WO2015136650A1

WO2015136650A1 - 線材送り量調整装置

Info

Publication number: WO2015136650A1
Application number: PCT/JP2014/056555
Authority: WO
Inventors: 今井　茂; 芳弘上坂; 錦哉小椋; 尚貴若林
Original assignee: Ykk株式会社
Priority date: 2014-03-12
Filing date: 2014-03-12
Publication date: 2015-09-17
Also published as: TWI554460B; CN105102095B; TW201544439A; CN105102095A

Abstract

　複雑な機構を用いることなく線材のテンション及び送り量を一定に保つことができ、これにより、メンテナンスを容易に行うことができ、製造コストを削減することができる線材送り量調整装置を提供する。　駆動軸２１及び従動軸２２と、駆動軸２１上に配置される１次ローラ２３と、従動軸２２上に配置される２次ローラ２４と、１次ローラ２３及び２次ローラ２４に摩擦接触して駆動力を伝達する伝達部材２５と、従動軸２１上に配置され、線材Ｍを搬送する搬送ローラ２６と、伝達部材２５を移動する揺動部材４０と、を備え、伝達部材２５が移動して、１次ローラ２３から２次ローラ２４への駆動力伝達比を変化させる。

Description

線材送り量調整装置

　この発明は、線材送り量調整装置に関し、より詳細には、ファスナーなどのコイルエレメント成型装置の前段階に設置され、線材であるモノフィラメントの送り量を調整する線材送り量調整装置に関する。

　ファスナーなどのコイルエレメント成型装置の前段階には、線材送り量調整装置が一般的に設置される。この線材送り量調整装置は、コイルエレメント成型装置にモノフィラメントを供給する際に、その供給されるモノフィラメントの送り量を事前に調整するために使用される。なお、コイルエレメント成型装置にモノフィラメントを供給する際には、モノフィラメントのテンション及び送り量を一定に保つ必要がある。

　従来の線材送り量調整装置としては、互いに回転速度が異なり、外周部で線材に接して線材をそれぞれ搬送する第１及び第２駆動ローラと、第１及び第２駆動ローラの下流側で線材に接して線材をガイドする受動ローラ（ダンサーローラ）と、第１又は第２駆動ローラと線材の接触状態を選択的に切り換える切換シリンダと、を備えるものが知られる（例えば、特許文献１参照）。また、受動ローラは、上下動可能に設けられ、線材の送り量に応じて上下に移動する。また、受動ローラが下限に位置するときに受動ローラを検出する第１センサ、及び受動ローラが上限に位置するときに受動ローラを検出する第２センサが設けられている。

　このように構成される線材送り量調整装置では、受動ローラが下限位置又は上限位置にあると第１又は第２センサが検知した場合、切換シリンダが、選択的に第１又は第２駆動ローラの接触状態を切り換えて、線材の送り量を自動的に調整する。

日本国特開２０００－００７１９９号公報

　しかしながら、上記特許文献１に記載の線材送り量調整装置では、センサや切換シリンダなどの電子部品と、これら電子部品を制御する制御装置と、を備えるため、機構が複雑であり、メンテナンスが煩瑣であった。また、部品点数が多いため、製造コストが増加してしまっていた。

　本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複雑な機構を用いることなく線材のテンション及び送り量を一定に保つことができ、これにより、メンテナンスを容易に行うことができ、製造コストを削減することができる線材送り量調整装置を提供することにある。

　本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
（１）線材の送り量を調整する送り量調整ユニットを備え、送り量調整ユニットは、駆動軸及び従動軸と、駆動軸上に配置される基部から先端に向かって直径が漸減する１次ローラと、従動軸上に１次ローラと逆向きに配置される先端から基部に向かって直径が漸減する２次ローラと、１次ローラ及び２次ローラに摩擦接触して駆動力を伝達する伝達部材と、従動軸上に配置され、線材を搬送する搬送ローラと、伝達部材を移動する揺動部材と、を備え、伝達部材が移動して、１次ローラから２次ローラへの駆動力伝達比を変化させることを特徴とする線材送り量調整装置。
（２）搬送ローラにより搬送された線材を案内するダンサーローラと、ダンサーローラを回転可能に支持し、上下方向に移動可能に設けられる移動部と、移動部に着脱可能に取り付けられ、線材のテンションを調整するウェイトと、を備えることを特徴とする（１）に記載の線材送り量調整装置。
（３）揺動部材は、移動部の上下方向の移動に応じて揺動し、伝達部材を移動することを特徴とする（２）に記載の線材送り量調整装置。
（４）移動部は、線材の送り量に応じてダンサーローラを介して上下方向に移動することを特徴とする（３）に記載の線材送り量調整装置。
（５）線材の送り量が所定より少ない場合、移動部が上方に移動して、搬送ローラの送り量を増加する方向に伝達部材が移動され、線材の送り量が所定より多い場合、移動部が下方に移動して、搬送ローラの送り量を減少する方向に伝達部材が移動されることを特徴とする請求項（２）～（４）のいずれか１つに記載の線材送り量調整装置。
（６）送り量調整ユニットは、移動部の上下移動を揺動部材の揺動運動に変換するリンク機構を更に備えることを特徴とする請求項（２）～（５）のいずれか１つに記載の線材送り量調整装置。
（７）リンク機構は、移動部の側壁に形成され、移動部の上下移動方向に対して斜めに形成されるスリット溝と、揺動部材の一端に設けられ、スリット溝に係合する係合ピンと、から構成されることを特徴とする（６）に記載の線材送り量調整装置。
（８）揺動部材の他端に、伝達部材の回転を案内すると共に、伝達部材を移動するローラが設けられることを特徴とする（７）に記載の線材送り量調整装置。
（９）ローラの外周面に、伝達部材の周方向の一部を収容する断面略凹状の周溝が形成されることを特徴とする請求項（８）に記載の線材送り量調整装置。
（１０）送り量調整ユニットは、移動部の上下方向の移動を案内する一対のガイドロッドを更に備えることを特徴とする請求項（２）～（９）のいずれか１つに記載の線材送り量調整装置。
（１１）送り量調整ユニットを２個備え、一方の送り量調整ユニットの１次ローラを回転駆動源として、この回転駆動源となる１次ローラと他方の送り量調整ユニットの１次ローラとを動力伝達ベルトで接続することを特徴とする（１）～（１０）のいずれか１つに記載の線材送り量調整装置。

　本発明の線材送り量調整装置によれば、送り量調整ユニットが、駆動軸及び従動軸と、駆動軸上に配置される基部から先端に向かって直径が漸減する１次ローラと、従動軸上に１次ローラと逆向きに配置される先端から基部に向かって直径が漸減する２次ローラと、１次ローラ及び２次ローラに摩擦接触して駆動力を伝達する伝達部材と、従動軸上に配置され、線材を搬送する搬送ローラと、伝達部材を移動する揺動部材と、を備え、伝達部材が移動して、１次ローラから２次ローラへの駆動力伝達比を変化させるため、複雑な機構を用いることなく線材のテンション及び送り量を一定に保つことができる。これにより、メンテナンスを容易に行うことができ、また、部品点数を少なくして、製造コストを削減することができる。

本発明に係る線材送り量調整装置の一実施形態を示す正面図である。図１に示す線材送り量調整装置の第１支持プレートが取り外された状態の正面図である。図２に示す線材送り量調整装置の上面図である。図２に示す線材送り量調整装置の側面図である。

　以下、本発明に係る線材送り量調整装置の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、線材送り量調整装置に関しては、上側とは図１の紙面に対して上側、下側とは図１の紙面に対して下側、左側とは図１の紙面に対して左側、右側とは図１の紙面に対して右側、前側とは図１の紙面に対して手前側、後側とは図１の紙面に対して奥側とする。また、左右方向は幅方向とも言う。

　本実施形態の線材送り量調整装置１０は、線材であるモノフィラメントＭの供給経路において、不図示の線材供給装置と不図示のコイルエレメント成型装置との間に設置され、コイルエレメント成型装置に供給されるモノフィラメントＭのテンション及び送り量を一定に保つものである。

　そして、線材送り量調整装置１０は、図１～図４に示すように、上下方向及び幅方向に沿って配置される矩形平板状の第１及び第２支持プレート１１ａ，１１ｂと、第１及び第２支持プレート１１ａ，１１ｂ間に配置される第１及び第２送り量調整ユニット２０ａ，２０ｂと、を備え、２本のモノフィラメントＭの送り量を調整する。第１及び第２支持プレート１１ａ，１１ｂは、前後方向に所定の収納空間Ｓ１を有するように平行配置されている。なお、第１及び第２送り量調整ユニット２０ａ，２０ｂは、ほぼ同一な構成であるため、以下では、第１送り量調整ユニット２０ａ（図中の右側のユニット）について説明する。

　第１送り量調整ユニット２０ａは、図１～図４に示すように、両端部が第１及び第２支持プレート１１ａ，１１ｂに支持され、前後方向に沿って配置される駆動軸２１及び従動軸２２と、駆動軸２１上に配置される１次ローラ２３と、従動軸２２上に１次ローラ２３と逆向きに配置される２次ローラ２４と、１次ローラ２３及び２次ローラ２４に摩擦接触して駆動力を伝達する伝達部材２５と、従動軸２２上に配置され、モノフィラメントＭを搬送する略円筒状の搬送ローラ２６と、搬送ローラ２６により搬送されたモノフィラメントＭを案内するダンサーローラ２７と、ダンサーローラ２７を回転可能に支持し、上下方向に移動可能に設けられる移動部３０と、移動部３０の上下方向の移動に応じて揺動し、伝達部材２５を前後方向に移動する揺動部材４０と、移動部３０に着脱可能に取り付けられ、モノフィラメントＭのテンションを調整するウェイト２８と、移動部３０の上下移動を揺動部材４０の揺動運動に変換するリンク機構５０と、移動部３０の上下方向の移動を案内する一対のガイドロッド３１と、モノフィラメントＭを搬送ローラ２６に案内する第１ガイドローラ６１と、ダンサーローラ２７よりも下流側のモノフィラメントＭを案内する第２ガイドローラ６２と、を備える。なお、搬送ローラ２６と第１ガイドローラ６１には、モノフィラメントＭが８の字を描くように巻き掛けられている。

　また、第１送り量調整ユニット２０ａの駆動軸２１は、コイルエレメント成型装置の駆動モータ１２により駆動されており、この駆動軸２１に入力された駆動力は、動力伝達ベルト１３を介して第２送り量調整ユニット２０ｂの１次ローラ２３に伝達されている。動力伝達ベルト１３は、第１送り量調整ユニット２０ａの１次ローラ２３、第２送り量調整ユニット２０ｂの１次ローラ２３、及びアイドルプーリ１４（図３参照）に巻き掛けられている。従って、第１送り量調整ユニット２０ａの１次ローラ２３は、第２送り量調整ユニット２０ｂの１次ローラ２３の回転駆動源であり、第１及び第２送り量調整ユニット２０ａ，２０ｂは、１つの駆動モータ１２により駆動されている。また、駆動モータ１２は、第２支持プレート１１ｂが固定されるベースプレート１５上に設置されている。

　１次ローラ２３及び２次ローラ２４は、図３及び図４に示すように、収納空間Ｓ１内に配置されている。１次ローラ２３は、基部から先端に向かって直径が漸減する形状であり、その小径部が第１支持プレート１１ａ側に向くように駆動軸２１に取り付けられる。２次ローラ２４は、先端から基部に向かって直径が漸減する形状であり、その大径部が第１支持プレート１１ａ側に向くように従動軸２２に取り付けられる。また、伝達部材２５は、断面円形のリング状部材であり、２次ローラ２４を囲むように配置されている。

　また、第２支持プレート１１ｂの下端部には、前方に突出するベースブロック１６が取り付けられており、このベースブロック１６の下面に一対のガイドロッド３１が取り付けられている。一対のガイドロッド３１の先端部には、移動部３０の抜けを防止するストッパ３２が取り付けられている。

　移動部３０は、金属板をプレス加工などにより箱状に成形したものであり、図２及び図４に示すように、ダンサーローラ２７が取り付けられる前面板３３と、前面板３３の上下端部から後方にそれぞれ延び、一対のガイドロッド３１により案内される上面板３４及び下面板３５と、前面板３３の左右端部から後方にそれぞれ延びる一対の側面板３６と、を有する。

　また、移動部３０の前面板３３には、ダンサーローラ２７を回転可能に支持すると共に、ウェイト２８を支持する支持軸３７が前方に突出するように設けられている。支持軸３７の先端部は、斜め上方に屈曲されている。また、ウェイト２８は、支持軸３７に嵌合するだけで取り付けることができるので、支持軸３７に対して着脱可能である。

　また、移動部３０の右側の側面板３６には、リンク機構５０を構成するスリット溝５１が形成されている。このスリット溝５１は、移動部３０の上下移動方向に対して斜めに形成され、より具体的には、上方に向かうに従って第１支持プレート１１ａに接近する方向に斜めに形成されている。

　ダンサーローラ２７は、モノフィラメントＭの供給経路を１８０°方向転換するようにモノフィラメントＭを案内する。そして、ダンサーローラ２７は、モノフィラメントＭの送り量に応じて移動部３０と共に上下方向に移動する。より具体的には、モノフィラメントＭの送り量が少ない場合、ダンサーローラ２７が上方に引き上げられ、移動部３０が上方に移動し、モノフィラメントＭの送り量が多い場合、ダンサーローラ２７が下方に引き下げられ、移動部３０が下方に移動する。

　揺動部材４０は、金属板からなる長尺部材であり、図２及び図４に示すように、移動部３０の側面板３６と平行に配置される第１平面部４１と、第１平面部４１の上部から上方に延び第１平面部４１に対して直交するように形成される第２平面部４２と、を有する。そして、揺動部材４０の第１平面部４１の中間部は、ベースブロック１６の右側面にボルト４３により揺動可能に取り付けられる。従って、揺動部材４０は、ベースブロック１６に対して前後方向に揺動可能に取り付けられている。

　また、図２～図４に示すように、揺動部材４０の第２平面部４２の上端部には、ローラ４４が回転可能に取り付けられている。そして、ローラ４４の外周面には、断面略凹状の周溝４４ａが形成され、この周溝４４ａには、伝達部材２５の周方向の一部が収容されている。これにより、ローラ４４は、伝達部材２５の回転を案内すると共に、揺動部材４０の揺動に応じて伝達部材２５を２次ローラ２４の軸方向に沿って移動することが可能である。

　そして、伝達部材２５が第２支持プレート１１ｂ側に位置する場合、伝達部材２５が、１次ローラ２３の大径側の外周面に接すると共に、２次ローラ２４の小径側の外周面に接するため、搬送ローラ２６（２次ローラ２４）の回転速度が速くなり、モノフィラメントＭの送り量が増加する。また、伝達部材２５が第１支持プレート１１ａ側に位置する場合、伝達部材２５が、１次ローラ２３の小径側の外周面に接すると共に、２次ローラ２４の大径側の外周面に接するため、搬送ローラ２６（２次ローラ２４）の回転速度が遅くなり、モノフィラメントＭの送り量が減少する。このように、伝達部材２５が移動されることにより、１次ローラ２３から２次ローラ２４への駆動力伝達比が変化する。

　また、図４に示すように、揺動部材４０の第１平面部４１の下端部には、移動部３０のスリット溝５１に係合する係合ピン５２が取り付けられている。そして、移動部３０が上方に移動する場合、スリット溝５１により係合ピン５２が第２支持プレート１１ｂから離間する方向に移動するため、揺動部材４０がボルト４３を中心に第２支持プレート１１ｂに接近する方向（図４の時計回転方向）に揺動して、揺動部材４０のローラ４４が伝達部材２５を第２支持プレート１１ｂに接近する方向に移動させる。また、移動部３０が下方に移動する場合、スリット溝５１により係合ピン５２が第２支持プレート１１ｂに接近する方向に移動するため、揺動部材４０がボルト４３を中心に第２支持プレート１１ｂから離間する方向（図４の反時計回転方向）に揺動して、揺動部材４０のローラ４４が伝達部材２５を第２支持プレート１１ｂから離間する方向に移動させる。このように、移動部３０のスリット溝５１と揺動部材４０の係合ピン５２により、移動部３０の上下移動を揺動部材４０の揺動運動に変換するリンク機構５０が構成されている。

　そして、このように構成された線材送り量調整装置１０では、モノフィラメントＭの送り量が所定より少ない場合、移動部３０が上方に移動するため、揺動部材４０が第２支持プレート１１ｂに接近する方向に揺動して、伝達部材２５が第２支持プレート１１ｂに接近する方向に移動される。従って、搬送ローラ２６（２次ローラ２４）の回転速度が速くなるため、モノフィラメントＭの送り量が増加される。

　また、モノフィラメントＭの送り量が所定より多い場合、移動部３０が下方に移動するため、揺動部材４０が第２支持プレート１１ｂから離間する方向に揺動して、伝達部材２５が第２支持プレート１１ｂから離間する方向に移動される。従って、搬送ローラ２６（２次ローラ２４）の回転速度が遅くなるため、モノフィラメントＭの送り量が減少される。

　以上説明したように、本実施形態の線材送り量調整装置１０によれば、第１及び第２送り量調整ユニット２０ａ，２０ｂが、駆動軸２１及び従動軸２２と、駆動軸２１上に配置される１次ローラ２３と、従動軸２２上に１次ローラ２３と逆向きに配置される２次ローラ２４と、１次ローラ２３及び２次ローラ２４に摩擦接触して駆動力を伝達する伝達部材２５と、従動軸２２上に配置され、モノフィラメントＭを搬送する搬送ローラ２６と、伝達部材２５を移動する揺動部材４０と、を備え、伝達部材２５が移動して、１次ローラ２３から２次ローラ２４への駆動力伝達比を変化させるため、複雑な機構を用いることなくモノフィラメントＭのテンション及び送り量を一定に保つことができる。これにより、メンテナンスを容易に行うことができ、また、部品点数を少なくして、製造コストを削減することができる。

　また、本実施形態の線材送り量調整装置１０によれば、リンク機構５０が、移動部３０の側面板３６に形成され、移動部３０の上下移動方向に対して斜めに形成されるスリット溝５１と、揺動部材４０の下端部に設けられ、スリット溝５１に係合する係合ピン５２と、から構成されるため、少ない部品点数でリンク機構５０を構成することができ、製造コストを更に削減することができる。また、リンク機構５０が簡素な構成であるため、メンテナンス性を向上することができる。

　また、本実施形態の線材送り量調整装置１０によれば、揺動部材４０の上端部に、伝達部材２５の回転を案内すると共に、伝達部材２５を移動するローラ４４が設けられるため、伝達部材２５の駆動力伝達機能を損なうことなく、伝達部材２５の移動を円滑に行うことができる。

　また、本実施形態の線材送り量調整装置１０によれば、移動部３０の上下方向の移動を案内する一対のガイドロッド３１を備えるため、移動部３０の上下方向の移動を精度良く円滑に行うことができる。このため、揺動部材４０の揺動を精度良く円滑に行うことができる。

　また、本実施形態の線材送り量調整装置１０によれば、第１及び第２送り量調整ユニット２０ａ，２０ｂを備え、第１送り量調整ユニット２０ａの１次ローラ２３を回転駆動源として、この回転駆動源となる１次ローラ２３と第２送り量調整ユニット２０ｂの１次ローラ２３とを動力伝達ベルト１３で接続するため、１つの回転駆動源で２本のモノフィラメントＭの送り量を調整することができる。また、１つの回転駆動源を共有化することにより、部品点数を少なくして、製造コストを削減することができ、また、メンテナンス性を向上することができる。

　ところで、停電などにより線材供給装置、線材送り量調整装置、及びコイルエレメント成型装置が同時に停止した場合、コイルエレメント成型装置の惰性運動によりある程度の長さのモノフィラメントがコイルエレメント成型装置に搬送されてしまうのであるが、上記特許文献１のような従来の線材送り量調整装置では、停電により全ての電子機器が即時に停止してしまうため、上記惰性運動によりモノフィラメントがコイルエレメント成型装置側に強制的に搬送され、モノフィラメントが切断してしまう可能性があった。そして、このようにモノフィラメントが切断された場合、モノフィラメントを再度セットし直さなければならないため、復旧に大きな時間が掛かることとなる。

　これに対して、本実施形態の線材送り量調整装置１０では、駆動源である駆動モータ１２がコイルエレメント成型装置と共有であり、また、従来のような電子機器も使用していないため、停電したとしても、上記惰性運動と共にモノフィラメントＭがコイルエレメント成型装置側に正常に搬送される。従って、モノフィラメントＭが切断してしまうことがないので、電源回復後直ちに操業を再開することができる。

　なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
　例えば、上記実施形態では、コイルエレメント成型装置の駆動モータを駆動源としたが、これに限定されず、専用の駆動モータにより駆動するように構成してもよい。
　また、上記実施形態では、２本のコイルエレメントを成型するタイプのコイルエレメント成型装置にモノフィラメントを供給するため、送り量調整ユニットを２個用意したが、これに限定されず、１本のコイルエレメントを成型するタイプのコイルエレメント成型装置の場合、送り量調整ユニットは１個でよい。
　また、上記実施形態では、コイルエレメント成型装置に供給されるモノフィラメントの送り量を調整する場合を例示したが、これに限定されず、モノフィラメント以外の線材の送り量を調整してもよい。

　　１０　　線材送り量調整装置
　　１３　　動力伝達ベルト
　　２０ａ　第１送り量調整ユニット
　　２０ｂ　第２送り量調整ユニット
　　２１　　駆動軸
　　２２　　従動軸
　　２３　　１次ローラ
　　２４　　２次ローラ
　　２５　　伝達部材
　　２６　　搬送ローラ
　　２７　　ダンサーローラ
　　２８　　ウェイト
　　３０　　移動部
　　３１　　ガイドロッド
　　３２　　ストッパ
　　３６　　側面板（側壁）
　　３７　　支持軸
　　４０　　揺動部材
　　４１　　第１平面部
　　４２　　第２平面部
　　５０　　リンク機構
　　５１　　スリット溝
　　５２　　係合ピン
　　　Ｍ　　モノフィラメント（線材）

Claims

　線材（Ｍ）の送り量を調整する送り量調整ユニット（２０ａ，２０ｂ）を備え、
　前記送り量調整ユニット（２０ａ，２０ｂ）は、
　駆動軸（２１）及び従動軸（２２）と、
　前記駆動軸（２１）上に配置される基部から先端に向かって直径が漸減する１次ローラ（２３）と、
　前記従動軸（２２）上に前記１次ローラ（２３）と逆向きに配置される先端から基部に向かって直径が漸減する２次ローラ（２４）と、
　前記１次ローラ（２３）及び前記２次ローラ（２４）に摩擦接触して駆動力を伝達する伝達部材（２５）と、
　前記従動軸（２２）上に配置され、前記線材（Ｍ）を搬送する搬送ローラ（２６）と、
　前記伝達部材（２５）を移動する揺動部材（４０）と、を備え、
　前記伝達部材（２５）が移動して、前記１次ローラ（２３）から前記２次ローラ（２４）への駆動力伝達比を変化させることを特徴とする線材送り量調整装置（１０）。
　前記搬送ローラ（２６）により搬送された前記線材（Ｍ）を案内するダンサーローラ（２７）と、
　前記ダンサーローラ（２７）を回転可能に支持し、上下方向に移動可能に設けられる移動部（３０）と、
　前記移動部（３０）に着脱可能に取り付けられ、前記線材（Ｍ）のテンションを調整するウェイト（２８）と、を備えることを特徴とする請求項１に記載の線材送り量調整装置（１０）。
　前記揺動部材（４０）は、前記移動部（３０）の上下方向の移動に応じて揺動し、前記伝達部材（２５）を移動することを特徴とする請求項２に記載の線材送り量調整装置（１０）。
　前記移動部（３０）は、前記線材（Ｍ）の送り量に応じて前記ダンサーローラ（２７）を介して上下方向に移動することを特徴とする請求項３に記載の線材送り量調整装置（１０）。
　前記線材（Ｍ）の送り量が所定より少ない場合、前記移動部（３０）が上方に移動して、搬送ローラ（２６）の送り量を増加する方向に前記伝達部材（２５）が移動され、
　前記線材（Ｍ）の送り量が所定より多い場合、前記移動部（３０）が下方に移動して、搬送ローラ（２６）の送り量を減少する方向に前記伝達部材（２５）が移動されることを特徴とする請求項２～４のいずれか１項に記載の線材送り量調整装置（１０）。
　前記送り量調整ユニット（２０ａ，２０ｂ）は、前記移動部（３０）の上下移動を前記揺動部材（４０）の揺動運動に変換するリンク機構（５０）を更に備えることを特徴とする請求項２～５のいずれか１項に記載の線材送り量調整装置（１０）。
　前記リンク機構（５０）は、前記移動部（３０）の側壁（３６）に形成され、前記移動部（３０）の上下移動方向に対して斜めに形成されるスリット溝（５１）と、前記揺動部材（４０）の一端に設けられ、前記スリット溝（５１）に係合する係合ピン（５２）と、から構成されることを特徴とする請求項６に記載の線材送り量調整装置（１０）。
　前記揺動部材（４０）の他端に、前記伝達部材（２５）の回転を案内すると共に、前記伝達部材（２５）を移動するローラ（４４）が設けられることを特徴とする請求項７に記載の線材送り量調整装置（１０）。
　前記ローラ（４４）の外周面に、前記伝達部材（２５）の周方向の一部を収容する断面略凹状の周溝（４４ａ）が形成されることを特徴とする請求項８に記載の線材送り量調整装置（１０）。
　前記送り量調整ユニット（２０ａ，２０ｂ）は、前記移動部（３０）の上下方向の移動を案内する一対のガイドロッド（３１）を更に備えることを特徴とする請求項２～９のいずれか１項に記載の線材送り量調整装置（１０）。
　前記送り量調整ユニット（２０ａ，２０ｂ）を２個備え、
　一方の前記送り量調整ユニット（２０ａ）の前記１次ローラ（２３）を回転駆動源として、この回転駆動源となる前記１次ローラ（２３）と他方の前記送り量調整ユニット（２０ｂ）の前記１次ローラ（２３）とを動力伝達ベルト（１３）で接続することを特徴とする請求項１～１０のいずれか１項に記載の線材送り量調整装置（１０）。