WO2015140925A1 - 射出成形機 - Google Patents

Abstract

　可動金型が型締め位置に移動したことを検出するセンサ部を、正確に位置決めできる射出成形機とする。　位置検出装置は、可動金型３１が型締め位置に移動したときに第１被検出位置に移動する可動部６ａと、第１被検出位置の可動部６ａを検出する第１センサ部６ｂを備える。第１センサ部６ｂはストッパ７７を有する。第１センサ部６ｂは、可動部６ａを被検出位置に位置させ、第１センサ部６ｂを移動してストッパ７７を可動部６ａに接することで、第１被検出位置の可動部６ａを検出する位置に正確に位置決めできるようにした。

Description

射出成形機

　本発明は、金型内に溶融した材料を射出する射出成形機に関する。

　射出成形機が特許文献１に開示されている。
　この射出成形機は、固定金型を取り付けた固定盤と、可動金型を取り付けた可動盤と、可動金型が型締め位置に移動したことを検出する位置検出装置を備える。可動金型は、可動盤を移動することで、型締め位置と型開き位置に移動する。位置検出センサが可動盤に固着した取付フレームに設けられている。検出片が、支持板に設けられている。位置検出装置は、位置検出センサが検出片と接することで、可動金型が可動盤とともに型締め位置に移動したことを検出する。

実公昭６４－１０６１号公報

　従来の位置検出装置は、可動金型の型締め位置が金型を交換することで異なるので、検出片の位置を調節し、異なる型締め位置を検出できるようにしている。
　しかし、検出片は、支持板に沿って移動することで位置を調節されるため、型締め位置を検出する位置に正確に位置決めすることが困難である。

　本発明は、前述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、可動金型の型締め位置を検出するセンサ部が、型締め位置を検出する位置に正確に位置決めできる射出成形機とすることである。

　本発明は、固定金型３０と可動金型３１を有した金型３と、金型３内に溶融材料を射出する射出装置５と、可動金型３１を型締め位置と型開き位置とに移動する型締め装置４と、可動金型３１の型締め位置を検出する位置検出装置６を備えた射出成形機であって、
　前記位置検出装置６は、前記可動金型３１と共に移動可能な可動部６ａと、前記可動部６ａの第１被検出位置を検出する第１センサ部６ｂを備え、
　前記可動部６ａは、前記可動金型３１を型締め位置に移動したときに、第１被検出位置に移動し、
　前記第１センサ部６ｂは、前記可動部６ａの移動方向に移動可能で、
　前記第１センサ部６ｂは、前記可動部６ａに接する第１の状態と、前記可動部６ａから離れる第２の状態とに切り換え可能なストッパ７７を備え、
　前記第１センサ部６ｂは、前記ストッパ７７が第１の状態のとき、前記可動部６ａを検出する第１被検出位置に位置決めされることを特徴とする射出成形機である。

　本発明の射出成形機は、前記第１センサ部６ｂは、第１センサ支持部材７０とセンサ固定部材７１を備え、
　前記第１センサ支持部材７０は、前記可動部６ａの移動方向へ移動可能にセンサ取付フレーム２１に取り付けられ、
　前記センサ固定部材７１は、前記第１センサ支持部材７０を前記センサ取付フレーム２１に固定及び固定解除する構成にできる。

　このようにすれば、第１センサ部６ｂは、可動部６ａが可動金型３１とともに移動するとき、センサ取付フレーム２１に固定され、位置を調整するとき、センサ取付フレーム２１に沿って移動することができる。

　本発明の射出成形機は、前記可動部６ａは、センサ取付フレーム２１の上方に配置され、
　前記センサ固定部材７１は、前記センサ取付フレーム２１を前記第１センサ支持部材７０とで挟持するプレート７２と、前記プレート７２を前記第１センサ支持部材７０に連結する連結手段７３を有し、
　前記プレート７２は、センサ取付フレーム２１の下方に配置され、
　前記連結手段７３は、前記プレート７２を前記第１センサ支持部材７０に接近する位置と離間する位置とに変位させることが可能である構成にできる。

　このようにすれば、可動部６ａは、第１センサ支持部材７０を固定及び固定解除するとき、連結手段７３の操作の邪魔にならない。

　本発明の射出成形機は、前記ストッパ７７は前記第１センサ支持部材７０に取り付けられ、
　前記ストッパ７７は、第１の状態のとき、前記第１センサ支持部材７０の上方に突出し、
　前記ストッパ７７は、第２の状態のとき、前記第１センサ支持部材の７０の下方に突出し、
　前記ストッパ７７は、前記ストッパ７７を押し上げることで、第１の状態から第２の状態となる構成にできる。

　このようにすれば、可動部６ａは、ストッパ７７を第２の状態から第１の状態に操作するときの邪魔にならない。

　本発明の射出成形機は、前記位置検出装置６は、前記可動部６ａの位置を検出する第２センサ部６ｃを備え、
前記可動部６ａは、可動金型３１が型開き位置のときに第２被検出位置に移動し、
　前記第２センサ部６ｃは、第２被検出位置に配置される構成にできる。

　このようにすれば、可動金型３１が型開き位置に移動したことを検出できる。

　本発明によれば、第１センサ部６ｂは、可動金型３１が型締め位置に移動したことを検出できる。
　また、第１センサ部６ｂは、位置を調整するとき、可動部６ａを第１被検出位置に位置させストッパ７７を第１の状態として可動部６ａに向けて移動し、ストッパ７７を可動部６ａに接することで、型締め位置を検出する位置に正確に位置決めできる。

射出成形機の概略正面図である。 図１のセンサ部を取り付けた部分の一部破断した拡大図である。 図２のＡ－Ａ断面図である。 図２のＢ－Ｂ断面図である。 第１センサの検出動作説明図である。 型開き位置を検出した状態の説明図である。 第２センサが被検出体を検出した状態の説明図である。 型締め完了位置を検出した状態の説明図である。 第２センサが被検出体を検出しない状態の説明図である。 第１センサの位置調整の動作説明図である。

　本発明の射出成形機１は、図１に示すように、フレーム２、金型３、型締め装置４、射出装置５、位置検出装置６を備えている。
　フレーム２は、本体フレーム２０と、本体フレーム２０に取り付けられたセンサ取付フレーム２１を有している。本体フレーム２０は、上面と、本体フレーム２０の長さ方向の一方側に配置された第１面２０ａと、本体フレーム２０の長さ方向の他方側に配置された第２面２０ｂを有している。センサ取付フレーム２１は、第１面２０ａから突出している。金型３と、型締め装置４、射出装置５は、本体フレーム２０の上面に配置されている。また、位置検出装置６は、センサ取付フレーム２１及びセンサ取付フレーム２１の上方に配置されている。

　金型３は、固定金型３０と可動金型３１を有する。固定金型３０は後述する型締め装置４の第１固定盤４１に取り付けられている。可動金型３１は後述する型締め装置４の可動盤４４に取り付けられている。固定金型３０と可動金型３１は、本体フレーム２０の長さ方向に対向して配置されている。

　型締め装置４は、第１固定盤４１と、第２固定盤４２と、複数のタイロッド４３と、可動盤４４を有する。第１固定盤４１と第２固定盤４２は、本体フレーム２０の長さ方向に離間して配置されている。すなわち、第１固定盤４１は、第２面２０ｂ寄りに配置されている。また、第２固定盤４２は、第１面２０ａ寄りに配置されている。そして、第１固定盤４１と第２固定盤４２は、本体フレーム２０の上面に固定されている。複数のタイロッド４３は、第１固定盤４１と第２固定盤４２の間に配置されている。各タイロッド４３は、本体フレーム２０の長さ方向と平行に延びている。可動盤４４は、タイロッド４３に沿って、第１固定盤４１に向かう方向と、第１固定盤４１から離れる方向とに移動可能である。すなわち、可動金型３１は、可動盤４４が移動することによって、固定金型３０に向かう方向と、固定金型３０から離れる方向とに移動可能である。

　また、型締め装置４は型締めシリンダ４５を有する。型締めシリンダ４５は第２固定盤４２に取り付けられている。
　型締めシリンダ４５のピストンロッド４６はタイロッド４３の長さ方向と平行な方向に伸縮する。ピストンロッド４６は可動盤４４に連結されている。可動盤４４は、型締めシリンダ４５のピストンロッド４６が伸びたとき、第１固定盤４１に接近する方向、つまり型締め方向に移動する。これにより、可動金型３１は、型締め位置に移動し、固定金型３０に接して型締めする。また、型締めシリンダ４５のピストンロッド４６が縮んだとき、可動盤４４が第１固定盤４１から離れる方向、つまり型開き方向に移動する。これにより、可動金型３１は、型開き位置に移動し、固定金型３０から離れて型開きする。

　射出装置５は、第１固定盤４１よりも第２面２０ｂ寄りに配置され、かつ本体フレーム２０の上面に固定されている。射出装置５は、溶融材料を金型３内に射出する。なお、溶融材料としては、金属を溶融させた材料や、樹脂を溶融させた材料を採用できる。

　位置検出装置６は、可動部６ａと、第１センサ部６ｂと、第２センサ部６ｃを備えている。可動部６ａは、センサ取付フレーム２１の上方を移動可能に配置されている。センサ取付フレーム２１は、可動部６ａの移動方向と平行に延びている。センサ取付フレーム２１は、長さ方向の一端側に、第１面２０ａに連結された基端部を有する。また、センサ取付フレーム２１は、長さ方向の他端側に、第１面２０ａから離間して配置された先端部を有する。第１センサ部６ｂと第２センサ部６ｃは、センサ取付フレーム２１の長さ方向に離間して配置されている。第１センサ部６ｂと第２センサ部６ｃは、コントローラ９０に接続されている。

　可動部６ａは、可動盤４４に連結されている。これにより、可動部６ａは、可動盤４４が移動することで、可動盤４４と共に移動する。すなわち、可動部６ａは、可動金型３１が型締め位置に移動したとき、第１被検出位置に移動する。また、可動部６ａは、可動金型３１が型開き位置に移動したとき、第２被検出位置に移動する。

　第１センサ部６ｂは、センサ取付フレーム２１の長さ方向の中間部に取り付けられている。第１センサ部６ｂは、可動部６ａが第１被検出位置に移動したとき、可動部６ａを検出して検出信号を出力する。これにより、位置検出装置６は、第１センサ部６ｂの検出信号に基づき、可動部６ａが第１被検出位置に移動したこと、つまり、可動金型３１が型締め位置に移動したことを検出できる。

　第１センサ部６ｂは、センサ取付フレーム２１の長さ方向に沿って移動自在で、かつセンサ取付フレーム２１の長さ方向の任意の位置に取り付けられる。つまり、第１センサ部６ｂは可動部６ａの移動方向に位置調整自在である。これにより、第１センサ部６ｂは、金型３のサイズ変更によって、可動部６ａの第１被検出位置が変位した場合、可動部６ａの移動方向に移動させることで、可動部６ａの第１被検出位置に合わせることができる。すなわち、第１センサ部６ｂは、可動金型３１の型締め位置が変位した場合でも、可動金型３１が型締め位置に移動したことを検出することができる。

　第２センサ部６ｃは、センサ取付フレーム２１の長さ方向の先端部に取り付けられている。第２センサ部６ｃは、可動部６ａが第２被検出位置のときに、可動部６ａを検出して検出信号を出力する。これにより、位置検出装置６は、第２センサ部６ｃの検出信号に基づき、可動部６ａが第２被検出位置に移動したこと、つまり、可動金型３１が型開き位置に移動したことを検出できる。なお、第２センサ部６ｃは無くても良い。この場合、位置検出装置６は、可動部６ａが第１被検出位置に移動したことのみを検出する。

　可動部６ａは、図１に示すように、被検出体６０と、ロッド６１を備えている。ロッド６１は、長尺な棒状材であり、タイロッド４３と平行に配置されている。また、ロッド６１は、長さ方向の一端部が可動盤４４に固定され、長さ方向の他端部が被検出体６０に固定されている。
　これにより、被検出体６０は、可動盤４４が移動することで、可動盤４４とともに移動する。すなわち、被検出体６０は、可動金型３１が型締め位置に移動したとき、第１被検出位置に移動する。また、被検出体６０は、可動金型３１が型開き位置に移動したとき、第２被検出位置に移動する。なお、ロッド６１は、長さ方向の中間部分が第２固定盤４２を貫通している。これにより、ロッド６１は、長さ方向の中間部分が第２固定盤４２によって支持される。

　主カバー７が、図１に仮想線で示すように、本体フレーム２０の上面側に取り付けられている。主カバー７は、金型３、第１固定盤４１、第２固定盤４２、タイロッド４３、可動盤４４、及び型締めシリンダ４５のピストンロッド４６を覆っている。主カバー７は、金型３が型閉め及び型開きするとき、金型３と作業者とが接触することを防止している。

　補助カバー８が、図１に仮想線で示すように、センサ取付フレーム２１の上面側に取り付けられている。補助カバー８は、被検出体６０、ロッド６１を覆っている。補助カバー８は、被検出体６０及びロッド６１が移動するとき、被検出体６０及びロッド６１と人が接触することを防止している。
 

　第１センサ部６ｂは、図２及び図３に示すように、第１センサ支持部材７０とセンサ固定部材７１を備えている。第１センサ支持部材７０は、センサ取付フレーム２１の長さ方向に沿って移動可能に、センサ取付フレーム２１に取り付けられている。そして、第１センサ支持部材７０は、センサ固定部材７１によって、センサ取付フレーム２１の長さ方向の所定の位置に固定されている。

　センサ取付フレーム２１は、長さ方向中間部に第１凹部２２を有している。第１凹部２２はセンサ取付フレーム２１の上面２１ａに開口している。そして、第１凹部２２は、センサ取付フレーム２１の長さ方向に沿って長く形成されている。長穴２３が第１凹部２２の底部２２ａを上下方向に貫通している。長穴２３はセンサ取付フレーム２１の長さ方向に沿って長く形成されている。また、長穴２３は、センサ取付フレーム２１の長さ方向と直交する方向の幅が、第１凹部２２の幅よりも小さい。

　第１センサ支持部材７０は、第１凹部２２内に収容され、第１センサ支持部材７０の下面７０ａが底部２２ａに載置されている。第１センサ支持部材７０のセンサ取付フレーム２１の長さ方向の寸法は、第１凹部２２のセンサ取付フレーム２１の長さ方向の寸法よりも短い。
　これにより、第１センサ支持部材７０は、第１凹部２２内でセンサ取付フレーム２１の長さ方向、つまり可動部６ａの移動方向に移動できる。

　センサ固定部材７１は、プレート７２と連結手段７３を備えている。プレート７２は、センサ取付フレーム２１の長さ方向と直交する方向の幅が、長穴２３の幅よりも大きい。そして、プレート７２は、プレート７２の上面７２ａが長穴２３をまたぐようにして、センサ取付フレーム２１の底面２１ｂに接している。
　連結手段７３は、長穴２３に通され、プレート７２と第１センサ支持部材７０を連結している。そして、連結手段７３は、プレート７２が第１センサ支持部材７０に接近する位置と、プレート７２が第１センサ支持部材７０から離間する位置とに変位させることが可能である。

　第１センサ支持部材７０とプレート７２は、プレート７２が第１センサ支持部材７０に接近する位置に位置したとき、底部２２ａを挟持する。これにより、第１センサ支持部材７０は、センサ取付フレーム２１の長さ方向の所定の位置に固定される。また、第１センサ支持部材７０とプレート７２は、プレート７２が第１センサ支持部材７０から離間する位置に位置したとき、底部２２ａの挟持を解除する。これにより、第１センサ支持部材７０は、センサ取付フレーム２１の長さ方向に沿って移動できる。
　このようであるから、第１センサ部６ｂの位置は、可動部６ａの移動方向の任意の位置に調整することができる。

　連結手段７３は、図２及び図３に示すように、ボルト７４を備えている。ボルト７４は、プレート７２を上下方向に貫通したボルト挿通孔７２ｃに挿通されると共に、第１センサ支持部材７０の下面７０ａに開口したねじ穴７０ｂに螺合している。連結手段７３は、ボルト７４を締めることで、プレート７２を第１センサ支持部材７０へ接近する位置へ変位させる。
　また、連結手段７３は、ボルト７４を弛めることで、プレート７２を第１センサ支持部材７０から離間する位置へ変位させる。
　ボルト７４の頭部７４ａがプレート７２の下面７２ｂから下方に突出している。ボルト７４の頭部７４ａが、ボルト７４を締めるとき、及び弛めるときの操作部である。

　被検出体６０は、センサ取付フレーム２１の上面２１ａと対向する下面６０ａと、センサ取付フレーム２１の基端部側を向く第１面６０ｂと、センサ取付フレーム２１の先端部側を向く第２面６０ｃとを有する。第２面６０ｃは、可動部６ａの移動方向に対して垂直に延びている。凸部６２が被検出体６０の下面６０ａから下方へ向けて突出している。凸部６２は、第２面６０ｃ寄りに配置されている。また、凸部６２は、可動部６ａの移動方向と平行に延びる面を有する。

　第１センサ部６ｂは、第１センサ支持部材７０によって支持された第１センサ７５、第２センサ７６、ストッパ７７を有している。第１センサ７５と第２センサ７６は、第１センサ支持部材７０の上面７０ｃに配置されている。また、第１センサ７５と第２センサ７６は、センサ取付フレーム２１の長さ方向に離間して配置されている。第２センサ７６は、第１センサ７５よりもセンサ取付フレーム２１の先端寄りに配置されている。

　ストッパ７７と第１センサ７５は、センサ取付フレーム２１の長さ方向に離間して配置されている。ストッパ７７は、第１センサ７５よりもセンサ取付フレーム２１の基端部寄りに配置されている。第１センサ部６ｂは、ストッパ７７によって、可動部６ａの被検出体６０を検出する位置に位置決めされる。

　ストッパ７７は、図４に示すように、第１センサ支持部材７０を上下方向に貫通する縦穴７８に挿入されると共に、長穴２３に挿入されている。ストッパ７７は、上側に小径部７７ａを有し、下側に大径部７７ｂを有する。縦穴７８は、上側に、小径穴部７８ａを有し、下側に大径穴部７８ｂを有する。小径穴部７８ａが第１センサ支持部材７０の上面７０ｃに開口し、大径穴部７８ｂが第１センサ支持部材７０の下面７０ａに開口する。ストッパ７７は、小径部７７ａが小径穴部７８ａに挿入し、大径部７７ｂが大径穴部７８ｂに挿入している。そして、大径部７７ｂと大径穴部７８ｂとの間にコイルスプリング７９が配置されている。コイルスプリング７９は、ストッパ７７を所定の位置に保持させる保持手段である。

　ストッパ７７は、縦穴７８と長穴２３とに渡って上下方向に移動可能である。
　ストッパ７７は、コイルスプリング７９が伸長することによって、常に下方位置へ移動するように付勢され、大径部７７ｂの上部寄りに設けた突起７７ｂ－１が底壁２２ａに当接している。これにより、ストッパ７７は、保持手段によって、下方位置に位置するように保持されている。
　ストッパ７７の上端部は、ストッパ７７が下方位置に位置しているとき、縦穴７８内に没している。また、ストッパ７７の下端部は、ストッパ７７が下方位置に位置しているとき、センサ取付フレーム２１の底面２１ｂから下方に突出する。つまり、ストッパ７７は、被検出体６０（可動部６ａ）から離れた第２の状態である。被検出体６０（可動部６ａ）は、ストッパ７７が第２の状態のとき、可動盤４４と共に、型締め方向に移動できる。

　ストッパ７７は、コイルスプリング７９の付勢力に抗しながら、ストッパ７７の下部を押し上げることによって、上方位置に移動する。このとき、コイルスプリング７９は収縮する。すなわち、ストッパ７７は、外力を付加することによって、上方位置へ移動する。このとき、第１センサ支持部材７０が上方に移動しないようにする手段が設けてある。実施形態では第１凹部２２の幅方向に対向した内面に突部２２ｂを設け、第１センサ支持部材７０の上面７０ｃが突部２２ｂに接することで上方に移動しないようにしてある。
　ストッパ７７の上端部は、ストッパ７７が上方位置に位置しているとき、縦穴７８から突出し、センサ取付フレーム２１の上面２１ａから上方に突出する。つまり、ストッパ７７は、上方位置に位置するとき、被検出体６０（可動部６ａ）の第１面６０ｂに接する第１の状態である。被検出体６０（可動部６ａ）は、ストッパ７７が第１の状態のとき、凸部６２が第１センサ７５によって検出される位置に位置決めされる。
　すなわち、ストッパ７７は、可動部６ａと接する第１の状態と、可動部６ａから離れる第２の状態に切り換えできる。

　第１センサ７５は変位センサである。第１センサ７５は、図５に示すように、第１センサ７５の検出領域７５ａに凸部６２が重なり合ったとき、検出領域７５ａの端部と凸部６２との間の距離Ｌが設定値である場合に検出信号を出力する。第２センサ７６は近接スイッチである。第２センサ７６は、凸部６２が第２センサ７６に接近し、凸部６２と第２センサ７６との間の距離が設定距離になったときに検出信号を出力する。

　第２センサ部６ｃは、図２に示すように、第２センサ支持部材８０を備えている。センサ取付フレーム２１は、長さ方向先端部に第２凹部２４を有している。第２凹部２４はセンサ取付フレーム２１の上面２１ａに開口している。第２センサ支持部材８０は、第２凹部２４内に取り付けられる。第２センサ支持部材８０は第３センサ８１を支持している。第３センサ８１は近接スイッチである。第３センサ８１は、凸部６２が第３センサ８１に接近し、凸部６２と第３センサ８１との間の距離が設定距離になったときに検出信号を出力する。

　まず、可動金型３１が型締め位置から型開き位置に向けて移動したことを検出する動作を説明する。型締めシリンダ４５は、ピストンロッド４６を収縮させることで、可動盤４４及び可動金型３１を型開き方向に移動させる。このとき、可動部６ａは、センサ取付フレーム２１の先端部に向けて、センサ取付フレーム２１の長さ方向と平行に移動する。

　被検出体６０は、図６に示すように、第２被検出位置に移動すると、凸部６２が第３センサ８１の真上に位置する。このとき、凸部６２は、凸部６２と第３センサ８１との間の距離が設定距離になっている。これにより、第３センサ８１が検出信号を出力する。第３センサ８１の検出信号は、コントローラ９０に送信される。コントローラ９０は、第３センサ８１の検出信号に基づき、被検出体６０が第２被検出位置に移動したこと、つまり、可動盤４４及び可動金型３１が型開き位置に移動したことを検出できる。そして、コントローラ９０は、型締めシリンダ４５のピストンロッド４６の収縮を停止し、可動盤４４及び可動金型３１を型開き位置で停止させる。

　次に、可動金型３１が型開き位置から型締め位置に向けて移動したことを検出する動作を説明する。
　型締めシリンダ４５は、ピストンロッド４６を伸長させることで、可動盤４４及び可動金型３１を型締め方向に移動させる。このとき、可動部６ａは、センサ取付フレーム２１の基端部に向けて、センサ取付フレーム２１の長さ方向と平行に移動する。被検出体６０は図６に示すように、第２被検出位置から第１被検出位置に向けて矢印方向に移動する。

　被検出体６０は、図７に示すように、凸部６２が第２センサ７６の真上に位置する。このとき、凸部６２は、凸部６２と第２センサ７６との間の距離が設定距離になっている。これにより、第２センサ７６が検出信号を出力する。第２センサ７６の検出信号は、コントローラ９０に送信される。コントローラ９０は、第２センサ７６の検出信号に基づき、型締めシリンダ４５のピストンロッド４６の伸長速度を遅くする。これにより、可動盤４４及び可動金型３１の移動速度が遅くなると共に、被検出体６０の移動速度が遅くなる。そして、凸部６２は、第１センサ７５へ近づくように移動する。このとき、凸部６２は、凸部６２と第２センサ７６との間の距離が設定距離になった状態を維持する。これにより、第２センサ７６は検出信号を出力し続ける。

　被検出体６０は、図８に示すように、第１被検出位置に移動すると、凸部６２が第１センサ７５の検出領域７５ａの設定位置に位置する。これにより、第１センサ７５が検出信号を出力する。このとき、第２センサ７６は検出信号を出力している。コントローラ９０は、第１センサ７５の検出信号に基づき、被検出体６０が第１被検出位置に移動したこと、つまり、可動盤４４及び可動金型３１が型締め位置に移動したことを検出できる。

　第１センサ７５の検出信号は、金型の本型締め動作の開始信号として利用される。つまり、可動金型３１は、型締め位置に位置しているとき、型締めシリンダ４５のピストンロッド４６を伸長する圧力が低圧のため弱い力で固定金型３０に押しつけられている。型締め装置４は、金型３内に溶融材料を射出するとき、固定金型３０と可動金型３１を本型締めする。このとき、第１センサ７５の検出信号はコントローラ９０に送信される。コントローラ９０は、型締めシリンダ４５のピストンロッド４６を伸長する圧力を高圧とし、可動金型３１を固定金型３０に強い力で押しつける。

　可動金型３１は、本型締めのとき型締め位置から本型締め位置まで移動する。
　このとき、被検出体６０は、図８に仮想線で示すように、第１被検出位置からセンサ取付フレーム２１の基端部に向けて移動する。これにより、凸部６２は、第１センサ７５の検出領域７５ａの設定位置から変位する。このとき、第１センサ７５は、凸部６２が変位した量を検出信号として出力する。
　コントローラ９０は、第１センサ７５が検出信号を出力することで、可動金型３１が本型締め位置に移動したことを正確に検出することができる。

　可動金型３１は、射出終了後に、型開き方向に移動する。
　これにより、被検出体６０は、第１被検出位置から第２被検出位置に向けて移動する。このとき、第１センサ７５は検出信号を出力しない。一方、第２センサ７６は検出信号を出力する。その後、凸部６２は、図９に示すように、被検出体６０が第２被検出位置に向けて移動することによって、第２センサ７６から離れる。このとき、凸部６２と第２センサ７６との間の距離が設定距離よりも長くなる。これにより、第２センサ７６は検出信号を出力しなくなる。

　コントローラ９０は、第２センサ７６の検出信号が送信されなくなったとき、金型から成形品を排出する動作の開始指令を出力する。このようであるから、本発明の射出成形機１は、可動金型３１を型開き位置に移動させる途中で、金型から成形品を排出できるので、射出成型動作のサイクルタイムを短くできる。

　次に、第１センサ部６ｂが、可動金型３１の型締め位置を検出する位置に位置決めされる作業手順を説明する。
　まず、作業者は、連結手段７３を操作して、センサ固定部材７１のプレート７２を第１センサ支持部材７０から離間する位置に変位させる。これにより、第１センサ支持部材７０は、センサ取付フレーム２１に対する固定が解除される。そして、第１センサ支持部材７０は、センサ取付フレーム２１の長さ方向に移動可能となる。
　次いで、作業者は、可動金型３１を型締め位置まで移動させる。これにより、可動部６ａは、第１の被検出位置に移動する。

　次いで、作業者は、図１０に示すように、センサ固定部材７１を手で持ち、第１センサ支持部材７０をセンサ固定部材７１と共にセンサ取付フレーム２１の基端部寄りに移動させる。
　次いで、作業者は、ストッパ７７の下部を押し上げることによって、ストッパ７７をコイルスプリング７９の付勢力に抗して上方位置に移動させる。これにより、ストッパ７７は、小径部７７ａが第１センサ支持部材７０の上面７０ｃから上方に突出する。すなわち、ストッパ７７は第１の状態となる。このとき、小径部７７ａは、被検出体６０よりもセンサ取付フレーム２１の基端部寄りに位置すると共に、被検出体６０とセンサ取付フレーム２１の長さ方向に対向している。すなわち、小径部７７ａと被検出体６０は、可動部６ａの移動方向に対向して配置されている。

　次いで、作業者は、ストッパ７７の下部を押し上げながら、第１センサ支持部材７０をセンサ固定部材７１と共に被検出体６０に向けて移動させる。
　これにより、ストッパ７７の小径部７７ａは、図１０に仮想線で示すように、被検出体６０（可動部６ａ）の第１面６０ｂに当接する。そして、第１センサ支持部材７０（第１センサ部６ｂ）は、可動金型３１の型締め位置を検出する位置に位置決めされる。

　作業者は、連結手段７３を操作して、プレート７２を第１センサ支持部材７０に接近する位置に変位させる。これにより、第１センサ支持部材７０は、センサ取付フレーム２１に対して固定される。そして、作業者は、ストッパ７７の押し上げを解除する。これにより、ストッパ７７は、コイルスプリング７９の付勢力によって、下方位置に移動する。すなわち、ストッパ７７は第２の状態に復帰する。

　このように、第１センサ支持部材７０（第１センサ部６ｂ）は、第１被検出位置に位置する被検出体６０（可動部６ａ）を基準として位置決めするので、正確に位置決めできる。
　また、作業者は、第１センサ支持部材７０を位置決めするとき、センサ取付フレーム２１の下方において、センサ固定部材７１の連結手段７３を操作して、第１センサ支持部材７０を固定及び固定解除するので、被検出体６０（可動部６ａ）が作業の邪魔にならない。

　なお、第２センサ７６の検出信号は、ピストンロッド４６の伸長速度を遅くするための信号として用いられなくてもよい。例えば、コントローラ９０は、第１センサ７５と第２センサ７６が被検出体６０を検出する検出信号を同時に出力したとき、可動金型３１が型締め位置に移動したことを検出する。これにより、コントローラ９０の誤検出が防止される。この場合、コントローラ９０は、可動金型３１の型締め開始から所定の時間が経過したとき、ピストンロッド４６の伸長速度を減速させる。

　２…フレーム、３…金型、４…型締め装置、５…射出装置、６…位置検出装置、６ａ…可動部、６ｂ…第１センサ部、６ｃ…第２センサ部、２１…センサ取付フレーム、３０…固定金型、３１…可動金型、４０…型締めシリンダ、６０…被検出体、６２…凸部、７０…第１センサ支持部材、７１…センサ固定部材、７２…プレート、７３…連結手段、７５…第１センサ、７６…第２センサ、７７…ストッパ。

Claims (5)

1. 　固定金型（３０）と可動金型（３１）を有した金型（３）と、前記金型（３）内に溶融材料を射出する射出装置（５）と、前記可動金型（３１）を型締め位置と型開き位置とに移動する型締め装置（４）と、前記可動金型（３１）の型締め位置を検出する位置検出装置（６）を備えた射出成形機であって、
   　前記位置検出装置（６）は、前記可動金型（３１）と共に移動可能な可動部（６ａ）と、前記可動部（６ａ）の第１被検出位置を検出する第１センサ部（６ｂ）を備え、
   　前記可動部（６ａ）は、前記可動金型（３１）を型締め位置に移動したときに、第１被検出位置に移動し、
   　前記第１センサ部（６ｂ）は、前記可動部（６ａ）の移動方向に移動可能で、
   　前記第１センサ部（６ｂ）は、前記可動部（６ａ）に接する第１の状態と、前記可動部（６ａ）から離れる第２の状態とに切り換え可能なストッパ（７７）を備え、
   　前記第１センサ部（６ｂ）は、前記ストッパ（７７）が第１の状態のとき、前記可動部（６ａ）を検出する第１被検出位置に位置決めされることを特徴とする射出成形機。
2. 　前記第１センサ部（６ｂ）は、第１センサ支持部材（７０）とセンサ固定部材（７１）を備え、
   　前記第１センサ支持部材（７０）は、前記可動部（６ａ）の移動方向へ移動可能にセンサ取付フレーム（２１）に取り付けられ、
   　前記センサ固定部材（７１）は、前記第１センサ支持部材（７０）を前記センサ取付フレーム（２１）に固定及び固定解除する請求項１記載の射出成形機。
3. 　前記可動部（６ａ）は、前記センサ取付フレーム（２１）の上方に配置され、
   　前記センサ固定部材（７１）は、前記センサ取付フレーム（２１）を前記第１センサ支持部材（７０）とで挟持するプレート（７２）と、前記プレート（７２）を前記第１センサ支持部材（７０）に連結する連結手段（７３）を有し、
   　前記プレート（７２）は、センサ取付フレーム（２１）の下方に配置され、
   　前記連結手段（７３）は、前記プレート（７２）を前記第１センサ支持部材（７０）に接近する位置と離間する位置とに変位させることが可能である請求項２記載の射出成形機。
4. 　前記ストッパ（７７）は前記第１センサ支持部材（７０）に取り付けられ、
   　前記ストッパ（７７）は、第１の状態のとき、前記第１センサ支持部材（７０）の上方に突出し、
   　前記ストッパ（７７）は、第２の状態のとき、前記第１センサ支持部材（７０）の下方に突出し、
   　前記ストッパ（７７）は、前記ストッパ（７７）を押し上げることで、第１の状態から第２の状態になるようにした請求項２記載の射出成形機。
5. 　前記位置検出装置（６）は、前記可動部（６ａ）の位置を検出する第２センサ部（６ｃ）を備え、
   　前記可動部（６ａ）は、前記可動金型（３１）が型開き位置のときに第２被検出位置に移動し、
   　前記第２センサ部（６ｃ）は、第２被検出位置に配置される請求項１～４いずれか１項記載の射出成形機。

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