WO2015129254A1 - 羽根体、羽根体付き容器、および加熱調理器 - Google Patents

Abstract

　容器に対して着脱自在に配されるとともに、回転することにより容器内の被調理物に対して外力を付与する羽根体であって、羽根体の下方側に生じる回転磁界を受けて、羽根体を回転させる永久磁石と、常温時よりも高温時に強くなるように、羽根体の下方側に生じる永久磁石の磁界の強さを制御する磁界制御部材と、永久磁石と磁界制御部材とを収納する収納部と、収納部に取り付けられ、羽根体の回転により容器内に収容された被調理物に対して外力を付与する羽根部と、を備える。

Description

羽根体、羽根体付き容器、および加熱調理器

　本発明は、容器に対して着脱自在に配されるとともに、回転磁界を受けて回転することにより容器内の被加熱調理物に対して外力を付与する羽根体、およびこのような羽根体を備える羽根体付き容器、ならびに加熱調理器に関する。主として一般家庭で使用されている誘導加熱調理器を利用した羽根体および羽根体付き容器、ならびに加熱調理器に関する。

　従来から、誘導加熱調理器に備えたコイルから発生する磁界によって上部に載置した鍋を加熱するとともに、永久磁石または着磁体を有した回転翼の回転をおこなう回転加熱調理器が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

　特許文献１の回転加熱調理器は、定期的にしゃもじ等でかき混ぜなくとも被調理物が焦げ付かず、かつ回転翼を他の鍋などの容器にも使用可能として、機器の保管場所が少なくて済む回転加熱調理器を提供することを目的としたものである。特許文献１に記載された従来の回転加熱調理器を図１３に示す。図１３に示すように、従来の回転加熱調理器では、複数部に分割したコイル４がインバータ３に接続されており、コイル４にて、インバータ３の出力に応じて、高周波磁界もしくは低周波磁界またはこれらの混合磁界が発生される。内部に永久磁石６を備えた回転翼７を、非磁性金属で形成された鍋５の内底部に配置するとともに、鍋５をコイル４の上部に載置して、鍋５の加熱と回転翼７の回転の両方を行うようになっている。

特開平８－３５６６４号公報

　しかしながら、このような回転磁界により動力を伝達する構成では、磁気ギャップ（空隙長）が広くなるにつれて磁気結合度が低下する。一方、誘導加熱調理器に備えたコイルと回転翼に備えた永久磁石との間には鍋を載置する載置板の厚みや鍋の厚みが存在するために大きな磁気ギャップが存在する。実際にはこの磁気ギャップは５ｍｍから１５ｍｍ程度となる。鍋内の調理物（例えば数皿分のカレーの煮込み）を撹拌するための大きな回転トルクを確保するには、誘導加熱調理器のコイルから発生される磁束と回転翼で形成される磁束とを十分に鎖交する必要がある。また、回転翼は、被調理物を撹拌するための羽根形状を有する必要があり、回転翼に磁性体を備える場合にはスペース的な制約がある。

　限られたスペースで磁束密度を高くする必要性から、回転翼に装備される磁性体として、たとえばネオジウムやサマリウムコバルトなどの希土類の強力な永久磁石が用いられる場合がある。一方、回転翼を鍋から取り出して扱う場面では、永久磁石の磁気ギャップは鍋の厚みや載置板の厚みが存在しない状態となる。このような状態では、逆に強い磁力により磁性金属に接近させると吸着してしまうため、回転翼単体での取り扱いには十分な注意が必要となる。つまり回転翼を洗浄する場合などについて考えると磁性金属製のナイフやフォークさらにキッチンのシンクに回転翼を近づけないように注意して取り扱う必要がある。また、腕時計などの精密機器や磁気カードなどへの影響も生じるおそれがあるため、一般家庭での回転加熱調理器として実用化するにあたっては大きな課題となっている。

　本発明は、前記従来の課題を解決するもので、強い磁力の永久磁石を装備して回転時の高トルク化を実現しつつ、非回転時には永久磁石の磁力の影響を抑制して使用性に優れた羽根体、およびこのような羽根体を備える羽根体付き容器、ならびに加熱調理器を提供することを目的とする。

　前記従来の課題を解決するために、本発明の一の態様の羽根体は、容器に対して着脱自在に配されるとともに、回転することにより前記容器内の被調理物に対して外力を付与する羽根体であって、前記羽根体の下方側に生じる回転磁界を受けて、前記羽根体を回転させる永久磁石と、常温時よりも高温時に強くなるように、前記羽根体の下方側に生じる前記永久磁石の磁界の強さを制御する磁界制御部材と、前記永久磁石と前記磁界制御部材とを収納する収納部と、前記収納部に取り付けられ、前記羽根体の回転により前記容器内に収容された被調理物に対して外力を付与する羽根部と、を備える、構成としたものである。

　また、本発明の一の態様の羽根付き容器は、被調理物を収容可能であって、外部からのエネルギを受けて発熱する前記容器と、容器に対して着脱自在に配されるとともに、回転することにより前記容器内の被調理物に対して外力を付与する羽根体とを備え、前記羽根体は、前記羽根体の下方側に生じる回転磁界を受けて、前記羽根体を回転させる永久磁石と、常温時よりも高温時に強くなるように、前記羽根体の下方側に生じる前記永久磁石の磁界の強さを制御する磁界制御部材と、前記永久磁石と前記磁界制御部材とを収納する収納部と、前記収納部に取り付けられ、前記羽根体の回転により前記容器内に収容された被調理物に対して外力を付与する羽根部と、を備える、構成としたものである。

　また、本発明の一の態様の加熱調理器は、被調理物を収容可能であって、外部からのエネルギを受けて発熱する前記容器と、容器に対して着脱自在に配されるとともに、回転することにより前記容器内の被調理物に対して外力を付与する羽根体と、を備える羽根体付き容器と、前記容器を載置可能な載置部と、前記載置部の下方側に設けられ、前記容器にエネルギを付与して前記容器を加熱する加熱部と、前記載置部の下方側に設けられ、前記羽根体の前記永久磁石に対して回転磁界を付与する回転磁界発生部と、を備え、前記羽根体は、前記羽根体の下方側に生じる回転磁界を受けて、前記羽根体を回転させる永久磁石と、常温時よりも高温時に強くなるように、前記羽根体の下方側に生じる前記永久磁石の磁界の強さを制御する磁界制御部材と、前記永久磁石と前記磁界制御部材とを収納する収納部と、前記収納部に取り付けられ、前記羽根体の回転により前記容器内に収容された被調理物に対して外力を付与する羽根部と、を備える、構成としたものである。

　本発明によれば、強い磁力の永久磁石を装備して回転時の高トルク化を実現しつつ、非回転時には永久磁石の磁力の影響を抑制して使用性に優れた羽根体、およびこのような羽根体を備える羽根体付き容器、ならびに加熱調理器を提供できる。

本発明の実施の形態１における撹拌体を配した撹拌機能付き容器を上方からみた平面図 本発明の実施の形態１における撹拌体を示す部分断面図 本発明の実施の形態１における加熱調理器の部分断面図（常温・非撹拌時） 本発明の実施の形態１における加熱調理器の部分断面図（加熱・撹拌時） 本発明の実施の形態１における加熱調理器の回転磁界発生部と加熱部の平面図 本発明の実施の形態１における磁界制御部となる感温磁性材料の磁気温度特性を説明するための特性図 本発明の実施の形態１における加熱調理器の加熱容器を回転磁界発生部の中心から平面的にずらして置いた状態を示す部分断面図 本発明の実施の形態２における加熱調理器の部分断面図 本発明の実施の形態２における磁界制御部となる感温磁性材料の磁気温度特性を説明するための特性図 本発明の実施の形態３における撹拌体を示す部分断面図 本発明の実施の形態３における加熱調理器の部分断面図（常温・非撹拌時） 本発明の実施の形態３における加熱調理器の部分断面図（加熱・撹拌時） 従来の回転加熱調理器を示す部分断面図

　第１の発明の羽根体は、容器に対して着脱自在に配されるとともに、回転することにより前記容器内の被調理物に対して外力を付与する羽根体であって、前記羽根体の下方側に生じる回転磁界を受けて、前記羽根体を回転させる永久磁石と、常温時よりも高温時に強くなるように、前記羽根体の下方側に生じる前記永久磁石の磁界の強さを制御する磁界制御部材と、前記永久磁石と前記磁界制御部材とを収納する収納部と、前記収納部に取り付けられ、前記羽根体の回転により前記容器内に収容された被調理物に対して外力を付与する羽根部と、を備える、構成としたものである。
　これにより、羽根体の下方側に生じる磁界を、加熱による高温時と非加熱時の常温時で変化させるように制御することができる。そのため、加熱時には回転磁界が羽根体に強く作用して高トルクの回転による外力付加を実現することができ、常温時には羽根体の周囲に対する磁界の影響を抑制することができる。よって、強い磁力の永久磁石を装備して回転時の高トルク化を実現しつつ、非回転時には永久磁石の磁力の影響を抑制して使用性に優れた羽根体を提供できる。

　第２の発明は、特に、第１の発明の羽根体において、前記磁界制御部材は、常温域よりも高温域で磁性が弱くなるような感温磁性材料にて形成されている、構成としたものである。
　これにより、感温磁性材料の磁性の温度特性を利用して、加熱時には回転磁界が羽根体に強く作用して高トルクの回転による外力付加を実現することができ、常温時には羽根体の周囲に対する磁界の影響を抑制することができる。

　第３の発明は、特に、第２の発明の羽根体において、前記収納部は、前記永久磁石を上下方向に移動可能に収容する内部空間を有し、前記磁界制御部材が前記内部空間の上部に固定され、前記永久磁石は、常温時には前記磁界制御部材の磁力により吸引されて、前記内部空間の上部に位置し、高温時には前記内部空間の下部に位置する、構成としたものである。
　これにより、感温磁性材料の磁性の温度特性を利用して、内部空間における永久磁石の高さ位置を制御することで、加熱時における高トルクの回転による外力付加と、常温時における羽根体の周囲に対する磁界の影響の抑制とを両立して実現できる。

　第４の発明は、特に、第１の発明の羽根体において、前記磁界制御部材は、常温域よりも高温域で透磁率が低くなるような感温磁性材料にて形成され、前記磁界制御部材は、前記永久磁石の底面を覆うように配置されている、構成としたものである。
　これにより、感温磁性材料の透磁率の温度特性を利用して、永久磁石の磁束と回転磁界の磁束との鎖交量を制御することで、加熱時における高トルクの回転による外力付加と、常温時における羽根体の周囲に対する磁界の影響の抑制とを両立して実現できる。

　第５の発明は、特に、第４の発明の羽根体において、前記磁界制御部材は、前記永久磁石の全体を覆うように配置されている、構成としたものである。
　これにより、常温時における羽根体の周囲全方向に対する磁界の影響を抑制することができ、例えば、羽根体を高さ（厚さ）を低く構成できる。

　第６の発明は、特に、第１の発明の羽根体において、前記収納部は、前記永久磁石を移動可能に収容する内部空間を有し、前記磁界制御部材は、温度により形状が変化する形状記憶合金にて形成されるとともに、前記内部空間内において前記永久磁石を支持し、前記内部空間内において、常温域よりも高温域で前記磁界制御部材による前記永久磁石の支持高さ位置が低くなるように、前記磁界制御部材の形状が変化する、構成としたものである。
　これにより、形状記憶合金の温度による形状変化を利用して、内部空間における永久磁石の高さ位置を制御することができ、加熱時における高トルクの回転による外力付加と、常温時における羽根体の周囲に対する磁界の影響の抑制とを両立して実現できる。

　第７の発明の羽根付き容器は、被調理物を収容可能であって、外部からのエネルギを受けて発熱する前記容器と、第１から第６のいずれかの発明の羽根体と、を備える、構成としたものである。
　これにより、羽根体の下方側に生じる磁界を、加熱による高温時と非加熱時の常温時で変化させるように制御することができる。そのため、加熱時には回転磁界が羽根体に強く作用して高トルクの回転による外力付加を実現することができ、常温には羽根体の周囲に対する磁界の影響を抑制することができる。よって、強い磁力の永久磁石を装備して回転時の高トルク化を実現しつつ、非回転時には永久磁石の磁力の影響を抑制して使用性に優れた羽根体を備える羽根体付き容器を提供できる。

　第８の発明は、特に、第７の発明の羽根付き容器において、前記容器は、誘導磁界を受けて発熱する磁性金属材を底面外周に有し、前記羽根体は、前記容器の内底面に着脱可能に配され、前記羽根体が前記容器の内底面に配された状態にて、前記羽根体の前記収納部は、前記容器の前記磁性金属材より内周側に配置される、構成としたものである。
　これにより、容器の底面外周に磁性金属材を有しているため、誘導加熱により容器を効率的に加熱でき、また、加熱時における回転時には磁性金属材より内周側に羽根体の収容部を配置しているため、容器外部からの回転磁界を羽根体に強く作用させることができる。

　第９の発明の加熱調理器は、第７の発明の羽根体付き容器と、前記容器を載置可能な載置部と、前記載置部の下方側に設けられ、前記容器にエネルギを付与して前記容器を加熱する加熱部と、前記載置部の下方側に設けられ、前記羽根体の前記永久磁石に対して回転磁界を付与する回転磁界発生部と、を備える、構成としたものである。
　これにより、羽根体の下方側に生じる磁界を、加熱による高温時と非加熱時の常温時で変化させるように制御することができる。そのため、加熱時には回転磁界が羽根体に強く作用して高トルクの回転による外力付加を実現することができ、常温時には羽根体の周囲に対する磁界の影響を抑制することができる。よって、強い磁力の永久磁石を装備して回転時の高トルク化を実現しつつ、非回転時には永久磁石の磁力の影響を抑制して使用性に優れた羽根体を備える羽根体付き容器を用いて、被加熱物に対する加熱調理を行う加熱調理器を提供できる。

　第１０の発明は、特に、第９の発明の加熱調理器において、前記容器は磁性金属材を底面外周に有し、前記羽根体は前記容器の内底面に着脱可能に配され、前記羽根体が前記容器の内底面に配された状態にて、前記羽根体の前記収納部は、前記容器の前記磁性金属材より内周側に配置され、前記加熱部は、誘導磁界を発生させて前記容器の前記磁性金属材を誘導加熱する加熱コイルを有し、前記載置部において、前記回転磁界発生部の周囲に前記加熱コイルが配置されている、構成としたものである。
　これにより、容器の底面外周に磁性金属材を有しているため、誘導加熱により容器を効率的に加熱でき、また、加熱時における回転時には磁性金属材より内周側に羽根体の収容部を配置しているため、容器外部からの回転磁界を羽根体に強く作用させることができる。

　ここで、加熱調理における高温時に高トルクで被調理物に対して撹拌等の外力付加を行う意味について説明する。たとえば煮込み調理などの一般的な加熱調理において被調理物は加熱とともに水分が蒸発することで粘性抵抗が増大する。さらに加熱を続けると水分が蒸発することで部分的な焦げ付きが発生しやすくなる。高温時に高トルクで被調理物に対して撹拌等を行うことで焦げ付き等を防止することができる。このように撹拌等を行う装置を使用しない場合には、調理者は被調理物の加熱が進んで高温になると、しゃもじなどを用いて手動で焦げないように被調理物を混ぜる作業が必要となる。本発明の加熱調理器を使用することで、調理者はこのような作業から開放されることができ、加熱調理の手間が省けるものである。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　（実施の形態１）
　図１は、本発明の実施の形態１における撹拌体（羽根体の一例）を配した撹拌機能付き容器（羽根体付き容器の一例）を上方からみた平面図である。図１に示すように、撹拌体１０は、永久磁石１２および磁界制御部材１３を収納する収納部１４と、収納部１４の周囲に設けられた羽根部１１とを備える。撹拌体１０は、被調理物（図示せず）を収納する容器２０の内底面に着脱自在に配置され、撹拌体１０が回転することにより容器２０内の被調理物に対して外力を付与して、羽根部１１により被調理物を撹拌する構成となっている。

　図２は、本発明の実施の形態１における撹拌体１０の主要な構成を示す部分断面図である。具体的には、撹拌体１０における収納部１４の内部構成を示す断面図である。図２において、１２は永久磁石であり、１３は磁界制御部材であり、その双方は収納部１４内に収納されている。図２において、紙面の上下方向と容器２０内に配置される撹拌体１０の上下の関係は同じになるように図示しており、収納部１４において、容器２０の内底面２０Ａ（図３参照）に対向する面、すなわち紙面の下側が底面となる。収納部１４の底面には、複数の凸部１４ｂが設けられている。これらの凸部１４ｂにより、容器２０に撹拌体１０を配した状態で容器２０の内底面２０Ａと収納部１４の底面とが接触する面積を減らすことができ、撹拌体１０の回転抵抗を減らすことができる。

　永久磁石１２は、撹拌体１０が容器２０内に配置されたとき容器２０の内底面２０Ａ（図３参照）に対向して配されるとともに、撹拌体１０の下方側に生じる回転磁界を受けて、撹拌体１０を回転させるものである。磁界制御部材１３は、撹拌体１０が容器２０内に配置された状態において外部からの加熱による温度状態に応じて永久磁石１２から撹拌体１０の外部に生じる磁界の強さを制御するものである。磁界制御部材１３は収納部１４の上側外面からＬ３の距離に永久磁石１２を吸着する面が位置するように収納部１４に一体的に設けられている。

　また、収納部１４内には、永久磁石１２を上下方向に移動可能に収容する内部空間として磁石移動空間１４ａが設けられており、磁界制御部材１３は、磁石移動空間１４ａの上部に配置されている。磁界制御部材１３は後述するように（図６参照）外部からの加熱による温度状態に応じて磁性が変化する温度特性をもった感温磁性材料にて形成されている。具体的には、磁界制御部材１３は加熱されない常温域では強い磁性を有し、永久磁石１２は磁力により磁界制御部材１３に吸引されて磁石移動空間１４ａの上部に移動して位置する。その結果、図２に示すように、永久磁石１２は、収納部１４の上下方向における略中央に位置し、収納部１４の底面側外面からＬ１の距離に位置して拘束された状態となる。逆に磁界制御部材１３が外部から加熱された高温領域では、常温域よりも弱い磁性を有する。そのため、永久磁石１２は磁界制御部材１３から離れて、磁石移動空間１４ａの下部に移動する。その結果、永久磁石１２は、容器２０の内底面２０Ａに近接する側に移動して位置し、収納部１４の底面側外面からＬ２の距離に位置した状態となる。

　図３は、本発明の実施の形態１における加熱調理器の主要な構成を示す部分断面図である。図３に示すように、加熱調理器１００は、撹拌体１０付きの容器２０と、容器２０を載置可能な載置部４０と、載置部４０の下部（下方側）に設けられた加熱部５０と、加熱部５０を駆動する加熱駆動回路５５と、載置部４０の下部（下方側）に設けられた回転磁界発生部６０とを備える。加熱部５０は容器２０にエネルギを付与して容器２０を加熱する機能を有しており、回転磁界発生部６０は撹拌体１０の永久磁石１２に対して回転磁界を付与する機能を有する。加熱調理器１００は、誘導加熱により容器２０を加熱することで、容器２０内に収容されている被調理物を煮炊きするＩＨ（ｉｎｄｕｃｔｉｏｎ　ｈｅａｔｉｎｇ）調理器としての機能を有する。

　載置部４０において、加熱部５０と回転磁界発生部６０との上方に対向するように容器２０が載せられ、容器２０の中には撹拌体１０が配置されている。加熱駆動回路５５により加熱部５０が駆動されて容器２０が加熱される。具体的には本実施の形態１では加熱部５０は誘導加熱用コイルであり、加熱駆動回路５５は商用電源に接続され高周波電圧を発生するインバータである。容器２０の底面外周には磁性金属材２１が容器２０と一体的に設けられている。加熱部５０からの磁力線を受けて容器２０の底面の磁性金属材２１に渦電流が発生し、この渦電流により発生するジュール熱が容器２０の全体にわたって熱伝導することにより、容器２０内の被調理物に対する加熱が行われる。容器２０は主に非磁性金属で構成されており、本実施の形態１においては良熱伝導性材料であるアルミ合金により構成されている。

　図３に示すように、磁性金属材２１は、加熱部５０に対向して備えられるとともに略円環形状を有する。この磁性金属材２１の円環形状の内側領域に対向して、加熱調理器１００の載置部４０の下方側には回転磁界発生部６０が設けられている。また、撹拌体１０が容器２０の内底面に配置された状態では、撹拌体１０の収納部１４（すなわち、永久磁石１２）は、容器２０の磁性金属材２１より内周側に配置される。そのため、回転磁界発生部６０から発生される回転磁界は非磁性金属で構成される容器２０の底面を貫通するようになっている。

　図３は、加熱される前である常温における非撹拌時の状態を示す図であり、永久磁石１２は磁界制御部材１３に吸着して回転磁界発生部６０から遠い側に離間した位置にある。

　図４は本発明の実施の形態１における加熱時における撹拌時の状態を示す加熱調理器１００の部分断面図である。図４に示す状態では、加熱部５０からの磁力線によって磁性金属材２１を介して容器２０が加熱され、それに伴って磁界制御部材１３も加熱される。磁界制御部材１３は高温領域では磁性が弱くなるため、永久磁石１２は磁界制御部材１３から離れて、磁石移動空間１４ａ内を容器２０の内底面２０Ａに近接する側（すなわち下方）に移動して回転磁界発生部６０に接近する。この状態で回転磁界発生部６０から回転磁界を発生させて、容器２０内に配される撹拌体１０に備えた永久磁石１２の磁束と回転磁界の磁束とを鎖交させる。これにより、撹拌体１０が容器２０の底面付近で回転するとともに、撹拌体１０にて強い回転トルクを発生させることができる。その結果、撹拌体１０に備えた羽根部１１により容器２０に収容した被調理物（図示せず）を撹拌することができる。

　図５は、本発明の実施の形態１における加熱調理器１００の回転磁界発生部６０および加熱部５０の平面図である。図５に示すように、加熱調理器１００では、容器２０の底面外周に略円環形状に配置された磁性金属材２１（図３等参照）に対向して上下方向に重なるように加熱部５０が略円環形状に設けられている。また、加熱部５０には加熱駆動回路５５が接続されている。加熱部５０の内周側の空間にはコイル６１を磁性コア６２に巻回し所定の円周上に複数個分割配置した回転磁界発生部６０が設けられている。それぞれのコイル６１は回転駆動回路６５に接続されており、回転駆動回路６５により複数のコイル６１に順次通電制御して回転磁界を発生することができる。

　図６は、本発明の実施の形態１における磁界制御部材１３に用いられている感温磁性材料の磁気温度特性を説明する特性図である。磁界制御部材１３は温度領域により磁気特性が変化する性質をもった感温磁性材料で構成されており、図６に示す磁気温度特性を有する。この特性により常温領域では磁界制御部材１３は強い磁性を有するため、重力に抗して永久磁石１２は上方に移動して磁界制御部材１３に位置を拘束される（すなわち、吸引されて磁石移動空間１４ａの上部に位置する）。加熱調理が行われている際は、容器２０の温度上昇に伴って磁界制御部材１３の温度も上昇して、磁界制御部材１３の磁性が低下する。そのため、永久磁石１２と磁界制御部材１３との吸着力が弱まり、高温領域においては永久磁石１２の自重または回転磁界発生部６０の発生する磁界により永久磁石１２は磁界制御部材１３から離脱して、撹拌体１０の下方側に移動して回転磁界発生部６０に接近する（すなわち、磁石移動空間１４ａの下部に位置する）。このように、磁界制御部材１３を構成する感温磁性材料の磁気温度特性による永久磁石１２の動作により、撹拌体１０に生じる磁界、特に下方側に生じる磁界が制御されるものである。したがって、撹拌体１０の撹拌時の磁界と非撹拌時の磁界を変化させることができる。

　以上のように構成された本実施の形態１の加熱調理器１００について、以下その動作、作用を説明する。

　加熱前の常温領域での撹拌体１０における永久磁石１２の位置は、磁界制御部材１３の作用により収納部１４の上下方向における略中央に拘束された状態（磁石移動空間１４ａの上部に位置した状態）となる。このような状態では、収納部１４の外側面と永久磁石１２との間の距離が長くなるため、撹拌体１０の外部に対して永久磁石１２の磁界が与える影響を小さくできる。つまり、図２に示すように、収納部１４の外側面と永久磁石１２との間の距離Ｌ１、Ｌ３およびＬ４（常温領域における距離）が、加熱撹拌時における距離Ｌ２に比べて大きくなるように構成されている。そのため、被加熱時（常温時）には、撹拌体１０の周囲に対して永久磁石１２が与える磁力の影響を弱めるように距離を確保することができる。また、このような状態では、回転磁界発生部６０とも離れた位置にある。

　一方、加熱調理時においては、加熱駆動回路５５により加熱部５０が通電されて容器２０の温度上昇に伴う熱伝導や被調理物からの対流熱により磁界制御部材１３の温度が上昇する。それに伴って、磁界制御部材１３の磁性が次第に弱まり、所定温度（たとえば７０℃）に到達すると永久磁石１２は磁界制御部材１３から離れて瞬時に移動し収納部１４における底面側外面との距離がＬ２となる。この状態では、磁石移動空間１４ａ内の下部に永久磁石１２が位置しており、永久磁石１２が回転磁界発生部６０に接近した状態となる。この状態で回転磁界発生部６０から回転磁界を発生させ強い磁界を作用させることで、高トルクで撹拌体１０を回転させることができる。

　また、撹拌体１０を容器２０から取り出した場合や加熱を停止して被調理物の温度が低下した場合には、それに伴って磁界制御部材１３の温度が降下し所定温度（たとえば４０℃）に到達すると磁界制御部材１３の磁性が強くなる。これにより、永久磁石１２は磁石移動空間１４ａ内を瞬時に上方に移動して磁界制御部材１３に吸着して加熱前の状態に復帰する。

　なお、永久磁石１２が回転磁界発生部６０に接近した状態にあるかどうかを検出する検出手段を設け、接近した状態にあると検出された場合に回転磁界発生部６０から回転磁界を発生させるようにしてもよい。このような検出手段としては、磁界制御部材１３の温度を検出する温度センサや容器２０の温度を検出する温度センサを採用することができる。その他、永久磁石１２から撹拌体１０の外側に生じる磁界の変化を検出するセンサを用いてもよい

　次に、撹拌体１０に磁力の強力な永久磁石１２を装備させることにより高トルクの撹拌を実現できることに加えて、撹拌体１０の使用性を向上できる利点について説明する。

　図７は、本発明の実施の形態１における加熱調理器１００の使用状態を示す部分断面図であり、容器２０を加熱調理器１００の載置部４０上に位置ずれして載せた場合の部分断面図である。図４の状態と異なるのは、図７の状態では加熱調理器１００の加熱部５０および回転磁界発生部６０の中心位置と容器２０の中心位置とが水平方向にずれた状態にある点である。この状態で撹拌体１０は容器２０とは支軸などにより機械的に位置規制されていない。そのため、撹拌体１０は加熱されることで回転磁界発生部６０からの回転磁界に吸引される。その結果、容器２０の載置部４０での所定の位置ずれを許容して、撹拌体１０が図７の点線で示す位置から実線で示す位置に移動する。よって、撹拌体１０と回転磁界発生部６０とが平面的に中心位置を合致させた図７に実線で示す状態で撹拌動作することができる。

　このような磁力の強力な永久磁石１２と回転磁界発生部６０の回転磁界とによる撹拌体１０の位置ずれ補正が行われることにより、載置部４０において容器２０の機械的な位置規制は特に設ける必要がない。そのため、加熱調理器１００の載置部４０には、図７等に示すような形状の容器２０以外にも、外径や底面の形状の異なる他の容器を載せて加熱調理することができる。さらに撹拌体１０の永久磁石１２と回転磁界発生部６０の回転磁界との吸引力により、容器２０が載置部４０に対して撹拌体１０により押圧される。これにより、加熱調理器１００の載置部４０での容器２０の浮きや滑りを抑えるように磁力を作用させることができ、大きな負荷の被調理物を高トルクで撹拌しても加熱撹拌時の容器２０の位置ずれや容器２０の回転を防止して安定性が良い。また、容器２０の内面にフッ素樹脂やセラミックのコーティング処理を施しておいてもよい。また、撹拌体１０の底部についても、容器２０の底面との間の摺動抵抗が少なくなるように、撹拌体１０の底部に凸部１４ｂを設けている。

　このような構成の本実施の形態１の加熱調理器１００を使うことにより、使用者は加熱調理においても焦付きの心配もなく、しゃもじなどの器具を用いて被調理物を撹拌する手間を省くことができる。また、容器２０においては、手で撹拌する場合に比べて、容器２０に蓋（図示せず）をした状態で加熱撹拌することができる。そのため、容器２０の開口側からの熱の損失を防いで効率的な加熱調理を実現するとともに、撹拌時の調理物の周囲への飛散も防止することができる。容器２０内には支軸や軸受けなどを構成する必要もなく、容器２０の洗浄時や非使用時に他の容器と積み重ねて収納する場面においても、通常の鍋と同じように取り扱うことができる。

　なお、図３、図４および図７に示す加熱調理器１００の部分断面図としては、略円筒形容器２０の中心部の断面を表すものである。本実施の形態１において回転磁界発生部６０は、コイル６１を磁性コア６２に巻回し円周上に複数個分割配置し、回転駆動回路６５により複数のコイル６１に順次通電制御して回転磁界を発生する構成である。撹拌体１０に備えた永久磁石１２は、回転磁界発生部６０から発生する回転磁界に対応して円周上に例えば等角度に複数設けられている。なお、永久磁石１２は、複数個設けられるような場合に限らず、磁極を複数有していれば、１個のみ永久磁石が設けられるような場合であってもよい。また、加熱部５０としては非磁性金属を直接誘導加熱できるものであれば容器２０は磁性金属材２１を省略したものでもよく、通常のヒータなどで加熱される容器と同様に非磁性のアルミ合金製であってもよい。また、回転磁界発生部６０としては図１に示す構成に限らずモーターの回転軸に永久磁石や着磁体をとりつけて回転させることにより回転磁界を発生させるものであってもよい。

　撹拌体１０を容器２０から取り出して取り扱うような場合では、永久磁石１２が磁界制御部材１３に吸着して収納部１４における上下方向の略中央に位置することになる。そのため、撹拌体１０から発生する磁界が弱めることができるので、撹拌体１０の周囲への磁界の影響を抑えることができる。つまり、撹拌体１０を洗浄や収納する場合などについて考えると、ナイフやフォークやキッチンの天板やシンクなど周囲に磁性金属が存在する空間であっても、撹拌体１０の使用性を良好なものとすることができる。

　（実施の形態２）
　図８は、本発明の実施の形態２における加熱調理器の部分断面図である。上述の実施の形態１の加熱調理器では、撹拌体１０における永久磁石１２が上下に移動することで、永久磁石１２と回転磁界発生部６０との距離の変化により撹拌体１０からの磁界が制御される構成が採用されていた。これに対して、本実施の形態２の加熱調理器では、永久磁石１２が撹拌体１０の下部に配置された状態で感温磁性材料を用いた磁界制御部材１３が、永久磁石１２における容器２０の内底面２０Ａ側を覆う形に設けられた構成が採用されている。これにより、収納部１４において、永久磁石１２を上下方向に移動させる空間を設ける必要を無くすことができ、収納部１４の高さを低く構成できる。

　以上のように構成された本実施の形態２の加熱調理器について、以下にその動作、作用を説明する。

　図９は本発明の実施の形態２における撹拌体１０に設けられた磁界制御部材１３を構成する感温磁性材料の磁気温度特性を説明する特性図である。磁界制御部材１３は実施の形態１と同様に図９に示す温度特性により加熱されない常温時には感温磁性材料の透磁率が高い状態となる。そのため、永久磁石１２で発生する磁束の多くは磁界制御部材１３内部に収束して閉磁路を構成することになり、撹拌体１０から発生する磁界が弱まるように作用する。一方、磁界制御部材１３は、加熱による高温状態では透磁率が低い状態となる。そのため、永久磁石１２の磁界の多くは磁界制御部材１３を貫通することになる。この状態で回転磁界発生部６０から回転磁界を発生させることで、強い磁界を作用させて、永久磁石１２の磁束と回転磁界の磁束との鎖交量を多くすることができ、加熱調理において高トルクでの被調理物の撹拌を実現できる。

　図８に示す永久磁石１２では、永久磁石１２の底面（下面）および側面が磁界制御部材１３である感温磁性材料により覆われた例を示している。このような場合に限られず、永久磁石１２の少なくとも底面を覆うように感温磁性材料が配置されていればよい。また、永久磁石１２の全体を覆うように感温磁性材料を配置してもよい。このような構成では、常温域において、撹拌体１０の外部に対する永久磁石１２の磁界の影響を抑制することができるため、例えば撹拌体１０の高さを低くすることができる。

　（実施の形態３）
　図１０は、本発明の実施の形態３における撹拌体の収納部１４の内部を示す部分断面図である。本実施の形態３においては永久磁石１２が上下に移動することで永久磁石１２と回転磁界発生部６０との間の距離の変化を利用して撹拌体１０からの磁界を制御する構成を採用している点において上述の実施の形態１と類似した構成となっている。本実施の形態３が実施の形態１と異なる点は、磁界制御部材１３に外部からの加熱による温度上昇に伴って形状が変化する性質をもたせた形状記憶合金を用いた構成を採用している点である。

　図１０に示すように、撹拌体の収納部１４には、永久磁石１２を上下方向に移動可能に収納する磁石移動空間１４ａが設けられている。磁石移動空間１４ａ内において、永久磁石１２は磁石保持具１５に固定されるとともに、磁石保持具１５が磁界制御部材１３により支持されている。磁界制御部材１３は温度により形状が変化する形状記憶合金にて形成されており、磁界制御部材１３の形状が変化することにより、磁石移動空間１４ａ内において、磁石保持具１５の支持高さ位置が上下方向に変化するように構成されている。具体的には、磁界制御部材１３による磁石保持具１５の支持高さ位置（すなわち、永久磁石１２の支持高さ位置）が、常温域よりも高温域で低くなるように、磁界制御部材１３の形状が変化する。また、磁石移動空間１４ａ内には、形状記憶合金である磁界制御部材１３の形状の変化をガイドするようにガイド部１４ｃが設けられている。また、図１０に示す例では、磁界制御部材１３は、コイルスプリング形状に形成されている。なお、磁界制御部材１３の形状はコイルスプリング形状に限られず、その他様々な形状を採用してもよい。

　以上のように構成された本実施の形態３の加熱調理器について、以下にその動作、作用を説明する。

　図１１は、本発明の実施の形態３における加熱をする前の常温での加熱調理器の部分断面図である。永久磁石１２は磁石保持具１５に固定された状態で、磁石保持具１５と一体的に上下に移動可能に磁石移動空間１４ａ内に配置されている。図１１に示すように、加熱されない常温時においては、磁界制御部材１３が磁石保持具１５を上方の支持高さ位置にて支持している状態にある。そのため、永久磁石１２が、収納部１４の上下方向の略中央に位置された状態となっており、撹拌体１０から外部への磁界の影響が抑制された状態にある。

　図１２は、本発明の実施の形態３における加熱調理時の高温領域での加熱調理器の部分断面図である。図１２に示すように、加熱による高温状態では磁界制御部材１３が磁石保持具１５を下方の支持高さ位置にて支持する形状に変形している。そのため、永久磁石１２が回転磁界発生部６０に向かって接近した状態となる。このような状態では、回転磁界発生部６０から回転磁界を発生させることにより、接近した状態にある永久磁石１２に対して強い磁界を作用させて、撹拌体１０による高トルクでの調理物の撹拌を実現できる。なお、本実施の形態３では、形状記憶合金は常温と加熱の伸縮の双方向の形状記憶効果型を用いた形態であるが、これに限らず伸縮のどちらか一方にバイアス力を発生させるバネなどを組み合わせて１方向の形状記憶効果型のものを用いてもよい。

　上述の実施の形態では、容器内において回転される羽根体が撹拌体である場合を例として説明したが、羽根体はこのような場合に限られない。羽根体としては、容器に対して着脱自在に配されるとともに、回転することにより容器内の被調理物に対して外力を付与するものであればよく、このような外力付与により撹拌、切削、粉砕、練りなど行うものであってもよい。

　また、上述の実施の形態では、加熱調理器に設けられた加熱部により誘導加熱により容器を加熱するような場合を例として説明したが、加熱部の構成はこのような場合に限られない。加熱部は、容器に対してエネルギを付与して加熱する機能を有していればよく、誘導加熱の他、ヒータ、スチーム、温風、または輻射加熱などの加熱手段を採用してもよい。

　なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。

　本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。

　以上のように、本発明の加熱調理器は、回転磁界により回転駆動する羽根体に対して、永久磁石とともに羽根体から外部に対して生じる磁界を制御する磁界制御部材を設けた構成としたものである。このような構成によって、羽根体の回転時の磁界と非回転時の磁界とを変化させることができ、回転時には高トルクを実現でき、非回転時には羽根体の外部に対する磁力を抑えることができる。よって、被加熱物の加熱とともに、羽根体による撹拌、切削、粉砕、練りなどの調理を行うような加熱調理器に適用することができる。

　１０　　撹拌体
　１１　　羽根部
　１２　　永久磁石
　１３　　磁界制御部材
　１４　　収納部
　２０　　容器
　２０Ａ　内底面
　４０　　載置部
　５０　　加熱部
　６０　　回転磁界発生部

Claims (10)

1. 　容器に対して着脱自在に配されるとともに、回転することにより前記容器内の被調理物に対して外力を付与する羽根体であって、
   　前記羽根体の下方側に生じる回転磁界を受けて、前記羽根体を回転させる永久磁石と、
   　常温時よりも高温時に強くなるように、前記羽根体の下方側に生じる前記永久磁石の磁界の強さを制御する磁界制御部材と、
   　前記永久磁石と前記磁界制御部材とを収納する収納部と、
   　前記収納部に取り付けられ、前記羽根体の回転により前記容器内に収容された被調理物に対して外力を付与する羽根部と、を備える、羽根体。
2. 　前記磁界制御部材は、常温域よりも高温域で磁性が弱くなるような感温磁性材料にて形成されている、請求項１に記載の羽根体。
3. 　前記収納部は、前記永久磁石を上下方向に移動可能に収容する内部空間を有し、
   　前記磁界制御部材が前記内部空間の上部に固定され、
   　前記永久磁石は、常温時には前記磁界制御部材の磁力により吸引されて、前記内部空間の上部に位置し、高温時には前記内部空間の下部に位置する、請求項２に記載の羽根体。
4. 　前記磁界制御部材は、常温域よりも高温域で透磁率が低くなるような感温磁性材料にて形成され、
   　前記磁界制御部材は、前記永久磁石の底面を覆うように配置されている、請求項１に記載の羽根体。
5. 　前記磁界制御部材は、前記永久磁石の全体を覆うように配置されている、請求項４に記載の羽根体。
6. 　前記収納部は、前記永久磁石を移動可能に収容する内部空間を有し、
   　前記磁界制御部材は、温度により形状が変化する形状記憶合金にて形成されるとともに、前記内部空間内において前記永久磁石を支持し、
   　前記内部空間内において、常温域よりも高温域で前記磁界制御部材による前記永久磁石の支持高さ位置が低くなるように、前記磁界制御部材の形状が変化する、請求項１に記載の羽根体。
7. 　被調理物を収容可能であって、外部からのエネルギを受けて発熱する前記容器と、
   　請求項１から６のいずれか１つに記載の羽根体と、を備える、羽根体付き容器。
8. 　前記容器は、誘導磁界を受けて発熱する磁性金属材を底面外周に有し、
   　前記羽根体は、前記容器の内底面に着脱可能に配され、
   　前記羽根体が前記容器の内底面に配された状態にて、前記羽根体の前記収納部は、前記容器の前記磁性金属材より内周側に配置される、請求項７に記載の羽根体付き容器。
9. 　請求項７に記載の羽根体付き容器と、
   　前記容器を載置可能な載置部と、
   　前記載置部の下方側に設けられ、前記容器にエネルギを付与して前記容器を加熱する加熱部と、
   　前記載置部の下方側に設けられ、前記羽根体の前記永久磁石に対して回転磁界を付与する回転磁界発生部と、
   を備える、加熱調理器。
10. 　前記容器は磁性金属材を底面外周に有し、
    　前記羽根体は前記容器の内底面に着脱可能に配され、
    　前記羽根体が前記容器の内底面に配された状態にて、前記羽根体の前記収納部は、前記容器の前記磁性金属材より内周側に配置され、
    　前記加熱部は、誘導磁界を発生させて前記容器の前記磁性金属材を誘導加熱する加熱コイルを有し、
    　前記載置部において、前記回転磁界発生部の周囲に前記加熱コイルが配置されている、請求項９に記載の加熱調理器。

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