領域に厚膜印刷で形成された接続パターンとを含む厚膜導電層と、厚膜導電層を成形体に接着する接着層とを有し、厚膜導電層は、第1配線領域において回路パターンがベースフィルムと接着層との間に挟まれて固定された状態を維持し、第2配線領域においてベースフィルムが剥離されることによって接続パターンが露出できるように構成されている。
 また、成形品は、第2配線領域の厚膜導電層とベースフィルムとの間に、ベースフィルムを剥離して接続パターンを露出させるためのセパレート層をさらに備えてもよい。
 また、成形品は、接着層が、少なくとも第2配線領域のベースフィルムと成形体との界面には形成されず、厚膜導電層は、接続パターンが成形体によって固定されるように構成されてもよい。
 また、成形品は、成形体が、第2配線領域の近傍にベースフィルムを貫通するボスを有するように構成されてもよい。
 また、成形品は、ベースフィルムと厚膜導電層との間に又は接着層と厚膜導電層との間に、図柄の描かれている図柄層をさらに備えてもよい。
 また、成形品は、電気部品シートが、タッチセンサを含み、厚膜導電層に接続され、入力操作を検出して入力操作に対応する検出信号を厚膜導電層に送信する透明電極層をさらに備えてもよい。
 また、電気部品シートの接続パターンに接続されている配線パターンを有するフレキシブルプリント配線基板をさらに備えてもよい。
 また、本発明の一見地に係る電気製品は、上述の成形品と、電気部品シートの接続パターンに電気的に接続されている電気デバイスとを備えている。
 本発明の一見地に係る電気部品シートは、絶縁性の成形体を含む成形品の製造に用いられる電気部品シートであって、成形体の溶融成形時に、成形体の表面の少なくとも一部を覆うように成形体と一体に成形される絶縁性のベースフィルムと、ベースフィルムの第1配線領域に厚膜印刷で形成された回路パターンと回路パターンと電気的に接続され且つ第2配線領域に厚膜印刷で形成された接続パターンとを含む厚膜導電層と、厚膜導電層を成形体に接着可能な接着層とを有し、厚膜導電層は、第1配線領域において回路パターンがベースフィルムと接着層との間に挟まれて固定された状態を維持し、第2配線領域においてベースフィルムが剥離されることによって接続パターンが露出できるように構成されている。
 また、電気部品シートは、第2配線領域の厚膜導電層とベースフィルムとの間に、ベースフィルムを剥離して接続パターンを露出させるためのセパレート層をさらに備えてもよい。
 また、電気部品シートは、接着層が少なくとも第2配線領域のベースフィルム上には形成されていないように構成されてもよい。
 本発明の一見地に係る成形品の製造方法は、絶縁性のベースフィルムと、ベースフィルムに厚膜印刷で形成された配線を含む厚膜導電層と、厚膜導電層を接着する接着層とを有する電気部品シートを用いた成形品の製造方法であって、ベースフィルムを金型の内面に向けるとともに接着層をキャビティ側に向けて電気部品シートがセットされている金型を型締めする型締工程と、金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出し、厚膜導電層を接着層によって接着することにより電気部品シートのベースフィルムで少なくとも一部を覆われた表面を有する絶縁性の成形体を溶融一体成形する射出成形工程と、を備え、射出成形工程では、第1配線領域において厚膜導電層の回路パターンがベースフィルムと接着層との間に挟まれて固定された状態を維持させながら、第2配線領域においてベースフィルムを剥離することによって厚膜導電層の接続パターンを露出させられるように成形する。
 また、第1配線領域において厚膜導電層の回路パターンがベースフィルムと接着層との間に挟まれて固定された状態を維持させながら、第2配線領域においてベースフィルムを剥離することによって厚膜導電層の接続パターンを露出させる加工工程と、成形品の製造方法は、接続パターンに対してフレキシブルプリント配線基板の第1面に形成されている配線パターンを接続し、フレキシブルプリント配線基板の第1面の反対側にある第2面にベースフィルムを接着する組立工程をさらに備えてもよい。
 また、第1配線領域において厚膜導電層の回路パターンがベースフィルムと接着層との間に挟まれて固定された状態を維持させながら、第2配線領域においてベースフィルムを剥離することによって厚膜導電層の接続パターンを露出させる加工工程と、成形品の製造方法は、第2配線領域を覆っていたベースフィルムを切除し、接続パターンに対してフレキシブルプリント配線基板の第1面に形成されている配線パターンを接続する組立工程をさらに備えもよい。
 また、成形品の製造方法は、組立工程が、接続パターンとフレキシブルプリント配線基板との接続部分を樹脂封止する工程を含んでもよい。
 本発明の成形品、電気部品シート、電気部品又は成形品の製造方法によれば、成形体に接着している、厚膜印刷による回路パターンに断線が生じ難くなる。
第1実施形態に係る成形品が適用される洗濯機の一例を示す斜視図。 図1の成形品に用いられる電気部品シートの周辺機器を説明するためのブロック図。 第1実施形態に係る成形品の外観の概要を示す正面図。 図3に示されている成形品の一部を拡大した部分拡大背面図。 (a)第1実施形態に係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 厚膜導電層及び透明電極層を説明するために一部を破断した部分破断平面図。 (a)インサート成形の配置工程を示す断面図、(b)インサート成形の型締め工程を示す断面図、(c)インサート成形の射出工程を示す断面図、(d)インサート成形の開き工程を示す断面図。 (a)変形例1Aの成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)変形例1Aの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)図8(b)の成形品側面の一部を拡大した部分拡大側面図。 (a)変形例1Bの成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)変形例1Bの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)図9(b)の成形品側面の一部を拡大した部分拡大側面図。 (a)変形例1Cの成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)変形例1Cの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)図10(b)の成形品側面の一部を拡大した部分拡大側面図。 変形例1Cに係る成形品を形成するインサート成形の一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)変形例1Dの成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)変形例1Dの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)図12(b)の成形品側面の一部を拡大した部分拡大側面図。 (a)変形例1Eの成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)変形例1Eの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)変形例1Eの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(d)図13(c)の成形品側面の一部を拡大した部分拡大側面図。 (a)変形例1Dの成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)変形例1DCの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)変形例1DCの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)第2実施形態に係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)変形例2Aの成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)変形例2Aの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)変形例2Bの成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)変形例2Bの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)変形例2Cの成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)変形例2Cの成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)インサート成形と成形同時加飾の配置工程を示す断面図、(b)型締め工程を示す断面図、(c)射出工程を示す断面図、(d)開き工程を示す断面図。 (a)第3実施形態に係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)第3実施形態に係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)図20(a)及び図21(a)のI-I線で切断した電気部品シートの端面を示す模式的な部分拡大断面図、(b)変形例3Aに係る成形品の構成を説明するための模式的な部分拡大背面図、(c)図22(b)のII-IIV線で切断した成形品の模式的な部分拡大断面図。 (a)変形例3Aに係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)変形例3Aに係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)図23(a)及び図24(a)のIII-III線で切断した電気部品シートの端面を示す模式的な部分拡大断面図、(b)変形例3Aに係る成形品の構成を説明するための模式的な部分拡大背面図、(c)図25(b)のIV-IV線で切断した成形品の模式的な部分拡大断面図。 (a)第4実施形態に係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)第4実施形態に係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)図26(a)及び図27(a)のV-V線で切断した電気部品シートの端面を示す模式的な部分拡大断面図、(b)第4実施形態に係る成形品の構成を説明するための模式的な部分拡大背面図、(c)図28(b)のVI-VI線で切断した成形品の模式的な部分拡大断面図。 (a)変形例4Aに係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)変形例4Aに係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。 (a)図29(a)及び図30(a)のVII-VII線で切断した電気部品シートの端面を示す模式的な部分拡大断面図、(b)変形例4Aに係る成形品の構成を説明するための模式的な部分拡大背面図、(c)図31(b)のVIII-VIII線で切断した成形品の模式的な部分拡大断面図。 (a)本願発明の周辺の技術的思想に係る電気部品シートの構成を説明するための模式的な部分拡大断面図、(b)成形品にFPCを接続する一工程を説明するための模式的な部分拡大断面図、(c)成形品にFPCを接続する他の工程を説明するための模式的な部分拡大断面図。
<第1実施形態>
 以下、本発明の第1実施形態に係る成形品、電気部品シート、電気製品及び成形品の製造方法について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る成形品が取り付けられている洗濯機の概観を示す斜視図である。図1に示されている洗濯機1が本発明の適用される電気製品の一例であるが、本発明が適用される電気製品は洗濯機1に限られるものではない。洗濯機1に取り付けられている成形品20が本発明の第1実施形態に係る成形品である。この明細書において、電気製品とは、電気部品シートに電気デバイスが電気的に接続されたものである。後述するコントローラ16が電気デバイスの一例として挙げられているが、電気デバイスは、コントローラに限られるものではなく、電気部品シートからの電気信号を受けて電気的に動作するものであればよい。
(1)成形品20の概要
 洗濯機1を操作するために、操作パネル10が洗濯機1の前面側の上部に取り付けられている。操作パネル10には、タッチスクリーン11とメンブレンスイッチ12とが設けられている。正面から向かって操作パネル10の左側には、目隠し用の化粧版17が嵌めこまれている。タッチスクリーン11は、図2に示されているように、液晶表示装置13とタッチセンサ14とが含まれる。
 メンブレンスイッチ12とタッチセンサ14は、電気部品シート30に含まれている。メンブレンスイッチ12とタッチセンサ14は、フレキシブルプリント配線基板15によってコントローラ16に接続されている。液晶表示装置13は、フレキシブルプリント配線基板15とは異なる電線で、コントローラ16に接続されている。以下の説明では、フレキシブルプリント配線基板をFPCと略して記載する場合がある。
 図3に示されているように、成形品20は、インサート成形によって、熱可塑性樹脂からなる成形体21と電気部品シート30とが一体化された部品である。図3の成形品20の左端を部分的に拡大して裏側から見た外観が図4に示されている。成形品20の成形体21には、洗濯機1に成形品20を取り付けるためのネジ穴22が形成されている。
 電気部品シート30には、FPC15と接続するための接続パターン44が形成されている。また、成形体21には、FPC15を裏側に導くためのガイド溝23が形成されている。
 そして、図5(b)に記載されている成形品20にFPC15が接続されたもの(図5(c)参照)を成形品と呼ぶこともある。
(2)電気部品シート30の概要
 図5(a)には、電気部品シート30の断面構造が示されている。電気部品シート30の最上部には、ベースフィルム31が配置されている。ベースフィルム31の下の第1配線領域Ar1には、図柄層32が形成されている。また、ベースフィルム31の下の第2配線領域Ar2には、セパレート層33が形成されている。図柄層32の下の第1配線領域Ar1には、透明電極層34が形成されている。また、図柄層32、セパレート層33及び透明電極層34の下には、第1配線領域Ar1から第2配線領域Ar2まで連続して続く厚膜導電層35が形成されている。厚膜導電層35の下には、電気部品シート30の下面全面に渡って接着層36が形成されている。
 図6には、接着層36の上に形成されている透明電極層34及び厚膜導電層35の平面形状が示されている。図6に示されているのは、電気部品シート30のうちのベースフィルム31、図柄層32及びセパレート層33の下の層である。透明電極層34には、タッチセンサ14の電極パターン41が形成されている。また、厚膜導電層35には、電極パターン41に接続された回路パターン42、メンブレンスイッチ12を構成する電極パターン及び回路パターン43、第2配線領域Ar2に配置されている接続パターン44が形成されている。
(2-1)ベースフィルム31
 電気部品シート30の最上部に配置されているベースフィルム31は、図1に示されている操作パネル10の表面に露出する部分になる。このベースフィルム31の下には、図柄層32があり、また図3に示されているタッチセンサ14と液晶表示装置13を含むタッチスクリーン11があるので、ベースフィルム31には透明な樹脂が使用される。ベースフィルム31の材料は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、スチレン樹脂若しくはABS樹脂からなる樹脂フィルム、アクリル樹脂とABS樹脂の多層フィルム、又はアクリル樹脂とポリカーボネート樹脂の多層フィルムから選択される。ベースフィルム31の厚さは、例えば30μm~500μmの範囲から選択されるのが一般的である。
(2-2)図柄層32
 図柄層32は、図柄などの意匠を表現するための層である。図柄層32は、ベースフィルム31に例えばグラビア印刷法又はスクリーン印刷法によって形成される。図柄層32を構成する材料は、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂と、樹脂に添加される顔料又は染料を含むものである。また、図柄層32は、例えば絶縁処理されたアルミペースト又はミラーインキを使用して金属調意匠が施されたものであってもよい。さらに、耐久性を高めるためのトップコート層が図柄層32に形成されてもよい。
(2-3)セパレート層33
 セパレート層33は、ベースフィルム31に接着され且つ厚膜導電層35から剥離可能に構成されている。そのため、セパレート層33は、厚膜導電層35との界面で容易に剥離できる材料で形成されており、例えば、アクリル系、シリコン系、ポリエステル系又はエポキシ系の紫外線硬化型樹脂及び熱硬化型樹脂、並びに繊維素系又はポリアミド系の熱可塑性樹脂を主材としている。セパレート層33の厚さは、例えば乾燥後の膜厚で1~10μm位である。
(2-4)透明電極層34
 透明電極層34は、透明で且つ導電性を有する材料で構成されており、例えば、550nmの光の透過率が80%以上であり且つシート抵抗値が500Ω/□以下であることが好ましい。透明電極層34は、例えば、金属酸化物、透明導電性ポリマー又は透明導電インキで形成される。金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)及び酸化インジウム亜鉛(IZO)が挙げられる。透明導電性ポリマーとしては、例えば、PEDOT/PSS(poly-3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリスルフォン酸)が挙げられる。また、透明導電インキとしては、例えば、カーボンナノチューブ又は銀ナノファイバーをバインダー中に含むものが挙げられる。透明電極層34の厚さは、上述の光の透過率とシート抵抗値を満たす範囲で設定される。
 なお、透明電極層34には、電極が形成されている部分と形成されていない部分の境界線(電極パターンの輪郭)が見える現象、いわゆる骨見え現象を防止するための調整層が形成されてもよい。
(2-5)厚膜導電層35
 厚膜導電層35は、導電性インキを厚膜印刷で印刷して形成される。厚膜導電層35の厚さは、例えば乾燥後の膜厚で1μm~20μmである。導電性インキは、導電性フィラーとバインダーとを含んでいる。導電性フィラーとしては、例えば、導電性材料の粉末や非導電性粒子の表面に金属をメッキした導電性粉末が使用できる。導電性材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、カーボン及びグラファイトが挙げられる。金属をメッキした導電性粉末としては、例えば、ウレタン粒子やシリカ粒子の表面に銅、ニッケルあるいは銀をメッキした導電性粉末が挙げられる。また、バインダーとしては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂にロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂及び石油樹脂等の熱により粘着性を発現するタッキファイヤーを配合して使用することができる。このインキに用いられる溶剤は、例えば、厚膜印刷に適合するものである。厚膜印刷として、例えば、スクリーン印刷及びグラビア印刷が挙げられる。バインダーには、熱可塑性樹脂以外にも、例えば、エポキシ系、ウレタン系あるいはアクリル系の熱硬化性樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いることも可能である。
(2-6)接着層36
 接着層36は、透明電極層34や厚膜導電層35のパターン間の絶縁性を確保するために、絶縁性の接着剤で形成される。接着層36には、例えば、熱可塑性樹脂が使用できる。接着層36に使用される熱可塑性樹脂としては、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂及び合成ゴムが挙げられる。接着層36は、溶融樹脂の熱によって接着性を発現し、透明電極層34や厚膜導電層35と成形体21の接着力を向上させる。接着層36の厚さは、例えば乾燥後の膜厚で2μm~20μmである。
(3)電気製品の製造
 図1に示されている洗濯機1を製造する工程の中には、図2に示されているように、電気部品シート30とコントローラ16(電気デバイスの一例)とをFPC15で電気的に接続する工程が含まれる。この電気部品シート30にFPC15を接続する工程は、電気製品の製造工程であると同時に、成形品の組立工程でもある。図5(b)及び図5(c)には、成形品20に成形された電気部品シート30の厚膜導電層35にFPC15を接続する工程が示されている。まず、図5(b)に示されているように、成形品20の成形後に、第2配線領域Ar2のベースフィルム31が上に持ち上げられて、セパレート層33と厚膜導電層35との界面でベースフィルム31が剥離される。このようにベースフィルム31が剥離されることによって、接続パターン44が露出される。この工程は、電気製品の製造工程であると同時に、FPCを備える成形品の加工工程でもある。
 次に、図5(c)に示されているように、異方性導電膜51によって、厚膜導電層35の接続パターン44とFPC15の配線パターン15c(図8(c)参照)を接続する。配線パターン15cは、FPC15の第1面15aに形成されている。FPC15の第1面15aの反対側にある第2面15bには、接着シート52が貼着されている。この接着シート52によって、接続パターン44と配線パターン15cの接続が行われた後又は接続と同時に、FPC15とセパレート層33とが接着される。それにより、FPC15がベースフィルム31に接着される。なお、この接着シート52の替わりに、粘着シートを用いることもできる。
(4)成形品20の製造
 成形品20の製造方法の一例について図7(a)~図7(d)を用いて説明する。図7(a)には、配置工程が示されている。配置工程では、第1型110の内面111に、電気部品シート30が配置される。このとき、電気部品シート30のベースフィルム31が第1型110の内面111に接触するように配置され、接着層36が第2型120の方向に向けて配置されている。
 次に、図7(b)に示されている型締め工程が行われる。型締め工程では、第1型110と第2型120とが合わせられ、キャビティ130が形成される。このとき、電気部品シート30は、例えばあらかじめ第1型110の内面111に沿うようにフォーミングされ外周がカットされているので第1型110の内面111にインサートされても配置された位置から動かないように固定されるが、第1型110に吸引機構を設けてもよい。
 図7(c)には、射出工程が示されている。射出工程では、第1型110と第2型120との間に形成されているキャビティ130に溶融樹脂140がスプルー121を通して射出される。このときに、溶融樹脂140の熱で電気部品シート30の接着層36が活性化される。そして、溶融樹脂140が冷えて固まるときに、溶融樹脂140が固まって成形される成形体21(図7(d)参照)と電気部品シート30とを接着する。
 次に、図7(d)に示されているように、第1型110と第2型120の型開きが行なわれる。成形品20は、例えば、第2型120より突き出されるエジェクタピン122によって第2型120から外され、進入した取り出しロボット(図示せず)に保持されて取り出される。
(4-1)成形体
 成形体21は、着色されていても着色されていなくてもよく、透明、半透明あるいは不透明の熱可塑性樹脂又はエラストマーを用いて成形される。成形体21の材料としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂若しくはAS樹脂などの汎用の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。それ以外に、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、エンジニアリング樹脂(ポリスルホンフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート系樹脂など)、ポリアミド系樹脂、又はウレタン系、ポリエステル系若しくはスチレン系のエラストマーを成形体21の材料として使用することができる。また、天然ゴムや合成ゴムを成形体21の材料として用いることができる。成形体21には、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加することもできる。
(5)変形例
(5-1)変形例1A
 上記第1実施形態の成形品20は、成形体21の平らな表面に電気部品シート30を一体的に成形する場合について説明したが、成形体の表面は平坦でなくてもよい。図8(a)に示されているように、第1配線領域Ar1が成形体21Aの湾曲した表面に形成されていてもよい。このように、第1配線領域Ar1の大部分と第2配線領域Ar2とが交差する方向に配置されていてもよい。図8(a)、図8(b)及び図8(c)に示されている成形品20Aに用いられている電気部品シート30及びFPC15は、第1実施形態で説明したものと同じものである。
 ベースフィルム31は、図8(c)ではT字型に見えている。そして、図8の接続部分P1で、FPC15の配線パターン15cと接続パターン44とが接続されている。この変形例1Aでは、接続部分P1はベースフィルム31で覆われている。
(5-2)変形例1B
 図9(a)並びに図9(b)及び図9(c)には、成形品20Bを電気製品に加工する製造工程の一部が示されている。この変形例1Bの成形品20Bは、図9(a)と図8(a)とを比較して分かるように、図9(a)の状態で成形品20Bは、成形品20Aと同じ形態をしている。図9(b)に示された加工工程で、成形品20Bは、厚膜導電層35の接続パターン44に被っていた部分のベースフィルム31が切除される。そして、ベースフィルムが切除された成形品20BにFPC15Aが圧着される。図9(c)に示されているように、接続部分P2は、ベースフィルム31によって覆われてはいない。このように、接続部分P2におけるベースフィルム31とFPC15Aとの重なりがなくなるので、FPC15Aの第2面15Abには接着シートが貼り付けられていない。
(5-3)変形例1C
 図10(a)並びに図10(b)及び図10(c)には、成形品20Cを電気製品に加工する製造工程の一部が示されている。この変形例1Cの成形品20Cは、図10(a)と図8(a)を比較して分かるように、射出成形時に形成されたボス21Baを成形体21Bに有する点が、変形例1Aの成形品20Aと異なっている。言い換えれば、ボス21Baが形成されている部分以外は、成形品20Cと成形品20Aとは同じ構造を有している。ボス21Baを形成するためには、図11に示されている第2型120にスライドコアー123を設置し内面にボス穴123aを形成すれば良い。電気部品シート30Bと同じものを用いても、溶融樹脂140は、射出成形時の熱と圧力によって、電気部品シート30Bを貫通してボス21Baを形成する。このとき、予め電気部品シート30Bに穴を開けておく必要はない。
 次に、ボス21Baの先端に対して熱によるカシメを施してFPC15を圧着すれば、図10(b)に示されている状態になる。ボス21Baがあることにより、図10(c)に示されている接続部分P3から第1配線領域Ar1に向かってベースフィルム31が捲れ上がることがないので、第1配線領域Ar1における回路パターン43の断線のリスクを減らすことができる。
(5-4)変形例1D
 図12(a)並びに図12(b)及び図12(c)には、成形品20Dを電気製品に加工する製造工程の一部が示されている。図12(a)と図10(a)を比較するとともに図9(a)と図8(a)を比較すれば分かるように、成形品20Dと成形品20Cの関係は、成形品20Bと成形品20Aの関係と同じである。図12(a)に示されている状態からベースフィルム31を切除して図12(b)及び図12(c)に示されている電気部品シート30Cの状態にすることで、接続部分P4におけるベースフィルム31とFPC15Aとの重なりが無くなる。
(5-5)変形例1E,1F
 図13(a)、図13(b)並びに図13(c)及び図13(d)には、成形品20Eを電気製品に加工する製造工程の一部が示され、図14(a)並びに図14(b)及び図14(c)には、成形品20Fを電気製品に加工する製造工程の一部が示されている。成形品20Eは、成形品20Aに対して樹脂封止を施すことで得られ、成形品20Fは、成形品20Bに対して樹脂封止を施すことで得られるものである。従って、封止樹脂53が形成されている以外の構成は、成形品20Eと成形品20Aは同じであり、及び成形品20Fと成形品20Bは同じである。
<第2実施形態>
(6)成形品20Gの概要
 次に、この発明の第2実施形態に係る成形品について図15(a)乃至図15(c)を用いて説明する。図15(a)には、第2実施形態に係る電気部品シート30Dが示されている。図5(a)に示されている電気部品シート30と図15(a)に示されている電気部品シート30Dとを比較して分かるように、各層の配置が異なっているだけである。
 図5(a)とは逆に図15(a)ではベースフィルム31が最下部に配置されているので、図15(a)について最下部から順に層構造を説明する。電気部品シート30Dの最下部には、ベースフィルム31が配置されている。ベースフィルム31の上の第1配線領域Ar1には、透明電極層34が形成されている。また、ベースフィルム31の上の第2配線領域Ar2には、セパレート層33が形成されている。また、透明電極層34及びセパレート層33の上には、第1配線領域Ar1から第2配線領域Ar2まで連続して続く厚膜導電層35が形成されている。厚膜導電層35の上には、図柄層32が形成されている。図柄層32及び厚膜導電層35の上には、電気部品シート30Dの上面全面に渡って接着層36が形成されている。
 図15(b)に示されているように、成形品20Gは、インサート成形によって、熱可塑性樹脂からなる成形体21Cと電気部品シート30Dとが一体化された部品である。成形体21Cの上面には、成形体21Cと電気部品シート30Dとを一体化する射出成形時に同時に形成された加飾層24が形成されている。加飾層24については、従来と同様に加飾同時成形によって形成することができるので説明を省略する。まず、図15(b)に示されているように、成形品20Gの成形後に、第2配線領域Ar2のベースフィルム31が下に引き剥がされて、セパレート層33と厚膜導電層35との界面でベースフィルム31が剥離される。このようにベースフィルム31が剥離されることによって、接続パターン44が露出される。次に、図15(c)に示されているように、異方性導電膜51によって、厚膜導電層35の接続パターン44とFPC15が圧着される。
(7)変形例
(7-1)変形例2A
 図16(a)及び図16(b)には、成形品20Hを電気製品に加工する製造工程の一部が示されている。この変形例2Aの成形品20Hは、図16(a)と図15(b)とを比較して分かるように、図16(a)の状態で成形品20Hは、成形品20Gと同じ形態をしている。図16(b)に示された加工工程で、成形品20Hは、厚膜導電層35の接続パターン44に被っていた部分のベースフィルム31が切除されて電気部品シート30Eが形成される。そして、ベースフィルム31が切除された成形品20HにFPC15Aが圧着される。接続部分P5は、ベースフィルム31によって覆われてはいない。このように、接続部分P5におけるベースフィルム31とFPC15Aとの重なりがなくなるので、FPC15Aの第2面15Abには接着シートが貼り付けられていない。
(7-2)変形例2B,2C
 図17(a)及びに図17(b)には、成形品20Iを電気製品に加工する製造工程の一部が示され、図18(a)及び図18(b)には、成形品20Jを電気製品に加工する製造工程の一部が示されている。この変形例2B,2Cの成形品20I,20Jは、図17(a)と図15(a)を比較して分かるように、射出成形時に形成されたボス21Daを有する点が、変形例1Aの成形品20Aと異なっている。言い換えれば、ボス21Daが形成されている部分以外は、成形品20Iと成形品20Gとは同じ構造を有している。また、成形体21Eは、その形状が成形体21Dと異なるだけで、成形体21Eが射出成形時に形成されたボス21Eaを有する点は、成形体21Dと同じである。電気部品シート30Fにボス21Da,21Eaを形成する方法は後述する。
 次に、ボス21Da.21Eaの先端に対して熱によるカシメを施してFPC15を圧着すれば、図17(b)及び図18(b)に示されている状態になる。ボス21Da,21Eaがあることによりベースフィルム31が捲れ上がり難くなり、第1配線領域Ar1における回路パターンの断線のリスクを減らすことができる点も変形例1Cと同様である。
(7-2-1)成形品20Lの製造方法
 成形品20Lの製造方法の一例について図19(a)~図19(d)を用いて説明する。図19(a)には、配置工程が示されている。配置工程では、第1型150の内面151に、転写層を有する転写シート330が配置される。転写シート330は、クランプ152で固定される。第2型160には、電気部品シート30Fが配置される。電気部品シート30Fは、吸着されて第2型160に固定される。第2型160のボス穴162のある位置に電気部品シート30Fが配置される。
 次に、図19(b)に示されている型締め工程が行われる。型締め工程では、第1型150に配置されている転写シート330と、第2型160の内面161に配置されている電気部品シート30Fとを収納したキャビティ155が形成される。
 図19(c)には、射出工程が示されている。射出工程では、第1型150と第2型160との間に形成されているキャビティ155に溶融樹脂65がスプルー164を通して射出される。電気部品シート30Fと転写シート330の加飾層24(図17(a)参照)とのそれぞれの表面に溶融樹脂170が密着し、電気部品シート30Fの接着層36(図17(a)参照)と加飾層24の接着層は、溶融樹脂170から直接伝わる熱と圧力によって接着機能を発揮する。また、第2型160のボス穴162に対応する箇所において電気部品シート30Fのベースフィルムは溶融樹脂170の熱と圧力によって破られ、溶融樹脂170がボス穴162に流れ込む。溶融樹脂170がキャビティ155を満たして流動が止まると、第1型150と第2型160とを介して溶融樹脂170が冷却される。溶融樹脂170が冷却されて固化することにより、成形体21Dが成形される。
 次に、図19(d)に示されているように、第1型150と第2型160の型開きが行なわれる。このとき、転写シート330から加飾層24が剥離し、成形品20Lが第2型160に残り、転写シート330は第1型150に残る。成形品20Lは、例えば、第2型160より突き出されるエジェクタピン163によって第2型160から外され、進入した取り出しロボット(図示せず)に保持されて取り出される。
<第3実施形態>
(8)電気部品シート30Gの概要
 図20(a)、図21(a)及び図22(a)には、電気部品シート30Gの断面構造が示されている。図20(a)乃至図20(c)は接続パターン44の上で切断した状態が示されており、図21(a)乃至図21(c)は接続パターン44のパターン間で切断した状態が示されている。また、図22(a)には、図20(a)及び図21(a)のI-I線で切断した端面の形状が拡大して模式的に示されている。さらに、図22(b)には、成形品20Kの一部を拡大した平面形状が示され、図22(c)には、図22(b)のII-II線で切断した端面の形状が拡大して模式的に示されている。
 第3実施形態の電気部品シート30Gが第1実施形態の電気部品シート30と異なる点は、ベースフィルム31を剥離して接続パターン44を露出させるため、セパレート層33を設ける代わりに接続パターン44と接続パターン44の間の接着層36を除いた点である。つまり、図22(a)や図22(c)を見ると分かるように、第2配線領域Ar2の接続パターン44を構成する厚膜導電層35の下にのみ接着層36が形成されている。従って、この点以外の構成は、第3実施形態の電気部品シート30Gが第1実施形態の電気部品シート30とで同じであり、電気部品シート30Gの最上部には、ベースフィルム31が配置されている。ベースフィルム31の下の第1配線領域Ar1には、図柄層32が形成されている。そして、図柄層32の下の第1配線領域Ar1には、透明電極層34が形成されている。しかし、図21(a)に示されているように、第2配線領域Ar2にける接続パターン44と接続パターン44の間には、電気部品シート30とは異なり、セパレート層も接着層36も形成されていない。そして、ベースフィルム31、図柄層32及び透明電極層34の下に、第1配線領域Ar1から第2配線領域Ar2まで連続して続く厚膜導電層35が形成され、厚膜導電層35の下面全面に接着層36が形成されている。
 剥離しやすい厚膜導電層35の材料としては、アクリル系、ポリエステル系、塩化酢酸ビニル系又はウレタン系の熱可塑性樹脂に繊維素系ポリマーを配合した樹脂バインダーを導電性インキとして用いるとよい。繊維素系ポリマーとしては、例えばCAB(セルロースアセテートブチレート)及びNC(ニトロセルロース)が挙げられる。
(9)成形品20Kの概要
 図20(b)、図21(b)図22(b)及び図22(c)に示されているように、成形品20Kは、インサート成形によって、熱可塑性樹脂からなる成形体21Fと電気部品シート30Gとが一体化された部品である。成形品20Kの成形後に、第2配線領域Ar2のベースフィルム31が成形体21Fから引き起こされて、厚膜導電層35及び成形体21Fとの界面でベースフィルム31が剥離される。第2配線領域Ar2においてベースフィルム31を成形体21Fから引き起こすと、ベースフィルム31と成形体21Fとの界面で簡単に剥離が起こり、ベースフィルム31と厚膜導電層35との界面でも簡単に剥離が起こる。
 このようにベースフィルム31が剥離されることによって、接続パターン44が露出される。次に、図20(c)及び図21(c)に示されているように、異方性導電膜51によって、厚膜導電層35の接続パターン44とFPC15が圧着される。
(10)変形例
(10-1)変形例3A
 上記第3実施形態では、第2配線領域Ar2において、接続パターン44を構成する厚膜導電層35の下にのみ接着層36が形成されていたが、この部分の接着層36を取り除いてもよい。つまり、第2配線領域Ar2の全体にわたって接着層36を取り除き、第1配線領域Ar1の全体の接着層36を残すように構成したものが変形例3Aの電気部品シート30Hである(図23(a)、図24(a)及び図25(a)参照)。
 そして、上述の電気部品シート30Hを用いて成形されたのが、成形品20Lである。図23(b)、図24(b)図25(b)及び図25(c)に示されているように、成形品20Lは、インサート成形によって、熱可塑性樹脂からなる成形体21Gと電気部品シート30Hとが一体化された部品である。成形品20Lの成形後に、第2配線領域Ar2のベースフィルム31が成形体21Gから引き起こされて、厚膜導電層35及び成形体21Gとの界面でベースフィルム31が剥離される。第2配線領域Ar2においてベースフィルム31を下に引き下げると、ベースフィルム31と成形体21Gとの界面で簡単に剥離が起こり、ベースフィルム31と厚膜導電層35との界面でも簡単に剥離が起こる。
 このようにベースフィルム31が剥離されることによって、接続パターン44が露出される。次に、図23(c)及び図24(c)に示されているように、異方性導電膜51によって、厚膜導電層35の接続パターン44とFPC15が圧着される。
<第4実施形態>
(11)電気部品シート30Iの概要
 図26(a)及び図27(a)には、電気部品シート30Iの断面構造が示されている。図26(a)乃至図26(c)は接続パターン44の上で切断した状態が示されており、図27(a)乃至図27(c)は接続パターン44のパターン間で切断した状態が示されている。また、図28(a)には、図26(a)及び図27(a)のV-V線で切断した端面の形状が拡大して模式的に示されている。さらに、図28(b)には、成形品20Mの一部を拡大した背面形状が示され、図28(c)には、図28(b)のVI-VI線で切断した端面の背面側の形状が拡大して模式的に示されている。
 第4実施形態の電気部品シート30Iが第2実施形態の電気部品シート30Dと異なる点は、ベースフィルム31を剥離して接続パターン44を露出させるため、セパレート層33を設ける代わりに接続パターン44と接続パターン44の間の接着層36を除いた点である。従って、この点以外の構成は、第4実施形態の電気部品シート30Iが第2実施形態の電気部品シート30Dとで同じである。電気部品シート30Iの最下部には、ベースフィルム31が配置されている。ベースフィルム31の上の第1配線領域Ar1には、透明電極層34が形成されている。しかし、図27(a)に示されているように、第2配線領域Ar2にける接続パターン44と接続パターン44の間には、電気部品シート30Dとは異なり、セパレート層も接着層36も形成されていない。そして、透明電極層34及びベースフィルム31の上には、第1配線領域Ar1から第2配線領域Ar2まで連続して続く厚膜導電層35が形成され、厚膜導電層35の上面全面に接着層36が形成されている。第1配線領域Ar1の厚膜導電層35の上には、図柄層32が形成されている。なお、第4実施形態の厚膜導電層35にも、剥離しやすい材料として、第3実施形態で説明した厚膜導電層35の材料が好適に用いられる。
(12)成形品20Mの概要
 図26(b)及び図27(b)に示されているように、成形品20Mは、インサート成形によって、熱可塑性樹脂からなる成形体21Hと電気部品シート30Dとが一体化された部品である。成形体21Hの上面には、成形体21Hと電気部品シート30Dとを一体化する射出成形時に同時に形成された加飾層24が形成されている。加飾層24については、従来と同様に加飾同時成形によって形成することができるので説明を省略する。まず、図26(b)及び図27(b)に示されているように、成形品20Mの成形後に、第2配線領域Ar2のベースフィルム31が下に引き剥がされて、ベースフィルム31と成形体21H及び厚膜導電層35との界面でベースフィルム31が剥離される。このようにベースフィルム31が剥離されることによって、接続パターン44が露出される。次に、図26(c)及び図27(c)に示されているように、異方性導電膜51によって、厚膜導電層35の接続パターン44とFPC15が圧着される。
(13)変形例
(13-1)変形例4A
 上記第4実施形態では、第2配線領域Ar2において、接続パターン44を構成する厚膜導電層35の上にのみ接着層36が形成されていたが、この部分の接着層36を取り除いてもよい。つまり、第2配線領域Ar2の全体にわたって接着層36を取り除き、第1配線領域Ar1の全体の接着層36を残すように構成したものが変形例4Aの電気部品シート30Jである(図29(a)、図30(a)及び図31(a)参照)。
 そして、上述の電気部品シート30Jを用いて成形されたのが、成形品20Nである。図29(b)、図30(b)図31(b)及び図31(c)に示されているように、成形品20Nは、インサート成形によって、熱可塑性樹脂からなる成形体21Iと電気部品シート30Jとが一体化された部品である。成形品20Nの成形後に、第2配線領域Ar2のベースフィルム31が成形体21Iから引き下げられて、厚膜導電層35及び成形体21Iとの界面でベースフィルム31が剥離される。第2配線領域Ar2においてベースフィルム31を下に引き下げると、ベースフィルム31と成形体21Iとの界面で簡単に剥離が起こり、ベースフィルム31と厚膜導電層35との界面でも簡単に剥離が起こる。
 このようにベースフィルム31が剥離されることによって、接続パターン44が露出される。次に、図29(c)及び図30(c)に示されているように、異方性導電膜51によって、厚膜導電層35の接続パターン44とFPC15が圧着される。
(13-2)変形例3B,4B
 上記第3実施形態及び第4実施形態では、セパレート層33を用いずに、ベースフィルム31を厚膜導電層35から剥離させる構成について説明したが、上記第3実施形態及び第4実施形態のベースフィルム31の下にセパレート層を設けてもよい。
(13-3)変形例3C,4C
 上記第3実施形態及び第4実施形態でも、第1実施形態と同様に、ベースフィルム31を切除する工程を設けてよい。また、上記第3実施形態及び第4実施形態でも、第1実施形態と同様に、ボスを形成することもできる。また、上記第3実施形態及び第4実施形態でも、第1実施形態と同様に、接続部分を封止樹脂で封止してもよい。
(14)特徴
(14-1)
 以上説明したように、電気部品シート30,30A~30Jは、例えば、図5(a)及び図6などに示されているように、厚膜導電層35を使って、ベースフィルム31の第1配線領域Ar1に回路パターン42や電極パターン及び回路パターン43が形成され、第2配線領域Ar2に接続パターン44が形成さている。厚膜導電層35は、図5(b)などに示されているように、第2配線領域Ar2において、ベースフィルム31が剥離されることによって接続パターン44が露出できるように構成されている。しかし、ベースフィルム31が剥離されても、第1配線領域Ar1においては、回路パターン42や電極パターン及び回路パターン43がベースフィルム31と接着層36との間に挟まれて固定された状態が維持される。
 このように構成されている成形品20,20A~20Nでは、成形体21,21A~21Iに厚膜導電層35が固定されるので、FPC15,15Aによってベースフィルム31を引き剥がす力が加わっても、第1配線領域Ar1の回路パターン42,43と第2配線領域Ar2の接続パターン44との間で断線が生じることはない。また、ベースフィルム31と成形体21,21A~21Iの熱収縮率が異なっても、成形体21,21A~21Iの側に厚膜導電層35がしっかりと固定されるので、厚膜導電層35の回路パターン42,43や接続パターン44における断線は生じ難くなる。
(14-2)
 第2配線領域Ar2の厚膜導電層35とベースフィルム31の間にセパレート層33が設けられると、セパレート層33と厚膜導電層35との界面で分離し易くなり、第2配線領域Ar2において厚膜導電層35とベースフィルム31を剥離させるのが容易になる。
(14-3)
 成形品20C,20D,20I,20Jに示されているボス21Ba、21Da,21Eaを設けることによって、電気部品シート30B,30C,30Fの成形体21B,21D,21Eへの固定が強固になる。
(14-4)
 図5(c)などに示されているように、接続パターン44に対してフレキシブルプリント配線基板15の第1面15aに形成されている配線パターン15cを接続し、フレキシブルプリント配線基板15の第1面15aの反対側にある第2面15bにベースフィルム31を接着する組立工程を備えていると、洗濯機1などの電気製品において、FPC15が電気部品シート30から外れ難くなり、FPC15と電気部品シート30,30B,30D,30F,30Gとの電気的接続の耐久性が向上する。
(14-5)
 図9などに示されているように、加工工程に、第2配線領域Ar2を覆っていたベースフィルム31を切除する工程を含む場合には、FPC15Aを成形品20B,20D,20F,20Hに圧着し易くなる。例えば、メンテナンス時において、FPC15Aの着脱が容易になる。
(14-6)
 図13などに示されているように、組立工程に、接続パターン44とフレキシブルプリント配線基板15,15Aとの接続部分P1を樹脂封止する工程が含まれる場合には、封止樹脂53によって環境の影響を緩和することができる電気製品を製造することができる。
 図5(c)などに示されているように、洗濯機1(電気製品の例)において、FPC15,15Aによって電気部品シート30,30A~30Jとコントローラ16(電気デバイスの例)が電気的に接続されていると、振動などがコントローラ16からFPC15の配線パターン15cと接続パターン44の接続部に伝わり難く、断線がおき難くなる。そのため、柔らかいFPCを用いて電気部品シートと電気デバイスとを接続することが好ましいが、FPC以外の接続部材を用いて接続してもよい。FPC以外の接続部材としては、例えばコネクタ、ハーネス、電線又はリジットなプリント配線基板がある。
(15)その他
 上記第1実施形態乃至第4実施形態によって説明された本願発明の周辺の技術的思想として、図32(a)、図32(b)及び図32(c)を用いて説明するようなものがある。
 図32(a)に示されている電気部品シート230は、転写シート231に形成されている。この電気部品シート230は、溶融一体成形によって、絶縁性の成形体21と一体化される。このような電気部品シート230と成形体21とを一体化させる製造方法には、例えば図19に示されている金型を用いた転写技術を適用することができる。 電気部品シート320は、成形体21の表面の少なくとも一部を覆う図柄層32と、厚膜導電層35と、厚膜導電層35を成形体21に接着する接着層36とを備えている。厚膜導電層35は、第1配線領域Ar1に厚膜印刷で形成された回路パターンと、回路パターンと電気的に接続され且つ第2配線領域Ar2に厚膜印刷で形成された接続パターンとを含んでいる。これらの構成は、上記実施の形態と同様であるので、説明を省略する。この技術的思想が、上述の発明と異なる点は、転写シート231が全体的に剥離され(図32(b)参照)、成形品220には残らない点である(図32(c)参照)。そのため、セパレート層233も転写シート231の各電気部品シート320の全面に形成されている。
 図32に記載されている技術思想でも、厚膜導電層35は、第1配線領域Ar1において回路パターンが接着層36によって成形体21に固定された状態を維持し、第2配線領域Ar2において接続パターンが露出できるように構成されている。
 なお、図32(c)に示されている状態の図柄層32の上には、耐久性を向上するためのハードコート層や保護用のガラス板などが設けられてもよい。
15,15A フレキシブルプリント配線基板
20,20A~20N 成形品
21,21A~21I 成形体
21Ba,21Da,21Ea ボス
30,30A~30J 電気部品シート
31 ベースフィルム
32 図柄層
33 セパレート層
34 透明電極層
35 厚膜導電層
36 接着層
42 回路パターン
44 接続パターン
53 封止樹脂
110,150 第1型
120,160 第2型
Ar1 第1配線領域
Ar2 第2配線領域

Claims (15)

  1.  電気部品シートと、
     溶融一体成形によって前記電気部品シートと一体化されてなる絶縁性の成形体と
    を備え、
     前記電気部品シートは、
     前記成形体の表面の少なくとも一部を覆う絶縁性のベースフィルムと、
     前記ベースフィルムの第1配線領域に厚膜印刷で形成された回路パターンと前記回路パターンと電気的に接続され且つ第2配線領域に厚膜印刷で形成された接続パターンとを含む厚膜導電層と、
     前記厚膜導電層を前記成形体に接着する接着層と
    を有し、
     前記厚膜導電層は、前記第1配線領域において前記回路パターンが前記ベースフィルムと前記接着層との間に挟まれて固定された状態を維持し、前記第2配線領域において前記ベースフィルムが剥離されることによって前記接続パターンが露出できるように構成されている、成形品。
  2.  前記第2配線領域の前記厚膜導電層と前記ベースフィルムとの間に、前記ベースフィルムを剥離して前記接続パターンを露出させるためのセパレート層をさらに備える、
    請求項1に記載の成形品。
  3.  前記接着層は、少なくとも前記第2配線領域の前記ベースフィルムと前記成形体との界面には形成されず、
     前記厚膜導電層は、前記接続パターンが前記成形体によって固定される、
    請求項1に記載の成形品。
  4.  前記成形体は、前記第2配線領域の近傍に前記ベースフィルムを貫通するボスを有する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の成形品。
  5.  前記ベースフィルムと前記厚膜導電層との間に又は前記接着層と前記厚膜導電層との間に、図柄の描かれている図柄層をさらに備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の成形品。
  6.  前記電気部品シートは、タッチセンサを含み、
     前記厚膜導電層に接続され、入力操作を検出して前記入力操作に対応する検出信号を前記厚膜導電層に送信する透明電極層をさらに備える、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の成形品。
  7.  前記電気部品シートの前記接続パターンに接続されている配線パターンを有するフレキシブルプリント配線基板をさらに備える、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の成形品。
  8.  請求項1から7のいずれかに記載の成形品と、
     前記電気部品シートの前記接続パターンに電気的に接続されている電気デバイスとを備える、電気製品。
  9.  絶縁性の成形体を含む成形品の製造に用いられる電気部品シートであって、
     前記成形体の溶融成形時に、前記成形体の表面の少なくとも一部を覆うように前記成形体と一体に成形される絶縁性のベースフィルムと、
     前記ベースフィルムの第1配線領域に厚膜印刷で形成された回路パターンと前記回路パターンと電気的に接続され且つ第2配線領域に厚膜印刷で形成された接続パターンとを含む厚膜導電層と、
     前記厚膜導電層を前記成形体に接着可能な接着層と
    を有し、
     前記厚膜導電層は、前記第1配線領域において前記回路パターンが前記ベースフィルムと前記接着層との間に挟まれて固定された状態を維持し、前記第2配線領域において前記ベースフィルムが剥離されることによって前記接続パターンが露出できるように構成されている、電気部品シート。
  10.  前記第2配線領域の前記厚膜導電層と前記ベースフィルムとの間に、前記ベースフィルムを剥離して前記接続パターンを露出させるためのセパレート層をさらに備える、
    請求項9に記載の電気部品シート。
  11.  前記接着層は、少なくとも前記第2配線領域の前記ベースフィルム上には形成されていない、
    請求項9に記載の電気部品シート。
  12.  絶縁性のベースフィルムと、前記ベースフィルムに厚膜印刷で形成された配線を含む厚膜導電層と、前記厚膜導電層を接着する接着層とを有する電気部品シートを用いた成形品の製造方法であって、
     前記ベースフィルムを金型の内面に向けるとともに前記接着層をキャビティ側に向けて前記電気部品シートがセットされている前記金型を型締めする型締工程と、
     前記金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出し、前記厚膜導電層を前記接着層によって接着することにより前記電気部品シートの前記ベースフィルムで少なくとも一部を覆われた表面を有する絶縁性の成形体を溶融一体成形する射出成形工程と、
    を備え、
     前記射出成形工程では、第1配線領域において前記厚膜導電層の回路パターンが前記ベースフィルムと前記接着層との間に挟まれて固定された状態を維持させながら、第2配線領域において前記ベースフィルムを剥離することによって前記厚膜導電層の接続パターンを露出させられるように成形する、成形品の製造方法。
  13.  前記第1配線領域において前記厚膜導電層の前記回路パターンが前記ベースフィルムと前記接着層との間に挟まれて固定された状態を維持させながら、前記第2配線領域において前記ベースフィルムを剥離することによって前記厚膜導電層の前記接続パターンを露出させる加工工程と、
     前記接続パターンに対してフレキシブルプリント配線基板の第1面に形成されている配線パターンを接続し、前記フレキシブルプリント配線基板の前記第1面の反対側にある第2面に前記ベースフィルムを接着する組立工程をさらに備える、
    請求項12に記載の成形品の製造方法。
  14.  前記第1配線領域において前記厚膜導電層の前記回路パターンが前記ベースフィルムと前記接着層との間に挟まれて固定された状態を維持させながら、前記第2配線領域において前記ベースフィルムを剥離することによって前記厚膜導電層の前記接続パターンを露出させる加工工程と、
     前記第2配線領域を覆っていた前記ベースフィルムを切除し、前記接続パターンに対してフレキシブルプリント配線基板の第1面に形成されている配線パターンを接続する組立工程をさらに備える、
    請求項12に記載の成形品の製造方法。
  15.  前記組立工程は、前記接続パターンと前記フレキシブルプリント配線基板との接続部分を樹脂封止する工程を含む、
    請求項13又は請求項14に記載の成形品の製造方法。
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