WO2015064541A1

WO2015064541A1 - 端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法

Info

Publication number: WO2015064541A1
Application number: PCT/JP2014/078509
Authority: WO
Inventors: 大亮宮川
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2013-10-30
Filing date: 2014-10-27
Publication date: 2015-05-07
Also published as: JP6522876B2; JP2015088298A

Abstract

　圧入治具（１０）で保持した端子（１）にメッキ処理を施すメッキ処理工程と、メッキ処理工程後に、前記圧入治具（１０）で保持した前記端子（１）をコネクタハウジング（２０）に組み付けする端子組付工程とを備えた端子（１）のメッキ処理・コネクタ組み付け方法である。

Description

端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法

　本発明は、端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法に関する。

　従来では、端子に金等のメッキ処理を施す場合には、端子のメッキ処理からコネクタ装着までの作業を次の手順で行っていた（特許文献１参照）。つまり、図１に示すように、端子５０をメッキ用保持治具５１にセットして端子５０にメッキ処理を施す端子メッキ処理工程と、端子メッキ処理工程の後に、端子５０を圧入治具（図示せず）にセットして圧入治具で保持した端子５０をコネクタハウジング（図示せず）に圧入する端子圧入工程と、を行う。

特開平７－２０１４４７号公報

　前記従来例では、端子メッキ処理工程と端子圧入工程とでは、それぞれの工程において専用の治具（端子メッキ処理工程用治具５１，端子圧入工程用治具は図示せず）を使用しているため、その着脱時間に作業時間を要し、全体としての作業時間が長くなるという問題があった。

　また、上記したように端子メッキ処理工程と端子圧入工程とでは、共に専用の治具５１，（図示せず）を使用しているため、部品点数が多いという問題があった。

　そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、端子のメッキ処理を伴う場合に、端子のメッキ処理からコネクタ装着までの作業時間の短縮となり、設備側の部品点数の削減になる端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法を提供することを目的とする。

　本発明の端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法は、端子にメッキ処理を施すメッキ処理工程と、端子をコネクタハウジングに組み付けする端子組付工程と、を備えた方法であって、メッキ処理工程では、端子を組付治具で保持して端子にメッキ処理が施され、端子組付工程では、組付治具で保持したメッキ処理後の端子がコネクタハウジングに組み付けされることを特徴とする端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法である。

　本発明の端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法は、メッキ処理工程を経て端子組付工程に移動する場合と、メッキ処理を経ることなく端子組付工程に移行する場合を選択可能であるものであってもよい。

　本発明によれば、組付治具がメッキ処理時の端子の保持を兼用するため、メッキ処理工程から端子組付工程に移行する際の治具着脱時間が不要であり、又、メッキ処理工程で端子を保持する専用の治具が必要ない。以上より、端子のメッキ処理を伴う場合に、端子のメッキ処理からコネクタ装着までの作業時間の短縮となり、設備側の部品点数の削減になる。

図１は、従来例を示し、端子をメッキ用保持治具にセットした状態の斜視図である。図２Ａは、本発明の一実施形態を示し、連鎖端子と圧入治具の斜視図である。図２Ｂは、本発明の一実施形態を示し、圧入治具で端子をコネクタハウジングに圧入する過程を示す斜視図である。図３Ａは、本発明の一実施形態を示し、連鎖端子を圧入治具で保持（チャック）した状態を示す側面図である。図３Ｂは、本発明の一実施形態を示し、端子を圧入治具で保持した状態を示す側面図である。図４Ａは、本発明の一実施形態を示し、端子にロールメッキ装置でメッキ処理をする状態を示す概略側面図である。図４Ｂは、本発明の一実施形態を示し、金メッキ処理した端子を洗浄している状態を示す概略側面図である。図４Ｃは、本発明の一実施形態を示し、端子をコネクタハウジングに圧入する状態を示す側面図である。図５は、本発明の一実施形態を示し、吹き付けメッキ装置でメッキ処理する状態を示す概略側面図である。

　以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。

　但し、図面は模式的なものであり、装置やシステムの構成等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な構成は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの構成の異なる部分が含まれていることは勿論である。

　（実施形態）
　図２Ａ～図４Ｃは本発明の一実施形態を示す。本実施形態の端子１のコネクタ組み付け工程では、連鎖端子１Ａから端子１を切断し、切断した端子１に必要に応じて金メッキ処理を施し、その後、端子１をコネクタハウジング２０に圧入する。この一連の工程には、連鎖端子１Ａ、組付治具である圧入治具１０、ロールメッキ装置３０を主に使用する。以下、説明する。

　図２Ａに詳しく示すように、連鎖端子１Ａは、導電性金属の線材を加工して形成されている。連鎖端子１Ａは、複数の端子１が脆弱部２を介して連続的に接続されている。端子１は、丸ピン端子であり、前部と後部の接触ピン部１ａ，１ｂと、これらの中間部の係止部１ｃと、から構成されている。係止部１ｃは、接触ピン部１ａ，１ｂの外周より突出した箇所を有する。脆弱部２は、接触ピン部１ａ，１ｂより細径化し、他の箇所よりも切断し易く形成されている。

　図２Ａ、２Ｂに示すように、組付治具である圧入治具１０は、一対の把持アーム１０ａを有し、互いの対向面の間隔を可変することによって端子１を把持することによって保持する。圧入治具１０は、図示しない駆動アームによって軸回りの回転、三次元的な移動を行うことができるよう構成されている。

ロールメッキ装置３０は、図４Ａに示すメッキローラ部３１と、図４Ｂに示す洗浄槽（又は焼成槽）３２とを有する。メッキローラ部３１は、複数組の互いに対向する一対のメッキローラ３１ａ，３１ｂを有する。一対のメッキローラ３１ａ，３１ｂ間に端子１を通すと、各メッキローラ３１ａ，３１ｂから端子１に金メッキが施される。

　次に、端子１のコネクタ組み付け作業を説明する。コネクタ組み付け作業は、連鎖端子分離工程と、メッキ処理工程と、コネクタ装着工程とからなる。先ず、連鎖端子分離工程を行う。つまり、図３Ａに示すように、連鎖端子分離工程では、連鎖端子１Ａの設置位置に圧入治具１０が移動し、連鎖端子１Ａの最先端の端子１後部の接触ピン部１ｂの箇所を圧入治具１０が把持する。端子１を把持した状態で、次の端子１との間の脆弱部２を切断し、図３Ｂに示すように、最先端の端子１を連鎖端子１Ａより分離する。切断は、例えば、圧入治具１０を回転させて捻り切ることで行う。

　次に、メッキ処理工程に移行する。つまり、メッキ処理工程では、図４Ａに示すように、端子１を把持した圧入治具１０がロールメッキ装置３０のメッキローラ部３１に移動する。そして、圧入治具１０で把持した端子１前部の接触ピン部１ａが一対のメッキローラ３１ａ，３１ｂの間に通される。これにより、接触ピン部１ａに金メッキが施される。

　メッキ処理工程では、次に、図４Ｂに示すように、端子１を把持した圧入治具１０をロールメッキ装置３０の洗浄槽３２に移動し、端子１の金メッキした箇所を洗浄槽３２の洗浄液に漬ける。洗浄槽３２の替わりに、焼成槽を設けて焼成しても良い。これで、端子１前部の接触ピン部１ａに金メッキが施される。

　次に、コネクタ装着工程に移行する。つまり、コネクタ装着工程では、図４Ｃ、図２Ｂに示すように、端子１を把持した圧入治具１０を固定されたコネクタハウジング２０の箇所まで移動し、端子１前部の接触ピン部１ａを先端として、コネクタハウジング２０の端子収容室２１に圧入する。端子１は、その係止部１ｃが端子収容室２１の内壁に干渉しつつ挿入され、挿入完了位置で位置決めされる。以上で、１つの端子１のコネクタ組み付け作業が完了する。

　また、金メッキ処理が必要ない端子１の場合には、連鎖端子分離工程の後に、メッキ処理工程を行わずに、コネクタ装着工程を行う。金メッキ処理が必要ない場合の処理と、金メッキ処理が必要である場合の処理とは、選択自由である。

　以上説明したように、端子１のメッキ処理・コネクタ組み付け方法は、圧入治具１０で保持した端子１にメッキ処理を施すメッキ処理工程と、メッキ処理工程後に、圧入治具１０で保持した端子１をコネクタハウジング２０に組み付けする端子組付工程と、を備えている。従って、圧入治具１０がメッキ処理時の端子１の保持を兼用するため、メッキ処理工程から端子組付工程に移行する際の治具着脱時間が不要であり、又、メッキ処理工程で端子１を保持する専用の治具が必要ない。以上より、端子１のメッキ処理を伴う場合に、端子１のメッキ処理からコネクタ装着までの作業時間の短縮となり、設備側の部品点数の削減になる。

　端子１のメッキ処理・コネクタ組み付け方法は、メッキ処理工程を経て端子組付工程を行う場合と、メッキ処理を経ることなく端子組付工程を行う場合を選択可能である。従って、メッキ処理された端子１とメッキ処理が必要ない端子１を混在させる要求にも対応できる。

　（変形例）
　前記実施形態では、圧入治具１０を移動できるよう構成したが、ロールメッキ装置３０やコネクタハウジング２０側が移動できるよう構成しても良く、又、圧入治具１０とロールメッキ装置３０やコネクタハウジング２０側の双方が移動できるよう構成しても良い。

　前記実施形態では、メッキ処理は、メッキローラ部３１を使用して行ったが、図５に示すように、メッキ吹き付け装置４０を使用して行っても良い。メッキ吹き付け装置４０は、金粒子を端子１の表面に噴射して金メッキを施す。又、筆メッキ装置（図示せず）を使用して行っても良い。筆メッキ装置は、金を端子１の表面に塗って金メッキを施す。つまり、メッキ処理できる装置であればそのメッキ手段を問わない。

　前記実施形態では、メッキ処理工程は、端子１に金メッキを施したが、金以外のメッキ処理（例えば錫メッキ、銀メッキ、ニッケルメッキ）を行っても良く本発明が適用可能である。

　前記実施形態では、端子１は、丸ピン端子であったが、いかなる形態の端子（例えば多角形端子、プレス成形の端子）にも本発明は適用できる。

　前記実施形態では、連鎖端子１Ａから端子１を捻り切りで切断したが、いかなる切断方法（例えば、プレス切断、引っ張り切断、刃物による切断）であっても良い。

　前記実施形態では、組付治具は、端子１を把持し、コネクタハウジング２０に圧入できる圧入治具１０であるが、組付治具は、圧入することなく端子１をコネクタハウジング２０に収容できる場合には、単に端子１を保持できるものであれば良い。組付治具は、端子１を把持以外の手段で保持できるものであっても良い。

　圧入治具１０は、導電性材料によって形成されるものであってもよい。圧入治具１０を、導電性材料で形成し、メッキ処理工程における把持治具としてだけでなく、端子１の電位制御のための電極として兼用することにより、別途電極を端子１に取り付ける新たな工程が必要なくなる。このため、メッキ処理工程の作業時間の短縮になり、設備側の部品点数の削減になる。

　圧入治具１０は、耐熱性材料によって形成されるものであってもよい。圧入治具１０を、耐熱性材料で形成することにより、メッキ処理後に焼成する場合であっても、治具着脱時間が不要であり、かつ圧入治具１０が熱によって劣化することを抑制できる。このため、メッキ処理工程の作業時間の短縮となり、かつ圧入治具１０の耐久性を向上させることができる。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。

　本出願は、２０１３年１０月３０日に出願された日本国特許出願第２０１３－２２５０２７号に基づく優先権を主張しており、この出願の全内容が参照により本願明細書に組み込まれる。

　１　端子　１０　圧入治具（組付治具）　２０コネクタハウジング

Claims

　端子にメッキ処理を施すメッキ処理工程と、
　前記端子をコネクタハウジングに組み付けする端子組付工程と、
　を備えた端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法であって、
　前記メッキ処理工程では、前記端子を組付治具で保持して端子にメッキ処理が施され、
　前記端子組付工程では、前記組付治具で保持したメッキ処理後の前記端子が前記コネクタハウジングに組み付けされることを特徴とする端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法。
　請求項１に記載の端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法であって、
　前記メッキ処理工程を経て前記端子組付工程に移動する場合と、
　前記メッキ処理を経ることなく前記端子組付工程に移行する場合と、
　を選択可能であることを特徴とする端子のメッキ処理・コネクタ組み付け方法。