以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る伝送装置の構成を示す機能ブロック図である。図1は送信側の信号経路を示し、図2は受信側の信号経路を示す。図1及び図2に示す伝送装置1は、(100GE×3)のクライアント信号と(150G×2)のライン信号との間で信号の伝送を行うものである。
図1及び図2において、伝送装置1は、信号伝送を行うための部品を1つの基板に実装したもので、ラインカードと呼ばれている。伝送装置1は、3個のクライアント信号送受信部11-1、11-2、11-3と、フレーミング処理部19と、信号処理部10-1、10-2と、ライン信号送受信部17-1、17-2とを備えている。
信号処理部10-1、10-2はチップ化されて、伝送装置1を構成するラインカードに配設されている。また、本実施形態では、信号処理部10-1と、信号処理部10-2との間に、チップ間配線18が設けられる。
信号処理部10-1は、パラレル信号送受信部12-1、12-2と、デジタル信号処理部20-1、20-2と、信号合流/分岐部13-1と、信号分岐/合流部14と、チップ間信号送受信部15-1と、ライン側信号出入力部16-1を備えている。
信号処理部10-2は、パラレル信号送受信部12-3と、デジタル信号処理部20-3と、信号合流/分岐部13-2と、チップ間信号送受信部15-2と、ライン側信号出入力部16-2とを備えている。信号処理部10-1のチップ間信号送受信部15-1と、信号処理部10-2のチップ間信号送受信部15-2との間には、チップ間配線18が設けられる。
まず、図1を用いて、伝送装置1が、(100GE×3)のクライアント信号を受信して、受信されたクライアント信号を(150G×2)のライン信号として転送する場合について説明する。
図1において、クライアント信号送受信部11-1、11-2、11-3は、それぞれ100GEクライアント信号を受信し、この(100GE×3)のクライアント信号をフレーミング処理部19に転送する。フレーミング処理部19は、クライアント信号をトランスポートフレームの信号に変換する。変換された(100G×3)のトランスポートフレームは、信号処理部10-1のパラレル信号送受信部12-1、12-2と、信号処理部10-2のパラレル信号送受信部12-3に入力される。
なお、受信したクライアント信号が、例えばOTU4のように、すでにトランスポートフレームの形式であった場合、フレーミング処理部19は省略できる。
信号処理部10-1において、パラレル信号送受信部12-1は、受信した100Gのトランスポートフレームの信号をデジタル信号処理部20-1に送る。デジタル信号処理部20-1は、パラレル信号送受信部12-1からの信号に対して、伝送劣化の等化処理等のためにデジタル信号処理を行う。デジタル信号処理部20-1から出力された信号は、信号合流/分岐部13-1に入力される。
また、信号処理部10-1において、パラレル信号送受信部12-2は、受信した100Gのトランスポートフレームの信号をデジタル信号処理部20-2に送る。デジタル信号処理部20-2は、パラレル信号送受信部12-2からの信号に対して、伝送劣化の等化処理等のためにデジタル信号処理を行う。デジタル信号処理部20-2から出力された信号は、信号分岐/合流部14に入力される。
信号分岐/合流部14は、デジタル信号処理部20-2でデジタル信号処理された100Gのトランスポートフレームの信号を(1:1)で分岐する。信号分岐/合流部14での分岐の比率は、ライン信号のビットレートに合わせ、任意の値でも良いが、特に望ましい分岐の比率は、(1:1(=0.5))となる。この場合、信号分岐/合流部14は、100Gのトランスポートフレームの信号を50Gの2つの信号に分岐する。そして、信号分岐/合流部14は、分岐した一方の50Gの信号を信号合流/分岐部13-1に転送し、他方の50Gの信号をチップ間信号送受信部15-1に転送する。
信号合流/分岐部13-1は、デジタル信号処理部20-1から転送された100Gの信号と、信号分岐/合流部14から転送された50Gの信号を合流して150Gの信号とし、150Gの信号をライン側信号出入力部16-1へ転送する。ライン側信号出入力部16-1は、受信した150Gの信号を、ライン信号送受信部17-1に送る。ライン信号送受信部17-1は、この150Gの信号を電気-光変換して、変換された光信号をライン側に出力する。
信号分岐/合流部14からチップ間信号送受信部15-1に転送された50Gの信号は、チップ間配線18を経由して、チップ間信号送受信部15-2へ転送される。チップ間信号送受信部15-2は、この送られてきた50G分の信号を受信し、受信した50G分の信号を信号合流/分岐部13-2へ転送する。
信号処理部10-2において、パラレル信号送受信部12-3は、受信した100Gのトランスポートフレームの信号をデジタル信号処理部20-3に送る。デジタル信号処理部20-3は、パラレル信号送受信部12-3から受信した信号に対して、伝送劣化の等化処理等のために、デジタル信号処理を行う。デジタル信号処理部20-3から出力された信号は、信号合流/分岐部13-2に入力される。
信号合流/分岐部13-2は、チップ間信号送受信部15-2から受信した50G分の信号と、デジタル信号処理部20-3から受信した100Gの信号を合流させて150Gの信号とし、150Gの信号をライン側信号出入力部16-2へ転送する。ライン側信号出入力部16-2は、受信した150Gの信号を、ライン信号送受信部17-2に送る。ライン信号送受信部17-2は、150Gの信号を電気-光変換して、変換された信号をライン側に出力する。
次に、図2を用いて、伝送装置1が(150G×2)のライン信号を受信し、受信したライン信号を(100GE×3)のクライアント信号として転送する場合について説明する。
図2において、ライン信号送受信部17-1及び17-2で受信した(150G×2)の信号は、信号処理部10-1のライン側信号出入力部16-1及び信号処理部10-2のライン側信号出入力部16-2へ転送される。
信号処理部10-1において、ライン側信号出入力部16-1は、受信した150Gの信号を信号合流/分岐部13-1へ転送する。信号合流/分岐部13-1は、受信した150Gの信号を100Gの信号と50Gの信号に分岐する。そして、信号合流/分岐部13-1は、分岐した100Gの信号をデジタル信号処理部20-1へ転送し、50Gの信号を信号分岐/合流部14に転送する。
デジタル信号処理部20-1は、信号合流/分岐部13-1からの信号に対して、デジタル信号処理により信号等化等を行い、100Gトランスポートフレームの信号を復元する。復元された100Gトランスポートフレームの信号は、パラレル信号送受信部12-1へ転送される。パラレル信号送受信部12-1は、受信した100Gのトランスポートフレームの信号をフレーミング処理部19に転送する。
ライン信号送受信部17-2で受信した150G分の信号は、信号処理部10-2のライン側信号出入力部16-2へ転送される。ライン側信号出入力部16-2は、受信した150Gの信号を信号合流/分岐部13-2へ転送する。信号合流/分岐部13-2は、受信した150Gの信号を100Gの信号と50Gの信号に分岐する。そして、信号合流/分岐部13-2は、分岐した100Gの信号をデジタル信号処理部20-3へ転送し、分岐した50Gの信号を、チップ間信号送受信部15-2に転送する。
デジタル信号処理部20-3は、信号合流/分岐部13-2からの信号に対して、デジタル信号処理により信号等化等を行い、100Gのトランスポートフレームの信号を復元する。復元された100Gのトランスポートフレームの信号は、パラレル信号送受信部12-3へ転送される。パラレル信号送受信部12-3は、受信した100Gトランスポートフレームの信号をフレーミング処理部19に転送する。
一方、信号処理部10-2において、信号合流/分岐部13-2からチップ間信号送受信部15-2に転送された50Gの信号は、チップ間配線18を経由して、チップ間信号送受信部15-1に転送される。チップ間信号送受信部15-1は、チップ間配線18を経由して、信号合流/分岐部13-2から送られてきた50G分の信号を受信し、信号分岐/合流部14へ転送する。
信号分岐/合流部14は、信号合流/分岐部13-1から受信した50G分の信号と、チップ間信号送受信部15-1から受信した50G分の信号とを合流する。合流した100G分の信号は、デジタル信号処理部20-2へ転送される。デジタル信号処理部20-2は、信号分岐/合流部14からの信号に対して、デジタル信号処理により信号等化等を行い、100Gのトランスポートフレームを復元する。復元された100Gのトランスポートフレームの信号は、パラレル信号送受信部12-2へ転送される。パラレル信号送受信部12-2は、受信した100Gのトランスポートフレームの信号を、フレーミング処理部19に転送する。
フレーミング処理部19は、パラレル信号送受信部12-1、12-2から受信した(100G×2)の信号と、パラレル信号送受信部12-3から受信した100Gの信号から、(100GE×3)のクライアント信号を復元する。復元した(100GE×3)のクライアント信号は、それぞれ、クライアント信号送受信部11-1、11-2、11-3へ転送される。クライアント信号送受信部11-1、11-2、11-3は、100GE信号を伝送装置外へ出力する。
以上説明したように、本実施形態では、信号処理部10-1には、信号合流/分岐部13-1と、信号分岐/合流部14とが設けられ、また、信号処理部10-2には、信号合流/分岐部13-2が設けられる。そして、信号処理部10-1のチップ間信号送受信部15-1と信号処理部10-2のチップ間信号送受信部15-2との間に、チップ間配線18が設けられる。これにより、(100GE×3)のクライアント信号を、(150G×2)のライン信号として転送することができる。また、(150G×2)のライン信号を(100GE×3)のクライアント信号として転送することができる。
なお、上述の例では、フレーミング処理部19は、信号処理部10-1、10-2を構成するチップとは別に設けている。しかしながら、フレーミング処理部19に関する構成は上記の構成に限定されない。図3は、本発明の第1の実施形態に係る伝送装置の変形例の説明に用いる機能ブロック図である。図3に示すように、信号処理部10-1を構成するチップ内にフレーミング処理部19-1、19-2が設けられてもよい。この場合、信号処理部10-2を構成するチップ内にフレーミング処理部19-3が設けられてもよい。
また、上述の例では、(100GE×3)の信号に対して1つのフレーミング処理部19が設けられている。しかしながら、フレーミング処理部19に関する構成は上記の構成に限定されない。図4は、本発明の第1の実施形態に係る伝送装置の変形例の説明に用いる機能ブロック図である。図4に示すように、(100GE×3)の信号のそれぞれに対して、3個のフレーミング処理部19-4、19-5、19-6が設けられてもよい。
また、上述の例では、信号処理部10-1に2個のデジタル信号処理部20-1、20-2が設けられ、信号処理部10-2に1個のデジタル信号処理部20-3が設けられている。しかしながら、信号処理部10-1,10-2に関する構成は、上記の構成に限定されない。図5は、本発明の第1の実施形態に係る伝送装置の変形例の説明に用いる機能ブロック図である。図5に示されるような位置において、信号処理部10-1にデジタル信号処理部20-4、20-5が設けられてもよい。この場合、信号処理部10-2にデジタル信号処理部20-6、20-7が設けられてもよい。すなわち、デジタル信号処理部20-1~20-7は、信号合流/分岐部13-1、13-2、若しくは、信号分岐/合流部14の前段に配置されもよい。デジタル信号処理部20-1~20-7は、信号合流/分岐部13-1、13-2、若しくは、信号分岐/合流部14の後段に配置されもよい。デジタル信号処理部20-1~20-7は、信号合流/分岐部13-1、13-2、若しくは、信号分岐/合流部14の前段及び後段の双方に配置されもよい。なお、デジタル信号処理部20-4~20-7は、デジタル信号処理部20-1~20-3と同様に、伝送劣化の等化処理等のためにデジタル信号処理を行う。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る伝送装置の変形例の説明に用いる機能ブロック図である。図6に示すように、フレーミング処理部19を省略し、デジタル信号処理部20-1~20-3を省略した構成としても良い。また、信号分岐/合流部14の分岐比は、(5:5、3:7、2:8)等に、任意に設定できるようにしても良い。
ここで、背景技術で説明した伝送装置と本実施形態に係る伝送装置とを対比する。図7は、背景技術で説明した従来の伝送装置の構成を模式化したブロック図である。図8は、本実施形態に係る伝送装置の構成を模式化したブロック図である。
従来の伝送装置では、100Gのクライアント信号(例えば、100GEまたはOTU4)が、100G I/O(Input/Output)を介して信号処理部(チップ)に入力され、信号処理部でデジタル信号処理が行われた信号が例えばQPSKを用いた変調により100Gの信号に変換され、変換された信号がライン信号として出力される。このため、従来の伝送装置では、3つの100GEのクライアント信号に対してデジタル信号処理を行い、処理された信号を2つのスーパーチャネルで伝送することはできない。
これに対して、本実施形態の伝送装置では、100G×3のクライアント信号(例えば、100GE×3またはOTU4×3)が入力され、これらのうち、100G×2のクライアント信号が2つの100G I/O(クライアント信号送受信部に相当)を介して第1の信号処理部(チップ)に入力されるとともに、100Gのクライアント信号が1つの100G I/Oを介して第2の信号処理部(チップ)に入力される。第1の信号処理部および第2の信号処理部では、本実施形態で説明したデジタル信号処理等の処理が行われ、処理により得られた信号が例えば8QAMを用いた変調により100G×2のライン信号に変換され、変換された信号がライン信号として出力される。
本実施形態の伝送装置では、信号処理部内に分岐/合流部を設けることで、例えば、3つの100GEのクライアント信号に対して処理を行い、処理された信号を2つのスーパーチャネルで伝送すること(8QAM 2SC(サブキャリア)を用いた300G伝送)が可能となる。また、本実施形態の伝送装置は、BPSK(Binary Phase Shift Keying),QPSK,8QAM,16QAMの適応変復調に対応可能であって、BPSKおよびQPSKの場合には100Gのクライアント信号を収容することができ、8QAMの場合には100G+10G×5、100G+40G、100G+40G+10Gのクライアント信号を収容することができ、16QAMの場合には100G×2のクライアント信号を収容することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図9及び図14は、本発明の第2の実施形態に係る伝送装置201の構成を示す機能ブロック図である。図9は送信側の信号経路を示し、図14は受信側の信号経路を示す。図9及び図14に示す伝送装置201は、100GEのクライアント信号を(50G×2)のライン信号に分岐して信号の伝送を行うものである。この場合、ライン信号のビットレートはクライアント信号のビットレートよりも少ない例となる。
図9及び図14に示す伝送装置201は、クライアント信号送受信部211-1と、信号処理部210-1、210-2と、ライン信号送受信部217-1、217-2とを備えている。
信号処理部210-1、210-2はチップ化されて、伝送装置201を構成するラインカードに配設されている。また、本実施形態では、信号処理部210-1と、信号処理部210-2との間に、チップ間配線218が設けられる。
信号処理部210-1は、パラレル信号送受信部212-1と、フレーミング処理部219と、信号分岐/合流部213と、デジタル信号処理部220-1と、ライン側信号出入力部216-1と、チップ間信号送受信部215-1を備えている。
信号処理部210-2は、デジタル信号処理部220-2と、チップ間信号送受信部215-2と、ライン側信号出入力部216-2とを備えている。信号処理部210-1のチップ間信号送受信部215-1と、信号処理部210-2のチップ間信号送受信部215-2との間には、チップ間配線218が設けられる。
まず、図9を用いて、伝送装置201が100GEのクライアント信号を受信して、受信されたクライアント信号を(50G×2)のライン信号として転送する場合について説明する。
図9において、伝送装置201のクライアント信号送受信部211-1は、100GEのクライアント信号を受信し、このクライアント信号をパラレル信号送受信部212-1に転送する。パラレル信号送受信部212-1は、100GE信号をフレーミング処理部219に転送する。フレーミング処理部219は、受信したクライアント信号を、100Gのトランスポートフレームの信号に変換する。変換された100Gのトランスポートフレームの信号は、フレーミング処理部219から信号分岐/合流部213に転送される。
信号分岐/合流部213は、100Gのトランスポートフレームの信号を(1:1)で分岐する。そして、信号分岐/合流部213は、分岐された一方の50Gの信号をデジタル信号処理部220-1に転送し、他方の50Gの信号をチップ間信号送受信部215-1に転送する。
ここで、信号分岐/合流部213で、100Gのトランスポートフレームの信号を(1:1)で分岐する際に、信号分岐/合流部213は、フレーミング処理部219で構成された100Gトランスポートフレーム(112GのOTU4)の信号をブロックに分割する。
OTU4の信号をブロックに分割する際、OTU4フレームのサイズの約数の値であって、分配後の信号を参照して信号処理を行う機能部がOTU4フレームのフレーム構造の検出に必要とするオーバーヘッド要素のバイトのバイト数以上の値を分割するブロックのサイズとして選択する。例えば、OTU4フレームの場合、フレームサイズは、16320バイトである。16320の約数は1,2,3,4,5,6,8,10,12,15,16,17,20,・・・,4080,5440,8160,16320であり、これらの値がブロックサイズの候補となる。信号分岐/合流部213は,ブロックサイズとして選択した値に基づいてOTU4の信号をブロックに分割する。
図10A~図10Eは、フレームをブロックに分割する例を示している。図10Aが、1フレームを16320バイトブロックに分割した状態を示している(4080×4/16320=1ブロック)。図10Bが、1フレームを4080バイトブロックに分割した状態を示している(4080×4/4080=4ブロック)。図10Cが、1フレームを2040バイトブロックに分割した状態を示している(4080×4/2040=8ブロック)。図10Dが、1フレームを1020バイトブロックに分割した状態を示している(4080×4/1020=16ブロック)。図10Eが、1フレームを16バイトブロックに分割した状態を示している(4080×4/16=1020ブロック)。
デジタル信号処理部220-1は、入力された信号に対し、伝送劣化の等化処理等のための信号処理を行い、信号処理された信号をライン側信号出入力部216-1に転送する。ライン側信号出入力部216-1は、この信号をライン信号送受信部217-1に転送する。ライン信号送受信部217-1は、50Gの信号を電気-光変換して、変換された光信号を受信側へ送信する。
信号分岐/合流部213からチップ間信号送受信部215-1に入力された50Gの信号は、チップ間配線218を経由し、チップ間信号送受信部215-2へ転送される。チップ間信号送受信部215-2は、信号分岐/合流部213からチップ間信号送受信部215-1、チップ間配線218を経由して送られてきた50Gの信号を受信し、受信した信号をデジタル信号処理部220-2へ送る。
デジタル信号処理部220-2は、入力された信号に対し、伝送劣化の等化処理等のための信号処理を行い、信号処理された信号をライン側信号出入力部216-2に転送する。ライン側信号出入力部216-2は、この信号をライン信号送受信部217-2に転送する。ライン信号送受信部217-2は、50Gの信号を電気-光変換して、変換された光信号を受信側へ送信する。
図11は、100Gトランスポートフレーム(112G)を50Gトランスポートフレーム(56G)に分岐するときの処理の一例を示すものである。また、図12は、信号分岐/合流部213に入力される100Gトランスポートフレームを示している。
図11に示すように、100Gトランスポートフレーム(112G)及び50Gトランスポートフレーム(56G)は、4列(1バイト)×4080カラムである。1カラム~16カラムの16バイトにはOH(オーバーヘッド)が設定され、17カラム~3824カラムの3808バイトにペイロードが設定され、3825カラム~4080カラムの256バイトには、FEC(forward error correction:前方誤り訂正)の情報が設定される。100Gトランスポートフレーム、及び50Gトランスポートフレームでは、ペイロード中の3817バイト~3824バイトにFS(Fixed Stuff)が設定される。ここでは、簡単のため、ペイロードの17カラム~3816カラムが10Gの10種類のTS(Tributary slot)を含む例を示しており、ペイロード中の数字はTSの番号を示す。
図11に示す100Gトランスポートフレームのペイロードは、TS1~TS10の10種類のTSを含む。図11に示す50Gトランスポートフレームのペイロードに含まれる10種類のTSの半分をTS群A、残りの半分をTS群Bとする。50Gトランスポートフレーム(1)には、TS群A、TS群BのそれぞれにTS1~TS5の5種類のTSが含まれる。50Gトランスポートフレーム(2)には、TS群A、TS群BのそれぞれにTS6~TS10の5種類のTSが含まれる。なお、同図においては、ペイロード中にTS群AとTS群Bが交互に配置されているが、TS群AとTS群Bの配置はこれに限らず、例えば、TS群Aをペイロードの前半半分の領域、TS群Bをペイロードの後半半分の領域としてもよい。
100Gトランスポートフレーム(112G)を50Gトランスポートフレームに変換する処理を行う場合、2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(112G)から2フレームの50Gトランスポートフレーム(56G)を構成する処理が行われる。
まず、信号分岐/合流部213では、1フレーム目の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)の50G分のTSを抽出する。その後、信号分岐/合流部213は、抽出したTSを、50Gトランスポートフレーム(1)のペイロードの決められた位置にある半分のTS(TS群AのTS1~TS5)にマッピングする。また、信号分岐/合流部213は、1フレーム目の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS6~TS10)の50G分のTSを抽出する。その後、信号分岐/合流部213は、抽出したTSを、50Gトランスポートフレーム(2)のペイロードの決められた位置にある半分のTS(TS群AのTS6~TS10)にマッピングする。1フレーム目の半分のTSを用いるのは、100Gトランスポートフレーム(112G)から50Gトランスポートフレーム(56G)へ変更するためである。
さらに、信号分岐/合流部213では、2フレーム目の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)に設定されている50G分のTSを抽出する。その後、信号分岐/合流部213は、抽出したTSを、50Gトランスポートフレーム(1)のペイロードの決められた位置にある半分のTS(TS群BのTS1~TS5)にマッピングする。また、信号分岐/合流部213は、2フレーム目の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS6~TS10)に設定されている50G分のTSを抽出する。その後、信号分岐/合流部213は、抽出したTSを、50Gトランスポートフレーム(2)のペイロードの決められた位置にある半分のTS(TS群BのTS6~TS10)にマッピングする。
信号分岐/合流部213は、1フレーム目の100GトランスポートフレームのOHを50Gトランスポートフレーム(1)のOHに設定し、2フレーム目の100GトランスポートフレームのOHであるOH’を、50Gトランスポートフレーム(2)のOHに設定する。
上記のようにマッピングすることで、信号分岐/合流部213は、100Gトランスポートフレームから50Gトランスポートフレーム(1)、(2)を生成する。
図13は、100Gトランスポートフレーム(112G)を50Gトランスポートフレーム(56G)に分岐するときの処理の他の例を示している。この例が図11に示された例と異なる点は次の通りである。1フレーム目の100GトランスポートフレームのTS1~5(左上がりの斜線)の信号が、50Gトランスポートフレーム(1)における列1および列2のTS(左上がりの斜線)にコピーされ、2フレーム目の100GトランスポートフレームのTS1~5(縦線)の信号が、50Gトランスポートフレーム(1)の列3および列4のTS(縦線)にコピーされる。同様にして、1フレーム目の100GトランスポートフレームのTS6~10(右上がりの斜線)の信号が、50Gトランスポートフレーム(2)における列1および列2のTS(右上がりの斜線)にコピーされ、2フレーム目の100GトランスポートフレームのTS6~10(横線)の信号が、50Gトランスポートフレーム(2)の列3および列4のTS(横線)にコピーされる。
次に、図14を用いて、伝送装置201が(50G×2)のライン信号を受信して、受信されたライン信号を100GEのクライアント信号として転送する場合について説明する。
図14において、ライン信号送受信部217-1及び217-2で受信した(50G×2)の信号は、信号処理部210-1のライン側信号出入力部216-1及び信号処理部210-2のライン側信号出入力部216-2へ転送される。
信号処理部210-1において、ライン側信号出入力部216-1は、受信した50Gの信号をデジタル信号処理部220-1へ転送する。デジタル信号処理部220-1は、ライン側信号出入力部216-1からの信号に対して、デジタル信号処理により信号等化等を行い、50Gの信号を復元する。復元された50Gの信号は、信号分岐/合流部213へ転送される。
信号処理部210-2において、ライン側信号出入力部216-2は、受信した50Gの信号をデジタル信号処理部220-2へ転送する。デジタル信号処理部220-2は、ライン側信号出入力部216-2からの信号に対して、デジタル信号処理により信号等化等を行い、50G分の信号を復元する。復元された信号は、チップ間信号送受信部215-2へ転送される。
チップ間信号送受信部215-2からの50G分の信号は、チップ間配線218を経由して、チップ間信号送受信部215-1へ転送される。チップ間信号送受信部215-1は、この50G分の信号を受信し、受信した信号を信号分岐/合流部213へ送る。
信号分岐/合流部213は、デジタル信号処理部220-1から受信した50G分の信号と、チップ間信号送受信部215-1から受信した50G分の信号とを合流し、100Gのトランスポートフレームの信号を復元する。そして、信号分岐/合流部213は、この100Gのトランスポートフレームの信号をフレーミング処理部219に転送する。
フレーミング処理部219は、100Gのトランスポートフレームから100GEクライアント信号を復元し、100GEクライアント信号をパラレル信号送受信部212-1へ転送する。パラレル信号送受信部212-1は、この100GEクライアント信号をクライアント信号送受信部211-1へ転送する。クライアント信号送受信部211-1は、受信した100GEクライアント信号を伝送装置外へ出力する。
受信時には、信号分岐/合流部213では、分岐とは逆の変換を行い、2フレームの50Gトランスポートフレームから100Gトランスポートフレームを復元する。このときの信号分岐/合流部213での処理について説明する。
信号分岐/合流部213は、図11における1フレーム目の100Gトランスポートフレームを復元するために、受信した50Gトランスポートフレーム(1)のTS群AのTS1~TS5を、1フレーム目の100GトランスポートフレームのTS1~TS5にマッピングする。さらに、信号分岐/合流部213は、受信した50Gトランスポートフレーム(2)のTS群AのTS6~TS10を1フレーム目の100GトランスポートフレームのTS6~TS10にマッピングする。上記により、1フレーム目の100Gトランスポートフレームを復元する。
その後、2フレーム目の100Gトランスポートフレームを復元するために、信号分岐/合流部213は、受信した50Gトランスポートフレーム(1)のTS群BのTS1~TS5を、2フレーム目の100GトランスポートフレームのTS1~TS5にマッピングする。さらに、信号分岐/合流部213は、受信した50Gトランスポートフレーム(2)のTS群BのTS6~TS10を2フレーム目の100GトランスポートフレームのTS6~TS10にマッピングする。上記により、2フレーム目の100Gトランスポートフレームを復元する。信号分岐/合流部213は、復元した100Gトランスポートフレームを、フレーミング処理部219に転送する。
以上説明したように、本実施形態では、信号処理部210-1には、信号分岐/合流部213が設けられる。そして、信号処理部210-1のチップ間信号送受信部215-1と信号処理部210-2のチップ間信号送受信部215-2との間に、チップ間配線218が設けられる。これにより、100GEのクライアント信号を、(50G×2)のライン信号に分岐して転送することができる。また、(50G×2)のライン信号を100GEのクライアント信号として転送することができる。
なお、この実施形態では、フレーミング処理部219を、信号処理部210-1を構成するチップ内に設けているが、信号処理部210-1を構成するチップの外にフレーミング処理部219を設けるようにしても良い。また、クライアント信号がすでにトランスポートフレームの形式であった場合、フレーミング処理部219は省略できる。
また、この実施形態では、信号処理部210-1に1個のデジタル信号処理部220-1を設け、信号処理部210-2に1個のデジタル信号処理部220-2を設けているが、さらに、他の位置に、デジタル信号処理部を設けるようにしても良い。また、デジタル信号処理部220-1~220-2を省略する構成としても良い。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図15及び図16は、本発明の第3の実施形態に係る伝送装置301の構成を示す機能ブロック図である。図15は送信側の信号経路を示し、図16は受信側の信号経路を示す。図15に示す伝送装置301は、(100GE×4)のクライアント信号を(133G×3)のライン信号として伝送を行うものである。
伝送装置301は、クライアント信号送受信部311-1~311-4と、フレーミング処理部319-1~319-4と、信号処理部310-1~310-3と、ライン信号送受信部317-1~317-3とを備えている。
信号処理部310-1~310-3はチップ化されて、伝送装置301を構成するラインカードに配設されている。また、本実施形態では、信号処理部310-1と、信号処理部310-2との間に、チップ間配線318-1が設けられる。信号処理部310-1と、信号処理部310-3との間に、チップ間配線318-2が設けられる。
信号処理部310-1は、パラレル信号送受信部312-1、312-2と、信号合流/分岐部313-1と、信号分岐/合流部314と、デジタル信号処理部320-1と、ライン側信号出入力部316-1と、チップ間信号送受信部315-1を備えている。
信号処理部(チップ)310-2は、パラレル信号送受信部312-3と、信号合流/分岐部313-2と、デジタル信号処理部320-2と、ライン側信号出入力部316-2と、チップ間信号送受信部315-2を備えている。
信号処理部(チップ)310-3は、パラレル信号送受信部312-4と、信号合流/分岐部313-3と、デジタル信号処理部320-3と、ライン側信号出入力部316-3と、チップ間信号送受信部315-3を備えている。
信号処理部310-1のチップ間信号送受信部315-1と、信号処理部310-2のチップ間信号送受信部315-2との間には、チップ間配線318-1が設けられる。信号処理部310-1のチップ間信号送受信部315-1と、信号処理部310-3のチップ間信号送受信部315-3との間には、チップ間配線318-2が設けられる。
まず、図15を用いて、伝送装置301が、(100GE×4)のクライアント信号を受信して、受信したクライアント信号を(133G×3)のライン信号として転送する場合について説明する。
伝送装置301のクライアント信号送受信部311-1、311-2、311-3、311-4は、それぞれ、100GEのクライアント信号を受信し、受信されたクライアント信号をフレーミング処理部319-1、319-2、319-3、319-4に転送する。フレーミング処理部319-1、319-2、319-3、319-4は、それぞれ、100GEのクライアント信号を、100Gのトランスポートフレーム信号に変換する。
フレーミング処理部319-1、319-2からの信号は、信号処理部310-1のパラレル信号送受信部312-1、312-2に入力される。フレーミング処理部319-3からの信号は、信号処理部310-2のパラレル信号送受信部312-3に入力される。フレーミング処理部319-4からの信号は、信号処理部310-3のパラレル信号送受信部312-4に入力される。
信号処理部310-1において、パラレル信号送受信部312-1で受信した信号は、信号合流/分岐部313-1へ転送される。パラレル信号送受信部312-2で受信した信号は、信号分岐/合流部314へ転送される。
信号分岐/合流部314は、パラレル信号送受信部312-2から受信した100Gのトランスポートフレームの信号を、(1:1:1)に分岐する。そして、信号分岐/合流部314は、分岐された一つの33G信号を信号合流/分岐部313-1へ転送し、分岐された残りの二つの33Gの信号をチップ間信号送受信部315-1へ転送する。ここで分岐の比率は、ライン信号のビットレートに合わせ、任意の値でも良い。
信号合流/分岐部313-1は、パラレル信号送受信部312-1から受信した100Gのトランスポートフレームの信号と、信号分岐/合流部314から受信した33Gの信号とを合流し、合流した133Gの信号をデジタル信号処理部320-1へ転送する。デジタル信号処理部320-1は、受信した133Gの信号に対し、伝送劣化の等化処理等のために、信号処理を行い、信号処理された信号をライン側信号出入力部316-1へ転送する。
ライン側信号出入力部316-1では、受信した133Gの信号を、ライン信号送受信部317-1に送る。ライン信号送受信部317-1は、133Gの信号を電気-光変換して、変換された光信号をライン側に出力する。
信号処理部310-2において、パラレル信号送受信部312-3で受信した信号は、信号合流/分岐部313-2へ転送される。信号分岐/合流部314からチップ間信号送受信部315-1へ送られた2つの33G分の信号の内1つは、チップ間信号送受信部315-1からチップ間配線318-1を経由し、チップ間信号送受信部315-2へ転送される。チップ間信号送受信部315-2は、受信した33G分の信号を信号合流/分岐部313-2へ転送する。
信号合流/分岐部313-2は、パラレル信号送受信部312-3から受信した100Gのトランスポートフレームの信号と、チップ間信号送受信部315-2から受信した33Gの信号とを合流し、合流された133Gの信号をデジタル信号処理部320-2へ転送する。デジタル信号処理部320-2は、受信した133Gの信号に対し、伝送劣化の等化処理等のために、信号処理を行い、信号処理された信号をライン側信号出入力部316-2へ転送する。
ライン側信号出入力部316-2は、受信した133Gの信号を、ライン信号送受信部317-2に送る。ライン信号送受信部317-2は、受信した133Gの信号を電気-光変換して、変換された光信号をライン側に出力する。
信号処理部310-3において、パラレル信号送受信部312-4で受信した100Gの信号は、信号合流/分岐部313-3へ転送される。信号分岐/合流部314からチップ間信号送受信部315-1へ送られた2つの33G分の信号の内の残りの1つは、チップ間信号送受信部315-1からチップ間配線318-2を経由し、チップ間信号送受信部315-3へ転送される。チップ間信号送受信部315-3は、受信した33G分の信号を信号合流/分岐部313-3へ転送する。
信号合流/分岐部313-3は、パラレル信号送受信部312-4から受信した100Gのトランスポートフレームの信号と、チップ間信号送受信部315-3から受信した33G分の信号とを合流し、合流された133Gの信号をデジタル信号処理部320-3へ転送する。デジタル信号処理部320-3は、受信した133Gの信号に対し、伝送劣化の等化処理等のために、信号処理を行い、信号処理された信号をライン側信号出入力部316-3へ転送する。
ライン側信号出入力部316-3では、受信した133Gの信号を、ライン信号送受信部317-3に送る。ライン信号送受信部317-3は、受信した133Gの信号を電気-光変換して、変換された光信号をライン側に出力する。
次に、図16を用いて、伝送装置301が、(133G×3)のライン信号を受信して、受信されたライン信号を(100GE×4)のクライアント信号として転送する場合について説明する。
図16において、ライン信号送受信部317-1~317-3で受信した(133G×3)の信号は、ライン側信号出入力部316-1、ライン側信号出入力部316-2、ライン側信号出入力部316-3へ転送される。
信号処理部310-1において、ライン側信号出入力部316-1は、受信した133Gの信号をデジタル信号処理部320-1へ転送する。デジタル信号処理部320-1は、ライン側信号出入力部316-1からの信号に対して、デジタル信号処理により信号等化等を行う。信号等化等後の133Gの信号は、信号合流/分岐部313-1へ転送される。
信号合流/分岐部313-1は、受信した133Gの信号を100Gのトランスポートフレームの信号と33Gの信号に分岐する。そして、信号合流/分岐部313-1は、100Gのトランスポートフレームの信号をパラレル信号送受信部312-1へ転送し、33G分の信号を信号分岐/合流部314へ転送する。
信号処理部310-2において、ライン側信号出入力部316-2は、ライン信号送受信部317-2から受信した133Gの信号をデジタル信号処理部320-2へ転送する。デジタル信号処理部320-2は、ライン側信号出入力部316-2からの信号に対して、デジタル信号処理により信号等化等を行う。信号等化等後の133Gの信号は、信号合流/分岐部313-2へ転送される。
信号合流/分岐部313-2は、受信した133Gの信号を100Gのトランスポートフレームの信号と33Gの信号に分岐する。そして、信号合流/分岐部313-2は、分岐された100Gトランスポートフレームの信号をパラレル信号送受信部312-3へ転送し、また、33G分の信号を、チップ間信号送受信部315-2へ転送する。
チップ間信号送受信部315-2は、受信した33G分の信号を、チップ間配線318-1を経由して、チップ間信号送受信部315-1へ転送する。チップ間信号送受信部315-1は受信した33G分の信号を信号分岐/合流部314へ転送する。
信号処理部310-3において、ライン側信号出入力部316-3は、ライン信号送受信部317-3から受信した133Gの信号をデジタル信号処理部320-3へ転送する。デジタル信号処理部320-3では、デジタル信号処理により信号等化等を行う。
デジタル信号処理部320-3からの信号等化等後の133Gの信号は、信号合流/分岐部313-3へ転送される。信号合流/分岐部313-3は、受信した133Gの信号を100Gのトランスポートフレームの信号と33Gの信号に分岐する。そして、信号合流/分岐部313-3は、100Gのトランスポートフレームの信号をパラレル信号送受信部312-4へ転送し、また、33G分の信号を、チップ間信号送受信部315-3へ転送する。
チップ間信号送受信部315-3は、受信した33G分の信号を、チップ間配線318-2を経由して、チップ間信号送受信部315-1へ転送する。チップ間信号送受信部315-1は受信した33G分の信号を信号分岐/合流部314へ転送する。
信号分岐/合流部314は、信号合流/分岐部313-1から受信した33Gの信号と、チップ間信号送受信部315-1から受信した二つの33Gの信号を合流する。そして、信号分岐/合流部314は、100Gのトランスポートフレームの信号を復元し、復元された信号をパラレル信号送受信部312-2へ転送する。
パラレル信号送受信部312-1、312-2、312-3、312-4は、受信した100Gのトランスポートフレームの信号を、それぞれ、フレーミング処理部319-1、319-2、319-3、319-4に転送する。フレーミング処理部319-1、319-2、319-3、319-4は、それぞれ、100Gのトランスポートフレームの信号から100GEのクライアント信号を復元する。そして、フレーミング処理部319-1、319-2、319-3、319-4は、このクライアント信号をクライアント信号送受信部311-1、311-2、311-3、311-4へ転送する。クライアント信号送受信部311-1、311-2、311-3、311-4は、それぞれ受信した100GEクライアント信号を伝送装置外へ出力する。
以上説明したように、本実施形態では、信号処理部310-1には、信号合流/分岐部313-1と、信号分岐/合流部314とが設けられる。また、信号処理部310-2には、信号合流/分岐部313-2が設けられる。また、信号処理部310-3には、信号合流/分岐部313-3が設けられる。そして、信号処理部310-1のチップ間信号送受信部315-1と信号処理部310-2のチップ間信号送受信部315-2との間に、チップ間配線318-1が設けられる。また、信号処理部310-1のチップ間信号送受信部315-1と信号処理部310-3のチップ間信号送受信部315-3との間に、チップ間配線318-2が設けられる。これにより、(100GE×4)のクライアント信号を、(133G×3)のライン信号として転送することができる。また、(133G×3)のライン信号を(100GE×4)のクライアント信号として転送することができる。
なお、この実施形態では、フレーミング処理部319-1~319-4を、信号処理部310-1~310-3を構成するチップ外に設けているが、信号処理部310-1~310-3を構成するチップ内にフレーミング処理部319-1~319-4を設けるようにしても良い。また、クライアント信号がすでにトランスポートフレームの形式であった場合、フレーミング処理部319-1~319-4は省略できる。
また、この実施形態では、信号処理部310-1~310-3に、それぞれ、1個のデジタル信号処理部320-1~320-3を設けているが、さらに、他の位置に、デジタル信号処理部を設けるようにしても良い。また、デジタル信号処理部320-1~320-3を省略する構成としても良い。
<拡張例>
図17及び図18は、本発明の第1~第3の実施形態に係る伝送装置を一般例に拡張した構成を示す機能ブロック図である。
図17に示す構成は、各信号処理部510-1、510-2に対するライン信号側のチャネル数に対応するポートが1の場合の例である。この拡張例は、特に、信号処理部(チップ)から1チャネル分の信号が出力される例である。
図17に示すように、伝送装置501は、N個(N=5)のクライアント信号送受信部511-1~511-5と、L個(L=2)の信号処理部510-1及び510-2と、M個(M=2)のライン信号送受信部517-1、517-2とを備えている。
信号処理部510-1は、n個(n=3)のクライアント信号側送受信ポートと、m個(m=1)のライン信号側送受信ポートとを有している。信号処理部510-2は、n個(n=2)のクライアント信号側送受信ポートと、m個(m=1)のライン信号側送受信ポートとを有している。信号処理部510-1及び510-2は、チップ化されて、伝送装置501を構成するラインカードに配設されている。信号処理部510-1及び510-2には、チップ間信号送受信部515-1および515-2と、パラレル信号送受信部、フレーミング処理部、デジタル信号処理部、信号合流/分岐部、信号分岐/合流部、ライン側信号出入力部(図示省略)等が設けられる。また、信号処理部510-1のチップ間信号送受信部515-1と、信号処理部510-2のチップ間信号送受信部515-2との間には、チップ間配線518が設けられる。信号処理部510-2のチップ間信号送受信部515-1と、信号処理部510-2のチップ間信号送受信部515-2との間では、チップ間配線518を経由して、分岐された信号が送受信される。
クライアント信号送受信部511-1、511-2、511-3、511-4、511-5に100GEのクライアント信号が入力されたとする。この場合、信号処理部510-1、510-2内の信号分岐/合流部において、この信号が1:1の比率で分岐される。この場合、ライン信号送受信部517-1、517-2から出力される信号のビットレートは、
100G×5/2=250G
となる。信号処理部510-1、510-2のフレーミング処理部で、クライアント信号をトランスポートフレームにした場合は、250Gの信号に対し、トランスポートフレームのオーバーヘッド分だけ、ビットレートが上昇する。
図18は、本発明の第1~第3の実施形態に係る伝送装置の他の拡張例を示す機能ブロック図である。この拡張例は、特に、信号処理部(チップ)から複数チャネル分の信号が出力される例である。図17に示す構成は、各信号処理部510-1、510-2に対するライン信号側のポートが1である。これに対して、図18に示す構成は、各信号処理部610-1、610-2に対するライン信号側のポートが複数個(この例では2個)となっている。
図18に示すように、伝送装置601は、N個(N=5)のクライアント信号送受信部611-1~611-5と、L個(L=2)の信号処理部610-1及び610-2と、M個(M=4)のライン信号送受信部617-1~617-4とを備えている。
信号処理部610-1は、n個(n=3)のクライアント信号側送受信ポートと、m個(m=2)のライン信号側送受信ポートとを有している。信号処理部(チップ)610-2は、n個(n=2)のクライアント信号側送受信ポートと、m個(m=2)のライン信号側送受信ポートとを有している。信号処理部610-1及び610-2は、チップ化されて、伝送装置601を構成するラインカードに配設されている。信号処理部610-1及び610-2には、チップ間信号送受信部615-1および615-2と、パラレル信号送受信部、フレーミング処理部、デジタル信号処理部、信号合流/分岐部、信号分岐/合流部、ライン側信号出入力部(図示省略)等が設けられる。また、信号処理部610-1のチップ間信号送受信部615-1と、信号処理部610-2のチップ間信号送受信部615-2との間には、チップ間配線618が設けられる。信号処理部610-1のチップ間信号送受信部615-1と、信号処理部610-2のチップ間信号送受信部615-2との間では、チップ間配線618を経由して、分岐された信号が送受信される。
クライアント信号送受信部611-1、611-2、611-3、611-4、611-5に100GEのクライアント信号が入力されたとする。この場合、信号処理部610-1、610-2内の信号分岐/合流部において、1:1の比率で信号が分岐される。この場合、ライン信号送受信部617-1~617-4から出力される信号のビットレートは、
100G×5/4=125G
となる。信号処理部(チップ)610-1、610-2のフレーミング処理部で、クライアント信号をトランスポートフレームにした場合は、125Gの信号に対し、トランスポートフレームのオーバーヘッド分だけ、ビットレートが上昇する。
<第1の応用例>
本発明の第1~第3の実施形態に係る伝送装置は、クライアント信号を分岐して伝送する際に、広く用いることができる。図19は、本発明の第1~第3の実施形態に係る信号分岐/合流部を適用できるマルチキャリア光伝送システムの概要を示すものである。
図19に示すように、マルチキャリア光伝送システム701は、送信装置710と、受信装置720と、送信装置710と受信装置720を接続する光伝送路740とを備える。
送信装置710において、クライアント信号受信部711は、送信装置710に接続された外部の装置から100GEやOTU4などのクライアント信号を受信する。また、クライアント信号受信部711は、受信したクライアント信号が、OTU4フレームの場合、受信したクライアント信号をそのまま出力し、受信したクライアント信号が100GEの場合、受信したクライアント信号をOTU4フレームにマッピングして、マッピング後のOTU4フレームを出力する。
第一の分配部712は、クライアント信号受信部711が出力するOTU4フレームの信号をブロックに分割する。ここで、第一の分配部712は、信号をブロックに分割する際、OTU4フレームのサイズの約数の値であって、分配後の信号を参照して信号処理を行う機能部がOTU4フレームのフレーム構造の検出に必要とするオーバーヘッド要素のバイトのバイト数以上の値を分割するブロックのサイズとして選択する。例えば、OTU4フレームの場合、フレームサイズは、16320バイトである。16320の約数は1,2,3,4,5,6,8,10,12,15,16,17,20,・・・,4080,5440,8160,16320であり、これらの値がブロックサイズの候補となる。誤り訂正符号化部713a及び713bは、第一の分配部712によって分配されたそれぞれの信号に対して誤り訂正符号を付加する。
第二の分配部716a及び716bは、誤り訂正符号化部713a及び713bのそれぞれによって誤り訂正符号が付加された信号をX偏波とY偏波に対応するように2つに分配する。また、第二の分配部716a及び716bは、第一の分配部712と同様に、誤り訂正符号化部713a及び713bが出力する信号のフレームサイズと、分配後の信号を参照して信号処理を行う機能部の処理が要求するフレーム構造を検出するのに必要なオーバーヘッド要素のバイト数とに基づいて信号の分配を行う。例えば、第二の分配部716a及び716bに接続されているデジタル変調部・送信部・合波部719に含まれるデジタル変調部によるデジタル変調の処理において、フレーム構造を検出した上で、伝送路の波長分散などを推定するためのトレーニングシーケンスを付加する場合がある。
デジタル変調部・送信部・合波部719において、デジタル変調部は、第二の分配部716a及び716bによって分配されたX偏波、Y偏波の各々の信号に対して2SC-DP-BPSK方式による変調を行って信号を多重し、送信部は、変調された信号を送信し、合波部は、変調された信号を波長多重して伝送信号を生成し、伝送信号を出力する。出力された伝送信号は、光伝送路740を通じて長距離伝送される。
受信装置720の分波部・受信部・デジタル復調部729においては、分波部が、光信号(伝送信号)をサブキャリア毎に分けた後、サブキャリア毎に分けられた信号をX偏波およびY偏波に分波し、受信部が分波された信号を読み出し、デジタル復調部が読み出された信号に対して復調を行うことにより、分波されたX偏波、Y偏波に対応する信号を出力する。第二の結合部726a及び726bは、それぞれX偏波とY偏波の2つの信号のブロックからFAS(Frame Alignment Signal)バイトを検出する。また、第二の結合部726a及び726bは、検出したFASバイトを用いて2つの信号のブロックに対してリオーダおよびデスキューを行って元の信号を再生し、再生された信号を出力する。誤り訂正復号部723a及び723bは、第二の結合部726a及び726bのそれぞれから出力された信号に対して誤り訂正処理を行う。
第一の結合部722は、誤り訂正復号部723a及び723bから出力された2つの信号のブロックからFASバイトを検出する。また、第一の結合部722は、検出したFASバイトを用いて2つの信号のブロックに対してリオーダおよびデスキューを行って元のOTU4のフレーム構造の信号を再生し、再生された信号を出力する。クライアント信号送信部721は、第一の結合部722が出力するOTU4のフレームの信号をそのまま出力し、または、OTU4のフレームの信号を100GEの信号に変換して変換された信号を出力する。
本発明の第1~第3の実施形態に係る信号分岐/合流部は、このようなマルチキャリア光伝送システムにおいて、第一の分配部712で、OTU4フレームの信号をブロックに分割する場合や、第一の結合部722で、分割されたブロックをOTU4フレームの信号に結合する場合に用いることができる。
<第2の応用例>
図20は、ライン信号のビットレートが可変の場合でも転送を可能とした光通信システムのトランスポンダの構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、トランスポンダ801は、クライアント信号送受信部811、フレーミング処理部812、デジタル信号処理部813、及びライン信号送受信部814を備えて構成される。フレーミング処理部812はOTU4フレーマ(OTU4 Framer)を具備し、デジタル信号処理部813はデジタルコヒーレント信号処理LSI(Large Scale Integration)(DSP-LSI(Digital Signal Processing LSI))を具備する。
クライアント信号送受信部811は、クライアント信号を送受信する。ライン信号送受信部814は、対向のトランスポンダ801との間でネットワークを介してライン信号を送受信する。フレーミング処理部812は、クライアント信号をトランスポートフレームにマッピングする。フレーミング処理部812は、マッピング部921、ダミー信号挿入部922、オーバーヘッド付加部923、パラレル信号送信部924、パラレル信号受信部925、オーバーヘッド抽出部926、ダミー信号抜去部927、及びデマッピング部928を備えて構成される。デジタル信号処理部813は、光伝送路での劣化に対して信号の等化処理等を行う。デジタル信号処理部813は、パラレル信号受信部931、送信側レート変換部932、誤り訂正符号化部933、デジタル信号送信処理部934、デジタル信号受信処理部935、誤り訂正復号化部936、受信側レート変換部937、及びパラレル信号送信部938を備えて構成される。
10GE×5(約52G)のクライアント信号がトランスポンダ801に入力されたとする。トランスポンダ801のクライアント信号送受信部811は、クライアント信号をフレーミング処理部812に送信する。フレーミング処理部812のマッピング部921は、OTU4フレーマ-DSP間のインタフェース(OTL4.10)がOTU4対応の112Gであるため、OTU4相当のトランスポートフレームである100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする。ダミー信号挿入部922は、マッピング部921から出力される信号にFS等のダミー信号を挿入する。
オーバーヘッド付加部923は、ダミー信号挿入部922から出力されたデータにOTNのOHを付加し、OHが付加されたデータをOTU4に対応したトランスポートフレームとしてパラレル信号送信部924に送る。パラレル信号送信部924は、オーバーヘッド付加部923から出力されたトランスポートフレームを、OTL(Optical channel Transport Lane)4.10インタフェースによりDSPのデジタル信号処理部813へパラレルに送る。DSPのパラレル信号受信部931は、フレーマ(フレーミング処理部812)から受信したOTU4のトランスポートフレームを復元し、復元されたトランスポートフレームを送信側レート変換部932に送る。
送信側レート変換部932は、パラレル信号受信部931が復元したOTU4のトランスポートフレームから、OTU4フレーマ(フレーミング処理部812)で挿入したFS等のダミー信号を抜去し、50Gトランスポートフレーム(56G)を生成する。
送信側レート変換部932は、生成した50Gトランスポートフレームを誤り訂正符号化部933に出力する。誤り訂正符号化部933は、50Gトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加された50Gトランスポートフレームをデジタル信号送信処理部934に送信する。
デジタル信号送信処理部934は、50Gトランスポートフレームに対して長距離伝送のための光デジタルコヒーレント処理を行い、処理された50Gトランスポートフレームをライン信号送受信部814に送信する。ライン信号送受信部814は、デジタル信号処理部813から出力された50GトランスポートフレームのデータをE/O変換し、変換された光信号のデータをライン信号としてネットワークへ送信する。送信されたデータは、対向のトランスポンダ801のライン信号送受信部814が受信する。
対向のトランスポンダ801のライン信号送受信部814は、受信したデータをO/E(Optic/Electric)変換した後、変換により得られた電気信号をDSP(デジタル信号処理部813)へ出力する。
デジタル信号処理部813のデジタル信号受信処理部935は、受信したデータに信号等化を行い、50Gトランスポートフレームを出力する。
誤り訂正復号化部936は、デジタル信号受信処理部935から出力された50Gトランスポートフレームに誤り訂正処理を行う。誤り訂正復号化部936は誤り訂正処理が行われた50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部937へ送信する。
受信側レート変換部937は、送信側レート変換部932と逆の変換を行い、誤り訂正復号化部936が出力した50Gトランスポートフレーム(56G)から100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を生成する。
受信側レート変換部937は、復元した2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をパラレル信号送信部938に送る。パラレル信号送信部938は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、DSPとOTU4フレーマ間のOTL4.10インタフェースによりOTU4フレーマ(フレーミング処理部812)へパラレルに送る。
OTU4フレーマのパラレル信号受信部925は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を復元し、復元された100Gトランスポートフレームをオーバーヘッド抽出部926へ送る。オーバーヘッド抽出部926は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)に対して誤り監視等のオーバーヘッドに関する処理を行った後、処理後の100Gトランスポートフレームをダミー信号抜去部927へ送る。
ダミー信号抜去部927は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)のペイロード内の決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS6~TS10)から、ダミー信号を抜去する。ダミー信号抜去部927は、ダミー信号を抜去した100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をデマッピング部928へ送る。
デマッピング部928は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)からクライアント信号を抽出する。デマッピング部928は、抽出された10GE×5のクライアント信号をクライアント信号送受信部811へ送る。クライアント信号送受信部811は、フレーマ(フレーミング処理部812)から受信したクライアント信号を出力する。
本発明の第1~第3の実施形態に係る信号分岐/合流部は、このようなシステムにおいて、送信側レート変換部932で、100GのOTU4のトランスポートフレームから、50Gトランスポートフレームを生成する場合や、受信側レート変換部937で、50Gトランスポートフレームから100Gトランスポートフレームを生成する場合に用いることができる。
次に、以下に示す本発明の第4~第11の実施形態では、図20に示した第2の応用例についてさらに詳しく説明する。
図21は、第4~第11の実施形態の概要を示す図である。これら実施形態の通信システムは、信号の送信側のトランスポンダ1001と受信側のトランスポンダ1001とをネットワークにより接続して構成される。フレームレート変換装置である送信側及び受信側のトランスポンダ1001は同一の構成であり、フレーミング処理部1012を有するフレーマ(Framer)とデジタル信号処理部1013を有するDSPとを備える。フレーマ-DSP間のインタフェースには、例えば、OTL4.10が用いられる。同図では、送信側のトランスポンダ1001の処理概要を示している。
第4~第11の実施形態では、同図に示すように、送信側のトランスポンダ1001のフレーマにおいて、フレーミング処理部1012がフレーマ-DSP間のインタフェースのビットレート(第3の転送レート)と等しいトランスポートフレームを構成する。このようなトランスポートフレームを構成することにより、フレーマからDSPへの信号転送を可能とする。トランスポートフレームを構成する際、フレーミング処理部1012のダミー信号挿入部1122は、フレーマ-DSP間のトランスポートフレームのペイロードのTSにダミー信号を挿入する。このダミー信号の挿入により、トランスポートフレームのペイロードのビットレート(例えば、OPU(Optical channel Payload Unit)4では約104G)と、クライアント信号のビットレートBc(例えば、10GE×5:約52G、第1の転送レート)を一致させる。このように、ダミー信号挿入部1122は、フレーマ-DSP間の転送レートによる転送のために不足しているデータ量のダミー信号を挿入する。なお、Gはギガビットを示す。
送信側のトランスポンダのDSPにおいて、デジタル信号処理部1013の送信側レート変換部1132は、フレーマから受信したトランスポートフレームのペイロードからダミー信号を抜去し、ライン信号のビットレートBl(第2の転送レート)に応じたトランスポートフレームを作成する。これにより、ライン信号のビットレートBlが可変の場合でも転送を可能とする。
受信側のトランスポンダ1001のDSPにおいて、デジタル信号処理部1013は、送信側のトランスポンダ1001から受信したライン信号をフレーマ-DSP間のトランスポートフレームのペイロードに設定する際、ダミー信号を挿入する。このダミー信号の挿入により、ライン信号のビットレートBlに応じたトランスポートフレームから、フレーマ-DSP間のインタフェースのビットレートと等しいトランスポートフレームを復元する。受信側のトランスポンダ1001のフレーマにおいて、フレーミング処理部1012は、DSPから受信したダミー信号を設定したトランスポートフレームからダミー信号を抜去してクライアント信号を復元し、復元されたクライアント信号を出力する。
<第4の実施形態>
図22は、本発明の第4の実施形態によるトランスポンダ1001の構成を示す機能ブロック図である。トランスポンダ1001の構成は、基本的には、図20に示したトランスポンダ801の構成と同様である。図22に示すように、トランスポンダ1001は、クライアント信号送受信部1011、フレーミング処理部1012、デジタル信号処理部1013、及びライン信号送受信部1014を備えて構成される。本実施形態では、フレーミング処理部1012が、OTU4フレーマに具備され、デジタル信号処理部1013がデジタルコヒーレント信号処理LSI(DSP)に具備されるものとする。
クライアント信号送受信部1011は、クライアント信号を送受信する。ライン信号送受信部1014は、対向のトランスポンダ1001との間でネットワークを介してライン信号を送受信する。
フレーミング処理部1012は、クライアント信号をトランスポートフレームにマッピングする。フレーミング処理部1012は、マッピング部1121、ダミー信号挿入部1122、オーバーヘッド付加部1123、パラレル信号送信部1124、パラレル信号受信部1125、オーバーヘッド抽出部1126、ダミー信号抜去部1127、及びデマッピング部1128を備えて構成される。
マッピング部1121は、クライアント信号送受信部1011から送られてきたクライアント信号を、フレーマ-DSP間のインタフェースに対応したトランスポートフレームにマッピングし、マッピングにより得られたトランスポートフレームをダミー信号挿入部1122に出力する。ダミー信号挿入部1122は、マッピング部1121から出力されたトランスポートフレームにダミー信号を挿入し、ダミー信号が挿入されたトランスポートフレームをオーバーヘッド付加部1123に出力する。オーバーヘッド付加部1123は、ダミー信号挿入部1122によりダミー信号が挿入されたトランスポートフレームにオーバーヘッド情報を付加し、オーバーヘッド情報が付加されたトランスポートフレームをパラレル信号送信部1124に出力する。パラレル信号送信部1124は、オーバーヘッド付加部1123によりオーバーヘッドが付加されたトランスポートフレームを、フレーマ-DSP間のインタフェースによってパラレルに、フレーミング処理部1012からデジタル信号処理部1013へ転送する。
パラレル信号受信部1125は、フレーマ-DSP間インタフェースによりデジタル信号処理部1013からパラレルに転送されてきた信号をトランスポートフレームに設定し、当該信号が設定されたトランスポートフレームをオーバーヘッド抽出部1126に出力する。オーバーヘッド抽出部1126は、パラレル信号受信部1125から出力されたトランスポートフレームのオーバーヘッドを抽出し、オーバーヘッドに関する処理を行う。ダミー信号抜去部1127は、オーバーヘッド抽出部1126から出力されたトランスポートフレームからダミー信号を抜去し、ダミー信号が抜去されたトランスポートフレームをデマッピング部1128に出力する。デマッピング部1128は、ダミー信号抜去部1127によりダミー信号が抜去されたトランスポートフレームからクライアント信号を復元し、復元されたクライアント信号をクライアント信号送受信部1011へ出力する。
デジタル信号処理部1013は、光伝送路での劣化に対して信号の等化処理等を行う。デジタル信号処理部1013は、パラレル信号受信部1131、送信側レート変換部1132、誤り訂正符号化部1133、デジタル信号送信処理部1134、デジタル信号受信処理部1135、誤り訂正復号化部1136、受信側レート変換部1137、及びパラレル信号送信部1138を備えて構成される。
パラレル信号受信部1131は、フレーマ-DSP間インタフェースによりフレーミング処理部1012からパラレルに送られてきた信号からトランスポートフレームを復元し、復元したトランスポートフレームを送信側レート変換部1132に出力する。送信側レート変換部1132は、パラレル信号受信部1131により復元されたトランスポートフレームからダミー信号を抜去してライン側のレートに合わせたトランスポートフレームを構成し、構成されたトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1133に出力する。誤り訂正符号化部1133は、送信側レート変換部1132が出力したトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加されたトランスポートフレームをデジタル信号送信処理部1134に出力する。デジタル信号送信処理部1134は、誤り訂正符号化部1133から出力されたトランスポートフレームに対して信号等化に向けた処理を行い、処理されたトランスポートフレームをライン信号送受信部1014へ出力する。
デジタル信号受信処理部1135は、ライン信号送受信部1014から転送されてきた信号に対し、信号等化処理を行った結果得られたトランスポートフレームを誤り訂正復号化部1136に出力する。誤り訂正復号化部1136は、デジタル信号受信処理部1135から出力されたトランスポートフレームに対し誤り訂正復号化を行って得られたトランスポートフレームを受信側レート変換部1137に出力する。受信側レート変換部1137は、誤り訂正復号化部1136により誤り訂正復号化されたトランスポートフレームから、フレーミング処理部1012へ転送可能なように、フレーマ-DSP間のインタフェースに対応したトランスポートフレームを構成し、構成されたトランスポートフレームをパラレル信号送信部1138に出力する。パラレル信号送信部1138は、受信側レート変換部1137から出力されたトランスポートフレームを、フレーマ-DSP間のインタフェースによってフレーミング処理部1012へパラレルに転送する。
第4の実施形態では、クライアント信号のビットレートが52Gであり、OTU4フレーマとDSPの間のインタフェースに112GのOTU4対応のOTL4.10が適用され、ライン信号のビットレートが56Gである場合の転送を行う例を示す。
10GE×5(約52G)のクライアント信号がトランスポンダ1001に入力されたとする。トランスポンダ1001のクライアント信号送受信部1011は、クライアント信号をフレーミング処理部1012に送信する。フレーミング処理部1012のマッピング部1121は、OTU4フレーマ-DSP間のインタフェース(OTL4.10)がOTU4対応の112Gであるため、OTU4相当のトランスポートフレームである100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする。
図23Aは、100Gトランスポートフレームのフレーム構成を示す図であり、図23Bは、50Gトランスポートフレームのフレーム構成を示す図である。100Gトランスポートフレームは、100G系列のインタフェースに使用するトランスポートフレームであり、50Gトランスポートフレームは、50G系列のインタフェースに使用するトランスポートフレームである。以下では、例えば、100Gトランスポートフレームで112Gを転送する場合、100Gトランスポートフレーム(112G)のように記載する。
図23Aおよび図23Bに示すように、100Gトランスポートフレーム及び50Gトランスポートフレームは、4列(1バイト)×4080カラムである。1カラム~16カラムの16バイトにはOH(オーバーヘッド)が設定され、17カラム~3824カラムの3808バイトにペイロードが設定され、3825~4080カラムの256バイトにはFECの情報が設定される。100Gトランスポートフレーム、及び50Gトランスポートフレームでは、ペイロード中の3817バイト~3824バイトにFSが設定される。ここでは、簡単のため、ペイロードの17カラム~3816カラムが10Gの10種類のTSを含む例を示しており、ペイロード中の数字はTSの番号を示す。図23Aに示す100Gトランスポートフレームのペイロードは、TS1~TS10の10種類のTSを含む。図23Bに示す50Gトランスポートフレームのペイロードに含まれる10種類のTSの半分をTS群A、残りの半分をTS群Bとする。TS群A、TS群BのそれぞれにTS1~TS5の5種類のTSが含まれる。なお、同図においては、ペイロード中にTS群AとTS群Bが交互に配置されているが、TS群AとTS群の配置はこれに限らず、例えば、TS群Aをペイロードの前半半分の領域、TS群Bをペイロードの後半半分の領域としてもよい。
OTU4フレーマのマッピング部1121は、OTU4相当の100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする際、ペイロード中の決められた位置にある50G分のTS(例えば、図23Aの100Gトランスポートフレームの17カラム~3816カラム中のTS1~TS5)に、クライアント信号をマッピングする。ダミー信号挿入部1122は、100Gトランスポートフレームにおける残りの50G分のTS(例えば、図23Aの17カラム~3816カラム中のTS6~TS10)に、FS等のダミー信号を設定する。上記のように設定することで、100G系列のOTL4.10インタフェースで転送可能な100Gトランスポートフレーム(OTU4)の形式を取りながら、50G分のデータを送信するトランスポートフレームを生成することができる。
オーバーヘッド付加部1123は、ダミー信号挿入部1122からOTU4に対応したトランスポートフレームにより出力されたデータにOHを付加して、OHが付加されたデータをパラレル信号送信部1124に送る。パラレル信号送信部1124は、オーバーヘッド付加部1123から出力されたトランスポートフレームを、OTL4.10インタフェースによりDSPのデジタル信号処理部1013へパラレルに送る。DSPのパラレル信号受信部1131は、フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したOTU4のトランスポートフレームを復元し、復元されたトランスポートフレームを送信側レート変換部1132に送る。
ライン信号のビットレートは50G分(56G)であるため、OTU4の形式のままでは転送できない。そこで、送信側レート変換部1132は、パラレル信号受信部1131が復元したOTU4のトランスポートフレームから、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)で挿入したFS等のダミー信号を抜去し、50Gトランスポートフレーム(56G)を生成する。
図24は、送信側レート変換部1132によるトランスポートフレームの変換処理の概要を示す図である。1フレーム目の100Gトランスポートフレームは、時刻T0から時刻T0+1.168μs(マイクロ秒)までの信号に対応し、続く2フレーム目の100Gトランスポートフレームは、時刻T0+1.168μsから時刻T0+2×1.168μsまでの信号に対応する。一方、50G系列の信号に使用するトランスポートフレームである50Gトランスポートフレームは、1フレームで時刻T0から時刻T0+2×1.168μsまでの信号に対応する。送信側レート変換部1132は、OTU4の2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(112G)それぞれにおけるペイロード中の決められた位置にある50G分のTS(5/10のTS)からクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの決められた位置に設定する。
図25は、送信側レート変換部1132が100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を50Gトランスポートフレームに変換する処理を示す図であり、図24の詳細を示す。なお、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)における網掛けのTSは、ダミー信号が設定されていることを示す。送信側レート変換部1132は、2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(112G)から1フレームの50Gトランスポートフレーム(56G)を構成する。そこで、送信側レート変換部1132は、1フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)の50G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの決められた位置にある半分のTS(TS群AのTS1~TS5)にマッピングする。半分のTSを用いるのは、100Gトランスポートフレーム(112G)から50Gトランスポートフレーム(56G)へ変更するためである。
さらに、送信側レート変換部1132は、2フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)に設定されている50G分のTSを取り出し、取り出したTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの残った半分のTS(TS群BのTS1~TS5)にマッピングする。
送信側レート変換部1132は、1フレーム目のOTU4のOHを、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHに設定し、2フレーム目のOTU4のOHであるOH’は削除する。
上記のようにマッピングすることで、送信側レート変換部1132は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から50Gトランスポートフレーム(56G)を生成する。
送信側レート変換部1132は、生成した50Gトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1133に出力する。誤り訂正符号化部1133は、50Gトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加されたトランスポートフレームをデジタル信号送信処理部1134に送信する。なお、誤り訂正符号化部1133は無くてもよい。
デジタル信号送信処理部1134は、50Gトランスポートフレームに対して長距離伝送のための光デジタルコヒーレント処理を行い、処理された50Gトランスポートフレームをライン信号送受信部1014に送信する。なお、デジタル信号送信処理部1134は無くてもよい。
ライン信号送受信部1014は、デジタル信号処理部1013から出力された50GトランスポートフレームのデータをE/O変換し、変換により得られた光信号をライン信号としてネットワークへ送信する。送信されたデータは、対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014が受信する。
対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014は、受信したデータをO/E変換した後、変換により得られた電気信号をDSP(デジタル信号処理部1013)へ出力する。デジタル信号処理部1013のデジタル信号受信処理部1135は、受信したデータに信号等化を行い、50Gトランスポートフレームを出力する。誤り訂正復号化部1136は、デジタル信号受信処理部1135から出力された50Gトランスポートフレームに誤り訂正処理を行う。誤り訂正復号化部1136は誤り訂正処理が行われた50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137へ送信する。
受信側レート変換部1137は、送信側レート変換部1132と逆の変換を行い、誤り訂正復号化部1136が出力した50Gトランスポートフレーム(56G)から100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を生成する。具体的には、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の半分のTS(TS群AのTS1~TS5)を、1フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、100Gトランスポートフレームのペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
さらに、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の残り半分のTS(TS群BのTS1~TS5)を、2フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100Gトランスポートフレームにも1フレーム目と同様に、ペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
受信側レート変換部1137は、1フレーム目の100GトランスポートフレームにおけるOTU4のOHに、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHをそのままコピーする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100GトランスポートフレームにおけるOTU4のOHに、50GトランスポートフレームのOHをそのままコピーしてもよいし、他のデータを挿入してもよい。
上記のように100Gトランスポートフレームを構成することで、1つの50Gトランスポートフレームから2つの100Gトランスポートフレーム(OTU4)を復元する。
受信側レート変換部1137は、復元した2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をパラレル信号送信部1138に送る。パラレル信号送信部1138は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、DSPとOTU4フレーマ間のOTL4.10インタフェースによりOTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)へパラレルに送る。
OTU4フレーマのパラレル信号受信部1125は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を復元し、復元された100Gトランスポートフレームをオーバーヘッド抽出部1126へ送る。オーバーヘッド抽出部1126は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)に対して誤り監視等のオーバーヘッドに関する処理を行った後、処理された100Gトランスポートフレームをダミー信号抜去部1127へ送る。ダミー信号抜去部1127は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)のペイロード内の決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS6~TS10)から、ダミー信号を抜去する。ダミー信号抜去部1127は、ダミー信号を抜去した100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をデマッピング部1128へ送る。デマッピング部1128は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)からクライアント信号を抽出する。なお、ダミー信号を抜去せずに、デマッピング部1128が、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から直接クライアント信号を復元してもよい。デマッピング部1128は、抽出された10GE×5のクライアント信号をクライアント信号送受信部1011へ送る。クライアント信号送受信部1011は、フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したクライアント信号を出力する。
本実施形態によれば、送信側のトランスポンダ1001においてトランスポンダ1001間で転送する50Gトランスポートフレームを作成するときに、フレーマ-DSP間の転送に用いた2つのOTU4のトランスポートフレームのうち、片方のOH情報のみを利用し、もう片方のOHは削除する。よって、本実施形態は、片方のOHを転送しなくても良い場合に適している。
<第5の実施形態>
第5の実施形態と第4の実施形態との差分は、2フレーム目のOTU4のOHの転送方法である。本実施形態では、トランスポンダ間で転送するトランスポートフレームのペイロード内のFS(固定パターン設定領域)によって2フレーム目のOTU4のOHの一部を転送する。以下では、第4の実施形態との差分を中心に説明する。
本実施形態のトランスポンダは、図22に示す第4の実施形態のトランスポンダ1001と同様の構成である。本実施形態では、フレーミング処理部1012が、OTU4フレーマに具備され、デジタル信号処理部1013がデジタルコヒーレント信号処理LSI(DSP)に具備されるものとする。本実施形態では、クライアント信号のビットレートが52Gであり、OTU4フレーマとDSPの間のインタフェースに112GのOTU4対応のOTL4.10が適用され、ライン信号のビットレートが56Gである場合の転送を行う例を示す。
10GE×5(約52G)のクライアント信号がトランスポンダ1001に入力されてから、DSPのパラレル信号受信部1131が送信側レート変換部1132に復元したOTU4のフレームを出力するまでの処理は、第4の実施形態と同様である。
すなわち、トランスポンダ1001のクライアント信号送受信部1011は、クライアント信号をフレーミング処理部1012に送信する。フレーミング処理部1012のマッピング部1121は、OTU4フレーマ-DSP間のインタフェース(OTL4.10)がOTU4対応の112Gであるため、クライアント信号をOTU4相当の100Gトランスポートフレームにマッピングする。
OTU4フレーマのマッピング部1121は、OTU4相当の100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする際、ペイロード中の決められた位置にある50G分のTS(例えば、図23Aの100Gトランスポートフレームの17カラム~3816カラム中のTS1~TS5)に、クライアント信号をマッピングする。ダミー信号挿入部1122は、100Gトランスポートフレームにおける残りの50G分のTS(例えば、図23Aの17カラム~3816カラム中のTS6~TS10)に、FS等のダミー信号を設定し、ダミー信号が設定された100Gトランスポートフレームをオーバーヘッド付加部1123に出力する。
オーバーヘッド付加部1123は、ダミー信号挿入部1122からOTU4に対応したトランスポートフレームにより出力されたデータにOHを付加して、OHが付加されたデータをパラレル信号送信部1124に送る。パラレル信号送信部1124は、オーバーヘッド付加部1123から出力されたトランスポートフレームを、OTL4.10インタフェースによりDSPのデジタル信号処理部1013へパラレルに送る。DSPのパラレル信号受信部1131は、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したOTU4のトランスポートフレームを復元し、復元されたトランスポートフレームを送信側レート変換部1132に送る。
ライン信号のビットレートは50G分(56G)であるため、OTU4の形式のままでは転送できない。そこで、送信側レート変換部1132は、パラレル信号受信部1131が復元したOTU4のトランスポートフレームから、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)で挿入したFS等のダミー信号を抜去し、50Gトランスポートフレーム(56G)を生成する。
図26は、送信側レート変換部1132が100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、50Gトランスポートフレームに変換する処理を示す図である。送信側レート変換部1132は、図24、図25に示す第4の実施形態と同様に、1フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)の50G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの決められた位置にある半分のTS(TS群AのTS1~TS5)にマッピングする。
さらに、送信側レート変換部1132は、2フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)に設定されている50G分のTSを取り出し、取り出したTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの残った半分のTS(TS群BのTS1~TS5)にマッピングする。
送信側レート変換部1132は、1フレーム目のOTU4のOHを、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHに設定する。また、送信側レート変換部1132は、2フレーム目のOTU4のOHであるOH’の一部を、50Gトランスポートフレームの3817カラム~3824カラムの4列(row)×8カラム(column)に挿入する。
図27は、OHのフィールドを示す図である。OTU4のOHは、同図に示すフィールド構成の4列×16カラムである。そこで送信側レート変換部1132は、50Gトランスポートフレームの3817カラム~3824カラムに、OTU4のオーバーヘッド(OH’)の任意の4列×8カラム分のデータを挿入する。挿入する4列×8カラム分のデータは、同図に示すOHの中から、プログラマブルに(任意に)選択してもよい。
送信側レート変換部1132が50Gトランスポートフレームを出力してから、対向のトランスポンダ1001の誤り訂正復号化部1136が誤り訂正処理を行った50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137に出力するまでの処理は、第4の実施形態と同様である。
送信側レート変換部1132は、生成した50Gトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1133に出力する。誤り訂正符号化部1133は、50Gトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加された50Gトランスポートフレームをデジタル信号送信処理部1134に送信する。なお、誤り訂正符号化部1133は無くてもよい。
デジタル信号送信処理部1134は、50Gトランスポートフレームに対して長距離伝送のための光デジタルコヒーレント処理を行い、処理された50Gトランスポートフレームをライン信号送受信部1014に送信する。なお、デジタル信号送信処理部1134は無くてもよい。
ライン信号送受信部1014は、デジタル信号処理部1013から出力された50GトランスポートフレームのデータをE/O変換し、変換により得られた光信号をライン信号としてネットワークへ送信する。送信されたデータは、対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014が受信する。
対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014は、受信したデータをO/E変換した後、変換により得られた電気信号をDSP(デジタル信号処理部1013)へ出力する。デジタル信号処理部1013のデジタル信号受信処理部1135は、受信したデータに信号等化を行い、50Gトランスポートフレームを出力する。誤り訂正復号化部1136は、デジタル信号受信処理部1135から出力された50Gトランスポートフレームに誤り訂正処理を行う。誤り訂正復号化部1136は誤り訂正処理が行われた50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137へ送信する。
受信側レート変換部1137は、送信側レート変換部1132と逆の変換を行い、誤り訂正復号化部1136が出力した50Gトランスポートフレーム(56G)から100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を生成する。具体的には、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の半分のTS(TS群AのTS1~TS5)を、1フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、100Gトランスポートフレームのペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
さらに、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の残り半分のTS(TS群BのTS1~TS5)を、2フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100Gトランスポートフレームにも1フレーム目と同様に、ペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
受信側レート変換部1137は、1フレーム目の100GトランスポートフレームにおけるOTU4のOHに、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHをそのままコピーする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100GトランスポートフレームにおけるOTU4のOHに、50Gトランスポートフレームの3817カラム~3824カラムに挿入されたデータから復元したOTU4のOHを設定する。受信側レート変換部1137は、50Gトランスポートフレームの3817カラム~3824カラムから得られる情報では不足するOHのデータについては、1フレーム目のOTU4のOHの該当するデータをそのままコピーしてもよいし、他のデータを挿入してもよい。
上記のように100Gトランスポートフレームを構成することで、1つの50Gトランスポートフレームから2つの100Gトランスポートフレーム(OTU4)を復元する。
受信側レート変換部1137が、復元した2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をパラレル信号送信部1138に送った以降の処理は、第4の実施形態と同様である。
すなわち、パラレル信号送信部1138は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、DSPとOTU4フレーマ間のOTL4.10インタフェースによりOTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)へパラレルに送る。OTU4フレーマのパラレル信号受信部1125は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を復元する。オーバーヘッド抽出部1126は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)に誤り監視等のオーバーヘッドに関する処理を行う。ダミー信号抜去部1127は、オーバーヘッドに関する処理が行われた100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)のペイロード内の決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS6~TS10)からダミー信号を抜去する。デマッピング部1128は、ダミー信号が抜去された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)からクライアント信号を抽出する。なお、ダミー信号を抜去せずに、デマッピング部1128が、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から直接クライアント信号を復元してもよい。デマッピング部1128は、抽出された10GE×5のクライアント信号を、クライアント信号送受信部1011へ送る。クライアント信号送受信部1011は、フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したクライアント信号を出力する。
本実施形態によれば、送信側のトランスポンダ1001においてトランスポンダ1001間で転送する50Gトランスポートフレームを作成するときに利用しなかった片方のOTU4のOHの一部を、FSを用いて転送することができる。よって、本実施形態は、片方のOHについては一部のみを転送すればよく、FSを他の用途に使わない場合に適している。
<第6の実施形態>
第6の実施形態と第4の実施形態との差分は、2フレーム目のOTU4のOHの転送方法である。本実施形態では、トランスポンダ間で転送するトランスポートフレームのペイロード内のTS(データ設定領域)によって2フレーム目のOTU4のOHの一部を転送する。以下では、第4の実施形態との差分を中心に説明する。
本実施形態のトランスポンダは、図22に示す第4の実施形態のトランスポンダ1001と同様の構成である。本実施形態では、フレーミング処理部1012が、OTU4フレーマに具備され、デジタル信号処理部1013がデジタルコヒーレント信号処理LSI(DSP)に具備されるものとする。本実施形態では、クライアント信号のビットレートが41Gであり、OTU4フレーマとDSPの間のインタフェースに112GのOTU4相当のOTL4.10が適用され、ライン信号のビットレートが56Gである場合の転送を行う例を示す。
10GE×4(約41G)のクライアント信号がトランスポンダ1001に入力されたとする。トランスポンダ1001のクライアント信号送受信部1011は、クライアント信号をフレーミング処理部1012に送信する。フレーミング処理部1012のマッピング部1121は、OTU4フレーマ-DSP間のインタフェース(OTL4.10)が、OTU4対応の112Gであるため、クライアント信号をOTU4相当のトランスポートフレームにマッピングする。
OTU4フレーマのマッピング部1121は、OTU4相当の100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする際、ペイロード中の決められた位置にある40G分のTS(例えば、図23Aの100Gトランスポートフレームの17カラム~3816カラム中のTS1~TS4)に、クライアント信号をマッピングする。ダミー信号挿入部1122は、100Gトランスポートフレームにおける残りの60G分のTS(例えば、図23Aの17カラム~3816カラム中のTS5~TS10)に、FS等のダミー信号を設定する。
上記のように100Gトランスポートフレームを設定することで、100GのOTL4.10インタフェースで転送可能な100Gトランスポートフレーム(OTU4)の形式を取りながら、40G分のデータを送信するフレームを生成することができる。
オーバーヘッド付加部1123は、ダミー信号挿入部1122からOTU4に対応したトランスポートフレームにより出力されたデータにOHを付加して、OHが付加されたデータをパラレル信号送信部1124に送る。パラレル信号送信部1124は、オーバーヘッド付加部1123から出力されたトランスポートフレームを、OTL4.10インタフェースによりDSPのデジタル信号処理部1013へパラレルに送る。DSPのパラレル信号受信部1131は、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したOTU4のトランスポートフレームを復元し、復元されたトランスポートフレームを送信側レート変換部1132に送る。
ライン信号のビットレートは50G分(56G)であるため、OTU4の形式のままでは転送できない。そこで、送信側レート変換部1132は、パラレル信号受信部1131が復元したOTU4のトランスポートフレームから、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)で挿入したFS等のダミー信号を抜去し、50Gトランスポートフレーム(56G)を生成する。
図28は、送信側レート変換部1132が100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、50Gトランスポートフレームに変換する処理を示す図である。送信側レート変換部1132は、1フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置の40G分のTS(TS1~TS4)からクライアント信号が含まれるTSを抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号が含まれるTSを、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの決められた位置にある一部のTS(TS群AのTS1~TS4)にマッピングする。40G分のTSをマッピングするTSとして、50GトランスポートフレームのTSの半分のTSを用いるのは、100Gトランスポートフレーム(112G)から50Gトランスポートフレーム(56G)へ変更するためである。
さらに、送信側レート変換部1132は、2フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS4)に設定されている40G分のTSを取り出し、取り出したTSからクライアント信号を抽出する。なお、TSからクライアント信号を抽出せず、TSのまま50GトランスポートフレームのTSにマッピングしてもよい。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードのTS(TS群BのTS1~TS4)にマッピングする。
送信側レート変換部1132は、1フレーム目のOTU4のOHを、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHに設定する。また、送信側レート変換部1132は、2フレーム目のOTU4のOHであるOH’を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードにおいて、クライアント信号がマッピングされていない10G分のTSに挿入する。例えば、送信側レート変換部1132は、17カラムから3816カラムまでの範囲で、(16+5×n)カラム目(n=1,2,…)のTS(50GトランスポートフレームのTS群AのTS5と、TS群BのTS5)の先頭から、4列×8カラム分のデータ(32バイト)に、2フレーム目のOTU4のOHのデータを挿入して、OH’の一部を転送する。また、(16+5×n)カラム目(n=1,2,…)のTSの先頭から、4列×16カラム分のデータ(64バイト)のOH’のデータを挿入して、全てのOH’を転送してもよい。
上記のようにマッピングすることで、送信側レート変換部1132は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から50Gトランスポートフレーム(56G)を生成する。
送信側レート変換部1132が50Gトランスポートフレームを出力してから、対向のトランスポンダ1001の誤り訂正復号化部1136が誤り訂正処理を行った50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137に出力するまでの処理は、第4の実施形態と同様である。
送信側レート変換部1132は、生成した50Gトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1133に出力する。誤り訂正符号化部1133は、50Gトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加された50Gトランスポートフレームをデジタル信号送信処理部1134に送信する。なお、誤り訂正符号化部1133は無くてもよい。
デジタル信号送信処理部1134は、50Gトランスポートフレームに対して長距離伝送のための光デジタルコヒーレント処理を行い、ライン信号送受信部1014に送信する。なお、デジタル信号送信処理部1134は無くてもよい。
ライン信号送受信部1014は、デジタル信号処理部1013から出力された50GトランスポートフレームのデータをE/O変換し、変換により得られた光信号をライン信号としてネットワークへ送信する。送信されたデータは、対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014が受信する。
対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014は、受信したデータをO/E変換した後、変換により得られた電気信号をDSP(デジタル信号処理部1013)へ出力する。デジタル信号処理部1013のデジタル信号受信処理部1135は、受信したデータに信号等化を行い、50Gトランスポートフレームを出力する。誤り訂正復号化部1136は、デジタル信号受信処理部1135から出力された50Gトランスポートフレームに誤り訂正処理を行う。誤り訂正復号化部1136は誤り訂正処理が行われた50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137へ送信する。
受信側レート変換部1137は、誤り訂正復号化部1136が出力した50Gトランスポートフレーム(56G)から100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を生成する。具体的には、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の半分のTS(TS群AのTS1~TS5)を、1フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、100Gトランスポートフレームのペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
さらに、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の残り半分のTS(TS群BのTS1~TS5)を、2フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100Gトランスポートフレームにも1フレーム目と同様に、ペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
受信側レート変換部1137は、1フレーム目の100GトランスポートフレームにおけるOTU4のOHに、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHをそのままコピーする。
4列×8カラムのOH’のデータをTSで転送した場合、受信側レート変換部1137は、50Gトランスポートフレーム(56G)のTSからOH’のデータを読み出し、2フレーム目のOTU4に設定すべきOHを復元する。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100Gトランスポートフレームに、復元したOTU4のOHのデータを挿入する。受信側レート変換部1137は、50Gトランスポートフレーム(56G)のTSから得られる情報では不足するOHのデータについては、1フレーム目のOTU4のOHの該当するデータをそのままコピーしてもよいし、他のデータを挿入してもよい。
なお、4列×16カラムのOH’のデータをTSで転送した場合、受信側レート変換部1137は、2フレーム目のOTU4のOHは、50GトランスポートフレームのTSから復元されたOTU4のOH’のデータを挿入する。
上記のように100Gトランスポートフレームを構成することで、1つの50Gトランスポートフレームから2つの100Gトランスポートフレーム(OTU4)を復元する。
受信側レート変換部1137が、復元した2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をパラレル信号送信部1138に送る。パラレル信号送信部1138は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、DSPとOTU4フレーマ間のOTL4.10インタフェースによりOTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)へパラレルに送る。
OTU4フレーマのパラレル信号受信部1125は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を復元する。オーバーヘッド抽出部1126は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)に誤り監視等のオーバーヘッドに関する処理を行う。ダミー信号抜去部1127は、オーバーヘッドに関する処理が行われた100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)のペイロード内の決められた位置に含まれる60G分のTS(図28のTS5~TS10)からダミー信号を抜去する。デマッピング部1128は、ダミー信号が抜去された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)のTS1~TS4からクライアント信号(10GE×4)を抽出する。なお、ダミー信号を抜去せずに、デマッピング部1128が、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から直接クライアント信号を復元してもよい。デマッピング部1128は、抽出されたクライアント信号(10GE×4)を、クライアント信号送受信部1011へ送る。クライアント信号送受信部1011は、フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したクライアント信号を出力する。
本実施形態によれば、送信側のトランスポンダ1001においてトランスポンダ1001間で転送する50Gトランスポートフレームを作成するときに利用しなかった片方のOTU4のOHの一部または全部を、ペイロード中のTSを用いて転送することができる。よって、本実施形態は、片方のOHは一部を転送すればよい場合や、TSに空きがある場合に適している。
<第7の実施形態>
第7の実施形態と第4の実施形態との差分は、2フレーム目のOTU4のOHの転送方法となる。本実施形態では、トランスポンダ間で転送するトランスポートフレームのペイロード内のGMPのstuffに代えて2フレーム目のOTU4のOHの一部を転送する。以下では、第4の実施形態との差分を中心に説明する。
本実施形態のトランスポンダは、図22に示す第4の実施形態のトランスポンダ1001と同様の構成である。本実施形態では、フレーミング処理部1012が、OTU4フレーマに具備され、デジタル信号処理部1013がデジタルコヒーレント信号処理LSI(DSP)に具備されるものとする。本実施形態では、クライアント信号のビットレートが52Gであり、OTU4フレーマとDSPの間のインタフェースに112GのOTU4対応のOTL4.10が適用され、ライン信号のビットレートが56Gである場合の転送を行う例を示す。
10GE×5(約52G)のクライアント信号がトランスポンダ1001に入力されてから、DSPのパラレル信号受信部1131が送信側レート変換部1132に復元したOTU4のフレームを出力するまでの処理は、第4の実施形態と同様である。
すなわち、トランスポンダ1001のクライアント信号送受信部1011は、クライアント信号をフレーミング処理部1012に送信する。フレーミング処理部1012のマッピング部1121は、OTU4フレーマ-DSP間のインタフェース(OTL4.10)がOTU4対応の112Gであるため、クライアント信号をOTU4対応の100Gトランスポートフレームにマッピングする。
OTU4フレーマのマッピング部1121は、OTU4相当の100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする際、ペイロード中の決められた位置にある50G分のTS(例えば、図23Aの100Gトランスポートフレームの17カラム~3816カラム中のTS1~TS5)に、クライアント信号をマッピングする。ダミー信号挿入部1122は、100Gトランスポートフレームにおける残りの50G分のTS(例えば、図23Aの17カラム~3816カラム中のTS6~TS10)に、FS等のダミー信号を設定し、ダミー信号が設定された100Gトランスポートフレームをオーバーヘッド付加部1123に出力する。
オーバーヘッド付加部1123は、ダミー信号挿入部1122からOTU4に対応したトランスポートフレームにより出力されたデータにOHを付加して、OHが付加されたデータをパラレル信号送信部1124に送る。パラレル信号送信部1124は、オーバーヘッド付加部1123から出力されたトランスポートフレームを、OTL4.10インタフェースによりDSPのデジタル信号処理部1013へパラレルに送る。DSPのパラレル信号受信部1131は、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したOTU4のトランスポートフレームを復元し、復元されたトランスポートフレームを送信側レート変換部1132に送る。
ライン信号のビットレートは50G分(56G)であるため、OTU4の形式のままでは転送できない。そこで、送信側レート変換部1132は、パラレル信号受信部1131が復元したOTU4のトランスポートフレームから、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)で挿入したFS等のダミー信号を抜去し、50Gトランスポートフレーム(56G)を生成する。
図29は、送信側レート変換部1132が100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、50Gトランスポートフレームに変換する処理を示す図である。送信側レート変換部1132は、図24、図25に示す第4の実施形態と同様に、1フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)の50G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの決められた位置にある半分のTS(TS群AのTS1~TS5)にマッピングする。
さらに、送信側レート変換部1132は、2フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)に設定されている50G分のTSを取り出し、取り出したTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの残った半分のTS(TS群BのTS1~TS5)にマッピングする。
送信側レート変換部1132は、1フレーム目のOTU4のOHを、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHに設定する。また、送信側レート変換部1132は、2フレーム目のOTU4のOHであるOH’を、50Gトランスポートフレーム(56G)のTSにおいてGMPのstuffが挿入された領域に挿入する。
図30は、GMPのstuffの設定を示す図である。同図に示すように、ペイロード領域には、クライアントデータ(client data)とstuffが設定される。GMPのstuffが挿入される領域は、ITU-T勧告 G.709のAnnex.Dに記載されている領域と同じである。GMPでは、クライアントデータをペイロードにマッピングする際、レート調整のためにstuffブロックを挿入する。送信側レート変換部1132は、ペイロード中のstuffブロックに、2フレーム目のOTU4のOHであるOH’のデータを挿入する。
送信側レート変換部1132が50Gトランスポートフレームを出力してから、対向のトランスポンダ1001の誤り訂正復号化部1136が誤り訂正処理を行った50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137に出力するまでの処理は、第4の実施形態と同様である。
送信側レート変換部1132は、生成した50Gトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1133に出力する。誤り訂正符号化部1133は、50Gトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加された50Gトランスポートフレームをデジタル信号送信処理部1134に送信する。なお、誤り訂正符号化部1133は無くてもよい。
デジタル信号送信処理部1134は、50Gトランスポートフレームに対して長距離伝送のための光デジタルコヒーレント処理を行い、処理された50Gトランスポートフレームをライン信号送受信部1014に送信する。なお、デジタル信号送信処理部1134は無くてもよい。
ライン信号送受信部1014は、デジタル信号処理部1013から出力された50GトランスポートフレームのデータをE/O変換し、変換により得られた光信号をライン信号としてネットワークへ送信する。送信されたデータは、対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014が受信する。
対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014は、受信したデータをO/E変換した後、変換により得られた電気信号をDSP(デジタル信号処理部1013)へ出力する。デジタル信号処理部1013のデジタル信号受信処理部1135は、受信したデータに信号等化を行い、50Gトランスポートフレームを出力する。誤り訂正復号化部1136は、デジタル信号受信処理部1135から出力された50Gトランスポートフレームに誤り訂正処理を行う。誤り訂正復号化部1136は誤り訂正処理が行われた50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137へ送信する。
受信側レート変換部1137は、送信側レート変換部1132と逆の変換を行い、誤り訂正復号化部1136が出力した50Gトランスポートフレーム(56G)から100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を生成する。具体的には、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の半分のTS(TS群AのTS1~TS5)を、1フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、100Gトランスポートフレームのペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)には、FS等のダミー信号を挿入する。
さらに、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の残り半分のTS(TS群BのTS1~TS5)を、2フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100Gトランスポートフレームにも1フレーム目と同様に、ペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
受信側レート変換部1137は、1フレーム目の100GトランスポートフレームにおけるOTU4のOHに、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHをそのままコピーする。受信側レート変換部1137は、50GトランスポートフレームのTSにおいてGMPのstuffブロックが挿入されている位置を求め、その位置にあるデータから2フレーム目のOTU4に設定すべきOHを復元する。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100Gトランスポートフレームに、復元したOTU4のOHを挿入する。受信側レート変換部1137は、50Gトランスポートフレーム(56G)のstuffブロックから得られる情報では不足するOHのデータについては、1フレーム目のOTU4のOHの該当するデータをそのままコピーしてもよいし、他のデータを挿入してもよい。
上記のように100Gトランスポートフレームを構成することで、1つの50Gトランスポートフレームから2つの100Gトランスポートフレーム(OTU4)を復元する。
受信側レート変換部1137が、復元した2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をパラレル信号送信部1138に送った以降の処理は、第4の実施形態と同様である。
すなわち、パラレル信号送信部1138は、DSPとOTU4フレーマ間のOTL4.10インタフェースにより、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をOTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)へパラレルに送る。OTU4フレーマのパラレル信号受信部1125は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を復元する。オーバーヘッド抽出部1126は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)に誤り監視等のオーバーヘッドに関する処理を行う。ダミー信号抜去部1127は、オーバーヘッドに関する処理が行われた100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)のペイロード内の決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS6~TS10)からダミー信号を抜去する。デマッピング部1128は、ダミー信号が抜去された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)からクライアント信号を抽出する。なお、ダミー信号を抜去せずに、デマッピング部1128が、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から直接クライアント信号を復元してもよい。デマッピング部1128は、抽出された10GE×5のクライアント信号を、クライアント信号送受信部1011へ送る。クライアント信号送受信部1011は、フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したクライアント信号を出力する。
本実施形態によれば、送信側のトランスポンダ1001においてトランスポンダ1001間で転送する50Gトランスポートフレームを作成するときに利用しなかった片方のOTU4のOHの一部を、GMPのStuffを用いて転送することができる。よって、本実施形態は、片方のOHについては一部を転送すればよく、GMPのStuffを他の用途に使わない場合に適している。
<第8の実施形態>
第8の実施形態と第4の実施形態との差分は、2フレーム目のOTU4のOHの転送方法となる。本実施形態では、2フレーム目のOTU4のOHをアウトバンドにより送信側のトランスポンダから受信側のトランスポンダへ転送する。以下では、第4の実施形態との差分を中心に説明する。
図31は、第8の実施形態によるトランスポンダ1001aの構成を示す機能ブロック図である。同図において、図22に示す第4の実施形態によるトランスポンダ1001と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。同図に示すように、トランスポンダ1001aは、クライアント信号送受信部1011、フレーミング処理部1012、デジタル信号処理部1013a、及びライン信号送受信部1014を備えて構成される。本実施形態では、フレーミング処理部1012が、OTU4フレーマに具備され、デジタル信号処理部1013aがデジタルコヒーレント信号処理LSI(DSP)に具備されるものとする。
デジタル信号処理部1013aは、パラレル信号受信部1131、送信側レート変換部1132a、誤り訂正符号化部1133、デジタル信号送信処理部1134、デジタル信号受信処理部1135、誤り訂正復号化部1136、受信側レート変換部1137a、及びパラレル信号送信部1138を備えて構成される。
送信側レート変換部1132aは、パラレル信号受信部1131により復元されたトランスポートフレームからライン側のレートに合わせたトランスポートフレームを構成し、構成されたトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1133に出力する。送信側レート変換部1132aは、パラレル信号受信部1131により復元された2フレーム目のトランスポートフレームのオーバーヘッドを、OSC(Optical Supervisory Channel)等のアウトバンドにより受信側のトランスポンダ1001aへ送信する。
受信側レート変換部1137aは、誤り訂正復号化部1136により誤り訂正符号化されたトランスポートフレームから、フレーミング処理部1012へ転送可能なトランスポートフレームを構成し、構成されたトランスポートフレームをパラレル信号送信部1138に出力する。このとき、受信側レート変換部1137aは、2フレーム目のトランスポートフレームに、送信側のトランスポンダ1001aからOSC等のアウトバンドにより受信したOHを設定する。
本実施形態では、クライアント信号のビットレートが52Gであり、OTU4フレーマとDSPの間のインタフェースに112GのOTU4対応のOTL4.10が適用され、ライン信号のビットレートが56Gである場合の転送を行う例を示す。
10GE×5(約52G)のクライアント信号がトランスポンダ1001aに入力されてから、DSPのパラレル信号受信部1131が送信側レート変換部1132aに復元したOTU4のフレームを出力するまでの処理は、第4の実施形態と同様である。
すなわち、トランスポンダ1001aのクライアント信号送受信部1011は、クライアント信号をフレーミング処理部1012に送信する。フレーミング処理部1012のマッピング部1121は、OTU4フレーマ-DSP間のインタフェース(OTL4.10)がOTU4対応の112Gであるため、クライアント信号をOTU4相当のトランスポートフレームにマッピングする。
OTU4フレーマのマッピング部1121は、OTU4相当の100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする際、ペイロード中の決められた位置にある50G分のTS(例えば、図23Aの100Gトランスポートフレームの17カラム~3816カラム中のTS1~TS5)に、クライアント信号をマッピングする。ダミー信号挿入部1122は、100Gトランスポートフレームにおける残りの50G分のTS(例えば、図23Aの17カラム~3816カラム中のTS6~TS10)に、FS等のダミー信号を設定する。
オーバーヘッド付加部1123は、ダミー信号挿入部1122からOTU4に対応したトランスポートフレームにより出力されたデータにOHを付加して、OHが付加されたデータをパラレル信号送信部1124に送る。パラレル信号送信部1124は、オーバーヘッド付加部1123から出力されたトランスポートフレームを、OTL4.10インタフェースによりDSPのデジタル信号処理部1013aへパラレルに送る。DSPのパラレル信号受信部1131は、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したOTU4のトランスポートフレームを復元し、復元されたトランスポートフレームを送信側レート変換部1132aに送る。
ライン信号のビットレートは50G分(56G)であるため、OTU4の形式のままでは転送できない。そこで、送信側レート変換部1132aは、パラレル信号受信部1131が復元したOTU4のトランスポートフレームから、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)で挿入したFS等のダミー信号を抜去し、50Gトランスポートフレームを生成する。
図32は、送信側レート変換部1132aが100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、50Gトランスポートフレームに変換する処理を示す図である。送信側レート変換部1132aは、図24、図25に示す第4の実施形態と同様に、1フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)の50G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132aは、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの決められた位置にある半分のTS(TS群AのTS1~TS5)にマッピングする。
さらに、送信側レート変換部1132aは、2フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)に設定されている50G分のTSを取り出し、取り出したTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132aは、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの残った半分のTS(TS群BのTS1~TS5)にマッピングする。
なお、同図に示すように、送信側レート変換部1132aは、1フレーム目のOTU4のOHを、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHに設定する。また、送信側レート変換部1132aは、2フレーム目のOTU4のOHであるOH’の一部を、アウトバンド(例えば、OSC)で対向の受信側のトランスポンダ1001aに転送する。
送信側レート変換部1132aが50Gトランスポートフレームを出力してから、対向のトランスポンダ1001aの誤り訂正復号化部1136が誤り訂正処理を行った50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137aに出力するまでの処理は、第4の実施形態と同様である。
送信側レート変換部1132aは、生成した50Gトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1133に出力する。誤り訂正符号化部1133は、50Gトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加された50Gトランスポートフレームをデジタル信号送信処理部1134に送信する。なお、誤り訂正符号化部1133は無くてもよい。
デジタル信号送信処理部1134は、50Gトランスポートフレームに対して長距離伝送のための光デジタルコヒーレント処理を行い、処理された50Gトランスポートフレームをライン信号送受信部1014に送信する。なお、デジタル信号送信処理部1134は無くてもよい。
ライン信号送受信部1014は、デジタル信号処理部1013aから出力された50GトランスポートフレームのデータをE/O変換し、変換により得られた光信号をライン信号としてネットワークへ送信する。送信されたデータは、対向のトランスポンダ1001aのライン信号送受信部1014が受信する。
対向のトランスポンダ1001aのライン信号送受信部1014は、受信したデータをO/E変換した後、変換により得られた電気信号をDSP(デジタル信号処理部1013a)へ出力する。デジタル信号処理部1013aのデジタル信号受信処理部1135は、受信したデータに信号等化を行い、50Gトランスポートフレームを出力する。誤り訂正復号化部1136は、デジタル信号受信処理部1135から出力された50Gトランスポートフレームに誤り訂正処理を行う。誤り訂正復号化部1136は誤り訂正処理が行われた50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137aへ送信する。
受信側レート変換部1137aは、誤り訂正復号化部1136が出力した50Gトランスポートフレーム(56G)から100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を生成する。具体的には、受信側レート変換部1137aは、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の半分のTS(TS群AのTS1~TS5)を、1フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137aは、100Gトランスポートフレームのペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
さらに、受信側レート変換部1137aは、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の残り半分のTS(TS群BのTS1~TS5)を、2フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137aは、2フレーム目の100Gトランスポートフレームにも1フレーム目と同様に、ペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
受信側レート変換部1137aは、1フレーム目の100GトランスポートフレームにおけるOTU4のOHに、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHをそのままコピーする。さらに、受信側レート変換部1137aは、送信側のトランスポンダ1001aよりアウトバンドで受信したデータから、2フレーム目のOTU4に設定するOHを復元する。なお、受信側レート変換部1137aは、不足するOHのデータについては、1フレーム目のOTU4のOHの該当するデータをそのままコピーしてもよいし、他のデータを挿入してもよい。受信側レート変換部1137aは、2フレーム目の100Gトランスポートフレームに、復元したOTU4のOH’のデータを挿入する。
上記のように100Gトランスポートフレームを構成することで、1つの50Gトランスポートフレームから2つの100Gトランスポートフレーム(OTU4)を復元する。
受信側レート変換部1137aが、復元した2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をパラレル信号送信部1138に送った以降の処理は、第4の実施形態と同様である。
すなわち、パラレル信号送信部1138は、DSPとOTU4フレーマ間のOTL4.10インタフェースにより、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をOTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)へパラレルに送る。OTU4フレーマのパラレル信号受信部1125は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を復元する。オーバーヘッド抽出部1126は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)に誤り監視等のオーバーヘッドに関する処理を行う。ダミー信号抜去部1127は、オーバーヘッドに関する処理が行われた100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)のペイロード内の決められた位置に含まれる50G分のTS(図32のTS6~TS10)からダミー信号を抜去する。デマッピング部1128は、ダミー信号が抜去された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)のTS(例えば、TS1~TS5)からクライアント信号(10GE×5)を抽出する。なお、ダミー信号を抜去せずに、デマッピング部1128が、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から直接クライアント信号を復元してもよい。デマッピング部1128は、抽出されたクライアント信号(10GE×5)を、クライアント信号送受信部1011へ送る。クライアント信号送受信部1011は、フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したクライアント信号を出力する。
本実施形態によれば、送信側のトランスポンダ1001においてトランスポンダ1001間で転送する50Gトランスポートフレームを作成するときに利用しなかった片方のOTU4のOHの一部を、アウトバンド(例えば、OSC)を用いて転送する。よって、本発明は、片方のOHについては一部を転送すればよく、OSCによる転送が可能な場合に適している。
<第9の実施形態>
第9の実施形態では、送信側のトランスポンダにおいてトランスポンダ間で転送するトランスポートフレームを作成するときに利用しなかった2フレーム目のOTU4のOHを、第4の実施形態から第8の実施形態までの方法を一つ以上組み合わせて受信側のトランスポンダへ送信する。なお、2フレーム目のOTU4のOHは、一部転送でもよく、全て転送してもよい。
図33は、2フレーム目のOHの全情報の転送を示す図である。同図においては、第6の実施形態を適用し、TSによってOHを転送する場合の例を示している。トランスポンダ1001の送信側レート変換部1132は、同図に示すように2フレーム目のOTU4のオーバーヘッド(OH’)を、50GトランスポートフレームのTS群AのTS及びTS群BのTSの中の10G分のTSに設定している。
なお、送信側のトランスポンダ1001、1001aの送信側レート変換部1132、1132aは、2フレーム目のオーバーヘッドOH’を分割して、第4の実施形態から第8の実施形態までの方法の任意の組み合わせにより受信側のトランスポンダ1001、1001aに転送してもよい。
本実施形態は、上述した第4~第8の実施形態の組み合わせを可能とし、送信側のトランスポンダにおいてトランスポンダ間で転送する50Gトランスポートフレームを作成するときに利用しなかった片方のOTU4のOHの一部または全部を、受信側のトランスポンダに転送することができる。よって、本実施形態は、全てのOHを転送したい場合に適している。
<第10の実施形態>
第10の実施形態では、フレームレート変換を、固定のフレームレートによる転送と組み合わせて利用する。本実施形態では、ライン側のビットレートが150G系列の際に、フレームレート変換によって作成した50Gトランスポートフレームと、レート固定の100Gトランスポートフレームを組み合わせて転送する例を示す。
図34は、第10の実施形態による送信側のトランスポンダ1001bにおけるフレーム転送の処理概要を示す図である。本実施形態のトランスポンダ1001bは、フレーマ(フレーミング処理部1012b)と、DSP(デジタル信号処理部1013b)との間で、2つのOTL4.10(112G)のインタフェースを用いて、155Gのクライアント信号を転送する。
フレーマからDSPへの信号転送のために、トランスポンダ1001bのフレーミング処理部1012b(フレーマ)は、二つの100Gトランスポートフレーム(112G)を構成する。フレーミング処理部1012bは、155Gのクライアント信号の100G分(103G)のクライアント信号については、従来通り、100Gトランスポートフレームに収容する。残りの52Gのクライアント信号については、上述した第4~第9の実施形態と同様に、フレーミング処理部1012bが100Gトランスポートフレームのペイロードを構成する際、ダミー信号挿入部1122がTSにダミー信号を挿入する。
デジタル信号処理部1013b(DSP)の送信側レート変換部1132は、52Gのクライアント信号が設定された100Gトランスポートフレームからダミー信号を抜去して50Gトランスポートフレームを構成する。デジタル信号処理部1013bは、100Gトランスポートフレーム(112G)と、50Gトランスポートフレーム(56G)を多重し、多重されたトランスポートフレームを168Gで受信側のトランスポンダ1001bに転送する。
受信側のトランスポンダ1001bのDSPにおいて、デジタル信号処理部1013bは、受信した168Gの信号を、100Gトランスポートフレーム(112G)と、50Gトランスポートフレーム(56G)に分離する。デジタル信号処理部1013bは、分離された100Gトランスポートフレームについては、OTL4.10(112G)のインタフェースを用いてフレーマに転送し、フレーマのフレーミング処理部1012bは100Gトランスポートフレームから103Gのクライアント信号を復元し、復元されたクライアント信号を出力する。
また、デジタル信号処理部1013bは、50Gトランスポートフレーム(56G)については、上述した第4~第9の実施形態と同様に、ペイロードにダミー信号を挿入することによって100Gトランスポートフレーム(112G)を構成する。受信側のトランスポンダ1001bのフレーマにおいて、フレーミング処理部1012bは、トランスポートフレームからダミー信号を抜去して52Gのクライアント信号を復元し、復元されたクライアント信号を出力する。
図35は、第10の実施形態によるトランスポンダ1001bの構成を示す機能ブロック図である。同図において、図22に示す第4の実施形態によるトランスポンダ1001と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。トランスポンダ1001bは、クライアント信号送受信部1011、フレーミング処理部1012b、デジタル信号処理部1013b、及びライン信号送受信部1014を備えて構成される。本実施形態では、フレーミング処理部1012bが、OTU4フレーマに具備され、デジタル信号処理部1013bがデジタルコヒーレント信号処理LSI(DSP)に具備されるものとする。
フレーミング処理部1012bは、固定レートフレーミング処理部1015と、可変レートフレーミング処理部1016とを備えて構成される。固定レートフレーミング処理部1015は、転送レートの変換を行わずに100Gトランスポートフレームのフレーミング処理を行う。固定レートフレーミング処理部1015は、マッピング部1151、オーバーヘッド付加部1153、パラレル信号送信部1154、パラレル信号受信部1155、オーバーヘッド抽出部1156、及びデマッピング部1158を備えて構成される。
マッピング部1151は、クライアント信号送受信部1011から送られてきた100GEのクライアント信号を、フレーマ-DSP間のインタフェースに対応したトランスポートフレームにマッピングし、マッピングにより得られたトランスポートフレームをオーバーヘッド付加部1153に出力する。オーバーヘッド付加部1153は、マッピング部1151がマッピングしたトランスポートフレームにオーバーヘッド情報を付加し、オーバーヘッド情報が付加されたトランスポートフレームをパラレル信号送信部1154に出力する。パラレル信号送信部1154は、オーバーヘッド付加部1153によりオーバーヘッドが付加されたトランスポートフレームを、フレーマ-DSP間のインタフェースによって、フレーミング処理部1012bからデジタル信号処理部1013bへパラレルに転送する。
パラレル信号受信部1155は、フレーマ-DSP間インタフェースによりデジタル信号処理部1013bから転送されてきた信号をトランスポートフレームに設定し、当該信号が設定されたトランスポートフレームをオーバーヘッド抽出部1156に出力する。オーバーヘッド抽出部1156は、パラレル信号受信部1155から出力されたトランスポートフレームのオーバーヘッドを抽出し、オーバーヘッドに関する処理を行う。デマッピング部1158は、トランスポートフレームから100GEのクライアント信号を復元し、復元されたクライアント信号をクライアント信号送受信部1011に送信する。
可変レートフレーミング処理部1016は、転送レートを変換したフレーミング処理を行う。可変レートフレーミング処理部1016は、マッピング部1121、ダミー信号挿入部1122、オーバーヘッド付加部1123、パラレル信号送信部1124、パラレル信号受信部1125、オーバーヘッド抽出部1126、ダミー信号抜去部1127、及びデマッピング部1128を備えて構成される。
デジタル信号処理部1013bは、送信信号処理部1017と、受信信号処理部1018とを備えて構成される。
送信信号処理部1017は、パラレル信号受信部1171、誤り訂正符号化部1173、パラレル信号受信部1131、送信側レート変換部1132、誤り訂正符号化部1133、信号合流部1174、デジタル信号送信処理部1134を備えて構成される。パラレル信号受信部1171は、フレーマ-DSP間インタフェースにより固定レートフレーミング処理部1015から送られてきた信号からトランスポートフレームを復元し、復元したトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1173に出力する。誤り訂正符号化部1173は、パラレル信号受信部1171が復元したトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加されたトランスポートフレームを信号合流部1174に出力する。信号合流部1174は、誤り訂正符号化部1133から出力された50Gトランスポートフレームと、誤り訂正符号化部1173から出力された100Gトランスポートフレームとを合流する。
受信信号処理部1018は、デジタル信号受信処理部1135、信号分岐部1181、誤り訂正復号化部1186、パラレル信号送信部1188、誤り訂正復号化部1136、受信側レート変換部1137、及びパラレル信号送信部1138を備えて構成される。信号分岐部1181は、デジタル信号受信処理部1135がライン信号送受信部1014から転送されてきた信号に対し、信号等化処理を行った結果得られた100Gトランスポートフレームと50Gトランスポートフレームを逆多重する。信号分岐部1181は、100Gトランスポートフレームを誤り訂正復号化部1186に出力し、50Gトランスポートフレームを誤り訂正復号化部1136に出力する。誤り訂正復号化部1186は、信号分岐部1181から出力されたトランスポートフレームに対し誤り訂正復号化を行って得られたトランスポートフレームをパラレル信号送信部1188に出力する。パラレル信号送信部1188は、誤り訂正復号化部1186により誤り訂正復号化されたトランスポートフレームを、フレーマ-DSP間のインタフェースによってフレーミング処理部1012bの固定レートフレーミング処理部1015へパラレルに転送する。
第10の実施形態では、クライアント信号のビットレートが155Gであり、OTU4フレーマとDSPの間のインタフェースに112GのOTU4対応のOTL4.10が適用され、ライン信号のビットレートが168Gである場合の転送を行う例を示す。
100GE(約103G)と10GE×5(約52G)のクライアント信号がトランスポンダ1001bに入力されたとする。クライアント信号送受信部1011は、100GE(約103G)のクライアント信号をフレーミング処理部1012bの固定レートフレーミング処理部1015に送信し、10GE×5(約52G)のクライアント信号を可変レートフレーミング処理部1016に送信する。
フレーミング処理部1012bのマッピング部1151、1121は、OTU4フレーマとDSPの間のインタフェース(OTL4.10)が、OTU4対応の112Gであるため、OTU4相当のトランスポートフレームである100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする。マッピング部1151は、100GE(103G)のクライアント信号を、従来通りOTU4相当の100Gトランスポートフレームにマッピングし、クライアント信号がマッピングされた100Gトランスポートフレームをオーバーヘッド付加部1153に出力する。オーバーヘッド付加部1153は、マッピング部1151から出力された100GトランスポートフレームにOHを付加して、OHが付加された100Gトランスポートフレームをパラレル信号送信部1154に送る。パラレル信号送信部1154は、オーバーヘッド付加部1153から出力された100Gトランスポートフレームを、OTL4.10インタフェースによりDSPのデジタル信号処理部1013bへ送る。
一方、マッピング部1121は、10GE×5(52G)のクライアント信号を、第4の実施形態と同様に、OTU4相当の100Gトランスポートフレームにマッピングする。マッピング部1121は、100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする際、ペイロード中の決められた位置にある50G分のTS(例えば、図23Aの100Gトランスポートフレームの17カラム~3816カラム中のTS1~TS5)に、クライアント信号をマッピングする。ダミー信号挿入部1122は、100Gトランスポートフレームにおける残りの50G分のTS(例えば、図23Aの100Gトランスポートフレームの17カラム~3816カラム中のTS6~TS10)に、FS等のダミー信号を設定する。上記のように100Gトランスポートフレームを設定することで、100GのOTL4.10インタフェースで転送可能な100Gトランスポートフレーム(OTU4)の形式を取りながら、50G分のデータを送信するフレームを生成することができる。
オーバーヘッド付加部1123は、ダミー信号挿入部1122からOTU4に対応したトランスポートフレームにより出力されたデータにOHを付加して、OHが付加されたデータをパラレル信号送信部1124に送る。パラレル信号送信部1124は、オーバーヘッド付加部1123から出力されたトランスポートフレームを、OTL4.10インタフェースによりDSPのデジタル信号処理部1013bへパラレルに送る。
ライン信号のビットレートは150G分(168G)であるため、二つのOTU4の形式のままでは転送できない。そこで、デジタル信号処理部1013bは、10GE×5(52G)のクライアント信号が含まれるOTU4から、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012b)で挿入したFS等のダミー信号を抜去し、50Gトランスポートフレーム(56G)を生成する。デジタル信号処理部1013bは、100GEのクライアント信号が含まれるOTU4に対しては、レート変換に関する処理は行わない。
すなわち、パラレル信号受信部1171は、パラレル信号送信部1154から受信したOTU4のトランスポートフレームを復元し、復元されたOTU4のトランスポートフレームを100Gトランスポートフレームにより誤り訂正符号化部1173に出力する。誤り訂正符号化部1173は、パラレル信号受信部1171が出力した100Gトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加された100Gトランスポートフレームを信号合流部1174に出力する。一方、パラレル信号受信部1131は、パラレル信号送信部1124から受信したOTU4のトランスポートフレームを復元し、復元されたOTU4のトランスポートフレームを100Gトランスポートフレームにより送信側レート変換部1132に出力する。送信側レート変換部1132は、図24、図25に示す第4の実施形態と同様に、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から、50Gトランスポートフレームを生成する。
具体的には、送信側レート変換部1132は、1フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置の50G分のTS(TS1~TS5)からクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの決められた位置にある半分のTS(TS群AのTS1~TS5)にマッピングする。さらに、送信側レート変換部1132は、2フレーム目のOTU4の100Gトランスポートフレーム内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS5)に設定されている50G分のTSを取り出し、取り出したTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、50Gトランスポートフレーム(56G)のペイロードの残った半分のTS(TS群BのTS1~TS5)にマッピングする。送信側レート変換部1132は、1フレーム目のOTU4のOHを、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHに設定し、2フレーム目のOTU4のオーバーヘッドを削除する。
送信側レート変換部1132は、生成した50Gトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1133に出力する。誤り訂正符号化部1133は50Gトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加された50Gトランスポートフレームを信号合流部1174に出力する。なお、誤り訂正符号化部1133、1173は無くてもよい。
信号合流部1174は、誤り訂正符号化部1173(もしくは、パラレル信号受信部1171)から出力された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)と誤り訂正符号化部1133(もしくは、送信側レート変換部1132)から出力された50Gトランスポートフレーム(56G)を多重して168Gの信号にする。信号合流部1174は、多重した信号をデジタル信号送信処理部1134に出力する。デジタル信号送信処理部1134は、信号合流部1174により多重された168Gの信号に、長距離伝送のための光デジタルコヒーレント処理を行い、処理された168Gの信号をライン信号送受信部1014に送信する。なお、デジタル信号送信処理部1134は無くてもよい。
ライン信号送受信部1014は、デジタル信号処理部1013bから出力された50GトランスポートフレームのデータをE/O変換し、変換により得られた光信号をライン信号としてネットワークへ送信する。送信されたデータは、対向のトランスポンダ1001bのライン信号送受信部1014が受信する。
対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014は、受信したデータをO/E変換した後、変換により得られた電気信号をDSP(デジタル信号処理部1013b)のデジタル信号受信処理部1135へ送信する。デジタル信号受信処理部1135は、受信したデータに信号等化を行い、168Gの信号を出力する。信号分岐部1181は、デジタル信号受信処理部1135から出力された168Gの信号を、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)と50Gトランスポートフレーム(56G)に分割する。信号分岐部1181は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を誤り訂正復号化部1186に送信し、50Gトランスポートフレーム(56G)を誤り訂正復号化部1136に送信する。
誤り訂正復号化部1186は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)に誤り訂正処理を行い、誤り訂正処理された100Gトランスポートフレームをパラレル信号送信部1188に出力する。パラレル信号送信部1188は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、DSPとOTU4フレーマ間のOTL4.10インタフェースによりOTU4フレーマの固定レートフレーミング処理部1015へパラレルに送る。
一方、誤り訂正復号化部1136は、50Gトランスポートフレーム(56G)に誤り訂正処理を行い、誤り訂正処理された50Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137へ送信する。受信側レート変換部1137は、第4の実施形態と同様に、50Gトランスポートフレームに対して受信側レート変換処理を行う。
具体的には、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の半分のTS(TS群AのTS1~TS5)を、1フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、100Gトランスポートフレームのペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
さらに、受信側レート変換部1137は、受信した50Gトランスポートフレーム(56G)の残り半分のTS(TS群BのTS1~TS5)を、2フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS1~TS5)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100Gトランスポートフレームにも1フレーム目と同様に、ペイロードにおける残りの50G分のTS(例えば、TS6~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
受信側レート変換部1137は、1フレーム目の100GトランスポートフレームにおけるOTU4のOHに、50Gトランスポートフレーム(56G)のOHをそのままコピーする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目のOTU4の100GトランスポートフレームにおけるOTU4のOHには、50GトランスポートフレームのOHをそのままコピーしてもよいし、他のデータを挿入してもよい。
上記のようにすることで、1つの50Gトランスポートフレームから2つの100Gトランスポートフレーム(OTU4)を復元する。
受信側レート変換部1137は、復元した2フレーム分の100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をパラレル信号送信部1138に送る。パラレル信号送信部1138は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、DSPとOTU4フレーマ間のOTL4.10インタフェースによりOTU4フレーマの可変レートフレーミング処理部1016へパラレルに送る。
OTU4フレーマの固定レートフレーミング処理部1015において、パラレル信号受信部1155は、100GEのクライアント信号が設定された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を復元し、復元された100Gトランスポートフレームをオーバーヘッド抽出部1156に送る。オーバーヘッド抽出部1156は、誤り監視等のオーバーヘッドに関する処理を行った後、処理された100Gトランスポートフレームをデマッピング部1158に出力する。デマッピング部1158は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)からクライアント信号を抽出して復元したクライアント信号100GEを、クライアント信号送受信部1011へ送る。
一方、OTU4フレーマの可変レートフレーミング処理部1016において、パラレル信号受信部1125は、10GE×5(52G)が含まれた100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を復元し、復元された100Gトランスポートフレームをオーバーヘッド抽出部1126へ送る。オーバーヘッド抽出部1126は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)に対して誤り監視等のオーバーヘッドに関する処理を行った後、処理された100Gトランスポートフレームをダミー信号抜去部1127へ送る。ダミー信号抜去部1127は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)のペイロード内の決められた位置に含まれる50G分のTS(例えば、TS6~TS10)から、ダミー信号を抜去する。ダミー信号抜去部1127は、ダミー信号を抜去した100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をデマッピング部1128へ送る。デマッピング部1128は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)からクライアント信号を抽出する。なお、ダミー信号を抜去せずに、デマッピング部1128が、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から直接クライアント信号を復元してもよい。デマッピング部1128は、抽出された10GE×5のクライアント信号をクライアント信号送受信部1011へ送る。
なお、本実施形態においては、150G転送におけるOTUのOHによる管理を、100GトランスポートフレームのOHのみで行ってもよく、50GトランスポートフレームのOHのみで行ってもよく、100Gトランスポートフレームと50GトランスポートフレームのOHの両方を用いて行ってもよい。つまり、トランスポンダ1001bは、150G転送する際のトランスポートフレームに、100Gトランスポートフレームから得られたOHを設定してもよく、50Gトランスポートフレームから得られたOHを設定してもよく、100Gトランスポートフレームから得られたOH及び50Gトランスポートフレームから得られたOHの両方に基づいて設定してもよい。
本実施形態によれば、50Gトランスポートフレームと従来の100Gトランスポートフレームを多重して、転送することが可能となる。本実施形態は、8QAM 150G転送を行う場合に適している。
<第11の実施形態>
本実施形態は、ライン側が33.6Gである場合のフレーミングである。
本実施形態のトランスポンダは、図22に示す第4の実施形態のトランスポンダ1001と同様の構成である。本実施形態では、フレーミング処理部1012が、OTU4フレーマに具備され、デジタル信号処理部1013がデジタルコヒーレント信号処理LSI(DSP)に具備されるものとする。本実施形態では、クライアント信号のビットレートが31Gであり、OTU4フレーマとDSPの間のインタフェースに112GのOTU4対応のOTL4.10が適用され、ライン信号のビットレートが33.6Gである場合の転送を行う例を示す。
10GE×3(約31G)のクライアント信号がトランスポンダ1001に入力されたとする。クライアント信号送受信部1011は、クライアント信号をフレーミング処理部1012に送信する。フレーミング処理部1012のマッピング部1121は、OTU4フレーマ-DSP間のインタフェース(OTL4.10)が、OTU4対応の112Gであるため、OTU4相当のトランスポートフレームである100Gトランスポートフレームにクライアント信号をマッピングする。この時、OTU4フレーマのマッピング部1121は、ペイロード中の決められた位置にある30G分のTS(例えば、図23Aの100Gトランスポートフレームの17カラム~3816カラム中のTS1~TS3)に、クライアント信号をマッピングする。ダミー信号挿入部1122は、100Gトランスポートフレームにおける残りの70G分のTS(例えば、図23Aの17カラム~3816カラム中のTS4~TS10)には、FS等のダミー信号を入力する。上記のように設定することで、100GのOTL4.10インタフェースで転送可能な100Gトランスポートフレーム(OTU4)の形式を取りながら、30G分のデータを送信するフレームを生成することができる。
オーバーヘッド付加部1123は、ダミー信号挿入部1122からOTU4に対応したトランスポートフレームにより出力されたデータにOHを付加して、OHが付加されたデータをパラレル信号送信部1124に送る。パラレル信号送信部1124は、オーバーヘッド付加部1123から出力されたトランスポートフレームを、OTL4.10インタフェースによりDSPのデジタル信号処理部1013へパラレルに送る。DSPのパラレル信号受信部1131は、フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したOTU4のトランスポートフレームを復元し、復元されたトランスポートフレームを送信側レート変換部1132に送る。
ライン信号のビットレートは30G分(33.6G)であるため、OTU4の形式のままでは転送できない。そこで、送信側レート変換部1132は、パラレル信号受信部1131が復元したOTU4のトランスポートフレームから、OTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)で挿入したFS等のダミー信号を抜去し、30G系列の信号に使用する30Gトランスポートフレーム(33.6G)を生成する。
図36は、送信側レート変換部1132によるトランスポートフレームの変換処理の概要を説明するための図である。
時刻T0から時刻T0+10×1.168μs(マイクロ秒)までの10フレーム分の100Gトランスポートフレームは、3フレーム分の30Gトランスポートフレームに対応する。10フレーム分の100Gトランスポートフレームの番号をそれぞれ、a0、a1、a2、b、a3、a4、c、a5、a6、a7とする。
送信側レート変換部1132は、1~3フレーム目(フレーム番号a0、a1、a2)の100Gトランスポートフレームのペイロードと、4フレーム目(フレーム番号b)の100Gトランスポートフレームのペイロードの一部を、1フレーム目の30Gトランスポートフレームのペイロードに設定する。さらに、送信側レート変換部1132は、4フレーム目(フレーム番号b)の100Gトランスポートフレームのペイロードの残りと、5~6フレーム目(フレーム番号a3、a4)の100Gトランスポートフレームのペイロードと、7フレーム目(フレーム番号c)の100Gトランスポートフレームのペイロードの一部を、2フレーム目の30Gトランスポートフレームのペイロードに設定する。送信側レート変換部1132は、7フレーム目(フレーム番号c)の100Gトランスポートフレームのペイロードの残りと、8~10フレーム目(フレーム番号a5、a6、a7)の100Gトランスポートフレームのペイロードを、3フレーム目の30Gトランスポートフレームのペイロードに設定する。
図37~図39は、送信側レート変換部1132が100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、30Gトランスポートフレーム(33.6G)に変換する処理を示す図であり、図36の詳細を示す。
図37において、送信側レート変換部1132は、1フレーム目(フレーム番号a0)のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS3)の30G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、30Gトランスポートフレーム(33.6G)のペイロードの10個のTSのうち3個のTS(TS群A1)にマッピングする。3/10のTSを用いるのは、100Gトランスポートフレーム(112G)から30Gトランスポートフレーム(33.6G)へ変更するためである。
さらに、送信側レート変換部1132は、2フレーム目(フレーム番号a1)のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS3)の30G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号を、30Gトランスポートフレーム(33.6G)のペイロードの10個のTSのうち3個のTS(TS群A2)にマッピングする。送信側レート変換部1132は、3フレーム目(フレーム番号a2)のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードについても同様に、30Gトランスポートフレーム(33.6G)のペイロードの10個のTSのうち3個のTS(TS群A3)にマッピングする。
送信側レート変換部1132は、4フレーム目(フレーム番号b)のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS3)の30G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号の1/3を1フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)のペイロードにおける1/10のTS(TS群A4)に設定する。送信側レート変換部1132は、残りの2/3のクライアント信号を、図38に示すように2フレーム目の30Gトランスポートフレームのペイロードにおける2/10のTS(TS群B1)に設定する。
送信側レート変換部1132は、5、6フレーム目(フレーム番号a3、a4)のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)それぞれについて、ペイロードにおける決められた位置(TS1~TS3)の30G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号をそれぞれ、30Gトランスポートフレーム(33.6G)のペイロードの3/10のTS(TS群B2、B3)にマッピングする。
送信側レート変換部1132は、7フレーム目(フレーム番号c)のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)内のペイロードにおける決められた位置(TS1~TS3)の30G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号の2/3を2フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)のペイロードにおける2/10のTS(TS群B4)に設定する。送信側レート変換部1132は、残りの1/3のクライアント信号を、図39に示すように3フレーム目の30Gトランスポートフレームのペイロードにおける1/10のTS(TS群C1)に設定する。
送信側レート変換部1132は、8、9、10フレーム目(フレーム番号a5、a6、a7)のOTU4の100Gトランスポートフレーム(112G)それぞれについて、ペイロードにおける決められた位置(TS1~TS3)の30G分のTSからクライアント信号を抽出する。送信側レート変換部1132は、抽出したクライアント信号をそれぞれ、30Gトランスポートフレーム(33.6G)のペイロードの3/10のTS(TS群C2、C3、C4)にマッピングする。
送信側レート変換部1132は、1フレーム目(フレーム番号a0)の100Gトランスポートフレーム(112G)のOHを、1フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)のOHに設定し、4フレーム目(フレーム番号b)の100Gトランスポートフレーム(112G)のOHを、2フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)のOHに設定し、7フレーム目(フレーム番号c)の100Gトランスポートフレーム(112G)のOHを、3フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)のOHに設定する。
送信側レート変換部1132は、2、3、5、6、8、9、10フレーム目のOTU4のOHは削除する。
上記のように設定することで、送信側レート変換部1132は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から30Gトランスポートフレーム(33.6G)を生成する。
送信側レート変換部1132が30Gトランスポートフレームを出力してから、対向のトランスポンダ1001の誤り訂正復号化部1136が誤り訂正処理を行った30Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137に出力するまでの処理は、第4の実施形態と同様である。
送信側レート変換部1132は、生成した30Gトランスポートフレームを誤り訂正符号化部1133に出力する。誤り訂正符号化部1133は、30Gトランスポートフレームに誤り訂正符号を付加し、誤り訂正符号が付加された30Gトランスポートフレームをデジタル信号送信処理部1134に送信する。なお、誤り訂正符号化部1133は無くてもよい。
デジタル信号送信処理部1134は、30Gトランスポートフレームに対して長距離伝送のための光デジタルコヒーレント処理を行い、処理された30Gトランスポートフレームをライン信号送受信部1014に送信する。なお、デジタル信号送信処理部1134は無くてもよい。
ライン信号送受信部1014は、デジタル信号処理部1013から出力された30GトランスポートフレームのデータをE/O変換し、変換により得られた光信号をライン信号としてネットワークへ送信する。送信されたデータは、対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014が受信する。
対向のトランスポンダ1001のライン信号送受信部1014は、受信したデータをO/E変換した後、変換により得られた電気信号をDSP(デジタル信号処理部1013)へ出力する。デジタル信号処理部1013のデジタル信号受信処理部1135は、受信したデータに信号等化を行い、30Gトランスポートフレームを出力する。誤り訂正復号化部1136は、デジタル信号受信処理部1135から出力された30Gトランスポートフレームに誤り訂正処理を行う。誤り訂正復号化部1136は誤り訂正処理が行われた30Gトランスポートフレームを受信側レート変換部1137へ送信する。
受信側レート変換部1137は、誤り訂正復号化部1136が出力した30Gトランスポートフレーム(33.6G)から100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を生成する。具体的には、受信側レート変換部1137は、1フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)の3/10のTS(TS群A1)を、1フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる30G分のTS(例えば、TS1~TS3)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、100Gトランスポートフレームのペイロードにおける残りの70G分のTS(例えば、TS4~TS10)に、FS等のダミー信号を挿入する。
さらに、受信側レート変換部1137は、1フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)の3/10のTS(TS群A2)を、2フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる30G分のTS(例えば、TS1~TS3)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードについても、残りの70G分のTS(例えば、TS4~TS10)にFS等のダミー信号を挿入する。
以降も同様に、受信側レート変換部1137は、送信側レート変換部1132と逆のマッピング処理を行うことで、3フレーム分の30Gトランスポートフレームから10フレーム分の100Gトランスポートフレーム(OTU4)を復元する。
例えば、受信側レート変換部1137は、1フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)の1/10のTS(TS群A4)と、2フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)の2/10のTS(TS群B1)とを抽出する。受信側レート変換部1137は、抽出したこれらのTSを、4フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードにおける決められた位置に含まれる30G分のTS(例えば、TS1~TS3)にマッピングする。受信側レート変換部1137は、2フレーム目の100Gトランスポートフレームのペイロードの残りの70G分のTS(例えば、TS4~TS10)にFS等のダミー信号を挿入する。
なお、受信側レート変換部1137は、1フレーム目のOTU4のOHには、1フレーム目の30Gトランスポートフレーム(33.6G)のOHをそのままコピーする。2フレーム目、3フレーム目、4フレーム目のOTU4のOHには、1フレーム目の30GトランスポートフレームのOHをそのままコピーしてもよく、他のデータを挿入してもよい。受信側レート変換部1137は、5フレーム目のOTU4のOHには、2フレーム目の30GトランスポートフレームのOHをそのままコピーする。6フレーム目、7フレーム目のOTU4のOHには、2フレーム目の30GトランスポートフレームのOHをそのままコピーしてもよく、他のデータを挿入してもよい。受信側レート変換部1137は、8フレーム目のOTU4のOHには、3フレーム目の30GトランスポートフレームのOHをそのままコピーする。受信側レート変換部1137は、9フレーム目、10フレーム目のOTU4のOHには、3フレーム目の30GトランスポートフレームのOHをそのままコピーしてもよく、他のデータを挿入してもよい。
受信側レート変換部1137は、復元した10フレーム分の100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)をパラレル信号送信部1138に送る。パラレル信号送信部1138は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を、DSPとOTU4フレーマ間のOTL4.10インタフェースによりOTU4フレーマ(フレーミング処理部1012)へパラレルに送る。OTU4フレーマのパラレル信号受信部1125は、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)を復元する。オーバーヘッド抽出部1126は、復元された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)に誤り監視等のオーバーヘッドに関する処理を行う。ダミー信号抜去部1127は、オーバーヘッドに関する処理が行われた100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から、ペイロードの決められた位置の70G分のTS(例えば、TS4~TS10)に設定されているダミー信号を抜去する。デマッピング部1128は、ダミー信号が抜去された100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)からクライアント信号を抽出する。なお、ダミー信号を抜去せずに、デマッピング部1128が、100Gトランスポートフレーム(OTU4:112G)から直接クライアント信号を復元してもよい。デマッピング部1128は、抽出された10GE×3のクライアント信号を、クライアント信号送受信部1011へ送る。クライアント信号送受信部1011は、フレーマ(フレーミング処理部1012)から受信したクライアント信号を出力する。
本実施形態によれば、50G以外のレート(30G)の転送を柔軟に行うことが可能になる。本実施形態は、新たな変調方式の登場や、ADC/DACのスピードの変更により、柔軟なレートの転送が必要となった場合に適する。
なお、マッピング部1121、ダミー信号挿入部1122、送信側レート変換部1132、1132a、受信側レート変換部1137、1137a、ダミー信号抜去部1127は、抜去すべきダミー信号やダミー信号の設定位置(TS)を以下のいずれかにより識別する。
(1)常に同じ位置のTSをダミー信号であると識別する。マッピング部1121、及び受信側レート変換部1137、1137aは、ダミー信号を設定すべきと予め決められたTSにはクライアント信号を設定しない。
(2)常に同じパターンの設定値をダミー信号に用いる。送信側レート変換部1132、及びダミー信号抜去部1127は、TSの設定値によってダミー信号を識別し、抜去する。
(3)ダミー信号の位置又はパターンをフレームのOHを用いて転送する。オーバーヘッド付加部1123は、ダミー信号挿入部1122がダミー信号を設定したTSあるいはダミー信号のパターンを示すダミー信号識別情報をOHに設定する。送信側レート変換部1132、1132a、受信側レート変換部1137、1137a、及びダミー信号抜去部1127は、OHに設定されているダミー信号識別情報によって、ペイロード内のダミー信号を識別する。
(4)ダミー信号の位置又はパターンをペイロード中のFSを用いて転送する。ダミー信号挿入部1122は、ペイロード中のFSにダミー信号を設定したTSあるいはダミー信号のパターンを示すダミー信号識別情報を設定する。送信側レート変換部1132、1132a、受信側レート変換部1137、1137a、及びダミー信号抜去部1127は、FSに設定されているダミー信号識別情報によって、ペイロード内のダミー信号を識別する。
(5)ダミー信号の位置又はパターンをペイロード中のTSを用いて転送する。ダミー信号挿入部1122は、ペイロード中のTSにダミー信号を設定したTSあるいはダミー信号のパターンを示すダミー信号識別情報を設定する。送信側レート変換部1132、1132a、受信側レート変換部1137、1137a、及びダミー信号抜去部1127は、TSに設定されているダミー信号識別情報によって、ペイロード内のダミー信号を識別する。
(6)ダミー信号の位置又はパターンをペイロード中のGMPのStuffを用いて転送する。ダミー信号挿入部1122は、ペイロード中のGMPのStuffにダミー信号を設定したTSあるいはダミー信号のパターンを示すダミー信号識別情報を設定する。送信側レート変換部1132、1132a、受信側レート変換部1137、1137a、及びダミー信号抜去部1127は、GMPのStuffに設定されているダミー信号識別情報によって、ペイロード内のダミー信号を識別する。
(7)トランスポンダ1001、1001a、1001bの起動時に、挿入側及び抜去側(マッピング部1121、ダミー信号挿入部1122、送信側レート変換部1132、1132a、受信側レート変換部1137、1137a、ダミー信号抜去部1127)でダミー信号の位置またはパターンを設定する。
上述した第4~第11の実施形態によれば、既存のフレーマ-DSP間のインタフェース条件を満足しつつ、ライン信号のビットレートに対応するフレーミングを行うことが可能となる。特に8QAMの変調方式を用いた150G伝送に対応する効果がある。
なお、上述した第4~第11の実施形態では、フレーマ-DSP間がOTU4である場合を例に説明したが、OTU1、OTU2、OTU2e、OTU3、OTU3eの階梯であってもよく、今後標準化される階梯を適用してもよい。
また、上述した第4~第11の実施形態では、OTNフレームを例に説明したが、これに限らず、他のフレーム、例えばSDH(Synchronous Digital Hierarchy)のフレーム等を用いてもよい。
次に、以下に示す第12~第16の実施形態では、図19に示した第1の応用例についてさらに詳しく説明する。
<第12の実施形態>
図40は、本発明の第12の実施形態によるマルチキャリア光伝送システム2001の構成を示す概略ブロック図である。マルチキャリア光伝送システム2001の構成は、基本的には、図19に示したマルチキャリア光伝送システム701と同様である。
マルチキャリア光伝送システム2001は、送信装置2010と、受信装置2020と、送信装置2010と受信装置2020を接続する光伝送路2040とを備える。送信装置2010において、クライアント信号受信部2011は、送信装置2010に接続された外部の装置から100GbE(100Gbit/sイーサネット(登録商標))やOTU4などのクライアント信号を受信する。また、クライアント信号受信部2011は、受信したクライアント信号がOTU4フレームの場合、受信したクライアント信号をそのまま出力し、受信したクライアント信号が100GbEの場合、受信したクライアント信号をOTU4フレームにマッピングして、クライアント信号がマッピングされたOTU4フレームを出力する。第一の分配部2012は、クライアント信号受信部2011が出力するOTU4フレームの信号をブロックに分割する。ここで、第一の分配部2012は、信号をブロックに分割する際、OTU4フレームのサイズの約数の値であって、分配後の信号を参照して信号処理を行う機能部がOTU4フレームのフレーム構造の検出に必要とするオーバーヘッド要素のバイトのバイト数以上の値を分割するブロックのサイズとして選択する。例えば、OTU4フレームの場合、フレームサイズは、16320バイトである。16320の約数は1,2,3,4,5,6,8,10,12,15,16,17,20,・・・,4080,5440,8160,16320であり、これらの値がブロックサイズの候補となる。分配後の信号を参照して信号処理を行う機能部の処理の一例として、図40に示す誤り訂正符号化部2013a及び2013bによる誤り訂正符号化の処理がある。当該処理においてFASバイトのみを用いてフレーム構造を検出する場合、第一の分配部2012は、FASバイトの長さである6バイト以上の値をブロックサイズとして選択する。第一の分配部2012は、ブロックサイズとして選択した値に基づいてOTU4フレームの信号をブロックに分割する。
フレームをブロックに分割する例は図10A~10Eに示した通りである。また、第一の分配部2012は、分割されたブロックをラウンドロビン方式でサブキャリアに対応する2つの信号SC#1とSC#2に分配する。ここで、ブロック数が偶数の場合、OTU4フレームの先頭にあるFASが一方のレーンだけに分配されてしまうため、フレームごとにレーン回転を行い、FASが2つのレーンに分配されるように分配を行う。なお、レーン回転とは、1フレームごとに分配を開始するレーンを変えることである。ブロック数が奇数の場合、レーン回転を行わなくても、FASは、2つのレーンに対して交互に分配される。誤り訂正符号化部2013a及び2013bは、第一の分配部2012によって分配されたそれぞれの信号に対して誤り訂正符号を付加する。ここで、誤り訂正符号化部2013aと2013bは、非特許文献1のITU-T勧告で規定されるRS(255,239)、または、RS(255,239)と同じ約7%の冗長度を有する別の符号化方式か、または、RS(255,239)と異なる冗長度、例えば約20%の冗長度を有する別の符号化方式を用いて誤り訂正符号の付加を行う。
第二の分配部2016a及び2016bは、誤り訂正符号化部2013a及び2013bのそれぞれによって誤り訂正符号が付加された信号をX偏波とY偏波に対応するように2つに分配する。すなわち、第一の分配部2012によって、サブキャリアに対応するSC#1とSC#2の信号に分配され、さらに、第二の分配部2016a及び2016bによってX偏波とY偏波に対応するように分配されるため、結果として、OTU4フレームの信号は、SC#1X偏波、SC#1Y偏波、SC#2X偏波、SC#2Y偏波の4つのレーンに分配されることになる。また、第二の分配部2016a及び2016bは、第一の分配部2012と同様に、誤り訂正符号化部2013a及び2013bが出力する信号のフレームサイズと、分配後の信号を参照して信号処理を行う機能部の処理が要求するフレーム構造を検出するのに必要なオーバーヘッド要素のバイト数とに基づいて信号の分配を行う。例えば、第二の分配部2016a及び2016bに接続されているデジタル変調部・送信部・合波部2019に含まれるデジタル変調部によるデジタル変調の処理において、フレーム構造を検出した上で、伝送路の波長分散などを推定するためのトレーニングシーケンスを付加する場合がある。この場合、FASバイトを用いてフレーム構造を検出するときには、第二の分配部2016a及び2016bは、FASバイトの長さである6バイト以上の値をブロックサイズとして選択して信号の分配を行う。デジタル変調部・送信部・合波部2019において、デジタル変調部は、第二の分配部2016a及び2016bによって分配されたSC#1X偏波、SC#1Y偏波、SC#2X偏波、SC#2Y偏波の各々の信号に対して2SC-DP-BPSK方式による変調を行って信号を多重し、送信部は、変調された信号を送信し、合波部は、送信された信号を波長多重して伝送信号とする。この伝送信号は、光伝送路2040を通じて長距離伝送される。
受信装置2020の分波部・受信部・デジタル復調部2029では、分波部が、光信号(伝送信号)を分波し、受信部が分波された信号を読み出し、デジタル復調部が読み出された信号に対して復調を行う。これにより、分波部・受信部・デジタル復調部2029は、SC#1X偏波、SC#1Y偏波、SC#2X偏波、SC#2Y偏波に対応する4つの信号を出力する。第二の結合部2026a及び2026bは、それぞれX偏波とY偏波の2つの信号のブロックからFASバイトを検出する。また、第二の結合部2026a及び2026bは、検出したFASバイトを用いて2つの信号のブロックに対してリオーダ、デスキューして元の信号を再生して、再生された信号を出力する。誤り訂正復号部2023a及び2023bは、第二の結合部2026a及び2026bのそれぞれから出力された信号に対して誤り訂正処理を行う。第一の結合部2022は、誤り訂正復号部2023a及び2023bから出力された2つの信号のブロックからFASバイトを検出する。また、第一の結合部2022は、検出したFASバイトを用いて2つの信号のブロックに対してリオーダ、デスキューして元のOTU4のフレーム構造の信号を再生して、再生された信号を出力する。クライアント信号送信部21は、第一の結合部2022が出力するOTU4のフレームの信号をそのまま出力し、または、OTU4のフレームの信号を100GbEの信号に変換して100GbEの信号を出力する。
上記の第12の実施形態の構成により、第一の分配部2012、ならびに、第二の分配部2016a及び2016bにおいてフレーム構造の検出に必要なオーバーヘッド要素、例えば、FASのバイト領域を維持して信号を分配する。これにより、第一の分配部2012、ならびに、第二の分配部2016a及び2016bが出力する分配後の信号においてもフレーム構造を検出することができる。したがって、誤り訂正符号化処理などのフレーム構造を利用する信号処理を信号の分配後に行うことが可能となる。それにより、例えば、当該信号処理を行う回路素子を分配部の後段に分割して配置することができるなど、回路素子の配置の自由度を高めることができ、回路規模の制約により単一のデバイスでは実現できない機能を複数に分割することによって実現することが可能となる。
なお、上記の第12の実施形態の構成において、第一の分配部2012、ならびに、第二の分配部2016a及び2016bが分配した後の信号を参照する機能部が、FASバイトだけではなく、FASバイトとMFAS(Multi-Frame Alignment Signal)バイトの両方を参照してフレーム構造を検出する場合もある。この場合、第一の分配部2012、ならびに、第二の分配部2016a及び2016bによって、FAS+MFASバイトの長さである7バイト以上の値がブロックサイズとして選択されることになる。また、分配した後の信号を参照する機能部が、FASバイト及びMFASバイトに加え、4行×4080コラムのフレーム構造における1行を処理の単位とする場合、4080バイト以上の値が、ブロックサイズとして選択されることになる。また、FAS+MFASバイトの長さである7バイト以上の値が選択された場合、受信装置2020における第二の結合部2026a及び2026b、ならびに、第一の結合部2022は、2つの信号のブロックを結合する場合、FASバイトに加えてMFASバイトを検出し、検出したFASバイト及びMFASバイトを用いて2つの信号のブロックに対してリオーダ、デスキューして元の信号を再生するようにしてもよい。
また、第二の分配部2016a及び2016bにおいては、第一の分配部2012がブロックの分割に用いたブロックサイズを超える値を選択したとしても、選択した値に対応するオーバーヘッド要素を用いたフレーム構造の検出はできない。例えば、第一の分配部2012が、FASバイトである6バイトをブロックサイズとして選択した場合、第二の分配部2016a及び2016bが、FAS+MFASバイトの7バイトをブロックサイズとして選択したとしても、第一の分配部2012において、MFASバイトの情報を維持するように分割していないため、第二の分配部2016a及び2016bの分配後の信号についてMFASバイトのパターンは維持されていない。したがって、第二の分配部2016a及び2016bにおいて選択できるブロックサイズの値は、第一の分配部2012において選択されたブロックサイズ以下の値となる。そのため、第一の分配部2012において選択するブロックサイズは、第二の分配部2016a及び2016bによって分配された信号を参照して信号処理を行う機能部の処理が要求するフレーム構造を検出するのに必要なオーバーヘッド要素のバイト数も考慮して選択する必要がある。
また、上記の第12の実施形態の構成において、分配後の信号を参照して信号処理を行う機能部として、誤り訂正符号化を行う誤り訂正符号化部2013a及び2013b、並びに、伝送路の波長分散などを推定するためのトレーニングシーケンスを付加するデジタル変調部・送信部・合波部2019のデジタル変調部を例として説明した。フレーム構造を利用する信号処理としては、これらの機能部による処理以外に、スクランブル、デジタル信号処理用等のトレーニングシーケンスの挿入及び削除、ならびに、オーバーヘッド情報へのアクセスなどの処理がある。
また、上記の第12の実施形態の構成において、信号のフレームとして標準のフレームサイズが16320バイトのOTU4について説明した。しかし、フレームの構成は、当該実施形態の構成に限られるものではなく、例えば、フレームサイズがOTU4とは異なるOTU4V信号などを適用してもよく、その場合も同様に、フレームサイズの約数の値であって、分配後の信号を参照して信号処理を行う機能部の処理が要求するフレーム構造を検出するのに必要なオーバーヘッド要素のバイト数以上の値がブロックサイズとして選択されることになる。
また、第12の実施形態の変形例として図41に示すマルチキャリア光伝送システム2001aのように誤り訂正符号化の処理を行う機能部が、第一の誤り訂正符号化部2014a及び2014b、並びに第二の誤り訂正符号化部2015a及び2015bのように複数段に分かれていてもよい。
図41の構成では、第一の誤り訂正符号化部2014a及び2014bが、約7%の冗長度のHD-FEC(Hard Decision-Forward Error Correction)を行い、第二の誤り訂正符号化部2015a及び2015bが、約13%の冗長度のSD-FEC(Soft Decision-Forward Error Correction)を行う。これにより、合計で約20%の冗長度の誤り訂正符号化を行うことができる。具体的には、この誤り訂正符号化は、例えば、図42に示すようなコラム数が4592コラムのフレームを構成する処理となる。まず、第一の誤り訂正符号化部2014a及び2014bが、約7%の冗長度の誤り訂正符号をフレームの3825コラムから4080コラムの領域に付加する。そして、第二の誤り訂正符号化部2015a及び2015bが、約13%の冗長度の誤り訂正符号をフレームの4081コラムから4592コラムの領域に付加する。なお、この例における正確な冗長度を算出すると、約7%の冗長度のFECについては、4×3824バイトのデータに対して4×(4080-3824)バイトの誤り訂正符号を付加するので冗長度は、4×(4080-3824)/(4×3824)=6.7%となる。また、約13%の冗長度のFECは、4×3824バイトのデータに対して、4×(4592-4080)バイトの誤り訂正符号を付加するので、冗長度は、4×(4592-4080)/(4×3824)=13.4%となる。両者を合計すると、20.1%の冗長度となる。また、このときのフレーム全体のサイズは、4×4592=18368バイトとなる。そのため、第二の分配部2016a及び2016bは、デジタル変調部・送信部・合波部2019がフレーム構造の検出を行うことを考慮しつつ、18368の約数、すなわち1, 2, 4, 7, 8,14, 16, 28, 32, ・・・4592, 9184, 18368の中からブロックサイズを選択することになる。
なお、受信装置2020aにおいても、送信装置2010aの構成に対応するように、第二の誤り訂正復号部2025a及び2025b、並びに第一の誤り訂正復号部2024a及び2024bという2段の復号部が備えられることになる。
上記の第12の実施形態の変形例のように誤り訂正処理を複数段にして誤り訂正符号化を連接させることにより、図40に示した第12の実施形態の構成により得られる効果に加えて、合計で約20%の高い冗長度の誤り訂正の性能を実現することが可能となる。また、誤り訂正符号化の機能部を2つに分けていることから、回路素子の配置において更に自由度を高めることが可能となる。
<第13の実施形態>
次に、本発明の第13の実施形態について説明する。図43は、本発明の第13の実施形態によるマルチキャリア光伝送システム2002を示す概略ブロック図である。マルチキャリア光伝送システム2002も、第12の実施形態のマルチキャリア光伝送システムと同様に2SC-DP-BPSK方式により100Gbit/sの伝送を行う。図43において、第12の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、以下、第12の実施形態の変形例である図41に示したマルチキャリア光伝送システム2001aと異なる構成について説明する。マルチキャリア光伝送システム2002では、マルチキャリア光伝送システム2001aと同じく2段の誤り訂正符号化部及び誤り訂正復号部(すなわち、第一及び第二の誤り訂正符号化部、第一及び第二の誤り訂正復号部)を備えている。しかし、第一の誤り訂正符号化部2014が、第一の分配部2012の前に備えられ、第一の誤り訂正復号部2024が、第一の結合部2022の後に備えられている点で、マルチキャリア光伝送システム2002はマルチキャリア光伝送システム2001aと異なる。また、マルチキャリア光伝送システム2002においても、マルチキャリア光伝送システム2001aと同様に、例えば、第一の誤り訂正符号化部2014が、約7%の冗長度のHD-FECを行い、第二の誤り訂正符号化部2015a及び2015bが、約13%の冗長度のSD-FECを行う。
第13の実施形態によるマルチキャリア光伝送システム2002の誤り訂正符号を付加する処理について説明する。図43において、クライアント信号受信部2011は、図44に示すOTUフレームを出力する。ただし、出力された信号においては、まだ、コラム3825から4080の誤り訂正符号領域に、誤り訂正符号は書き込まれていない。第一の誤り訂正符号化部2014は、クライアント信号受信部2011が出力したOTUフレームのコラム3825から4080の誤り訂正符号領域に誤り訂正符号を書き込む。第一の分配部2012は、図45(a)に示すように、例えば、4行×4080コラムのフレームを4080バイトに分割、すなわち1行を1つのブロックとしてブロック分割する。ここで、分割したそれぞれのブロックを、フレーム1については、1-1、1-2、1-3、1-4と呼ぶ。以降のフレームについても同じように、例えば、フレーム2については、分割したそれぞれのブロックを2-1、2-2、2-3、2-4と呼び、フレーム3については、分割したそれぞれのブロックを3-1、3-2、3-3、3-4と呼ぶ。第一の誤り訂正符号化部2014から第一の分配部2012に出力される際、フレームの伝送の順は、まず1行目の1バイト目から4080バイト目に向かって伝送され、続いて、2行目の1バイト目から4080バイト目に向かって行われ、これがフレームごとに繰り返されることになる。第一の分配部2012は、図45(a)に示したフレーム構造の信号をブロックにしたがって図45(b)のように2つのレーンに分配していく。例えば、フレーム1については、1-1、1-2、1-3、1-4のブロックをレーン1、レーン2の順に交互に分配していく。
第一の分配部2012は、1つのフレームのブロックの分配を終了すると、レーン回転、すなわちブロックの分配の開始レーンを変えて分配を行う。例えば、フレーム2の2-1、2-2、2-3、2-4のブロックについてはレーン2、レーン1の順に交互に分配していく。これにより、図45(a)及び図45(b)に示すブロックにおいて斜線で示したフレームの先頭のオーバーヘッド要素の領域が、2つのレーンに出現することになる。分配後のブロックについて、1つのレーンの信号に着目して、オーバーヘッド要素を先頭に、次のオーバーヘッド要素まで、例えば図45(b)のレーン1の破線で囲ったブロック1-1、1-3、2-2、2-4をひとかたまりとしてみると、s図45(c)のようなフレーム構造を有する信号としてみることができる。第二の誤り訂正符号化部2015a及び2015bは、第一の分配部2012から出力される図46(a)(図45(c)を再掲した図である)に示す信号を4行×4080コラムのフレーム構造を有する信号とみなして図46(b)に示すように4081コラムから4592コラムの領域を付加し、当該領域に誤り訂正符号を書き込む。
上記の第13の実施形態の構成では、第12の実施形態と同様に第一の分配部2012、ならびに、第二の分配部2016a及び2016bにおいてフレーム構造の検出に必要なオーバーヘッド要素、例えば、FASやMFASのバイト領域を維持して信号を分配する。これにより、第一の分配部2012、ならびに、第二の分配部2016a及び2016bが出力する分配後の信号においてもフレーム構造を検出することができる。したがって、誤り訂正符号化処理などのフレーム構造を利用する信号処理を信号の分配後に行うことが可能となる。それにより、例えば、当該信号処理を行う回路素子を分配部の後段に分割して配置することができるなど、回路素子の配置の自由度を高めることができ、回路規模の制約により単一のデバイスでは実現できない機能が、回路素子を複数のチップに分割することによって実現することが可能となる。
また、上記の第13の実施形態の構成では、第一の分配部2012の前に第一の誤り訂正符号化部2014を配置し、第一の分配部2012の後に第二の誤り訂正符号化部2015a及び2015bを配置する。そして、第一の誤り訂正符号化部2014に約7%の冗長度のHD-FECを行わせ、第二の誤り訂正符号化部2015a及び2015bに約13%の冗長度のSD-FECを行わせる。このように2つの誤り訂正符号化の処理を連接させることにより、合計で約20%の高い冗長度の性能を実現することが可能となる。
また、上記の第13の実施形態の構成では、受信装置2020bにおいて、第一の誤り訂正復号部2024は、信号全体に対して(上記の例の場合、100Gbit/sの信号全体に対して)誤り訂正処理を行う。これに対して、第二の誤り訂正復号部2025a及び2025bは、2つに分岐された信号に対して(上記の例の場合、50Gbit/sの信号に対して)それぞれ誤り訂正処理を行う。したがって、2つある50G信号のうち一方のビットエラーレートが劣化しても、その後段にある第一の誤り訂正復号部2024において100Gbit/sの信号にまとめてさらに誤り訂正を行うので、より一層の高い誤り訂正能力を提供でき、信号品質を改善することが可能となる。
<第14の実施形態>
次に、本発明の第14の実施形態について説明する。図47は、本発明の第14の実施形態によるマルチキャリア光伝送システム2003を示す概略ブロック図である。マルチキャリア光伝送システム2003も、第12及び第13の実施形態のマルチキャリア光伝送システムと同様に2SC-DP-BPSK方式により100Gbit/sの伝送を行う。図47において、第12及び第13の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、以下、第12の実施形態の変形例である図41に示したマルチキャリア光伝送システム2001aと異なる構成について説明する。マルチキャリア光伝送システム2003においても、マルチキャリア光伝送システム2001aと同じく2段の誤り訂正符号化部及び誤り訂正復号部(すなわち、第一及び第二の誤り訂正符号化部、第一及び第二の誤り訂正復号部)を備えている。しかし、第二の誤り訂正符号化部2015-1、2015-2及び第二の誤り訂正符号化部2015-3、2015-4がそれぞれ第二の分配部2016a及び2016bの後に配置されている点で、マルチキャリア光伝送システム2003はマルチキャリア光伝送システム2001aと異なる。また、送信装置2010cの構成に対応するように、受信装置2020cにおいても、第二の誤り訂正復号部2025-1、2025-2及び第二の誤り訂正復号部2025-3、2025-4が、それぞれ第二の結合部2026a及び2026bの前に配置されている点で、マルチキャリア光伝送システム2003はマルチキャリア光伝送システム2001aと異なる。第14の実施形態の構成においても、マルチキャリア光伝送システム2001aと同様に、例えば、第一の誤り訂正符号化部2014a及び2014bが、約7%の冗長度のHD-FECを行い、第二の誤り訂正符号化部2015-1、2015-2、2015-3、2015-4が、約13%の冗長度のSD-FECを行う。
第14の実施形態によるマルチキャリア光伝送システム2003において信号をブロックに分割して誤り訂正符号を付加する手順について説明する。まず、第一の分配部2012は、ブロックサイズ4080バイトで信号をブロックに分割し、得られたブロックの信号を2つのレーンに分配する。この分配の処理は、上述した図45(a)及び図45(b)を参照して説明した処理と同様となる。分配処理により、第一の誤り訂正符号化部2014a及び2014bには、図45(c)に示す信号が与えられる。図45(c)の最初の信号の構成であるブロック1-1、1-3、2-2、2-4のサイズは、上述したように図45(a)のフレームごとの信号と同じサイズとなり、3825コラムから4080コラムは、誤り訂正符号領域となっている。第一の誤り訂正符号化部2014a及び2014bは、この領域に誤り訂正符号を書き込む。第二の分配部2016a及び2016bは、例えば、分割するブロックのサイズとしてFASバイトのサイズである6バイト以上を選択し、信号をブロックに分割し、得られたブロックの信号を分配する。このように分配することで、第二の分配部2016a及び2016bによって分配された各々のレーンには、フレームサイズが4×4080バイトで、周期的にフレームの先頭であるFASが出現する信号となる。第二の誤り訂正符号化部2015-1、2015-2、2015-3、2015-4は、当該信号に対して、4081コラムから4592コラムの領域を付加し、その領域に約13%の冗長度の誤り訂正符号を書き込む。
上記の第14の実施形態の構成では、第12及び第13の実施形態と同様に、第一の分配部2012、ならびに、第二の分配部2016a及び2016bにおいてフレーム構造の検出に必要なオーバーヘッド要素、例えば、FASやMFASのバイト領域の構成を維持して信号を分配する。これにより、第一の分配部2012、ならびに、第二の分配部2016a及び2016bが出力する分配後の信号においてもフレーム構造を検出することができる。したがって、誤り訂正符号化処理などのフレーム構造を利用する信号処理を信号の分配後に行うことが可能となる。それにより、例えば、当該信号処理を行う回路素子を分配部の後段に分割して配置することができる。第14の実施形態では、第二の誤り訂正符号化部を4つに分けていることからマルチキャリア光伝送システム2001aに比べてより柔軟な配置を行うことが可能となる。このように配置の自由度が高まることで、回路規模の制約により単一のデバイスでは実現できない機能が、回路素子を複数のチップに分割することによって実現することが可能となる。
また、上記の第14の実施形態の構成では、第一の分配部2012の後に第一の誤り訂正符号化部2014a及び2014bを配置し、第二の分配部2016a及び2016bの後に第二の誤り訂正符号化部2015-1、2015-2及び第二の誤り訂正符号化部2015-3、2015-4を配置する。そして、第一の誤り訂正符号化部2014a及び2014bに約7%の冗長度のHD-FECを行わせ、第二の誤り訂正符号化部2015-1、2015-2、2015-3、2015-4に約13%の冗長度のSD-FECを行わせる。このように2つの誤り訂正符号化の処理を連接させることにより、合計で約20%の高い冗長度の性能を実現することが可能となる。
また、上記の第12、第13、及び第14の実施形態の構成では、第一の分配部2012、ならびに、第二の分配部2016a及び2016bの各々が、2分配する構成について示したが、2分配よりも多い分配数であってもよい。例えば、2サブキャリアではなく、Nサブキャリアを用いる場合、第一の分配部2012が、N分配することになる。また、例えば、変調方式として、DP-BPSKではなく、他の多値変調方式であるDP-QPSKやDP-16QAMなどを用いる場合、第二の分配部2016a及び2016bの分配数を2分配より多くしてもよい。
<第15の実施形態>
次に、本発明の第15の実施形態について説明する。図48は、本発明の第15の実施形態によるマルチキャリア光伝送システム2004を示す概略ブロック図である。マルチキャリア光伝送システム2004も、第12、第13及び第14の実施形態のマルチキャリア光伝送システムと同様に2SC-DP-BPSK方式により100Gbit/sの伝送を行う。図48において、第12、第13、及び第14の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、以下、図40に示した第12の実施形態のマルチキャリア光伝送システム2001と異なる構成について説明する。マルチキャリア光伝送システム2001は、第一の分配部2012と、第一の分配部2012によって分配された2つのレーンに配置された2つの誤り訂正符号化部2013a及び2013bと、誤り訂正符号が付加された信号を更に分配する第二の分配部2016a及び2016bとを備える構成としていた。これに対してマルチキャリア光伝送システム2004は、マルチキャリア光伝送システム2001の第一の分配部2012、誤り訂正符号化部2013a及び2013b、第二の分配部2016a及び2016bの並びを、第一の分配部2012、第二の分配部2016a及び2016b、誤り訂正符号化部2013a及び2013bの並びに変更し、さらに、第一の分配部2012と第二の分配部2016a及び2016bを一つの分配部2017にまとめ、4つの誤り訂正符号化部2013-1、2013-2、2013-3、2013-4を配置した構成となっている。受信装置2020dの構成についても、送信装置2010dの構成に対応して分波部・受信部・デジタル復調部2029の後に4つの誤り訂正復号部2023-1、2023-2、2023-3、2023-4を備え、4つに分かれた信号を結合する結合部2027を備える構成となっている。
第15の実施形態のマルチキャリア光伝送システム2004と、第12の実施形態のマルチキャリア光伝送システム2001との違いは、誤り訂正符号化部の個数と処理の単位である。図40に示すマルチキャリア光伝送システム2001は、2つの誤り訂正符号化部2013a及び2013bを備えており、それぞれ50Gbit/sの信号を処理する。これに対して、図48に示すマルチキャリア光伝送システム2004は、4つの誤り訂正符号化部2013-1、2013-2、2013-3、2013-4を備えており、それぞれ25Gbit/sの信号を処理する。一般に、誤り訂正符号化部は性能が高いほど、また、処理するデータレートが高いほど、規模が大きくなる。したがって、同一の性能を実現する場合、処理するデータレートが低い方が、回路規模が小さくなる。例えば、極めて精度の高い誤り訂正符号を用いたい場合に、LSIやFPGA(Field Programmable Gate Array)等を構成する際の規模の制約から図40のような2つの誤り訂正符号化部2013a及び2013bでは回路規模が大きくなりすぎてLSIやFPGAを構成できないことがある。このような場合であっても、第15の実施形態のように4つの誤り訂正符号化部2013-1、2013-2、2013-3、2013-4とすることでLSIやFPGAを構成することが可能となる。
なお、分配部2017による分割及び分配の処理は、第12、第13及び第14の実施形態の第一の分配部2012ならびに第二の分配部2016a及び2016bによって行われていた2段階での分配の処理を一段階で行っている処理となる。また、第15の実施形態においても、フレームサイズの約数の値であって、分配後の信号を参照する機能部の処理が要求するフレーム構造を検出するのに必要なオーバーヘッド要素のバイト数以上の値をブロックサイズとして選択することになる。また、分配部2017は、分配する際に、レーン1から4に対してラウンドロビン方式で分配を行い、レーン1から4についてレーン回転を行ってオーバーヘッド要素が各々のレーンに周期的に出現するように分配を行う。
これにより、分配部2017が出力する分配後の信号においてもフレーム構造を検出することができる。したがって、誤り訂正符号化処理などのフレーム構造を利用する信号処理を信号の分配後に行うことが可能となり、当該信号処理を行う回路素子を分配部の後段に分割して配置できる。第15の実施形態では、誤り訂正符号化部を4つに分けていることからマルチキャリア光伝送システム2001に比べてより柔軟な配置を行うことが可能となる。このように配置の自由度が高まることで、回路規模の制約により単一のデバイスで実現できない機能が、回路素子を複数のチップに分割して実現することが可能となる。
また、第15の実施形態によるマルチキャリア光伝送システム2004においても、図49に示すような誤り訂正符号化部及び、誤り訂正復号部を2つに分けた構成としてもよい。また、図50に示すように、2つに分けたうちの第一の誤り訂正符号化部及び第一の誤り訂正復号部を、それぞれ分配部2017の前、及び結合部2027の後に配置するような構成としてもよい。また、図49及び図50の構成の場合においても、第12の実施形態の変形例、第13及び第14の実施形態の構成と同様に、最初の誤り訂正符号化の処理において約7%の冗長度のHD-FECを行い、2つ目の誤り訂正符号化処理において、約13%の冗長度のSD-FECを行うことになる。また、図48、図49、図50では、分配数が4分配の例について説明したが、分配数は、4分配に限られるものではなく、より多くの分配数の構成であってもよい。
なお、上記の第12から第15の実施形態において示した誤り訂正符号の冗長度や符号化のアルゴリズムは、一例として説明したものであり、他の冗長度や他のアルゴリズムを適用してもよい。
また、上記の第12から第15の実施形態において、規定されたフレーム、例えば、OTU4フレームなどを適用するという前提で説明したが、フレームの構成は、当該実施形態に限られるものではない。任意のフレーム長のフレームに適用してもよい。また、フレーム長の約数として都合の良い約数がない場合、第一の分配部2012、第二の分配部2016a及び2016b、ならびに、分配部2017が、特開2011-223454号公報に示されるようなダミーバイトをフレームに加える手法を適用し、フレーム長を長くして都合の良い約数を選択するような構成としてもよい。この場合、受信側の第一の結合部2022、第二の結合部2026a及び2026b、ならびに、結合部2027において、フレームを再生した後にダミーバイトを削除する処理が行われることになる。
<第16の実施形態>
次に、本発明の第16の実施形態として、図51から図57を参照しつつ、上述した第12から第15の実施形態で示した構成における各機能部のチップへの分割例について説明する。第12から第15の実施形態においては、分配部の後に複数の誤り訂正符号化部を備え、結合部の前に複数の誤り訂正復号部を備える構成を示した。上述したように、一般に、誤り訂正処理の回路は大規模であり、高性能なものほど、また、処理するデータレートが高いほど、規模が大きくなる。そのため、単一のLSI、またはFPGAを用いたのでは、回路規模による制約から誤り訂正符号処理を実現することが困難な場合がある。これに対して、例えば、図51に示すように、第12の実施形態によるマルチキャリア光伝送システム2001において、第一の分配部2012の後段で誤り訂正符号化の処理を行えるようにしたことにより、第一の分配部2012の後に、誤り訂正符号化の機能部を2つの誤り訂正符号化部(誤り訂正符号化部2013a及び2013b)に分けて配置することが可能となる。誤り訂正符号化の機能部を2つに分けたことで、1つの機能部で処理するビットレートを下げることができ、それに伴い、誤り訂正の性能を維持しつつ、誤り訂正符号化の回路規模を小さくすることができる。そのため、送信装置2010を構成する際に、適切な回路規模とした誤り訂正符号化の機能部を1つずつ有する2つのチップc1、c2の形態として高性能な誤り訂正符号化の処理を実現することが可能となる。これは、受信装置2020の誤り訂正復号部2023a及び2023bについても同様であり、2つのチップc3、c4の形態として高性能な誤り訂正復号の処理を実現することが可能となる。
また、図52に示す第12の実施形態の変形例のマルチキャリア光伝送システム2001aの場合も同様に、送信装置2010aについてはチップc5、c6の2つのチップに分けて実現することができ、受信装置2020aについてはチップc7、c8の2つのチップに分けて実現することができる。また、図53に示す第13の実施形態のマルチキャリア光伝送システム2002の場合、送信装置2010bについては2つの誤り訂正符号化の機能部を有するチップc9、及び1つの誤り訂正符号化の機能部を有するチップc10の2つのチップに分けて実現することができ、受信装置2020bについても2つの誤り訂正復号の機能部を有するチップc11、及び1つの誤り訂正復号の機能部を有するチップc12の2つのチップに分けて実現することができる。また、図54に示す第14の実施形態のマルチキャリア光伝送システム2003の場合、送信装置2010cについてはそれぞれ3つの誤り訂正符号化の機能部を有するチップc13、c14の2つに分けて実現することができ、受信装置2020cについてもそれぞれ3つの誤り訂正復号の機能部を有するチップc15、c16の2つのチップに分けて実現することができる。また、図55に示す第15の実施形態のマルチキャリア光伝送システム2004の場合、送信装置2010dについてはそれぞれ1つの誤り訂正符号化の機能部を有するチップc17、c18、c19、c20の4つに分けて実現することができ、受信装置2020dについてもそれぞれ1つの誤り訂正復号の機能部を有するチップc21、c22、c23、c24の4つのチップに分けて実現することができる。また、図56に示す第15の実施形態のマルチキャリア光伝送システム2004aの場合、送信装置2010eについてはそれぞれ2つの誤り訂正符号化の機能部を有するチップc25、c26、c27、c28の4つに分けて実現することができ、受信装置2020eについてもそれぞれ2つの誤り訂正復号の機能部を有するチップc29、c30、c31、c32の4つのチップに分けて実現することができる。また、図57に示す第15の実施形態のマルチキャリア光伝送システム2004bの場合、送信装置2010fについてはそれぞれ1つの誤り訂正符号化の機能部を有するチップc33、c34、c35、c36の4つに分けて実現することができ、受信装置2020fについてもそれぞれ1つの誤り訂正復号の機能部を有するチップc37、c38、c39、c40の4つのチップに分けて実現することができる。
なお、図51から図57に示したチップの分割例は、一例であり、回路規模などに応じて任意に分割してもよいものとする。
また、図55、図56、図57のクライアント信号受信部2011、分配部2017、クライアント信号送信部2021、結合部2027、及び図57の第一の誤り訂正符号化部2014、第一の誤り訂正復号部2024については、分割したチップのいずれかに含まれていてもよいし、別のチップとして分割されてもよく、適切な配置となるよう、任意に組み合わせて各々のチップに分割されるようにしてもよい。
上述した実施形態における伝送装置,トランスポンダ,マルチキャリア光伝送システムの送信装置及び受信装置をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disc)-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、伝送装置,トランスポンダ,マルチキャリア光伝送システムの送信装置及び受信装置は、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述した実施形態を適宜組み合わせるようにしても良い。